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B 8009-6 : 2001 

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,日本内燃機関連合会 (JICEF) /財団法人日

本規格協会 (JSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準

調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。 

制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 8528-6 : 1993, Reciprocating internal 

combustion engine driven alternating current generating sets−Part 6 : Test methodsを基礎として用いた。 

JIS B 8009-6には,次に示す附属書がある。 

附属書(参考) JISと対応する国際規格との対比表 

JIS B 8009の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS B 8009-1 第1部:用途,定格及び性能 

JIS B 8009-2 第2部:機関 

JIS B 8009-5 第5部:発電装置 

JIS B 8009-6 第6部:試験方法 

JIS B 8009-7 第7部:仕様書及び設計のための技術情報 

JIS B 8009-12 第12部:非常用発電装置 

なお,原国際規格ISO 8528は,さらに次の部によって構成される。 

 −Part 3 : Alternating current generators for generating sets 

 −Part 4 : Controlgear and switchgear 

 −Part 8 : Requirements and tests for low-power generating sets 

 −Part 9 : Measurement and evaluation of mechanical vibrations 

 −Part 10 : Measurement of airborne noise by the enveloping surface method 

B 8009-6 : 2001 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1. 適用範囲 ························································································································ 1 

2. 引用規格 ························································································································ 1 

3. 関連する規則及び追加要件 ································································································ 2 

4. 一般試験要件 ·················································································································· 2 

5. 機能試験 ························································································································ 3 

5.1 一般検査 ······················································································································ 3 

5.2 測定 ···························································································································· 3 

5.3 測定装置の精度 ············································································································· 3 

5.4 機能試験報告書 ············································································································· 4 

6. 受渡試験 ························································································································ 4 

6.1 契約に基づく措置 ·········································································································· 4 

6.2 責任 ···························································································································· 5 

6.3 準備 ···························································································································· 5 

6.4 その他詳細事項 ············································································································· 5 

6.5 受渡試験の範囲 ············································································································· 6 

6.6 測定装置の精度及び受渡試験の手順 ··················································································· 7 

6.7 受渡試験報告書 ············································································································· 8 

附属書(参考) JISと対応する国際規格との対比表 ·································································· 11 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

B 8009-6 : 2001 

往復動内燃機関駆動発電装置− 

第6部:試験方法 

Reciprocating internal combustion engine 

driven alternating current generating sets−Part 6 : Test methods 

序文 この規格は,1993年に第1版として発行されたISO 8528-6,Reciprocating internal combustion engine 

driven alternating current generating sets−Part 6 : Test methodsを翻訳し,技術的内容を変更して作成した日本

工業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変更の一覧表

をその説明を付けて,附属書に示す。 

1. 適用範囲 この規格では,発電装置全体の特性についての試験方法について規定する。これらの構成

部品については,機関(JIS B 8002-1及びJIS B 8002-3参照)及び発電機(IEC 60034-2参照)の既存の試

験方法を用いる。発電装置製造業者は,これらの特性及び実施する試験について指定しなければならない。 

この規格は,陸上及び海上用途の往復動内燃機関によって駆動する交流発電装置に適用する。ただし,

航空機で使用する発電装置並びに陸上走行車両及び機関車の推進走行のために使用する発電装置には適用

しない。 

幾つかの特殊な用途(例えば,主要な病院用電源装置,高層ビルなど)では,追加要件が必要な場合が

ある。この規格の規定事項は,その基本事項である。 

その他の往復動形の原動機(例えば,消化ガスを燃料とする機関,蒸気機関など)によって駆動する発

電装置でも,この規格の規定事項は,その基本事項である。 

備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。 

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD

(修正している),NEQ(同等でない)とする。 

ISO 8528-6 : 1993 Reciprocating internal combustion engine driven alternating current generating sets

−Part 6 : Test methods (MOD) 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格のうちで発効年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格を構成するも

のであって,その後の改正版・追補には適用しない。発効年を付記していない規格は,その最新版(追補

を含む。)を適用する。 

JIS B 8002-1 往復動内燃機関−性能−第1部:標準大気条件,出力・燃料消費量・潤滑油消費量の表

示及び試験方法 

B 8009-6 : 2001 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

備考 ISO 3046-1 : 1995, Reciprocating internal combustion engines−Performance−Part 1 : Standard 

reference conditions, declarations of power, fuel and lubricating oil consumptions, and test 

methodsからの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。 

JIS B 8002-3 往復動内燃機関−性能−第3部:測定 

備考 ISO 3046-3 : 1989, Reciprocating internal combustion engines−Performance−Part 3 : Test 

measurementsからの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。 

JIS B 8009-1 往復動内燃機関駆動発電装置−第1部:用途,定格及び性能 

備考 ISO 8528-1 : 1993, Reciprocating internal combustion engine driven alternating current generating 

sets−Part 1 : Application, ratings and performanceからの引用事項は,この規格の該当事項

と同等である。 

JIS B 8009-2 往復動内然機関駆動発電装置−第2部:機関 

備考 ISO 8528-2 : 1993, Reciprocating internal combustion engine driven alternating current generating 

sets−Part 2 : Enginesからの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。 

JIS B 8009-5 往復動内燃機関駆動発電装置−第5部:発電装置 

備考 ISO 8528-5 : 1993, Reciprocating internal combustion engine driven alternating current generating 

sets−Part 5 : Generating setsからの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。 

JIS C 4034-5 回転電気機械−第5部:外被構造による保護方式の分類 

備考 IEC 60034-5 : 1991, Rotating electrical machines−Part 5 : Classification of degrees of protection 

pro-vided by enclosures of rotating electrical machines (IP code) が,この規格と一致している。 

IEC 60034-2 : 1972, Rotating electrical machines−Part 2 : Methods for determining losses and efficiency of 

rotating electrical machinery from tests (excluding machines for traction vehicles) 

IEC 60947-1 : 2000, Low-voltage switchgear and controlgear−Part 1 : General rules 

3. 関連する規則及び追加要件 

3.1 

船級協会の規則に準拠する必要のある船上及び海上設備で使用する発電装置では,船級協会の追加

要件を適用する。注文者は,装置の注文前に,船級協会を指定する。 

船級を取らない設備で使用する発電装置の追加要件は,個々の場合ごとに,受渡当事者間の合意によっ

て定める。 

3.2 

その他の公的機関の規則による特殊要件に適合する必要がある場合には,注文者は,注文を行う前

に,その公的機関を明示する。 

その他一切の要件は,受渡当事者間の合意によって定める。 

4. 一般試験要件 

4.1 

発電装置の試験は,機能試験(5.参照)又は受渡試験(6.参照)に従って実施する。受渡当事者間で

の合意があれば,機能試験の一部又はそのすべてを,受渡試験と組み合わせて行うことができる。ある形

式の発電装置を代表する装置によって,主要性能データ及び信頼性・耐久性の確認を目的に,形式試験 

(type tests) を行う場合は,機能試験の一部又はそのすべてに従って実施する。受渡試験は,製造業者の工

場及び/又は据付現地で実施する。試験の種類については,受渡当事者間で書面によって合意しなければ

ならない。 

4.2 

受渡試験の詳細要件は,次に示す項目によって異なる。 

B 8009-6 : 2001  

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− 用途 

− 出力 

− 供給範囲 

− 使用の方法 

− JIS B 8009-1及びJIS B 8009-5に従った性能分類 

4.3 

発電装置製造業者は,少なくとも機能試験(5.参照)を実施しなければならない。試験報告書は5.4

に従って作成する。この試験の幾つかは,受渡当事者間の合意のもとで,異なる形式で行うことができる。

この機能試験は,発電装置の適正な評価及び性能分類に適用する。 

4.4 

機能試験の手順は,発電装置製造業者の試験台を使用することを前提に記載してある。受渡当事者

間の合意があれば,機能試験及び/又は受渡試験は,注文者の現地又は第三者の試験場所で実施してもよ

い。 

5. 機能試験 この機能試験は,製造業者の工場で台上試験条件によって実施する。試験では通常,定格

力率負荷が用いられるが,その際,定格有効電力及び関連する発電機の効率に十分に留意する。試験装置

のために,これができない場合は,便宜的に力率1で試験を実施してもよい。ただし,この場合は,受渡

当事者間の合意を必要とする。 

5.1 

一般検査 仕様との適合性に関する一般検査は,発電装置製造業者の指示に従って実施する。検査

の範囲は,次による。 

− 納入された品目,試験される品目がすべてそろっているかの点検 

− アライメント 

− 支給された補助装置の機能動作(合意による) 

− 配管接合部及び構成部品の気密性 

− JIS C 4034-5及びIEC 60947-1で規定している保護の程度 

− 運転及び監視機能 

備考 ファンガードなどの精密でない部品を測定する場合は,統計的な推定法を用いてもよい。 

5.2 

測定 試験は暖機運転済みの発電装置で行う。発電装置の暖機に要する時間は一定していない。試

験を行う技術者は温度を安定させるために,十分な時間,装置の運転を行わなければならない。次に示す

事項を記録する。 

− 周囲大気温度,湿度及び大気圧 

− 定格出力時の電圧,電流及び周波数 

− 過渡動作を評価するため,負荷時及び無負荷時の電圧,周波数及び電流 

− 監視装置及び制御装置の固有の機能 

5.3 

測定装置の精度 記載したパラメータを測定するための計測器は,少なくとも,次に示す精度でな

ければならない。測定に使用する変成器及び変換器は,対応する精度等級以内とするのがよい。 

  電流  :1.5% 

  電圧  :1.5% 

  実出力 :1.5% 

  無効電力:1.5% 

  力率  :3% 

  周波数 :0.5% 

B 8009-6 : 2001 

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5.4 

機能試験報告書 機能試験報告書には,次に示す情報を記載する。 

a) JIS B 8009-1に従った発電装置の性能分類 

b) 注文者名及び注文番号(判明している場合) 

c) 製造業者名 

d) 機関,発電機,制御装置及び開閉装置の製造番号 

e) 技術情報,定格値及び測定値 

1) 出力 

2) 電圧 

3) 周波数 

4) 電流 

5) 力率 

6) 回転速度 

7) 回路図番号 

8) 冷却装置の形式 

f) 

エンクロージャの保護 

g) 試験の現地条件 

1) 高度 

2) 大気圧 

3) 周囲大気温度 

4) 相対湿度 

5) 吸気温度 

6) 冷却媒体入口温度 

h) 燃料の種類(仕様) 

1) 密度 

2) 発熱量(真発熱量) 

i) 

潤滑油の種類(仕様) 

6. 受渡試験 JIS B 8009-1,-2,-5では,発電装置の種々の用途に対する要求事項を規定している。製造

業者は,発電装置が,JIS B 8009-1,-2,-5で規定している要求事項に,適合していることを証明しなけれ

ばならない。ただし,受渡試験で,この規格に適合していることが立証されている場合はその限りではな

い。このことは,特に,JIS B 8009-1,-2,-5で定めている性能分類について,契約上合意している場合ば

かりでなく,任意の場合でも,合意された要求事項でも,又は特定の使用に対する性能分類のバリエーシ

ョンに対しても適用される。 

6.1 

契約に基づく措置 

6.1.1 

購入時に,この規格に従った受渡試験の詳細が書面によって合意されなければならない。試験装置

は,受渡試験で合意されている測定及び検査が検証できるものでなければならない。 

6.1.2 

その他の要件の適用及び追加測定の実施,又は6.5の要件の範囲を超える追加試験に関する事項は,

書面によって合意しなければならない。 

6.1.3 

6.1.1及び6.1.2で定めた試験要件を,受渡試験中に変更する場合は,適切な合意書を締結しなけれ

ばならない。 

B 8009-6 : 2001  

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6.1.4 

受渡試験のすべて若しくはその一部をやり直す場合,又は試験の範囲を広げる場合は,その費用は,

再試験又は試験の範囲を広げることに対して責任ある当事者が負担しなければならない。 

6.1.5 

受渡試験は,それを行う準備が整っている旨の通知を行った後,同意した期日内に実施しなければ

ならない。 

6.1.6 

発電装置製造業者は,注文者によって提供された装置の整備に対して責任を負う必要はない。 

6.1.7 

受渡当事者間の合意があれば,工場での試験証明書付き発電装置一式の試験は,受渡試験に代わる

ものとみなしてもよい。 

6.1.8 

各構成品(例えば,機関,発電機,開閉装置)の受渡試験は,発電所又は発電装置一式の受渡試験

に代わるものとはみなさない。受渡当事者間で合意している特別な場合又はある特性の検証用として使用

する場合には,製造業者による各構成品の試験記録を,各構成品の受渡試験の記録として使用してよい。 

6.1.9 

測定及び試験に対して計算書類が必要な場合,どの書類を,どの契約当事者によって,いつ作成す

る必要があるかを明記しなければならない。 

6.1.10 契約の範囲内で,受渡当事者にとって,受渡し可能な独立の検査員に,製造業者の工場及び/又は

装置を据付ける現地での,受渡試験の立会いを依頼してもよい。 

6.1.11 受渡試験は,製造業者の工場及び/又は据付現地で実施することができる。試験場所については,

書面によって合意しなければならない。 

6.2 

責任 

6.2.1 

製造業者は,その業者の工場での受渡試験に対して責任を負う。 

6.2.2 

据付現地で受渡試験を行う場合,受渡当事者間の責任範囲は,受渡試験を始める前に,合意しなけ

ればならない。 

6.3 

準備 

6.3.1 

補助要員,測定装置及び運転資材の準備は,次による。製造業者の工場で受渡試験を行う場合には,

製造業者は,通常の運転資材,試験に必要な測定装置及び補助要員を提供する。受渡試験を据付現地で行

う場合には,注文者は,必要な運転資材(例えば,負荷装置,燃料など)を提供する。注文者が製造業者

を支援するために,補助要員及びその他必要な測定装置を提供する場合は,受渡当事者間で合意しなけれ

ばならない。 

6.3.2 

据付現地での受渡試験の準備は,次による。受渡試験前に,発電装置を検査し,必要な調整及び点

検を行う機会を製造業者に与えなければならない。このような調整及び点検作業は,製造業者自身が設置

作業をしない場合にも適用される。 

6.3.3 

運転時の条件は次による。受渡試験を製造業者の工場で行う場合は,工場で使用している一般の通

風ダクト及び排気ダクトを使用してもよい。さらに,発電装置と一緒に支給される補助装置の代わりに,

工場備付けの補助装置(例えば,冷却水ポンプ,潤滑油フィルタ,冷却器,開閉装置など)の使用も,特

に規定がない限り認められる。指定した大気条件及び運転資材の特性が,受渡試験で実現できない場合に

は,標準試験条件からの偏りの影響及び試験結果の修正の必要性について,受渡試験を始める前に,合意

しておかなければならない。 

6.4 

その他詳細事項 

6.4.1 

受渡試験が短時間で修復できるような軽度の故障で中断し,それが本質的な故障でないということ

が受渡当事者間で合意された場合,受渡試験は継続しなければならない。受渡試験が重大な故障で中断し,

その故障が主要な構成部品の修理又は交換を必要とする場合には,受渡試験の全部か又は部分的にやり直

さなければならない。このことは合意しなければならない。 

B 8009-6 : 2001 

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6.4.2 

受渡試験時に発電装置で実施できる作業は,試験条件を維持するために必要な作業及び操作説明書

で指示している調整又は保全作業に限られる。 

6.4.3 

発電装置をその据付現地で,留出タイプ燃料以外の燃料(例えば,ガス,残留燃料など)で運転す

る場合は,特別な規定が必要になることがある。 

6.5 

受渡試験の範囲 受渡試験の範囲は,指定する用途によって異なり,6.5.1及び6.5.2に記載している

グループに分類される。この範囲を超えて点検及び測定を行う場合は,別途合意を必要とする。据付現地

で受渡試験を行う場合は,現地条件を考慮しなければならない。 

6.5.1 

点検 (C) 

グループCA 

− 納入された品目,試験される品目がすべてそろっているかの点検 

グループCB 

− アライメント 

− 補助装置の作動機能 

− 配管接合部及び各構成部品の気密性 

− (機械的及び電気的な)接触事故に対する保護 

− 運転及び監視機能 

− 振動(定常性) 

− 異常な運転騒音 

− 重要な構成部品の温度上昇 

グループCC 

− 関連する開閉装置の切替機能 

− 関連する開閉装置の制御機能 

− 関連する開閉装置の監視機能 

グループCD 

− 並列運転の適合性 

6.5.2 

測定 (M)  代表的な測定項目を次に示す。6.6の要求事項は,受渡試験の範囲内の測定に適用す

る。 

グループMA:定常運転条件下で次の測定を行う。 

− 電圧 

− 周波数 

グループMB 

− 電流 

− 電圧設定範囲 

− 周波数設定範囲 

− 有効電力又は力率 

− 定常周波数変化率 

− 単位時間当たりの電圧設定範囲変化率 

− 単位時間当たりの周波数設定範囲変化率 

グループMC 

− 始動特性 

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グループMD 

− 潤滑油圧 

− 機関及び発電機の出入口の冷却媒体温度 

グループME 

− 排気温度 

グループMF 

− 騒音 

グループMG 

− 排気排出物 

グループMH:オシログラフ又は同様の装置によって,次に示す測定を行う。 

なお,この間,過渡特性を評価するために,ある力率の下で,無負荷から全負荷をかけて,電圧・電流・

周波数を測る。 

− 電圧 

− 電流 

− 周波数 

グループMJ 

− 電圧波形の調和成分 

グループMK 

− 電圧波形の振幅変調 

グループML 

− 並列運転での配電 

− 並列運転での負荷分担 

グループMM 

− 発電機端での有効電力当たりの発電装置の燃料消費量。この場合,燃料の発熱量を考慮する。 

グループMN 

− 電気保護装置の有効性 

6.6 

測定装置の精度及び受渡試験の手順 

6.6.1 

測定装置の精度 電気計器の要求精度は,受渡当事者間の合意によるものとする。試験を製造業者

の工場で行う場合は,5.3の精度を用いることが望ましい。試験を製造業者の工場で行わない場合でも,最

低限,次に示す精度を推奨する。 

 電流  :2.5% 

 電圧  :2.5% 

 有効電力:2.5% 

 無効電力:2.5% 

 力率  :5% 

 周波数 :1% 

備考 使用する測定装置の波形依存性を考慮することが望ましい。 

6.6.2 

暖機時間 受渡試験は,暖機済みの発電装置で行う。発電機を暖機するための時間は一定していな

い。試験を行う技術者は,温度を安定させるために,十分な時間,装置の運転を行う。 

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B 8009-6 : 2001 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

6.6.3 

負荷試験の継続時間 負荷試験の継続時間は,発電装置の定格及び用途によって異なる。通常,0.5

時間から8時間の間で,製造業者が指定又は提案する。 

6.6.4 

製造工場で実施する受渡試験 

6.6.4.1 

電気負荷をかけた受渡試験 試験では通常,力率1の負荷が用いられるが,その際,定格有効電

力及び関連する発電機の効率に十分に留意する。試験装置が適切である場合は,便宜上,この試験を定格

力率で行ってもよい。出力によって影響を受ける場合の測定は,発電装置の負荷を,無負荷,定格出力の

25%,50%,75%及び100%負荷として行う。負荷投入試験は,受渡当事者間の合意によるものとする。試

験中の大気条件が,標準状態(JIS B 8009-1参照)と異なる場合は,測定した出力データを,標準状態で

のデータに修正する。 

6.6.4.2 

試験台に備えられた開閉装置を用いた受渡試験 別途規定がない場合,次の点検及び測定を実施

する。 

− 点検(6.5.1参照):グループCA及びCB 

− 測定(6.5.2参照):グループMA及びMB 

6.6.4.3 発電装置自体の開閉装置を含めた受渡試験 別途規定がない場合,次の点検及び測定を実施する。 

− 点検(6.5.1参照):グループCA,CB及びCC 

− 測定(6.5.2参照):グループMA,MB及びMN 

6.6.4.4 

追加点検及び測定 6.6.4.2及び6.6.4.3の規定に加えて,それ以上の点検及び測定について,合意

することができる(例えば,6.5.1及び6.5.2参照)。 

6.6.4.5 

電気負荷なしの受渡試験 別途規定がない場合,グループCA及びCBの点検を実施する(6.5.1

参照)。グループMAの測定を実施する(6.5.2参照)。 

備考 発電機の励磁装置を接続せずに,電圧及び周波数の測定を行うことはできない。 

6.6.5 

据付現地での受渡試験 据付現地での受渡試験では,電気的な負荷をかけて行う。また,この負荷

は定格電力に可能な限り近付けて行う。別途規定がない場合,次に示す点検及び測定を実施しなければな

らない。 

− 点検(6.5.1参照):グループCA,CB及びCC 

− 測定(6.5.2参照):グループMA及びMB 

さらに,追加の点検及び測定について合意してもよい(例えば,6.5.1及び6.5.2参照)。受渡試験ごとの

点検,及び測定グループを表1に示す。 

表1 受渡試験時に行う点検及び測定項目 

受渡試験 

グループ 

点検(6.5.1参照) 測定(6.5.2参照) 

試験台の開閉装置を使用する場合 

CA及びCB 

MA及びMB 

発電装置自体の開閉装置を使用する場合 

CA,CB及びCC 

MA,MB及びMN 

電気負荷なしの場合 

CA及びCB 

MA 

据付現地の場合 

CA,CB及びCC 

MA及びMB 

備考1. 機関自体の受渡試験が個別に実施されていない場合は,グループME及び

MF(6.5.2参照)の測定を行う。 

2. 連続及びプライム出力の用途では,MMの試験を行うことが望ましい。 

6.7 

受渡試験報告書 JIS B 8009-1及びJIS B 8009-5に従う発電装置で,6.6の規定に従って行う受渡試

験は,受渡試験報告書の書式で記録する。 

6.7.1 

一般情報の記録 受渡試験報告書には,次に示す一般情報を記載する。 

B 8009-6 : 2001  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

a) JIS B 8009-1及びJIS B 8009-5に従った発電装置の性能分類 

b) 注文者名及び注文番号 

c) 発電装置製造業者名及び注文番号 

d) 発電装置の製造番号 

e) 技術情報 

1) 定格出力 

2) 定格電圧 

3) 定格周波数 

4) 定格電流 

5) 定格力率 

6) 回路図番号 

f) 

往復動内燃機関に関する詳細事項 

1) 機関製造業者名 

2) 機関の型式番号 

3) 機関の製造番号 

4) シリンダ数及び配列 

5) 冷却形式 

6) 機関製造業者による呼び出力 (kW) :対応する機関の回転速度を併記 

7) 始動装置の形式 

g) 発電機に関する詳細事項 

1) 発電機製造業者名 

2) 発電機の型式番号 

3) 発電装置の製造番号 

4) 定格出力 (kVA) 

5) 構造形式 

6) 保護の形式 

h) 装置に関する詳細事項 

1) 開閉装置 

− 製造業者名 

− 形式 

− 開閉装置の番号 

2) 継手 

− 製造業者名 

− モデル 

− 形式 

3) 調速機 

− 製造業者名 

− 形式 

− 調速機の番号 

i) 

その他の装置の詳細事項,例えば,次のようなもの 

10 

B 8009-6 : 2001 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

1) 蓄電池 

2) 圧縮空気始動装置 

3) ポンプ 

4) 圧縮空気だめ 

5) 冷却装置 

6.7.2 

測定値の記録 受渡試験報告書には,次に示す測定値を記入する。 

a) 試験現地の条件 

1) 高度 

2) 大気圧 

3) 周囲大気温度 

4) 相対湿度 

5) 吸入空気温度 

6) 冷却媒体入口温度 

備考 3),5)及び6)の値は,往復動内燃機関と発電機とでは違ってもよい。 

b) 燃料の種類(仕様) 

1) 密度 

2) 発熱量(真発熱量) 

c) 発電装置の技術情報 

1) 出力 

2) 電圧 

3) 周波数 

4) 相数 

5) 電流 

6) 力率 

7) 速度調整範囲 

8) 単位時間当たりの周波数設定範囲変化率 

9) 電圧の範囲 

background image

11

B

 8

0

0

9

-6

 : 

2

0

0

1

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書(参考) JISと対応する国際規格との対比表 

JIS B 8009-6 : 2001 往復動内燃機関駆動発電装置−第6部:試験方法 

ISO 8528-6 : 1993 往復動内燃機関駆動発電装置−第6部:試験方法 

(I) JISの規定 

(II) 国際規格

番号 

(III) 国際規格の規定 

(IV) JISと国際規格との技術的差異の項

目ごとの評価及びその内容 
表示箇所:本体,附属書 
表示方法:点線の下線 

(V) JISと国際規格との技術的

差異の理由及び今後の対策 

項目番号 

内容 

項目番号 

内容 

項目ごとの

評価 

技術的差異の内容 

1.適用範囲 

発電装置全体の特性

の試験方法 

ISO 8528 

Part 6 

1. 

IDT 

− 

2.引用規格 

2. 

廃止されたISO 3046-2が

引用されている。 

引用規格が,旧版を参照

している。 

MOD/変更 引用規格を最新版に変更した。   

ISO 8528-2が引用規格と

なっていない。 

MOD/追加 本文で引用されているJIS B 

8009-2を,引用規格として追加

した。 

3.関連する規則

及び追加要件 

3. 

IDT 

− 

4.一般試験要件 

4. 

形式試験の規定がない。 

MOD/追加 JIS B 8009-7に合わせ形式試験

の項目を追加した。 

ISOでの矛盾を修正した。 

ISOに通知し,改正を促す。 

5.機能試験 

5. 

IDT 

− 

6.受渡試験 

6. 

IDT 

− 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:MOD 

備考1. 項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。 

   − IDT …………… 技術的差異がない。 
   − MOD/追加…… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
   − MOD/変更…… 国際規格の規定内容を変更している。 

2. JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。 

   − MOD ………… 国際規格を修正している。 

 
 
 
 
 

12 

B 8009-6 : 2001 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS B 8009-6 原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

○ 古 林   誠 

日本内燃機関連合会(元横浜国立大学) 

(主査) 

○ 丸 山 幸 廣 

株式会社新潟鐵工所原動機カンパニープラント技術部 

(幹事) 

○ 岡 野 幸 雄 

ダイハツディーゼル株式会社技術第一部 

(副幹事) 

○ 柏 原 久 義 

三菱重工業株式会社汎用機・特車事業本部エンジン・ターボ技術部 

(委員) 

# 荒 木 基 暁 

社団法人日本内燃力発電設備協会技術部 

○ 今 井   清 

日本内燃機関連合会(元ISO対策内燃機関委員会委員長) 

○ 鈴 木 良 治 

社団法人日本陸用内燃機関協会技術部 

○ 染 谷 常 雄 

武蔵工業大学工学部 

中 川 良 治 

日本コージェネレーションセンター調査部 

中 原 茂 樹 

社団法人日本電機工業会技術部 

○ 橋 本   進 

財団法人日本規格協会技術部 

保 科 幸 雄 

社団法人日本内燃力発電設備協会技術部 

深 山 勝 範 

日本コージェネレーションセンター調査部 

# 八 木 康 雄 

日本コージェネレーションセンター(福島工業高等専門学校) 

○ 大 崎 誠 一 

川崎重工業株式会社機械事業部舶用機械部 

○ 駒 田 秀 朗 

株式会社ボッシュ・オートモーティブ・システム開発部門 

○ 遠 坂   茂 

ヤンマーディーゼル株式会社特機事業本部開発部 

○ 畑   継 徳 

株式会社クボタエンジン事業部エンジン技術部 

○ 花 房   真 

三井造船株式会社機械・システム事業本部機械工場 

○ 林   潤 一 

株式会社ディーゼルユナイテッド技術部 

○ 藤 野 誠 治 

日野自動車株式会社パワートレーンRD部 

○ 三 浦 耕 市 

三菱自動車株式会社トラック・バス技術センター 

○ 森 内 敬 久 

いすゞ自動車株式会社パワートレーン第二開発室 

○ 渡 邊 欣一郎 

株式会社IPA応用商品開発グループ 

合 田 泰 規 

大阪ガス株式会社営業技術部 

川 合 雄 二 

社団法人日本建設機械化協会 

久 米 領 平 

財団法人日本船舶標準協会 

○ 佐 藤 穎 生 

社団法人火力原子力発電技術協会調査局 

○ 庄 司 不二雄 

東京ガス株式会社エネルギー技術部 

○ 高 木   一 

電気事業連合会工務部 

○ 田 口 史 樹 

財団法人日本海事協会機関部 

○ 半 田   進 

社団法人火力原子力発電技術協会調査局 

森   直 司 

電気事業連合会工務部 

(関係者) 

○ 辻     充 

社団法人日本陸用内燃機関協会 

○ 福 田   実 

財団法人日本規格協会技術部 

○ 二 宮 元 行 

三菱重工業株式会社汎用機・特車事業本部エンジン・ターボ技術部 

○ 福 原   圭 

三井造船株式会社機械・システム事業本部機械工場 

(事務局) 

○ 青 木 千 明 

日本内燃機関連合会(ISO対策内燃機関委員会委員長) 

○ 田 山 経二郎 

日本内燃機関連合会 

○ 上 原 由 美 

日本内燃機関連合会 

備考 ○印の付いている者は,分科会委員を兼ねる。 

   #印の付いている者は,分科会委員を示す。