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B 8032-2 : 1998

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日

本工業規格である。これによって JIS B 8032-1993(ピストンリング通則)は廃止され,JIS B 8032-1

13 :

1998

(内燃機関−小径ピストンリング−)

JIS B 8037-1

: 1998(内燃機関−大径ピストンリング−)及

び JIS B 8038 : 1998(往復動油圧シリンダ用ピストンリング)によって置き換えられる。

今回の制定では,国際規格との整合を図ることに重点を置き,

対応国際規格の規定内容をすべて採用し,

さらに,JIS として必要な規定内容を追加した。また,JIS Z 8301(規格票の様式)が 1996 年 7 月に改正

されたのに伴い,それに従って規格票の様式も変更した。

JIS B 8032

は,次に示す 13 部によって構成され,これらに”内燃機関−小径ピストンリング−”という

共通の規格名称を用いた。

JIS B 8032 

内燃機関−小径ピストンリング−

第 1 部:用語

第 2 部:測定方法

第 3 部:材料

第 4 部:仕様の一般規定

第 5 部:要求品質

第 6 部:レクタンギュラリング

第 7 部:薄幅レクタンギュラリング

第 8 部:スクレーパリング

第 9 部:キーストンリング

第 10 部:ハーフキーストンリング

第 11 部:オイルコントロールリング

第 12 部:コイルエキスパンダ付きオイルコントロールリング

第 13 部:スチール組合せオイルコントロールリング

JIS B 8037

は,次に示す 8 部によって構成され,これらに“内燃機関−大径ピストンリング−”という

共通の規格名称を用いた。

JIS B 8037

内燃機関−大径ピストンリング−

第 1 部:用語

第 2 部:測定方法

第 3 部:材料

第 4 部:仕様の一般規定

第 5 部:要求品質

第 6 部:レクタンギュラリング

第 7 部:オイルコントロールリング

第 8 部:コイルエキスパンダ付きオイルコントロールリング

JIS B 8038

は,

“往復動油圧シリンダ用ピストンリング”という規格名称を用いた。


日本工業規格

JIS

 B

8032-2

 : 1998

内燃機関−小径ピストンリング

−第 2 部:測定方法

Internal combustion engines

−Small diameter piston rings−

Part 2 : Inspection measuring principles

序文  この規格は,1984 年に第 1 版として発行された ISO 6621-2, Internal combustion engines−Piston rings

−Part2 : Inspection measuring principles を基に,対応する部分については対応国際規格を翻訳し,技術的内

容を変更することなく作成した日本工業規格であるが,対応国際規格には規定されていない規定内容を日

本工業規格として追加している。

  なお,この規格で,点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格にはない事項である。

1.

適用範囲  この規格は,往復動内燃機関に使用する呼び径 200mm 以下のピストンリング(以下,リ

ングという。

)の測定方法について規定する。

なお,この規格は,類似した状態で作動する圧縮機用リングなどに適用してもよい。

備考  対応国際規格を次に示す。

ISO 6621-2 : 1984, Internal combustion engines

− Piston rings − Part 2 : Inspection measuring

principles

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版を適用する。

JIS B 0601

  表面粗さ−定義及び表示

備考  ISO 468, Surface roughness−Parameters, their values and general rules for specifying requirements

からの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。

JIS B 8032-9

  内燃機関−小径ピストンリング−第 9 部:キーストンリング

備考  ISO 6624-1 : 1988, Internal combustion engines−Piston rings−Part 1 : Keystone rings からの引用

事項は,この規格の該当事項と同等である。

3.

測定方法

3.1

一般測定条件  特に規定のない場合は,次による。

a)

リングは,自由状態でデータム面上に置き,リングには特別の力を加えてはならない。

b)

リングの呼び径に等しいリングゲージに挿入して測定する項目もある。方向性のあるリングをこの方

法で測定する場合には,上側面がデータム面側になるように置く。

c)

測定器は,測定する測定項目の許容差の 10%以下の精度のものを用いる。


2

B 8032-2 : 1998

3.2

特性及び測定方法

項目番号

リングの特性

記号

基本特性

    3.2.1

  幅

a)

側面平行リング

h

1

b)

キーストンリング

h

3

a

6

    3.2.2

  厚さ

a

1

    3.2.3

  自由合い口すきま

m, p

    3.2.4

  合い口すきま

s

1

    3.2.5

  接線張力

F

1

    3.2.6

  直径張力

F

d

形状特性

    3.2.7

  オーバリテイ

U

    3.2.8

  ポイントデフレクション

W

    3.2.9

  ライトタイトネス

外周面関連特性

    3.2.10

  外周面テーパ

    3.2.11

  外周面バレル

t

2

t

3

    3.2.12

  当たり幅

h

4

h

5

    3.2.13

  当たり面段差

    3.2.14

  コーティング又はインレイドの厚さ

側面関連特性

    3.2.15

  キーストン角度

    3.2.16

  傾き角

    3.2.17

  ツイスト

    3.2.18

  平面度

T

er

T

eu

その他

    3.2.19

  合い口端部の軸方向ずれ

    3.2.20

  平面ひずみ

    3.2.21

  表面粗さ

R

a

R

z


3

B 8032-2 : 1998

特性

定義

測定方法

3.2.1

  幅

単位 mm

a) 

側 面 平 行 リ ン
グ  h

1

側面に直角な任意の位
置の両側面間の長さ(

1

及び

図 参照)。

半径 1.5±0.05mm の球面形測定子
をもつ測定器を用いて測定する。
測定荷重は約 1N とする(

図 

照)

両端とも平面形測定子をもつ測定
器を用いてもよい。

備考  窓付きオイルリングの

場合は,窓の部分を避
けて測定する(

図 

照)

図 

図 

図 3

b) 

キ ー ス ト ン リ
ング  h

3

外周面から規定された
寸法 a

6

における両側面

間の長さ(

図 参照)。

a) A

規定された寸法 a

6

における両

側面間の寸法 h

3

を測定する

図 参照)。

半径 1.5±0.05mm の球面形測

定子をもつ測定器を用いて測
定する。測定荷重は約 1N と
する(

図 参照)。

球面形測定子を用いると,次
の測定誤差を生じる。 
キーストン角度 6°:0.004mm

キーストン角度 15°:0.026mm
キーストンリングの正しい幅
寸法を得るには,測定値から

上記の値を差し引く。

a

6

寸法は,JIS B 8032-9 に示

す。

図 

図 5

b) B

規定された幅寸法 h

3

における

寸法 a

6

を測定する(

図 

照)

。リングを規定ゲージ幅寸

法 h

3

をもったシャープエッジ

をもつ円板間に置き,平面形
測定子をもつ測定器を用いて
測定する。測定荷重は約 1N

とする(

図 参照)。

h

3

寸法は,JIS B 8032-9 に示

す。

図 6


4

B 8032-2 : 1998

特性

定義

測定方法

3.2.2

  厚さ  a

1

単位 mm

リングの外周と内周と
の間の半径方向の長さ

図 参照)。

a)

外周面側に平面形測定子を,
内周面側には半径約 4mm の
球面形測定子を用いて,内外

周間の半径方向の距離を測定
する。

測定荷重は,3∼10N とする

図 参照)。

b)

半径約 4mm の円筒形測定子

を用いて,内外周間の半径方
向の距離を測定する。測定荷
重は,3∼10N とする。円筒形

測定子の長さは,測定するリ
ングの幅寸法より大きくなけ
ればならない(

図 参照)。

図 

図 

図 9

3.2.3

  自 由 合 い 口

すきま  m, p

単位 mm

自由状態で厚さ寸法の
中心線上における合い

口両端間の弦の長さ(

10

参照)

内周回り止め付きリン

グの自由合い口すきま
は,合い口両端間の最小
の弦の長さ

図 11 参照)。

0.25mm

の精度の鋼製スケールで

測定する。

又はノギスを用いて,測定しても
よい。

図 10 

図 11


5

B 8032-2 : 1998

特性

定義

測定方法

3.2.4

  合 い 口 す き

ま  s

1

単位 mm

リングの呼び径に等し
い寸法のリングゲージ
に入れたときの最小の

合い口端部間のすきま
の長さ(

図 12 参照)。

合い口すきま s

1

は,呼び

径寸法 d

1

に関係する。

呼び径寸法のリングゲージに入れ
て,すきまゲージ(くさびゲージ
又はフィラーゲージ)を用いて測

定する。測定荷重は,約 1N とす
る(

図 12 参照)。

リングゲージは,内径寸法の偏差

がリング呼び径寸法に対して+

0.001

×d

1

(単位 mm)の範囲内の

ものを用いる。

  なお,その平均内径寸法がリン
グ呼び径寸法と異なる場合は,そ
の寸法差を求め,合い口すきまの

測定値を補正する。

図 12


6

B 8032-2 : 1998

特性

定義

測定方法

3.2.5

  接 線 張 力

F

t

単位 N

a) 

シ ン グ ル ピ ー
スリング

円形状の金属製テープ
又はフープの中にリン
グを入れて,リングの合

い口すきまが所定の寸
法になるまで閉じるた
めに必要な接線方向の

力(

図 13 参照)。

a) 

テープによる方法

20mm

離れた直径 10mm のロ

ー ラ を 介 し て 厚 さ 0.08 ∼

0.10mm

の金属製円形テープ

を巻き付ける(

図 14 参照)。

フレキシブルな金属製テープ

をリングに巻き付けて合い口
部のところで交差させる方法
を用いてもよい(

図 15 参照)。

  なお,

図 15 において,荷重

計は固定端側に取り付けても
よい。リングの合い口部が接

するまでテープを引っ張り,
その後あらかじめ測定された
合 い 口 すき ま 寸 法ま で 広 げ

る。そのときの力を荷重計で
読み取る。リングの合い口部
は,二つのローラ又は金属製

テ ー プ の交 差 部 の中 央 に 置
く。

b) 

フープによる方法

フープの中にリングを入れ,
フープの合い口とリングの合
い口とを一線上に並べる。

そのリングが対応するシリン
ダ径になるようにあらかじめ
決められたピンの間隔までフ

ープを閉じる(

図 16 参照)。

そのときの力を荷重計によっ
て読み取る。

接線張力を測定する場合は,テー
プ又はフープにリングをセットし
た状態で適度の振動を加える。金

属製テープ以外にワイヤを用いて
もよい。

図 13 

図 14 

図 15 

図 16


7

B 8032-2 : 1998

特性

定義

測定方法

b) 

組合せリング

円形状の金属製テープ
又はフープの中にリン
グを入れて,リングの合

い口部に振動を加えな
がら,リングの合い口す
きまが所定の寸法にな

るまで閉じるために必
要な接線方向の力[

13a)

参照]

コイルスプリング付きリング又は
それと同様にリングの内周にコイ
ルエキスパンダを入れたリングを

測定するときは,コイルエキスパ
ンダの合い口はリング本体の合い
口部から 180°の位置とする。

スペーサ付き組合せリングの測定
の場合は,そのリングをリング溝
と同一の寸法のキャリアに入れ

る。 
スペーサエキスパンダの突合せ部
は,サイドレール合い口部から

180

°の位置とし,2 本のサイドレ

ールの合い口すきまはそろえる。
キ ャ リ ア の 溝 幅 許 容 差 は ,

h

1

01

.

0

03

.

0

+

+

mm

とし,金属製テープの厚

さは,0.15±0.005mm とする。 
プレートエキスパンダの入ったリ

ング又はピストンの溝底で支持す
るようなスプリングが入ったリン
グの測定をするときは,キャリア

の溝底径は,ピストンのリング溝
底径に等しくする。 
キャリアの溝底径の許容差は±

0.02mm

とする。プレートエキスパ

ンダの合い口部は,リング本体の
合い口部から 180°の位置とする。

a) 

テープによる方法

シングルピースリングと同じ
方法を用いるが,摩擦力を軽

減するため金属製テープに適
切な振動を加える[

図 14a)及

図 15a)参照]。

振動のレベルは,40∼50Hz で
振幅 0.15mm が適正である。

図 13a) 

図 14a) 

図 15a)


8

B 8032-2 : 1998

特性

定義

測定方法

b) 

組合せリング

b) 

フープによる方法

シングルピースリングと同じ
方法を使用するが,摩擦力を

軽減するためフープに適切な
振動を加える[

図 16a)参照]。

備考1.  接線張力を測定する

前にリングに付着し
ている油は,除去す
る。

2.

接線張力を測定する
前に合い口すきまを
測定する。

3.

測定精度を向上する
ため,フェロオキサ
イド皮膜処理又はり

ん酸塩皮膜処理した
コイルエキスパンダ
付 き リ ン グ の 場 合

は,その表面が滑ら
かになるようにコイ
ルエキスパンダをリ

ング円周方向に回転
させる。

4.

接線張力測定では,

テープによる方法又
はフープによる方法
に お い て 測 定 誤 差

は,6.5%以下であり,
繰返し性がある。た
だし,測定器別,場

所別,測定者別など
による誤差について
は,適正な補正係数

を受渡当事者間で協
定することが望まし
い。

金属製テープ以外にワイヤを使用
してもよい。

図 16a)

3.2.6

  直 径 張 力

F

d

単位 N

備考  この方法

は,シン
グルピー

スリング
だけに適
用する。

合い口から 90°の位置
に直径方向の力を加え
たとき,その位置の直径

を呼び径に保持するた
めに必要な力(

図 17 

照)

直径張力は,リングを閉じるため
に平らな板を用いて測定する(

17

参照)

図 17


9

B 8032-2 : 1998

特性

定義

測定方法

3.2.7

  オ ー バ リ テ

ィ  U

単位 mm

備考  この方法

は,シン
グルピー
スリング

だけに適
用する。

フレキシブルな金属製
テープの中へリングを
入れ,所定の合い口すき

まになるまでリングを
閉じたときの互いに直
角な直径 d

3

と d

4

との差。

正  (+) (d

3

>d

4

)

負  (−) (d

3

<d

4

)

とがあ

る(

図 18 参照)。

厚さ 0.08∼0.10mm のフレキシブ
ルな金属製テープの中にリングを
入れ,所定の合い口すきまになる

までリングを閉じて 1N 以下の荷
重で測定する(

図 18 参照)。

テープに入れて閉じたリングは,

円板で上下をクランプし,テープ
を外してから直径 d

3

及び d

4

を測定

してもよい。

備考  円板の間にリングをク

ランプして測定する方
法は,窓のあるオイル

コントロールリングに
は適用しない。

図 18

3.2.8

  ポ イ ン ト デ

フレクション  W

単位 mm

リングを呼び径のリン
グゲージに入れたとき,
合い口部のリング外周

面が真円基準点から離
れる偏差(

図 19 参照)。

半径 1.5±0.05mm の球面形測定子
を用いて,測定荷重は約 1N で測
定する。ゲージ角度

θ相当部分だけ

除去した呼び径のゲージにリング
を入れて測定する(

図 19 参照)。

ゲージ角度

θ

 

は,受渡当事者間で

協定する。一般的にはゲージ角度
はポート角度に関係する。 
使用するゲージの許容差は次によ

る。

角度

θ

:±1°

内径寸法:

1

0

001

.

0

d

×

真円度  :0.0001×d

1

以下

図 19

3.2.9

  ラ イ ト タ イ

トネス(リング全円
周に対する割合)

単位%

リングを呼び径のリン

グゲージに入れ背面か
ら光を当てたとき,リン
グ外周面からの光を遮

る特性で,リング全円周
に対する割合(

図 20 

照)

ピンポイント,ばりなど
によるかすかな光はラ
イトタイトとみなす。

適切な光源を備えたゲージの中に

リングを入れ,光が通過する外周
面の割合を測定する(

図 20 参照)。

リング外周面のかすかな表面の凹

凸を除去するために,リングをゲ
ージに入れてから回転してもよ
い。

特別に規定がない場合は,拡大せ
ずに通常の目視による。目視によ
る誤差及び散乱光による誤差を防

止することが重要である。 
リング背面の照度は,

周囲より 400

∼1 500Lx 明るくする。

用いるゲージの許容差は,次によ
る。

単位 mm

内径寸法:

1

0

001

.

0

d

×

真円度  :0.000 1×d

1

以下

図 20


10

B 8032-2 : 1998

特性

定義

測定方法

3.2.10

  外周面テー

単位

µm 又は度)

リングの外周面に意図
的に形成した線とデー
タム面に垂直な線との

偏差(

図 21 参照)。

a) A

リングの合い口反対側におい
て,平面形測定子を用いて約

1N

の測定荷重でデータム面

に垂直に測定する(

図 22 

照)

記録する寸法測定値はリング
の外周面の 2 点,すなわち,
上側面に近い点で,その距離

が 離れている 2 点における
半径方向寸法の差。

寸法 は,

リングの幅寸法の 2/3 とし,

記録する測定値はテーパ角度
に換算して(度)又は(分)
にしてもよい。

b) B

リ ン グ をデ ー タ ム面 上 に 置
き,形状測定器を用いてリン

グの合い口反対側でデータム
面に直角に外周面の形状を記
録計に図示する。

測定した倍率を明記する。

備考  これと同じ方法は,例

えば,一般的ストレー

トフェースレクタンギ
ュラリングなど意図的
に加工したテーパでは

なく,加工中に意図せ
ずに形成されたテーパ
を測定するのに用いて

もよい。

図 21 

図 22


11

B 8032-2 : 1998

特性

定義

測定方法

3.2.11

  外周面バレ

ル  t

2

t

3

単位 mm

リングの外周面に意図
的に形成した凸面のデ
ータム面に垂直な線と

の偏差(

図 23 参照)。

a) A

リングの合い口反対側におい
て,平面形測定子を用いて測

定荷重は約 1N としてデータ
ム面に垂直に測定する(

図 24

参照)

測定点はリングの外周面上の
二つの点,すなわち,一つは
バレル頂点(リングの中央線

又はそれに近い点)

,もう一つ

はリング幅の中心線から規定
されたバレル幅 h

8

の 1/2 中心

線から離れた点とし,この二
点間の差を測定する。

b) B

リ ン グ をデ ー タ ム面 上 に 置
き,リングの合い口反対側外
周面を形状測定器を用いて,

デ ー タ ム面 に 垂 直に 図 示 す
る。 
測定した倍率を明記する。

縦と横との倍率比は,10 又は

25

がよい。

備考  これと同じ方法は,例

えば,一般的なストレ
ートフェースレクタン
ギュラリングなど意図

的に形成したバレルで
はなく,加工中に意図
せずに形成されたバレ

ルを測定するのに用い
てもよい。

 

図 23 

図 24

3.2.12

  当たり幅 

h

4

h

5

  (

単位 mm

シリンダ内壁に理論的
に接触するランドの幅

図 25 参照)。

a) A

すべてのランド形状(シャー
プエッジ,C 面取り又は R 面

取り)に対して工具顕微鏡又
は投影検査機で測定する。測
定は,ランドの外周面だけに

ついて行う(

図 26 参照)。

図 25


12

B 8032-2 : 1998

特性

定義

測定方法

3.2.12

  当たり幅 

4

5

単位mm)

b) B

リングをデータム面上に置い
て,すべてのランド形状に対

して形状測定器によって当た
り面を図示する。 
測定した倍率を明記する。

備考  当たり面段差(3.2.13 

照)は,この測定方法
でリングの合い口反対

側において,同時に測
定することができる。

図 26

3.2.13

  当たり面段

差    (単位 mm

オイルコントロールリ

ングにおける二つの外
周当たり面の半径方向
の相対的段差(

図 27 

照)

a) A

リングの合い口反対側におい
て,データム面に垂直な線か
らの寸法を平面形測定子を用

いて約 1N の測定荷重で測定
する(

図 27 参照)。

リングは,測定装置に対して

3

∼5N の力 で押さえる(

28

参照)

b) B

3.2.12

の B 法と同じ。

図 27 

図 28

3.2.14

  コーティン

グ 又 は イ ン レ イ ド
の厚さ (単位 mm

コーティング又はイン
レイドの外周面とリン

グ母材のベースとの間
の半径方向長さ(

図 29

参照)

校正した電磁誘導式膜厚計を用い
て,コーティング又はインレイド

の幅の中央部で測定する。校正は,
測定するリングと同等の寸法及び
材質のマスターリングを用いて行

う。 
測定箇所は,合い口反対側及び合
い口端部から両側 15mm の点とす

る。

図 29

3.2.15

  キーストン

角度    (単位  度)

リングの両側面で形成

されるはさみ角度(

30

参照)

,又は両側面角

度の合計,すなわち,は

さみ角度。

a)  A

リングの合い口反対側におい
て,真の半径方向に一定の距
離が離れた 2 点におけるリン

グ 幅 の 差 を , 半 径 が 1.5 ±

0.05mm

の球面形測定子を用

いて約 1N の測定荷重で測定

し,側面角度を算出する。キ
ーストン角度は両側面角度の
合計として算出する(

図 31 

照)

図 30


13

B 8032-2 : 1998

特性

定義

測定方法

3.2.15

  キーストン

角度    (単位  度)

b) B

リングの合い口反対側におい
て,真の半径方向にナイフエ

ッジ形状の二組の測定子をも
つ 検 出 シス テ ム を用 い て 約

1N

の測定荷重でリング幅の

差を測定し,側面角度を算出
する。 
キーストン角度は,両側面角

度の合計として算出する(

32

参照)

c) C

法及び 

C

法及び D 法は,リングの合

い口反対側において,リング
の側面を横切った一定の距離

を半径が 1.5±0.05mm の球面
形測定子を用いて,約 1N の
測定荷重で半径方向に移動さ

せて測定する。測定のために
リングを置くデータム面は,
測定線が正しく半径方向にな

るように位置する(

図 34 

照)

1) C

データム面は,リングの側面
角度の呼び角度と等しい角度
に傾ける。そして,測定子の

接触面は,測定子が動く軸に
平行に移動する。測定子によ
って平行からの側面の偏差を

測定して,実際の側面角度の
差を算出する。これで,実際
の側面角度が求められる。

リングは,両側面を測定し,
側面角度の合計をキーストン
角度とする(

図 33 参照)。

2) D

測定子が動く軸は,データム
面に平行とする。リングの側

面は,データム面に対してリ
ングの側面角に等しい角度を
もたせておく。リングの側面

を移動する測定子の接触範囲
は,側面角に相当する全範囲
とし,測定子の全移動量を作

図する。それによって側面角
を算出する。 
リングは,両側面を測定し,

側面角の合計をキーストン角
度とする。

図 31 

図 32 

図 33 

図 34


14

B 8032-2 : 1998

特性

定義

測定方法

3.2.16

  傾き角 

単位  度)

キーストンのはさみ角
度の 2 等分線がデータ
ム面に平行な面に対し

て自然に発生する偏差

図 35 参照)。

ねじれ設計リングには

適用しない。

測定の基本原理は,キーストンの
角度測定方法(3.2.15 の C 法及び

D

法参照)と同じである。

リングの両側面の側面角度を測定
する。傾き角は両側面角の差の半
分である。例えば,はさみ角度が

15

°のリングで一側面角が 7 °

40

′,他の角度が 7°20′の場合

その傾き角は 10′である。

両側面からの偏差に適用した場合
は,傾き角は,二つの偏差の和の
半分である。上の例では,両側面

角偏差値は各々10′であり,傾き
角は 10′となる。

図 35

3.2.17

  ツイスト 

単位 mm

リングを呼び径のリン
グゲージに入れたとき
に発生するリング断面

のデータム面からのね
じれの偏差(内面又は外
面ステップ若しくはベ

ベルリングのような非
対称断面リングの場合
など)

図 36 参照)。

リングをリングの呼び径に等しい
リングゲージに挿入し,データム
面に平行な面からのリング側面の

偏差を正確に半径方向の長さにつ
いて測定する。 
キーストンリング以外のリングに

対しては,ベベル又はステップ部
の反対側面でリングの合い口反対
側を半径 1.5±0.05mm の球面形測

定子を用いて約 1N の測定荷重で
測定する(

図 37 及び図 38 参照)。

図 36

キーストンリングのねじれは,リ

ングの合い口反対側で自由状態と
挿入状態で測定した下側面角度の
差である。

備考  ねじれは,長さ 2mm 又

はリングの有効な半径
方向厚さの 60%以上に

対して,データム面か
らの距離の直線的な偏
差として測定する。

キーストンリングの角度測定につ
いては 3.2.15 を参照する。

正の測定値は正ねじれ

図 37 

図 38


15

B 8032-2 : 1998

特性

定義

測定方法

3.2.18

  平面度 

T

er

T

eu

単位 mm

データム面に平行な面
からのリング側面の自
然に発生する偏差で,リ

ングがねじれ又は皿状
になった状態(

図 39 

図 41 参照)。

a) 

半径方向

半径が 1.5±0.05mm の球面形
測定子を用いて約 1N の測定

荷重でリングの上側面におい
て(

図 40 及び図 43 参照)荷

重点の中央で測定する。4 点

の測定値の最大値を平面度と
する。

b) 

円周方向

半径が 1.5±0.05mm の球面形
測定子を用いて約 1N の測定
荷重でリングの上側面におい

て(

図 42 及び図 43 参照)リ

ングの厚さの中心で,かつ,
荷重点の中央で測定する。振

れの最大値と最小値との差を
平面度とする。

リングに加える荷重 
測定する前にリングには 5 か所に
荷重を加えなければならない。そ
の位置は,それぞれ合い口部,合

い口から 90°,180°吸び 270°各
点とする。窓付きオイルコントロ
ールリングの場合には,荷重点及

び測定位置は,柱の近くとし,窓
の、部分は避ける。 
各荷重点に加える荷重は,次の値

とする。

図 39 

図 40 

図 41 

図 42

呼び径 80mm 未満のリング:

2.5N

呼び径 80mm 以上のリング:

5.0N

図 43

3.2.19

  合い口端部

の軸方向ずれ

単位 mm

合い口端部間のデータ
ム面に垂直な方向の偏
差(

図 44 参照)。

データム面に接触しているリング
の合い口端部に約 10N の荷重 
加えるか又はクランプする。測定

用顕微鏡又は拡大鏡を用いて他方
の合い口端部の変位を測定する。
負荷又はクランプの位置は,測定

しようとするリングの合い口端部
から 15°以内とする。

図 44


16

B 8032-2 : 1998

特性

定義

測定方法

3.2.20

  平面ひずみ  自由状態のリング側面

のデータム面に対する
軸方向の偏差。

清浄で乾燥したリングは,垂直な

2

枚の板の間をリングの自重で自

然落下しなければならない(

図 45

参照)

2

枚の板の間隔は,リング幅の最

大値と次に示す平面ひずみ許容値

を加えた値に等しくなければなら
ない。

リング呼び径

平面ひずみ許容値

100mm

未満

100

∼125mm

125mm

を超えるもの

0.050mm

0.075mm

0.100mm

リング幅 1.5mm 以下のリングに対
し て は , 平 面 ひ ず み 許 容 値 に

0.025mm

を加える。

側面板

大きさ: リングの自由状態での

最大直径に等しいか,
又はそれより大きくな
ければならない。 

平たん度:±0.0025mm 
表面粗さ:R

a

=0.25

µm

板の間隔の許容差は,

0

01

.

0

+

mm

とす

る。 

図 45

3.2.21

  表面粗さ 

R

a

R

z

  (

単位

µm)

JIS B 0601

による。

JIS B 0601

によって適切な表面粗

さ測定器を用いる。

備考  図面での表示方法につ

いては,JIS B 0031 を参
照する。

参考規格

JIS B 0031

  製図−面の肌の図示方法

備考  ISO 1302, Technical drawings−Method of indicating surface texture が,この規格の該当事項と同等

である。


17

B 8032-2 : 1998

JIS B 8032, 8037, 8038

原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

古  林      誠

青山学院大学

(幹事・小委員会主査)

久  保  幸  彦

帝国ピストンリング株式会社技術開発部

(委員)

浦  田  益太郎

通商産業省機械情報産業局

内  山  芳  忠

工業技術院機械技術研究所

本  間      清

工業技術院標準部

橋  本  繁  晴

財団法人日本規格協会技術部

青  木  千  明

日本内燃機関連合会

照  山      勝

社団法人自動車技術会

門      泰  一

社団法人日本油空圧工業会(太陽鉄工株式会社)

山  本  英  継

三菱自動車工業株式会社材料技術部

伯耆田      毅

日産自動車株式会社

小野山  泰  一

日産自動車株式会社パワートレーン開発本部

江  頭  英  則

三菱自動車工業株式会社相模原製作所

常  田  征  三

株式会社田邊空気機械製作所名古屋事業所

小  島  克  己

社団法人日本自動車部品工業会技術部

手  島      巌

株式会社リケン  技術開発部

平  石      巌

日本ピストンリング株式会社技術開発部

(小委員会委員)

深  瀬  長  三

帝国ピストンリング株式会社

竹  内  康  二

日本ピストンリング株式会社技術開発部

栗  林  盛  夫

株式会社リケン  ピストンリング事業部

(関係者)

中  林  賢  司

工業技術院標準部

三  塚  隆  三

財団法人日本規格協会技術部

(事務局)

阿  部  静  郎

社団法人陸用内燃機関協会

本  間  隆  雄

社団法人陸用内燃機関協会

備考  ○印のついている者は,小委員会委員を兼ねる。