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B 8009-2 : 2001

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,日本内燃機関連合会 (JICEF) /財団法人日

本規格協会 (JSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準

調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 8528-2 : 1993, Reciprocating internal

combustion engine driven alternating current generating sets

−Part 2 : Engines を基礎として用いた。

JIS B 8009-2

には,次に示す附属書がある。

附属書(参考)  JIS と対応する国際規格との対比表

JIS B 8009

の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS

B

8009-1

  第 1 部:用途,定格及び性能

JIS

B

8009-2

  第 2 部:機関

JIS

B

8009-5

  第 5 部:発電装置

JIS

B

8009-6

  第 6 部:試験方法

JIS

B

8009-7

  第 7 部:仕様書及び設計のための技術情報

JIS

B

8009-12

  第 12 部:非常用発電装置

なお,原国際規格 ISO 8528 は,さらに次の部によって構成される。

−Part 3 : Alternating current generators for generating sets

−Part 4 : Controlgear and switchgear

−Part 8 : Requirements and tests for low-power generating sets

−Part 9 : Measurement and evaluation of mechanical vibrations

−Part 10 : Measurement of airborne noise by the enveloping surface method


B 8009-2 : 2001

(1) 

目次

ページ

序文

1

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  記号

2

4.

  関連する規則及び追加要件

3

5.

  一般特性

3

5.1

  出力特性

3

5.2

  機関の主要特性

3

5.3

  低負荷運転

4

6.

  回転速度特性

4

6.1

  概要

4

6.2

  速度関連一般用語

4

6.3

  調速機の速度設定関連用語

5

6.4

  調速機の定常速度関連用語

5

6.5

  過回転速度に関する用語

6

6.6

  発電装置で用いる調速機のタイプ

6

6.7

  調速機の使用

6

7.

  負荷投入

7

7.1

  排気ターボ過給なし

7

7.2

  排気ターボ過給

7

8.

  振動及び騒音

7

8.1

  ねじり振動

7

8.2

  振動

7

8.3

  騒音

7

9.

  熱勘定

7

10.

  吸気装置及び排気装置

7

11.

  始動性能

7

12.

  燃料,潤滑油及び冷却媒体

7

13.

  調速機の特性値

8

附属書(参考)  JIS と対応する国際規格との対比表

11


日本工業規格

JIS

 B

8009-2

 : 2001

往復動内燃機関駆動発電装置−

第 2 部:機関

Reciprocating internal combustion engine

driven alternating current generating sets

−Part 2 : Engines

序文  この規格は,1993 年に第 1 版として発行された ISO 8528-2, Reciprocating internal combustion engine

driven alternating current generating sets

−Part 2 : Engines を翻訳し,技術的内容を変更して作成した日本工業

規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変更の一覧表

をその説明を付けて,

附属書に示す。

1.

適用範囲  この規格は,交流発電装置の用途で使用する往復動内燃機関の主要な特性について規定す

る。

この規格は,陸上及び海上用途の往復動内燃機関によって駆動する交流発電装置に適用する。ただし,

航空機で使用する発電装置並びに陸上走行車両及び機関車の推進走行のために使用する発電装置には適用

しない。

幾つかの特殊な用途(例えば,主要な病院用電源,高層ビルなど)では,追加要件が必要な場合がある。

この規格の規定事項は,その基本事項である。

往復動内燃機関の調速及び回転速度特性を定義する用語は,特に,発電機の駆動用機関に適用される場

合,一覧表にまとめて説明を行う。

その他の往復動形の原動機(例えば,消化ガスを燃料とする機関,蒸気機関など)でも,この規格の規

定事項は,その基本事項である。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。

ISO 8528-2 : 1993

  Reciprocating internal combustion engine driven alternating current generating sets

−Part 2 : Engines (MOD)

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格のうちで,発行年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格の規定を構

成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発効年を付記していない引用規格は,その

最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS B 8002-1

  往復動内燃機関−性能−第 1 部:標準大気条件,出力・燃料消費量・潤滑油消費量の表


2

B 8009-2 : 2001

示及び試験方法

備考  ISO 3046-1 : 1995, Reciprocating internal combustion engines−Performance−Part 1 : Standard

reference conditions, declarations of power, fuel and lubricating oil consumptions, and test

methods

からの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。

JIS B 8002-4

  往復動内燃機関−性能−第 4 部:調速

備考  ISO 3046-4 : 1994, Reciprocating internal combustion engines−Performance−Part 4 : Speed

governing

からの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。

JIS B 8002-5

  往復動内燃機関−性能−第 5 部:ねじり振動

備考  ISO 3046-5 : 1978, Reciprocating internal combustion engines−Performance−Part 5 : Torsional

vibrations

からの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。

JIS B 8002-6

  往復動内燃機関−性能−第 6 部:過回転速度防止

備考  ISO 3046-6 : 1990, Reciprocating internal combustion engines−Performance−Part 6 : Overspeed

protection

からの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。

JIS B 8009-1

  往復動内燃機関駆動発電装置−第 1 部:用途,定格及び性能

備考  ISO 8528-1 : 1993, Reciprocating internal combustion engine driven alternating current generating

sets

−Part 1 : Application, ratings and performance からの引用事項は,この規格の該当事項

と同等である。

JIS B 8009-5

  往復動内燃機関駆動発電装置−第 5 部:発電装置

備考  ISO 8528-5 : 1993, Reciprocating internal combustion engine driven alternating current generating

sets

−Part 5 : Generating sets からの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。

3.

記号

n

r

:呼び回転速度  (declared speed) (min

1

)

n

sf

:点火回転速度(始動回転速度)  (firing speed) (min

1

)

n

max

:最大許容回転速度  (maximum permissible speed) (min

1

)

n

a

:部分負荷回転速度  (partial-load speed) (min

1

)

n

i,r

:呼び無負荷回転速度  (declared no-load speed) (min

1

)

n

i,min

:無負荷最低調整回転速度  (lowest adjustable no-load speed) (min

1

)

n

i,max

:無負荷最高調整回転速度  (highest adjustable no-load speed) (min

1

)

n

d,s

:過回転防止設定回転速度  (setting speed of overspeed limiting devices) (min

1

)

n

d,o

:過回転防止作動回転速度  (operating speed of overspeed limiting devices) (min

1

)

δ

n

s

:回転速度設定範囲変化率  (related range of speed setting)

n

s

:回転速度設定範囲  (range of speed setting)

n

s,do

:下限回転速度設定範囲  (downward range of speed setting)

δ

n

s,do

:下限回転速度設定範囲変化率  (related downward range of speed setting)

n

s,up

:上限回転速度設定範囲  (upward range of speed setting)

δ

n

s,up

:上限回転速度設定範囲変化率  (related upward range of speed setting)

ν

n

:単位時間当たりの回転速度設定変化率  (rate of change of speed setting)

δ

n

st

:スピードドループ (speed droop)

∆δ

n

st

:回転速度/出力特性偏差  (speed/power characteristic deviation)


3

B 8009-2 : 2001

P

:機関出力  (engine power) (kW)

P

a

:機関の実出力  (actual engine power) (kW)

P

r

:機関の呼び出力  (declared engine power) (kW)

t

r

:応答時間  (response time) (s)

P

me

:正味平均有効圧力  (brake mean effective pressure) (kPa)

V

st

:機関の総行程容積  (swept volume of the engine) (cm

3

)

4.

関連する規則及び追加要件

4.1

船級協会の規則に準拠する必要のある船上及び海上設備で使用する発電装置では,船級協会の追加

要件を適用する。注文者は,装置の注文前に,船級協会を指定する。

船級を取らない設備で使用する発電装置の追加要件は,個々の場合ごとに,受渡当事者間の合意によっ

て定める。

4.2

その他の公的機関の規則による特殊要件に適合する必要がある場合には,注文者は,注文を行う前

に,その公的機関を明示する。

その他一切の要件は,受渡当事者間の合意によって定める。

5.

一般特性

5.1

出力特性

5.1.1

概要  機関の接続で必要となる出力(JIS B 8002-1 で規定するネット軸出力)は,注文者のプラン

トで必要とする電力,重要独立補機(JIS B 8002-1 参照)で必要とする電力及び発電機の出力損失を考慮

に入れる。定常出力要件に加え,例えば,電動機の始動によって起こる負荷の追加による尖発的な出力の

変動も考慮に入れる。これらの出力変動は,機関の出力特性及び発電機の電圧特性に影響を及ぼすからで

ある。

したがって,発電装置製造業者は接続されている電気負荷装置に固有の特性及び注文者によって予測さ

れる負荷投入条件を十分に考慮する。

5.1.2

ISO

標準出力  機関製造業者は,JIS B 8002-1 に従って,出力を指定する。

5.1.3

サービス出力  重要独立補機(JIS B 8002-1 参照)が付く現地条件で,特定の用途で必要とされる

機関の出力(JIS B 8009-1 参照)は,JIS B 8002-1 に従って決定する。

接続された負荷設備に連続的に電力供給を行うため,発電機の駆動を行う機関の必要とする実際の出力

は,サービス出力を超えないようにすることが必要である。

発電機を駆動する機関は,規定の過渡負荷要件を満たすため,追加出力を供給する。過負荷出力は,JIS 

B 8002-1

で規定するように,サービス出力として使用することはできない。

5.2

機関の主要特性  発電装置製造業者によって用いられる機関の主要な特性については,機関製造業

者によって,次の指定が行われる。

−  標準大気条件及び使用条件に基づいた出力

−  呼び回転速度

−  標準大気条件での燃料消費量及び潤滑油消費量

機関製造業者によって定格が指定されるこれらの特性により,発電装置製造業者と注文者は,使用可能

な機関の主要特性が用途に適していることを確認することができる。

発電装置の使用条件(特に,瞬時負荷投入)を評価するため,発電装置が呼び出力・定格周波数で運転


4

B 8009-2 : 2001

される場合の機関出力に相当する正味平均有効圧力,P

me

 (kPa)

,を求めることが必要である。

これは,次の式で定義される。

r

st

me

n

V

KP

P

=

ここに,は,4 行程機関で 1.2×10

5

であり,2 行程機関で 0.6×10

5

である。

5.3

低負荷運転  低負荷で長時間運転した場合,機関の信頼性及び寿命に影響することがあるというこ

とを,注文者に理解させる。

機関製造業者は発電装置製造業者に対して,機関が支障なく連続運転可能な最低負荷に関するデータを

提示する。

発電装置が,この最低負荷を下回る負荷で運転される場合は,機関製造業者は,採用すべき対策及び/

又は使用されるための調整手順を指定し,又は必要に応じて推奨する。

6.

回転速度特性

6.1

概要  調速装置の選択は,注文者によって要求される定常及び過渡回転速度性能に基づいて行う。

発電装置製造業者は,機関製造業者によって承認された適切な調速装置を選択して,用途要件に適合す

るようにする。

備考1

JIS B 8002-4

は,調速装置の要求事項及び管理項目を分類し,往復動内燃機関の一般的機関回

転速度についての用語の定義及び液体燃料を使用する圧縮点火機関についての要求事項を規

定している。

2.

JIS B 8002-6

は,往復動内燃機関及びその被駆動装置の保護のために用いられる過回転速度

防止装置について一般的要求事項及び用語の定義を規定している。

回転速度特性の用語,記号及び定義については,次の 6.2 から 6.5 を参照する。

6.2

速度関連一般用語

番号

用語

記号

定義

6.2.1 

呼び回転速度 
(declared speed)

n

r

発電装置の定格周波数に対応した,呼び出力での機関
回転速度。

6.2.2 

点火回転速度(始動回転速度) 
(firing speed)

n

sf

機関が自立運転となる前に,燃料供給装置とは別の外
部エネルギー源の供給を用いて,機関が停止状態から

加速しなければならない機関回転速度。

6.2.3 

部分負荷回転速度 
(partial-load speed)

n

a

呼び出力の

α

%

で作動している機関の,定常機関回転速

度。

r

a

100

P

P

×

=

α

例  出力 45%の場合:

α

=45(

図 を参照)

(

)

r

r

i,

r

a

r

i,

a

n

n

P

P

n

n

=

(

)

r

r

i,

r

i,

45

.

0

n

n

n

=

呼び回転速度及び部分負荷回転速度の対応する出力

は,回転速度設定を変更しない場合である。

6.2.4 

呼び無負荷回転速度 
(declared no-load speed)

n

i,r

呼び回転速度 n

r

と同じ回転速度設定での,無負荷時の

定常機関回転速度。 
(これは,6.2.3 の特定のケースである。

図 参照)


5

B 8009-2 : 2001

6.3

調速機の速度設定関連用語(図 参照)

番号

用語

記号

定義

6.3.1 

無負荷最低調整回転速度 
(lowest adjustable no-load speed)

n

i,min

調速機回転速度設定装置で得られる,無負荷時の最低

定常機関回転速度。

6.3.2 

無負荷最高調整回転速度 
(highest adjustable no-load speed)

n

i,max

調速機回転速度設定装置で得られる,無負荷時の最高

定常機関回転速度。

回転速度設定範囲 
(range of speed setting)

n

s

無負荷最高調整回転速度と無負荷最低調整回転速度の
差。

n

s

n

i,max

n

i,min

6.3.3 

回転速度設定範囲変化率 
(related range of speed setting)

δ

n

s

呼び回転速度との比率で表した,回転速度設定範囲。

( )

%

100

r

min

i,

max

i,

s

×

=

n

n

n

n

δ

下限回転速度設定範囲 
(downward range of speed setting)

n

s,do

呼び無負荷回転速度と無負荷最低調整回転速度間の

差。

n

s,do

n

i,r

n

i,nin

6.3.3.1 

下限回転速度設定範囲変化率 
(related downward range of speed

setting)

δ

n

s,do

呼び回転速度との比率で表した,回転速度設定下限。

( )

%

100

r

min

i,

r

i,

do

s,

×

=

n

n

n

n

δ

上限回転速度設定範囲 
(upward range of speed setting)

n

s,up

無負荷最高調整回転速度と呼び無負荷回転速度の間の
差。

n

s,up

n

i,max

n

i,r

6.3.3.2 

上限回転速度設定範囲変化率 
(related upward range of speed

set-ting)

δ

n

s,up

呼び回転速度との比率で表した,回転速度設定上限。

( )

%

100

r

r

i,

max

i,

up

s,

×

=

n

n

n

n

δ

6.3.4 

単位時間当たりの回転速度設定範
囲変化率 
(rate of change of speed setting)

ν

n

遠隔制御による回転速度設定範囲変化率。 
回転速度設定範囲と呼び回転速度との比率を,単位時
間当たりで表した変化率。

(

)

(

)

1

r

max

i,

max

i,

n

s

%

100

/

×

=

t

n

n

n

ν

6.4

調速機の定常速度関連用語

番号

用語

記号

定義

6.4.1 

スピードドループ 
(speed droop)

δ

n

st

回転速度設定を固定した場合の,呼び無負荷回転速度
と呼び出力時の呼び回転速度間の偏差(

図 参照)。

この偏差は,呼び回転速度との比率で表す。

( )

%

100

r

r

r

i,

st

×

=

n

n

n

n

δ

6.4.2 

回転速度/出力特性曲線 
(speed/power characteristic curve)

往復動内燃機関出力に対してプロッティングされた,
無負荷出力と呼び出力の間の出力範囲の定常回転速度
曲線(

図 及び図 参照)。

6.4.3 

回転速度/出力特性偏差 
(speed/power characteristic deviation)

∆δ

n

st

無負荷出力と呼び出力間の出力範囲の回転速度/出力
特性の近似直線からの最大偏差。呼び回転速度との比
率で表す(

図 参照)。


6

B 8009-2 : 2001

6.5

過回転速度に関する用語

番号

用語

記号

定義

6.5.1 

最大許容回転速度 
(maximum permissible speed)

n

max

機関製造業者によって指定された機関回転速度。

この回転速度は,限界回転速度以下の安全な回転速度
である(

備考 1.及び図 参照)。

6.5.2 

過回転防止設定回転速度 
(setting speed of overspeed limiting

devices)

n

d,s

機関の設定制限回転速度。 
この回転速度を超える場合,過回転防止装置が作動す
る(

図 参照)。

6.5.3 

過回転防止作動回転速度 
(operating speed of overspeed limiting

devices)

n

d,o

過回転速度防止装置が,定められた設定回転速度に対
し作動を始める回転速度(

備考 2.及び図 参照)。

6.5.4 

応答時間 
(response time)

t

r

設定回転速度を通過してから過回転防止作動回転速度
に到達するまでの時間。

6.5.5 

調整範囲 
(adjustment range)

過回転速度防止装置の設定回転速度を調整できる回転
速度の範囲。

備考1.  限界回転速度とは,機関が損傷の危険を招くことなく,維持できる計算上の最大回転速度である。

2.

任意の機関では,運転回転速度は,発電装置の全慣性と過回転速度防止装置の設計による。

6.6

発電装置で用いる調速機のタイプ

6.6.1

比例形調速機 (P) では,負荷に関連する回転速度の変化に比例し,制御信号を補正する。負荷に

変化がある場合は,定常回転速度も変化することになる。

6.6.2

比例積分形調速機 (PI) では,負荷に関連する回転速度が変化した場合,その変化に比例して制御

信号を補正し,また,積分動作を用いて回転速度の変化も補正する。

このタイプの調速機が用いられる場合,通常,負荷に変化があっても,回転速度は変化しない。

負荷分担の追加調速が行われない場合,発電装置の並列運転を可能にするため,PI は P 調速機の役割も

果たす。

6.6.3

比例積分形微分調速機 (PID) は,回転速度変化率に対し比例する制御信号を補正する比例積分調

速機である。

このタイプの調速機が用いられている場合には,通常,負荷に変化があっても,回転速度は変化しない。

負荷分担の追加調速が行われない場合には,複数の発電装置の並列運転を可能にするため,PID は P 調

速機の役割も果たす。

6.7

調速機の使用(JIS B 8009-1 6.3 参照)

6.7.1

単機運転  用途によって必要とされる調速性能に従って,P,PI 及び PID タイプの調速機を使用し

てもよい。

6.7.2

並列運転

6.7.2.1

比例調速機 (P) は,性能分類 G1 及び G2(JIS B 8009-1 7.参照)で使用できる。

6.7.2.2

比例積分調速機 (PI) は,性能分類 G1 から G4 で使用できる。アイソクロナスモードで使用する

場合は,負荷分担装置などの補助装置が必要である。

6.7.2.3

比例微積分調速機 (PID) は,PI 調速機の場合と同様に,性能分類 G1 から G4 に使用でき,過渡

性能は改善される。

アイソクロナスモードで使用する場合は,負荷分担装置などの補助装置が必要である。


7

B 8009-2 : 2001

7.

負荷投入  機関の負荷投入動作は,主として,燃焼給気装置のタイプによる(JIS B 8009-1 14.2 参照)。

発電装置製造業者は,使用する機関及び発電機の実際の負荷投入動作を考慮することが望ましい(JIS B 

8009-5 9.3 

図 及び図 参照)。

7.1

排気ターボ過給なし  排気ターボ過給なしとは,自然給気又は機械駆動式圧縮機によって過給され

ることを意味する。

この場合には,最大可能負荷投入量は,サービス出力と同じである。

7.2

排気ターボ過給  この場合には,機関に適用される負荷投入量は,サービス出力に対応した正味平

均有効圧力  (P

me

)

に従って変動する。

8.

振動及び騒音

8.1

ねじり振動  機関では,発電装置の軸系全体でねじり振動が発生する。機関のねじり振動に関連し

た要件については,JIS B 8002-5 を参照する。

機関製造業者は,発電装置製造業者に必要な情報の提供を行って,発電装置製造業者が満足のいく運転

を保証できるようにする。

ねじり振動の計算を行う場合,発電装置全体を考慮する(JIS B 8009-5 参照)

8.2

振動  機関では,共通台板,基礎,継手及び交流発電機で構造振動として作用する振動が発生する。

機関製造業者は,要求に応じて,発電装置製造業者に振動に関連するデータを提供する。

振動の計算を行う場合,発電装置全体を考慮する必要がある(JIS B 8009-5 参照)

8.3

騒音  機関製造業者は,要求に応じて,発電装置製造業者に騒音に関連するデータを提供する(JIS 

B 8009-5

参照)

9.

熱勘定  機関製造業者は,発電装置製造業者に(現地条件の)熱勘定に関連するデータを提供する。

その中には,次のデータが含まれる。

−  機関の冷却損失(水,油及び空気)

−  排気損失

−  ふく射熱

10.

吸気装置及び排気装置  機関製造業者は,発電装置製造業者に吸気及び排気排出物に関する必要なデ

ータを提供する。

発電装置製造業者は,機関製造業者によって指定された,圧力損失限度を考慮する。

−  機関吸気系統の配管,開口部又はフィルタ装置

−  機関排気用の配管,消音器など

11.

始動性能  発電装置の注文者又は製造業者によって指定された特殊な条件下で(例えば,低い気温で)

機関を始動する必要がある場合には,機関製造業者は発電装置製造業者に対して,このような条件での機

関の始動性能値及び特別な始動補助装置が必要な場合には,それらの装置の詳細を提供する。

12.

燃料,潤滑油及び冷却媒体  必要に応じ,発電装置製造業者は機関製造業者に対して,承認された運

転で用いる燃料,潤滑油及び冷却媒体の詳細を提供する。機関製造業者は,発電装置製造業者に対して,

推奨される燃料,潤滑油及び冷却媒体の仕様を提供することが望ましい。


8

B 8009-2 : 2001

次の燃料特性は,特に重要である。

−  密度

−  粘度

−  発熱量

−  セタン価

−  バナジウム,ナトリウム,シリカ及び酸化アルミニウムの含有量

−  重油の場合は,硫黄の含有量

13.

調速機の特性値

調速機の特性値については,13.1 から 13.4 を参照。

特性値

性能分類

番号

用語

記号

単位

参照

G1 G2 G3  G4

13.1 

下限回転速度設定範囲変化率 
(related downward range of speed

setting)

δ

n

s,do

 % 6.3.3.1

−(2.5+

δ

n

st

13.2 

上限回転速度設定範囲変化率 
(related upward range of speed

setting)

δ

n

s,up

 % 6.3.3.2

+2.5

13.3 

単位時間当たりの回転速度設定
範囲変化率 
(rate of change of speed setting)

ν

n

%

・s

1

 6.3.4

0.2

∼1

13.4 

スピードドループ 
(speed droop)

δ

n

st

 % 6.4.1

≦8

≦5

≦3

AMC(

1

)

(

1

) AMC

=受渡当事者間の合意による。


9

B 8009-2 : 2001

図 1  回転速度/出力特性,回転速度設定範囲

図 2  回転速度/出力特性曲線と近似直線との回転速度偏差


10

B 8009-2 : 2001

図 3  機関の過回転速度防止装置の応答を示す回転速度曲線の例 


 

11

B 8009-

2 : 2

001

附属書(参考)  JIS と対応する国際規格との対比表

JIS B 8009-2 : 2001

  往復動内燃機関駆動発電装置−第 2 部:機関

ISO 8528-2 : 1993

  往復動内燃機関駆動発電装置−第 2 部:機関

(I)  JIS

の規定 (III)

国際規格の規定 (IV)

JIS

と国際規格との技術的差異の項

目ごとの評価及びその内容

    表示箇所: 
    表示方法:

項目番号

内容

(II)

国際規格

番号

項目番号

内容

項目ごとの
評価

技術的差異の内容

(V)  JIS

と国際規格との技術的

差異の理由及び今後の対策

1.

適用範囲

ISO 8528 

Part 2

1.

IDT

2.

引用規格

2.

MOD/

変更

引用規格を最新版に変更し
た。

3.

記号

この規格で使用してい

る記号を規定

3.

引用規格が,旧版を参照

している。

IDT

4.

関連する規則

及び追加要件

 4.

IDT

5.

一般特性

5.

IDT

6.

回転速度特性

6.

IDT

7.

負荷投入

7.

IDT

8.

振動及び騒音

8.

IDT

9.

熱勘定

9.

IDT

10.

吸 気 装 置 及

び排気装置

 10.

IDT

11.

始動性能

11.

IDT

12.

燃料,潤滑油

及び冷却媒体

 12.

IDT

13.

調 速 機 の 特

性値

13.

IDT

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:MOD


 

12

B 8009-

2 : 2

001

備考1.  項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

    −  IDT・・・・・・・・・・・ 技術的差異がない。 
    −  MOD/変更・・・・・ 国際規格の現定内容を変更している。

2.  JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

    −  MOD・・・・・・・・・  国際規格を修正している。


13

B 8009-2 : 2001

JIS B 8009-2

原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

古  林      誠

日本内燃機関連合会(元横浜国立大学)

(主査)

丸  山  幸  廣

株式会社新潟鐵工所原動機カンパニープラント技術部

(幹事)

岡  野  幸  雄

ダイハツディーゼル株式会社技術第一部

(副幹事)

柏  原  久  義

三菱重工業株式会社汎用機・特車事業本部エンジン・ターボ

技術部

(委員)

荒  木  基  暁

社団法人日本内燃力発電設備協会技術部

今  井      清

日本内燃機関連合会(元 ISO 対策内燃機関委員会委員長)

鈴  木  良  治

社団法人日本陸用内燃機関協会技術部

染  谷  常  雄

武蔵工業大学工学部

中  川  良  治

日本コージェネレーションセンター調査部

中  原  茂  樹

社団法人日本電機工業会技術部

橋  本      進

財団法人日本規格協会技術部

保  科  幸  雄

社団法人日本内燃力発電設備協会技術部

深  山  勝  範

日本コージェネレーションセンター調査部

八  木  康  雄

日本コージェネレーションセンター(福島工業高等専門学校)

大  崎  誠  一

川崎重工業株式会社機械事業部舶用機械部

駒  田  秀  朗

株式会社ボッシュ・オートモーティブ・システム開発部門

遠  坂      茂

ヤンマーディーゼル株式会社特機事業本部開発部

畑      継  徳

株式会社クボタエンジン事業部エンジン技術部

花  房      真

三井造船株式会社機械・システム事業本部機械工場

林      潤  一

株式会社ディーゼルユナイテッド技術部

藤  野  誠  治

日野自動車株式会社パワートレーン RD 部

三  浦  耕  市

三菱自動車株式会社トラック・バス技術センター

森  内  敬  久

いすゞ自動車株式会社パワートレーン第二開発室

渡  邊  欣一郎

株式会社 IPA 応用商品開発グループ

合  田  泰  規

大阪ガス株式会社営業技術部

川  合  雄  二

社団法人日本建設機械化協会

久  米  領  平

財団法人日本船舶標準協会

佐  藤  穎  生

社団法人火力原子力発電技術協会調査局

庄  司  不二雄

東京ガス株式会社エネルギー技術部

高  木      一

電気事業連合会工務部

田  口  史  樹

財団法人日本海事協会機関部

半  田      進

社団法人火力原子力発電技術協会調査局

森      直  司

電気事業連合会工務部

(関係者)

辻          充

社団法人日本陸用内燃機関協会

福  田      実

財団法人日本規格協会技術部

二  宮  元  行

三菱重工業株式会社汎用機・特車事業本部エンジン・ターボ

技術部

福  原      圭

三井造船株式会社機械・システム事業本部機械工場

(事務局)

青  木  千  明

日本内燃機関連合会(ISO 対策内燃機関委員会委員長)

田  山  経二郎

日本内燃機関連合会

上  原  由  美

日本内燃機関連合会

備考  ○印の付いている者は,分科会委員を兼ねる。 

#印の付いている者は,分科会委員を示す。