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B 7993:2008

(1)

目  次

ページ

1  適用範囲

1

2  引用規格

1

3  用語及び定義

1

4  計測システムの分類及び測定対象物質

2

4.1  分類

2

4.2  測定対象物質及び測定範囲

3

5  計測システムの性能

3

6  計測システムの構造及び構成

4

6.1  構造一般

4

6.2  構成

4

7  試験方法

6

7.1  試験条件

6

7.2  試験に用いるガス

6

7.3  校正

7

7.4  性能試験方法

7

8  試験報告書

8

9  表示

8

10  取扱説明書

9

附属書 A(参考)計測システムの性能点検

10

附属書 B(参考)計測システムの比較試験

12

附属書 C(参考)ポイント方式による計測システム

14


 
B 7993:2008

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本電気計測器工業会(JEMIMA),

独立行政法人産業技術総合研究所(AIST)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本

工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本

工業規格である。

なお,この規格の制定に伴い JIS B 7991:2002 及び JIS B 7992:2002 は,この規格に包含されるので廃止

する。

この規格は,著作権法で保護対象になっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は

もたない。


 

  

日本工業規格

JIS

 B

7993

:2008

試料非吸引採取方式分析計による

排ガス成分の自動計測システム

Automated measuring systems for flue gas using non-exractive methods

1

適用範囲

この規格は,工場及び事業所において燃料,その他の物の燃焼に伴って,又は各種製造の工程などから

煙突若しくはダクトへ排出されるガス中の,二酸化硫黄,一酸化窒素,一酸化二窒素,二酸化窒素,一酸

化炭素,二酸化炭素,アンモニア,塩化水素,メタン及び水分の濃度を,試料非吸引方式によって,現場

に設置して長期間連続測定を行う自動計測システム(以下,

“計測システム”という。

)について規定する。

なお,この規格の測定原理は,赤外線吸収方式及び紫外線吸収方式に基づくものとする。このほかの計

測システムとして,ポイント方式(定点測定)による計測システムを,

附属書 に示す。

注記  この規格は,次の国際規格を参考としている。

ISO 7935:1992,Stationary source emissions−Determination of the mass concentration of sulfur dioxide

−Performance characteristics of automated measuring methods

ISO 10849:1996,Stationary source emissions−Determination of the mass concentration of nitrogen

oxides−Performance characteristics of automated measuring systems

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS C 1302  絶縁抵抗計

JIS K 0055  ガス分析装置校正方法通則

JIS K 0211  分析化学用語(基礎部門)

JIS K 0212  分析化学用語(光学部門)

JIS K 0213  分析化学用語(電気化学部門)

JIS K 0215  分析化学用語(分析機器部門)

JIS Z 8103  計測用語

3

用語及び定義

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS K 0211JIS K 0212JIS K 0213JIS K 0215 及び JIS Z 8103

によるほか,次による。



B 7993:2008

  

3.1

試料ガス

測定光路を通過するガス。

3.2

測定光路

煙突又はダクト内の排ガス流の代表性のある場所に設置された発光器と受光器とで作られる光路。

3.3

ゼロガス

計測システムの最小目盛値を校正するために用いるガス。

3.4

スパンガス

計測システムの最大目盛値を校正するために用いるガス。

3.5

波長分散方式

プリズム,回折格子などによって波長分散を行う光学系をもつ計測システムの種類。

3.6

波長非分散方式

半導体レーザなどの単色光源を用い,波長分散を行う光学系をもたない計測システムの種類。

3.7

ゼロドリフト

計測システムの最小目盛に対応する指示値のある期間の変動。

3.8

スパンドリフト

計測システムの最大目盛に対応する指示値のある期間の変動。

3.9

自動計測システム

排ガス中の測定対象物質の濃度を自動計測器を用いて連続的に測定,記録するシステム。

3.10

ppm

濃度を百万分率で表した体積比率。

3.11

指示誤差

中間点ガスを試験用セルに導入したときの指示値と,その表示濃度との差の最大目盛に対する百分率。

3.12

最小検出限界

ゼロ試験用ガス流通時の指示値の標準偏差を 2 倍にした値。

4

計測システムの分類及び測定対象物質

4.1

分類

試料非吸引採取方式による排ガスの計測システムは,測定方式によって波長分散方式及び波長非分散方


3

B 7993:2008

式の 2 種類に分類できる。

a)  波長分散方式  排ガス流にキセノンランプなどの光を照射し,その透過光を分光して,測定対象物質

の特異的な吸収波長光を選択検出することによって濃度を連続的に求める方式である。

紫外線領域及び赤外線領域に吸収をもつ物質の吸収波長光を順次選択することによって,複数物質

の同時分析が可能となる。

b)  波長非分散方式  測定対象物質の特異的な吸収波長に合わせた半導体レーザなどからの単色光を排ガ

ス流に照射し,その吸収量の変化を測定し濃度を連続的に求める方式である。

4.2

測定対象物質及び測定範囲

この規格における計測システム別の,測定対象物質及び光路長 1 m における測定範囲は,

表 による。

測定値は,測定光路長[L (m)]と測定光路中に存在する測定対象物質の濃度[C ( ppm)又は(vol%)]との

積[L×C (ppm・m)  又は (vol%・m)]に比例する。

なお,測定光路長 L (m)  における測定範囲は,

表 の値の 1/となる。この方式の一般的な測定光路長

は,0.5∼10 m である。

表 1−計測器の種類及び測定対象物質並びに光路長 1 m における測定範囲

測定範囲

測定対象物質

波長分散方式

波長非分散方式

二酸化硫黄

0∼200 から 0∼5 000

一酸化窒素

0∼100 から 0∼2 500

0∼500 から 0∼2 500

一酸化二窒素

0∼300 から 0∼5 000

0∼500 から 0∼5 000

二酸化窒素

0∼200 から 0∼2 500

一酸化炭素

0∼100 から 0∼10 000

0∼0.2 vol%から 0∼50 vol%

二酸化炭素

0∼10 vol%  から 0∼50 vol%

0∼0.3 vol%から 0∼50 vol%

アンモニア

0∼100 から 0∼1 000

0∼10 から 0∼10 000

塩化水素

0∼100 から 0∼5 000

0∼5 から 0∼5 000

メタン

0∼1 000 から 0∼10 000

0∼100 から 0∼10 000

水分

0∼30 vol%

0∼1 vol%から 0∼30 vol%

適用条件は,共存する物質の影響を無視できる場合,又は影響を除去できる場合に適用する。 
注記  波長分散方式における複数成分の同時測定時は,一物質について測定時間 30 秒間における値を示す。

5

計測システムの性能

計測システムは,箇条 の試験を行ったとき,

表 の性能を満足しなければならない。



B 7993:2008

  

表 2−計測システムの性能

単位  %(最大目盛値に対する百分率)

項目

性能

測定対象物質

二酸 
化硫

一酸 
化窒

一酸 
化二

窒素

二酸 
化窒

一酸 
化炭

二酸 
化炭

アン 
モニ

塩化 
水素 

メタ 

水分

試験
方法

繰返し性

±2 %

±2 %

±2 %

±2 %

±2 %

±2 %

±3 %

±3 %

±2 %

±2 %

7.4 a)

ゼロドリフト

±2 %

±2 %

±2 %

±2 %

±2 %

±2 %

±3 %

±3 %

±2 %

±2 %

7.4 b)

スパンドリフト

±2 %

±2 %

±2 %

±2 %

±2 %

±2 %

±3 %

±3 %

±2 %

±2 %

7.4 c)

指示誤差

±2 %

±2 %

±2 %

±2 %

±2 %

±2 %

±3 %

±3 %

±2 %

±2 %

7.4 d)

波 長 分 散

方式

3 1.5 5 2.5 1.5

1

000

1.5 2  10

0.5

vol%

最小

検出 
限界 
(ppm)

波 長 非 分

散方式

− 5  5 − 20 30 0.2

0.05

1 0.01

vol%

7.4 e)

干渉成分の影響

±2 %

±2 %

±2 %

±2 %

±2 %

±2 %

±2 %

±2 %

±2 %

±2 %

7.4 f)

電源電圧変動に対
する安定性

±2 %

±2 %

±2 %

±2 %

±2 %

±2 %

±2 %

±2 %

±2 %

±2 %

7.4 g)

耐電圧

異常を生じてはならない。

7.4 h)

絶縁抵抗 5

MΩ 以上

7.4 i)

水分など干渉試験用ガスセルの作製困難な干渉成分については,現場に設置した状態で試験を行う。 
ガスセルに飽和蒸気圧以上の水分を封入して試験する場合は,100  ℃以上に加熱可能な高温用ガスセルを用いる。
注記  最小検出限界は,光路長 1 m における値(他の長さの校正用セルを用いる場合は,セルの光路長で除して 1 m

における値に換算する。

6

計測システムの構造及び構成

6.1

構造一般

計測システムの構造は,次の各項目に適合しなければならない。

a)  形状が正しく,組立て及び各部の仕上がりが良好で,堅ろうでなければならない。

b)  通常の運転状態で危険性がなく,安全で円滑に作動する。

c)  各部は,容易に機械的故障・電気的故障を起こさず,危険性のない構造でなければならない。

d)  結露などによって計測器の作動に支障がない構造でなければならない。

e)  光源,ヒータなどの発熱部に接する部分は,熱による変形及び機能が低下しない構造でなければなら

ない。

f)  保守又は点検時作業しやすく,危険のない構造でなければならない。

6.2

構成

6.2.1

波長分散方式

波長分散方式による計測システムは,

図 に例を示すように,発光器,受光器,分光検出器,測定光路,

パージガスセル,パージガス供給部,目盛点検用ガスセル,データ処理部などで構成し,次による。

a)  発光器  紫外線領域から赤外線領域の光を発生するもので,光源に高圧キセノンランプなどを用い,

反射鏡によって平行光にする。

b)  集光器  排ガス流中を透過した光を集光し分析部に導入するもので,集光に凹面鏡などを用い,分析

部への導入に光ファイバーケーブルなどを用いる。

c)  分光検出器  受光器からの光を分光,検出するもので,回折格子(紫外線領域を分光の場合),マイケ

ルソン干渉計(赤外線領域の分光の場合)

,走査装置,光電子増倍管などからなる。


5

B 7993:2008

d)  測定光路部  煙道に設置した発光器と受光器との間で決まる長さで,最大測定光路長は 10 m 程度で

ある。

e)  パージガスセル  発光器及び受光器が排出ガス流と接触し粉じんなどが付着するのを防ぐため,発光

器及び受光器の前部に設置し,所定量のパージガスを導入してガス相を形成する。

f)  パージガス供給部  パージガスセルに導入するガスを供給するもので,窒素又は除湿・除じんした圧

縮空気を用いる。

なお,パージガスに測定対象物質があると測定に誤差を与えるため,測定対象物質の含有量が最大

目盛値の 2  %以下であることを確認する。

g)  目盛点検用ガスセル  試験用ガスを導入又は封入する構造であり,両端のセル窓には赤外線又は紫外

線を透過するものを用いる。

h)  データ処理部  差分光吸収 (DOAS:Differential optical absorption spectroscopy)  処理をして干渉成分の

影響の除去,濃度信号の算出を行うもので,測定によって得た吸収スペクトルグラムを標準のスペク

トルグラムと数学的に比較する手法などがとられる。

図 1−波長分散方式の構成例

6.2.2

波長非分散方式

波長非分散方式による計測システムは,

図 に例を示すように,発光器,受光検出器,測定光路,パー

ジガスセル,パージガス供給部,目視点検用ガスセル,データ処理部などで構成し,次による。

a)  発光器  測定対象物質の吸収波長域内の単色光を発生するもので,半導体レーザなどを用いる。 
b)  受光検出器  透過光の強度を電気信号に変換し指示記録するもので,光電変換素子,増幅回路などで

構成する。

c)  測定光路  煙道に設置した発光器と受光検出器との間で決まる長さで,最大測定光路長は 10 m 程度

である。

d)  パージガスセル  発光器及び受光器が排出ガス流と接触し粉じんなどが付着するのを防ぐため,発光

器及び受光検出器の前部に設置し,所定量のパージガスを導入してガス相を形成する。

e)  パージガス供給部  パージガスセルに導入するガスを供給するもので,窒素又は除湿・除じんした圧

縮空気を用いる。



B 7993:2008

  

なお,パージガスに測定対象物質があると測定に誤差を与えるため,測定対象物質の含有量が最大

目盛値の 2  %以下であることを確認する。

f)  目盛点検用ガスセル  試験用ガスを導入又は封入する構造であり,両端のセル窓には赤外線又は紫外

線を透過するものを用いる。

g)  データ処理部  得られた電気信号から濃度を算出するもので,濃度算出に必要な測定光路長,排ガス

温度,排ガス圧力などのパラメータを設定する制御器,演算器などからなる。

図 2−波長非分散方式の構成例

7

試験方法

1)

1)

  指示誤差,耐電圧及び絶縁抵抗以外の各項目については,その計測システムの最小測定範囲に

おける試験結果をもって測定範囲ごとの性能としてもよい。

7.1

試験条件

試験条件は,次の a)∼f)による。

a)

周囲温度  5∼35  ℃の間の任意の温度で試験中の変化幅は,5  ℃。

b)  湿度  相対湿度は,85  %以下。 
c)  大気圧  95∼106 kPa で,試験中の変化幅は,5 kPa

2)

2)

  試験開始時の気圧から±0.5 kPa を超えた場合は,気圧補正をする。

d)  電源電圧  定格電圧 
e)  電源周波数  定格周波数 
f)  暖機時間  取扱説明書に記載された時間。 
7.2

試験に用いるガス

校正用ガス,干渉影響試験用ガス,スパン試験用ガス及びゼロ試験用ガスとする。校正用ガス及び干渉

影響試験用ガスは,希釈ガスとして窒素を用いて JIS K 0055 に規定する方法で調製されたガス,又はこれ

らの規格に準じる方法で調製されたガスを用いる。スパン試験用ガス及びゼロ試験用ガスは,校正用ガス

によってその濃度が確認されたガスとする。これらのガスの種類及び適用する試験項目は,

表 による。

注記  高圧ガスの取扱方法については,高圧ガス保安法及び“環境大気自動測定における高圧ガス管

理取扱手引書”を参考にして安全を確保する。


7

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表 3−試験に用いるガス

ガスの種類

成分濃度

適用試験項目

スパンガス

最大目盛値

a)

の 80∼100  %

7.4 の d),e),f) 

中間点ガス

最大目盛値

a)

の 50  %付近

7.4 の d)

校正用ガス

ゼロガス

最大目盛値

a)

の 0  %

7.4 の d),e),f) 

二酸化硫黄 180∼200 ppm

b)

一酸化窒素 90∼100 ppm

b)

,450∼500 ppm

c)

一酸化二窒素 270∼300 ppm

b)

,450∼500 ppm

c)

二酸化窒素 180∼200 ppm

b)

一酸化炭素 90∼100 ppm

b)

,0.18∼0.2 vol%

c)

二酸化炭素 9.00∼10.0 vol%

b)

,0.27∼0.3 vol%

c)

アンモニア 90∼100 ppm

b)

,9∼10 ppm

c)

塩化水素 90∼100 ppm

b)

,4.5∼5.0 ppm

c)

メタン 900∼1 000 ppm

b)

,90∼100 ppm

c)

干 渉 影 響 試
験用ガス

水分

約 3 vol%(25  ℃飽和)

b)

c)

7.4 の f)

スパン試験用ガス

最大目盛値

a)

の 80∼95  %

7.4 の a),b),c),f),g)

ゼロ試験用ガス

最大目盛値

a)

の 0  %

7.4 の a),b),c),e),f)

a)

  選択した測定範囲の最大目盛値。

b)

  波長分散方式に適用する。

c)

  波長非分散方式に適用する。

7.3

校正

計測システムの校正は,暖機終了後,

表 に規定するゼロガス及びスパンガスを用いて,次の方法で行

う。

図 に例を示すように,計測システムの発光器と集光器又は受光検出器との間に正確に計測した長さ 1 m

の目盛校正用ガスセルを置き,ゼロ調整して,スパン調整操作を行う。

a)  ゼロ調整  校正用ガスセルにゼロガスを設定流量で導入する。指示が安定した時点でゼロ調整を行う。 
b)  スパン調整  校正用ガスセルにスパンガスを設定流量で導入する。指示が安定した時点でスパン調整

を行う。

図 3−計測システムの校正の構成例

7.4

性能試験方法

性能試験は,長さ 1 m の目盛校正用ガスセルを用い,次の方法で行う。

a)  繰返し性  目盛校正用ガスセルにゼロ試験用ガスを設定流量で導入し,指示値を確認した後,スパン

試験用ガスを設定流量で導入し,指示を確認する。この操作を交互に 3 回繰り返し,ゼロ指示値,ス

パン指示値の各々の平均値を算出し,各測定値と平均値との偏差の最大目盛値に対する百分率を求め

る。



B 7993:2008

  

b)  ゼロドリフト  目盛校正用ガスセルにゼロ試験用ガスを設定流量で導入し,24 時間連続測定を行う。

この間におけるゼロ指示値の初期の指示値からの最大変動幅の最大目盛値に対する百分率を求める。

c)  スパンドリフト  ゼロドリフト試験において,試験開始時にスパン調整を行い,試験終了時(24 時間

後)及び中間に 2 回以上ゼロ試験用ガスに代えてスパン試験用ガスを導入し,指示値を記録する。

この間におけるスパン指示値の初期の指示値からの最大変動幅の最大目盛値に対する百分率を求め

る。

これらのスパン指示値において,ゼロドリフトの影響が見られる場合は,その変動を補正する。

なお,各スパン測定点の測定時間間隔は,4 時間以上あけなければならない。

d)  指示誤差  ゼロ調整及びスパン調整を行った後,中間点ガスを導入し,指示値を記録する。

この指示値と中間点ガス濃度値との差の最大目盛値に対する百分率を求める。

e)  最小検出限界  目盛校正用ガスセルを用いゼロ調整及びスパン調整を行った後,目盛校正用ガスセル

にゼロ試験用ガスを設定流量で導入し,指示値を記録する。波長分散方式計測システムでは測定時間

30 秒間隔で 25 サイクル以上,波長非分散方式計測システムでは 2 分間隔で 25 点以上の指示値を読み,

標準偏差を求める。その標準偏差を 2 倍した値を最小検出限界とする。

f)  干渉成分の影響  ゼロ調整及びスパン調整を行った後,干渉影響試験用ガスを導入し,そのときの指

示値の最大目盛値に対する百分率を求める。

g)  電源電圧変動に対する安定性  校正用ガスセルにスパン試験用ガスを設定流量で導入し指示が安定し

ていることを確認し,その値を とする。次に電源電圧を定格電圧の+10  %の電圧に変化させ,安

定後の指示値を とする。次に定格電圧の−10  %の電圧に変化させ,安定後の指示値を とする。B

AC

の値の最大目盛値に対する百分率を求める。

h)  耐電圧  計測器電源スイッチ“入り”の状態で,電源端子一括と外箱(接地端子)との間に定格周波

数の交流 1 000 V を1分間加えて,異常の有無を調べる。

i)

絶縁抵抗  計測器電源スイッチ“入り”の状態で,電源端子一括と外箱(接地端子)との間の絶縁抵

抗を,JIS C 1302 に規定された直流 500 V 絶縁抵抗計で測定する。

8

試験報告書

作成する報告書は,次の項目を含まなければならない。

a)  7.17.2 及び 7.3 のうち必要な事項。

b)  表 のうち必要な事項。 
c)  試験結果

d)  特記事項

9

表示

計測器には,見やすい箇所に容易に消えない方法で,次の事項を表示しなければならない。

a)  名称及び製造業者が指定する形名

b)  測定対象物質

c)  測定濃度範囲

d)  使用温度範囲

e)  定格電圧,定格周波数及び容量

f)  製造業者名又はその略号


9

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g)  製造年月

h)  製造番号

これらの表示は,1 か所にまとめて表示しなくてもよい。

10  取扱説明書

取扱説明書には,少なくとも次の事項を記載しなければならない。

a)  設置場所に関する注意事項

b)  試料ガスの温度,流量,ダスト濃度及び干渉成分のそれぞれの許容範囲

c)  配管及び配線

d)  暖機時間

e)  使用方法

1)  測定の準備及び校正

2)  測定操作

3)  測定停止時の処置

f)  保守点検

1)  日常点検の指針

2)  定期点検の指針

3)  流路系の清掃

4)  故障時の対策


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附属書 A

参考)

計測システムの性能点検

序文

この附属書は,計測システムを維持していく上で望ましい性能の確認方法について記載するものであっ

て,規定の一部ではない。

A.1  計測システムの目盛点検

計測システムの目盛点検は暖機終了後,計測システムに附属の目盛点検用ガスセルにゼロガス及び目盛

点検用ガスを導入して,次の方法で行う。

なお,目盛点検用ガスは,実サンプルガス測定値に L/L

C

を乗じた値付近の濃度のガスを用いることが望

ましい。

計測システムに測定光路長,煙道温度,煙道圧力,目盛点検用ガスセル長,目盛点検用ガス濃度などの

定数を入力し,煙道内に測定対象物質及び干渉影響ガスがないこと(施設非稼動時など)を確認後,目盛

点検を行う。

a)  ゼロ点の確認  目盛点検用ガスセルにゼロガスを設定流量で導入する。指示が安定した時点で指示値

(C

Z

)を読む。

b)  スパンの確認  目盛点検用ガスセルに目盛点検用ガスを設定流量で導入する。指示が安定した時点で

指示値(C

S

)を読み,K

C

 / K

L 

が次の値であることを確認する(

図 A.1 参照)。

1

.

1

9

.

0

L

C

K

K

ここに,

C

C

測定値(C

S

C

Z

)(ppm)

C: 目盛点検用ガス濃度 (ppm)

L: 測定光路長 (m)

L

C

目盛点検用ガスセル長 (m)

K

L

L

C

 / L

K

C

C

C

 / C

c

)  必要に応じ,

a

)及び

b

)を繰り返し,C

Z

及び C

S

のそれぞれが箇条

5

における繰返し性の性能に適合し

ていることを確認する。


11

B 7993:2008

図 A.1

計測システムの構成略図

A.2

計測システムの総合干渉影響の点検

計測システムの総合干渉影響の点検は暖機終了後,計測システムに附属の目盛点検用ガスセルにゼロガ

ス及び目盛点検用ガスを導入して,次の方法で行う。

なお,目盛点検用ガスは実サンプルガス測定値に L

T

/L

TC

を乗じた値付近の濃度のガスを用いることが望

ましい。この点検によって施設稼動時の計測システムの総合的な目盛,干渉影響を含めた点検が可能とな

る。

計測システムに測定光路長,煙道温度,煙道圧力,目盛点検用ガスセル長,目盛点検用ガス濃度などの

定数を入力し,煙道内に測定対象物質及び干渉影響ガスが存在する状態(施設稼動時など)において,総

合干渉影響の点検を行う。

a

)

ゼロガス導入時の確認

  目盛点検用ガスセルにゼロガスを設定流量で導入する。指示が安定した時点

で指示値(C

TZ

)を読む。

b

)

総合干渉影響の確認

  目盛点検用ガスセルに目盛点検用ガスを設定流量で導入する。指示が安定した

時点で指示値(C

TS

)を読み,(K

TC

 / K

TL

)/(K

C

 / K

L

)が以下の値であることを確認する。

05

.

1

/

/

95

.

0

L

C

TL

TC

K

K

K

K

なお,C

T

CL

T

LL

TC

L

C

の場合は,C

TS

 / C

C

  が以下の値であることを確認する。

05

.

1

95

.

0

C

TS

C

C

ここに,  C

TC

: 測定値(C

TS

C

TZ

)(ppm)

C

T

: 目盛点検用ガス濃度 (ppm)

L

T

: 測定光路長 (m)

L

TC

: 目盛点検用ガスセル長 (m)

K

TL

: L

TC

 / L

T

K

TC

: C

TC

 / C

T

K

L

: A.1 で取得した値 

K

C

: A.1 で取得した値

c

)  必要に応じ,a)及び b)を繰り返し,C

TC

の値が平均値±3  %であることを確認する。


12 
B 7993:2008

  

附属書 B

参考)

計測システムの比較試験

序文

この附属書は,計測システムを維持していく上で望ましい性能の確認方法について記載するものであっ

て,規定の一部ではない。

B.1

  比較測定

計測システムは必要に応じて,設置された施設の排出ガス中の測定対象ガスの濃度を比較測定して,計

測システムの性能を確認する。

試料採取部の採取管吸引口を計測システムの測定光路部の 100 mm 以内の距離に追加設置し,採取した

試料ガスを比較測定することによって行う試料採取時間は,一般に 30 分間以上必要とする。

測定対象ガスの比較測定は,次に示す化学分析方法又はこの規格に適合することが確認された異なる原

理の計測システムから適切な方法を選択する。

−  二酸化硫黄    JIS K 0103  排ガス中の硫黄酸化物分析方法

−  一酸化窒素    JIS K 0104  排ガス中の窒素酸化物分析方法

−  二酸化窒素    JIS K 0104  排ガス中の窒素酸化物分析方法

−  一酸化炭素    JIS K 0098  排ガス中の一酸化炭素物分析方法

−  アンモニア    JIS K 0099  排ガス中のアンモニア分析方法

−  塩化水素      JIS K 0107  排ガス中の塩化水素分析方法

−  水分          JIS Z 8808  排ガス中のダスト濃度の測定方法

B.2

  標準不確かさ及びシステム不確かさ(化学分析法との比較及び標準不確かさ s

A

の評価)

標準不確かさ s

A

及びシステムの不確かさの試験は設置現場で行い,10 個∼30 個の測定値から,次の式

によって求める。

2

C

2

D

A

s

s

s

=

D

s

は,次の式による。

ú

ú
û

ù

ê

ê
ë

é

÷

÷
ø

ö

ç

ç
è

æ

=

å

å

=

=

2

1

1

2

D

1

1

1

n

i

i

n

i

i

z

n

z

n

s

ここに,

s

A

試験計測システムの標準不確かさ

s

C

比較測定の標準不確かさ

s

D

両測定法の測定値の差の標準不確かさ

z

i

x

i

y

i

両測定値の差

x

i

比較測定の測定値

y

i

試験計測器の測定値

n

測定回数


13

B 7993:2008

システム不確かさの有無の確認は,次の式によって行う。

å

=

=

n

i

y

x

n

z

1

i

i

)

(

1

ここで,

z

95

%信頼限界を外れる場合,システム不確かさが

n

s

z

D

2

となる場合,統計的に無

視できない不確かさが存在する。システム不確かさが測定レンジの 2  %を超える場合,原因を調査し,対

策する必要がある。

比較測定法の標準不確かさ

C

が未知の場合は,二つの同様な測定方法で同一採取口の試料を測定し,次

の式によって求める。

n

P

P

s

n

i

2

)

(

1

2

2i

1i

C

å

=

±

=

ここに,

P

1i

P

2i

二つの比較測定法の測定値,質量濃度(mg/m

3

n: 比較測定回数


14 
B 7993:2008

  

附属書 C 

参考)

ポイント方式による計測システム

序文

この附属書は,採取管を煙道排ガス中に直接挿入し,採取管内部に取り付けた測定セルでガス濃度を測

定する形式のモニタについて記載するものであって,規定の一部ではない。

C.1

  原理

測定原理は,紫外吸収方式,赤外吸収方式などの光学的な方式が使用される。測定セルは採取管内に組

み込まれており,セラミックス又は金属の焼結フィルタでダストから保護されており,煙道外部に取り付

けられた光学発信器に接続されている(

図 C.1 参照)。

C.2

  測定成分

主な測定対象物質は,

表 C.1 による。この装置は,多成分測定も可能である。

表 C.1

種類

測定対象物質

適用条件

二酸化硫黄

一酸化窒素

二酸化窒素

アンモニア

塩化水素

赤外吸収方式(ガスフィルタ相関方式)

水分

共存する物質の影響を無視できる場合,又は影響

を除去できる場合に適用する。

二酸化硫黄

一酸化窒素

二酸化窒素

紫外吸収方式[波長分散方式 (DOAS)]

アンモニア

共存する物質の影響を無視できる場合,又は影響
を除去できる場合に適用する。

C.3

  構成

C.3.1

  光学発信器

測定器の光源,検出器が組み込まれており,測定セルでの光の吸収変化を測定し,測定対象ガスの濃度

に対応する電気信号を発生する。

C.3.2

  採取管

光学発信器から延びている測定セルの指示部材。酸性ガスによって腐食されにくく,900  ℃まで耐えら

れるステンレス又はクロム鋼を用いる。また,採取管内部で凝縮が起こる場合は,採取管を加熱しなけれ

ばならない。高温の場合は採取管を空気又は水ジャケットによって冷却して使用する。

C.3.3

  測定セル

採取管の中央部で,測定対象成分による光の吸収を起こすために,ガス流に対して露出されている測定

光路部(500 mm∼1 000 mm 程度)

C.3.4

  ろ過材

ガス測定への微粒子の影響を最小限にするための多孔質セラミックス,焼結金属のチューブ又は膜。


15

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C.3.5

  取付金具

試料採取口に取り付けられたフランジであって,光学発信器及び採取管を支える。

C.3.6

  校正ガス用導管

測定セルの中に校正ガス又はゼロガスを導入するために用いられる管。

1  光学発信器              6  校正用ガス導管 
2  採取管                  7  保護ケース 
3  測定セル                8  煙突 
4  一次ろ過材              9  記録計 
5  取付金具

図 C.1−試料非吸引法による定点測定器モニタの例

参考文献

JIS K 0098  排ガス中の一酸化炭素分析方法

JIS K 0099  排ガス中のアンモニア分析方法

JIS K 0103  排ガス中の硫黄酸化物分析方法

JIS K 0104  排ガス中の窒素酸化物分析方法

JIS K 0107  排ガス中の塩化水素分析方法

JIS Z 8808  排ガス中のダスト濃度の測定方法

高圧ガス保安法

環境大気自動測定における高圧ガス管理取扱手引書