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B 8105:2004

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人火力原子力発電技術協会(TENPES)

/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,

日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,

IEC 60953-3:2001

Rules for steam turbine

thermal acceptance tests−Part 3:Thermal performance verification tests of retrofitted steam turbines を基礎として

用いた。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。

JIS B 8105

には,次に示す附属書がある。

なお,

附属書 A及び附属書 1は,JIS B 8102 に記載する。

附属書 H (規定)測定結果の不確かさ―改造への適用

附属書 I  (参考)改造効果の計算方法―数値計算例(火力用及び原子力用)

附属書 J  (参考)不確かさの計算例(火力用及び原子力用)

附属書 K (規定)トレーサ技術―改造への適用

附属書 L (参考)温度変化方法

附属書 5  (参考)JIS と対応する国際規格との対比表

附属書 6  (参考)この規格と JIS B 8102 との対比表


 
B 8105:2004

目  次

ページ

序文

1

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

2

3.

  記号,単位,定義及び保証値

2

3.1

  記号及び単位

2

3.2

  添字,肩書き及び定義

4

3.3

  定義

6

3.4

  保証値  (guidance on guarantees)

12

4.

  基本方針

13

4.1

  試験の事前計画

13

4.2

  事前の協定及び手配

14

4.3

  試験計画

14

4.4

  試験準備

15

4.5

  試験設定

19

4.6

  予備試験

19

4.7

  受渡試験

19

4.8

  受渡試験の繰返し

21

5.

  測定技術及び測定計器

22

5.1

  一般

22

5.2

  出力測定

24

5.3

  流量測定

28

5.4

  圧力測定(復水タービンの排気圧力を除く)

36

5.5

  復水タービンの排気圧力の測定

38

5.6

  温度測定

39

5.7

  蒸気湿り度の測定

41

5.8

  時間の測定

47

5.9

  回転速度の測定

47

6.

  熱的試験の評価

47

6.1

  評価の準備

47

6.2

  結果の計算

48

6.3

  試験結果の計算

49

7.

  試験結果の補正と保証値との比較

54

7.1

  熱的保証値と保証条件

54

7.2

  熱の出入りに対する修正

55

7.3

  試験結果の運転条件に対する修正

55


B 8105:2004  目次

(3)

ページ

7.4

  修正値の定義及び適用

56

7.5

  修正方法

57

7.6

  タービン  のみ込み蒸気流量の修正

58

7.7

  最大出力の修正

59

7.8

  再熱,再生タービン以外のタービンの修正

59

7.9

  保証値との比較

60

7.10

  タービン性能の経年劣化

62

附属書 H(規定)測定結果の不確かさ―改造への適用

64

附属書 I(参考)改造効果の計算方法―数値計算例(火力用及び原子力用)

69

附属書 J(参考)不確かさの計算例(火力用及び原子力用)

92

附属書 K(規定)トレーサ技術―改造への適用

101

附属書 L(参考)温度変化方法

105

附属書 5(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

110

附属書 6(参考)この規格と JIS B 8102 との対比表

126

 


日本工業規格

JIS

 B

8105

:2004

蒸気タービン―受渡試験方法―

改造時の性能確認

Steam turbines―Acceptance test―

Thermal performance verification tests of retrofitted steam turbines

序文  この規格は,2001 年に第 1 版として発行された IEC 60953-3:2001,Rules for steam turbine thermal

acceptance tests−Part 3:Thermal performance verification tests of retrofitted steam turbines を元に,我が国の実

情に合わせるために,技術的内容を一部変更して作成した日本工業規格である。

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変

更の一覧表をその説明を付けて,

附属書 5(参考)に示す。

1.

適用範囲  この規格は,蒸気タービン及び蒸気タービン設備に,幾つかの設備変更を伴う改造を行っ

た改造蒸気タービンの性能確認方法について,次の事項の保証値を実証するため,発電用の過熱及び湿り

蒸気タービンの試験の実施,並びに試験結果の計算方法について規定する。

なお,発電用以外の蒸気タービンに,この規格を適用してもよい。

a)

タービン全体の改造による熱消費率又はケーシング断熱効率の絶対値又は相対値

b)

タービン全体の改造による定格出力の絶対値又は相対値

c)

タービン部品の改造による熱消費率又はケーシング断熱効率の絶対値又は相対値

d)

タービン部品の改造による圧力損失割合の絶対値又は相対値

この規格は,試験の基本方針,使用計器及び測定方法並びに試験結果の計算方法,及び保証値との比較

について規定している。この規格に規定していない複雑な要求又は特殊な要求がある場合には,試験方法

について,契約前に受渡当事者間で協定しなければならない。特に,次に掲げる項目については,契約時

早期に考慮する。

―  この規格にない試験

―  改造蒸気タービンに特有の保証値及び保証条件(7.1.1

―  保証項目の成文化

―  保証事項の定義(3.4

―  試験の事前計画(協定及び手配)

4.1

―  試験費用(4.3.3

―  修正方法(7.5

―  保証値との比較(7.9

―  タービン性能の経年劣化(7.10

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD



B 8105:2004

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。

IEC 60953-3:2001

,Rules for steam turbine thermal acceptance tests−Part 3:Thermal performance

verification tests of retrofitted steam turbines (MOD)

2.

引用規格  次に揚げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格のうちで,発効年又は発行年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格

の規定を構成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発効年を付記していない引用規

格は,その最新版(追補を含む)を適用する。

JIS B 0127

  火力発電用語(蒸気タービン,地熱発電設備及び附属装置)

JIS B 8101

  蒸気タービンの一般仕様

JIS B 8102:2002

  蒸気タービン−受渡試験方法

備考  IEC 60953-2:1990,Rules for steam turbine thermal acceptance tests.    Part 2:Method B−Wide

range of accuracy for various types and sizes of turbines が,この規格と対応している。

JIS C 1736

  計器用変成器(電力需給用)

JIS Z 8762

  絞り機構による流量測定方法

3.

記号,単位,定義及び保証値

3.1

記号及び単位


3

B 8105:2004

  1  記号及び単位

記号

単位

倍量又は分量

出力

P W  kW

流量

m 

kg/s

絶対圧力

p

abs

 

Pa kPa

ゲージ圧力

p

e

 

Pa kPa

大気圧力(気圧)

p

amb

 

Pa kPa

差圧

∆p 

Pa kPa

圧力損失割合

∆p

n

 

熱力学温度

T 

K

セルシウス温度

t 

温度差

∆t 

高さ

m mm

比エンタルピー

J/kg kJ

/kg

飽和水比エンタルピー

h' 

J/kg kJ

/kg

飽和蒸気比エンタルピー

h'' 

J/kg

kJ /kg

熱落差

∆h 

J/kg

kJ /kg

比エントロピー

  s   

kJ /  (kg・K)

標準偏差

  s   

比熱容量;質量熱容量

J/(kg・K) kJ/

(kg・K)

乾き度

kg/kg g/g

回転速度

s

1

 min

1

流速

m/s

密度

ρ 

kg/m

3

比体積

υ 

m

3

/kg

直径

D,d 

m mm

重力の加速度

m/s

2

タービン室熱効率

η

t

 

kW・s/kJ

タービン効率

η

td

 

kW・s/kJ

ケーシング断熱効率

η

cyl

熱消費率

HR

kJ / (kW・s)

kJ / (kW・h)

蒸気消費率

SR 

kg / (W・s)

kg / (kW・s)

 

kg / (W・h)

kg / (kW・h)

/J

kg/kJ

熱流量

Q J/s  kJ/s

キャビテーション係数

濃度

修正係数

等エントロピー指数

k

 

流出係数

C

d

重み付き平均係数

γ 

信頼限界;信頼区間

V

一般量

x

 

の相対的な測定の不確かさ

x

V

x

x

=

τ

効率(一般)

η

湿分修正係数

WCF

排気損失(比エントロピー一定の場合)

LL 

J/kg kJ/kg

のみ込み容量

FPC 

m

2

加減弁全開

VWO 

備考

この規格では,流量とは質量流量を表す。



B 8105:2004

3.2

添字,肩書き及び定義  この規格に用いる添字,肩書き及びその定義は,表 2.1,表 2.2 による(図

1

参照)

 2.1  添字及び定義

添字

位置又は定義

出力 
 
 
 
 
主蒸気流量及び出力

蒸気条件及び流量 
 
 
 
 
 
 
復水及び給水の条件並びに流量 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
補給水の条件及び流量

グランド蒸気の条件及び流量 
 
 
 
 
 
主蒸気流量及び濃度 
質量流量及び濃度 
 
 
 
 
 
復水器冷却水の条件及び流量 
 
 
 
熱効率 
 
熱落差






mech 
max 

 









10 
11 

 


is 
ir 


gl 
 

 
qy 


core 
cond 
inj 



wi 
wo 
wio 

td 
s

発電機端子 
タービンで駆動されない補機動力 
正味電気出力:P

g

P

b

P

a

別駆動の場合のタービン補機に必要な動力を引いたタービン軸端 
タービン内部 
ポンプ及びポンプ駆動機の機械損失

蒸気加減弁全開時の値 
タービン契約内の高圧タービン主蒸気止め弁及び蒸気ストレーナ(あ
れば)直前

蒸気が再熱器へいく高圧タービン排気 
中圧タービン蒸気止め弁直前 
タービン排気

抽気タービンの抽気点 
復水器出口   
復水ポンプ入口

復水ポンプ出口 
図 参照(再熱器過熱低減水取出点) 
ボイラ給水ポンプ入口

ボイラ給水ポンプ出口 
最終給水加熱器出口 
契約内の復水ポンプ及び復水予熱器(油,発電機,ガス又は空気)通

過後 
ドレン冷却器出口 
空気抽出器出口

給水系から過熱器へ抽出される主蒸気温度調節用の水 
給水系から再熱器へ抽出される再熱温度調節用の水 
復水系又はグランド蒸気発生器入口蒸気フランジ近接の計測

別の蒸気源から供給される蒸気 
主蒸気量の測定に含まれ,系内に戻るグランド及び弁棒からの漏れ蒸

系外用に抽出される入口端又は再熱器前のグランド及び弁棒からの漏
れ蒸気流量で,流量もその熱もタービン系に戻らない。 
再熱器又はその下流からくる q と同様な漏れ流量

原子炉出口主蒸気流量 
原子炉給水 
炉心を通過する流体

凝縮される水 
注入トレース溶液 
加圧水形原子炉炉心入口

汽水分離器からの再循環水流量 
 
復水器入口

復水器出口 
復水器出入口平均値 
タービン室

タービン 
断熱熱落差


5

B 8105:2004

 2.1  添字及び定義(続き)

添字

位置又は定義

速度 
静圧

濃度 
 
 
 
 
試験結果及び保証値 
 
 
修正係数

 
 
 
一般使用 
効率 
 
 
 
 
 
比エンタルピー 
 
比エンタルピー落差 
 
タービンケーシングの性能 
 
 
質量流量*

throat 
sat 
wat 


inj 




a , b , c 
HR 


i , j 
cyl 
cyl-dry 
cyl-wet 
cyl-HP 
cyl-IP 
cyl-LP 
UEEP 
ELEP 

's 
tp 
in 
out 
loss 
make-up

流量計ノズルのど(喉)部 
相当する水の温度の飽和圧力

水相 
沸騰水形原子炉の再循環系 
加圧水形原子炉ブローダウン水系

注入トレーサ 
トレーサ注入点直前 
保証

修正 
測定 
修正係数番号

熱消費率修正用 
出力修正用 
主蒸気流量修正用

番号添字 
包括的,又は全体蒸気タービンのケーシング断熱効率[3.3 s)] 
全体乾燥基準の蒸気タービンのケーシング断熱効率[3.3 t)]

全体湿り基準の蒸気タービンのケーシング断熱効率(

附属書 I

高圧蒸気タービンのケーシング断熱効率(

附属書 I

中圧蒸気タービンのケーシング断熱効率(

附属書 I)

低圧蒸気タービンのケーシング断熱効率(

附属書 I

有効エネルギーの最終点[3.3 u)] 
膨張線最終点(

附属書 I

ケーシング入口から出口の等エントロピー 
湿り域の膨張の部分を参照(

附属書 I

取合点での蒸気性状[3.3 s)∼w)] 
部品入口の蒸気性状[3.3 s)∼w)] 
部品出口の蒸気性状[3.3 s)∼w)] 
漏れ流量(6.3.1

給水流量(6.3.1

注*

質量流量比及び比エンタルピーの添字は各々の文中に明示されているのもある(

例 6.3.8)。

備考  JIS B 8102 の附属書 に記載した信頼限界

及び相対的な測定の不確かさ

τ

について,量の記号と同じ添字(例

えば,

pb

τ

は,発電機端子出力の相対的な測定の不確かさを示す。

)は,この量の相対的な測定の不確かさに対

する信頼限界を表す。

 2.2  肩書き及び定義

肩書

位置又は定義

効率 
 



計算機算出の参考値 
平均値 
重み付き平均値



B 8105:2004

3.3

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,JIS B 0127JIS B 8101JIS B 8102 によるほか,次に

よる。

a)

タービン室熱効率  (thermal efficiency)  蒸気タービンプラントの熱効率。この熱効率は,外部から系

内に入る熱量に対する出力の比で,次のように定義する。

t

j

j

(

)

P

m

h

η

=

Σ

×

&

 (1)

ここに,

t

η

タービン室熱効率(kW・s/kJ)

P  : 出力(kW)

j

m&

受熱流体の流量(kg/s)

j

h

受熱流体の比エンタルピー上昇(kJ/kg)

タービン室熱効率の具体的な定義式は,蒸気タービンプラントの熱サイクルに応じて決定されるの

で,受渡当事者間で協定する。したがって,それぞれの場合に対する保証熱サイクルを定義しなけれ

ばならない。保証熱サイクルは,試験で実施する熱サイクル構成に沿ったものでなければならない。

図 に示す一段再熱再生タービン設備の具体的定義は,次による。

b

g

c

t

1

1

11

2

3

2

r

3

8

(

)

(

)

(

)

(

)

P P

P

m h

h

m h

h

m h

h

η

=

+

+

&

&

&

又 は

 (2)

ここに,

t

η

タービン室熱効率(kW・s/kJ)

b

: 発電機端出力(kW)

g

: 正味電気出力(kW)

c

: 正味タービン軸端出力(kW)

タービン室熱効率の算出に際しては,補給水,減温用スプレー水又は蒸気式空気予熱器への抽気な

どによって,系内に付加又は系外に出る熱量を考慮しなければならない。この規格でタービン系のす

べての変数を網羅するのは不可能であるので,保証定義に対し,試験時系統が計画条件を逸脱する場

合は,7.5 による修正を行うのが望ましい。

出力の定義は,受渡当事者間であらかじめ協定しなければならない(5.2.3 参照)

b)

熱消費率  (heat rate)  タービンの単位出力当たりに要した熱消費量。熱消費率とタービン室熱効率と

の関係を,次に示す。

t

1

H R

η

=

 (3)

                      ここに,HR:熱消費率[kJ/(kW・s)]

したがって,

図 に示す一段再熱再生タービンの場合の定義を,次に示す。

1

1

11

2

3

2

r

3

8

b

g

c

(

)

(

)

(

)

(

)

m h

h + m h

h + m h

h

HR

P P

P

=

&

&

&

又は

 (4)

c)

蒸気消費率  (steam rate)  タービンの単位出力当たりに要した蒸気消費量。蒸気消費率は,出力に対

する主蒸気流量の比で,次のように定義する。

m

SR

P

=

&

 (5)

ここに,

SR: 蒸気消費率[kg/(kW・s)]

P: 出力(kW)


7

B 8105:2004

m&: 主蒸気流量(kg/s)

蒸気消費率は,

図 2 a)のように,一つのタービン主蒸気条件で全蒸気を受け入れ,低圧で全蒸気を

排出する復水タービン又は背圧タービンの性能を示す値として用いる。ただし,この値は,主蒸気と

排気の条件に依存するので,仕様条件が相違するタービンと比較する値ではない。比較のためには,

次のタービン効率を用いることが望ましい。

d)

タービン効率  (thermodynamic efficiency)  単独又は発電機を含む蒸気タービンの有効効率。タービン

効率は,次のように定義する。

td

j

sj

(

)

P

m

h

η

=

×

Σ

&

 (6)

ここに,

td

η

タービン効率(kW・s/kJ)

j

m& : タービン各部における蒸気流量(kg/s)

sj

h

上記各部の断熱熱落差(kJ/kg)

図 2 a)の非再生復水又は背圧タービンのタービン効率は,

b

g

c

td

1

s1,4

(

)

P P

P

m

h

η

=

×

又は

&

 (7)

                      ここに,

s1,4

h

:点 1 の入口蒸気状態と点 4 の排圧間の断熱熱落差(kJ/kg)

したがって,蒸気消費率とは,次の関係にある。

s1,4

td

1

SR

h

η

=

×

 (8)

同様に,

図 2 b)の非再生一段抽気タービン(背圧又は復水)のタービン効率は,次のように定義する。

b

g

c

td

1

s1,e

1

e

se,4

(

)

(

)

P P

P

m

h

m

m

h

η

=

×

+

又は

&

&

&

 (9)

出力,入口蒸気流量及びタービン効率に加えて,適切な抽気蒸気流量及び副次蒸気流量を仕様書に

明記し,各負荷の保証に適用する。

再生タービンの場合は,更に現実的にタービン室熱効率で定義できるが,この場合も,適切な抽気

蒸気流量及び副次蒸気流量を明確に定義しなければならない。

e)

定格出力  所定条件でタービンを運転する場合の保証最大連続出力(JIS B 0127 参照)。この出力は,

発電機端出力,正味電気出力又は正味軸端出力などで定義する(JIS B 8101 参照)

。したがって,保証

出力の定義は,あらかじめ受渡当事者間で協定しなければならない。

保証タービン室熱効率で定義される熱サイクルと,定格出力で定義される熱サイクルとは,必ずし

も一致していなくてもよい。

ここに,所定条件とは,主蒸気条件,再熱蒸気条件,抽気条件,排気条件など発電所計画時の取合

条件である(JIS B 8101 参照)。

f)

最大主蒸気流量  (main steam flow capacity)  所定条件でタービンを運転する場合のタービン主蒸気条

件での主蒸気止め弁入口における最大蒸気流量。バルブステム,グランド及びバランスピストンへの

供給蒸気並びに給水ポンプ駆動タービン,蒸気―蒸気加熱器,エゼクタなどのプラント補機への供給

蒸気も含める(JIS B 8101 参照)

。タービンの最大のみ込み蒸気流量ともいう。



B 8105:2004

        CP:復水予熱器

        DC:ドレン冷却器

        EC:エゼクタ式空気抽出器

図 1  再熱再生復水タービンの系統図(一例)

        a)

単純復水又は背圧タービン                b)  抽気復水又は背圧タービン

図 2  非再生タービンの系統図


9

B 8105:2004

g)

タービンの改造  (turbine retrofit)  熱的性能向上のためのタービン機械設備の改良・劣化改造。

ただし,サイクルの修正や他の発電設備(例えばボイラ,給水加熱器など)の改造は含まない。

h)

絶対的な保証  (absolute guarantee)  元の設備の性能とは無関係に,独立した改造後の設備の保証。

i)

相対的な保証  (relative guarantee)  改造した設備による改善量の保証。

j)

基準試験  (baseline test)(

1

)  発電所の基準のヒートバランスを定義するために,改造仕様発行前に行う

詳細試験で,プラント全体の性能試験。試験方法は JIS B 8102 による。

  注(

1

)  この試験はこの規格に含まれていない。JIS B 8102 参照。

k)

タービン改造前試験  (pre-retrofit test)  相対的な保証値の基準値を定義するためのタービン改造前の

試験。

l)

タービン改造後試験  (post-retrofit test)  相対的な保証値を確認するために,タービン改造前試験と関

連付けて行われる試験。試験はタービン改造前試験と同じ測定方法で行う。

m)

熱的受渡試験  (thermal acceptance test)(

1

)  新規プラントの絶対的な性能保証値を測定するために,相

当する規格に従って行う詳細試験。

n)

絶対的タービン改造後試験  (absolute post-retrofit test)  構成部品又は全体の絶対的な保証値を確認す

るために,改造後に行われる試験。

o)

確認試験  (verification tests)  改造された設備の性能を確認することを目的とするすべての形式の試

験(改造前試験及び改造後試験並びに絶対的改造後試験,又は熱的受渡試験のいずれか。

p)

試験の許容値  (test allowance)  測定値と特定の改造プロジェクトにおける経年変化や,その他の状況

における試験の不確かさを考慮した,修正後の性能値との間の契約裕度値。

q)

熱供給  (thermal power)  外部からタービンプラント全体に対する熱量の供給。

r)

構成部品の効率  (component efficiency)  蒸気タービンの特定の構成部品の効率をいい,ケーシング断

熱効率(過熱域の膨張線によるもの及び湿り域の膨張線によるもの)及び構成部品の圧力損失割合と

いった特定のタービン改善に関係する保証値。

備考  この規格は蒸気タービン全体よりも,1 個のケーシングなどの特定の構成部品を改造すること

が多いことを想定している。したがって,蒸気タービンケーシング効率及び構成部品の圧力損

失割合といった,特定のタービン改善に関係する保証値が適切である。構成部品の性能の一般

的な定義は次に示され,計算例を

附属書 の 3.に示している。

s)

ケーシング断熱効率−過熱域で膨張する場合  (cylinder isentropic efficiencyexpansion in superheated 

region)

  完全断熱変化の比エンタルピー降下に対する,蒸気の実際の膨張による実比エンタルピーの

降下で表される測定可能な全体効率である。ケーシングの断熱効率は基準とされる効率である。蒸気

が入口と出口とも過熱蒸気のとき,比エンタルピーはその点の圧力と温度の測定から直ちに求められ

る(

図 参照)。

ケーシング断熱効率:

in

out

cyl

s

h

h

h

η

=

 (10)


10 
B 8105:2004

図 3  高圧ケーシングの断熱効率

備考  “入口”の条件は,ケーシング効率と弁圧力損失[3.3 v)  参照]を明確に区別するために,入

口弁の後の値とするのが望ましい。

“出口”の条件は全低温再熱蒸気がボイラに戻っていく前に

測定し,蒸気タービンからの戻り蒸気と混合したバランスピストン漏れを含むものとする。

入口弁の下流の圧力測定には特別の注意が必要である。

もしタービンのケーシング入口部において,渦流を生じているならば,圧力は,弁とタービ

ン本体の間の内部連絡管において測定することが望ましい。弁本体での圧力測定は避けるべき

である。弁の下流で圧力の測定ができないときには,保証は弁前からタービンの出口までの圧

力降下によるものとし,合意された弁圧力損失値を用いる。

その他の影響度の小さなもの,例えば冷却蒸気の注入やタービンのグランド漏れは含めないが,合

意により効率計算式に適正な修正を加えることによって,含めることがある。

t)

ケーシングの乾き基準の断熱効率  (efficiency on dry basis)  タービンケーシング内を通過する蒸気が,

一部又はすべて湿り域にある場合,

“乾き基準の断熱効率”を,次の式で定義する。この値は,参考目

的で利用される。

cyl-dry

η

 =

{

}

cyl

in

out

(

) 2

/ x

x

/

η

+

(11)

蒸気タービンの断熱効率“

cyl

η

”は,s

)

に示すとおりだが,内在する湿りの影響も含まれる。

湿り域での膨張線は,一般的に段落効率での湿りの影響が,湿り量

1

%の変化につき

1

%の効率へ

の影響を及ぼすものとするという仮定による(例示だけ)

。入口条件が乾き状態で出口条件が湿り状態

である場合は,

附属書 の 3.1 で扱う。

u

)

ケーシング断熱効率−湿り域で膨張する場合 

(

cylinder isentropic efficiency

expansion involving wet 

region

)

  排気損失“

LL

(主として動エネルギー)がかなりの大きさをもち,内部での蒸気膨張が部

分的に湿り域にある低圧蒸気タービンでは,種々の定義がされることがある(

附属書 の 3.参照)。し

かし,出力バランスから推定する全体効率を次に示す(

図 参照)。

ケーシング断熱効率:

in

out

cyl

s

h

h

h

η

=

 (12)


11

B 8105:2004

図 4  低圧タービンの膨張線

備考

湿り域で運転する蒸気タービンにおいては,比エンタルピーの決定は非常に困難なので,トレ

ーサ法のような特別な技術を用いる。

比エンタルピー“

out

”は

,

UEEP

(有効エネルギー最終点)と呼ぶ。この点は湿り域にあ

り,

通常は全体サイクルの出力バランス計算から推定する。試験サイクルのある部分において,

発見されない効率低下要因が,低圧蒸気タービンの効率をかなり低くしてしまう可能性がある

ため,この計算結果は慎重に扱うべきである。

低圧膨張線は,次の式を満足するまで反復計算して,

out

を求める。

蒸気タービンケーシング内部出力:

                Σ

(

高圧+中圧+低圧

)

−外部損失

(

機械的,電気的など

)

=発電機出力

湿分と排気損失を含んだ低圧タービンに関係する他の定義は,

附属書 の 3.及び 6.3.8 に示す。

v

)

弁と配管における圧力損失割合 

(

percentage pressure loss in valves and pipes

)

  圧力損失の原因となる

構成部品は,全タービンプラント効率に重大な影響を及ぼす。損失は蒸気加減弁の全開位置で見積も

るべきであり,内部圧力に対する圧力降下比率として与える。代表的な例として s

)

に示す高圧蒸気タ

ービンの主弁設備と配管の改造の場合,弁入口での取合点

tp

p

から高圧タービン入口管の測定点

in

p

よって,次のように示す。

in

tp

n

tp

p

p

p

p

=

 (13)

w

)

のみ込み容量 

[

flow-passing capacity 

(

FPC

)]

  蒸気タービンケーシング効率向上による結果の出力の

増加は,不変の(すなわち一定の)のみ込み容量によって評価する。

FPC は次のように定義する。

in

in

in

out

in

2

1

1 (

/

)

m

FPC

p / v

p

p

=

×

&

 (14)

もし,FPC が変化した場合には,全電気出力に及ぼす効果は,ヒートバランス計算によって計算し

なければならない。通常は臨界を超えた圧力比で膨張するので,上の式を単純化すると次になる。

in

in

in

m

FPC

p / v

=

&

 (15)

合意をした場合には,他の FPC 計算の方法を採用してもよい。もし,FPC が目標とした値に達しな

い場合でも,その差のための修正は許されない。


12 
B 8105:2004

3.4

保証値  (guidance on guarantees)  一般的に,実際の性能又は実際の性能変化量を確認することがで

きるような値を,保証値として用いる。

改造された蒸気タービンプラントは,通常少なくとも,全体の蒸気タービンの中の一つの部品又はケー

シングの近代化を含んでいる。したがって,部品と全体との性能効果を区別することは重要である。さら

に,現在の機械の改造は,オリジナルの製造業者(OEM)又は他の製造業者によって行われる。改造する

設備の製造業者は,各部品の性能をよく知っていたとしても,必ずしもそのプラントの状態を知っている

ということではないために,新しい絶対的な保証には否定的である。OEM だけが現在の機械の知識をもっ

ていて,性能改善における保証に自信をもっていると考えられる。

そのために絶対的又は相対的な性能保証の,どちらを提示すればよいかという問題が起こるので

表 

示した相対的な保証又は絶対的な保証に対する,プラント全体及び各部品の保証の選択肢に従って,決定

することを推奨する。

  3  保証選択肢

乾き域

湿り域

タービン部位

絶対保証

相対保証

絶対保証

相対保証

部品

(ケーシング断熱効

率,圧力損失割合)

3.4.1 a)

(推奨)

3.4.2 a)

(推奨)

3.4.1 a)

(採用すべきでない)

3.4.2 a)

(採用してもよい)

全体

(熱消費率又は出力)

3.4.1 b)(

2

)

(採用してもよい)

3.4.2 a)(

2

)

(採用してもよい)

3.4.2 b)(

3

)

(採用すべきでない)

3.4.1 b)(

2

)

(採用すべきでない)

(すべての蒸気通路部を交換す

る場合“採用すべきでない”が

“推奨”に変わる)

3.4.2 a)(

2

)

(推奨)

3.4.2 b)(

4

)

(採用してもよい)

注(

2

)  通常の全体性能の事前改造承認が必要である(確認しなければならない)。

(

3

)  3.4.2 a)(採用してもよい)の方法より正確さに欠ける。

(

4

)  3.4.2 a)(推奨する)の方法より正確さに欠ける。

のみ込み容量(FPC)における保証の確認は,完全なサイクルに基づいているため,流量の正確な測定

と絶対的な試験が必要である。部品並びに全体の,絶対的又は相対的な性能については,引き合い仕様書

に明記して受渡当事者間で事前に合意していなければならない。

3.4.1

絶対的な保証  (absolute guarantee)  この規格は二つの形態の絶対的な保証値と確認方法を示す。

a)

交換した部品の絶対的な性能を直接測定する方法  (direct measurement of absolute performance of 

replaced component)

  蒸気タービンのケーシング断熱効率が,比エンタルピーの降下試験により求め

られるような,すべてが過熱域で運転される蒸気タービンの場合には,蒸気タービンの性能が直接測

定できるので,蒸気タービンケーシングの絶対的な効率が,保証のための適切な方法となる。

全プラント性能に交換部品が及ぼす効果は,参考値として計算によって評価する。そして,これは

契約書上で合意して行う。その部品がプラントの熱力学的なサイクルに影響を与えるならば,特別な

注意を払わなければならない。抽気圧力の違い,再熱器の状態の変更,のみ込み容量の変化などがあ

る場合があげられる。

許容できないほど正確さを欠き,交換した部品の効率を,全体的な性能試験の結果から間接的に決

定しなければならない場合(例えば,蒸気タービンが一部湿り域で運転されていて,比エンタルピー

が決定できない場合など)は,全体プラントに対する改善量として保証することを推奨する(3.4.2 

照)

b)

改造後の絶対的な熱消費率  (absolute heat rate after modification)  この場合,改造後の熱的受渡性能


13

B 8105:2004

試験を,JIS B 8102 に従って実施することを推奨する。事前の試験は行わないが,以前の設計情報又

は保証試験を,保証値を決定するための基準として用いる。この保証値は,必要に応じて,試験にお

けるサイクル又は他の要素の性能変化による補正を考えたものである。サイクル全体の中に欠陥が隠

れており,例えば,低圧ケーシング効率を誤って低く推測してしまうような古い条件のプラントは,

十分注意することが必要である。改造前のプラント全体の新しい基準試験は,この点を明確にするこ

とができる。

広範囲に改造を行う場合で,プラントの検査を十分に実施する場合には,この代替方法を採用して

もよい。契約者は,この場合大きな危険を伴うことになり,自分で保証のベースに問題ないというこ

とを確認することが必要である。

3.4.2

性能向上の相対的試験  (relative test of performance improvement)  この規格は,改造に関連する 2

種類の相対保証方法を示す。

a)

同一計器を使用する利点を生かした性能試験をすることの優位性  (improvement test taking advantage 

of the same instrumentation)

  性能向上を実施しようとする使用者にとっての価値は,絶対的なレベル

というよりも実際に達成された改善量に直接的に反映している。このことより性能向上の保証の確認

は,改造前試験及び改造後試験において,一般的に規定に従って取り付けられている同一の計器を用

いて行うことが有利である。これは,m 部品とタービン全体の熱消費率向上の両方に当てはめること

ができる。

改善の保証値は実在するプラントのデータが基本となっている。現在のプラントの公称性能をベー

スにして得られた保証値(例えば,元のヒートバランス線図又は元の性能試験)は,改造前試験の解

析の結果に基づき,必要に応じて修正と確認を行わなければならない。

部品を交換したのに対してプラント全体の試験に用いるためには,プラントの非改造部分は改造前

試験から改造後試験まで,理想的には同じ条件であるべきである。試験を簡単に,遅れることなく行

う場合には,同一の計器を用いることによって不確かさを低減させることができることから,コスト

を低く抑えることができる。しかし,計器の品質は,予想された改善のレベルを明確に表すことがで

きるように,注意して選定することが必要である。

改造前後のプラントの運転条件,例えば熱出力,蒸気加減弁全開,発電機出力などは,サイクルの

修正量を小さくするために,極めて近い条件であることが必要である。例えば,原子力ユニットの低

圧ケーシングの改造の場合を考えると,改造前後の試験の修正量を小さくするために,原子炉の熱出

力,蒸気加減弁の位置を同じにして,発電機の出力の増加を熱効率の改善を測定するために用いる。

b)

改造前後の全体試験からの改善量の決定  (improvement determined from full tests before and after 

modification)

  性能向上の確認に加えて,使用者は改造ユニットの絶対的な性能を要求する場合があ

る。これは改造前と改造後の試験を,JIS B 8102 で実施することによって達成できる。これは最も包

括的な方法で,運転操作員はプラント性能についての詳細なデータを得ることができる利益がある。

しかしながら,欠点の可能性もある。もし,確認のための試験が非常に遅れた場合,測定の正確さが

失われているため,測定器の交換が必要となる場合がある。特に保証事項の変化が小さく,高い精度

が求められた場合には,試験を行う費用と時間なども,試験の制限事項となる場合がある。

4.

基本方針

4.1

試験の事前計画  この規格による改造蒸気タービンの確認試験の受渡当事者は,試験方法,保証の

解釈,測定点と計測装置の員数,場所,配置及び弁と配管構成について,測定精度と同様に,確認試験に


14 
B 8105:2004

要する費用を考慮して,協定しなければならない。

改造蒸気タービンの試験においては,特に古いプラントで経年的に発生している漏れなどについて,十

分に検討して準備する必要がある。

測定方法は,契約で決められた改造部分の性能が確認できるような方法を選択しなければならない。

建設当初の契約によって用意されている計測点以上に,追加計測点が必要になるか検討する。プラント

の改造内容によっては,改造がプラント内の一つの構成機器に限られることもあるので,その構成機器の

性能評価のためには,測定点の追加が必要になることもある。又は改造の契約には起因しないが,改造し

た構成機器の性能に影響するプラントの他の項目の変化に対して,プラント全体の性能の補正が必要とな

ることもある。しかし,交換した機器に直接関係する項目の変化は,補正しないほうがよい。

必要となるかもしれないプラントの変更及び計器のため,可能な限り早く協定しておく必要がある標準

的な項目を,4.2 及び次に示す。計器の校正の必要性については,特別の注意を払わなければならない。

a)

試験計算の基本となる流量計の位置及び周りの配管。

b)

サイクルを出入りする,又は系内の構成機器をう回する流量で,考慮されない流量をなくすために必

要な弁の数及び位置。

c)

重要測定点での正しい測定を行うために必要な温度計用ウエル,圧力計座などの数及び位置。

d)

重要測定点での正しい測定を行うために必要な多重測定の数及び位置。

e)

試験中の問題又は誤差の混入を避けるための漏れ流量の扱い。

f)

必要なら,ポンプ軸漏れ量の測定方法。

g)

過熱度 15  ℃以下の蒸気の比エンタルピー又は湿分を含む蒸気の乾き度の決定方法。蒸気湿り度の推

奨する測定方法は,5.7 に示す。

4.2

事前の協定及び手配  試験前に協定する必要がある事項及び手配する事項には,次のようなものが

ある。

a)

試験前に,受渡当事者は,試験予定,試験目的,測定方法,必要な修正の範囲に対する運転方法,試

験結果の修正及び契約条件との比較方法に関して協定する。

b)

測定値,計器,計器供給者,指示計器の位置,必要試験員数,記録員数などに関して協定する。

c)

蒸気条件及び出力又は蒸気加減弁開度を一定に保つ方法について協定する。

d)

試験中に故障又は破損しやすい計器は,予備を備える。試験中に計器の取換えを行った記録は,記録

表に明記する。

e)

過熱度 15  ℃以下の蒸気の比エンタルピー又は湿分を含む蒸気の乾き度の決定は,受渡当事者間で決

定方法を同意した場合に限る。その協定事項,決定方法及び比エンタルピー又は乾き度を試験結果に

適用する方法は,試験報告書に明記する。

f)

計器の校正は,方法・時期・校正者について協定する。

g)

この規格の試験に必要な計器について,受渡当事者間で文書によって試験前に協定している場合は,

その協定の方法を採用してもよい。この規格に定めた測定方法以外の方法を採用したことを,試験報

告書に明記する。文書による協定がない場合は,この規格による。

h)

必要最少の試験員及び記録員について協定する。

4.3

試験計画

4.3.1

受渡試験時期  確認試験が,改造後の試験だけに限定されるのであれば,初再併入後できるだけ早

期に,できれば 8 週間以内に試験を実施する。もし,性能の確認が改造前後の相対測定によるならば,改

造前の試験は,

改造のための停止前のできるだけ遅い時期に,

できれば 8 週間以内に行うことが望ましい。


15

B 8105:2004

改造後の性能試験は,改造後の初併入後できるだけ早く試験を行うことが望ましい。補正量を小さく抑え

るために,改造前後の試験の運転条件の変動は,できるだけ小さく保つことが重要である(

表 参照)。

正確性と整合性が,試験時期よりも重要となる場合もある。

例えば,排気圧力の変化に敏感な原子力プラントの場合,季節によって冷却水の条件が変動するので,

排気圧力の偏差を小さく保つことが,改造前後の試験時期の期間を短くするよりも,試験結果の正確性が

向上する場合もある。

4.3.2

受渡試験管理  受渡当事者は,あらかじめ試験指揮者を決定する。この試験指揮者は一人が望まし

い。試験指揮者は,試験の正しい実施及び評価に責任があり,測定の精度,試験の条件又は運転方法につ

いて問題が生じた場合は,これを仲裁する。試験指揮者は,すべての必要事項に関する情報を得る権利及

び義務がある。購入者及びタービン製造業者の委任を受けた代表者は,試験がこの規格及び試験前の協定

に従って,試験が実施されていることを確認するために,試験中常に立ち会う。

試験指揮責任がない契約の一方の当事者は,試験前に,十分な時間,情報を得る機会が与えられる。

4.3.3

試験費用  試験費用及び再試験費用の負担者の決定は,受渡当事者間の協定による。

4.4

試験準備

4.4.1

プラントの状態  試験開始前に,蒸気タービン及び被駆動機,もし,契約範囲以内なら,復水器及

び/又は給水加熱器も一緒に,適切な状態を満足しておかなければならない。また,復水器・給水加熱器・

配管・バルブの漏れがないことを確認する。

試験前に,タービン製造業者にはプラントの状態を確認する機会が与えられる。必要なら,測定の機会

を与えてもよい。このときに見つけられた欠陥は,調整しなければならない。

この規格は,特に蒸気タービン・発電機の性能試験について扱うが,蒸気タービン・発電機契約の一部

として供給されている他のすべての機器は,タービン・発電機の試験中に,正常な作動状態にあり,通常

の営業運転状態としておく。性能保証が契約された後で,契約の追加で,それらの補機が発注された場合,

又は試験中に機器を運転しない特別な測定が,

受渡当事者間で協定されている場合は,

この限りではなく,

試験報告書に詳細に記載する。このたぐいの例は,蒸気タービン・発電機の契約の一部として契約される

起動時の温度調節用に蒸気タービンの一部,

又は全部をう回するよう設計された配管・バルブなどがある。

4.4.2

蒸気タービンの状態  蒸気タービンの状態は,経年変化(7.10 参照),部分的損傷及び付着物によ

って変化する。蒸気タービンの状態は,一般にそのケーシングの開放による蒸気通路部の内部検査,又は

次に示す参考測定(comparison measurements)によって分かる。

部分損傷又は付着物がないことは,試験前に確認しなければならない(4.4.1 参照)

参考  蒸気タービンが試験を実施するに適切な状態にあることを確認したり,又は受渡試験結果の検

討に役立つことがあるので,参考測定を受渡試験前に実施するのがよい。

参考測定については,蒸気タービンの状態を決める変数だけが考慮される。参考のために,

内部効率,抽気の圧力・温度,グランド漏れ蒸気量,復水器冷却管清浄度,給水加熱器終端温

度及び適切な運転状態での蒸気タービン車軸の振動レベルも測定するのがよい。

最初の運転直後に蒸気タービンの状態を確認することが望ましいことから,必要なら部分負

荷で,初通気後速やかに参考測定を行う。そして,次のような時期に確認測定を実施するのが

よい。

      ―  受渡試験前又は予備試験前

      ―  翼付着物除去後

      ―  試験前及び/又は検査後


16 
B 8105:2004

確認測定結果と参考測定とが合致せず,その原因が翼付着物によるものであることが明らか

になった場合は,受渡当事者間で,蒸気タービンの洗浄を実施するか決める。翼付着物除去後

の確認測定が,参考測定と十分に合致したものであれば,受渡試験を実施してもよい。参考測

定と確認測定とが合わない場合は,受渡当事者間で,欠陥の除去又は受渡試験を実施するか決

める。

参考測定で,大きな又は不可解なずれが明らかになったときは,欠陥の発見のために,蒸気

タービンのケーシングを開放することを考慮する。

参考測定が,保証による期待値と相違する場合は,受渡当事者間で修正を行うために修正測

定について協定してもよい。

4.4.3

復水器の状態  保証に復水器性能を含み,冷却水量・温度に基づく場合,復水器は清浄で,漏れ空

気がないように系統を検査する。これらの事項は,受渡当事者間で協定する。

復水器の状態は,水室を開放するか,又は冷却管清浄度若しくは終端温度差を測定することによって,

確認する。付着物がある場合は,タービン製造業者の要求によって,試験前に,購入者が洗浄する。又は

受渡当事者間で,適切な修正をすることを協定してもよい。

4.4.4

系統からの遮断  試験結果の精度は,系統遮断の適切さに大きく影響される。系統から遮断する必

要がある系外の流量,系統構成機器又は流量計を不明確にう回する内部流量は,測定の必要性をなるべく

なくすために排除する。試験中にこれらの流れを遮断することに何らかの疑いがあるときは,試験前に,

これらの測定の準備をしておく。特に古いプラントでは,弁の状態が一般に悪いため,試験前の適切な時

期に,その漏れについての影響を評価しておくのが望ましい。主要系統のバイバス系統,起動時のバイパ

ス系統,加熱器のドレン系統,主蒸気のドレンなどや,補助蒸気の系内又は系外への流出入については,

特に注意するのが望ましい。

使用しない接続管は,すべて遮断する。できないときは,出口で定期的に観測できるように,接続管を

適切な位置で開放する。遮断される流れ及び機器並びにこれを達成する方法は,改造後のタービン初再通

気前までに協定する。系統遮断の状況は,試験報告書に記載する。復水器ホットウェル,脱気器・給水加

熱器,ボイラドラム,湿分分離器,再熱器,系内その他の貯蔵箇所の保有水を考慮する(5.3.6.9 参照)

保証条件の系統を変化させるような,遮断の問題が改造前試験に未解決である場合は,確認試験時に同

じ遮断条件を適用することを確認することによって,受渡当事者間で協定して試験を進めてもよい。保証

条件からの系統の変更の影響を考慮すると,性能評価結果に追加の補正が必要となる場合は,可能なら,

改造後試験の前に,その補正方法について明確にし,受渡当事者間で協定しておくのが望ましい。

a)

機器及び流れの遮断  できるだけタービン主給水系統から遮断する必要がある機器及び系外流れは,

次による。

1)

大容量貯水タンク

2)

蒸発器,蒸発器復水器及び蒸発器予熱器のような附属機器。

3)

安全運転ができるなら起動用バイパス系統及び補助蒸気系統。

4)

タービンスプレー

5)

主蒸気止め弁・インターセプト弁・蒸気加減弁などのドレン系統。

6)

他機器との接続系統

7)

脱塩装置

備考  脱塩装置の遮断は,系統から機器を外すことではない。しかし,他機器との接続はすべて

遮断する必要があり,主要流量測定に影響する再循環系統のような機器は,遮断するかそ


17

B 8105:2004

の流量を測定することを意味する。一般には,試験に影響しないように,試験中は再生運

転はしないなどの方法をとる。

8)

復水に使用する薬注装置

9)

ボイラベント

10)

蒸気駆動スートブロワ

11)

給水加熱器をう回する復水及び給水

12)

給水加熱器ドレンバイパス

13)

給水加熱器胴ドレン

14)

給水加熱器水室ベント

15)

起動用空気抽出器

16)

復水器水室空気抜き系統

17)

所内加熱用蒸気又は水

18)

蒸気発生器ブローダウン

19)

その他の保証熱サイクル構成に沿わない系統

b)

遮断されない場合に決定する必要がある流れ  タービンを通る流れに誤差を生じる原因となる系を出

入りする次の流れは,系統から遮断できないときは,測定又は評価する。

1)

ボイラのぞき窓用冷却水系統及びスラッグタップ式ボイラ火炉冷却水系統。

2)

次の密封及びグランド冷却水(供給及び回収とも)系統。

2.1)

復水ポンプ及び復水ブースタポンプ

2.2)

ボイラ給水ポンプ

2.3)

ボイラ水又は原子炉循環ポンプ

2.4)

自己シールしない給水加熱器ドレンポンプ

2.5)

タービン駆動給水ポンプ用タービン

2.6)

原子炉制御棒シール

3)

過熱低減水

4)

ボイラ給水ポンプミニマムフロー系統及びバランスドラム水

5)

燃料油噴霧用及び加熱用蒸気

6)

ボイラブローダウン

7)

ボイラ満水系統

8)

タービン軸封水用水

9)

タービン冷却蒸気用過熱低減水

10)

タービングランド蒸気系統の緊急用ブローダウン弁

11)

タービン軸封水のオーバーフロー

12)

タービン洗浄用蒸気―水系統

13)

グランド漏れ蒸気以外の蒸気シール調節弁への蒸気。

14)

必要なら,補給水

15)

低負荷での高圧段から抽気をする場合のような,低圧運転脱気器用蒸気

16)

できるだけ,給水加熱器ベントは閉鎖する。できなければ最少に絞る。

17)

脱気器オーバーフロー系統

18)

水封真空破壊装置のような封水フランジヘ漏れる水。


18 
B 8105:2004

19)

系統外へ出るポンプシール漏れ

20)

産業用に使用される自動抽気蒸気

21)

空気予熱用蒸気(遮断できないとき)

22)

水―蒸気サンプリング装置。遮断できないとき,又は抽出流量が重要な場合は,測定する。

23)

脱気器ベント

24)

原子炉炉心スプレー

25)

湿分分離器又は再熱器循環ドレン冷却用に使用されるサブクール水。

26)

湿り蒸気タービンケーシングからの連続的なドレンと接続系統(契約外のとき)

上記項目のうち,次のものは一般に計算値を使用する。

―  タービン駆動給水ポンプ用タービンシール蒸気

―  ボイラ給水ポンプ

―  タービングランド蒸気系統の緊急用ブローダウン弁。

―  グランド漏れ蒸気以外の蒸気シール調節弁への蒸気。

―  給水加熱器ベント

―  水封真空破壊装置のような封水フランジへ漏れる水。

―  脱気器ベント

―  湿り蒸気タービンケーシングからの連続的なドレンと接続系統(契約外のとき)

また,次のものは一般に影響が小さく,無視してもよい。

―  自己シールしない給水加熱器ドレンポンプ

―  給水加熱器ベント

―  水封真空破壊装置のような封水フランジへ漏れる水。

c)

タービン給水系から装置を遮断する方法及び装置  種々の装置と系外への流れを,タービン主給水系

から遮断する方法及び遮断を確認する方法には,次のようなものがある。

1)

二重弁

2)

閉止フランジ

3)

二つのフランジ間の栓

4)

目視検査用スプール片の移動

5)

安全弁のような大気に吹き出す蒸気の目視検査。

6)

漏れが確認(受渡当事者立会試験)され,試験前又は試験中に操作しない閉鎖弁。

7)

温度指示(ある条件で許容―協定が必要)

8)

系統から遮断されるタンクの正確な水位の測定。

9)

非常に重要な遮断弁(例えば,高圧及び低圧バイパス弁)は,検査する。必要に応じて,試験前に

シールする。

4.4.5

復水器及び給水加熱器の漏れの確認  復水器及び給水加熱器の漏れの有無を確認する。

また,重要な漏れは,取り除く手順を踏む(JIS B 8102 

附属書 参照)。

疑いがある場合は,確認を繰り返す。

4.4.6

蒸気ストレーナ洗浄  必要に応じて,試験前に蒸気ストレーナを洗浄する。

4.4.7

試験用計器の検査  計器の状態及び適合性について,試験前にすべての計器を調べる。さらに,計

器,設置位置及び設置状態が試験目的に対して適切かどうかを確認する。すべての計器の検査結果は,試

験報告書に記録する。


19

B 8105:2004

4.5

試験設定

4.5.1

負荷設定  試験は,電気出力又は蒸気加減弁開度に基づいて実施する。

電気出力に基づく場合,改造前後の試験は同一電気出力で行う。この場合,プラント効率の向上量は,

熱効率,熱消費率,蒸気消費率又は主蒸気流量変化として示される。加減弁開度に基づく場合は加減弁全

開の条件,また,ノズル締切調速タービンの場合は,前後の試験で同じ蒸気加減弁開度で行うのが望まし

い。また,互いに合意しているならば,他に規定した条件で試験を実施してもよい。

原子力プラントで,改造前後の試験は,同一の熱出力で行ってもよい。この場合,プラント効率の改善

量は,電気出力の変化として示される。

4.5.2

特殊な設定  試験目的のために,タービンに営業及び連続運転に不適切な特別な調整をしてはなら

ない。例外は,復水器真空調整のための流入空気量の調整,負荷制限装置の使用,ドレン又は弁閉鎖によ

って蒸気若しくは水の系外への流出,

又はう回流れを防ぐ系統遮断と同様なその他の試験制御だけである。

これらは,保証項目と一致し,運転の安全性と技術に合うようにする。

試験結果に影響する流出・流入流量の測定のための調整及び試験前のタービン軸シールは,通常の運転

状態に合わせる。

4.6

予備試験  次の目的のために予備試験を行ってもよい。

a)

タービンが受渡試験の実施に適切な状態にあることの確認。

b)

計器類の点検

c)

試験手順の習熟

予備試験終了後,受渡当事者間の協定によって,その試験を正式な受渡試験としてもよい。

予備試験が不完全な場合,その原因を調査し,必要がある場合,点検して,タービンが受渡試験に適切

な状態にあることを確かめる機会を製造業者に与える。

4.7

受渡試験

4.7.1

試験状態の安定性  試験状態の安定性について,温度及び流量の安定化を図ることを優先して行う。

安定化に要する時間はタービン容量及び負荷変化量によって異なるため,タービンの運転状態を安定させ

るのに必要な時間は,受渡当事者間で協定する。

その変動が試験結果に影響するいかなる条件も,試験前にできるだけ一定になるようにし,試験中,4.7.2

に示す許容変動内に維持しなければならない。蒸気加減弁の絞りを一定に維持するために,負荷制限装置

によって,蒸気加減弁の位置を出力増加方向に制限を加える。系統周波数の通常の変化に応答しないこと

を確実にするために,調速機は,定格回転速度よりもやや高い回転速度に調整する。

4.7.2

試験状態の最大偏差及び変動  受渡当事者間で特に協定がない限り,どの一試験中にでも,それぞ

れの測定値の平均値が,規定の試験条件の値から偏る最大許容偏差,及び試験中のそれぞれの測定値の最

大許容変動は,

表 に示す許容範囲内になければならない。

これらの条件を逸脱した場合,運転状態値の偏差の影響に関して特別の協定がなければ,測定は単に参

考として扱う。


20 
B 8105:2004

  4  試験状態の最大許容偏差及び許容変動値

変数

A

一試験中におけるその平均
値の規定値からの最大許容

偏差

B

一試験中におけるその
平均値からの最大許容

変動

C

一改造後試験中における
その平均値の改造前試験

からの最大許容偏差

主蒸気圧力

主蒸気温度 
乾き度 
抽気圧力(制御)

排気圧力

給水加熱用 
背圧タービン用

復水タービン用(

備考 5.

照)

抽気流量

再熱蒸気温度 
断熱熱落差 
出力又は主蒸気流量

(所定条件に修正後) 
最終給水温度 
回転速度

力率 
 
電圧

冷却水流量(

備考 6.参照)

冷却水入口温度(

備考 6.参照)

絶対圧力の±5  %

±8  ℃ 
±0.005 
絶対圧力の±5  % 
 
備考 3.参照 
絶対圧力の±5  %

絶対圧力の±10  %(

備考 7.

参照) 
±10  %

±8  ℃ 
±7  %(

備考 1.参照)

±5  % 
 
±10  ℃ 
±2  %(

備考 2.参照)

1.00 から定格値の下 0.05 ま
で 
±5  %

±10  % 
±5  ℃

絶対圧力の±2  %

±6  ℃ 
― 
絶対圧力の±2  % 
 
― 
絶対圧力の±2  %

絶対圧力の±5  % 
 

±6  ℃ 
― 
±3  % 
 
±5  ℃ 
±1  %

±0.05 
 
±2  %

― 
±1  ℃

絶対圧力の±2.5  %

±6  ℃ 
±0.002 5 
絶対圧力の±2.5  % 
 
備考 3.参照 
絶対圧力の±2.5  %

絶対圧力の±5  %又は, 
0.3 kPa(備考 7.参照) 

±6  ℃ 
±3.5  % 
±2.5  % 
 
±5  ℃ 
±2  %

±0.05 
 
±2.5  %

±5  % 
±5  ℃

備考1.  熱落差が±7  %以上の偏差にならない条件は,次による。

主蒸気圧力                絶対圧力の±5  % 
主蒸気温度                ±15  ℃

抽気圧力(制御)          絶対圧力の±5  % 
背圧タービン用排気圧力    絶対圧力の±5  %

2.

タービンが技術的に保証される場合。

3.

設計値と比較して抽気圧力の偏差が小さい場合は,全体の性能への影響が通常無視される。給水加熱器の不
具合によると考えられる抽気蒸気流量の不釣合な大きい偏差がある場合,全体の性能への影響は非常に問題
となる。

その場合,対処方法については受渡当事者間の協定による。

4.

改造前後の運転状態の偏差は,

表 の C 欄に示す最大許容偏差内にすることが望ましいが,プラントの分解

点検の結果として,改造後の運転状態の変化が予想される場合には,A 欄を適用し,その場合の補正方法に

ついては,受渡当事者間の協定による。

5.

保証に復水器が含まれない場合。

6.

保証に復水器が含まれる場合。

7.

試験時の排気圧力が最大許容限界を超えた場合の排気圧力の補正方法については,受渡当事者間の協定によ
る。

4.7.3

試験の継続時間及び読みの周期  必要試験時間は,運転条件の安定性及び試験測定値の記録速度に

よる。系統保有水を正確に測定できる水位変化が,必要試験時間の制限要因となる。

受渡試験の試験継続時間は,1 時間以上とする(6.1 参照)

。協定又は技術的必要性によっては,短縮し

てもよいが,30 分未満にしてはならない。容量試験時間は,受渡当事者間の協定による。ただし,15 分未

満にしてはならない。

指示測定装置で記録される関連試験測定値は,

できるだけ同時に読み取る。

測定値は一定ではないので,


21

B 8105:2004

一定間隔で読み取るときの誤差が避けられない。

これらの誤差が全体の測定誤差に極力影響しないように,

読取り間隔を十分短くする。質量流量測定のための差圧及び電気出力の読取りに際しては,このことが特

に重要である。1 時間の試験では,1 分間隔の読取りが

表 の許容最大偏差の要求値を十分に満たさなけれ

ばならない。測定した値をそのまま使用できない比エンタルピーなどの測定値を決めるための圧力・温度

は,もっと長い間隔で読み取ってもよい。例えば,変動の大きさ及び変動の挙動によって,3 分から 5 分

である。

もっと長い読取り間隔が必要な場合は,それに応じて,試験時間を長くしなければならない。

読取り時刻は,主時計からの信号を通じて試験員に指示される。代わりに,それぞれの試験前に互いに

同調させた試験員の時計を使用してもよい。

4.7.4

積算計器の読取り  電気出力及び流量の平均値は,試験の最初と最後とでの読取り値の差を,相当

する時間間隔で除して決める。すべての積算計器及び関連する指示計器は,同時又はほとんど同時に読み

取る。すべての積算計器は,試験中,定期的間隔で同時に読み取るのが望ましい。これによって一貫性の

照合ができ,試験終了後,必要であれば評価時間を調整できる。

なお,測定値は,受渡当事者間の協定によって,データロギングシステムを使用して得られた値を用い

てもよい(5.1.1 参照)

4.7.5

試験方法  この規定では,試験方法の詳細に関する複数の方法が規定されているが,どの方法を選

択するかについては当事者間で事前に協定するか,又は試験報告書に記載する。

4.7.6

試験記録  各測定者は実測値を記録し,試験終了後に受渡当事者の双方で,完全に同一のこの記録

を保管する。

4.7.7

追加測定  比較的短時間で修正される欠陥が,試験中に発見された場合,試験は続行してよい。こ

の場合,十分に精度よく修正が計算できる(例えば,復水器終端温度差の小さい変動,給水加熱器カット

運転又は計器の不良)ように,必要なら,補助測定をしなければならない。試験負荷で閉鎖する必要があ

る調節弁が負荷変動によって開く場合,又は試験期間中に,試験条件が許容できない大きい変位が生じた

場合,

残りの期間が 4.7.3 の要求を満たせば,

この試験期間は,

受渡当事者間の合意によって除いてもよい。

さもなければ,試験を繰り返す。

不一致の原因を見つける方法として,1 か 所又はそれ以上の段落圧力・温度を試験中に測定するのが望

ましい。

4.7.8

仮計算  採取された測定値の妥当性を確認するために,修正及び試験結果の仮計算を試験後,直ち

に実施する。

4.7.9

試験の一貫性  試験中又は一連の試験結果の計算中に,著しい不一致が生じた場合は受渡当事者間

で合意がない限り,その試験又は一連の試験の全部又は一部を廃棄する。

4.8

受渡試験の繰返し  受渡試験が不満足の場合,自己負担による改造又は試験の繰返しの機会がター

ビン製造業者に与えられる。試験結果に関して疑問がある場合は,契約の一方の当事者から,試験の繰返

しを要求してもよい。

タービン製造業者が自己の責任によって,受渡試験終了後に,性能低下をもたらす可能性がある改造を

行った場合には,受渡当事者間の合意によって受渡試験を繰り返してもよい。


22 
B 8105:2004

5.

測定技術及び測定計器

5.1

一般  受渡試験では,タービン発電機端出力(又はタービン軸端出力),給水系統の復水流量(又は

給水流量)

,タービン入口蒸気の圧力及び温度,再熱器前後の圧力及び温度,タービン排気圧力,復水器出

口の復水温度,

最終給水加熱器出口の給水温度などの主要な項目を,

特に高い精度で測定する必要がある。

また,電気出力,流量測定の差圧,蒸気温度,排気圧力などについては,可能な限り,多重測定を行う

ことが望ましい。多重測定は測定精度の向上のほか,計器故障の検出,対応をするのに有効である。

5.1.1

測定計器  測定計器は,次による。

a)

受渡試験には,次のいずれかの条件を満たした計器を使用する。

また,使用に際しては,受渡当事者間の合意が必要である。

1)

公的機関によって検定した計器

2)

公的機関によって校正した計器

3)

公的機関で校正した計器を用いて比較校正した計器

4)

流量計のように 1),2)又は 3)によることができない計器については,精度が判明している計器

b)

表 に受渡試験に使用することができる計器の形式及び精度を示す。これ以外の計器を使用する場合

には,受渡当事者間で合意する必要がある。

JIS B 8102

図 3,図 及び図 に代表的な計器の配置を示す。

c)

計器及び変換器は,データロギングシステム上に記録する装置を備えていてもよい。測定値を自動補

正するロギングシステムを使用してもよい。ロギングシステムの信頼性及び正確性はあらかじめ調査

しておかなければならない。

5.1.2

測定の不確かさ  測定の不確かさは,次による。

a)

計算に使用する測定量の誤差の程度によって,試験結果は影響を受ける。

また,試験結果は,すべての測定の誤差の影響によって,不確かさの程度が異なる。計器及び測定

方法による不確かさは,あらかじめ適切な方法で,検証をしておかなければならない。

b)

個々の測定の不確かさの程度は,読取り精度が試験結果にどの程度影響を及ぼすかを考慮して決定し

なければならない。

表 には,個々の測定対象に対して,標準的な測定の不確かさを示してある。


23

B 8105:2004

  5  受渡試験で使用してよい計器及び平均不確かさ

番号

測定対象

測定計器

精度級

測定範囲

平均不確かさ

備考

1

重すい形圧力計

p>0.2 MPa

±0.3  %

2

校正済圧力伝送器

全圧力領域

±(0.3∼0.5)  %

3

校正済ブルドン管式圧力計 0.3

p>0.2 MPa

±(0.3∼0.6)  %

4

一般校正済ブルドン管式圧力計 0.6

p>0.2 MPa

±1  %

5

水銀マノメータ

p<0.2 MPa

±1 mm

6

圧力

液体マノメータ

p<0.2 MPa

±1 mm

7

液体マノメータ

h

100 mm

±1 mm

液柱の脚長
に対し

8

差圧

校正済差圧伝送器

全差圧領域

±(0.3∼0.5)  %

9

t≦300  ℃

±1  ℃

校正済熱電対

t>300  ℃

±0.5  %

10 0<t≦100  ℃ ±0.2  ℃

校正済抵抗温度計

t>100  ℃

±0.5  %

11

温度

校正済水銀棒状温度計(0.1  ℃) 0.10

t<100  ℃

±0.1  ℃

12

標準差圧装置

±(0.75∼1.5)  %*

JIS Z 8762

13

主要流量

校正済差圧装置

14

冷却水量  ベーン形流量形

D>1 000

15

二電力計法(電力量計又は電力計)

±(0.1∼0.3)  %

  校正済計器変成器 0.3

  試験負荷で校正した計器 0.2

16

三電力計法(電力量計又は電力計)

±(0.1∼0.3)  %

  校正済計器変成器 0.3

電気出力

  試験負荷で校正した計器 0.2

17

電流

電流計 0.2

18

電圧

電圧計 0.2

19

機械出力  動力計又はポンプのエネルギーバラン

ス法

約±2  %

20

固定式回転計

校正範囲

±1.0  %

21

手動式回転計

校正範囲

±0.5  %

22

速度

電気式回転計

校正範囲

±0.1  %

23

大気圧

精密級水銀柱気圧計

±0.2 hPa

注*

主要流量の測定の精度は,

表 に示す試験結果に対する測定の不確かさの目安のなかで,大きな割合を占めて

いる。したがって,差圧装置はこの点を十分に考慮して選択しなければならない。

備考  圧力  MPa,hPa は絶対圧力を示す。

  特に,遠隔測定及び自動測定システムに対しては注意が必要である。

5.1.3

計器の校正  校正を必要とする計器は,試験前に校正しなければならない。

受渡当事者間で合意した場合には,試験後に再校正を実施しなければならない。

5.1.4

代替測定方法  受渡当事者間で合意した場合には,この規格の要求と同等の精度をもつ電子装置,

質量流量測定技術などの最新測定システムを,代わりに採用してもよい。

5.1.5

測定に用いる水銀  測定に用いる水銀及びその合金は,環境及び人体に悪影響を及ぼすので,次の

項目を厳重に守って取り扱わなければならない。

a)

試験中以外は計器弁を閉止しておく。


24 
B 8105:2004

b)

システムが故障した場合に自動閉止させるために,圧力検出管に急閉する電磁弁を設置する。

c)

二重の水銀用トラップを設置する。

5.1.6

改造前後の試験の一貫性  保証が,相対値であり改造前後の試験が遅延なく行われる場合,それぞ

れの試験の再現性が,測定精度よりも重要である。その場合,測定計器やデータ収録システムに,再現性

を要求するので,系統誤差はほとんど排除できる。したがって,相対誤差を減少させるために,できるだ

け多くの元の計器を残しておくことが必要である。これは特に,主要流量の測定機器に適用する。それは,

試験前又は試験後か両方の校正が行われるときまでに,互いに協定する。相対保証の場合,主要流量の測

定計器の校正は行わなくてもよい。

また,計器が故障したときも,試験の一貫性を維持できるように,主要な計器は十分に多重化しておく

のがよい。多重化した計器の故障の影響は,改造前の試験データのばらつきを基に,加重平均を計算する

ことによって検討する。一方,故障した計器を交換して,新しいものを設置する場合は,偏り誤差の増加

による試験の不確かさの評価をよく考慮しなければならない。

5.2

出力測定

5.2.1

タービンの機械的出力の決定  蒸気タービンの機械的出力は,次のいずれかの方法で決定すること

ができる。

a)

発電機端子における電気出力を測定して,発電機損失を加える(5.2.4 参照)

b)

トルク及び回転速度の測定による。

適切な精度をもつ吸収式又はねじり動力計を使用してもよい(

5

)。

もし,制御油ポンプ,潤滑油ポンプなどのタービン補機が,外部動力で駆動される場合には,ター

ビン軸継手出力から,これらの補機動力を差し引いて,タービン軸端の正味出力を求める。

注(

5

)  動力計の測定上の注意などは,JIS B 8102 の附属書 も 参照のこと。

5.2.2

ボイラ給水ポンプ動力の測定  ボイラ給水ポンプ動力の測定は,次による。

a)

ボイラ給水ポンプが,主タービン車軸で駆動される場合,又は主タービンの製造業者が供給する,主

タービンからの抽気によるタービンによって駆動される場合には,給水ポンプの消費動力,軸受,流

体継手,変速機などの機械損失を測定しなければならない(JIS B 8102 

附属書 参照)。

b)

ポンプの消費動力は,動力計によって測定する方法もあるが,ボイラ給水流量とその比エンタルピー

上昇の積によって決定するのがよい。給水流量を決定する場合には,軸封水量及び注水量も考慮しな

ければならない。

ポンプによる温度上昇は小さいので,温度測定には高い精度が必要となる(例えば,直列に接続し

た多重熱電対,又はブリッジ接続の抵抗温度計などを用いる。

c)

ポンプの消費動力は,ポンプ製造業者が提示するポンプ効率及び流量,圧力上昇の測定値を用いて決

定してもよい。この場合,ポンプ効率は全負荷範囲にわたって,試験で確認しておかなければならな

い。

d) 2

台以上のポンプを運転している場合,水量,損失を個々独立に測定する必要はない。

e)

軸受,流体継手,変速機などの機械損失は,油冷却器冷却水に放出する熱量に相当するから,冷却水

流量とその比エンタルピー上昇の積として求めることができる。

放射熱による損失は無視してもよい。

f)

電動機でポンプを駆動する場合,

消費動力は,

製造業者が提示する効率から求めることができる動力,

及び軸受,流体継手,変速機などの損失の測定値から決定できる。

g)

ポンプ駆動用のタービンが,主タービンの供給者の責任範囲外の場合には,抽気の蒸気条件と流量を

測定すればよい。必要に応じて,受渡当事者間で協議を行う。


25

B 8105:2004

5.2.3

発電機の電気出力の決定  発電機の電気出力の決定は,次による。

a)

発電機の正味出力は,次の式で定義する。

g

b

a

P

P

P

=

b)

発電機の補機を電動機で駆動する場合,動力

a

は補機の電動機へ供給する動力である。これは,消費

動力が,出力

b

を測定する位置の下流側で発電機端子から,又は,別個の電源から取る場合にも適用

することができる。

c)

発電機の補機を他の方法で駆動する場合には,動力

a

は補機軸継手への入力である。

d)

励磁電力が,出力

b

を測定する位置より下流の発電機端子からか,又は他の動力源から取る場合には,

a

に励磁装置への入力電力も含める。ただし,受渡当事者の協議によって決定する。

e)

タービン発電機,復水及び給水加熱設備が,ユニットとして保証範囲内にある場合には,それらの補

機用動力は,契約上の定義に従って取り扱う。

5.2.4

電気出力の測定

a)

中性点接地式又は 4 線式の三相発電機の場合,電気出力は積算電力量計法又は三電力計法によって測

定する(

図 参照)。

中性点を抵抗,リアクタンス又は抵抗付トランスで接地している三相発電機の場合,電気出力は二

相電力計方式で測定してもよいが,三相電力計方式によって測定するのが望ましい(

図 参照)。

b)

精度を高めるために,計器用変圧器及び計器用変流器を含めて,電気出力を多重に測定するのが望ま

しい。多重測定は測定精度の向上のほか,計器故障の検出,対応をするのに有効である。


26 
B 8105:2004

V: 電圧計

A: 電流計

W: 電力計

 Wh: 積算電力量計 
 CT: 計器用変流器 
 VT: 計器用変圧器

図 5  三電力計使用による三相電力測定結線図


27

B 8105:2004

図 6  二電力計使用による三相電力測定結線図

5.2.5

電気計器の接続

a)

計器用変成器は,できる限り発電機端子に近く,かつ,電力が発電機系統から入出力する外部端子の

発電機側に接続しなければならない。

計器へのリード線は,計器から 1 m 以上にわたって,コンダクタの各組への結線を編むことによっ

て,インダクタンスなどで計器の読みに影響しないように配線をする。

b)

計器用変成器の校正は,試験時と同一の計器で,かつ,同じインピーダンスで行うことが望ましい。

c)

電圧回路の配線は,保証の電力測定に重大な誤差を生じないように,配線の太さ,回路の配線の長さ,

計器用変圧器,安全ヒューズの抵抗などの影響を考慮に入れて決定しなければならない。

5.2.6

電気計器

a)

電気出力を測定するために,読取精度 0.2  %以下の,単相若しくは多相精密級積算電力量計,又は同

様の精密級電力計と,適切な計器用変圧器及び計器用変流器とを組み合わせて用いなければならない。

b)

試験中,発電機出力が定格条件に一致しているか否かを確認するために,電流計,電圧計及び電力計

を設けておくとよい。

c)

積算電力量計の記録時間は,測定精度が 0.03  %より悪化しないように決定する。積算電力量計の読取

りは,試験期間中一定の間隔(10∼30 分程度の間隔)で行う。

備考  測定間隔は,試験全体の測定時間と関連することから,受渡当事者間で事前に調整することが

望ましい。

5.2.7

計器用変成器  計器用変成器は,次による。

a)

試験を目的とした適切な定格,精度特性をもつ計器用変流器及び変圧器を用いなければならない。

試験用計器及びリード線に相当する負荷条件に対し,比の値及び位相角の修正は,電流,電圧の試

V: 電圧計

A: 電流計

  W: 電力計 
 Wh: 積算電力量計 
 CT: 計器用変流器 
 VT: 計器用変圧器


28 
B 8105:2004

験値の範囲を網羅するために認められた校正方法によって行う。計器用変成器は,一般に試験用計器

とリード線以外のバードン(負荷)を接続してはならない。

b)

精度は±0.3  %とすることが望ましい(JIS C 1736 参照)

c)

計器用変流器及び変圧器を校正する場合には,計器,接続線なども含めて,一組として校正すること

が望ましい。

5.2.8

改造前後の電気出力の測定  受渡当事者間の協定によって,相対確認試験の要求する正確性が満足

できるなら,常設の電力量計を使用してもよい。その場合,この常設計器の指示は十分な分解能をもって

いなければならず,また,計器の全系統は再現性を実証しなければならない。

ディジタル電力量計を使用するときは,改造前後の試験の回線負荷が同じであるならば,計器用変流器

と変圧器のバードン(負荷)の補正は必要ない。特に,高インピーダンスの電力量計が,専用のテスト用

変成器に接続され,適切な負荷が回線に加えられている場合は,回線負荷について十分に検討しなければ

ならない。

5.3

流量測定

5.3.1

測定する必要がある流量の選定  改造の確認試験で測定する必要がある流量の選定は,次による。

a)

受渡試験で,測定しなければならない流量は,次の二組に分類することができる。

1)

主要流量:保証値に直接影響する流量であり,高精度で測定しなければならない。流量計は,試験

前にその妥当性を確認し,必要であれば,改良又は修正した計器を取り付ける。古いプラントの場

合では,2 か所又はそれ以上の異なった点での測定によって,主要流量測定の誤差を調べることが

できるが,これらが一致しない場合は,元々の主要流量測定値を優先する。

2)

副次流量:プラントの運転・監視のために必要であり,かつ,主要流量の測定値からタービン入口

蒸気流量及び再熱蒸気流量を決定するため,主要流量の測定値の計算に必要な流量。副次流量は,

その影響が重大で,測定が実用的に可能な場合には測定しなければならない。一方,その流量は,

ヒートバランスによって,又は設計値から計算してもよい。

b)

タービン入口流量を決定するには,一般に復水系又はボイラ給水系における水量を測定しなければな

らない。ただし,1 機 1 缶のユニットシステムでない場合,ボイラから他へ多量の蒸気を送気してい

る場合などは,タービンの入口の近くで蒸気流量を測定してもよい。

5.3.2

主要流量の測定  主要流量の測定は,次の方法による。

a)

標準の,又は校正したノズル,オリフィス若しくはベンチュリ管による。

b)

タンクによる直接質量測定による。

c)

校正した容積タンクによる。

一般には,ノズル又はオリフィスによる差圧測定装置(絞り機構)を用いる。

d)

古いプラントのために流量計が撤去されたり,不正確なために,十分に正確な主要流量,副次流量が,

測定できない場合がある。そのような場合にはトレーサ法が,実用的な代替法となる(

附属書 参照)

5.3.2.1

主要流量を測定する絞り機構  主要流量を測定する絞り機構は,次による。

a)

流量測定に,標準の,又は校正済の絞り機構を用いてもよい。

b)

絞り機構は,次の中から選ぶことができる。

1)

オリフィス(JIS Z 8762 参照)

2)

ノズル(JIS Z 8762 参照)

3)

長円スロートタップノズル(JIS B 8102 

附属書 参照)

4)

ベンチュリ管(JIS Z 8762 参照)


29

B 8105:2004

c)

絞り機構の直径比は,測定に及ぼす不確かさを考慮して決定しなければならない。オリフィス又はノ

ズルを通過する水の圧力は,測定した温度の飽和圧力より 250 kPa 以上高いか,又は水温が測定した

絶対圧力の飽和温度より 15  ℃以上低くなければならない。

5.3.2.2

主要流量を測定する絞り機構の校正  主要流量を測定する絞り機構の校正は,次による。

a)

絞り機構を校正する場合,レイノルズ数を受渡試験と同じ領域条件で実施することが望ましい。しか

し,

実際の実験設備で,

大容量タービンの条件に合うレイノルズ数領域で校正することは困難なので,

測定の不確かさを決定する場合に,流出係数の外挿値と測定値の間に生じる差を考慮しなければなら

ない。

b)

校正は,

上流及び下流の配管部分を受渡試験と一致させるだけでなく,

整流装置を用いている場合は,

それも含めて行わなければならない。

5.3.2.3

絞り機構の検査  絞り機構の検査は,次による。

a)

主要流量を測定する絞り機構及びその配管部分は,一般に試験の直前又は直後に,表面粗さなどの条

件,オリフィスの端部の鋭さなどの寸法・形状,及び他の要求条件が規格に合致しているか否か,検

査を行い,検査結果を記録しておかなければならない。

検査をしない場合には,6.2.3 によって,試験の評価のときに考慮する。

b)

絞り機構は,プラントの試運転前に行う蒸気ブローイングアウトを実施する前には,取り付けないこ

とが望ましい。

c)

復水タービンの場合には,主要流量の測定装置のうち,少なくとも 1 か所,脱気器上流の復水流量測

定装置を,検査できるように設備又は配置しておくことが望ましい。受渡当事者の一方が要求する場

合には,試験後に,少なくとも 1 個の絞り機構を検査しなければならない(

図 参照)。

                                                単位  mm

図 7  絞り機構の検査孔

備考  検査孔の方向は,絞り機構の検査,清掃がやりやすいように決定してよい。

5.3.3

絞り機構の取付方法及び位置  絞り機構の取付方法及び位置は,次による。

a)

オリフィス又はノズルの上流,及び下流の直管部の最小必要長さは,直管部の上流及び下流の配管形


30 
B 8105:2004

状によって影響を受ける(JIS Z 8762 参照)

旋回流が発生する場合や,必要な直管長がとれない場合には,整流装置を設けなければならない。

絞り機構の校正は,直管長が不足するなどのために,整流装置を取り付ける場合には,整流装置を取

り付けて,かつ,上流及び下流に完全な直管長をつけて実施しなければならない。

b)

絞り機構のうち一組は,熱膨張補正,変形などの温度の影響を最小限にするため,150  ℃以下の点に

設置することが望ましい。絞り機構の熱変形の影響を減らすために,主要部,配管及びフランジなど

は,同じ熱膨張係数をもつ耐食性材料を用いるのが望ましい。

絞り機構を,配管の垂直部分に取り付けている場合,二つの圧力取出し口の間の高位差と,絞り機

構を流れる水と,圧力取出し口の水の密度の差を考慮して補正する。

c)

安定した流れを得るため,絞り機構は,ポンプ吐出し直後に設けないことが望ましい。熱交換器や,

長い配管系の後流ならば,ダンピング効果が作用するので設けてもよい。絞り機構は,再循環及びバ

イパスする流れの影響を,受けないように配置することが望ましい。

d)

脱気器がある場合には,その入口で流量を測定するのが望ましい。これは給水加熱器の漏れが,絞り

機構を通って循環する可能性をなくすためである。脱気器がない場合には,低圧給水加熱器を出て,

給水ポンプヘ入る前で測定するのが望ましい。高圧給水加熱器のドレンが,測定装置の上流で,主復

水系統に合流する場合には,高圧給水加熱器の漏れを決定するために,高圧給水加熱器からの全ドレ

ン量を測定し,加熱器周りのヒートバランス法によって,抽気流量を計算する必要がある。

e)

湿り蒸気タービンで,給水加熱器ドレンをポンプで給水系へ戻す場合には,加熱器の漏れを決定する

ために,復水流量及びドレンポンプ吐出し流量を測定する必要がある。給水加熱器の漏れは,トレー

サ法(JIS B 8102 

図 及び図 参照)を用いて測定することができる。

f)

確認試験の正確性と信頼性のために,受渡当事者間の協定によって,適切な流量計を,最終給水加熱

器後の高圧給水系統に追加してもよい。高圧のスロートタップノズルの設計の詳細を,JIS B 8102 

附属書 に示す。脱気器入口と最終給水加熱器出口の両方の流量測定の例を,附属書 に示す。

5.3.4

差圧測定  差圧測定装置は,次の注意を守って設置しなければならない。主要流量を測定する場合

には,二組の独立したマノメータを設置する(

図 参照)。

なお,一連の試験の再現性が必要な場合,電気式の差圧伝送器の使用を推奨する。これらは,長期間の

再現性を示し,適切な正確性ももたなければならない。さらに,測定の不確かさを減らすために,それぞ

れの計測座に複数個の差圧伝送器を設置してもよい。


31

B 8105:2004

a

絞り機構を上から見た図

  b)絞り機構とマノメータとを接続した例

A:整流装置

E:電磁弁(差圧伝送器を用いる場合は,取り付けない。)

B:フローノズル(校正済)

F:パイプとチューブの接続

C:パイプニップルφ12 mm

G:チューブφ12 mm

D:ゲート弁φ12 mm

図 8  絞り機構とマノメータとの間の接続例

a)

圧力取出し口とマノメータとの間の接続管は,内径 6 mm 以上としなければならない。この管は圧力

取出し口から 1 m 水平に走り,以後マノメータまで連続的な下りこう配をもつものとする。接続管は

圧力試験で漏れがないことを確認する。

b)

圧力取出し口とマノメータとの間の接続管の長さは,7.5 m を超えないようにし,保温をしてはなら

ない。

c)

マノメータへの 2 本の接続管内の流体の温度差は,無視できる程度になっていなければならない。接

続管は束にして,外部からの熱伝達が最小になるようにする。

d)

マノメータの接続管は,接続前によく洗浄してきれいにしておく。接続管には遮断弁を設置し,試験

中でも空気抜きができる設備とする。接続管内の両方の水の温度が,平衡するまで十分に時間をかけ

なければならない。

e)

読取り中に水銀柱の動きを消すために,

絞り機構に近接した配管に,

無移動式電磁弁を設けてもよい。

水銀柱の位置に無関係に,あらかじめ決められた間隔で,読取りのためこの弁を閉止する。差圧伝送

器を用いる場合には,電磁弁を用いてはならない。

f)

マノメータは絞り機構より低い位置に置かなければならない。

これができない場合には,システムの空気抜きに十分に注意しなければならない。

空気抜き弁付のマノメータより高い位置に,適切な空気抜きポットを設ける。

温度遮断のためのループ配管を,圧力取出し口とマノメータとの間に設ける。

g)

マノメータは精密級とし,反視差(antipalallax)読取装置,又は他の同等の装置を用いて 0.25 mm 以

下まで読み取らなければならない。水銀は不揮発性残さ(渣)が 1 mg/kg 以下の,計器用級の高純度

のものを用いる。マノメータは,水銀を入れる前によく洗浄する。

h)

差圧伝送器を用いる場合には,試験前に校正しなければならない。校正は圧力上昇時と,下降時の両

方向時点で行い,平均校正値を用いて補正する。また,差圧伝送器の試験中の精度を確認する目的で,


32 
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試験後に校正することが望ましい。

i)

蒸気流量を測定する場合には,空気抜きポットは,絞り機構の圧力取出し口と同じ高さで,かつ,復

水させるために適切な距離をとって取り付ける。水位は同じ高さとし,又は差を考慮する。ポットへ

の接続管は,水滴による閉そくを防ぐために,十分な太さの内径のものでなければならない。

j)

マノメータへの接続管は,連続下向きこう配をつける。空気抜き後は,水柱ができて冷えるまで十分

に時間をかける。大気圧以下の圧力の場合には特に注意しなければならない。

5.3.5

水量の変動  流れが不安定で変動している場合には,流量測定を行ってはならない。マノメータの

ダンピング装置は,脈動による誤差を消すことができないので用いない。脈動が残る場合には,試験開始

前に受渡当事者間で合意をしておかなければならない。ディジタル読み取りの場合の保持装置は,有用な

ので使用してもよい。

5.3.6

副次流量測定

5.3.6.1

一般  副次流量測定は,次による。

a)

副次流量を測定する場合,プラントの配置及び測定場所が異なるために,流量測定装置に必要となる

精度を,直ちに規定することはできない。

受渡当事者間で,どの副次流量を測定するか,また,測定の誤差が最終の試験結果に及ぼす影響を

考慮して,測定装置の精度を決定しなければならない。

b)

標準の流量測定装置を用いる場合には,校正を行う必要はない。

c)

もし,蒸気流量を測定する場合には,絞り機構のところで 15  ℃以上過熱していなければならない。

5.3.6.2

給水加熱器への抽気流量  給水加熱器への抽気流量は,次による。

a)

抽気蒸気が過熱している場合には,ヒートバランス計算法によって抽気流量を決定することができる。

b)

必要な精度を確保できるならば,

絞り機構による直接測定も可能である。

抽気が湿り蒸気の場合には,

抽気流量は給水加熱器のドレン流量を測定することによって決定できる。

c)

給水加熱器のドレン流量は,絞り機構で測定することができる。しかし,ドレンがカスケードに接続

されていて,差圧が非常に小さい最も低圧の給水加熱器の場合には,絞り機構を用いることはできな

い。

この場合,必要な精度をもつベンチュリ管又は圧力損失が小さい装置を用いなければならない。差

圧は差圧伝送器で測定するのが望ましい。不安定な流れによる誤差を減らすために,差圧伝送器と絞

り機構の圧力取出し口との間の接続管は,最短にする。また,配管中に気泡ができないように注意す

る。

d)

差圧伝送器が,プラント運転中に接近できない場所にある場合には,遠隔校正ができる装置を設けて

おかなければならない。

給水加熱器のドレン流れは,不安定になることが多いので,差圧伝送器の出力は,長くても 20 秒ご

とに記録する必要がある。

e)

キャビテーションを避けるため,絞り機構の寸法決定に関しては,レイノルズ数,圧力損失,直径比,

たわみなどの関係を考慮して,臨界キャビテーション係数

K

を 0.2 より大きくなるように決定しなけ

ればならない。

臨界キャビテーション係数

K

は,次の式で表される。

2

throat

throat

sat

2

/

W

p

p

K

ρ

=

×

 (16)

f)

臨界キャビテーション係数が 0.2 以上になるように,ループ封水を設けるか,又は水頭を増やすため


33

B 8105:2004

にループ封水を長くすることによって,キャビテーションの問題を減少できる。

g)

給水加熱器ドレンの流れが冷えると,キャビテーションの心配は小さくなる。抽気蒸気のエンタルピ

ーが,トレーサ法によって決定できれば,抽気の湿り蒸気流量は,ヒートバランス法によって決定す

ることができる(5.7.2 参照)

5.3.6.3

高圧給水加熱器のドレン  主要流量計が脱気器出口にある場合で,高圧給水加熱器の漏れがない

ことがあらかじめ確認できないならば,高圧加熱器のドレン流量は必要な精度をもった装置で測定しなけ

ればならない。

5.3.6.4

湿分分離器及び再熱器のドレン  有効水頭がキャビテーションを避けるために必要な値より小

さい場合,絞り機構を設置することが不可能なことがある。このような場合には,トレーサ技術を十分な

精度で,流量測定に用いることができる。絞り機構を用いる場合には,5.3.6.2 による。

5.3.6.5

ボイラ給水ポンプ用タービンへの蒸気の供給  ボイラ給水ポンプ用タービンへの蒸気の供給は,

次による。

a)

ボイラ給水ポンプ用タービンの蒸気消費量は,復水器が別置式の場合には,復水で測定するのが望ま

しい。

b)

主タービンの低温再熱部から蒸気を供給して,ボイラ給水ポンプ用タービンを運転する再熱サイクル

においては,供給蒸気量は,再熱器を通過する蒸気流量を決定するために,必ず測定しなければなら

ない。

5.3.6.6

タービンのグランドの漏れ  タービンのグランドの漏れは,次による。

a)

再熱復水タービンのグランドの漏れ蒸気が,再熱器を通らずに再熱器より下流の点に戻るならば,こ

の漏れ蒸気流量は,再熱器から供給する熱量を決定するために,独立に測定しなければならない。

b)

しかしながら,測定が困難な場合には,受渡当事者間の合意によって,計算式を用いるなどの方法に

よることができる。グランドの漏れ蒸気が,大気など系統外へ漏出する場合にも同じ取扱いをする。

5.3.6.7

減温器用注水流量  給水加熱系からの注水を,再熱温度制御に用いている場合には,注水量を測

定しなければならない。もし,主蒸気温度を同様の方法で制御している場合には,過熱器への注水流量は,

最終給水加熱器の下流で,かつ,流量測定装置より下流から抽出している場合を除いて,測定しなければ

ならない。

5.3.6.8

ボイラ給水ポンプの軸封及び釣合い用水量  ボイラ給水ポンプの軸封及び釣合い用水量は,次に

よる。

a)

封水又は冷却のために,給水ポンプのグランドに供給する水量,及びシステムの種々の部所へ戻る漏

れ水量は,考慮しなければならない。これらの水量は,主要流量に直接加算するか差し引く。流量測

定装置は,校正をするか又は標準のものを用いる。

b)

これらの流量を測定することが困難な場合には,受渡当事者間の合意によって,設計値などを用いる

ことができる。

5.3.6.9

保有水量の変化  保有水量の変化は,次による。

a)

サイクル内に貯蔵した保有水量の変化は,システムの復水又は給水流量を評価する場合には,考慮し

なければならない。これらの保有水には,復水器のホットウェル,脱気器の貯水タンク,給水加熱器

の胴部,ボイラのドラム,システムから分離できない貯水タンク,ドレンタンクなどがある。

b)

貯水タンクの液面の変化は,常設の液面計のサイトガラスに固定した仮設の物差しか,又は試験デー

タのロギングとともに用いる水位伝送器を用いて測定する。

c)

タンク内の水温が外気温と異なる場合には,サイトガラス中の水の密度を,タンク内の値に換算して


34 
B 8105:2004

測定しなければならない。

d)

タンク内に熱水がある場合には,サイトガラス中の水柱の温度の変化による液面の指示誤差を避ける

ために,読取り前約 30 分以内にブローしてはならない。

e)

液面の変化を測定する場合,時間は重要な因子なので,試験の開始及び終了の時刻は,完全に合致し

ていなければならない。

5.3.6.10

漏れ量の決定  ポンプの内部漏れ量,軸封水量,弁ステムからの漏れ量,タービン内部漏れ量な

どの,測定することが困難な漏れ量は,計算値を使うことができる。

5.3.6.11

系外への送気蒸気流量  系外への送気は,できる限り遮断する必要があるが,保証上又は運用上,

送気を止めることができない場合の蒸気流量は,次による。

a)

蒸気式空気予熱器,

スチームコンバータ,

燃料油噴霧用などの系外へ蒸気の熱量を供給する場合には,

この蒸気流量も各々測定しなければならない。

b)

蒸気流量の測定方法は,蒸気条件,設置位置,熱効率又は熱消費率に及ぼす影響の度合いなどを考え

て,適切に選定しなければならない。

5.3.7

頻度の低い副次流量  あまり発生しない,又は測定する必要がない副次流量は,次のように取り扱

う。

a)

エゼクタ駆動蒸気

1)

蒸気式空気エゼクタの駆動蒸気量は,供給蒸気圧力と蒸気温度の測定値と,ジェットノズルの断面

積とから,計算で求めることができる。湿り蒸気の場合には,製造業者が提示する設計流量を用い

るほうがよい。

2)

空気エゼクタによって,復水器から放出される蒸気量は,一般的に非常に少ないので無視すること

ができる。

b)

補給水量  システムへの補給水量がある場合には,その流量を測定しなければならない。

c)

軸封水

1)

水封グランド,大気放出弁,復水ポンプのグランドなどに供給される軸封水は,測定しなければな

らないが,受渡当事者間の合意によって設計値を用いてもよい(

図 参照)。

2)

水封システムの保有水量に変化がなく,また,復水系統以外に,漏れの可能性がないことを確認し

なければならない。もし,軸封水部から外部への,水の漏れが避けられない場合には,流量を算定

し復水流量に加える。

d)

補機の排気蒸気  通常時には,復水器へ流入する補機の排気蒸気は,試験期間中は系外へ排出するか,

又は測定しなければならない。絞り機構の最適位置を決定する場合には,正味圧力損失,及びスロー

ト部でフラッシュする可能性に,特に注意しなければならない。


35

B 8105:2004

図 9  タービングランド,大気放出弁及び復水ポンプグランドの

水封用水の測定配管方法(一例)

5.3.8

水及び蒸気の密度  水及び蒸気の密度は,次による。

a)

流量計算に必要な水の密度は,測定された温度と,圧力とから計算する。

  温度は正確に校正した計器で測定する。仮設計器を使用する場合には,絞り機構から,直径の 10

倍の長さ以上下流の位置とする。

主要流量に対しては,外部からの混入がなければ,給水加熱器の上流の出口と,下流の入口の温度

の平均値を使用してもよい。流れを十分に混合するために,温度は給水加熱器出口から,直径の 10

倍の長さ以上は下流で測定する。

b)

流量計算に必要な蒸気の密度は,精密級圧力計,精密級温度計又は抵抗温度計の測定値を用いて,計

算することができる。密度を決定するための測定位置は,絞り機構の校正方法,又はその標準によっ

て決定する。

c)

圧力測定の位置は,

絞り機構の差圧取出しの上流側管としてもよい。

温度測定位置は a)と同様とする。

5.3.9

復水器の冷却水量の決定  プラント全体の熱効率や出力を保証する際に,一般的には復水器真空度

を計画条件と比較するが,冷却水温度との関係で保証値が規定されている場合には,復水器性能の評価も


36 
B 8105:2004

必要となる。

復水器性能に与える影響度の大きい冷却水量の決定は,次による。

a)

復水器冷却水量は,復水器性能が,タービン発電機の性能保証に含まれている場合に必要となる。

b)

通常,次の方法のいずれかで求めることができる。

1)

冷却水ポンプの Q-H 曲線を用いる。

2)

超音波流量計

3)

ヒートバランス法

備考  国内では,直接法[絞り機構,せき(堰)など]は測定設備の準備に多大の労力を要するので,

一般的に用いられていない。

5.4

圧力測定(復水タービンの排気圧力を除く)

5.4.1

測定する必要がある圧力  タービン入口蒸気圧力は,タービンの主蒸気止め弁(蒸気ストレーナが

ある場合は蒸気ストレーナ)直前のボイラ側の主蒸気管で測定する。ただし,主蒸気止め弁をタービン製

造業者が供給しない場合は,受渡当事者間に協定がない限り,そのタービン側の主蒸気管で測定する。

蒸気ストレーナは,汚れていないことを確かめ,受渡当事者間のいずれかの側で,この点に関して疑義

があれば試験前に点検し,必要があれば掃除する。また,必要に応じタービンの高圧,中圧及び低圧ケー

シングの入口圧力,ボイラ給水ポンプ駆動タービンの出入口圧力,抽気ラインの両端圧力,復水及び給水

システム内にあるすべてのポンプの吸込み圧力及び吐出し圧力を測定する。

圧力測定点は,できるだけ配管の直管部で,流れの乱れから離れた箇所とする。

蒸気タービンの試験において測定する圧力は,静圧とする。

5.4.2

圧力測定用計器

5.4.2.1

一般  圧力の測定には,重すい形圧力計,ブルドン管式圧力計又は水銀マノメータを用い,これ

らのすべての計器は適切な測定域,

同等の精度をもつ圧力伝送器に置き換えることができる

5.4.2.6 参照)

圧力の脈動は計器弁を絞ったり,

計器緩衝器を用いて減衰させてはならないが,

容積室は用いてもよい。

5.4.2.2

絶対圧力 250 kPa を超える圧力の測定  250 kPa を超える圧力の測定は,重すい形圧力計又はブ

ルドン管式圧力計を用いる。精度の高い測定には重すい形圧力計が望ましいが,最高級の精度が必ずしも

必要でない場合,校正された試験用ブルドン管式圧力計を使用してもよい。計器は,できる限り振動及び

汚れがなく,周囲温度が大きく変化しない場所に設置する。

5.4.2.3

絶対圧力 250 kPa 以下で大気圧を超える圧力の測定  測定が可能である限り,水銀マノメータを

用いる。単管式マノメータを使用する場合は,過度の毛管現象を防止するため,内径が一様で,かつ,9 mm

以上あることが望ましい。

5.4.2.4

大気圧以下の圧力の測定  大気圧以下の圧力の測定は,水銀マノメータ(5.1.5 参照)を用いる。

水銀マノメータのガラス管は,鉛を含まない高級ガラスとし,読取りを行う範囲は内径 10 mm 以上が望ま

しい。

小さな圧力差を高精度で測定する場合は,水銀の代わりにシリコーン油を用いるのがよい。

5.4.2.5

マノメータに用いる液体  用いる液体は使用条件に合致し,密度が分かっているものでなければ

ならない。

5.4.2.6

圧力伝送器  圧力伝送器によって正確な圧力測定を行うには,圧力伝送器の使用法と手入れ法を

理解し,適切に取り付け,かつ,保全しなければならない。また,圧力伝送器は試験前に校正するのが望

ましい。

各圧力伝送器は振動や汚れがなく,ドアの開閉による周囲温度の大きな変化がない場所に設置するのが


37

B 8105:2004

望ましい。

圧力伝送器が温度のような周囲状況の変化に敏感なときは,読み取る前に整定のため十分な時間(一般

的には 2 時間)を取るのが望ましい。また,各試験の前後には零点読取りを行わなければならない。

5.4.3

圧力測定用の孔及び接続管

5.4.3.1

一般  圧力測定用の孔は,測定する必要がある管の内面と直角で,孔の内側の縁はまくれがなく,

その角は,正しく直角であることが望ましい。また,孔径の少なくとも 2 倍の長さにわたってまっすぐで,

同一内径とする。孔の内径の基準寸法は,高圧に対しては 6 mm,低圧に対しては 12 mm とする。

測定孔から圧力計までの接続管中に滞留した水の揚程による誤差を避けるため,接続管には常時水が充

満しているか,又は完全に空となっているよう配置に留意するのがよい。

5.4.3.2

絶対圧力 250 kPa を超える圧力に対して  水銀マノメータの測定範囲を超えた圧力に対しては,

接続管内部に水が充満していることを確かめる。計器は測定孔より下にあるのが望ましいが上でもよい。

測定孔は直径 6 mm が望ましい。

5.4.3.3

絶対圧力 250 kPa 以下で大気圧を超える圧力に対して  計器は測定孔より下になければならない。

小径の接続管は閉そくしやすいので直径 12 mm 以上の管が望ましい。大気圧以上であるが液体を用いたマ

ノメータで測定される低い圧力に対しては,接続管は満水又は空のいずれかになるよう配置しなければな

らない。この圧力範囲では接続管中の水の揚程による誤差を発生しやすいので測定孔と圧力計との間にド

レンだめを設置するのがよい。

5.4.3.4

大気圧以下の圧力に対して  大気圧以下の圧力に対しては接続管中に水があってはならない。測

定孔は直径 12 mm が望ましく,圧力計は測定孔より高く,測定孔に向かって連続的に下りこう配でなけれ

ばならない。測定孔の直径が 6 mm の場合,接続管は管中のドレンを最少とするため,厚さが厚い非金属

管としなければならない。接続管は直径 12 mm 以上が望ましい。

5.4.4

隔離弁  圧力測定点には適切な隔離弁を設けなければならない。高圧部に対しては,接続管の計器

端に二次弁を設けるのが望ましい。

5.4.5

圧力測定計器の校正  圧力測定計器の校正精度は測定圧力の±0.2  %以内でなければならないが,

特に重要でないものにあっては±0.5  %以内でもよい。受渡当事者は,事前にどの圧力が低い精度の計器

で測定してもよいか,合意しておくのが望ましい。

液体マノメータを除くすべての圧力計及び圧力伝送器は性能試験前に,重すい形圧力計又は標準マノメ

ータによって校正しなければならない。ブルドン管式圧力計は,試験後直ちに校正しなければならない。

試験前後に校正を行った場合,校正する値として両者の平均値を使用する。

データロガーに信号を送る圧力伝送器の校正は,重すい形圧力計による真の圧力値とデータロガーによ

るタイプ(印字)値とを比較することによって行う。ブルドン管形の差圧計又は圧力伝送器を,再熱器や

抽気管の圧力降下の測定に使用する場合は,差圧計の校正に当たって二つの重すい形圧力計を使用しなけ

ればならない。液体マノメータは,目盛,使用する液体の純度,及び密度の精度の証明があるなら校正す

る必要はない。単管式マノメータの場合には管内径と管及び液体ための断面積の均一性を証明しなければ

ならない。差圧伝送器については,低圧側にも実圧をかけた校正を行うことが望ましい。

主要流量計が,給水系統の低圧部分に設置されている場合,差圧伝送器は低圧側の座を大気に開放し,

同時に高圧側には高圧源を付加して校正してもよい。しかし,この場合には,差圧伝送器は,系統の小さ

な静圧の増加には,鈍感であることを実証しなければならない。主要流量計の差圧伝送器の作用圧力が,

大気圧よりも著しく高い場所に設置されている場合,その差圧伝送器が高圧には影響を受けない場合を除

いて,校正は動作圧力で行う。この校正は適切な二重ピストン式重すい形圧力計を使用して実施する。


38 
B 8105:2004

5.4.6

大気圧の測定  大気圧はできるだけ精密な水銀柱気圧計によって測定する。水銀柱気圧計はガラス

管に水銀を満たしたもので,ガラス管の口径は 6 mm 以上で公的機関によって検定されたものでなければ

ならない。アネロイド又は他の形式の気圧計も公的機関によって精度及び適合性が検定されていれば使用

することができる。

気圧計はマノメータと同室,同一の高さでできるだけ近接して設置しなければならない。

気圧計が使用できない場合,大気圧はその地方の測候所の試験時刻の数値を,測候所と発電所との高度

差を勘案して決定しなければならない。

5.4.7

読取りの補正  読取りは試験期間中の平均値とし,次の補正を行わなければならない。

接続管中に水柱をもつ圧力計は,圧力計が測定孔より上にあるときはその水柱に相当する圧力を加え,

下にあるときは,その圧力を差し引くよう補正しなければならない。

液体マノメータ及び水銀柱気圧計による絶対圧力の測定は,

次を考慮しながら計算しなければならない。

a)

読取りの平均

b)

目盛板に対する温度補正

c)

内径が 12 mm 未満の場合の単管式マノメータに対する毛管現象補正

d)

液体の密度

e)

重力の加速度

f)

液体マノメータに対する大気圧力補正

g)

測定点と計器の高さの差

1)

水柱の補正  測定点における正しい圧力を測定するために,蒸気管の圧力取出し口と,計器の中心

線間の水柱に相当する圧力を計器の読みに加えるか(計器が取出し口より上にある場合)

,又は差し

引くか(計器が取出し口より下にある場合)しなければならない。

g

ρ

H

p

=

(Pa)  (17)

ここに,

H

圧力取出し口と圧力計の中心線との垂直距離(m)

ρ

測定時の周囲温度における水の密度(kg/m

3

g

重力の加速度(m/s

2

2)

気圧計の補正

2.1)

水銀柱気圧計の読みは,基準温度 273 K(0  ℃)に対する目盛板の温度補正を行い,基準温度の値

に換算する。

2.2)

次に,水銀の毛管現象による下降に対して補正を行う。ただし,水銀柱気圧計の目盛にこの補正

が行われている場合はその限りではない。

2.3)

気圧計と基準とする水銀柱との設置場所の高低差を補正する。

2.4)

試験場所の重力の加速度に対する補正をする。

5.5

復水タービンの排気圧力の測定

5.5.1

一般  復水タービンの排気圧力は,各々の低圧タービンからの排気圧力の平均の静圧を算出するこ

とによって求められる。平均値を求めるには,通常の均圧管は用いてはならない。また,試験時に得られ

た複数個の測定値を平均しなければならない(5.5.4 参照)

次の規定はすべての復水器に適用されるが,横置きの復水器特に一体形のものには適用が容易でない場

合があり,5.5.25.5.9 の各項目の適用がどうしても不可能な場合は,受渡当事者間でこれらの考え方に,

できるだけ沿った代替の測定方法について合意しておく必要がある。 


39

B 8105:2004

5.5.2

測定面  契約書に特に定めない限り,復水タービンの排気圧力は復水器入口で測定する。現在の復

水器は一般に直下形,軸方向下方排気形,別置横置き形,一体横置き形の 4 種類に分類される。直下形に

対しては復水器入口は,

一般にタービン排気フランジと同一である。

他の三つの種類の復水器に対しては,

復水器入口を特定するのが困難である。そのような場合,復水器入口は復水器管巣にできるだけ近い一つ

又は複数の面とする。

5.5.3

圧力取出し口  圧力取出し口は,次による。

a)

排気面には静圧にかなりのばらつきがあるので,復水器入口には複数の圧力測定孔を設け,平均値を

測定する。測定箇所は排気口当たり二つ以上なければならない。

b)

事前の試験結果によって測定孔の位置を決める場合を除き,排気通路面積 1.5 m

2

当たり 1 個の計器を

用いて測定する。

c)

圧力計 4 個以下の小さい排気通路で,取出し口を設置する通路の壁が流れ方向に平行で均一な流れの

場合,取出し口を壁面に設けることができる。

また,壁の測定孔の位置は曲がり,べローズ,分流板,補強板,支柱又は同様の流れの障害物にで

きるだけ影響を受けないように選ばなければならない。

d)

孔の内径の基準寸法は 10 mm とし,8 mm 以下であってはならない。孔は壁に直角にあけ,ばりを除

いて,孔の周囲はきれいでなければならない。

e)

排気通路の壁又は蒸気通路を横切るリブにあける圧力計器の取出し口は,壁面に直角でなければなら

ない。開口端の内径の基準寸法は 12 mm とし,縁は 0.8 mm を超えない半径で一様に丸みをもってい

なければならない。

f)

排気口の形状によって壁面での測定が困難な場合,流れの案内板に取り付けられた特別の圧力取出し

口,かご形取出し口など内部設置の計器を使用する。

g)

内部設置の計器については,動圧の影響を受けないようなものとする。

5.5.4

マニホールド  圧力の平均装置としてのマニホールドは使用してはならない。

5.5.5

接続管  水銀マノメータ又は水銀柱は各々の排気口又はケーシングの圧力取出し口にできるだけ

近く,過度の振動がなく測定者が便利で正確に読み取ることができる場所に設置する。試験用計器は測定

系統からのドレンが復水器に自動的に戻るように,測定孔よりも高い位置に置かなければならない。又は

適切なドレンの排出を考えた配置でもよい。接続管は 5.4.3 の要求項目を満足していなければならない。

5.5.6

計器  排気圧力の測定には開口端液体マノメータ,気圧計,閉管液体マノメータ(絶対圧力計)又

は圧力変換器など信頼できる計器を用いる。読取り精度は 35 Pa(0.25 mmHg)とする。

正確に現地の大気圧を測定することが必要である(5.4.6 参照)

5.5.7

測定システムからの漏れ  測定システムからの漏れがないことを確認する。測定する真空下で圧力

測定孔に隣接する弁を閉じたとき,水銀柱の目盛が 5 分間に 6 mm 以上の速度で降下してはならない。

5.5.8

校正  5.4.5 の規定によって,液体マノメータは目盛の精度,液体の純度及び密度が満足できるも

のであると立証できるなら,校正はしなくてもよい。水銀マノメータの内径が 12 mm 以上あるときは,メ

ニスカス現象(meniscus,レンズ状の形状)及び毛管現象に対する補正は不要である。圧力伝送器が使用

されているときは,試験の前後に液体マノメータ又は重すい形圧力計によって校正しなければならない。

5.5.9

読取りの補正  読取りは試験期間中の平均値とし,5.4.7 に従って補正しなければならない。

5.6

温度測定

5.6.1

温度の測定点  比エンタルピー決定のための温度測定は,圧力の測定点にできるだけ近接した位置

で測定する。その値が試験結果に重大に影響する温度の測定は,近接する二つの異なった点で行い,その


40 
B 8105:2004

平均値をもって流体の温度とする。管内の温度分布が一様でない場合,管内の半径方向の温度測定を行っ

て,受渡当事者間で平均値について協定しておく必要がある。

5.6.2

温度測定用計器  比較的高温を測定するのに望ましい計器は,次による。

a)

精密級ブリッジ又はディジタル電位差計付電気抵抗温度計

b)

精密級ブリッジ又はディジタル電位差計付高級熱電対(高精度の測定には冷接点と一体となったもの

が望ましい。

熱電対及び抵抗温度計,並びにポテンショメータ,ブリッジ及びガルバノメータ又はディジタル電

位差計は試験前に校正しておくのが望ましい。

試験後の再校正は個々の温度測定のクロスチェックが十分になされているときは一般には必要では

ない。

測定する温度が 373 K(100  ℃)未満であり,設置場所も読取りに困難でない場合は,水銀温度計

を使用してもよい。

試験結果に影響するような温度を測定する水銀温度計は,測定に適した尺度で目盛を刻んだ中実茎

の精密級とする。

商業用又は工業用の金属ケースに収納された温度計は使用してはならない。

5.6.3

主要温度の測定  主要温度とは性能試験結果に直接影響を与えるような,主蒸気温度,再熱器入口

及び出口蒸気温度,最終給水温度などの温度をいう。他の温度については,例えば,冷却水温度,給水ポ

ンプ出入口温度,脱気器入口復水温度などは保証の仕方によって,主要温度として取り扱う場合がある。

主要温度に関連する流れが複数の管を流れる場合,

別に協定しない限り,

各々の温度を測定し平均する。

また,各管には独立した異なる温度計用座を設ける。別に協定しない限り,各配管の温度は各々の測定

値の平均とする。最終給水温度はヒータバイパス配管との接続点の後で,適切な混合が行われるように適

切な距離をとった下流側で測定する。

5.6.4

給水系統の温度測定(抽気蒸気温度の測定を含む)  給水系統の温度は,タービン契約者が給水加

熱器を供給しない場合に必要となる。給水系統の温度で,主要温度でないものについては重複測定の必要

はなく,ヒートバランスが計算できるように各加熱器の出入口温度を測定することでよい。

通常,加熱器入口の給水温度は前段の加熱器出口の給水温度に等しいので,一つの温度測定で兼用して

もよい。入口給水温度及び前段の加熱器出口給水温度を測定する場合,ヒートバランス上の不一致を防ぐ

ため両者の平均値を採用する。両者の間に戻りの接続がある場合は,測定は接続点の上流及び下流の各々

で行わなければならない。

備考  測定は十分な混合が行われるように,加熱器の下流側で少なくとも配管径の 10 倍離れた地点で

行う。

抽気管中の蒸気温度はその両端,すなわち,逆止め弁の上流でタービンとの接続座に近い箇

所,及び給水加熱器入口接続座に近い箇所で測定する。

抽気管中で混合が行われる場合,混合蒸気の温度測定は適切な混合が行われるように,接続

点から適切な距離をとった下流で行う。

5.6.5

復水器冷却水温度の測定  復水器冷却水の温度は,所定の冷却水入口温度及び出口温度又はそのい

ずれかによって,タービン熱性能の保証がされている場合に限って必要となり,次による。

a)

入口温度  入口温度は一般に管の断面で一様であり,各入口管に 1 個の温度計で十分である。温度計

筒を用いてもよいし,代替としてサンプル水を温度計の入っている水室に連続的に流すことでもよい。

b)

出口温度  冷却水の出口水室には温度の層状化が起きているので,混合が十分に行われるように,測


41

B 8105:2004

定は各出口配管で,復水器出口水室から配管径の 2 倍以上離れた地点で行う。

平均温度を測定するため,複数の熱電対又はサンプリングチューブを設置する方法がある。実際に

可能なら,出口の開水路で混合が終了した後の温度を適切な温度損失を考慮して測定することもでき

る。

5.6.6

温度測定計器の精度  温度測定計器は,希望する試験精度のレベルを達成することができるような

精度をもつものでなければならない。

5.6.7

温度計筒  温度計筒は,次による。

a)

温度計筒の材料は,測定する温度に適したものでなければならない。筒はできるだけ薄く,安全な応

力で,内径はできるだけ小さくする。筒は汚れがなく,腐食や酸化を受けていないことが重要である。

高温又は主要温度の測定用筒は,熱吸収をよくするため外部にフィンを設けてもよい。高温,高圧の

測定用には温度計筒を管に溶接付けしておくことが望ましい。

b)

温度計筒は乾燥していることが望ましい。特に,高温の測定用には空気の循環を抑え,熱損失を少な

くするよう,密封されていなければならない。

c)

給水ポンプでの温度上昇を測定する場合,出入口の温度計筒は形式,材料が同じものとする。出口の

温度計筒は流れの混合をよくするためポンプから適切な距離をとった下流に置かなければならない。

5.6.8

温度測定の際の注意事項  温度測定時には,次の注意が必要である。

a)

測定する流体以外から温度測定装置に伝導又は放射によって授受される熱量を最小限にする。

b)

温度計筒の挿入点付近及び筒の突出部と支え部は断熱保温する。

c)

内径 75 mm 未満の管においては,温度計はエルボ又は T 形管の部分に軸方向に挿入する。エルボ又は

T 形管が適用できない箇所については,配置を変更しなければならない。内径 75 mm 以上の管におい

ては,温度感知部は中心の 25 mm 内に位置していなければならない。大口径管においては,特別の多

点測定装置の場合を除き,温度計筒は少なくとも 150 mm 挿入する。

d)

流体の温度の測定では,装置の受熱部は流れの停滞したところに置いてはならない。

e)

水銀温度計の読取りの際,温度計を温度計筒から必要以上に離してはならない。他形式の計器につい

ては,読取りを行っている間動かしてはならない。

f)

各温度測定装置は,試験の 2 時間以上前から,試験中の温度条件で完全に設置しておかなければなら

ない。

5.7

蒸気湿り度の測定

5.7.1

一般  原子炉の形式によっては,タービンに供給される蒸気は飽和温度であり,若干の湿分を含む

可能性がある。したがって,主蒸気の比エンタルピーを決めるため湿分量の測定が必要となる。また,タ

ービンの部分膨張後,例えば,給水加熱器,湿分分離器又は再熱器への抽気点での蒸気中の湿分の量を決

定することが必要となる。

蒸気中の湿分を測定するには,次のような方法を用いる。

a)

絞り熱量計又は電気加熱熱量計

b)

給水加熱器のドレン流量を測定し,ヒートバランスから求める(抽気蒸気の場合)

c)

トレーサ技術を利用する測定

絞り熱量計は蒸気の乾き度及び圧力が,熱量計中で測定できる十分な過熱度を得られる場合にだけ適用

できる。電気加熱熱量計には,このような制限はない。しかし,ともに管内湿り蒸気の適正なサンプルを

得ることが困難なので,誤解を生じる結果をもたらしやすい。熱量計中を流れる蒸気が,管内を流れる湿

り蒸気の平均的な状態を代表するように,サンプル方法に配慮する必要がある。


42 
B 8105:2004

抽気した蒸気を復水させ,その復水流量を測定できる場合には,その系のヒートバランスから,抽気の

比エンタルピーを求めることによって,湿り度を決定できる。最近では,放射性又は非放射性トレーサを

用いた,より精度の高い方法を導入して利用している。

5.7.2

トレーサの技術  希釈法を用いたトレーサ技術は気液二相流の液相,又は湿分部分の決定に精度の

高い方法である。この方法は,サンプル水中のトレーサ濃度の測定を用いており,主蒸気及び抽気蒸気の

比エンタルピーを決定するのに適用できる。次の二つの方法のうちのいずれかでも実施可能である。

復水法:蒸気によって運ばれた湿分中のトレーサ濃度はボイラ水のものと同一であると仮定する。ボ

イラ水及び蒸気の凝縮後の復水中のトレーサ濃度の測定を行って,質量バランス計算によっ

て,ボイラにおいて,どのくらいの水が蒸気中に移行したかを決定できる。

定量注入法:既知の濃度のトレーサ溶解液を,蒸気中に既知の定量で注入する。混合の後,サンプル

水を取り出し,トレーサ濃度を測定する。バランス計算によって注入点上流の蒸気中の湿分

を決定できる。混合蒸気が一様であること,及び水と一緒に蒸気を引き出さないような注意

が必要である。

上記以外の方法は,合意によって使用することができる。

5.7.3

復水法  湿り蒸気の水滴中に濃度

wat

C

で溶け込んだトレーサは,蒸気の復水によって希釈される。

蒸気が完全に凝縮した後の,復水中のトレーサ濃度を

cond

C

とすると,濃度バランスから,次の関係が成立

する。

wat

cond

cond

C

m C

m

×

×

=

&

&

 (18)

ここに,

m

&

湿り蒸気中の水の質量流量(kg/s)

cond

m&

湿り蒸気を復水としたときの質量流量(kg/s)

凝縮前後のトレーサ濃度を測定することによって,

次の式によって表される湿り蒸気の湿り度を求める。

cond

cond

wat

1

m

C

x

m

C

− =

=

&

&

  (19)

また,蒸気の乾き度は,次による。

cond

wat

1

C

x

C

= −

 (20)

タービン入口蒸気の乾き度は,蒸気発生器出口での乾き度及び圧力とタービン入口圧力とから計算でき

る。非再熱サイクルでは,トレーサは最終的には蒸気発生器に戻る全体の流れの中で希釈される復水法を

適用して,蒸気発生器出口の乾き度は,上の式を用いて求めることができる。再熱サイクルの場合には,

再熱器内部でのトレーサの付着に起因する主蒸気湿り度測定の誤差は,外部湿分分離器の効率が

100

%で

あるなら無視できる。しかし,受渡当事者間の合意によって,再熱器が使用されない状態での特別な試験

を行う場合には,蒸気発生器からの湿分のキャリオーバを測定することがある。

図 10 及び図 11 において,蒸気発生器の上部に水のサンプルタップを設ければ,トレーサ濃度

wat

C

を直

接測定できる。蒸気発生器底部でトレーサ濃度を測定するときは,係数

w

K

図 10 及び図 11 参照)を蒸

気性状の決定に使われる濃度

wat

C

に考慮しなければならない。したがって,この方法は

wat

C

の直接測定よ

りも精度が悪くなる。全流量の濃度

cond

C

の決定方法は,給水加熱器の配置による。加熱器が順列配置のサ

イクルでは,通常給水ポンプの出口は全流量となる。他方,脱塩装置が試験期間中バイパスされている場

合は,

cond

C

は最終加熱器におけるトレーサ濃度となる。また,別の可能性としては

cond

C

をトレーサバラ

ンスによって計算することとなる。しかし,この計算には幾つかの流量及び濃度の測定が必要である。い

ずれの場合でも,外部からトレーサがサイクル内に入り込む影響,及びトレーサの損失(脱塩装置中で)


43

B 8105:2004

は考慮に入れなければならない。

復水法は,また湿り抽気蒸気の比エンタルピーの決定にも使うことができる。この方法は,適切なトレ

ーサが既に蒸気通路中にある場合は特に有効である。しかし,精度が高い結果が得られるのは,給水加熱

器のドレンが次段に流れない場合に限られる。

抽気の比エンタルピーは給水加熱器周りのヒートバランス,

及びトレーサバランスから求めることができる。トレーサバランスには,各給水加熱器胴体側に出入りす

るすべての流れのトレーサ濃度が必要である。トレーサ濃度測定のため加熱器ドレンをサンプル水として

取り出すことは,液相だけであるから容易である。抽気ラインからサンプル水を取り出すには,注入法の

場合と同じような注意が必要である。

 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 

図 10  沸騰水形原子炉の場合の主蒸気湿分の計算

 
 

主蒸気

M

(

)

m&

M

F

wat

core

F

F

F

core

L

(

)

m

m

C

m

m

m C

m C

=

+

=

&

&

&

&

&

&

core

L

F

F

wat

core

F

F

L

F

o e

C

<

m

m C

C

m

m

C

C

m

m

=

&

&

&

&

&

&

=

かつ

core

L

wat

L

core

F

w

F

M

w

core

core

=

1

m

C

C

C

m

m

K

,

m

m

K

m

m

=

=

=

&

&

&

&

&

&

&

ここで

core

F

wat

(

),

m

m C

&

&

F

F

(

, C )

m

給水 &

core

m&

core

m&

L

(計測)

wat

C

:水−蒸気接触点でのトレーサ濃度

L

C

  :再循環系でのトレーサ濃度

  ここに,


44 
B 8105:2004

 
 
 
 
 
 
 
 

core

F

wat

(

)

m

m ,C

&

&

 
 
 
 
 
 
 

 
 
 

 

図 11  加圧水形原子炉の場合の蒸気発生器出口主蒸気湿分の計算

5.7.4

定量注入法

  濃度

inj

C

の水溶性トレーサを,湿分を測定する蒸気―水の二相流中に注入する。十分

に混合された後注入点の下流側の液相中の濃度

wat

を測定する。この状態において,次の質量バランスが

成立する。

o

inj

inj

inj

wat

(

)

C

m m

C

m m

m C

× +

×

=

+

+

×

&

&

&

&

&

 (21)

又は

(

)

inj

inj

wat

wat

wat

o

m

C

C

∆m C

m

C

C

×

×

=

&

&

&

  (kg/s) (22)

ここに,

m&: サンプル点における蒸気―水混合流のうち水の流量(kg/s)

o

C

サンプル点において,

注入を開始する前の自然状態での液相の

初期濃度(バックグラウンド濃度)

B

(計測)

主蒸気

M

(

)

m&

wat

C

:水−蒸気接触点でのトレーサ濃度

B

C

:ブローダウンでのトレーサ濃度

core

F

wat

(

)

m

m ,C

&

&

給水

F

F

(

)

m ,C

&

E

m&

M

M

R

E

M

M

w

w

w

wat

E

F

F

F

F

B

(1

)

(

)

m

m

m

m

m

m

K

K

K

C

m

m

m C

m C

=

=

= −

+

=

&

&

&

&

&

&

&

&

&

&

E

B

F

F

wat

E

F

F

B

F

E

=

m C

m C

C

m

m

C

C

m

m

<

&

&

&

&

&

&

=

かつ

B

wat

w

F

M

w

E

E

=

1

=

C

C

K

m

m

K

m

m

=

&

&

&

&

ここで,

  ここに,


45

B 8105:2004

m

&: 水の流量変化分(冷たいトレーサ溶液の注入によって蒸気が凝

縮した分)

(kg/s)

通常,

wat

C

inj

o

C

wat

C

かつ ∆m

& ≪ m

&であり,上記の式は次のとおり簡略化できる。

inj

inj

wat

C

m m

C

=

×

&

&

(kg/s)  (23)

5.7.5

定量注入法による抽気の比エンタルピー

  給水加熱器への抽気管中の液相の流量が分かっている

ときは,加熱器周りのヒートバランスによって湿り蒸気の比エンタルピーを計算することができる。

水の流量は定量注入法によって決定できる。トレーサ溶液の流量及び濃度を測定し,定量の注入を保持

することは比較的簡単である。しかし,注入点下流における液相中のトレーサ濃度は,トレーサが十分に

混合され液相のサンプルが取れる場合にだけ精度の高い決定が可能である。

定量注入法は,次による。

a

)

注入点

  サンプル水が真の状態を表すには,トレーサが液相中に均一に分布されなければならない。

したがって,注入点はタービンの抽気フランジのすぐ後に位置していなければならない。また,サン

プル取出し点は加熱器近くでなければならない。幾つかのエルボが付いた長い管は混合を促進する。

注入のため噴射器を用いるのは効果があるが,必ずしも必要ではない。

b

)

サンプル取出し点

  サンプル水中に蒸気が混入すると測定結果に悪影響を及ぼすので,サンプル取出

し点の位置の選定には注意しなければならない。抽気管中に通常見られる状態及び速度では水分は管

の断面を均一には分布しないで管壁に集まっている。このことは水のサンプリングには好都合であり,

簡単な壁の取出し口で十分である。しかし,管の底部又はエルボの出口側の外側に取出し口を設ける

ことによって,重力又は遠心力を利用できる利点を活用することが望ましい。

図 12

は典型的な注入点

及びサンプル取出し点を示している。加熱器が復水器上部に設置される場合のように,抽気ラインが

短い場合,サンプル水を採取するのが難しい。

このような場合,サンプル水は加熱器ドレンから採取することが望ましい。

図 12  注入点及びサンプル取出し点の例

c

)

サンプル流量

  サンプル水の流量は蒸気の混じり込み,及び凝縮が引き続いて生じないように調整し

なければならない。許容最大流量は,例えば,サンプル蒸気の溶解酸素を分析することによって決定


46 
B 8105:2004

できる。沸騰水形原子炉からの蒸気には 20∼30 mg/kg の酸素が,放射線を受けた結果として存在する。

サンプル水の流量は,熱消費量試験前に決定しなければならない。酸素濃度を複数の流量について測

定し,

図 13

のように表示すると,蒸気がサンプル水に混じり始める流量は,酸素濃度の急激な上昇に

よって確認できる。蒸気の割合を追跡する方法として,酸素又は他の適切なトレーサの使用の有効性

は液相及び気相での酸素の分布による。3.5 MPa 未満の圧力下では酸素はほとんど全部が気相中に存

在する。

他の形式のプラントでは,適切なトレーサとしてキセノン―133 をあげることができる。

図 13  サンプル水の酸素濃度

5.7.6

トレーサ及びその使用法

5.7.6.1

一般

  復水法及び定量注入法で精度良い結果を得るために,トレーサは次の基準を満たさなけれ

ばならない。

a

)  運転員に危害を加えてはならない。

b

)  使用している材料に有害な影響を与えてはならない。

c

)  水溶性で,かつ,蒸気には本質的に溶けてはならない(蒸気中での濃度 10

−6

は適切なトレーサの組合

せによって可能である。

d

)  揮発性があってはならない。

e

)  タービンサイクルに存在する状態で安定,かつ,内部の表面に吸収されてはならない。

f

)  いかなる場合にも適用される水に完全,かつ,均一に混合されなければならない。

トレーサを使用するときは環境汚染を防ぐよう注意しなければならない。

5.7.6.2

放射性トレーサ

  放射性トレーサは,放射性物質の保持及び利用を許可されている原子力発電プ

ラントへの適用には特に適切である。

10

9

分の 1 よりも低いトレーサ濃度はガンマ線をカウントする技術を

用いて精度良く測定できる。低い放射線レベルの蒸気サイクルに対しては,精度が高い試験に必要なトレ

ーサ濃度は非常に小さい。しかし,トレーサは長期間の汚染の問題を避けるために寿命の短い同位元素で

なければならない。

取り出した複数のサンプル水の濃度を,

同時に測定することは実際上困難であるから,

各サンプル水の測定した濃度には同位元素の減衰を考慮した補正が必要である。これら基準に合致するト

レーサの一つが 15-h ナトリウム―24(半減期 15.02 時間)である。トレーサ法を主蒸気及び抽気蒸気の湿

り度並びに加熱器の漏れの測定に使用するときは,3 種類の異なった放射性トレーサを使用すると有利で

ある。

5.7.6.3

非放射性トレーサ

  ナトリウムトレーサ法は,サンプル水中のナトリウム質量濃度の精度の高い

直接的な測定方法であり,次による。加圧水形原子炉サイクルには,二次ループ水の水質管理のため,り


47

B 8105:2004

ん酸ナトリウムを使用しているのでナトリウムが存在する可能性がある。ナトリウムトレーサ法は,加圧

水形原子炉サイクルの二次ループの非放射性を保持している。

a

)

炎光光度法

  ナトリウムの分析は,炎光光度計を用いて行う。周囲環境のナトリウムがサンプルを汚

染しないように注意しなければならない。各サンプル取出し点において,ナトリウム濃度の複数測定

を行わなければならない。ナトリウム濃度は連続流量サンプルに対しても測定することができる。

b

)

ナトリウムイオン電極法

  ナトリウム分析計を連続的な流量サンプルの監視にも,個々のサンプルの

分析と同じように用いることができる。

非放射性トレーサ法の適用は,原子炉システム及び他の関連機器の金属学的な安全に関する規則に

合致するものでなければならない。

5.8

時間の測定

  試験期間及び観測時間は,次のように測定する。

a

)  親時計又はタイムキーパからの信号

b

)  各測定者による試験前に時間合わせを行った時計の観測

積算形計器を使用している測定については,精度の高い時間の測定が必要である。各個人のストッ

プウォッチ又は電気的な測時システムを用いなければならない。積算計の読取りと時間測定者の時間

合わせには特別な注意が必要である。

5.9

回転速度の測定

  回転速度の測定は,次による。

a

)  電気的出力測定試験の速度測定には,受渡当事者間の協定によって精密級指針形周波数計のような直

接回転を観測できる速度測定装置を使用することができる。

b

)  出力の計算に速度が重要な要素となる試験では,タービン又は被駆動機から歯車によって直接駆動す

る電子管式積算計数器,又は機械式積算計数器によって速度の測定を行う。平均速度は全試験時間中

の総回転数から決定し,試験の初めと終わりにおける計数器の観測時刻は,1 秒以内の精度で求めな

ければならない。試験中の速度は積算計数器だけではなく,直接観測できる速度測定装置を用いて測

定する。試験時間中に同一間隔で計数器の読取り値を記録し,その最初の値と最後の値とが適切であ

ること,及び直接式速度計に誤差がないことを確かめる。

c

)  一連の調速機試験に先立ち,速度計又は計数器及び全調速機構を調査し,信頼度が高い作動状態にし

ておかなければならない。

d

)  整定速度調定率を決定する場合は,タービンの速度を 0.2  %の精度で測定できるよう,次の装置又は

これに準じるものを使用する。

1

)  精密級指針形周波数計

2

)  光電管式ストロボスコープ

e

)  正確に瞬時の速度の変動を線図に記録する必要がある場合は,電位差計の部分の慣性ができるだけ小

さい記録速度計を用いる。

この測定には,タービン軸端に溝付きの円筒又は円盤を取り付け,周波数発電機及び光電池を用い

て,それからの信号をオシログラフに受ける方法が望ましい。

f

)  長期間にわたり実際の回転速度又は速度比を記録するのに用いる電気式回転計は,温度の影響を受け

ないようにする。

6.

熱的試験の評価

6.1

評価の準備

  試験結果の評価には,最終結果の正確性に関係する一連の評価作業を含んでいる。改

善量を保証した改造蒸気タービンの保証値は,改造前後の試験の測定値の差で決定する。改造前後の測定


48 
B 8105:2004

値は,すべての影響ある要因を考慮して,タービン性能の改善量の計算に使用する。改造前後の試験時の

運転条件をできるだけ近づけることは,不確かさに対する補正を減らし,評価を簡単にする。なかでも,

最も重要な要因は,系統の遮断と漏れである。また,試験結果の測定上の不確かさも,決定しなければな

らない(

JIS B 8102

8.

附属書 H

及び

附属書 J

参照)

試験結果は,試験中の測定値から,

3.3

に従って計算する。

測定値を評価する前に,実際に測定した期間全体のうち,どの期間を公式試験期間とするかを決めなけ

ればならない。この期間は,少なくとも

4.7.3

で規定された期間と同等でなければならない。この期間は,

絶対値試験に対して,

4.7.1

及び

4.7.2

の規定を満足していなければならない。相対値試験に対しては,

表 3

4.3.1

を適用する。この選定した期間の最初と最後に対応して,積算量計を含むすべての計器の読み,及

び対応する時間を測定していなければならない(

6.2.1

参照)

試験中に運転の乱れがあった場合には,その間のすべての読みを除外してもよい。しかし,その場合で

も,乱れの前後で運転状態に変化がなかったことを明確にしなければならない。乱れの前と後の期間を分

けて評価する場合,試験結果の不確かさを試験期間の分割の数の平方根で除してはならない。しかし,試

験はいくつかの期間に分けて評価しなければならない場合も起こり得る。

試験中に系統の遮断が崩れたが,

また確立した場合だけ,分割したものとみなすことができる。

試験中に,測定計器が一時的に故障した場合には,受渡当事者間の合意によって,測定できなかった測

定値を,

他の測定値から推定するか,

又はプラントの運転状態が十分に安定しているならば測定開始前か,

計器の復旧後の測定値に置き換えてもよい。例えば,タービン入口の蒸気温度は,ボイラ出口の蒸気温度

とタービン入口温度の差が,ほぼ一定であることから計算することができる(

4.7.7

参照)

6.2

結果の計算

6.2.1

測定値の平均

  性能評価に使用する各測定値の平均は,算術平均で行う。流量計の圧力差の読みの

平均化については,厳密には読みの平方根の算術平均であるが,読みの単純算術平均の平方根で求めても

よい。

もし,

圧力差の読みの振れ幅が 10  %以下ならば,

読みの算術平均によって生じる最大の誤差は 0.1  %

以下である。

6.2.2

測定平均値の補正

  平均値とした読みは,次の点を考慮して補正を行う。

a

)  計器定数及びゼロ点補正

b

)  校正結果に対する補正

c

)  計器の読みの基準値(例えば,大気の圧力,雰囲気温度)

d

)  付加される影響(例えば,水柱)(

5.4.7

参照)

。これらの補正は低圧部になるほど重要である。

ただし,計器が通常許される測定誤差内に収まっていることが確認されていれば,適用されない場合が

多い。

6.2.3

測定値の評価

6.2.3.1

一般

  測定された圧力,温度,流量などのデータに対して物理的な矛盾がないか検討しなければ

ならない。

もし,重大な矛盾が発見され,その原因と程度が特定できない場合には,試験は完全に又は必要な範囲

で繰り返さなければならない。また,計器の読みが明らかに間違っている場合,受渡当事者間で協議のう

えで別の計器の読み又は計算によって評価してもよい。

6.2.3.2

複数の測定に関する評価

  複数の独立した計器による測定結果を,同じ変数に対して適用する場

合は,これらの測定値から適切な方法によって平均値を計算して決定する。この重み係数  を適用するこ

とは,個々の測定値

j

x

の相対的な信頼性を考慮する方法である。最も妥当な平均値は,次の式の重み付き

j

γ


49

B 8105:2004

平均値 となる。

( )

j j

j

x

x

γ

γ

å

å

=

  (24)

個々の重み係数は,測定値

j

x

の信頼限界

j

x

から計算する(

JIS B 8102

8.

参照)

j

j

1

x

V

γ

=

 (25)

複数の測定値の相互適合性を確認するには,統計学的方法の適用が必要であり,これについては

JIS B 

8102

附属書 C

に規定されている。

6.2.3.3

質量流量バランス

  試験中に主要流量の測定を複数実施しているときには,ある流量値に対して,

流量バランスを解くことによって複数の値が得られうる(

JIS B 8102

附属書 D

参照)

6.2.3.4

測定時の系外への漏れ

  測定時の系外への漏れをできる限り試験前に確認し,解消しなければな

らない。もし,確認した漏れを解消できない場合,それらの流量を測定するか又は推定する。それらの推

定値は,主要流量又は副次流量の計算に含める。作動流体の損失となる確認できない漏れも,必要に応じ

て,その量と場所を推定し,主要流量又は副次流量の計算に含めなければならない。

試験中の不明な漏れは,全負荷時の主蒸気流量の 0.6  %を超えてはならない。さらに,改造前後の試験

で,不明の漏れ量の差は,別に協定されている場合を除き,全負荷時の主蒸気流量の 0.2  %を超えてはな

らない。実際の不明の漏れ量を決定するために,改造前試験の前に予備試験を行うのが望ましい。可能な

らば,漏れ量を,推定して,ヒートバランスに含めなければならない。

不明な漏れ量は,

表 6

に従って割り振る。

表 6

の数値は,受渡当事者間の協定によって変更してもよい。

  6  不明漏れ量の配分

漏れの配分先

火力発電プラント

原子力発電プラント

蒸気入口管及び蒸気発生器 
(バイパス部含む)

蒸気タービン

60  %

40  %

30  %

70  %

再熱蒸気タービンの場合の漏れについては,漏水量の半分は再熱段上流,残りは再熱段下流で発生する

と仮定してもよい(後者は,高温再熱系とクロスオーバで発生したものと推定する。

6.2.4

蒸気表

  保証と試験結果を計算するために使用する蒸気表は,受渡当事者間で合意して決定し,使

用する蒸気表の名称,版,発行年などを契約書及び報告書に明記する。

蒸気表としては,国際水・蒸気性質協会(

IAPWS

:International Association for the Properties of Water and

Steam)が 1997 年に発行した,蒸気と水の特性値を求めるための産業用計算式:

IAPWS-IF97

に基づく表

の使用を推奨するものであり,可能な限り契約時点の最新版に基づくべきである。

なお,

“1999  日本機械学会蒸気表”は

IAPWS-IF97

に準拠したものである。また,これまで使用してき

IFC-67

は,この

IAPWS-IF97

に置き換えられる。以前の結果と比較するなどのために,同じ状態式か

ら得られた特性値を使用する必要がある場合には,受渡当事者間の合意があれば

IFC-67

に準拠した蒸気

表を使用してもよい。

6.3

試験結果の計算

  発電所の改造には,弁,ポンプ,熱交換器などの多くの機器が含まれる場合があ

るが,この規格では,重要部品である蒸気タービン部品の改造について規定する。蒸気タービンの改造部

分や保証値によって,性能試験の測定範囲や,試験結果の計算法は異なるため,事前に受渡当事者間で合

意した定義式に従って試験結果の計算を実施する。湿り段落でない高圧や中圧タービンの内部効率の決定


50 
B 8105:2004

には,流量測定は必要なく,温度,圧力の測定だけで可能である。しかし,同一流量の測定個数は,保証

の条件と要求される精度に従って決定しなければならない(

附属書 J

参照)

熱消費率と低圧タービンの効率決定には,流量を決定することが必要となり,したがって,次の各項目

についてあらかじめ具体的に協議しておく必要がある。

6.3.1

主蒸気流量

  主蒸気流量は,復水流量計による測定値から,脱気器及び高圧給水加熱器周りの流量

及びヒートバランスを用いて,ボイラ入口給水流量を算出し,その値から次のようにして求める。ただし,

受渡当事者間の協定によって,

給水流量計の測定値から求めることもできる

JIS B 8102

附属書 3

参照)

( )

11

is

mu

aux

1

B

m

m

m

m

m

=

+

&

&

&

&

&

  (26)

ここに,

1

m&

タービン入口主蒸気流量

11

m

&

主給水流量(最終給水加熱器出口流量)

is

m&

過熱器注水量

(最終給水加熱器より上流から取り出す場合)

mu

m&

不明な漏れ流量(unaccounted loss)

( )

aux

B

m&

ボイラ補助蒸気流量

備考1.

  給水流量(

11

m

&

)の計算に際しては,一般には復水流量計,場合によっては給水流量計によ

って測定した流量に対して,次の内部保留流量を考慮する必要がある。

a

)

復水器ホットウェル水位変化に対する水量

b

)

脱気器貯水タンク水位変化に対する水量

c

)

給水加熱器の保有水量

例えば,復水器水室水位が 4 時間の性能試験の開始時と終了時とで,相対的に 1 mm 低下

したとすると,(復水器水室面積)×(1 mm)/(4 時間)相当の流量を,タービン流入蒸気量より見

掛け上多く測定したことになるので,この分を減じる必要がある。

2.

  不明な漏れ流量(

mu

m&

)は,ボイラにおける系外の損失流量として通常全量を適用するが,

1/2 がボイラサイクル側,1/2 がタービンサイクル側での損失として扱う場合もあり,受渡当

事者間で事前に協議しておく必要がある。

6.3.2

低温再熱蒸気流量

  タービンサイクルからボイラ再熱器に戻される低温再熱蒸気流量は,給水加熱

器への抽気及びタービン内部での漏れ蒸気のように,再熱器を通過しない蒸気流量,ボイラ燃料油噴霧用

蒸気流量などを主蒸気流量から差し引いて,次の式によって求める。

( )

cl

2

1

V

f t

x

l

HP

m

m

m

m

m

m

m

=

&

&

&

&

&

&

&

 (27)

ここに,

2

m

&

低温再熱蒸気流量

V

m&

主タービン加減弁及び主蒸気止め弁のステム漏れ蒸気流

( )

bfpt

HP

m&

ボイラ給水ポンプ駆動タービンの高圧駆動蒸気流量

ex

m&

高圧給水加熱器への高圧タービンからの抽気蒸気流量

gl

m&

高圧タービングランド漏れ蒸気流量

cl

m&

中圧タービン冷却蒸気流量

  上記のうち

ex

m

&

は給水加熱器周りのヒートバランス,又はドレン流量測定から求められるが,

V

m&

gl

m

&

cl

m&

などの流量については計画値を用いることが多い。

6.3.3

高温再熱蒸気流量

  ボイラ側からタービン側に供給される高温再熱蒸気流量は,次の式によって求

める。

3

2

r

m

m

m

=

+

&

&

&

 (28)


51

B 8105:2004

ここに,

3

m&

高温再熱蒸気流量

2

m

&

低温再熱蒸気流量

ir

m

&

再熱器注水流量

6.3.4

出力

  熱消費率に関しては,次に示すように発電機出力に基づいた全サイクルに対する熱消費率

(グロス)と,正味出力に基づく全サイクルに対する熱消費率(ネット)があるので,事前に受渡当事者

間で算出の定義について協議しておく必要がある(

表 7

参照)

  7  熱消費率に対する出力の定義

熱消費率の定義

ボイラ給水ポンプ又はその他
の補機の駆動方法

熱消費率(グロス)

Gross Heat Rate

(GHR)

熱消費率(ネット)

Net Heat Rate

(NHR)

モータ駆動/タービン駆動

b

b

a

主タービン軸直結駆動

b

p

b

b

:発電機端出力(kW)

a

:タービンで駆動されない給水ポンプ又はその他の補機の動力(kW)

p

:主タービンが給水ポンプ又はその他の補機を直接駆動する場合の動力(kW)

なお,励磁機が直結の場合は,上記の発電機端出力(P

b

)は発電機励磁動力が既に差し引かれている。

サイリスタ励磁方式,又はコミュータレス励磁方式のように励磁機がタービンと別置きの場合には,発電

機励磁動力が測定可能なため,発電機出力として,これらの電力を差し引くか,差し引かないかについて

は,事前に受渡当事者間で協議しておく必要がある。

6.3.5

タービンサイクルへの入熱量

  実際のタービン熱サイクルにおいては,ボイラで供給される熱量に

加えて,復水器から最終給水加熱器までの復水系統や,給水系統中のポンプによってタービンサイクルに

熱が加えられ,これらのポンプが外部電力源によって駆動される場合で,熱消費率の定義式の出力に考慮

していない場合は,これらによる入熱を考慮する必要がある。

また,主蒸気,再熱蒸気の過熱低減に注水(spray)を行う場合,及び蒸気式空気予熱器などへタービン

抽気蒸気を使用する場合は,これらを考慮する必要がある。ただし,いずれの場合においてもあらかじめ

保証した熱消費率の定義式が,

上記を含んだものであるかどうかによって取り扱う必要がある

図 14

参照)


52 
B 8105:2004

図 14  タービンサイクルへの入熱量の例

14

に示すような一段再熱再生タービンにおける具体的タービンサイクルへの入熱量計算式は,

次のと

おりとなる。

(

)

ah

ad

1 1

11 11

is is

3 3

2 2

ir ir

ah

aux aux

m m

af

ac

Q m h

m h

m h

m h

m h

m h

m

h

h

m h

m h

Q

Q

+

+

+

+

=

&

&

&

&

&

&

&

&

&

 (29)

ここに,Q:タービンサイクルへの入熱量

,

1

1

m h

&

:主蒸気流量及び比エンタルピー

11

11

,

m h

&

:最終給水加熱器出口給水流量及び比エンタルピー

,

is

is

m h

&

:給水ポンプ出口などの最終給水加熱器より上流からのボイラの過熱器過熱低減注

水流量及び比エンタルピー

3

3

,

m h

&

:高温再熱蒸気流量及び比エンタルピー

2

2

,

m h

&

:低温再熱蒸気流量及び比エンタルピー

,

ir

ir

m h

&

:再熱器過熱低減注水流量及び比エンタルピー

,

ah

ah

ad

,

m h h

&

:蒸気式空気予熱器へのタービン抽気蒸気流量及び抽気点ドレンの比エンタルピー

aux

aux ,

m

h

&

:燃料油噴霧用などの蒸気流量及び比エンタルピー

,

m

m

m h

&

:補給水量及び比エンタルピー

af

:電動機駆動給水ポンプによる入熱

ac

:復水ポンプによる入熱(一般には無視できる。)

備考

  ポンプによる入熱は,通常,次の式によって求められる。

100

/

a

a

x

P

Q

η

 (kJ/s) (30)

ここに,

P

a

:  補機の消費動力(kW)

x

η :  総合駆動機効率(%)(モータ効率,継手効率及びギア効率を含

む。

6.3.6

熱消費率

  熱消費率は,

3.3 b

)で定義しているように,タービンサイクルへの入熱量を出力で除し


53

B 8105:2004

たものである。この場合,

6.3.4

に示したように求める熱消費率がグロス(GHR)かネット(NHR)かによ

って,測定された出力の使い方が異なってくるので注意を要する。

また,励磁方式によっても同様の注意が必要である。タービンサイクルへの入熱量に関しては,考慮す

る項目をあらかじめ明確にしておく必要があり,保証熱消費率計算の基となったヒートバランス図と矛盾

があってはならない。

6.3.7

蒸気消費率

  蒸気消費率は,

6.3.1

及び

6.3.4

で規定する主蒸気流量及び出力によって,主蒸気流量

を出力で除したものとして定義する。

この場合においても

6.3.6

の熱消費率と同様,出力の基準を明確にしておく必要がある。

6.3.8

低圧タービンの効率

  高圧タービンや中圧タービンと異なり,低圧タービンは膨張線の終点が湿り

域にあるため,その効率を,直接,圧力と温度の測定値から決定することはできない。

この問題を解決するためには,高圧及び中圧タービンの軸出力を求めて,流量と熱バランスによって決

定することが必要である。低圧タービンの内部出力は,

LP

i

HP

IP

P

P P

P

= −

  (31)

であり,そして

å

=

+

=

N

i

m

m

m

1

4

ei

in

&

&

&

 (32)

å

=

×

+

×

=

N

i

h

m

h

m

P

1

UEEP

4

ei

ei

LP

]

[

&

&

 (33)

となる。

ここに,

i

P

蒸気の膨張線から求めた内部出力

HP

P

高圧タービンの出力

IP

P

中圧タービンの出力

LP

P

低圧タービンの出力

in

m&

低圧タービンの入口流量

in

h

低圧タービン入口比エンタルピー

ei

m

&

i”番目の抽気の流量

ei

jn

ei

h

h

h

=

低圧タービン入口から“i”番目の抽気までの比エ

ンタルピー降下

: 低圧タービンから抽気される抽気の段数

4

m&

排気流量

UEEP

h

UEEP の比エンタルピー

UEEP

in

UEEP

h

h

h

=

低圧タービン入口から排気までの比エンタルピー

降下

2 種類の低圧タービンの内部効率は,次のように定義できる。

in

UEEP

UEEP

s

h

h
h

η

=

  (34)

in

ELEP

ELEP

s

h

h

h

η

=

 (35)

UEEP

ELEP

h

h

  は,回収できない排気損失である。

                      ここに,

ELEP

h

: ELEP の比エンタルピー


54 
B 8105:2004

式(33)を計算するためには,内部効率を仮定して計算した内部出力と式(33)の出力が一致するまで収束計

算することが必要である。この過程においては,測定された抽気の比エンタルピーを考慮しなければなら

ない。最も低圧側の抽気の比エンタルピーは,湿り領域のため直接決定できない。したがって,これらは

収束計算をしなければならない。この方法では,必要な正確さのためには,広範囲の測定[

JIS B 8102

図 3

及び

3.3 r

),

s

),

t

),

u

)  参照]が必要である。

式(33)の結果は,水/蒸気系統に強く影響を受ける。したがって,別個の発電機をもつクロスコンパウ

ンド方式の低圧蒸気タービンは,簡単に算出できる。逆に,高圧・中圧一体で構成された蒸気タービンは,

直接は測定できない高圧から中圧への内部漏えい(洩)が存在するので,高圧と中圧の内部出力の計算が

極めて不正確になり,複雑な問題となる。ほとんどの場合,温度変化法を用いることによって,内部漏え

い(洩)の流量を決定することが可能になる(

附属書 L

参照)

一般の原子力タービンの出力バランスの計算は,高圧部も低圧部も湿り域にあるため更に複雑である。

トレーサ法は,高圧と低圧の膨張線間の出力の比率を決定するために湿り度,及び比エンタルピーの決定

に有効である。

7.

試験結果の補正と保証値との比較

7.1

熱的保証値と保証条件

  熱消費率,蒸気消費率,主蒸気流量などの熱的性能値は,タービン熱サイ

クルの蒸気条件や給水系統における各因子に依存する。したがって,熱的性能試験によって求められた性

能測定値を,試験条件と保証時の熱サイクル及び運転条件との間に偏差があれば,その偏差に対して適切

に修正しなければならない。

7.1.1

改造蒸気タービンに特有の保証値及び保証条件

  この改造蒸気タービンに関する規定は,

7.

の他の

項による全般的な修正に加えて,次のような改造前後の試験における特有な状況に対して適用する。

    −  交換していない機器で測定された性能のばらつき。

    −  対象機器の周辺において独立して変化した境界条件。

a

)  例えば,低圧ケーシングを改造して,同時に高圧ケーシング又は中圧ケーシングで保守を実施すると,

改造前後で試験結果にずれを生じることがある。

このような場合,事前確認として,改造をしていない機器における傾斜又は階段状変化を調査する

ため,改造前後で比エンタルピー降下試験(又は他の試験)を実施することが望ましい。そして,そ

の結果によって改造前試験のベースラインを修正することが望ましい。

こうした修正は,修正曲線,修正係数又は,全体的な計算機解析によって行うことができる。

b

)  機器の性能改善の保証値に関して,改造前後の試験の周辺境界条件は,できる限り改造前後で同一の

値が再現できるような条件下で実施することが望ましい。

例えば,ケーシングの出入口圧力比,高圧・中圧タービンの蒸気ののみ込み容量又は,抽気流量/

流入蒸気流量比の個々の偏差は,修正が必要であると考えてよい。

c

)  改造前試験でベースライン設定が誤っていると確定できた場合には,熱消費率改善の保証値について

修正が可能である。

これは,合意済みの試験手順書に含めるものとし,修正された改善保証値は,改造のためにプラン

トを停止するときまでに合意する。

d

)  一般的に,認められる修正は,改造プラント周辺の熱的境界によって決まる。これは,ボイラの発生

蒸気流量などであるが,多くの場合,改造工事が関連プラントの性能を変化させる。その場合は,修

正を認めないほうがよい。例えば,改造で再熱器の条件が変われば,再熱器スプレーが影響を受ける


55

B 8105:2004

ことがある。この影響は,調査する必要があり,また統一修正点として利用できる場合がある。同様

の配慮が,復水系統及び給水加熱系統にも当てはまる。

e

)  古いプラントにおいては,蒸気・水の漏えい(洩)がよく見受けられるが,その場合は試験への影響

を十分に考慮しなければならない(

6.2.3.4

参照)

f

)  改造する範囲の系統全体に占める比率が小さくても,他の機器に影響を及ぼす場合は,修正の件数が

非常に多くなる可能性がある。その場合は,多数の修正を同時に処理するため,計算機解析で扱うの

が便利である。

g

)  熱サイクルの修正項目の修正曲線の一例を,

JIS B 8102

附属書 E

に参考として規定している。しか

し,そのサイクルに固有の修正曲線は,タービン製造業者で準備することが望ましい。購入者は,こ

れらの修正曲線が当該設備に適用できることを確認することが望ましい。

修正曲線については,改造前試験に含まれるあらゆる試験の実施前に合意する。

h

)  一般的に,タービンの改造がもたらすプラント性能への影響については,契約段階で合意することが

望ましい。

7.2

熱の出入りに対する修正

  熱の出入りに対する修正は,次による。

a

)  サイクルに出入りする熱量が,タービン製造業者の契約書に含むプラント機器によるものであれば,

それが保証値計算の際の基準とした値と相違していても,その偏差について熱消費率,蒸気消費率又

は入口蒸気流量の試験値を修正しない。

b

)  サイクルに出入りする熱量が,タービン製造業者の契約書に含まないプラント機器によるものであれ

ば,それが保証値計算の際の基準とした値と相違している場合は,その偏差について試験結果に及ぼ

す影響が,受渡当事者間で無視できると認められない限り,熱消費率,蒸気消費率及び入口蒸気流量

の試験値を修正する。

c

)  試験中の再熱器系統に加えたスプレー水の熱量,及び補給水の熱量が,保証値の基準とした値と相違

する場合は,その偏差について出力,熱消費率,蒸気消費率及び入口蒸気流量の試験値を修正する。

7.3

試験結果の運転条件に対する修正

  試験の実施に際しては,

a

)  出力又は主蒸気流量を所定の値に保った運転

b

)  主蒸気加減弁の弁開度を所定の値に保った運転

が考えられ,

各々の運転方法に対して,

あらかじめ用意された修正係数又は修正曲線を用いる必要があり,

混同してはならない。いずれかの運転方法で試験を実施するかは,保証値を決めた条件に従う。

修正係数としては,

表 8

に示す項目がある。

 
 
 
 
 
 
 
 
 


56 
B 8105:2004

  8  再熱再生タービンの場合の修正係数の例

−主蒸気圧力(

6

)

−主蒸気温度 
−再熱蒸気温度

−再熱器の圧力降下 
−タービン排気圧力,復水器冷却水温度,冷却水量 
−湿分分離器効率(

7

)

−回転速度 
−給水加熱器の端末温度差(ターミナル温度差)(

7

) (

8

)

−抽気ラインの圧力降下(

7

) (

8

)

−系の保留水量の変化,補給水量 
−サイクルに出入りする熱量 

例  蒸気式空気予熱器などへの供給蒸気)

−復水ポンプ及び給水ポンプの比エンタルピー上昇 
−復水器における復水の過冷却(

9

)

(タービン性能が冷却水温度に対し保証されている場合)

−ボイラのスプレー水量 
−給水加熱システム運用条件差(

例  ヒータカットの場合)

−発電機力率

−電圧 
−水素圧力 
湿り蒸気使用時の修正として

−主蒸気の湿り度 
−湿分分離器出口湿り度(

7

)

−再熱器(湿分分離器)のターミナル温度差(

7

)

−湿分分離器再熱器の圧力降下(

7

)

注(

6

)  変圧タービンの蒸気流量容量の偏差によって生じた,主蒸気の測定圧力

と保証時の圧力との差は,修正を考慮することが望ましい。 
  なお,蒸気流量容量及び圧力の偏差は,契約書に明記された範囲内と
する。

(

7

)  タービン本体と同一の契約者から供給された場合は,通常,修正を行わ

ない。

(

8

)  最終給水のターミナル温度差又は,抽気管圧損の偏差によって生じた,

最終給水温度の測定値と保証時の温度の差は,修正を考慮することが望
ましい。 
  なお,ターミナル温度差や圧力損失の偏差は,契約書に明記された値

の範囲内とする。

(

9

)  タービン性能が冷却水温度に対して保証されている場合だけ実施する。

7.4

修正値の定義及び適用

  修正上,一般に試験結果に与える各種運転パラメータの影響は,相互に独

立していると仮定されている。したがって,修正値は,個々の運転パラメータの偏差によってそれぞれ決

まり,さらに,組み合わせて総合修正を行う。すなわち,各々の修正項目に対する修正係数を

a

b

c

,…とすると,総合修正係数(

F)を次の式のように求めることができる。

F=F

a

×

b

×

c

×…   (36)

なお,ここに示す

a

b

c

,…は 1.0 を中心とした無次元数である。

以上のようにして求めた総合修正係数(

F)を用いて,熱消費率,蒸気消費率,入口蒸気流量や出力など

の測定された性能値(

m

)から,次の式のようにして保証条件に対応する保証性能値(

c

)を求めるこ

とができる。

c

m

×

F (37)


57

B 8105:2004

なお,試験時の運転条件が規定値から大幅に外れ,排気圧力修正係数を除く各修正係数の偏差の絶対値

の総和が 5  %を超えた場合は,受渡当事者間で試験の有効性を協議することが望ましい。

7.5

修正方法

7.5.1

一般

  修正方法並びに必要な値及び曲線の決定は,

7.3

に示すように,保証値の比較に適用される

次のいずれかの方法によって異なる。

a

)  保証値の比較を出力一定又は主蒸気流量一定で行う場合には,個々の変数に関し,その熱消費率への

影響を修正して考慮しなければならない。

b

)  保証値の比較をタービンの蒸気加減弁開度一定で行う場合には,熱消費率及び出力の両方に及ぼす各

変数の影響を考慮しなければならない。

いずれかの修正方法を採用するかは,試験前の早い時期に試験に参加する関係者によって合意され

なければならない。

特に,複雑なサイクル(タービンサイクル以外で用いる抽気若しくは,ブロー,補助蒸気の混入な

ど,又は複雑な給水加熱サイクル)をもつタービン,及び多くのサイクル修正をもつタービンに関し

ては,

7.5.2

に示す修正曲線を使用した修正方法が推奨される。もし,修正を適切に適用するのであれ

ば,この方法は正確で便利な修正となる。

また,

7.5.3

に示すヒートバランスによる修正など,他の適切な修正方法を受渡当事者間の合意によ

って適用してもよい。

7.5.2

タービン製造業者の提出した修正曲線による効率の修正

  タービン製造業者が提出する修正曲線

は保証条件に従い,通常,次に示すように 2 種類がある(

図 15

及び

JIS B 8102

附属書 E

参照)

7.5.1 a

)の場合,種々の因子(変数)の関数として,熱消費率の修正係数が修正曲線によって得られる。

7.5.1 b

)の場合,種々の因子(変数)の関数として,

7.5.1 a

)と異なった熱消費率の修正係数,及び出力の

修正係数となっている。


58 
B 8105:2004

図 15  修正曲線の例

7.5.3

ヒートバランス計算による修正

  ヒートバランス計算による修正には,次の二通りがある。

a

)  試験時のサイクル及び運転条件を,保証時のサイクル及び運転条件に修正する。すなわち,タービン

の試験時の効率を,指定条件のものに修正してもよいということである(もし必要なら,運転条件の

影響に関しても)

。これらの修正された試験時の効率は,保証サイクルと比較させることができる修正

試験サイクルを計算することに用いてもよい。

b

)  保証時のサイクル及び運転条件を,試験時のサイクル及び運転条件に修正する。タービンの保証効率

は,試験条件によって修正してもよい(もし必要なら,運転条件の影響に関しても)

。この修正された

試験時の効率は,試験時のサイクルと比較させることができる修正保証サイクルを計算するために用

いてもよい。

過熱蒸気を用いるタービンに関しては,

a

)の方法を一般的に用いるが,湿り蒸気を用いるタービンに関

しては,

b

)の方法の方が正確な計算を容易に行うことができる。

試験条件下で完全なヒートバランスの再計算を行って修正するには,計算手段(プログラム)が必要で

ある。このように再計算することは,試験条件がタービン,プラント構成機器の性能に及ぼす影響を正確

に考慮するためである。

すべての必要なデータと計算方法は,受渡試験前の十分に早い時期に,受渡当事者間で明確にさせてお

かなければならない。

7.5.4

修正係数を定めるためのテスト

7.5.2

に示した修正係数の計算では,規格を満たす精度が得られ

ない可能性があると考えられる場合には,実際に該当する条件を変化させて性能変化を測定することによ

って確認することも可能である。この場合,特に排気圧力の修正係数の場合は,修正係数を定めるために

特別の試験をすることを推奨する。ただし,操作量(パラメータ)を一つに定めて行う一連のテスト(例

えば,復水器に空気を入れ,排気圧力を操作量にとる。

)は,同一日,同一人員及び同一機器によって行う

必要がある。また,操作量(パラメータ)を変えた後は,十分な整定時間を取らなくてはならない。

7.6

タービンのみ込み蒸気流量の修正

  蒸気加減弁の任意の開度において,タービンがのみ込む蒸気流

量を求める必要が生じた場合,タービン入口蒸気条件の計画値からのずれに対する修正は,タービン製造

業者が作成した修正曲線を使用する。又は簡略的に,復水タービンの場合は次の式を使用してもよい。


59

B 8105:2004

1g

1m

1m

c

m

1g

1g

1m

p

p

υ

m

m

p

p

υ

×

=

×

×

×

&

&

 (38)

また,背圧タービンのようにタービンの排気圧力の入口圧力に対する割合が十分に小さくない場合は,

次の式を使用してもよい。

2

2

1

1

1m

1m

c

m

2

1g

1m

1

2m

1m

1

1

g

g

g

g

p

p

p

p

υ

m

m

p

p

υ

p

p

æ

ö

ç

÷

− ç

÷

×

è

ø

=

×

×

×

×

æ

ö

− ç

÷

ç

÷

è

ø

&

&

 (39)

          ここに,

c

m&  :蒸気流量修正値

m

m&

 :蒸気流量測定値

1

 :タービン入口蒸気絶対圧力(    :計画,    :測定)

2

 :タービン出口蒸気絶対圧力(    :計画,    :測定)

1

υ

  :タービン入ロ蒸気比体積    (

1g

υ :計画,

1m

υ

:測定)

2

υ

  :タービン出口蒸気比体積    (

2g

υ :計画,

2m

υ

:測定)

なお,圧力比の指数 2 は,

k

k

+

1

の近似値である。

7.7

最大出力の修正

  最大出力の保証条件への修正は,タービン製造業者が作成した修正曲線を使用し

て行うが,具体的には

表 8

に示すような項目について行う。

7.8

再熱,再生タービン以外のタービンの修正

7.8.1

抽気又は混圧蒸気がないタービン

  抽気又は混圧蒸気がないタービンの熱的性能試験結果に修正

を適用する場合は,簡単に次の状態量の偏差に関するものを考慮すればよい。

−  主蒸気圧力

−  主蒸気温度

−  排気圧力又は復水器冷却水温度及び冷却水量

−  回転速度

−  主蒸気流量(

10

)

−  蒸気加減弁絞り損失(

11

)

−  発電機力率

−  電圧

−  発電機冷却ガス圧力

(

10

)  修正値と保証値の比較を,基準曲線ではなく保証点でする場合だけ,主蒸気流量の偏差の修正

が必要である。

(

11

)  保証値は通常,蒸気加減弁全開点において定められる。

表 4

に記されている保証状態からの最

大許容偏差も考慮の上,試験は弁全開点で行われる。その場合,修正は必要でない。

  もし,加減弁が部分絞りのある点において保証されている(例えば,部分負荷において加減

弁の絞りを伴う全周噴射タービン)のであるなら,保証状態における蒸気加減弁での絞り損失

を含めた試験を行うか,又は修正が必要である。

7.8.2

給水加熱以外の用途の抽気

例えば,工場送気

をもつタービン

  このようなタービンに関し,熱

1

g

p

g

p

1m

p

2m

p


60 
B 8105:2004

効率試験結果に修正を行う場合は,

7.8.1

に示した項目の偏差に関する修正に加えて,給水加熱以外の用途

の抽気に関し,次の修正を考慮する必要がある(

JIS B 8102

附属書 4

参照)

−  抽気圧力

−  抽気流量(

12

)

−  抽気加減弁絞り損失(

13

)

−  保証条件からの他の条件の変化

給水加熱系統がある場合は,

7.9.2

の修正も行わなければならない。

(

12

)  変圧タービンの蒸気流量容量の偏差によって生じた,主蒸気圧力の測定値と保証時の圧力との

差は,修正を考慮することが望ましい。

  なお,蒸気流量容量及び圧力の偏差は,契約書に明記された範囲内とする。

(

13

)  修正値と保証値との比較が,基準曲線ではなく保証点でする場合だけ,抽気流量の偏差の修正

が必要である。

7.8.3

他の形式のタービン

7.8.1

及び

7.8.2

以外の形式のタービンについては,

7.3

7.8.1

及び

7.8.2

に示

された項目の修正,更にこれに加えて関連する変数をその都度決める必要がある。

  混圧タービンでは,混圧蒸気圧力,温度,流量に関する修正を追加する必要がある。

7.9

保証値との比較

  契約書に記載する改造蒸気タービンの性能に関する保証は,改造確認試験後に想

定される条件を分かりやすく,かつ,明確に記述する。

受渡当事者間で合意済みのすべての裕度値を含め,完全に修正された試験値が契約書の保証値を満足す

る場合は,契約は遂行されたとする。合意済みの裕度値を確定する際は,一般的に想定される性能水準を

指定する。また,裕度値は必ずしも測定の不確かさの積み上げ値と等しくする必要はない。

7.9.1

一般

  契約に記載されている保証値と試験結果の修正値との比較は,あらかじめ決められた修正方

法に従って行う必要がある(

7.5

参照)

契約書に特に記述がなければ,試験結果の測定の不確かさを考慮して,保証値は次に示す式をもって満

たされたものとする。

c

(1

)

η

α

+

g

η  (40)

c

(1

)

HR

α

g

HR  (41)

        ここに,

c

η :修正タービン効率

g

η :保証タービン効率

c

HR :修正熱消費率

α :測定の不確かさに起因する係数

g

HR :保証熱消費率

この

α については,受取側,納入側双方で事前に次に示す方法によって,協議し決めておく必要がある。

a

)  裕度として契約上,取り決めた値とする。

b

)  あらかじめ取り決めた値がない場合には,測定の不確かさによる値を適用してもよい。

  なお,この値の目安を

表 9

に示す。

測定の不確かさについては,

JIS B 8102

8.

に詳細な説明を記載する。

数個の保証点がある場合で,幾つかの保証点に重みが付けらているような場合は,保証値との比較

においても,その重み係数(

j

)が適用される必要があり,契約書に特に記載がなければ,保証値は次

の式をもって満たされたものとする。


61

B 8105:2004

( )( )

(

)

cj

j

j

1

W

η

α

+

å

( )

j

W

å

  ≧

( ) ( )

gj

j

j

W

η

å

( )

j

W

å

 (42)

又は

(

)( )

(

)

cj

j

j

1

HR

W

α

å

( )

j

W

å

  ≦

(

)( )

gj

j

j

HR

W

å

( )

j

W

å

 (43)

  9  試験結果に対する測定の不確かさの目安

試験結果に対する測定の不確かさ

(相対値)

背圧タービン 1.5∼2.0  %

抽気背圧タービン 1.7∼2.5  %

復水タービン 1.0∼1.7  %

抽気復水タービン 1.3∼2.0  %

再熱復水タービン 0.9∼1.2  %

湿り蒸気復水タービン 1.1∼1.6  %

備考1.  上記の値は,主要流量(primary flow)の測定精度を向上させることによって減

らすことも可能である。

2.

上記は新規設備に対応した値を示す。改造の場合で,校正できない測定計器が存

在するなど,条件が異なる場合は配慮する必要がある。

7.9.2

保証値の基準曲線との比較

  出力,又は主蒸気流量が異なる何点かの保証値(又は計画値)が与え

られた場合(通常は“弁全開点”

,保証値(又は計画値)の基準曲線が決まる。

試験結果が主蒸気流量一定条件で修正されたものであれば,基準曲線は主蒸気流量

1

m&

の関数となり,修

正試験値

c

η は,主蒸気流量

1 m

,

m& における保証値

g

η との比較となる(

図 16.1

参照)

試験結果が蒸気加減弁開度一定条件で修正されたものであるならば,基準曲線は出力の関数となり,

修正試験値

c

η は,保証出力    における性能保証値

g

η との比較となる(

図 16.2

参照)

        図 16.1  主蒸気流量に対する保証基準曲線      図 16.2  出力に対する保証基準曲線

7.9.3

保証値の保証点との比較

  保証点が一点である場合,主蒸気流量一定条件で修正した試験値に対し

ては,更に測定蒸気流量と保証蒸気流量間での修正が必要であり,その修正には計画点を代わりに用いる

など,受渡当事者間で協議を行って決定するのが望ましい。

g

p


62 
B 8105:2004

蒸気加減弁開度一定条件で修正した場合には,修正出力値と保証出力値との修正を加えるだけである。

7.9.4

絞り調速タービンにおける保証値の比較

  絞り調速タービンにおいては,部分負荷時の保証値は仮

想弁点で規定されているので,実際の性能試験は蒸気加減弁絞り状態において実施することとなる。

したがって,この蒸気加減弁絞り損失に対する修正を,

7.5

に示した修正値に加える必要がある。修正曲

線については,通常製造業者から提出された蒸気加減弁絞り損失修正(バルブループ修正)曲線を用いる。

7.9.5

抽気

工場送気

タービンにおける保証値の比較

  工場送気がある場合には,性能に及ぼす抽気(工

場送気)

流量の影響が大きいので,

抽気流量を測定し,

保証条件に対して補正する必要がある

図 17

参照)

図 17  抽気

工場送気

タービンにおける修正曲線の例

7.10

タービン性能の経年劣化

  受渡試験は特別の事情がない限り,初併入後(

4.3.1

参照)できるだけ早

期に実施する必要がある。もし,これらの条件が守れず,

4.5

に従ったタービンの状態を決めるための比較

測定ができなければ,実際の経年劣化量は分からない。

もし,そのユニットで部分的な損傷及び付着物がないという保証があれば,経年劣化(

4.4.2

参照)の平

均値がその試験の受渡当事者間によって了承され,試験結果と保証値との比較に考慮される場合がある。

もし,

特に合意されたものがなければ,

火力機の平均的な経年劣化を示す

表 10

の値を目安として適用する。

 10  平均的経年劣化量

初併入から試験までの時間(

15

)

タービン出力

P(

14

)

2∼12 か月 12∼24 か月

≦ 150

0.1

0.06

毎月の%

> 150

P

150

1

.

0

  (

14

)

P

150

06

.

0

  (

14

)

毎月の%

注(

14

)

P:MW

(

15

)  タービンが開放されている期間は含めない。

7.10.1

改造後の機器の性能低下

a

)  新しい機器が古いプラントに設置されることが多いため,変則的な劣化の影響を受けることから,改

造の場合は劣化に関して注意を要する。特に,経年劣化の程度による許容値は,受渡当事者間で協定

しておくものとする。性能改善に関する保証の場合,改造前試験は,前後の測定での試験計器のずれ

を最小限にするため,停止直前に実施する。

ケーシングの効率を確認するための比エンタルピー降下試験は,大規模な準備なしに行えるので速


63

B 8105:2004

やかに実施することが望ましい。

b

)  試験が運転復帰の日から 8 週間以上やむを得ず遅れる場合,そうした遅延を考慮するため,火力プラ

ントにおける熱消費率の劣下に関する

表 10

を利用するとよい。

各機器の効率低下が熱消費率に及ぼす

影響は,各系統ごとに,試験前に受渡当事者間で合意することが望ましい。

備考

  改造するケーシングだけに適用される熱消費率への影響に対する数値について,再熱サイクル

における一例を次に示す。

高圧:0.44

中圧:0.28

低圧:0.28

すなわち,高圧ケーシングだけを改造する場合,影響は

表 10

に示される低下率の 44  %にな

る。これに対応するケーシングの効率への影響に関する指針は,

“熱消費率/ケーシング効率影

響係数”で求めることができる(

附属書 I

3.2.2

参照)

他の装置及び系統については,ケーシングの影響する比率を再計算しなければならないので,

試験前に受渡当事者間で合意することが望ましい。


64 
B 8105:2004

附属書 H(規定)測定結果の不確かさ―改造への適用

序文

  この附属書は,2001 年に第 1 版として発行された

IEC 60953-3

(Rules for steam turbine thermal

acceptance tests−Part 3:Thermal performance verification tests of retrofitted steam turbines)の

附属書 H

(Measuring uncertainty of results−retrofit application)を翻訳して,作成した日本工業規格である。

1.

適用範囲

  改造蒸気タービンに特有の熱的性能試験において,誤差伝ぱ(播)則から信頼区間を計算

する方法について規定する。

なお,測定の不確かさについては,

JIS B 8102

8.

及び

附属書 F

を参照。

2.

説明

a

)  保証値を確認するための改造前後の試験は,偏りと偶然誤差を確認することに重点を置いている。

改造の場合は保証値が相対的なもので絶対的なものではないため,偏り誤差の重要性は大幅に低下

する。この附属書では,改造状況に特有の方法と式を提案する。

b

)  試験から算出される結果は,計器の誤差(読取誤差,積算誤差など)に基づいている。

温度,圧力などの物理的特性の測定における精度は,測定の反復及び統計的手段を用いた平均値の

計算により高めることができる。

このことは,

誤差がランダムに分布している場合にだけ有効である。

c

)  ある一つの測定点を繰り返し読み取れば,その値の分布は通常正規分布になる。

したがって,現実的には,無限に読取りを行うことは不可能である。そこで,正規分布は有限回数

の読取りに対するスチューデント分布(分布)に変換される。

よって,推定平均値と標準偏差は次のようになる。

i

1

1

N

i

x

x

N

=

=

å

(H1)

2

i

1

1

N

i

( x

x )

s

N

=

=

å

(H2)

ここに,

s

標準偏差

i

x

  i

番目の変数

x

の読取値

x

変数

x

の平均値

N

読取回数

測定値

)

(

i

x

及び平均値

)

(x

の信頼区間

V

は,それぞれ次の式に示すようにスチューデント分布から

得られる。

i

x

V

t s

= ± × (H3)

及び

x

t s

V

N

×

= ±

(H4)

スチューデント係数

t

は読取回数の関数であり,信頼水準

P

の関数である(

附属書 表 1

参照)


65

B 8105:2004

附属書   1  さまざまな読取回数(N)及び信頼水準 に対応するスチューデント係数

kN−1

P=95  %

P=99  %

  1

12.71

63.66

  3

 3.18

 5.84

  5

 2.57

 4.03

  8

 2.31

 3.36

 15

 2.13

 2.95

 30

 2.04

 2.75

 50

 2.01

 2.68

100

  1.984

  2.626

  1.960

  2.576

不規則に分布する誤差の発生源は,種々,個別に多数あり,それぞれに特有の信頼区間がある。

ある特定変数の誤差全体(測定の不確かさ)の信頼区間は,次の式によって求められる。

A

I

S

R

2

2

2

2

V

V

V

V

V

=

+

+

+

(H5)

ここに,

A

V

読取誤差の信頼区間

I

V

積算誤差の信頼区間

S

V

ひとまとまりの計器の誤差又はある特定の計器における既知の

誤差(精度等級

G

)の信頼区間

R

V

サイクルの変動による信頼区間

                              特定の計器の精度等級が分かっていれば,

S

V

G

V

に置き換えられる。

精度の高い現代的なデータ収集システムを採用している場合,

読取誤差は極めて小さくなり無視できる。

実用のため,合計としての不確かさを

2

種類の誤差に分けることが考えられる。計器から算出値までの

測定の流れにおける系統誤差と,変動による偶然誤差である。

よって,

tot

sys

ran

2

2

V

V

V

=

+

(H6)

ここに,

sys

V

系統誤差の信頼区間

ran

V

偶然誤差の信頼区間

証明として,全質量流量の平均値と信頼区間を次に示す式を用いて計算する。この場合,質量流量の個

別の測定は互いに独立的であり,それぞれ並列的又は連続的なものである。

並列的に測定される質量流量では,平均値

m

&

及び信頼区間

m

V

&

は次のようになる。

i

1

N

i

m

m

=

=

å

&

&

(H7)

i

2

1

N

m

m

i

V

V

=

=

å

&

&

(H8)

同様に,連続的に測定される質量流量では次のようになる。


66 
B 8105:2004

(

)

i

i

1

i

1

N

i

N

i

m

m

γ

γ

=

=

×

=

å

å

&

&

(H9)

i

i

2

1

m

V

γ

=

&

i

1

m

V

γ

=

å

&

(H10)

ここに,

i

m&

i

番目の質量流量

i

m

V

&

i

番目の質量流量の信頼区間

m

&: 全質量流量の平均値

i

m

V

&

全質量流量の信頼区間

試験結果(例:質量流量,熱消費率,断熱効率)は,変数の測定値,物性及び係数から算出する。一般

的に,最終結果

y

は次に示す式から決まる(

JIS B 8102

附属書 F

参照)

i

k

m

y

F ( x , b , c

)

=

(H11)

ここに,

[式(

H12

)も参照する。

x

: 測定した変数

i

x

の個数

b

N

物性

k

b

の個数

c

N

係数

m

c

の個数

誤差伝ぱ(播)の法則に従って,結果の信頼区間は次の式から得られる。

b

c

i

k

m

i

k

m

2

2

2

x

N

N

N

y

y

y

y

x

b

c

x

b

c

V

V

V

V

=

=

=

æ

ö

æ

ö

æ

ö

=

×

+

×

+

×

ç

÷

ç

÷

ç

÷

ç

÷

ç

÷

ç

÷

è

ø

è

ø

è

ø

å

å

å

(H12)

ここに,

i

x

: 測定した変数

i

の信頼区間

k

b

: 物性

k

の信頼区間

m

c

: 係数

m

の信頼区間

附属書 H

(

H12)

の偏微分係数は,定義に従って数値計算で適切に求めた差分量の比で置きかえてもよ

い。

厳密にいえば,誤差伝ぱ(播)の法則

附属書 H

(H12)

は,すべての変数が真に互いに独立的である場

合にだけ適用することができる。実際の大部分の事例では,物性と係数の数値は,測定した変数値に依存

している。このような場合,測定した変数値と,物性及び係数との相互関係は,誤差伝ぱ(播)の法則を

適用する前に,

附属書 H

(H12)

に導入する。

しかしながら,もし試験の評価を大幅に簡略化し,また,測定の不確かさの算出値に重大な影響を与え

ないならば,変数の相互依存の影響を無視してもよい。

通常の場合及び特に改造状況を取り扱う場合,算出されるパラメータを解析的な関数として表すことは

非常に難しい。したがって,計算によって微分係数を求めることを推奨する。

すべての互いに関連しているパラメータ[例えば,熱消費率

)

(

1

,低圧タービンの効率

)

(

2

など]は,

多くの独立したパラメータ

N

x

x

x

⋅⋅

⋅,

,

2

1

の関数と仮定される。

よって,


67

B 8105:2004

(

)

N

2

1

1

1

,

,

x

x

x

f

f

⋅⋅

=

(

)

N

2

1

2

2

,

,

x

x

x

f

f

⋅⋅

=

(H13)

(

)

N

2

1

L

L

,

,

x

x

x

f

f

⋅⋅

=

微分係数(

“感度係数”

)は,関数

1

2

L

,

f f

f

⋅⋅⋅ の偏導関数であると定義される。微分係数を表に示すこと

ができる(

附属書 表 2

参照)

附属書   2  微分係数の一般的な式

1

f

2

f

L

1

1

1

f

x

δ
δ

1

2

x

f

δ

δ

L

1

f
x

δ

δ

2

1

2

f

x

δ
δ

2

2

x

f

δ

δ

L

2

f

x

δ

δ

N

x

1

N

f

x

δ

δ

2

N

f

x

δ

δ

L

N

f

x

δ
δ

ある変数

x

が複数の独立した計器によって同時に測定される場合,加重平均値及び信頼区間は

附属書 H

(

9)

及び

(

10)

に従って求めることができる。

ここに,

x

変数

x

の加重平均値

x

V

加重平均値での信頼区間

改造に対し絶対的な保証を行う場合,結果の不確かさを計算する手順は簡単である。

[例:

附属書 H

(H16)

(H17)

を参照。

附属書 H

(H17)

にあるように

pre

0

V

=

であり

post

V

に等しい。

しかし,もし改善分に保証(相対的保証)を与えるならば,本格的な計算手順を採用する必要がある。

相対的な不確かさだけを考慮し,

絶対的な不確かさを考慮しなければ,

偏り誤差はわずかなものになる。

理論的には誤差はなくなるはずだが,実際には次に示す多くの原因から誤差はゼロにはならない。

−  交換されている計器の数

−  改造前後試験の間の経過時間

−  改造前後試験の校正の差

したがって,

各計器の偏り誤差の影響を考慮に入れ,

改善分の信頼区間は次のように表すことができる。

(

) (

)

imp

sys,pre

sys,post

ran,pre

ran,post

2

2

2

2

i

N

N

i

i

V

V

V

V

V

ε

=

=

=

×

+

+

+

å

å

(H14)

ここに,

i: 番目のパラメータ

N

パラメータの数

sys,pre

V

改造前試験時の系統的信頼区間

ran,pre

V

改造前試験時のランダムな信頼区間

sys,pos

t

V

改造後試験時の系統的信頼区間

ran,post

V

改造後試験時のランダムな信頼区間

i

ε : 改造前後の試験から求めた系統誤差への影響率

i

ε

0

= : 影響が

0

i

ε

1

= : 影響が 100  %

改造前後の試験のために個々に取り付けた,全く異なる計器によって測定する場合,それらの計器は独


68 
B 8105:2004

立していると考えることができる。したがって,改造時(

i

ε

1

= )の信頼区間は,

imp

pre

post

2

2

V

V

V

=

+

(H15)

            ここに,

(

)

pre

sys,pre

ran,pre

2

2

1

N

i

i

V

V

V

=

=

+

å

(H16)

(

)

post

sys,post

ran,post

2

2

1

N

i

i

V

V

V

=

=

+

å

(H17)

互いに独立している改造前後の試験に関して,

信頼区間は

附属書 H

式(H16)と(H17)によって求められる。

しかしながら,もしこれらの試験が,前後の試験の間に交換された計器を使わずに,同一の計器を用い

て試験を実施すれば,系統誤差はなくなり式(H 14)は次のようになる(

i

ε

0

= )。

(

)

imp

ran,pre

ran,post

2

2

1

N

i

i

V

V

V

=

=

+

å

(H18)

実際には,上記の各要素に関して

i

ε の値を決定しなければならない。


69

B 8105:2004

附属書 I(参考)改造効果の計算方法―数値計算例(火力用及び原子力用)

序文

  この附属書は,2001 年に第 1 版として発行された

IEC 60953-3

(Rules for steam turbine thermal

acceptance tests−Part 3:Thermal performance verification tests of retrofitted steam turbines)の

附属書 I

Retrofit

improvement calculation−numerical examples(fossil and nuclear)]を翻訳して記述したものであり,規定の

一部ではない。

1.

適用範囲

  火力用及び原子力用タービンの高圧部又は低圧部を改造した場合で,性能改善を絶対保証

した場合と相対保証をした場合とについて,その改善量を計算する方法を計算例として記述する。

2.

概要

  実際に改造を行った場合に適用した二つの計算例を示す。しかし,これらの例は,この方法を

必ず取らなければならないということをいっているわけではなく,一つの方法を示している(本体の

表 3

参照)

2.1

改造後の性能を保証した火力用再熱タービン

  絶対保証か,相対保証を行うかを決める方法は,こ

の規格の本体の

表 3

に示す推奨方法に基づけばよい。高圧タービンを改造する場合には,改造部の膨張領

域がすべて過熱領域にあるので,ケーシング効率の絶対的保証でも,相対的な保証でもよい。低圧タービ

ンを改造する場合には,部分的に湿り領域に入ってしまうので,熱消費率に対する相対的な保証を行うの

がよい。相対的な保証を行う場合には,改善量のベースは第一に公称の熱精算図に基づく。そして,ベー

スからの改善量は,改造後性能試験において達成された実際の改善量を,最終的に確認するために,改造

前性能試験の測定点に対比して保証の修正を行う。

2.2

加圧水形原子炉

PWR

のタービン部分

  保証の基本となるものは,契約上の保証熱精算の系統に

おける,性能改善の保証につながる改造前性能試験の熱精算図である。改造後の測定結果を,試験熱精算

図にまとめる。

改善のための改造を 2 個別々に行った場合には,プラントのそれぞれの改造に対してまとめる。

3.

一般火力用再熱タービンの改造例

3.1

一般

3.1.1

この改造例は,一般事業用火力プラントで,定格出力 500 MV,毎分 3 000  回転で,一軸(タンデ

ム)に高圧,中圧及び二低圧ケーシングで構成した,一段再熱再生サイクルタービン・発電機に関するも

のである。設計蒸気条件は,主蒸気圧力:16.0 MPa,主蒸気温度及び再熱蒸気温度:540  ℃で,復水器圧

力:50 hPa である。低圧タービンは,全環状排気面積が 31.67 m

2

の 2 ケーシング 4 流排気式である。

3.1.2

サイクル構成は,

附属書   3

に示すように,5 段(4 段給水加熱器+1 段脱気器)の給水加熱設

備をもち,単純化するために,グランドの漏えい(洩)蒸気のない構成としている。

附属書   3

は,基

本として考えるべき基準熱精算図,又は基準受渡試験のときの熱精算図を示す。

附属書   4

に,一定の

蒸気加減弁開度において,相当する熱消費率の修正係数曲線を示す。

3.1.3

附属書 I    4

に示す各修正曲線は,代表的な例である。したがって,実際の改造の試験方案に対

しては,その改造内容に適切な修正曲線を作成しなければならない。この修正曲線の例は,高圧ケーシン

グの改造(

附属書 

3.1.3

及び

3.2

は,中圧ケーシングを改造する場合にも適用できる。

,及び低圧ケー


70 
B 8105:2004

シングの改造(

附属書 

3.3

参照)にも適用できる。ここでは,両方の場合ともに,他の附属設備を除

いて,厳密にタービン−発電機の面から取り扱う。

附属書 I

3.4

では,全体性能に影響を及ぼす関連す

るプラントの効果を説明する。

基準熱精算からの基本の効率改善は,次のように計算する(

附属書   1

参照)

a

)

高圧ケーシング

附属書   1  高圧ケーシングの膨張線図

附属書 I    3

から,主蒸気温度:

tp

=540  ℃,主蒸気圧力:

tp

=16.0 MPa に対応する比エンタル

ピーは, =3 410.34 kJ/kg となる。

=3 410.34 kJ/kg と

in

p

=15.68 MPa から,入口の比エントロピーは,=6.4565 kJ/(kg・K)となる。

したがって,

out

p

=4.20 MPa まで断熱膨張させると,熱落差:

s

h

∆ =382.49 kJ/kg となる。

実際の膨張の終点:

out

は,

out

p

=4.20 MPa,排気温度: =346.1  ℃から,

out

=3 080.5 kJ/kg とな

る。

したがって,高圧ケーシングの基本効率は,次の計算のようになる。

23

.

86

49

.

382

5

.

080

3

3

.

410

3

HP

cyl

η

 (I 1)

また,同じ計算方法で,中圧ケーシングの効率は次の値となる。

87

.

89

IP

cyl

η

b)

低圧ケーシング  内部の蒸気の膨張が部分的に湿り蒸気の領域にある低圧ケーシングでは,排気損失

LL

(これは主に,動エネルギーである。

)がかなりの量を占めており,一般に適用する場合に,次

のように取り扱えばよい。

附属書   2)。


71

B 8105:2004

附属書   2  低圧ケーシングの膨張線図

ここに,

in

ou t

cyl

s

h

h

h

η

=

  は全体値を表す。ここに,

out

h

は,

“UEEP”

(有効エネルギーの最終点)と呼

ぶ。

この点は湿り領域内にあるので,効率は一般的に全体のサイクルの出力バランス計算から推定する(本

体の 6.3.8 参照)

低圧膨張線の計算を繰り返し行って,

out

h

値が次の値になるまで計算する。

      ケーシング膨張出力:∑(HP+IP+LP)−外部損失(機械的損失,電気的損失など)=発電機出力

附属書   3 から,出力バランスは次のようになる。

        発電機出力

500 000 kW

        外部損失

          −機械的損失

+ 2 000 kW

  −電気的損失

+ 7 614 kW

        高圧部: 402.203×(3 410.3−3 080.5)

−132 646 kW

        中圧部: 359.791×3 538.0−25.501×3 293.8−334.290×3 005.8

−184 136 kW

        低圧部: 309.914×3 005.8−21.226×2 760.5−16.376×2 534.5−272.312×

out

h

したがって,

h

out

=2 345.2 kJ/kg=

h

UEEP

となる。

蒸気表を用いて,

in

=0.497 5 MPa,

in

=3 005.8 kJ/kg から,50 hPa まで断熱膨張すると

s

h

=761.8 kJ/kg

となり,それから低圧部の効率は

η

cyl

LP

8

.

761

2

.

345

2

8

.

005

3

=86.7  %  となる。

試験サイクルのあらゆる部分において,効率低下要因がすべて見つけ出されているわけではないので,

低圧部の効率の低減値に誤差を与える可能性があり,この測定の結果を,慎重に取り扱わなければならな

い。膨張線を仮想した終点(ELEP)は,タービン製造業者が提出する排気損失曲線(この曲線には,動エ

ネルギーの主要損失と,ケーシングと転向損失の効果を含んでいる。

)から得た

UEEP

ELEP

(

)

h

h

  を差し引い

て求める。

このことは,次の関係式から得られる。

UEEP

ELEP

(

)

h

h

(排出の動エネルギー,

LL

×

(排気における湿り効率) (I 2)

低圧ケーシングの静的な湿り効率は次の式で表される。


72 
B 8105:2004

in

ELEP

cyl LP,wet

s

h

h

h

η

=

 (I 3)

例として,排気環状の軸流速度:219 m/s

÷

ø

ö

ç

è

æ

×

67

.

31

4

.

25

312

.

272

z

c

における断熱排気損失曲線(

附属書 図 8

参照)から,次の値が得られる。

LL

 = 25.1 kJ/kg

(この値が,反復計算の最終値である。また,25.4 は,最終決定した ELEP における蒸気の比体積であ

る。

したがって,

UEEP

ELEP

h

h

 = 25.1×0.86(湿り効率)=  21.5 kJ/kg (

1

)

となる。ここで,0.86 は,通常タービン製造業者が提供する排気損失曲線から得られる最終段翼の代表的

な効率の値である。

注(

1

) 25.1 と比較して,単純な動エネルギー:(219)

2

/ 2 000=24 kJ/kg によるか,又は超音速転向をも

つ速度三角形から,これを動エネルギーの損失に対して計算することもある。

平均直径における動翼の周速:

U

=414 m/s

動翼に対する相対蒸気速度=

z

2

1

1

1

2

s n

k

c

a

λ

β

æ

ö

+

æ

ö

×

×

×

ç

÷

ç

÷

×

è

ø è

ø

ここで,

a

”は音速(381 m/s)

k

=1.125,λ=2×(

k

−1)/(

k

+1),

β

sin

は代表的には 0.395

である。

ここで,一定の値:

a

=381,sin(翼角度)=0.395,

k

=1.125 及びλ=0.117 6 を代入する。

したがって,動翼に対する相対蒸気速度

=

3

.

506

1

395

.

0

381

219

2

1

125

.

1

1

125

.

1

2

381

6

117

.

0

=

÷

ø

ö

ç

è

æ

×

×

+

×

×

 m/s

流れの角度=

(

)

6

.

25

3

.

506

/

219

sin

1

=

  である。

絶対排気速度  =

223

6

.

25

cos

3

.

506

414

2

3

.

506

414

2

2

=

×

×

×

+

 m/s

これで,排気エネルギー=(223)

2

/2 000=25 kJ/kg となる。

したがって,

h

ELEP

=2 345.2−21.5=2 323.7 kJ/kg

及び低圧部効率:

η

cyl-HP,wet

8

.

761

7

.

323

2

005

3

=89.5  %となる。

対応する過熱領域ベースの効率は,内部空気力学特性を示し,特別の適用をする場合に湿り度と“

LL

(排出の動エネルギー)のレベルに変動を与えないで,次の式で計算される。

cyl LP,dry

cyl LP,wet

/ WCF

η

η

=

                      ここに,湿分修正係数:

s

ELEP

s

1

1

2

x

h

WCF

h

= −

æ

ö

×

ç

÷

è

ø

  で表される。

p

=50 hPa,

x

ELEP

=0.902 及び蒸気表から,

h

ELEP

=2 323.7 kJ/kg となる場合に対して,湿り領域における膨

張の相当部分は

s

382 0

h

.

′ =

 kJ/kg である。

ここに,

4

975

.

0

8

.

761

0

.

382

2

902

.

0

1

1

×

÷

ø

ö

ç

è

æ

WCF

(1  %の湿り変化に対して,1  %の効率変化を伴うという

原則に基づく。

したがって,

η

cyl

LP, dry

=89.5/0.975 4=91.8  %となる。


73

B 8105:2004

もし膨張過程にあるならば,湿り度の値は,効率を比較する前に計算しなければならない。

3.2

高圧ケーシングの改造

3.2.1

絶対保証  附属書 の 3.1.3 a)  に示す例ではタービン製造業者は,改造した高圧ケーシングの効率

を 90.0  %と保証している。

附属書 の 3.1  に示す基準の解析では,この高圧部の絶対保証に対して直接的

な計算ではない。しかしながら,

附属書 の 3.1.3 b)  に示す例は,低圧部効率の偏差に対する出力バラン

スに対しては,直接的な計算である。

附属書   6 の中に,高圧部に対する絶対試験を示す。この附属書

I

  6 に対して,相当する数値が,ケーシングの入口から出口に至る比エンタルピー降下として現れる。

これらの数値から,高圧部の効率の試験値が次のように示される。

(3 410.3−3 065.9)/382.5=90.0  %

そして,これは絶対保証値を満足している。

3.2.2

相対保証  この 2 番目の例では,タービン製造業者の保証は,改造による改善から生じる利得を示

すために,実際のケーシング効率の改造前試験に対する改造後試験の改善量を示す。

86.23  %という基準効率値に対して与えられる,高圧部効率の改善値についての第一次保証は,3.77  %

(ポイント)である。これはタービン製造業者が新しいケーシングに対して,90.0  %と予想したことに相

当する。

附属書   1 に示すような計器を備えた改造前試験は,附属書   5 に示すように,何らかの理

由で,

本来の基準効率

(比エンタルピー降下試験から,

附属書 の 3.1 の方法で計算した)よりも悪い 84.0  %

という実際効率を示している。したがって,保証の改善値は,実際の状況を反映して,6.0  %(ポイント)

(90.0−84.0)に修正された。

附属書   6 の中に示されている改造後試験は,保証を確認するために実

施したものである。入口・出口の条件から計算される高圧部ケーシングの効率は,90.0  %−84.0  %=6.0  %

の改善量に相当し,したがって保証の改善ベースを確認して 90.0 %である[熱精算計算から相当する熱

消費率の改善量は,

0.9/6.0=0.15  という関連する影響係数(本体の 7.10.1 参照)につながる 0.9  %である。]。

もし,契約で当事者が相互に合意していれば,試験結果に適切な裕度を適用することができる。

例えば,改造後試験が再併入後 4 か月で実施された場合には,本体の 7.10 で,熱消費率の全体劣化量を

次のように計算することができる。

(4−2)×0.1×

500

/

150

=0.11  %

改造に対しては,このうちの 44  %(本体の 7.10.1 参照)だけを適用する[=0.048 %だけ熱消費率に影

響し,0.048/0.15=0.32  %(ポイント)が相当するケーシング効率の劣化の裕度である。

3.3

熱消費率に対する相対保証を行った低圧ケーシングの改造(高圧ケーシングとは別に取り扱う)  熱

消費率の改善量に対する第一次の保証は,基準の熱精算図(

附属書   3 参照)に必要な低圧部の性能に

対して与えられ,0.93  %である。低圧部の性能

η

cyl

LP, dry

=91.8  %が,タービン製造業者の予想値 94.0  %

に改善される。影響係数は,0.93/(94.0−91.8)=0.42 である。基本性能の状態における不確かさのために,

当事者が保証に同意する場合には,改造前試験で

η

cyl

LP, dry

の値を調査し,もし 91.8  %と違った場合には,

保証を相違量に比例して修正する。

比例の協定とは,例えば,もし改造前試験で

η

cyl

LP, dry

=88  %を示すならば,保証は 2.52  %(

2

)及び比例

分になるであろうと規定する。このことにおいて,改造前試験(

附属書   5)の解析によって,実際の

低圧部効率が基準値(改造前試験:

η

cyl

LP, dry

=89.0  %)よりも低いということを示す。したがって保証は,

次の熱消費率の改善値になるように修正される。

0.93+

÷

ø

ö

ç

è

æ

0

.

88

8

.

91

0

.

89

8

.

91

×(2.52−0.93)=2.10  %

保証を確認するために,

附属書   1 に示すように計器を設置して,改造後試験を実施する。そして,


74 
B 8105:2004

これらの試験は

附属書   7 で説明している。完全な熱消費率試験から計算して,契約上の運転条件に適

切に修正した熱消費率の改善量は,次の値である。

÷÷ø

ö

ççè

æ

047

8

881

7

047

8

=2.1  %

これによって,改造前のときに修正した保証値を確認する。

もし契約時に当事者が互いに同意していれば,試験結果に適切な裕度を適用する。

注(

2

)  この値は,式:(94.0−88.0)×0.42 = 2.52  で確認できる。

3.4

プラント性能に及ぼす改造の効果  附属書 の 3.2 及び附属書 の 3.3 に示した例は,タービン・発

電機の性能にだけ適用する。しかし,タービンケーシングに発生した改善は,関連する附属設備及びプラ

ント全体の性能に二次的な効果をもたらす。次の二つの例によって,修正曲線を利用して,これらの効果

をどのように考慮すればよいかを説明する(

附属書   4 参照)。

a)

高圧ケーシングの効率改善によって,再熱器に与える熱量が減少したことによる影響と,減温器のス

プレー水による影響  実際の場合において,改造前において再熱器へのスプレー水の量が,タービン

入口流量の 3  %であると仮定する。スプレー水があるために熱消費量が悪くなる影響は,0.55  %であ

る(

附属書   4 参照)。附属書   4 で説明している大きさの高圧ケーシングの効率の改善によっ

て,高圧ケーシングの排気温度は 9  ℃低くなる。したがって,再熱温度を 540  ℃に維持する場合,再

熱器から蒸気に加える熱量を増大させなければならない。減温器のスプレー水量は 2.4  %に低下する

ので,それによる熱力学的な熱消費率は 0.44  %に改善される。したがって,熱消費率に 0.11  %の追

加の改善効果をもたらし,タービン・発電機に 0.90  %の利得がある。

b)

復水器へもちこむ熱量の減少と,それに伴う復水器圧力の改善による二次的な利得による,低圧ケー

シングの効率の改善効果  改造前から改造後にかけて,冷却水量一定という条件で,復水器へもちこ

む熱量の減少(100  %から 98  %に減少する。

)によって,真空度 1 hPa の改善となる。タービン・発

電機の 2.1  %の直接の利得に加えて,対応する熱消費率の改善量は,約 0.08  %となる(

附属書   4

参照)

a)

及び b)の場合は,契約の保証において,定義している境界の重要性を説明している。例において,保

証は高圧タービンの改善量が 6  %(熱消費率は 0.9  %に相当する。

)を基準としている。そして,低圧タ

ービンの改造によって,2.1  %の熱消費率の改善となる。契約段階で相互に合意すれば,保証は改造外部

分の効果を含めることができる。すなわち,高圧部(再熱器スプレー水を伴う)に対しては 1.01 %(=

0.90+0.11),低圧部(復水器の効果を含めて)に対しては,2.18  %(=2.10+0.08  )の改善量となる。


発電機効率=98.5 %                  グロス出力(発電機端子にて)=  500 000 kW

機械損失=2 000 kW                  熱消費率=

000

500

600

3

)

5

.

080

3

0

.

538

3

(

79

.

359

)

4

.

083

1

3

.

410

3

(

203

.

402

×

×

+

×

=7 924 kJ/(kW・h)

附属書 I    3  基準熱精算図(基準試験)

75

B 8105

2004


76 
B 8105:2004

    すべてのグラフの縦軸は,規定の条件下での熱消費率を求めるための,試験の熱消費率に適用する倍率

係数である。

(

3

)

所要動力が,熱消費率の定義に含まれない場合の,電動機駆動の給
水ポンプに対して適用する。

(

4

)

所要動力が,熱消費率の定義に含まれている場合の,タービン駆動
又は電動機駆動の給水ポンプに対して適用する。

(

5

)

所要動力が,熱消費率の定義に含まれている場合の,タービン駆動
又は電動機駆動の給水ポンプに対して適用する。所要動力が,熱消
費率の定義に含まれない場合で,電動機駆動の給水ポンプに対して
は修正を行わない。

附属書 I  図  4  修正曲線


    発電機効率=98.5 %                  グロス出力(発電機端子にて)=490 941 kW

    機械損失=2 000 kW                  熱消費率=

941

490

600

3

)

1

.

089

3

0

.

538

3

(

950

.

359

)

5

.

083

1

3

.

410

3

(

203

.

402

×

×

+

×

=8 047 kJ/(kW・h)

附属書 I    5  改造前試験

78

B 8105

2004

77

B 8105

2004


      発電機効率=98.5 %                グロス出力(発電機端子にて)=499 709 kW

      機械損失=2 000 kW                消費率=

709

499

600

3

)

9

.

065

3

0

.

538

3

(

525

.

359

)

2

.

083

1

3

.

410

3

(

203

.

402

×

×

+

×

=7 966 kJ/(kW・h)

附属書 I    6  改造後試験(高圧ケーシングを交換した場合)


    発電機効率=98.5 %              グロス出力(発電機端子にて)=501 311 kW

    機械損失=2 000 kW              熱消費率=

311

501

600

3

)

1

.

089

3

0

.

538

3

(

946

.

359

)

5

.

083

1

3

.

410

3

(

203

.

402

×

×

+

×

=7 881 kJ/(kW・h)

附属書 I    7  改造後試験(低圧ケーシングを交換した場合)

79

B 8105

2004


80 
B 8105:2004

附属書 I    8  排気損失曲線


81

B 8105:2004

4.

原子力タービンの改造例

4.1

一般  この計算例は,高圧ケーシング及び低圧ケーシングを直列に配置した出力 950 MW,回転速

度 1 500 min

1

のタービン発電機を用いた原子力発電プラントに関するものである。主蒸気の設計条件は,

5.7∼5.8 MPa の乾き飽和蒸気である。サイクルには,湿分分離と一段再熱が含まれている。復水器の設計

圧力は 7.5 kPa である。低圧タービンは 2 ケーシング 4 流排気で,全環状排気面積は 74.7 m

2

である。

原子炉は,3 個のループのある加圧水形である。

附属書  17 に示すサイクル構成は,このプラントの

概略図である。給水加熱器,復水ポンプ,湿分分離再加熱器,及び主給水ポンプは 2 系列あるが,脱気器

は 1 系列である。この計算例では,簡単にするため,サイクルからの漏れは考慮しない。

この例は高圧タービンの改造である。タービンののみ込み量は,改造前は,原子力蒸気供給システムに

対して合致していないために過剰であった。蒸気加減弁の絞りが非常に大きく(約 1.4 MPa)

,このためプ

ラントは効率の悪い運転をしていた。改造は,高圧タービンののみ込み量を適合させて絞り損失を減らす

ために,高圧翼列(蒸気通路部)を変更するものである。新しい翼列にすると,内部効率も向上する。

製造業者が高圧部を改造した後,購入者は蒸気発生装置の特性も変更した。製造業者は,保証契約の際

にこの変更を通知されていなかったため,契約上のヒートバランスには,この結果が含まれていない。

4.2

改造計画と試験手順  この例は,改造前試験と改造後試験から,熱消費率の改善を考察するもので

ある。全体的な改造計画を次に示す。

−  ステップ 1:購入者は,基準試験から作成した基準熱精算図(

附属書  17)を提示する。また,改

造目的を明確にして,保証条件とするための新しい運転条件(蒸気発生装置の項目,復水器圧力,そ

の他)を指定する。

−  ステップ 2:製造業者は保証ヒートバランス(

附属書  18)を提示する。その際,基準ヒートバラ

ンスに記された他の構成要素に変更がないように配慮して,新しい機器をプラントの中に組み入れた。

この例では,改造がこれらの構成要素の熱的特性に与える影響を考慮するため,これら他の機器をモ

デル化した。

附属書  18 のヒートバランスに基づき契約が結ばれた。

−  ステップ 3:改造前試験によって基準ヒートバランス(

附属書  17)を確認した。保証事項の修正

は不要であった。

−  ステップ 4:改造は製造業者が実施した。この例では,この改造中に購入者が別の改造工事も行った

が,これについて製造業者は,保証ヒートバランスを作成する際には通知されていなかった。

−  ステップ 5:改造後の試験が行われた。運転状態は保証ヒートバランスの状態と大きく異なっていた

が,これは主に保証ヒートバランス(

附属書  18)に含まれていない変更を,購入者が実施したこ

とによるものである。

−  ステップ 6:購入者は製造業者に,契約の保証ヒートバランスと同じ計算モデルを用いて,新しい運

転条件での改造後試験のヒートバランス(

附属書  19)を再計算させた。保証ヒートバランスとと

もに製造業者から提供された修正曲線を用いて,購入者は,この新しい再計算した改造後のヒートバ

ランスが,元の保証ヒートバランスから得られることを確認できる。

−  ステップ 7:再計算した改造後のヒートバランスを用いて試験結果の比較を行い,このヒートバラン

スの値と異なる測定項目について修正を行った。

4.3

修正曲線  修正曲線は,保証ヒートバランスとともに製造業者が提出する。これらの修正曲線はす

べて計算して得られたものである。計算のために変更した以外の項目は一定とした。購入者の要求によっ

て,またこの原子力発電プラントの運転モードに応じて,すべての曲線(

附属書  16“熱出力の関数と

しての主蒸気圧力の特性曲線”を除く。

)は,蒸気発生装置出口において熱出力一定と仮定しており,した


82 
B 8105:2004

がって,タービン入口の蒸気加減弁における絞り損失の変化が含まれている。修正熱消費率は,実測熱消

費率に修正係数を乗じて求めた。

タービンだけが取り替えられた場合,原理上は,熱出力,蒸気入口圧力,復水器圧力の 3 項目だけで修

正ができるはずである。しかし実際には,自発的か否かにかかわらず,熱サイクルに影響を与えるその他

の構成要素のあらゆる改造を考慮するために,すべての項目の変化に対して修正が可能である。したがっ

て,この例では,蒸気発生装置,湿分分離再加熱器の特性の変化に対する修正曲線も使用する。この例を

簡単にするため,給水加熱器によるプラントの特性の変化については修正曲線を使用しない。

製造業者が,次の熱消費率修正曲線を提出した。

附属書   9  主蒸気圧力による熱消費率修正曲線

附属書  10  熱出力による熱消費率修正曲線


83

B 8105:2004

附属書  11  排気圧力による熱消費率修正曲線

附属書  12  主蒸気の乾き度による熱消費率修正曲線


84 
B 8105:2004

附属書  13  湿分分離再加熱器内の圧力低下による熱消費率修正曲線

附属書  14  再熱蒸気温度による熱消費率修正曲線


85

B 8105:2004

附属書  15  湿分分離器出口の蒸気の乾き度による熱消費率修正曲線

さらに,購入者は,改造に含まれない装置の運転特性を示す曲線を提供してもよい。この例では,蒸気

発生装置の特性を次の曲線で示す。

附属書  16  熱出力の関数としての主蒸気圧力の特性曲線

4.4

修正曲線の適用  計算上,発電機の効率は 0.989 の一定値とし,また力率も一定とした。

4.4.1

計算した改造後試験のヒートバランスの確認  改造後試験は,保証ヒートバランスとは大きく異な

る運転条件(異なる熱出力,蒸気圧力,排気圧力など)で行われたため,測定値を保証値の比較に用いる

ため,製造業者が改造後試験のヒートバランス(

附属書  19)を再計算した。

実際,この新しいヒートバランスは,保証ヒートバランスと置き換えられる。購入者は,この新しいヒ

ートバランスの性能水準が,契約したものと同じであるか調べることもできる。この目的で,製造業者が


86 
B 8105:2004

提出した修正曲線が用いられる。主な項目を

附属書   1 に示す。

附属書   1  ヒートバランスの主な項目(附属書  17 19

基準ヒートバランスの主な項目(

附属書  17

熱出力

MW

主蒸気圧力

MPa

主蒸気の乾き度

排気圧力

kPa

タービン出力

MW

発電機出力

MW

熱消費率

kJ/(kW・h)

2 785

5.776

0.996 0

7.5

925.10

914.925

10 958.3

保証ヒートバランスの主な項目(

附属書  18

熱出力

MW

主蒸気圧力

MPa

主蒸気の乾き度

排気圧力

kPa

タービン出力

MW

発電機出力

MW

熱消費率

kJ/(kW・h)

2 785

5.772

0.996 0

7.5

954.14

943.640

10 624.8

再計算した改造後のヒートバランスの主な項目(

附属書  19)(試験条件における)

熱出力

MW

主蒸気圧力

MPa

主蒸気の乾き度

排気圧力

kPa

タービン出力

MW

発電機出力

MW

熱消費率

kJ/(kW・h)

2

730

6.011 0.997

0  8.5 925.60

915.420

10

736.0

新しい改造後試験のヒートバランスを保証ヒートバランスと比較するため,修正曲線から修正係数を決

定した。

附属書  16(熱出力の関数としての主蒸気圧力の特性曲線)は,タービン主蒸気止め弁前の圧力が規

定値より高いことを示している。すなわち,熱出力 2 730 MW に対応する主蒸気圧力は,

附属書  16 

ら 5.805 MPa となり,6.011 MPa ではない。したがって,この主蒸気圧力の修正が必要である。熱消費率の

修正曲線は,定格の熱出力において与えられるため,この定格出力に達する圧力を求める必要がある。こ

のため,

附属書  16 の曲線のこう(勾)配を一定と仮定して,圧力を次のように推定する。

6.011−(5.805−5.772) = 5.978 MPa

附属書  18(保証ヒートバランス)と附属書  19(再計算した改造後のヒートバランス)のすべ

ての比較を次の

附属書   2 に示す。

附属書   2  保証ヒートバランスと再計算した改造後試験のヒートバランスの比較

項目

項目の値

修正係数

参照

主蒸気の乾き度 
修正係数

0.997 00

1.000 10

   

附属書  12

熱出力比 
修正係数

0.980 25

0.997 20

   

附属書  10

排気圧力 
修正係数

8.5 kPa

0.992 70

   

附属書  11

主蒸気圧力比 
修正係数

1.036

0.999 67

   

附属書   9

全修正係数

0.989 69

再計算した改造後試験の熱消費率

−kJ/(kW・h)

10 736

修正熱消費率−kJ/(kW・h) 10

625

保証熱消費率−kJ/(kW・h)

10 624.8

契約上の熱消費率は,10 624.8 kJ/(kW・h)である。この例では,再計算した改造後のヒートバランスは,

契約上の保証ヒートバランスと同じ性能水準にあり,したがって,この手順を測定値の確認に用いること

ができる。

4.5

測定値と保証値との比較  附属書   3 は,主な項目の測定値と,それに対応する再計算した改造

後のヒートバランスから計算された値を示す。


87

B 8105:2004

附属書   3  改造後試験の測定値及び対応する計算値

主な項目

単位

測定値

計算値

主蒸気入口圧力(

6

)

MPa 6.011 6.011

主蒸気の乾き度(

6

)

0.998 3

0.998 3

熱出力(

6

)

MW

2 730

2 730

排気圧力(

6

)

kPa 8.5  8.5

湿分分離再加熱器(MSR)内の圧力低下

kPa 45.9 38.8

再熱蒸気温度

°C 257.87

259.74

湿分分離器(MS)出口の蒸気の乾き度

0.990 7

0.994 7

最終給水温度

°C 221.7 221.6

給水ポンプタービンの蒸気流量(のみ込み量)

kg/s 21.93 21.89

事後試験熱消費率

kJ/(kW・h)

10 761

10 736

注(

6

)  改造後のヒートバランスの計算に用いたタービンの外部条件。

この例では,給水加熱器特性[端末温度差(TTD)

,ドレン  クーラー  アプローチ温度(DCA)

,抽気圧

力低下]において,測定値と計算値の間に差がないことも改造後試験は示している。

上の表から,幾つかの測定値が計算値と異なることが分かる。これは系統の中で,予測できない変化が

起こったことを意味する。この例では,この相違は湿分分離再加熱器(MSR)の不良として説明できる。

改造した高圧タービンの製造業者は,これらの偏差を考慮して実測熱消費率を修正することができた。修

正は,

附属書   4 に従って行った。

附属書   4  測定値と計算値の相違による修正

附属書  19   改造後のヒートバランスから)

項目

単位

偏差/値

修正係数

参照

湿分分離再加熱器内の圧力低下の偏差 
修正係数

kPa

7

0.999 30

附属書  13

湿分分離再加熱器内出口の温度の偏差 
修正係数

−1.87

0.999 82

附属書  14

湿分分離器出口の蒸気の乾き度 
修正係数

0.990 7

0.998 5

附属書  15

全修正係数

0.997 6

改造後試験の実測熱消費率

kJ/(kW・h)

10 761

修正熱消費率

kJ/(kW・h)

10 735.4

再計算した改造後試験の熱消費率

kJ/(kW・h)

10 736

修正熱消費率は,改造後の再計算された熱消費率と同じである。これは,実測熱消費率は,新しい運転

条件を考慮するように(ヒートバランス法)

,そして改造範囲外の構成要素のどのような異常運転に対して

も修正曲線によって修正されて,保証熱消費率を満足することを示している。修正の要約を

附属書   5

に示す。

当然,実測熱消費率は修正して,保証熱消費率[10 624.8 kJ/(kW・h)]と直接比較することができる。

10 761×0.997 6×0.989 69=10 625 kJ/(kW・h)


88 
B 8105:2004

附属書   5  修正の要約

項目

単位

備考

実測熱消費率 kJ/(kW・h) 10

761 測定値

修正係数  0.997

60

測定値と再計算した改造後のヒートバランスの
値に相違があるため,

附属書   4 によって修正

附属書  19 参照)

修正熱消費量 kJ/(kW・h) 10

735.4

修正係数  0.989

69

保証ヒートバランス(

附属書  18)と再計算

した改造後のヒートバランス(

附属書  19

に相違があるため,

附属書   2 によって修正

修正熱消費量 kJ/(kW・h) 10

625

保証熱消費量 kJ/(kW・h) 10

625 附属書  18 による 


附属書  17  基準熱精算図

B 8105

2004

89

B 8105

2004


附属書  18  保証ヒートバランス


附属書  19  再計算した改造後のヒートバランス


92 
B 8105:2004

附属書 J(参考)不確かさの計算例(火力用及び原子力用)

序文  この附属書は,2001 年に第 1 版として発行された IEC 60953-3(Rules for steam turbine thermal

acceptance tests−Part 3:Thermal performance verification tests of retrofitted steam turbines)の附属書 J

Uncertainty calculation – numerical examples (fossil and nuclear)]を翻訳して記述したものであり,規定の一

部ではない。

1.

適用範囲  火力用及び原子力用プラントにおいて,不確かさを計算する方法を,計算例を用いて記述

する。

2.

一般  測定結果に対する不確かさを決める方法としての理論的な指針は,附属書 に規定されている。

確認のためにこの附属書では二つの計算例を取り上げる。第一の例は火力プラント用,もう一例は原子力

プラント用である。

次に示す数値及び導き出された結果は一つの計算例であるので,各々の事例に対し適切な評価をして,

広範囲に適用できるものとして扱ってはならない。

附属書   1 で使用される数値は,例題の目的のための一つの例である。実際の場合には,系統誤差と

偶然誤差は,特定の事例に対して評価しなければならない。得られた数値はすべての測定系統を含む。

附属書   1  圧力と温度に対する典型的な全測定点の不確かさ

不確かさ

項目

系統的

偶然

圧力(排気圧力を除く) 0.3

% 0.1

排気圧力 0.9

% 0.3

温度(100  ℃以上) 0.3

% 0.1

温度(100  ℃未満) 0.2

℃ 0.1

圧力取出し口は通常,適度な蒸気の速度の場所に設置する。排気圧力は,速度が大きい低圧排気部で測

定されるため正確性が低い。圧力は流れの案内板を使い,複数位置で測定するが,不均一な状態となって

系統誤差と偶然誤差が大きくなる。

系統誤差と偶然誤差は本来違うものである。系統誤差は真値と測定値との一定の相違を表し,一方偶然

誤差は変動を原因とするものである。不確かさは複数の測定を実施することによって,減少させることが

できる[

附属書 式(H 10)参照]。改善量を保証(相対)する改造工事の場合には,系統誤差はあまり

重要でなくなる。

単純化のために

附属書   1,図  2 は計器の位置だけを示し,複数の計器による測定点数を示していな

いが,一方

附属書 表 3,表 は両方を示す。

3.

火力プラントでの計算例  改造前のヒートバランスは,仮定した測定機器範囲の構成が得られる根拠

として扱う(

附属書   1 及び附属書   3 参照)。

JIS B 8102

図 に示すような測定機器の設置状況は,この種の火力プラントにおいて現実的なものと

考えられる。高い正確性を得るために,幾つかの計器は多重化する。測定機器は次の項目を決定するのに


93

B 8105:2004

十分なものとする。

−  修正熱消費率

−  高圧ケーシング断熱効率

−  中圧ケーシング断熱効率

−  低圧ケーシング断熱効率

測定機器に対する注意点は,次による。

a)

流量  ボイラへの給水流量を測定するために,2 種類の標準流量測定装置を使用する。ボイラの直前

に設置するノズルと,脱気器の上流に設置するオリフィスである。再熱器スプレー流量も標準オリフ

ィスで測定する。

b)

温度  高圧給水加熱器の給水温度は,ヒートバランスから求める抽気流量の精度を高めるために二重

測定する。

c)

圧力  特に排気圧力は,複流低圧 1 ケーシング当たり 8 点測定する。この例では,複流低圧 2 ケーシ

ングであるので全 16 点の圧力を,流れ案内板を使用して測定する。合意した場合には,排気圧力は既

設の圧力取出し口によって測定してもよい。

3.1

評価  計算する項目の評価をするために,計算機のプログラムを使用することを推奨する。テスト

ケースとして

附属書   3 のヒートバランスを使用するのが望ましい。

a)

ステップ 1    ボイラへの給水流量を,附属書 式(H 9)及び式(H 10)を適用して決定する。この計算に

は,高圧給水加熱器,給水ポンプ,脱気器を含むループが必要である。すべてのループで抽気流量を

決定すると,給水流量も決まってくる。前回の計算流量との差が 0.005  %以下となれば,反復計算を

終了してもよい。

b)

ステップ 2  高圧及び中圧タービンは過熱域で運転されているので,軸出力は温度と圧力の測定値か

ら直接得られる。低圧の内部出力は,本体の式(31)から得られる。

c)

ステップ 3    本体の式(32)と(33)を使って

UEEP

h

が求まり,低圧ケーシング断熱効率を求めることができ

る。ヒートバランスに対する計算検証後,

附属書 式(H13)及び附属書 表 に従って“感度係数”

を求めることができる。結果は,計算表(

附属書   3 参照)に示すが,そこから 2 ケースが得られ

る。熱消費率の計算は,

附属書   4 に示す,主蒸気圧力・温度,再熱蒸気温度,再熱器圧損,排気

圧力の修正曲線を使って行う。その方法を説明する二つのケースを示す。

−  ケース 1

系統誤差と偶然誤差が発生する絶対値試験の不確かさを,

附属書   2 に示す。この表では 3 段

階の流量測定の正確さ(系統的な)に対する計算結果を示す。

[附属書 の式(H 17)参照]

附属書   2  火力プラントにおける異なった流量測定の

不確かさレベルに対する計算結果の不確かさの割合

(パーセント)

3 段階の流量測定の系統的な不確かさ

:パーセント(すべて

ε

i

=1)

項目

0.50 0.75 1.00

熱消費率(修正後)

0.55 0.70 0.86

高圧ケーシング断熱効率

0.76 0.76 0.76

中圧ケーシング断熱効率

0.25 0.25 0.25

低圧ケーシング断熱効率

1.47 1.89 2.34


94 
B 8105:2004

  ケース 2

系統誤差は除外される 2 回の試験での改善量の不確かさの絶対値は,

附属書 式(H 18)に従って,

次の式で示される。

理想的な場合として(すべて

ε

i

=0)

熱消費率(修正後)

±0.129×√2=±0.18  %

高圧ケーシング断熱効率

±0.240×√2=±0.34  %

中圧ケーシング断熱効率

±0.078×√2=±0.11  %

低圧ケーシング断熱効率

±0.376×√2=±0.53  %

何らかの理由で特定の計器の系統誤差が,改造前後の試験において一定でない場合は,

ε

i

(1 から 0 の

間の値をとる。

)の値を適用する。

附属書   1  火力プラントの計器配置


附属書   3  火力プラントの不確かさ

火力プラントの例

測定点全体の

不確かさ

修正後熱消費率

高圧部全体効率

中圧部全体効率

低圧部全体効率

系統的

系 
統 

系 
統 

系 
統 

系 
統 

記号 
  t  =  温度

[℃]

  x =  蒸気の乾き度

[ - ]

  p =  圧力

[MPa]

m&  =  流量

[kg/s]

 P  =  発電機出力

[kW]

 
    項目

% ±

% ±

%/%

%  ±

% ±

%/% %

±

% ±

%/%

%  ±

% ±

%/%

%  ±

% ±

p  主蒸気止め弁入口主蒸気

2

0.3

0.1

0.001 4

0.000

0.000

1.043 6

0.221

0.074

0

0

0

0.367 7

0.078

0.026

p  高圧タービン排気

2

0.3

0.1

0.040 8

0.009

0.003

0.970 8

0.206

0.069

0

0

0

0.221 4

0.047

0.016

p  主蒸気止め弁出口主蒸気

1

0.3

0.1

0

0

0

0 0

0

0

0

0

0.019 3

0.006

0.002

p  再熱出口

2

0.3

0.1

0.066 6

0.014

0.005

0 0

0

0.414 2

0.088

0.029

0.067 6

0.014

0.005

p  中圧タービン第 4 抽気

1

0.3

0.1

0.000 3

0.000

0.000

0 0

0

0

0

0

0.007 0

0.002

0.001

p  中圧タービン第 3 抽気

1

0.3

0.1

0.000 2

0.000

0.000

0 0

0

0

0

0

0.004 5

0.001

0.000

p  中圧タービン排気

2

0.3

0.1

0

0

0

0 0

0

0.419 3

0.089

0.030

0.016 4

0.003

0.001

p  低圧タービン入口

1

0.3

0.1

0

0

0

0 0

0

0

0

0

0.173 3

0.052

0.017

p  低圧タービン第 2 抽気

1

0.3

0.1

0

0

0

0 0

0

0

0

0

0.010 4

0.003

0.001

p  低圧タービン第 1 抽気

1

0.3

0.1

0

0

0

0 0

0

0

0

0

0.003 2

0.001

0.000

p  低圧タービン排気

16

0.9

0.3

0.040 0

0.009

0.003

0 0

0

0

0

0

0.143 5

0.032

0.011

p  低圧給水加熱器入口復水

1

0.3

0.1

0

0

0

0 0

0

0

0

0

0.012 4

0.004

0.001

p  第 2 給水加熱器出口復水

1

0.3

0.1

0.000 1

0.000

0.000

0 0

0

0

0

0

0.012 2

0.004

0.001

p  給水ポンプ出口

1

0.3

0.1

0.002 5

0.001

0.000

0 0

0

0

0

0

0.021 2

0.006

0.002

p  第 5 給水加熱器出口給水

1

0.3

0.1

0.000 4

0.000

0.000

0 0

0

0

0

0

0.018 4

0.006

0.002

主蒸気止め弁入口主蒸気

4

0.3

0.1

0.676 4

0.101

0.034

3.409 7

0.511

0.170

0

0

0

3.214 5

0.482

0.161

再熱出口

4

0.3

0.1

0.536 4

0.080

0.027

0 0

0

0.767 7

0.115

0.038

1.199 8

0.180

0.060

高圧タービン低温再熱

4

0.3

0.1

0.305 0

0.046

0.015

2.699 4

0.405

0.135

0

0

0

1.903 6

0.286

0.095

中圧タービン第 4 抽気

1

0.3

0.1

0.011 7

0.004

0.001

0 0

0

0

0

0

0.078 9

0.024

0.008

中圧タービン第 3 抽気

1

0.3

0.1

0.007 8

0.002

0.001

0 0

0

0

0

0

0.053 4

0.016

0.005

中圧タービン排気

4

0.3

0.1

0

0

0

0 0

0

1.057 7

0.159

0.053

0.503 2

0.075

0.025

低圧タービン第 2 抽気

1

0.3

0.1

0

0

0

0 0

0

0

0

0

0.025 6

0.008

0.003

復水ポンプ出口

1

0.61

0.3

0

0

0

0 0

0

0

0

0

0.020 5

0.012

0.006

第 1 給水加熱器ドレン

1

0.53

0.26

0

0

0

0 0

0

0

0

0

0.002 2

0.001

0.001

第 1 給水加熱器出口復水

1

0.31

0.15

0

0

0

0 0

0

0

0

0

0.047 2

0.014

0.007

95

B 8105

2004


附属書   3  火力プラントの不確かさ(続き)

火力プラントの例

測定点全体の

不確かさ

修正後熱消費率

高圧部全体効率

中圧部全体効率

低圧部全体効率

系統的

系 
統 

系 
統 

系 
統 

系 
統 

記号 
  t  =  温度

[℃]

  x  =  蒸気の乾き度

[ - ]

  p =  圧力

[MPa]

m&  =  流量

[kg/s]

 P  =  発電機出力

[kW]

 
    項目

% ±

% ±

%/%

%  ±

% ±

%/% %

±

% ±

%/%

%  ±

% ±

%/%

%  ±

% ±

第 2 給水加熱器出口復水

1

0.3

0.1

0.078 8

0.024

0.008

0 0

0

0

0

0

0.130 7

0.039

0.013

第 2 給水加熱器ドレン

1

0.29

0.14

0

0

0

0 0

0

0

0

0

0.005 7

0.002

0.001

脱気器出口/給水ポンプ入口

2

0.3

0.1

0.150 9

0.032

0.011

0 0

0

0

0

0

0.054 0

0.011

0.004

給水ポンプ出口/第 4 給水加熱器入口

2

0.3

0.1

0.134 2

0.028

0.009

0 0

0

0

0

0

0.131 4

0.028

0.009

第 4 給水加熱器出口給水

2

0.3

0.1

0.048 3

0.010

0.003

0 0

0

0

0

0

0.238 1

0.051

0.017

第 4 給水加熱器ドレン

1

0.3

0.1

0.002 9

0.001

0.000

0 0

0

0

0

0

0.015 6

0.005

0.002

第 5 給水加熱器出口給水

2

0.3

0.1

0.253 0

0.054

0.018

0 0

0

0

0

0

0.493 8

0.105

0.035

第 5 給水加熱器ドレン

1

0.3

0.1

0.005 4

0.002

0.001

0 0

0

0

0

0

0.008 1

0.002

0.001

m

ボイラ入口主給水(

1

) 1

0.85

0.15

0.545 4

0.464

0.082

0

0

0

0

0

0

1.588 9

1.351

0.238

m

脱気器入口復水(

1

) 1

0.85

0.15

0.454 6

0.386

0.068

0

0

0

0

0

0

1.173 2

0.997

0.176

m

再熱器スプレー(全閉) 1

0.75

0.15

0.026 4

0.000

0.000

0

0

0

0

0

0

0.007 4

0.000

0.000

P  発電機出力

1

0.2

0.05

1.000 1

0.200

0.050

0 0

0

0

0

0

2.119 6

0.424

0.106

系統隔離

1

0.2

0.01

1.000 0

0.200

0.010

0 0

0

0

0

0

1.000 0

0.200

0.010

合  計  (2 乗の和の平方根)

相対%

0.685

0.129

0.719

0.240

0.233

0.078

1.849

0.376 

全体不確かさ

相対%

0.697 

0.758 

0.245 

1.887 

(系統的な不確かさと偶然の不確かさの 2 乗の和の
平方根)

(

1

)

  測定できない漏えい(洩)流量が 0.2 %あり,そのうちの 50 %(0.5×0.2=0.1 %)は,JIS B 8102 の 8.4.3 に従い主流の不確かさに算術的に加算する。

備考  修正曲線の誤差の影響は考慮していないが,それらは通常無視できる。 

96

B 8105

2004


97

B 8105:2004

4.

原子力プラントでの計算例  火力プラントの場合と同様に,改造前のヒートバランスは,仮定した測

定機器範囲の構成が得られる根拠として扱う(

附属書   2 と附属書   5 参照)。

測定機器は JIS B 8102 

図 と一致する。測定機器は,次の項目を確定できるものを選定する。

−  修正熱消費率

−  高圧ケーシング断熱効率

−  低圧ケーシング断熱効率

次に測定機器に対する注意点を示す。

a)

流量  給水流量は,原子炉入口に並列に設置された 3 個のオリフィスを用いて測定する。低圧給水加

熱器からのドレン流量と,給水ポンプ駆動用タービンへの蒸気流量を測定するために,標準オリフィ

スを設置する。他のすべての必要な流量は,トレーサ技術(本体の 5.7.2 参照)を利用して決定できる。

−  高圧給水加熱器からのドレン流量

−  湿分分離器からのドレン流量

−  加熱器からのドレン流量

−  脱気器への第 4 抽気ラインの分離された湿分量

b)

温度  精度を高めるために,低圧タービン入口前の温度測定は多重測定する。

c)

圧力  特に排気圧力は,複流低圧 1 ケーシング当たり 8 点で測定する。この例では複流低圧 2 ケーシ

ングであるので,合計 16 点の圧力を流れの案内板を使用して測定する。合意の上で,排気圧力は既設

の圧力取出し口によって測定してもよい。

4.1

評価  火力プラントの場合と同様に,計算する項目の評価をするために,計算機を使用することを

推奨する。テストケースとして

附属書  17 のヒートバランスを使用することが望ましい。

a)

ステップ 1  抽気流量と脱気器への復水流量を決定するため,脱気器まわりの反復計算を行う。前回

の計算流量との差が 0.005  %以下となれば,反復計算を終了してもよい。

b)

ステップ 2  高圧効率と内部出力を決定するために,湿分分離加熱器まわりのエネルギーバランスか

ら,高圧出口の蒸気の乾き度の計算を始める。高圧出口の蒸気流量が分かるので,蒸気の乾き度は容

易に得られる。

c)

ステップ 3  本体の式(32)及び(33)を使って

h

UEEP

を求めて,次に低圧ケーシング断熱効率を求めるこ

とができる。ヒートバランスに対する計算検証後,

附属書 式(H 13)及び附属書   2 に従って,感

度係数を求めることができる。結果は計算表(

附属書   5 参照)に示されるが,そこから二つのケー

スが得られる。熱消費率の計算は,

附属書   9∼図 16 の修正曲線に従って,修正して決定する。

その方法を説明する二つのケースを示す。

−  ケース 1

系統誤差及び偶然誤差が発生する絶対値試験の不確かさを

附属書   4 に示す。


98 
B 8105:2004

附属書   4  原子力プラントにおける異なった流量測定の

不確かさレベルに対する計算結果の不確かさの割合

(パーセント)

3 種類の流量測定の系統的な不確かさ

:パーセント(すべてε

i

=1)

項目

オリフィス:0.50
トレーサ:0.30

オリフィス:0.75
トレーサ:0.55

オリフィス:1.00 
トレーサ:0.80

熱消費率(修正後) 0.53  0.67  0.83

高圧ケーシング断熱効率 1.07

1.34

1.64

低圧ケーシング断熱効率 1.04

1.08

1.13

−  ケース 2

系統誤差は除外できる 2 回の試験での改善量の不確かさの絶対値は,

附属書 式(H 18)に従って,

次の式で示される。

理想的な場合として(すべてε

i

=0),

熱消費率(修正後)

±0.122×√2=±0.17  %

高圧ケーシング断熱効率

±0.284×√2=±0.40  %

低圧ケーシング断熱効率

±0.315×√2=±0.45  %

何らかの理由で特定の計器の系統誤差が,改造前後の試験において一定でない場合は,ε

i

(1 から 0 の

間の値をとる)の値が適用される。

附属書   2  原子力プラントの計器配置


附属書   5  原子力プラントの不確かさ

原子力プラントの例

測定点全体の

不確かさ

修正後熱消費率

高圧部全体効率

低圧部全体効率

系統的

系 
統 

系 
統 

系 
統 

記号 
  t  =  温度

[℃]

  x   =  蒸気の乾き度

[ - ]

  p =  圧力

[MPa]

m&

 =  流量

[kg/s]

 P  =  発電機出力

[kW]

 
    項目

% ±

% ±

%/% %

±

% ±

%/% %

±

% ±

%/% %

±

% ±

原子炉出口主蒸気

3

0.3

0.1

0.034 3

0.006

0.002

0.253 5

0.044

0.015

0.146 3

0.025

0.008

高圧タービン入口主蒸気

2

0.3

0.1

0.00 2

0.002

0.001

0 0 0 0 0 0

反動段入口

2

0.3

0.1

0

0

0

0.644 6

0.000

0.000

0.002 3

0.000

0.000

高圧タービン排気

2

0.3

0.1

0

0

0

0.685 2

0.145

0.048

0.000 2

0.000

0.000

湿分分離器入口

2

0.3

0.1

0.108 1

0.023

0.008

0.000 2

0.000

0.000

1.471 3

0.312

0.104

再熱器入口蒸気

2

0.3

0.1

0

0

0

0.000 9

0.000

0.000

0.000 5

0.000

0.000

低圧タービン入口

2

0.3

0.1

0.091 0

0.019

0.006

0.137 2

0.029

0.010

0.200 2

0.042

0.014

低圧タービン排気

16

0.9

0.3

0.054 9

0.012

0.004

0

0

0

0.144 8

0.033

0.011

第 5 抽気

2

0.3

0.1

0

0

0

0.956 5

0.203

0.068

0.457 0

0.097

0.032

第 4 抽気

2

0.3

0.1

0.000 1

0.000

0.000

0.026 5

0.006

0.002

0.010 9

0.002

0.001

第 3 抽気

2

0.3

0.1

0 0 0 0 0 0

2.03 2

0.431

0.144

第 2 抽気

2

0.3

0.1

0 0 0 0 0 0

0.00 0

0.000

0.000

第 1 抽気

2

0.3

0.1

0 0 0 0 0 0

0.00 0

0.000

0.000

復水ポンプ出口

2

0.3

0.1

0 0 0 0 0 0

0.00 2

0.000

0.000

脱気器入口復水

2

0.3

0.1

0.000 0

0.000

0.000

0.000 3

0.000

0.000

0.001 4

0.000

0.000

給水ポンプ入口復水

2

0.3

0.1

0 0 0 0 0 0 0 0 0

給水ポンプ出口給水

2

0.3

0.1

0

0

0

0.000 7

0.000

0.000

0.008 1

0.002

0.001

最終給水

3

0.3

0.1

0.001 2

0.000

0.000

0.011 2

0.002

0.001

0.000 5

0.000

0.000

主蒸気乾き度

3

0.1

0.01

1.055 4

0.061

0.006

7.194 0

0.415

0.042

4.089 9

0.236

0.024

湿分分離器ドレン

2

0.3

0.1

0.001 4

0.000

0.000

0.350 7

0.074

0.025

0.146 8

0.031

0.010

加熱器ドレン

2

0.3

0.1

0.031 6

0.007

0.002

0.615 6

0.131

0.044

0.110 9

0.024

0.008

低圧タービン入口

2

0.3

0.1

0.136 0

0.029

0.010

2.142 3

0.454

0.151

0.555 1

0.118

0.039

第 3 抽気

2

0.3

0.1

0 0 0 0 0 0

0.00 0

0.000

0.000

ホットウエル

2

0.50

0.25

0 0 0 0 0 0 0 0 0

復水ポンプ出口

2

0.49

0.25

0 0 0 0 0 0

0.30 4

0.105

0.053

第 1 給水加熱器出口復水

2

0.36

0.18

0 0 0 0 0 0

0.41 5

0.105

0.053

第 2 給水加熱器出口復水

2

0.22

0.11

0 0 0 0 0 0

0.00 0

0.000

0.000

脱気器入口復水

2

0.3

0.1

0.009 4

0.002

0.001

0.170 0

0.036

0.012

0.935 8

0.199

0.066

99

B 8105

2004


附属書   5  原子力プラントの不確かさ(続き)

原子力プラントの例

測定点全体の

不確かさ

修正後熱消費率

高圧部全体効率

低圧部全体効率

系統的

系 
統 

系 
統 

系 
統 

記号 
  t  =  温度

[℃]

x

 =  蒸気の乾き度

[ - ]

  p  =  圧力

[MPa]

m&

 =  流量

[kg/s]

 P  =  発電機出力

[kW]

 
    項目

% ±

% ±

%/% %

±

% ±

%/% %

±

% ±

%/% %

±

% ±

第 1 給水加熱器ドレン

2

0.35

0.18

0 0 0 0 0 0

0.01 6

0.003

0.002

第 2 給水加熱器ドレン

2

0.35

0.17

0 0 0 0 0 0

0.05 1

0.014

0.007

第 3 給水加熱器ドレン

2

0.21

0.10

0 0 0 0 0 0

0.00 0

0.000

0.000

給水ポンプ入口復水

2

0.3

0.1

0.019 9

0.004

0.001

0.371 4

0.079

0.026

0.107 4

0.023

0.008

第 5 給水加熱器入口給水

2

0.3

0.1

0

0

0

0.002 0

0.000

0.000

1.795 3

0.381

0.127

加熱器入口給水

2

0.3

0.1

0

0

0

0.000 9

0.000

0.000

1.873 2

0.397

0.132

第 5 給水加熱器出口給水

2

0.3

0.1

0

0

0

0.001 0

0.000

0.000

1.201 8

0.255

0.085

加熱器出口給水

4

0.3

0.1

0

0

0

0.009 2

0.001

0.000

0.208 3

0.031

0.010

第 5 給水加熱器ドレン

2

0.3

0.1

0.001 4

0.000

0.000

0.018 9

0.004

0.001

0.136 1

0.029

0.010

加熱器ドレン

4

0.3

0.1

0.001 7

0.000

0.000

0.022 3

0.003

0.001

0.099 2

0.015

0.005

最終給水

3

0.3

0.1

0.61 9

0.106

0.035

0 0 0 0 0 0

m

ボイラブローダウン(全閉)

1

0.75

0.15

0 0 0 0 0 0 0 0 0

m

パージ蒸気

2

0.75

0.15

0.000 0

0.000

0.000

0.000 2

0.000

0.000

0.000 0

0.000

0.000

m

湿分分離器ドレン

2

0.55

0.15

0.003 4

0.001

0.000

0.865 3

0.337

0.092

0.361 6

0.141

0.038

m

給水ポンプ駆動タービン用蒸気

2

0.75

0.15

0 0 0 0 0 0

0.02 3

0.013

0.003

m

第 1 給水加熱器ドレン

2

0.75

0.15

0 0 0 0 0 0

0.10 5

0.058

0.012

m

第 2 給水加熱器ドレン

2

0.75

0.15

0 0 0 0 0 0

0.47 0

0.254

0.051

m

第 5 給水加熱器ドレン

2

0.55

0.15

0.003 3

0.001

0.000

0.150 2

0.058

0.016

0.348 2

0.135

0.037

m

加熱器ドレン

4

0.55

0.15

0.041

2 0.011  0.003 0.914

3 0.251  0.069 0.38 2 0.105  0.029

m

最終給水(

1

)

3

0.85

0.15

1.192 1

0.585

0.103

2.051 7

1.007

0.178

0.100 2

0.049

0.009

m

第 4 抽気中水分

2

0.55

0.15

0.000 6

0.000

0.000

0.150 2

0.058

0.016

0.062 8

0.024

0.007

発電機出力

1

0.2

0.05

0.996 5

0.199

0.050

0

0

0

1.607 8

0.322

0.080

系統隔離

1

0.2

0.01

1.000 0

0.200

0.010

1.000 0

0.200

0.010

1.000 0

0.200

0.010

合  計 (2 乗の和の平方根)

相対 %

0.663 0.122 

1.308

0.284 

1.031

0.315 

全体不確かさ

相対 %

0.674 

1.339 

1.078 

(系統的な不確かさと偶然の不確かさの 2 乗の和の平方根)

備考  修正曲線の誤差の影響は考慮していないが,それらは通常無視できる。 

100

B 8105

2004


101

B 8105:2004

附属書 K(規定)トレーサ技術―改造への適用

序文  この附属書は,2001 年に第 1 版として発行された IEC 60953-3(Rules for steam turbine thermal

acceptance tests−Part 3:Thermal performance verification tests of retrofitted steam turbines)の附属書 K(Tracer 
technique−retrofit application)を翻訳して作成した日本工業規格である。

1.

適用範囲  改造蒸気タービンで,流量を高い精度で測定するために,トレーサ技術を適用する方法に

ついて記述する。

2.

概要  保証性能を確認するためには,流量を高精度で測定することが必要である。既存の流量測定装

置がこの要求を満足しない場合は,定量注入によるトレーサ法を推奨する(本

体 5.7.2 参照)。

3.

方法  測定方法は,基本的に放射性又は非放射性のトレーサを使用する希釈法である。この技術を適

用する原子力及び火力プラントの蒸気・水の系統要素を,次に示す。

−  主蒸気湿り度

−  高圧及び低圧段のドレン流量

−  高圧排気における湿り度

−  抽気の質量流量・湿り度

−  湿分分離器の下流における残留湿分(キャリーオーバ)又は湿分分離器の分離性能

−  二相流系統における水流量及び漏えい(洩)質量流量

などである。

絞り機構に代わる手段として,定量注入法を単相水(液体)質量流量の高精度測定に用いることができ

る。放射性トレーサを使用することによって,測定の不確かさは±0.2  %までに低減することができる。

これは,トレーサ法の結果と校正された絞り機構によって得られる結果との比較結果が,よく一致してい

ることが立証されている。

トレーサ法では,トレーサを水に溶解させて,一定の質量流量速度で配管に注入する。トレーサ溶液を

希釈した配管内の質量流量は,混合するのに適切な距離を必要とする。混合後のトレーサ濃度は,その水

のサンプルから測定する。

この単純なケースで,トレーサバランスの配管内の二相又は単相での必要流量を得る。

(

)

inj

inj

inj

wat

m

C

m m

C

×

=

+

×

&

&

&

(K1)

又は,

inj

inj

wat

1

C

m m

C

æ

ö

=

×

ç

÷

è

ø

&

&

(K2)

ここに,

m&: 注入点前の質量流量

inj

m& : 注入質量流量

inj

: 注入されたトレーサの濃度

wat

C

混合後のサンプルの濃度


102 
B 8105:2004

附属書 式(K1)は,二相流において,トレーサは液体中には含まれるが,蒸気中には含まれないことが

前提条件となる。

注入部分の上流では通常,水の質量流量がトレーサの初期濃度をもっているから,

附属書 式(K2)は実

用的な適用には不完全である。また,周囲の初期濃度も考慮に入れるものとする。次により,放射性トレ

ーサを使用することで,水の質量流量の簡単な計算のための完全な式になる。

(

)

(

)

(

)

(

)

inj

inj

ABG,inj

BG

ABG,BG

inj

wat

ABG,wat

m

C

C

m C

C

m m

C

C

×

+ ×

=

+

×

&

&

&

又は,

inj

ABG,inj

wat

ABG,wat

inj

wat

ABG,wat

BG

ABG,BG

C

C

C

C

m m

C

C

C

C

æ

ö

ç

÷

ç

÷

è

ø

=

&

&

(K3)

ここに,

m&: 注入点前の質量流量

inj

m& : 注入質量流量

inj

: 注入したトレーサの濃度

A BG,inj

C

トレーサ溶液の周囲における初期濃度

BG

: 配管内の初期濃度

ABG,BG

C

配管の初期活性濃度

wat

C

混合後のサンプルの濃度

ABG,wat

C

サンプリング点の初期濃度

目的の水の質量流量は,一つの質量流量測定と一連の濃度の測定から

附属書 式(K3)を用いて計算でき

る。

測定の不確かさの関連する

附属書 式(K3)の項目は,

inj

m& ,

i nj

及び

wat

C

である。他の項目の重要性は低

い。しかしながら,これは絶対値の決定に役立つのではなく,測定の不確かさだけに有効である。

質量流量

inj

m& は,通常試験前に校正されたオリフィスを用いて測定して,連続注入する。

オリフィスは,校正された範囲だけで使用できる。したがって,

inj

m& の測定の不確かさは,通常,約

±0.1  %である。

4.

精度  放射性及び非放射性のトレーサでは,その不確かさは 0.2  %から 1.0  %の範囲となる。適度の

レベルの測定設備があれば,質量流量はすべての影響を含めて 0.5  %から 1.0  %以内の測定の不確かさを

達成することができる。さらに,費用をかければ,測定の不確かさは 0.2  %以下に実現することが可能で

ある。

したがって,測定の不確かさは,校正を実施しなかったオリフィスと同等かそれ以下に低減できる。

5.

適用条件  発電所では,二つのグループのトレーサを使用することができる。

−  放射性トレーサ

−  非放射性のトレーサ

これらのトレーサは次を考慮しなければならない。

−  容易に水に融解する。

−  既存プラントと両立できる。

−  測定を行う測定員に無害である。


103

B 8105:2004

−  容易に検出可能である。

−  蒸気の中には含まれないで,液体の中にだけ含まれる。

−  安価である。

放射性トレーサには,非放射性のトレーサよりはるかに高い解像度の利点がある。すなわち,測定に必

要なトレーサはわずかな量で済む。それぞれのケースで,どのトレーサを使用するかを決める。

水の質量流量がわずかでも存在すれば,注入はどの場所でも可能である。

サンプリングにおいて,トレーサが液体に完全に混合していることが特に重要である。すなわち,配管

の断面の濃度変化は 0.1  %を超えないものとする。このためには,必要な混合距離がわかっていなければ

ならない。これらの距離は,レイノルズ数,配管摩擦及び注入部の配管形状(単壁面注入,単純中心注入,

円周多重注入など)による係数である。

次の混合距離は,直管への単一壁面注入で,0.1  %濃度を得るための参考値である。

−  単相    水(液体)流量 150から 300D

−  二相    水/蒸気流量 30から 80D

ここで,は管内径を示す。

この距離に大きな幅があるのは,配管摩擦の違いを伴って,レイノルズ数が違っているためである。通

常,ベンド,弁,ポンプなどのある配管系では,必要な混合距離を短くすることができる。

配管レイアウトを考慮したとき,適切な混合距離がとれないならば,単一壁面注入を多重円周注入に替

えることを推奨する。

トレーサ測定を成功させる別の方法は,適切なサンプル抽出速度を選ぶことである。

これは,

−  高い測定精度を達成するためには,流量の抽出と注入の時間を一致させるために,サンプリング速

度はできるだけ速くするのが望ましい。これは与えられた抽出系統で,サンプル抽出質量流量を最

大にすることである。

−  測定する場所に応じて,サンプル抽出速度は可能な限り早い値に調整する。これらの値についてあ

らかじめ計算することができないので,検証測定が各測定点と接続点で必要である。

しかしながら,サンプル抽出点では,サンプル系統が蒸気を凝結するクーラーを通り抜けるので,

蒸気分が水に入っているかどうか検出することは可能ではない。 二相流から取られるサンプルが液

体だけを含んでいるならば,濃度はサンプル抽出速度に関係なく一定のままである。サンプルが蒸

気を含み始めると,濃度は凝結した蒸気のために減少する。そして,曲線は区切り点として知られ

ている不連続になる。区切り点は,二相流配管から取られるすべてのサンプルから得なければなら

ない。

6.

トレーサの適用  蒸気・水流量の測定のためには,通常,オリフィスかノズルを使用する。不確かさ

を減らすために,それらは校正したか又は標準設計の計器とする。しかしながら,これらの計器は試験の

前に計画し設置することが必要である。改造では,これらの要件が常に実現できるというわけではないの

で,トレーサ法の適用は非常に役立つ。

トレーサ技術は,次の測定に適している。

−  単相流(水系統)で,計画時間が短かった場合,又は簡単な設置が要求されるとき。

−  二相流系統の水流量

特に次の場合に適用する。


104 
B 8105:2004

a)

火力プラント

−  主復水流量

−  給水流量

−  ドレン流量

−  注水流量

−  抽気流量,など。

b)

原子力プラント

−  主復水流量

−  給水流量

−  ドレン流量

−  抽気流量

−  湿分分離器からのキャリーオーバ

−  蒸気発生器(炉)からのキャリーオーバ

−  高圧タービンの膨張線終点,など。

高精度の測定が必要な単相流では,オリフィス・ノズルとトレーサを組み合わせた測定を推奨する。


105

B 8105:2004

附属書 L(参考)温度変化方法

序文  この附属書は,2001 年に第 1 版として発行された IEC 60953-3(Rules for steam turbine thermal

acceptance tests−Part 3:Thermal performance verification tests of retrofitted steam turbines)の附属書 L

(Temperature variation method)を翻訳して記述したものであり,規定の一部ではない。

1.

適用範囲  高圧・中圧一体形タービンで,ケーシング中間の内部漏れ蒸気流量を決定する方法を示す。

2.

概要  タービン熱消費率の測定において,サイクルの熱流量を得るためには,主要流量及び副次流量

を高精度で測定する必要がある。これらの流量は通常,直接測定できる。

高圧・中圧一体形タービンの場合,高圧及び中圧の内部漏れ流量は直接測定できないので,その漏れ流

量を求めることが非常に難しい。この流量は,高温再熱と高圧・中圧の軸動力に重要な影響をもっている。

この流量の決定が不確かであれば,熱消費率と中圧タービン効率計算の精度に悪い影響を与えるので,

必ず注意しなければならない。

3.

漏えい(洩)流量を決定する可能性  高圧タービン及び中圧タービンの間の漏れ蒸気流量は,直接測

定できない。代替方法として,熱学的な方法を考慮する必要がある。温度変化方法(Booth-Kautzmann

alternative test)がその解決法である。

一つのケーシングで高圧・中圧一体形タービンについて検討する(

附属書   2 参照)。ラビリンスシ

ールは高圧タービン入口及び中圧タービン入口の間にある。ラビリンス漏れ流量は,中圧入口車室部で混

入する。これが,ラビリンス漏れの流量と再熱蒸気流量の比エンタルピーが,混合した後の中圧膨張の開

始点である。中圧翼列のケーシング効率を一定と仮定すると,中圧内部効率は,主蒸気と再熱蒸気の温度

による関数である。これを例証すると,主蒸気温度を低くした場合は,ラビリンスからの漏れ蒸気の温度

も低くなり,結果として中圧排気温度を低下させる。この温度の低下によって中圧タービン効率を一定と

した場合,中圧内部効率は高い値で測定される。

“温度変化方法”という名称から明らかなように,この方

法は主蒸気温度と再熱蒸気温度とを変えて,中圧 2 排気温度における変化を観測することである。

もし,ラビリンス漏れ流量がないならば,中圧排気温度は主蒸気温度に影響されないで,高温再熱温度

に従って決まる。しかし,実際にはラビリンス漏れ流量があるので,中圧排気温度はたとえ高温再熱蒸気

温度が一定でも主蒸気温度の変化に従って変化する。すなわち,主蒸気温度が一定の場合には,中圧排気

温度はラビリンス漏れ流量の大きさによって変化する。

中圧タービンの内部効率は,

附属書   1 と附属書 式(L 1)から附属書 式(L 4)によって計算される。

 
 
 
 
 
 


106 
B 8105:2004

A 点

B 点

C 点

D 点

質量流量

A

m&

A

C

B

m m m

+

=

&

&

&

C

m&

A

C

m

m

+

&

&

比エンタルピー

A

h

B

h

C

h

D

h

ここに,        A 点  :再熱蒸気条件 
                B 点  :混入後中圧タービン入口部蒸気条件

                C 点  :ラビリンス漏れ蒸気条件 
                D 点  :中圧タービン排気条件 
        パラメータ

x

 :混入後の中圧タービン入口蒸気流量に対するラビリンス漏れ流量の割合

                As 点  :A 点からの断熱膨張点 
                Bs 点  :B 点からの断熱膨張点

附属書   1  異なったラビリンス漏れ流量での中圧タービン内部膨張線

エネルギーバランスは,

A

A

C

C

B

B

m

h

m

h

m

h

×

+

×

=

×

&

&

&

 (L1)

B

C

100

m

x

m

&

& =

 (L2)

中圧タービン内部効率は次のとおりとなる:

IP

η (

x

0

)

(

h

A

h

D

) / (

h

A

h

As

) (L3)

IP

η (

x

0

)

(

h

B

h

D

) / (

h

B

h

Bs

) (L4)

ラビリンス漏れ流量がゼロであるならば,

附属書 

(L3)

を適用し,それ以外では,

附属書 

(L4)

適用する。

試験及び計算は次のステップで実行する。

a

)

ステップ 1  タービンの運転を通常の状況で安定させ,圧力と温度を測定する。

b

)

ステップ 2  附属書 

(L 3)

及び

附属書 

(L 4)

を使用して,幾つかのラビリンス漏れ流量の関数と

して,中圧タービン内部効率をプロットする。このグラフのこう配は,再熱蒸気とラビリンス漏れ流

量の比エンタルピー差を表す。

c

)

ステップ 3  主蒸気又は再熱蒸気の温度を下げ(

Δ

およそ

15

℃)

,ステップ

1

及びステップ

2

2

4

回繰り返す。プロットした線は,実際のラビリンス漏れ流量と実際の中圧タービン内部効率で交


107

B 8105:2004

差する。

4.

適用例

1

個のケーシングで,再熱をもつ高圧・中圧

1

・中圧

2

一体形タービンを例に考える(

附属書

L

  2 参照)。高圧蒸気流入路は中央に位置し,中圧

1

及び中圧

2

の翼列部がケーシングの両端の側にあ

る。タービンには,

2

個の内部ラビリンス部がある。

      ラビリンス 1:高圧蒸気排気と中圧 1 翼列部入口の間のラビリンス(この例では,考慮しない。

      ラビリンス 2:調速段後と中圧 2 翼列部入口の間のラビリンス(この例では,ここに適用する。

附属書   2  高圧・中圧 1・中圧 一体形タービンの断面図

温度と圧力は次の位置で測定する(高圧調速段の比エンタルピー降下は推定値。

−  主蒸気

−  中圧

2

蒸気入口(この温度の変化が再熱温度の変化に相当する。

−  中圧

2

排気

測定項目と対応する中圧

2

タービン内部効率は

附属書   1 による。

附属書 表 では,中圧

2

入口温度は,高温再熱温度を変えることによって変化したことが示されている。

計算結果は,

附属書 図 にプロットする。


108 
B 8105:2004

附属書   1  測定項目と中圧 タービン内部効率

主蒸気温度変化

再熱蒸気温度変化

項目

単位

試験 1

通常

試験 2

試験 3

試験 4

試験 5

試験 6

試験 7

試験 8

主蒸気,

温度

℃ 537.770 515.560 504.440 493.333 482.220 537.780 537.780 537.780

圧力

MPa

13.132 4

13.242 7

13.303 1

13.368 0

13.436 9

13.112 3

13.102 3

13.082 2

比エンタルピー

kJ/kg

3 435.99

3 375.86

3 345.05

3 313.68

3 281.58

3 436.23

3 436.34

3 436.56

第 1 段(調速段)熱落差

kJ/kg 60.70  58.020  56.650  55.280  53.880 60.940 61.050 61.290

ラビリンス蒸気,

比エンタルピー

kJ/kg

3 375.29

3 317.84

3 288.40

3 258.40

3 227.71

3 375.29

3 375.29

3 375.27

中圧 2  入口蒸気,  温度

℃ 428.830 427.970 427.530 427.090 426.640 409.130 399.310 379.710

圧力

MPa

1.812 4

1.842 4

1.858 3

1.874 9 1.892

2 1.785

9 1.772

5 1.745

7

比エンタルピー

kJ/kg

3 314.28

3 311.99

3 310.81

3 309.62 3

308.40 3

271.92 3

250.81 3

208.68

流量

kg/s 194.783 198.219 200.034 201.930 203.898 194.704 194.663 194.587

中圧 2  排気,

温度

℃ 323.590 322.540 322.010 321.480 320.940 306.360 297.790 280.790

圧力

kPa

806.2 819.2 826.1 833.4 840.9 793.5 787.2 774.7

比エンタルピー

kJ/kg

3 106.81

3 104.31

3 103.04

3 101.76

3 100.46

3 070.84

3 052.92

3 017.27

中圧 2  タービン効率,

χ = 0

% 88.248 88.442 88.536 88.641 88.733 88.079 88.014 87.841

χ = 2

% 88.681 88.483 88.376 88.276 88.158 88.834 88.936 89.113

χ = 4

% 89.097 88.524 88.223 87.925 87.603 89.558 89.820 90.331

χ = 6

% 89.497 88.562 88.075 87.586 87.069 90.253 90.667 91.496

χ = 8

% 89.881 88.599 87.933 87.260 86.553 90.919 91.481 92.613

χ = 10

% 90.250 88.635 87.795 86.945 86.055 91.561 92.262 93.685

108

B 8105

2004


109

B 8105:2004

附属書   3  温度変化試験の結果−主蒸気温度と再熱蒸気温度の変化によるラビリンス漏れ蒸

気流量(ラビリンス 2)を関数とする中圧 タービン内部効率

すべてのプロットした線が明確な領域で交差するこの例では,実際の流量を求めることができる。

−  ラビリンス漏れ流量(ラビリンス

2

0.977 2

−  内部効率(中圧

2

88.45

車室入口蒸気の比エンタルピーと,ラビリンス漏れ蒸気の比エンタルピーの違いが大きいので,この方

法の適用が成功していることが明らかである。

もしも,比エンタルピー差がほとんどないならば,影響は現れない(

附属書 図 の“試験

2

”参照)

−  線が正のこう配ならば,ラビリンス流量は中圧

2

入口蒸気を加熱する。

−  線が負のこう配ならば,ラビリンス流量は中圧

2

入口蒸気を冷却する。

ここで示した例は,適用するには簡単で単純な方法であるとの印象を与える。しかしながら,それは正

確な温度測定と安定した運転状態を維持するならば,信頼できる結果が得られる。もし,これらの条件を

達成することができないならば,作成された線は明確な交点が得られないために,そのときのラビリンス

流量は不確実である。

しかしながら,温度変化方法は,改造前後の試験で装置類の改造を行っていない場合には,役立ってい

るので推奨する[本体 3.4.2 a

)

参照]


附属書 5(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

JIS B 8105

:2004  蒸気タービン−受渡試験方法―改造時の性能確認

IEC 60953-3

:2001  蒸気タービン熱的受渡試験―第 3 部  改造蒸気タービンの熱的確

認試験

(Ⅰ) JIS の規定

(Ⅲ)国際規格の規定

(Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異の項目
ごとの評価及びその内容 
  表示箇所:本体

  表示方法:点線の下線又は実線の側線

項目番号

内容

(Ⅱ) 
国際 
規格

番号

項目番号

内容

項目ごと

の評価

技術的差異の内容

(Ⅴ)JIS と国際規格との技術的差異の
理由及び今後の対策

1.  適用範

改造蒸気タービンの性
能確認方法,保証値の

実証のための規定。

IEC

60953

-3

1.  範囲と
目的 
 
1.1  範囲
 
 
1.2  目的
1.3 契約 
上考慮す
べき事項

 MOD/変更

 
 
MOD/追加

 
 
 
JIS

では,保証事項とその適用

範囲を明確にするために変更,

追記した。 

 
 
 
IEC

規格の記載は適用範囲を具体的に

記載していないので,保証事項と適用範

囲を追記した。実質的な差異はない。

2.  引用規 

この規格に引用される 
規格番号

 1.4

参考

規格

この規格に引用される

IEC

規格番号

MOD/追加 JIS では,引用規格として JIS

番号を記載した。

3.記号, 
単 位 , 定

義 及 び 保
証値 
3.1 記号 
及び単位

 
 
 
この規格に用いる量記 
号及び単位(表 1)

 2.単位・記

号・用語

・定義 
2.1 一般 
2.2 記号・
単位

 
 
 
MOD/変更
MOD/削除
MOD/追加

 
 
 
JIS

では,必要に応じて記号,

単位の変更,削除,追加を行っ

た。 
追加;タービン効率,修正係数
変更;圧力損失割合,比エント

ロピー,標準偏差 
削除;流量係数,蒸気表公差

 
 
 
IEC

規格に含めたほうがよいと考える

記号は,今後 IEC に提案をしていく。

110

B 8105

2004


(Ⅰ) JIS の規定

(Ⅲ)国際規格の規定

(Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異の項目
ごとの評価及びその内容 
  表示箇所:本体

  表示方法:点線の下線又は実線の側線

項目番号

内容

(Ⅱ) 
国際 
規格

番号

項目番号

内容

項目ごと

の評価

技術的差異の内容

(Ⅴ)JIS と国際規格との技術的差異の
理由及び今後の対策

3.2 添字,
肩書き及

び定義

こ の 規 格 に 用 い る 添
字,肩書き及びその定

義(表 2.1,表 2.2)

 2.3 添字・

肩書文字

及び定義

 MOD/削除

MOD/追加

JIS では,修正係数関連の添

字を整理した。

追加;

“G”

,削除;

“tot”

必要な項目を追加して,不要項目は削除
した。

3.3 定義 
 
 

この規格で用いる主な

用語の定義 
タービン室熱効率 
 
 
 
 
 
熱消費率 
 
 
タービン効率 
 
 
定格出力 
 
 
 
 
 
最大主蒸気流量 

 2.4 保証値

と試験結
果の定義

 
 
タービン室熱効率 
 
 
 
 
 
熱消費率 
 
 
理論効率

η

td

P/(m×

h

s

)

の式を定義する。 
最大連続出力 
・最大連続出力と記載

がある。

 
 
 
最大主蒸気流量

MOD/変更
MOD/追加

 
 
JIS では,

図 の再熱タービ

ンの熱効率の定義式に,再熱

器 スプ レ ー の 熱量 を 追 加し
た。

JIS では,出力の定義を事前

に協定すると追記した。

JIS では,

図 の再熱再生タ

ービン設備の熱消費率の定義

式を追加した。

JIS では,すべてのタービン

に適用する一般式とした。

     

)

(

sj

j

td

Σ

h

m

P

η

×

=

&

JIS では,項目名を“最大連

続出力”から“定格出力”に

置き換えた。

JIS では,定義を“所定条件

で運転する場合の保証最大連

続出力”とした。

JIS では,タービン以外に供

給される蒸気量も含めると追

記した。

 

・熱収支計算では,再熱器スプレーの熱

量は保証値決定のために必要である。

今後 IEC に提案する。

・出力は,タービン性能で重要項目なの

で,定義を明確にすべきである。

・国内では一般に,タービン性能の指標

に“熱消費率”を使うので,分かりや

すくした。

・技術的に IEC 規格と同じであって明

確になる。

・国内では,最大出力より低い値の“定

格出力”で保証するので,

“定格出力”

とするのが適切である。

JIS では,定義を明確にした。 
 
 
JIS では,グランド蒸気量,プラント

補機などへの蒸気量を含むことを明

確に定義した。今後 IEC に提案する。

111

B 8105

2004


(Ⅰ) JIS の規定

(Ⅲ)国際規格の規定

(Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異の項目
ごとの評価及びその内容 
  表示箇所:本体

  表示方法:点線の下線又は実線の側線

項目番号

内容

(Ⅱ) 
国際 
規格

番号

項目番号

内容

項目ごと

の評価

技術的差異の内容

(Ⅴ)JIS と国際規格との技術的差異の
理由及び今後の対策

3.4 保証値 
について 
3.4.1 
3.4.2

 
 
絶対的な保証 
性能向上の相対的試験

 2.5 保証値

について
2.5.1 
2.5.2

 
 
絶対的な保証 
性能向上の相対的試験

 
 
IDT 
IDT

 
 
− 

4. 基 本 方
針 
4.1 試験の
事前計画

 
 
プラント設計中に協定

する必要がある典型的
な項目

 3. 指 導 原

則 
3.1 試験の
事前計画

 
 
・プラント設計中に協

定する必要がある典
型的な項目。

 
 
IDT 

 
 

 
 
 

4.2 事前の
協 定 及 び
手配

試験前に協定する必要
がある事項及び手配す
る事項

 3.2 試験に

対 す る 事
前 の 協 定

と手配

・第三者の専門家が,
すべての協定に関与す
ると記載がある。

MOD/削除 JIS では,第三者の協定への関

与についての記載を削除した。

国内では通常は,第三者機関が受渡試験
に関与する場合はないが,関与するか否
かは当事者間の協議によって決定すれ

ばよい。

4.3 試験計
画 
4.3.1 
4.3.2 
4.3.3

 
 
受渡試験時期 
受渡試験管理

試験費用

 3.3 試験計

画 
3.3.1 
3.3.2 
3.3.3

 
 
受渡試験時期 
受渡試験管理

試験費用

 
 
IDT 
IDT 
IDT

 
 
− 

 
 

4.4 試験準
備 
4.4.1 
4.4.2 
 
 

 
 
プラントの状態 
蒸気タービンの状態 
 
 

 3.4 試験準

備 
3.4.1 
3.4.2 
 
 

 
 
プラントの状態 
蒸気タービンの状態 
・比較測定で,ずれが

分かった場合,蒸気
タ ー ビ ン を 開 放 す
る。

 
 
IDT 
MOD/変更
 

 
 
− 
JIS では,比較測定の記載を

“参考”として記載した。

 

 
 

・比較測定にかかわる事項は参考として

位置づけ,IEC  3.5 中の方法だけを記

載した。

112

B 8105

2004


(Ⅰ) JIS の規定

(Ⅲ)国際規格の規定

(Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異の項目
ごとの評価及びその内容 
  表示箇所:本体

  表示方法:点線の下線又は実線の側線

項目番号

内容

(Ⅱ) 
国際 
規格

番号

項目番号

内容

項目ごと

の評価

技術的差異の内容

(Ⅴ)JIS と国際規格との技術的差異の
理由及び今後の対策

4.4.3 
 
 
4.4.4 
 
 
 
 
 
 
4.4.5 
 
4.4.6 
4.4.7

復水器の状態 
 
 
系統からの遮断 
 
 
 
遮断されない場合に決

定する必要がある流れ 
 
復水器及び給水加熱器

の漏れの確認 
蒸気ストレーナ洗浄 
試験用計器の検査

 3.4.3

 
 
3.4.4 
 
 
 
 
 
 
3.4.5 
 
3.4.6 
3.4.7

復水器の状態 
 
 
系統からの遮断 
・不明の漏れ量(%)は,

試験結果の相対誤差
(%)の 0.4 倍以下。

遮断されない場合に決

定する必要がある流れ
 
復水器及び給水加熱器

の漏れの確認 
蒸気ストレーナ洗浄 
試験用計器の検査

MOD/追加
 
 
MOD/削除
 
 
 
MOD/追加
 
 
IDT 
 
IDT 
IDT

JIS では,復水器状態を確認

する手段に,

“冷却管清浄度”

の測定を追加した。

JIS では,この記載を削除し

た。

 
 
JIS では,遮断できないが重

要でない流量の取扱いを追加
規定した。

− 
 
− 

・復水器の性能を評価する指標として,

冷却管清浄度が有効である。

今後 IEC への提案を検討する。

IEC 規格で記載の“0.4 倍”という値

の妥当性が証明されていないので削

除した。

・遮断できない流量で,重要でない流量

を計算値,無視するなどの処理方法を
規定して明確にした。

 
 
 

4.5 試験設
定 
4.5.1 
 
 
 
 
 
4.5.2

 
 
負荷設定 
・改造前後の試験の負

荷設定

 
 
 
特殊な設定

 3.6 試験設

定 
3.6.1 
 
 
 
 
 
3.6.2

 
 
負荷設定 
・火力機は,加減弁全

開又はある加減弁開
度で実施する。

・原子力機は,同一熱

出力で実施する。

特殊な設定

MOD/追加
 
 
 
 
 
 
 
IDT

 
 
 
JIS

では,改造前後の試験を同

一電気出力で行う場合の規定を
追加した。 
 
 

 
 
 
国内では,改造前後の試験は同一電気出

力で試験するのが,一般的なため,この
記載を追加した。 

4.6 予備試

予備試験の目的,及び
取扱い

 3.7 予備試

予備試験の目的,及び
取扱い

IDT

11

3

B 8105

2004


(Ⅰ) JIS の規定

(Ⅲ)国際規格の規定

(Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異の項目
ごとの評価及びその内容 
  表示箇所:本体

  表示方法:点線の下線又は実線の側線

項目番号

内容

(Ⅱ) 
国際 
規格

番号

項目番号

内容

項目ごと

の評価

技術的差異の内容

(Ⅴ)JIS と国際規格との技術的差異の
理由及び今後の対策

4.7 受渡試
験 
4.7.1 
 
 
 
 
4.7.2 
 
 
 
 
 
4.7.3 
 
4.7.4 
 
 
 
 
 
4.7.5 
4.7.6 
 
 
4.7.7 
4.7.8 
4.7.9

 
 
試験状態の安定性 
 
 
 
 
試験状態の最大偏差及

び変動 
 
 
 
 
試験の継続時間及び読

みの周期 
積算計器の読取り 
 
 
 
 
 
試験方法 
試験記録 
 
 
追加測定

仮計算 
試験の一貫性

 3.8 受渡試

験 
3.8.1 
 
 
 
 
3.8.2 
 
 
 
 
 
3.8.3 
 
3.8.4 
 
 
 
 
 
3.8.5 
3.8.6 
 
 
3.8.7 
3.8.8 
3.8.9

 
 
試験状態の安定性 
・安定化の時間はター

ビン容量・ 内部状態

な ど で 異 な る と 記
載。

運転状態の最大偏差及

び変動 
 
 
 
 
試験の継続時間及び読

みの周期 
積算計器の読取り

・運転状態が安定なら,

目標の試験期間の少
し前に測定開始し,
少し後に終了するの

が望ましい。

代替方法 
試験記録

・カーボン複写とする。

追加測定 
仮計算

試験の一貫性

 
 
MOD/変更
MOD/削除
MOD/追加
 
 
MOD/変更
MOD/削除
MOD/追加
 
 
 
IDT 
 
MOD/変更
MOD/削除
 
 
 
 
IDT 
MOD/変更
 
 
IDT 
IDT 
IDT

 

JIS では“内部状態”を削除した。

JIS では,加減弁の絞り維持

の手段として,負荷制限装置

の方法を追加した。

 
JIS では,国内の現状のプラ

ントの運転状況を判断して,
最大許容偏差,最大許容変動,
改造前後の最大許容偏差の規

定を,一部変更,削除,追加
した。

− 
 
JIS では,この記載を削除し

た。

 
JIS では,データロギングシ

ステムの使用を認めた。

 
− 

“カーボン複写”を削除して一

般的な複写を認める。

− 

 
 

“タービン内部状態”は定義が不明確

で,判断できないので削除した。

JIS では,具体的な手段を提示して,

分かりやすくした。負荷制限装置の使
用は今後 IEC への提案を検討する。

JIS では,これらの最大許容偏差及び

改造前後の最大許容偏差の値を,国内
の運転技術水準及び運用状況並びに
季節的な冷却水条件などを考慮して

設定した。

 
 
 
IEC の記載は不要である。 
 

・近年の国内の実態から,技術・精度の

問題はない。

なお,IEC の 4.4.1 に同等の記載があ
る。

・コンピュータ記録紙などの種々の複写

の方法を適用できるようにした。 
上記について IEC の提案を検討する。

4.8

受渡試験の繰返し   3.9

受渡試験の繰返し IDT  −

114

B 8105

2004


(Ⅰ) JIS の規定

(Ⅲ)国際規格の規定

(Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異の項目
ごとの評価及びその内容 
  表示箇所:本体

  表示方法:点線の下線又は実線の側線

項目番号

内容

(Ⅱ) 
国際 
規格

番号

項目番号

内容

項目ごと

の評価

技術的差異の内容

(Ⅴ)JIS と国際規格との技術的差異の
理由及び今後の対策

5.  測定技
術 及 び 測

定計器 
5.1  一般 
 
5.1.1 
5.1.2 
5.1.3 
5.1.4 
5.1.5 
 
5.1.6

 
 
 
 
 
測定計器 
測定の不確かさ 
計器の校正

代替測定方法 
測定に用いる水銀 
 
改造前後の試験一貫性

 4.

測定技

術 及 び測

定計器 
4.1  一般
 
4.1.1 
4.1.2 
4.1.3 
4.1.4 
4.1.5 
 
4.1.6

 
 
 
 
 
測定計器 
測定の不確かさ 
計器の校正

代替測定方法 
測定に用いる水銀 
 
改造前後の試験一貫性

 
 
 
MOD/追加
 
IDT 
IDT 
IDT 
IDT 
MOD/削除
 
IDT

 
 
 
・分かりやすくするため説明を

追加した。

− 
− 

− 
・原子力プラントでの水銀の使

用方法の記載を削除した。

 
 
 
 
 
 
 
 

・国内での原子力プラントで水銀を使う

ことはない。

5.2  出力 
測定 
5.2.1 
 
 
5.2.2 
 
5.2.3 
 
 
5.2.4 
5.2.5 
5.2.6 
 
 

 
 
タービンの機械的出力
の決定 
 
ボイラ給水ポンプ動力
の測定

発電機の電気出力の決
定 
 
電気出力の測定 
電気計器の接続 
電気計器 
 
 

 4.2

出力

測定 
4.2.1 
 
 
4.2.2 
 
4.2.3 
 
 
4.2.4 
4.2.5 
4.2.6 
 
 

 
 
タービンの機械的出力
の決定 
 
ボイラ給水ポンプ動力
の測定

発電機の電気出力の決
定 
 
電気出力の測定 
電気計器の接続 
電気計器

・積算電力量計の測定

は,5 分間隔との記
載がある。

 
 
MOD/削除
 
 
IDT 
 
MOD/追加
 
 
IDT 
IDT 
MOD/変更
MOD/追加

 
 
・出力を,タービンや被駆動機

のエネルギーバランスから求

める方法を削除した。

− 
 
・励磁電力の扱いを,受渡当事

者間の協議によって決定する
と追加した。

− 
− 

・測定間隔を,10∼30 分程度に

変更して“備考”を追加した。

 

・主として発電用タービン向けの規格で

あるので,機械的に出力を測定するこ

とは極めて少ない。

 

IEC 規格は励磁電力を含めるが,国内

では別扱いするのが一般的なので,協
議によることを追加した。

 
 
 
・国内では,通常測定時間を 2∼4 時間

で実施するので,間隔を延長した。

11

5

B 8105

2004


(Ⅰ) JIS の規定

(Ⅲ)国際規格の規定

(Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異の項目
ごとの評価及びその内容 
  表示箇所:本体

  表示方法:点線の下線又は実線の側線

項目番号

内容

(Ⅱ) 
国際 
規格

番号

項目番号

内容

項目ごと

の評価

技術的差異の内容

(Ⅴ)JIS と国際規格との技術的差異の
理由及び今後の対策

5.2.7 
 
 
 
5.2.8 

計器用変成器 
 
 
 
改造前後の電気出力の

測定

 4.2.7

 
 
 
4.2.8 

計器用変成器 
・精度の規定はない。
 
 
改造前後の電気出力の

決定

MOD/追加
 
 
 
IDT 

JIS C 1736 で規定した計器用

変成器の精度を記載した。

・校正は“一組”として実施す

ることを規定した。

− 

JIS による精度を記載して,分かりや

すくした。

・高精度で校正するには,全体系として

実施する。IEC への提案を検討する。

 

5.3  流量 
測定 
5.3.1 
 
 
 
5.3.2 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
5.3.3 
 
5.3.4 
 
5.3.5

 
 
測定する必要がある流

量の選定 
 
 
主要流量の測定 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
絞り機構の取付方法及

び位置 
差圧測定 
 
水量の変動

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

4.3  流 量
測定 
4.3.1 
 
 
 
4.3.2 
 
 
 
 
 
 
 
4.7.7 
 
 
4.3.3 
 
4.3.4 
 
4.3.5

 
 
測定する必要がある流

量の選定 
 
 
主要流量の測定 
・絞り機構の設置は,

ブローイングアウト

後に設置するか,バ
イパスを設けるとの
記載がある。

 
 
トレーサ技術の改造蒸

気タービンへの応用 
 
差圧測定装置の取付方

法及び位置 
差圧測定 
 
水量の変動

 
 
MOD/追加
 
 
 
MOD/変更
MOD/追加
 
 
 
 
 
 
 
 
 
IDT 
 
MOD/追加
 
IDT

 
 
・タービン入口流量を直接測定

せねばならない場合の決定方
法の記載を追加した。

・流量計に JIS Z 8762 ベンチュ

リ管を追加した。

・国内の実情で,差圧装置は,

蒸気ブローイングアウト前に
は設置しないのが望ましいと
変更した。

・絞り機構の検査孔の図例の記

載を追加した。

・ IEC の 4.7.7 トレーサ法によ

る流量測定の記載を本章に
追加した。

− 
 
・マノメータの最低読取り量の

記載を追加した。

 
 
・1 機 1 缶システムでない場合などは,

タービン入口の蒸気流量で測定する
必要があるので,この規定を追加し
た。

・国内で,地熱プラントなどでベンチュ

リ管を使用している。

・溶接形の差圧装置を使用する場合を考

慮して,弾力をもたせた。

 

・検査孔の例を図で示し,内容をより充

実した。

・章をまとめることによって,分かりや

すくした。

 
 

・反視差装置などを設けた場合の読取り

精度を具体的に示した。

116

B 8105

2004


(Ⅰ) JIS の規定

(Ⅲ)国際規格の規定

(Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異の項目
ごとの評価及びその内容 
  表示箇所:本体

  表示方法:点線の下線又は実線の側線

項目番号

内容

(Ⅱ) 
国際 
規格

番号

項目番号

内容

項目ごと

の評価

技術的差異の内容

(Ⅴ)JIS と国際規格との技術的差異の
理由及び今後の対策

5.3.6 
 
 
5.3.7 
 
5.3.8 
 
5.3.9 
 
 
 

副次流量測定 
 
 
頻度の低い副次流量 
 
水及び蒸気の密度 
 
復水器の冷却水量の決

定 
 
 

 4.3.6

 
 
4.3.7 
 
4.3.8 
 
4.3.9 
 
 
 

副次流量測定 
 
 
頻度の低い副次流量 
 
水及び蒸気の密度 
 
復水器の冷却水量の決

定 
・絞り機構を用いた冷

却水量の測定方法の

記載がある。

MOD/追加
 
 
MOD/追加
 
MOD/追加
 
MOD/変更
MOD/削除
MOD/追加
 

・系外への送気蒸気流量を決定す

る方法の記載を追加した。

 
・軸封水の測定に関する参考図

を追加した。

・流量計算用の圧力と温度の測

定位置を追加した。

・水量決定の目的を追記した。

・絞り機構などを用いた冷却水

量の測定方法を削除して備考
に記載し,ポンプの Q−H 曲

線,超音波流量計,ヒートバ
ランスの方法を記載した。

・これは保証条件に影響するので具体的

に記載した。IEC への提案を考慮す

る。

・タービングランド,大気放出弁などの

封水の配管系を図で説明した。

・絞り機構の圧力・温度の測定位置を具

体的に記載した。

・国内で実施している具体的な測定方法

を記載した。

IEC

規格で規定した“オリフィス”

“せき(堰)”,

“ピトー管”などの方

法は実際的ではないので削除した。

5.4  圧力
測定(復
水タービ

ンの排気
圧力を除
く) 
5.4.1 
5.4.2 
5.4.3 
 
 
5.4.4 
5.4.5 
5.4.6

 
 
 
 
 
 
測定する必要がある圧力 
圧力測定用計器 
圧力測定用の孔及び接

続管 
 
隔離弁

圧力測定計器の校正 
大気圧の測定

 
 
 
 
 

4.4  圧力
測定(復
水タービ

ンの排気
圧力を除
く) 
4.4.1 
4.4.2 
4.4.3 
 
 
4.4.4 
4.4.5 
4.4.6

 
 
 
 
 
 
測定すべき圧力 
圧力測定用計器 
圧力測定用の孔及び接

続管 
 
隔離弁

圧力測定計器の校正 
大気圧の測定

 
 
 
 
 
 
IDT 
IDT 
MOD/削除
 
 
IDT 
IDT 
IDT

 
 
 
 
 
 
− 

・大気圧以下で 12 mm 未満の接

続管では,空気抜きを備える
との規定を削除した。

− 

 
 
 
 
 
 
 

・大気圧以下なので,空気抜きが技術的

に困難である。今後 IEC への提案を
検討する。

 
 

11

7

B 8105

2004


(Ⅰ) JIS の規定

(Ⅲ)国際規格の規定

(Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異の項目
ごとの評価及びその内容 
  表示箇所:本体

  表示方法:点線の下線又は実線の側線

項目番号

内容

(Ⅱ) 
国際 
規格

番号

項目番号

内容

項目ごと

の評価

技術的差異の内容

(Ⅴ)JIS と国際規格との技術的差異の
理由及び今後の対策

5.4.7 
 

読取りの補正 

 4.4.7

 

読み取りの補正 
 

MOD/削除

“世界気象協会,米国天気案内

所,スミソニアン”などの説

明を削除した。

・気圧の補正について,具体的補正方法

及び数値は,JIS B 8102 の解説に記載

してある。

5.5  復水
タービン
の排気圧
力の測定 
5.5.1 
5.5.2 
5.5.3 
5.5.4 
5.5.5 
 
5.5.6 
5.5.7 
5.5.8 
 
 
5.5.9

 
 
 
 
一般 
測定面 
圧力取出し口

マニホールド 
接続管 
 
計器 
測定システムからの漏れ 
校正 
 
 
読取りの補正

 4.5

復水

タービン
の排気圧
力の測定
4.5.1 
4.5.2 
4.5.3 
4.5.4 
4.5.5 
 
4.5.6 
4.5.7 
4.5.8 
 
 
4.5.9

 
 
 
 
一般 
測定面 
圧力取出し口

マニホールド 
接続管 
 
計器 
測定システムの漏れ 
校正 
 
 
読み取りの補正

 
 
 
 
IDT 
IDT 
IDT 
IDT 
MOD/削除
 
IDT 
IDT 
MOD/削除
 
 
IDT

 
 
 
 
− 
− 

− 
・系統パージ方式の規定を削除

した。

− 
− 
・データロガー接続されたマノ

メータの出力を校正する規定
を削除した。

 
 
 
 
 
 
 

・測定のたびに系統をパージする設計は

行わないので,記載の必要はない。 
 

・データロガー送信する圧力伝送器の校

正と内容的に重複しているので記載
は不要である。

  IEC の提案を検討する。

5.6  温度 
測定 
5.6.1 
5.6.2 
5.6.3 
5.6.4 
5.6.5 
 
 
5.6.6

 
 
温度の測定点 
温度測定用計器 
主要温度の測定

給水系統の温度測定 
復水器冷却水温度の測
定 
 
温度測定計器の精度

 4.6

温度

測定 
4.6.1 
4.6.2 
4.6.3 
4.6.4 
4.6.5 
 
 
4.6.6

 
 
温度の測定点 
温度測定用計器 
主要温度の測定

給水系統の温度測定 
復水器冷却水温度の測
定 
 
温度測定計器の精度

 
 
IDT 
IDT 
IDT 
IDT 
MOD/削除
 
IDT

 
 
− 
− 

− 
・冷却水出口温度のサンプリン

グ方法を削除した。

 

 
 
 
 
 
 
・測定方法はプラントごとに異なるた

め,規定するのはよくないので削除し

た。

  IEC の提案を検討する。

118

B 8105

2004


(Ⅰ) JIS の規定

(Ⅲ)国際規格の規定

(Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異の項目
ごとの評価及びその内容 
  表示箇所:本体

  表示方法:点線の下線又は実線の側線

項目番号

内容

(Ⅱ) 
国際 
規格

番号

項目番号

内容

項目ごと

の評価

技術的差異の内容

(Ⅴ)JIS と国際規格との技術的差異の
理由及び今後の対策

5.6.7 
5.6.8

温度計筒 
温度測定の際の注意事

 4.6.7

4.6.8

温度計筒 
温度測定の際の注意事

IDT 
IDT

− 

 

5.7  蒸気
湿り度の
測定 
5.7.1 
5.7.2 
5.7.3 
5.7.4 
5.7.5 
 
5.7.6 

 
 
 
一般

トレーサの技術 
復水法 
定量注入法

定量注入法による抽気
の比エンタルピー 
トレーサ及びその使用

 
 
 
 
 
 
 
 

4.7  蒸気
湿り度の
測定 
4.7.1 
4.7.2 
4.7.3 
4.7.4 
4.7.5 
 
4.7.6 

 
 
 
一般

トレーサの技術 
復水法 
定量注入法

定量注入法による抽気
エンタルピー 
トレーサ及びその使用

 
 
 
IDT 
IDT 
IDT 
IDT 
IDT 
 
MOD/削除

 
 
 

− 
− 

− 
 
・現世代の軽水炉にトレーサ法

を適用するとの説明を削除。

 
 
 
 
 
 
 
 

・プラント及び測定方法は時代とともに

変わるため削除した。

5.8

時間の測定

4.8

時間の測定 IDT

5.9

回転速度の測定  4.9 回転速度の測定 MOD/追加 ・測定機器,測定上の注意点な

ど説明を追加した。

・回転速度の具体的な測定方法の記載が

ないので,JIS では追加した。

6.  熱的試
験の評価 
6.1  評価
の準備 

 
 
測定値から試験結果の
計算前に行うことや,

他の注意事項を記載。

 5.

試験の

評価 
5.1  評価
の準備 

 
 
測定値から試験結果の
計算前に行うことや,

他の注意事項を記載。

 
 
IDT 

 
 
− 

 

6.2  結果
の計算 
6.2.1 
 
6.2.2 

 
 
測定値の平均 
 
測定平均値の補正 

 5.2

結果

の計算 
5.2.1 
 
5.2.2 

 
 
機器の読みの平均値の
計算

平均読み値の補正と換

 
 
IDT 
 
IDT 

 
 
− 
 
− 

 
 
 
 
 

11

9

B 8105

2004


(Ⅰ) JIS の規定

(Ⅲ)国際規格の規定

(Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異の項目
ごとの評価及びその内容 
  表示箇所:本体

  表示方法:点線の下線又は実線の側線

項目番号

内容

(Ⅱ) 
国際 
規格

番号

項目番号

内容

項目ごと

の評価

技術的差異の内容

(Ⅴ)JIS と国際規格との技術的差異の
理由及び今後の対策

6.2.3 
 
 
 
 
 
 
6.2.4

測定値の評価 
 
一般 
複数の測定に関する評

質量流量バランス 
測定時の系外への漏れ 
蒸気表

 5.2.3

 
 
 
 
 
 
5.2.4

測定されたデータのチ
ェック

相関 
複数の測定に関する評

マスフローバランス 
漏れ 
蒸気と水の熱力学的特

IDT 
 
 
 
 
 
 
IDT

− 
 
 
 
 
 
 

 
 

6.3  試験
結果の計
算 
6.3.1 
6.3.2 
6.3.3 
6.3.4 
6.3.5 
 
6.3.6 
6.3.7 
6.3.8

 
 
 
主蒸気流量

低温再熱蒸気流量 
高温再熱蒸気流量 
出力

タービンサイクルへの
入熱量 
熱消費率

蒸気消費率 
低圧タービンの効率

 
 
 
 
 
 
 
 
 

5.2.5 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
5.2.5.1

試験結果の計算 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
低圧タービンの効率

MOD/追加
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
IDT

IEC 規格は,計算方法の概要

だけを記載しているが,JIS
は,子項目 6.3.1∼6.3.7 に具体
的な算出方法を記載した。

 
 
 
 
 
 
 

・具体的な算出方法を記載して,内容を

充実させた。

IEC

の提案を検討する。

 
 
 
 
 
 
 
 

7.  試験結
果の補正

と保証値
との比較 
7.1  熱的
保証値と
保証条件

 
 
 
 
熱 的 性 能 試 験 に 対 す

る,試験条件と保証条
件の偏差に対する修正

 6.

試験結

果の補正

と保証値
との比較
6.1  保証
値と保証
状態

 
 
 
 
熱 的 性 能 試 験 に 対 す

る,試験条件と保証条
件の偏差に対する修正

 
 
 
 
MOD/削除
 

 
 
 
 
・文章が冗長になっている部分

を削除した。

 
 
 

・繰返し,冗長に記載している部分を削

除したが,技術的な差はない。

120

B 8105

2004


(Ⅰ) JIS の規定

(Ⅲ)国際規格の規定

(Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異の項目
ごとの評価及びその内容 
  表示箇所:本体

  表示方法:点線の下線又は実線の側線

項目番号

内容

(Ⅱ) 
国際 
規格

番号

項目番号

内容

項目ごと

の評価

技術的差異の内容

(Ⅴ)JIS と国際規格との技術的差異の
理由及び今後の対策

7.1.1

改造蒸気タービンに特
有の保証値及び保証条

 6.1.1 改造タービンに特有の

保証値と保証条件

MOD/削除 ・一般化した修正式を使用して

修正するやり方を削除した。

・プラントのサイクルに固有の修正曲線

を用いるのが一般的であり,実態を反

映した。

7.2  熱の
出入りに
対する修

タービン製造業者の供
給範囲による保証条件
の偏差の修正要否

 6.7

修正

を考慮す
べき変数

タービン製造業者の供
給範囲による保証条件
の偏差の修正要否

MOD/削除 ・保証のベースとなるシステム

の例について削除した。

・単なる例示であり,技術的に重要な意

味をもたない内容なので削除した。

7.3  試験
結果の運

転条件に
対する補

6.4

修正

熱効率 
 
6.7.1

一般的なタービンの場
合における修正係数の

項目の例 
再生タービン

MOD/変更
MOD/削除

・カテゴリー分類を JIS では採

用していない。

・再生タービンの場合の修正係

数の例示を削除した。

記載形態の違いであり,カテゴリー分類
自体に技術的に重要な意味はない。

表 に示した再熱再生タービンの修正

係数の例でほぼ網羅されており,ま
た,実際の修正時には詳細検討するの

が普通であるため。

7.4  修正
値の定義
及び適用

個々の運転パラメータ

の偏差による修正係数
と総合修正係数の関係

 6.5

修正

値の定義
と適用

個々の運転パラメータ

の偏差による修正係数
と総合修正係数の関係

MOD/追加 ・試験時の運転条件が規定値か

ら大幅に外れた場合の取扱い
を追加している。

・通常,排気圧力を除く他の修正係数の

偏差の絶対値の総和は,5  %を超えな
いが,排気再熱式,石炭ガス化,蒸気
冷却ガスタービンなどの複合発電シ

ステムなどでは,5  %を超える可能性
があるので,この場合には協議をする
ことと規定した。

7.5  修正 
方法 
7.5.1 一般 
 
 
 
 

 
 
修正方法の一般的事項
について規定 
 
 
 

 
 
 

 
 
6.6  修正
方法 
 
 
 

 
 
修正方法の一般的事項
について規定 
・複雑なサイクルをも

つタービンなどはヒ
ートバランスによる
修正を推奨した。

 
 
MOD/変更
MOD/追加
 
 

 
 
・製造業者が提示する修正曲線

による修正を推奨するが,合
意によりヒートバランス法で

もよいと規定した。

・保証値比較の条件に“出力一

定”を追加した。

 

・国内では製造業者の提示する修正曲線

を用いるのが通常であり,実態を反映
した。

・国内では出力一定での保証が一般的で

あるため,追加した。

121

B 8105

2004


(Ⅰ) JIS の規定

(Ⅲ)国際規格の規定

(Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異の項目
ごとの評価及びその内容 
  表示箇所:本体

  表示方法:点線の下線又は実線の側線

項目番号

内容

(Ⅱ) 
国際 
規格

番号

項目番号

内容

項目ごと

の評価

技術的差異の内容

(Ⅴ)JIS と国際規格との技術的差異の
理由及び今後の対策

7.5.2 
 
 
7.5.3 
 
 
7.5.4 
 
− 

タービン製造業者の提
出した修正曲線による

効率の修正 
ヒートバランス計算に
よる修正 
 
修正係数を定めるため
のテスト

 6.6.2

 
 
6.6.1 
 
 
6.6.3 
 
6.6.4

タービン製造業者の提
出した修正曲線による

効率の修正 
ヒートバランス計算に
よる修正 
 
修正係数を定めるため
のテスト

一般的修正曲線を使用
しての修正

IDT  
 
 
MOD/削除
 
 
IDT 
 
MOD/削除

− 
 
 
・新設段階で使用したプログラ

ムがない場合に関する記載を

削除した。

− 
 
・一般的修正曲線による修正方

法について削除した。

 
 

・そのプログラムがない場合には,当事

者間の協議によって決定すればよい

こととした。

 

・ユニットごとに特性が異なるため,個

別の修正曲線が用意されるので,一般
的修正曲線による修正は行わない。

7.6  ター
ビンのみ

込み蒸気
流量の修

タービンのみ込み蒸気
流量の修正方法

 6.2

主蒸

気流量の

補正

タービンのみ込み蒸気
流量の修正方法

・修正式は蒸気加減弁

全開位置での修正方
法としている。

MOD/追加
MOD/変更

・ずれの修正には修正曲線を使

用する旨を規定し,任意の蒸

気加減弁の開度で行うとの表
現に変更した。

・修正曲線による修正が一般的であり,

蒸気加減弁開度は必ずしも全開では

ないので,任意開度によるものとし
た。

7.7  最大
出力の修

正 

最大出力の保証条件へ
の修正方法

 6.3

最大

出力の補

最大出力の保証条件へ
の修正方法

MOD/削除 ・エンタルピー降下と効率は同

等との仮定に基づく近似修正

式を削除した。

・国内では定格出力での保証が一般的で

あり,また出力による効率への影響を

理論的に証明することが困難である。

IEC

の提案を検討する。

7.8  再熱,
再生ター
ビン以外

のタービ 
ンの修正 
7.8.1 

 
 
 
 
 
抽気又は混圧蒸気がな

いタービン

 
 
 
 
 
6.7.2 

 
 
 
 
 
抽気や混気のないター

ビン

 
 
 
 
 
MOD/削除

 
 
 
 
 
修正項目のうち,発電機冷却ガ

スの純度を削除した。

 
 
 
 
 
冷却用の水素ガス純度は十分な高レベ

ルである。

122

B 8105

2004


(Ⅰ) JIS の規定

(Ⅲ)国際規格の規定

(Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異の項目
ごとの評価及びその内容 
  表示箇所:本体

  表示方法:点線の下線又は実線の側線

項目番号

内容

(Ⅱ) 
国際 
規格

番号

項目番号

内容

項目ごと

の評価

技術的差異の内容

(Ⅴ)JIS と国際規格との技術的差異の
理由及び今後の対策

7.8.2  
 
 
7.8.3

給水加熱以外の用途の
抽気(例えば,工場送

気)をもつタービン 
他の形式のタービン

 6.7.3

 
 
6.7.4

給水加熱以外の用途の
抽気をもつタービン 
 
他の形式のタービン

IDT 
 
 
IDT

− 
 
 

 

7.9  保証
値との比
較 
7.9.1  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
7.9.2 
 
7.9.3  
 
 
 
7.9.4  

契約書における性能に
関する保証の一般記述 
 
一般 
・保証値と修正値の比

較方法

 
 
 
 
 
 
 
 
 
保証値の基準曲線との
比較 
保証値の保証点との比

較 
 
 
絞り調速タービンにお
ける保証値の比較

 
 
 
 
 

6.8  保証
値との比

− 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
6.8.1 
 
6.8.2 
 
 
 
6.8.3 

契約書における性能に
関する保証の一般記述
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
保証値の基準曲線との
比較 
保証値の保証点との比

較 
 
 
絞り調速タービンにお
ける保証値の比較

IDT 
 
 
MOD/追加
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
IDT 
 
MOD/追加
 
 
 
MOD/削除

− 
 
 
・保証値と試験結果の修正値と

の比較において,JIS では測
定の不確かさを考慮して,裕

度として契約上取り決めた値
を用いてもよいとした。

・複数の保証点がある場合の計

算式を示した。

“測定の不確かさの目安値”の

表を,IEC の 7.5.5

表Ⅲから転

記して,また,改造時の条件
で見直す必要が生じる旨を追
記した。

− 
 
・測定と保証の蒸気流量間の修

正に,保証点に加えて計画点
を利用するなど,当事者間で
協議する旨を追加した。

・修正曲線に基づく修正以外の

記載を削除した。

 
 

・国内では通常,裕度として契約するこ

とが一般的である。

IEC

の提案を検討する。

 
 
・明確にするため計算式を示した。 
 
・目安値は,実際の改造時の試験では,

計器の校正などができない場合もあ

るので,新設時との違いを考慮する必
要がある。

 
 

・測定点が保証点とずれた場合の修正方

法で,当事者間の協議によってもよい
旨を示した。

・通常,修正曲線による修正が一般的で

ある。

123

B 8105

2004


(Ⅰ) JIS の規定

(Ⅲ)国際規格の規定

(Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異の項目
ごとの評価及びその内容 
  表示箇所:本体

  表示方法:点線の下線又は実線の側線

項目番号

内容

(Ⅱ) 
国際 
規格

番号

項目番号

内容

項目ごと

の評価

技術的差異の内容

(Ⅴ)JIS と国際規格との技術的差異の
理由及び今後の対策

7.9.5 

抽気(工場送気)ター
ビンにおける保証値の

比較

 6.8.4

 

抽気タービンにおける
保証値の比較

MOD/追加 ・JIS に修正曲線の例を,図 17

として追加した。

・分かりやすいように例示した。

7.10  ター
ビ ン 性 能
の 経 年 劣
化 
7.10.1

 
 
 
 
改造後の機器の性能低

 6.9

タ ー

ビ ン 性能
の 経 年劣
化 
6.9 1

 
 
 
 
改造後の機器の性能低

IDT 
 
 
 
IDT

− 
 
 
 

 
 
 

附属書 H 
( 規 定 )
測 定 結 果

の 不 確 か

改造時の熱的性能試験
における信頼区間を計
算する方法 

附属書 H
( 規 定)
測 定 結果

の 不 確か

改造時の熱的性能試験
における信頼区間を計
算する方法 

IDT 
 
 

− 

 
 
 

附属書 I 
(参考) 
改 造 効 果

の 計 算 方

火力用及び原子力用の
改造効果の数値計算例 

附属書 I 
(参考)
改 造 効果

の 計 算方

火力用及び原子力用の
改造効果の数値計算例

IDT 
 

− 
 

 
 

附属書 J 
(参考) 
不 確 か さ

の計算例

火力用及び原子力用タ
ービンの改造時に実施
する性能試験の計測結

果に対する不確かさの
計算例

附属書 J 
(参考)
不 確 か さ

の計算例

火力用及び原子力用タ
ービンの改造時に実施
する性能試験の計測結

果に対する不確かさの
計算例

IDT

附属書 K

(規定) 
ト レ ー サ
技術

トレーサ技術の改造タ

ービンへの適用規定

附属書 K

(規定)
ト レ ーサ
技術

トレーサ技術の改造タ

ービンへの適用規定

IDT 

− 

 
 

124

B 8105

2004


(Ⅰ) JIS の規定

(Ⅲ)国際規格の規定

(Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異の項目
ごとの評価及びその内容 
  表示箇所:本体

  表示方法:点線の下線又は実線の側線

項目番号

内容

(Ⅱ) 
国際 
規格

番号

項目番号

内容

項目ごと

の評価

技術的差異の内容

(Ⅴ)JIS と国際規格との技術的差異の
理由及び今後の対策

附属書 L 
(参考)

温 度 変 化
方法 

高圧/中圧一体形ター
ビンの内部漏れ蒸気流

量の求め方

附属書 L
(参考)

高圧/中圧一体形ター
ビンの内部漏れ蒸気流

量の求め方

IDT

− 

 

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:

MOD

備考1.  項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

―  IDT………………  技術的差異がない。

―  MOD/削除………  国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
―  MOD/追加………  国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
―  MOD/変更………  国際規格の規定内容を変更している。

2.  JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

―  MOD……………  国際規格を修正している。

125

B 8105

2004


附属書 6(参考)この規格と JIS B 8102 との対比表

序文  この附属書は,

2001

年に第1版として発行された IEC 60953-3

Rules for steam turbine thermal

acceptance tests

Part 3

Thermal performance verification tests of retrofitted steam turbines

)の規格の項番構成

と,JIS B 8102

“蒸気タービン−受渡試験方法”との相違点を説明するものであり,規定の一部ではない。

1.

適用範囲  この規格で構成した項番及び題名を基準にして,JIS B 8102 の内容との差異を説明する。

2.

説明  この規格と,JIS B 8102 との相違点を説明する。

項番

題名

JIS B 8102 

との差異の説明

1.

適用範囲

IEC 60953-3

によって全文を書き換えた。

2.

引用規格

JIS B 8102”の規格番号を追加した。

3.

記号,単位,定義及び保証値

  ―

3.1

記号及び単位

IEC 60953-3

の規定分を追加した。

3.2

添字,肩書き及び定義

IEC 60953-3

の規定分を追加した。

3.3

定義

IEC 60953-3

の規定分を追加した。

3.4

保証値

IEC 60953-3

による。 

4.

基本方針

  ―

4.1

試験の事前計画

IEC 60953-3

によって全文を書き換えた。

4.2

事前の協定及び手配

同じ

4.3

試験計画

  ―

4.3.1

受渡試験時期

IEC 60953-3

によって全文を書き換えた。

4.3.2

受渡試験管理

同じ

4.3.3

試験費用

同じ

4.4

試験準備

  ―

4.4.1

プラントの状態

同じ

4.4.2

蒸気タービンの状態

同じ

4.4.3

復水器の状態

同じ

4.4.4

系統からの遮断

IEC 60953-3

によって一部を追加した。

4.4.5

復水器及び給水加熱器の漏れの確認

同じ

4.4.6

蒸気ストレーナ洗浄

同じ

4.4.7

試験用計器の検査

同じ

4.5

試験設定

  ―

4.5.1

負荷設定

IEC 60953-3

によって全文を書き換えた。

4.5.2

特殊な設定

同じ

4.6

予備試験

同じ

4.7

受渡試験

  ―

4.7.1

試験状態の安定性

同じ

4.7.2

試験状態の最大偏差及び変動

IEC 60953-3

によって全文を書き換えた。

4.7.3

試験の継続時間及び読みの周期

同じ

4.7.4

積算計器の読取り

同じ

4.7.5

試験方法

同じ

4.7.6

試験記録

同じ

4.7.7

追加測定

同じ


   

4.7.8

仮計算

同じ

4.7.9

試験の一貫性

同じ

4.8

受渡試験の繰返し

同じ

5.

測定技術及び測定計器

  ―

5.1

一般

同じ

5.1.1

測定計器

同じ

5.1.2

測定の不確かさ

同じ

5.1.3

計器の校正

同じ

5.1.4

代替測定方法

同じ

5.1.5

測定に用いる水銀

同じ

5.1.6

改造前後の試験の一貫性

IEC 60953-3

によってこの項目を追加した。

5.2

出力測定

  ―

5.2.1

タービンの機械的出力の決定

同じ

5.2.2

ボイラ給水ポンプ動力の測定

同じ

5.2.3

発電機の電気出力の決定

同じ

5.2.4

電気出力の測定

同じ

5.2.5

電気計器の接続

同じ

5.2.6

電気計器

同じ

5.2.7

計器用変成器

同じ

5.2.8

改造前後の電気出力の測定

IEC 60953-3

によってこの項目を追加した。

5.3

流量測定

  ―

5.3.1

測定する必要がある流量の選定

IEC 60953-3

によって全文を書き換えた。

5.3.2 

主要流量の測定

IEC 60953-3

によって一部を追加した。

5.3.3

絞り機構の取付方法及び位置

IEC 60953-3

によって一部を追加した。

5.3.4

差圧測定

IEC 60953-3

によって一部を追加した。

5.3.5

水量の変動

同じ

5.3.6

副次流量測定 

同じ

5.3.7

頻度の低い副次流量

同じ

5.3.8

水及び蒸気の密度

同じ

5.3.9

復水器の冷却水量の決定

同じ

5.4

圧力測定

同じ

5.4.1

測定する必要がある圧力

同じ

5.4.2

圧力測定用計器

同じ

5.4.3

圧力測定用の孔及び接続管

同じ

5.4.4

隔離弁

同じ

5.4.5

圧力測定計器の校正

IEC 60953-3

によって一部を追加した。

5.4.6

大気圧の測定

同じ

5.4.7

読取りの補正

同じ

5.5

復水タービンの排気圧力の測定

同じ

5.6

温度測定

同じ

5.7

蒸気湿り度の測定

同じ

5.8

時間の測定

同じ

5.9

回転速度の測定

同じ

6.

熱的試験の評価

  ―

6.1

評価の準備

IEC 60953-3

によって全文を書き換えた。

6.2

結果の計算

  ―

6.2.1

測定値の平均

同じ

6.2.2

測定平均値の補正

IEC 60953-3

によって一部を追加した。

6.2.3

測定値の評価

IEC 60953-3

によって一部分を書き換えた。


6.2.4

蒸気表

同じ

6.3

試験結果の計算

IEC 60953-3

によって一部を追加した。

6.3.1

主蒸気流量

同じ

6.3.2

低温再熱蒸気流量

同じ

6.3.3

高温再熱蒸気流量

同じ

6.3.4

出力

同じ

6.3.5

タービンサイクルへの入熱量

同じ

6.3.6

熱消費率

同じ

6.3.7

蒸気消費率

同じ

6.3.8

低圧タービンの効率

IEC 60953-3

によってこの項目を追加した。

7.

試験結果の補正と保証値との比較

  ―

7.1

熱的保証値と保証条件

同じ

7.1.1

改造蒸気タービンに特有の保証値及
び保証条件

IEC 60953-3

によってこの項目を追加した。

7.2

熱の出入りに対する修正

同じ

7.3

試験結果の運転条件に対する修正

同じ

7.4

修正値の定義及び適用

同じ

7.5

修正方法

同じ

7.6

タービンのみ込み蒸気流量の修正

同じ

7.7

最大出力の修正

同じ

7.8

再熱,再生タービン以外のタービンの

修正

同じ

7.9

保証値との比較

IEC 60953-3

によってこの項目を追加した。

7.9.1

一般

IEC 60953-3

によって一部分を追加した。

7.9.2

保証値の基準曲線との比較

同じ

7.9.3

保証値の保証点との比較

同じ

7.9.4

絞り調速タービンにおける保証値の
比較

同じ

7.9.5

抽気(工場送気)タービンにおける保
証値の比較

同じ

7.10

タービン性能の経年劣化

同じ

7.10.1

改造後の機器の性能低下

IEC 60953-3

によってこの項目を追加した。

附属書 H

測定結果の不確かさ―改造への適用

IEC 60953-3

によってこの

附属書を追加した。

附属書 I

改造効果の計算方法―数値計算例

  (火力用及び原子力用)

IEC 60953-3

によってこの

附属書を追加した。

附属書 J

不確かさの計算例 
(火力用及び原子力用)

IEC 60953-3

によってこの

附属書を追加した。

附属書 K

トレーサ技術―改造への適用

IEC 60953-3

によってこの

附属書を追加した。

附属書 L

温度変化方法

IEC 60953-3

によってこの

附属書を追加した。

附属書 5

JIS

と対応する国際規格との対比表

JIS B 8102

の主要部分に,IEC 60953-にかかわる部分を

追加して編集・記載した。