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B 8203

:2005

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本ボイ

ラ協会(JBA)/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出

があり,日本工業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣及び経済産業大臣が改正した日本工業規格であ

る。

これによって,JIS B 8203:1995 は改正され,この規格に置き換えられる。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案件,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。厚生労働大臣,経済産業大臣及び日本

工業標準調査会は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案件,又は出願

公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。


B 8203

:2005

(2)

目  次

ページ

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  定義

1

4.

  材料

2

5.

  構造

2

5.1

  構造の制限 

2

5.2

  厚さの制限 

2

5.3

  検査穴

2

5.4

  安全低水位 

2

6.

  附属装置

2

6.1

  安全装置 

2

6.2

  水面測定装置,圧力計及び温度計 

3

6.3

  止め弁,ブロー弁又はブローコック 

4

6.4

  蒸気管・温水管・補給水管その他 

4

7.

  水圧試験

5

8.

  破壊試験

5

8.1

  破壊試験の方法

6

8.2

  最高使用圧力の算定

6

8.3

  破壊試験の省略

6

9.

  表示

6


日本工業規格

JIS

 B

8203

:2005

鋳鉄ボイラ  −  構造

Cast iron boilers

Construction

1. 

適用範囲  この規格は,暖房,給湯などの熱源として使用する鋳鉄製の蒸気ボイラ及び温水ボイラ(以

下,ボイラという。

)並びにそれらの附属設備の構造について規定する。

なお,圧力及び温度の制限並びに適用除外は,次による。

a)

圧力及び温度の制限

1) 

蒸気ボイラで,最高使用圧力 0.1 MPa 以下のもの。

2) 

温水ボイラで,最高使用圧力 0.5 MPa 以下,温水の温度が 120  ℃以下のもの。

3)

温水ボイラで 8.による破壊試験を実施し,これに適合する場合には,最高使用圧力が 1 MPa 以下の

もの。

b)

適用除外  次のいずれかに該当するものには,この規格を適用しない。

1) 

伝熱面積 0.5 m

2

以下の蒸気ボイラ。

2) 

伝熱面積 2 m

2

以下の蒸気ボイラで,次の 2.1)又は 2.2)に示すもの。

2.1) 

大気に開放した蒸気管(内径 25 mm 以上)をもっているもの。

2.2) 

ボイラの蒸気部に取り付けた圧力 0.05 MPa 以下の U 形の立て管(内径 25 mm 以上)をもってい

るもの。

3) 

ボイラの最高使用圧力 0.1 MPa 以下の温水ボイラで,伝熱面積 4 m

2

以下のもの。

2. 

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS B 2001

  バルブの呼び径及び口径

JIS B 7505

  ブルドン管圧力計

JIS B 8210

  蒸気用及びガス用ばね安全弁

JIS B 8211

  ボイラ−水面計ガラス

JIS G 5501

  ねずみ鋳鉄品

JIS Z 2201

  金属材料引張試験片

3. 

定義  この規格に用いる主な用語の定義は,次による。

a)

圧力  大気圧以上の圧力。一般に圧力計に示される圧力(ゲージ圧力)。

b)

ボイラの最高使用圧力  ボイラ各部の最高使用圧力の最小値以下で,構造上ボイラを安全に使用でき

ると定めた圧力。

c)

セクション  ボイラ本体を形成する箱形中空の鋳鉄製容器。鋳鉄ボイラは数個以上のセクションを組


2

B 8203

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み合わせて構成される。セクションには,その構造によって,前セクション,中セクション,後セク

ションなどがある。

d)

伝熱面積  片面が燃焼ガスなどに触れ,他の面が水に触れる面を,燃焼ガスなどの側において測った

面積。

1)

ひれの両面が燃焼ガスなどに触れるものは,伝熱の種類に応じて,それぞれ

表 に規定する係数を

ひれの片面の面積に乗じて得た面積を,ひれがない場合の面積に加えた面積。

  1

伝熱の種類

係数

両面に放射熱を受ける場合 1.0

片面に放射熱,他面に接触熱を受ける場合 0.7

両面に接触熱を受ける場合 0.4

2)

ひれの片面が燃焼ガスなどに触れるものは,伝熱の種類に応じて,それぞれ

表 に規定する係数を

ひれの片面の面積に乗じて得た面積を,ひれがない場合の面積に加えた面積。

  2

伝熱の種類

係数

放射熱を受ける場合 0.5

接触熱を受ける場合 0.2

3)

スタッドの全周が燃焼ガスなどに触れるものは,スタッドの側面の面積の和の 15  %の面積を,ス

タッドがない場合の面積に加えた面積。

4)

耐火れんがで覆った面は,面の外側の壁面に対する投影面積。

4. 

材料  ボイラの主要材料は,JIS G 5501 の FC150 又はこれと同等以上のものとする。

5. 

構造

5.1 

構造の制限  ボイラは,所定のセクションを組み合わせて構成した組合せ式とする。

5.2 

厚さの制限  ボイラの本体の厚さは,最高使用圧力 0.3 MPa 以下の場合は 8 mm 以上,最高使用圧力

0.3 MPa

を超える場合は 10 mm 以上とする。ただし,8.による破壊試験を実施することによって最高使用

圧力を求める場合はこの限りでない。

5.3 

検査穴  ボイラには,水室の下部に内径 25 mm 以上の検査穴を設ける。

5.4 

安全低水位  蒸気ボイラの安全低水位は,そのボイラのセクションの壁面温度がいかなる場合でも

230

℃を超えないことを保証できる位置に定める。

6. 

附属装置

6.1 

安全装置

6.1.1 

安全弁  安全弁は,次による。

a)

蒸気ボイラには,1 個以上の安全弁を備え,内部の圧力が最高使用圧力に 0.034 MPa を加えた値を超

えないようにしなければならない。安全弁は少なくとも 1 個は,0.1 MPa 以下で吹き出すものでなけ

ればならない。ただし,圧力を 0.1 MPa を超えて上昇させない安全装置は,これを安全弁とみなす。


3

B 8203

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b)

安全弁の構造は,JIS B 8210 による。

6.1.2 

安全弁の取付け  安全弁は,ボイラ本体の容易に検査できる位置に直接取り付ける。

また,安全弁は,弁軸を鉛直に取り付けなければならない。

6.1.3 

安全弁の大きさ  蒸気ボイラの安全弁は,ボイラの最大蒸発量以上を吹き出すようにその大きさ及

び数を決めなければならない。ただし,安全弁の呼び径は JIS B 2001 による 20 A 以上 125 A 以下としなけ

ればならない。

安全弁の吹出し量は,JIS B 8210 

附属書によって算定する。

6.1.4 

逃し弁又は逃し管  逃し弁又は逃し管は,次による。

a)

温水ボイラには,逃し弁又は開放形膨張タンクに連絡する逃し管を備えなければならない。膨張タン

クには,最高使用圧力で水を逃すあふれ管を備える。

b)

逃し弁は,ボイラの最高使用圧力に達すると,直ちに作用するものとする。

6.1.5 

逃し弁又は逃し管の取付け  逃し弁は,温水ボイラ本体に直接取り付ける。逃し管は,温水ボイラ

本体又は止め弁を備えない温水取出管(通常の場合,立上り管)に取り付ける。

取出管の内径は,逃し弁又は逃し管の径より小であってはならない。

6.1.6 

逃し弁の大きさ  逃し弁の径は呼び径 15 A 以上とし,ボイラの圧力が最高使用圧力以上その 10%

(その値が 0.034 MPa 未満のときは 0.034 MPa とする。

を超えないように,

逃し弁の径及び個数を定める。

6.1.7 

逃し管の大きさ  逃し管は伝熱面積に応じ,表 による。

  3

伝熱面積  m

2

逃し管の内径  mm

       10 未満 25 以上

10

以上 15 未満 30 以上

15

以上 20 未満 40 以上

     20 以上 50 以上

6.1.8 

温水温度自動制御装置  温水ボイラで圧力が 0.3 MPa を超えるものには,温水温度が 120  ℃を超

えないよう温水温度自動制御装置を備える。

6.2 

水面測定装置,圧力計及び温度計

6.2.1 

水面測定装置  蒸気ボイラには,二つ以上の水面測定装置を備え,少なくともその一つは,ガラス

水面計とする。ただし,低水位燃料遮断装置又は自動水位制御装置をもつものであって,ガラス水面計に

沈殿物がたまらない構造の呼び径 8 A 以上の排水弁又は排水コックを備える場合はこの限りでない。

ガラス水面計には,JIS B 8211 に適合するガラス管を用い,随時掃除及び点検できる構造とする。

6.2.2 

水面計及び験水コックの取付け  ガラス水面計及び験水コックは,これによって見られる最低水位

が安全低水位となる位置に取り付ける。

水面測定装置として験水コックを設ける場合は,ガラス水面計のガラス管取付位置と同じ高さの範囲に

2

個以上取り付けなければならない。

6.2.3 

圧力計  圧力計は,次による。

a) 

蒸気ボイラには,その蒸気室,水面計を取り付けた水柱管又は水柱管への蒸気管のいずれかに,十分

な大きさのサイホン又はこれに代わる装置を,間に挟んで圧力計を取り付ける。この場合,サイホン

管の内径は 6.5 mm 以上とする。

なお,コックを取り付ける場合は,圧力計への連絡管の垂直な部分に取り付けるものとし,コック

のハンドルは,コックが開いている場合,これを取り付けた管に平行なものとする。


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b)

圧力計は,JIS B 7505 によるものとし,その機能を満足できるように取り付ける。

c)

圧力計の最高目盛は,最高使用圧力の 1.5 倍以上 3 倍以下とする。圧力計の最高使用圧力の目盛には,

適切な表示をするものとする。ただし,その位置が床面から測って 2 m 以内の高さにあるものについ

ては,目盛板の径を 60 mm 以上とすることができる。

6.2.4

水高計  水高計は,次による。

a)

温水ボイラには,ボイラ本体又は温水の出口付近に水高計を備える。

なお,コックを取り付ける場合は,連絡管の垂直な部分に取り付けるものとし,コックのハンドル

は,コックが開いている場合,これを取り付けた管に平行なものとする。

b)

水高計の最高目盛は,最高使用圧力の 1.5 倍以上 3 倍以下とする。

c)

水高計の代わりに圧力計を用いてもよい。

6.2.5 

温度計  温度計は,次による。

a)

温水ボイラには,水高計と同時に見えるように取り付けた温度計を備える。

b)

温度計は,ボイラ内又は温水出口付近における水の温度を常に示す位置に取り付ける。

6.3 

止め弁,ブロー弁又はブローコック

6.3.1 

ボイラの止め弁  ボイラの止め弁は,次による。

a)

単独のボイラの蒸気又は温水の出口に止め弁を設けるときは,返り口にも,これを設ける。

なお,蒸気ボイラの返り管には逆止め弁を設け,ボイラの水の逆流を防止する。

b)

二つ以上のボイラを連絡したときは,各ボイラの出口と返り口に止め弁を取り付ける。

6.3.2 

ブロー弁又はブローコック  ボイラの最下部にブロー管及び,ブロー弁又はブローコックを設けな

ければならない。ブロー弁又はブローコックは,呼び径 20 A 以上 65 A 以下とし,弁は沈殿物のたまらな

い構造としなければならない。また,ブロー弁又はブローコックは,見やすく,かつ,取扱いの容易な位

置に取り付けなければならない。

6.4 

蒸気管・温水管・補給水管その他

6.4.1 

蒸気管又は温水管  ボイラに連結される蒸気管又は温水管は,その伸縮によって,ボイラ本体に無

理を及ぼさないように適切に支えるものとする。

6.4.2 

蒸気ボイラの返り管の取付け  返り管を蒸気ボイラに取り付ける場合には,返り管からボイラの水

が逆流して水位が異常に低下することがないように,返り管を

  1 のように蒸気管とボイラの下部とを結

ぶ管の安全低水位以下 150 mm 以内の位置に取り付ける。


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  1  返り管の取付け

6.4.3 

補給水管  補給水が圧力をもつ管から供給されるときは,補給水管を返り管に取り付け,これを直

接ボイラ本体に取り付けてはならない。この場合の補給水管には,ボイラ近くに逆止め弁を,また,止め

弁を逆止め弁とボイラとの間又は逆止め弁と返り管系との間に設けなければならない。

6.4.4

返り管及び逃し管の保護  返り管及び逃し管は,凍結及び詰まるおそれがないようにする。

7. 

水圧試験  ボイラは,次の圧力で水圧試験を行い,異常がないものとする。ただし,各セクションに

対しては,組合せ前に水圧試験をその製造工場において行うものとする。

a)

蒸気ボイラ  0.2 MPa

b)

温水ボイラ  最高使用圧力の 1.5 倍。ただし,最小 0.2 MPa

c)

各セクション  最高使用圧力 0.2 MPa 以下の場合は試験圧力 0.4 MPa,0.2 MPa を超える場合は最高使

用圧力の 2 倍

8. 

破壊試験  破壊試験によってボイラの最高使用圧力を求める場合は,次による。


6

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8.1 

破壊試験の方法  そのボイラを構成する各種のセクション群から,それぞれ 3 個の供試セクション

を選び,各供試セクションに水圧力を徐々に加え,破壊圧力を求める。

これとは別に,供試セクションと同一条件(同一の溶湯)によって作製した各供試セクションごとの試

験片を作り,引張強さを求める。

8.2 

最高使用圧力の算定  次の算式によって求めたセクション群ごとの最高使用圧力のうち最も低い値

を,そのボイラの最高使用圧力とする。

t

B

P

P

σ

σ

5

0

=

ここに,

P

最高使用圧力(MPa)

B

P

3

個の供試セクションの破壊圧力の最小値(MPa)

0

σ

セクション材料の最小引張強さ(N/mm

2

)で,次の値

とする。

種類の記号

0

σ

(N/mm

2

FC 150

150

FC 200

200

FC 250

250

FC 300

300

FC 350

350

t

σ

3

個の供試セクションのそれぞれに対する試験片の引

張強さの平均値 N/mm

2

。ただし,各試験片の引張強さ

0

σ

以上でなければならない。試験片は,JIS Z 2201

に規定する 8 号試験片 8B を用いる。

8.3 

破壊試験の省略  破壊試験を行ったセクションが代表するボイラと同一設計,同一材料及び同一製

作工程のボイラについては破壊試験を行うことなく,

8.2

によって算出した最高使用圧力によることができ

る。

9. 

表示  ボイラには,よく見える適切な箇所に,次の事項を表示した銘板を取り付けなければならない。

a)

最高使用圧力

b)

形式

c)

製造業者名

d)

製造年

e)

製造番号