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B 7740 : 1999

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日

本工業規格である。これによって JIS B 7740 : 1990 は改正され,この規格に置き換えられる。

JIS B 7740 : 1999

には,次に示す附属書がある。

附属書(参考)  基準試験機及び基準試験片を用いた基本的なフロー


日本工業規格

JIS

 B

7740

: 1999

シャルピー振子式衝撃試験−

試験機の検証用基準試験片

Charpy pendulum impact test

−Reference test pieces

for verification of testing machines

序文  この規格は,1994 年に作成された ISO/FDIS 148-3, Metallic materials−Charpy pendulum impact test−

Part 3 : Preparation and characterization of Charpy V reference test pieces for verification of testing machines

を基

に,技術的内容を変更することなく作成した日本工業規格である。

なお,点線の下線を施してある“箇所”は,対応国際規格にはない事項である。

1.

適用範囲  この規格は,JIS B 7722 のシャルピー振子式衝撃試験機の間接検証に用いる基準試験片の

調製と認定の方法及びその証明書について規定する。ここで示すノッチ試験片の寸法は,JIS Z 2202 の規

定による。しかし,その許容差はより厳しい。化学成分,熱処理,又はその両方の条件を変えることによ

って,求められるエネルギーレベルが得られる。

基準試験片は,ここで規定する基準試験機で格付けされる。

備考  対応国際規格を次に示す。

ISO/FDIS 148-3

  Metallic materials − Charpy pendulum impact test − Part-3 : Preparation and

characterization of Charpy V reference test pieces for verification of testing machines

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版を適用する。

JIS B 7722

  シャルピー振子式衝撃試験−試験機の検証

備考  ISO/FDIS 148-2 : 1994 (Metallic materials−Charpy pendulum impact test−Part 2 : Verification of

testing machines)

が,この規格と一致している。

JIS Z 2202

  金属材料衝撃試験片

備考  ISO/DIS 148-1 : 1996 [Metallic materials−Charpy impact test (V-notch and U-notch)]  が,この規

格と一致している。

JIS Z 2242

  金属材料衝撃試験方法

備考  ISO 83 : 1976 [Steel−Charpy impact test (U-notch), ISO 148 : 1983 Steel−Charpy impact test

(V-notch)]

が,この規格と一致している。

3.

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,次による。


2

B 7740 : 1999

3.1

工業用試験機 (industrial machine)   工業用,一般用及び試験研究用として金属材料を試験するため

に使用する試験機。これらの試験機は,基準試験片の値付けには使用できない。

3.2

基準試験機 (reference machine)   基準試験片の基準エネルギーを決定するのに使用する衝撃試験

機。この試験機の必要条件は,工業用試験機よりも厳しい(

表 参照)。

3.3

エネルギー関係の定義

3.3.1

吸収エネルギー  (A

V

  衝撃試験機によって試験をしたとき,試験片を破断するのに要したすべて

のエネルギー。これは振子の持上げ位置(角度)の初期位置エネルギーと,試験片が破断したときの最大

振上がり位置(角度)での位置エネルギーとの差に等しい。

3.3.2

表示吸収エネルギー  (A

S

  置き針又は他の読取り装置によって,直接表示された吸収エネルギー。

3.3.3

基準エネルギー  (A

R

  基準試験機を使用して決定された,基準試験片に与えられた吸収エネルギ

ー。これは試験したセットの平均値である(6.参照)

3.4

ロット  等しい条件のもとで生産された一定数量の基準試験片。

3.5

基準試験片  振子式衝撃試験機の工業用試験機としての適切さを検証するための試験片。試験機に

よって実測されたエネルギーと,

あらかじめ基準試験片に付けられた基準エネルギーとの比較に使用する。

3.6

認証基準試験片  基準試験機の検証のために使用する衝撃試験片。基準試験機の検証は測定された

衝撃エネルギーとこの試験片につけられた認証基準エネルギーとの比較によって行う。

参考  認証基準エネルギーは,国家機関又は国際機関によって,管轄内の基準試験機群の相互比較に

従って決定された値である。

3.7

セット  一つのロットから無作為に選んだ試験片のグループ。

3.7.1

格付けセット  6.によってロットから抜き出したセットの試験片は,そのロットの基準エネルギー

の決定に用いる。

3.7.2

基準セット  6.及び 8.によって選んだ試験片のセットは,衝撃試験機の検証に用いる。

3.8

試験片の用語  載せ台の試験位置に置いた試験片に関して次の用語を適用する。

3.8.1

高さ  衝撃試験における衝撃方向の試験片の寸法。

3.8.2

幅  衝撃刃に接触する試験片の刃縁に沿った方向の寸法。

3.8.3

長さ  高さ及び幅と直角方向の試験片の寸法。

4.

記号と名称  この規格で用いる記号及び名称を表 及び表 2,付図 及び付図 に示す。

表 1  記号及び名称

量記号

単位記号

名称

A

V

 J

吸収エネルギー

A

S

 J

表示吸収エネルギー

A

R

 J

シャルピー基準試験片の一つのセットの基準値

5.

基準試験機

5.1

基準試験機の条件  基準試験片の基準エネルギーの決定に用いられる基準試験機は,次の要求事項

の他は JIS B 7722 の規定による。

5.1.1

形状及び寸法(表 2,付図 及び付図 参照)

a)

受け台の内角の丸み半径  1

0

.

0

10

.

0

mm

b)

受け台と載せ台との角度  90°±0.10°


3

B 7740 : 1999

c)

受け台間の距離  40

0

.

0

1

.

0

mm

d)

刃縁と受け台の左右対称面との位置関係のずれ  0.25mm

e)

衝撃刃は,JIS B 7722 に規定された(2mm 及び 8mm)形状に合致したもの。

表 2  形状特性(付図 及び付図 参照)

番号

名称

寸法

許容差

単位

    1

試験片長さ

   55.00

30

.

0

0

mm

    2

試験片半分の長さ

      27.5

±0.20 mm

    3

試験片高さ

   10.00

±0.06 mm

    4

試験片幅

   10.00

±0.075

mm

    5

ノッチ下高さ

    8.00

±0.06 mm

    6

ノッチ角度

   45

±1

°(度)

    7

ノッチ底半径

        0.250

±0.025

mm

    8

相隣れる面の角度

   90

±0.1

°(度)

    9

長手軸方向とノッチ対称面の
角度

   90

±2

°(度)

 10

受け台の内角の丸み半径

        1

0

1

.

0

mm

 11

受け台の衝撃方向の逃げ角        11

±1

°(度)

 12

受け台間の距離

      40.0

0

.

0

1

.

0

mm

 13

刃縁と受け台の対称面の偏り       −

±0.25 mm

 14

刃先角度

   30

±1

°(度)

 15A

2mm

衝撃刃の曲率半径

        2

∼2.5

mm

 15B

8mm

衝撃刃の曲率半径

        8

±0.05 mm

 15C

8mm

衝撃刃の肩半径

        0.2

∼1.0

mm

 15D

8mm

衝撃刃のエッジ幅

        4.0

±0.05 mm

参考1.  ノッチ底の半径範囲は,ノッチ角と正しく接するものとする。

2.

ノッチのある面の仕上げは,1.6

µm,他の面は 3.2µm とする。

3.

識別マークは,試験片が刃縁,受け台,載せ台に接触する部分及

びノッチから 5mm 以内の範囲に付けてはならない。 

5.1.2

基準試験機の容量  基準試験機の容量は,300J 以上とする。

5.1.3

硬さ  受け台及び衝撃刃(付図 参照)の試験片との接触面及び衝撃力を受ける部分の硬さは,

56HRC

以上とする。

5.1.4

振動  基準試験機は,近くにある他の設備,例えば車両の移動,プレス機,鍛造機のハンマなどか

らの振動を受けてはならない。

備考  試験機は,衝撃試験時に外部に影響されてはならない。例えば機枠の適当な位置に水の入った

小さな容器を置き,水面にさざ波が生じなければ,この要求に適合しているとみなす。

5.1.5

エネルギー指示装置  測定分解能は,定格定量エネルギーの少なくとも

400

1

とする。

5.2

基準試験機の認定  直接検証は,JIS B 7722 及び 5.1 の追加要求事項によって行う。間接検証は,認

証基準試験片を用いて行う。その繰返し性及び誤差の許容値を

表 に示す。


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B 7740 : 1999

表 3  基準試験機の繰返し性及び誤差の許容値

単位 J

エネルギーレベル E

繰返し性

誤差

<40

≦3

≦2

≧40

A

R

の 7.5%

A

R

の 5%

繰返し性:A

vmax

A

vmin

誤差:

v

A

A

R

A

n

A

A

A

A

vn

v3

v2

v1

5.3

基準試験機の利用  基準試験機の操作手順は,JIS Z 2242 と次の追加事項による。

5.3.1

振上がり角度の位置及びこれから計算される衝撃エネルギーは,ディジタル指示又は図示式装置で

自動記録する。これらの記録は,すべての基準試験片を頒布した後,1 年を経過するまで保存する。

5.3.2

運動中に失われるエネルギーは,11 回連続のハーフスイングで測定する。また格付けセットの試

験の前後に測定を行い,作業日誌に記録し保存する。衝撃エネルギーの報告値は,JIS B 7722 によって運

動中のエネルギー損失を補正した値とする。

5.3.3

受け台及び衝撃刃は,毎年試験機から外して完全な検査を行う。いずれかの部分で破損が発見され

た場合には,交換し再格付けを行う(5.1 及び 5.2 参照)

基準試験機の年ごとの検査で,試験片受け台の平たん度(試験片をとおして力を吸収するところ)と受

け台の内角の丸み半径は,摩耗や破損について検査する。この検査結果の記録は,受け台を交換又は再加

工するまで保存する。

備考  この検査は,例えば,シリコンラバーや他の低収縮剤によって表面を型取りする方法又はホロ

グラフィ法によって行われる。

試験片と接触する衝撃刃縁の半径及び受け台内かどの丸み半径部分は,同様な方法で測定し

記録として残す。記録装置に補修が必要になったときは,追加試験の前に再校正する(5.2 参照)

5.4

最終検査及び試験のため供給者が使用するすべての検査,計測及び試験設備は校正され,また国家

標準へのトレーサビリティがなければならない。供給者は,検査,計測及び試験設備の校正記録を保存す

る。

5.5

すべての検査と補修の内訳及び日付は,各基準試験機の作業日誌に記録され,保存する。

6.

基準試験片

6.1

材料

−  ロットのすべての試験片は,同一溶鋼又は同一鋼塊から作る。

−  すべての試験片は,鋼から作る。試験片の化学成分は規定しない。

−  エネルギーレベルが異なれば,異なる化学成分となる。

−  ロットのすべての試験片は,同一熱処理でなければならない。

−  各ロットの基準エネルギー  (A

R

)

は,次の区分のいずれかとする。

a)

  低エネルギー              A

R

<30J

b)

  中エネルギー         30≦A

R

<110J

c)

  高エネルギー        110≦A

R

<220J

d)

  超高エネルギー      220≦A

R


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B 7740 : 1999

6.2

基準試験片は,

表 及び付図 に示す寸法に合致しなければならない。この寸法は,より厳しい許

容差を除き,JIS Z 2202 と同じである。

6.3

すべての試験片は,相互に区別できるように,容易に消えないマークを付ける。

6.4

基準試験片の認定

6.4.1

6.1

6.2 と 6.3 の要求を満足する試験片のグループは,基準試験片を無作為に選ぶロットとして使

用してもよい。

6.4.2

ロットの基準エネルギーは,ロットから無作為に 25 本の試験片を一組として抜き取り,一組以上

の組を用いて基準試験機によって決定する。

6.4.3

ロットの基準エネルギーは,25 本の一組以上の組の試験片から得られる平均値とする。その標準

偏差も算出する。標準偏差の大きさは

表 による。

参考  試験温度は,特に指定がない場合,0℃とする。

表 4  基準エネルギーの許容される標準偏差

単位 J

エネルギーレベル A

R

標準偏差

<40

≦2.0

≧40

A

R

の 5%

6.4.4

基準試験片の衝撃試験報告には,次の項目を記載する。

a)

試験に使った基準試験機

b)

衝撃刃の形状

c)

試験温度

d)

各試験片の識別

e)

各々の試験片について摩擦などの損失を補正したエネルギー値

f)

セットの基準エネルギー値及び標準偏差

6.5

ロットから抜き取ったセットを基準試験機で試験した後,残りの試験片を 5 本一組とする。これが

基準試験片のセットとなる。

7.

基準試験片の証明書

7.1

基準試験片の各セットに添付する内容は,次のとおりとする。

a)

証明書には次の事項を記載する。

1)

この規格の引用

2)

供給者の名前,その略号又は照会先

3)

セットの基準エネルギーとその標準偏差

4)

衝撃刃の形状

5)

基準エネルギーを確定したときの試験温度

6)

基準エネルギーを確定するのに用いた基準試験機の識別

b)

必要な場合,基準試験片利用のための情報

8.

基準セットの使用手順

8.1

工業用試験機の間接検証は,基準試験片を用いて JIS B 7722 によって行う。このときの基準片の供

給者によって規定された適切な衝撃刃と温度で実施する。


6

B 7740 : 1999

8.2

各セットのすべての基準試験片は,1 回の衝撃試験機の間接検証に使用され,無作為に試験されてそ

の平均値に取り込まれるものとする。他の基準セットから試験片の置き換えや代用は許されない。

付図 1  試験片,受け台及び衝撃刃の寸法及び形状


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B 7740 : 1999

備考  ISO 442 又は,ISO 148 よりも許容差が小さい。

付図 2  基準衝撃試験機の受け台及び載せ台の配置 


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B 7740 : 1999

附属書(参考)  基準試験機及び基準試験片を用いた基本的なフロー

この附属書は,基準試験機及び基準試験片を用いた基本的な流れ図を参考までに示すものであり,規定

の一部ではない。

備考  ASTM E1236 は,認定試験機の規定であり,ASTM E1271 は,認定試験片の規定であって,基

準試験片又は基準試験機に相当するものがない。


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JIS B 7740

  シャルピー整合化推進委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

布  村  成  具

新潟工科大学機械制御システム工学科

(委員)

馬  場  秀  俊

通商産業省機械情報産業局

本  間      清

工業技術院標準部

中  野  英  俊

工業技術院計量研究所

山  口  幸  夫

工業技術院計量研究所

山  崎  政  義

科学技術庁金属材料技術研究所

東      史  彦

財団法人日本海事協会

橋  本  繁  晴

財団法人日本規格協会

高  野  忠  夫

財団法人科学技術戦略推進機構

桃  木  明  和

社団法人日本鉄鋼連盟

井  上  克  彦

株式会社アサヒ技研

吉  井      保

日本検査株式会社

山  本      卓

株式会社山本科学工具研究所

尾  崎  達  也

株式会社井谷衡機製作所

飯  塚  武  雄

株式会社エー・アンド・デイ

神  田  信  晴 JT トーシ株式会社

真  弓  高  明

株式会社島津製作所

藤  井      勉

株式会社東京衡機製作所

橋  本  嘉  郎

株式会社東洋精機製作所

佐々木  雄  治

株式会社日本試験機製作所

畠  山  俊  六

株式会社富士試験機製作所

宍  道  英  夫

株式会社前川試験機製作所

米  倉      顕

株式会社米倉製作所

(関係者)

樋  田  並  照

元工業技術院計量研究所

(事務局)

菅  野  久  勝

日本試験機工業会