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B 8224

:2016

(1)

目  次

ページ

序文  

1

1

  適用範囲  

1

2

  引用規格  

1

3

  用語及び定義  

1

4

  共通事項  

1

4.1

  通則  

1

4.2

  試料採取  

1

4.3

  分析方法  

1

4.4

  試験方法  

2

4.5

  定量範囲  

2

4.6

  繰返し精度  

2

4.7

  水  

2

4.8

  試薬  

4

4.9

  器具類  

4

4.10

  検量線[吸光光度法,原子吸光法,フレーム光度法,ICP 発光分光分析法,ICP 質量分析法,イオ

ンクロマトグラフ法,イオン電極法,有機体炭素(TOC)分析法及び流れ分析法]  

5

4.11

  結果の表示  

5

5

  試料及び試料採取  

5

5.1

  試料  

5

5.2

  試料採取  

5

5.3

  試料の取扱い  

6

5.4

  試料の保存処理  

7

5.5

  試験時期  

7

6

  試料の前処理  

7

6.1

  一般事項  

7

6.2

  塩酸又は硝酸酸性で煮沸  

7

6.3

  塩酸又は硝酸による溶解  

8

6.4

  硝酸と過塩素酸とによる分解  

8

6.5

  硝酸と硫酸とによる分解  

9

6.6

  フレーム原子吸光法,電気加熱原子吸光法,ICP 発光分光分析法及び ICP 質量分析法を適用する場合

の前処理  

9

7

  pH 

10

7.1

  一般事項  

10

7.2

  ガラス電極法  

10

7.3

  pH プロセス用分析装置による測定方法  

13


B 8224

:2016  目次

(2)

ページ

8

  電気伝導率  

14

8.1

  一般事項  

14

8.2

  一般試験  

14

8.3

  酸電気伝導率  

16

8.4

  電気伝導率プロセス用分析装置による測定方法  

18

9

  酸消費量  

20

9.1

  一般事項  

20

9.2

  酸消費量(pH 4.8  

20

9.3

  酸消費量(pH 8.3  

21

10

  硬度  

22

10.1

  一般事項  

22

10.2

  全硬度  

22

10.3

  カルシウム硬度  

24

10.4

  マグネシウム硬度  

24

11

  蒸発残留物  

25

11.1

  一般事項  

25

11.2

  全蒸発残留物  

25

11.3

  溶解性蒸発残留物  

26

12

  有機体炭素(TOC  

26

12.1

  一般事項  

26

12.2

  燃焼酸化−赤外線式 TOC 分析法  

27

12.3

  TOC プロセス用分析計(燃焼酸化−赤外線式)による測定方法  

29

12.4

  湿式酸化−赤外線式 TOC 分析法  

30

12.5

  TOC プロセス用分析計(湿式酸化−赤外線式)による測定方法  

32

13

  ヘキサン抽出物質  

32

13.1

  一般事項  

32

13.2

  試料採取  

33

13.3

  抽出法  

34

14

  溶存酸素  

36

14.1

  一般事項  

36

14.2

  インジゴカルミン比色法  

36

14.3

  隔膜電極法  

39

14.4

  光学式センサ法  

43

14.5

  溶存酸素プロセス用分析装置による測定方法  

45

15

  塩化物イオン(Cl

  

47

15.1

  一般事項  

47

15.2

  チオシアン酸水銀(II)吸光光度法  

47

15.3

  塩化銀比濁法  

48

15.4

  硝酸銀滴定法  

49


B 8224

:2016

(3)

ページ

15.5

  イオン電極法  

51

15.6

  イオンクロマトグラフ法  

53

15.7

  流れ分析法  

56

16

  亜硫酸イオン(SO

3

2

  

59

16.1

  一般事項  

59

16.2

  よう素滴定法  

59

17

  硫酸イオン(SO

4

2

  

63

17.1

  一般事項  

63

17.2

  硫酸バリウム比濁法  

63

17.3

  重量法  

64

17.4

  イオンクロマトグラフ法  

65

17.5

  流れ分析法  

65

18

  りん酸イオン(PO

4

3

)及び加水分解性りん酸イオン  

68

18.1

  一般事項  

68

18.2

  りん酸イオン  

69

18.3

  加水分解性りん酸イオン  

75

19

  シリカ(SiO

2

  

76

19.1

  一般事項  

76

19.2

  イオン状シリカ  

76

19.3

  溶存及びコロイド状シリカ  

84

19.4

  全シリカ  

85

20

  ヒドラジン(N

2

H

4

)[ヒドラジニウムイオン(N

2

H

5

)]  

87

20.1

  一般事項  

87

20.2

  p-ジメチルアミノベンズアルデヒド吸光光度法  

87

20.3

  よう素滴定法  

88

20.4

  流れ分析法  

90

20.5

  ヒドラジン(N

2

H

4

)[ヒドラジニウムイオン(N

2

H

5

)]プロセス用分析装置(酸化還元電極)によ

る測定方法  

92

21

  ナトリウム(Na  

93

21.1

  一般事項  

93

21.2

  フレーム光度法  

93

21.3

  フレーム原子吸光法  

94

21.4

  電気加熱原子吸光法  

95

21.5

  ICP 発光分光分析法  

96

21.6

  ICP 質量分析法  

99

21.7

  イオン電極法  

101

21.8

  イオンクロマトグラフ法  

103

21.9

  ナトリウム(Na)プロセス用分析装置(イオン電極法)による測定方法  

105

22

  カルシウム(Ca  

106

B 8224

:2016  目次


B 8224

:2016  目次

(4)

ページ

22.1

  一般事項  

106

22.2

  キレート滴定法  

106

22.3

  フレーム原子吸光法  

108

22.4

  ICP 発光分光分析法  

109

22.5

  ICP 質量分析法  

109

22.6

  イオンクロマトグラフ法  

111

23

  マグネシウム(Mg  

111

23.1

  一般事項  

111

23.2

  キレート滴定法  

111

23.3

  フレーム原子吸光法  

111

23.4

  ICP 発光分光分析法  

112

23.5

  ICP 質量分析法  

113

23.6

  イオンクロマトグラフ法  

113

24

  銅(Cu  

113

24.1

  一般事項  

113

24.2

  ジエチルジチオカルバミド酸吸光光度法  

113

24.3

  クプリゾン吸光光度法  

115

24.4

  ジンコン吸光光度法  

116

24.5

  フレーム原子吸光法  

117

24.6

  電気加熱原子吸光法  

119

24.7

  ICP 発光分光分析法  

120

24.8

  ICP 質量分析法  

123

25

  亜鉛(Zn  

125

25.1

  一般事項  

125

25.2

  フレーム原子吸光法  

125

25.3

  電気加熱原子吸光法  

126

25.4

  ICP 発光分光分析法  

127

25.5

  ICP 質量分析法  

127

26

  鉄(Fe  

127

26.1

  一般事項  

127

26.2

  1,10-フェナントロリン吸光光度法  

127

26.3

  2,4,6-トリ-2-ピリジル-1,3,5-トリアジン吸光光度法  

129

26.4

  フレーム原子吸光法  

131

26.5

  電気加熱原子吸光法  

132

26.6

  ICP 発光分光分析法  

133

26.7

  ICP 質量分析法  

133

附属書 A(参考)試料及び試料採取  

139


B 8224

:2016

(5)

ページ

附属書 B(参考)濁度,アルカリ消費量,懸濁物質,100  ℃における過マンガン酸カリウムによる酸素消

費量,溶存酸素,残留塩素,塩化物イオン,硫酸イオン,りん酸イオン,アンモニア,ニッケル及びアル

ミニウムの測定に関する補足  

152

附属書 C(参考)脱ガス酸電気伝導率の測定  

200

附属書 D(参考)腐食電位及び酸化還元電位の測定  

204

参考文献  

211

B 8224

:2016  目次


B 8224

:2016  目次

(6)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般社団法人火力

原子力発電技術協会(TENPES)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本

工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本

工業規格である。

これによって,JIS B 8224:2005 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 B

8224

:2016

ボイラの給水及びボイラ水−試験方法

Boiler feed water and boiler water-Testing methods

序文 

この規格は,1961 年に制定され,その後 5 回の改正を経て今日に至っている。前回の改正は 2005 年に

行われたが,その後の JIS K 0102 及び JIS B 8223 の改正に対応するために改正した。

なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。

適用範囲 

この規格は,ボイラの給水(以下,給水という。

,ボイラ水及び蒸気の試験方法について規定する。

なお,

附属書 に試料及び試料採取を,附属書 に濁度,アルカリ消費量,懸濁物質,100  ℃における

過マンガン酸カリウムによる酸素消費量,溶存酸素,残留塩素,塩化物イオン,硫酸イオン,りん酸イオ

ン,アンモニア,ニッケル及びアルミニウムの測定に関する補足を,

附属書 に脱ガス酸電気伝導率の測

定を,

附属書 に腐食電位及び酸化還元電位の測定を,それぞれ参考として記載する。

引用規格 

付表 に示す規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これら

の引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS B 8223JIS K 0101JIS K 0102JIS K 0211 及び JIS K 0215

によるほか,次による。

3.1 

プロセス用分析装置 

プロセス用分析装置とは,プロセスにおいて,連続的に,又は一定周期ごとに分析する定置形の装置を

いう。

共通事項 

4.1 

通則 

化学分析に共通する一般事項は,JIS K 0050 による。

4.2 

試料採取 

試料採取に共通する一般事項は,JIS K 0094 による。

4.3 

分析方法 

a) 

吸光光度法  吸光光度法に共通する一般事項は,JIS K 0115 による。吸収セルについて規定がない場

合には,光路長が 10 mm のものを用いる。


2

B 8224

:2016

b) 

誘導結合プラズマ発光分光分析法  誘導結合プラズマ発光分光分析法(以下,“ICP 発光分光分析法”

という。

)に共通する一般事項は,JIS K 0116 による。

c) 

原子吸光法  原子吸光法には,フレーム原子吸光法,電気加熱方式原子吸光法(以下,“電気加熱原子

吸光法”という。

)などがある。これらに共通する一般事項は,JIS K 0121 による。

d) 

イオン電極法  イオン電極法に共通する一般事項は,JIS K 0122 による。

e) 

イオンクロマトグラフ法  イオンクロマトグラフ法に共通する一般事項は,JIS K 0127 による。

f) 

高周波プラズマ質量分析法  高周波プラズマ質量分析法(以下,“ICP 質量分析法”という。)に共通

する一般事項は,JIS K 0133 による。

g) 

流れ分析法  流れ分析法に共通する一般事項は,JIS K 0126 による。

4.4 

試験方法 

この規格で規定していない試験方法は,JIS K 0101 又は JIS K 0102 による。

4.5 

定量範囲 

それぞれの試験方法に示してある定量範囲は,主として検量線の濃度(mg/L 又は µg/L)で表示する。

4.6 

繰返し精度 

繰返し精度は,それぞれの試験方法の定量範囲内において繰返し試験で求めた変動係数(%)で示し,

次のとおりとする。

100

x

%

×

=

σ

変動係数(

ここに,

σ

標準偏差

x

平均値

4.7 

 

この規格で用いる水は,

JIS K 0557

で規定する

A1

A4

の水とするが,各箇条で規定する場合には,そ

れに従う。

a) 

二酸化炭素を含まない水

JIS K 0050

附属書 E

(特殊用途の水の調製方法及び保存方法)参照。

二酸化炭素を除いた水の調製方法は,次の

1)

4)

  のいずれか,又はそれらの二つ以上を組み合わせ

たものを用い,使用時に調製する。保存する場合は,

図 1

と同様な装置を用い,ガス洗浄瓶に水酸化

カリウム溶液(250 g/L)

JIS K 8574

で規定する水酸化カリウムを用いて調製する。

)又は

JIS K 8603

で規定するソーダ石灰の二酸化炭素吸収用 1 号を入れ,空気中の二酸化炭素を遮断して保存する。

1)  JIS K 0557

で規定する

A2

又は

A3

の水をフラスコに入れ,約 5 分間煮沸して二酸化炭素を除去した

後,

図 1

と同様な装置を用い,ガス洗浄瓶に水酸化カリウム溶液(250 g/L)又は

JIS K 8603

で規定

するソーダ石灰の二酸化炭素吸収用 1 号を入れ,空気中の二酸化炭素を遮断して放冷する。

2) JIS 

0557

で規定する

A2

又は

A3

の水をフラスコに入れ,

JIS K 1107

で規定する窒素 2 級を約 15

分間通気して,二酸化炭素を除去する。

3)  JIS K 0557

で規定する

A2

又は

A3

の水を,二酸化炭素分離膜を用いたガス分離管に通水し,二酸化

炭素を除去する。

4)  JIS K 0557

で規定する

A2

又は

A3

の水を,超音波振動装置で十分脱気を行い,二酸化炭素を除去す

る。


3

B 8224

:2016

A:平底フラスコ  1 000 mL 
B:ガス洗浄瓶  250 mL 
C:ゴム栓 
D:ゴム管 
E:水酸化カリウム溶液(250 g/L)

図 1

二酸化炭素を含まない水の冷却,保存の一例 

b) 

溶存酸素を含まない水

JIS K 0050

附属書 E

(特殊用途の水の調製方法及び保存方法)参照。

]  溶

存酸素を除いた水の調製方法は,次の

1)

5)

  のいずれか,又はそれらの二つ以上を組み合わせたもの

を用い,使用時に調製する。保存する場合は,

図 2

のようにアルカリ性ピロガロール溶液を入れたガ

ス洗浄瓶を連結し,空気中の酸素を遮断して保存する。

JIS K 8780

で規定するピロガロール(1,2,3-

ベンゼントリオール)6 g を水 50 mL に溶かし,着色瓶に保存する。別に,

JIS K 8574

で規定する水

酸化カリウム 30 g を水 50 mL に溶かす。使用時に両液を混合する。この溶液 1 mL は,酸素約 12 mL

(約 17 mg)を吸収する。

1)

JIS K 0557

で規定する

A2

又は

A3

の水をフラスコに入れ,

約 5 分間煮沸して溶存酸素を除去した後,

図 2

のようにアルカリ性ピロガロール溶液を入れたガス洗浄瓶を連結して,空気中の酸素を遮断し

て放冷する。

2)

JIS K 0557

で規定する

A2

又は

A3

の水をフラスコに入れ,

JIS K 1107

で規定する窒素 2 級を約 15

分間通気して溶存酸素を除去する。

3)

JIS K 0557

で規定する

A2

又は

A3

の水を,酸素分離膜を用いたガス分離管に通水し,溶存酸素を除

去する。

4)

JIS K 0557

で規定する

A2

又は

A3

の水を,

超音波振動装置で十分脱気を行い,

溶存酸素を除去する。

5)

JIS K 0557

で規定する

A2

又は

A3

の精製直後の水を,

JIS K 1107

で規定する窒素 2 級を通じた三角

フラスコに泡立てないように採取したもの。

A:平底フラスコ  1 000 mL 
B:ガス洗浄瓶  250 mL 
C:ゴム栓 
D:ゴム管 
E:アルカリ性ピロガロール溶液

図 2

溶存酸素を含まない水の冷却,保存の一例 


4

B 8224

:2016

4.8 

試薬 

a)

  試薬は,日本工業規格(以下,“

JIS

”という。

)で規定するもので,試験に支障のないものを用いる。

JIS

で規定がない場合は,試験に支障がない品質のものを用いる。

電気加熱原子吸光法,ICP 質量分析法など,ごく低濃度の試験には,特に高純度の試薬を用いる。

高純度の試薬には,

JIS K 9901

で規定する高純度試薬−硝酸,

JIS K 9902

で規定する高純度試薬−塩

酸,

JIS K 9904

で規定する高純度試薬−過塩素酸,

JIS K 9905

で規定する高純度試薬−硫酸などがあ

る。

滴定液類の標定には,

JIS K 8005

で規定する容量分析用標準物質を用いる。

b)

  試薬類の濃度は,特に断らない限り,質量濃度は g/L 又は mg/L,モル濃度は mol/L 又は mmol/L で示

す。

なお,化合物の質量は,名称の後に括弧で示し,無水物としての値を用いる。

標準液の濃度は,1 L 中の質量(mg/L 又は µg/L)で表す。

c)

  試薬類の溶液名称の後に括弧で示す濃度は,標準液以外は概略の濃度であることを意味する。例えば,

水酸化ナトリウム溶液(0.1 mol/L)は,約 0.10 mol/L の水酸化ナトリウム溶液であることを示す。ま

た,液体試薬 A と液体試薬 B との混合溶液の濃度は,A(a+b)で表す。この表し方は A と B とを a

mL と b mL との割合で混合したことを示す。

なお,溶液名の前に示す濃度は,正確な濃度を意味する。端数のない数値で示し,別にファクタを

求めておく。

d)

  試薬類の調製に用いる水は,

4.7

の水のうちの

A3

又は

A4

の水とするが,各箇条で規定する場合には,

それに従う。

e)

  標準液を薄めて低濃度の標準液を調製する場合には,特に断りのない限り,10 mL 以上の全量ピペッ

トでとる。

f)

  試薬類の名称は,国際純正及び応用化学連合(

IUPAC

)の無機化学命名法及び有機化学命名法を基に

して,公益社団法人日本化学会が定めた化合物命名法及び

JIS

試薬の名称に整合させた。

g)

  試薬類,廃液類などによる室内汚染,人体への吸収,付着などに注意する。また,その取扱いについ

ては,関連法令,規則などに従う。

h)

  標準液は次による。

1)

  標準液,混合標準液は,国家計量基準(計量法第 134 条)で規定するトレーサビリティが確保され

たものを用いる。

参考

  トレーサビリティが確保された試薬としては,

JCSS

マークを付けたものがある。

2)

  試験に用いる混合標準液は各試験方法の規定による。濃度保証された市販の分析用標準液を用いて

もよい。

3)

  対象物質をそれぞれ単独で試験する場合には,必要な物質の標準液を調製する。

4.9 

器具類 

この規格で用いるガラス器具,磁器るつぼ,磁器蒸発皿,白金るつぼ,白金蒸発皿及びろ紙は,次によ

る。

なお,シリカ,ナトリウムを試験する場合には,ほうけい酸ガラスからのこれらの成分の溶出に十分に

注意する。

a)

  ガラス器具は,特に断らない限り,

JIS R 3503

及び

JIS R 3505

で規定するものを使用する。ただし,

特殊な器具を必要とする場合には,各箇条に,その一例を図示又は説明する。また,加熱操作を伴う


5

B 8224

:2016

場合には,特に断らない限り,

JIS R 3503

で規定するほうけい酸ガラス−1 を用いる。

デシケータに用いる乾燥剤は,特に断らない限り,

JIS Z 0701

で規定する包装用シリカゲル乾燥剤

A 形 1 種を用いる。

b)

  磁器るつぼ及び磁器蒸発皿は,それぞれ

JIS R 1301

及び

JIS R 1302

で規定するものを使用する。

c)

  白金るつぼ及び白金蒸発皿は,それぞれ

JIS H 6201

及び

JIS H 6202

で規定するものを使用する。

d)

  ろ紙は,

JIS P 3801

で規定する定量分析用を使用する。ただし,ろ紙の種類は,各箇条で規定する。

4.10 

検量線[吸光光度法,原子吸光法,フレーム光度法,ICP 発光分光分析法,ICP 質量分析法,イオ

ンクロマトグラフ法,イオン電極法,有機体炭素(TOC)分析法及び流れ分析法] 

a)

  検量線の作成に当たっては,試験方法に示す定量範囲内を 4∼6 段階に分け,これに一致するように標

準液をとる。

b)

  検量線は定量範囲内について作成する。

c)

  原子吸光法,フレーム光度法,ICP 発光分光分析法,ICP 質量分析法,イオンクロマトグラフ法,イ

オン電極法,有機体炭素(TOC)分析法及び流れ分析法の試験では,試験に際して新たに作成した検

量線を用い,

多数の試料に対して同一の分析項目を連続して試験する場合には,

試験の途中において,

適宜,標準液を用いて指示値(又はその比例値)の確認を行う。

d)

  吸光光度法では,あらかじめ作成した検量線を用いることもできる。

4.11 

結果の表示 

試験結果の表示は,次による。

a)

  試験方法が二つ以上あるときは,用いた試験方法を明記する。

b)

  濃度は mg/L 又は µg/L で表す。

試料及び試料採取 

5.1 

試料 

試料は,各種の試験を行うために給水,ボイラ水及び蒸気から採取した水を指し,試料は,それぞれの

採取位置における給水,ボイラ水及び蒸気を代表できるものでなければならない。

5.2 

試料採取 

試料採取は,次による。

5.2.1 

試料容器 

試料容器は,特に規定がない限り,

JIS R 3503

で規定するほうけい酸ガラス−1 の無色の共栓瓶,

JIS Z 

1703

で規定する共栓ポリエチレン瓶,共栓ポリプロピレン瓶などを用いる。また,試料容器は,試料に外

部からの物質の混入及び試料から試験成分が逃げるのを防ぐため,密栓できるものを用いる。ただし,栓

にはゴム,コルクなどを用いない。

未使用の新しい試料容器は,まず,温硝酸(1+10)又は温塩酸(1+10)で洗浄し,更に水又は中性洗

剤などを用いて洗浄する。洗浄後は水を満たしておく。

一度使用した試料容器を再使用する場合には,温塩酸(1+5)で洗浄し,更に水で十分に洗浄する。

5.2.2 

試料採取位置 

給水,ボイラ水及び蒸気の試料は,

JIS B 8223

で規定する位置,又は試験目的に最適な位置から採取す

る。

5.2.3 

試料採取装置 

給水,ボイラ水及び蒸気の試料を採取する場合には,試料の冷却部及び減圧系統を通して採取する。た


6

B 8224

:2016

だし,試料が 50  ℃未満,圧力 2 MPa 以下ならば冷却器及び減圧装置を省略することができる。

a) 

試料導管

  試料導管は,各系統から取り出した試料を冷却器に導くためのもので,その材料は

JIS G 

3463

で規定するボイラ・熱交換器用ステンレス鋼鋼管,又は

JIS G 3459

で規定する配管用ステンレス

鋼鋼管を用いる。ただし,試験項目及び試料の濃度によっては,

JIS G 3454

で規定する圧力配管用炭

素鋼鋼管,又は

JIS G 3456

で規定する高温配管用炭素鋼鋼管を用いてもよい。

b) 

冷却器

  冷却器の材料は,高圧ボイラ用にはステンレス鋼を用いる。冷却器の能力は室温以下(溶存

酸素を定量する試料を採取する場合には,室温より約 2  ℃低くする。

)の試料が 1 L/min 以上の流量で

採取できるものとする。

c) 

減圧装置

  減圧装置は,試料採取系統の各弁を全開した状態で,試料が 1∼2 L/min の割合で採取でき

るように減圧できるものとする。

d) 

ボイラ内試料採取管

  ボイラは,試料が採取できる連続ブロー装置,ボイラ水試料採取用内管などを

備えたものとする。

e) 

蒸気採取ノズル

  蒸気採取ノズルは蒸気取入れ孔をもち,蒸気管にはめ合わせ,ノズルの蒸気取入れ

孔から流入した蒸気を試料導管に導き,採取できる構造とする。

5.2.4 

試料採取操作 

試料の採取操作は,次による。

a) 

採取操作

  ヘキサン抽出物質,溶存酸素,亜硫酸イオン及びヒドラジニウムイオンを試験する場合の

試料採取は,それぞれの試験項目による。これ以外の試験項目については,次による。

試料採取装置の試料出口管の先端に軟質塩化ビニル管を取り付け,流出する試料を試料容器の容量

の約 1/4 量を入れて激しく振り混ぜて洗浄(5 回繰り返す)する。次に,試料容器の底面に軟質塩化

ビニル管の先端が接するようにして,試料容器の容量の約 5 倍量の試料を十分に流出させた後,軟質

塩化ビニル管を取り出し,共栓を試料で十分に洗った後,密栓する。

ただし,鉄,銅及び亜鉛を試験する場合には,軟質塩化ビニル管の表面に試料中の鉄,銅及び亜鉛

が吸着する可能性があるので,軟質塩化ビニル管が試料容器の内面及び試料容器中の試料液面に接し

ないように採取する。

b) 

採取量

  試料の採取量は,試験目的及び試験項目数によって決定する。

5.2.5 

試料採取時の記録事項 

試料採取時には,次の事項を記録する。その他必要に応じて追加する。

a)

  試料の名称

b)

  試料採取位置

c)

  採取年月日及び時刻

5.2.6 

留意事項 

試料採取装置を新設した場合,又はボイラを長期間停止し,再始動する場合には,試料元弁を開いた後,

試料導管フラッシング弁を開き,十分に試料導管部を洗浄する。その後,化学分析系統だけに試料を流し

て,試料採取装置内の洗浄を行う。次に,水質監視計器を含めた全系統に試料を 24 時間以上流して全体の

洗浄を行う。

5.3 

試料の取扱い 

金属元素の試験は,試料中に含まれる全量について行う。このため試料に懸濁物がある場合は,十分に

振り混ぜて均一にした後,試料を採取して試験に用いる。ただし,金属元素のうちナトリウム,カルシウ

ム,マグネシウム及び陰イオンの試験では,特に断らない限り,ろ過した試料を用いる。


7

B 8224

:2016

溶存状態のものだけを試験する場合には,試料採取後,直ちにろ紙 5 種 C(又はろ紙 6 種)又は孔径 0.45

∼1 µm のろ過材を用いてろ過し,初めのろ液約 50 mL を捨て,その後のろ液を試料とする。

5.4 

試料の保存処理 

試験は,特に断らない限り,試料採取後,直ちに行う。直ちに試験ができずに保存(又は運搬が必要な

場合)する場合は,

JIS K 0094

7.

(試料の保存処理)に従って

5.4.2

のように行い,なるべく早く試験す

る。冷所に保存する場合には,凍結させないようにする。

5.4.1 

試薬 

試薬は,次による。

a) 

塩酸

JIS K 8180

で規定するもの。

b) 

硝酸

JIS K 8541

で規定するもの。

5.4.2 

保存処理 

保存処理は,次による。

a)

  銅,亜鉛,鉄を試験する試料は,硝酸で pH を約 1 にする。鉄(II)を試験する試料は,塩酸を用いる。

電気加熱原子吸光法及び ICP 質量分析法を適用する場合は,

JIS K 9901

で規定する高純度試薬−硝酸

を用いる。

溶存状態の金属元素を試験する試料は,試料採取直後,

5.3

によって試料をろ過した後,硝酸を加え

て pH を約 1 にして保存する。

b)

  ヒドラジンの試験に用いる試料は,塩酸を加えて pH を 2∼3 にする。

c)

  ヘキサン抽出物質の試験に用いる試料は,塩酸(1+1)[

5.4.1 a)

  の塩酸を用いて調製する。]を加え

て pH を約 4 にする。

d)

  有機体炭素(TOC)の試験に用いる試料は,0∼10  ℃の暗所に保存し,できるだけ早く試験する。

5.5 

試験時期 

試験は,特に断らない限り,試料採取後,直ちに行う。保存処理を行うことによって,試料中の成分の

変質を防止できるものについては,

5.4.2

の操作を行った後,できるだけ早く試験する。

溶存酸素,亜硫酸イオンの試験は,試料採取現場において試料採取後,直ちに行う。pH,電気伝導率の

試験は,試料採取後,直ちに行う。緩衝作用の弱い試料の pH を測定する場合には,できるだけ空気との

接触を防いで流液形の測定セルを用いて測定する。

試料の前処理 

6.1 

一般事項 

試料の前処理操作は,各試験項目で規定するが,金属元素の試験における前処理操作は,金属元素の種

類に関係なく共通するものがほとんどであるため,一括して

6.2

6.6

で規定する。ただし,金属元素のう

ちナトリウム,カルシウム,マグネシウムなどの試験の前処理は,それぞれの試験項目において規定する。

金属元素の試験に用いる試料の前処理は,主として共存する有機物,懸濁物及び金属錯体の分解を目的

としている。前処理には,試料に各種の酸を加えて加熱する方法を用いるが,試料の状態及び試験の種類

によって適切な方法を選択する。

6.2 

塩酸又は硝酸酸性で煮沸 

この方法は,

有機物及び懸濁物が極めて少ない試料及び溶存状態の金属元素を試験する場合に適用する。

6.2.1 

試薬 

試薬は,次による。


8

B 8224

:2016

a) 

塩酸

5.4.1 a)

  による。

b) 

硝酸

5.4.1 b)

  による。

6.2.2 

操作 

操作は,次による。

a)

  試料 100 mL につき塩酸 5 mL 又は硝酸 5 mL を加える。溶存状態の金属元素を試験する場合には,

5.3

によってろ過した試料を用いる。

b)

  加熱して約 10 分間静かに煮沸する。

c)

  放冷後,必要に応じて水で一定量にする。

6.3 

塩酸又は硝酸による溶解 

この方法は,有機物が少なく,懸濁物として水酸化物,酸化物,硫化物,りん酸塩などを含む試料に適

用する。

6.3.1 

試薬 

試薬は,次による。

a) 

塩酸

5.4.1 a)

  による。

b) 

硝酸

5.4.1 b)

  による。

6.3.2 

操作 

操作は,次による。

a)

  試料を振り混ぜた後,直ちにビーカにとり,試料 100 mL につき塩酸 5 mL 又は硝酸 5 mL を加える。

b)

  加熱して液量が約 15 mL になるまで濃縮する。

c)

  不溶解物が残った場合には,ろ紙 5 種 B でろ過した後,水でよく洗浄する。

d)

  放冷後,ろ液と洗液を適切な容量の全量フラスコに移し入れ,水を標線まで加える。

6.3.3 

留意事項 

塩酸と硝酸との混酸による溶解が有利な試料の場合には,

6.3.2 b)

  までの操作を行った後,室温まで放

冷する。

6.3.2 a)

  で塩酸を使用したときは硝酸 5 mL を,硝酸を使用したときは塩酸 5 mL を加え,時計皿

で覆い再び加熱し,激しい反応の終了後,時計皿を取り除き,更に加熱して窒素化合物を追い出し,約 5 mL

になるまで濃縮する。この操作で酸が不足している場合には,適量の塩酸及び硝酸を加え,同じ操作で加

熱して溶かす。不溶解物が残った場合には,温水 15 mL を加え

6.3.2 c)

  及び

6.3.2 d)

  の操作を行う。

6.4 

硝酸と過塩素酸とによる分解 

この方法は,酸化されにくい有機物を含む試料に適用する。

6.4.1 

試薬 

試薬は,次による。

a) 

過塩素酸

JIS K 8223

で規定するもの。

b) 

硝酸

5.4.1 b)

  による。

6.4.2 

操作 

操作は,次による。

a)

  試料をよく振り混ぜ,直ちにその適量をビーカ又は磁器蒸発皿にとる。

b)

  硝酸 5∼10 mL を加え,加熱板上で静かに加熱して約 10 mL になるまで濃縮し,放冷する。ケルダー

ルフラスコに移して分解してもよい。

c)

  硝酸 5 mL を加え,過塩素酸 10 mL を少量ずつ加え,加熱を続け,過塩素酸の白煙が発生し始めたら,

時計皿で容器を覆い,過塩素酸が器壁を流下する状態に保って有機物を分解する。


9

B 8224

:2016

d)

  有機物が分解しないで残ったときは,更に硝酸 5 mL を加えて

c)

  の操作を繰り返す。

e)

  放冷後,水を加えて液量を約 50 mL に薄め,不溶解物が残った場合には,ろ紙 5 種 B を用いてろ過し,

水で洗い,ろ液と洗液を適切な容量の全量フラスコに移し入れ,水を標線まで加える。

警告

  過塩素酸を用いる加熱分解操作は,試料の種類によっては爆発の危険性があるため,次のこ

とに注意する。

i)

酸化されやすい有機物は,過塩素酸を加える前に,

b)

  の操作によって十分に分解してお

く。

ii)

  過塩素酸の添加は,必ず濃縮液を放冷した後に行う。

iii)

  必ず過塩素酸と硝酸とを共存させた状態で加熱分解を行う。

iv)

  濃縮液を乾固させない。

6.5 

硝酸と硫酸とによる分解 

この方法は,多種類の試料に適用することができるが,水溶液をそのまま噴霧するフレーム原子吸光法

を適用する場合には,干渉があるので,注意する。

6.5.1 

試薬 

試薬は,次による。

a) 

硝酸

5.4.1 b)

  による。

b) 

硫酸(11

  水 1 容をビーカにとり,これを冷却し,かき混ぜながら

JIS K 8951

で規定する硫酸 1

容を徐々に加える。

6.5.2 

操作 

操作は,次による。

a)

  試料をよく振り混ぜ,直ちにその適量をビーカ又は磁器蒸発皿にとり,硝酸 5∼10 mL を加える。

b)

  加熱して,液量が約 10 mL になったら,再び硝酸 5 mL と硫酸(1+1)10 mL とを加え,硫酸の白煙

が発生し,有機物が分解するまで加熱する。ケルダールフラスコに移して分解してもよい。

c)

  有機物の分解が困難なときは,更に硝酸 10 mL を加え,

b)

  の操作を繰り返す。

d)

  放冷後,水で液量を約 50 mL に薄める。不溶解物が残った場合には,ろ紙 5 種 B を用いてろ過し,水

で洗い,ろ液と洗液を適切な容量の全量フラスコに移し入れ,水を標線まで加える。

6.5.3 

留意事項 

鉛が含まれていて沈殿を生じる場合には,

6.4

又は次による。

6.5.2 b)

  の操作を行って溶液をほとんど蒸発乾固し,水約 30 mL と塩酸 15 mL とを加え,加熱して溶か

す。不溶解物がある場合には,ろ紙 5 種 B を用いてろ過した後,温塩酸(1+10)で洗浄する。放冷後,

ろ液と洗液とを適切な容量の全量フラスコに移し入れ,水を標線まで加える。

6.6 

フレーム原子吸光法,電気加熱原子吸光法,ICP 発光分光分析法及び ICP 質量分析法を適用する場

合の前処理 

試料に含まれている有機物及び懸濁物の量,その存在状態及び適用しようとする原子吸光法,ICP 発光

分光分析法,ICP 質量分析法などの特徴を十分に考慮して

6.2

6.5

に示した方法のうち最適なものを選択

して前処理する。

原子吸光法又は ICP 発光分光分析法に先立って溶媒抽出法を適用する場合の前処理は,特に断らない限

り,各箇条のとおりとし,妨害するおそれのある有機物その他の妨害物質を十分に分解する。

試料をそのまま噴霧する方法による原子吸光法又は ICP 発光分光分析法を適用する場合には,次に示す

前処理を行ってもよい。


10

B 8224

:2016

有機物及び懸濁物が極めて少ない試料の場合は,

6.2

の操作を行う。有機物又は懸濁物を含む試料の一般

的な前処理方法としては,

6.4

又は

6.5

を適用する。この場合,白煙を十分に発生させて大部分の硫酸及び

過塩素酸を除去しておく。

ICP 質量分析法の場合は,酸の種類及び濃度によって空試験値が無視できないことがあるので,測定す

る元素についてあらかじめ酸の種類及び濃度の影響について調べておく。

いずれの前処理方法を適用するかは,試料に一定量の目的成分を添加して回収試験を行い,その結果に

基づいて判断するとよい。

前処理定容した試料の酸の種類,濃度は,特に断らない限り,フレーム原子吸光法又は ICP 発光分光分

析法を適用する場合には,塩酸又は硝酸酸性,電気加熱原子吸光法及び ICP 質量分析法を適用する場合は,

硝酸酸性とし,フレーム原子吸光法及び電気加熱原子吸光法の場合には,0.1∼1 mol/L,ICP 発光分光分析

法においては,0.1∼0.5 mol/L とする。また,ICP 質量分析法の場合には,硝酸酸性,濃度は 0.1∼0.5 mol/L

とする。ただし,いずれの場合も検量線作成時の場合とほぼ同じ濃度とする。

6.6.1 

留意事項 

ICP 発光分光分析法の場合,硫酸酸性では試料導入量が少なく感度が悪くなることがあるので,

6.5

の適

用は,やむを得ない場合だけとする。

7 pH 

7.1 

一般事項 

pH の測定には,

JIS Z 8802

によるガラス電極法又は pH プロセス用分析装置による測定方法を適用する。

pH は試料採取後,直ちに測定する。

7.2 

ガラス電極法 

ガラス電極を用いた pH 計によって pH を測定する。

7.2.1 

試薬 

試薬は,次による。

a) 

JIS K 0557

で規定する

A2

又は

A3

の水。ほう酸塩 pH 標準液及び炭酸塩 pH 標準液を調製する場

合は,

4.7 a)

  の二酸化炭素を含まない水を用いる。

b) 

二しゅう酸三水素カリウム二水和物

JIS K 8474

で規定するもの。

c) 

フタル酸水素カリウム

JIS K 8809

で規定するフタル酸水素カリウムの pH 標準液用。

d) 

りん酸二水素カリウム

JIS K 9007

で規定するりん酸二水素カリウムの pH 標準液用。

e) 

りん酸水素二ナトリウム

JIS K 9020

で規定するりん酸水素二ナトリウムの pH 標準液用。

f) 

四ほう酸ナトリウム十水和物

JIS K 8866

で規定する四ほう酸ナトリウム十水和物の pH 標準液用。

g) 

炭酸水素ナトリウム

JIS K 8622

で規定する炭酸水素ナトリウムの pH 標準液用。

h) 

炭酸ナトリウム

JIS K 8625

で規定する炭酸ナトリウムの pH 標準液用。

i) pH

標準液

  pH 標準液は,次による。

1) 

調製 pH 標準液

  調製 pH 標準液は,

JIS Z 8802

7.3.2

(調製方法)による。

2) 

認証 pH 標準液

  国家計量標準とのトレーサビリティが確認された認証 pH 標準液は,第 2 種を用

いる。

3)

 pH 標準液の各温度での pH は,

表 1

及び

表 2

による。この表に記載しない温度における pH は,補

間して求める。

4)

  各 pH 標準液は,長期間保存すると pH が変化することがあるので長期間保存したものは使用しない。


11

B 8224

:2016

特に,ほう酸塩 pH 標準液及び炭酸塩 pH 標準液は,容易に大気中の二酸化炭素を吸収し,pH が低

下するので注意する。

5)

  各 pH 標準液は,一度使用したもの及び大気中に開放して放置したものは使用しない。

表 1

調製 pH 標準液の各温度における pH の典型値 

温度

pH

しゅう酸塩

フタル酸塩

中性りん酸塩

ほう酸塩

炭酸塩

a)


5

10 
15 
20 
25 
30 
35 
38 
40 
45 
50 
55 
60 
70 
80 
90 
95

1.67 
1.67 
1.67 
1.67 
1.68 
1.68 
1.69 
1.69

1.70 
1.70 
1.71 
1.72 
1.73 
1.74 
1.77 
1.80 
1.81

4.01
4.01
4.00
4.00
4.00
4.01
4.01
4.02

4.03
4.04
4.06
4.08
4.10
4.12
4.16
4.20
4.23

6.98
6.95
6.92
6.90
6.88
6.86
6.85
6.84

6.84
6.83
6.83
6.84
6.84
6.85
6.86
6.88
6.89

9.46
9.39
9.33
9.27
9.22
9.18
9.14
9.10

9.07
9.04
9.01
8.99
8.96
8.93
8.89
8.85
8.83

10.32

(10.25)

10.18

(10.12) 
(10.07)

10.02

(9.97) 
(9.93)

9.91

− 
− 
− 
− 
− 
− 
− 
− 

a)

  括弧内の値は,2 次補間値を示す。

表 2

認証 pH 標準液の各温度における pH の典型値

a)

(参考) 

温度

pH

しゅう酸塩

フタル酸塩

中性りん酸塩

ほう酸塩

炭酸塩

第 2 種

第 2 種

第 2 種

第 2 種

第 2 種


5

10 
15 
20 
25 
30 
35 
38 
40 
45 
50 
55 
60 
70 
80 
90 
95

1.67 
1.67 
1.67 
1.67 
1.68 
1.68 
1.68 
1.69 
1.69 
1.69 
1.70 
1.71 
1.72 
1.72 
1.74 
1.77 
1.79 
1.81

4.00
4.00
4.00
4.00
4.00
4.01
4.02
4.02
4.03
4.04
4.05
4.06
4.08
4.09
4.13
4.16
4.20
4.23

6.98
6.95
6.92
6.90
6.88
6.86
6.85
6.84
6.84
6.84
6.83
6.83
6.83
6.84
6.84
6.86
6.88
6.89

9.46
9.40
9.33
9.28
9.22
9.18
9.14
9.10
9.08
9.07
9.04
9.01
8.98
8.96
8.92
8.88
8.85
8.83

10.32 
10.24 
10.18 
10.12 
10.06 
10.01

9.97 
9.92

9.89 
9.86 
9.83

− 
− 
− 
− 
− 

a)

  OIML recommendation (R054-e81)  に記載の値を小数点以下 2 桁に丸めたものである。JIS 

Z 8802

による。


12

B 8224

:2016

7.2.2 

器具及び装置 

器具及び装置は,次による。

a) pH

  繰返し精度が±0.05 の精度のもの(

JIS Z 8802

で規定する形式 II 相当)を用いる。

b) 

温度計

  許容差±1  ℃のもの。

JIS B 7411

規格群で規定する一般用ガラス製棒状温度計の 50 度温度計

又は

JIS C 1602

で規定する熱電対を用いる。

7.2.3 pH

計の校正 

pH 計の校正は,次による。

a)

 pH 計の電源を入れ,検出部(ガラス電極,参照電極,温度補償電極など)を取り付ける。電極の特性

が安定するよう校正作業に入る前に電極が 30 分間以上,水に浸された状態であることを確認する。

b)

  電極を水で洗浄し,中性りん酸塩 pH 標準液を入れたビーカに浸す。温度補償用ダイヤル又はデジタ

ルスイッチの設定のあるものは目盛値を,中性りん酸塩 pH 標準液の温度に合わせる。

c)

  中性りん酸塩 pH 標準液の温度に対応する pH(

表 1

又は

表 2

)に調整ダイヤルを調節して合わせる。

d)

  電極を水で洗浄し,試料の pH が 7 以下の場合は,フタル酸塩 pH 標準液又はしゅう酸塩 pH 標準液を

入れたビーカに浸す。スパン調整ダイヤルを調節して使用した pH 標準液の温度に対応する pH(

表 1

又は

表 2

)に合わせる。試料の pH が 7 を超える場合は,ほう酸塩 pH 標準液又は炭酸塩 pH 標準液を

用い,同じ操作で pH 標準液の温度に対応する pH に合わせる。

e)

  再び

b)

d)

  の操作を行い,pH の指示値が pH 標準液の温度に対応する pH に±0.05 であることを確認

し,逸脱する場合は,この操作を繰り返す。

7.2.4 

操作 

操作は,次による。

a)

  校正した pH 計の検出部を水で繰り返し 3 回以上洗い,きれいな柔らかい紙などで拭っておく。

b)

  試料をビーカにとり液温を 25±2  ℃に調節し,これに検出部を浸す。温度補償用ダイヤル又はデジタ

ルスイッチの設定のあるものは目盛値を 25  ℃に合わせた後,pH を測定する。

c)

  検出部を取り出し,水で繰り返し 3 回以上洗い,きれいな柔らかい紙などで拭っておく。

d)

  再び試料をビーカにとり液温を 25±2  ℃に調節し,これに検出部を浸し,pH を測定する。

e)

  再び

c)

  及び

d)

  の操作を行って 3 回の測定値が±0.1 で一致した測定値を平均して,試料の pH を算出

する。

7.2.5 

留意事項 

a)

  長く乾燥状態にあったガラス電極は,あらかじめ水に浸して平衡に達してから使用する。

b)

  ガラス電極が汚れている場合は,必要に応じて洗剤及び塩酸(1+20)(

JIS K 8180

で規定する塩酸を

用いて調製する。

)などで短時間洗い,更に流水で十分に洗う。電極の取扱いは製造業者の取扱説明書

による。

c)

  参照電極の汚れの除去はガラス電極と同じ操作で行い,内部液(塩化カリウム溶液)の交換などは取

扱説明書を参照する。液絡部の汚染を避けるため,電解液には 2 cm 以上の水位差に相当する静水圧が

必要である。

d)

 pH 校正で電極類をすすぎ洗いするときは,ガラス電極及び参照電極,温度補償電極などが同時に入る

大きさのビーカに純水を入れ,その中で行う。

e)

  校正において,pH の指示値が pH 標準液の温度に対応する pH に対し,形式 I では±0.02,形式 III で

は±0.1 であることを確認し,逸脱する場合は,この操作を繰り返す。

f)

JIS B 8223

で規定する pH については,25  ℃における pH を示してあるので,25  ℃の起電力が測定で


13

B 8224

:2016

きるように pH 計の温度補償回路を調節する。

g)

  アンモニア,りん酸ナトリウム,ヒドラジンなど pH-濃度-温度曲線に沿った試料水の温度補償回路の

設定で実用上問題のない補償ができる場合には,pH 計の起電力の温度依存性及び試料の pH の温度依

存性の両方に対応した二重の温度補償回路をもった pH 計が使用できる。

h)

 pH は試料の温度によって異なるので,試料の温度変動は±2  ℃にする。

i)

緩衝性が乏しい試料は,容易に pH が変化するため,±0.1 の繰返し精度が得られない場合がある。こ

の場合は,pH が±0.2 で一致する値を平均して pH を算出する。また,大気中の二酸化炭素で容易に

pH が変動する場合には,流液形の測定セルを使用するとよい。

j)

  試料の pH が 11 以上の場合には,通常のガラス電極ではアルカリ誤差を生じ,測定値が低くなる。特

にアルカリ金属イオンの濃度が高い場合は誤差が大きくなるので,

アルカリ誤差が少ない電極を用い,

炭酸塩を含まない 0.1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液又は 25  ℃の飽和水酸化カルシウム溶液を pH 標準

液として用いて pH 計の校正を行い,試料の pH を測定する。

0.1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液又は飽和水酸化カルシウム溶液は,大気中の二酸化炭素を吸収して

容易に pH が低下するので使用の都度,調製する。

表 3

に 0.1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液及び飽和水酸化カルシウム溶液の各温度における pH を示す。

表 3

0.1 mol/L

水酸化ナトリウム溶液及び飽和水酸化カルシウム溶液の各温度における pH 

温度

0.1 mol/L 水酸化

ナトリウム溶液

飽和水酸化

カルシウム溶液

a)

温度

0.1 mol/L 水酸化

ナトリウム溶液

飽和水酸化

カルシウム溶液


5

10 
15 
20 
25 
30

13.8 
13.6 
13.4 
13.2 
13.1 
12.9 
12.7

13.43 
13.21 
13.00 
12.81 
12.63 
12.45 
12.30

35 
40 
45 
50 
55 
60

12.6 
12.4 
12.3 
12.2 
12.0 
11.9

12.14 
11.99 
11.84 
11.70 
11.58 
11.45

a)

 25 ℃における飽和水酸化カルシウム溶液

7.3 pH

プロセス用分析装置による測定方法 

測定範囲:pH 0∼14,繰返し精度:±0.1 pH

7.3.1 

測定原理 

ガラス電極を用いた pH プロセス用分析装置によって pH を連続的に測定する。

7.3.2 

器具及び装置 

器具及び装置は,次による。

a) pH

プロセス用分析装置

  箇条

3 a)

  で規定するプロセス用分析装置で,

JIS K 0802

で規定する pH 自

動計測器の性能及び構造を備えたもの。その構成例を

図 3

に示す。

b) 

熱交換器又は恒温槽

  試料を 25±2  ℃に調節できるもの。

7.3.3 

校正 

pH プロセス用分析装置の校正は,

7.2.3

による。

7.3.4 

操作 

校正が終了した pH プロセス用分析装置の検出部を試料で十分に洗浄した後,25±2  ℃に調節した試料

を所定の流量で導入し,連続測定を行う。


14

B 8224

:2016

7.3.5 

点検・整備 

点検・整備は,定期的に次のことを行うこととし,手順の詳細は製造業者の提供する取扱説明書による。

a)

  試料流量が所定量であることを確認する。

b)

  電極の汚れがないことを確認する。

c)

  参照電極の内部液を補充又は交換する。

d)

  温度補償電極を点検する。

図 3

pH

プロセス用分析装置の構成の一例 

電気伝導率 

8.1 

一般事項 

電気伝導率は,溶液がもつ電気抵抗率(Ω・m)の逆数に相当し,S/m の単位で表す。また,電気伝導度

は,溶液のもつ電気抵抗(Ω)の逆数に相当し,S の単位で表す。

水の試験では,温度 25  ℃の値を用い,mS/m 又は μS/cm で示す。1 μS/cm は,0.1 mS/m に相当する。試

料の電気伝導率が 1 mS/m(25  ℃)以下の測定の場合には,

JIS K 0552

を適用する。

電気伝導率の試験は,一般試験,酸電気伝導率試験及び電気伝導率プロセス用分析装置による測定に区

分する。

8.2 

一般試験 

電気伝導率計を用いて,試料の電気伝導率を測定する。

測定範囲:0.005∼1 000 mS/m(25  ℃)

8.2.1 

試薬 

試薬は,次による。

a) 

JIS K 0557

で規定する

A2

又は

A3

の水。ただし,電気伝導率 0.2 mS/m[2 µS/cm]

(25  ℃)以下

のものを 20±2  ℃に調節して用いる。

b) 

塩化カリウム

JIS K 8121

で規定する塩化カリウム(電気伝導率測定用)をめのう乳鉢で粉末にし,

500  ℃で約 4 時間加熱してデシケータ中で放冷する。

c) 

塩化カリウム標準液(C

b)

 の塩化カリウム 0.744 g をはかりとり,少量の

a)

  の水に溶かし,全量


15

B 8224

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フラスコ 1 000 mL に移し入れ,

a)

  の水を標線まで加える。

d) 

塩化カリウム標準液(E

c)

 の塩化カリウム標準液(C)10 mL を全量フラスコ 1 000  mL にとり,

a)

 の水を標線まで加える。

これらの塩化カリウム標準液は,共栓ポリエチレン瓶又は共栓ほうけい酸ガラス瓶に密栓して保存

する。

8.2.2 

器具及び装置 

器具及び装置は,次による。

a) 

電気伝導率計

  目的とする電気伝導率に応じて,

表 4

に示すセル定数のものを用意する。

b) 

温度計

JIS C 1604

のクラス B 又は,

JIS C 1611

の 1.0 級に相当する温度検出素子を用いたもので,

試料の温度を±1  ℃で測定できるもの。

8.2.3 

操作 

操作は,次による。

a)

  あらかじめ電気伝導率計の電源を入れておく。試料の電気伝導率に応じて

表 4

に示すセル定数をもっ

た電極を用い,水でセルを 2∼3 回洗う[特に汚れている場合には,塩酸(1+100)に浸し,更に流水

で十分に洗い,最後に水で 2∼3 回洗う]

b)

  このセルを試料で 2∼3 回洗った後,試料を満たし,25±2  ℃に保って電気伝導率の測定を行う。測定

値が±3 %で一致するまで試料を数回取り替えて測定を繰り返し,その電気伝導率を求める。

表 4

セル定数と測定範囲 

セル定数

a)

測定範囲

m

1

 cm

1

 mS/m

µS/cm

 1 
 10 
 100 
 1

000

 2

000

0.01 
0.1 
1

10 
20

 0.005

∼ 20

 0.005

∼ 1

000

 0.1

∼ 10

000

 1 ∼ 100 000 
 10  ∼ 100 000

 0.05

∼ 200

 0.05

∼ 10

000

 1

∼ 100

000

 10

∼  1 000 000

 100 ∼  1 000 000

a)

  セル定数 m

1

×0.01=cm

1

8.2.4 

留意事項 

a)

  精度を特に必要としない場合には,温度補償回路を組み入れた電気伝導率計を用いるか,又は温度換

算式を用いてもよい。電気伝導率は,温度によって変化し,1  ℃の上昇で約 2 %大きくなる。ただし,

電気伝導率が 0.1 mS/m(1 µS/cm)以下になると,水の解離によって生じる水素イオン及び水酸化物

イオンの影響が大きくなるので,この換算式は適用できない。

b)

  試料の電気伝導率が 1 mS/m(25  ℃)未満の場合には,±3 %で一致しないことがあるので,

JIS K 0552

に従って試験するか,又は流液形のセルを用いる。

c)

セル定数の確認方法

  セル定数を確認しようとする場合には,セルを水で 2∼3 回洗い,次に,塩化カ

リウム標準液(セル定数に応じ,

表 5

の測定範囲の塩化カリウム標準液を用いる。

)で,2∼3 回洗っ

た後,その塩化カリウム標準液を満たす。このセルを 25±0.5  ℃に保ち,電気伝導度を測定する。同

じ塩化カリウム標準液を数回入れ替えて測定を行い,測定値が±3 %で一致するまで繰り返す。

測定された値から次の式によってセル定数を算出する。


16

B 8224

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XO

O

H

KCl

2

L

L

L

J

+

=

ここに,

J

セル定数(m

1

L

XO

測定した電気伝導度(mS)

。ただし,電気伝導度の指示

が µS になっているときは,µS×

000

1

1

の値を用いる。

L

KCl

使用した塩化カリウム標準液のこの温度における電気
伝導率(mS/m)

L

H

2

O

塩化カリウム標準液の調製に用いた水のこの温度にお
ける電気伝導率(mS/m)

表 5

塩化カリウム標準液(及び E)の電気伝導率 

塩化カリウム標準液

℃ mS/m  µS/cm

C 0

18 
25

77.4

122.0 
140.9

 774 
 1

220

 1

409

E 25

1.49 14.9

8.3 

酸電気伝導率 

揮発性物質処理を行っているボイラにおいて,発生蒸気,蒸気凝縮水及び給水中の揮発性物質以外の塩

類の存在を知るために,これらを水素イオン形に変換した強酸性陽イオン交換樹脂を充

したカラムに通

して除去した後の電気伝導率を測定する。

揮発性物質,例えば,ヒドラジニウムイオン(ヒドラジン)

,モルホリン(テトラヒドロキシ-1,4-オキサ

ジン)

アンモニウムイオンなどは水素イオン形に変換した強酸性陽イオン交換樹脂によってイオン交換さ

れ,これらによる電気伝導率の増加分が消去される。しかし,これらの揮発性物質以外の陽イオンは,水

素イオン形の強酸性陽イオン交換樹脂の水素イオンとイオン交換反応を行い,陽イオンと当量の水素イオ

ンを生成する。この水素イオンによる電気伝導率を測定して微量に存在する塩類の濃度を推定する。試験

は,次による。

測定範囲:0.005∼1 mS/m(25  ℃)

8.3.1 

試薬 

試薬は,次による。

a) 

塩酸(111

JIS K 8180

で規定する塩酸を用いて調製する。

b) 

強酸性陽イオン交換樹脂

  次のように水素イオン形に変換したものを用いる。

強酸性陽イオン交換樹脂の適量を水(イオン交換樹脂量の約 3 倍量)に浸し,12 時間以上放置した

後,適切なカラム(イオン交換樹脂を充

したとき,イオン交換樹脂層の高さが約 600 mm になるよ

うなカラム)に水で移し入れる。強酸性陽イオン交換樹脂 1 L につき

a)

  の塩酸(1+11)20 L を,8

∼10 L/h・(L-樹脂)  で流し,引き続き水 3 L を同じ流量で流して水素イオン形に変換する。次に,水を

約 20 L/h・(L-樹脂)  の割合で 80 L/(L-樹脂)  以上流して洗浄する。

これを

図 4

のイオン交換樹脂カラムに気泡が入らないように水で充

する。

8.3.2 

器具及び装置 

器具及び装置は,次による。

a) 

イオン交換樹脂カラム

  イオン交換樹脂カラムの一例を

図 4

に示す。

イオン交換樹脂を充

したとき,


17

B 8224

:2016

イオン交換樹脂層の高さが約 600 mm になるようなカラムを選ぶ。

b) 

電気伝導率計

  電気伝導率 0.005∼1 mS/m(0.05∼10 µS/cm)

(25  ℃)を測定できるもので,セル定数

0.8∼12 m

1

(0.008∼0.12 cm

1

)の流液形検出器が使用できるもの。

8.3.3 

操作 

操作は,次による。

a)

  水素イオン形に変換した強酸性陽イオン交換樹脂を充

したイオン交換樹脂カラムに試料を 12∼15

L/h・(L-樹脂)  の割合で連続的に流す。

b)

a)

  の流出液を流液形検出器に導入し,指示値が安定した後,電気伝導率を測定する。

8.3.4 

留意事項 

a)

  強酸性陽イオン交換樹脂の代わりに,カチオン交換膜を用いた電気式カチオン交換器を使用してもよ

い。

b)

  強酸性陽イオン交換樹脂を水素イオン形に変換する際に,水洗浄の洗液が,

9.2.1 a)

  のメチルレッド-

ブロモクレゾールグリーン混合溶液で青い色になることで洗浄の終了を判断してもよい。

c)

  強酸性陽イオン交換樹脂は粒子径 355∼1 180  μm のものでジビニルベンゼンの含量約 8 %のものを用

いている。


18

B 8224

:2016

単位  mm

 
 
 
 
 
              常用圧力:0.1 MPa 以下

                  容量:1.6 L

イオン交換樹脂の充塡量:1.5 L 
                  流量:12∼15 L/h・(L-樹脂)

                  材料:ステンレス鋼(SUS304)製

図 4

イオン交換樹脂カラムの一例 

8.4 

電気伝導率プロセス用分析装置による測定方法 

測定範囲:0.005∼0.2 mS/m,0.005∼10 mS/m,0.005∼100 mS/m,繰返し精度:最大目盛値の±1.5 %以

下。

8.4.1 

測定原理 

電気伝導率プロセス用分析装置によって給水,ボイラ水などの電気伝導率又は酸電気伝導率を連続的に

測定する。


19

B 8224

:2016

8.4.2 

器具及び装置 

器具及び装置は,次による。

a) 

電気伝導率プロセス用分析装置

  箇条

3 a)

  で規定するプロセス用分析装置で,検出部,指示部及び記

録部で構成する。その構成の一例を

図 5

に示す。電気伝導率が 0.1 mS/m 以下の場合には,

JIS K 0552

で規定する二重温度補償ができる方式のものを用いる。

図 5

電気伝導率プロセス用分析装置の構成の一例 

8.4.3 

校正 

電気伝導率プロセス用分析装置が安定状態に達した後,次による。

a) 

スパン校正

  校正用電気抵抗で指示値を所定の値に調節する。

8.4.4 

操作 

試料採取装置から直接流出した流出液,又は水素イオン形に変換した強酸性陽イオン交換樹脂を充

たイオン交換樹脂カラムを通過した流出液を流液形検出器に連続的に導入し,電気伝導率を測定する。

8.4.5 

点検・整備 

点検・整備は,定期的に次のことを行うこととし,手順の詳細は製造業者の提供する取扱説明書による。

a)

  試料の流量が所定量であることを確認する。

b)

  セル(検出部)の汚れがないことを確認する。

c)

  電気伝導率プロセス用分析装置で連続的に酸電気伝導率を測定する場合,強酸性陽イオン交換樹脂を

定期的に交換・再生する。

8.4.6 

留意事項 

a)

  電気伝導率プロセス用分析装置で連続的に酸電気伝導率を測定する場合,強酸性陽イオン交換樹脂の

交換・再生頻度については,次の計算方法で推定できる。

計算の条件(一例) 

強酸性陽イオン交換樹脂層に流入する試料中のアンモニウムイオンの濃度 NH

4

:1.4 mg/L

強酸性陽イオン交換樹脂の交換容量:1.9 mol/L-樹脂{1.9 g 当量/L-樹脂}

強酸性陽イオン交換樹脂層の流量:15 L/h・(L-樹脂)

強酸性陽イオン交換樹脂の充

量:1.5 L

計算(一例) 

通水流量(L/日)

540

24

5

.

1

15

=

×

×

=

予想通水量(L)

3

3

10

65

.

25

4

.

1

7

.

0

10

18

9

.

1

5

.

1

×

=

×

×

×

×

=

ここに, 18:

アンモニウムイオンの分子量(g/mol)

0.7: イオン交換樹脂の使用率 70 %

図 4

の樹脂カラムを使用した場合

通水可能日数(日)

5

.

47

540

10

65

.

25

3

=

×

=


20

B 8224

:2016

したがって,約 47 日ごとに再生を繰り返すことが必要になる。

酸消費量 

9.1 

一般事項 

酸消費量は,水に溶けている炭酸水素塩,炭酸塩,水酸化物などによるアルカリを所定の pH に中和す

るのに要する水素イオンの量(酸の量)を,試料 1 L についての mmol 数で表すか,又は水素イオン(酸)

に相当する炭酸カルシウムの量に換算して,試料 1 L についての mg 数で表す。

酸消費量を酸消費量(pH 4.8)と酸消費量(pH 8.3)とに区分する。

9.2 

酸消費量(pH 4.8 

酸消費量(pH 4.8)は,試料に指示薬としてメチルレッド-ブロモクレゾールグリーン混合溶液を加え,

10 mmol/L 硫酸で滴定して求める。

9.2.1 

試薬 

試薬は,次による。

a)

メチルレッド-ブロモクレゾールグリーン混合溶液

JIS K 8896

で規定するメチルレッド 0.02 g と

JIS 

K 8840

で規定するブロモクレゾールグリーン 0.1 g とを

JIS K 8102

で規定するエタノール

(95)

100 mL

に溶かす。

b)

50 mmol/L

硫酸

JIS K 8951

で規定する硫酸 3 mL を,あらかじめ水 100 mL を入れたビーカに加えて

よくかき混ぜ,放冷後,水を加えて 1 L とする。この溶液は,次によって標定して用いる。

1)

JIS K 8005

で規定する容量分析用標準物質の炭酸ナトリウムを 600  ℃で約 1 時間加熱した後,デシ

ケータ中で放冷する。その 1.06 g を 1 mg の桁まではかりとり,水に溶かして全量フラスコ 200 mL

に移し入れ,水を標線まで加える。

2)

  この 20 mL をビーカにとり,指示薬としてメチルレッド-ブロモクレゾールグリーン混合溶液 3∼5

滴を加えた後,この 50 mmol/L 硫酸で滴定する。溶液の色が灰紫になったら,煮沸して二酸化炭素

を追い出し,放冷後,溶液の色が灰紫になるまで滴定を続ける。

3)

  滴定に要した 50 mmol/L 硫酸の mL 数から,次の式によって 50 mmol/L 硫酸のファクタ(

f

 )を算

出する。

30

005

.

0

1

200

20

100

×

×

×

×

=

x

b

a

f

ここに,

a

炭酸ナトリウムの量(g)

b

炭酸ナトリウムの純度(%)

x

滴定に要した 50 mmol/L 硫酸(mL)

0.005 30: 50 mmol/L 硫酸 1 mL の炭酸ナトリウム相当量(g)

c) 10 

mmol/L

硫酸

  50 mmol/L 硫酸 200 mL を全量フラスコ 1 000  mL にとり,水を標線まで加える。フ

ァクタは 50 mmol/L 硫酸の値を用いる。

9.2.2 

操作 

操作は,次による。

a)

  試料 100 mL をビーカにとり,指示薬としてメチルレッド-ブロモクレゾールグリーン混合溶液 3∼5

滴を加える。ただし,試料に濁りがあるときはろ紙 5 種 B でろ過するか又は遠心分離してその上澄み

液を用いる。また,残留塩素などの酸化性物質が共存する場合には,チオ硫酸ナトリウム溶液(0.1

mol/L)で還元してから加える。


21

B 8224

:2016

b)

  この溶液を緩やかにかき混ぜながら 10 mmol/L 硫酸で,溶液の色が青から灰紫(pH 4.8)に変わるま

で滴定する。

c)

  着色した試料など,指示薬による変色が明らかでない場合には,指示薬に代えて pH 計を使用し,pH

と 10 mmol/L 硫酸の滴定量とによる滴定曲線を作成して,pH 4.8 における 10 mmol/L 硫酸の mL 数を

求める。

d)

  次の式によって酸消費量(pH 4.8)を算出する。

mmol/L で表す場合

02

.

0

000

1

×

×

×

=

V

f

a

A

ここに,

A

酸消費量(

pH 4.8

mmol/L

a

滴定に要した

10 mmol/L

硫酸(

mL

f

10 mmol/L

硫酸のファクタ

V

試料(

mL

0.02

10 mmol/L

硫酸

1 mL

の水素イオン相当量(

mmol

CaCO

3

mg/L

で表す場合

001

.

1

000

1

×

×

×

=

V

f

a

B

ここに,

B

酸消費量(

pH 4.8

CaCO

3

mg/L

a

滴定に要した

10 mmol/L

硫酸(

mL

f

10 mmol/L

硫酸のファクタ

V

試料(

mL

1.001

10 mmol/L

硫酸

1 mL

の炭酸カルシウム相当量(

mg

9.3 

酸消費量(pH 8.3 

酸消費量(

pH 8.3

)は,試料に指示薬としてフェノールフタレイン溶液を加え,

10 mmol/L

硫酸で滴定し

て求める。

9.3.1 

試薬 

試薬は,次による。

a) 

フェノールフタレイン溶液(5 g/L

JIS K 8799

で規定するフェノールフタレイン

0.5 g

をとり,

JIS 

K 8102

で規定するエタノール(

95

50 mL

に溶かし,水を加えて

100 mL

とし,この溶液の色が僅か

に赤に呈色するまで水酸化ナトリウム溶液(

20 mmol/L

)を滴加する。

b) 10 

mmol/L

硫酸

9.2.1 c)

による。

9.3.2 

操作 

操作は,次による。

a)

試料

100 mL

をビーカにとり,指示薬としてフェノールフタレイン溶液(

5 g/L

3

5

滴を加える。

b)

この溶液を緩やかにかき混ぜながら

10 mmol/L

硫酸で,溶液の赤が消えるまで滴定する。

c)

指示薬による変色が明らかでない場合は,指示薬に代えて

pH

計を使用し,

pH

10 mmol/L

硫酸の滴

定量とによる滴定曲線を作成して,

pH 8.3

における

10 mmol/L

硫酸の

mL

数を求める。

d)

次の式によって酸消費量(

pH 8.3

)を算出する。

mmol/L

で表す場合

02

.

0

000

1

×

×

×

=

V

f

a

A

ここに,

A

酸消費量(

pH 8.3

mmol/L


22

B 8224

:2016

a

滴定に要した

10 mmol/L

硫酸(

mL

f

10 mmol/L

硫酸のファクタ

V

試料(

mL

0.02

10 mmol/L

硫酸

1 mL

の水素イオン相当量(

mmol

CaCO

3

mg/L

で表す場合

001

.

1

000

1

×

×

×

=

V

f

a

B

ここに,

B

酸消費量(

pH 8.3

CaCO

3

mg/L

a

滴定に要した

10 mmol/L

硫酸(

mL

f

10 mmol/L

硫酸のファクタ

V

試料(

mL

1.001

10 mmol/L

硫酸

1 mL

の炭酸カルシウム相当量(

mg

10 

硬度 

10.1 

一般事項 

硬度は,水中のカルシウムイオン及びマグネシウムイオンの量を,これに対応する炭酸カルシウムの量

に換算して試料

1 L

についての

mg

数で表す。

硬度は,全硬度,カルシウム硬度及びマグネシウム硬度に区分する。カルウムイオン及びマグネシウム

イオンの濃度をキレート滴定法,フレーム原子吸光法,

ICP

発光分光分析法,

ICP

質量分析法で求め,そ

れらの測定値から全硬度,カルシウム硬度及びマグネシウム硬度を求める。

10.2 

全硬度 

10.2.1 

キレート滴定法 

10.2.1.1 

試薬 

試薬は,次による。

a) 

シアン化カリウム溶液(100 g/L

JIS K 8443

で規定するシアン化カリウム

10 g

を水に溶かして

100

mL

とする。ポリエチレン瓶に保存する。

警告

シアン化カリウムは有毒である。取扱い及び廃液の処理は,法令に従い,安全及び健康に対

する適切な措置を取らなければならない。シアン化カリウムを含む溶液は,有毒なシアン化

水素ガスが発生するため,酸性にしてはならない。

b) 

塩化ヒドロキシルアンモニウム溶液(100 g/L

JIS K 8201

で規定する塩化ヒドロキシルアンモニウ

10 g

を水に溶かして

100 mL

とする。

c) 

塩化アンモニウム-アンモニア緩衝液(pH 10

JIS K 8116

で規定する塩化アンモニウム

67.5 g

JIS 

K 8085

で規定するアンモニア水

570 mL

を加え,水で

1 L

とする。この溶液は密栓して冷所に保存す

る。

d) 

エリオクロムブラック 溶液(5 g/L

JIS K 8736

で規定するエリオクロムブラック

T

1-

1-

ヒド

ロキシ

-2-

ナフチルアゾ)

-6-

ニトロ

-2-

ナフトール

-4-

スルホン酸ナトリウム]

0.5 g

JIS K 8891

で規定

するメタノール

100 mL

に溶かし,

JIS K 8201

で規定する塩化ヒドロキシルアンモニウム

0.5 g

を加え

る。着色瓶に入れ,密栓して保存する。

e)  10 mmol/L EDTA

溶液

JIS K 8107

で規定するエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二水和物

80

℃で約

5

時間加熱し,デシケータ中で放冷する。その

3.772 g

をとり,少量の水に溶かし,全量

フラスコ

1 000 mL

に移し入れ,水を標線まで加える。

10.2.1.2 

操作 


23

B 8224

:2016

操作は,次による。

a)

懸濁物質が含まれる試料などでは,ろ過又は遠心分離によって懸濁物を除去した後,適量(マグネシ

ウムとカルシウムとの合量をカルシウムに換算して

5 mg

以下とする。

)をビーカにとり,水を加えて

50 mL

とする。

b)

シアン化カリウム溶液(

100 g/L

0.5 mL

,塩化ヒドロキシルアンモニウム溶液(

100 g/L

)数滴及び塩

化アンモニウム

-

アンモニア緩衝液(

pH 10

1 mL

を加える。

c)

指示薬としてエリオクロムブラック

T

溶液(

5 g/L

2

3

滴を加える。

d)  10 mmol/L EDTA

溶液で,溶液の赤みが消えて青になるまで滴定する。エリオクロムブラック

T

の変

色は遅いので,変色点近くではよくかき混ぜながらゆっくり滴定する。

e)

次の式によって全硬度を算出する。

001

.

1

000

1

×

×

=

V

b

H

ここに,

H

全硬度(

CaCO

3

mg/L

b

滴定に要した

10 mmol/L EDTA

溶液(

mL

V

試料(

mL

1.001

10 mmol/L EDTA

溶液

1 mL

の炭酸カルシウム相当量

mg

10.2.1.3 

留意事項 

a) EDTA

による滴定は,

pH

が低すぎるとカルシウム,マグネシウムはいずれも定量的に反応しない。ま

た,

pH

が高すぎるとマグネシウムは水酸化物となり,

EDTA

と反応しなくなる。そのため,滴定時に

は緩衝液を加えて

pH

を約

10

に調節する。

b)

滴定に際しての,カルシウム,マグネシウム,

EDTA

及び

EBT

(エリオクロムブラック

T

)の錯体生

成の強さは,次のようになる。

Ca-EDTA

 Mg-EDTA

 Mg-EBT

(赤)>

 Ca-EBT

したがって,滴定の開始時は,指示薬として添加したごく少量の

EBT

は,

Mg-EBT

(赤)となる。

EDTA

の滴加に従い,まず,遊離のカルシウム,次いでマグネシウムが

EDTA

と結合し,当量点では,

次の反応で青に変色する。

Mg-EBT

(赤)+

 EDTA

 Mg-EDTA

 EBT

(青)

ただし,試料中にマグネシウムが存在しなければ,終点での変色は

Ca-EBT

から

EBT

を遊離する反

応になり,この変色は上の反応によるほど明瞭ではない。

c)

この方法では,シアン化カリウムを加えるので通常の重金属元素は,シアノ錯イオンとなってマスキ

ングされる。マンガンは完全にはマスキングされないので,変色が不明瞭になる。この場合は,

2,2',2''-

ニトリロトリエタノール(トリエタノールアミン)を加えると効果がある。

d)

ナトリウムが多量(数

%

)に共存すると終点の判別が不明瞭になる。

10.2.2 

フレーム原子吸光法 

22.3

によってカルシウムの濃度を,また,

23.3

によってマグネシウムの濃度を求め,次の式によって全

硬度を算出する。

H

2.497

×

C

Ca

4.118

×

C

Mg

ここに,

H

全硬度(

CaCO

3

mg/L

C

Ca

カルシウムの濃度(

Ca

mg/L

2.497

カルシウムの量を炭酸カルシウム相当量に換算する場
合の係数(

100.09/40.078


24

B 8224

:2016

C

Mg

マグネシウムの濃度(

Mg

mg/L

4.118

マグネシウムの量を炭酸カルシウム相当量に換算する
場合の係数(

100.09/24.305

10.2.3 ICP

発光分光分析法 

22.4

によってカルシウムの濃度を,また,

23.4

によってマグネシウムの濃度を求め,

10.2.2

の式によっ

て全硬度を算出する。

10.2.4 ICP

質量分析法 

22.5

によってカルシウムの濃度を,また,

23.5

によってマグネシウムの濃度を求め,

10.2.2

の式によっ

て全硬度を算出する。

10.2.5 

イオンクロマトグラフ法 

22.6

によってカルシウムの濃度を,また,

23.6

によってマグネシウムの濃度を求め,

10.2.2

の式によっ

て全硬度を算出する。

10.3 

カルシウム硬度 

10.3.1 

キレート滴定法 

22.2.2

において滴定に要する

10 mmol/L EDTA

溶液の量を求め,次の式によってカルシウム硬度を算出

する。

001

.

1

000

1

Ca

×

×

=

V

a

H

ここに,

H

Ca

カルシウム硬度(

CaCO

3

mg/L

a

22.2.2

で滴定に要した

10 mmol/L EDTA

溶液(

mL

V

試料(

mL

1.001

10 mmol/L EDTA

溶液

1 mL

の炭酸カルシウム相当量

mg

10.3.2 

フレーム原子吸光法 

22.3

によってカルシウムの濃度を求め,次の式によってカルシウム硬度を算出する。

H

Ca

2.497

×

C

Ca

ここに,

H

Ca

カルシウム硬度(

CaCO

3

mg/L

C

Ca

カルシウムの濃度(

Ca

mg/L

2.497

カルシウムの量を炭酸カルシウム相当量に換算する場
合の係数(

100.09/40.078

10.3.3 ICP

発光分光分析法 

22.4

によってカルシウムの濃度を求め,

10.3.2

の式によってカルシウム硬度を算出する。

10.3.4 ICP

質量分析法 

22.5

によってカルシウムの濃度を求め,

10.3.2

の式によってカルシウム硬度を算出する。

10.3.5 

イオンクロマトグラフ法 

22.6

によってカルシウムの濃度を求め,

10.3.2

の式によってカルシウム硬度を算出する。

10.4 

マグネシウム硬度 

10.4.1 

キレート滴定法 

23.2

によってマグネシウムの濃度を求め,次の式によってマグネシウム硬度を算出する。

H

Mg

4.118

×

C

Mg

ここに,

H

Mg

マグネシウム硬度(

CaCO

3

mg/L

C

Mg

マグネシウムの濃度(

Mg

mg/L


25

B 8224

:2016

4.118

マグネシウムの量を炭酸カルシウム相当量に換算する
場合の係数(

100.09/24.305

10.4.2 

フレーム原子吸光法 

23.3

によってマグネシウムの濃度を求め,

10.4.1

の式によってマグネシウム硬度を算出する。

10.4.3 ICP

発光分光分析法 

23.4

によってマグネシウムの濃度を求め,

10.4.1

の式によってマグネシウム硬度を算出する。

10.4.4 ICP

質量分析法 

23.5

によってマグネシウムの濃度を求め,

10.4.1

の式によってマグネシウム硬度を算出する。

10.4.5 

イオンクロマトグラフ法 

23.6

によってマグネシウムの濃度を求め,

10.4.1

の式によってマグネシウム硬度を算出する。

11 

蒸発残留物 

11.1 

一般事項 

水中に懸濁している物質及び水を蒸発したときの残留物質を全蒸発残留物,溶解性蒸発残留物に区分し

て試験する。試験は,試料採取後,直ちに行う。直ちに行えない場合には,試料を

0

10

℃の暗所に保存

し,できるだけ早く試験する。

a) 

溶解性蒸発残留物

  懸濁物質をろ別したろ液を蒸発乾固したときに残留する物質。

11.2 

全蒸発残留物 

試料を蒸発乾固したときに残留する物質の質量を測定して全蒸発残留物の濃度を求める。

11.2.1 

器具及び装置 

器具及び装置は,次による。

a) 

蒸発皿

  白金皿,石英ガラス皿又は磁器蒸発皿。

11.2.2 

操作 

操作は,次による。

a)

試料の性質によって適切な材料の蒸発皿を選び,これを

105

110

℃の乾燥器中で約

1

時間加熱し,

デシケータ中で放冷した後,その質量をはかる。加熱,放冷及びひょう量を繰り返して恒量とする。

注記

例えば,試料に塩化物イオンと強力な酸化性の物質とが共存する場合には,白金皿は用いな

い。

b)

十分に振り混ぜて懸濁物質が均一になった試料を手早く採取して蒸発皿に入れる。試料は乾燥後の質

量が

5 mg

以上になるように採取する。試料の全量が蒸発皿に入らない場合には,数回に分けて入れ

る。試料容器に付着しやすい懸濁物質を含む場合は,適量の試料を採取して,その全量を用いて試験

する。採取した容器の器壁に付着した懸濁物質はポリスマン(ゴム管付きガラス棒)などで落として,

蒸発皿上に集める。

c)

蒸発皿の試料を蒸発乾固する。

d)

この蒸発皿を

105

110

℃で

2

時間加熱した後に,先のデシケータ中で放冷し,その質量をはかる。

注記

蒸発乾固には,加熱板,沸騰水浴,赤外線ランプなどを用い,蒸発中に沸騰させないように

する。また,外部からの汚染に注意する。

e)

次の式によって全蒸発残留物(

mg/L

)を算出する。

(

)

V

b

a

R

000

1

×

=


26

B 8224

:2016

ここに,

R

全蒸発残留物(

mg/L

a

残留物の入った蒸発皿の質量(

mg

b

蒸発皿の質量(

mg

V

試料(

mL

11.3 

溶解性蒸発残留物 

懸濁物質をろ別したろ液を蒸発乾固したときに残留する物質の質量を測定して溶解性蒸発残留物の濃度

を求める。

11.3.1 

器具及び装置 

器具及び装置は,次による。

a) 

蒸発皿

11.2.1 a)

による。

b) 

ろ過器(分離形)

JIS K 0101

16.1 1) a)

[ろ過器(分離形)

]による。

図 6

に一例を示す。

図 6

ろ過器(分離形)の一例 

c) 

ろ過材

  ガラス繊維ろ紙,有機性ろ過膜又は金属性ろ過膜で,孔径

1 µm

で直径

25

50 mm

のものを

用いる。

注記

ガラス繊維ろ紙は,目詰まりは少ないが,ガラス繊維が離脱するおそれがある。有機性ろ過

膜は,種類によって耐薬品性及び耐熱性に差があるので,取扱いに注意する。

11.3.2 

操作 

操作は,次による。

a)

ろ過材をろ過器に取り付け,試料をろ過する。ガラス繊維ろ紙を用いる場合は,あらかじめろ過器に

取り付け,水で十分に吸引洗浄する。アクリル樹脂などのバインダ処理を行ったガラス繊維ろ紙,有

機性ろ過膜及び金属性ろ過膜は洗浄しなくてよい。

b)

ろ液について

11.2.2

a)

e)

に準じて操作する。

12 

有機体炭素(TOC 

12.1 

一般事項 

有機体炭素とは,水中に存在する有機物中の炭素をいう。その定量には,燃焼酸化−赤外線式

TOC

分析


27

B 8224

:2016

法,燃焼酸化−赤外線式

TOC

プロセス用分析計による測定方法,湿式酸化−赤外線式

TOC

分析法又は湿

式酸化−赤外線式プロセス用分析計による測定方法を適用する。

TOC

分析装置で有機体炭素を二酸化炭素

とする方式には,燃焼酸化法,高温湿式酸化法,紫外線湿式酸化法,及び光触媒湿式酸化法がある。生成

した二酸化炭素の定量には,赤外線分析法,熱伝導度測定法,及び電気伝導率測定法があるが,あらかじ

め検出率を確認しておく。

この試験は,試料採取後,直ちに行う。直ちに行えない場合には,

5.4.2 d)

によって保存し,できるだ

け早く試験する。

試料中に元素状態で存在する炭素の粒子(すす)

,炭化物,シアン化物イオン,シアン酸イオン及びチオ

シアン酸イオンが存在する場合には,有機体炭素として定量される。

全炭素(

TC

,無機体炭素(

TIC

)及び有機体炭素(

TOC

)の定義は,次による。

a) 

全炭素(TC

  水中に存在する有機的に結合した炭素と,無機的に結合した炭素(元素状の炭素を含

む。

)との合量。

b) 

無機体炭素(TIC

  水中に存在する無機体の炭素の合量。すなわち,元素状,全二酸化炭素,一酸

化炭素,シアン化物イオン,シアン酸イオン及びチオシアン酸イオン中の炭素の合量。

なお,

TOC

分析計で,

TIC

を二酸化炭素として測定する場合,そのほとんどは炭酸水素イオン及び

炭酸イオンに起因する。

c) 

有機体炭素(TOC

  水中に存在する有機的に結合した炭素の合量。すなわち,溶存及び懸濁状で存

在する物質中の有機的に結合した炭素,シアン酸イオン,チオシアン酸イオン中の炭素の合量。

12.2 

燃焼酸化−赤外線式 TOC 分析法 

少量の試料を二酸化炭素を除去した空気又は酸素とともに高温の全炭素測定管に送り込み,有機物中の

炭素及び無機物[無機体炭素(主として炭酸塩類)

]中の炭素を二酸化炭素とした後,その濃度を非分散形

赤外線ガス分析計で測定して全炭素(

TC

)の濃度を求める。

別に,試料を有機物が分解されない温度に保った無機体炭素測定管に送り込み,生成した二酸化炭素を

測定し,無機体炭素(

TIC

)の濃度を求める。

全炭素の濃度から無機体炭素の濃度を差し引いて有機体炭素(

TOC

)の濃度を算出する。

定量範囲:

C

0.5

25 mg/L

,繰返し精度:

3

10 %

(装置及び測定条件によって異なる。

12.2.1 

試薬 

試薬は,次による。

a) 

JIS K 0557

で規定する

A3

又は

A4

の水による。精製した水は,容器に入れて保存すると徐々に汚

染されて

TOC

の濃度が高くなることがあるので,精製後は早く使用することが望ましい。

b) TOC

標準液(C1 000 mg/L

JIS K 8005

で規定する容量分析用標準物質のフタル酸水素カリウム

120

℃で約

1

時間加熱し,デシケータ中で放冷する。その

2.125 g

をとり,少量の水に溶かして全

量フラスコ

1 000 mL

に移し入れ,水を標線まで加える。

c) TOC

標準液(C100 mg/L

TOC

標準液(

C

1 000 mg/L

10 mL

を全量フラスコ

100 mL

にとり,

水を標線まで加える。

d) 

無機体炭素標準液(C1 000 mg/L

JIS K 8622

で規定する炭酸水素ナトリウムをデシケータ中で約

3

時間放置し,その

3.497 g

をとる。別に,

JIS K 8005

で規定する容量分析用標準物質の炭酸ナトリウ

ムを,あらかじめ

600

℃で約

1

時間加熱し,デシケータ中で放冷し,その

4.412 g

をとる。両者を少

量の水に溶かして全量フラスコ

1 000 mL

に移し入れ,水を標線まで加える。

e) 

無機体炭素標準液(C100 mg/L

  無機体炭素標準液(

C

1 000 mg/L

10 mL

を全量フラスコ

100 mL


28

B 8224

:2016

にとり,水を標線まで加える。

f) 

全炭素測定管

  全炭素定量用触媒を充

したもの。

g) 

無機体炭素測定管

  無機体炭素定量用触媒を充

したもの。

h) 

キャリヤガス

  二酸化炭素を除去した空気又は

JIS K 1101

で規定する酸素。

12.2.2 

器具及び装置 

器具及び装置は,次による。

a)

マイクロシリンジ

20

150 μL

又は自動注入装置。

b)  TOC

分析装置

c)

ホモジナイザ又はミキサ

  分散した物質の均質化に十分な能力をもつもの。超音波装置,マグネチッ

クスターラなど。

12.2.3 

準備操作 

準備操作は,次による。

a) TOC

分析装置を作動できる状態にする。

b) TOC

標準液(

C

1 000 mg/L

)又は

TOC

標準液(

C

100 mg/L

)の一定量(例えば,

20 μL

)をマイク

ロシリンジで

TOC

分析装置の全炭素測定管に注入し,指示値(ピーク高さ又はピーク面積)を読み取

る。ただし,試料の炭素の濃度が低い場合には,各標準液の注入量は

100

150  μL

とし,炭素の濃度

が高い場合には,注入量を少なくするか,又は一定の倍数に薄める。

c)

b)

の操作を

5

7

回繰り返して指示値が一定になることを確かめる。

d)

試料をよく振り混ぜて均一にした後,

b)

と同量をマイクロシリンジで全炭素測定管に注入して,指示

値を読み取り,

b)

と比較して試料中の概略の全炭素の濃度(

C

mg/L

)を求める。

12.2.4 

操作 

操作は,次による。

a)

試料に懸濁物が含まれている場合には,ホモジナイザ又はミキサでよくかき混ぜてこれらを均一に分

散させる。

b)

試料の一定量[例えば,

12.2.3 b)

と同量]をマイクロシリンジで全炭素測定管に注入し,指示値を読

み取る。

c)

試料の一定量[例えば,

12.2.3 b)

と同量]をマイクロシリンジで無機体炭素測定管に注入し,指示値

を読み取る。

d)

試料を薄めた場合には,

b)

及び

c)

の空試験としてそれぞれ同量の水をマイクロシリンジでとり,

b)

及び

c)

の操作を行って試料について得た結果を補正する。

e)

あらかじめ,次によって作成した全炭素及び無機体炭素の検量線から注入した試料中の全炭素及び無

機体炭素の濃度を求め,それぞれの濃度(

C

mg/L

)を算出する。

1)  12.2.3 d)

で求めた試料の概略の炭素の濃度がほぼ中央になるように

TOC

標準液(

C

1 000 mg/L

又は

TOC

標準液(

C

100 mg/L

)を全量フラスコ

100 mL

に段階的にとり,水を標線まで加える。

2)  1)

で調製した

TOC

標準液の最高濃度のものの一定量[例えば,

12.2.3 b)

と同量]をマイクロシリ

ンジで全炭素測定管に注入して指示値が最大目盛値の約

80 %

になるように

TOC

分析装置の感度及

び標準液の注入量を調節する。

3)  1)

で調製した各濃度の

TOC

標準液の一定量[

2)

で定めた量]を,順次,マイクロシリンジで全炭

素測定管に注入して指示値を読み取る。

4)

空試験として,

3)

と同量の水をマイクロシリンジで全炭素測定管に注入して,指示値を読み取り,


29

B 8224

:2016

3)

の結果を補正し,有機体炭素の濃度と指示値との関係線を作成して,これを全炭素の検量線とす

る。

5)

無機体炭素標準液(

C

1 000 mg/L

)又は無機体炭素標準液(

C

100 mg/L

)を用いて,

1)

で段階的

に調製した

TOC

標準液と同濃度の炭素を含むように無機体炭素標準液を段階的に調製する。

6)  5)

で調製した各濃度の無機体炭素標準液の一定量[

2)

で定めた量]を,順次,マイクロシリンジ

で無機体炭素測定管に注入し,指示値を読み取る。

7)

空試験として

6)

と同量の水をマイクロシリンジで無機体炭素測定管に注入して,指示値を読み取

り,

6)

の結果を補正し,無機体炭素の濃度と指示値との関係線を作成して,これを無機体炭素の検

量線とする。

f)

次の式によって試料の全有機体炭素(

TOC

)の濃度(

C mg/L

)を算出する。

TOC

(Ct

Ci)

×

d

ここに,

 TOC

有機体炭素(

C mg/L

Ct

注入試料中の全炭素(

C mg/L

Ci

注入試料中の無機体炭素(

C mg/L

d

注入試料の希釈倍数

g)

次のいずれかの溶液を調製し,測定範囲の

80 %

近くなるように希釈して測定し,

TOC

の検出率を確

認する。

1) 

酒石酸溶液(C100 mg/L

JIS K 8532

で規定する

L(

)-

酒石酸を

JIS K 8228

で規定する過塩素

酸マグネシウム(乾燥用)を入れたデシケータ中で

18

時間以上放置し,その

0.312 5  g

をとり,水

に溶かして全量フラスコ

1 000 mL

に移し入れ,水を標線まで加える。

2) 1,10-

フェナントロリン酸溶液(C100 mg/L

JIS K 8789

で規定する

1,10-

フェナントロリン一水

和物

0.137 6 g

をとり,水に溶かして全量フラスコ

1 000 mL

に移し入れ,水を標線まで加える。

3) L-

グルタミン酸溶液(C100 mg/L

JIS K 9047

で規定する

L-

グルタミン酸を約

80

℃で約

3

間乾燥し,デシケータ中で放冷し,その

0.245 g

をとり,水に溶かして全量フラスコ

1 000 mL

に移

し入れ,水を標線まで加える。

4) 2-

プロパノール溶液(C100 mg/L

  全量フラスコ

50 mL

に水約

30 mL

を入れ,密栓してその質

量を測定する。これに

JIS K 8839

で規定する

2-

プロパノール(イソプロピルアルコール)の約

10.6

mL

を速やかに加えて密栓し,その質量を測定する。次いで水を標線まで加える。この溶液の濃度

は,前後の質量の差から求める[

2-

プロパノール

1 g

は,炭素(

C

0.599 g

に相当する。

。この溶液

1 mL

を全量フラスコ

1 000 mL

に移し入れ,水を標線まで加える。

12.2.5 

留意事項 

a)

この方法では,有機体炭素が少なく無機体炭素の多い試料では,誤差が大きくなる。

b)

無機体炭素の多い試料では,あらかじめ試料に塩酸を加えて

pH 2

以下にし,

JIS K 1107

で規定する窒

2

級を通気して無機体炭素を除去した後,その少量を高温の全炭素測定管に送り込み,炭素の定量

を行ってこれを有機体炭素の量とする方法がある。その方法は,有機体炭素に比べて無機体炭素が多

い試料の場合に優れている。ただし,揮発性の有機物を含む場合には誤差が大きい。

12.3 TOC

プロセス用分析計(燃焼酸化−赤外線式)による測定方法 

計測器に供給した試料に酸を加えて

pH

2

以下にし,通気して無機体炭素を除去した後,その一定量

をキャリヤガスとともに高温の全炭素測定管に送り込み,有機物中の炭素を二酸化炭素とし,その濃度を

非分散形赤外線ガス分析計で測定して有機体炭素(

TOC

)の濃度を求める。


30

B 8224

:2016

定量範囲:

C

0.05

1 000 mg/L

,繰返し精度:

3

10 %

(装置及び測定条件によって異なる。

12.3.1 

試薬 

試薬は,次による。

a) 

水  12.2.1 a)

による。

b) TOC

標準液(C1 000 mg/L

12.2.1 b)

による。

c) TOC

標準液(C100 mg/L

12.2.1 c)

による。

d) 

ゼロ校正液

a)

の水を用いる。

e) 

スパン校正液

TOC

標準液(

C

100 mg/L

[又は

TOC

標準液(

C

1 000  mg/L

]の適量を全量フラ

スコにとり,水を標線まで加える。計測器の測定範囲の約

80 %

に相当する

TOC

の濃度になるように

調製する。

TOC

標準液を使用時に調製する。

f) 

酸溶液

JIS K 9005

で規定するりん酸,

JIS K 8180

で規定する塩酸又は

JIS K 8951

で規定する硫酸で

TOC

の濃度のできるだけ少ないものを用い,所定の濃度に調製する。

g) 

キャリヤガス

12.2.1 h)

による。

12.3.2 

器具及び装置 

器具及び装置は,次による。

a)

TOC

プロセス用分析計

JIS K 0805

で規定する超純水用(最大目盛値が

1 000 μg/L

以下)の燃焼酸化

−赤外線式

TOC

プロセス用分析計。

12.3.3 

準備操作 

準備操作は,次による。

a)

酸溶液及びキャリヤガスを,計測器に供給する。

b)

計測器の電源を入れ,各部の機能及び指示記録部を安定させる。

c)

ゼロ校正液及びスパン校正液を用いて計測器を校正する。

12.3.4 

操作 

操作は,次による。

a)

試料を,計測器に供給して指示値が安定したことを確認する。

b)

指示値から試料中の有機体炭素(

TOC

)の濃度(

C

mg/L

)を求める。

12.4 

湿式酸化−赤外線式 TOC 分析法 

あらかじめ試料に酸を加えて

pH

2

以下にし,通気して無機体炭素を除去する。無機体炭素を除去し

た試料の一定量をペルオキソ二硫酸塩及びキャリヤガスとともに,湿式酸化反応器に送り込み,有機物中

の炭素を二酸化炭素とした後,その濃度を非分散形赤外線ガス分析計で測定して

TOC

濃度を求める。この

方法は,

TOC

の濃度に比べて無機体炭素が多い場合は,誤差が少ない。ただし,揮発性の有機物を含む場

合には,誤差が多い。

定量範囲:

C

0.01

1 mg/L

,繰返し精度:

3

10 %

(装置及び測定条件によって異なる。

12.4.1 

試薬 

試薬は,次による。

a) 

JIS K 0557

で規定する

A4

の水で,

4.7 a)

の二酸化炭素を含まない水を用いるか,又は同等の質

の水を用いる。あらかじめ空試験を行い,使用の可否を確認する。超純水製造装置で調製した水を用

いてもよい。

b) 

酸溶液

JIS K 8951

で規定する硫酸又は

JIS K 9005

で規定するりん酸で有機物のできるだけ低いもの

を用い,所定の濃度に調製する。


31

B 8224

:2016

c) 

ペルオキソ二硫酸塩溶液

JIS K 8253

で規定するペルオキソ二硫酸カリウム又はペルオキソ二硫酸ナ

トリウムで有機物のできるだけ低いものを用い,所定の濃度に調製する。

d) 

キャリヤガス

12.2.1 h)

による。

e) TOC

標準液(C100 mg/L

12.2.1 c)

による。

f) TOC

標準液(C1 mg/L

TOC

標準液(

100 mg/L

5 mL

を全量フラスコ

500 mL

にとり,水を標線

まで加える。使用時に調製する。

12.4.2 

器具及び装置 

器具及び装置は,次による。

a) 

マイクロシリンジ

0.2

20 mL

又は自動注入装置。

b) TOC

分析装置

  最大目盛値が

1 000 μg/L

以下の湿式酸化−赤外線式

TOC

分析装置。

12.4.3 

準備操作 

準備操作は,次による。

a) TOC

分析装置を作動できる状態にする。

b) TOC

標準液(

C

1 mg/L

)の一定量(例えば,

20 mL

)をマイクロシリンジで

TOC

分析装置に注入し,

指示値(ピーク高さ又はピーク面積)を読み取る。このときの一定量とは,試料の全炭素の濃度又は

無機体炭素の濃度の予想値によって,適切な指示値が得られる注入量をさす。この操作を繰り返し指

示値が一定になることを確かめる。

c)

試料の適量を適切な容量の細口共栓瓶(例えば,容量

500 mL

)に入れ(上部に空間を残す)

,酸溶液

を添加して

pH

2

以下にした後,キャリヤガスを通気して無機体炭素を除去する。無機体炭素の除

去には,酸溶液の量,通気するガスの流量,通気時間,処理する試料の量,処理容器の構造などが影

響するため,

12.2.1 e)

によって調製した無機体炭素標準液(

C

100 mg/L

)を薄め,調製した無機体

炭素の標準液(例えば

C

1 mg/L

)を用いて除去が十分に行われていることを確認する。

d)

無機体炭素を除去した試料の一定量[例えば,

b)

と同量]をマイクロシリンジで注入し,指示値を読

み取り,

b)

の指示値と比較して概略の

TOC

の濃度(

C

μg/L

)を求める。

12.4.4 

操作 

操作は,次による。

a)

12.4.3 c)

で無機体炭素を除去した試料の一定量[

12.4.3 d)

と同量]をマイクロシリンジで

TOC

分析

装置に注入し,指示値を読み取る。

b)

あらかじめ,次によって作成した

TOC

の検量線から試料中の

TOC

の濃度(

C

μg/L

)を求める。

1)  12.4.3 d)

で求めた試料の概略の

TOC

の濃度(

C

μg/L

)がほぼ中央になるように

TOC

標準液(

C

1 mg/L

)を全量フラスコ

100 mL

に段階的にとり,水を標線まで加える。

2)  1)

で調製した

TOC

標準液の最高濃度のものの一定量[例えば,

12.4.3 d)

と同量]をマイクロシリ

ンジで

TOC

分析装置に注入し,指示値が最大目盛値の約

80 %

になるように

TOC

分析装置の感度及

び標準液の注入量を調節する。

3)

順次,

1)

で調製した各濃度の

TOC

標準液の一定量[

2)

で定めた量]をマイクロシリンジで

TOC

分析装置に注入し,指示値を読み取る。

4)

空試験として

2)

と同量の水をマイクロシリンジで

TOC

分析装置に注入し,

指示値を読み取る。

3)

得た結果を補正し,

TOC

の濃度(

C

μg/L

)と指示値との関係線を作成し,これを

TOC

の検量線と

する。

12.4.5 

留意事項 


32

B 8224

:2016

a)

紫外線を照射して有機体炭素を二酸化炭素とする紫外線湿式酸化法では,用いる水銀灯の紫外線の放

射強度が徐々に低下するので,適切な時期に交換する。

b)

試料に揮発性の有機物が含まれる場合には,

12.4.3 c)

の操作において通気することによって試料から

失われることがあるため,通気量は必要以上に大きくしない。

c)

無機体炭素を除去する際に,使用する容器及びその材料などによって試料が汚染される割合をできる

だけ少なくするためには,できるだけ多量の試料について無機体炭素の除去操作を行い,そのうち一

部の試料を用いて測定するとよい。

12.5 TOC

プロセス用分析計(湿式酸化−赤外線式)による測定方法 

計測器に供給した試料に酸を加えて

pH

2

以下にし,通気して無機体炭素を除去した後,その一定量

(又は一定流量)をペルオキソ二硫酸塩カリウム及びキャリヤガスとともに湿式酸化反応器に送り込み,有

機物中の炭素を二酸化炭素とし,その濃度を非分散形赤外線ガス分析計で測定して有機体炭素(

TOC

)の

濃度を求める。

定量範囲:

C

0.01

1 mg/L

,繰返し精度:

3

10 %

(装置及び測定条件によって異なる。

12.5.1 

試薬 

試薬は,次による。

a) 

12.4.1 a)

による。

b) 

酸溶液

12.4.1 b)

による。

c) 

ペルオキソ二硫酸塩溶液

12.4.1 c)

による。

d) 

キャリヤガス

12.2.1 h)

による。

e) TOC

標準液(C100 mg/L

12.2.1 c)

による。

f) 

ゼロ校正液

a)

の水を用いる。

g) 

スパン校正液

12.3.1 e)

による。

12.5.2 

器具及び装置 

器具及び装置は,次による。

a) TOC

プロセス用分析計

JIS K 0805

で規定する超純水用(最大目盛値が

1 000 μg/L

以下)の湿式酸化

−赤外線式

TOC

プロセス用分析計。

12.5.3 

準備操作 

準備操作は,次による。

a)

酸溶液,ペルオキソ二硫酸塩溶液及びキャリヤガスを,計測器に供給する。

b)

計測器を作動し,各部の機能及び指示記録部を安定させる。

c)

ゼロ校正液及びスパン校正液を用いて,計測器を校正する。

12.5.4 

操作 

操作は,次による。

a)

試料を計測器に供給して指示値が安定したことを確認する。

b)

指示値から試料中に

TOC

C

μg/L

)を求める。

13 

ヘキサン抽出物質 

13.1 

一般事項 

ヘキサン(

n-

ヘキサン)抽出物質とは,試料を微酸性とし,ヘキサン抽出を行った後,約

80

℃でヘキ

サンを揮散させたときに残留する物質をいう。


33

B 8224

:2016

この試験は,主として揮散しにくい鉱物油及び動植物油脂類の定量を目的とするが,これらのほかヘキ

サンに抽出された揮散しにくいもの(例えば,炭化水素誘導体,脂肪酸類,エステル類,アミン類,フェ

ノール類,界面活性剤,コロイド状硫黄など)は,定量値に含まれる。この試験には,抽出法を適用する。

13.2 

試料採取 

試料の採取は,次による。

13.2.1 

試薬 

試薬は,次による。

a) 

塩酸(11

JIS K 8180

で規定する塩酸を用いて調製する。

b) 

メチルオレンジ溶液(1 g/L

JIS K 8893

で規定するメチルオレンジ

0.1 g

を熱水

100 mL

に溶かす。

13.2.2 

器具及び装置 

器具及び装置は,次による。

a) 

試料容器

  共栓広口ガラス瓶(又は共栓ガラス瓶)

1

2 L

のもの。使用前にヘキサンでよく洗ってお

く。

13.2.3 

試料採取方法 

試料採取方法は,次による。

a) 

通水状態の配管装置などからの採取

  配管,装置などが通水状態の場合には,試料採取弁を開き,試

料採取配管内に滞留している水の約

5

倍量を約

1 L/min

の割合で流出させてから試料容器に受け,適

切な空間が残る程度に採取をとどめる。

なお,試料を採水する際に,試料容器を試料で洗わない。また,試料採取直前に流量を変更しては

ならない。

b) 

高温高圧状態にある配管・装置などからの採取

  高温水の場合は,冷却器を試料採取管に設けて室温

以下に冷却し,

a)

に準じて採取する。高圧水(圧力が

1.96 MPa

以上)の場合には,減圧器を設けて

減圧した後に採取し,高温であれば冷却器を通して室温以下に冷却する。

c) 

負圧状態にある配管・装置などからの採取

  負圧水の場合には,昇圧器で大気圧にしてから

a)

に準

じて採取する。

なお,負圧水で高温の場合は,昇圧器の前に冷却器を設けて室温にしてから大気圧にする[

JIS K 

0094

4.3

(採水弁を用いる採取)を参照]

注記

装置などが停止状態にあるときは,油状物質が配管及び装置中で水と分離していることが多

いため,通水速度及び通水時間によって油状物質の濃度に変動が生じる。試料採取弁及び配

管中に油状物質が付着しているおそれがある場合には,試料採取弁を全開して約

10

分間通水

してから,約

1 L/min

の割合で,更に

10

分間通水する。この操作を繰り返して洗浄する。

13.2.4 

試料の取扱い 

試料の取扱いは,次による。

a)

13.2.3

によって採取した試料は,他の容器に移し替えたり,一部を採取したりしてはならない。試験

には全量を用いる。

b)

試料の量は,試料を入れた容器の質量から試料容器の質量を差し引いて求めるか,又は試料を採取し

たときに試料容器の水面の位置に印を付けておき,試験終了時に印のところまで水を入れてその水の

体積を試料の量とする。

c)

試料を保存したり,運搬したりする必要がある場合には,指示薬としてメチルオレンジ溶液(

1 g/L

5

7

滴を加え,溶液の色が赤くなるまで塩酸(

1

1

)を加えて密栓する。


34

B 8224

:2016

なお,油状物質が浮上している場合には,運搬中の振動でにじみやすいので,試料容器のすり合わ

せに注意する。

13.3 

抽出法 

試料を

pH 4

以下の塩酸酸性にして,ヘキサンで抽出を行い,

80

℃でヘキサンを揮散させて残留する物

質の質量を測定してヘキサン抽出物質を定量する。

定量範囲:

5

500 mg/L

(試料量

1 L

の場合)

,繰返し精度:

10

20 %

13.3.1 

試薬 

試薬は,次による。

a) 

JIS K 0557

で規定する

A3

の水。

b) 

塩酸(11

13.2.1 a)

による。

c) 

硫酸ナトリウム

JIS K 8987

で規定するもの。

d) 

メチルオレンジ溶液(1 g/L

13.2.1 b)

による。

e) 

ヘキサン

JIS K 8848

で規定するもの。

f) 

窒素

JIS K 1107

で規定する窒素

2

級。

13.3.2 

器具及び装置 

器具及び装置は,次による。

a) 

分液漏斗

200 mL

及び

1 000

3 000 mL

(試料の量に応じた適切な大きさのもの)で脚部の短いもの。

使用前にヘキサンで洗う。コックにワセリンなどの滑剤を塗布しない。

b) 

乾燥器

80

±

5

℃に温度調節できるもの。

c) 

加熱板又はマントルヒータ

80

±

5

℃に温度調節できるもの。

温度調節ができる水浴を用いてもよい。

d) 

蒸留装置

  共通すり合わせで,蒸留フラスコ(容量

50

100 mL

,トの字形連結管及びリービッヒ冷

却器(長さ

300 mm

)を接続できるもの。いずれも使用前にヘキサンでよく洗っておく。

e) 

蒸発容器

  アルミニウムはく皿,白金皿又はビーカ。容量

50

100 mL

で,できるだけ質量の小さい

もの。いずれも使用前にヘキサンでよく洗い,

80

±

5

℃で約

30

分間加熱し,デシケータ中で放冷した

後,質量を

0.1 mg

の桁まで求めておく。

13.3.3 

操作 

操作は,次による。

a)

13.2.3

で採取した試料の全量(ヘキサン抽出物を

5

500 mg/L

含む。

)を分液漏斗

1 000

3 000 mL

移し,指示薬としてメチルオレンジ溶液(

1 g/L

2

3

滴を加え,溶液の色が赤に変わるまで塩酸(

1

1

)を滴加する。

注記

ヘキサン抽出物質の質量が

5 mg

以下で定量が困難な場合には,

JIS K 0102

24.3

(抽出容器

による抽出法)又は

24.4

(捕集濃縮・抽出法)によって試験するとよい。

b)

試料容器を約

20 mL

ずつのヘキサンで

2

回洗い,洗液を分液漏斗

1 000

3 000  mL

に加える。約

2

間激しく振り混ぜ,放置する。試料の性質によって,エマルションが生成したり,ヘキサン層が濁っ

たりした場合は

13.3.4

の方法による。

c)

水層は試料容器に戻し,更に分液漏斗

1 000

3 000  mL

を静かに揺り動かして,残った水層をできる

だけ分離して試料容器に戻す。ヘキサン層は分液漏斗

200 mL

に移す。この分離操作は,分離する水

層が

1 mL

以下になるまで続ける。試料が多量のグリース類又は固体油脂を含む場合には,水層を分

離する前にヘキサンを追加する。

d)

試料容器の水層を

a)

で使用した分液漏斗

1 000

3 000 mL

に入れ,再び,

b)

及び

c)

の操作を行って


35

B 8224

:2016

ヘキサン層と水層とを分離し,ヘキサン層を

c)

の分液漏斗

200 mL

に加える。

e)

分液漏斗

1 000

3 000 mL

を少量のヘキサンで洗い,洗液を分液漏斗

200 mL

に加える。

f)

分液漏斗

200 mL

を静かに揺り動かして静置し,ヘキサンを損失しないように注意しながら混入した

水分を十分に分離除去する。この分離操作は,分離する水層が

1 mL

以下になるまで続ける。

g)

ヘキサン層に水約

20 mL

を加え,約

1

分間振り混ぜて放置し,水層を捨てる。この洗浄操作を洗液が

メチルオレンジに対して黄色になるまで数回繰り返す。できるだけ水層を除去する。

h)

ヘキサン層が濁っている場合には,水層をできるだけ分離した後,ヘキサン層に硫酸ナトリウム

3

5

g

を加えて振り混ぜ,水分を除く。硫酸ナトリウムよりも,

JIS K 8150

で規定する塩化ナトリウム又

JIS K 8960

で規定する硫酸アンモニウムを使用する方が効果的な場合もある。ただし,ヘキサンに

溶ける物質を含む試薬は使用しない。

i)

分液漏斗

200 mL

の脚部を乾いたろ紙で拭き取り,脱脂綿又はろ紙を用いてヘキサン層をろ過し,蒸

留装置の蒸留フラスコに移し入れる。使用する脱脂綿又はろ紙は,ヘキサンで十分に洗って抽出物質

を除いたものを使用し,ろ過の際にはあらかじめ少量のヘキサンで潤しておく。ろ過したヘキサン層

が蒸留フラスコに一度に入りきらないときは,

2

3

回に分割してヘキサンを留出させる。

j)

分液漏斗

200 mL

を少量のヘキサンで洗い,この洗液も

i)

と同じ操作でろ過し,蒸留装置の蒸留フラ

スコに移し入れる。使用した脱脂綿又はろ紙は,ヘキサン約

5 mL

ずつで

2

回洗い,この洗液も蒸留

フラスコに移し入れる。

k)

蒸留フラスコをマントルヒータに入れ,トの字形連結管及びリービッヒ冷却器を接続して,マントル

ヒータの温度を約

80

℃に調節し,ヘキサンを毎秒

1

滴の留出速度で蒸留し,留出するヘキサンを受

器に受ける。蒸留は,蒸留フラスコ中の液量が約

2 mL

になるまで蒸留を続ける。トの字形連結管の

上部口から窒素を室温になるまで送入する。

l)

蒸留フラスコ中の残留液を質量既知の蒸発容器に移し入れる。蒸留フラスコを少量のヘキサンで

3

洗い,この洗液も蒸発容器に加える。蒸発容器を約

80

℃に保った加熱板の上又はマントルヒータの

中に置いてヘキサンを揮散させる。ヘキサンを揮散後,蒸発容器中に水分が認められる場合には,

JIS 

K 8034

で規定するアセトンを加えて蒸発を繰り返し,水分を除去する。水分中に塩類が残留すると誤

差になるので注意する。塩類が残留する場合には

m)

の操作を行い,ヘキサン抽出物質の質量を求め

た後,ヘキサン抽出物質を少量のヘキサンを加えて溶かし分離する。この操作を繰り返し行い,ヘキ

サン抽出物質を除去した後,

m)

の操作を行って残留物質の質量を求めて補正する。

注記

ヘキサンを揮散させる際,ヘキサンに引火しないように十分に注意する。また,溶媒は揮散

廃棄せずに,できるだけ回収する。

m)

蒸発容器の外側を湿った清浄な布などで拭い,次に,乾いた清浄な布などでよく拭って,

80

±

5

℃に

調節した乾燥器に入れ,約

30

分間加熱する。蒸発容器をデシケータ中で約

30

分間放冷した後,その

質量を

0.1 mg

の桁まではかり,蒸発容器の質量を差し引き,ヘキサン抽出物質の質量(

mg

)を求め

る。

n)

空試験として,この試験に使用した全ヘキサンと同量のヘキサンを蒸留フラスコにとり,

k)

m)

操作を行って,残留物質の質量(

mg

)を求める。蒸留フラスコにヘキサンが入りきらないときは,

2

3

回に分割して留出させる。

o)

次の式によって試料中のヘキサン抽出物質の濃度(

mg/L

)を算出する。

(

)

V

b

a

P

000

1

×

=


36

B 8224

:2016

ここに,

P

ヘキサン抽出物質(

mg/L

a

試験操作におけるヘキサン抽出物質の質量(

mg

b

空試験における残留物質の質量(

mg

V

試料(

mL

13.3.4 

留意事項 

エマルションが生成したり,ヘキサン層が濁ったりした場合は,次に示す

a)

の加熱還流法又は

b)

の遠

心分離法のいずれかの方法によってヘキサン層の分離を容易にすることができる。

a) 

加熱還流法 

1)

分液漏斗中の水層をできるだけ元の試料容器に戻す。

2)

これに,

JIS K 8150

で規定する塩化ナトリウム又は

JIS K 8960

で規定する硫酸アンモニウム約

10 g

(ヘキサンに溶ける物質を含まないもの)を加える。

3)

次に,分液漏斗の口に約

300 mm

の共通すり合わせリービッヒ冷却器又はジムロート冷却器を取り

付け,約

80

℃に保った恒温水浴中に分液漏斗を浸し,約

10

分間ヘキサンを還流させる。

b) 

遠心分離法 

1)

分液漏斗中のヘキサン層及びエマルション層に

JIS K 8150

で規定する塩化ナトリウム又は

JIS K 

8960

で規定する硫酸アンモニウム約

10 g

を加えて振り混ぜた後,少量の水で遠心分離管に移す。

2)

回転数

8 000  rpm

以上で約

5

分間遠心分離すると,エマルション層は僅かになり,ヘキサン層の分

離を容易にすることができる。

c)

a)

又は

b)

で調整した溶液を分液漏斗に戻し,

13.3.3 c)

以下の操作に移る。

14 

溶存酸素 

14.1 

一般事項 

溶存酸素の定量には,インジゴカルミン比色法,隔膜電極法,光学式センサ法又は溶存酸素プロセス用

分析装置による測定方法を適用する。この試験は,試料採取後,直ちに行う。

14.2 

インジゴカルミン比色法 

インジゴカルミン比色法は,アルカリ性でインジゴカルミン[

2-

1,3-

ジヒドロ

-3-

オキソ

-5-

スルホ

-2H-

インドール

-2-

イリデン)

-2,3-

ジヒドロ

-3-

オキソ

-1H-

インドール

-5-

スルホン酸二ナトリウム]とグルコース

とを加え,試料中の溶存酸素によって生じる呈色を,溶存酸素比色液と比較して定量する。この方法は,

同一色の濃淡を比較する比色法ではなく,溶存酸素の濃度が

O

0

4 µg/L

の範囲では黄色中の緑,溶存酸

素の濃度が

O

4

20 µg/L

の範囲では黄色中の赤の濃淡を判別する。

定量範囲:

O

0

60 µg/L

14.2.1 

試薬 

試薬は,次による。

a) 

インジゴカルミン溶液

JIS K 8092

で規定するインジゴカルミン

20 mg

JIS K 8824

で規定する

D(

)-

グルコース

0.2 g

とを水

5 mL

に溶かした後,

JIS K 8295

で規定するグリセリン

75 mL

を加えて

溶かす。着色瓶に入れて冷暗所に保存する。

注記

この溶液は,密栓して

10

℃以下の暗所に保存すれば約

1

か月間は安定である。これ以外の

場所に放置するとインジゴカルミンは急速に分解する。

b) 

水酸化カリウム溶液

JIS K 8574

で規定する水酸化カリウム

53 g

を水

100 mL

に溶かす。使用時に調

製する。


37

B 8224

:2016

c) 

アルカリ性インジゴカルミン溶液

  インジゴカルミン溶液

8 mL

と水酸化カリウム溶液

2 mL

とをよく

混合する。この溶液は,使用の約

30

40

分間前に調製し,暗い赤から黄色になるまで放置した後,使

用する。

2

時間以上経過したものは使用しない。

なお,溶液の色が暗い赤から完全に黄色(レモン色)になるまでの時間は,グリセリンの品質及び

温度によって一定しない。変色に要する時間をあらかじめ確認し,完全に黄色(レモン色)になって

から使用する。温度が低いと時間を要する。

d) 

塩化鉄(III)溶液

JIS K 8142

で規定する塩化鉄(

III

)六水和物

45.1 g

JIS K 8180

で規定する塩酸

10 mL

とを水約

300 mL

に溶かし,水で

1 L

とする。

e) 

塩化コバルト(II)溶液

JIS K 8129

で規定する塩化コバルト(

II

)六水和物

59.3 g

JIS K 8180

規定する塩酸

10 mL

とを水約

300 mL

に溶かし,水で

1 L

とする。

f) 

硫酸銅(II)溶液

JIS K 8983

で規定する硫酸銅(

II

)五水和物

62.5 g

JIS K 8180

で規定する塩酸

10 mL

とを水約

300 mL

に溶かし,水で

1 L

とする。

g) 

溶存酸素比色液

  溶存酸素の濃度に応じて塩化鉄(

III

)溶液,塩化コバルト(

II

)溶液及び硫酸銅(

II

溶液を

表 6

に示す割合で比色瓶にとり,

JIS K 8180

で規定する塩酸

1 mL

を加えて水を

100 mL

の標線

まで加える。調製後

2

時間以上経過すると,比色液の色調が変わることがある。変色したものは調製

し直す。

表 6

溶存酸素比色液 

溶存酸素

O:µg/L

塩化鉄(III)溶液

mL

塩化コバルト(II)溶液

mL

硫酸銅(II)溶液

mL

0 11.67

0.25

2 8.75

0.75

4 7.20

1.35

6 6.05

1.70

8 5.05

1.95

10 4.17

2.08

15 3.33

3.13

20 2.13

4.33

25 1.27

4.80

30 1.10

4.87

0.07

35 0.97

5.03

0.37

40 0.80

5.17

0.73

45 0.67

5.37

0.93

50 0.57

6.10

2.70

55 0.47

7.23

4.37

60 0.33

8.33

6.00

14.2.2 

器具及び装置 

器具及び装置は,次による。

a) 

比色瓶

図 7

に示すように,内径約

40 mm

の丸底で,容量

100 mL

,ガラスに色がないもの。

b) 

試料採取器

図 8

に示すように,内径約

40 mm

で,容量

100

±

5 mL

,ガラスに色がないもの。

注記

試料採取器は,できるだけ容量の等しいものを

2

個ずつ組み合わせて用いるほうが誤差が少

なくなる。また,ガラスの肉厚,外径は比色瓶とできるだけ等しくすると比色しやすい。


38

B 8224

:2016

単位  mm

図 7

比色瓶の一例 

単位  mm

図 8

試料採取器の一例 

14.2.3 

試料採取 

試料採取は,次による。

a)

試料採取器の入口を試料採取口より高い位置に支持するように設置し,試料採取器の下端を軟質塩化

ビニル管で試料採取口に接続する。試料の温度が室温より高い場合には,試料の温度が室温より

1

2

℃低くなるように試料配管中に適切な冷却器を設ける。

1)

試料採取口と試料採取器とを接続する導管は,空気の浸透しにくい材質を選び,できるだけ短くし

て使用する。

注記

通常,使用する各種の導管のうち空気の浸透の少ないものは,軟質塩化ビニル管,硬質ポリ


39

B 8224

:2016

エチレン管,ナイロン管などである。

2)

冷却器に代え,冷却蛇管を使用する場合には,冷却水調節用弁を冷却蛇管の入口に設けて冷却水を

流してあふれさせ,試料の流量調節弁は冷却蛇管の出口に設ける。

b)

試料採取器に試料が

8

12

秒間で満たされるように,試料の流量を調節し,試料配管中の滞留水(元

の試料)が完全に入れ替わるように,連続して試料を十分に流す。

なお,試料配管を断続的に使用する場合にも,試料配管及び冷却蛇管中の滞流水(元の試料)を完

全に置換するのに必要な時間だけ試料を流す。

c)

試料採取器の上部のコックを閉じ,直ちに下部のコックを閉じ,接続配管を外す。試料採取器を逆さ

にして気泡が全くないことを確かめた後,試料とする。ただし,少しでも気泡があれば,試料をとり

直す。

14.2.4 

操作 

操作は,次による。

a)

アルカリ性インジゴカルミン溶液を試料採取器の試薬注入部の最上部の基線まで満たし,試薬注入部

のコックを開き,下部のコックで調節しながらアルカリ性インジゴカルミン溶液

1.2 mL

を添加する。

b)

両端のコックを閉じた後,試料採取器を約

1

分間繰り返し転倒させて十分に混ぜ合わせ,約

5

分間放

置する。

c)

その呈色を溶存酸素比色液と比較して,該当する溶存酸素比色液を求め,相当する溶存酸素の濃度

O

µg/L

)を求める。比色時の光源は,一般に昼光とし,直射日光を避ける。

注記

アルカリ性インジゴカルミン溶液を試料採取器の試薬注入部に満たす際,試薬注入部に付着

した水をろ紙などで完全に除去する必要はない。むしろ微量の水が残っている方が試薬注入

時に試薬注入部の底部に気泡を形成しない。この微量の水と反応した試薬の部分はすぐに浮

上するので,試薬

1.5

2 mL

を試薬注入部に満たしておけば,変色した試薬の部分は試料採

取器内には入らず,測定値は影響を受けない。

14.2.5 

留意事項 

この試験方法には,次に示す妨害物質などがあり,その対応も含めて示す。

a)

ヒドラジニウムイオン(ヒドラジン)

,亜硫酸イオン及びタンニンは,それぞれ

1 mg/L

までは妨害し

ない。鉄(

III

,シクロヘキシルアミン及びモルホリン(テトラヒドロキシ

-1,4-

オキサジン)は,それ

ぞれ

4 mg/L

までは許容できる。

b)

鉄(

II

Fe

20 µg/L

以上及び銅(

II

Cu

20 µg/L

以上は妨害する。

c)

これらの妨害物質を許容量以上含有する場合には,試料を強酸性陽イオン交換樹脂(

H

形)と強塩基

性陰イオン交換樹脂(

I

形)

OH

形)との混合物を充

したカラムに通した後,その流出液について

試験すれば,妨害を除くことができる。

14.3 

隔膜電極法 

隔膜電極を試料に浸せきして溶存酸素濃度を測定する。隔膜電極は酸素透過性のある隔膜,対極,電解

液などから構成され,隔膜を透過した酸素が還元されて生じる電流を測定する。この電流が試料中の溶存

酸素濃度と比例することを利用し,定量する。

定量範囲:

O

1 µg/L

以上,繰返し精度:

2

10 %

なお,試験目的によって低濃度,高濃度のレンジ切替え可能な方式(例えば,

0

20 µg/L

0

200 µg/L

など)を用いる。

14.3.1 

試薬 


40

B 8224

:2016

試薬は,次による。

a) 

ゼロ校正液

  ゼロ校正液は,次の

1)

又は

2)

のいずれかによる。

1)  JIS K 8061

で規定する亜硫酸ナトリウム約

1 g

を水に溶かし,水を加えて

500 mL

とする。使用時に

調製する。

JIS K 8129

で規定する塩化コバルト(

II

)六水和物を微量添加すると,溶存酸素は容易に亜硫酸

ナトリウムによって還元除去される。

2)

水に窒素(

JIS K 1107

で規定する窒素の

1

級)を通気して溶存酸素を除去したもの。水(

A2

又は

A3

の水)を窒素で,ばっ気して溶存酸素を除去する方法では,ばっ気に用いる窒素中の酸素の濃度

によって除去できる濃度が決まる。例えば,

JIS K 1107

で規定する窒素

1

級を用いる場合は,この

窒素には酸素が最大限

5 vol ppm

2

級では,

50 vol ppm

)含まれることが許容されている。したが

って,この窒素でばっ気した場合の溶存酸素の残留濃度はブンゼン吸収係数を用いて計算すると

O

0.22 μg/L

となる。すなわち,

22

.

0

28

221

.

0

994

413

.

22

999

.

31

5

031

.

0

=

×

×

=

O

ここに,

O

溶存酸素(

O

μg/L

0.031

20

℃での酸素のブンゼン吸収係数(

mL/mL

5

窒素中の酸素の濃度(

5 μl/L

5 vol ppm

31.999

酸素の分子量

22.413 994

標準状態における気体のモル体積(

L

通気時間は,

15

25

℃で水

1 L

の場合に,約

90

分間通気する。水温を上げると通気時間は短く

なる。

3)

これらの溶液は,ゼロ調節に用いる。

b) 

スパン校正液

  スパン校正液は,次による。

1)

水酸化カリウム溶液(

250 g/L

JIS K 8574

で規定する水酸化カリウムを用いて調製する。

)で洗浄

した空気を,流量約

1 L/min

で球形又は板状のガラスろ過板

G2

又は

G3

を用いて水に通気し,溶存

酸素を飽和させる。スパン調節を行う直前に調製する。

2)

通気時間は,水

200 mL

の場合には

5

10

分間,

500 m L

の場合には

10

20

分間通気する。

3)

溶存酸素飽和水は,試料の温度と±

0.5

℃で一致する温度のものを調製する。水中の飽和溶存酸素

量と水温との関係を

表 7

に示す。


41

B 8224

:2016

表 7

水中の飽和溶存酸素量と水温の関係(1 013 hPa 

水温

溶存酸素

(O:mg/L)

水温

溶存酸素

(O:mg/L)

水温

溶存酸素

(O:mg/L)

水温

溶存酸素

(O:mg/L)

0 14.62 12 10.78 24 8.42 36 6.84 
1 14.22 13 10.54 25 8.26 37 6.73 
2 13.83 14 10.31 26 8.11 38 6.62 
3 13.46 15 10.08 27 7.97 39 6.52 
4 13.11 16  9.87 28 7.83 40 6.41 
5 12.77 17  9.67 29 7.69 41 6.31 
6 12.45 18  9.47 30 7.56 42 6.21 
7 12.14 19  9.28 31 7.43 43 6.12 
8 11.84 20  9.09 32 7.31 44 6.02 
9 11.56 21  8.92 33 7.18 45 5.93

10 11.29 22  8.74 34 7.07

11 11.03 23  8.58 35 6.95

14.3.2 

器具及び装置 

器具及び装置は,次による。

a) 

溶存酸素測定容器

  ガラス容器

100

300 mL

にゴム栓を付け,栓に隔膜電極,温度計,試料注入管及

び排出するための排出管を取り付けた流液形のもの。このほかに,溶存酸素測定瓶,培養瓶などを用

いてもよい。

図 9

に一例を示す。

  A: ゴム栓 
  B: ガラス容器 
  C: 回転子 
  D: マグネチックスターラ 
  E: 温度計 
  F: 排出管 
  G: ガラス管 
  H: ピンチコック 
  I: 隔膜電極

図 9

溶存酸素測定容器の例 

b) 

校正用容器

  隔膜電極を所定位置まで挿入できるもの。

a)

の溶存酸素測定容器を用いてもよい。

c) 

温度計

JIS B 7411

規格群で規定する一般用ガラス製棒状温度計の

50

度温度計。


42

B 8224

:2016

d) 

溶存酸素計

  温度補償回路を組み入れたもの。

e) 

マグネチックスターラ 

注記

溶存酸素計は,隔膜の取付け,電解液の交換,電極の消耗による交換などの方法が,計測器に

よって異なる。特に,隔膜の取付けは,測定に大きな影響を与えるので注意する。取扱説明書

に従って正しく行う。

14.3.3 

準備操作 

準備操作は,次による。

a)

溶存酸素計に隔膜電極を接続し,約

30

分間通電しておく。

b)

校正用容器に,試料と同じ温度に調節した

14.3.1 a) 1)

の亜硫酸ナトリウム溶液を注入し,マグネチッ

クスターラで静かにかき混ぜながら隔膜電極を挿入し,指示値が安定してから指示値をゼロに合わせ

る。ただし,ゼロ校正時には,溶存酸素計の測定レンジが最小に,又は自動レンジ切替え方式では最

小レンジに切り替わっていることを確認してから行う。

注記

指示が安定するまで通常,

2

5

分間を要する。

c)

隔膜電極及び温度計を取り出し,水でよくすすぎ,溶存酸素測定容器に挿入する。

なお,

b)

から

c)

に移るときには,隔膜電極を特によく洗浄する。

d)

注入管の一端から溶存酸素測定容器の底部に静かに溶存酸素飽和水を注入し,溶存酸素測定容器の容

量の

25

50 %

を流出させた後,排出管の先端を閉じる。溶存酸素飽和水は,溶存酸素測定容器内で調

製してもよい。

e)

マグネチックスターラでかき混ぜながら,溶存酸素計の指示値が安定するのを待つ。かき混ぜ速度に

よって指示値に差が生じるので,

できるだけスパン調節操作時と同じ条件に保つ。

スパン校正時には,

溶存酸素計の測定レンジが最大に,又は自動レンジ切替え方式では最大レンジに切り替わっているこ

とを確認してから行う。

f)

b)

e)

の操作を

2

3

回繰り返して指示値が,それぞれゼロ及び溶存酸素の飽和量に合致しているこ

とを確かめる。

14.3.4 

操作 

操作は,次による。

a)

14.3.3 d)

に準じて,試料を溶存酸素測定容器の底部に,気泡が入らないように静かに注入する。

なお,溶存酸素測定瓶又は培養瓶などを測定容器として用いる場合には,サイホンを用いて静かに

試料を測定用器にとり,直ちに電極及び温度計を挿入して測定する。また,温度計を挿入する代わり

に,電極に内装されている温度計で温度を測定してもよい。

b)

マグネチックスターラでかき混ぜながら,温度計の目盛を確認し,次に,溶存酸素計の指示値の安定

するのを待って指示値(

O

μg/L

)を読み取る。

注記

指示値は,温度

1

℃の上昇につき約

5 %

増大する。

c)

かき混ぜ速度によって指示値に差が生じるので,できるだけスパン調節操作時と同じ条件に保つ。

d)

測定中に試料を一定の流量で流す場合には,マグネチックスターラでかき混ぜる必要はない。指示値

は,一般に試料の流速に依存する。製造業者の示した電極面の流速を保つように調節する。

e)

試料の溶存酸素の濃度が低く,また,試料の量が十分に採取できる場合には,ほかの試験方法(例え

ば,

14.2

など)で確認することが望ましい。

14.3.5 

留意事項 

a)

隔膜電極法による溶存酸素計には,ガルバニ電池方式とポーラログラフ方式とがある。ガルバニ電池


43

B 8224

:2016

方式は,金,銀などの貴金属と,鉛,亜鉛などの卑金属とを組み合わせ,電解質溶液(塩化カリウム

又は水酸化カリウムの溶液)に浸すと,卑金属は溶解し,酸素が還元されて電極間に電流が流れるこ

とによる。酸素がない場合は,電池の分極作用で電流が流れない。いずれの方式も隔膜の酸素拡散係

数,電解質溶液の種類,反応速度などによって測定感度及び再現性が異なる。

b)

溶存酸素

O

1 mg/L

未満を測定する場合には,溶存酸素の濃度約

440 µg/L

の溶液を調製し,ゼロ校正

液及びスパン校正液を用いて

3

点での直線性を確認する。

c)

酸素の濃度約

400 µg/L

の溶液は,水

1 L

20

℃,

101.325 kPa

に保って,国家計量標準にトレーサブ

ルな酸素の

NO 1

を流量約

1 L/min

で球形又は板状のガラスろ過板

G2

又は

G3

を用いて

40

分間以上通

気し,溶解させる。このときの溶存酸素の濃度は

O

443 µg/L

となる。

d)

気圧

101.325 kPa

で水温

20

℃の水

1 L

に窒素(窒素

1

級)及び校正ガス(酸素濃度

0.05

及び

0.5 vol%

を流量約

1 L/min

JIS R 3503

で規定するガラスろ過板

2

又は

3

(球形又は板状)を用いて

90

分間通

気したときの溶存窒素及び溶存酸素の濃度の変化を測定した一例を,

図 10

に示す。

図 10

窒素及び校正ガスを通気したときの溶存酸素の濃度変化の測定例 

e)

使用前及び測定時の隔膜電極の取扱いは,隔膜の表面に指を触れない。

f)

電解液及び隔膜を交換した場合,又は隔膜を乾燥させてしまった場合は,隔膜を水で湿し,

14.3.3

準備操作を行う前に指示値が安定するように時間をおく。

g)

試料に浸したときに気泡が電極に付着していないことを確認する。

h)

酸素が常に供給されるように,試料は隔膜上を絶えず流れていることが必要である。また,指示値の

振れが生じない程度の流量であることを確認する。

14.4 

光学式センサ法 

光学式センサを試料に浸せきして溶存酸素濃度を測定する。光学式センサは,蛍光物質又はりん光物質

経過時間

(min)

校正ガスの種類

窒素 1 級

酸素 0.05 vol %

(バランス窒素)

酸素 0.5 vol %

(バランス窒素)


5

10 
15 
20 
30 
45 
60 
75 
90

 9

020

 2

820

497 
172

93 
41 
12

4.3 
1.4 
0.8

 9

020

 2

880 
570 
304 
136

54 
25 
20 
20 
21

 9

010

 3

000 
594 
399 
283 
216

211

210 
210 
212

通水条件 
 
水温:20  ℃ 
校正ガス流量:1 L/min 
循環水量:0.5 L/min 
保有水量:1 L

10000

1000

100

10

1

0.1

0 20 40 60 80 100

校正ガス通気時間(min)

○:窒素 1 級

 
△:酸素 0.05 vol % 
(バランス窒素)

 
□:酸素 0.5 vol % 
(バランス窒素)

溶 
存 
酸 
素 
濃 

(μg/L)


44

B 8224

:2016

を塗布したセンサキャップ,励起光源,光検出部などから構成され,試料中で励起された蛍光物質又はり

ん光物質が発する光を測定する。試料中に酸素が存在すると消光作用によって発光量が減少するが,この

消光作用は酸素濃度に比例する。光学式センサ法では,発光の位相差,持続時間などから酸素による消光

作用を測定し,溶存酸素濃度を定量する。

定量範囲:

1 μg/L

以上,繰返し精度:

2

10 %

14.4.1 

試薬 

試薬は,次による。

a) 

ゼロ校正液

14.3.1 a)

による。

注記

水蒸気飽和させ,

JIS K 1107

で規定する窒素雰囲気中で,ゼロ調整を行ってもよい。

b) 

スパン校正液

14.3.1 b)

による。

14.4.2 

器具及び装置 

器具及び装置は,次による。

a) 

溶存酸素測定容器

14.3.2 a)

による。

b) 

校正用容器

14.3.2 b)

による。

c) 

光学式センサ法溶存酸素計

  溶存酸素濃度を

μg/L

単位で直接表示できるもの,又は酸素の飽和百分率

%

表示できるもの。ほとんどの計器は温度補償,大気圧補償を自動で行い,また,入力した試料の

塩分濃度を濃度計算に反映させる機能をもつ。このような自動機能をもたない計器を使用する場合は,

使用者が温度及び圧力の影響を補正する必要がある。

B.5

参照。この酸素計の例を

図 11

に示す。

d) 

温度計

14.3.2 c)

による。ただし,通常,温度センサは溶存酸素計に組み込まれている。

e) 

気圧計

1 hPa

単位のもの。ただし,通常,気圧計は溶存酸素計に組み込まれている。

図 11

光学式センサ法溶存酸素計の構成例 

14.4.3 

準備操作 

準備操作は,次による。

a) 

ゼロ点の確認

  溶存酸素測定容器に

14.3.1 a) 1)

の亜硫酸ナトリウム溶液を注入し,マグネチックスタ

ーラで静かにかき混ぜながらプローブを挿入し,計器のゼロ点を確認する。ただし,かき混ぜる際に

は,大気から酸素が混入しないように注意し,応答時間が最短化されるようにかき混ぜる。最新のプ

ローブは

1

2

分間で安定な指示を得る。製造業者によって応答時間が異なるので,製造業者の取扱説

明書を参照する。

b) 

スパン側の校正

14.3.1 b)

のスパン校正液を使用し,

14.3.3

d)

及び

e)

の校正を実施する。


45

B 8224

:2016

注記

計器が校正不能となった場合,計器がセンサキャップを受け付けない場合,応答が不安定又

は遅くなった場合は,製造業者の取扱説明書を参照してセンサキャップを交換する。

14.4.4 

操作 

操作は,次による。

a) 14.4.3 

a)

に準じて,試料を溶存酸素測定容器の底部に,気泡が入らないように静かに注入する。溶存

酸素測定瓶,培養瓶などを測定容器として用いる場合には,サイホンを用いて静かに試料を容器にと

り,直ちにプローブを挿入して測定する。

b)

マグネチックスターラなどを用いて穏やかにかき混ぜ,指示値が安定するのを待って,溶存酸素の濃

度(

O

μg/L

)又は飽和百分率(

%

)を読み取る。測定値に影響を与える,試料温度,大気圧などを確

認する。

14.4.5 

留意事項 

光学式センサ法のスパン側の校正方法について,次に示す。

センサはメンテナンスを実施した後は,必ず校正を実施する。

なお,簡易的な方法として,スパン溶液を使用する代わりにセンサを大気中に開放した状態で,スパン

校正を行うことも推奨されている。この場合は,製造業者の取扱説明書に従って操作を行う。

a) 

直接値入力によるセンサの校正

  この手順は,サンプルラインを流れている既知濃度の液体サンプル

を活用して校正する。

b) 

大気によるセンサの校正

  大気スパン校正は大気中の酸素を基準に行う。センサを大気中にさらし,

乾いた状態で校正する。

14.5 

溶存酸素プロセス用分析装置による測定方法 

溶存酸素プロセス用分析装置(隔膜電極法又は光学式センサ法)によって試料中の溶存酸素を連続的に

測定する。

定量範囲:

14.3

隔膜電極法

14.4

光学式センサ法

による。

試験目的によって低濃度,高濃度のレンジ切り替えができるもの(例えば,

0

20 µg/L

0

200 µg/L

ど)を用いるとよい。

14.5.1 

試薬 

試薬は,次による。

a) 

ゼロ校正液

  隔膜電極法は

14.3.1 a)

,光学式センサ法は

14.4.1 a)

による。

b) 

スパン校正液

  隔膜電極法は

14.3.1 b)

,光学式センサ法は

14.4.1 b)

による。

14.5.2 

器具及び装置 

器具及び装置は,次による。

a) 

溶存酸素自動計測器

  溶存酸素自動計測器は,検出部,指示部及び記録部で構成する。構成の一例を

図 12

示す。

図 12

溶存酸素プロセス用分析装置の構成の一例 

試 料 採 取 装 置

検 出 部

指 示 部

記 録 部

排 出 水


46

B 8224

:2016

14.5.3 

隔膜式電極法による測定 

測定は,次による。

14.5.3.1 

測定準備 

測定準備は,次による。

a)

あらかじめ電極を

90

分間以上水に浸した後,そのままの状態で指示部に接続する。

b)

自動計測器の各部を点検し,

特に水漏れのないことを確認してから,

所定の手順に従って電源を入れ,

各部が安定するまで

30

分間以上おく。

14.5.3.2 

校正 

校正は,次による。この操作は,

1

3

か月間に

1

回程度行うことが望ましい。

a)

自動計測器が安定状態に達した後,電極をゼロ校正液に浸し,指示値が安定した後,ゼロ調節を行う。

または,電気的なゼロ調節を行う。

b)

電極をスパン校正液に浸し,指示値が安定した後,スパン調節を行う。

なお,ゼロ調節に,ゼロ校正液を用いた場合には,電極に付着したゼロ校正液を水で十分にすすい

だ後,電極をスパン校正液に浸す。

14.5.3.3 

測定 

測定は,次による。

a)

電極を試料で十分にすすいだ後,試料を所定の流量で流す。

b)

指示値が安定した後,連続測定を行う。

c)

試料の溶存酸素の濃度が低く,また,試料の量が十分に採取できる場合には,ほかの試験方法(例え

ば,

14.2

など)で確認することが望ましい。

14.5.3.4 

点検・整備 

点検・整備は,定期的に行うこととし,次による。

a)

試料の流量・温度・圧力(

1

3

か月適時)

b)

電極の汚れ(

1

3

か月適時)

c)

電解液の補給,隔膜の交換(

3

6

か月適時)

d)

記録紙及びインクの補給又は交換(適時)

14.5.4 

光学式センサ法による測定 

測定は,次による。

14.5.4.1 

測定準備 

測定準備は,次による。

a)

自動計測器の各部を点検し,特に水漏れのないことを確認する。

b)

所定の手順に従って電源を入れる。

14.5.4.2 

校正 

校正は,次による。この操作は,

1

年間に

1

回程度行うことが望ましい。

a)

プロセス用分析装置が安定状態に達した後,

14.5.1 a)

を用いてゼロ点の確認及び

14.5.1 b)

を用いてス

パン側の校正の操作を行う。

14.5.4.3 

測定 

測定は,次による。

a)

電極を試料で十分にすすいだ後,試料を所定の流量で流す。

b)

指示値が安定した後,連続測定を行う。


47

B 8224

:2016

14.5.4.4 

点検・整備 

点検・整備は,定期的に行うこととし,次による。

a)

試料の流量・温度・圧力(

1

3

か月適時)

b)

電極の汚れ(

1

3

か月適時)

15 

塩化物イオン(Cl

 

15.1 

一般事項 

塩化物イオンの定量には,チオシアン酸水銀(

II

)吸光光度法,塩化銀比濁法,硝酸銀滴定法,イオン

電極法,イオンクロマトグラフ法又は流れ分析法を適用する。

15.2 

チオシアン酸水銀(II

吸光光度法 

試料にチオシアン酸水銀(

II

)と硫酸アンモニウム鉄(

III

)を加えると,チオシアン酸水銀(

II

)のチオ

シアン酸イオンと塩化物イオンとが置換され,チオシアン酸イオンが遊離する。このチオシアン酸イオン

と鉄(

III

)とが反応して生じる赤だいだいの錯体の吸光度を測定して,塩化物イオンを定量する。

定量範囲:

 10  mm

セルの場合

Cl

0.4

10 mg/L

 20

mm

セルの場合

Cl

0.2

5 mg/L

 50

mm

セルの場合

Cl

0.1

2 mg/L

 100

mm

セルの場合

Cl

0.05

1 mg/L

繰返し精度:

2

10 %

15.2.1 

試薬 

試薬は,次による。

a) 

JIS K 0557

で規定する

A3

又は

A4

の水。

b) 

硫酸アンモニウム鉄(III)溶液

JIS K 8982

で規定する硫酸アンモニウム鉄(

III

12

水(鉄みょう

ばん)

60 g

を硝酸(

5 mol/L

JIS K 8541

で規定する硝酸

380 mL

に水

600 mL

を加え,室温まで冷却

し,更に水を加えて

1 L

とする。

1 L

に溶かす。濁りがあればろ過し,着色瓶に入れて保存する。

c) 

チオシアン酸水銀(II)エタノール溶液

  チオシアン酸水銀(

II

1.5 g

JIS K 8102

で規定するエタ

ノール(

95

500 mL

に溶かし,着色ガラス瓶に入れて保存する。

d) 

塩化物イオン標準液(Cl

1 000 mg/L

  国家計量標準にトレーサブルな塩化物イオン標準液(

Cl

1 000  mg/L

)を使用するか,又は,次による。

JIS K 8005

で規定する容量分析用標準物質の塩化ナト

リウムをあらかじめ

600

℃で約

1

時間加熱し,デシケータ中で放冷する。

NaCl 100 %

に対してその

1.648 g

をとり,少量の水に溶かし,全量フラスコ

1 000 mL

に移し入れ,水を標線まで加える。

e) 

塩化物イオン標準液(Cl

10 mg/L

  塩化物イオン標準液(

Cl

1 000 mg/L

10 mL

を全量フラス

1 000 mL

にとり,水を標線まで加える。

15.2.2 

器具及び装置 

器具及び装置は,次による。

a) 

ガラス器具類

4.9 a)

で規定するガラス器具を使用前に水で洗う。

b) 

メスシリンダ(有栓形)

JIS R 3505

で規定するもの。

c) 

光度計

  分光光度計又は光電光度計。

15.2.3 

操作 

操作は,次による。ただし,吸収セル

100 mm

を用いる場合には,試料

100 mL

をとり,これに使用する

試薬は,それぞれ

2

倍量を用いる。


48

B 8224

:2016

a)

5.3

によってろ過した試料

50 mL

をメスシリンダ(有栓形)にとる。塩化物イオン濃度が

10 mg/L

上の場合は,試料の適量をとり,水を加えて

50 mL

とする。

b)

硫酸アンモニウム鉄(

III

)溶液

10 mL

とチオシアン酸水銀(

II

)エタノール溶液

5 mL

とを加え,栓を

してよく振り混ぜる。

c)

発色速度は温度によって異なるので,液温を約

20

℃に保ち約

10

分間放置する。

d)

空試験として,水

50 mL

について,

b)

及び

c)

の操作を行う。

e)

c)

の溶液を吸収セルに移し,

d)

の空試験の溶液を対照液とし,

波長

460 nm

付近の吸光度を測定する。

f)

あらかじめ,次によって作成した塩化物イオンの検量線から,試料中の塩化物イオンの濃度(

Cl

mg/L

)を算出する。

a)

で試料の適量をとり,水で

50 mL

にした場合は,希釈率を考慮して濃度を算

出する。

1)

セル長が

10 mm

の場合,塩化物イオン標準液(

Cl

10 mg/L

2

50 mL

,セル長が

20 mm

の場合,

塩化物イオン標準液(

Cl

10 mg/L

1

25 mL

,セル長が

50 mm

の場合,塩化物イオン標準液(

Cl

10 mg/L

0.5

10 mL

をメスシリンダ(有栓形)

50 mL

に段階的にとり,水を加えて

50 mL

とする。

セル長が

100 mm

の場合,塩化物イオン標準液(

Cl

10 mg/L

0.5

10 mL

をメスシリンダ(有栓

形)

100 mL

に段階的にとり,水を加えて

100 mL

とする。

b)

e)

の操作を行って塩化物イオン濃度

Cl

mg/L

)と吸光度との関係線を作成する。

なお,検量線作成時は,試料と標準液との温度差が±

2

℃になるようにする。

15.2.4 

留意事項 

a)

臭化物イオン,よう化物イオン,シアン化物イオンなどは妨害する。チオ硫酸イオン,硫化物イオン

及び亜硫酸イオンも妨害するので,あらかじめ酸化しておく。

b)

塩化物イオンは広く存在するので,手の汗などからの汚染及び実験室の空気などからの汚染に注意す

る。

警告

水銀化合物を使用するため,法令に従い安全及び健康に対する適切な措置を取らなければな

らない。また,廃液の処分には特に注意する。

15.3 

塩化銀比濁法 

試料に硝酸を加えて硝酸酸性とした後,硝酸銀溶液を加え塩化物イオンを塩化銀コロイドとし,コロイ

ドの散乱によって減少する透過光の強度を見かけの吸光度として測定し,塩化物イオン濃度を定量する。

定量範囲:

 10 mm

セルの場合

Cl

0.5

10 mg/L

 50

mm

セルの場合

Cl

0.1

2 mg/L

繰返し精度:

10 %

以下

15.3.1 

試薬 

試薬は,次による。

a) 

15.2.1 a)

による。

b) 

硝酸(2 mol/L

JIS K 8541

で規定する質量分率

60 %

の硝酸

15 mL

を水に溶解して,全量フラスコ

100 mL

に移し入れ,水を標線まで加える。

c) 

硝酸銀溶液(0.02 mol/L

JIS K 8550

で規定する硝酸銀

0.34 g

を水に溶解して,全量フラスコ

100 mL

に移し入れ,水を標線まで加える。

d) 

塩化物イオン標準液(Cl

1 000 mg/L

15.2.1 d)

による。

e) 

塩化物イオン標準液(Cl

10 mg/L

15.2.1 e)

による。

f) 

塩化物イオン標準液(Cl

5 mg/L

  塩化物イオン標準液(

Cl

10 mg/L

50 mL

を全量フラスコ


49

B 8224

:2016

100 mL

にとり,水を標線まで加える。

15.3.2 

器具及び装置 

器具及び装置は,次による。

a) 

光度計

  分光光度計又は光電光度計。

b) 

メスシリンダ(有栓形)

15.2.2 b)

による。

15.3.3 

操作 

操作は,次による。

a)

試料を

1  μm

ガラス繊維ろ紙でろ過し,初めのろ液約

50 mL

を捨て,次のろ液を採取する。ろ過した

試料

25 ml

をメスシリンダ(有栓形)

50 mL

にとる。塩化物イオン濃度が

10 mg/L

以上の場合は,試

料の適量をとり,水を加えて

25 mL

とする。

b)

硝酸(

2 mol/L

1 mL

を加えてメスシリンダ(有栓形)をよく振り混ぜ,硝酸銀溶液(

0.02 mol/L

5 mL

を加えて再びよく振り混ぜる。

c)

液温を

15

35

℃に保ち

10

分間放置する。呈色は,試薬溶液添加後,約

30

分間は安定である。

d)

空試験として,水

25 mL

について,

b)

及び

c)

の操作を行う。

e)

c)

の溶液を吸収セルに移し,

d)

の空試験の溶液を対照液とし,波長

440 nm

付近の透過光の強度を見

かけの吸光度として測定する。

f)

あらかじめ,次によって作成した塩化物イオンの検量線から,試料中の塩化物イオンの濃度(

Cl

mg/L

)を算出する。

a)

で試料の適量をとり,水で

25 mL

にした場合は,希釈率を考慮して濃度を算

出する。

1)

セル長が

10 mm

の場合,塩化物イオン標準液(

Cl

10 mg/L

1.25

25 mL

,セル長が

50 mm

の場

合,塩化物イオン標準液(

Cl

5 mg/L

0.5

10 mL

をメスシリンダ(有栓形)

50 mL

に段階的にと

り,水を加えて

25 mL

とした後,

b)

e)

の操作を行って塩化物イオン濃度(

Cl

mg/L

)と吸光度

との関係線を作成する。

15.3.4 

留意事項 

a)

臭化物イオン,よう化物イオン,シアン化物イオン,チオ硫酸イオン及び硫化物イオンは妨害する。

亜硫酸イオンは妨害するが,あらかじめ過酸化水素(

1

1

JIS K 8230

で規定する過酸化水素を用い

て調製する。

)で酸化すれば妨害しない。

b)

塩化物イオンは広く存在するので,手の汗などからの汚染及び実験室の空気などからの汚染に注意す

る。

c) 15

℃以下の低温又は

40

℃以上の高温で負の誤差を生じる場合があるので液温の管理に注意する。

d)

ポリアクリル酸,ポリマレイン酸,グルコン酸などのカルボン酸系分散剤が含まれる場合は,妨害す

る場合がある。この場合は標準添加法によって分析する。

e)

着色した試料については,妨害する場合があるので注意する。鉄による着色は,

15.3.3 a)

のろ過をす

れば妨害しない。有機物による着色で妨害する場合には,他の分析方法を採用する。

f)

試料の

pH

は,通常のボイラの給水及びボイラ水である中性付近から

pH 12

の間であれば測定に影響

しない。

g)

ガラス繊維ろ紙以外のろ過材としては,孔径

1 μm

以下のセルロースアセテート又は

PTFE

メンブレン

フィルタが使用できる。ろ紙

5

C

は負の妨害をするため使用しない。

15.4 

硝酸銀滴定法 

試料の

pH

を約

7

に調節し,

2',7'-

ジクロロフルオレセイン二ナトリウム[

9-

2-

カルボキシフェニル)

-2,7-


50

B 8224

:2016

ジクロロ

-6-

ヒドロキシ

-3H-

キサンテン

-3-

オン二ナトリウム塩]又はウラニン(フルオレセインナトリウム)

溶液を指示薬として,硝酸銀溶液で滴定して塩化物イオンを定量する。

定量範囲:

Cl

100 mg/L

以上

15.4.1 

試薬 

試薬は,次による。

a) 

硝酸(165

JIS K 8541

で規定する硝酸を用いて調製する。

b) 

炭酸ナトリウム溶液(50 g/L

JIS K 8625

で規定する炭酸ナトリウム

5 g

を水に溶かして

100 mL

する。

c) 

ジクロロフルオレセインナトリウム溶液(2 g/L

2',7'-

ジクロロフルオレセイン二ナトリウム

0.2 g

を水に溶かして

100 mL

とする。ジクロロフルオレセインナトリウム溶液(

2 g/L

)に代えて,

JIS K 8830

で規定するウラニン(フルオレセインナトリウム)[

9-

2-

カルボキシフェニル)

-6-

ヒドロキシ

-3H-

キサンテン

-3-

オン二ナトリウム]を用い,

0.2 g

を水

100 mL

に溶かしたものを用いてもよい。

d) 

デキストリン溶液

JIS K 8646

で規定するデキストリン水和物

2 g

を水に溶かして

100 mL

とする。使

用時に調製する。

e) 40 

mmol/L

硝酸銀溶液

JIS K 8550

で規定する硝酸銀

6.8 g

を水に溶かして

1 L

とし,着色ガラス瓶に

保存する。この溶液は使用時に,次によって標定して用いる。

1)  JIS K 8005

で規定する容量分析用標準物質の塩化ナトリウムをあらかじめ

600

℃で約

1

時間加熱

し,デシケータ中で放冷する。

NaCl 100 %

に対してその

0.47 g

1 mg

の桁まではかりとり,少量の

水に溶かし,全量フラスコ

200 mL

に移し入れ,水を標線まで加える。

2)

この

20 mL

をビーカにとり,水を加えて液量を約

50 mL

とし,これにデキストリン溶液

5 mL

とジ

クロロフルオレセインナトリウム溶液(

2 g/L

1

2

滴を加え,静かにかき混ぜながらこの硝酸銀溶

液で滴定する。黄緑の蛍光が消失して僅かに赤くなったときを終点とする。次の式によって

40

mmol/L

硝酸銀溶液のファクタ(

 f

)を算出する。

7

337

002

.

0

1

200

20

100

×

×

×

×

=

x

b

a

f

ここに,

a

塩化ナトリウムの量(

g

b

塩化ナトリウムの純度(

%

x

滴定に要した

40 mmol/L

硝酸銀溶液(

mL

0.002 337 7

40 mmol/L

硝酸銀溶液

1 mL

の塩化物イオン相当量

g

15.4.2 

操作 

操作は,次による。

a)

5.3

によってろ過した試料

50 mL

Cl

20 mg

以上を含む場合には適量をとり,水を加えて

50 mL

する。

)をビーカ又は磁器皿にとる。ただし,試料に著しい濁りが認められない場合は,ろ過操作を省

略してもよい。

b)

試料が酸性の場合には,炭酸ナトリウム溶液(

50 g/L

)で,また,アルカリ性の場合には硝酸(

1

65

を用いて

pH

を約

7

に調節する。

c)

デキストリン溶液

5 mL

及びジクロロフルオレセインナトリウム溶液(

2 g/L

1

2

滴を加えてかき混

ぜる。

d)

静かにかき混ぜながら

40 mmol/L

硝酸銀溶液で滴定する。黄緑の蛍光が消失して僅かに赤くなったと

きを終点とする。


51

B 8224

:2016

e)

次の式によって試料中の塩化物イオンの濃度(

Cl

mg/L

)を算出する。

418

.

1

000

1

×

×

×

=

V

f

a

C

ここに,

C

塩化物イオン(

Cl

mg/L

a

滴定に要した

40 mmol/L

硝酸銀溶液(

mL

f

40 mmol/L

硝酸銀溶液のファクタ

V

試料(

mL

1.418

40 mmol/L

硝酸銀溶液

1 mL

の塩化物イオン相当量(

mg

15.4.3 

留意事項 

a)

臭化物イオン,よう化物イオン,シアン化物イオンなどが共存すると,塩化物イオンとして定量され

る。亜硫酸イオン,チオ硫酸イオン,硫化物イオンも妨害するが,あらかじめ過酸化水素で酸化すれ

ば妨害しない。

b)

塩化物イオン濃度が低い場合は,試料

50 mL

中に塩化物イオンを

5 mg

以上含むように,

15.2.1 d)

塩化物イオン標準液(

Cl

1 000  mg/L

)を試料に加え,

15.4.2

b)

e)

の操作を行う。この場合は,

試料と同量の塩化物イオン標準液を加えた水

50 mL

についても同様に

15.4.2

b)

e)

の操作を行っ

て,試料の場合の滴定値を補正する。

15.5 

イオン電極法 

試料に酢酸塩緩衝液を加えて

pH

を約

5

に調節し,塩化物イオン電極を指示電極として電位を測定し,

塩化物イオンを定量する。

定量範囲:

Cl

5

1 000 mg/L

,繰返し精度:

5

20 %

15.5.1 

試薬 

試薬は,次による。

a) 

15.2.1 a)

による。

b) 

酢酸塩緩衝液(pH 5

JIS K 8548

で規定する硝酸カリウム

100 g

JIS K 8355

で規定する酢酸

50 mL

とを水

500 mL

に加えて溶かし,これに水酸化ナトリウム溶液(

100 g/L

)を加え,

pH

計を用いて

pH

5

に調節し,水を加えて

1 L

とする。

c) 

塩化物イオン標準液(Cl

1 000 mg/L

15.2.1 d)

による。

d) 

塩化物イオン標準液(Cl

100 mg/L

  塩化物イオン標準液(

Cl

1 000 mg/L

20 mL

を全量フラ

スコ

200 mL

にとり水を標線まで加える。

e) 

塩化物イオン標準液(Cl

10 mg/L

  塩化物イオン標準液(

Cl

100 mg/L

20 mL

を全量フラスコ

200 mL

にとり,水を標線まで加える。使用時に調製する。

f) 

塩化物イオン標準液(Cl

5 mg/L

  塩化物イオン標準液(

Cl

100 mg/L

10 mL

を全量フラスコ

200 mL

にとり,水を標線まで加える。使用時に調製する。

15.5.2 

器具及び装置 

器具及び装置は,次による。

a) 

電位差計

0.1 mV

又はそれ以下の電位差を読み取れるもの。高入力抵抗電位差計(例えば,デジタル

pH-mV

計,拡大スパン付

pH-mV

計,イオン電極用電位差計など)

b) 

イオン濃度計 

c) 

指示電極

  塩化物イオン電極。標準液を用いた起電力の応答は,

25

℃における塩化物イオン濃度の

10

倍濃度変化当たり

55 mV

以上,液温

10

30

℃で塩化物イオン濃度

5 mg/L

以上での応答時間が

1

分間以内のもの。塩化物イオン電極の感応膜が汚れたり,きずついたりすると,指示値の応答速度が


52

B 8224

:2016

遅くなったりするので,製造業者の取扱説明書に基づき電極を保持する。また,使用に際しては,塩

化物イオン標準液(

Cl

5 mg/L

)に浸し,指示値が安定しているかを確認する。

d) 

参照電極

  銀

-

塩化銀電極を用いる。二重液絡形のもので,外筒液には硝酸カリウム溶液(

100 g/L

JIS 

K 8548

で規定する硝酸カリウムを用いて調製する。

)を用いるか,又は,イオン電極用セラミック形

を用いる。

e) 

測定容器

  試料

100 mL

で扱えるもの。恒温ジャケットを取り付けたもの。

f) 

恒温槽

  測定容器のジャケットに水温

25

±

0.2

℃の水を供給できるもの。

g) 

マグネチックスターラ

  回転による発熱で液温に変化を与えないもの。

15.5.3 

操作 

15.5.3.1 

塩化物イオン電極を用いる場合 

操作は,次による。

a)

試料

100 mL

を測定容器にとり,試料の

pH

とイオン強度調節のために酢酸塩緩衝液(

pH 5

10 mL

加える。ただし,試料が酸性の場合には,水酸化ナトリウム溶液(

40 g/L

,アルカリ性の場合には,

酢酸(

1

10

)で,あらかじめ

pH

を約

5

に調節する。また,試料に硫化物イオンが含まれている場合

には,あらかじめ,酢酸亜鉛溶液(

100 g/L

)を加えて,硫化物イオンを固定してろ紙でろ過し,ろ液

pH

を約

5

に調節する。

b)

恒温槽から水を送り,測定容器の液温を

25

±

0.5

℃に調節する。

c)

指示電極と参照電極とを浸し,マグネチックスターラで泡が電極に触れない程度に強くかき混ぜる。

d)

液温をはかり,電位差計で電位を測定する。

e)

あらかじめ,次によって作成した塩化物イオンの検量線から,試料中の塩化物イオンの濃度(

Cl

mg/L

)を算出する。

1)

塩化物イオン標準液(

Cl

5 mg/L

100 mL

を測定容器

200 mL

にとり,酢酸塩緩衝液(

pH 5

10 mL

を加える。

2)  b)

d)

の操作を行い,電位を測定する。

3)

塩化物イオン標準液(

Cl

10 mg/L

100 mL

,塩化物イオン標準液(

Cl

100 mg/L

100 mL

及び

塩化物イオン標準液(

Cl

1 000  mg/L

100 mL

をそれぞれ測定容器にとり,これに酢酸塩緩衝液

pH 5

10 mL

を加える。

b)

及び

d)

の操作を行ってそれぞれの塩化物イオン標準液の電位を測定す

る。

4)

横軸に塩化物イオンの濃度の対数を,縦軸に電位をとり,塩化物イオンの濃度(

Cl

mg/L

)と電

位との関係線を作成する。塩化物イオン標準液(

Cl

10 mg/L

)と塩化物イオン標準液(

Cl

1 000

mg/L

)との電位の差は,

110

120 mV

25

℃)の範囲に入り,塩化物イオンの濃度

Cl

5

1 000 mg/L

の間の検量線は直線になる。

15.5.3.2 

イオン濃度計を用いる場合 

操作は,次による。

a)

塩化物イオン標準液(

Cl

10 mg/L

,塩化物イオン標準液(

Cl

1 000  mg/L

)を別々の測定容器に

とり,それぞれに酢酸塩緩衝液(

pH 5

10 mL

を加える。

b)  15.5.3.1

b)

及び

c)

の操作を行ってイオン濃度計の指示値を

Cl

10 mg/L

Cl

1 000 mg/L

にな

るように調節する。

c)

塩化物イオン標準液(

Cl

5 mg/L

)と塩化物イオン標準液(

Cl

100 mg/L

)とを用いてイオン濃度

計の指示値を確認する。


53

B 8224

:2016

d)  15.5.3.1 a)

で処理した試料を測定容器にとり,イオン濃度計の指示値を読み,試料の塩化物イオン濃

度(

Cl

mg/L

)を求める。

15.5.4 

留意事項 

1)

この方法では硫化物イオンなどが妨害する。

2)

主な共存物質の許容限度を塩化物イオンに対する化学当量最大比率で,次に示す。

 NO

3

SO

4

2

PO

4

3

10

4

F

10

2

 Br

10

2

I

CN

S

2

10

3

15.6 

イオンクロマトグラフ法 

試料中の陰イオンをイオンクロマトグラフ法によって定量する。

検出器には電気伝導率検出器を用いる。

この方法によって,

表 8

に示す陰イオンが同時定量できる。それぞれの陰イオンの定量範囲及び繰返し精

度の例を,

表 8

に示す。

定量範囲:サプレッサ法の場合

Cl

0.05

25 mg/L

,ノンサプレッサ法の場合

Cl

0.1

25 mg/L

,繰返

し精度:

2

10 %

(装置,測定条件によって異なる。

表 8

各陰イオンの定量範囲及び繰返し精度の例

a)

対象陰イオン

定量範囲

mg/L

繰返し精度

%

塩化物イオン(Cl

b)

 0.1∼25 2∼10

硫酸イオン(SO

4

2

b)

1∼100 2∼10

a)

  定量範囲は,検出器,試料注入量,カラムのイオン交換容量などによっ

て変わる。

b)

  サプレッサと組み合わせる方式の場合には,Cl

:0.05∼25 mg/L,

SO

4

2

:0.2∼100 mg/L

15.6.1 

試薬 

試薬は,次による。

a) 

15.2.1 a)

による。

b) 

溶離液

  溶離液は,

装置の種類及び分離カラムに充

した陰イオン交換体の種類によって異なるので,

あらかじめ塩化物イオン,亜硝酸イオン,臭化物イオン,硝酸イオン及び硫酸イオンの分離を

15.6.3

の準備操作を行って確認する。

c) 

再生液

  再生液は,サプレッサ法の場合に使用するが,装置の種類及びサプレッサの種類によって再

生液が異なる。あらかじめ分離カラムと組み合わせて

15.6.3

の準備操作を行って再生液の性能を確認

する。

d) 

塩化物イオン標準液(Cl

1 000 mg/L

15.2.1 d)

による。

e) 

塩化物イオン標準液(Cl

100 mg/L

  塩化物イオン標準液(

Cl

1 000 mg/L

10 mL

を全量フラ

スコ

100 mL

にとり,水を標線まで加える。

f) 

亜硝酸イオン標準液(NO

2

1 000 mg/L

  国家計量標準にトレーサブルな亜硝酸イオン標準液(

NO

2

1 000 mg/L

)を使用するか,又は,次による。

JIS K 8019

で規定する亜硝酸ナトリウムを

105

110

で約

4

時間加熱し,デシケータ中で放冷した後,亜硝酸ナトリウムの純度を

JIS K 8019

によって求め


54

B 8224

:2016

る。

NaNO

2

 100 %

に対して

1.500 g

に相当する亜硝酸ナトリウムをとり,少量の水に溶かして,全量フ

ラスコ

1 000 mL

に移し入れ,水を標線まで加える。使用時に調製する。

g) 

硝酸イオン標準液(NO

3

1 000 mg/L

  国家計量標準にトレーサブルな硝酸イオン標準液(

NO

3

1 000

mg/L

)を使用するか,又は,次による。

JIS K 8548

で規定する硝酸カリウムをあらかじめ

105

±

2

で約

2

時間加熱し,デシケータ中で放冷する。その

1.631 g

をとり,少量の水に溶かして全量フラスコ

1 000 mL

に移し入れ,水を標線まで加える。

0

10

℃の暗所に保存する。

h) 

硫酸イオン標準液(SO

4

2

1 000  mg/L

  国家計量標準にトレーサブルな硫酸イオン標準液(

SO

4

2

1 000 mg/L

)を使用するか,又は,次による。

JIS K 8962

で規定する硫酸カリウムを約

700

℃で約

30

分間加熱し,

デシケータ中で放冷する。

その

1.815 g

をとり,

少量の水に溶かして全量フラスコ

1 000 mL

に移し入れ,水を標線まで加える。使用時に調製する。

i) 

陰イオン混合標準液(Cl

20 mg/LNO

2

100 mg/LNO

3

100 mg/LSO

4

2

100 mg/L

d)

塩化物イオン標準液(

Cl

1 000 mg/L

2 mL

f)

の亜硝酸イオン標準液(

NO

2

1 000 mg/L

10 mL

g)

の硝酸イオン標準液(

NO

3

1 000 mg/L

10 mL

及び

h)

の硫酸イオン標準液(

SO

4

2

1 000 mg/L

10 mL

をそれぞれ全量フラスコ

100 mL

にとり,水を標線まで加える。使用時に調製する。

j) 

陰イオン混合標準液(Cl

10 mg/LNO

2

10 mg/LBr

10 mg/LNO

3

10 mg/LSO

4

2

10 mg/L

d)

の塩化物イオン標準液(

Cl

1 000 mg/L

10 mL

f)

の亜硝酸イオン標準液(

NO

2

1 000 mg/L

10 mL

g)

の硝酸イオン標準液(

NO

3

1 000 mg/L

10 mL

及び

h)

の硫酸イオン標準液(

SO

4

2

1 000

mg/L

10 mL

及び臭化物イオン標準液(

Br

1 000  mg/L

JIS K 8506

で規定する臭化カリウムを

105

℃で約

4

時間加熱し,デシケータ中で放冷する。その

1.489 g

(臭素として

1.00 g

)をとり,少量

の水に溶かし,全量フラスコ

1 000  mL

に移し入れ,水を標線まで加える。

10 mL

をそれぞれ全量フ

ラスコ

1 000 mL

にとり,水を標線まで加える。使用時に調製する。

15.6.2 

器具及び装置 

器具及び装置は,次による。

a) 

イオンクロマトグラフ

  イオンクロマトグラフには,分離カラムとサプレッサとを組み合わせた方式

のものと,分離カラム単独の方式のものとがある。いずれでもよいが,次に掲げる条件を満たすもの

で,塩化物イオン,亜硝酸イオン,臭化物イオン,硝酸イオン,硫酸イオンなどが分離定量できるも

の。

1) 

分離カラム

  ステンレス鋼製又は四ふっ化エチレン樹脂製,ポリエーテルエーテルケトン製などの

合成樹脂製のものに,強塩基性陰イオン交換体(表層被覆形,全多孔性シリカ形など)を充

した

もの。

2) 

サプレッサ

  溶離液中の陽イオンの濃度に対して十分なイオン交換能力をもつ陽イオン交換膜(膜

形,電気透析形がある。

)又は同様な性能をもった陽イオン交換体(充

形,サスペンション樹脂吸

着形がある。

)を充

したもの。再生液(再生液が不要のものもある。

)と組み合わせて用いる。た

だし,電気透析形の場合は,再生液として検出器からの流出液(検出器から排出される溶液)を用

いる。

3) 

検出器

  電気伝導率検出器。

4) 

データ処理部

JIS K 0127

5.7

(データ処理部)による。

15.6.3 

準備操作 

準備操作は,次による。

a)

試料を孔径

0.45 µm

のろ過膜又はろ紙

5

C

(又はろ紙

6

種)でろ過し,初めのろ液約

50 mL

を捨て,


55

B 8224

:2016

その後のろ液をとる。

b)

試料の電気伝導率が

10 mS/m

25

℃)以上の場合には,電気伝導率が

10 mS/m

以下になるように,

水で一定の割合に薄める。

c)

分離カラムの性能確認を定期的に次の操作によって行う。

溶離液を一定の流量(例えば,

1

2 mL/min

)で流し,

15.6.1 j)

の陰イオン混合標準液(

Cl

10 mg/L

NO

2

10 mg/L

Br

10 mg/L

NO

3

10 mg/L

SO

4

2

10 mg/L

)の一定量をイオンクロマトグラ

フに注入し,クロマトグラムを求め,それぞれの陰イオンが分離(分離度

1.3

程度)できるものを用

いる。分離度(

R

)は,次の式によって算出する。

(

)

2

1

1

R

2

R

2

W

W

t

t

R

+

×

=

ここに,

t

R1

1

ピークの保持時間(

s

t

R2

2

ピークの保持時間(

s

W

1

1

ピークのピーク幅(

s

W

2

2

ピークのピーク幅(

s

試料中の酸性物質,還元性物質の共存などで分離カラムの性能が低下した場合,溶離液の濃度の約

10

倍の濃度の溶離液を調製し,分離カラムに注入し洗浄した後,上記の操作を行って性能を確認する。

性能が回復しない場合には,新品と取り替える。

15.6.4 

操作 

操作は,次による。

a)

イオンクロマトグラフを定量できる状態にし,分離カラムに溶離液を一定の流量(例えば,

1

2

mL/min

)で流しておく。サプレッサを必要とする装置では再生液を一定の流量で流しておく。

b)  15.6.3

a)

及び

b)

の準備操作を行った試料の一定量(例えば,

50

200 µL

の一定量)をイオンクロ

マトグラフに注入してクロマトグラムを記録する。

c)

クロマトグラム上の塩化物イオンに相当するピークについて,ピーク高さ又はピーク面積(指示値)

を読み取る。

d)

試料を薄めた場合には,空試験として試料と同量の水について

a)

c)

の操作を行って試料について得

た指示値を補正する。

e)

あらかじめ,次によって作成した塩化物イオンの検量線から,試料中の塩化物イオンの濃度(

Cl

mg/L

)を算出する。

1)

塩化物イオン標準液(

Cl

100 mg/L

0.1

25 mL

を段階的に全量フラスコ

100 mL

にとり,水を標

線まで加える。この溶液について

a)

c)

の操作を行ってそれぞれの塩化物イオンに相当するピーク

について,指示値を読み取る。別に,空試験として水について

a)

c)

の操作を行ってそれぞれの塩

化物イオンに相当する指示値を補正した後,塩化物イオン濃度(

Cl

mg/L

)と指示値との関係線

を作成する。検量線の作成は,試料の測定時に行う。

なお,塩化物イオン以外の陰イオンを同時に試験する場合には,

15.6.1 i)

の陰イオン混合標準液

Cl

20 mg/L

NO

2

100 mg/L

NO

3

100 mg/L

SO

4

2

100 mg/L

)を用いる。

15.6.5 

留意事項 

a)

塩化物イオンの濃度が

Cl

1 mg/L

のとき亜硝酸イオンは

NO

2

200 mg/L

以下ならば妨害しない。

b)

試料の塩化物イオンの濃度が

Cl

0.05 mg/L

以下の場合には,濃縮カラム(ステンレス鋼製又は合成

樹脂製のカラム用管に,陰イオン交換体を充

したもの)で濃縮した後,

15.6.4

a)

e)

の操作を行


56

B 8224

:2016

い定量する。塩化物イオン濃度が

Cl

0.001 mg/L

以上の試料を試験する場合には,操作で濃縮カラ

ムに注入する試料の量を

40 mL

以下の一定量とする。

15.7 

流れ分析法 

試料中の塩化物イオンを

15.2

と同様な原理で発色させる流れ分析法によって定量する。また,懸濁物の

多い試料には適用しない。

定量範囲:

Cl

0.1

15 mg/L

,繰返し精度:

10 %

以下(装置,測定条件によって異なる。

15.7.1 

チオシアン酸水銀(II)発色 FIA  

15.7.1.1 

試薬 

試薬は,次による。調製した溶液は,必要に応じて脱気を行う。

a)

15.2.1 a)

による。

b)

塩化物イオン発色原液

  チオシアン酸水銀(

II

0.62 g

を,

JIS K 8891

で規定するメタノール

150 mL

に溶解し,水

100 mL

JIS K 8541

で規定する質量分率

60 %

の硝酸

4 mL

とを混合する。さらに,硝

酸鉄(

III

・九水和物

31 g

を水

500 mL

に溶解したものを混合し,水を加え

1 000 mL

とする。着色ガ

ラス瓶に入れて保存する。

c)

塩化物イオン発色溶液

  塩化物イオン発色原液を水で

2

倍希釈し,塩化物イオン発色溶液とする。着

色ガラス瓶に入れて保存する。

d)

キャリヤ液

  水を用いる。

e)

塩化物イオン標準液(Cl

1 000 mg/L

15.2.1 d)

による。

f)

塩化物イオン標準液(Cl

100 mg/L

15.6.1 e)

による。

15.7.1.2 

器具及び装置 

装置の基本構成は,次による(

図 13

参照)

a) 

送液部

  脈動の小さいポンプを用いる。

b) 

試料導入部

  通常

6

方切替えバルブを用いる。試料注入量は,適切な量を選択する。必要に応じて自

動試料注入装置を用いることができる。

c) 

反応部

  内径

0.5

1.0 mm

の四ふっ化エチレン樹脂などふっ素樹脂製の管及び化学的に不活性でデッ

トボリュームのできるだけ小さな合成樹脂製のジョイントを用いて構成する。

d) 

検出部

  波長

480 nm

付近での測定が可能な吸光光度検出器を用いる。

e) 

記録部

  検出器からの信号を記録できるものを用いる。


57

B 8224

:2016

C: キャリヤ液

 R1: 塩化物イオン発色溶液 

S: 試料

1: ポンプ

2: 試料導入器(200 μL)

3: 反応コイル(内径 0.5 mm  長さ 1 m)

4: 検出器(波長 480 nm)

5: 背圧コイル(内径 0.5 mm  長さ 1 m)

6: 廃液

図 13

チオシアン酸水銀(II)発色 FIA 法のシステム例 

15.7.1.3 

準備操作 

準備操作は,次による。

a)

分析装置及び検出器を作動できる状態にし,キャリヤ液及び発色溶液をポンプで送液し,ベースライ

ンが安定するのを待つ。ベースラインのドリフトなどが測定の結果に支障を与えないこと,及び十分

S/N

比が得られることを確認する。

b)

試料の塩化物イオン濃度が検出可能となるように,検出器の感度を調節する。

c)

試料をろ紙

5

C

,メンブランフィルタ,ガラスフィルタなどでろ過する。

15.7.1.4 

操作 

操作は,次による。

a)

ベースラインの安定,感度などを確認する。

b)  15.7.1.3 c)

でろ過した試料の一定量(

200  μL

)をマイクロシリンジで試料導入器を通してキャリヤ液

に注入する。

c)

検出器による指示値(吸光度又はそれに相当するシグナル)を記録部で記録する。

d)

あらかじめ,次によって作成した塩化物イオンの検量線から,試料中の塩化物イオンの濃度(

Cl

mg/L

)を求める。

1)

試料の塩化物イオン濃度を含む濃度範囲の検量線用塩化物イオン標準液の

4

6

種類を,

15.7.1.1

e)

又は

f)

を水で希釈して調製する。

2)

試料の測定時と同じ量の検量線用塩化物イオン標準液を注入して,指示値と塩化物イオン濃度

Cl

mg/L

)との関係線を作成する。

15.7.1.5 

留意事項 

用いる機種によっては,発色溶液及びフローダイアグラムが多少異なる場合がある。その場合は,この

規格と機種による場合との相関を確認する。

15.7.2 

チオシアン酸水銀(II)発色 CFA  


58

B 8224

:2016

15.7.2.1 

試薬 

試薬は,次による。調製した溶液は,必要に応じて脱気を行う。

a) 

15.2.1 a)

による。

b) 

ポリオキシエチレンドデシルエーテル溶液(300 g/L

  ポリオキシエチレンドデシルエーテル

30 g

を水に溶かして

100 mL

とする。

c) 

塩化物イオン発色溶液

  チオシアン酸水銀(

II

0.25 g

JIS K 8891

で規定するメタノール

150 mL

完全に溶解する。さらに,水

200 mL

と硝酸鉄(

III

・九水和物

10 g

JIS K 8541

で規定する硝酸(密

1.42 g/mL

10 mL

を溶解したものを混合し,水を加え

1 000  mL

とする。これに,ポリオキシエチ

レンドデシルエーテル溶液(

300 g/L

2 mL

を加えて混合し,塩化物イオン発色溶液とする。着色ガ

ラス瓶に入れて保存する。

d) 

塩化物イオン標準液(Cl

1 000 mg/L

15.2.1 d)

による。

e) 

塩化物イオン標準液(Cl

100 mg/L

15.6.1 e)

による。

15.7.2.2 

器具及び装置 

装置の基本構成は,次による(

図 14

参照)

a) 

送液部

15.7.1.2 a)

による。

b) 

試料導入部

  再現性がよいものを用いる。

c) 

反応部

  内径

0.5

2.0 mm

の四ふっ化エチレン樹脂製又はガラス製管,及び化学的に不活性でデット

ボリュームのできるだけ小さな合成樹脂製のジョイントを用いて構成する。

d) 

検出部

15.7.1.2 d)

による。

e) 

記録部

15.7.1.2 e)

による。

 R1: 塩化物イオン発色溶液 

S: 試料

1: ポンプ

2: セグメントガス(空気)

3: 反応コイル(内径 2 mm  長さ 120 cm)

4: 検出器(波長 480 nm)

5: 廃液

図 14

チオシアン酸水銀(II)発色 CFA 法のシステム例 


59

B 8224

:2016

15.7.2.3 

準備操作 

準備操作は,次による。

a)

分析装置及び検出器を作動できる状態にし,水及び塩化物イオン発色溶液をポンプで送液し,ベース

ラインが安定するのを待つ。空気が一定間隔で流れを分節しているかを確認する。ベースラインのド

リフトなどが測定の結果に支障を与えないこと,及び十分な

S/N

比が得られることを確認する。

b)

試料の塩化物イオン濃度が検出可能となるように,検出器の感度を調節する。

c)

試料をろ紙

5

C

,メンブランフィルタ,ガラスフィルタなどでろ過する。

15.7.2.4 

操作 

操作は,次による。

a)

ベースラインの安定,感度などを確認する。

b)  15.7.2.3 c)

でろ過した試料を一定流量で試料の流路から流す。

c)

検出器による指示値(吸光度又はそれに相当するシグナル)を記録部で記録する。

d)

あらかじめ,次によって作成した塩化物イオンの検量線から,試料中の塩化物イオンの濃度(

Cl

mg/L

)を求める。

1)

試料の塩化物イオン濃度を含む濃度範囲の検量線用塩化物イオン標準液の

4

6

種類を,

15.7.2.1

d)

又は

e)

を水で希釈して調製する。

2)

試料と同様な流量で検量線用塩化物イオン標準液を試料の流路から流して,指示値を記録する。

3)

指示値と塩化物イオン濃度(

Cl

mg/L

)との関係線を作成する。

15.7.2.5 

留意事項 

用いる機種によっては,発色溶液及びフローダイアグラムが多少異なる場合がある。その場合は,本規

格と機種による場合との相関を確認する。

16 

亜硫酸イオン(SO

3

2

 

16.1 

一般事項 

亜硫酸イオンの定量には,よう素滴定法を適用する。

16.2 

よう素滴定法 

一定量のよう素溶液中に酢酸

-

酢酸ナトリウム緩衝液を加えた後,試料を加え,次に過剰のよう素をでん

ぷん溶液を指示薬としてチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定する。別に,同量の試料をとり,酸性として煮沸

し,亜硫酸イオンを二酸化硫黄として追い出した後,同一の滴定操作を行い,これを空試験値として,チ

オ硫酸イオンなどの還元性物質の影響を補正する。亜硫酸イオンは空気によって酸化されるので,試験は

試料採取直後直ちに行う。

定量範囲:

SO

3

2

 2 mg/L

以上

16.2.1 

試薬 

試薬は,次による。

a) 

50 mmol/L

チオ硫酸ナトリウム溶液,及び

10 mmol/L

チオ硫酸ナトリウム溶液を調製する場合は

4.7 b)

の溶存酸素を含まない水を用いる。

b) 

硫酸(135

JIS K 8951

で規定する硫酸を用いて調製する。

c) 

水酸化ナトリウム溶液(40 g/L

JIS K 8576

で規定する水酸化ナトリウム

4 g

を水に溶かして

100 mL

とする。

d) 

酢酸-酢酸ナトリウム緩衝液(pH 3.9

JIS K 8371

で規定する酢酸ナトリウム三水和物

75 g

を酢酸(

1


60

B 8224

:2016

2

JIS K 8355

で規定する酢酸を用いて調製する。

500 mL

に溶かす。

e) 

エタノール(95

JIS K 8102

で規定するもの。

f) 

フェノールフタレイン溶液(5 g/L

9.3.1 a)

による。

g) 

でんぷん溶液(10 g/L

JIS K 8659

で規定するでんぷん(溶性)

1 g

を約水

10 mL

に混ぜ,熱水

100

mL

中にかき混ぜながら加え,約

1

分間煮沸した後,放冷する。使用時に調製する。

h) 

窒素

JIS K 1107

で規定する

2

級を用いる。窒素中の酸素の除去は次による。水酸化ナトリウム溶液

600 g/L

75 mL

と水

15 mL

JIS K 8780

で規定するピロガロール(

1,2,3-

ベンゼントリオール)

5 g

を溶かした溶液とを使用時に混合し,ガス洗浄瓶に入れ,ここに窒素を通気する。

i) 

よう素溶液(5 mmol/L

JIS K 8913

で規定するよう化カリウム

4 g

を少量の水に溶かし,これに

JIS 

K 8920

で規定するよう素

1.3 g

を加えて溶かし,水を加えて

1 L

とする。

j) 50 

mmol/L

チオ硫酸ナトリウム溶液

JIS K 8637

で規定するチオ硫酸ナトリウム五水和物

12.5 g

JIS 

K 8625

で規定する炭酸ナトリウム

0.2 g

とを

4.7 b)

の溶存酸素を含まない水に溶かして

1 L

とする。

2

日間放置した後,標定する。この溶液は使用時に,次によって標定して用いる。

1)  JIS K 8005

で規定する容量分析用標準物質のよう素酸カリウムを

130

℃で約

2

時間加熱し,デシケ

ータ中で放冷する。

KIO

3

 100 %

に対してその

0.357 g

をとり,少量の水に溶かし,全量フラスコ

200

mL

に移し入れ,水を標線まで加える。この

20 mL

を共栓三角フラスコ

300 mL

にとり,

JIS K 8913

で規定するよう化カリウム

2 g

及び硫酸(

1

5

5 mL

を加え,直ちに栓をして静かに振り混ぜ,暗

所に約

5

分間放置する。これに水

100 mL

を加え,遊離したよう素をこのチオ硫酸ナトリウム溶液

で滴定する。溶液の黄色が薄くなってから,指示薬としてでんぷん溶液(

10 g/L

1 mL

を加え,生

じたよう素でんぷんの青い色が消えるまで滴定する。

別に,水について同一条件で空試験を行って補正した

mL

数から,次の式によって

50 mmol/L

オ硫酸ナトリウム溶液のファクタ(

 f

)を算出する。

783

001

.

0

1

200

20

100

×

×

×

×

=

x

b

a

f

ここに,

a

よう素酸カリウムの量(

g

b

よう素酸カリウムの純度(

%

x

滴定に要した

50 mmol/L

チオ硫酸ナトリウム溶液(補正

した値)

mL

0.001 783

50 mmol/L

チオ硫酸ナトリウム溶液

1 mL

のよう素酸カ

リウム相当量(

g

k) 10 

mmol/L

チオ硫酸ナトリウム溶液

50 mmol/L

チオ硫酸ナトリウム溶液

50 mL

を全量フラスコ

250

mL

にとり,

4.7 b)

の溶存酸素を含まない水を標線まで加える。使用時に調製する。この溶液のファ

クタは,

50 mmol/L

チオ硫酸ナトリウム溶液のものを用いる。

16.2.2 

器具及び装置 

器具及び装置は,次による。

a) 

試料採取器

図 15

に示すような容量

100

±

1 mL

のもの

2

個。


61

B 8224

:2016

単位  mm

図 15

試料採取器の一例 

16.2.3 

試料採取 

試料採取は,次による。

a)

2

個の試料採取器の出口を上方に向け,試料採取器の入口を配管の試料採取口よりも高い位置に支持

できるように組み立て,試料採取器の下端を空気が浸透しにくい導管と

Y

字管とで試料採取口に接続

する(試料採取器の出口には何も接続しない。

注記

通常,使用する各種の導管のうち空気の浸透の少ないものは,軟質塩化ビニル,硬質ポリエ

チレン管,肉厚ゴム管などがある。

b)

試料の温度が室温よりも高い場合には,試料の温度が室温より

1

2

℃低くなるように試料採取配管

中に適切な冷却蛇管を設ける。この場合には,冷却水調節用弁を冷却蛇管の入口に設けて冷却水を流

してあふれさせ,試料の流量調節弁は冷却蛇管の出口に設ける。

c)

2

個の試料採取器とも同時に

8

12

秒間で満たされるように試料の流量を調節し,試料配管中の滞留

水(元の試料)が完全に入れ代わるように,連続して試料を十分に流す。

なお,試料配管を断続的に使用する場合にも,試料配管及び冷却蛇管中の滞留水(元の試料)を完

全に置換するのに必要な時間だけ試料を流す。

d)  2

個の試料採取器の上方のコックを閉じ,直ちに

2

個とも下方のコックを閉じ,接続管を外し,試料

採取器を逆にして気泡が全くないことを確かめる。ただし,少しでも気泡があれば,

2

個とも試料を


62

B 8224

:2016

とり直す。

e)

試料採取器の

1

個を試験用,他を空試験用にする。

16.2.4 

操作 

操作は,次による。

a)

磁器蒸発皿によう素溶液(

5 mmol/L

20 mL

をとり,これに酢酸

-

酢酸ナトリウム緩衝液(

pH 3.9

10 mL

を加える。

b)

試験用の試料採取器の両端にある足の部分の試料を捨てて水で洗浄し,両方の足にエタノール(

95

2

mL

ずつを満たす。

c)

試料採取器の下方のエタノールをできるだけ捨てないようにして,磁器蒸発皿の溶液中に試料採取器

の先端を入れて上方のコックを開き,静かに下方のコックを開いて試料を注入する。

d) 10

mmol/L

チオ硫酸ナトリウム溶液で滴定し,よう素の黄色が薄くなったら,指示薬としてでんぷん

溶液(

10 g/L

)約

1 mL

を加え,生じたよう素でんぷんの青い色が消えるまで滴定する。

e)

空試験として,空試験用試料採取器から試料を三角フラスコ

200 mL

に移し入れ,硫酸(

1

35

6

7

mL

を加え,窒素を液面に通しながら数分間静かに煮沸して二酸化硫黄を追い出す。窒素を通したま

ま冷却する。

f)

冷却後,指示薬としてフェノールフタレイン溶液(

5 g/L

3

5

滴を加え,水酸化ナトリウム溶液(

40

g/L

)で中和する。これに,酢酸

-

酢酸ナトリウム緩衝液(

pH 3.9

10 mL

を加え,静かに振り混ぜた後,

よう素溶液(

5 mmol/L

20 mL

を加え

d)

の操作に従って,

10 mmol/L

チオ硫酸ナトリウム溶液で滴定

する。

g)

次の式によって試料中の亜硫酸イオンの濃度(

SO

3

2

mg/L

)を算出する。

(

)

3

400

.

0

000

1

×

×

×

=

V

f

b

a

S

ここに,

S

亜硫酸イオン(

SO

3

2

mg/L

a

滴定に要した

10 mmol/L

チオ硫酸ナトリウム溶液(

mL

b

空試験に要した

10 mmol/L

チオ硫酸ナトリウム溶液

mL

f

10 mmol/L

チオ硫酸ナトリウム溶液のファクタ

V

試料(

mL

0.400 3

10 mmol/L

チオ硫酸ナトリウム溶液

1 mL

の亜硫酸イオ

ン相当量(

mg

16.2.5 

留意事項 

a)

硫化物イオンは,よう素を消費して妨害し,

16.2.4 e)

の空試験を行っても補正されない。硫化物イオ

ンの妨害を除くには,次による。

1)  JIS K 8953

で規定する硫酸亜鉛七水和物

20 g

を水

100 mL

に溶かした溶液と炭酸ナトリウム溶液

100 g/L

)とを用意し,使用時にその等体積ずつを混合して塩基性炭酸亜鉛の懸濁液を調製する。

塩基性炭酸亜鉛の懸濁液

10 mL

は,硫化物イオン約

50 mg

を固定できる。

2) 

図 16

の培養瓶に気泡が残らないように試料を採取する。

3)

塩基性炭酸亜鉛の懸濁液を試料

100 mL

につき約

2 mL

の割合で試料の液面下に加える。

4)

気泡が残らないように注意して密栓し,転倒して混ぜ合わせて硫化物イオンを硫化亜鉛として沈殿

固定させる。

5)

ろ紙

5

C

でろ過(又は遠心分離)し,そのろ液を用いて

16.2.4

の操作を行って亜硫酸イオンを定


63

B 8224

:2016

量する。

図 16

培養瓶の例 

b)

鉄(

III

)イオン及び銅(

II

)イオンはよう化物イオンを酸化して妨害する。

17 

硫酸イオン(SO

4

2

 

17.1 

一般事項 

硫酸イオンの定量には,硫酸バリウム比濁法,重量法,イオンクロマトグラフ法又は流れ分析法を適用

する。

17.2 

硫酸バリウム比濁法 

試料に塩化バリウムとコロイド安定剤とを加え,硫酸イオンとバリウムイオンとを反応させて硫酸バリ

ウムのコロイドとし,このコロイドの散乱による透過光の減少を見かけの吸光度として測定し,硫酸イオ

ンを定量する。

定量範囲:

SO

4

2

 20

100 mg/L

,繰返し精度:

10 %

17.2.1 

試薬 

試薬は,次による。

a) 

JIS K 0557

で規定する

A2

又は

A3

の水。

b) 

塩酸(150

JIS K 8180

で規定する塩酸を用いて調製する。

c) 

水酸化ナトリウム溶液(1 mol/L

JIS K 8576

で規定する水酸化ナトリウム

4 g

を水に溶かして

100 mL

とする。

d) 

グリセリン溶液(11

JIS K 8295

で規定するグリセリンを用いて調製する。

e) 

塩酸酸性塩化ナトリウム溶液

JIS K 8150

で規定する塩化ナトリウム

240 g

JIS K 8180

で規定する

塩酸

20 mL

と水に溶かして

1 L

とする。

f) 

塩化バリウム

JIS K 8155

で規定する塩化バリウム二水和物をふるい分け,目開き

710

μm

のふるい

を通り,

500

μm

のふるいに止まるもの。

g) 

硫酸イオン標準液(SO

4

2

1 000  mg/L

  国家計量標準にトレーサブルな硫酸イオン標準液(

SO

4

2

1 000 mg/L

)を使用するか,又は,次による。

JIS K 8962

で規定する硫酸カリウムを約

700

℃で約

30

分間加熱し,

デシケータ中で放冷する。

その

1.815 g

をとり,

少量の水に溶かして全量フラスコ

1 000 mL

に移し入れ,水を標線まで加える。使用時に調製する。


64

B 8224

:2016

17.2.2 

器具及び装置 

器具及び装置は,次による。

a) 

光度計

  分光光度計又は光電光度計。

b) 

マグネチックスターラ 

17.2.3 

操作 

操作は,次による。

a)

5.3

によってろ過した試料の

50 mL

2

個のコニカルビーカ

100 mL

にとる。

硫酸イオン濃度が

100 mg/L

以上の場合は,試料の適量をとり,水を加えて

50 mL

とする。

b)

試料が酸性又はアルカリ性の試料の場合は,塩酸(

1

50

)又は水酸化ナトリウム溶液(

1 mol/L

)を

用いて

pH

を約

7

に調節する。

c)

それぞれにグリセリン溶液(

1

1

10 mL

と塩酸酸性塩化ナトリウム溶液

5 mL

とを加え,マグネチ

ックスターラを用いてかき混ぜる。このときの

pH

1.4

1.6

になる。

d)

一方のコニカルビーカに塩化バリウム

0.3 g

を加え,それぞれ

1

分間引き続いてかき混ぜた後,

4

分間

放置し,再び

15

秒間かき混ぜる。

e)

直ちにこの液を吸収セルに移し,塩化バリウムを加えない方を対照液とし,

1

分間以内に波長

450 nm

付近の見かけの吸光度を測定する。

f)

空試験として水

50 mL

ずつを

2

個のコニカルビーカにとり,

c)

e)

の操作を行って試料について得た

吸光度を補正する。

g)

あらかじめ,次によって作成した硫酸イオンの検量線から,試料中の硫酸イオンの濃度(

SO

4

2

mg/L

を算出する。

a)

で試料を適量とり,水で

50 mL

にした場合は,希釈率を考慮して濃度を算出する。

1)

硫酸イオン標準液(

SO

4

2

1 000 mg/L

1

5 mL

を段階的にとり,水を加えて

50 mL

とし,

c)

f)

操作を行って硫酸イオンの濃度(

SO

4

2

mg/L

)と見かけの吸光度との関係線を作成する。

17.3 

重量法 

重量法は,硫酸イオンを硫酸バリウムとして沈殿させ,その質量をはかって定量する。

定量範囲:

SO

4

2

 100 mg/L

以上,繰返し精度:

2 %

17.3.1 

試薬 

試薬は,次による。

a) 

塩酸

JIS K 8180

で規定するもの。

b) 

塩酸(150

17.2.1 b)

による。

c) 

塩化バリウム溶液(100 g/L

JIS K 8155

で規定する塩化バリウム二水和物

11.7 g

を水に溶かして

100

mL

とする。

d) 

硝酸銀溶液(10 g/L

JIS K 8550

で規定する硝酸銀

1 g

を水に溶かして

100 mL

とする。

17.3.2 

操作 

操作は,次による。

a)

5.3

によってろ過した試料の適量(

SO

4

2

として

100 mg/L

以上を含む。

)を磁器蒸発皿にとり,塩酸

3 mL

を加えた後,沸騰水浴上で蒸発乾固し,更に約

20

分間加熱する。

b)

放冷後,塩酸

2 mL

で湿し,次に,温水

20

30 mL

を加え,数分間加熱した後,ろ紙

5

B

でろ過し,

塩酸(

1

50

)で数回洗う。

c)

ろ液に水を加えて

100 mL

とし,水浴上で加熱し,絶えずかき混ぜながら,これに温塩化バリウム溶

液(

100 g/L

)を滴加し,沈殿が生じなくなったら,更にその添加量の

20

50 %

を過剰に加える。


65

B 8224

:2016

d)

沸騰水浴上で

20

30

分間加熱した後,

3

4

時間放置する。

e)

ろ紙

6

種又は

5

C

を用いてろ過し,ろ液に塩化物イオンの反応を認めなくなるまで水で洗う[硝酸

銀溶液(

10 g/L

)で確かめる。

f)

沈殿はろ紙とともに,あらかじめ

800

℃で恒量とした磁器るつぼに入れ,乾燥後,徐々に加熱してろ

紙を,一旦,炭化した後,灰化する。

g)

引き続き,

800

℃で約

30

分間強熱し,デシケータ中で放冷した後,その質量をはかる。

h)  g)

の操作を繰り返して恒量とする。

i)

次の式によって試料中の硫酸イオンの濃度(

SO

4

2

mg/L

)を算出する。

(

)

6

411

.

0

000

1

×

×

=

V

b

a

S

ここに,

S

硫酸イオン(

SO

4

2

mg/L

a

試験における磁器るつぼの質量(

mg

b

空試験における磁器るつぼの質量(

mg

V

試料(

mL

0.411 6

硫酸バリウム

1 mg

の硫酸イオン相当量(

mg

17.4 

イオンクロマトグラフ法 

イオンクロマトグラフ法は,

15.6

による。

17.5 

流れ分析法 

陽イオン交換樹脂カラムを通して陽イオンを除去した試料の流れに,塩酸酸性バリウム・メチルチモー

ルブルーエタノール混合溶液の流れを混合すると,硫酸イオンがバリウムと反応して硫酸バリウムを生成

する。この流れに水酸化ナトリウム溶液の流れを混合すると,未反応のバリウムイオンとメチルチモール

ブルーとが錯体を生成し,溶液はその錯体による青い色と,未反応のメチルチモールブルーによる灰色を

呈する。

未反応のメチルチモールブルーの灰色を

460 nm

で測定することによって硫酸イオンを定量する。

定量範囲:

SO

4

2

  2

100 mg/L

,繰返し精度:

10 %

以下(装置,測定条件によって異なる。

17.5.1 

メチルチモールブルー発色 FIA  

17.5.1.1 

試薬 

試薬は,次による。調製した溶液は,必要に応じて脱気を行う。

a) 

JIS K 0557

で規定する

A3

又は

A4

の水。

b) 

キャリヤ液

  硫酸イオン標準液(

SO

4

2

1 000 mg/L

0.3 mL

とり,水で

1 L

とする。

c) 

塩化バリウム溶液

JIS K 8155

で規定する塩化バリウム二水和物

1.526 g

を約

500 mL

の水に溶かした

後,水で

1 000 mL

とし,ポリエチレン瓶で保存する。

d) 1.0 

mol/L

塩酸

JIS K 8180

で規定する塩酸

10 mL

とり,水で

120 mL

とする。

e) 

塩酸酸性バリウム・メチルチモールブルーエタノール混合溶液

  メチルチモールブルー四ナトリウム

0.236 g

に塩化バリウム溶液

50 mL

を加えてかき混ぜ溶解する。これに塩酸(

1 mol/L

4 mL

を加え

てかき混ぜ,

70 mL

の水と

320 mL

のエタノールを加えてかき混ぜる。褐色のポリ瓶に入れ冷蔵保存

する。

f) 

水酸化ナトリウム原液

JIS K 8576

で規定する水酸化ナトリウム

25 g

に水約

40 mL

を加えて溶解し,

水で全量を

50 mL

とする。

g) 

水酸化ナトリウム溶液(0.18 mol/L

  水酸化ナトリウム原液

9.9 g

に水

500 mL

を加えて調製する。

h) 

陽イオン交換カラム

50

100

メッシュの陽イオン交換樹脂

0.5 g

を,十分な水で混合することによっ

てスラリを作製し,気泡が入らないようにカラム充

する。


66

B 8224

:2016

i) 

硫酸イオン標準液(SO

4

2

1 000 mg/L

17.2.1 g)

による。

17.5.1.2 

器具及び装置 

装置の基本構成は,次による(

図 17

参照)

a) 

送液部

15.7.1.2 a)

による。

b) 

試料導入部

15.7.1.2 b)

による。

c) 

反応部

15.7.1.2 c)

による。

d) 

検出部

  波長

460 nm

付近での測定が可能な吸光光度検出器を用いる。

e) 

記録部

15.7.1.2 e)

による。

C: キャリヤ液

 R1: 塩酸酸性バリウム・メチルチモールブルーエタノール混合溶液 
 R2: 水酸化ナトリウム溶液(0.18 mol/L) 

S: 試料

1: ポンプ(mL/min)

2: 試料導入部(試料 200

μL)

3: 陽イオン交換カラム

4: 反応コイル(内径 0.5 mm,長さ 1 m)

5: 反応コイル(内径 0.5 mm,長さ 7 m)

6: 検出器(波長 460 nm)

7: 廃液

図 17

メチルチモールブルー発色 FIA 法のシステム例 

17.5.1.3 

準備操作 

準備操作は,

15.7.1.3

による。ただし,感度の調節は硫酸イオンによる。

17.5.1.4 

操作 

操作は,

15.7.1.4

による。ただし,検量線は,

17.5.1.1 i)

を水で希釈して調製した検量線用硫酸イオン標

準液を用いて作成し,試料中の硫酸イオンの濃度の算出には,これを用いる。

17.5.1.5 

留意事項 

a)

多くの陽イオンが干渉するので,干渉を除去する陽イオン交換カラムを利用する。

b)

モリブデンは僅か

1 mg/L

で正の誤差を与える。

c)

カラムが消耗すると試料中の陽イオンが未反応のメチルチモールブルーを消費するため,硫酸イオン

濃度は低い値を示す。この場合は新しい樹脂を再充

する。


67

B 8224

:2016

d)  a)

c)

のほかは,

15.7.1.5

による。

17.5.2 

メチルチモールブルー発色 CFA  

17.5.2.1 

試薬 

試薬は,次による。調製した溶液は,必要に応じて脱気を行う。

a) 

17.5.1.1 a)

による。

b) 

塩化バリウム溶液

17.5.1.1 c)

による。

c) 

塩酸酸性バリウム・メチルチモールブルーエタノール混合溶液

  塩化バリウム溶液

25 mL

にメチルチ

モールブルー四ナトリウム塩を

118.2 mg

溶かした後,塩酸(

1 mol/L

4 mL

70 mL

の水とを加え,

JIS K 8102

で規定するエタノール(

95

)で

500 mL

にする。使用時に調製する。

d) 

水酸化ナトリウム溶液

JIS K 8576

で規定する水酸化ナトリウム

7.2 g

を水に溶かして

500 mL

とする。

e) 

硫酸イオン標準液(SO

4

2

1 000 mg/L

17.2.1 g)

による。

f) 

ポリオキシエチレンドデシルエーテル溶液(300 g/L

  ポリオキシエチレンドデシルエーテル

30 g

JIS K 8102

に規定するエタノール(

95

)に溶かして

100 mL

とする。

g) 

試料希釈水

  硫酸イオン標準液(

SO

4

2

1 000  mg/L

1 mL

とポリオキシエチレンドデシルエーテル

溶液(

300 g/L

1 mL

とをとり,水で

1 L

とする。

h) 

陽イオン交換カラム

17.5.1.1 h)

による。

i) 

硫酸イオン標準液(SO

4

2

1 000 mg/L

17.2.1 g)

による。

17.5.2.2 

器具及び装置 

装置の基本構成は,次による(

図 18

参照)

a) 

送液部

15.7.2.2 a)

による。

b) 

試料導入部

15.7.2.2 b)

による。

c) 

反応部

15.7.2.2 c)

による。

d) 

検出部

  波長

460 nm

付近での測定が可能な吸光光度検出器を用いる。

e) 

記録部

15.7.2.2 e)

による。


68

B 8224

:2016

S: 試料又は水

 R1: 試料希釈水 
 R2: 塩酸酸性バリウム・メチルチモールブルーエタノール混合溶液 
 R3: 水酸化ナトリウム溶液 

1: ポンプ(mL/min)

2: セグメントガス(空気)

3: 陽イオン交換カラム

4: 反応コイル(内径 2 mm,長さ 30 cm)

5: 反応コイル(内径 2 mm,長さ 120 cm)

6: 検出器(波長 460 nm)

7: 廃液

図 18

メチルチーモールブルー発色 CFA 法のシステム例 

17.5.2.3 

準備操作 

準備操作は,

15.7.2.3

による。ただし,感度の調節は硫酸イオンによる。

17.5.2.4 

操作 

操作は,

15.7.2.4

による。ただし,検量線は,

17.5.2.1 i)

を水で希釈して調製した検量線用硫酸イオン標

準液を用いて作成し,試料中の硫酸イオンの濃度の算出には,これを用いる。

17.5.2.5 

留意事項 

留意事項は,

17.5.1.5

a)

c)

及び

15.7.2.5

による。

18 

りん酸イオン(PO

4

3

)及び加水分解性りん酸イオン 

18.1 

一般事項 

ボイラ水及び給水中の溶存状態のオルトりんイオン及びメタりん酸イオン,トリポリりん酸イオンなど

の加水分解性のりん酸イオンだけを定量する。懸濁物を含む試料の場合には,懸濁物を除去する前処理を


69

B 8224

:2016

行った後,定量する。

18.2 

りん酸イオン 

りん酸イオンの定量には,モリブデン青[アスコルビン酸還元]吸光光度法を用いる。

18.2.1 

モリブデン青[アスコルビン酸還元]吸光光度法 

りん酸イオンが七モリブデン酸六アンモニウム及びタルトラトアンチモン(

III

)酸カリウムと反応して

生成するヘテロポリ化合物を

L(

)-

アスコルビン酸で還元し,生成したモリブデン青の吸光度を測定して

りん酸イオンを定量する。

定量範囲:

PO

4

3

 0.1

3 mg/L

,繰返し精度:

2

10 %

18.2.1.1 

試薬 

試薬は,次による。

a) 

JIS K 0557

で規定する

A3

の水。

b) 

アスコルビン酸溶液(72 g/L

JIS K 9502

で規定する

L(

)-

アスコルビン酸

7.2 g

を水に溶かして

100

mL

とする。

0

10

℃の暗所に保存し,着色した溶液は使用しない。

c) 

モリブデン酸アンモニウム溶液

JIS K 8905

で規定する七モリブデン酸六アンモニウム四水和物

6 g

及び

JIS K 8533

で規定するビス[

(

)-

タルトラト]二アンチモン(

III

)酸二カリウム三水和物

0.24 g

を水約

300 mL

に溶かし,これに硫酸(

2

1

JIS K 8951

で規定する硫酸を用いて調製する。

120 mL

を加え,次に,

JIS K 8588

で規定するアミド硫酸アンモニウム

5 g

を加えて溶かした後,水を加えて

500 mL

とする。

d) 

モリブデン酸アンモニウム-アスコルビン酸混合溶液

  モリブデン酸アンモニウム溶液とアスコルビ

ン酸溶液(

72 g/L

)とを体積比で

5

1

の割合になるように混合する。使用時に調製する。

e) 

p-

ニトロフェノール溶液(1 g/L

JIS K 8721

で規定する

p-

ニトロフェノール

0.1 g

を水に溶かして

100 mL

とする。

f) 

りん酸イオン標準液(PO

4

3

1 000  mg/L

  国家計量標準にトレーサブルなりん酸イオン標準液

PO

4

3

1 000 mg/L

)を使用するか,又は,次による。

JIS K 9007

で規定するりん酸二水素カリウム

pH

標準液用)を

105

±

2

℃で約

2

時間加熱し,デシケータ中で放冷する。その

1.433 g

をとり,少量

の水に溶かして全量フラスコ

1 000 mL

に移し入れ,水を標線まで加える。

0

10

℃の暗所に保存する。

g) 

りん酸イオン標準液(PO

4

3

100 mg/L

  りん酸イオン標準液(

PO

4

3

1 000 mg/L

10 mL

を全量

フラスコ

100 mL

にとり,水を標線まで加える。

0

10

℃の暗所に保存する。

h) 

りん酸イオン標準液(PO

4

3

5 mg/L

  りん酸イオン標準液(

PO

4

3

100 mg/L

10 mL

を全量フラ

スコ

200 mL

にとり,水を標線まで加える。

i) 

硫酸(150

JIS K 8951

で規定する硫酸を用いて調製する。

j) 

水酸化ナトリウム溶液(1 mol/L

JIS K 8576

で規定する水酸化ナトリウム

4 g

を水に溶かして

100 mL

とする。

18.2.1.2 

器具及び装置 

器具及び装置は,次による。

a) 

光度計

  分光光度計又は光電光度計。

b) 

メスシリンダ(有栓形)

15.2.2 b)

による。

18.2.1.3 

操作 

操作は,次による。

a)

5.3

によってろ過した試料

25 mL

をメスシリンダ(有栓形)

25 mL

にとる。りん酸イオン濃度が

3 mg/L


70

B 8224

:2016

以上の場合は,試料の適量をとり,水で

25 mL

とする。

b)

試料が酸性又はアルカリ性の場合は,指示薬として

p-

ニトロフェノール溶液(

1 g/L

1

2

滴を加え,

硫酸(

1

50

)又は水酸化ナトリウム溶液(

1 mol/L

)を用いて僅かに黄に呈色するまで中和して一定

量とした試料を用いる。

c)

モリブデン酸アンモニウム

-

アスコルビン酸混合溶液

2 mL

を加えて振り混ぜた後,

20

40

℃で約

15

分間放置する。

d)

溶液の一部を吸収セルに移し,波長

880 nm

又は

710 nm

付近の吸光度を測定する。

e)

空試験として水

25 mL

をとり,

c)

及び

d)

の操作を行って吸光度を測定し,試料について得た吸光度

を補正する。

f)

あらかじめ,次によって作成したりん酸イオンの検量線から,試料中のりん酸イオンの濃度(

PO

4

3

mg/L

)を算出する。

a)

で試料の適量をとり,水で希釈した場合は,希釈率を考慮して濃度を算出する。

1)

りん酸イオン標準液(

PO

4

3

5 mg/L

0.5

15 mL

をメスシリンダ(有栓形)

25 mL

に段階的にとり

水で

25 mL

とする。

c)

及び

d)

の操作を行って吸光度を測定し,りん酸イオン(

PO

4

3

)の濃度と

吸光度との関係線を作成する。発色操作は試料と同じ温度で行う。

18.2.1.4 

留意事項 

a)

ろ過しても濁りや色がある場合は,モリブデン酸アンモニウム

-

アスコルビン酸混合溶液

2 mL

の代わ

りに,モリブデン酸アンモニウム溶液

2 mL

を添加し,これを対照液とする。

b)

硝酸イオンや亜硝酸イオンが試料に存在すると,生成したモリブデン青が退色するなどの妨害がある

が,アミド硫酸アンモニウムを添加すれば,この妨害を防ぐことができる。

c)

鉄(

III

30 mg

以上の共存もモリブデン青を退色させるが,アスコルビン酸溶液(

72 g/L

)の添加量を

増せば,妨害を抑制できる。

d)

試料中にひ素(

V

)が含まれるときは,次の操作を行って定量値に正の誤差を与える妨害を除去する。

1)

ろ過した試料

20 mL

に硫酸(

1 mol/L

JIS K 8951

で規定する硫酸を用いて調製する。

1 mL

とチ

オ硫酸ナトリウム溶液(

JIS K 8637

で規定するチオ硫酸ナトリウム五水和物

1.2 g

とを水に溶かして

100 mL

とし,

JIS K 8625

で規定する炭酸ナトリウム

50 mg

を加えて調製する。

0.5 mL

を加え,

5

10

分間放置する。

18.2.1.3 b)

によって中和し,水で

25 mL

にする。

e)

次のような操作で発色させ,定量することもできる。

1)  5.3

によってろ過した試料

40 mL

を全量フラスコ

50 mL

にとる。りん酸イオン濃度が高い場合は,

試料の適量をとり,水を加えて約

40 mL

とする。

2)

試料が酸性又はアルカリ性の試料の場合は,指示薬として

p-

ニトロフェノール溶液(

1 g/L

1

2

滴を加え,硫酸(

1

50

)又は水酸化ナトリウム溶液(

1 mol/L

)を用いて僅かに黄色を呈色するま

で中和して一定量とした試料を用いる。

3)

モリブデン酸アンモニウム

-

アスコルビン酸混合溶液

3.5 mL

を加え,水を標線まで加えて振り混ぜ

た後,

20

40

℃で約

15

分間放置する。

4)

溶液の一部を吸収セルに移し,波長

880 nm

又は

710 nm

付近の吸光度を測定する。

5)

空試験として水約

40 mL

を全量フラスコ

50 mL

にとり,

3)

及び

4)

の操作を行って吸光度を測定し,

試料について得た吸光度を補正する。

6)

検量線からりん酸イオンの濃度を求め,試料中のりん酸イオンの濃度(

PO

4

3

mg/L

)を算出する。

18.2.2 

流れ分析法 

試料中のりん酸イオンを,

18.2.1

と同様な原理で発色させる流れ分析法によって定量する。


71

B 8224

:2016

定量範囲:

PO

4

3

 0.03

3 mg/L

,繰返し精度:

10 %

以下(装置,測定条件によって異なる。

18.2.2.1 

モリブデン青発色 流路 FIA  

18.2.2.1.1 

試薬 

試薬は,次による。調製した溶液は,必要に応じて脱気を行う。

a) 

18.2.1.1 a)

による。

b) 

モリブデン酸アンモニウム溶液

JIS K 8905

で規定する七モリブデン酸六アンモニウム四水和物

40 g

を水約

800 mL

に加えて溶かした後,水で

1 000 mL

とする。

c) 

タルトラトアンチモン(III)酸カリウム溶液

JIS K 8533

で規定するビス[

(

)-

タルトラト]二アン

チモン(

III

)酸二カリウム三水和物

3.0 g

を水約

800 mL

に加えて溶かした後,水で

1 000 mL

とする。

d) 

硫酸酸性(0.63 mol/L-モリブデン酸アンモニウム溶液

  水約

500 mL

をビーカにとり,これをかき

混ぜながら,

JIS K 8951

で規定する硫酸

35 mL

を徐々に加える。冷却後,モリブデン酸アンモニウム

溶液

213 mL

とタルトラトアンチモン(

III

)酸カリウム溶液

72 mL

とを加え,全量を水で

1 000 mL

する。

e) 

アスコルビン酸溶液(60 g/L

JIS K 9502

で規定する

L(

)-

アスコルビン酸

6.0 g

を水約

80 mL

に加

えて溶かした後,ドデシル硫酸ナトリウム

0.1 g

を加えて,全量を水で

100 mL

とする。この溶液は,

使用前に調製する。

f) 

キャリヤ液

  水を用いる。

g) 

りん酸イオン標準液(PO

4

3

100 mg/L

18.2.1.1 g)

による。

h) 

りん酸イオン標準液(PO

4

3

30 mg/L

  全量フラスコ

100 mL

にりん酸イオン標準液

PO

4

3

100 mg/L

30 mL

をとり,水を標線まで加える。使用時に調製する。

i) 

りん酸イオン標準液(PO

4

3

10 mg/L

  全量フラスコ

100 mL

にりん酸イオン標準液

PO

4

3

100 mg/L

10 mL

をとり,水を標線まで加える。使用時に調製する。

18.2.2.1.2 

器具及び装置 

装置の基本構成は,次による(

図 19

参照)

a) 

送液部

15.7.1.2 a)

による。

b) 

試料導入部

15.7.1.2 b)

による。

c) 

反応部

15.7.1.2 c)

及び一定の温度に加熱保持できる恒温槽から構成する。

d) 

検出部

  波長

880 nm

付近での測定が可能な吸光光度検出器を用いる。

e) 

記録部

15.7.1.2 e)

による。

f) 

恒温槽

60

℃に加熱できるもの。


72

B 8224

:2016

C: キャリヤ液

 R1: 硫酸酸性(0.63 mol/L)-モリブデン酸アンモニウム溶液 
 R2: アスコルビン酸溶液(60 g/L) 

S: 試料

1: ポンプ(mL/min)

2: 試料導入器[注入量 640 μL(りん酸イオン濃度 0.01∼0.10 mg/L),注入量 100 μL(りん酸イオン濃度 0.1∼

1.0 mg/L)]

3: 反応コイル(内径 0.7 mm,長さ 120 cm)

4: 恒温槽(60  ℃)

5: 反応コイル(内径 0.7 mm,長さ 150 cm)

6: 検出器(波長 880 nm)

7: 廃液

図 19

モリブデン青発色 流路 FIA 法のシステム例 

18.2.2.1.3 

準備操作 

準備操作は,

15.7.1.3

による。ただし,感度の調節はりん酸イオンによる。

18.2.2.1.4 

操作 

操作は,

15.7.1.4

による。ただし,検量線は,

18.2.2.1.1 h)

又は

i)

を水で希釈して調製した検量線用りん

酸イオン標準液を用いて作成し,試料中のりん酸イオンの濃度の算出には,これを用いる。

18.2.2.1.5 

留意事項 

a)

ひ素イオン,亜硝酸イオン及び酸化性物質は定量を妨害する。妨害物質の詳細については,

18.2.1.4

による。

b)  a)

のほかは,

15.7.1.5

による。

18.2.2.2 

モリブデン青発色 流路 FIA  

18.2.2.2.1 

試薬 

試薬は,次による。調製した溶液は,必要に応じて脱気を行う。

a) 

18.2.1.1 a)

による。

b) 

硫酸酸性(1.21 mol/L-モリブデン酸アンモニウム溶液

  水約

800 mL

をビーカにとり,これをかき

混ぜながら,

JIS K 8951

で規定する硫酸

67 mL

を徐々に加える。これに

JIS K 8905

で規定する七モリ

ブデン酸六アンモニウム四水和物

5.48 g

JIS K 8533

で規定するビス[

(

)-

タルトラト]二アンチモ

ン(

III

)酸二カリウム三水和物

0.25 g

とを加えて溶かした後,水で

1 000 mL

とする。

c) 

アスコルビン酸溶液(3 g/L

JIS K 9502

で規定する

L(

)-

アスコルビン酸

3.0 g

とドデシル硫酸ナ


73

B 8224

:2016

トリウム

1 g

とを水

1 000 mL

に溶かす。この溶液は,使用前に調製する。

d) 

発色試薬溶液

  硫酸酸性(

1.21 moL/L

-

モリブデン酸アンモニウム溶液とアスコルビン酸溶液(

3 g/L

とを等量混合する。この溶液は,使用前に調製する。

e) 

キャリヤ液

  水を用いる。

f) 

りん酸イオン標準液(PO

4

3

100 mg/L

18.2.1.1 g)

による。

g) 

りん酸イオン標準液(PO

4

3

30 mg/L

18.2.2.1.1 h)

による。

h) 

りん酸イオン標準液(PO

4

3

10 mg/L

18.2.2.1.1 i)

による。

18.2.2.2.2 

器具及び装置 

装置の基本構成は,次による(

図 20

参照)

a) 

送液部

15.7.1.2 a)

による。

b) 

試料導入部

15.7.1.2 b)

による。

c) 

反応部

15.7.1.2 c)

及び一定の温度に加熱保持できる恒温槽から構成する。

d) 

検出部

18.2.2.1.2 d)

による。

e) 

記録部

15.7.1.2 e)

による。

f) 

恒温槽

70

℃に加熱できるもの。

C: キャリヤ液

 R1: 発色試薬溶液 

S: 試料

1: ポンプ(mL/min)

2: 試料導入部(試料 300

μL)

3: 恒温槽(70  ℃)

4: 反応コイル(内径 0.5 mm,長さ 7 m)

5: 検出器(波長 880 nm)

6: 背圧コイル(内径 2 mm,長さ 0.5 m)

7: 廃液

図 20

モリブデン青発色 流路 FIA 法のシステム例 

18.2.2.2.3 

準備操作 

準備操作は,

15.7.1.3

による。ただし,感度の調節はりん酸イオンによる。

18.2.2.2.4 

操作 

操作は,

15.7.1.4

による。ただし,検量線は,

18.2.2.2.1 g)

又は

h)

を水で希釈して調製した検量線用り

ん酸イオン標準液を用いて作成し,試料中のりん酸イオンの濃度の算出には,これを用いる。

18.2.2.2.5 

留意事項 

留意事項は,

18.2.2.1.5

による。


74

B 8224

:2016

18.2.2.3 

モリブデン青発色 CFA  

18.2.2.3.1 

試薬 

試薬は,次による。調製した溶液は,必要に応じて脱気を行う。

a) 

水  18.2.2.1.1 a)

による。

b) 

モリブデン酸アンモニウム溶液  18.2.2.1.1 b)

による。

c) 

タルトラトアンチモン(III)酸カリウム溶液  JIS K 8533

で規定するビス[

(

)-

タルトラト]二アン

チモン(

III

)酸二カリウム三水和物

2.5 g

を水約

800 mL

に加えて溶かした後,水で

1 000 mL

とする。

d) 

硫酸(2.45 mol/L

  水約

800 mL

をビーカにとり,これをかき混ぜながら,

JIS K 8951

で規定する硫

135 mL

を徐々に加える。冷却後,水を加えて全量を

1 000 mL

とする。

e) 

硫酸酸性(1.75 mol/L-モリブデン酸アンモニウム溶液

  硫酸(

2.45 mol/L

500 mL

とモリブデン酸

アンモニウム溶液

150 mL

とタルトラトアンチモン(

III

)酸カリウム溶液

50 mL

とを混合する。

f) 

アスコルビン酸溶液(10 g/L

JIS K 9502

で規定する

L(

)-

アスコルビン酸

1 g

を水約

80 mL

に加え

て溶かした後,水で

100 mL

とする。使用時に調製する。

g) 

洗剤溶液 I

  ドデシル硫酸ナトリウム

1 g

を水約

800 mL

に溶かし,全量を水で

1 000 mL

とする。

h) 

洗剤溶液 II

  ドデシル硫酸ナトリウム

10 g

を水約

800 mL

に溶かし,全量を水で

1 000 mL

とする。

i) 

りん酸イオン標準液(PO

4

3

100 mg/L

18.2.1.1 g)

による。

j) 

りん酸イオン標準液(PO

4

3

30 mg/L

18.2.2.1.1 h)

による。

k) 

りん酸イオン標準液(PO

4

3

10 mg/L

18.2.2.1.1 i)

による。

18.2.2.3.2 

器具及び装置 

装置の基本構成は,次による(

図 21

参照)

a) 

送液部

15.7.2.2 a)

による。

b) 

試料導入部

15.7.2.2 b)

による。

c) 

反応部

15.7.2.2 c)

及び一定の温度に加熱保持できる恒温槽から構成する。

d) 

検出部

18.2.2.1.2 d)

による。

e) 

記録部

15.7.2.2 e)

による。

f) 

恒温槽

37

40

℃に加熱できるもの。


75

B 8224

:2016

 R1: 硫酸酸性(1.75 mol/L)-モリブデン酸アンモニウム溶液 
 R2: アスコルビン酸溶液(10 g/L) 

S: 試料又は洗剤溶液[定量範囲 0.01∼0.10 mg/L の場合(試料流量 1.00 mL/min,洗剤溶液 II 流量 0.10 mL/min),

定量範囲 0.1∼1.0 mg/L の場合(試料流量 0.1 mL/min,洗剤溶液 I 流量 1.00 mL/min)

1: ポンプ(mL/min)

2: セグメントガス(空気)

3: 反応コイル(内径 2 mm,長さ 30 cm)

4: 恒温槽(37∼40  ℃)

5: 加熱コイル(内径 2 mm,長さ 120 cm)

6: 検出器(波長 880 nm)

7: 廃液

図 21

モリブデン青発色 CFA 法のシステム例 

18.2.2.3.3 

準備操作 

準備操作は,

15.7.2.3

による。ただし,感度の調節はりん酸イオンによる。

18.2.2.3.4 

操作 

操作は,

15.7.2.4

による。ただし,検量線は,

18.2.2.3.1 j)

又は

k)

を水で希釈して調製した検量線用り

ん酸イオン標準液を用いて作成し,試料中のりん酸イオンの濃度の算出には,これを用いる。

18.2.2.3.5 

留意事項 

留意事項は,

18.2.2.1.5 a)

によるほかは,

15.7.2.5

による。

18.3 

加水分解性りん酸イオン 

試料を酸性として煮沸したとき,加水分解によってりん酸イオンとなるメタりん酸イオン,トリポリり

ん酸イオンなどをいう。

試料に硫酸

-

硝酸の混酸を加え,煮沸してりん酸イオンとした後,

18.2.1

,又は

18.2.2

によってりん酸イ

オン濃度を定量し,この値から加水分解前のりん酸イオン濃度を差し引き,加水分解性りん酸イオンをり

ん酸イオンに換算した濃度で表示する。

18.3.1 

試料の前処理 

試料を酸性として煮沸し,加水分解によってりん酸イオンにする。

18.3.1.1 

試薬 

試薬は,次による。


76

B 8224

:2016

a) 

JIS K 0557

で規定する

A3

の水。

b) 

硫酸-硝酸の混酸

JIS K 8951

で規定する硫酸

300 mL

を水約

600 mL

中に注意してかき混ぜながら加

えた後,放冷する。これに

JIS K 8541

で規定する硝酸

4 mL

と水とを加えて全量を

1 L

とする。

c) 

水酸化ナトリウム溶液(40 g/L

JIS K 8576

で規定する水酸化ナトリウム

4 g

を水に溶かして

100 mL

とする。

d)  p-

ニトロフェノール溶液(1 g/L

18.2.1.1 e)

による。

18.3.1.2 

操作 

操作は,次による。

a)

5.3

によってろ過した試料

100 mL

をビーカ

200 mL

にとり,硫酸

-

硝酸の混酸

1 mL

を加える。

b)

静かに煮沸する。液量が

25 mL

以下になったら水を加え,液量を

25

50 mL

に保って,約

90

分間煮

沸する。二りん酸イオン,トリポリりん酸イオンなどは約

1

時間でりん酸イオンになる。

c)

放冷後,ろ紙

5

B

を用いてろ過し,温水で

3

4

回洗う。

d)

ろ液及び洗液を合わせ,指示薬として

p-

ニトロフェノール溶液(

1 g/L

)数滴を加え,溶液が僅かに黄

に呈色するまで水酸化ナトリウム溶液(

40 g/L

)を滴加した後,全量フラスコ

100 mL

に移し入れ,水

を標線まで加える。

18.3.2 

モリブデン青[アスコルビン酸還元]吸光光度法 

18.3.1

で処理した試料のりん酸イオン濃度から,

5.3

によってろ過した試料のりん酸イオン濃度を差し引

いて,試料中の加水分解性りん酸イオン濃度(

PO

4

3

mg/L

)を求める。試薬,器具及び装置,操作は

18.2.1

による。

18.3.3 

流れ分析法 

18.3.1

で処理した試料のりん酸イオン濃度から,

5.3

によってろ過した試料のりん酸イオン濃度を差し引

いて,試料中の加水分解性りん酸イオン濃度(

PO

4

3

mg/L

)を求める。試薬,器具及び装置,操作は

18.2.2

による。

19 

シリカ(SiO

2

 

19.1 

一般事項 

水中のシリカはイオン状シリカ

(イオン状けい酸)

溶存及びコロイド状シリカ,

及び全シリカに区分し,

いずれも酸化けい素(

IV

SiO

2

)として表示する。

19.2 

イオン状シリカ 

イオン状シリカは七モリブデン酸六アンモニウムと反応してヘテロポリ化合物の黄色を生成するシリカ

をいう。イオン状シリカの定量にはモリブデン黄吸光光度法,モリブデン青吸光光度法,モリブデン青抽

出吸光光度法,流れ分析法又はプロセス用分析装置による測定方法を適用する。

19.2.1 

モリブデン黄吸光光度法 

イオン状シリカが,七モリブデン酸六アンモニウムと反応して生成するヘテロポリ化合物の黄色の吸光

度を測定してシリカを定量する。しゅう酸溶液を加えて試料中の共存りん酸イオンによって生成したヘテ

ロポリ化合物を分解する。

定量範囲:

SiO

2

2

20 mg/L

,繰返し精度:

2

10 %

19.2.1.1 

試薬 

試薬は,次による。ポリエチレン瓶に保存する。

a) 

JIS K 0557

で規定する

A3

の水。


77

B 8224

:2016

b) 

塩酸(11

JIS K 8180

で規定する塩酸を用いて調製する。

c) 

モリブデン酸アンモニウム溶液(100 g/L

JIS K 8905

で規定する七モリブデン酸六アンモニウム四

水和物

21.2 g

を水に溶かして

200 mL

とする。

d) 

しゅう酸溶液

JIS K 8519

で規定するしゅう酸二水和物

20 g

を水に溶かして

200 mL

とする。

e) 

シリカ標準液(SiO

2

1 000 mg/L

  砂状の石英(

99.9 %

以上)を,めのう乳鉢ですり潰し,

700

800

で約

1

時間加熱した後,デシケータ中で放冷する。その

0.500 g

を白金るつぼにとり,

JIS K 8005

で規

定する容量分析用標準物質の炭酸ナトリウム

4 g

を加え,十分に混合した後,加熱し,約

40

分間融解

する。放冷後,融成物を水に溶かして全量フラスコ

500 mL

に移し入れ,水を標線まで加える。

f) 

シリカ標準液(SiO

2

100 mg/L

  シリカ標準液(

SiO

2

1 000 mg/L

20 mL

を全量フラスコ

200 mL

にとり,水を標線まで加える。

19.2.1.2 

器具及び装置 

器具及び装置は,次による。

a) 

光度計

  分光光度計又は光電光度計。

b) 

メスシリンダ(有栓形)

15.2.2 b)

による。

19.2.1.3 

操作 

操作は,次による。

a)

5.3

によってろ過した試料

50 mL

をメスシリンダ(有栓形)

50 mL

にとる。イオン状シリカ濃度が

10

mg/L

以上の場合は,試料の適量をとり,水を加えて

50 mL

とする。

b)

液温を約

20

℃に調節する。

c)

塩酸(

1

1

1 mL

とモリブデン酸アンモニウム溶液(

100 g/L

2 mL

とを加えて振り混ぜ,約

5

分間

放置する。

d)

しゅう酸溶液

1.5 mL

を加えて振り混ぜ,

1

分間放置する。りん酸イオンが共存しない場合には,しゅ

う酸は添加しない。ただし,検量線の作成時も同様にする。

e)

直ちにこの溶液を吸収セルに移し,波長

410

450 nm

の吸光度を測定する。

f)

空試験として水約

50 mL

をとり,

b)

e)

の操作を行って吸光度を求め,試料について得た吸光度を補

正する。

g)

あらかじめ,次によって作成したシリカの検量線から,試料中のシリカの濃度(

SiO

2

mg/L

)を算出

する。

1)

シリカ標準液(

SiO

2

100 mg/L

1

10 mL

をメスシリンダ(有栓形)

50 mL

に段階的にとり,水を

50 mL

の標線まで加えた後,

b)

e)

の操作を行ってシリカの濃度(

SiO

2

mg/L

)と吸光度との関係

線を作成する。

19.2.1.4 

留意事項 

a)

試料が強いアルカリ性の場合には,塩酸(

1

1

)を用いて中和しておく。また,酸性の場合はモリブ

デン酸アンモニウム溶液を添加し,

pH

1.1

1.6

になるように塩酸(

1

1

)の添加量を調節する。酸

性が強い場合には,水酸化ナトリウム溶液で中和する。

b)

しゅう酸溶液を加えた場合には,放置時間を正しく守る。放置時間が長くなると,シリカによるヘテ

ロポリ化合物の黄色が退色する。

19.2.2 

モリブデン青吸光光度法 

イオン状シリカが七モリブデン酸六アンモニウムと反応して生成するヘテロポリ化合物を

L(

)-

アスコ

ルビン酸で還元してモリブデン青に変え,その吸光度を測定してシリカを定量する。


78

B 8224

:2016

定量範囲:

 10 mm

セル使用の場合

SiO

2

0.2

2 mg/L

 20

mm

セル使用の場合

SiO

2

0.1

1 mg/L

 50

mm

セル使用の場合

SiO

2

20

300 µg/L

繰返し精度:

2

10 %

19.2.2.1 

試薬 

試薬は,次による。ポリエチレン瓶に保存する。

a) 

19.2.1.1 a)

による。

b) 

塩酸(11

19.2.1.1 b)

による。

c) 

硫酸(15

  水

5

容をビーカにとり,これを冷却し,かき混ぜながら

JIS K 8951

で規定する硫酸

1

容を徐々に加える。

d) 

モリブデン酸アンモニウム溶液(100 g/L

19.2.1.1 c)

による。

e) 

しゅう酸溶液

19.2.1.1 d)

による。

f) 

アスコルビン酸溶液(100 g/L

JIS K 9502

で規定する

L(

)-

アスコルビン酸

10 g

を水に溶かして

100 mL

とする。

10

℃以下の暗所に保存し,色の着いた溶液は使用しない。

g) 

シリカ標準液(SiO

2

10 mg/L

19.2.1.1 f)

のシリカ標準液(

SiO

2

100 mg/L

20 mL

を全量フラス

200 mL

にとり,水を標線まで加える。使用時に調製する。

19.2.2.2 

器具及び装置 

器具及び装置は,次による。

a) 

光度計

  分光光度計又は光電光度計。

b) 

メスシリンダ(有栓形)

15.2.2 b)

による。

19.2.2.3 

操作 

操作は,次による。

a)

5.3

によってろ過した試料の

50 mL

(試料濃度として

SiO

2

2 mg/L

以下)をメスシリンダ(有栓形)

にとる。濃度が高い場合は,試料の適量をとり,水を加えて

50 mL

とする。

b)

液温を約

20

℃に調節する。

c)

塩酸(

1

1

1 mL

[又は硫酸(

1

5

1 mL

]とモリブデン酸アンモニウム溶液(

100 g/L

2 mL

とを

加えて振り混ぜ,溶液の

pH

1.1

1.6

にし約

5

分間放置する。

d)

しゅう酸溶液

1.5 mL

を加えて振り混ぜ,

1

分間放置する。

e)

アスコルビン酸溶液(

100 g/L

1 mL

を加えて振り混ぜ,約

10

分間放置する。

f)

溶液の一部を吸収セルに移し,波長

815 nm

付近の吸光度を測定する。

g)

空試験として水

50 mL

をとり,

b)

f)

の操作を行って吸光度を求め,試料について得た吸光度を補正

する。

h)

あらかじめ,次によって作成したシリカの検量線から,試料中のシリカの濃度(

SiO

2

mg/L

)を算出

する。

a)

で試料を適量とり,水で

50 mL

にした場合は,希釈率を考慮して濃度を算出する。

1)

セル長が

10 mm

の場合,シリカ標準液(

SiO

2

10 mg/L

1

10 mL

,セル長が

20 mm

の場合,シリ

カ標準液(

SiO

2

10 mg/L

0.5

5 mL

をメスシリンダ(有栓形)

50 mL

に段階的にとり,水を

50 mL

の標線まで加える。セル長が

50 mm

の場合には,シリカ標準液(

SiO

2

10 mg/L

1

15 mL

を全量

500 mL

フラスコに段階的にとり,標線まで水を加え,そこから

50 mL

をメスシリンダ(有栓形)

50 mL

にとる。液温を約

20

℃に調節し,

b)

f)

の操作を行って吸光度を測定し,シリカの濃度

SiO

2

mg/L

)と吸光度との関係を作成する。


79

B 8224

:2016

19.2.2.4 

留意事項 

a)

りん酸イオンが共存しなくてもしゅう酸溶液を加える。しゅう酸を加えないと,過剰のモリブデン酸

もアスコルビン酸溶液で還元され青い色となり妨害する。

19.2.3 

モリブデン青抽出吸光光度法 

イオン状シリカが七モリブデン酸六アンモニウムと反応して生成するヘテロポリ化合物を

L(

)-

アスコ

ルビン酸で還元してモリブデン青に変え,これを

1-

ブタノールに抽出し,有機層の吸光度を測定してシリ

カを定量する。この方法は,シリカの濃度の低い試料に適用する。

定量範囲:

 10 mm

セル使用の場合

SiO

2

10

100 µg/L

 20

mm

セル使用の場合

SiO

2

2.5

50 µg/L

繰返し精度:

5

20 %

19.2.3.1 

試薬 

試薬は,次による。ポリエチレン瓶に保存する。

a) 

JIS K 0557

で規定する

A4

の水。使用前に空試験を行い,使用の可否を確認する。

b) 

硫酸(2.5 mol/L-モリブデン酸アンモニウム(188 g/L)混合溶液

JIS K 8951

で規定する硫酸

140 mL

を水約

300 mL

に冷却しながら混合する。これに

JIS K 8905

で規定する七モリブデン酸六アンモニウ

ム四水和物

200 g

を水約

500 mL

に溶かした溶液を加え,全量フラスコ

1 000 mL

に移し入れ,水を標

線まで加える。

c) 

硫酸(21

  水

1

容をビーカにとり,これを冷却し,かき混ぜながら

JIS K 8951

で規定する硫酸

2

容を徐々に加える。

d) 

アスコルビン酸溶液(100 g/L

19.2.2.1 f)

による。

e) 

硫酸ナトリウム

JIS K 8987

で規定するもの。

f) 1-

ブタノール

JIS K 8810

で規定するもの。

g) 

シリカ標準液(SiO

2

1 000 mg/L

19.2.1.1 e)

による。ただし,

a)

の水を用いて調製する。

h) 

シリカ標準液(SiO

2

50 mg/L

  シリカ標準液(

SiO

2

1 000  mg/L

25 mL

を全量フラスコ

500 mL

にとり,

a)

の水を標線まで加える。使用時に調製する。

i) 

シリカ標準液(SiO

2

2 mg/L

  シリカ標準液(

SiO

2

50 mg/L

20 mL

を全量フラスコ

500 mL

にと

り,

a)

の水を標線まで加える。使用時に調製する。

j) 

シリカ標準液(SiO

2

1 mg/L

  シリカ標準液(

SiO

2

50 mg/L

10 mL

を全量フラスコ

500 mL

にと

り,

a)

の水を標線まで加える。使用時に調製する。

19.2.3.2 

器具及び装置 

器具及び装置は,次による。

a) 

分液漏斗

300 mL

  プラスチック製のもの。

b) 

光度計

  分光光度計又は光電光度計。

19.2.3.3 

操作 

操作は,次による。

a)

5.3

によってろ過した試料の

200 mL

を分析漏斗にとる。

イオン状シリカ濃度が

100 µg/L

以上の場合は,

試料の適量をとり,水を加えて

200 mL

とする。

b)

硫酸(

2.5 mol/L

-

モリブデン酸アンモニウム(

188 g/L

)混合溶液

4 mL

を加えて振り混ぜた後,液温

を約

25

℃に保ち約

20

分間放置する。

c)

硫酸(

2

1

25 mL

を加えて振り混ぜた後,直ちにアスコルビン酸溶液(

100 g/L

2 mL

を加えて振り


80

B 8224

:2016

混ぜ,

10

分間放置する。

d) 1-

ブタノール

25 mL

を加え,約

2

分間振り混ぜてモリブデン青を抽出する。

e)

静置後,

1-

ブタノール層を共栓試験管

10 mL

に入れ,硫酸ナトリウムを加えて脱水する。

f)

これを吸収セル

20 mm

に移し,

1-

ブタノールを対照液として波長

800 nm

の吸光度を測定する。試料

中のシリカの濃度が

SiO

2

10 µg/L

以上の場合には,吸収セル

10 mm

を用いてもよい。ただし,空試

験及び検量線の作成における吸光度の測定にも吸収セル

10 mm

を用いる。

g)

次の操作によって,加えた硫酸(

2.5 mol/L

-

モリブデン酸アンモニウム(

188 g/L

)混合溶液に基づく

空試験値を求め,試料について得た吸光度を補正する。

分液漏斗(

A

)及び(

B

)それぞれに水

200 mL

をとり,硫酸(

2.5 mol/L

-

モリブデン酸アンモニウ

ム(

188 g/L

)混合溶液を(

A

)には

4 mL

B

)には

8 mL

を加えて振り混ぜる。液温を約

25

℃に保

って

20

分間放置する。次に,

c)

f)

の操作を行って(

A

B

)それぞれについての吸光度

a

b

を測

定する。次の式によって硫酸(

2.5 mol/L

-

モリブデン酸アンモニウム(

188 g/L

)混合溶液による空試

験値

c

を算出する。

c

b

a

h)

あらかじめ,次によって作成したシリカの検量線から,試料中のシリカの濃度(

SiO

2

µg/L

)を算出

する。

1) 20

mm

セルの場合,シリカ標準液(

SiO

2

1 mg/L

0.5

10 mL

を分液漏斗に段階的にとり,

10 mm

セルの場合,シリカ標準液(

SiO

2

2 mg/L

1

10 mL

を分液漏斗に段階的にとり,水を加えて

200 mL

とした後,

b)

f)

の操作を行う。別に,この操作に用いた水

200 mL

をとり,

b)

f)

の操作を行っ

てシリカ標準液について得た吸光度を補正し,シリカの濃度(

SiO

2

µg/L

)と吸光度との関係線を

作成する。

19.2.4 

流れ分析法 

試料を

5.3

でろ過した後,試料中のシリカイオンを

19.2.2

と同様な原理で発色させる流れ分析法によっ

て定量する。

定量範囲:

SiO

2

0.02

2 mg/L

,繰返し精度:

10 %

以下(装置,測定条件によって異なる。

19.2.4.1 

モリブデン青発色 FIA  

19.2.4.1.1 

試薬 

試薬は,次による。調製した溶液は,必要に応じて脱気を行う。

a) 

JIS K 0557

で規定する

A3

又は

A4

の水。

b) 

硫酸(0.15 mol/L-モリブデン酸アンモニウム(11.3 g/L)混合溶液

JIS K 8951

で規定する硫酸

4 mL

を水約

150 mL

に冷却しながら混合する。これに

JIS K 8905

で規定する七モリブデン酸六アンモニウ

ム四水和物

6 g

を水約

250 mL

に溶かした溶液を加え,全量フラスコ

500 mL

に移し入れ,水を標線ま

で加える。調製後,直ちにプラスチック容器で保存する。

c) 

しゅう酸溶液

JIS K 8519

で規定するしゅう酸二水和物

4.8 g

を水に溶かして

500 mL

とする。

d) 

アスコルビン酸溶液

JIS K 9502

で規定する

L(

)-

アスコルビン酸

6 g

を水に溶かして

500 mL

とする。

この溶液は,使用前に調製する。

e) 

キャリヤ液

  水を用いる。

f) 

シリカ標準液(SiO

2

10 mg/L

19.2.2.1 g)

による。

19.2.4.1.2 

器具及び装置 

装置の基本構成は,次による(

図 22

参照)


81

B 8224

:2016

a) 

送液部

15.7.1.2 a)

による。

b) 

試料導入部

15.7.1.2 b)

による。

c) 

反応部

15.7.1.2 c)

及び一定の温度に加熱保持できる恒温槽から構成する。

d) 

検出部

  波長

815 nm

付近での測定が可能な吸光光度検出器を用いる。

e) 

記録部

15.7.1.2 e)

による。

f) 

恒温槽

80

℃に加熱できるもの。

C: キャリヤ液

 R1: 硫酸(0.15 mol/L)-モリブデン酸アンモニウム(11.3 g/L)混合溶液 
 R2: しゅう酸溶液 
 R3: アスコルビン酸溶液 

S: 試料

1: ポンプ

2: 試料導入器(注入量 500 μL)

3: 反応コイル(内径 0.5 mm,長さ 10 m)

4: 反応コイル(内径 0.5 mm,長さ 5 m)

5: 恒温槽(80  ℃)

6: 反応コイル(内径 0.5 mm,長さ 10 m)

7: 検出器(波長 815 nm)

8: 廃液

図 22

モリブデン青発色 FIA 法のシステム例 

19.2.4.1.3 

準備操作 

準備操作は,

15.7.1.3

による。ただし,感度の調節はシリカによる。

19.2.4.1.4 

操作 

操作は,

15.7.1.4

による。ただし,検量線は,

19.2.4.1.1 f)

を水で希釈して調製した検量線用シリカ標準

液を用いて作成し,試料中のシリカ濃度の算出には,これを用いる。

19.2.4.1.5 

留意事項 

留意事項は,

15.7.1.5

による。

19.2.4.2 

モリブデン青発色 CFA  

19.2.4.2.1 

試薬 

試薬は,次による。調製した溶液は,必要に応じて脱気を行う。

a) 

19.2.4.1.1 a)

による。

b) 

ドデシル硫酸ナトリウム溶液

  ドデシル硫酸ナトリウム

15 g

87 mL

の水に溶解させる。


82

B 8224

:2016

c) 

モリブデン酸アンモニウム溶液

JIS K 8951

で規定する硫酸

2.7 mL

を水約

800 mL

に冷却しながら混

合する。これに

JIS K 8905

で規定する七モリブデン酸六アンモニウ四水和物

10 g

を加えて溶解し,全

量フラスコ

1 000  mL

に移し入れ,水を標線まで加える。これにドデシル硫酸ナトリウム溶液

20 mL

を加えて混合する。調製後,直ちにプラスチック容器で保存する。

d) 

しゅう酸溶液

JIS K 8519

で規定するしゅう酸二水和物

30 g

を水約

800 mL

に溶解し,全量フラスコ

1 000 mL

に移し入れ,水を標線まで加える。調製後,直ちにプラスチック容器で保存する。

e) 

アスコルビン酸溶液

JIS K 9502

で規定する

L(

)-

アスコルビン酸

35 g

を水約

800 mL

に溶解し,全

量フラスコ

1 000 mL

に移し入れ,水を標線まで加える。調製後,直ちにプラスチック容器で保存する。

f) 

シリカ標準液(SiO

2

10 mg/L)  19.2.2.1 g)

による。

19.2.4.2.2 

器具及び装置 

装置の基本構成は,次による(

図 23

参照)

a) 

送液部

15.7.2.2 a)

による。

b) 

試料導入部

15.7.2.2 b)

による。

c) 

反応部

15.7.2.2 c)

による。

d) 

検出部

  波長

800 nm

付近での測定が可能な吸光光度検出器を用いる。

e) 

記録部

15.7.2.2 e)

による。

 R1: モリブデン酸アンモニウム溶液 
 R2: しゅう酸溶液 
 R3: アスコルビン酸溶液 

S: 試料

1: ポンプ

2: セグメントガス(空気)

3: 反応コイル(内径 2 mm,長さ 60 cm)

4: 反応コイル(内径 2 mm,長さ 30 cm)

5: 反応コイル(内径 2 mm,長さ 120 cm)

6: 検出器(波長 800 nm)

7: 廃液

図 23

モリブデン青発色 CFA 法のシステム例 

19.2.4.2.3 

準備操作 

準備操作は,

15.7.2.3

による。ただし,感度の調節はシリカによる。


83

B 8224

:2016

19.2.4.2.4 

操作 

操作は,

15.7.2.4

による。ただし,検量線は,

19.2.4.2.1 f)

を水で希釈して調製した検量線用シリカ標準

液を用いて作成し,試料中のシリカ濃度の算出には,これを用いる。

19.2.4.2.5 

留意事項 

留意事項は,

15.7.2.5

による。

19.2.5 

シリカ(SiO

2

)プロセス用分析装置(モリブデン青吸光光度法)による測定方法 

給水及びボイラ水中のシリカイオンを

19.2.2

と同様な原理で発色させ,プロセス用分析装置の光度計で

吸光度を測定してシリカを定量する。

測定範囲:

SiO

2

 0

500 µg/L

0

2 mg/L

(試験目的によって低濃度,高濃度のレンジ切替えが可能な方

式とする。

,繰返し精度:最大目盛値の±

5 %

19.2.5.1 

試薬 

試薬は,次による。

a) 

19.2.1.1 a)

による。

b) 

発色試薬

  それぞれのプロセス用分析装置の取扱説明書に従って調製する。

c) 

シリカ標準液(SiO

2

100 mg/L

19.2.1.1 f)

による。

d) 

校正液

  シリカ標準液(

SiO

2

100 mg/L

)を用いて,測定レンジの

25

50

75 %

に相当するシリカ濃

度の校正液を調製する。

19.2.5.2 

器具及び装置 

装置の構成は,次による。

a) 

構成

  プロセス用分析装置は,検出部,指示部及び記録部で構成する。構成例を

図 24

に示す。

図 24

プロセス用分析装置の構成例 

19.2.5.3 

測定 

測定は,次による。

19.2.5.3.1 

測定準備 

プロセス用分析装置の各部を点検し,特に,水漏れのないことを確認した後,所定の手順に従って電源

を入れ,

30

分間以上装置を安定させる。

a)

発色試薬を試薬タンクに補給する。

19.2.5.3.2 

校正 

プロセス用分析装置が安定状態に達した後,次の操作を行う。

a) 

ゼロ校正

  測定開始時及び試薬を調製し直したときなどに,水を用いてゼロ校正を行うか,又は電気

試薬供給部

光源

試料採取装置

温度調節器

反応槽

検出器

排出

指示部

記録部

試料セル

検出部


84

B 8224

:2016

的にゼロ校正を行う。

b) 

スパン校正

  測定開始時及び連続測定の場合は,

2

週間に

1

回程度の割合で,測定レンジの

25

50

75 %

に相当する校正液を用いてスパン校正を行う。校正液の代わりに校正板を光源と試料セルの間に

挿入して,校正板のシリカの相当濃度を求めておき,その後の日常のスパン校正には,これを用いて

もよい。

19.2.5.3.3 

測定 

校正が終了したら試料を設定流量で流し,指示値が安定した後,連続測定を行う。

19.2.5.4 

点検・整備 

点検・整備は,定期的に行うこととし,次による。

a)

試料の流量

b)

試薬の補給

c)

試薬の添加量の確認

d)

試料のろ過器の交換

e)

記録紙及びインクの補給又は交換

19.3 

溶存及びコロイド状シリカ 

溶存及びコロイド状シリカは,試料をろ過したとき,ろ液に含まれるシリカをいう。溶存及びコロイド

状シリカの定量には,試料を前処理してシリカをイオン状とした後,モリブデン黄吸光光度法,モリブデ

ン青吸光光度法又は流れ分析法を適用する。

19.3.1 

試料の前処理 

試料をろ過し,炭酸水素ナトリウムを加え,煮沸してコロイド状シリカをイオン状とする。

19.3.1.1 

試薬 

試薬は,次による。

a) 

19.2.1.1 a)

による。

b) 

塩酸(11

19.2.1.1 b)

による。

c) 

炭酸水素ナトリウム

JIS K 8622

で規定するもので,

SiO

2

の含量

0.002 %

以下のもの。

19.3.1.2 

器具及び装置 

器具及び装置は,次による。

a) 

四ふっ化エチレン樹脂製ビーカ

200 mL

b) 

白金皿 

c) 

光度計

  分光光度計又は光電光度計。

19.3.1.3 

操作 

操作は,次による。

a)

5.3

によってろ過した試料

100 mL

を四ふっ化エチレン樹脂製ビーカ

200 mL

(又は白金皿)にとり,

水を加えて

50

100 mL

とする。

b)

試料

100 mL

について炭酸水素ナトリウム

0.20 g

を加え,沸騰水浴中に入れ約

20

分間加熱する。

c)

放冷後,塩酸(

1

1

)で中和し,

pH

を約

5

とした後,全量フラスコ

100 mL

に移し入れ,水を標線ま

で加える。

d)

100 mL

を四ふっ化エチレン樹脂製ビーカ

200 mL

(又は白金皿)にとり,

b)

c)

の操作を行って空

試験用試料とする。

19.3.2 

モリブデン黄吸光光度法 


85

B 8224

:2016

19.3.1

で処理した試料に,

19.2.1

のモリブデン黄吸光光度法を適用し,試料水中の溶存及びコロイド状シ

リカ濃度(

SiO

2

mg/L

)を求める。試薬,装置,操作は

19.2.1

による。

19.3.3 

モリブデン青吸光光度法 

19.3.1

で処理した試料に,

19.2.2

のモリブデン青吸光光度法を適用し,試料水中の溶存及びコロイド状シ

リカ濃度(

SiO

2

mg/L

)を求める。試薬,装置,操作は

19.2.2

による。

19.3.4 

流れ分析法 

19.3.1

で処理した試料に,

19.2.4

の流れ分析法を適用し,試料水中の溶存及びコロイド状シリカ濃度

SiO

2

mg/L

)を求める。試薬,装置,操作は

19.2.4

による。

19.4 

全シリカ 

全シリカは水中に含まれる全てのシリカをいう。全シリカの定量には,試料を前処理してシリカをイオ

ン状とした後,モリブデン黄吸光光度法,モリブデン青吸光光度法又は流れ分析法を適用するか,前処理

が不要な重量法を適用する。

19.4.1 

吸光光度法の試料の前処理(炭酸ナトリウムによる融解) 

試料に炭酸ナトリウムを加えて蒸発乾固し,融解して全てのシリカをイオン状にする。

19.4.1.1 

試薬 

試薬は,次による。

a) 

19.2.1.1 a)

による。

b) 

塩酸(11

19.2.1.1 b)

による。

c) 

炭酸ナトリウム

JIS K 8005

で規定するもので,

SiO

2

の含量

0.001 %

以下のもの。

19.4.1.2 

器具及び装置 

器具及び装置は,次による。

a) 

四ふっ化エチレン樹脂製ビーカ

200 mL

(又は白金皿)

b) 

白金るつぼ 

c) 

光度計

  分光光度計又は光電光度計。

19.4.1.3 

操作 

操作は,次による。

a)

試料

100 mL

を四ふっ化エチレン樹脂製ビーカ

200 mL

(又は白金皿)にとり,炭酸ナトリウム

0.20 g

を加え,沸騰水浴中に入れ,加熱蒸発して約

5 mL

に濃縮する。

b)

内容物を少量の水で白金るつぼに移し,再び蒸発して乾固する。

c)

静かに加熱して有機物を炭化した後,灰化し,強熱して融解し,放冷する。

d)

水を加え,加熱して融成物を溶かし,放冷後,ビーカに移し,塩酸(

1

1

)で中和して

pH

を約

5

する。

e)

濁りがある場合には,ろ過して水で洗浄し,ろ液と洗液とを全量フラスコ

100 mL

に移し入れ,水を

標線まで加える。

19.4.2 

モリブデン黄吸光光度法 

19.4.1

で処理した試料に,

19.2.1

のモリブデン黄吸光光度法を適用し,試料水中の全シリカ濃度(

SiO

2

mg/L

)を求める。試薬,装置,操作は

19.2.1

による。

19.4.3 

モリブデン青吸光光度法 

19.4.1

で処理した試料に,

19.2.2

のモリブデン青吸光光度法を適用し,試料水中の全シリカ濃度(

SiO

2

mg/L

)を求める。試薬,装置,操作は

19.2.2

による。


86

B 8224

:2016

19.4.4 

流れ分析法 

19.4.1

で処理した試料に,

19.2.4

の流れ分析法を適用し,試料水中の全シリカ濃度(

SiO

2

µg/L

)を求め

る。試薬,装置,操作は

19.2.4

による。

19.4.5 

重量法 

試料に塩酸と過塩素酸とを加えて加熱し,

過塩素酸の白煙を発生させ,

シリカを脱水して不溶性にする。

水を加えて塩類を溶かした後,シリカをろ別し,加熱して恒量とした後,硫酸とふっ化水素酸でシリカを

揮散させ,その減量からシリカを定量する。

定量範囲:

SiO

2

50 mg/L

以上,繰返し精度:

3

10 %

19.4.5.1 

試薬 

試薬は,次による。

a) 

19.2.1.1 a)

による。

b) 

塩酸(11

19.2.1.1 b)

による。

c) 

塩酸(150

JIS K 8180

で規定する塩酸を用いて調製する。

d) 

硫酸(12

  水

2

容をビーカにとり,これを冷却し,かき混ぜながら,

JIS K 8951

で規定する硫酸

1

容を徐々に加える。

e) 

過塩素酸

JIS K 8223

で規定するもの。

f) 

ふっ化水素酸

JIS K 8819

で規定するもの。

g) 

硝酸  JIS K 8541

で規定するもの。

19.4.5.2 

器具及び装置 

器具及び装置は,次による。

a)

白金るつぼ

19.4.5.3 

操作 

操作は,次による。

a)

試料の適量(

SiO

2

 5 mg

以上を含む。

)をビーカにとり,塩酸(

1

1

10 mL

と過塩素酸

15 mL

とを加

える。ただし,試料中に有機物が多量に含まれている場合には,試料に硝酸を加えて酸性とした後,

加熱し,蒸発して液量が少量となったとき,硝酸

10

20 mL

を加えて加熱する。放冷後,過塩素酸

15

mL

を加える。

b)

加熱蒸発し,

過塩素酸の濃い白煙が発生し始めたら時計皿でビーカを覆い,

引き続き約

15

分間加熱し,

放冷する。

c)

温水

100 mL

を加えて可溶性塩類を溶かし,ろ紙

5

B

でろ別し,残留物及びろ紙を温塩酸(

1

50

で数回,次に,温水で数回洗浄する。

d)

残留物はろ紙とともに約

1 000

℃で恒量とした白金るつぼに入れ,乾燥後,徐々に加熱してろ紙を炭

化した後,灰化し,約

1 000

℃で加熱して恒量とする。

e)

硫酸(

1

2

)数滴を加えて残留物を湿し,ふっ化水素酸

5 mL

を加え,注意して加熱してシリカを揮

散させ,引き続き加熱乾燥後,約

1 000

℃で加熱して恒量とする。

f)

空試験として,あらかじめ約

1 000

℃で恒量とした白金るつぼに硫酸(

1

2

)数滴と,ふっ化水素酸

5 mL

とを加えて

e)

の操作を行ってふっ化水素酸の強熱残分を求め,ふっ化水素酸の空試験値とする。

g)

次の式によって試料中のシリカの濃度(

SiO

2

mg/L

)を算出する。

(

)

[

]

V

W

W

W

S

000

1

3

2

1

×

=


87

B 8224

:2016

ここに,

S

全シリカ(

SiO

2

mg/L

W

1

d)

の操作で得た残留物の質量(

mg

W

2

e)

の操作を行った後の残留物の質量(

mg

W

3

ふっ化水素酸の空試験値(

mg

V

試料(

mL

警告

過塩素酸を用いる加熱分解操作は,試料の種類によっては爆発の危険性があるため,次のこ

とに注意する。

i)

酸化されやすい有機物は,過塩素酸を加える前に,

b)

の操作によって十分に分解してお

く。

ii)

過塩素酸の添加は,必ず濃縮液を放冷した後に行う。

iii)

必ず過塩素酸と硝酸を共存させた状態で加熱分解を行う。

iv)

濃縮液を乾固させない。

警告

ふっ化水素酸は毒物であり取扱いに注意し,法令に従い安全及び健康に対する適切な措置を

取らなければならない。また,廃液の処分にも注意する。

20 

ヒドラジン(N

2

H

4

)[ヒドラジニウムイオン(N

2

H

5

)] 

20.1 

一般事項 

ヒドラジンの定量には,

p-

ジメチルアミノベンズアルデヒド吸光光度法,よう素滴定法,流れ分析法又

は,プロセス用分析装置による測定方法を適用する。

ヒドラジンは,アルカリ性で不安定であるので,あらかじめ塩酸を添加した試料容器に試料を採取し,

できるだけ早く試験する。

20.2 

p-

ジメチルアミノベンズアルデヒド吸光光度法 

試料を塩酸酸性にして

p-

ジメチルアミノベンズアルデヒドを加えて生じる黄色の化合物の吸光度を測定

してヒドラジニウムイオンを定量する。

なお,ヒドラジニウムイオン

N

2

H

5

1 mg

は,ヒドラジン

N

2

H

4

0.969 5 mg

に相当する。

定量範囲:

 10 mm

セル使用の場合

N

2

H

5

20

500 µg/L

 20

mm

セル使用の場合

N

2

H

5

10

240 µg/L

繰返し精度:

3

10 %

20.2.1 

試薬 

試薬は,次による。

a) 

JIS K 0557

で規定する

A3

の水。

b) 

塩酸(19

JIS K 8180

で規定する塩酸を用いて調製する。

c) 

塩酸(199

JIS K 8180

で規定する塩酸を用いて調製する。

d)  p-

ジメチルアミノベンズアルデヒド溶液

JIS K 8496

で規定する

p-

ジメチルアミノベンズアルデヒド

4.0 g

JIS K 8891

で規定するメタノール[又は

JIS K 8102

で規定するエタノール(

95

200 mL

JIS K 8180

で規定する塩酸

20 mL

とを混ぜた溶液中に溶かして着色ガラス瓶に保存する。

e) 

ヒドラジニウムイオン標準液(N

2

H

5

100 mg/L

  塩化ヒドラジニウム

0.318 g

をとり,

JIS K 8180

で規定する塩酸

10 mL

と水約

20 mL

とを混ぜた溶液中に溶かし,

全量フラスコ

1 000 mL

に移し入れ,

水を標線まで加える。使用時に調製する。

f) 

ヒドラジニウムイオン標準液(N

2

H

5

1 mg/L

  ヒドラジニウムイオン標準液(

N

2

H

5

100 mg/L

10 mL

を全量フラスコ

1 000 mL

にとり,

JIS K 8180

で規定する塩酸

10 mL

を加え,水を標線まで加え


88

B 8224

:2016

る。使用時に調製する。

20.2.2 

器具及び装置 

器具及び装置は,次による。

a) 

光度計

  分光光度計又は光電光度計。

b) 

メスシリンダ(有栓形)

15.2.2 b)

による。

20.2.3 

試料採取 

試料採取は,次による。

a)

試料採取配管の先端に軟質塩化ビニル管(又はポリエチレン管)を接続し,試料の流量が

200

300

mL/min

の割合で流れるように調節し,試料が完全に入れ替わるまで十分に流す。

b)

あらかじめ,塩酸(

1

9

10 mL

を入れたメスシリンダ(有栓形)

100 mL

の塩酸溶液中に試料採取用

配管の先端(軟質塩化ビニル管の先端の部分)を差し込み,液量が

100 mL

になるまで採取する。

20.2.4 

操作 

操作は,次による。

a)

5.3

によってろ過した試料

50 mL

をメスシリンダ(有栓形)

50 mL

にとる。ヒドラジウムイオン濃度

500 µg /L

以上の場合は,試料の適量をとり,塩酸(

1

99

)を加えて

50 mL

とする。

b)  p-

ジメチルアミノベンズアルデヒド溶液

10 mL

を加えてよく振り混ぜ,約

10

分間放置する。

c)

これを吸収セルに移し,別に,塩酸(

1

99

50 mL

について

b)

の操作を行った空試験の溶液を対照

液として波長

458 nm

付近の吸光度を測定する。

d)

あらかじめ,次によって作成したヒドラジニウムイオンの検量線から,ヒドラジニウムイオンの濃度

N

2

H

5

µg/L

)を算出する。

1)

セル長が

10 mm

の場合,ヒドラジニウムイオン標準液(

N

2

H

5

1 mg/L

1

25 mL

,セル長が

20 mm

の場合,ヒドラジニウムイオン標準液(

N

2

H

5

1 mg/L

0.5

12 mL

をメスシリンダ(有栓形)

50 mL

に段階的にとり,塩酸(

1

99

)を

50 mL

の標線まで加え,

b)

及び

c)

の操作を行ってヒドラジニ

ウムイオン濃度(

N

2

H

5

µg/L

)と吸光度との関係線を作成する。

20.3 

よう素滴定法 

試料に炭酸水素ナトリウムを加えて弱アルカリ性とし,よう素溶液で滴定してヒドラジニウムイオンを

定量する。

定量範囲:

N

2

H

5

4 mg/L

以上

20.3.1 

試薬 

試薬は,次による。

a) 

20.2.1 a)

による。

b) 

炭酸水素ナトリウム

JIS K 8622

で規定するもの。

c) 

でんぷん溶液(10 g/L

JIS K 8659

で規定するでんぷん(溶性)

1 g

を水約

10 mL

に混ぜ,熱水

100

mL

中にかき混ぜながら加え,約

1

分間煮沸した後,放冷する。使用時に調製する。

d) 50 

mmol/L

チオ硫酸ナトリウム溶液

JIS K 8637

で規定するチオ硫酸ナトリウム五水和物

12.5 g

JIS 

K 8625

で規定する炭酸ナトリウム

0.2 g

とを水に溶かし,水を加えて

1 L

とする。

2

日間放置した後,

標定する。この溶液は使用時に,次によって標定して用いる。

1)  JIS K 8005

で規定する容量分析用標準物質のよう素酸カリウムを

130

℃で約

2

時間加熱し,デシケ

ータ中で放冷する。

KIO

3

 100 %

に対してその

0.357 g

をとり,少量の水に溶かし,全量フラスコ

200

mL

に移し入れ,水を標線まで加える。この

20 mL

を共栓三角フラスコ

300 mL

にとり,

JIS K 8913


89

B 8224

:2016

で規定するよう化カリウム

2 g

及び硫酸(

1

5

5 mL

を加え,直ちに栓をして静かに振り混ぜ,暗

所に約

5

分間放置する。これに水

100 mL

を加え,遊離したよう素をこのチオ硫酸ナトリウム溶液

で滴定する。溶液の黄色が薄くなってから,指示薬としてでんぷん溶液(

10 g/L

1 mL

を加え,生

じたよう素でんぷんの青い色が消えるまで滴定する。

別に,水について同一条件で空試験を行って補正した

mL

数から,次の式によって

50 mmol/L

オ硫酸ナトリウム溶液のファクタ(

 f

)を算出する。

783

001

.

0

1

200

20

100

×

×

×

×

=

x

b

a

f

ここに,

a

よう素酸カリウムの量(

g

b

よう素酸カリウムの純度(

%

x

滴定に要した

50 mmol/L

チオ硫酸ナトリウム溶液(補正

した値)

mL

0.001 783

50 mmol/L

チオ硫酸ナトリウム溶液

1 mL

のよう素酸カ

リウム相当量(

g

e) 25 

mmol/L

よう素溶液

JIS K 8913

で規定するよう化カリウム

20 g

を少量の水に溶かし,

これに

JIS K 

8920

で規定するよう素

6.4 g

を加えて溶かし,水を加えて

1 L

とする。

標定

このよう素溶液

20 mL

を三角フラスコ

300 mL

にとり,水を加えて液量を約

100 mL

とし,

50

mmol/L

チオ硫酸ナトリウム溶液で滴定し,溶液の色が薄くなったら,指示薬としてでんぷん

溶液(

10 g/L

1 mL

を加えて振り混ぜ,更によう素でんぷんの青い色が消えるまで滴定する。

次の式によって

25 mmol/L

よう素溶液のファクタ(

 f

1

)を算出する。この標定は使用時に行

う。

20

1

f

a

f

×

=

ここに,

a

滴定に要した

50 mmol/L

チオ硫酸ナトリウム溶液(

mL

f

50 mmol/L

チオ硫酸ナトリウム溶液のファクタ

20.3.2 

試料採取 

試料採取は,次による。

a)

20.2.3 a)

に準じて試料を採取する。

20.3.3 

操作 

操作は,次による。

a)

試料の適量(

N

2

H

5

4 mg/L

以上を含む。

)を三角フラスコ

300 mL

にとり,水を加えて

100 mL

とす

る。

b)

炭酸水素ナトリウム約

2 g

及びでんぷん溶液(

10 g/L

1 mL

を加えて振り混ぜる。

c) 25

mmol/L

よう素溶液で滴定し,よう素でんぷんの青い色が認められる(約

30

秒間)ときを終点とす

る。

d)

空試験として水

100 mL

を三角フラスコ

300 mL

にとり,

b)

及び

c)

の操作を行う。

e)

次の式によって試料中のヒドラジニウムイオンの濃度(

N

2

H

5

mg/L

)を算出する。

(

)

2

413

.

0

000

1

1

×

×

×

=

V

f

b

a

N

ここに,

N

ヒドラジニウムイオン(

N

2

H

5

mg/L

a

滴定に要した

25 mmol/L

よう素溶液(

mL

b

空試験の滴定に要した

25 mmol/L

よう素溶液(

mL


90

B 8224

:2016

f

1

25 mmol/L

よう素溶液のファクタ

V

試料(

mL

0.413 2

25 mmol/L

よう素溶液

1 mL

のヒドラジニウムイオン相

当量(

mg

20.4 

流れ分析法 

試料を

5.3

によってろ過した後,試料中のヒドラジニウムイオンを

20.2

と同様な原理で発色させる流れ

分析法によって定量する。

定量範囲:

N

2

H

5

10

500 µg/L

,繰返し精度:

10 %

以下(装置,測定条件によって異なる。

20.4.1 

p-

ジメチルアミノベンズアルデヒド発色 FIA  

20.4.1.1 

試薬 

試薬は,次による。調製した溶液は,必要に応じて脱気を行う。

a) 

20.2.1 a)

による。

b)  p-

ジメチルアミノベンズアルデヒド溶液

JIS K 8496

で規定する

p-

ジメチルアミノベンズアルデヒド

4.0 g

JIS K 8102

で規定するエタノール(

95

200 mL

JIS K 8180

で規定する塩酸

20 mL

とを混ぜ

た溶液中に溶かして着色ガラス瓶に保存する。

c) 

キャリヤ液

  水を用いる。

d) 

塩酸(199)  20.2.1 c)

による。

JIS K 8180

で規定する塩酸を用いて調製する。

e) 

ヒドラジニウムイオン標準液(N

2

H

5

1 mg/L)  20.2.1 f)

による。

20.4.1.2 

器具及び装置 

装置の基本構成は,次による(

図 25

参照)

a) 

送液部

15.7.1.2 a)

による。

b) 

試料導入部

15.7.1.2 b)

による。

c) 

反応部

15.7.1.2 c)

による。

d) 

検出部

  波長

458 nm

付近での測定が可能な吸光光度検出器を用いる。

e) 

記録部

15.7.1.2 e)

による。

C: キャリヤ液

R: p-ジメチルアミノベンズアルデヒド溶液

S: 試料

1: ポンプ

2: 試料導入器(注入量 200 μL)

3: 反応コイル(内径 0.5 mm,長さ 10 m)

4: 検出器(波長 458 nm)

5: 背圧コイル(内径 0.5 mm,長さ 5 m)

6: 廃液

図 25

p-

ジメチルアミノベンズアルデヒド発色 FIA 法のシステム例 


91

B 8224

:2016

20.4.1.3 

準備操作 

準備操作は,

15.7.1.3

による。ただし,感度の調節はヒドラジニウムイオンによる。

20.4.1.4 

操作 

操作は,

15.7.1.4

による。ただし,検量線は,

20.4.1.1 e)

を塩酸(

1

99

)で希釈して調製した検量線用

ヒドラジニウムイオン標準液を用いて作成し,試料中のヒドラジニウムイオン濃度の算出には,これを用

いる。

20.4.1.5 

留意事項 

留意事項は,

15.7.1.5

による。

20.4.2 

p-

ジメチルアミノベンズアルデヒド発色 CFA  

20.4.2.1 

試薬 

試薬は,次による。調製した溶液は,必要に応じて脱気を行う。

a) 

20.2.1 a)

による。

b) 

ドデシル硫酸ナトリウム溶液

  ドデシル硫酸ナトリウム

15 g

87 mL

の水に溶解させる。

c) 

硫酸溶液

JIS K 8951

で規定する硫酸

2 mL

を水約

800 mL

に冷却しながら混合する。これを全量フラ

スコ

1 000  mL

に移し入れ,水を標線まで加える。これにドデシル硫酸ナトリウム溶液

20 mL

を加え

て混合する。

d)  p-

ジメチルアミノベンズアルデヒド溶液

JIS K 8951

で規定する硫酸

50 mL

を水約

700 mL

に冷却し

ながら混合する。これに

JIS K 8496

で規定する

p-

ジメチルアミノベンズアルデヒド

5 g

JIS K 8891

で規定するメタノール

100 mL

とを加えて溶解する。これを全量フラスコ

1 000 mL

に移し入れ,水を

標線まで加える。

e)

塩酸(199)  20.2.1 c)

による。

JIS K 8180

で規定する塩酸を用いて調製する。

f)

ヒドラジニウムイオン標準液(N

2

H

5

1 mg/L)  20.2.1 f)

による。

20.4.2.2 

器具及び装置 

装置の基本構成は,次による(

図 26

参照)

a) 

送液部

15.7.2.2 a)

による。

b) 

試料導入部

15.7.2.2 b)

による。

c) 

反応部

15.7.2.2 c)

及び一定の温度に加熱保持できる恒温槽から構成する。

d) 

検出部

  波長

458 nm

付近での測定が可能な吸光光度検出器を用いる。

e) 

記録部

15.7.2.2 e)

による。

f) 

恒温槽

45

℃に加熱できるもの。


92

B 8224

:2016

S: 試料

 R1: 硫酸溶液 
 R2: p-ジメチルアミノベンズアルデヒド溶液 

1: ポンプ

2: セグメントガス(空気)

3: 反応コイル(内径 2 mm,長さ 30 cm)

4: 恒温槽(45  ℃)

5: 検出器(波長 458 nm)

6: 廃液

図 26

p-

ジメチルアミノベンズアルデヒド発色 CFA 法のシステム例 

20.4.2.3 

準備操作 

準備操作は,

15.7.2.3

による。ただし,感度の調節はヒドラジニウムイオンによる。

20.4.2.4 

操作 

操作は,

15.7.2.4

による。ただし,検量線は,

20.4.2.1 f)

を塩酸(

1

99

)で希釈して調製した検量線用

ヒドラジニウムイオン標準液を用いて作成し,試料中のヒドラジニウムイオン濃度の算出には,これを用

いる。

20.4.2.5 

留意事項 

留意事項は,

15.7.2.5

による。

20.5 

ヒドラジン(N

2

H

4

)[ヒドラジニウムイオン(N

2

H

5

)]プロセス用分析装置(酸化還元電極)によ

る測定方法 

給水中のヒドラジニウムイオンをプロセス用分析装置内電極によって連続的に測定する。

測定範囲:

N

2

H

5

  0

50 µg/L

0

100 µg/L

0

200 µg/L

(試験目的によって濃度のレンジ切替えが可能

な方式とする。

,繰返し精度:最大目盛値の±

5 %

20.5.1 

試薬 

試薬は,次による。

a) 

ヒドラジニウムイオン標準液(N

2

H

5

100 mg/L

20.2.1 e)

による。

b) 

校正液

  ヒドラジニウムイオン標準液(

N

2

H

5

100 mg/L

)を用いて,測定レンジの

25

50

75 %

相当する濃度の校正液を調製する。校正液は使用時に調製する。

20.5.2 

器具及び装置 

装置の構成は,次による。

a) 

構成

  プロセス用分析装置は,検出部,指示部及び記録部で構成する。構成例を

図 27

に示す。


93

B 8224

:2016

図 27

プロセス用分析装置の構成例 

20.5.3 

測定 

測定は,次による。

20.5.3.1 

測定準備 

プロセス用分析装置の各部を点検し,特に,水漏れのないことを確認してから,所定の手順に従って電

源を入れ,

30

分間以上装置を安定させる。

20.5.3.2 

校正 

プロセス用分析装置が安定状態に達した後,次の操作を行う。

a) 

ゼロ校正

  ヒドラジニウムイオン濃度がゼロとなるような電気的回路条件にすることによって,指示

値をゼロに調節する。

b) 

スパン校正

  測定レンジの

25

50

75 %

に相当する校正液を用いてスパン校正を行う。スパン校正は,

2

4

週間に

1

回程度実施することが望ましい。

20.5.3.3 

測定 

校正が終了したら試料を設定流量で流し,指示値が安定した後,連続測定を行う。

20.5.4 

点検・整備 

点検・整備は,定期的に行うこととし,次による。

a)

試料の流量

b)

検出部(電極)の汚れ

c)

内筒液の補給

d)

記録紙及びインクの補給又は交換

21 

ナトリウム(Na 

21.1 

一般事項 

ナトリウムの定量には,フレーム光度法,フレーム原子吸光法,電気加熱原子吸光法,

ICP

発光分光分

析法,

ICP

質量分析法,イオン電極法,イオンクロマトグラフ法又はプロセス用分析装置による測定法を

適用する。極低濃度域の測定については,電気加熱原子吸光法,

ICP

質量分析法又はプロセス用分析装置

による測定法を適用する。

21.2 

フレーム光度法 

試料をアセチレン

-

空気フレームの中に噴霧し,このときに生じる波長

589.0 nm

の輝線の強さを測定し

てナトリウムを定量する。

定量範囲:

Na

30

300 µg/L

0.3

3 mg/L

3

30 mg/L

,繰返し精度:

3

10 %

(装置及び測定条件に

よって異なる。

21.2.1 

試薬 

試薬は,次による。

試料採取装置

検出部

指示部

記録部

排出水


94

B 8224

:2016

a) 

JIS K 0557

で規定する

A2

又は

A3

の水。

b) 

ナトリウム標準液(Na1 000 mg/L

  国家計量標準にトレーサブルなナトリウム標準液(

Na

1 000

mg/L

)を使用するか,又は,次による。

JIS K 8005

で規定する容量分析用標準物質の塩化ナトリウム

600

℃で約

1

時間加熱し,デシケータ中で放冷する。

NaCl 100 %

に対してその

2.542 g

をとり,少

量の水に溶かして全量フラスコ

1 000 mL

に移し入れ,水を標線まで加える。ポリエチレン瓶に保存す

る。

c) 

ナトリウム標準液(Na330 mg/L

  ナトリウム標準液(

Na

1 000 mg/L

)を段階的にとり,これ

を水で薄めて

Na

3

30 mg/L

の標準液を調製する。

なお,低い濃度の測定用には,

Na

30

300 µg/L

又は

Na

0.3

3 mg/L

の標準液を調製して用いる。

21.2.2 

器具及び装置 

器具及び装置は,次による。

a) 

フレーム光度計

  炎光による分光測定が可能なもの。

21.2.3 

操作 

操作は,次による。

a)

ナトリウム標準液(

Na

30 mg/L

)をフレーム光度計のフレーム中に噴霧し,波長

589.0 nm

の指示値

100

を示すように調節する。

b)

水を噴霧して指示値がゼロを示すように調節する。

c)

ナトリウム標準液(

Na

3

30 mg/L

)を,順次,噴霧し,ナトリウム(

Na

)の濃度と指示値との関係

線を作成し,検量線とする。

d)

試料(ナトリウムの濃度が

Na

30 mg/L

以上の場合は薄める。

)を噴霧して指示値を読み取り,検量

線から試料中のナトリウムの濃度(

mg/L

)を求める。

21.2.4 

留意事項 

a)

試料に懸濁物が含まれる場合には,ろ過又は遠心分離によって懸濁物を除去する。

b)

試料がアルカリ性の場合には,硝酸(

1

1

)を滴加して弱酸性にする。硝酸(

1

1

)の滴加量が多い

場合には,測定したナトリウムの濃度(

mg/L

)を希釈割合に応じて補正する。

c)

干渉物質が含まれる場合には,その影響を無視できる濃度まで薄めて測定するか試料と同程度の干渉

物質を含むナトリウム標準液(

Na

3

30 mg/L

)を調製し,検量線を作成する。

d)

カリウム及びカルシウムが共存すると正の誤差を生じる。このような試料には,塩化セシウム溶液(

25

g/L

[塩化セシウム

25 g

JIS K 8180

で規定する塩酸

50 mL

及び水

450 mL

に溶かし,

水を加えて

1 L

とする。この溶液

1 L

は,セシウム(

Cs

)を約

20 g

を含む。

]を試料

40 mL

に対して

5 mL

を加えるこ

とで,カリウム,カルシウムなどの影響を抑制できる。この操作を行った場合は,検量線作成時の操

作も塩化セシウム(

25 g/L

)を試料と同様に加えて行う。

e)

リチウム,バリウム,遊離酸,りん酸塩,ほう酸塩,しゅう酸塩,シリカ,グルコース,ゼラチンな

どが共存すると負の誤差を生じる。

f)

マグネシウムと硫酸イオンとはほとんど干渉しない。

g)

多量のけい酸塩が共存する場合には,試料の適量を石英ガラス製ビーカ又は白金皿にとり,塩酸(

1

1

)を加えて酸性とした後,蒸発乾固する。放冷後,塩酸(

1

1

5

滴及び少量の水を加え,加熱し

て溶かし,ろ過して水で一定量とする。

21.3 

フレーム原子吸光法 

試料をアセチレン

-

空気フレーム中に噴霧し,ナトリウムによる原子吸光を波長

589.0 nm

で測定して,


95

B 8224

:2016

ナトリウムを定量する。

定量範囲:

Na

0.05

4 mg/L

,繰返し精度:

2

10 %

(装置及び測定条件によって異なる。

21.3.1 

試薬 

試薬は,次による。

a) 

21.2.1 a)

による。

b) 

ナトリウム標準液(Na100 mg/L

  国家計量標準にトレーサブルなナトリウム標準液(

Na

100 mg/L

を使用するか,又は,次による。

21.2.1 b)

のナトリウム標準液(

Na

1 000 mg/L

10 mL

を全量フラ

スコ

100 mL

にとり,水を標線まで加える。使用時に調製する。

c) 

ナトリウム標準液(Na10 mg/L

  ナトリウム標準液(

Na

100 mg/L

20 mL

を全量フラスコ

200 mL

にとり,水を標線まで加える。使用時に調製する。

21.3.2 

器具及び装置 

器具及び装置は,次による。

a) 

フレーム原子吸光分析装置

JIS K 0121

で規定するフレーム原子吸光分析装置で,測定対象元素用の

光源を備え,かつ,バックグラウンド補正が可能なもの。

21.3.3 

操作 

操作は,次による。

a)

試料を

JIS K 0121

8.

(操作方法)の操作に準じてフレーム中に噴霧し,波長

589.0 nm

の指示値(吸

光度又はその比例値)を読み取る。

b)

空試験として,この操作に用いた水について,

a)

の操作を行って試料について得た指示値を補正する。

c)

あらかじめ,次によって作成した検量線からナトリウムの濃度を求め,試料中のナトリウムの濃度

mg/L

)を算出する。

1)

ナトリウム標準液(

Na

10 mg/L

0.5

40 mL

を全量フラスコ

100 mL

に段階的にとり,水を標線ま

で加える。これらの溶液について

a)

の操作を行う。

2)

別に,空試験としてこの操作に用いた水について

a)

の操作を行ってそれぞれの標準液について得

た指示値を補正した後,ナトリウム(

Na

)の濃度と指示値との関係線を作成する。検量線の作成は

試料測定時に行う。

21.3.4 

留意事項 

a)

懸濁物質が含まれる場合は,

21.2.4 a)

の操作を行う。

b)

試料がアルカリ性の場合は,

21.2.4 b)

の操作を行う。

c)

カリウム,カルシウムが共存すると正の誤差を生じる。このような試料には,

21.2.4 d)

の操作を行う。

21.4 

電気加熱原子吸光法 

試料を電気加熱炉で原子化し,ナトリウムによる原子吸光を波長

589.0 nm

で測定してナトリウムを定量

する。

定量範囲:

Na

1

20 µg/L

20

100 µg/L

,繰返し精度:

5

20 %

(装置及び測定条件によって異なる。

この方法は,共存する酸,塩の種類及び濃度の影響を受けやすいので,これらの影響の少ない試料(例

えば,貫流ボイラの給水,揮発性物質処理を行っている水管ボイラの給水及びボイラ水の試料)に適用す

る。

21.4.1 

試薬 

試薬は,次による。

a) 

JIS K 0557

で規定する

A4

の水。定量する元素について空試験を行って使用に支障がないことを


96

B 8224

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確認しておく。

b) 

ナトリウム標準液(Na1 mg/L

21.3.1 c)

のナトリウム標準液(

Na

10 mg/L

20 mL

を全量フラ

スコ

200 mL

にとり,水を標線まで加える。使用時に調製する。

21.4.2 

器具及び装置 

器具及び装置は,次による。

a) 

電気加熱原子吸光分析装置

JIS K 0121

で規定する電気加熱原子吸光分析装置で,測定対象元素用の

光源を備え,かつ,バックグラウンド補正が可能なもの。

b) 

マイクロピペット

JIS K 0970

で規定するピストン式ピペット

10

50 μL

,又は自動注入装置。

21.4.3 

操作 

操作は,次による。

a)

試料の一定量(

10

50 μL

)をマイクロピペットで発熱体に注入し,

JIS K 0121

8.

(操作方法)の操

作に準じて,乾燥(

100

120

℃,

30

40

秒間)した後,灰化(

600

1 000

℃,

30

40

秒間)し,次

に,原子化(

2 200

2 700

℃,

3

6

秒間)し,波長

589.0 nm

の指示値を読み取る。この操作を

3

繰り返し,指示値が合うことを確認する。

なお,乾燥,灰化,原子化の温度及び時間は用いる装置,試料の注入量及び共存する塩類の濃度に

よって異なるので,装置や試料によってこれらの条件の最適化をはかる。

b)

空試験として,

a)

の操作を行って試料について得た指示値を補正する。

c)

あらかじめ,次によって作成した検量線からナトリウムの濃度を求め,試料中のナトリウムの濃度

μg/L

)を算出する。

1)

ナトリウム標準液(

Na

1 mg/L

0.1

2 mL

[又はナトリウム標準液(

Na

1 mg/L

2

10 mL

]を

全量フラスコ

100 mL

に段階的にとり,水を標線まで加える。これらの溶液について

a)

の操作を行

う。

2)

別に,空試験として

b)

の操作を行ってそれぞれの標準液について得た指示値を補正する。

3)

ナトリウム(

Na

)の濃度と指示値との関係線を作成する。検量線の作成は,試料測定時に行う。

21.4.4 

留意事項 

a)

懸濁物質が含まれる場合は,

21.2.4 a)

の操作を行う。

b)

試料がアルカリ性の場合は,

21.2.4 b)

の操作を行う。

c)

試料中のナトリウム濃度が極低濃度の場合には,試料の一定量(

10

50 μL

)を発熱体に注入し,乾燥

する。この操作を繰り返した後,灰化,原子化の操作を行って指示値を読み取る。この場合は,

21.4.3 

b)

の操作でも同様な回数を注入し,乾燥する。

21.5 ICP

発光分光分析法 

試料を試料導入部を通して誘導結合プラズマ中に噴霧し,ナトリウムによる発光強度を波長

589.592 nm

で測定して,ナトリウムを定量する。この方法によって,ナトリウムのほかに

表 9

に示す元素が同時定量

できる。それぞれの元素の測定波長,定量範囲,繰返し精度の例を

表 9

に示す。


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:2016

表 9

対象元素の定量範囲などの例

a)

対象元素

測定波長

nm

定量範囲

繰返し精度

%

μg/L mg/L

ナトリウム(Na) 589.592

− 0.5∼10 2∼10

カルシウム(Ca) 393.367

10∼200 0.2∼5 2∼10

マグネシウム(Mg) 279.553

5∼100 0.1∼3 2∼10

イットリウム(Y)

b)

 371.029  −

a)

  装置及び測光方式,測定条件によって異なる。

b)

  内標準元素

ナトリウムの測定は,共存する酸,塩の種類及び濃度の影響を受けやすいので,これらの影響の少ない

試料(例えば,貫流ボイラの給水,揮発性物質処理を行っている水管ボイラの給水及びボイラ水の試料)

に適用する。

21.5.1 

試薬 

試薬は,次による。

a) 

21.2.1 a)

による。

b) 

塩酸(11

JIS K 8180

で規定する塩酸を用いて調製する。

c) 

ナトリウム標準液(Na1 000 mg/L

21.2.1 b)

による。

d) 

カルシウム標準液(Ca1 000 mg/L

  国家計量標準にトレーサブルなカルシウム標準液(

Ca

1 000

mg/L

)を使用するか,又は,次による。

JIS K 8617

で規定する炭酸カルシウムを

105

±

2

℃で約

2

間加熱し,デシケータ中で放冷する。その

2.498 g

をとり,水約

50 mL

に分散させ,これに塩酸(

1

1

20 mL

を加えて溶かす。沸騰しない程度に数分間加熱して二酸化炭素を除く。放冷後,全量フラス

1 000 mL

に移し入れ,水を標線まで加える。

e) 

マグネシウム標準液(Mg1 000 mg/L

  国家計量標準にトレーサブルなマグネシウム標準液(

Mg

1 000 mg/L

)を使用するか,又は,次による。

JIS K 8432

で規定する酸化マグネシウムを約

800

℃で

2

時間加熱し,デシケータ中で放冷する。その

1.658 g

を塩酸(

1

1

20 mL

に溶かして全量フラス

1 000 mL

に移し入れ,水を標線まで加える。

f) 

イットリウム溶液(Y1 000 mg/L

  酸化イットリウム(

III

0.318 g

をとり,

JIS K 9901

で規定す

る高純度試薬−硝酸

5 mL

を加え,加熱して溶かし,煮沸して窒素酸化物を追い出す。放冷後,全量

フラスコ

250 mL

に移し,水を標線まで加える。

g) 

イットリウム溶液(Y50 mg/L

  使用時にイットリウム溶液(

Y

1 000  mg/L

25 mL

を全量フラ

スコ

500 mL

にとり,塩酸(

1

1

10 mL

を加え,水を標線まで加える。

h) 

混合標準液[(Na20 mgCa20 mgMg10 mg

/L

c)

のナトリウム標準液(

Na

1 000 mg/L

10 mL

d)

のカルシウム標準液(

Ca

1 000 mg/L

10 mL

e)

のマグネシウム標準液(

Mg

1 000 mg/L

5 mL

を全量フラスコ

500 mL

にとり,塩酸(

1

1

10 mL

を加え,水を標線まで加える。使用時に調

製する。

21.5.2 

器具及び装置 

器具及び装置は,次による。

a) ICP

発光分光分析装置

JIS K 0116

による。

21.5.3 

準備操作 

準備操作は,次による。


98

B 8224

:2016

a)

試料の適量を全量フラスコ

100 mL

にとり,塩酸の濃度が約

0.1 mol/L

になるように塩酸(

1

1

)を加

え,水を標線まで加える。このときの濃度が

表 9

の定量範囲になるようにする。

21.5.4 

操作 

操作は,次による。

a)

21.5.3 a)

の溶液を

JIS K 0116

4.7

(定量分析)に準じて,試料導入部を通してプラズマ中に噴霧し,

波長

589.592 nm

の発光強度を測定する。

b)

空試験として塩酸(

1

1

)を水で薄めて塩酸の濃度を約

0.1 mol/L

とした溶液について

a)

の操作を行