>サイトトップへ >このカテゴリの一覧へ

B 8041

:2012

(1)

目  次

ページ

序文 

1

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

2

3

  用語及び定義 

3

4

  試験領域

6

5

  量記号

9

6

  試験準備

11

6.1

  一般

11

6.2

  試験要領 

12

6.3

  試験準備 

13

6.4

  計器及び測定方法

14

7

  試験の管理 

26

7.1

  指定基準条件 

26

7.2

  試験前点検 

27

7.3

  試験の開始及び終了

28

7.4

  試験前及び試験中の運転 

28

7.5

  試験時間 

30

7.6

  運転状態での最大許容変動 

30

7.7

  試験の記録 

30

7.8

  試験の有効性 

31

8

  試験結果の計算 

31

8.1

  性能試験結果 

31

8.2

  測定結果の指定基準条件への修正 

33

8.3

  その他のガスタービン性能パラメータ 

37

9

  試験の報告 

43

附属書 A(参考)不確かさ

45

附属書 B(参考)参考文献

54

附属書 JA(規定)コンバインドサイクルプラント−受渡試験方法 

55

附属書 JB(参考)JIS と対応国際規格との対比表 

72


B 8041

:2012

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,日本内燃機関連合

会(JICEF)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきと

の申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS B 8041:2000 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 B

8041

:2012

ガスタービン−受渡試験方法

Gas turbines-Acceptance tests

序文 

この規格は,2009 年に第 3 版として発行された ISO 2314 を基とし,技術的内容を変更して作成した日

本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一

覧表にその説明を付けて,

附属書 JB に示す。また,附属書 JA は,対応国際規格にはない事項である。

適用範囲 

この規格は,ガス燃料及び/又は液体燃料を用いた開放サイクルガスタービンプラントに適用する。密

閉サイクル及び半密閉サイクルのガスタービンプラントに対しても同様に適用する。

コンバインドサイクルプラント又は他の熱回収システムを用いたガスタービンプラントにも同様に適用

する。

この規格は,適切な修正を加えることによって,フリーピストンガスタービン又は特殊な熱源(例えば

化学プロセス中の合成ガス,高炉ガス)を用いるガスタービンに対しても,基礎資料として使用すること

ができる。

この規格は,次のいずれかの装置のあるガスタービンの受渡試験にも適用する。

a)

流体注入による出力増加装置

b)

流体注入による排出物抑制装置

c)

流体注入による出力増加装置及び排出物抑制装置

d)

吸気冷却による出力増加装置

これらの装置が契約範囲に含まれ,試験をしなければならない場合,試験要領に考慮する必要がある。

この規格は,特別な規定は設けていないが,ガスタービンの改造,機能向上,又は開放点検の前後の性

能差を確認する比較試験にも適用できる。

この規格は,指定基準条件へ修正した,次の性能項目の測定手順も含む。

a)

電気的又は機械的出力(ガス発生機だけの場合はガス出力)

b)

熱効率又は熱消費率

c)

ガスタービンの排気エネルギー(又は排気温度及び排気流量)

受渡試験の実施内容は,機器供給者と購入者との合意に基づくものとするが,契約時に定められた上記

以外の性能項目は,それに応じて,供給者の標準製造検査要領書と同様に,個別の試験要領書に考慮され

る必要がある。

この規格は,測定方法並びに対応する計器及びその校正に対する指針及び標準的な手順について規定す

る。また,装置の発注時に取決めがない場合に適用する性能試験の準備及び実施について規定する。すな


2

B 8041

:2012

わち,比較基準条件(3.9)並びにガスタービンの運転条件,境界条件及びそれらの限界値を規定する。

さらに,不確かさの計算方法とともに,測定データの記録及び取扱いに対する規定並びに試験結果の計

算及び修正方法も含む。

試験のトレランス(3.13)は,測定結果の統計的分析に基づかない商取引事項と考えられるため,この

規格では取り扱わない。保証値に適合していることを示すために,トレランスをどのように適用するかを

契約時に取り決めることが必要である。

排気エネルギー及び/又は排気流量を測定する選択試験を実施する場合には,これらの値はガスタービ

ン周りのエネルギー収支から求める。この規格で規定したエネルギー収支の主要パラメータに対する制限

値を守ることによって,不確かさを最小限とすることができる。

この規格は,次の項目には適用しない。

a)

排出物試験

b)

騒音試験

c)

振動試験

d)

ガスタービンの特定部位の性能

e)

出力増加装置の性能及び補助システム(例えば,吸気冷却器,ガス燃料圧縮機など)

f)

開発又は研究を目的とする試験

g)

主要保護装置の有効性確認試験

h)

調節装置及び保護装置の性能

i)

運転特性(起動特性,信頼性試験など)

また,コンバインドサイクルプラントの受渡試験方法については,

附属書 JA に規定する。

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

ISO 2314:2009

,Gas turbines−Acceptance tests(MOD)

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“修正している”

ことを示す。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS B 8040

  ガスタービン−用語

注記  対応国際規格:ISO 11086,Gas turbines−Vocabulary(MOD)

JIS B 8042-2

  ガスタービン−調達仕様−第 2 部:比較基準条件及び定格

JIS B 8042-4

  ガスタービン−調達仕様−第 4 部:燃料及び環境

JIS C 1602

  熱電対

注記  対応国際規格:IEC 60584-1,Thermocouples−Part 1: Reference tables 及び IEC 60584-2

Thermocouples−Part 2: Tolerances(全体評価:MOD)

JIS C 1604

  測温抵抗体

注記  対応国際規格:IEC 60751,Industrial platinum resistance thermometer sensors(MOD)

JIS C 1610

  熱電対用補償導線

注記  対応国際規格:IEC 60584-3,Thermocouples−Part 3: Extension and compensating cables−

Tolerances and identification system(MOD)


3

B 8041

:2012

JIS K 2249

  原油及び石油製品−密度試験方法及び密度・質量・容量換算表

注記  対 応 国 際 規 格 : ISO 3675 , Crude petroleum and liquid petroleum products − Laboratory

determination of density−Hydrometer method(MOD)

JIS K 2272

  原油及び石油製品−灰分及び硫酸灰分試験方法

注記  対応国際規格:ISO 6245,Petroleum products−Determination of ash(MOD)

JIS K 2275

  原油及び石油製品−水分試験方法

注記  対応国際規格:ISO 3733,Petroleum products and bituminous materials−Determination of water

−Distillation method(MOD)

JIS K 2279

  原油及び石油製品−発熱量試験方法及び計算による推定方法

JIS K 2301

  燃料ガス及び天然ガス−分析・試験方法

注記  対応国際規格:ISO 6974-1,Natural gas−Determination of composition with defined uncertainty by

gas chromatography−Part 1: Guidelines for tailored analysis,ISO 6975,Natural gas−Extended

analysis−Gas-chromatographic method 及び ISO 6976,Natural gas−Calculation of calorific values,

density, relative density and Wobbe index from composition(全体評価:MOD)

JIS M 8010

  天然ガス計量方法

JIS Z 8762-1

  円形管路の絞り機構による流量測定方法−第 1 部:一般原理及び要求事項

注記  対応国際規格:ISO 5167-1,Measurement of fluid flow by means of pressure differential devices

inserted in circular cross-section conduits running full−Part 1: General principles and requirements

(IDT)

JIS Z 8762-2

  円形管路の絞り機構による流量測定方法−第 2 部:オリフィス板

注記  対応国際規格:ISO 5167-2,Measurement of fluid flow by means of pressure differential devices

inserted in circular cross-section conduits running full−Part 2: Orifice plates(IDT)

JIS Z 8762-3

  円形管路の絞り機構による流量測定方法−第 3 部:ノズル及びノズル形ベンチュリ管

注記  対応国際規格:ISO 5167-3,Measurement of fluid flow by means of pressure differential devices

inserted in circular cross-section conduits running full−Part 3: Nozzles and Venturi nozzles(MOD)

JIS Z 8762-4

  円形管路の絞り機構による流量測定方法−第 4 部:円すい形ベンチュリ管

注記  対応国際規格:ISO 5167-4,Measurement of fluid flow by means of pressure differential devices

inserted in circular cross-section conduits running full−Part 4: Venturi tubes(IDT)

ISO 9951

,Measurement of gas flow in closed conduits−Turbine meters

ISO 12213-2

,Natural gas−Calculation of compression factor−Part 2: Calculation using molar-composition

analysis

ISO 14596

,Petroleum products−Determination of sulfur content−Wavelength-dispersive X-ray fluorescence

spectrometry

ISO 20846

, Petroleum products − Determination of sulfur content of automotive fuels − Ultraviolet

fluorescence method

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS B 8040 によるほか,次による。

3.1 

性能劣化(degradation, ageing)


4

B 8041

:2012

通常の運転によって生じ,磨耗又は損傷によって引き起こされる,圧縮機洗浄,タービン洗浄及びフィ

ルタ洗浄では回復不可能なガスタービンの性能劣化(JIS B 8042-9 を参照)

3.2 

等価運転時間(equivalent operating hours)

点検間隔又は予測寿命を決めるため,ガスタービンの寿命に影響を与える事象に対して時間の重み付け

を行って計算される等価な運転時間(JIS B 8042-9 を参照)

3.3 

ガス発生機(gas generator)

プロセス又は出力タービンに供給する高温圧縮ガスを発生させるガスタービン構成要素を組み立てたも

の(JIS B 8042-1 を参照)

3.4 

ガスタービン(gas turbine)

熱エネルギーを機械的仕事に変換する機械(JIS B 8042-1 を参照)

注記  1 個以上の圧縮機,作動流体を加熱する装置,1 個以上のタービン,制御装置及び主要補機から

構成されるもの。主要作動流体が通る熱交換器(排気回収熱交換器を除いて)は,ガスタービ

ンの一部として扱う。

3.5 

発熱量(heating value, calorific value, specific energy)

定圧条件下において単位質量の気体又は液体燃料が空気中で燃焼する際に放出する熱量(JIS K 2301 

参照)

注記  放出する全熱量を総発熱量又は高位発熱量(HHV)と呼び,燃焼生成物中の水蒸気に吸収され

る熱量を総発熱量から差し引いた熱量を真発熱量又は低位発熱量(LHV)という。

3.6 

出力(power)

ガスタービンの出力カップリングにおける軸出力,発電機端子における電気出力又は,ガス若しくは圧

縮空気を発生する用途のガスタービン,又はガス発生機の場合には,そのガス出力。

3.7 

偶然誤差(random error)

測定値と繰返し性条件下で実施した無数の測定結果の平均値との差(ISO/IEC Guide 99:2007 の 2.19 

照)

注記 1  つきとめられない原因によって生じる誤差で,符号(+,−)及び大きさが変動する。

注記 2  繰返し性とは,同一の計器及び測定条件の下で,同一の測定量を繰返し測定したときほとん

ど同様の指示を与える計器の能力をいう。

3.8 

参照標準(reference standard)

一般に,ある場所又はある組織内で利用できる最高の計量性能をもち,そこで行われる測定の基になる

標準(ISO/IEC Guide 99:2007 の 5.6 を参照)

3.9 

比較基準条件(standard reference conditions)

JIS B 8042-2

で定義する次の条件。


5

B 8041

:2012

a)

圧縮機フランジ(又は圧縮機入口ベルマウス)での入口空気に対して次のとおりとする。

−  全圧力 101.325 kPa(1.013 25 bar,760 mmHg)

−  温度 15  ℃

−  相対湿度 60 %

b)

タービン排気フランジ(再生サイクルの場合は,再生用熱交換器出口)での排気に対して次のとおり

とする。

−  静圧 101.325 kPa

注記 1  密閉サイクルガスタービンの場合は,空気加熱器の基準条件は,大気温度 15  ℃及び大気

圧 101.325 kPa である。

注記 2  作動流体を冷却している場合,冷却器の冷却水入口温度は,15  ℃を基準とする。

3.10 

系統誤差,かたより(systematic error)

繰返し性条件下で実施した無数の測定結果の平均値と真の値との差(ISO/IEC Guide 99:2007 の 2.17 

照。

注記  一定の原因によって生じ,同じ符号(+,−)をもち,同一の大きさをもつ誤差で,原因とし

て測定器の固有誤差,環境誤差,個人誤差などがあげられる。

3.11 

熱効率(thermal efficiency)

燃料の真発熱量(低位発熱量)に基づいた熱消費量に対する出力の比(JIS B 8042-1 参照)

3.12 

熱消費率(heat rate)

単位時間に供給される燃料の供給熱量と出力との比(JIS B 8040 を参照)

注記  熱消費率は kJ/(kW・h)  で表される。

3.13 

トレランス(tolerance)

受渡当事者間で取り決めた保証値に対する許容差。

3.14 

トレーサビリティー(traceability)

測定結果及び基準値が有効であることを示す参照元が記されていること。本参照元は,通常,国家基準

又は国際基準に由来するものであり,全過程にて不確かさが表記されたものである(ISO/IEC Guide 

99:2007

の 2.41 参照)

3.15 

タービン入口温度,TIT(turbine inlet temperature)

タービン冷却空気及び燃焼器からの燃焼ガスが,一段静翼前で混合するものとして,燃焼器全体のヒー

トバランスによって計算した一段静翼前の理論的な平均ガス温度(8.3.5 参照)

3.16 

タービン出口温度,TOT(turbine outlet temperature)

タービン出口のガス温度。

3.17 

(不確かさの)タイプ 評価(type A evaluation of uncertainty)


6

B 8041

:2012

一連の測定値の統計的解析による不確かさの評価の方法(ISO/IEC Guide 98-3 参照)

3.18 

(不確かさの)タイプ 評価(type B evaluation of uncertainty)

一連の測定値の統計的解析以外の手段による不確かさの評価の方法(ISO/IEC Guide 98-3 参照)

注記  統計的解析以外の手段とは,測定値の起こり得る変動について入手できる次のような情報に基

づく評価の手段である。

−  以前の測定データ

−  機器の挙動及び特性についての一般的知識又は経験

−  製造業者の仕様

−  校正その他の成績書に記載されたデータ

3.19 

(測定の)不確かさ[uncertainty (of measurement)]

測定の結果に付随した,合理的に測定量に結びつけられ得る値のばらつきを特徴づけるパラメータ

ISO/IEC Guide 99:2007 の 2.26 参照)

注記 1  いかなる分野の測定及び試験においても,試験結果の不確かさで表現され得る測定の質の決

定は根本的に重要である。測定の質を定量化する評価基準が測定の不確かさである。この規

格では,用語として“不確かさ”を使用する。

注記 2  “測定の精度”(測定結果と測定値の真の値との一致の度合い)は,通常,“精度”と短縮す

る。この用語は数値とは関係なく,定量的な用語としては使用されない。

注記 3  JIS Z 8101-2ISO 3534-2)では,不確かさを次のように定義している。

−  測定結果に付与される,真の値が含まれる範囲の推定値。

3.20 

実用標準(working standard)

計器,実量器又は標準物質を,日常的に校正又は検査するために用いられる標準(ISO/IEC Guide 99:2007

の 5.7 参照)

3.21 

校正(calibration)

計器若しくは測定システムによって指示される量の値,又は実量器若しくは標準物質によって表される

値と,標準によって実現される対応する値との間の関係を,特定の条件下で確定する一連の作業(ISO/IEC 

Guide 99

参照)

3.22 

総合不確かさ(overall uncertainty)

測定値に対する,種々の要因(計器の不確かさ,測定値のばらつき,読取誤差など)によって生じる不

確かさの全てを含めた総合的な不確かさ。

試験領域 

試験領域の概念は,保証値についての指定基準条件(7.1)を考慮した性能試験を前提とし,ガスタービ

ン設備を包含するものとする。それは,試験結果の指定基準条件への修正のために,試験中の実際の状態

を測定するとともに,試験領域を通過するエネルギーの流れを決定するために要求される計器の数,レン

ジ及び場所の決定の基礎となる。


7

B 8041

:2012

図 は,性能を決定するために必要な測定位置とともに,発電用開放サイクルガスタービンの典型的な

試験領域を示す。

箇条 に示したエネルギー収支計算に試験領域中の測定位置を使用してもよい。

a:吸気フィルタ 
b:圧縮機 
c:燃焼器 
d:タービン 
e:発電機 
f:発電装置の試験境界

注記  記号 1∼10 は,測定位置を示す(表 参照)。

図 1−発電装置の試験領域 


8

B 8041

:2012

機械駆動装置の試験領域は,

図 に示す。

a:吸気フィルタ 
b:圧縮機 
c:燃焼器 
d:タービン 
e:出力タービン 
f:機械駆動装置の試験境界

注記  記号 1∼10 は,測定位置を示す(表 参照)。

図 2−機械駆動装置の試験領域 

表 1−測定位置識別記号 

測定位置

測定項目

 1

大気

温度,圧力,湿度

 2

圧縮機入口

温度,圧力

 3

圧縮機出口

温度,圧力

 4

燃料及び注入流体

流量,温度,圧力,燃料組成

 5

燃焼器出口

適用外

 6

タービン入口

適用外

 7

タービン出口

温度,圧力

 8

煙突出口

温度

電気出力

有効電力,力率,周波数,電圧,電流

 9

軸出力

トルク,軸速度

10

損失

熱損失,機械損失,電気的損失

注記  その他にも試験範囲を通過する流れがあれば考慮する必要がある。

損失は,ガスタービンの排気エネルギーの決定に必要であり,試験範囲外に放出されるエネルギーを含


9

B 8041

:2012

む。このような損失は,一般的に放熱損失,ベアリング又はギア損失,発電機損失,熱損失などである。

熱損失は,例えば,ガスタービン冷却空気の冷却システムからの放熱などである。

一般的に,損失は,ガスタービン排気エネルギーへの影響が小さいため,測定を行わず,設計値を用い

ることが多い。例外は,流量,温度及び圧力の測定値に基づいて決定する冷却システムからの放熱である。

量記号 

この規格の本体で用いる主な量記号,定義及び単位は,

表 による。

表 2−量記号,定義及び単位 

量記号

定義

単位

C

p,i

軸出力修正係数

C

p,i,a

比較基準条件に対する測定条件での軸出力修正係数

C

p,i,b

比較基準条件に対する指定基準条件での軸出力修正係数

C

η,i

熱効率修正係数

C

η,i,a

比較基準条件に対する測定条件での熱効率修正係数

C

η,i,b

比較基準条件に対する指定基準条件での熱効率修正係数

cos φ 

発電機力率

c

p,a1

空気の定圧比熱

kJ/ (kg・K)

c

p,i

媒体ガスの定圧比熱 kJ/

(kg・K)

c

p,g7

排気の定圧比熱

kJ/ (kg・K)

h

a1

温度 T

a1

の空気の比エンタルピー(圧縮機入口) kJ/kg

h

a3

温度 T

a3

の空気の比エンタルピー(圧縮機出口) kJ/kg

h

ae

熱収支領域から流れ出る温度 T

ae

の空気の比エンタルピー kJ/kg

h

ct3.2

外部冷却器から熱収支領域へ供給される温度 T

ct3.2

の空気の比エンタルピー kJ/kg

h

ex,i

圧縮機 i 段から抽気される温度 T

ex,i

の空気の比エンタルピー kJ/kg

h

f4

燃焼器入口の温度 T

f4

の燃料の比エンタルピー kJ/kg

h

g6

温度 T

g6

のガスの比エンタルピー(タービン入口) kJ/kg

h

g7

温度 T

g7

のガスの比エンタルピー(タービン出口) kJ/kg

h

g8

熱収支領域から流れ出る温度 T

g8

のガスの比エンタルピー kJ/kg

HR 

ガスタービン熱消費率(発電端,真発熱量基準) kJ/kW・h

HR

c

ガスタービン修正熱消費率 kJ/kW・h

HR

m

測定値から算出するガスタービン熱消費率 kJ/kW・h

h

w4

熱収支領域へ供給される温度 T

w4

の水噴射又は蒸気の比エンタルピー kJ/kg

h

0

基準温度の燃料の比エンタルピー kJ/kg

I

S

変流器 2 次電流

A

K

l

変流比

K

U

変圧比

m

&

a1

圧縮機入口の空気の質量流量 kg/s

m

&

a3

圧縮機出口の空気の質量流量 kg/s

m

&

ae

熱収支領域から漏れ及び/又は軸封空気として流れ出る空気の質量流量 kg/s

m

&

CA,T

タービンの冷却空気の質量流量合計 kg/s

m

&

CA,CC

燃焼器の冷却空気の質量流量 kg/s

m

&

CA,1stV

タービン第 1 段静翼の冷却空気の質量流量 kg/s

m

&

e3

圧縮機出口から抽気される空気の質量流量 kg/s

m

&

ct3

熱収支領域と外部冷却器との間で出入りする空気の質量流量 kg/s

m

&

d

実際の圧縮機に対する等価圧縮機の入口空気の質量流量相対差(等価圧縮機の質量流量は

実際の圧縮機に比べ小さくなる。

%

m

&

eq

実際の圧縮機に対し,抽気がなく,圧縮機駆動力は同じとした等価圧縮機の入口空気質量
流量

kg/s


10

B 8041

:2012

表 2−量記号,定義及び単位(続き) 

量記号

定義

単位

m

&

ex,i

圧縮機 i 段から抽気される空気の質量流量 kg/s

m

&

f4

燃焼器入口における燃料の質量流量 kg/s

m

&

g6

タービン入口のガスの質量流量 kg/s

m

&

g7

タービン出口のガスの質量流量 kg/s

m

&

g7,c

タービン出口のガスの修正質量流量 kg/s

m

&

g8

熱収支領域から流れ出るガスの質量流量 kg/s

m

&

w4

熱収支領域へ供給される水噴射又は蒸気の質量流量 kg/s

n

c

出力軸の修正回転速度 1/s

n

m

試験条件における出力軸の回転速度 1/s

修正係数の個数

P

b

 

冷却空気加圧機の消費動力 kW

P

c

正味軸出力

kW

P

COMP

圧縮機の軸消費動力 kW

P

e9

発電機端電気出力

kW

P

e9,c

発電機端修正電気出力 kW

P

LL

変圧器負荷損失

kW

P

NLL

変圧器無負荷損失

kW

P

s

試験時のガスタービン正味軸出力 kW

P

TRL

変圧器損失

kW

Q

G

発電機損失

kW

Q

G,d

発電機損失(設計値) kW

Q

GB

減(増)速装置の機械損失 kW

Q

a1

比エンタルピーh

a1

で圧縮機に流入する空気の熱量 kJ/s

Q

a3

比エンタルピーh

a3

で燃焼器に流入する空気の熱量 kJ/s

Q

ae

比エンタルピーh

ae

で熱収支領域から漏れ及び/又は軸封空気として流れ出る空気の熱量 kJ/s

Q

ct3.1

比エンタルピーh

a3

で外部冷却機へ流入する空気の熱量 kJ/s

Q

ct3.2

比エンタルピーh

ct3.2

で外部冷却機から供給される空気の熱量 kJ/s

Q

e3

比エンタルピーh

a3

で抽気される空気の熱量 kJ/s

Q

ex

比エンタルピーh

a1

で抽気される等価冷却空気

m

&

d

の熱量 kJ/s

Q

f4

燃焼器に流入する燃料の熱量(真発熱量基準) kJ/s

Q

g6

比エンタルピーh

g6

で流入するタービン入口ガスの熱量 kJ/s

Q

g7

比エンタルピーh

g7

のタービン出口ガスの熱量 kJ/s

Q

g8

比エンタルピーh

g8

のタービン排気の熱量 kJ/s

Q

7Ta1

大気温度 T

a1

に対応する比エンタルピーでのタービン排気の熱量 kJ/s

Q

7cTa1

大気温度 T

a1

に対応する比エンタルピーでのタービン排気の修正熱量 kJ/s

Q

7cT0

大気温度 T

0

に対応する比エンタルピーでのタービン排気の修正熱量 kJ/s

Q

l0

基準温度での燃料の真発熱量(LHV) kJ/kg

Q

m

ガスタービン機械損失 kW

Q

m,d

ガスタービン機械損失(設計値) kW

Q

r

全表面からの放射及び熱伝達における熱損失 kW

Q

th

熱損失(

例  空気圧縮機冷却システムで流出する熱量) kW

Q

th,m(d)

熱損失の測定値又は設計値 kW

Q

w4

比エンタルピーh

w4

で供給される水噴射又は蒸気の熱量 kJ/s

Q

w4,mc

供給される水噴射又は蒸気の測定値から求めた熱量に対して,設計条件へ修正した熱量 kJ/s

Q

LT

積算損失(Q

m

Q

G

Q

r

Q

th

Q

GB

) kW

SH 

燃料顕熱(SHh

f4

h

0

) kJ/kg

S

m

皮相電力計算値(電圧測定値 rms×電流測定値 rms) kVA

S

r

定格皮相電力(定格電圧 rms×定格電流 rms) kVA

T

0

空気とガスとの比エンタルピーの比較基準条件とする温度 K


11

B 8041

:2012

表 2−量記号,定義及び単位(続き) 

量記号

定義

単位

T

f0

燃料の比エンタルピーの基準条件とする温度

T

a1

大気温度

T

a3

圧縮機出口空気温度

T

ae

熱収支領域から漏れ及び/又は軸封空気として流れ出る空気の温度

T

C

修正制御温度

a)

T

ct3.2

外部冷却器から熱収支領域へ供給される空気の温度

T

ex,i

圧縮機 i 段から抽気される空気の温度

T

f4

燃焼器入口における燃料の温度

T

g6

タービン入口温度

T

g7

タービン出口ガスの平均温度

T

g7,c

タービン出口ガスの修正平均温度

T

g7,m

タービン出口ガスの測定温度の平均

T

g8

煙突での(シンプルサイクル適用時)ガスの流量平均温度

T

m

試験時の修正温度

T

w4

熱収支領域へ供給される水噴射又は蒸気の温度

U

S

変圧器 2 次電圧

V

η

 

ガスタービン熱効率(発電機端,真発熱量基準)

η

C

修正ガスタービン熱効率

η

m

測定又は計算によって求めたガスタービン熱効率

η

tc

設計による燃焼効率(放射及び熱伝達による熱損失を含む。

Δ

TOT,i

修正項目 i におけるタービン出口温度への修正値 K

Δ

TOT,i,a

測定値から比較基準条件への修正項目 i におけるタービン出口温度への修正値 K

Δ

TOT,i,b

指定基準条件から比較基準条件への修正項目 i におけるタービン出口温度への修正値 K

θ

 

指定基準条件の空気の温度に対する試験時の圧縮機に流入する大気の温度の比

δ

 

指定基準条件の入口空気圧力に対する試験時の大気圧力の比

注記 1  空気又はガスの温度は,特に指定しない限り,全温度を示す。 
注記 2  理想気体の比エンタルピーの一般的な計算式を次に示す。

  hh

T

h

T0

 ≈ c

p,i

 (TT

0

)

h

T0

 :基準温度 T

0

でのガスの比エンタルピー

T  :実際のガス温度

a)

  ガスタービンの制御温度の指定基準条件への修正値(7.4.1.1 参照)。

試験準備 

6.1 

一般 

受渡試験の実施に際しては,事前に受渡当事者間で試験の目的を確認し,対象とする機器の範囲,使用

する計器及び各当事者の役割を明確にして,綿密な準備を行う必要がある。また,試験場所,納入者の試

験設備及び試験条件を記述した詳細な試験要領書を作成し,受渡当事者間で合意しなければならない。

6.1.1 

試験前の合意事項 

多くの要素が,受渡試験結果に大きく影響する。そのため,試験結果が現実的に最も高い精度となるよ

うに,試験は,常に慎重に計画し,組織して行われなければならない。

6.1.2 

試験目的 

性能試験の目的は,ガスタービンの性能特性が以前合意されたもの(例えば,購入契約書,試験基準書,

工事請負契約書,電力需給契約書,契約上の役務合意書など)に従っていることを確認することである。

試験の実行及び結果の評価のための詳細な要領は,試験実施前に提出し,合意しなければならない。この

試験要領書には,詳細な測定方法,及び試験条件から基準条件又は関連文書に規定した基準条件への修正


12

B 8041

:2012

方法を規定しなければならない。この規格は,環境排出物,騒音,振動などの他の試験要領書によって確

認する試験については,規定しないが,これらの試験は,契約仕様書又は他の関連する文書に従って,受

渡試験と同時に行うことができる。

6.1.3 

性能劣化 

運転によってガスタービンの性能は劣化する。ガスタービンの性能劣化は,主に,ガス流路部の汚れ又

はエロージョン,磨耗若しくは損傷によって起きる。性能試験結果に運転時間による劣化の修正を適用す

るための合意事項は,

厳密にいえば受渡当事者間の商取引上の事項であり,

この規格の適用範囲外である。

ほとんどの場合,ガスタービンの保証性能は,機器の“新品かつ清浄な”

(new and clean)状態で規定す

る。受渡当事者間の契約で,機器が“新品かつ清浄な”状態である時期を定義し,この期間を逸脱した場

合の試験においては,性能修正を許容するかどうかを規定することが望ましい。

詳細な性能劣化の修正方法は,比較試験,類似の機器の性能,予想劣化曲線などを用いて求める。短時

間の比較試験による実際の劣化測定は,非常に困難であることに注意しなければならない。それは,劣化

率の大きさ及び測定の不確かさの大きさが同等であること,及び試運転期間中の制御設定値変更による影

響があることによる。劣化修正は,試験結果又は保証値に対して 8.2.2.5 に規定するように加算又は乗算に

よる修正を適用する場合もある。

6.1.4 

測定器設置についての推奨事項 

試験に使用する常設及び試験用仮設計器の計器精度要求事項,補正記録,必要な図書及び設置位置に対

する要求を確認するために,次の推奨事項を考慮するのがよい。

a)

常設計器を試験に使用する場合は,設計の早い段階で 6.4 の要求事項を反映する。計器の事後補正を

行うことができること,又は試験用仮設計器を用いることも考慮する。

b)

試験用仮設計器の場合には,圧力計接続,温度計ウエル,電源供給などの接続ができるように設計時

点で計画する。また,流量計の測定の不確かさに対する要求を満たすために,整流機器の設置を推奨

する。

c)

計器の配置は,測定の不確かさがこの箇条で規定する範囲内に収まるようにする。また,可能な場合,

圧力,温度,燃料流量,出力などの重要な測定値については,確認できるような配置にする。

6.2 

試験要領 

性能試験は,試験実施における詳細な指針として作成した試験要領書に従い行う。試験要領書は,契約

上の義務を補足し,契約事項の詳細を明確にする。また,この文書は,試験の実施手順を規定しなければ

ならない。試験要領書は,試験開始前に,性能試験関係当事者間で合意する。

試験要領書には,次の項目を規定するのが望ましい。

a)

契約上の指定基準条件及び保証値

b)

試験完了時の受取条件

c)

試験領域及び測定機器の設置場所

d)

計器詳細(形式,設置場所,校正要求事項を含む。

e)

試験開始までの測定値の整定時間に対する要求

f)

燃料の取扱いに関する詳細[燃料のサンプリング方法,取扱い,分析方法,サンプリング回数,当事

者間におけるサンプリングガスの配布先の決定(追加分析用のサンプリングガスの予備を含む。

g)

燃料条件の許容範囲(燃料成分及び発熱量を含む。

h)

要求運転条件[例えば,試験負荷,回転速度など(

表 参照)]

i)

機器清浄度及び試験前の検査に関する要求事項


13

B 8041

:2012

j)

性能劣化計算方法

k)

試験記録(測定及び監視)

l)

試験回数及び試験時間

m)

データ取得回数及び取得データの合否判定基準

n)

複数の試験結果から最終試験結果を計算するための方法

o)

運転条件で得られた値の指定基準条件への修正のための数値,線図又は計算式

p)

データ保管,図書保有並びに試験データ及び試験記録の配布に関する要求事項

q)

試験要領書に対する変更についての合意及び記録の方法

r)

試験前後のガスタービンの制御パラメータ(設定値)の記録方法

6.3 

試験準備 

機器は,機器納入者の試験設備による試験又は現地試験前に定格負荷において信頼性のある運転ができ

なければならない。現地における試験の場合は,受渡試験は,調整試運転が完了した後,速やかに行わな

ければならない。設備が商用運転を開始している場合は,試験は清浄かつ損傷のない条件で行わなければ

ならない。性能劣化は,契約の範囲内で許容される。

試験責任者は,試験当事者間で任命しなければならない。任命された試験責任者は,全ての試験が専門

的に行われ,かつ,受渡試験実施のための指針として,この規格を使用していることを確認する義務があ

る。事前に合意した試験要領書は,試験実行のための基本とする。

試験の前に,最低限,次の事項の実施要領について当事者間で合意する。

a)

性能試験に悪影響を及ぼすと思われる機器の不適合及び試験要領書の不備を確認するためのプラント

全体の調査。

b)

燃料流量測定装置の検査。

c)

ガスタービン圧縮機翼は,運転時間がごく少ない場合を除き,試験実施前に目視点検及び清掃(必要

ならば,圧縮機洗浄)を行い,試験に備える。

d)

必要ならば,ガスタービン圧縮機入口ガイド翼の角度を確認し,制御設定値の調整を行う。

e)

ガスタービン排気温度及びその他の関連係数に基づくタービン入口温度(TIT)制御設定値の調整。

f)

全ての試験用仮設計器の出荷前の校正又は,校正証明書に記載された有効期限内で使用することの確

認。

g)

全ての試験用仮設計器,仮設測定装置の設置場所及び適切な取付けの確認並びに校正記録とシリアル

番号との相互確認。

h)

発生電力及び力率の測定(必要な場合は,発電端及び送電端)

i)

全関連パラメータの監視のためのデータ収集装置及びデータ収集回数。

j)

現場読取りによる手動データ収集及び収集回数。

k)

追加情報のための制御装置の運転表示画面の印刷。プラントの排出物データ及び受渡試験の運転に影

響する警報に関する情報を含むことがある。

l)

全ての試験の期間を含む試験の詳細工程。

m)

ガスタービンの運転モード及び設定(例えば,排ガスボイラを使用するか,バイパスするか,氷結防

止運転,圧縮機抽気運転など)

n)

燃料が実質上計画値と同等であることを確認するための予備燃料分析及び近々の燃料分析データ(燃

料密度と発熱量)の入手。

o)

主燃料のサンプリング方法及びサンプリング回数。運転員又は試験実施チームが収集するサンプルの


14

B 8041

:2012

数及び予備のサンプルについては,試験実施前に合意する。燃料分析のための研究機関の名称を確認

する。簡易ガス分析装置は,この規格の要求精度を満足する場合には,利用することができる。

p)

正しい計器の使用及び試験データの収集を可能にする,適切な技量をもつ人員の確保。

q)

適切な表示及びインタホン設備の確保。

試験開始及び終了,又は種々の計器の読取りを行うような様々

な場面で利用できる。

6.3.1 

機器の準備 

試験の適切な準備は非常に重要である。現地での試験の場合は,試験機器の準備は,新製の装置の引渡

し作業(commissioning)の一部とはみなさない。一般的に,現地試験では,試験の対象となるガスタービ

ン設備の試験のために,機器供給者は,装置の検査を行い,試験を実施する前に必要な保全作業について

記載した説明書を提供する。機械は,試験前に供給者によって,点検及び清掃を行わなければならない。

試験実施者は,試験実施前に,機器が適切に準備を完了したことを報告する。

6.3.2 

試験条件の相違についての合意 

実際の試験が,試験要領書又はこの規格の条件と相違する場合は,試験完了前に合意の上,関係当事者

に文書で配布する。

試験が性能試験要領書及びこの規格による指針に従って行われたことを確認するために,関係者による

会議を開催する。また,試験中に収集したデータが適切なものかどうかを当事者間で合意する。この合意

によって,その試験は,正式試験とすることができる。

6.3.3 

試験日程の作成及び試験場所の指定 

試験日程は,少なくとも,作業順序,試験に要する予想時間及び関係当事者へ通知する事項を含めて立

案するのがよい。試験準備,試験の実施,試験完了報告書などのその他の作業予定についても記載するの

が望ましい。試験場所は,現地又は試験実施に伴う要求条件が当事者間で許容できるその他の試験設備の

いずれかを指定しなければならない。

6.3.4 

試験のための準備 

試験に関係する全ての当事者には,事前の合意に従い,人,機器及び文書を準備するための時間を考慮

して,タイムリーに通知しなければならない。また,最新の情報を通知する。

6.3.5 

事前試験記録 

計算又は他の試験のために必要とされるガスタービン部品の寸法(配管長及びオリフィス径など)及び

物理的条件は,試験前に決定し,記録する。

試験するガスタービン及び補機を識別するために,銘板のシリアル番号及びデータを記録する。全ての

計器は,識別のために,型式及びシリアル番号を記録する。

計算又は修正を要するデータについては,個々の計算又は修正のアルゴリズム,定数,縮尺,校正,オ

フセット,基準点,換算などについて確認するための文書を提示しなければならない。

6.4 

計器及び測定方法 

6.4.1 

一般 

この箇条では,この規格に基づいて行うガスタービン設備及び構成機器の試験に使用する計器,測定方

法及び注意事項について規定する。

最高水準の精度で試験データ及び試験結果を取得するという観点から,コンピュータ制御によるデータ

記録及び処理システムに加えて,先進の電子計器及び装置の使用が望ましい。しかし,非電子式測定装置

が使われる場合には,アナログ計器による手動記録でもよい。

次に示す計器及び測定方法は,この規格の発効の時点での最新の技術によるものであり,一般的に使用


15

B 8041

:2012

されているものである。しかしながら,新たな技術及び測定方法については,その“最大不確かさ”がこ

の規格の要求に合致していれば,それらを性能試験に使用してもよい。

ほかに合意事項がない場合,計器,装置及び測定は,関連する規格に従わなければならない。

使用する計器,装置及び測定がこの規格の要求に合致していない場合には,それらの適用については,

受渡当事者間の合意による。

この規格の使用者は,性能試験の全ての当事者が,最小の実際的な不確かさでの測定結果を求めている

ことを前提にして,個々の試験条件及び試験機器の不確かさの程度を確認するための手段を確立しておか

なければならない。

各々の試験においては,供給範囲,使用燃料,タービンの感度係数,計器及び被駆動装置の特性が異な

るため,試験結果の最終的な不確かさは,その試験固有のものとなる。したがって,総合不確かさ(3.22

に関する制限を規定することは,この規格の意図するところではない。

信頼性が高く,精度のよい試験結果を得るために,必要な測定における不確かさに対する要求及び試験

における運転パラメータの変動の許容範囲をこの規格で規定する。

6.4.1.1 

測定の不確かさ 

一般に,試験における測定は,必ずしも完全なものではなく,その不完全さが結果として測定誤差を引

き起こす。したがって,測定結果は,測定量(すなわち測定に供される特定の量)の値に対する近似値に

すぎない。

“測定量”という一般的な用語は,ガスタービンの試験においては,測定対象となる多種の量(例えば,

ガスタービン熱消費率,プラント効率,電力又は動力,水又は蒸気の流量,流体の温度及び圧力など)を

含んでいる。

測定の不確かさを求めるための詳細な方法は,

附属書 に示す。

不確かさ分析の試験への適用には,次の目的がある。

a)

試験結果の品質を定量化することを可能にする。

b)

各々の測定が試験全体の不確かさに及ぼす影響を特定する。

c)

試験の品質を改善するための仕組みを提供する。

性能試験のための計器の不確かさが,

表 に規定する最大の不確かさと同等又はより良好なものである

場合,測定結果は,本質的に高いレベルの精度をもつものとなる。その場合は,試験全体の不確かさ評価

A.3.4 参照)は,必ずしも必要ではない。

しかし,一つ又はそれ以上の試験用計器が,

表 に規定する個々の測定項目の不確かさの要求値に適合

していない場合には,次の手順を適用してもよい。

試験に先立ち,不確かさ解析を実施する。ここで,

表 に規定する,測定計器ごとの不確かさの要求値

を用いるとともに,

試験に供するガスタービンに関する適切な感度因子を用いて解析する。

それによって,

総合不確かさに関する目標値を得ることができる。

次に,総合不確かさの結果が,この目標値と同じか又は,それより小さくなるように各々のパラメータ

に関する計器の数及び型式を選定する。

最終の性能試験結果に総合不確かさの値を適用するかどうかは,

この規格の適用範囲外である。

それは,

主として受渡当事者間の契約に関するものであり,その適用又は不適用については,受渡試験の前に合意

していなければならないためである。

しかしながら,相対的な性能に関する測定値の不確かさを計算しなければならない場合には,全ての計

器の読値に関して,読取りに付随する偶然誤差及び系統誤差を知ることが極めて重要である。


16

B 8041

:2012

6.4.1.2 

不確かさの最大値 

可能な最高の精度で測定結果を得るためには,計器,装置又はパラメータの測定に対して,不確かさの

最大値を確定することが必要である。

性能試験の準備に際し,測定方法は慎重に評価・選定しなければならない。

発電装置に関する代表的なパラメータの不確かさの最大値を,

表 に示す。この表によって,計器及び

装置の校正を行うのが望ましい。

表 3−不確かさの最大値 

個々の計器又は

パラメータ

不確かさの最大値

(拡張不確かさ)

備考

大気圧

+/−0.05 %

計器の不確かさ

吸気温度

+/−0.2 K

計器の不確かさ

相対湿度

+/−2 %

計器の不確かさ

電力測定

+/−0.2 %

計器の不確かさ

電流センサー

+/−0.2 %

精度等級 0.2S 相当

電圧センサー

+/−0.2 %

精度等級 0.2S 相当

動力(トルク)

+/−1.0 %

計器の不確かさ

周波数/軸速度

+/−0.25 %

計器の不確かさ

ガス燃料圧力

+/−0.25 %

計器の不確かさ

ガス燃料温度

+/−0.2 K

計器の不確かさ

ガス燃料発熱量

+/−0.5 %

ガス組成の合成不確かさ

ガス燃料質量流量

+/−0.5 %

温度,圧力,体積流量及びガス組成の合成不確かさ

液体燃料温度

+/−0.2 K

計器の不確かさ

液体燃料発熱量

+/−1.0 %

分析試験結果の不確かさ

液体燃料質量流量

+/−0.5 %

体積流量及び温度の合成不確かさ

タービン排気温度

+/−3 K

計器の不確かさ

吸気圧力損失

+/−50 Pa

計器の不確かさ

排気圧力損失

+/−50 Pa

計器の不確かさ

注記 1  備考中の“計器”とは,計器単体(センサー部)を示す。 
注記 2  この表の合成不確かさは,計器単体の不確かさを合成したものである。 
注記 3  不確かさの最大値の信頼水準は,95 %とするが,各種情報及びデータからの適用要領については,関係当

事者間の合意による。

6.4.1.3 

校正 

校正(3.21)は,最終の試験結果に対する合成標準不確かさ(A.2.3)の確定に必要なタイプ B の不確か

さ(3.18 参照)とともに,系統誤差(3.10)を補正するための数値を与える。

試験要領書に規定する性能の確定に必要な計器及び装置は,参照規格と対比し,計器及び装置の系統的

な影響を排除するために,校正を実施する。また,必要に応じ,それらの不確かさが

表 に示す不確かさ

の最大値を超えないことを検証する。

その校正は,ヒステリシスの影響を考慮するだけでなく,性能試験で予想される運転範囲を包含するの

に十分な測定点において実施する。

測定対象設備の常設の計器及び装置を性能試験に使用する場合は,必要な校正は,実用標準(3.20)に

従って実施してもよい。同様に,仮設試験装置の現地での校正試験は,実用標準を使用して実施してもよ

い。


17

B 8041

:2012

要求によって,各々の計器には,国内標準又は国際標準に対する校正手順のトレーサビリティー(3.14

のある校正証明書を付ける。

校正の結果としての系統誤差(3.10)に対する計器又はシステムの調整は,代数的加算修正又は測定結

果に適用する修正係数によってシステム上の影響を打ち消す方向に調整する。

種々のセンサーの再校正の必要性は,個別の使用条件に対してセンサー製造業者の推奨に基づいて決定

する。

6.4.2 

圧力測定 

最高水準の測定精度を保証するために,温度補償を行う圧電式,静電容量式等の検知技術に基づく最適

に校正された電子式圧力変換器を使用する。しかしながら,マノメータ(U 字管又は単管式)

,ブルドン管

式圧力計又は他の弾性式圧力計も,適用可能な場合には使用してもよい。

圧力測定のための方法,計器の数及び形式は,流れの動特性及び装置設計だけでなく,パラメータの大

きさ,範囲及び要求精度を考慮して注意深く評価する必要がある。

圧力計器の位置及び設置に対して,ふく(輻)射,振動などの周辺状況によって誘起される付加的誤差

並びに管及び継手の漏れが読取りの不確かさを増加させることがないように注意を払わなければならない。

6.4.2.1 

大気圧 

絶対圧としての大気圧は,最大不確かさ 0.05 %で校正された大気圧伝送器で測定する。

計器は,ガスタービン軸中心と同じ高度の,閉鎖された空間でない場所に設置し,大気の条件に対して

安定かつ保護された状態にする。

地元の気象観測所からの大気圧データは,使用してはならない。

6.4.2.2 

圧縮機入口圧力 

圧縮機入口圧力は,圧縮機入口の全圧として定義する。

大気圧,ゲージ静圧及び動圧が個別に測定及び評価されている場合には,圧縮機入口全圧の絶対圧は,

これらの圧力の代数和である。

動圧は,通常,静圧を測定する断面における平均流速及び空気密度を使って計算する。この平均流速は,

この領域の断面積及び推定流量から計算する。

入口ダクト,サイレンサ又はフィルタがない場合は,圧縮機入口圧力は,大気圧とみなす。

圧縮機フランジ部,又は,圧縮機入口開口部の近くの平均流速が 20 m/s 以下となる場所では,1 か所だ

けの静圧測定でよい。流速が 20 m/s より速い場合には,流れ方向に直角に,できるだけ対称な位置の 3 か

所の静圧の平均値を採用する。

密閉サイクルの装置では,圧縮機入口圧力の測定要領は,圧縮器出口圧力の測定要領に同じとする。

6.4.2.3 

タービン出口圧力 

タービン出口圧力は,タービン排気フランジ(再生サイクルの場合には,再生用熱交換器出口フランジ)

出口の静圧と定義され,圧縮機入口圧力と同様の方法で測定する。

静圧は,流路断面においてできるだけ対称な位置の 3 か所における測定値の算術平均とする。出口ダク

トがない場合は,出口静圧は大気圧とする。

測定場所における流速が高く,圧力勾配が存在する場合は,得られた結果が流路断面における加重平均

圧力であるように測定する。又は,大気圧から計算によって出口圧力を求めてもよい。

6.4.2.4 

圧縮機出口圧力及びタービン入口圧力 

タービン入口温度を間接的な方法によって求める場合には,圧縮機出口空気圧力又は,可能であれば,

タービン入口圧力を測定することが必要である。


18

B 8041

:2012

静圧は,一つ又は,可能であれば,それ以上の数の計器で測定する。複数の計器の場合には,圧力値は

測定値の算術平均とする。動圧は,対象断面における推定平均流速から計算する。

6.4.2.5 

ガス燃料圧力 

使用状態におけるガス燃料密度の測定のために,燃料流量計にできるだけ近い位置のガス燃料温度とと

もにガス燃料圧力を測定する。

6.4.3 

温度測定 

温度測定のために推奨する計器は,次のとおりである。

a)

抵抗式温度計:JIS C 1604

b)

熱電温度計:JIS C 1602 及び JIS C 1610

不確かさがこの規格の規定に合致するように適正に校正してある場合,サーミスタ及び液封棒状温度計

のような他の温度測定器を使用してもよい。

試験に使用する各々の計器は,不確かさが許容値内であることを確認するために,必要に応じ,校正す

るか,又は,認定機関によって認証された計器と比較する。

流体の動温度が 0.5 K を超える状態で温度測定を行う場合,よどみ温度(全温度)測定用温度計を使用

しなければならない。又は,代替として,通常の計器による測定値に適正な修正を加える。

6.4.3.1 

入口空気温度 

試験領域の定義によって,入口空気温度は,大気温度又は圧縮機入口空気温度のいずれかとなる。

6.4.3.2 

大気温度 

大気温度の測定に必要な計器は,空気流が指定された試験領域(代表的には入口ダクトのフィルタハウ

ス部)を横切る場所に装備する。検出器を横切る高速空気流れ(>10 m/s)が存在しないようにするのは

もちろんであるが,太陽などのふく射熱から温度検出器を保護し,隔離するような特別な配慮が必要であ

る。

複数のガスタービンで構成する設備においては,配置が列配置又は千鳥配置,蒸発形吸気冷却装置の設

置の有無など,様々な場合が考えられるが,大気温度及び大気湿度を加重平均として決定するためには,

最も代表的で正確な測定値の得られる場所を探すことに注意が必要である。

計器の数は,吸気フィルタシステムの形状及び寸法による。温度は,吸気入口の断面で均一に配置され

た 4 個の計器によって測定する。吸気流路の断面積 10 m

2

当たり最低 1 個の検知器を配置することを推奨

する。吸気断面に不均一な温度分布が存在する場合には,検出器の数を増加する。近隣の工場設備から吸

気口に向けて高温の空気が流れてくるような場合で,吸気温度の最大と最小の温度差が 5 K 以上になるよ

うな場合には,その根本原因を調査し,可能な解消策を検討しなければならない。

6.4.3.3 

圧縮機入口空気温度 

圧縮機入口空気温度は,エネルギー収支計算に使用する。それは,最大の不確かさ 0.2 K の計器で測定

しなければならない。少なくとも 2 個のセンサーが必要で,平均値を計算するため,2 個の指示値を同時

に読まなければならない。空気速度が 20 m/s を超える場所で温度を測定する場合は,測定温度は,空気速

度の計算値を使って計算した動温度で補正しなければならない。

蒸発形又は他の水噴霧形吸気冷却システムが稼動している場合には,温度測定検知部への水滴の衝突に

よる影響を防ぐために測定場所の選定に注意が必要である。

6.4.3.4 

タービン入口温度(TIT 

試験中にガスタービンを,設定した温度で運転することは,性能決定のための基本となる。通常,ガス

タービンは,タービン入口温度を基に設計する。密閉サイクルガスタービンのような特例を除いて,ター


19

B 8041

:2012

ビン入口温度を測定することは,実質的には不可能である。したがって,タービン入口温度は,熱収支計

算に基づく間接的な方法で決定する。ISO タービン入口温度の計算方法は,8.3.5.2 で規定する。

密閉サイクルガスタービンのタービン入口温度の測定のためには,2 個のセンサーで十分である。

6.4.3.5 

タービン出口(排気)温度 

タービン出口温度は,ガスタービンの運転,制御及び保護システムへの基本的な入力データとして必要

であるため,通常,ガスタービンの供給範囲にはタービン出口温度の測定装置が含まれている。

ガスタービン製造業者は,開発及び経験によって,排気室及びタービンの中間段(多軸式及び再熱式ガ

スタービン)における温度測定検出器の数及び設置場所を決定している。それらには,熱放射及び熱伝導

の影響だけでなく,不均一な温度分布及び流れの速度分布も考慮している。

試験用仮設計器がタービン出口温度の測定のために使われる場合には,最低 4 個の検出器又は適切なト

ラバース検出器を,温度分布及び流速勾配を考慮して,流路断面の均等位置に配置する。現実的な理由で,

タービン出口フランジ部又はその近傍に検出器を配置しなければならない場合には,適切な精度を保証す

るためには 5 個以上の検出器が必要となる場合がある。密閉サイクルタービンに関しては,2 個の温度検

出器で十分であろう。ケーシング及びタービン排気フランジと測定位置との間のダクトは,適切に断熱さ

れなければならない。

排気温度は,試験境界の近くで測定しなければならない。その位置は,多くの場合,ガスタービンと排

熱回収ボイラ又は排気煙突との接続面となる。ガスタービンからの排気は,通常均一でない温度分布及び

速度分布をもつ。したがって,個々の排気温度の平均値を使用する。その方法は,製造業者が決定する。

製造業者は,他の類似の装置における現地試験データ又は CFD モデル計算のような解析手法によったデー

タを基礎にした計算方法を提示することが望ましい。

6.4.3.6 

燃焼器入口空気温度 

燃焼器のエネルギー収支を計算する場合は,燃焼器入口における空気の平均全温度を決定すること,及

び燃焼器における温度上昇を推定することが必要となる(8.3.4 参照)

。燃焼器入口の平均全温を測定する

方法は,機械の詳細設計によって多様な方法が考えられる。ふく射に対しては,必要な対応措置を考慮し

なければならない。

6.4.3.7 

燃料温度 

燃料温度は 2 か所の異なる場所で測定することが望ましい。1 か所は,燃料供給量計算のための流量計

近傍であり,あと 1 か所は,顕熱の決定のための試験境界となる場所である。液体燃料の場合に,戻り流

量計算のために必要ならば,更に 1 か所追加する。

6.4.4 

燃料の測定 

6.4.4.1 

ガス燃料の測定 

各作動流体のエネルギーは,それらの熱収支領域の境界位置で測定するので,熱収支領域の選択は,試

験結果に重要な影響を及ぼす。

熱収支境界は,どのパラメータを決定するか(すなわち,ガスタービン熱効率か,熱収支による排気エ

ネルギーか)によって異なる位置になり得る。例えば,燃料予熱器を使用した場合には,熱効率を求める

場合と排気エネルギーを求める場合とで異なった温度値を使用することが必要になる。

6.4.4.1.1 

性状 

ガス燃料の性状として,次の項目を測定する。

a)

密度

b)

発熱量


20

B 8041

:2012

c)

組成

d)

温度

e)

圧力

f)

流量

発熱量及び密度は,受渡当事者間の合意がある場合には,ガスの供給者から提出された記録が試験の日

時に対し妥当であれば,その記録値を用いて求めてもよい。この場合,採用した値の根拠について,詳細

を試験報告書に記載する。加えて,その測定計器の校正データは,国家標準又は国際標準へトレーサブル

で,それらの標準で規定する不確かさの範囲で校正したものでなければならない。

高炉ガス,石油精製ガス,その他のガスで,その組成が連続的に変化する場合には,試験中になるべく

多くの回数の試料採取を行い,その結果を平均することによって代表的な燃料発熱量を求める。試験期間

を通じて,連続記録式のガスクロマトグラフを使用することが望ましい。

6.4.4.1.2 

密度 

試験条件のガス密度及び圧縮係数は,流量計位置で測定した圧力及び温度を基に,ガス密度は,JIS K 

2301

によって計算し,圧縮係数は,JIS M 8010 又は ISO 12213-2 で規定した方法で計算する。密度及び圧

縮係数は,共に,実際のガス組成に基づいて決定する。

関連規格に規定のない混合気体に対しては,受渡当事者間で密度の算出方法について合意しておく。

6.4.4.1.3 

発熱量 

ガス燃料の真発熱量(LHV)は,JIS K 2301 又は JIS B 8042-4 に従って算出する。個々の成分ガスの真

発熱量及びそれらの成分ガスが燃料中に占める割合から,燃料の基準温度を基に計算する。又は,この規

格で要求されている精度が実証されている場合は,熱量計を使用してもよい。適用する測定方法は,事前

に受渡当事者間で合意しておく。

いずれの場合にも,試験条件での燃料の実温度が基準温度でない場合には,燃料の顕熱に対する補正を

する。

6.4.4.1.4 

組成 

ガス燃料の炭化水素の分析が必要な場合は,JIS K 2301 に規定するガスクロマトグラフ法によって,認

定された検査機関で測定する。

ガスクロマトグラフが,国際標準にトレーサブルな適正な校正がなされている場合は,受渡当事者間の

合意で,オンライン・ガスクロマトグラフのガス分析を採用してもよい。又は,オンライン・ガスクロマ

トグラフの検証のために,ガス燃料の試料を認定検査機関で分析し,その結果と,同時に採取した試料の

オンライン分析の結果とを比較してもよい。

産業用の天然ガスに含まれる湿分は,通常,ガスの発熱量に比べほとんど影響を及ぼさない量である。

したがって,湿分の測定は,必要としない。しかし,一般の基準以上に湿気を含むことが示されている場

合には,検査機関での分析,又は露点測定法によって分析する。

ダストの含有が予期される高炉ガスのような特殊なガス燃料では,ダスト濃度が問題となるのでこれを

測定する。ダスト量は,流量計にエロージョン又は他の機械的な影響を与える可能性があるため,正確な

ガス流量の測定に影響を及ぼすことがある。しかし,含有ダストの性状,含有量などが広範囲にわたるた

め,この種の燃料の測定は,十分な経験をもつ専門家が実施し,その測定手順について,事前に受渡当事

者間で合意する。

6.4.4.1.5 

試料の採取 

ガス燃料の試料採取は,特別な採取容器を使って JIS K 2301 に従って行う。


21

B 8041

:2012

試料は,少なくとも 2 セット,すなわち,試験の始めに 1 セット及び終了時に 1 セットを採取すること

を推奨する。ガス組成が変動している場合は,試験期間の中で更に追加して試料を採取する。

検査機関での分析用及び予備を加え,1 セット当たり最低三つの試料を採取する。一つは,検査機関に

よる分析用,残りは予備試料とし,検査機関の結果が出て,その結果が承諾されるまで保持する。試験結

果の解析に使う燃料性状は,各試験の前後で採取した燃料試料の平均値による。

6.4.4.1.6 

流量の測定 

ガス燃料の単位時間当たりの消費量(体積流量)は,ISO 9951 によるタービン流量計,国家規格若しく

は国際規格の適用できる容積式流量計,オリフィス流量計又はコリオリ流量計によって測定するのが望ま

しい。これらの方法が使用できない場合は,ガス燃料消費量は,ノズル,オリフィス又はベンチュリ管に

よって求める。それらは,JIS Z 8762-1JIS Z 8762-4 に従って製作,取付け及び計装を行う。

試験条件での実際の燃料質量流量の計算は,ISO 9951JIS M 8010 又は JIS Z 8762-1JIS Z 8762-4 によ

る計算式に基づく。また,同時に JIS K 2301 によるガス密度の測定も行う。

個々の計器を,この規格で規定した不確かさの要求に適合するように校正する場合は,超音波流量計又

はその他の流量計を使用してもよい。

性能試験に使用する燃料流量計は,最大不確かさが±0.5 %以内となるように,個々の場合ごとに校正し

たものとする。

6.4.4.2 

液体燃料の測定 

6.4.4.2.1 

性状 

燃料の試料採取方法は,受渡当事者間で合意する。液体燃料の性状として,次の項目を測定する。

a)

密度

b)

発熱量

c)

粘度(必要な場合)

d)

温度

e)

組成

f)

流量

6.4.4.2.2 

密度 

原油又は石油燃料の密度は,JIS K 2249 又は他の相当規格で定める比重計(浮ひょう)によって測定す

る。試験条件での実際の密度は,測定した燃料温度で,解析結果の補間によって求める。

6.4.4.2.3 

発熱量 

基準温度における総発熱量(HHV)

(高位発熱量)は,ボンベ熱量計を用いて求める。次に,別に測定

した燃料中の水素量から発生した水蒸気量を計算し,その潜熱を差し引き,計算で真発熱量(LHV)を求

める。

前述の測定及び計算は,JIS K 2279 に従って,受渡当事者間で合意した物理又は化学試験所において行

う。発熱量の測定には,連続的に測定できる熱量計又は他の国際規格による計器を使用してもよい。いず

れの場合にも,試験燃料温度が基準温度と異なる場合は,燃料の顕熱に対する補正を行う。

表 4−液体燃料特性          削除 


22

B 8041

:2012

6.4.4.2.4 

組成 

液体燃料中の成分質量含有率(炭素,水素,窒素,酸素及び硫黄)は,必要に応じ,次の参考規格,ISO

規格又は JIS によって測定する。

炭素,水素,窒素は ASTM D5291,微量の窒素は ASTM D4629,硫黄は ISO 14596 又は ISO 20846,酸

素は DIN 51451 による。加えて,水分は JIS K 2275 に,灰分は JIS K 2272 によって各々測定する。

燃料分析の結果で,燃料とその排気の比熱とエンタルピーを決めることができる。また,排気の組成も

それから決めることができる。

6.4.4.2.5 

試料の採取 

燃料試料の採取場所は,試験前に特定し,合意しておく。試料の採取場所は,できるだけ試験境界に近

い流量測定装置の上流側とし,採取した燃料試料が測定計器を通る燃料性状を代表できるようにする。

試料の採取場所は,試験境界外の全てのプロセスのストレーナ,フィルタなどの影響を受けないものと

し,燃料組成が変化する可能性がないように特別な注意を払う必要がある。

燃料試料は,各試験の開始時及び終了時で少なくとも各々3 試料を採取する。燃料性状の安定が疑わし

い場合は,更に多くの試料採取を行う。各セットの 1 試料は,認定された検査機関に送り,他の 1 試料は

購入者に提供する。残りの 1 試料は,全ての燃料分析が完了してその結果が受渡当事者間で承諾されるま

で保持しなければならない。試験結果の解析に使う燃料性状は,各試験の前後で採取した性状の平均値を

用いる。

6.4.4.2.6 

流量の測定 

ノズル,オリフィス又はベンチュリ管を用いて液体燃料流量を測定する場合には,これらの測定器は,

公知の規格,例えば,JIS Z 8762-1JIS Z 8762-4 に従って製作・取付け・計装を行う。せき,渦式,コリ

オリ式,又は超音波流量計のような他の測定装置を使用してもよい。ただし,どの場合にも,燃料流量測

定装置は,正しく校正し,最大不確かさが±0.5 %に収まるようにする。

±0.5 %の測定の不確かさが得られることが実証できるならば,校正済みの容積計量タンクを使用しても

よい。

ひょう量タンク装置(weigh tank system)は,支点上で自由に動き,例えば,配管接続の設計又は取付け

が不適切なために外的な拘束力が作用するものであってはならない。全測定範囲にわたって測定の不確か

さが測定値の±0.5 %を超えないように試験前に校正しなければならない。

燃料制御弁又は燃料噴射弁からの還流又は漏れは,

燃料流量測定装置の下流の燃料ラインに還流するか,

又はその量を別に測定して差し引く。

6.4.5 

出力の測定 

6.4.5.1 

電気出力の測定 

電気出力の測定は,JIS 又は IEC 規格による測定装置を使用して実施する。

確認する電気出力の定義は,契約範囲,保証条件などの規定によって,

図 に示すような異なった測定

点で与えることがある。電気出力は,変換器を適切に装備し,この規格の要求事項に合致するならば,ど

の測定点で測定してもよい。

設計及び用語は,ガスタービン製造業者が用いる用語と異なるかもしれない点に注意する。


23

B 8041

:2012

1  励磁

2  補機

3  送電系統へ

9  ∼9.3 については、表 を参照。

                        図 3

電気出力の測定位置の定義

1  励磁

2  補機

3  送電系統へ

9∼9.3 については,表 を参照。

図 3−電気出力の測定位置の定義 

表 5−電気出力測定の測定点の定義 

測定点

測定方法の説明

9

発電機端子における総電気出力 
発電機が動的励磁の場合,この出力は測定点 9.1a の出力に相当する。

9.1a

発電機の正味電気出力=発電機端子での総電気出力−励磁電力

9.1b

正味電気出力(低圧側)=発電機の正味電気出力−設備又はプラント補機の電力

9.1c

正味電気出力(高圧側)=低圧正味電気出力−昇圧トランス損失

9.2

励磁装置動力(静止型励磁機)

9.3

設備又はプラント補機動力

電気出力の測定方法は,2 電力計法又は,望ましくは 3 電力計法がよいが,種々の発電方式及び配電方

法に依存する。さらに,一般的には,3 線式又は 4 線式のスター結線又はデルタ結線による 3 相方式であ

る。適切な測定装置を選択し,該当する計器用変成器の接続を明確にするために,試験の計画及び準備の

期間中に特定の装置構成を検討する。

6.4.5.1.1 

電力・電力量計 

有効電力の測定のために,読取り精度 0.2 %以下の,単相又は多相精密級積算電力量計,又は同様の精

密級電力計を用いる。

積算電力計が力率を測定する演算(統合)機能を備えていないならば,瞬時無効電力は 0.5 %の精度等

級又はそれ以下の精度の無効電力計又は無効電力量計で記録する。

総電気出力の測定値から正味の電気出力を決めるために,発電機母線から分岐した励磁機及び/又は補

機電力を測定する場合,該当する電力計又は電力量計の精度は,正味出力の測定に対する不確かさの影響

度が 0.03 %未満の大きさでなければならない。積算電力量計の記録時間は,測定した出力に対する不確か

さの影響度が 0.03 %未満の精度となるように決める。

試験に使用する電力測定装置は,国際規格にトレーサブルな関連規格と比較して校正する。

計器校正は,予想試験負荷,電圧及び周波数条件を満足するように行う。検査場で適切に校正したポー

タブル試験計器を使用することが望ましい。しかし,受渡当事者間で合意し,この規格で規定した要求事

項を満足している場合は,盤付き計器を使用してもよい。


24

B 8041

:2012

別々の単相計器によって,検証及び校正することができない多相計器のような測定装置を使用してはな

らない。

6.4.5.1.2 

計器用変成器 

計器用変成器及び変流器は,少なくとも 0.2 %の精度等級又はそれ以上の精度をもち,正確に評価及び

校正されたものとする。

計器用変成器は,試験計器及びリード線に相当する負荷以外に未知の負荷はないものとして,測定目的

だけに設計されている。すなわち,保護継電器又は電圧調整装置は,変成器に接続してはならない。

計器校正は,巻数比,位相角及び定格負荷などの想定される現地試験状態に適したものでなければなら

ない。

計器と計器用変成器との間の接続リード線は,インダクタンス,電圧降下,又はその他の要因の影響が

最小限になるように計画する。

ツイストペア又は各対シールド用のリード線は,インダクタンスの影響を減らし,電圧降下は,計器用

変成器の電線長及び負荷を考慮して適切な電線サイズ及び抵抗を選定することで最小限になる。

6.4.5.2 

機械出力の測定 

6.4.5.2.1 

トルクの測定 

ガスタービンの機械出力を算出するときに用いる出力軸トルクの測定は,次のいずれの装置によっても

よい。

6.4.5.2.2 

吸収式動力計(機械摩擦式,流体抵抗式又はこれらの組合せ式) 

使用する動力計の大きさは,どの測定回転速度でも,その回転速度での最小測定負荷時のトルクが,使

用動力計の定格最大トルクの 20 %以上となるものとする。

吸収式動力計の冷却用流体の接線方向反力は,トルクの測定に影響を与えるので,流体の動力計への出

入は,動力計の回転軸を通る平面内で行う。外部風損に関しても,同様の措置を採る。

ホース接続を使用する場合は,接線方向に拘束しない。

動力計の回転方向の振動を減衰させるために,ダッシュポットを用いる場合は,このダッシュポットが

いずれの回転方向に対しても同じ大きさの抵抗であることをあらかじめ確かめておく。

動力計の制動腕の有効半径は,±0.1 %の不確かさで測定する。精度の根拠として,製造業者の証明書を

採用してもよい。動力計の使用に当たっては,あらかじめ正しくひょう量したおもりを用いて負荷増加時

及び減少時の両方向で校正する。

動力計の校正後の読取誤差は,試験中に課せられる最大負荷時の 0.1 %以内になるようにする。負荷増

加時と減少時との読みの差が,試験最大負荷時の値の 0.3 %以内のとき,この平均値をもって補正値とす

る。

動力計の流体の周期的なサージング又は共振現象などによって,指示トルクに±2 %を超える変動が現

れるような不安定現象が生じたときは,その試験は,満足なものとみなさない。

6.4.5.2.3 

ねじり動力計 

ねじり動力計の校正証明書は,

一連の試験の前に特定の適用に対する製造業者の推奨に従って確かめる。

ねじり動力計が温度によって影響を受ける場合は,試験終了後,試験中に達した温度と同じ温度で再校正

する。ねじり動力計の校正に当たっては,試験開始前から試験終了後に至る間,測定部分の設定を変更せ

ずに行う。いかなる場合も,校正は試験最大負荷を超える負荷まで増加した後,逆方向に零まで減少させ

て行う。負荷の増加は,最大値まで一方向だけで行う。負荷増加時と負荷減少時との読みの差が試験最大

負荷時の値の 1 %以内のとき,この平均値をもって補正値とする。


25

B 8041

:2012

動力計の読みは,

ねじり振動の影響を受けないように,

十分な頻度の測定で得たデータの平均値を採る。

6.4.5.3 

ガス発生機のガス出力の測定 

ガス発生機のガス出力の測定は,出力タービンの代わりに,ガス発生機出口に定格出力に対応する等価

の開口面積をもつノズルを装着して試験を行ってもよい。

ガス出力は,ガス発生機出口におけるガスが,ガス発生機の出口の全圧力及び全温度から大気圧まで等

エントロピー膨張したときに発生する出力をいう。

6.4.5.4 

その他の出力の測定 

出力が,電気出力としても機械出力としても測定できない場合(例えば,ポンプ,圧縮機直結の場合)

には,被駆動機の試験方法に関する適切な規格を参照する。その被駆動器の規格は,受渡当事者間の合意

のある場合にだけ使用する。

6.4.6 

回転速度の測定 

ガスタービンを試験回転速度に設定するために,又は試験中に回転速度が整定していることをみるため

に,回転指示計を用いてもよい。多軸ガスタービンの場合は,各軸に回転指示計を取り付ける。

試験中の回転速度が一定であることを確認するためには,電子式パルスカウンタ形回転計を使用して読

取り及び記録を行うことが望ましい。直接駆動される回転計又は非接触形回転計は,全回転速度にわたっ

て用いてよい。手持機械式回転計は,滑るおそれがあるので好ましくない。

平均回転速度が試験結果の算出に重要な影響を及ぼす場合は,ガスタービン軸から直接駆動される積算

回転計を用いる。積算回転速度及び時間の読取精度は,平均回転速度の測定の不確かさが±0.25 %となる

ようなものとする。

出力及び熱効率試験にパルスカウンタを用いるときは,十分な頻度で読み取り,読みの全平均値と一つ

とびの読みの平均値との差は±0.25 %以内とする。

6.4.7 

その他の測定 

6.4.7.1 

湿度 

試験境界に入る空気中の水分を測定するときは,測定の不確かさが±2 %以内で相対湿度を測定できる

計器を使用する。

吸込み空気フィルタ入口部の形状及び大きさによって,計器の数を決める。

複数のガスタービンで構成する設備においては,配置が列配置又は千鳥配置,蒸発形吸気冷却装置の設

置の有無など,様々な場合が考えられるが,大気温度及び大気湿度を加重平均として決定するためには,

最も代表的で正確な測定値の得られる場所を探すことに注意が必要である。

湿度は,湿度計を用いて直接測定するか,又は,湿球乾球温度及び大気圧から湿度線図,表若しくはア

ルゴリズムによって相対湿度を計算して求めてもよい。

6.4.7.2 

二次的入出熱 

性能試験が,機械的出力の測定が直接できない,流体の注入のような二次的入熱,又は潤滑油冷却器,

中間冷却器及び換気による二次的出熱を測定する必要があるときには,不確かさが±10 %以内の計器で流

体の温度,圧力及び流量を測定する。

6.4.7.3 

記録方式 

手動記録よりも電子データ記録方式を,次の二つの理由から推奨する。一つはアナログ計器を読むとき

の人の先入観の回避,もう一つの理由は,試料採取の頻度を上げることによって,測定精度が向上するこ

とである。

記録装置は,測定器から発信された主要な電子信号(特にアナログ信号)のデータを格納するとともに,


26

B 8041

:2012

それらの信号データを,試験後の確認及び修正のための工学単位に変換したデータを格納するための容量

をもつようにする。

主要なアナログ信号をアナログ−ディジタル変換機(A/D converter)を用いてディジタル信号に変える

データ収集システムは,14 ビット(レンジの 0.006 %と同等)又は,それ以上の解像度をもたなければな

らない。

試験の管理 

7.1 

指定基準条件 

指定基準条件は,保証条件又は試験の目的によって決定し,データの修正のための基準とする。

指定基準条件への修正を最小とするために,指定基準条件に可能な限り近づけて試験を実施することが

望ましい。

契約書に記載された保証性能は,指定基準条件及び指定燃料によるガスタービン装置の運転における性

能である。

代表的な指定基準条件を

表 に記載する。

表 6−指定基準条件の例 

項目

単位

大気圧

Pa

大気温度

大気相対湿度

%

周波数

Hz

力率(cos φ)

ガスタービン発電装置の回転速度 min

1

圧縮機吸込全圧損失 Pa

タービン排気静圧損失 Pa

燃料の発熱量及び基準条件 J/kg

  C/H 比

a)

モル%/モル%

  H/C 比

b)

質量%/質量%

ガスタービン燃料マニホールド入口の平均燃料温度

ガスタービン燃料マニホールド入口の圧力(参考) Pa

注記  代わりになるものとして,比較基準条件(3.9)がある。 

a)

 C/H 比は,CO

2

を除いたモル分率(モル%)の比

b)

 H/C 比は,CO

2

を除いた質量分率(質量%)の比

7.1.1 

ガス燃料の指定 

天然ガスの典型的なガス燃料成分の構成は,

表 による。個々のガス成分のモル分率(モル%)は,契

約書の指定と同一とする。天然ガス以外の特殊ガス(例えば,合成ガス)の場合は,適切なガス成分を指

定する。


27

B 8041

:2012

表 7−ガス燃料成分の代表的構成 

成分

記号

メタン CH

4

エタン

C

2

H

6

プロパン

C

3

H

8

イソブタン i-C

4

H

10

n-ブタン n-C

4

H

10

イソペンタン i-C

5

H

12

n-ペンタン n-C

5

H

12

ヘキサン

C

6

H

14

ヘプタン

C

7

H

16

オクタン

C

8

H

18

窒素

N

2

アルゴン Ar

酸素

O

2

二酸化炭素 CO

2

一酸化炭素 CO

水分

H

2

O

水素

H

2

ヘリウム He

ガス燃料の供給境界及び燃料制御弁における燃料温度も契約書で指定する。発熱量,C/H 比などは

表 7

の成分から計算する。

7.1.2 

液体燃料の指定 

蒸留油の場合の代表的な性状は,

表 による。性状は,契約書の規定と同一とする。

表 8−液体燃料の代表的な性状 

項目

単位

発熱量(15  ℃)

kJ/kg

密度(15  ℃)

kg/m

3

比重(15  ℃)

動粘度[50  ℃(参考)

m

2

/s

全硫黄分

質量%

全炭素

質量%

水素分

質量%

窒素分

質量%

酸素分

質量%

C/H 比

質量%/質量%

7.2 

試験前点検 

6.3

に規定する試験準備に加え,試験開始前にガスタービンの運転状態を目視点検し,清浄具合及び漏れ

の有無を点検する。特に,次の点検を実施する。

−  全ての機械及び電気機器は,購入者が同意した試験手順に従って正常に作動している。

−  オンライン圧縮機洗浄は,停止している(運転要領書による。

−  運転モードの確認。


28

B 8041

:2012

−  ガスタービンは,試験データを測定する前に,整定状態で,かつ,制御された状態であり,重要な測

定器の指示の変動は,許容範囲にある(

表 参照)。整定状態の基準は,製造業者が提示する。

7.3 

試験の開始及び終了 

試験指揮者は,試験開始の条件が整っていることを確認する責任を負う。試験指揮者は,全ての当事者

に,試験の開始時間を知らせる。また,試験の終了に際しては,全ての終了条件を満たしているか,試験

指揮者は,当事者間の合意を確認する責任を負う。

試験指揮者は,要求事項を達成できない場合,試験期間を延長するか又は終了してもよい。

7.3.1 

開始条件 

性能試験を開始する前には,次の条件を満足させなければならない。

a)

試験のための運転,構成及び配備は,合意した試験要求に達している。例えば,

−  装置の作動及び制御方法。

−  試験のための燃料分析で許容値内であるとされた燃料の入手が可能(試験に先立ち速やかに実施し

た分析による。

−  修正用の線図,アルゴリズム又はプログラムが適用できる範囲内での運転。

−  制限値内の機器の運転。

b)

安定化−試験運転に先立ち,プラントを定常状態に至るまで十分な時間,運転する。定常状態とは,

試験目的に関連する主要な運転パラメータが安定した状態になったときのことをいう。定常状態は,

運転状態を示すそれぞれの運転パラメータの平均値からの変化量が

表 に規定する値を超えなくなっ

たときに得られる。

c)

データの収集−データ収集システムが機能し,測定員が配置につき,偶然誤差を少なくするために十

分なデータを得る準備ができている。

7.3.2 

終了条件 

性能試験を終了する前に,次の情報を確認するのがよい。

a)

試験のための運転,構成及び配備が合意された試験要求を満足していたか。例えば,

−  機器の運転及び制御。

−  ガスタービンの運転が修正用の線図,アルゴリズム又はプログラムの限度内か(限界を超えた場合

の取扱いは,全ての当事者間で合意していなければならない)

b)

定常状態−主要パラメータが,報告された平均値から

表 に規定する値以上に変化がなかった。

c)

データの収集−データ収集システムは試験要領書で指定した十分な情報を収集した。

7.4 

試験前及び試験中の運転 

7.4.1 

運転モード 

試験中のガスタービンの運転モードは,試験の目的に矛盾がないようにする。

データの修正に使用する修正値は,運転モードによって影響を受ける。指定する負荷条件又は修正若し

くは測定のための負荷条件の要求がある場合には,試験中,その条件を保持できるように制御システムを

設定する。

7.4.1.1 

可変速度ガスタービン 

試験条件(ガスタービン入口空気温度,圧力など)は,ほとんどの場合,指定基準条件と異なる。した

がって,測定結果は,8.2 に規定するように指定基準条件に修正しなければならない。

機械駆動用で可変速の特性を必要とする場合には,指定基準条件に対して空力的に相似な状態で運転す

ることが可能である。この方法を試験要領書に取り入れて,試験結果の修正計算に使用すれば,修正した


29

B 8041

:2012

試験結果の精度向上を図ることができる。

実際の試験条件と指定基準条件での運転データとの間に,次のような関係が成立すれば,空力的に相似

な条件で運転していることになる。

a)

出力軸の速度

θ

c

m

n

n

=

ここに,

n

m

試験条件における出力軸の速度(1/s)

n

c

出力軸の修正速度[指定基準条件の出力軸の速度(1/s)

θ: 試験条件と指定基準条件のガスタービン圧縮機入口絶対

空気温度の比 
(T

a2m

+273.15) / (T

a2c

+273.15)

b)

軸端出力

θ

δ

c

s

P

P

=

又は

θ

δ

s

c

P

P

=

ここに,

P

s

試験運転中の正味軸出力(指定温度又は温度制御限界に
おける正味軸出力)

(kW)

P

c

軸端修正出力[指定基準条件での軸出力(kW)

δ

試験条件の大気圧と指定基準条件の大気圧との比

c)

制御温度(例えば,タービン入口,タービン中間又は出口のガス温度)

θ

C

m

T

T

=

又は

θ

m

C

T

T

=

ここに,

T

m

試験運転中の制御温度(K)

T

C

修正制御温度[指定基準条件での制御温度(K)

指定基準条件における効率は,試験で得たデータから計算するガスタービンの効率に等しい。しかし,

その他の要目,例えば圧力損失などは,試験条件と指定基準条件との間で修正が必要である。

7.4.2 

補機の運転 

補機動力を決定するために,指定基準条件におけるガスタービンの通常運転に必要な全ての補機を考慮

しなければならない(例えば,ヒートトレーシングなど)

間欠的に使用する補機の負荷も,当事者間で合意した公正な方法で算定し,補機動力に追加する。

7.4.3 

入口空気温度調整用機器(蒸発冷却機,冷凍機,噴霧器又は加熱器) 

入口空気温度調整用機器は,試験における測定の不確かさを増加させるため,ガスタービンの試験中は

使用しないことを推奨する。受渡試験の結果は,入口空気温度調整用機器を使用しなくても,適切な設計

修正曲線によって修正が可能である。

受渡試験の項目に入口空気温度調整用機器の使用がある場合は,気象条件が許す場合は,入口空気温度

調整用機器を使用して運転する。さらに,受渡試験の結果を適切な修正曲線を用いて修正する。

冷却器付試験では,供給又は除去される水の顕熱に対する修正は,不要である。

7.4.4 

予備試験 


30

B 8041

:2012

正式な受渡試験の前に,購入者は,供給者に調整の実施を許可し,予備試験を実施する。

予備試験の目的は,

a)

ガスタービン及びそのプラントが受渡試験の実施の条件に合致しているかを決定する。

b)

測定装置,データ収集装置及び機器の状態の点検。

c)

試験関係者及びプラントの隔離作業(plant isolation)の関係者に対して,試験の要領を把握させる。

d)

予備試験の結果によって,ガスタービンの最終セッティングを確定する。

予備試験終了後,試験指揮者は,正式試験の開始を宣言する。

正式試験が開始された後には,当事者間で合意した場合は除き,調整は行わない。

7.5 

試験時間 

試験時間及び読取頻度は,信頼性のある平均値が得られるように決定する。

表 及び測定の不確かさの要求を満足させるため,30 分間の試験を推奨する。表 の全てを満たすこと

ができなければ,出力及び効率の評価のための試験は,連続して 3 回実施する。この場合は,各々の試験

時間は,5 分以上 20 分以下(すなわち,試験時間の合計は,少なくとも 15 分以上 60 分以下)とし,3 回

の試験結果を平均する。追加の試験については,事前に当事者間で妥当な時間を決めておく。

7.6 

運転状態での最大許容変動 

運転状態における監視パラメータの平均値からの変動は,

表 の許容値の範囲内とする。表 のパラメ

ータは,各々独立したパラメータではないが,全てのパラメータの変動が,試験中に許容範囲になければ

ならない。

表 9−運転状態における最大許容変化量 

番号

監視パラメータ

試験運転中の平均値からの

変化量

 1

発電端出力(発電機駆動の場合)

±1 %

 2

軸出力(機械駆動の場合)

±2 %

 3

力率(発電機駆動の場合)

±2 %

 4

ガスタービン発電装置回転速度(発電機駆動の場合)

±1 %

 5

ガス燃料温度[プラントへの供給点(契約上の取り合い点)で]

±3 K

 6

液体燃料温度[プラントへの供給点(契約上の取り合い点)で]

±3 K

 7

ガス燃料圧力

±1 %

 8

大気温度

±2 K

 9

大気圧

±0.5 %

10

排気の絶対圧力

±1 %

11

タービン排気温度

±2 K

注記  天然ガス以外のガス燃料では,ガス燃料温度の許容変化量は,事前に合意しておく。

試験運転中に幾つかの監視パラメータが

表 に規定する許容値を超えた場合には,その試験運転を除外

することができる。しかし,変動の量及び時間が限られている場合は,当事者間で合意の上,変化量の過

大なデータを除外することでその試験を有効とすることができる。

7.7 

試験の記録 

試験パラメータの測定値は,

試験中の設定値及び監視結果とともに,

あらかじめ準備した用紙に記録し,

立会人が署名をして,試験記録(ログシート)となる。

記録は日付,時間,大気状態(温度,圧力及び相対湿度)及び他の必要な記録項目を含む。この記録は,


31

B 8041

:2012

計器補正などをしない実際のデータでなければならない。各々の測定位置は,そのプロジェクト固有の受

渡試験要領書で規定した記号を使用して,フローチャート上に明確に記載する。

受渡試験においては,修正のないログシート及び記録チャートは,当事者の所有物となる。ログシート

及び記録チャートが,試験記録の全てである。

ログシートの原紙及び記録チャートは,複写機での複製は許容するが,手描きの複写は認めない。

試験終了後,全ての電子的に取得したデータは,必要とする当事者に提供する。全ての手書きの測定デ

ータは,サインをして,当事者に配布する。

全ての当事者で会合をもち,試験が,試験要領書及び試験規格で要求される指針に基づき実施されたこ

とを合意する。この合意によって,その試験は,公式の試験となる。

7.8 

試験の有効性 

受渡試験の結果は,購入者及び供給者の代表によって相互に確認しなければならない。

試験の実施中又は終了後のデータ解析において,

試験の有効性に影響を及ぼす矛盾が発見された場合は,

当事者間の合意によって,不整合を修正又は取り除くために,適切な対処をしなければならない。

試験中,次の条件が一つでも発生した場合は,試験は無効とする。

a)

外部又は内部の原因によるガスタービン発電装置の負荷遮断

b)

冗長性のない試験機器の故障

c)

表 のパラメータの変動が制限値を超えた場合(変動を許容する旨の,当事者間の書面による合意が

ない場合)

d)

ガスタービンの運転に負荷制限をかけた状態での運転(負荷制限を許容する旨の,当事者間の書面に

よる合意がない場合)

e)

運転中の防氷装置の作動(許容する旨の当事者間の書面による合意がない場合)

試験結果の計算 

出力及び熱効率の算出には,この規格で示すように計器類の補正等を行った後,1 回の試験の間に測定

した値の平均又は積算した値を用いてもよい。

8.1 

性能試験結果 

8.1.1 

全般 

8.1

での計算例は,発電機駆動用に基づくものであるが,機械駆動用に変換,適用することができる。

8.1.2 

出力 

測定出力が契約で決められた基準出力又は保証出力の場合,測定結果は,式(12)によって指定基準条件

に修正することができる。

発電機駆動用では,単相電力計の変成器 2 次側で測定される有効電力

P

e9

は,次の式によって算出する。

(

) (

)

[

]

i

n

i

K

I

K

U

P

=

=

1

I

S

U

S

e9

cos

ϕ

 (1)

ここに,

U

S

変成器 2 次側電圧

I

S

変成器 2 次側電流

K

U

変圧比

K

I

変流比

cosφ

発電機力率

n

相数,通常

n

=3


32

B 8041

:2012

図 に示す 9.1b 点と 9.1c 点との間の有効電力を決定する際に,昇圧用変成器の損失を考慮する場合は,

実試験での損失は,変成器工場検査データに基づき,次の式によって計算する。

2

r

m

LL

2

r

m

NLL

TRL

⎟⎟

⎜⎜

+

⎟⎟

⎜⎜

=

S

S

P

U

U

P

P

 (2)

ここに,

P

TRL

変成器損失

P

NLL

変成器無負荷損失(工場検査データ)

U

m

発電機電圧(実測値)

U

r

定格発電機電圧

P

LL

変成器負荷損失(工場検査データ)

S

m

皮相電力(実測値)

S

r

定格皮相電力

機械出力は,トルクメータ又は負荷装置の熱収支によって決定する。

8.1.3 

熱効率/熱消費率 

ガスタービンの熱効率

η

は,発電機出力及び正味熱消費量から,次の式によって算出する。

f4

e9

Q

P

=

η

 (3)

ここに,

P

e9

発電機出力(kW)

Q

f4

燃料熱消費量(真発熱量基準)

(kW)

熱消費率

HR

(kJ/kW・h)  は,次の式によって算出する。

600

3

1

600

3

e9

f4

=

=

η

P

Q

HR

 (4)

熱消費量

Q

f4

(kW)  は,次の式によって算出する。

(

)

SH

Q

m

Q

l

+

=

0

f4

f4

&

 (5)

顕熱

SH

(kJ/kg)  は,次の式によって算出する。

(

)

f0

f4

f4

p,

0

f4

T

T

c

h

h

SH

=

=

 (6)

ここに,

m

&

f4

燃料消費量(kg/s)

Q

l0

定圧真発熱量(15  ℃)

(kJ/kg)

h

f4

燃料の比エンタルピー(温度 T

f4

(kJ/kg)

h

0

燃料の比エンタルピー(温度 T

f0

=15  ℃)

(kJ/kg)

c

p,f4

燃料の定圧比熱(kJ/kg・K)

8.1.4 

タービン排気エネルギー 

タービン排気エネルギーは,

図 及び図 で定義する試験境界を通過するエネルギーを測定し,試験領

域のエネルギー収支から計算できる。

LT

e9

g8

w4

f4

a1

Q

P

Q

Q

Q

Q

+

+

=

+

+

 (7)

ここに,

Q

a1

m

&

a1

h

a1

m

&

a1

吸気の質量流量

h

a1

吸気の比エンタルピー

Q

f4

m

&

w4

(Q

LT

SH)

m

&

f4

燃料の質量流量

Q

LT

燃料真発熱量

SH: 燃料顕熱

Q

w4

m

&

w4

h

w4


33

B 8041

:2012

m

&

w4

温度 T

w4

で噴射された水又は蒸気の質量流量

h

w4

噴射した水又は蒸気の比エンタルピー 
(水の蒸発は,比エンタルピーを負の値として考慮す
る。

Q

g8

タービン排気エネルギー(Q

g8

Q

g7

とする。

P

e9

発電機端出力

Q

LT

Q

m

Q

G

Q

GB

Q

r

Q

th

ここに,

Q

LT

エネルギー損失の合計

Q

m

機械損失

Q

G

発電機損失

Q

GB

減速機損失

Q

r

放射損失,ふく射損失

Q

th

熱損失(空冷冷却器)

Q

r

(1−η

tc

m

&

f4

(Q

l0

SH)

η

tc

熱焼器効率

比エンタルピー(h)は,一般的には,hc

p

(TT

0

)  と定義する。ここに,c

p

は定圧比熱,は測定温度,

T

0

はエンタルピーの基準温度(通常 273.15 K であるが,変更することも可能である。

)である。

式(7)は,式(8)のように表すことができる。

m

&

a1

c

p,a1

(T

a1

T

0

)+ m

&

w4

(Q

l0

SH)+Q

w4

Q

g7

P

e9

Q

LT

 (8)

基準温度 T

0

を大気温度とし  (T

0

T

a1

),Q

a1

を無視して,式(8)を単純化する。式(8)で,Q

LT

を各成分に置

き換えると Q

g7

は,

Q

g7

= m

&

w4

(Q

l0

SH)

η

tc

Q

w4

P

e9

Q

m

Q

G

Q

GB

Q

th

 (9)

ここで, m

&

f4

(Q

l0

SH)  は,燃料の流入熱 Q

f4

であり,電力 P

e9

をガスタービンの熱効率 η で除したもの

である。

η

e9

f4

P

Q

=

 (10)

よって,式(9)は,式(11)のように表すことができる。

th

GB

G

m

w4

tc

e9

g7

1

Q

Q

Q

Q

Q

P

Q

+

⎟⎟

⎜⎜

=

η

η

(11)

Q

g7

は,エンタルピーの基準温度を

T

a1

としたときの,ガスタービン排気エネルギーである。

8.2 

測定結果の指定基準条件への修正 

受渡試験を実施する場合には,測定結果の修正を最小限とするため,指定基準条件にできるだけ近い状

態でガスタービンを運転することが好ましい方法である。しかし,この方法は,常に適用できるとは限ら

ず,試験を他の条件下で実施しなければならない場合がある。この場合は,測定値と保証性能値とを容易

に比較するために,測定結果を指定基準条件に修正する。

8.2.1 

修正方法 

測定値を指定基準条件に修正する基本式は,この規格で規定した全ての形式のガスタービンに適用でき

る。

適用する修正内容は,試験するガスタービンの形式及び試験目的による。測定した性能結果を指定基準

条件に修正するために,出力,熱消費率,排気流量又は排気エネルギー及び排気温度の各測定項目に対す

る大気温度,噴射流体などの影響を分離して修正することができる。


34

B 8041

:2012

定義した範囲内で,ある変数の値を変えて計算することによって,一組の修正値が得られる。修正値を

図示することによって,その変数についての一つの曲線が得られる。その修正値を表すために,関数式を

作成する場合は,一つの変数に対して一つの関数式が決まる。

幾つかの修正は,二つの変数に依存するため,

2

変数関数式とする必要がある。

2

変数関数式を作成する

には,まず変数値の一方だけを変化させて,一組の修正値を計算し,次に,もう一方の変数値を変えて,

複数の組の修正値を求める。

2

変数関数式をグラフ化する場合,第

2

変数を定数とした曲線の集合体を第

2

変数の値を変更することによって作成する。

例えば,燃料組成による修正は,ガスタービン性能に対する影響をよりよく特徴づけるために,

2

個以

上の燃料成分に分けた方がよい場合がある。

修正式を規定する場合,

2

変数関数式を作成するか,又は,

1

変数関数の修正式をグラフ化し,変数間で

の修正を決める関数式を定義する。独立変数及び従属変数の関係を示すデータ表が必要となる。数式化及

びグラフ化が推奨される。

8.2.2 

修正計算式及び修正係数 

電力又は機械出力及びガスタービン燃料消費量の測定は,性能試験に必要不可欠である。

測定結果を,契約書の該当項目で規定している指定基準条件に修正するためには,十分な裏付けのある

データを記録しなければならない。それによって,測定結果と指定基準条件でのガスタービン性能との比

較ができる。修正曲線は,試験実施前に提示しなければならない。ガスタービン周囲の試験条件又は試験

境界が明確になっていることが重要である。試験境界を出入りする全ての流れを特定し,決定しなければ

ならない。出力,熱効率,熱消費率,タービン出口温度及びタービン排気エネルギーの修正計算式並びに

修正係数の概要を次に示す。

8.2.2.1 

出力修正 

測定及び計算した試験結果は,次の基本式によって修正する。

=

=

N

i

C

P

P

1

i

,

p

m

,

9

c

,

9

 (12)

ここに,

P

9,c

ガスタービン修正出力

P

9,m

ガスタービン測定/計算出力

C

p,i

出力修正係数

N

修正係数の数

8.2.2.2 

熱効率修正及び熱消費率修正 

測定及び計算した試験結果は,次の基本式によって修正する。

=

=

N

i

C

1

i

η,

m

c

η

η

 (13)

ここに,

η

c

ガスタービン修正熱効率

η

m

ガスタービン測定/計算熱効率

C

η,i

熱効率修正係数

N

修正係数の数

修正熱消費率は,次の式によって算出する。

c

1

i

η,

m

c

600

3

η

=

=

=

N

i

C

HR

HR

 (14)

ここに,

HR

c

ガスタービン修正熱消費率

HR

m

ガスタービン測定/計算熱消費率


35

B 8041

:2012

8.2.2.3 

タービン出口温度修正 

測定及び計算した試験結果は,次の基本式によって修正する。

=

Δ

=

N

i

T

T

1

i

TOT,

m

g7,

c

g7,

 (15)

ここに,

T

g7,c

修正タービン出口温度(℃)

T

g7,m

測定タービン出口温度(℃)

Δ

TOT,i

タービン出口温度修正係数(K)

N: 修正係数の数

8.2.2.4 

タービン排気エネルギー修正 

タービン排気エネルギーの指定基準条件への修正は,修正出力[式(12)],修正熱効率[式(13)]及び修正タ

ービン出口温度[式(15)]を入力変数として,式(11)によって決定する。その代わりに,タービン排気質量流

量及び温度の修正によってもよい。

式(11)の入力変数は,次の値に置き換えることができる。

測定修正出力

P

e9

 :P

e9,c

熱効率

η  :η

c

測定噴射流体エネルギー

Q

w4

Q

w4,mc

熱損失

Q

th

Q

th,m(d)

熱損失の値は,実測結果から決定できない場合は,次のように,設計値から算出することも可能である。

機械損失

Q

m

  :Q

m,d

減速機損失

Q

GB

 :Q

GB,d

発電機損失

Q

G

  :Q

G,d

エンタルピーの基準温度(T

0

)を T

a1

とすれば,式(11)の Q

g7

は,修正タービン排気エネルギーQ

g7,c,Ta1

なる。Q

g7,c,Ta1

は,式(16)で算出する。

)

d

(

m

th,

d

GB,

d

G,

d

m,

mc

,

4

w

c

tc

c

,

9

e

Ta1

c,

,

7

g

1

Q

Q

Q

Q

Q

P

Q

+

⎟⎟

⎜⎜

=

η

η

 (16)

ここに,

Q

g7,c,Ta1

基準大気温度 T

a1

での修正タービン排気エネルギー

P

e9,c

式(12)で算出される測定,修正出力

η

c

式(13)で算出される測定,修正熱効率

η

tc

燃焼器効率(設計値)

Q

w4,mc

測定・修正された噴射流体熱エネルギー

Q

m,d

機械損失(設計値)

Q

G,d

発電機損失(設計値)

Q

GB,d

減速機損失(設計値)

Q

th,m(d)

熱損失(測定値又は設計値)

次に,エンタルピーの基準温度を T

a1

から T

0

に変更し,Q

g7,c,Ta1

を修正する。式(16)を次式のように書き

換える。

(

)

1

a

c

g7,

g7

p,

c

g7,

1

Ta

c,

g7,

T

T

c

m

Q

= &

 (17)

エンタルピーの基準温度 T

0

でのタービン排気エネルギーは,

(

)

0

c

g7,

g7

p,

c

g7,

0

T

c,

g7,

T

T

c

m

Q

= &

 (18)

式(17)及び式(18)から,修正タービン排気エネルギーは,

(

)

(

)

a1

c

g7,

0

c

g7,

Ta1

c,

g7,

T0

c,

g7,

T

T

T

T

Q

Q

=

 (19)


36

B 8041

:2012

ここに,

Q

g7,c,Ta1

式(16)で算出される基準大気温度 T

a1

での修正タービン

排気エネルギー

T

g7,c

式(15)で算出される修正排気温度(K)

T

0

比エンタルピーの基準温度(通常 273.15 K)

T

a1

契約上の基準大気温度(K)

8.2.2.5 

修正係数の概要 

表 10 は,出力,熱効率及びタービン出口温度の修正係数をまとめたものである。

表 10−修正係数の概要 

指定基準条件のパラメータ

出力

熱効率

タービン出口温度

大気圧

C

p,1

C

η,1

Δ

TOT,1

大気温度

C

p,2

C

η,2

Δ

TOT,2

相対湿度

C

p,3

C

η,3

Δ

TOT,3

発電機力率

C

p,4

C

η,4

Δ

TOT,4

発電機周波数,ガスタービン又は

パワータービン回転速度

C

p,5

C

η,5

Δ

TOT,5

吸気圧力損失

C

p,6

C

η,6

Δ

TOT,6

排気圧力損失

C

p,7

C

η,7

Δ

TOT,7

噴射流体流量

C

p,8

C

η,8

Δ

TOT,8

燃料組成

C

p,9

C

η,9

Δ

TOT,9

熱抽出

C

p,10

C

η,10

Δ

TOT,10

熱損失

C

p,11

C

η,11

Δ

TOT,11

修正係数は,ガスタービンの構成,試験範囲及び契約仕様に基づき,個々の受渡試験要領書を作成する

際に,決定する。修正係数は,必要に応じて追加する。適用しない修正係数は,乗法係数の場合は 1,加

法係数の場合は,0 とする。

基本的に,修正係数は,ガスタービン製造業者が提出する修正曲線から得られる。修正曲線は,標準状

態又は指定基準条件から想定される範囲で,パラメータを変化させて作成する。幾つかの修正曲線は 2 変

数となる。この場合の修正曲線の作成については,8.2.1 に規定する。この種の修正係数は,第 2 変数を定

数とし,曲線群の集合体としてグラフ表示する。試験結果の評価時の修正作業の容易化及び修正曲線の読

み間違いを防ぐために,修正曲線に加えて,曲線の関数式又は内挿用基準値の表を提出してもよい。

指定基準条件が比較基準条件(3.9 参照)と異なる場合,修正係数は,次式によって計算する。

b

i,

p,

a

i,

p,

i

p,

C

C

C

=

 (20)

(

)

b

i,

TOT,

a

i,

TOT,

i

TOT,

Δ

Δ

=

Δ

 (21)

ここで,添え字 a は,測定値から比較基準条件への修正値及び添え字 b は,指定基準条件から比較基準

条件への修正値を示す。

ガスタービン製造業者が,修正パラメータに対する性能変化を示す線図を提供する場合がある。

このような場合,乗数の修正係数は,次の出力修正の例に示すように,性能変化の逆数と等しくなる。

⎟⎟

⎜⎜

=

ref

i

p,

1

P

P

C

 (22)


37

B 8041

:2012

ここに,

P: 修正パラメータの関数で計算した出力

P

ref

指定基準条件又は比較基準条件での出力

製造業者が提供するガスタービン性能シミュレーションモデルも,試験結果の修正に使用することがで

きる。シミュレーションモデルは,複雑なガスタービンシステムの受渡試験時又は修正パラメータが独立

でない場合に使用してもよい。

8.3 

その他のガスタービン性能パラメータ 

8.3.1 

一般 

8.3.2

8.3.5 では,次に示す項目を規定する。

−  ガスタービンエネルギー収支

−  圧縮機入口空気質量流量

−  燃焼器エネルギー収支

−  タービン入口ガス温度

技術の発展に伴い,幾つかのパラメータは,製造業者のデータ及び複雑な計算によって決定される。そ

のため,8.3.4 及び 8.3.5 に引用している式は,指針として示したものである。適切な無次元修正曲線は,

使用してもよい。

8.3.2 

ガスタービンエネルギー収支 

1  熱収支領域

5  圧縮機

2  空気冷却器

6  ギアボックス

3  熱源

7  負荷

4  タービン

図 4−ガスタービンエネルギー収支における熱収支領域 

ガスタービンエネルギー収支は,次式による。

m

ae

g8

r

1

.

ct3

e3

s

b

2

.

ct3

w4

f4

a1

Q

Q

Q

Q

Q

Q

P

P

Q

Q

Q

Q

+

+

+

+

+

+

=

+

+

+

+

 (23)

ここに,

1

a

1

a

a1

h

m

Q

= &

圧縮機吸気のエネルギー

(

)

0

f4

0

f4

f4

h

h

Q

m

Q

l

+

= &

燃料のエネルギー


38

B 8041

:2012

w4

w4

w4

h

m

Q

= &

水/水蒸気のエネルギー

2

.

ct3

ct3

2

.

ct3

h

m

Q

= &

空気冷却器出口の空気のエネルギー

P

b

冷却空気昇圧機の消費動力

G

GB

e9

s

Q

Q

P

P

+

+

=

軸出力

a3

e3

e3

h

m

Q

= &

外部に抽気された空気のエネルギー

3

a

3

ct

1

.

3

ct

h

m

Q

= &

空気冷却器入口の空気のエネルギー

(

)

(

)

0

f4

0

f4

tc

r

1

h

h

Q

m

Q

l

+

=

&

η

: ふく射及び対流による熱損失

g8

g8

g8

h

m

Q

= &

タービン排気のエネルギー

ae

ae

ae

h

m

Q

= &

熱収支領域から漏えいする空気のエ
ネルギー

Q

m

機械損失

ここに,

a1

m

& : 圧縮機吸気の質量流量(kg/s)

1

a

: 圧縮機に流入する温度 T

a1

の空気の比エンタ

ルピー(kJ/kg)

f4

m

& : 収支領域に流入する燃料の質量流量(kg/s)

0

l

: 基準温度における燃料の真発熱量(LHV),

(kJ/kg)

f4

: 熱源(燃焼器)に流入する温度 T

f4

の燃料の比

エンタルピー(kJ/kg)

0

: 基準温度における燃料の比エンタルピー

(kJ/kg)

w4

m

& : 熱収支領域に流入する注入水又は蒸気の質量

流量(kg/s)

w4

: 熱収支領域に流入する温度 T

w4

の注入水又は

注入蒸気の比エンタルピー(kJ/kg) 
水の蒸発を考慮すると比エンタルピーは負の
値になることもある。

ct3

m

& : 外部冷却器から流出し熱収支領域に流入する

空気の質量流量  (kg/s)

2

.

ct3

h

外部冷却器から流出し熱収支領域に流入する
温度 T

c3.2

の空気の比エンタルピー(kJ/kg)

b

: 冷却空気昇圧機の消費動力(kW)

s

: ガスタービンの軸出力(kW)

G

: 発電機の損失(kW)

GB

: ギアボックスの損失(kW)

e9

: 発電機の発電端における電気出力(kW)

e3

m

& : 抽気された圧縮空気の質量流量(kg/s)

a3

: 圧縮機吐出温度 T

a3

における空気の比エンタ

ルピー(kJ/kg)

tc

η

ふく射及び対流による全放熱損失を考慮した
燃焼器効率

g8

m

& : タービン排気の質量流量(kg/s)

g8

: 温度 T

g8

における排気の比エンタルピー

(kJ/kg)

ae

m

& : 熱収支領域から流出するシール及び/又は漏

えい空気の質量流量(kg/s)

ae

: 熱収支領域から漏えいする温度 T

ae

の空気の

比エンタルピー(kJ/kg)


39

B 8041

:2012

注記 1  エネルギー収支計算のガスタービン入口空気温度を表示する。例えば,0  ℃又は 15  ℃。

注記 2  大気及び圧縮機入口は,同一と扱ってもよい場合がある。

注記 3  ガスタービン排気口及び排気塔排気は,同一と扱ってもよい場合がある。

注記 4  m

ct3

は,熱交換器の熱収支から決定する。

8.3.3 

圧縮機入口空気質量流量 

タービン出口における排気質量流量 m

&

g8

は,式(24)のように定義する。

ae

e3

w4

f4

a1

g8

m

m

m

m

m

m

&

&

&

&

&

&

+

+

=

 (24)

図 のガスタービンエネルギー収支は,式(25)で表すことができる。

(

)

(

)

(

)

m

ae

ae

g8

g8

0

f4

0

f4

tc

a3

3

ct

a3

e3

s

b

2

.

ct3

ct3

w4

w4

0

f4

0

f4

a1

a1

1

Q

h

m

h

m

h

h

Q

m

h

m

h

m

P

P

h

m

h

m

h

h

Q

m

h

m

l

l

+

+

+

+

+

+

+

=

+

+

+

+

+

&

&

&

&

&

&

&

&

&

η

 (25)

式(24)を式(25)に代入することによって,次の圧縮機入口空気質量流量の計算式が得られる。

(

)

(

)

(

)

(

)

a1

g8

m

b

s

ae

g8

ae

a3

g8

e3

2

.

3

ct

a3

ct3

w4

g8

w4

tc

8

g

0

f4

0

tc

f4

1

a

h

h

Q

P

P

h

h

m

h

h

m

h

h

m

h

h

m

h

h

h

Q

m

m

l

+

+

+

+

+

+



+

=

&

&

&

&

&

&

η

η

 (26)

式(24)を用いてタービン排気質量流量を決定することができる。

圧縮機の入口空気流量又はタービンの排気流量は,別な方法で決定することもできる。例えば,組み込

まれた排熱回収ボイラ(HRSG)のエネルギー収支,ガスタービン又は HRSG 排気塔における酸素濃度測

定,圧縮機入口ベンチュリでの直接空気流量測定などから決定できる。得られた結果の不確かさの大きさ

は,採用した方法に依存する。

8.3.4 

燃焼器エネルギー収支 

1  熱収支領域

5  圧縮機

2  空気冷却器

6  ギアボックス

3  熱源

7  負荷

4  タービン

図 5−燃焼器エネルギー収支における熱収支領域 


40

B 8041

:2012

g6

r

1

.

ct3

ex

b

2

.

3

ct

w4

f4

a3

Q

Q

Q

Q

P

Q

Q

Q

Q

+

+

=

+

+

+

+

+

 (27)

ここに,

(

)

a3

e3

a3

a3

h

m

m

Q

=

&

&

圧縮機吐出空気のエネルギー

(

)

0

f4

0

f4

f4

h

h

Q

m

Q

l

+

= &

燃料のエネルギー

w4

w4

w4

h

m

Q

= &

水/水蒸気のエネルギー

2

.

ct3

ct3

2

.

ct3

h

m

Q

= &

空気冷却器出口の空気のエネルギー

P

b

冷却空気昇圧機の消費動力

Q

ex

等価抽気冷却空気のエネルギー

a3

ct3

1

.

ct3

h

m

Q

= &

空気冷却器入口の空気のエネルギー

(

)

(

)

0

f4

0

f4

tc

r

1

h

h

Q

m

Q

l

+

=

&

η

ふく射及び対流による熱損失

g6

g6

g6

h

m

Q

= &

タービン入口ガスのエネルギー

ここに,

a3

m

& : 圧縮機吐出空気の質量流量(kg/s)

a3

: 圧縮機吐出温度 T

a3

における空気の比エン

タルピー(kJ/kg)

g6

m

& : タービンに流入するガスの質量流量(kg/s)

g6

: タービンに流入する温度 T

g6

のガスの平均

比エンタルピー(kJ/kg)

注記  燃焼器又は燃焼システムのふく射及び対流熱損失は,ガスタービンシステム全体のふく射及び

対流熱損失に等しいと仮定する(8.3.2 参照)

多くのガスタービンは,圧縮機出口からだけでなく圧縮機の異なる抽気段からもタービン冷却空気を抽

気している。圧縮機における冷却空気の扱いを単純化するために,等価抽気エネルギーQ

ex

(箇条 参照)

を導入する。

(

)

a1

eq

a1

ex

h

m

m

Q

=

&

&

 (28)

a1

a3

COMP

eq

h

h

P

m

=

&

 (29)

(

)

(

)

=

=

n

i

h

h

m

h

h

m

P

1

i

ex,

a3

i

ex,

a1

a3

a1

COMP

&

&

 (30)

ここに,

eq

m

& : 冷却空気は抽気しないが,実際の圧縮機のように抽気空

気量に相当する動力を消費するものとした等価の圧縮機
の入口空気質量流量(kg/s)

i

ex,

m

& : 圧縮機の 段目から抽気した空気の質量流量(kg/s)

i

ex,

h

圧縮機の 段目から抽気した温度 T

ex,i

の空気の比エンタ

ルピー(kJ/kg)

実際の圧縮機と等価圧縮機との入口空気質量流量の差は,比の形にして次のように表す。

1

eq

a1

d

=

m

m

m

&

&

&

 (31)

パラメータ m

d

は,圧縮機の抽気系統を考慮しないならばゼロとしてよい。

ISO

タービン入口温度の定義(3.15 参照)によって,

−  タービン冷却空気は,燃焼器エネルギー収支の熱収支領域に加える。

−  タービン入口でのガス質量流量は,タービン出口でのガス質量流量に等しい。

8.3.5 

タービン入口ガス温度 

8.3.5.1 

一般 


41

B 8041

:2012

一般に,ガスタービンは,タービン入口温度を基礎として設計する。しかし,タービン入口の物理的温

度を直接測定することは,多くの場合は,実際的ではない。したがって,通常,タービン入口温度は,熱

収支計算から決定する。

8.3.4

によって,初段静翼前タービン入口温度の仮想的な値を得ることができる。その値は,シール空気

を含んだ全タービン冷却空気が燃焼器を出て,タービン初段静翼に到達する前の燃焼ガスに混合された無

冷却タービンの等価平均温度を表している。したがって,このタービン入口ガス温度は,物理的タービン

入口温度とタービン冷却空気流量との関係(

図 参照)を考慮している。この方法による計算結果は,同

じ入口圧力及び排気パラメータをもつ無冷却タービンが実際のタービンと同等の出力を発生するときのタ

ービン入口温度になる。

1  燃焼器

◇  燃焼温度(火炎温度)

2  燃焼器冷却空気

□  初段静翼列前のタービン入口温度(TIT)

3  タービン冷却空気及び漏えい空気

○  初段動翼列前の燃焼ガス温度(RIT)

4  圧縮機段

△  この規格のタービン入口温度

5  タービン静翼列

6  タービン動翼列

図 6−タービン入口ガス温度及びガスタービン内の冷却空気流量の関係を示す概念図 


42

B 8041

:2012

表 11−タービン入口ガス温度に関する複数の異なる定義 

タービン入口ガスの比エンタルピーの計算式

(

)

f4

a3

0

f4

0

tc

f4

a3

a3

g6

m

m

h

h

Q

m

h

m

h

l

&

&

&

&

+

+

+

=

η

タービン入口ガス温度

比エンタルピー計算に用いる空気流量(

m

&

a3

燃焼(火炎)温度

CA,CC

CA,T

a1

a3

m

m

m

m

&

&

&

&

=

1 段静翼前のガス温度(TIT)

CA,T

a1

a3

m

m

m

&

&

&

=

1 段動翼前のガス温度(RIT)

stV

1

,

CA

T

CA,

a1

a3

m

m

m

m

&

&

&

&

+

=

この規格のタービン入口ガス温度 
(ISO タービン入口温度)

a1

a3

m

m

&

& =

注記 

m

&

a1

:圧縮機吸気の質量流量

m

&

f4

:燃料の質量流量

m

&

a3

:燃焼器入口空気の質量流量

h

g6

:タービン入口の燃焼ガスの比エンタルピー

m

&

CA,T

:タービン冷却空気全体の質量流量

h

a3

:燃焼器入口の空気の比エンタルピー

m

&

CA,1stV

:初段タービン翼列冷却空気の質量流量

Q

l

0

:燃料の真発熱量(LHV)

m

&

CA,CC

:燃焼器冷却空気の質量流量

h

f4

:燃料の比エンタルピー

η

tc

:燃焼器の効率

h

0

:規準温度における燃料の比エンタルピー

表 11 は,ガスタービン製造業者などが使用しているタービン入口ガス温度の異なる定義を示す。

この表を参照する場合には,ガスタービン全体のエネルギー収支(

図 4)及び燃焼器のエネルギー収支

図 5)を参考にするのがよい。

これらの構成図は,一例である。実際のガスタービンの構成に対し,単純化した熱収支を適用するため

に,その構成に,熱収支境界を横切るある種の特異な質量及びエネルギー流れを含んでいる。例えば,外

部空気冷却器(熱エネルギー)

,冷却空気昇圧機(機械エネルギー)

,空気の抽気又は水の注入(質量流量

変化)などである。

表 11 は,選定した熱収支領域に流入し流出する全てのエネルギー流れを示す。さらに,測定値又は指定

値から,どのようにしてエネルギーの流れを推定するのかを示している。

最初の段階では,ガスタービン全体のエネルギー収支を圧縮機の空気流量を決定するために使用する。

この計算結果を,燃焼器におけるエネルギー収支を導く式として使用し,タービン入口ガスの平均比エン

タルピーを求めることができる。ガス成分及びガス物性表を使用した最終的な結果が ISO タービン入口ガ

ス温度になる。

多くのガスタービンがタービン部品を冷却するために圧縮機出口より前での抽気を使用している。その

エネルギー収支に必要な冷却空気流量の全てを測定していないならば,簡略化が必要である。この目的の

ために m

d

値を導入し,抽気はしていないが抽気をする実際の圧縮機の消費動力を考慮した空気入口質量流

量 m

eq

の圧縮機を想定する。式(31)で定義されるように,m

d

は,実際の圧縮機及び等価な仮想的圧縮機の

入口質量流量差を相対値として表した値を意味する。

8.3.5.2 ISO

タービン入口ガス温度 

式(27)から,燃焼器のエネルギー収支は,次の式によって表すことができる。

(

)

(

)

(

)

(

)

(

)

g6

g6

0

f4

0

f4

tc

a3

ct3

1

eq

a1

b

ct3.2

ct3

w4

w4

0

f4

0

f4

a3

e3

a3

1

h

m

h

h

Q

m

h

m

h

m

m

P

h

m

h

m

h

h

Q

m

h

m

m

l

a

l

+

+

+

=

+

+

+

+

+

+

&

&

&

&

&

&

&

&

&

&

η

 (32)


43

B 8041

:2012

ここに,

eq

a3

m

m

&

& =

 (33)

ae

e3

w4

f4

a1

g6

m

m

m

m

m

m

&

&

&

&

&

&

+

+

=

 (34)

ISO タービン入口ガス温度の計算式は,式(33)及び式(34)を式(32)に代入することによって得られる。

(

)

(

)

(

)

ae

e3

w4

f4

a1

b

0

f4

0

tc

f4

2

.

ct3

a3

ct3

w4

w4

a3

e3

a1

a3

eq

a1

a1

g6

m

m

m

m

m

P

h

h

Q

m

h

h

m

h

m

h

m

h

h

m

h

m

h

l

&

&

&

&

&

&

&

&

&

&

&

+

+

+

+

+

+

+

=

η

 (35)

温度

T

g6

は,

h

g6

及び排気の成分に影響される。

一般に,空気及び燃焼ガスの比エンタルピーは,温度及び成分の関数として計算する。計算に当たって

は,ガスの成分ごとのガス特性データ表及び水蒸気エンタルピーデータ表を用いる。  使用するガスデータ

は,製造業者の責任で選定し,性能データとともに参考文献として表記する。

参考として,次の表を示すが,他の適切な表を使用してもよい(詳細は,

附属書 B  参考文献を参照)。

− VDI

4670(2003)

− JANAF(1985)

− NASA(1994)

− ASME

PTC4.4(1981)

− The

Landolt−Börnstein Database(1967/1971)又はその最新版

−  Extended IAPWS IF97 Steam Tables

試験の報告 

報告書には,試験の目的を達成したことを確認するための十分な事項を記載する。報告書の形式は,次

に示す一般的な様式による。報告書の冒頭には,次の事項を記載する。

a)

報告書番号又は他の参照用記号

b)

試験の日付

c)

試験の表題

d)

試験の実施場所

e)

ガスタービンの型式及び製造番号

f)

報告書作成者

g)

報告書の日付

報告書の目次は,主な項目別に分類する。概要の項には,試験の目的,結果及び結論を要約して記述す

る。報告書の本文には,次のものを記載する。

a)

試験の目的,保証事項及び合意事項

b)

試験要領書から大きく異なった場合の合意事項

c)

試験時の状態が指定基準条件と異なった場合に適用した修正係数

d)

必要な場合,燃料物性値及び燃料流量の詳細な計算

e)

試験時の条件が指定基準条件と異なる場合の指定基準条件への修正計算の詳細

f)

試験結果の考察及び結論

g)

必要な場合,測定の不確かさ計算

h)

試験の参加者が含めることに合意しているその他の情報

既に全ての参加者に利用可能となっているならば,次の情報は省略してよい。


44

B 8041

:2012

a)

試験所からの計器校正結果及び製造業者からの証明書

b)

装置,計器及びそれらの設置場所についての説明書

c)

関係する測定及び監視についての要約

d)

燃料分析結果

e)

計算手法の詳細

f)

試験に参加した組織及び人


45

B 8041

:2012

附属書 A

(参考) 
不確かさ

A.1

  序文 

どのような測定方法,処理方法及び測定装置によっても,測定結果は,誤差をもたらす不完全さを含ん

でおり,測定によって決定する物理量の真の値が不可知であることは,紛れもない事実である。測定値に

ついての正確な理解が欠如すると,測定結果は,測定値の近似値又は概略値にしかなり得ない。測定結果

は,不確かさを伴って,初めて完全なものになる。

なお,ガスタービンの性能試験結果についての不確かさの評価は,ISO/IEC Guide 98-3 及びその関連国

際規格によって推奨されている不確かさの概念及び表現方法に基づいている。

A.2

  測定の不確かさ解析の一般原則 

従来から,測定結果の不確かさは,二つの誤差要素をもっているとされている。一つは,測定値の確率

論的な時間及び空間における,ばらつきから発生する予測不可能な偶然誤差,もう一つは,大きさ及び方

向が一定で再現性があるとみなすことができる系統誤差又はバイアスである。

このような誤差分類の方法は,曖昧なものとなり得る。なぜならば,測定プロセスを表現する数学モデ

ルの中で,どのように誤差量を表すかに依存するからであり,偶然誤差は系統誤差になり得るし,その逆

もあり得るからである。

そのような曖昧さを避けるために,ISO/IEC Guide 98-3 の概念では,不確かさの成分を成分そのもので

はなくその評価方法によって分類している。

不確かさ成分は,次の二つの評価方法によるグループに分類する。

A:一連の測定値の統計的解析によって評価する方法“不確かさ評価タイプ A” 
B:統計的分析以外による評価方法“不確かさ評価タイプ B”

A.2.1

  不確かさのタイプ 評価 

試験結果の不確かさの計算に用いるタイプ A 評価の不確かさの成分,

すなわち,

タイプ A の不確かさは,

ランダムなばらつきをもつ変数

q

n

個の測定値に基づき,それらの平均値の標準偏差(推定標準偏差)

s

)[式(A.1)]によって表す。

( ) ( )

n

q

s

q

s

k

=

(A.1)

ここで,

( )

k

q

s

は,次式で示す分散

( )

2

k

q

s

の正の平方根である。

( )

[

]

=

=

n

k

k

k

q

q

n

q

s

1

2

2

1

1

(A.2)

ここに,

q

k

変動する入力量の個々の測定値

n

個の測定値の相加平均値

この場合,

v

n

−1 の自由度をもつランダムな変数

q

は,正規分布(ガウス分布)の確率密度関数に従

うものとする。

したがって,試験における測定値

X

i

の推定値

i

i

X

x

=

の標準不確かさ

u

(

x

i

)  は,式(A.2)によって計算され

( )

2

i

X

s

を用いて

( )

( )

i

i

X

s

x

u

=

となる。


46

B 8041

:2012

A.2.2

  不確かさのタイプ 評価 

タイプ B 評価の不確かさの成分,すなわち,タイプ B の不確かさは,測定機器,測定装置の校正結果又

は検査証明書として製造業者が提供するデータに基づく。

例として,ある量 の校正結果が,Xx±として報告されている場合は,は(最良)推定値,

拡張不確かさであり,式(A.6)によって,Uku

c

で表す。u

c

は,式(A.3)で表す合成標準不確かさ,は包含

係数である。さらに,タイプ B の標準不確かさ u(x

i

)  は,を係数 で除したものとなる。

係数 についての情報が提供されない場合は,正規分布を仮定すれば,包含係数 k=2 及び自由度 v≧30

とすると約 95 %の信頼水準となる。

A.2.3

  合成標準不確かさ 

測定結果の合成標準不確かさ u

c

(

y)  は,推定標準偏差であり,測定値 の値のばらつきを適切に特徴づ

けるものである。

互いに相関がない入力量の場合は,u

c

(

y)  は,不確かさの伝ぱ(播)則によって計算する合成分散値 u

c

2

(

y)

の正の平方根であり,一般には,二乗和の平方根(RSS:root-sum-of-squares)として,式(A.3)から求める。

( )

( )

i

N

i

i

x

u

x

f

y

u

2

2

1

2

c

=

=

(A.3)

互いに相関がある入力量の場合には,次式となる。

( )

( )

( )

( )

( ) ( )

∑∑

∑∑

=

=

+

=

=

N

i

i

i

N

i

N

i

J

j

i

j

i

i

i

N

i

N

j

j

i

j

i

x

u

x

u

x

x

r

x

f

x

f

x

u

x

f

x

x

u

x

f

x

f

y

u

1

1

1

1

2

2

1

1

2

c

,

2

,

(A.4)

ここに,

x

i

測定値

X

i

の推定値

x

j

測定値

X

j

の推定値

また,

r(x

i

,  x

j

)

は,

x

i

x

j

の相関の度合いを示す相関係数であり,−

1

r(x

i

,  x

j

)

≦+

1

である。推定値

x

i

x

j

が独立の場合は,

r(x

i

x

j

)

0

である。

合成標準不確かさは,タイプ

A

の不確かさ又はタイプ

B

の不確かさのいずれであれ,独立した標準不確

かさ

u(x

i

)

を合成してもよい。

関数

y

f (x

i

)

の偏微分

i

x

f

は,しばしば感度係数と呼ばれ,解析的には,入力推定値

x

i

に対する

y

関数として,又は数値的には,入力推定値

x

i

の変化量に対する

y

の変化量

( )

i

y

Δ

から次の式で計算する。

( )

i

i

i

x

y

x

f

Δ

Δ

=

(A.5)

A.2.4

  拡張不確かさの決定 

拡張不確かさ

U

は,標準不確かさ

u(x

i

)

に包含係数

k

を乗じて求める値であり,指定した信頼水準にて

測定結果の値を包含する区間として定義される。

( )

i

x

u

k

U

=

(A.6)

実用上は,信頼水準

95 %

(正確には

95.45 %

)及び自由度

v

30

に対応する,包含係数

k

2

を用いる。

A.3

  不確かさの計算例 

不確かさの計算手順を,単純なガスタービンの性能試験を例として次に示す。


47

B 8041

:2012

修正出力,修正熱効率及び修正排気エネルギーの不確かさの決定に使用する,試験境界における入力変

数を,

図 A.1 及び表 A.1 のように決定する。

1  吸気フィルタ

4  タービン

2  圧縮機

5  発電機

3  燃焼器

6  試験境界

図 A.1−試験境界における入力変数の例 

表 A.1−変数 

記号

測定値名

備考

T

a1

大気温度

−  性能修正用変数 
−  4 個以上の測定値の平均

p

a1

大気圧力

−  性能修正用変数

RH

a1

大気湿度

−  性能修正用変数

m

,

f4

v

&

ガス燃料の体積流量

−  熱消費率計算用の入力変数 
−  タービン流量計によって測定

T

f4

ガス燃料温度

−  ガス燃料の密度及び潜熱計算用の入力変数

p

f4

ガス燃料圧力

−  ガス燃料の密度計算用の入力変数

Q

l0

ガス燃料の真発熱量

−  熱消費率計算用の入力変数 
−  燃料の組成による

T

g7

タービン出口ガス温度

−  排気エネルギー修正用変数

P

e9

(発電機の)有効出力

−  出力,熱効率及び排気エネルギー計算用入力変数

cosφ 

発電機の力率

−  性能修正用変数

ガスタービン回転速度

−  性能修正用変数

Q

th

熱損失

−  排気エネルギー計算用入力変数

Q

m

機械損失

−  排気エネルギー計算用入力変数

Q

G

発電機損失

−  排気エネルギー計算用入力変数

計算例には次の仮定を適用する。

a) 

変数の相関  大気温度の測定のように,一つの変数を測定するために複数の測定器を用いる場合,こ


48

B 8041

:2012

れらの測定器は,一つの基準に対し校正を行う。その場合には,測定器は,相関係数+

1

で相関付け

られる。したがって,それぞれの測定結果から計算する平均温度のタイプ

B

の不確かさは,校正の不

確かさと等しくなる。

b) 

タイプ 及びタイプ の不確かさの包含係数  測定値の統計的解析結果から求めるタイプ

A

の不確

かさ,校正から求めるタイプ

B

の不確かさも同様に,信頼水準が

95 %

の包含係数

2

を採用する。

A.3.1

  出力の不確かさ 

修正出力(

P

e9,c

)は,基本式

(12)

によって式

(A.7)

になる。

5

,

p

4

,

p

3

,

p

2

,

p

p,1

m

e9,

c

e9,

C

C

C

C

C

P

P

=

(A.7)

ここに,

P

e9,m

出力測定値

C

p,1

f

(p

a1

)

大気圧力による出力修正係数

C

p,2

f

(T

a1

)

大気温度による出力修正係数

C

p,3

f

(RH

a1

)

大気相対湿度による出力修正係数

C

p,4

f

(cos φ)

発電機力率による出力修正係数

C

p,5

f

(f

)

ガスタービン回転速度による出力修正係数

測定トランスの二次側で三相の全電力を測る場合は,出力測定値(

P

e9,m

)は,次のように表すことがで

きる。

I

V

ms

,

e9

I

V

s

s

m

,

e9

cos

K

K

P

K

K

I

V

P

=

=

ϕ

(A.8)

ここに,

P

e9,ms

測定トランスの二次側で測定した出力

したがって,式

(A.7)

は,次のように書き直すことができる。

5

,

p

4

,

p

3

,

p

2

,

p

1

,

p

I

V

ms

,

e9

c

,

e9

C

C

C

C

C

K

K

P

P

=

(A.9)

出力の測定値と修正値との合成標準不確かさは,不確かさの伝ぱ則,式

(A.4)

から次の式によって決定す

る。

( )

(

)

( )

( )

( )

∑ ∑

=

=

=



+

+

+

=

B

A

j

i

B

A

j

j

j

C

U

C

P

K

U

K

P

K

U

K

P

P

U

P

P

P

U

,

5

1

2

,

i

p,

i

p,

c

e9,

2

I

I

c

e9,

2

V

V

c

e9,

2

ms

,

9

e

ms

e9,

c

e9,

c

e9,

(A.10)

ここに,

(

)

j

P

U

ms

e9,

: 測定値及び測定器の校正証明書から求める出力測定値の

タイプ

A

及びタイプ

B

の不確かさ

( )

V

K

U

工場試験で求める計器用変成器のタイプ

B

不確かさ

( )

I

K

U

工場試験で求める計器用変流器のタイプ

B

不確かさ

( )

j

C

U

i

p,

大気温度,大気圧力,湿度,発電機力率,タービン回転
速度のタイプ

A

及びタイプ

B

の不確かさ

偏微分係数又は感度係数は,

P

e9,c

/

P

e9,ms

:解析的に求める修正出力 P

e9,c

の測定出力 P

e9,ms

による偏微分

P

e9,c

/

K

V

:解析的に求める P

e9,c

の変圧比 K

V

による偏微分

P

e9,c

/

K

I

:解析的に求める P

e9,c

の変流比 K

I

による偏微分

P

e9,c

/

C

p,i

:数値計算で求める修正出力 P

e9,c

の相関変数(感度係数は,相関曲線と等しい傾き

  となる。

出力の不確かさ計算の数値例を

表 A.2 に示す。

A.3.2

  効率の不確かさ 

修正熱効率は,基本式

(13)

によって,式

(A.11)

となる。

5

,

η

4

,

η

3

,

η

2

,

η

m

c

C

C

C

C

=

η

η

(A.11)


49

B 8041

:2012

ここに,

η

m

測定又は計算した熱効率

C

η,2

f

(

T

a1

)

大気温度による効率修正係数

C

η,3

f

(

RH

a1

)

大気相対湿度による効率修正係数

C

η,4

f

(cos

φ

)

発電機力率による効率修正係数

C

η,5

f

(

f

)

ガスタービン回転速度による効率修正係数

(3)

,式

(5)

及び式

(6)

を変形し,式

(A.12)

を得る。

(

)

[

]

5

,

η

4

,

η

3

,

η

2

,

η

f0

m

f4,

f4

p,

0

m

f4,

m

e9,

c

f4,

c

e9,

c

C

C

C

C

t

t

c

Q

m

P

Q

P

l

+

=

=

&

η

(A.12)

ここに,

m

&

f4,m

測定された燃料質量流量

Q

l0

燃料の真発熱量

c

p,f4

燃料の比熱

t

f4,m

試験境界で測定した燃料温度

t

f0

試験境界での基準燃料温度

測定及び修正した熱効率の不確かさは,次による。

( )

( )

( )

( )

( )

∑ ∑

=

=

=

=



+



+



+



=

B

A

j

i

B

A

j

j

l

l

B

A

j

j

j

C

U

C

Q

U

Q

m

U

m

P

U

P

U

,

5

1

2

,

i

η,

i

η,

c

2

0

0

c

,

2

m

f4,

m

f4,

c

2

m

e9,

m

e9,

c

c

η

η

η

η

η

&

 (A.13)

入力量 t

f4,m

及び c

p,f4

の熱効率の不確かさ解析に及ぼす感度は,

0.01 %

以下であるため無視する。

偏微分係数又は感度係数を,次に示す。

m

e9,

c

P

η

解析的に求める効率 η

c

の測定出力 P

e9,ms

による偏微分

m

f4,

c

m

η

解析的に求める効率 η

c

の燃料流量 m

&

f4,m

による偏微分

0

c

l

Q

η

解析的に求める効率 η

c

の真発熱量 Q

l0

による偏微分

i

η,

c

C

η

数値計算で求める効率 η

c

の相関変数(感度係数は相関曲線と等しい傾きとなる。

入力量の不確かさを次に示す。

( )

j

P

U

m

e9,

出力測定値のタイプ

A

,タイプ

B

不確かさ

( )

0

l

Q

U

真発熱量のタイプ

B

不確かさ

( )

j

C

U

i

η,

大気温度,大気圧力,湿度,発電機力率,タービン回転速度のタイプ

A

,タイプ

B

不確

かさ

( )

j

m

U

m

f4,

&

燃料流量測定値のタイプ

A

,タイプ

B

不確かさ,

これらの不確かさは,燃料及び流量計の種類を個々に考慮し決定しなければならない。次に示す例は,

ISO 9951

によるタービンフローメータを用いたガス燃料流量測定に基づいている。

(

)

m

f4,

m

f4,

m

f4,

m

f4,

m

f4,

m

f4,

,

,

,

ρ

=

=

v

tion

gascomposi

T

p

v

f

m

&

&

&

(A.14)

(A.14)

を,実在ガスとして,密度を気体の状態式によって書き換えると,式

(A.15)

を得る。

=

=

N

i

i

i

M

x

T

R

Z

p

v

m

1

m

f4,

m

f4,

m

f4,

m

f4,

m

f4,

&

&

(A.15)

ここに,

v

&

f4,m

測定された体積流量

p

f4,m

測定されたガス燃料圧力


50

B 8041

:2012

T

f4,m

測定されたガス燃料温度

Z

f4,m

圧縮係数

R: モルガス常数

M: 分子量

x: モル比率

燃料質量流量の不確かさは,次の式で決定する。

( )

( )

( )

( )

( )

(

) (

)

=

=

+

+

+

+

=

N

i

i

i

i

i

B

A

A

j

j

j

B

A

j

j

M

x

U

M

x

m

Z

U

Z

m

T

U

T

m

p

U

p

m

v

U

v

m

m

U

1

2

m

f4,

2

m

f4,

m

f4,

m

f4,

,

,

2

m

f4,

m

f4,

m

f4,

2

m

f4,

m

f4,

m

f4,

,

2

m

f4,

m

f4,

m

f4,

m

f4,

&

&

&

&

&

&

&

&

(A.16)

(A.16)

において,感度係数項の決定には,数値計算による方法を推奨する。

ここに,変数の不確かさは,

( )

m

f4,

v

U

&

体積流量測定値のタイプ

A

及びタイプ

B

の不確かさ

( )

m

f4,

p

U

ガス燃料圧力測定値のタイプ

A

及びタイプ

B

の不確かさ

( )

m

f4,

T

U

ガス燃料温度測定値のタイプ

A

及びタイプ

B

の不確かさ

( )

m

f4,

Z

U

圧縮係数のタイプ

B

の不確かさ

(

)

i

i

M

x

U

分子量のタイプ

B

の不確かさ

燃料流量及び熱効率の不確かさ計算の数値例を,

表 A.3 及び表 A.4 にそれぞれ示す。

A.3.3

  タービン排気エネルギーの不確かさ 

修正タービン排気エネルギーの計算式は,式

(16)

及び式

(19)

から次の式によって表すことができる。

(

)

(

)

1

a

c

g7,

0

c

g7,

th

G

m

c

tc

c

,

9

e

0

T

c,

,

7

g

1

T

T

T

T

Q

Q

Q

P

Q





=

η

η

(A.17)

次に示す修正熱効率の式(A.18)を代入する。

c

,

f4

c

,

e9

c

Q

P

=

η

(A.18)

式(A.17)は次の式となる。

(

)

(

)

(

)

a1

c

,

g7

0

c

,

g7

th

G

m

c

,

e9

tc

c

,

f4

T0

,

c

,

g7

T

T

T

T

Q

Q

Q

P

Q

Q

=

η

(A.19)

対応する不確かさは,次の式となる。

(

)

( )

( )

( )

( )

=



+



+

+



=

B

A

j

j

T

U

T

Q

P

U

P

Q

U

Q

Q

U

Q

Q

Q

U

,

2

c

,

g7

c

,

g7

0

T

,

c

,

g7

2

c

,

e9

c

,

e9

0

T

,

c

,

g7

2

tc

tc

0

T

,

c

,

g7

2

c

,

f4

c

,

f4

0

T

,

c

,

g7

0

T

,

c

,

g7

η

η

 (A.20)

入力変数 Q

th

Q

m

及び Q

G

は,不確かさ解析に及ぼす感度は 0.01 %以下であるため無視される。

その他の式(A.20)の感度係数は全て 1 である。

式(A.12)から修正燃料熱量消費 Q

f4,c

は,次の式となる。

c

c

,

e9

c

,

f4

η

P

Q

=

(A.21)


51

B 8041

:2012

対応する不確かさ

( )

c

,

f4

Q

U

は,次の式となる。

( )

( )

( )

=

+



=

B

A

j

j

j

U

Q

P

U

P

Q

Q

U

,

2

c

c

c

,

f4

2

c

,

e9

c

,

9

e

c

,

f4

c

,

f4

η

η

(A.22)

ここで,

( )

c

,

e9

P

U

は,式(A.10)から,

( )

c

η

U

は式(A.13)から求める。

排気エネルギーの不確かさ計算の数値例を

表 A.5 に示す。

注記  この例では注入流体(蒸気又は水)から受け取る熱エネルギーは含まない。

A.3.4

  不確かさ計算の数値例 

測定出力及び修正出力の不確かさ計算の数値例を,

表 A.2 に示す。

表 A.2−出力の不確かさ計算の数値例 

変数

記号

タイプ B の

不確かさ

タイプ A の

不確かさ

感度係数

備考

U

B

U

A

SC U

B

 x SC

U

A

 x SC

1

測定出力

U

e9,ms

±0.20 %

±0.018 %

1.000 %/%

±0.200 %

±0.018 %

2

変圧比

K

V

 

±0.20 %

1.000 %/%

±0.200 %

3

変流比

K

I

 

±0.20 %

1.000 %/%

±0.200 %

4

測定出力の不確かさ U(P

e9,m

)(小計)

±0.35 %

±0.02 % 

変数 1∼3 の二

乗和の平方根

5

大気圧修正係数  C

p,1

±0.05 %

±0.003 %

±1.000 %/%

±0.050 %

6

大気温度修正係

C

p,2

±0.20 K

±0.020 K

±0.600 % /K

±0.120 %

7

大気湿度修正係

C

p,3

±2.00 %

±0.060 %

±0.000 8 %/%

±0.016 %

8

力率修正係数

C

p,4

±0.20 %

±0.013 %/%

±0.003 %

9

タービン速度修

正係数

C

p,5

±0.25 %

±0.500 3 %/%

±0.125 %

10  修正出力の不確かさ U(P

e9,c

)(小計)

±0.39 %

±0.02 % 

変数 4∼9 の二
乗和の平方根

11

修正出力の合成不確かさ U(P

e9,c

)

±0.39 % 


52

B 8041

:2012

燃料質量流量の不確かさ計算の数値例を,

表 A.3 に示す。

表 A.3−測定燃料質量流量の不確かさ計算の数値例 

変数

記号

タイプ B の

不確かさ

タイプ A の

不確かさ

感度係数

備考

U

B

U

A

SC U

B

 x SC

U

A

 x SC

12

測定体積流量

v

&

f4,m

±0.30 %

±0.040 %

±1.000 %/%

±0.300 %

±0.040 %

13

ガス燃料圧力

p

f4,m

±0.25 %

±0.030 %

±1.000 %/%

±0.250 %

±0.040 %

14

ガス燃料温度

T

f4

±0.20 K

±0.020 %

±0.350 %/K

±0.070 %

±0.007 %

15

圧縮係数

Z

f4,m

±0.10 %

±1.000 %/%

±0.100 %

16

モル質量

±0.30 %

±0.800 %/%

±0.240 %

17

測定燃料質量流量の不確かさ U(

m

&

f4,m

)  (小計)

±0.47 % 

±0.05 % 

変数 12∼16
の 二 乗 和 の

平方根

18

燃料質量流量の合成不確かさ U(

m

&

f4,m

)

±0.48 % 

修正熱効率の不確かさ計算の数値例を,

表 A.4 に示す。

表 A.4−修正熱効率の不確かさ計算の数値例 

変数

記号

タイプ B の

不確かさ

タイプ A の

不確かさ

感度係数

備考

U

B

U

A

SC U

B

 x SC

U

A

 x SC

19

測定出力

P

e9,m

±0.35 %

±0.018 %

1.000 %/%

±0.346 %

±0.018 %  小計 U(P

e9,m

)

表 A.2 から)

20

測 定 燃 料 質
量流量

m

&

f4,m

±0.47 %

±0.050 %

1.000 %/%

±0.474 %

±0.050 %  小計 U(

m

&

f4,m

)

表 A.3 から)

21

燃 料 の 真 発
熱量

Q

l0

±0.50 %

1.000 %/%

±0.500 %

22

大 気 温 度 修
正係数

C

η,2

±0.20 K

±0.020 K

0.160 %/K

±0.032 %

±0.003 %

23

大 気 湿 度 修
正係数

C

η,3

±2.00 %

±0.060 %

0.002 %/%

±0.004 %

±0.000 %

24

発 電 機 の 力
率修正係数

C

η,4

±0.20 %

0.013 %/%

±0.003 %

25

タ ー ビ ン 速
度修正係数

C

η,5

±0.25 %

0.100 %/%

±0.025 %

26

修正熱効率 U(η

c

)(小計)

±0.77 %

±0.05 % 

変数 19∼25 の
二 乗 和 の 平 方

27

修正熱効率 U(η

c

)  の合成不確かさ

±0.77 % 


53

B 8041

:2012

修正排気エネルギーの不確かさ計算の数値例を,

表 A.5 に示す。

表 A.5−排気エネルギーの不確かさ計算の数値例 

変数

記号

タイプ B の

不確かさ

タイプ A の

不確かさ

感度係数

備考

U

B

U

A

SC U

B

 x SC

U

A

 x SC

28  修正出力

P

e9,c

±0.39 %

±0.022 %

1.000 %/%

±0.391 %

±0.022 %

小計 U(P

e9,c

)

表 A.2 から)

29  修正入熱量

(燃料)

Q

f4,c

±0.87 %

±0.06 %

1.000 %/%

±0.866 %

±0.058 %

表 A.2 の変数
10 と表 A.4 
変数 26 との二
乗和の平方根

30  燃焼効率

η

tc

±0.02 %

1.000 %/%

±0.020 %

31  修正排気温度

T

g7,c

±5.00 K

±0.020 K

0.010 %/K

±0.050 %

±0.000 %

32  修正排気エネルギーの不確かさ U(Q

g7,c,T0

)(小計)

±0.95 % 

±0.06 % 

変数 28∼31 の
二 乗 和 の 平 方

33  修正排気エネルギーの合成不確かさ U(Q

g7,c,T0

)

±0.95 % 


54

B 8041

:2012

附属書 B

(参考) 
参考文献

[1]  JIS B 8042-1  ガスタービン−調達仕様−第 1 部:一般事項及び定義

注記  対応国際規格: ISO 3977-1, Gas turbines− Procurement− Part 1: General introduction and

definitions(MOD)

[2]  JIS B 8042-9  ガスタービン−調達仕様−第 9 部:信頼性,稼動性,保全性及び安全性

注記  対 応 国 際 規 格 : ISO 3977-9 , Gas turbines − Procurement − Part 9: Reliability, availability,

maintainability and safety (RAMS)(MOD)

[3]  JIS Z 8101-2  統計−用語と記号−第 2 部:統計的品質管理用語

注記  対応国際規格:ISO 3534-2,Statistics−Vocabulary and symbols−Part 2: Applied statistics(MOD)

[4]  ISO 10715,Natural gas−Sampling guidelines

[5]  ISO/IEC Guide 98-3,Uncertainty of measurement−Part 3: Guide to the expression of uncertainty in

measurement (GUM:1995)

[6]  ISO/IEC Guide 99:2007,International vocabulary of metrology−Basic and general concepts and associated

terms (VIM)

[7] EA-04/02,Expression of the Uncertainty of Measurement in Calibration

[8] DIN 51451,Testing of petroleum products and related products−Analysis by infrared spectrometry−General

working principles

[9] DIN

51900-1,Testing of solid and liquid fuels−Determination of gross calorific value by the bomb calorimeter

and calculation of net calorific value−Part 1: Principles, apparatus, methods

[10] ASTM D4629,Standard Test Method for Trace Nitrogen in Liquid Petroleum Hydrocarbons by Syringe/Inlet

Oxidative Combustion and Chemiluminescence Detection

[11] ASTM D5291,Standard Test Methods for Instrumental Determination of Carbon, Hydrogen, and Nitrogen in

Petroleum Products and Lubricants

[12] ASME PTC4.4,Gas Turbine Heat Recovery Steam Generators

[13] JANAF 1985,Thermochemical tables by the American Chemical Society, The American Institute of Physics

The National Bureau of Standards, Chase, M.W.,Jr et al

[14]  Numerical Data and Functional Relationships in Science and Technology, Landolt-Börnstein, Springer Verlag,

Berlin and Heidelberg Gmbh & Co. KG (1997)

[15] NASA 1994 , Chemical Equilibrium and Applications; e.g. Gordon, S. and McBride,B.J.,Oct. 1994,

NASARP1311, Computer Program for Calculation of Complex Chemical Equilibrium Compositions and

Applications

[16] VDI 4670,Thermodynamic properties of humid air and combustion gases 
[17]  The Landolt-Börmstein Database, Springer-Verlag

[18]  Extended IAPWS-IF97 Steam Tables, Springer-Verlag


55

B 8041

:2012

附属書 JA

(規定)

コンバインドサイクルプラント−受渡試験方法

JA.1

  適用範囲 

JA.1.1

  この附属書は,コンバインドサイクルプラントの出力及び熱効率を確定し,検証する目的で行わ

れる受渡試験を,実施及び報告するための標準的な手順及び指針について規定する。測定方法に関する情

報及び試験状態の下で得られた試験結果を,

保証条件又は指定基準条件での値に修正する方法を提供する。

JA.1.2

  受渡試験の目的は,次のコンバインドサイクルプラントの性能を,その保証された性能と対比し

て確定することである。

a)

コンバインドサイクルプラントが一括契約の場合には,プラント全体(ガスタービン及び蒸気タービ

ン)に対して,また,ガスタービンが別契約で供給される場合には,蒸気サイクルだけに対して,規

定された運転条件における出力。

b)

コンバインドサイクルプラントが一括契約の場合には,規定された運転条件における熱効率,熱消費

率又は燃料消費率。

JA.1.3

  この附属書は,助燃なしのコンバインドサイクルプラントに適用する。適宜修正を行うことによ

って,

この附属書を助燃式コンバインドサイクルプラント又は他の形式のコンバインドサイクル

(例えば,

コージェネレーションプラント)に対する指針として適用してもよい。

全ての構成要素が個別に契約されている場合には,各設備に該当する適切な規格を適用するものとし,

この附属書は適用しない。

JA.2

  引用規格 

次に掲げる規格は,この附属書に引用されることによって,この附属書の規定の一部を構成する。これ

らの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS B 0128

  火力発電用語−ガスタービン及び附属装置

JIS B 8102

  蒸気タービン−受渡試験方法

JIS B 8040

  ガスタービン−用語

JIS B 8042-1

  ガスタービン−調達仕様−第 1 部:一般事項及び定義

JIS B 8042-2

  ガスタービン−調達仕様−第 2 部:比較基準条件及び定格

JA.3

  サイクル用語 

関連用語の定義については,JIS B 0128JIS B 8040 及び JIS B 8042-1 による。

図 JA.1 は,この附属書の中で用いる基本的記号を示す。位置識別記号は,検査面を順次通過する作動流

体の質量流束又はエネルギー流束が通過する検査面の位置を表す番号を示す。同じ検査面に入る全ての流

束は同じ番号で示す。流体の種別は文字記号によって識別する。同種類の流体が同じ検査面を通過してい

る場合(例えば,異なる圧力レベル)では記号を付記する。例えば,蒸気圧力レベルが二つある場合には,

10.1s,10.2s とする。


56

B 8041

:2012

図 JA.1−サイクルの基本的記号 

ここに,

位置 1∼8

図 と同一

位置 9

排熱回収ボイラの入口

ガス側(g)では,排熱回収ボイラ(HRSG)内部の各熱交換面の位置の違いを表すために

必要に応じて番号を付記する。

位置 10

排熱回収ボイラの出口

蒸気圧力レベルは,付記した番号によって区別する。

位置 11

各蒸気タービンの入口

位置 12

各蒸気タービンの出口

位置 13

復水器の入口

位置 14

復水器の出口

位置 15

冷却塔の入口


57

B 8041

:2012

位置 16

冷却塔の出口

位置 17

脱気器/給水タンクの入口

位置 18

脱気器/給水タンクの出口

この位置識別記号及び箇条 の識別記号に加えて,サイクルの流体各位置における種類,状態を表すも

のとして次の記号を使用する。

s

:蒸気

cw  :冷却水

ca

:冷却空気

g

:ガス

w

:水

a

:空気

f

:燃料

JA.4

  試験プログラム 

JA.4.1

  全般 

受渡試験は試験準備終了後なるべく早い時期に機械が正常な状態で行う。

JA.4.2

  試験手順 

次の試験手順を計画することが望ましい。

a) 

試験の準備  配管,ダクト又は弁は,保証条項に決められた条件を満たすように設置する。

試験に先立ち,その試験に必要なプラント機器の寸法及び据付状態を確認し,記録する。

試験に必要な校正済みの計測器及びデータ収集装置を設置し適切な状態にあることを確認する。

試験対象となるサイクルの系統を独立させ,プラントが適切に運転できる状態にあることを確認す

る。

b) 

予備試験  予備試験は次の目的で行う。

1)

プラント及び関連設備が,正規の受渡試験を実施するのに適切な状態にあり,指定された負荷で満

足に稼動することの確認。

2)

計器類の点検

3)

試験実施方法の習熟

予備試験の実施後,受渡当事者間の合意によって予備試験を正規の受渡試験としてもよい。

c)

合意した手順による性能試験

d)

測定結果の計算

e)

試験の報告

JA.5

  試験運転条件 

JA.5.1

  全般 

箇条 の規定は,コンバインドサイクルプラントに対しても適用する。特に留意すべき事項は,次のと

おり。

a)

ガスタービンの負荷

b)

プロセス蒸気の抽気条件

c)

運転している補機の数(ポンプ,その他)


58

B 8041

:2012

d)

空気冷却復水器又は冷却塔の運転状態(運転中のファンの台数,速度など)

e)

制御装置の設定値及び作動状態

試験条件の設計条件又は指定基準条件からの偏差は,JIS B 8102 に規定する許容偏差を抜粋して

表 JA.1

に示す。

表 JA.1−試験条件の指定基準条件からの最大許容偏差 

表 も参照。)

変数

試験条件の指定基
準条件からの最大

許容偏差

備考

抽気蒸気圧力(調圧後)

排気蒸気圧力

−  背圧タービン用 
−  復水タービン用 
抽気蒸気流量

±5 % 
 
±5 % 
±25 % 
±10 %

 
 
 
復水器が保証範囲外の場合

冷却水流量

±15 %

復水器が供給範囲内の場合

冷却水入口温度

±5 K

復水器が供給範囲内の場合

これらの許容偏差内に収まるように試験状態を維持することに努める。許容偏差を逸脱した場合には,

それが試験結果の不確かさに及ぼす影響を評価し試験を継続するか否かについて受渡当事者間で合意する。

JA.5.2

  運転条件 

データ計測に先立ち,プラントの運転を一定の負荷において安定させる。

安定した状態とは,あらかじめ受渡当事者間で合意されたある時間内の連続計測値が最大許容変動量の

範囲内にある場合をいう。

測定期間は,1 時間とし,その間に通常 3 回の読取りを行う。

この期間中の最大許容変動幅は,

表 JA.1 に示す最大許容偏差の 2 分の 1 とする。ただし,出力の変動は

±3 %まで許容する。

JA.6

  計器及び測定方法 

JA.6.1

  全般 

ここでは,

図 JA.1 で定義されているガスタービン下流側の各位置での測定の種類,測定の方法,及び注

意事項について示す。

測定の範囲及び質(精度)は,機器供給範囲及び工事の担当区分によって大きく影響されることがある。

図 JA.1 に示す設備が一括供給である場合における測定は,本質的に,運転条件の確認のために実施するも

のであるから,より簡単な方法で実施してもよい。

一方,一括供給でない場合における取り合い位置でのこれらの測定は,契約性能の検証のために必要で

あり,細心の注意及び精度を必要とする。

JA.6.2

  位置 における測定 

JA.6.2.1

  ガス側の測定 

位置 9 での測定は,ガスの質量流量,ガス分析及びガス温度によって排熱回収ボイラへ入るエネルギー

を定める。

一般的に,大容量ガスタービンの排気質量流量を直接十分な精度で測定することはできないが,ほとん


59

B 8041

:2012

どの場合,次のいずれかの方法によって,十分な精度で求めることができる。

−  ガスタービンまわりの熱収支計算を詳細に行う(8.3.2 参照)

−  位置 9 及び位置 10 におけるガス温度の測定値,さらに,給水流量並びに水/蒸気の温度及び圧力の

正確な測定値を使用して,詳細な排熱回収ボイラの熱収支計算を実施する。

性能数値の詳細な解析を行うため,又は排気温度センサーをガスの速度及び温度が均一でない場所に置

かざるを得ない場合には,排気の質量流量を排気ダクト断面内におけるエネルギー分布から求めてもよい

JA.8.1.2 参照)

排気ダクト内の流量平均ガス温度の真の状態を知るためには,圧力,温度及び速度の測定を確保するた

めの特別な配慮をしなければならない。

助燃なしの排熱回収ボイラのガス分析は,温度レベルが低く,特殊な機器を必要としないので,位置 10

g で測定してもよい。また,排熱回収ボイラの圧力損失は,位置 10 g における静圧を使用して検証しても

よい。

複圧式サイクルの場合は,確認のために,排熱回収ボイラ内での温度測定を実施してもよい。

これらの補足的な温度測定は,ボイラ内の熱収支及び質量収支の検証の補助手段として行われる。

JA.6.2.2

  給水側の測定 

排熱回収ボイラの熱収支及び質量収支を明確にするために,給水流量及び給水温度を測定する。各圧力

レベルごとに独立した給水ポンプを使用している場合は,それぞれの系統に対応して測定する。

JA.6.3

  位置 10 における測定 

JA.6.3.1

  ガス側の測定 

排熱回収ボイラの熱収支計算に用いる排熱回収ボイラ出口のエネルギーは,位置 10 で定義される。温度

測定以外に,JA.6.2 で示したように便宜上,ガス分析をこの位置で行うことができる。

注記  位置 9 における測定と同じ目的で,位置 10 において補足的な測定を実施してもよい。

JA.6.3.2

  蒸気側の測定 

蒸気の状態量,特に,圧力,温度及び質量流量は位置 10 で測定する。位置 10 は蒸気がボイラから蒸気

タービンへ又は熱利用のために送り出される場所であり,各圧力レベルごとに定義する。

給水が分岐又は再循環しない場合は,精度を高めるために,蒸気質量流量よりもむしろ給水流量の測定

を実施しなければならない。

最終的な蒸気温度を制御するために使用される水噴霧量は,蒸気及び水の温度,圧力及び質量流量の測

定による温度調節器まわりの熱収支計算によって決定することができる。

JA.6.4

  位置 11 における測定 

位置 11 における測定は,蒸気タービンへの蒸気流量及び蒸気条件を決定する。

JA.6.5

  位置 12 における測定 

位置 12 における測定は,

外部プロセスで使用するため及び/又はガスタービン燃焼器で窒素酸化物を低

減するために蒸気サイクルから供給される蒸気流量を決定することを目的としている。それに加えて,こ

の蒸気の移送が行われる点におけるエネルギーレベル(圧力及び温度)を決める。

蒸気タービン出口での測定は,復水器入口のほうがより好ましい位置であるので,通常,単に内部チェ

ックのために行われる。

JA.6.6

  位置 13 における測定 

位置 13 で復水器への冷却水の流量を算定し又は測定し,入口温度を測定する。

冷却水流量は,通常は測定しないで,蒸気タービンと復水器まわりとの熱収支計算によって求める。


60

B 8041

:2012

冷却水流量は,蒸気タービン,復水器又は冷却塔それぞれの単体性能の検証が要求される場合にだけ測

定するか,又は計算によって求めることが必要である。

これらの機器が異なる供給者によって納入される場合がこれに該当する。

空冷式復水器の場合は,この位置で大気温度を測定する。

プロセス用に送られる蒸気量が僅かである場合は,補給水を復水器へ注入することが望ましい。通常,

プロセス用蒸気を供給しないサイクルでは,復水器で補給される。

JA.6.7

  位置 14 における測定 

冷却水の出口温度は位置 14 で測定する。

主復水の状態はこの位置で測定する。

空冷式復水器の場合は,復水器出口の空気温度をこの位置で測定する。

これらの測定は,確認の目的のためだけに行われる。

JA.6.8

  位置 15 における測定 

冷却塔に入る冷却水及び空気の状態は位置 15 で測定する。

冷却塔の性能が保証項目である場合は,空気の温度及び湿度は重要なパラメータである。

JA.6.9

  位置 16 における測定 

冷却塔を出る空気及び冷却水の状態は位置 16 で測定する。

これらの測定は,確認の目的のためだけに行う。

JA.6.10

  位置 17 における測定   

プロセス蒸気を抽気したり,窒素酸化物低減用の蒸気又は温水をガスタービンに噴射するために,多量

の補給水が必要な場合は,システムの質量収支は,通常給水タンクの位置で実施する。

加熱用蒸気が関係するので,補給水の温度を測定しなければならない。抽気蒸気が回収されない場合に

は,補給水流量は測定を実施する抽気流量と同じなので,測定する必要はない。

JA.6.11

  位置 18 における測定 

抽出する温水の流量及び状態は位置 18 で測定する。温水は,燃焼器への噴射,燃料の予熱,燃料処理装

置及びその他の目的のために使用されることがある。

JA.7

  試験方法 

JA.7.1

  全般 

この附属書によって,種々の形式のコンバインドサイクルプラントの性能が確定できるよう試験手順は

柔軟に構成した。すなわち,段階的建設又は設備の改造などに適用できるように次の段階的試験を基本と

した。

第 1 段階:バイパス煙突を用いたガスタービンの単純サイクル性能試験(バイパス煙突がある場合)

第 2 段階:プラント全体のコンバインドサイクル性能試験

蒸気サイクルを使用せず,単純サイクルだけでの運転が行えないコンバインドサイクルプラントでは,

第 1 段階及び第 2 段階試験を同時に行う。

JA.7.2

  第 段階試験(単純サイクルモード) 

この試験では,ガスタービンプラントの出力及び熱効率を保証値との比較を行い検証する。

第 1 段階試験は,この規格の規定にのっとって実施する。

空気流量の参照値は,試験データから計算で求めるか又は,適切な測定によって決定し,第 1 段階及び

第 2 段階でのガスタービン圧縮機空気流量の変化を求めるために用いる。


61

B 8041

:2012

JA.7.3

  第 段階試験(コンバインドサイクルモード) 

第 2 段階試験は,コンバインドサイクルの蒸気サイクル部分が新しくて汚れのないうちに実施する。試

験は,コンバインドサイクルプラントの構成機器及び全ての試験用計器が正常に機能し,定常状態で実施

する。

異なる境界条件(ガスタービン排気の質量流量,温度及び圧力)を考慮し,第 2 段階試験及び第 1 段階

試験を合わせた結果と保証値とを比較し,コンバインドサイクルプラント全体の出力及び熱効率を示す。

排熱回収ボイラ及び蒸気サイクル全体は,定量できないような蒸気及び水の損失が発生しないように,

他のシステムと分離する。排熱回収ボイラはブローダウンなしで運転する。

JA.8

  結果の計算 

JA.8.1

  排気の比エンタルピー及び質量流量の算出 

これらの値は直接測定ができないため,他の測定値を用いた計算によって求める。ここでは,受渡当事

者間の理解を確かなものとするために,それらの計算方法について次のように定義する。

JA.8.1.1

  排気の比エンタルピー 

基本的なガスデータの主要部は,共通のデータベースから引用されるものであるが,細部については,

種々の補間法又は特定の多項式を用いて求める。これらの方法による結果は,一般的な用途として用いる

のには,全く矛盾のないものである。しかしながら,性能試験を目的としたとき,その差は非常に重要と

なり得る。したがって,使用するガスデータについては,受渡当事者間で合意しておくことが望ましい。

注記  参考として次の表を示すが,他の適切な表を用いてもよい(8.3.5.2 に示すガスデータも参照)。

a)

日本機械学会(JSME

機械工学便覧

b)  ASME

Performance Test Code PTC 4.4

c)

キーナン&ケイ Gas

Tables

(J. H. Keenan and J. Kaye)

Thermodynamic properties of air products of combustion and

compressible flow functions

d)  JANAF Thermochemical

tables

e)

FDBR-Richtlinien

Leistungsnachweis von Abhitzeanlagen (D) (F. Brandt)

ガスの比エンタルピーを定義するのに用いる基準温度の定義についても,排気の比エンタルピーと同様

に重要である。

JA.8.1.2

  排気の質量流量 

排気ダクト断面のエネルギー分布の測定によって排気の質量流量を求める場合,次の理論的根拠に基づ

いて決定する。これらの測定は,排気の流れを横切る検査面の内部において時間平均温度(T

t

)が時間平

均比エンタルピー(h

t

)の関数であることから求められる。

∫∫

m

t

m

t

1

dq

h

q

h

h

t

f

 (

T

t

)

dq

m

ρ・

c

n

dA

ここに,

c

n

検査面に直角な流速成分

ρ: 密度

dA

検査面内の微小断面積

q

m

検査面を通る質量流量


62

B 8041

:2012

流れが均一であると考えられるとき,極座標系で表した温度は単に位置に依存する。

)

,

(

r

f

T

ϕ

流れが不均一のときは,密度及び流速も位置に依存する。

)

,

(

,

,

n

r

f

T

c

ϕ

ρ

この場合,温度及び圧力の両方を同時に検出する複合プローブを考慮しなければならない。

JA.8.2

  測定結果の保証条件への修正 

出力及び熱入力,熱効率などの測定結果の修正は,供給者が提示する修正曲線を用いて行う。便宜上,

これらの曲線を,

数表又は数式で定義したものについても提示しなければならない。

これらの修正曲線は,

機器供給範囲に応じて提示することが望ましい。単純サイクル運用が行えるプラント構成の場合,ガスタ

ービン用の修正曲線及びコンバインドサイクル用の修正曲線を個別に提示することになる。

調整機能のない多段の地域熱供給プラントの場合,地域ヒータの負荷配分は,蒸気タービン内の蒸気流

量配分に依存し,それは蒸気タービン負荷,地域熱負荷及び供給熱の温度の関数である。この場合には,

蒸気サイクルに入るエネルギーとサイクルから出ていく出力/熱との関係は,多変数の関数である。その

ような場合,蒸気サイクルの修正値を決定するためにコンピュータによるシミュレーションを行うことが

望ましい。この手順については JA.8.2.3 に示す。

JA.8.2.1

  出力修正のパラメータ 

コンバインドサイクル全体の出力は,様々なパラメータの影響を受ける。試験条件から保証条件への換

算に欠かせない最も重要なパラメータは,次のものである。

a)

大気温度  大気温度は,ガスタービンの出力及び排気条件(質量流量及び温度)に影響を及ぼし,そ

れによって蒸気サイクルにも影響を及ぼす。

空冷復水器を採用する場合,又は冷却塔が供給範囲に含まれている場合は,大気温度が冷却システ

ムに影響を及ぼし,それによって蒸気タービンの出力にも影響を及ぼす。

b)

大気圧力  大気圧力は,ガスタービンの空気圧縮機の空気流量に影響を及ぼし,それによってガスタ

ービン出力に影響を及ぼす。また,この流量の変化によって蒸気発生量が変化するので,それによっ

て蒸気タービン出力にも影響を及ぼす。

c)

力率  ガスタービン発電機及び蒸気タービン発電機の力率は,実際の発電機の有効電力に影響を及ぼ

す。

d)

大気湿度  大気湿度はガスタービン出力に多少の影響を及ぼすが,湿式冷却塔の性能には,より大き

い影響を及ぼす。

e)

真発熱量  ガス燃料の真発熱量が設計計画値から甚だしくずれている場合,(ガス燃料流量が異なる

ので)ガスタービンの出力及びガスタービンの排気状態は異なってくる。

f)

周波数の変化  一般的に,電力系統が大きく,安定している場合には,規定した周波数から大きくは

ずれることはない。周波数変化は,ガスタービンの性能に変化を及ぼす。同様に,排気の質量流量が

変化するので蒸気タービン出力が変化する。

g)

ガスタービンの劣化及び汚れ  ガスタービンの空気圧縮機の汚れ,及びタービンの劣化はガスタービ

ンの出力に直接的な影響を及ぼす。ガスタービンの排気状態(質量流量及び温度)も影響を受けるの

で,蒸気タービンの出力も変化する。

これらのパラメータは,性能試験が予定時期より遅れる場合,ガスタービン及び蒸気タービンが段階的

に建設される場合,又は既設設備の更新を考慮する場合に重要である。

上記パラメータのうち,a)b)d)e)  及び f)  は,ガスタービンの排気の流量,温度及び性状に関係す


63

B 8041

:2012

る。その結果,それらは蒸気サイクルの性能にも影響を及ぼす。

詳しい解析を行う場合には,関連する修正曲線を提示することが望ましい。

蒸気サイクルにだけ影響を及ぼすパラメータは次のものである。

h)

冷却水入口温度  蒸気タービンの排気圧力及びそれに関連する蒸気タービン出力は,冷却水入口温度

に大きく依存する。冷却システムが供給範囲ではないときは,蒸気タービンの排気圧力を,修正パラ

メータとして考慮しなければならない。

i)

プロセス蒸気の条件  プロセス蒸気の抽気が予想される場合,蒸気圧力(調圧抽気)及び蒸気の質量

流量は,蒸気タービンの出力に影響を及ぼすものとして考慮しなければならない。

j)

補給水の温度  プロセス蒸気の抽気が行われる場合,補給水の温度は蒸気タービンの出力にはっきり

とした影響を及ぼす。

k)

地域熱供給の条件  地域熱供給プラントでは,蒸気タービンの電気負荷と地域熱供給負荷とが関連制

御されない場合,熱供給の運転条件が蒸気タービン出力に影響を及ぼす。

既設設備の改造を行う場合,又は機器を段階的に建設する場合には,排気流路の配置状況が変化するこ

とによって生じる圧力損失の違いによるガスタービンへの影響を考慮しておかなければならない。

これらの圧力損失は,ガスタービンより下流のサイクルの構成に依存する。改造前及び改造後,又は第

1

段階及び第

2

段階の試験結果を評価する場合には,このことを考慮しておかなければならない。

JA.8.2.2

  修正曲線による総出力の修正 

修正総出力は,次の方法によって定義する。

P

corr

(

k

a

k

b

k

k

)

P

m

ここに,

P

corr

保証値と比較する修正出力(測定の対象は例えば,
ガスタービン,蒸気タービン,コンバインドサイク
ル全体)

P

m

対象機器の測定出力

k

a

k

b

k

k

対象機器のパラメータに対して,

供給者が提示した

修正曲線による修正係数

JA.8.2.3

  コンピュータシミュレーションによる総出力の修正 

コンピュータシミュレーションを考慮する必要がある場合は,蒸気サイクルだけに適用する。ガスター

ビンの出力は,JA.8.2.2 によって修正する。

係数を得るための基本的手順は,次の計算ステップからなる。

a)

蒸気サイクルの保証条件に対して行う計算。

b)

サイクル構成機器の設計データをそのまま用いて,蒸気サイクル内の取合点で測定したデータによっ

て行う計算。

排熱回収ボイラへのエネルギー入力は,より精度を上げるために,大気温度及び大気圧力に対する排気

の質量流量及び排気温度の変化の修正曲線を用いて決定する。

JA.8.2.1

に示される全てのパラメータを考慮したとき,蒸気タービン出力の総括的な修正係数は,次の

式で定義される。

calc

T

calc

s

s

P

P

ここに,

P

s calc

a) 

によって保証条件に対して行う計算出力

P

T calc

b) 

によって試験条件に対して行う計算出力

地域熱供給系統へ送られる熱負荷に対する修正係数についても,同様にして求める。


64

B 8041

:2012

JA.8.2.4

  補機動力の修正 

補機動力に影響を及ぼす機器は,

プロジェクトごとに特有のものである。

一般的に補機の動力消費量は,

発電のために不可欠な機器で,連続運転を行うものの動力消費量だけを考慮する。したがって,測定方法

及び修正の手順については,試験の実施前に,受渡当事者間で合意しておかなければならない。

JA.8.2.5

  燃料からの熱入力の修正 

助燃なしのコンバインドサイクルプラントでは,

熱入力は全てガスタービンに投与される。

したがって,

本質的に,プラントへの熱入力は,ガスタービンの出力に影響を及ぼすものと同じパラメータの影響を受

ける。

コンバインドサイクルプラントの総出力は,ガスタービン出力と蒸気タービン出力との合計であり,熱

入力と明確な関係はない。したがって,個々のガスタービンへの熱入力をまず第一に修正し,次にコンバ

インドサイクルの修正熱消費率(又は熱効率)を計算することが必要である。

修正熱入力は,JA.8.2.2 で述べた修正出力と同じ方法で決定する。

JA.8.2.6

  総熱消費率の修正値 

修正後の総熱消費率は,次の式で定義する。

corr

corr

corr

P

HI

HRG

ここに,

HI

corr

修正後の入熱

JA.8.2.7

  正味入熱の修正値 

修正後の正味熱消費率は,次の式で定義する。

corr

aux,

corr

corr

corr

P

P

HI

HRN

ここに,

P

aux, corr

修正後の補機動力消費量

JA.8.3

  修正曲線の例 

修正曲線は,基本的に,適用された機械技術及び蒸気サイクルの構成によって決まる。しかしながら,

直膨復水蒸気タービンと組み合わせたコンバインドサイクルプラントでは,基本的な修正曲線は定義でき

る。修正曲線の傾きは,選定した蒸気パラメータ(例えば,蒸気圧力,蒸気温度,圧力レベルの数など)

ガスタービンの形式,及び制御の方式によって変化する。また,修正曲線の形状は,プロセス蒸気,窒素

酸化物抑制用蒸気などの蒸気が抽気される場合にも変化する。参考として,コンバインドサイクルプラン

ト全体に対する修正曲線を示す。

ガスタービンの修正は,8.2 による。蒸気サイクルだけの修正曲線については,既設設備の改造を行う場

合にだけ考慮するのがよい。この場合は,標準的な修正曲線を定めることはできない。

ここに示した修正曲線は,

Y

軸に修正係数を示す。例えば,修正係数は,測定値を保証条件に修正する

際に,測定値に対して乗じる係数として定義している。ガスタービンの氷結防止及び蒸発冷却の影響は除

いた。


65

B 8041

:2012

修正曲線には次のものがある。

図 JA.2

− 大気温度に対するコンバインドサイクル出力の修正曲線

(開放貫流水冷却,及び表面復水器を用いた場合)

図 JA.3

− 大気温度及び相対湿度に対するコンバインドサイクル出力の修正曲線

(湿式冷却塔,循環水冷却,及び表面復水器を用いた場合)

図 JA.4

− 大気温度に対するコンバインドサイクル出力の修正曲線

(大気開放空気冷却,及び表面復水器を用いた場合)

図 JA.5

− 大気圧力に対するコンバインドサイクル出力の修正曲線

図 JA.6

− 大気の相対湿度に対するコンバインドサイクル出力の修正曲線

図 JA.7

− 冷却水温度偏差に対するコンバインドサイクル出力の修正曲線

図 JA.8

− 大気温度に対するコンバインドサイクル熱消費率の修正曲線

(開放貫流水冷却,及び表面復水器を用いた場合)

図 JA.9

− 大気温度に対するコンバインドサイクル熱消費率の修正曲線

(湿式冷却塔,循環水冷却,及び表面復水器を用いた場合)

図 JA.10

− 大気温度に対するコンバインドサイクル熱消費率の修正曲線

(大気開放空気冷却,及び表面復水器を用いた場合)

図 JA.11

− 大気圧力に対するコンバインドサイクル熱消費率の修正曲線

図 JA.12

− 大気の相対湿度に対するコンバインドサイクル熱消費率の修正曲線

図 JA.13

− 冷却水温度偏差に対するコンバインドサイクル熱消費率の修正曲線

図 JA.14 及び図 JA.15 は,性能試験が遅れる場合又は段階的建設を考える場合に,ガスタービンの劣化

がコンバインドサイクルの出力及び熱消費率に及ぼす影響を考慮するための修正曲線を示す。

JA.9

  測定誤差 

JA.9.1

  全般 

試験結果の計算に用いる個々の値の測定にはある程度の誤差を生じるもので,その誤差は,計器の精度

及び測定条件に依存する。したがって,試験結果は,全ての測定誤差の複合効果による誤差が避けられな

い。

測定の信頼限界は,次の項目によって評価できる。

a)

推奨する測定法及び標準測定法

b)

計器又は測定の精度の等級及びそれらの複合作用

c)

計器又は変換器の校正精度

d)

計器の取付上の制約による不可避な影響

e)

全般的な測定経験

f)

試験条件の変動

多くの原因が関連するため,個々のケースについて測定誤差を計算によって評価する。

JA.9.2

  裕度の限界値 

表 JA.2 に掲げた裕度の限界値は,適正に実施した受渡試験において予期される測定の不確かさの程度を

示す。

測定誤差の裕度について文書による合意がない場合,試験結果の不確かさ評価の際には,試験後に確定

する測定の不確かさの程度を考慮しなければならない。


66

B 8041

:2012

表 JA.2−測定の不確かさの程度 

測定項目

不確かさの程度

備考

出力

±0.50 %未満

個々の測定において。

液体燃料

±0.60 %未満

燃料質量流量

ガス燃料

±1.00 %未満

液体燃料

±0.50 %未満

発熱量

ガス燃料

±1.50 %未満

液体燃料

±1.30 %未満

熱消費率

ガス燃料

±1.50 %未満

注記

個々の計器の不確かさについては,6.4.1.2 による。

JA.10

  試験の報告 

試験の報告は,試験の目的が全て達成されたことを証明するのに十分な情報を示すものでなければなら

ない。

詳細報告書は,本体部分又は添付書類に,次の情報を含むものとする。

a)

試験結果の提示及び保証値との比較

b)

試験の目的,保証事項及び合意事項

c)

サイクルの系統図

d)

プラントの簡単な運転履歴,及び良好な運転状態に復元するために取るべき処置

e)

試験,手順,装置,計器及びその設置場所,並びに運転条件の記述

f)

関連の測定方法及び監視方法の概略説明

g)

試験に使用した主要な計器の校正曲線

h)

計算法に関する説明

i)

指定の条件及び試験条件が異なった場合に用いた修正係数

j)

測定の不確かさの計算

k)

裕度及び誤差に関する特別の合意事項

l)

指定の条件に修正した試験結果

m)

考察及び結論


67

B 8041

:2012

P

corr

k×P

meas

(開放貫流水冷却,及び表面復水器を用いた場合)

図 JA.2−大気温度に対するコンバインドサイクル出力の修正曲線 

P

corr

k×P

meas

(湿式冷却塔,循環水冷却,及び表面復水器を用いた場合)

図 JA.3−大気温度及び相対湿度に対するコンバインドサイクル出力の修正曲線 


68

B 8041

:2012

P

corr

k×P

meas

(大気開放空気冷却,及び表面復水器を用いた場合)

図 JA.4−大気温度に対するコンバインドサイクル出力の修正曲線 

P

corr

k×P

meas

図 JA.5−大気圧力に対するコンバインドサイクル出力の修正曲線 

P

corr

k×P

meas

図 JA.6−大気の相対湿度に対するコンバインドサイクル出力の修正曲線 


69

B 8041

:2012

P

corr

k×P

meas

図 JA.7−冷却水温度偏差に対するコンバインドサイクル出力の修正曲線 

HR

corr

k×HR

meas

(開放貫流水冷却,及び表面復水器を用いた場合)

図 JA.8−大気温度に対するコンバインドサイクル熱消費率の修正曲線 

HR

corr

k×HR

meas

(湿式冷却塔,循環水冷却,及び表面復水器を用いた場合)

図 JA.9−大気温度に対するコンバインドサイクル熱消費率の修正曲線 


70

B 8041

:2012

HR

corr

k×HR

meas

(大気開放空気冷却,及び表面復水器を用いた場合)

図 JA.10−大気温度に対するコンバインドサイクル熱消費率の修正曲線 

HR

corr

k×HR

meas

図 JA.11−大気圧力に対するコンバインドサイクル熱消費率の修正曲線 

HR

corr

k×HR

meas

図 JA.12−大気の相対湿度に対するコンバインドサイクル熱消費率の修正曲線 


71

B 8041

:2012

HR

corr

k×HR

meas

図 JA.13−冷却水温度偏差に対するコンバインドサイクル熱消費率の修正曲線 

P

corr

k×P

meas

注記  ガスタービンが 2 台以上ある場合は,全てのガスタービンの平均運転時間を用いて検討する。

図 JA.14−ガスタービン運転時間に対するコンバインドサイクルの出力修正曲線 

HR

corr

k×HR

meas

図 JA.15−ガスタービン運転時間に対するコンバインドサイクルの熱消費率修正曲線 


附属書 JB

(参考)

JIS

と対応国際規格との対比表

JIS B 8041:2012

  ガスタービン−受渡試験方法

ISO 2314:2009

  Gas turbines−Acceptance tests

(I)JIS の規定 (III)国際規格の規定 (IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条

ごとの評価及びその内容

箇 条 番 号

及び題名

内容

(II) 
国際規格
番号

箇条番号

内容

箇 条 ご と

の評価

技術的差異の内容

(V)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

2  引 用 規

引用規格

2

引用規格

変更 
 
追加 
 
 
追加

(1) ASTM 規格及び DIN 規格

は,参考文献へ移した。

(2)  JIS K 2279 及 び JIS M 

8010

を追加した。

 
(3)  ガス燃料の発熱量の測定

(6.4.4.1.3)の引用規格に

JIS B 8042-4

を追加した。

JIS の引用規格 JIS K 

2301

と ISO 6976 の対応の

程度が不十分であるため

の措置。

(1)  JIS の規定によるもので,技

術的な内容の変更はない。

(2)  日本で標準的に使用す る試

験 方 法 の 規 格 な の で 対 策 は
不要。

(3)  ISO 2314 では,ISO 6976 を引

用しているので問題ない。

3  用 語 及
び定義

3.7  偶然誤差   3.7 JIS とほぼ同じ。

追加

定義を補足するために注記を

追加した。

定義を分かりやすくするための

追加で,技術的な差異はない。

 3.9

比較基準条件

3.9

JIS

とほぼ同じ。

変更

対応国際規格の引用規格番号
が誤りであるので修正した。

次回 ISO 規格見直し時に修正を
申し入れる。

 3.10

系統誤差

3.10 JIS とほぼ同じ。

追加

定義を補足するために注記を
追加した。

定義を分かりやすくするための
追加で,技術的な差異はない。

 3.12

熱消費率

3.12 JIS とほぼ同じ。

削除

不要な注記があるので削除。

次回 ISO 規格見直し時に修正を
申し入れる。

 3.18

(不確かさの)

タイプ B 評価

 3.18

JIS

とほぼ同じ。

追加

定義を補足するために注記を
追加した。

定義を分かりやすくするための
追加で,技術的な差異はない。

72

B 804

1


2

012


(I)JIS の規定 (III)国際規格の規定 (IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条

ごとの評価及びその内容

箇 条 番 号
及び題名

内容

(II) 
国際規格

番号

箇条番号

内容

箇 条 ご と
の評価

技術的差異の内容

(V)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

3  用 語 及
び定義 
(続き)

3.21  校正

3.21

JIS

とほぼ同じ。

変更

対応国際規格では,6.4.1.3 に記
述があったが,整理のため箇条
3 へ移動した。

定義を分かりやすくするための
追加で,技術的な差異はない。

 3.22

総合不確かさ

追加

対応国際規格の overall 
uncertainty の JIS での対応用語
を定義した。

技術的な差異はない。

6  試 験 準
備 
6.3  試 験
準備 
f)

計 器 の 校 正 の 有 効
期 限 を そ の 計 器 の

校 正 証 明 書 に 記 載
の期限とした。

 6.3

f)

校正証明書の有効期限は
12 か月。

変更

対応国際規格では,計器校正の
有効期限を 12 か月としている

が,JIS では,計器に附属する
証明書に記載された有効期限
とした。

校正の有効期限を一律に 12 か月
とする理由がない。

次回 ISO 規格見直し時に変更を
申し入れる。

6  試 験 準
備 
6.4.1  一般

6.4.1.2  不 確 か さ の
最大値 
表 3

 6.4.1.3

JIS

とほぼ同じ。

追加

対応国際規格では,表 3 で規定
する不確かさについて,その定
義が記載されていない。明確に

するため,注記を追加した。

次回 ISO 規格見直し時に注記の
追加を申し入れる。

 6.4.1.3

校正   6.4.1.3

JIS

とほぼ同じ。

削除

対応国際規格では,計器の校正

記録を EA(European 
co-operation for Accreditation)の
規定に従い提出することを,規

定しているが,引用している規
定は,一般的な不確かさの記述
であるので削除した。

次回 ISO 規格見直し時に削除を

申し入れる。

6  試 験 準
備 
6.4.4  燃料
の測定

6.4.4.1  ガ ス 燃 料 の
測定 
6.4.4.1.2  密度

 
 
6.4.4.1.2

 
 
JIS

とほぼ同じ。

 
 
追加

 
 
対応国際規格では圧縮係数の

計算に ISO 12213-2 を引用して
いるが,JIS では,国内でよく
使用する同等規格 JIS M 8010

を追加した。

 
 
日本特有の事情によるものであ

るので,特に対策はとらない。

73

B 804

1


2

012


(I)JIS の規定 (III)国際規格の規定 (IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条

ごとの評価及びその内容

箇 条 番 号
及び題名

内容

(II) 
国際規格

番号

箇条番号

内容

箇 条 ご と
の評価

技術的差異の内容

(V)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

6  試 験 準
備 
6.4.4  燃料
の測定 
(続き)

6.4.4.1  ガ ス 燃 料 の
測定 
6.4.4.1.3  発熱量

 
 
6.4.4.1.3

JIS

とほぼ同じ。

 
 
追加 
 
 
 
 
 
 
変更

 
 
1)  ISO 6976 の整合化規格 JIS 

K 2301

を引用したが,こ

の JIS では,基準温度 0  ℃
以外の物性値は省略され

ているので,補足するため
に,JIS B 8042-4 を追加し
た。

2)  対応国際規格では,燃料の

発 熱 量 の 基 準 温 度 を ,
15  ℃に固定しているが,
案件によっては,それ以外
の 場 合 も あ る の で ,
“15  ℃”を削除し,

“基準

温度”と変更した。

 
 
1)  日本の事情によるもの であ

る の で , 特 に 対 策 は と ら な
い。

 
 
 
 
2)  ISO 2314 の次回見直し時に

修正を提案する。

 6.4.4.1 ガ ス 燃 料 の

測定 
6.4.4.1.6  流 量 の 測

 
 
6.4.4.1.6

 

JIS

とほぼ同じ。

 
 
追加

 
 
流量の測定に用いる規格とし
て,国内でよく使用される JIS 

M 8010

を追加した。

 
 
日本特有の事情によるものであ
るので,特に対策はとらない。

 6.4.4.2 液 体 燃 料 の

測定 
6.4.4.2.3  発熱量

 
 
6.4.4.2.3

 

JIS

とほぼ同じ。

 
 
削除

 
 
対応国際規格には,燃料の顕熱
の補正の便宜のため燃料の種
別と対応する比熱の表の記載

があるが,JIS では削除した。

 
 
国内の液体燃料の種別と欧米の
種別が異なるので,削除した。 
顕熱の発熱量に占める割合は,ご

く僅かであり,一般の比熱データ
によればすむので不要である。

 

74

B 804

1


2

012


(I)JIS の規定 (III)国際規格の規定 (IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条

ごとの評価及びその内容

箇 条 番 号
及び題名

内容

(II) 
国際規格

番号

箇条番号

内容

箇 条 ご と
の評価

技術的差異の内容

(V)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

6  試 験 準
備 
6.4.4  燃料
の測定 
(続き)

6.4.4.2  液 体 燃 料 の
測定 
6.4.4.2.4  組成

 
 
6.4.4.2.4

JIS

とほぼ同じ。

 
 
変更

 
 
対応国際規格では,受渡試験時

に,液体燃料中の炭素,水素,
窒素及び硫黄の分析を規定し
ているが,これらの元素分析

は,この規格の適用範囲外であ
る排気排出物測定に必要な分
析なので,“必要に応じ”とし

た。また,元素分析の引用規格
は,参考規格とし,参考文献扱
いに変更した。

 
 
次回の ISO 規格の定期見直し時

に,修正提案する。

7  試 験 の
管理

7.1  指定基準条件 
表 6  指定基準条件
の例

 7.1

JIS

とほぼ同じ。

削除

対応国際規格では,指定基準条
件の項目に“硫化水素としての
硫黄成分”が含まれているが,

この規格の適用範囲である,性
能試験には,不要であるので削
除した。

次回の ISO 規格の定期見直し時
に,修正提案する。

 7.8

試験の有効性

7.8

JIS

とほぼ同じ。 

追加

対応国際規格では,負荷制限の
かかった状態の試験は無効と

しているが,プロジェクトによ
っては,負荷制限のある状態で
の試験にならざるを得ない場

合があるので,当事者間で合意
がある場合は,例外である旨の
文章を追加した。

ISO 2314

の次回見直し時に修正

を提案する。

 
 
 

75

B 804

1


2

012


(I)JIS の規定 (III)国際規格の規定 (IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条

ごとの評価及びその内容

箇 条 番 号
及び題名

内容

(II) 
国際規格

番号

箇条番号

内容

箇 条 ご と
の評価

技術的差異の内容

(V)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

Annex

B

(参考)
排気流量

及びター
ビン入口
温度を求

めるため
のエネル
ギー収支

の数値計
算例

ガスタービンのエネルギ
ーバランスの数値計算例

削除

一つの計算方法を用いた,単な
る計算例の紹介であり,規定と
直接関係ないこと及び分量が

多いので削除した。

参考文献として,ISO 規格に残し
ておいても害はないので,特に対
策はとらない。

附属書 JA

(規定)

コ ン バ イ ン ド サ イ

ク ル プ ラ ン ト の 受
渡試験方法

追加

対 応 国 際 規 格 に は , ISO 

2314:1989

の改正規格で,旧 JIS 

B 8041:2000

に 含 ま れ て い る

ISO 2314/AMENDMENT 1:1997

の内容は含まれていない。 
この部分の規定は,旧 JIS を踏
襲することにして附属書 JA と

して追加した。

ISO/TC 192

で新規格の作成作業

を実施する予定なので,それを待
ち,必要があれば,その新規格に
合わせて附属書 JA の改正を実施

する。

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 2314:2009,MOD

注記 1  箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。

    −  削除……………… 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。

    −  追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
    −  変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。

注記 2  JIS と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。

    −  MOD……………  国際規格を修正している。

76

B 804

1


2

012