サイトトップへこのカテゴリの一覧へ

B 7952:2004  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本電気

計測器工業会(JEMIMA)/財団法人日本規格協会 (JSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正

すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。 

これによって,JIS B 7952:1996は改正され,この規格に置き換えられる。 

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願、実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。 

JIS B 7952には,次に示す附属書がある。 

附属書1(参考)電量方式二酸化硫黄自動計測器 

附属書2(参考)定電位電解方式二酸化硫黄自動計測器 

附属書3(参考)ISOの校正用ガス及び校正方法 

B 7952:2004  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

1. 適用範囲 ························································································································ 1 

2. 引用規格 ························································································································ 1 

3. 定義 ······························································································································ 1 

4. 計測器の種類及びレンジ ··································································································· 2 

5. 計測器の性能 ·················································································································· 2 

6. 構造 ······························································································································ 3 

6.1 構造一般 ······················································································································ 3 

6.2 計測器 ························································································································· 3 

6.3 指示記録計 ··················································································································· 6 

7. 性能試験 ························································································································ 6 

7.1 試験条件 ······················································································································ 6 

7.2 試験に用いるガス及び等価液 ··························································································· 6 

7.3 校正 ···························································································································· 8 

7.4 性能試験方法 ················································································································ 8 

8. 試験報告書 ···················································································································· 10 

9. 表示 ····························································································································· 10 

10. 取扱説明書 ·················································································································· 11 

附属書1(参考)電量方式二酸化硫黄自動計測器 ······································································· 12 

附属書2(参考)定電位電解方式二酸化硫黄自動計測器 ······························································ 13 

附属書3(参考)ISOの校正用ガスと校正方法 ·········································································· 14 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

B 7952:2004 

大気中の二酸化硫黄自動計測器 

Continuous analyzer for sulfur dioxide in ambient air 

1. 適用範囲 この規格は,大気中の二酸化硫黄濃度を連続的に測定するための紫外線蛍光方式,及び溶

液導電率方式による自動計測器 (以下,計測器という。)について規定する。 

参考 

これらの方式以外の測定原理の計測器として,電量方式及び定電位電解方式に基づくものを,

参考として附属書1及び附属書2に示す。 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS B 7551 フロート形面積流量計 

JIS C 1302 絶縁抵抗計 

JIS K 0050 化学分析方法通則 

JIS K 0055 ガス分析装置校正方法通則 

JIS K 0211 分析化学用語 (基礎部門) 

JIS K 0212 分析化学用語 (光学部門) 

JIS K 0213 分析化学用語 (電気化学部門) 

JIS K 0557 用水・排水の試験に用いる水 

JIS K 8001 試薬試験方法通則 

JIS K 8230 過酸化水素 (試薬) 

JIS Z 8103 計測用語 

3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS K 0050,JIS K 0211,JIS K 0212,JIS K 0213及びJIS 

Z 8103によるほか,次による。 

a) 試料大気 二酸化硫黄濃度を測定するために計測器に導入する大気。 

b) 試料ガス 二酸化硫黄濃度を測定するために計測器に導入するガスで,試料大気からダストフィルタ

によって含まれる粉じんを除去したもの。 

c) ゼロドリフト 計測器の最小目盛に対する指示値の,ある期間内の変動。 

d) スパンドリフト 計測器の目盛スパンに対応する指示値の,ある期間内の変動。 

e) ゼロガス 計測器の最小目盛値を校正するために用いるガス。 

f) 

スパンガス 計測器の最大目盛値を校正するために用いるガス。 

g) 設定流量 計測器で定められた試料大気,校正用ガスなどの流量。 

h) 等価液 校正用ガスの代わりに,それを用いたときと同等の指示値を得るよう調製した標準溶液。等

価液は,次のものがある。 

1) ゼロ調整用等価液 

2) スパン調整用等価液 

background image

B 7952:2004  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

3) 中間点等価液 

4. 計測器の種類及びレンジ 計測器の種類は原理別に分類し,個々の計測器のレンジは表1による。 

なお,レンジは,表1で示したなかで適切なものを選ぶ。 

表 1 計測器の種類及びレンジ 

計測器の種類 

レンジ (1) ppm 

備考 

紫外線蛍光方式 

0〜0.01 
から 
0〜1.00 

試料大気中の二酸化硫黄濃度を連続的に瞬時値で指示記録
する。 
この方式は,二酸化硫黄と同様の蛍光を発するガス,例え
ば,芳香族炭化水素などの影響を無視できる場合又は影響
を除去できる場合に適用できる。 

溶液導電率方式 

0〜0.05 
から 
0〜1.00 

記録結果は,各測定周期(1時間)通気終了時に最大の値
となるのこぎり形となり,この頂点の位置が試料大気中の
二酸化硫黄濃度の1時間平均値を示す。 
この方式は,吸収液に溶けて導電率を変化させるガス,例
えば,塩素,アンモニア,二酸化炭素,塩化水素などの影
響を無視できる場合又は除去できる場合に適用できる。 

注(1) このレンジ内で測定目的によって適切に分割したレンジをもつ。 

備考 二酸化硫黄の質量濃度と容量濃度の換算は,次による。 

1 mg/m3= (1/2.86) ppm (10−6 v/v) ,0 ℃,101.3 kPaにおいて。 

1 mg/m3= (1/2.66) ppm (10−6 v/v) ,20 ℃,101.3 kPa において。 

1 mg/m3= (1/2.62) ppm (10−6 v/v) ,25 ℃,101.3 kPaにおいて。 

5. 計測器の性能 計測器は,7. によって試験を行ったとき,表2及び表3の性能を満足しなければなら

ない。 

表 2 紫外線蛍光方式計測器の性能 

項目 

性能 

試験方法 

繰返し性 

最大目盛値の±2 % 

7.4.1 a) 

ゼロドリフト 

最大目盛値の±2 % 

7.4.1 b) 

スパンドリフト 

最大目盛値の±2 % 

7.4.1 c) 

指示誤差  

最大目盛値の±4 % 

7.4.1 d) 

応答時間       

5分間以下 

7.4.1 e) 

最小検出限界  

最大目盛値の1 %以下 

7.4.1 f) 

干渉成分(トルエン)の影響 

最大目盛値の5 %以下 

7.4.1 g) 

電源電圧変動に対する安定性 

最大目盛値の±1 % 

7.4.1 h) 

耐電圧 

異常を生じてはならない 

7.4.1 i) 

絶縁抵抗 

5MΩ以上 

7.4.1 j) 

表 3 溶液導電率方式計測器の性能 

項目 

性能 

試験方法 

繰返し性  

最大目盛値の±2 % 

7.4.2 a)  

ゼロドリフト 

最大目盛値の±2 % 

7.4.2 b)  

スパンドリフト 

最大目盛値の±2 % 

7.4.2 c)  

指示誤差 

最大目盛値の±4 % 

7.4.2 d)  

試料ガス流量の安定性 

最大目盛値の±7 % 

7.4.2 e)  

吸収液量の安定性 

最大目盛値の±2 % 

7.4.2 f)  

background image

B 7952:2004  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

電源電圧変動に対する安定性 

最大目盛値の±1 % 

7.4.2 g)  

耐電圧 

異常を生じてはならない 

7.4.2 h)  

絶縁抵抗       

5 MΩ以上 

7.4.2 i)  

6. 構造  

6.1 

構造一般 計測器の構造は,次の各項目に適合しなければならない。 

a) 形状が正しく,組立及び各部の仕上がりが良好で,堅ろうでなければならない。 

b) 通常の運転状態で危険の生じるおそれがなく,安全で円滑に作動しなければならない。 

c) 各部は,容易に機械的故障・電気的故障を起こさず,危険を生じない構造でなければならない。 

d) 結露などによって計測器の作動に支障を生じない構造でなければならない。 

e) 光源,ヒータなどの発熱部に接する部分は,熱による変形及び機能の変化を起こさない構造でなけれ

ばならない。 

f) 

保守又は点検の際,作業しやすく,危険のない構造でなければならない。 

6.2 

計測器  

6.2.1 

紫外線蛍光方式 紫外線蛍光方式は,次による。 

a) 原理 紫外線蛍光方式の測定原理は,試料ガスに紫外線を照射することによって生じる励起二酸化硫

黄分子が発する蛍光を検出し,その強度から試料大気中の二酸化硫黄の濃度を求めるものである。 

この反応機構の第1段階は,励起光 (hv1) 波長範囲200〜220 (nm) の照射による励起二酸化硫黄分

子 (SO2*) の生成である。  

2

1

SO

h

+ν→SO2* 

反応機構の第2段階は,励起二酸化硫黄分子 (SO2*) が基底状態 (SO2) に戻る際に,蛍光(

2

ν

h

) (波

長範囲240〜420 nm) を発することである。 

SO2*

2

2

SO

h

+ν 

このときの蛍光の強度,

2

ν

h

の強度は,励起光の強度及び二酸化硫黄分子の数,すなわち,濃度 (SO2)

に比例する。 

試料ガス中に含まれる可能性のある芳香族炭化水素は,二酸化硫黄と同様の蛍光を発し,測定値に

正の干渉を与える。また,蛍光の強度は,二酸化硫黄分子の数に比例するため,蛍光室内の温度及び

圧力に依存する。 

a) 構成 計測器は,図1に例を示すように,芳香族炭化水素除去器,蛍光室,光源部,蛍光測光部など

で構成し,次による。 

background image

B 7952:2004  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図 1 紫外線蛍光方式計測器の構成例 

1) 試料大気導入口 試料大気導入管を接続する部分で,試料大気導入管は二酸化硫黄の吸着の少ない

材質,例えば,ふっ素樹脂製のものを用いる。試料大気導入管の全長は可能な限り短くし,結露の

おそれがある場合には若干加熱してもよい。 

2) ダストフィルタ 試料大気中に含まれる粉じんを除去するためのもので,二酸化硫黄の吸着の少な

い材質,例えば,ふっ素樹脂製のものを用いる。ダストフィルタは,粉じん付着量が多くなると二

酸化硫黄の損失又は試料吸引流量の減少の原因となるので,定期的に交換する。 

3) 芳香族炭化水素除去器 試料ガス中の芳香族炭化水素を除去するもので,透過膜式,吸着剤式など

を用いる。 

4) 蛍光室 試料ガスを導入し,光源部から集光レンズ,及び波長選択用光学フィルタを介して入射し

た紫外線によって試料ガス中の二酸化硫黄を励起し, 蛍光を効率的に発する構成となっているもの

とする。試料ガスに接する内面は,二酸化硫黄の吸着が少なく励起紫外線による劣化の少ない材質

を用いる。また,結露及び二酸化硫黄の吸着を防ぐため,加熱して一定の温度とする。 

5) 光源部 放電などによって紫外線を放射するものとする。 

6) 蛍光測光部 二酸化硫黄の蛍光を選択的に透過させる光学フィルタを介して蛍光室に接し,蛍光を

受光して,その強度に比例した電気信号に変換するものとする。 

7) 比較測光部 蛍光室に接し,光源部から照射された励起光を受光して,その強度に比例した電気信

号に変換するものとする。 

8) 圧力計 蛍光室内の圧力を計測する。 

9) 流量計 試料ガスの通気流量を調整又は確認するために用いる。通常,蛍光室の後に設置する。 

10) 試料大気吸引ポンプ 試料大気を通気するために使用するポンプで,通常,蛍光室の後に設置する。

ダストフィルタに粉じんが付着して通気抵抗が増しても,規定の流量が維持できるよう,吸引力に

余裕のあるものを用いる。 

6.2.2 

溶液導電率方式 溶液導電率方式は,次による。 

a) 原理 この方式の測定原理は, 試料ガスを硫酸酸性の過酸化水素溶液に通じるときに試料ガスに含ま

れる二酸化硫黄が吸収又は酸化されて生成する硫酸によって生じる溶液の導電率変化を検出し,その

増加量から試料大気中の二酸化硫黄の濃度を求めるものである。 

background image

B 7952:2004  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

試料ガス中に含まれる可能性のあるアンモニア,塩化水素など,吸収液に溶けて溶液の導電率を変

化させるガスは測定値に干渉を与える。 

b) 構成 計測器は,図2に例を示すように,ガス吸収部,試料大気吸引ポンプ,吸収液送液ポンプ,増

幅制御部などで構成し,次による。 

 
 

図 2 溶液導電率方式計測器の構成例 

1) 試料大気導入口 試料大気導入管を接続する部分で,試料大気導入管は二酸化硫黄の吸着の少ない

材質,例えば,ふっ素樹脂製のものを用いる。試料大気導入管の全長は可能な限り短くし,結露の

おそれがある場合には若干加熱してもよい。 

2) ダストフィルタ 試料大気中に含まれる粉じんを除去するためのもので,二酸化硫黄の吸着の少な

い材質,例えば,ふっ素樹脂製のものを用いる。ダストフィルタは粉じん付着量が多くなると二酸

化硫黄の損失又は試料吸引流量の減少の原因となるので定期的に交換する。 

3) 流量計 試料ガスの採取流量の変化は,測定誤差の原因となるので,流量の調整又は確認のために

流量計が必要である。流量計は,設計時に温度20 ℃,圧力 101.3 kPaを想定して目盛付けをし,設

定流量の1.2〜2倍の最大目盛をもち,測定精度は,JIS B 7551の7.3(精度)の規定によるものと

する。 

4) ガス吸収部 次の測定電極,レベル計用電極,温度補償抵抗(又は温度補償回路)及び吸収瓶で構

成し,20 mlの吸収液をレベル計を用いて採取した後,1 L/minで吸収瓶に導入し,試料大気中の二

酸化硫黄を吸収液中に捕集する。 

4.1) 測定電極 吸収液の導電率を検出するための電極。 

4.2) レベル計用電極 吸収液量を20 ml採取するための検出器。 

4.3) 温度補償抵抗(又は温度補償回路) 適切な温度係数をもった抵抗体で,増幅器回路素子部の一

試料大気 

導入口 

 ダスト 

フィルタ 

ガス吸収部 

測定電極 

レベル計用電極 

温度補償抵抗 

吸収瓶 

 試料大気 

吸引ポンプ 

流量計 

 吸収液 

送液ポンプ 

吸収液 

タンク 

 排液 

タンク 

増幅制御部 




録計 


気 

試料大気 

B 7952:2004  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

部となり,吸収液の導電率に対する温度補償を行うもの。 

4.4) 吸収瓶 硬質ガラス製で吸収液を入れ,通気によって二酸化硫黄を吸収させるもの。 

5) 吸収液タンク 吸収液によって侵されず,吸収液を変質させない材質,例えば,高密度ポリエチレ

ン樹脂製のものを用いる。 

6) 吸収液送液ポンプ 吸収液タンク内の吸収液を,ガス吸収部へ送液するためのポンプであって,吸

収液によって侵されず,吸収液を変質させない材質のものを用いる。 

7) 試料大気吸引ポンプ 試料大気を通気するために使用するポンプで,規定の流量が維持できるよう,

吸引力に余裕のあるものを用いる。 

8) 増幅制御部 導電率を必要なレベルの電気信号に変換するとともに,プログラムは,各構成要素に

対し信号を発し,次の各操作を所定のプログラムに従って自動的に繰り返す機能をもつものとする。

また,測定周期は1時間とし,通気時間は54分間以上でなければならない。 

8.1) 吸収液の採取及び排出 

8.2) 試料大気の通気開始及び停止 

8.3) 導電率測定開始及び停止 

8.4) 自動ゼロ点調整 

8.5) 自動レンジ切替え 

6.3 

指示記録計 指示記録計は,二酸化硫黄濃度を等分目盛で指示記録するものとする。ディジタル表

示方式のものは,測定単位が印字されるものとする。 
 

7. 性能試験 計測器の性能試験は,次による。 

備考 指示誤差,耐電圧及び絶縁抵抗以外の各項目については,その計測器の最小レンジにおける試

験結果をもって各レンジごとの性能としてもよい。 

7.1 

試験条件 計測器の試験条件は,次のa) 〜 f) による。 

a) 周囲温度 5〜35 ℃の温度で変化幅は5 ℃以下 

b) 湿度 相対湿度85 %以下 

c) 大気圧 95〜106 kPaの圧力で,変化幅は5 kPa以下 

d) 電源電圧 定格電圧 

e) 電源周波数 定格周波数 

f) 

暖機時間 取扱説明書に記載された時間 

7.2 

試験に用いるガス及び等価液 

7.2.1 

試験に用いるガス 標準ガス,スパン試験用ガス,ゼロ試験用ガス,干渉影響(トルエン)試験用

ガスなどとする。これらのガスの種類及び適用する試験項目は,表4による。標準ガスは,適正,かつ中

立な検査機関,又は校正事業者が濃度を確認した高濃度標準ガスを,空気で薄めたもので,JIS K 0055の

4.b)(校正用ガス調製装置による校正ガス)に規定する校正用ガスを用いる。 

なお,トルエンについては,この規格に準じる方法で調製されたものを用いる。 

background image

B 7952:2004  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表 4 試験に用いるガス 

ガスの種類 

成分濃度 

適用試験項目 

標 
準 
ガ 
ス 

スパンガス 

レンジの80〜100 % 

7.4.1 d),f) 

中間点ガス 

レンジのおおよそ40〜60 % 

7.4.1 d) 

ゼロガス 

レンジの0 % 

7.4.1 d),f) 

スパン試験用ガス 

各レンジの80〜95 % 

7.4.1 a),c),e),g) 

ゼロ試験用ガス 

各レンジの0 % 

7.4.1 a),b),e) 

干渉影響(トルエン)試験用ガス 0.1 ppm 

7.4.1 f) 

 備考1 スパン試験用ガス及びゼロ試験用ガスは空気ベースの標準ガスによってその濃

度が確認されたガスとする。 

    2高圧ガスの安全取扱方法については,高圧ガス保安法及び環境大気自動測定に 
     おける高圧ガス管理取扱手引書等を参考にして安全を確保する。 

7.2.2 

試験に用いる等価液 等価液の調製は,次による。これらの等価液の種類及び適用する試験項目は,

表5による。 

表 5 試験に用いる等価液 

等価液の種類 

成分濃度 

適用試験項目 

ゼロ調整用等価液 

レンジの0 % 

7.4.2 a),b),d) 

スパン調整用等価液 

レンジの80〜100 % 

7.4.2 a),c),d),g) 

中間点等価液 

レンジのおおよそ40〜60 % 

7.4.2 d) 

a) 吸収液の調製 吸収液の組成は,5 μmol/Lの硫酸を含む過酸化水素溶液(0.006 %)を吸収液として

使用する。この吸収液は,JIS K 8001の4.5(滴定用溶液)に規定する0.05 mol/L硫酸1 ml及びJIS K 

8230に規定する過酸化水素水(30 %)2 mlに水 (2) を加えて10 Lに調製する。この吸収液の導電率

は,20 ℃でおおよそ0.4 mS/mである。 

b) 等価液調製用原液(0.005 mol/L硫酸)の調製 JIS K 8001の4.5に規定する0.05 mol/L硫酸を,正し

く10倍に薄めて調製する。 

c) 等価液の調製 次の式から求められる量の等価液調製用原液を採取し,これに吸収液を加えて1 Lに

薄めて調製する。 

(

)

t

V

V

C

M

v

+

×

×

×

×

×

×

=

273

273

-

0.005

2

1

10

93

.8

R

s

2

-

ここに, 

v: 等価液調製用原液の採取量 (ml) 

M: 吸収液の硫酸濃度 (mol/L) 

C: 対応する二酸化硫黄濃度 (ppm) 

Vs: 試料ガス通気接触量=通気流量 (L/min)×通気時間 (min) 

VR: 吸収液採取量 (ml) 

t: 20 (校正の基準となる温度20 ℃) 

d) ゼロ調整用等価液 吸収液をそのまま用いる。 

e) スパン調整用等価液の調製 c)に規定する式を用いて測定範囲の最大値付近の濃度に対応する等価液

調製用原液v ml (3) を採取し,これを吸収液で1 Lに薄めて調製する。 

f) 

中間点用等価液の調製 c)に規定する式を用いて測定範囲の中間点付近の濃度に対応する等価液調製

用原液v ml (3) を採取し,これを吸収液で1 Lに薄めて調製する。 

注(2) 使用する水の導電率は,0.1 mS/m以下とし,JIS K 0557の4.(種別及び質)に規定するA2,

B 7952:2004  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

A3又はA4を用いる。 

(3) v mlは,整数,例えば1,2,4,10,15,20を用いる。ただし,対応する二酸化硫黄濃度Cは,

小数点3けたまで求める。 

7.3 

校正  

7.3.1 

紫外線蛍光方式 紫外線蛍光方式の計測器は,試験に用いるガスを用いて,次の要領で計測器の目

盛校正を行う。 

a) ゼロ調整 ゼロガスを設定流量で導入し,指示の安定後,ゼロ調整を行う。 

b) スパン調整 スパンガスを設定流量で導入し,指示の安定後,スパン調整を行う。 

c) 必要に応じてa)及びb)を繰り返した後,それぞれの指示が,表2に示す,ゼロドリフト及びスパンド

リフトの範囲内で一致するまで行う。 

7.3.2 

溶液導電率方式 溶液導電率方式の計測器の目盛校正は,等価液を用いて,次の方法で行う。 

a) ゼロ調整 ゼロ調整用等価液をガス吸収部に入れ,測定回路を作動する。計器指示が安定した時点で

ゼロ調整を行う。 

b) スパン調整 スパン調整用等価液をガス吸収部に入れ,計器指示が安定した時点で,等価液に対応す

る二酸化硫黄濃度を示すようにスパン調整を行う。 

c) 必要に応じてa)及びb)を繰り返した後,それぞれの指示が,表3に示す,ゼロドリフト及びスパンド

リフトの範囲内で一致するまで行う。 

7.4 

性能試験方法  

7.4.1 

紫外線蛍光方式 紫外線蛍光方式の試験は,次による。 

a) 繰返し性 計測器にゼロ調整用ガスを設定流量で導入し,最終指示値を記録紙上で確認した後,スパ

ン調整用ガスを同様に導入し,最終指示値を確認する。この操作を3回繰り返し,ゼロ指示値及びス

パン指示値の各々の平均値を算出し,各測定値及び平均値の偏差の最大目盛値に対する百分率を求め

る。 

b) ゼロドリフト 同一条件で,ゼロ試験用ガスを設定流量で連続して導入し,24時間連続測定を行う。

この間におけるゼロ指示値の初期値からの最大偏差を求める。必要な場合は,ゼロ指示値を最大目盛

値の5 %程度に設定してもよい。 

c) スパンドリフト ゼロドリフト試験において,試験開始時,試験終了時(24時間後)及び中間に2回

以上(4)ゼロ試験用ガスに代えてスパン試験用ガスを導入し,指示値を記録する。この間におけるスパ

ン指示値の初期の指示値からの最大変動幅の最大目盛値に対する百分率をスパンドリフトとする(5)。 

なお,ゼロドリフトの影響が見られるときは,スパン指示値からその変動分を補正する。 

注(4) 各スパン測定点の測定時間間隔は,4時間以上離れていなければならない。 

(5) 大気圧変化に対する指示値への影響を自動補正する機能がない計測器において大気圧の影響が

見られるときは,次の式を用いて大気圧の変動分を補正したものを,スパンドリフトとする。

ただし,計測器に大気圧変化に対する指示値への影響量が示されている場合は,その値を用い

て補正する。 

100

   

    

    

    

si

s

i

s

s

×

×

F

C

  

P

P

C

D

ここに, 

Ds: スパンドリフト(%) 

Cs: スパン指示値(ppm) 

B 7952:2004  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

Csi: 初期スパン指示値(ppm) 

F: 最大目盛値(ppm) 

Pi: 初期大気圧(kPa) 

Ps: スパン指示値時の大気圧(kPa) 

d) 指示誤差 ゼロ調整及びスパン調整を行った後,中間目盛付近の濃度の中間点ガスを導入し,指示・

記録させる。この指示値と中間点ガス濃度表示値との差の最大目盛値に対する百分率を求める。 

e) 応答時間 試料大気導入口直後からゼロ試験用ガスを導入し,指示安定後,流路をスパン試験用ガス

に切り換える。このときの指示記録において,スパン試験用ガス導入の時点から最終指示値の90 %

値に達するまでの時間を応答時間とする。 

f) 

最小検出限界 ゼロ調整及びスパン調整を行った後,ゼロ試験用ガスを設定流量で導入し,指示記録

させる。2分間隔で25点以上の指示を読み,標準偏差(sx0)を求める。その標準偏差の2倍の最大目盛

値に対する百分率を最小検出限界(x)とし,次の式によって求める。 

100

2

=Fs

x

x

ここに,  sx0: ゼロ試験用ガスによる指示値の標準偏差 (ppm) 

F: 最大目盛値 (ppm) 

g) 干渉成分(トルエン)の影響 ゼロ調整及びスパン調整を行った後,表4に示す干渉影響(トルエン)

試験用ガスを導入し,その指示値を読み,次の式によって干渉成分の影響を調べる。 

100

×

=Fb

a

ここに, 

a: 干渉成分の影響 (%) 

b: ガス (トルエン) の指示値 (ppm) 

F: 最大目盛値 (ppm) 

h) 電源電圧変動に対する安定性 校正用ガス導入口からスパン試験用ガスを導入し,指示が安定してい

ることを確認し,その値をAとする。次に電源電圧を定格電圧の+10 %の電圧に徐々に変化させる。

指示が安定したとき,その値をBとする。さらに,電源電圧を定格電圧の−10 %の電圧に徐々に変

化させ,指示が安定したとき,その値をCとする。B−A及びC−Aのレンジの最大目盛値に対する百

分率を求める。 

i) 

耐電圧 計測器の電源スイッチ“入り”の状態で,電源端子一括と外箱との間に定格周波数の交流電

圧1 000 Vを1分間加える。その後計測器を通電状態にし,異常の有無を調べる。 

j) 

絶縁抵抗 計測器の電源スイッチ“入り”の状態で,電源端子一括と外箱との間の絶縁抵抗を,JIS C 

1302に規定する直流500 V絶縁抵抗計で測定する。 

7.4.2 

溶液導電率方式 溶液導電率方式の試験は,次による。 

a) 繰返し性 同一条件で,ガス吸収部にゼロ調整用等価液を共洗いしながら注入し,最終指示値を指示

記録計の記録紙上で確認した後,更にスパン調整用等価液を共洗いしながら注入し,最終指示値を確

認する。この操作を交互に3回繰り返し,ゼロ指示値及びスパン指示値の各々の平均値を算出し,各

測定値と平均値の偏差を求める。この偏差の最大目盛値に対する百分率を求める。 

b) ゼロドリフト 試料大気の吸引を停止した状態でゼロ調整用等価液(吸収液)の採取及び排出,導電

率測定の開始及び停止などを伴う24時間連続測定を行う。この間におけるゼロ指示値の設定値からの

最大偏差を求める。この偏差の最大目盛値に対する百分率を求める。 

10 

B 7952:2004  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

c) スパンドリフト ゼロドリフト試験において試験開始時にスパン調整を行い,試験終了時(24時間後) 

及び中間に2回以上 (6),更にガス吸収部の吸収液に換えてスパン調整用等価液を共洗いしつつ注入し,

最終指示値を記録させる。最初のスパン調整時のスパン指示値と他のスパン指示値とを比較し,差の

最も大きい値の最大目盛値に対する百分率を,スパンドリフトとして求める。 

なお,ゼロドリフトの影響が見られるときは,スパン指示値からその変動分を補正する。 

注(6) 各スパン測定点は4時間以上,離れていなければならない。また,スパン測定後は,ガス吸収

部に共洗いしつつ吸収液を注入し,ゼロドリフト試験を続ける。 

d) 指示誤差 ゼロ調整等価液及びスパン調整等価液によって,ゼロ調整及びスパン調整を行った後,中

間目盛付近の濃度の等価液を注入し,指示記録させる。この指示値と,等価液濃度表示値との差の最

大目盛値に対する百分率を求める。 

e) 試料ガス流量の安定性 試料ガス流量の経時変化は,試験開始時に設定流量に試料ガス流量を調整し

(7),その指示流量を読み取り記録し,その後10日間連続運転を行う。連続運転中に3回以上及び終了

時(10日目)に指示流量を読み取り記録する。これらの最大変動幅の設定流量に対する百分率を求め

る。 

なお,各々の読取り点は,少なくとも24時間以上離れていなければならない。 

注(7) この試験中は,設定流量を調整してはならない。もし調整した場合は,その後10日間の試験を

行わなければならない。 

f) 

吸収液量の安定性 あらかじめ乾燥し,ひょう(秤)量してあるポリエチレン瓶(例えば,250 ml程

度のもの)を吸収液の排出口にあてがう。手動で吸収液の計量と排出とをそれぞれ5回行い,排出さ

れた吸収液の質量を天びんで測定する。設定採取量の5倍量と,ポリエチレン瓶の風袋を除いた排出

吸収液の合計量との差から,レベル計の誤差を求める。ただし,ここに用いる天びんの感量は,100 mg

以下とする。 

g) 電源電圧変動に対する安定性 スパン調整用等価液を注入し,指示が安定していることを確認し,そ

の値をAとする。次に,電源電圧を定格電圧の+10 %の電圧に徐々に変化させる。指示が安定した

とき,その値をBとする。さらに,定格電圧の−10 %の電圧に徐々に変化させ,指示が安定したと

き,その値をCとする。B−A及びC−Aのレンジの最大目盛値に対する百分率を求める。 

h) 耐電圧 計測器の電源スイッチ“入り”の状態で,電源端子一括と外箱との間に定格周波数の交流電

圧1 000 Vを1分間加える。その後計測器を通電状態にし,異常の有無を調べる。 

i) 

絶縁抵抗 計測器電源スイッチ“入り”の状態で,電源端子一括と外箱との間の絶縁抵抗を,JIS C 1302

に規定する直流500 V絶縁抵抗計で測定する。 

8. 試験報告書 作成する報告書は,次の項目を含むものとする。 

a) 7.(性能試験)の7.1,7.2及び7.3のうち必要な事項。 

b) 4.(計測器の種類及び測定範囲)並びに表2又は表3のうち必要な事項。 

c) 試験結果 

d) 特記事項 
 

9. 表示 計測器には,見やすい箇所に容易に消えない方法で,次の事項を表示しなければならない。 

a) 名称及び製造業者が指定する形名 

b) 測定対象成分 

11 

B 7952:2004  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

c) 測定濃度範囲 

d) 使用温度範囲 

e) 定格電圧,定格周波数及び容量 

f) 

製造業者名又はその略号 

g) 製造年月 

h) 製造番号 

備考 これらの表示は,1か所にまとめて表示しなくてもよい。 

10. 取扱説明書 取扱説明書には,少なくとも次の事項を記載しなければならない。 

a) 設置場所に関する事項 

b) 試料大気の温度,流量,ダスト濃度及び干渉成分のそれぞれの許容範囲 

c) 試料大気の前処理方法 

d) 配管及び配線 

e) 暖機時間 

f) 

使用方法 

1) 測定の準備及び校正 

2) 測定操作 

3) 測定停止時の処置 

g) 保守点検 

1) 日常点検の指針 

2) 定期点検の指針 

3) 流路系の清掃 

4) 故障時の対策 

関連規格 ISO/DIS 10498.2 Ambient air - Determination of sulfur dioxide - Ultraviolet fluorescence method 

background image

12 

B 7952:2004  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書1(参考)電量方式二酸化硫黄自動計測器 

この附属書は,電量方式二酸化硫黄自動計測器に関する事柄を記載するもので,規定の一部ではない。 

1. 測定原理 電量方式は,臭化カリウム (1) を電解液として電気分解によって電解液中に臭素を遊離さ

せ,臭素と試料大気中の二酸化硫黄との反応によって低下する臭素濃度の変化を電極によって検知し,試

料大気中に含まれる二酸化硫黄濃度を連続的に測定する。 

注(1) 臭化カリウムの代わりに,よう化カリウムを使うこともある。 

備考 この方式は,電解液中の臭素と反応するガス,例えば,硫化水素,メルカプタン類,オゾンな

どの影響を無視できる場合又は影響を除去できる場合に適用できる。 

2. 性能 測定範囲0〜0.05 ppmから0〜1 ppmにおける主な性能は,次による。 

a) 繰返し性 繰返し性は,各レンジごとに最大目盛値の±5 %とする。 

b) ドリフト 24時間におけるゼロドリフト及びスパンドリフトは,最大目盛値の±2 %とする。 

c) 応答時間 計測器本体の90 %応答時間は,5分以下とする。 
 

3. 構成 計測器は,附属書1図1に示すように,芳香族炭化水素除去器,電解槽,設定電位差計,増幅

器,冷却器などから構成する。 

附属書1図 1 電量方式計測器の構成例  

background image

13 

B 7952:2004  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書2(参考)定電位電解方式二酸化硫黄自動計測器 

この附属書は,定電位電解方式二酸化硫黄自動計測器に関する事柄を記載するもので,規定の一部では

ない。 

1. 測定原理 定電位電解方式は,ガス透過性隔膜を通して電解槽中の電解質中に拡散吸収された二酸化

硫黄を,所定の酸化電位を与えて定電位電解法によって酸化し,その際に生じる電解電流を取り出し,試

料大気中に含まれる二酸化硫黄濃度を連続的に測定する。  

2. 性能 測定範囲0〜0.2 ppmから0〜1 ppmにおける主な性能は,次による。 

a) 繰返し性 繰返し性は,各レンジごとに最大目盛値の±5 %とする。 

b) ドリフト 24時間におけるゼロドリフト及びスパンドリフトは,最大目盛値の±5 %とする。 

c) 応答時間 計測器本体の90 %応答時間は,5分以下とする。 
 

3. 構成 定電位電解分析計は,附属書2図1に示すように,電解槽,定電位電源,増幅器などから構成

する。 

附属書2図 1 定電位電解方式計測器の構成例 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書3(参考)ISOの校正用ガスと校正方法 

この附属書は,ISO/DIS 10498.2校正用ガスによる計測器の校正の事柄を記載するもので,規定の一部で

はない。 

校正用ガス及び校正方法に関連する事柄について抜粋して次に示す。 

1. 校正用ガス(primary calibration gas standard) 

1.1 

ゼロガス 校正に使用するゼロガスは,計測器で検出可能な濃度のSO2を含んでいてはならない。 

なお,ゼロガス中のO2濃度は,通常の空気中の組成(20.9 ±2.0)%とする。 

1.2 

スパンガス 校正に使用するスパンガスの調製法又は値付けには,次の方法がある。 

a) 静的容量希釈法(ISO 6144) 

b) TCM−テトラクロロ水銀法(ISO 6767) 

c) 質量調製法[種々の希釈法(ISO 6142,ISO 6145-1,ISO6145-4又はISO 6145-6)を組み合わせ,ガ

スを混合する。] 

1.3 

試験用ガス(transfer standard calibration gas) 附属書3の1.2の調製法の一つ又は複数に匹敵す

るほかの方法で調製されたガスで,容器詰めガス又は必要に応じ適切な濃度に薄められたガスによる。 

2. 校正  

2.1 

準備 計測器は,適切な場所に設置する。マニュアルに沿って計測器を操作し,種々のパラメータ

を設定する。計測器を連続運転し,その性能が規格どおり,又はそれ以上であるかを確認する。 

2.2 

校正点 計測器の使用測定レンジについて,ゼロ,スパン並びに最大目盛値のおよそ20 %,40 %,

60 %,80 %及び100 %を校正点とする。 

2.3 

校正手順 校正手順は,次による。 

a) スパン校正の設定に必要なSO2濃度として,計測器の最大目盛値の50 %又は使用するSO2濃度測定

レンジの50 %を選ぶ。 

b) ゼロガスを計測器へ導入し測定し,ゼロ校正する。 

c) スパンガスを計測器へ導入し測定し,スパン校正する。 

d) ゼロ校正,スパン校正することなく,また,ゼロ,スパンを含まない附属書3の2.2の校正点に相当

するSO2濃度のガスを繰り返し測定し,記録する。 

e) これらの測定結果から計測器の検量線を求めるため,1次回帰式を利用するか又はISO 9169による。 

2.4 

試験用ガスによる現場校正法 現場では,ゼロ試験用ガス及びスパン試験用ガスによって,計測器

の2点校正を行う。また,現場での直線性確認には,2点校正後に中間点のガスを測定して調べる。