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B 7758

:2016

(1)

目  次

ページ

序文  

1

1

  適用範囲  

1

2

  引用規格  

2

3

  用語及び定義  

2

4

  仕様書の構成  

6

4.1

  一般  

6

4.2

  細分箇条のコード化  

7

4.3

  記号のコード化  

7

5

  振動試験装置  

7

5.1

  一般  

7

5.2

  振動試験装置の仕様(Sa  

7

5.3

  振動試験装置の性能  

8

5.4

  振動試験装置−性能計算  

9

6

  振動発生機  

10

6.1

  振動発生機の仕様(Ca  

10

6.2

  振動発生機の性能  

10

6.3

  振動発生機の駆動要求事項  

12

6.4

  振動発生機のメンテナンス(Aa  

14

7

  電力増幅器  

14

7.1

  電力増幅器の仕様(Ca  

14

7.2

  電力増幅器試験負荷  

15

7.3

  電力増幅器の性能  

16

7.4

  電力増幅器のメンテナンス(Aa  

17

8

  試験及び測定  

18

8.1

  一般  

18

8.2

  データ前の状態調整  

18

8.3

  耐久試験  

19

8.4

  スピルオーバの限界  

20

8.5

  ひずみ率試験  

20

8.6

  衝撃波の発生  

22

附属書 A(参考)機能特性の追加  

23

附属書 JA(参考)JIS と対応国際規格との対比表  

26


B 7758

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まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,日本試験機工業会

(JTM)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべき

との申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS B 7758:1995 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 B

7758

:2016

動電式振動試験装置−性能特性

Electrodynamic vibration generating systems-Performance characteristics

序文 

この規格は,2004 年に第 2 版として発行された ISO 5344 を基とし,技術的内容を変更して作成した日

本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一

覧表にその説明を付けて,

附属書 JA に示す。

適用範囲 

この規格は,電力増幅器及び動電式振動発生機(以下,振動発生機という。

)を組み合わせた動電式振動

試験装置(以下,振動試験装置という。

,並びに電力増幅器及び振動発生機の性能特性及び試験方法につ

いて規定する。また,製造業者が提示することが可能な機能特性の項目を参考として

附属書 に示す。機

器使用者又は機器仕様書の作成者は,この規格の情報を使用することで,用途に適した振動試験装置を選

択することができる。

この規格は,電力増幅器と振動発生機との製造業者が異なる場合に,それらを組み合わせた装置のシス

テム性能を計算する手順についても規定する。計算されたシステム性能は,実際の振動発生機と電力増幅

器とで構成する振動試験装置での性能測定値に比べるとばらつきが大きいので,計算値は実際に得られる

値よりも低いと仮定した方が安全である。振動発生機及び電力増幅器のインタフェースの情報が必要な場

合は,それぞれの機器に関する情報を提供するよう指定することが望ましい。特に,既存の装置に振動発

生機又は電力増幅器のいずれかを追加する場合は,個別に指定することが望ましい。また,性能計算に関

する責任者を指定することが望ましい。

この規格は,正弦波振動,ランダム波振動及び衝撃波を発生する機器に適用することができる。全ての

振動試験装置は,低加振レベルであれば正弦波試験に使用可能である。振動発生機に搭載して振動試験を

行う対象物(以下,供試品という。

)の応答の評価,及びランダム波振動試験時及び衝撃波振動試験時の伝

達関数の測定には正弦波加振力が必要で,ランダム波加振力が指定されている場合は,利用可能な正弦波

加振力もあることが前提となる。同様に,衝撃波加振力が指定されている場合は,利用可能な正弦波加振

力(ただし,ランダム波は特に必要とされない。

)もあるとみなす。

注記 1  この規格の利用者は,機器の供給者,機器の購入者並びに機器及びシステムの性能を測定す

る試験機関の 3 グループのいずれかに属することを想定している。

機器の供給者は,通常,カタログ・仕様書などに,

“定格”性能を明記する。購入者は,受

入可能な機器性能を“指定”する。これは,通常,

“定格”性能以下である。試験機関は,試

験及び測定の結果を,通常,文書の形で“提供する”

。報告書には,測定条件,測定精度,波

形・性能値の一覧表などが含まれる。


2

B 7758

:2016

注記 2  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

ISO 5344:2004

,Electrodynamic vibration generating systems−Performance characteristics(MOD)

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“修正している”

ことを示す。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS B 0153

  機械振動・衝撃用語

注記  対応国際規格:ISO 2041:2009,Mechanical vibration, shock and condition monitoring−Vocabulary

(MOD)

ISO 15261

,Vibration and shock generating systems−Vocabulary

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS B 0153 及び ISO 15261 によるほか,次による。

3.1 

動電式振動発生機(electrodynamic vibration generator)

一定の直流磁界と駆動コイルに印加される交流電流との電磁的相互作用によって,加振力を発生させる

振動発生機(JIS B 0153 参照)

注記 1  振動発生機の可動部,本体及び本体ベース部に限定しない限り,機器間を接続するケーブル,

冷却液のホース,励磁電源,冷却装置,消磁装置,保護装置及び安全装置も含む。

注記 2  この規格では,振動発生機を表すために添字“v”を使用する。

3.2 

電力増幅器(power amplifier)

振動発生機を駆動するために使用される電圧及び電流を供給する能力をもつ電力装置。

注記  特に規定がなければ,冷却システム,保護システム及び安全システムも電力増幅器に含める。

3.3 

動電式振動試験装置(system)

振動発生機と電力増幅器とを組み合わせたもので,加振力を発生する装置。

注記  次に示すものは,この規格で除外されているがより広い意味では振動試験装置に含まれる。

−  入力信号源及び制御器(通常,調整された正弦波,ランダム波及び衝撃波信号を発生する。

−  供試品取付具及び補助テーブル

−  測定計器(加速度計,状態調整装置,解析電子装置など)

−  電力増幅器及び励磁電源の電源用電力ケーブル,並びに振動発生機及び冷却装置のケーブル,

ホース及び配管

−  冷却システムでは除去されない熱を除去する空調システム

−  振動発生機からの振動が周囲へ伝達するのを防止する慣性質量

3.4 

供給者(equipment source)

調達される機器,又は調達する振動試験装置で使用する機器を供給する者。


3

B 7758

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注記 1  振動試験装置を単一の供給者から購入する場合,その供給者は,通常,製造業者又は製造業

者の代理店である。振動試験装置の構成部品を複数の供給者から購入する場合,供給者とは

通常,それら構成部品の製造業者又は製造業者の代理店である。ある組織が,既存の構成機

器(例えば,その組織の試験所の振動発生機)と組み合わせる新しい構成機器(例えば,ス

イッチングアンプ)を必要とする場合,組み合わせる振動発生機の供給者はその組織となる。

注記 2  振動試験を行う試験所又は同様の非営利な機関が供給者になった場合,組み合わせた振動試

験装置は,指定のシステム仕様に適合することを保証するために必要なデータを入手するこ

とが困難な場合もある。

3.5 

駆動コイル(drive coil)

振動発生機の構成部品であって,駆動コイル内の交流電流と直流磁場との相互作用によって,駆動コイ

ルの電流に比例した加振力を得るように設計されたコイル。

注記  ほとんどの振動発生機の駆動コイルは,可動部構造体に機械的に接続し,それ自身が振動する

構造となっている。誘導式振動発生機の場合,駆動コイルは磁気回路側に固定してあり,変圧

器の原理によって可動部構造体の短絡リングに交流電流を発生させる構造になっている。

3.6 

リニアアンプ(linear power amplifier)

入力に比例した出力をもつ電力増幅器。

注記 1  通常,振動発生機駆動用に設計された大形リニアアンプでは新品時及び完全保守時のひずみ

率は小さい(0.1 %∼0.3 %)が,内部電力消費量が大きいので,その熱を処理する必要があ

る。そのため,スイッチングアンプより高価になる。

注記 2  小形振動発生機は,場合によっては,複数のオーディオ用リニアアンプによって駆動される。

一般的な価格のユニットの平均的なひずみ率は,0.1 %である。ひずみ率が 0.01 %の高精度で

高価格なユニットも販売されている。

3.7 

スイッチングアンプ(switching power amplifier)

高周波のく(矩)形波電圧を出力し,そのく形波のパルス幅を可変することでアンプ出力の制御を行う

電力増幅器。

注記 1  スイッチングアンプの出力電圧はく形波であるが,駆動コイルがもつインダクタンスによっ

て電流が平滑化される。この方式は,内部電力消費量が小さい。一般に,スイッチングアン

プは,同一出力のリニアアンプに比べて小形で安価であるが,ひずみ率は大きい。

注記 2  振動発生機駆動用に使用された初期のスイッチングアンプの変調周波数は約 40 kHz で,ひず

み率は 5 %∼15 %であった。現在では,変調周波数が約 150 kHz で,ひずみ率が 1.5 %∼5 %

のスイッチングアンプが入手可能である。

さらに,高速なスイッチング・トランジスタが入手可能な場合は,変調周波数を高くする

ことが可能となるので,ひずみ率も更に減少することになる。変調周波数がメガヘルツ帯に

達すると,出力段付近での大量のフィードバックが可能となるので,スイッチングアンプの

ひずみ率は,リニアアンプと同等の 0.1 %∼0.3 %の範囲まで下がる可能性がある。

3.8 

加振力(force)


4

B 7758

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静磁界内の駆動電流の変動に伴って発生する力であって,可動部構造体及び供試品に印加することがで

きる力。

注記  損失,共振及び変位制限があるので,この加振力の全てが可動部及び供試品の加速及び懸架機

構のばねの変形に使用されることはない。加振力の大きさは,得られた加速度から逆算できる。

(

)

a

m

m

F

t

e

+

=

ここに,

m

e

及び m

t

可動部質量及び搭載負荷質量

a: 得られた加速度

  a 及び は,正弦波,ランダム波及び衝撃波に適用可能。

3.9 

振動数範囲,f

min

f

max

(frequency range) 

振動試験装置及び各機器の能力を表す変数(変位,速度,加速度など)の定格性能が達成できる振動数

の範囲。

注記 1  ある変数に対応する振動数範囲は,他の変数に対応する振動数範囲とは異なるので,変数ご

と及び負荷ごとに振動数範囲を指定する必要がある。

注記 2  加振力の点で注意する内容は,次のとおりである。

−  f

min

及び f

max

の値は,振動発生機及び振動試験装置の正弦波,ランダム波及び衝撃波の定格

出力別に,質量 m

t

のそれぞれについて,かつ,電力増幅器の正弦波,ランダム波及び衝撃

波の定格出力ごとに,指定する。

−  加振力発生能力以外の要因が振動数範囲を制限するのであれば,それらの要因も規定する。

例  a)  低振動数範囲において問題となる例を,次に示す。

−  可動部質量と本体質量との比率

−  本体サスペンションのストローク限界

−  ひずみ

−  横ぶれ

−  変位制限

−  許容モーメント

−  可動部サスペンションの発熱

    b)  高振動数範囲において問題となる例を,次に示す。

−  可動部の機械共振

−  可動部テーブルの面共振

−  ひずみ

−  横ぶれ

−  可動部の剛性

3.10 

試験質量,m

t

(test mass)

振動試験装置及び振動発生機の試験に使用される機械的質量。

注記  m

0

のような特別な場合を除き,次のとおり添字“t”は質量の大きさを,その質量によって得ら

れる正弦波加速度の大きさで示す。

−  m

0

は,ゼロ負荷時の特別な場合で,可動部だけが駆動する。

−  m

1

は,10 m/s

2

が達成可能であることを意味する。


5

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−  m

4

は,40 m/s

2

が達成可能であることを意味する。

−  m

10

は,100 m/s

2

が達成可能であることを意味する。

−  m

20

は,200 m/s

2

が達成可能であることを意味する。

−  m

40

は,400 m/s

2

が達成可能であることを意味する。

特に指定がある場合を除き,m

0

m

10

及び m

40

だけを使用する。

3.11 

電力増幅器試験負荷,Z

a,t

(amplifier test load) 

振動試験装置としての試験が不可能な場合(電力増幅器と振動発生機との供給者が異なる場合)に使用

する電力増幅器の電気的負荷。

注記  負荷 Z

a,t

を使用する試験は,振動試験装置の性能を計算するためのデータを得る場合に行われ

る。添字 t は動作モードを示す(s は正弦波,r はランダム波,i は衝撃波)

。特性及び負荷の大

きさの計算については,7.2 参照。

3.12 

電力増幅器皮相電力(amplifier apparent power)

指定条件下における電力増幅器の出力電圧と電流との積。

注記  より適切な電力増幅器の大きさの指定について,7.1.2 の注記を参照。

3.13 

標準ランダム波スペクトル形状(standard random spectral shape)

特に規定がない限り,次によって求められるランダム波スペクトルの波形。

f<20 Hz の場合

( )

0

=

f

Φ

20 Hz≦f<100 Hz の場合(20 dB/dec)

( )

0

2

100

Φ

f

f

Φ

=

100 Hz

f

2 000 Hz

の場合(一定)

( )

0

Φ

f

Φ

=

f

2 000 Hz

の場合(許容スピルオーバ)

( )

0

4

4

0

10

000

2

Φ

f

Φ

f

Φ





<

又は

注記

  Φ(f)は,加速度スペクトル密度関数の振幅で,Δがゼロに近付くとき,a

n

2

の極値として定義

する。ここで,a

n

は振動数 を中心とした狭いバンド幅 Δにおけるランダム波加速度の実効値

である。

3.14 

衝撃波

(impulse)

供試品に衝撃波を加えるために使用される短時間の振動波形。

注記 1

  この規格の衝撃波に関する箇条を適用する場合,衝撃波加速度の時刻歴の条件について取決

めが必要である。

注記 2

  衝撃波形は,加速度の時刻歴として指定される。試験装置における加速度時刻歴波形,又は

加速度応答スペクトルを生成するのに使用される要素波の振動数成分は,規定の振動数範囲

全域にわたって指定する。

注記 3

  一般的に,衝撃波試験では,高出力時に電力増幅器で起こるクリッピングが大きなひずみ成

分を発生するので,ランダム波振動試験よりスピルオーバ(

3.15

参照)の問題はより深刻で

ある。

注記 4

  誘導式振動発生機は,高加速度の衝撃波試験に向いている。一般に,この方式の振動発生機


6

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は,非常に強い可動部をもっている点が長所であるが,小形の誘導式振動発生機は,変位振

幅が制限される点が短所である。また,大形の誘導式振動発生機は,可動部の冷却が困難な

ので,正弦波及びランダム波試験を行った場合には,可動部の発熱が問題になる場合がある。

3.15 

スピルオーバ

(spill-over)

規定された振動数範囲よりも高い振動数範囲における望ましくない振動(又は信号)

  振動数範囲の上限が 2 000 Hz までの振動試験に対し,2 000 Hz より高い振動成分はスピルオーバ

である。

注記

  スピルオーバは,一般的に可動部又は供試品の部品の緩み,不適切なフィルタ,過電流ひずみ

などによって引き起こされる。

3.16 

ひずみ

(distortion)

波形における好ましくない変化(

JIS B 0153

参照)

注記 1

  ひずみは,ノイズ及びハムによって顕著になるが,この規格では,これらの影響については

取り扱わない。

注記 2

  振動試験装置では,ひずみの現れ方が故障に対する感度のよい徴候となる。過度なひずみは,

修理を要求する合図である。環境試験を行う前に,使用者が問題を見つけ,解決することが

薦められる。そうしない場合,これらの試験が無効となる。ひずみを引き起こす原因があら

ゆるところに潜在する可能性がある。例えば,供試品を固定するボルトの緩み,電力増幅器

の出力トランジスタの故障,冷却システムの障害,電力増幅器又は振動発生機の能力を超え

る運転などである。

注記 3

  整備保守された振動試験装置では,ひずみの主原因の一つは,電力増幅器の非線形性又はク

リッピングである。50 Hz∼100 Hz 以下のひずみは,一般的に可動部サスペンションの非線

形性,及び磁気回路ギャップにおける磁界分布の不均一性に起因する。この振動数範囲では,

これらによるひずみは,増幅器の非線形によるものよりも大きい。

注記 4

  ひずみプロセスが入力信号に高調波成分を生成させ,高調波は供試品の高い振動数での共振

を引き起こす。制御帯域(一般的に 20 Hz∼f

max

)におけるひずみ及び f

max

以上の振動を引き

起こすひずみのいずれも好ましくない(

3.15

参照)

注記 5

  振動試験装置の任意の変数について,ひずみを指定することが可能である。例えば,電流,

電圧,加速度,速度,変位などである。電流ひずみ測定は,振動試験装置にとって最も有用

で,振動試験装置全体のひずみ及びスピルオーバを予測するのに用いられる。

注記 6

  供試品を搭載したときの加速度ひずみを直接測定することを指定するのが理想的であるが,

加速度ひずみは測定される可動部と供試品との組合せによって異なるため,別の供試品にお

けるひずみを予測するのに有効ではない。

仕様書の構成 

4.1 

一般 

振動発生機,電力増幅器及び振動試験装置の一般事項に関する箇条に細分箇条が含まれる。これらの細

分箇条には,振動試験装置全体又は構成要素の調達のために必要な情報を含む。この情報を,仕様書作成

者は関連する仕様書に記載する。


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一つの関連仕様に全ての細分箇条が含まれることはない。例えば,電力増幅器だけ購入する場合,振動

試験装置に関する幾つかの細分箇条が不要である。インタフェース情報として,振動発生機の幾つかの細

分箇条だけが必要となる。仕様書作成者が特定アプリケーション用の細分箇条を選択し,適用する前に,

規格全体に目を通すことが望ましい。

4.2 

細分箇条のコード化 

この規格では,各細分箇条に次のルールでコードを表示する。これによって,各細分箇条が該当する機

器の調達形式及び試験のタイプを明示する。コードは,形式(X,y)で示している。

X は,細分箇条が適用される調達形式を表している。

−  A:全ての形式

−  S:振動試験装置の調達

−  C:振動発生機及び電力増幅器の両方ではなく,いずれかの調達

y は,細分箇条が適用される試験タイプを表している。

−  a:全ての試験タイプ

−  s:正弦波

−  r:ランダム波

−  i:衝撃波

4.3 

記号のコード化 

頻繁に使用している記号は,K

g,h

のようにコード化している。

−  記号 Kは力,は温度安定までの時間,は電流,は電圧,は電力増幅器の負荷,及び はひ

ずみを意味する。

−  添字 g:s は振動試験装置,v は振動発生機,及び a は電力増幅器を意味する。

−  添字 h:s は正弦波,r はランダム波,及び i は衝撃波を意味する。

振動試験装置 

5.1 

一般 

振動発生機及び電力増幅器の性能は,運転温度の上昇とともに低下する。正弦波及びランダム波試験の

ように,性能が連続運転で指定される場合,装置を暖機運転し,温度が安定してから性能試験を行う。連

続運転に関する規定がある場合はその旨を明記する。

5.2 

振動試験装置の仕様(Sa 

振動試験装置において,最も重要な特性は各用途(正弦波試験,ランダム波試験又は衝撃波試験)にお

ける最大加振力である。必要な加振力を計算する場合,必要な加振ジグの質量も考慮に入れる。

振動試験装置の定格加振力は,次のとおりとする。

−  正弦波加振の場合,質量 m

10

及び m

40

に対応する定格加振力は,F

s,s

である(

5.3.2

及び

5.4.2

参照)

−  ランダム波加振の場合,質量 m

10

及び m

40

並びに

3.13

に示す標準ランダム波スペクトル形状に対応す

る定格加振力は,F

s,r

である(

5.3.3

及び

5.4.3

参照)

−  衝撃波加振の場合,質量 m

10

及び m

40

に対応する定格加振力は,F

s,i

である(

5.3.4

及び

5.4.4

参照)

。作

成する衝撃波加速度波形(

8.6

参照)も指定する。

電力増幅器の容量が大きい場合,振動試験装置と振動発生機との定格加振力は同じである。

電力増幅器の容量が小さい場合,

振動試験装置の定格加振力は振動発生機の定格加振力より小さくなる。

電力増幅器及び振動発生機の両方を含めた振動試験装置一式を購入し,試験する場合,振動試験装置全


8

B 7758

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体の性能試験(

5.3

参照)を行う。一般的に,これは振動発生機及び電力増幅器を同一製造業者から購入し

た場合である。

振動試験装置を一式として購入し,電力増幅器と振動発生機の容量が整合する場合には,振動試験装置

の性能試験が電力増幅器及び振動発生機の適切な性能試験にもなるので,電力増幅器及び振動発生機の単

体試験を行う必要はない。

しかし,将来的に,上記の振動発生機を他の電力増幅器と組み合わせて使用する可能性がある場合,又

は上記の電力増幅器を他の振動発生機と組み合わせて使用する可能性がある場合には,振動発生機及び電

力増幅器の性能を別々に指定する(

6.2

及び

7.3

参照)

なお,振動発生機の無負荷最大加速度時における電流ひずみ及び加速度ひずみを X %以下に指定するこ

とが可能である。広帯域の正弦波試験及びランダム波試験に使用される汎用振動発生機の場合,の値は,

通常 1∼3 である。可動部の支持機構にローラなどを使用したストロークの大きい振動発生機の場合には,

上記より大きな 値を適用することが可能である。

振動試験装置を構成する機器を同一製造業者から購入する場合は,振動試験装置全体の性能試験を適用

する。

振動試験装置を構成する機器を個別に購入し,それらを組み合わせて使用する場合には,それぞれの機

器について,性能・特性を個別に指定する必要がある(

6.1

6.3

及び

7.1

7.3

参照)

この規格では,各機器の正確なインタフェース情報とともに,提供されなければならない振動試験装置

の,加振力計算に必要な各機器の性能・特性について規定する。

5.3 

振動試験装置の性能 

5.3.1 

一般(Sa 

振動試験装置の性能は,次のとおりとする。

−  連続運転時の最大加振力(

8.2

参照)

−  機械的ストッパ間の最大ストローク

−  許容速度

−  動作の信頼性

耐久試験(

8.3

参照)は,一定の動作の信頼性を保証する。

振動試験装置の性能試験報告書には,

5.3.2

5.3.4

に規定する情報を記載する。

5.3.2 

振動試験装置−正弦波加振性能(Ss 

加振力 F

s,s

及び試験負荷 m

10

において,振動試験装置の正弦波状態調整運転(

8.2.1

及び

8.2.2

参照)を行

い,温度安定化時間 t

s,s

,正常運転時とは異なる異常,逸脱などを記録する。

加振力 F

s,s

における振動試験装置の正弦波耐久試験(

8.3

参照)では,実際の耐久時間(特に規定がない

限り,10t

s,s

以上)を記録する。試験中に,振動発生機本体の表面温度,可動部,振動発生機の冷却用空気・

水・油,室内環境空気,振動発生機の冷却システムへの冷却液,電力増幅器及び電力増幅器の冷却システ

ムへの冷却用空気・水の温度,並びに主電源の最大電圧・最小電圧を測定して報告書に記載する。また,

通常の試験で異常又は逸脱が生じた場合には,それらについての説明をするとともに,試験後の検査結果

(振動発生機,振動発生機の冷却システム,電力増幅器又は電力増幅器の冷却システムに変化又は損傷が

発生したかどうかの調査)についても報告書に記載する。

振動試験装置の製造業者が定めた定格変位及び速度に達することを確認する。

スピルオーバ加速度を計測し,

8.4

に規定する限界を超えていないことを確認する。

5.3.3 

振動試験装置−ランダム波性能(Sr 


9

B 7758

:2016

加振力 F

s,r

,試験負荷 m

10

における振動試験装置のランダム波状態調整運転(

8.2.1

及び

8.2.3

参照)では,

温度安定化時間 t

s,r

及び通常運転で生じる異常及び逸脱を記録する。

加振力 F

s,r

におけるシステムランダム波耐久試験(

8.3

参照)では,実際の耐久試験時間を記録する(特

に規定がない限り,10t

s,r

以上)

。試験中に,振動発生機本体の表面温度,可動部,振動発生機の冷却用空

気・水・油,室内環境空気,振動発生機の冷却システムへの冷却液,電力増幅器及び電力増幅器の冷却シ

ステムへの冷却用空気・水の温度,並びに主電源の最大電圧・最小電圧を測定して報告書に記載する。ま

た,通常の試験で異常又は逸脱が生じた場合には,それらについての説明をするとともに,試験後の検査

結果(振動発生機,振動発生機の冷却システム,電力増幅器又は電力増幅器の冷却システムに変化又は損

傷が発生したかどうかの調査)についても報告書に記載する。

製造業者が定めた定格ランダム波変位及び速度が正弦波の定格性能よりも大きい場合は,定格ランダム

波値に達していることを確認する。

スピルオーバ加速度を測定し,

8.4

に規定する限界を超えていないことを確認する。

5.3.4 

振動試験装置−衝撃波性能(Si 

振動試験装置の衝撃波試験では,指定加速度時刻歴を

8.6

の手順に従って生成することが要求される。

質量 m

10

での衝撃波耐久試験(

8.3.6

参照)では,衝撃波耐久試験の実際の試験時間(特に規定がない限

り,10t

s,s

以上)を規定する。また,試験開始時及び終了時の衝撃波加速度波形の異常及び逸脱,並びに試

験後の検査結果(振動発生機又は電力増幅器に変化又は損傷が発生したかどうかの調査)についても報告

書に記載する。

質量 m

40

での衝撃波耐久試験では,衝撃波耐久試験の実際の試験時間(規定がない限り,最低 10t

s,s

以上)

を規定する。また,試験開始時及び終了時の衝撃波加速度波形の異常及び逸脱,並びに試験後の検査結果

(振動発生機又は電力増幅器に変化又は損傷が発生したかどうかの調査)についても報告書に記載する。

製造業者が定めた定格衝撃波変位及び速度が,正弦波の定格性能よりも大きい場合は,定格衝撃波値に

達していることを確認する。

スピルオーバ加速度を測定し,

8.4

に規定する限界を超えていないことを確認する。

5.4 

振動試験装置−性能計算 

5.4.1 

一般(Sa 

振動試験装置の性能を計算するには,

7.1

に規定する電力増幅器の電流及び電圧を

7.3

の試験で確認する。

また,

6.1

に規定する振動発生機の加振力を

6.2

の試験で確認する。

さらに,

6.3

に規定する振動発生機の駆動要求事項を確認する。

5.4.2 

振動試験装置−正弦波性能計算(Ss 

電力増幅器の性能及び振動発生機の要求事項から次の比を計算する。

s

v,

s

a,

s

v,

s

v,

s

a,

s

i,

V

V

K

I

I

K

=

=

及び

また,利用可能なシステム加振力は,F

s,s

 = K F

v,s

で計算される。は K

i,s

又は K

v,s

のいずれか小さい方で

あるが,1 以下でなければならない。

5.4.3 

振動試験装置−ランダム波性能計算(Sr 

電力増幅器の性能及び振動発生機の要求事項を参照し,次の比を計算する。

r

v,

r

a,

r

v,

r

v,

r

a,

r

i,

V

V

K

I

I

K

=

=

及び

また,利用可能な振動試験装置の加振力は,F

s,r

 = K F

v,r

で計算される。は K

i,r

又は K

v,r

のいずれか小さ


10

B 7758

:2016

い方であるが,1 以下でなければならない。

5.4.4 

振動試験装置−衝撃波性能計算(Si 

電力増幅器の性能及び振動発生機の要求事項を参照し,次の比を計算する。

i

v,

i

a,

i

v,

i

v,

i

a,

i

i,

V

V

K

I

I

K

=

=

及び

また,利用可能な振動試験装置の加振力は,F

s,s

 = K F

v,s

で計算される。は K

i,i

又は K

v,i

のいずれか小さ

い方であるが,1 以下でなければならない。

振動発生機 

6.1 

振動発生機の仕様(Ca 

振動発生機に関して特に指定しなければならない主要特性は,希望する加振波形(正弦波,ランダム波

又は衝撃波)の加振力である。所要加振力を計算する場合,試験質量には取付ジグの質量も必ず含める。

振動発生機の加振力は,次による。

−  正弦波加振の場合,

試験質量 m

10

及び m

40

における振動発生機の指定加振力を,

F

v,s

とする

6.2.2

参照)

−  ランダム波加振の場合,試験質量が m

10

及び m

40

で,加速度スペクトル密度形状が

3.13

に示す振動発

生機の指定加振力を,F

v,r

とする(

6.2.3

参照)

−  衝撃波加振の場合,

試験質量 m

10

及び m

40

における振動発生機の指定加振力を,

F

v,i

とする

6.2.4

参照)

作成する衝撃波加速度波形(

8.6

参照)も指定する。

これらの振動発生機の最大加振力は,振動発生機が適切な出力の増幅器によって駆動した場合に得られ

る。

この規格では,実際の振動発生機で使用する電力増幅器は,振動発生機の最大出力の利用を不可能にす

る限界があり,実際の振動試験装置で使用する電力増幅器と区別するため,大形電力増幅器として記載す

る。

振動発生機が振動試験装置に含まれている場合,その振動発生機の加振力を指定しなければならない。

振動試験装置の試験では,振動発生機の性能が各形式の使用について規定している振動試験装置の加振力

に適していることを確認する。

納入当初の振動試験装置に小容量の電力増幅器が含まれ,かつ,将来は,電力増幅器の出力を増加させ

る場合には非常に重要であるので,任意で,振動発生機を単体として試験するように指定してもよい。

最大電流を出したときの加速度波形ひずみは,任意に規定してもよい(

6.3.2

参照)

6.2 

振動発生機の性能 

6.2.1 

一般(Ca 

振動発生機の性能は,次のとおりとする。

−  連続動作可能な加振力(

8.2

参照)

−  機械的ストッパ間の最大ストローク

−  定格速度

−  動作の信頼性

耐久試験(

8.3

参照)は,一定の動作の信頼性を保証する。

この細分箇条では,システムの構成品として調達する振動発生機の性能を規定し,また,システム内で

得られる振動発生機の性能についても規定してもよい。

これらの性能は,大出力電力増幅器によって実証される。性能試験報告書には,

6.2.2

6.2.4

に規定する


11

B 7758

:2016

情報を含める。

6.2.2 

正弦波性能(Cs 

加振力 F

v,s

及び試験質量 m

10

において,振動発生機−正弦波状態調整運転(

8.2.1

及び

8.2.2

参照)を行う

場合は,温度安定化時間 t

v,s

8.2.2

参照)

,及び異常又は逸脱を記録する。

正弦波状態調整運転の直後に,質量 m

10

を用いて

6.3.2

のデータを得る。

試験質量を m

40

に変更し,同一の温度に達するまで調整運転を続け,質量 m

40

を用いて

6.3.2

のデータを

得る。

加振力 F

v,s

における振動発生機の正弦波耐久試験(

8.3

参照)用に,耐久試験の実際の時間長さを規定す

る(規定がない限り,10t

v,s

以上)

。試験中に,振動発生機の表面及び可動部,振動発生機の冷却用空気・

水・油,室内環境空気,並びに冷却液・振動発生機の冷却システムの温度を測定し,記録する。また,異

常又は逸脱が生じた場合には,それらについての説明をするとともに,試験後の検査結果(振動発生機又

は振動発生機の冷却システムの変化又は損傷の有無の調査)も記録する。

振動発生機が,製造業者が規定した定格変位及び速度に達していることを確認する。

6.2.3 

ランダム波性能(Cr 

加振力 F

v,r

及び試験質量 m

10

における振動発生機のランダム波状態調整運転

8.2.1

及び

8.2.3

参照)

時の,

温度安定化時間 t

v,r

8.2.3

参照)を規定するとともに,異常と逸脱が生じた場合は記録する。

ランダム波状態調整運転直後に,質量 m

10

を用いて,

6.3.4

のデータを得る。

試験質量を m

40

に変更し,同一温度に達するまで調整運転を繰り返し,質量 m

40

を用いて,

6.3.4

のデー

タを得る。

加振力 F

v,r

におけるランダム波耐久試験(

8.3

参照)用に,耐久試験の実際の時間長さを規定する(規定

がない限り,10t

v,r

以上)

。試験中に,振動発生機本体の表面及び可動部,振動発生機の冷却用空気・水・

油,室内環境空気,並びに冷却液・振動発生機冷却システムの温度を測定し,記録する。また,異常又は

逸脱が生じた場合には,それらについての説明をするとともに,試験後の検査結果(振動発生機又は振動

発生機の冷却システムの変化又は損傷の有無の調査)も記録する。

製造業者が定めた定格ランダム波変位及び速度が,正弦波性能定格よりも大きい場合は,定格ランダム

波値に達していることを確認する。

6.2.4 

衝撃波性能(Ci 

衝撃波試験では,

8.6

の手順に従って指定加速時刻歴を生成することが要求されるため,次のとおり記録

する。

−  指定加速時刻歴用の m

10

衝撃波電流及び電圧時刻歴波形を試験質量 m

10

で作成する。

−  指定加速時刻歴用の m

40

衝撃波電流及び電圧時刻歴波形を試験質量 m

40

で作成する。

−  質量 m

10

による衝撃波耐久試験用に,衝撃波耐久試験の実際の時間長さ(特に指定されない場合は,

最低 10t

v,s

)を規定する。また,試験開始時及び終了時の衝撃波加速度波形の異常又は逸脱,並びに試

験後の検査結果(振動発生機の変化又は損傷の有無の調査)についても規定する。

−  質量 m

40

による衝撃波耐久試験用に,衝撃波耐久試験の実際の時間長さ(規定がない限り,最低 10t

v,s

以上)を規定する。また,試験開始時及び終了時の衝撃波加速波形,通常の試験での異常又は逸脱,

並びに試験後の検査結果(振動発生機の変化又は損傷の有無の調査)についても規定する。

−  製造業者が規定した定格衝撃波変位及び速度が,正弦波性能定格よりも大きい場合は,定格衝撃波値

に達していることを確認する。


12

B 7758

:2016

6.3 

振動発生機の駆動要求事項 

6.3.1 

一般(Ca 

振動発生機が大形電力増幅器によって駆動される場合は,振動発生機の電流・電圧駆動要求事項を正弦

波,ランダム波及び衝撃波の定格加振力で規定する。

この細分箇条の駆動要求事項は,構成部品として調達される振動発生機についての規定である。この要

求事項を振動試験装置として調達する振動発生機に指定することも可能である。

6.3.2 

正弦波駆動要求事項(Cs 

試験質量 m

10

による正弦波状態調整運転(

6.2.2

8.2.1

及び

8.2.4

)の直後に,規定した振動数範囲におい

て,定格変位,速度及び加振力 F

v,s

の 1 オクターブ/分の掃引を行う。

6.3.3

の m

10

曲線計算用に,試験負荷の最上部中央での加速度,駆動コイル電流(実効値)及び駆動コイ

ル電圧(実効値)を規定する。

試験質量を m

40

に変更して,同一の温度が得られるまで調整運転を繰り返す。さらに,規定した振動数

範囲において,定格変位,速度及び加振力 F

v,s

の 1 オクターブ/分の掃引をもう 1 回行う。

6.3.3

の m

40

曲線計算用に,試験負荷の最上部中央での加速度,駆動コイル電流(実効値)及び駆動コイ

ル電圧(実効値)を規定する。

上記の掃引に必要な最大電流は,加振力 F

v,s

の場合,振動発生機の正弦波電流要求事項 I

v,s

である。

上記の掃引に必要な最大電圧は,加振力 F

v,s

の場合,振動発生機の正弦波電圧要求事項 V

v,s

である。

試験負荷を取り外し,同一温度に達するまで調整運転を繰り返し,更に規定した振動数範囲において,

定格変位,速度及び加振力 F

v,s

の 1 オクターブ/分の掃引を行う。

6.3.3

の m

0

曲線計算用の,可動部加速度,

駆動コイル電流(実効値)及び駆動コイル電圧(実効値)を規定する。

無負荷運転中に信号純度試験(ファズ試験)を実施する。このときに,振動発生機の音響出力を注意深

く聴くとともに,オシロスコープで動きを観察して,雑音,ひずみ及び加速度波形上の高周波信号(ファ

ズ)を計測する。ファズが加速度基本波の 2 %を超える場合は,記録する。ファズの一般的な原因は,可

動部又は可動部サスペンションの接続不良である。

6.3.3 

振動発生機の伝達関数曲線(Cs 

6.3.2

のデータから,質量 m

0

m

10

及び m

40

の振動発生機について,

図 1 a)

  の加速度−電流 H

i

(f)  及び

1 b)

  の加速度−電圧 H

v

(f)  の伝達関数曲線を作成する。

これらは,調整運転終了後の温度が安定した振動発生機の曲線であって,正弦波及びランダム波試験時

に有効である。必要な場合は,同様の曲線を低温用振動発生機として指定することが可能であり,衝撃波

試験実施時に有効である。おおむね,高温時の曲線から低温時の曲線を見積もることが可能である。H

i

(f)  の

場合は,曲線全体に 1.05 を乗じる。H

v

(f)  の場合は,中域の値に 1.25 を乗じ,f

s

と f

t

で 1.0 まで減じる。

6.3.4 

ランダム波駆動要求事項(Cr 

ランダム波状態調整運転(

6.2.3

8.2.1

及び

8.2.3

参照)の終了時に,振動発生機の定格ランダム波加振

力 F

v,r

において,試験質量 m

10

及び

3.13

の加速度スペクトル密度形状によって,駆動コイルランダム波電

流(実効値)及びランダム波電圧(実効値)を規定する。

試験質量を m

40

に変更し,振動発生機の定格ランダム波加振力 F

v,r

及び

3.13

の加速度スペクトル密度形

状において,同一温度に達するまで連続運転し,その後,駆動コイルに供給する実効値のランダム波電流

及びランダム波電圧を規定する。

いずれの調整運転にも必要な最大電流は,加振力が F

v,r

の場合は振動発生機のランダム波電流は I

v,r

であ

り,必要な最大電圧は,加振力が F

v,r

の場合は振動発生機のランダム波電圧は V

v,r

である。


13

B 7758

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X  振動数(Hz) 
Y  伝達関数[(m/s

2

)/A]

1

可動部懸架機構の機械的共振

2

可動部の機械的共振

a)

  加速度−駆動コイル電流[加速度−電流 H

i

(f)

 

X  振動数(Hz) 
Y  伝達関数[(m/s

2

)/V]

b)

  加速度−駆動コイル両端電圧[加速度−電圧 H

v

(f)

 

図 1

標準的振動発生機の伝達関数 

6.3.5 

衝撃波駆動要求事項(Ci 

衝撃波加振力が F

v,i

の場合に必要な振動発生機の電流 I

v,i

は,m

10

との指定がなければ,

6.2.4

の m

40

を搭

載した振動発生機の,衝撃波電流の時刻歴である(

8.6

参照)


14

B 7758

:2016

衝撃波加振力が F

v,i

の場合に必要な振動発生機の衝撃波電圧 V

v,i

は,m

10

との指定がなければ,

6.2.4

m

40

を搭載した振動発生機の,衝撃波電流の時刻歴である(

8.6

参照)

6.4 

振動発生機のメンテナンス(Aa 

振動発生機の性能を維持するためには,メンテナンスが必要である。

推奨する定期的メンテナンスには,エアーフィルタ,水フィルタ及びオイルフィルタ,水用の電極,蒸

留水,給水塔の水・グリコール,励磁コイル用及び可動部用のフレキシブルケーブル及びホースの点検・

交換,並びに堆積したほこりの除去(特に冷却空気通路内)が含まれる。

推奨する定期的メンテナンスには,本体,可動部懸架機構,ガイド並びに負荷取付用ねじ部の点検及び

修理も含まれる。

加速度波形が電流波形と大きく異なるようになった場合には,振動発生機のメンテナンスが絶対に必要

となる。このような相違が起きてくる原因は,通常,冷却液内のキャビテーション,可動部関連部品の緩

み又は不具合である。

常時使用されている振動発生機は,無負荷,最大加速度における低速掃引の正弦波波形を毎月定期的に

記録することが望ましい。

6.3.2

の信号純度試験参照。適切にメンテナンスされている振動発生機は,加速

度波形にひずみ又はファズの増加がない。性能が次第に低下する(特に,無負荷時のファズが増加する。

場合は,メンテナンスが必要である。

電力増幅器 

7.1 

電力増幅器の仕様(Ca 

7.1.1 

主要特性 

電力増幅器の電流及び電圧は,次による。

−  正弦波動作の場合,定格電流は I

a,s

,電圧は V

a,s

7.2.2

参照)

−  ランダム波動作の場合,定格電流は I

a,r

,電圧は V

a,r

7.2.3

参照)

−  衝撃波動作の場合,定格電流は I

a,i

,電圧は V

a,i

特に規定がない場合は,定格衝撃波電流時刻歴 I

a,i

が,定格駆動コイル電流時刻歴となる。このとき,質

量 m

40

によって振動発生機が所定の加速度時刻歴を生成する(

7.2.4

及び

8.6

参照)

7.1.2 

必要最小限の電力増幅器 

各加振波形のタイプ(正弦波・ランダム波・衝撃波)で使用する振動試験装置を入手するときに,性能

を達成するために必要な最小限の電力増幅器が組み合わされている場合には,電力増幅器の出力電力を指

定する必要はない。この場合,電力増幅器に要求される定格電流及び定格電圧は,振動発生機が各加振波

形のタイプにおいて,定格加振力を発生したときの最大電流及び最大電圧である。

振動試験装置の試験は,電力増幅器の性能が適していることを確認するものである。また,電力増幅器

を構成部品として試験するように規定することも可能である。

電力増幅器の必要最小限の電力とは,指定振動発生機で所定の振動試験装置の加振力を得るのに必要な

電力である。各加振波形タイプに応じて,電力増幅器の電流と電圧が指定される。これらは,定格加振力

を得るために要求される振動発生機の最大電流及び電圧に等しい。

なお,

必要以上の出力電力をもつ電力増幅器を指定することは任意である。

各加振波形タイプに応じて,

電力増幅器の電流及び電圧を指定する。これらは,定格加振力を得るために要求される振動発生機の最大

電流及び電圧以上である。

振動試験装置に必要以上の大形の電力増幅器を導入する場合,試験で確認するのは必要最小限の電力増


15

B 7758

:2016

幅器の出力だけである。したがって,電力増幅器は構成部品として試験する。

注記

  電力増幅器の規模は,電力(皮相電力)又はキロボルトアンペア(kVA)の単位記号で表現す

ることが多い。これらの単位は,出力電流と出力電圧との積である。出力を表す場合,これら

の用語はいずれも不適切である。もっと適切な表現方法は,重要な 4 変数である,電力増幅器

7.2

の誘導負荷が印加されている場合に利用可能な正弦波電流値及び電圧値を示す I

a,s

及び

V

a,s

,並びに利用可能なランダム波電流値及び電圧値を示す I

a,r

及び V

a,r

を使用する。

7.1.3 

インピーダンスマッチング 

全ての振動発生機が同一のインピーダンスレベルで動作するわけではない。大電流及び低電圧を必要と

する振動発生機もあれば,小電流及び高電圧を必要とする振動発生機もある。電力増幅器と振動発生機と

の組合せを変える場合には,仕様書の内容を書き換える前に,マッチングトランスの使用を検討する。

7.2 

電力増幅器試験負荷 

7.2.1 

一般(Ca 

電力増幅器を構成部品として試験する場合には,電力増幅器試験負荷が用いられる。これらの負荷を構

築するのは費用がかかるので,適切な振動発生機が入手できない場合にだけ適用する。

振動発生機の駆動用電力増幅器を試験する場合,抵抗性負荷は不適切である。一般的なリニアアンプ又

はスイッチングアンプの内部消費電力を抵抗性負荷の消費電力に置き換えることは不可能である。適切に

動作させるためには,誘導負荷が必要なスイッチングアンプもある。

特に規定がない場合,電力増幅器試験負荷の抵抗成分及び誘導成分の値は,電流が電圧より 60°遅れる

ように選択する。

電力増幅器の正弦波及びランダム波試験用負荷には,冷却が必要である。これは,全ての試験中のイン

ピーダンスの抵抗成分及び誘導成分の両方が指定インピーダンスに維持されるようにするためである。大

形電力増幅器の場合は,通常,循環冷却水を使用する。冷却要求事項は,通常,状態調整及び耐久試験の

要求事項に基づいて決定する(

8.2.1

及び

8.3.1

参照)

電力増幅器は,周波数範囲域の中央部分では周波数に敏感ではない。つまり,試験周波数を変えること

で,正弦波試験及びランダム波試験に同一のインダクタを負荷として使用することが可能である。

衝撃波試験負荷に関する要求事項は,

正弦波及びランダム波試験負荷に関する要求事項とは異なる

7.2.4

及び

8.6

参照)

。冷却に関する問題はあまり深刻ではない。しかし,衝撃波試験負荷のインピーダンスと,

振動発生機のインダクタンス及び抵抗とが整合していなければならない。

7.2.2 

正弦波試験負荷(Cs 

最も不利な負荷条件下においても電力増幅器が確実に適切な電圧及び適切な電流を出力することが可能

となるようにするには,電力増幅器の正弦波試験負荷のインピーダンスが,次の値となるようにしなけれ

ばならない。

s

a,

s

a,

s

a,

I

V

Z

=

これは,正弦波の周波数範囲が 200 Hz∼1 000 Hz の場合である。

7.2.3 

ランダム波試験負荷(Cr 

最も不利な負荷条件下においても電力増幅器が確実に適切な電圧及び適切な電流を出力することが可能

となるようにするには,電力増幅器のランダム波試験負荷のインピーダンスが,次の値となるようにしな

ければならない。


16

B 7758

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r

a,

r

a,

r

a,

I

V

Z

=

この場合,狭帯域ランダム波電流の中心周波数は,200 Hz∼1 000 Hz の中央とする。

上記ランダム波信号の帯域幅 は,中心周波数の 3 %∼5 %とする。また,帯域内周波数成分に対する帯

域外周波数成分の減衰率は,50 dB/oct 以上とする。実効値の演算結果の時間的な揺らぎを少なくするため

に,平均化時間は 300/b(秒)以上とする。

電力増幅器のランダム波試験負荷 Z

a,r

とともに使用される狭帯域ランダム波電流 I

a,r

及び狭帯域電圧 V

a,r

の振幅は,振動発生機を加速度スペクトル密度形状まで駆動するのに使用する広帯域ランダム波電流及び

電圧の振幅に等しい。

7.2.4 

衝撃波試験負荷(Ci 

電力増幅器の衝撃波試験負荷を設計し,構築する前に,所定の衝撃波加速度時刻歴を

8.6

の手順に従っ

て生成するとともに,所定の振動発生機の電流及び電圧時刻歴を測定し,記録する。

衝撃波試験負荷の実物を製作する前に,擬似衝撃波試験負荷の応答性を測定して,擬似負荷が適正とな

るように調整する。振動発生機の所要電圧時刻歴の低レベル版を,直列接続の擬似抵抗・インダクタンス

負荷とともに電力増幅器に印加して,負荷電圧・電流時刻歴を測定する。擬似抵抗及び擬似インダクタン

スの値を調整して,負荷電圧,ピーク電流及び低周波電圧・電流波形が,擬似振動発生機の電圧・電流時

刻歴の波形と同じになるようにする。

振動発生機のインダクタンス及び抵抗は周波数によって異なるので,

振動発生機の電圧時刻歴全体にわたって正確に一致させることは,ほとんど不可能である。

擬似負荷が適正化されると,実際の衝撃波試験負荷が計算され,構築される。値は,Z

a,i

である。

加振力は電流に比例するので,電流時刻歴を正確に再現する必要がある。ピーク電圧が再現されること

も重要である。衝撃波を発生する電力増幅器に要求される第 1 の要件は,電圧のクリッピングを起こさず

に出力しなければならない。

Z

a,i

で使用する I

a,i

値は

7.1.1

に規定する I

a,i

で,これは,所定の衝撃波加速時刻歴を発生する振動発生機

について測定され,

記録された電流時刻歴と同じである。

Z

a,i

で使用される V

a,i

値は

7.1.1

に規定する V

a,i

で,

これの電圧ピークと低周波の波形の形は,振動発生機について測定され,記録された電圧時刻歴と同じで

あるが,時刻歴全体での波形は全く同じではない。

7.3 

電力増幅器の性能 

7.3.1 

一般(Ca 

電力増幅器の性能は,次のとおりとする。

−  連続試験用の電流及び電圧(

8.2

参照)

−  許容できるひずみ率とスピルオーバ(

8.4

及び

8.5

参照)

−  動作の信頼性

8.3

の耐久試験は,動作の信頼性を保証するものである。

この性能は,調達される電力増幅器を実証するためのものである。性能試験報告書には,

7.3.2

7.3.4

含める。

7.3.2 

正弦波性能(Cs 

電力増幅器試験負荷 Z

a,s

7.2.2

参照)

,定格正弦波電流(実効値)I

a,s

,電圧(実効値)V

a,s

7.1.1

参照)

を用いて電力増幅器の正弦波状態調整運転(

8.2

参照)を行う場合は,温度安定化時間 t

a,s

8.2.4

参照)及

び通常の調整運転における異常又は逸脱を記録する。

試験負荷 Z

a,s

付きの電力増幅器を,定格電流(実効値)及び電圧(実効値)で正弦波のひずみ率試験(

8.5


17

B 7758

:2016

参照)を行う場合は,総合電力増幅器ひずみ率 d

a,s

8.5.5

参照)及び 1.0 %を超える各高調波成分の振幅を

規定する。

8.4

のスピルオーバの限界を超える場合は,値を記録する。

試験負荷 Z

a,s

付きの電力増幅器を,定格電流(実効値)及び電圧(実効値)で電力増幅器の正弦波耐久

試験(

8.3

参照)を行う場合は,耐久試験の実際の時間長さ(特に指定されない場合は,最低 10t

a,s

)を規

定する。電力増幅器及び電力増幅器冷却システムへの冷却空気・冷却水の最小値及び最大値,主電源電圧

の最小値及び最大値,異常及び偏差,並びに電力増幅器又は電力増幅器の冷却システムの損傷の有無を調

べる試験の後,その検査結果について記録する。

7.3.3 

ランダム波性能(Cr 

電力増幅器試験負荷 Z

a,r

7.2.3

)並びに指定狭帯域ランダム波電流(実効値)I

a,r

及び電圧(実効値)V

a,r

7.1.1

及び

7.2.3

参照)を使用する電力増幅器ランダム波状態調整運転(

8.2

参照)に関して,温度が安定

するまでの時間 t

a,r

8.2.5

参照)

,及び通常の調整運転中の異常又は逸脱を記録する。

電力増幅器試験負荷 Z

a,r

,並びに指定狭帯域ランダム波電流(実効値)及び電圧(実効値)を使用する電

力増幅器ランダム波ひずみ率試験(

8.5

参照)に関して,ランダム波ひずみ率 d

a,r

8.5.7

参照)及び 1.0 %

を超える各高調波成分の振幅を記録する。スピルオーバ限界を超えるひずみは,記録する。

試験負荷 Z

a,r

付きの電力増幅器を,指定狭帯域ランダム波電流(実効値)及び電圧(実効値)で電力増

幅器のランダム波耐久試験(

8.3

参照)を行う場合は,耐久試験の実際の時間長さ(特に指定されない場合

は,最低 10t

a,r

,電力増幅器及び電力増幅器冷却システムへの冷却空気・冷却水の最小値及び最大値,主

電源電圧の最小値及び最大値,正常試験での異常及び逸脱,並びに電力増幅器又は電力増幅器冷却システ

ムの損傷の有無を調べる試験の後,その検査結果について記録する。

7.3.4 

衝撃波性能(Ci 

電力増幅器の衝撃波時刻歴試験を行うには,規定衝撃波加速度時刻歴を

8.6

の手順で事前に生成する。

また,振動発生機の可動部に供給される電流及び電圧時刻歴の測定,並びに

7.2.4

の手順によって衝撃波

試験負荷 Z

a,i

の事前作成が必要である。

衝撃波時刻歴試験では,指定衝撃波電流時刻歴 I

a,i

を衝撃波試験負荷 Z

a,i

に印加する。衝撃波電流・電圧

時刻歴波形は,性能レポートに含まれる。

一連の規定時刻歴電流 I

a,i

を衝撃波試験負荷 Z

a,i

に繰り返し供給する電力増幅器の衝撃波耐久試験(

8.3.7

参照)では,衝撃波耐久試験の実際の時間長さ(特に規定がない場合,最低 3t

a,s

,試験開始時及び終了時

における衝撃波電流及び電圧時刻歴波形,異常及び逸脱,並びに電力増幅器に変化又は損傷が生じたかど

うかを調査する試験の後,その検査結果を記録する。

試験負荷 Z

a,i

及び

8.5.8

の正弦波列が加わる電力増幅器の衝撃波ひずみ率試験(

8.5

参照)については,

電力増幅器の総合衝撃波ひずみ率 d

a,i

8.5.9

参照)及び 1.0 %を超える高調波成分のそれぞれの振幅を記録

する。

8.4

のスピルオーバ限界を超えるひずみ率は記録する。

7.4 

電力増幅器のメンテナンス(Aa 

電力増幅器に所定の性能を維持させるには,メンテナンスが必要である。推奨定期メンテナンスには,

エアーフィルタの交換及び堆積したほこりの除去(特に高電圧部品の近辺及び冷却空気通路内)が含まれ

る。

電力増幅器が常時使用される場合は,最大出力電圧ひずみを毎月測定し,記録するのがよい。月ごとに

性能が低下する場合は,予防メンテナンスが必要であることを示している。


18

B 7758

:2016

試験及び測定 

8.1 

一般 

箇条

5

∼箇条

7

は,システム,振動発生機及び電力増幅器について実行しなければならない試験を規定

している。この箇条では,これらの試験に関連する注意事項を規定する。

機器の購入者及びその機器の供給元(通常は製造業者)は,購入仕様書を作成する前に,購入対象機器

の特定項目について実施する試験及び試験報告書の合格基準について同意しなければならない。例えば,

購入者は,機器の類似項目に関する製造業者の耐久試験報告書を,箇条

5

,箇条

6

又は箇条

7

に規定する

耐久試験の対象項目の性能及び試験報告書の代用として受け入れることもできる。

8.2 

データ前の状態調整 

8.2.1 

一般 

連続運転についての性能が規定されている場合(通常は規定される。

)は,機器の温度を安定させるため

の温度調整運転後に,性能データを収集する。

衝撃波試験の時間幅が短いので,室温±10  ℃で衝撃波性能試験を行って,利用可能な力が最大となるよ

うにする。

機器の消費電力が最大となる条件で温度調整運転を行う。振動発生機又はシステムの温度調整運転は,

指定加振力で行う(最初は m

10

,次に m

40

。電力増幅器の温度調整運転では,指定電流及び電圧を Z

a,s

又は

Z

a,r

のいずれか適切な方に印加する。

特に指定されない場合は,振動発生機及び電力増幅器用の冷却は,平均的な温暖気候条件となるように

調節する。

温度を測定する(振動発生機で 2 か所及び電力増幅器で 2 か所)

。熱電対を使用することが望ましい。振

動発生機の,負荷取付端近くの本体の表面の温度を測定する。また,可動部温度を負荷近くで,駆動コイ

ル径の直近で測定する。電力増幅器では,電源変圧器の表面温度及び出力パワートランジスタのヒートシ

ンクの温度を測定する。

温度安定化時間を求めるには,温度を時間の関数として記録する。温度上昇率(ΔTt)を計算する。こ

こで,は温度,は時間である。温度上昇率は,最大まで増加し,その後減少する。温度安定化時間とは,

全ての温度上昇率がそれぞれの最大値の 5 %まで減少する時間である。温度安定化時間は,記録し,

8.3

耐久試験の時間基準として使用する。システム又は振動発生機の場合は,m

40

での温度安定化時間が m

10

によって測定した場合の時間と同じであるとみなしてもよい。

8.2.2 

システム又は振動発生機の正弦波状態調整 

状態調整を,消費電力が最大となる振動数(200 Hz∼300 Hz)において,指定正弦波の加振力で行う。

温度安定化時間は,t

s,s

又は t

v,s

である。

8.2.3 

システム又は振動発生機のランダム波状態調整 

状態調整を,標準ランダム波スペクトル形状及び指定ランダム波加振力で行う。温度安定化時間は,t

s,r

又は t

v,r

である。

8.2.4 

電力増幅器の正弦波状態調整 

電力増幅器に Z

a,s

の負荷を接続し,規定正弦波電流及び電圧で状態調整を行う。温度安定化までの時間

は,t

a,s

である。

8.2.5 

電力増幅器のランダム波状態調整 

電力増幅器に Z

a,r

の負荷を接続し,規定狭帯域ランダム波電流及び電圧で状態調整を行う。温度が安定

するまでの時間は,t

a,r

である。


19

B 7758

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8.3 

耐久試験 

8.3.1 

一般 

耐久試験によって,ある程度の信頼性は保証可能となるが,決定的な保証とはならない。機器が次の最

小限の耐久試験中,正常に動作した場合,その機器には重大な設計上又は製造上の欠陥はないとみなす。

正弦波及びランダム波耐久試験の時間長さは,

対応する

8.2.1

の状態調整試験での適切な温度安定化時間

の 10 倍である。振動発生機又はシステムの耐久試験は,最初は試験質量 m

10

で行い,次に m

40

で行う。

温度安定までの時間 t

g,h

が長い場合は,温度安定後の耐久試験時間を,10t

g,h

又は 25 h のいずれか短い方

に制限してもよい。関連仕様書の作成者は,供給元に対する次のような要求事項を含めることが可能であ

る。

−  全ての耐久試験の手順,全ての結果,試験開始時及び終了時の電流・電圧波形,通常運転で生じた異

常又は偏差を説明する記録の提供。

特に指定がない場合は,

8.2.1

の場合と同様に,標準的な温湿度及び気圧になるように環境を調節する。

8.3.2 

システム又は振動発生機の正弦波耐久試験 

この試験では,次に示す試験サイクルを 10t

s,s

又は 10t

v,s

8.2.2

参照)以上の耐久試験時間中,試験質量

m

10

によって繰り返し,次に試験質量 m

40

で同様の試験を行う。

a)

  定格加振力を発生し,かつ,最大消費電力となる条件での 30 分の連続動作

b)

  定格変位及び定格速度での f

min

f

max

区間における 1 オクターブ/分の掃引加振

8.3.3 

システム又は振動発生機のランダム波耐久試験 

試験質量 m

10

を搭載し,標準ランダム波スペクトル形状で,10t

s,r

又は 10t

v,r

8.2.3

参照)時間以上の耐久

試験を実施する。さらに,試験質量 m

40

で再度行う。

8.3.4 

電力増幅器の正弦波耐久試験 

この試験を,電力増幅器に Z

a,s

を加えた状態で規定の正弦波電流及び電圧(

7.1.1

参照)によって,時間

10t

a,s

8.2.4

参照)以上行う。

電力増幅器に Z

a,s

を接続し,定格の正弦波を加振したときの駆動電流及び駆動電圧(

7.1.1

参照)によっ

て,10t

a,s

8.2.4

参照)時間以上,通電する。

8.3.5 

電力増幅器のランダム波耐久試験 

この試験を,電力増幅器に負荷 Z

a,r

を加えた状態で指定の狭帯域ランダム波電流及び電圧(

7.1.1

参照)

によって,増幅器ランダム波耐久試験時間 10t

a,r

8.2.5

参照)以上行う。

電力増幅器に負荷 Z

a,r

を接続し,定格の狭帯域ランダム波加振時の駆動電流駆動電圧(

7.1.1

参照)によ

って,10t

a,r

8.2.5

参照)時間以上,通電する。

8.3.6 

システム又は振動発生機の衝撃波耐久試験 

この試験は,次に示す一連のサイクルを繰り返す。各サイクルの開始時に,励磁電源を投入し,安定す

るまで約 1 分間待ち,規定加振力の衝撃波時刻歴を 1 回発生させる。その後,励磁電源を切断し,1 サイ

クルが終了するまでの約 10 分間,振動発生機を放置しておく。この 1 連のサイクルを,10t

s,s

又は 10t

v,s

8.2.2

参照)時間以上繰り返す。最初に試験質量 m

10

で試験を行い,次に試験質量 m

40

で行う(

8.6

参照)

8.3.7 

電力増幅器の衝撃波耐久試験 

この試験は,次に示す一連のサイクルを繰り返す。一連のサイクルは,規定衝撃波駆動電流・駆動電圧

による時刻歴(

7.1.1

7.2.4

及び

7.3.4

)で行い,その後,電力増幅器を冷却するため 1 分間放置しておく。

この一連のサイクルを 3t

a,s

8.2.4

参照)以上の時間で繰り返す。この試験は,電力増幅器に負荷 Z

a,i

を接

続した状態で行う(

7.2.4

及び

8.6

参照)


20

B 7758

:2016

8.4 

スピルオーバの限界 

試験使用時のシステム正弦波試験の場合は,特に指定されない限り,高調波の最大許容電流スピルオー

バは,2 000 Hz 未満では最大電流の 1 %である。また,高調波の最大許容加速度スピルオーバは 2 000 Hz

未満では最大加速度の 10 %である。

質量搭載時の正弦波試験で特に指定されない限り,高調波の最大許容電流スピルオーバは,2 000 Hz 未

満において最大電流の 1 %である。また,高調波の最大許容加速度スピルオーバは,同じく 2 000 Hz 未満

において最大加速度の 10 %である。

試験質量 m

10

及び m

40

を搭載して,振動試験装置のランダム波又は衝撃波試験を行う場合,特に指定さ

れない限り 2 000 Hz 超えでの最大許容ランダム波電流スペクトル密度(衝撃波電流スペクトル)スピルオ

ーバは,次のとおりである。

b

4

4

b

a

000

2

Φ

f

Φ

Φ





=

 又は  

ここに,

Φ

b

2 000 Hz 未満でのランダム波電流スペクトル密度(衝撃波
電流スペクトル)

電力増幅器へ試験負荷 Z

a,s

Z

a,r

及び Z

a,i

を接続した状態において,電力増幅器の正弦波,ランダム波及び

衝撃波ひずみ率試験では,特に指定しない限り 2 000 Hz 未満において,高調波の最大許容電流スピルオー

バは,最大電流の 1 %である。

8.5 

ひずみ率試験 

8.5.1 

一般 

ひずみ率試験の主目的は,システム,振動発生機及び電力増幅器が適切な状態(すなわち,定格加速度

を発生するために必要な電流及び電圧の容量が十分にある。

を確認することである。

過大な駆動をすると,

ひずみ率が急激に増加する。このため利用可能な最大出力を示す目安として,ひずみ率の限度を 1 %∼3 %

に設定してもよい。

8.5.5

8.5.9

では,任意の振動数又は振動数範囲で,電力増幅器への試験負荷を使用した簡単な波形生成

を行うことによって,通常の最悪条件下でもシステム及び構成部品が十分な容量をもつことを,適格に見

積もる簡易方法を示す。

振動試験装置のひずみ率 は,正弦波加振及び制限付きでランダム波及び衝撃波加振にも適用でき,次

に示すとおりとする。

(

)

1

2

2

4

2

3

2

2

x

x

x

x

x

d

n

+

+

+

=

ここに,  x

1

は基本成分の実効値であり,x

2

x

3

x

4

x

n

は不要高調波成分の実効

値である。ここに,大振幅の高調波成分の全てが含まれている。

注記 1

  ひずみ率測定器によっては,次によって分母変数を総実効値に置き換えている場合がある。

(

)

(

)

2

/

1

2

2

4

2

3

2

2

2

1

2

/

1

2

2

4

2

3

2

2

...

...

n

n

x

x

x

x

x

x

x

x

x

d

+

+

+

+

+

+

+

+

+

=

ひずみ率が大きい(一般的に 10 %以上)場合を除いて,二つの定義の違いは無視できる。

注記 2

  ひずみ率測定器によっては,上記二つの式の分子にハム成分が含まれることがある。ハム成


21

B 7758

:2016

分は,システム固有の振動数(電源周波数,スイッチング周波数)の基本波,分数波及び倍

数波である。これらのハム成分は望ましくないもので,上記の意味のひずみ率ではないから,

ハムのいずれかの成分振幅が大きくて の値に影響を及ぼすようであれば,ハム成分を測定

から除外してもよい。

機器の温度安定のための調整運転後に,定格の加振力において,システム正弦波ひずみ率及びシステム

ランダム波ひずみ率試験を行う。

室温(20  ℃∼40  ℃)において,定格加振力を機器に印加して,システム衝撃波ひずみ率試験を行う。

試験質量 m

10

及び m

40

にて,システムの正弦波,ランダム波及び衝撃波ひずみ率試験を行う。これら二

つのひずみ率を測定し,大きい方をシステムのひずみ率とする。

システムの電流ひずみ率の測定中に,可動部及び負荷の共振が原因でひずみ率が増大した場合は,定格

条件下における電力増幅器への入力信号を記録する。振動発生機の励磁を切断し,電流ひずみ率測定を繰

り返し,ひずみ率が低い場合は,このときの値を使用しもてよい。

調整運転で電力増幅器の温度を安定化した後に,定格の正弦波及びランダム波電流によって電力増幅器

の正弦波・ランダム波ひずみ率試験を実施する。

室温(20  ℃∼40  ℃)で定格の衝撃波電流を与え,電力増幅器の衝撃波ひずみ率試験を行う。

システムのひずみ率試験は,システムが

8.4

のスピルオーバの限界に適合しているか,また動作帯域(一

般的に 20 Hz∼2 000 Hz)において不適切な励振を避けているかどうかを決定するために適用する。電力増

幅器のひずみ率限界が,そのシステムに合っているかを予測するために,試験負荷を使用した電力増幅器

のひずみ率試験を最初に行う。

次のひずみ率測定では,0.3 %を超える高調波成分が含まれている場合だけ,は適切に計算できる。1.0 %

を超える全ての高調波成分は記録する。ひずみ率試験中は,電力増幅器の出力電圧を観察し,全ての異常

を記録しなければならない。電圧波形がクリップした場合は,クリップした状況を記録する。

8.5.2 

システム正弦波ひずみ率 

システム正弦波ひずみ率 d

s,s

は,試験質量の中央上部の加速度ひずみの程度を示す。負荷加速度を指定

された値から 3 %以内に保つために適切な正弦波振動制御装置を使用して,f

min

f

max

の間を 1 オクターブ

/分で掃引し,周波数トラッキング装置で測定する。

システム正弦波ひずみ率は,規定最大変位,速度及び加振力において,試験質量 m

40

を搭載して測定す

る。

8.5.3 

システム正弦波ひずみ率曲線 

8.5.2

の掃引試験中に,f

max

未満において,いずれかの振動数においてシステム正弦波ひずみ率が最大加

速度の 1 %を超えた場合は,

帯域が f

min

∼10 000 Hz におけるひずみ率成分の最大値を示す曲線を作成する。

8.5.4 

システム正弦波加速度ひずみ率 

システム正弦波加速度ひずみ率は,

8.5.2

の方法で測定された試験質量の中央上部での加速度ひずみの程

度を示す。

8.5.5 

電力増幅器の正弦波ひずみ率 

電力増幅器の正弦波ひずみ率 d

a,s

は,負荷 Z

a,s

を接続したときの電力増幅器の電流ひずみの程度を示す。

電力増幅器を,周波数 200 Hz∼1 000 Hz の低ひずみ率正弦波信号で駆動し,この条件下で定格最大電流及

び定格最大電圧が得られる。

8.5.6 

システムランダム波ひずみ率 

システムランダム波ひずみ率 d

s,r

は,試験質量の上部中央におけるランダム波加速度ひずみ率である。


22

B 7758

:2016

狭帯域ランダム波出力のひずみ率を振動数 200 Hz∼1 000 Hz で測定する。この条件で,システム定格広帯

域ランダム波出力と同様の,電流(実効値)

,電圧(実効値)及び振幅の正規分布の加速度が発生する。狭

帯域だとひずみ率測定が簡易化できる(

7.2.3

参照)

8.5.7 

電力増幅器のランダム波ひずみ率 

電力増幅器のランダム波ひずみ率 d

a,r

は,試験負荷 Z

a,r

を接続したときのランダム波電流ひずみの程度を

示す。このひずみ率は,電力増幅器の定格ランダム波電流(実効値)とランダム波電圧(実効値)を使用

することを除いて

8.5.6

と同様である。

8.5.8 

システム衝撃波ひずみ率 

システム衝撃波ひずみ率 d

s,i

は,試験質量の中央上部における衝撃波加速度ひずみの程度を示す。ピー

ク電圧及びピーク電流が衝撃波・ピーク電圧及びピーク電流と同じになるように調整された周波数の正弦

波列を,短時間(標準,1 ms∼10 ms)で区切った出力で,このひずみ率を測定する。

簡易的なひずみ率測定では,正弦波信号が使用する場合もある。

8.5.9 

電力増幅器の衝撃波ひずみ率 

電力増幅器の衝撃波ひずみ率 d

a,i

は,

8.5.8

の手順に従って測定した場合の,試験負荷 Z

a,i

に流れる電力増

幅器の衝撃波出力電流のひずみ率の程度を示す。

8.6 

衝撃波の発生 

衝撃波の理想的な時刻歴波形は,実際のシステムと負荷を使用し発生させる。その手順は,最初に電力

増幅器への入力と負荷の加速度との伝達関数を測定することが効率的である。この伝達関数及び所定負荷

での加速度時刻歴波形を使用して,所定の衝撃波の出力加速度時刻歴波形を得るための電力増幅器の入力

時刻歴波形を計算する。

加速度時刻歴波形の精度向上のためには,求める電力増幅器への入力時刻歴波形を確認し,先に計算し

た入力加速度時刻歴波形より低いレベル(数分の一)の信号を電力増幅器へ与える。そのときの加速度時

刻歴波形の記録をとる。

定格衝撃波加振力を負荷に与える前に,記録された加速度時刻歴波形を解析し,必要に応じて電力増幅

器の入力時刻歴波形を修正する。電力増幅器と振動発生機の供給者が異なる場合は,次の二つの手順が必

要となる。

a)

  振動発生機の供給者において,上記の処理を,対象振動発生機,試験負荷質量 m

10

及び大形電力増幅

器で行う。加速度時刻歴及び変位時刻歴波形が満足するものであれば,駆動コイル電圧時刻歴及び電

流時刻歴波形を同時に記録する。試験負荷質量 m

40

で同様の処理を繰り返す。m

10

及び m

40

の両方で所

定の衝撃波加振試験を行い,振動発生機の衝撃波加振能力を確認する。

b)

  電力増幅器の供給者において,

a)

  の m

40

振動発生機の電圧・電流時刻歴波形を使用して,電力増幅器

の衝撃波試験負荷 Z

a,i

を作成する。この試験負荷 Z

a,i

は,振動発生機のインピーダンスに近似している

ので,m

40

負荷を電流時刻歴で駆動したときと,同一のピーク電圧が得られる。負荷 Z

a,i

は,電力増幅

器の衝撃波電流容量の確認,並びに電力増幅器の衝撃波耐久試験及び衝撃波ひずみ率の測定に使用さ

れる(

7.2.4

及び

7.3.4

参照)

。試験質量 m

10

が,衝撃波試験対象の実負荷に非常に近似している場合は,

m

40

振動発生機の電流・電圧の代わりに,m

10

振動発生機の電流・電圧時刻歴を使用して Z

a,i

を作成す

るように指定してもよい。

注記

  この振動発生機と電力増幅器との衝撃波性能及び電力増幅器の衝撃波ひずみ率測定は,この

衝撃波加速度時刻歴に特有なものである。


23

B 7758

:2016

附属書 A

(参考)

機能特性の追加

A.1 

一般 

動電式振動試験装置は製造業者間で異なるが,使用者の要求もそれぞれ異なるため,製造業者は,使用

者から次の

A.2

A.20

の機能特性の追加情報を提供することが要求された場合は,提供しなければならな

い。

A.2 

可動部実効質量,m

e

この質量は,製造業者が決定し,加振力(

3.8

参照)を定義するために使用する。これは,可動部構造の

質量であるが,場合によっては,懸架機構の質量部分,接続具,コイル導体内の冷却液,及びリードの質

量の一部が含まれる。

A.3 

可動部取付け手段 

可動部取付け手段の説明には,材料,寸法及び起振力取出点位置に関する詳細情報(振動台の場合は,

全固定位置情報も含む。

)を含める。この情報は,寸法入り図面で表記することが望ましい。例えば,ねじ

インサート寸法,表面から出ているか引っ込んでいるかの情報などである。ねじインサートに使用される

固定ボルトの締付けトルクの限界及び軸方向の許容荷重を示す。長すぎる固定ボルトを間違って使用した

場合に可動部損傷防止手段(例えば,機械的に逃げるインサート)が講じられている場合は,同様に説明

する。

A.4 

取付表面の平面度 

試験台又はねじインサート上面の平たんな表面からの平面度を明記する。

A.5 

静荷重 

加振力の軸が垂直方向及び水平方向の場合の許容静荷重を示す。また,この荷重の許容運動に及ぼす影

響についても明記する。

A.6 

懸架機構共振振動数 

これは,支持ばね上の慣性質量で決まる共振振動数で,通常は 5 Hz∼30 Hz の範囲である。

A.7 

電気的共振周波数 

これは,

可動コイル内の電流と電圧との相が一致し,

電気的インピーダンスが極小となる周波数である。

A.8 

可動システムの共振振動数 

これは,電気的共振周波数より上で,振動台の加速度の位相と可動電流の位相の差が 90°となるときの

最低振動数で,通常 1 500 Hz より高い。操作振動数の上限は,この振動数の約 1.5 倍である。


24

B 7758

:2016

A.9 

振動台の軸方向運動の不均一性 

振動台表面全体又はねじインサート上面間の振動数を関数とした振動運動の変量である。

A.10 

振動台の横方向運動 

振動台の横方向運動は,無負荷時の振動台の荷重固定位置で,振動数の関数として測定される。

A.11 

試験質量,m

t

振動試験システムの性能を試験するため,製造業者は試験質量(

3.10

参照)を使用する。これらは,動

的に“影響がないもの”であれば理想的である。これらの質量に関して提供される情報は,形状,平面度,

材質及び固定位置が含まれる。

A.12 

静的漂遊磁界 

振動発生機は,振動台上に,漂遊磁界を本質的に生じる。供試品部分では,この磁界を無負荷振動台の

場合について明記する(通常は,各取付箇所からの距離の軸方向関数で表し,軸方向成分と横方向成分と

の両方を含める。

。消磁装置を使用する場合は,必ず明記する。

A.13 

交番漂遊磁界 

供試品の部分の交番漂遊磁界は,無負荷振動台について明記する(通常,各取付箇所からの距離は,軸

方向関数で表し,全振動数範囲において可動コイル内に定格電流が流れている状態での軸方向成分と横方

向成分との両方を含める。

。交流消磁コイルが使用されている場合は,必ず明記する。さらに,交流消磁

コイルを使用することで力が減少したり,又はアンプ電流増加の場合は,それらも明記する。これらのデ

ータの提供は高額となるため,データを請求するのは,供試品がこのような磁界の影響を大きく受ける場

合に限定するのがよい。

A.14 

加速度ノイズ 

無負荷振動台の加速度ノイズは,電力増幅器,励磁及び冷却装置が接続され,駆動コイルに電力を印加

しないで,かつ,可動部に外的な力が掛からない状態で,計測される可動部テーブル上の加速度である。

広帯域又はランダム波成分は,周期成分から切り離して別個に明記する。内部保護機器,オン・オフ連続

機器の操作に起因する幾つかの過渡的な加速度,振幅・時刻歴を明記する。

A.15 

台座 

台座は,振動発生機本体を支持する装置で,加振方向を垂直から水平に変える機構(位置決め停止装置

付き)も含まれる。振動絶縁装置をロックアウトする装置も含まれることもある。

A.16 

振動発生機本体の共振 

振動絶縁装置がある場合は,吸振ばねと本体質量との共振振動数を,加振軸が垂直方向に発生する力の

場合と水平方向に発生する力の場合の両方について明記する。

A.17 

放射音響の音圧レベル 

振動発生機,液圧装置及び冷却装置が装備されている場合に,無負荷振動台の全加速度(正弦波,ラン


25

B 7758

:2016

ダム波及び衝撃波)の状態で,全振動数範囲及び 1/3 オクターブ雑音幅について,少なくとも周囲 4 か所

でこれらの放射音響の音圧レベルを測定する(軸上の計測も含む。

。試験方法を明記する。

A.18 

振動台温度 

無負荷で連続全出力振動状態のときに振動台の温度が安定したときの値である。

A.19 

設置情報 

全構成部品の寸法及び質量,ユーティリティ(電力,冷却用水・空気,排気,放水,空調,圧縮空気)

全てのケーブル類,ホース類及び必要な特殊工具類を明記する。

A.20 

地震ブロック 

大形振動発生機に防振機構がなく,振動発生機本体を支持する台座ブロックを使用する場合,推奨する

適切なブロックを説明する。質量,寸法,材料仕様,及び台座ブロックと周囲のコンクリート又は床面と

の分離手段も説明する。台座ブロックの材料が鉄筋コンクリートの場合は,内部の鉄筋構造を明記する。


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B 7758

:2016

附属書 JA

(参考)

JIS

と対応国際規格との対比表

JIS B 7758:2016

  動電式振動試験装置−性能特性

ISO 5344:2004

,Electrodynamic vibration generating systems−Performance characteristics

(I)JIS の規定

(II)

国際

規格
番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条ごと

の評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的差異

の理由及び今後の対策

箇条番号

及び題名

内容

箇条番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

1  適用範囲

1

JIS

にほぼ同じ

追加

供試品を明確にした。

使用者の理解を助けるもので,技術
的差異はない。

3  用語及び
定義

3

JIS

にほぼ同じ

削除

重力加速度単位(g

n

)を削除した。 JIS では重力単位は使用しないた

め。

5  振動試験
装置

5.1  一般

5.1

JIS

にほぼ同じ

削除

例外的な装置運転状態の記載を

削除した。

特殊な運転状態の説明で JIS には関

係のない記載である。

6  振動発生

6.4  振動発生機のメン
テナンス(A,a)

6.4

JIS

にほぼ同じ

削除

作業は,有資格者が実施するの
がよいとしているが,JIS では削

除した。

厳密な資格を求めているわけでは
ない。技術的差異はない。

7  電力増幅

7.2.1  一般(C,a)

7.2.1

JIS

にほぼ同じ

削除

電力増幅器用負荷の電流・電圧

位相精度を削除した。

我が国で運用可能な記載内容とし

た。

7.4  電力増幅器のメン
テナンス(A,a)

7.4

JIS

にほぼ同じ

削除

水冷式電力増幅器に関する記述
を削除した。有資格者の記載を

削除した。

我が国では水冷式電力増幅器は製
造していない。

8  試験及び
測定

8.2.1  一般

8.2.1

JIS

にほぼ同じ

変更

パワートランジスタの放熱器に

対する用語を変更した。

我が国の実態用語に合わせた。

8.5.1  一般

8.5.1

JIS

にほぼ同じ

変更

ひずみ率の計算式の説明を変更
した。

誤解を防ぐため。

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 5344:2004,MOD

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16


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注記 1  箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。

−  削除  国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。

−  追加  国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。

−  変更  国際規格の規定内容を変更している。

注記 2  JIS と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。

− MOD

国際規格を修正している。

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