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B 8286:2005  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本ボイ

ラ協会(JBA)/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申

出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。 

これによって,JIS B 8286:1994は改正され,この規格に置き換えられる。 

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。 

B 8286:2005  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

1. 適用範囲 ························································································································ 1 

2. 引用規格 ························································································································ 1 

3. 定義 ······························································································································ 1 

4. のぞき窓の構造 ··············································································································· 1 

5. のぞき窓ガラスの計算厚さ ································································································ 2 

6. のぞき窓ガラスの種類及び特性 ·························································································· 2 

7. のぞき窓ガラスの形状,寸法及び許容差 ·············································································· 2 

7.1 形状 ···························································································································· 2 

7.2 寸法 ···························································································································· 2 

7.3 許容差 ························································································································· 3 

8. のぞき窓ガラスの品質 ······································································································ 3 

9. のぞき窓ガラスの試験方法 ································································································ 4 

10. 検査 ···························································································································· 5 

10.1 形状及び寸法検査 ········································································································· 5 

10.2 外観検査 ····················································································································· 5 

10.3 平均線膨張係数検査 ······································································································ 5 

10.4 曲げ強さ検査 ··············································································································· 5 

10.5 耐圧性,耐熱衝撃性及び耐腐食性検査 ·············································································· 6 

11. 表示 ···························································································································· 6 

12. 記録 ···························································································································· 6 

  

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格         JIS 

B 8286:2005 

圧力容器用のぞき窓 

Sight glasses for pressure vessels 

1. 適用範囲 この規格は,設計圧力30 MPa未満の圧力容器に使用するのぞき窓(以下,のぞき窓とい

う。)の構造及びのぞき窓ガラスについて規定する。 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS B 0621 幾何偏差の定義及び表示 

JIS B 8265 圧力容器の構造−一般事項 

JIS K 6253 加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの硬さ試験方法 

JIS R 3102 ガラスの平均線膨張係数の試験方法 

3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。 

a) 常用最高温度 通常継続して使用できる最高の温度。 

b) 泡 ガラスの素材を溶解し成形,固化させたとき,ガス・空気が残存して生じたもので円形又はだ円

形のもの。 

c) 脈理 ガラス中にあって部分的に化学組成又は密度が平均値から偏っているために屈折率に差が生じ,

肉眼的に識別されるもので,多くはひも状のもの。 

4. のぞき窓の構造 のぞき窓は,内部の必要な箇所が容易に見られるものであり,設計圧力・温度にお

いて十分な強度及び気密性をもち,また,のぞき窓ガラスが過度の曲げを受けることなく固定できる構造

とする。その構造例を図1に示す。 

のぞき窓ガラスは,この規格で規定する円形ガラスを使用し,のぞき窓座,押え板などの材料,計算厚

さ,工作,試験及び検査は,それぞれの構造に応じJIS B 8265による。 

なお,図1 a)に示すのぞき窓は,胴又は鏡板の著しい曲げを受ける部分に取り付けてはならない。 

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B 8286:2005  

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

     a)パット形           b)フランジ形          c)ねじ込み形 

図 1 のぞき窓の構造例 

5. のぞき窓ガラスの計算厚さ 圧力容器に使用するのぞき窓ガラスの計算厚さは,次の式によって求め

る。 

σb

5PA

t=

ここに, 

t: ガラスの計算厚さ(mm) 

P: 設計圧力(MPa) 

A: ガラスの圧力を受ける部分の面積(cm2) 

σb: ガラスの許容曲げ応力(N/mm2) 

 ただし,σbは,表1に掲げる常温曲げ強さの最小値の101と

する。 

6. のぞき窓ガラスの種類及び特性 のぞき窓ガラスの種類,記号,平均線膨張係数,常温曲げ強さの最

小値及び常用最高温度は,表1による。ただし,ソーダ石灰(軟質)については,内容物が腐食性のもの

に使用してはならない。 

表 1 種類,平均線膨張係数,常温曲げ強さの最小値及び常用最高温度 

ガラスの種類(1) 

記号 

平均線膨張係数 

×10-7/℃ 

常温曲げ強さの最小値 

N/mm2 

常用最高温度 

℃ 

 アルミノけい酸塩 

Sa 

38以上50以下 

200 

325 

 ほうけい酸塩 

Sb 

40以上55以下 

150 

200 

 低膨張ほうけい酸塩 

Sc 

37以下 

120 

260 

 ソーダ石灰(軟質) 

Sd 

98以下 

150 

80 

注(1) ガラスは強化処理を施したものとする。 
備考1. 平均線膨張係数の測定は9.b)による。 

2. 曲げ強さの測定は,9.c)による。 

7. のぞき窓ガラスの形状,寸法及び許容差  

7.1 

形状 のぞき窓ガラスの形状は,円形平板とする。 

7.2 

寸法 のぞき窓ガラスの寸法は,表2による。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表 2 寸法 

単位 mm 

外径 

(D) 

厚さ 

(t) 

面取り 

(C) 

20以上〜40未満 

12 

15 

20 

25 

30 

0.8 

40以上〜50未満 

12 

15 

20 

25 

30 

35 

0.8 

50以上〜100未満 

12 

15 

20 

25 

30 

35 

40 

0.8 

100以上〜120未満 

12 

15 

20 

25 

30 

35 

40 

1.0 

120以上〜140未満 

15 

20 

25 

30 

35 

40 

1.0 

140以上〜150未満 

20 

25 

30 

35 

40 

1.0 

150以上〜170未満 

20 

25 

30 

35 

40 

1.5 

170以上〜230未満 

25 

30 

35 

40 

1.5 

230以上〜250以下 

30 

35 

40 

1.5 

7.3 

許容差 D,tの許容差及び平行度と平面度との合計は,次による。 

なお,平行度及び平面度の定義及び表示は,JIS B 0621による。 

a) 

Dの許容差(mm) 

   D≦90のとき D+0,−0.4 

   D>90のとき D+0,−0.5 

b) tの許容差(mm) 

   D≦90のとき t+0.2,−0 

   D>90のとき t+0.3,−0 

c) 平行度と平面度との合計(mm)(2) 

   D≦100のとき 

0.05 

   100<D≦150のとき 

0.10 

   D>150  

0.15 

注(2) ソーダ石灰(軟質)の場合は,ガスケット当り面に対して適用する。ただし,ガラス全体につ

いて平行度と平面度との合計の値を満足する必要がある場合は,受渡当事者間の協議による。 

8. のぞき窓ガラスの品質 のぞき窓ガラスの品質は,次による。 

a) 外観 のぞき窓ガラスは,実用上差し支えない程度の透明度をもち,有害なきず及び異物があっては

ならない。 

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なお,泡及び脈理がある場合は,次による。 

1) 泡 泡は,次による。 

− 平均径(3)0.5 mmを超え1 mm以下の泡は,透視面1 cm2内に2個以下とする。ただし,0.2〜0.5 mm

のものが密集していてはならない。 

注(3) 泡の長径及び短径の平均値とする。 

− 平均径1 mmを超え2 mm以下の泡は,相互間又は側面からの直線距離が50 mm以上離れていな

ければならない。 

− 平均径2 mmを超える泡があってはならない。 

2) 脈理 脈理は,実用上差し支えない範囲とする。 

b) 耐圧性,耐熱衝撃性及び耐腐食性 のぞき窓ガラスは,9. d)の試験を行ったとき,表3を満足しなけ

ればならない。 

表 3 耐圧性,耐熱衝撃性及び耐腐食性 

項 目 

品 質 

耐圧性 

水圧試験を行ったとき,これに耐えなければならない。 

耐熱衝撃性 

熱衝撃試験を行ったとき,破壊してはならない。 

耐腐食性 

腐食試験を行ったとき,表面に実用上差しさわりのあるくもりがなく,かつ,
試料表面1 cm2当たりの質量の減少が7.0 mg以下でなければならない。 

9. のぞき窓ガラスの試験方法 のぞき窓ガラスの試験方法は,次による。ただし,試料の採取方法及び

9.d)の試験項目は,受渡当事者間の協議による。 

a) 形状及び寸法 のぞき窓ガラスの各部の形状及び寸法検査は,ノギス,マイクロメータなどを用いて

行う。 

b) 平均線膨張係数の試験 平均線膨張係数の試験は,JIS R 3102による装置又はこれと同等以上の精度

をもつ装置によって行う。 

c) 曲げ強さ試験 曲げ強さ試験は,製品と同じ材料及び同じ工程で製造された断面が長方形の角柱の試

験片を用いて行い,図2に示すように二点で支持し,二支点間の中央に荷重をかけ,破断したときの

荷重に対して次の式によって算定される曲げ強さを算出する。 

2

2

3

bt

WL

=

σ

ここに, 

σ: 曲げ強さ(N/mm2) 

W: 破断荷重(N) 

L: 二支点間距離(mm) 

b: 試験片の断面の幅(mm) 

t: 試験片の断面の厚さ(mm) 

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単位mm 

:16 

LT 

:150以上 

:30±0.5 

:100±1 

:使用厚さ±0.5 

緩衝材 :ゴム[硬さA40〜60(4),厚さ2] 

注(4) JIS K 6253のスプリング式タイプA40〜60 

図 2 曲げ強さ試験方法 

d) 水圧試験,熱衝撃試験及び腐食試験 水圧試験,熱衝撃試験及び腐食試験は,表4による。 

表 4 水圧,急熱急冷及び腐食試験 

水圧試験 
(耐圧性) 

使用される圧力容器の最高使用圧力の2.0倍の水圧をかけ,30分間保持する。 

熱衝撃試験 
(耐熱衝撃性) 

常用最高温度に均一に加熱された試料を10 ℃の水中に透視面を縦にして垂
直に投入し,急冷する。 

腐食試験 
(耐腐食性) 

オートクレーブを用い,濃度300 mg/Lの水酸化ナトリウム水溶液中に縦につ
り下げて全没させ,約1時間30分かけて徐々に加熱し,試験圧力5.0 MPaに
上げ,その圧力で5時間保持してから放冷し,大気圧となった後試料を取り
出し,軽く水洗いする。 
なお,この試験においては,水酸化ナトリウム水溶液は試料表面積1 cm2当た
り最小5 mLとし,炭素鋼製容器に入れる。 

備考1. 水圧試験及び熱衝撃試験は,製品と同一寸法及び同一工程を経たものを供試体とし,腐

食試験は,外径50 mm×厚さ12 mmの寸法のものを供試体とする。 

2. 6.のただし書きによってソーダ石灰(軟質)は腐食試験の必要はない。 

10. 検査  

10.1 形状及び寸法検査 のぞき窓ガラスの形状及び寸法検査は,9. a)の試験を行ったとき,7.の規定に適

合しなければならない。 

10.2 外観検査 のぞき窓ガラスの外観検査は,目視によって行い,8.a)の規定に適合しなければならない。 

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10.3 平均線膨張係数検査 のぞき窓ガラスの平均線膨張係数検査は,9.b)の試験を行ったとき,平均線膨

張係数が表1の規定に適合しなければならない。 

10.4 曲げ強さ検査 のぞき窓ガラスの曲げ強さ検査は,9.c)の試験を行ったとき,曲げ強さが表1に規定

する常温曲げ強さの最小値以上でなければならない。 

10.5 耐圧性,耐熱衝撃性及び耐腐食性検査 のぞき窓ガラスの耐圧性,耐熱衝撃性及び耐腐食性は,9.d)

の試験を行ったとき,8.b)の規定に適合しなければならない。 

11. 表示 のぞき窓ガラスには,使用上支障がない見やすい箇所にガラスの特性に支障をきたさず,容易

に消えない方法で次の事項を表示する。 

a) 種類の記号,外形及び厚さ 

例 Sa50×20 

Sb100×30 

Sc200×40 

b) 製造番号 

c) 製造業者名又はその略号 

12. 記録 のぞき窓ガラスには,次の試験結果について記録し,試験成績表を発行しなければならない。 

a) 形状及び寸法 

b) 平均線膨張係数の試験 

c) 曲げ強さ試験 

d) 水圧試験 

e) 熱衝撃試験 

f) 

腐食試験 

                       

  

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