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B 7739

:2011

(1)

目  次

ページ

序文 

1

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

2

3

  用語及び定義 

3

4

  測定機器

4

5

  試験機の検証 

5

5.1

  試験機の構成要素

5

5.2

  振り子

6

5.3

  機枠の基本特性

12

5.4

  軸受

14

5.5

  エネルギー指示計

14

5.6

  摩擦損失 

15

5.7

  試験片支持台,つかみ具及びクロスヘッド

16

5.8

  ハンマ

18

6

  検証周期

19

7

  検証報告

19

附属書 A(参考)振り子の各長さ間の関係 

20

附属書 B(参考)機枠と振り子との質量比

22

附属書 C(参考)打撃下における振り子の減速

24

附属書 D(参考)振り子と機枠の移動とに関する相互関係 

26

附属書 E(参考)シャルピー衝撃試験機の検証用ゲージプレート

32

附属書 JA(規定)振り子形接着強さ衝撃試験機の検証方法 

35

附属書 JB(参考)形状検査用ゲージ

41

附属書 JC(参考)JIS と対応国際規格との対比表 

45


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(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,日本試験機工業会

(JTM)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの

申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS B 7739:1989 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 B

7739

:2011

非金属材料用振り子形衝撃試験機−

試験機の検証方法

Pendulum-type impact-testing machines for Non-Metallic Materials-

Verification of testing machines

序文 

この規格は,1999 年に第 1 版として発行された ISO 13802 を基に,技術的内容を変更することなく作成

した日本工業規格であるが,対応国際規格に規定されていない適応試験機“振り子形接着せん断衝撃試験

機”を日本工業規格として追加している。

なお,点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一覧表にその

説明を付けて,

附属書 JC に示す。また,附属書 JA 及び附属書 JB は,対応国際規格にはない事項である。

警告 

この規格の利用者は,通常の実験室での作業に精通しているものとする。この規格は,その使用に関し

て起こる全ての安全上の問題を取り扱おうとするものではない。この規格の利用者は,各自の責任におい

て安全及び健康に対する適切な処置を取らなければならない。

適用範囲 

この規格は,JIS K 7111-1JIS K 7111-2JIS K 7110 及び JIS K 7160 に規定するシャルピー衝撃試験,

アイゾット衝撃試験及び引張衝撃試験に使用する振り子形衝撃試験機の検証方法について規定する。

また,

JIS K 6855

に規定する衝撃接着強さ試験に使用する振り子形衝撃試験機の検証方法について,

附属書 JA

に規定する。

この規格は,振り子形衝撃試験機に適用する。試験片を打撃し,吸収される衝撃エネルギーW3.12 

照)は,振り子の位置エネルギーE3.11 参照)と試験片打撃後の振り子に残存するエネルギーとの差に

等しいものとする。

衝撃エネルギーを算出するに当たっては,摩擦損失と空気抵抗損失とを補正する(

表 及び 5.6 参照)。

試験機の各種部品の幾何学的及び物理的特性の検証方法について規定する。

幾つかの幾何学的特性については,装置の組立後に検証することが難しいため,製造業者は,装置に関

する幾何学的特性の検証に対して,この規格に準じて適切な検証ができるようにし,かつ,参考図面を提

供する責任がある。

これらの検証方法は,試験機の設置時,修理時,移動時又は定期点検時に使用する。

この規格は,箇条 で規定する幾何学的及び物理的特性をもつ各種容量又は異なる設計の振り子形衝撃

試験機にも適用できる。


2

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この規格に準じて検証し,適合した振り子形衝撃試験機は,各種のノッチなし及びノッチ付き試験片に

よる衝撃試験に使用できる。

附属書 は,各種振り子長さ,位置エネルギー及び振り子の慣性モーメントの関係について記述する。

附属書 は,衝撃エネルギーの誤差を生じさせないために,振り子の質量に対する機枠質量の比の計算

方法について記述する。

附属書 は,シャルピー衝撃試験において,打撃直後の振り子の速度変化を衝撃エネルギーの関数とし

て説明し,規定容量の振り子における衝撃エネルギーの測定範囲について記述する。

附属書 は,振り子の移動がもたらす反力によって生じる機枠の共振を避けるために,機枠基礎台に必

要な剛性について記述する。

附属書 は,シャルピー衝撃試験機の検証に必要なゲージプレートの形状及び寸法について記述する。

附属書 JA は,振り子形接着強さ衝撃試験機の検証方法について規定する。

附属書 JB は,形状検査用ゲージについて記述する。

附属書 JC は,JIS と対応する国際規格との対比表である。

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

ISO 13802:1999

,Plastics−Verification of pendulum impact-testing machines−Charpy, Izod and

tensile impact-testing(MOD)

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“修正している”

ことを示す。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS B 0601

  製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状:輪郭曲線方式−用語,定義及び表面性状パラメ

ータ

JIS B 0651

  製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状:輪郭曲線方式−触針式表面粗さ測定機の特性

JIS B 0659-1

  製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状:輪郭曲線方式:測定標準−第 1 部:標準片

JIS B 7503

  ダイヤルゲージ

JIS B 7510

  精密水準器

JIS B 7517

  ハイトゲージ

JIS B 7518

  デプスゲージ

JIS B 7725

  ビッカース硬さ試験−試験機の検証及び校正

JIS K 6855

  接着剤の衝撃接着強さ試験方法

JIS K 7110

  プラスチック−アイゾット衝撃強さの試験方法

注記  対応国際規格:ISO 180:2000,Plastics−Determination of Izod impact strength(MOD)

JIS K 7111-1

  プラスチック−シャルピー衝撃特性の求め方−第 1 部:非計装化衝撃試験

注記  対応国際規格:ISO 179-1:2000,Plastics−Determination of Charpy impact properties−Part 1:

Non-instrumented impact test(MOD)

JIS K 7111-2

  プラスチック−シャルピー衝撃特性の求め方−第 2 部:計装化衝撃試験

注記  対応国際規格:ISO 179-2:1997,Plastics−Determination of Charpy impact properties−Part 2:

Instrumented impact test(IDT)


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JIS K 7160

  プラスチック−引張衝撃強さの試験方法

注記  対応国際規格:ISO 8256:1990,Plastics−Determination of tensile-impact strength(IDT)

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。

3.1 

検証(verification) 

校正された標準品又は標準材料を用い,装置の校正認可を受けるために行う試験。

3.2 

校正(calibration)

規定条件下で,測定機器又は測定方法による指示値と,適切な標準品に対応する数値又は標準品から得

た数値との間の関係を確立するための一連の手順。

3.3 

振り子の振動周期(period of swing of the pendulum),T

P

左右の縦平面で 5°以下の角度で振動する振り子 1 往復の時間(単位,s)

3.4 

打撃中心(centre of percussion) 

振り子がその運動平面内垂直下で打撃したとき,振り子の回転軸で反力が生じない位置。

3.5 

振り子長さ(pendulum length),L

P

   

振り子の回転軸と打撃中心(3.4 参照)との間の距離で,実際の振り子と同じ振動周期 T

P

3.3 参照)を

もち,振り子の質量が理論的に集中したとみなされる打撃中心までの長さ(単位,m)(

附属書 参照)。

3.6 

重心長さ(gravity length),L

M

振り子の回転軸と振り子の重心との間の距離(単位,m)

附属書 参照)。

3.7 

回転長さ(gyration length),L

G

振り子の回転軸から,

振り子の質量 m

P

が振り子と同じ慣性モーメントを与えるために集中される点まで

の距離(単位,m)

附属書 参照)。

3.8 

打撃点長さ(impact length),L

I

振り子の回転軸から,試験片に接するハンマの刃縁中心の打撃点までの距離(単位,m)

3.9 

持上げ角度(starting angle),α

0

振り子の回転運動の開始点から垂直位置までの角度(単位,°)

注記  一般に,振り子の回転の最下点(α

I

=0°)で試験片を打撃する。この場合,持上げ角度は,落

下の角度でもある[

図 1 b)参照]。

3.10 

衝撃速度(impact velocity),v

I

打撃瞬間時における振り子の速度(単位,m/s)


4

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3.11 

位置エネルギー(potential energy),E 

振り子を,打撃位置から落下開始位置に持ち上げることで蓄えられるエネルギー(単位,J)

3.12 

衝撃エネルギー(impact energy),W 

試験片の変形,破断及び飛散に必要なエネルギー(単位,J)

3.13 

機枠(frame) 

振り子の軸受,支持台とつかみ具,測定機器,及び振り子の支持機構と解放機構とをもつ試験機の構造

体。機枠の質量は,m

F

で表す(単位,kg)

3.14 

機枠の振動周期(period of oscillation of the frame),T

F

機枠の水平方向における減衰振動の周期。

これは,試験台及び基礎台(減衰材料を含んでもよい。

,又はどちらか一方の剛性に対する機枠の振動

特性である(単位,s

1

附属書 参照)。

3.15 

振り子の最大質量(mass of the heaviest pendulum used),m

P,max

使用する最も重い振り子の質量(単位,kg)

3.16 

振り上がり角度(angle of rise),α

R

振り子の回転運動の垂直位置から反転する位置までの角度(単位,°)

3.17 

吸収エネルギー(absorbed energy),W

I

衝撃エネルギー目盛の校正時において,その目盛が示す衝撃エネルギーの算出された値(単位,J)

測定機器 

この規格に基づき,試験機の構成要素の幾何学的及び物理的特性が個々の規格の要求事項に準拠してい

ることを検証するためには,直定規,ノギス,三角定規,水準器,力計,ロードセル,スケール及び時間

測定装置が必要である。また,前述した測定機器の機能を代用できる測定機器を用いてもよい。

これらの測定機器は,箇条 に示す許容値の範囲内で,試験機の構成要素を測定するために十分な精度

をもつものとする。


5

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a) 

振り子の水平位置におけるモーメントの測定項目 

b) 

スケールの校正及び位置エネルギーの測定項目 

図 1−位置エネルギーの検証に必要な測定項目 

試験機の検証 

5.1 

試験機の構成要素 

5.1.1 

振り子 

5.1.1.1 

振り子の腕   

5.1.1.2 

ハンマ 

曲げ衝撃試験用衝撃刃縁(JIS K 7111-1 及び JIS K 7110 参照)

,引張衝撃試験用衝撃面又はつかみ具(JIS 

K 7160

参照)を備えたもの。

5.1.2 

機枠 

5.1.2.1 

シャルピー衝撃試験用試験片支持台(JIS K 7111-1 参照) 

5.1.2.2 

アイゾット衝撃試験用試験片固定台(JIS K 7110 参照) 

5.1.2.3 

引張衝撃試験用つかみ具(JIS K 7160 参照) 

5.1.2.4 

振り子の支持及び解放機構 

5.1.3 

エネルギー指示装置 


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5.1.4 

引張衝撃試験用クロスヘッド 

5.2 

振り子 

5.2.1 

振り子長さ,L

P

振り子長さは,振り子の振動周期 T

P

から,式(1)を用いて算出する。

2

2

P

P

π

4

T

L

g

=

 (1)

ここに,

g: 重力加速度(m/s

2

T

P

振り子の振動周期(s) 
T

P

値は,0.2 %の精度とする。

振動周期 T

P

は,振動回数 回分の連続振動について,全持続時間 nT

P

を 4 回測定し,その平均値を 0.1 s

の精度で求める。L

P

には高い精度が要求されるが,の最小振動回数は,n≧100 / T

P

とする。

ここで,0.1 s 以上の精度をもつ時間測定装置を使用した場合には,振動回数 を減らすことができる(

1

参照)

表 1T

p

の測定に必要な最小振動回数の例 

L

P

m

T

P

s

時間の測定精度

s

最小振動回数 n

0.225 0.95

0.1 
0.01

105

11

0.390 1.25

0.1 
0.01

80

8

5.2.2 

打撃点長さ,L

I

   

打撃点長さ(3.8 参照)は,振り子の振動周期 T

P

から求める振り子長さ L

P

の l %以内の誤差でなければ

ならない[式(1)及び

図 l a)参照]。

5.2.3 

位置エネルギー,E 

位置エネルギーは,

表 に示す位置エネルギーから±1 %以上違ってはならない。位置エネルギーは,

次の手順によって測定するか又は±1 %の精度で他の方法によって測定する。

a)

はかり又は力計を用いて,回転軸から任意の長さ L

H

で振り子を支える。回転軸から振り子の重心まで

の軸線を水平にする[

図 1 a)参照]。

b)

長さ L

H

(単位,m)及び L

H

における垂直力 F

H

(単位,N)を,±0.2 %の精度で測定する。

c)

式(2)を用いて,回転軸に関する振り子の水平位置におけるモーメント M

H

(単位,N・m)を算出する。

M

H

F

H

L

H

 (2)

d)

持上げ角度 α

0

を精度 Δα

0

まで測定する[

図 1 b)参照]。この Δα

0

は,位置エネルギーの 1/400 の相対

的精度に相当する。さらに,適用できる場合には,振り上がり角度 α

I

を 0.25°以下まで測定する。例

えば,140°,150°及び 160°の持上げ角度については,Δα

0

はそれぞれ 0.39°,0.54°及び 0.81°に

なる。

e)

位置エネルギーは,式(3)を用いて算出する。

EM

H

(cos α

I

−cos α

0

) (3)

ここに,

E: 振り子の位置エネルギー(J)

M

H

振り子の水平位置におけるモーメント(N・m)

[式(2)参

照]


7

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α

 0

持上げ角度(°)

α

 I

振り上がり角度(°)

注記 1  振り子形衝撃試験機では,一般に,振り上がり角度 α

I

は振り子の最下点とするので,cos α

I

=1 として計算する。

注記 2  特別な場合には,試験機から振り子を外し,前述の方法によってモーメント M

H

を求めて

もよい。

表 2−シャルピー,アイゾット及び引張衝撃試験機の基本特性 

位置エネルギー  E

J

試験の種類

衝撃速度  v

I

m/s

空振り時における

摩擦損失の最大許容値

E  の %

0.5 
1.0 
2.0 
4.0 
5.0

シャルピー 
シャルピー 
引張・シャルピー

引張・シャルピー 
シャルピー

引張:2.9(±10 %) 
シャルピー:2.9(±5 %)

a)




0.5 
0.5

7.5

15 
25 
50

引張・シャルピー

引張・シャルピー 
引張・シャルピー 
引張・シャルピー

引張:3.8(±10 %)

シャルピー:3.8(±5 %)

a)

0.5

1.0 
2.75 
5.5

11

22

アイゾット 
アイゾット

アイゾット 
アイゾット 
アイゾット

3.5(±10 %)



0.5 
0.5 
0.5

a)

  シャルピー衝撃試験機の衝撃速度の誤差は,±5 %とする。

5.2.4 

衝撃速度,v

I

5.2.4.1 

数値 

シャルピー,アイゾット及び引張衝撃試験の衝撃速度 v

I

は,

表 に示す値でなければならない。

5.2.4.2 

求め方 

衝撃速度は,式(4)を用いて算出する。

)

cos

(cos

2

0

I

I

I

α

α

L

v

=

g

 (4)

ここに,

v

I

衝撃速度(m/s)

g: 重力加速度(m/s

2

L

I

打撃点長さ(m)

5.2.2 参照)

α

 0

持上げ角度(°)

α

 I

振り上がり角度(°)

5.2.3 

注記 参照)

5.2.5 

振り子形衝撃試験機の種類 

この規格は,次の 3 種類の試験機に適用する。

シャルピー衝撃試験機の仕様の一覧を

表 に示し,その一例を図 に示す。

アイゾット衝撃試験機の仕様の一覧を

表 に示し,その一例を図 に示す。

引張衝撃試験機の仕様の一覧を

表 に示し,その一例を図 及び図 に示す。

その他の振り子形衝撃試験機についても,この規格の必要条件を満たす場合には,用いてもよい。


8

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表 3−シャルピー衝撃試験機の仕様(図 参照) 

名称(試験機の構成要素)

図 の記号

数値

振り子

衝撃刃の角度

θ

1

 30°±1°

衝撃刃の半径

R

1

 2

mm±0.5 mm

機枠及び振り子の位置

試験片の長軸と平面(存在すれば)との平行性

p

1

±4/1 000

衝撃刃の刃縁から重心までの距離

D

1

±0.5 mm

刃縁と支持台との中間平面のずれ

D

2

±0.5 mm

試験片支持台

支持台の曲率半径

R

2

 1

mm±0.1 mm

支持台の逃げ角

θ

2

 10°±1°

支持台のすくい角

θ

3

5°±1°

支持台の角度

θ

4

 90°±0.1°

試験片支持台間距離(JIS K 7111-1 

表 参照)

62

+0.5

0

 mm

表 4−アイゾット衝撃試験機の仕様(図 参照) 

名称(試験機の構成要素)

図 の記号

数値

衝撃刃縁

半径

R

1

 0.8

mm±0.2 mm

試験片の長軸に対する角度

θ

1

 90°±2°

試験片の面との平行性(全幅にわたって)

p

1

±0.025 mm

機枠及び振り子の位置

固定台上面の水平性

p

2

±3/1 000

位置決め溝と固定台上面との直角性

θ

2

 90°±0.5°

固定台上面からの衝撃刃の距離

D

1

 22

mm±0.2 mm

試験片固定台

固定部と可動部の平行性

p

3

±0.025 mm

支持側固定端部(曲げの起こる近傍)の半径

R

2

 0.2

mm±0.1 mm

注記  水準面と固定台との平行性を水平性とする。

表 5−引張衝撃試験機の仕様(図 及び図 参照) 

名称(試験機の構成要素)

図 及び図 5

の記号

数値

振り子

ハンマ面とクロスヘッド面との平行性又はアンビル面とク
ロスヘッド面との平行性

p

1

±4/1 000

ハンマ又はアンビル面と回転平面との直角性

p

2

 90°±1°

回転平面に関するハンマとアンビル面との対称性

S

1

±0.5 mm

試験片位置

回転平面に関する対称性

S

2

±0.5 mm

回転平面に対する角度

p

3

±0.2°

クロスヘッド

クロスヘッドの質量(JIS K 7160 

表 参照)

注記  試験片の位置に関わる振り子形衝撃試験機の特性は,正確な長方形状の金属製ゲージを用いて測定す

る。射出成形によるゲージは,抜き勾配が影響するため適切ではない。


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単位  mm

図 2−シャルピー衝撃試験機の詳細(寸法については,表 参照) 


10

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注記  試験片固定台は,固定部と可動部とで構成。

図 3−アイゾット衝撃試験機の詳細(寸法については,表 参照) 


11

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図 4JIS K 7160 の 法における引張衝撃試験機の振り子と試験片つかみ具との関係図 

(寸法については,表 参照) 


12

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図 5JIS K 7160 の 法における試験片破断後の引張衝撃試験機の振り子と 

試験片つかみ具との関係図(寸法については,表 参照) 

5.3 

機枠の基本特性 

5.3.1 

構造 


13

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機枠は,十分剛性の高い構造とする(

表 参照)。この規格による振り子衝撃試験機は,厳密な水平参照

面に対して,直接水平検査が可能な障害物のない回転軸(上部)を用いる(5.3.2 参照)

。機枠の重心は,

打撃時の振り子の打撃中心より低い高さ位置とし,回転軸の長さ方向では,振り子の回転軌跡内とする。

表 6−機枠の基本仕様 

名称(試験機の構成要素)

数値

振り子の回転軸の水平性

a)

基準面をもつ試験機

a)

基準面に対して

±2/1 000

b)

基準面をもたない試験機

±4/1 000

軸受の軸方向の遊び 0.25 mm

軸受の半径方向の遊び 0.05 mm

a)

  製造業者によって証明されているものとする。

5.3.2 

機枠の水平性調節 

機枠は,試験片支持台を取り付けるために設けた任意の基準面に対して±2/1 000 の水平性で設置しなけ

ればならない。また,振り子の回転軸は,その基準面に対して±2/1 000 の平行性又は±4/1 000 の水平性

のいずれかを満足しなければならない(

表 参照)。機枠を所定の位置に設置し,その剛性を維持するた

めに,機枠の調整ねじは,水平性の調整後に固定する(5.3.3 参照)

5.3.3 

機枠及び振り子の質量,並びに機枠据付け後の剛性 

試験片の破壊エネルギーが振り子の位置エネルギーよりも大きい場合でも,試験台上の機枠に,変形が

観察されてはならない。

使用振り子の最大質量に対する機枠質量の比 m

F

/m

P,max

は,少なくても 40 倍とし,機枠は堅固な試験台

に固定しなければならない。

使用振り子の最大質量に対する機枠質量の比 m

F

/m

P,max

の最大値は,衝撃エネルギー比 W

max

/E

max

の最大測

定値に依存する(

表 及び附属書 参照)。

表 7−衝撃エネルギー比 W

max

/E

max

の測定値と振り子の質量に対する機枠質量の最小比 

[ただし,エネルギー相対誤差

  ΔW/E

max

≦0.5 %(

附属書 参照)]

W

max

/E

max

    %

40  50 60 70 80

m

F

/m

P,max

10  18 28 42 62

注記 1  質量比 m

F

/m

P, max

は,40 倍が望ましい。例えば,E

max

=50 J では W

max

≦35 J とすると,最大質

量の振り子における位置エネルギーの 70 %までの衝撃エネルギーを測定することができる。

空振り時において,振り子から機枠に至るエネルギーの共振現象を避けるために,機枠の振動周期 T

F

は,式(5)を満足しなければならない(

附属書 参照)。

7

P

F

T

 (5)

ここに,

T

F

機枠の振動周期(s)

T

P

振り子の振動周期(s)

注記 2  一般の振り子では,T

P

は,0.9 s∼1.3 s である。したがって,機枠は,0.13 s 未満と 0.19 s 未

満におけるそれぞれの振動周期 T

F

に対し,十分に堅固でなければならない。


14

B 7739

:2011

機枠の剛性 S

F

は,式(6)を満足しなければならない。

2

F

F

2

F

π

4

T

m

 (6)

ここで,式(6)は,望ましい質量比として,m

F

/m

P, max 

=40 を採用し,式(5)を用いて整理すると,式(6)

は次のようになる。

2

P

max

P,

4

F

10

7

.

7

T

m

S

×

×

 (7)

ここに,

S

F

機枠の剛性(N/m)

m

P, max

振り子の最大質量(kg)

T

P

振り子の振動周期(s)

注記 3  機枠の剛性 S

F

は,例えば,機枠の打撃方向に働く既知の水平力 F

F

S

F

F

F

 /s)によって生じ

る変位 から求めてもよい(

図 D.3 参照)。機枠の振動周期 T

F

  は,打撃方向に働く力積によ

って生じる共振振動から推測するか,又は適切な記録装置を用いて測定してもよい。

5.4 

軸受 

振り子の軸受における軸方向の遊びは,0.25 mm を超えてはならない。また,半径方向の遊びは,0.05 mm

を超えてはならない(

表 参照)。

半径方向の遊びは,例えば,回転軸の軸受の動きを測定するために,軸受近傍の機枠部位にダイヤルゲ

ージを装着し,振り子にその回転平面に対して直角に力を加え,ダイヤルゲージの目盛を読み取る。この

直角方向の力は,使用する最大質量の振り子の重さと同じとすることが望ましい。

5.5 

エネルギー指示計 

5.5.1 

スケールの種類 

試験機には,振り上がり角度 α

R

図 1 b)参照]又は衝撃エネルギーのいずれかで目盛を付けてもよい。

式(8)は,この両者の関係式を示す。

WM

H

 (cos α

R

−cos α

0

) (8)

ここに,

W: 衝撃エネルギー(J)

M

H

振り子の水平位置にあるモーメント(N・m)

α

0

持上げ角度(°)

α

R

振り上がり角度(°)

注記  スケールには,吸収エネルギーのジュール及び角度の目盛の両方を付けるのが望ましい。また,

試験機の据付け,校正及び摩擦損失の測定は,持上げ角度を変えて行うのが望ましい。

5.5.2 

スケールの分解能 

衝撃エネルギーのスケールの分解能 Δは,アナログ又はデジタルのいずれでもよいが,式(9)で示す

振り上がり角度 α

R

の分解能 Δα

R

に相当し,位置エネルギーの少なくとも 1/400 とする。

(

)

(

)

R

0

R

sin

400

π

cos

1

180

α

α

α

=

Δ

 (9)

注記  例えば,持上げ角度 α

0

=150°の場合には,α

R

=90°近傍での最も重要な範囲では Δα

R

=0.26°

となる。その Δ及び Δα

R

の分解能には,指針の視差及び厚さによる読みの不確かさ,並びに

デジタル表示器の変動を含む。

5.5.3 

振り上がり角度目盛及び振り上がりエネルギー目盛の校正 

目盛板の約 10 %,20 %,30 %,50 %及び 70 %に該当する目盛の範囲で,5.5.2 に示す精度で,次のよう

に振り上がり角度を測定して検査を行う。


15

B 7739

:2011

a)

試験機を試験片なしで通常どおりに動作させ,振り子を空振りさせる。空振りによって衝撃エネルギ

ーが発生しないときの指針が示す値(W

S,1

)を読み取り,記録する。記録した値は,振り子の位置エ

ネルギーに対して±2.5 %を超えてはならない。

b)

空振り時に指針が示した値(W

S,1

)に振り子を支持して,この時の振り子の振り上がり角度 α

R,1

を測

定する。

c)

上記の校正を行う目盛値を示した指針に合わせて振り子を支持して,それぞれの振り上がり角度 α

R,I

を測定する。

d)

吸収エネルギーW

I

は,式(10)を用いて算出する。

W

I

M

H

 (cos α

R,I

−cos α

R,1

)  (10)

注記  L

I

及び F

H

5.2.3 参照)

,並びに α

R,1

及び α

R,I

が許容範囲内で測定すれば,W

I

の測定精度は各

レンジの約 0.3 %となる。

e)

さらに,a)d)の手順を 2 回繰り返す。

f)

3 回の測定による平均値を算出する。個々の値とそれらの平均値との差は,指示値に相当するエネル

ギーの 1 %又は校正レンジの 1 %の大きいほうの値を超えてはならない。

5.6 

摩擦損失 

5.6.1 

損失の種類 

エネルギーは,指針(備えている場合)又は電子式角度変位変換器による摩擦,空気抵抗による摩擦及

び振り子の軸受の摩擦によって吸収される。

5.6.2 

指針の摩擦損失の求め方 

試験機に指針を備えている場合は,指針の摩擦損失 W

f,P

は,次の手順に従って求める。

a)

試験片なしで,試験機を通常どおりに作動させ,最初の W

f,1

を読み取る。

b)

指針は,そのままの状態で最初の位置から振り子を再度解放し,2 回目の W

f,2

を読み取る。

c)

さらに,a)及び b)の手順を 2 回繰り返す。

d)  3

回の測定における W

f,1

と W

f,2

との平均値を算出する。

e)

振り子の 1 回の運動時における指針の摩擦損失 W

f,P

は,最初の読み W

f,1

の平均値から 2 回目の読み

W

f,2

の平均値を減じることによって算出する。

W

f,P

W

f,1

W

f,2

(11)

5.6.3 

空気抵抗及び振り子の軸受摩擦による損失の求め方 

空気抵抗及び振り子の軸受摩擦による損失は,次の手順に従って求める。

a)

試験機に指針を備えている場合には,5.6.2 に示す手順に従って試験機を作動させ,W

f,2

を読み取る。

振り子は,自由振動を続けるようにする。W

f,2

の測定後,前方向の振れが 10 回目に入るときに,指針

をスケールに沿って 2,3 目盛戻して位置決めをし,W

f,3

を読み取り記録する。

b)

さらに,a)の手順を 2 回繰り返す。

c)

3 回の測定における W

f,2

と W

f,3

との平均値を算出する。

d)

振り子の 1 回の運動時における空気抵抗及び振り子の軸受摩擦によるエネルギー損失 W

f,AB

は,式(12)

を用いて算出する。

20

f,2

f,3

AB

f,

W

W

W

=

 (12)

注記  電子式角度変位変換器は,振り子の運動を測定するために多く採用されているが,これらの

変換器には,無摩擦の光電子式変換器,又は摩擦損失が W

f,AB

の中に含まれるものがある。


16

B 7739

:2011

5.6.4 

摩擦による全損失エネルギーの計算 

摩擦による全損失エネルギーは,式(13)を用いて算出する。

(

)

+

+

=

P

f,

AB

f,

0

R

AB

f,

f

2

2

1

W

W

α

α

W

W

 (13)

5.6.5 

摩擦による最大許容損失 

振り子の 1 回の運動時における全摩擦損失は,

表 に示す許容値を超えてはならない。式(13)から算出

した全損失エネルギーW

f

 は,W

f

  が位置エネルギーの 0.5 %を超える場合,例えば,位置エネルギーが 4 J

以下の振り子の場合は,試験片を設置し,測定した衝撃エネルギーから減じる必要がある(

表 参照)。

5.7 

試験片支持台,つかみ具及びクロスヘッド 

5.7.1 

シャルピー衝撃試験機の支持台 

シャルピー衝撃試験機の試験片支持台は,次の全ての要件に適合しなければならない(

図 参照)。

5.7.1.1 

支持台の配置 

試験片支持台は,振り子の回転平面の各側に位置し,互いに直角な 2 面から構成し,振り子の回転平面

に対して直角でなければならない。通常は,2 面のうちの 1 面は,試験片を支持し,他の面は試験片の打

撃からの反力を吸収する。2 個の支持台のそれぞれの表面は,同一平面上でなければならない。

試験片のばりを避けるために,例えば,試験片を支持する二つの面の接合部には,0.5 mm 以下の逃げを

設ける。

5.7.1.2 

支持台の条件 

支持台は,(80 mm±2 mm)×(10 mm±0.2 mm)×(4 mm±0.2 mm)の寸法の試験片を用いるとき,次の要件

に適合しなければならない。

a)

長軸は,試験機の基準面に対して±4/1 000 の平行性を必要とする。

b)

表面は,試験片の対応面に対して±4/1 000 の平行性を必要とする。

c)

振り子の衝撃刃縁が試験片と接触しているとき,その衝撃刃縁と試験片の表面は,衝撃刃縁の全長に

わたって±0.025 mm で一致し,接触線は,試験片の長軸に対して±2°の誤差で垂直とする。

注記  検査方法の一例は,次による。試験片を薄い紙できつく包み(例えば,粘着テープを使って)

支持台に置く。同様に,衝撃刃縁をカーボン紙できつく包む。ただし,カーボン面を外側に

する(すなわち,ハンマ面と向き合わせない。

。平衡の位置から,振り子を 2°∼3°持ち上

げて,解放し,試験片に接触させる。ただし,2 回目は接触しないようにする。試験片に付

いたカーボン紙によるマークは,試験片の全幅にわたるのが望ましい。この測定は,ハンマ

と試験片との間の接触角を検査するために同時に行ってもよい(5.8.1 参照)

5.7.1.3 

支持台の表面間の角度 

支持台の表面間の角度を箇条 で規定する測定機器で検査するとき,各支持台の 2 表面間の角度は 90°

±0.1°でなければならない。

5.7.1.4 

支持台間の距離 

支持台間の距離は,変化させてもよい(JIS K 7111-1 参照)

5.7.1.5 

支持台のすくい角 

支持台のすくい角は,箇条 で規定する測定機器によって検査し,5°±1°でなければならない(

図 

参照)

5.7.1.6 

支持台の逃げ角 

支持台の逃げ角は,箇条 で規定する測定機器によって検査し,10°±1°でなければならない(

図 2


17

B 7739

:2011

参照)

5.7.1.7 

支持台の曲率半径 

支持台の曲率半径は,箇条 で規定する測定機器によって検査し,1 mm±0.1 mm でなければならない。

5.7.1.8 

ノッチの位置 

試験片を設置する場合は,そのノッチ対称面は試験片支持台間の中央から±0.5 mm に入るようにする。

注記  支持台間の距離及び衝撃刃縁のアライメントを検査するために使用する測定機器については,

附属書 及び附属書 JB による。

5.7.2 

アイゾット試験機用固定台 

アイゾット試験機の固定台は,次の全ての要件に適合しなければならない(

図 参照)。

5.7.2.1 

試験片用位置決め溝 

固定部における試験片用位置決め溝(備えている場合)は,箇条 で規定する測定機器によって検査し,

表 に規定する寸法条件に適合しなければならない。

位置決め溝は,曲げが起こる面で試験片を十分に支持できるものでなければならない。

曲げが起こる固定部側上面の縁には,半径 0.2 mm±0.1 mm の丸みを設けなければならない。

5.7.2.2 

試験片及びハンマの位置 

固定台を機枠に堅固に固定し,5.7.1.2 に規定する寸法の試験片を固定支持したとき,次の要件に適合し

なければならない。

a) 

固定部の上面は,試験機の基準面に対して±3/1 000 で平行でなければならない。

b) 

試験片の縦軸は,固定部の上面に対して±0.5°で垂直でなければならない。

c) 

ハンマに面するノッチは,振り子の回転平面に垂直であり,かつ,ノッチの対称面は,固定部の上面

と一致し,両者ともに±0.1 mm でなければならない。

d) 

衝撃刃縁が試験片に接触するとき,試験片の両面にわたって十分な幅をもつ衝撃刃縁は,試験片の長

軸に対して±2°で垂直であり,かつ,試験片の全幅にわたる試験片面に対して,0.025 mm(=0.36°)

以下で平行でなければならない。

5.7.2.3 

固定台の表面 

所定の位置に支持された試験片の固定台表面は,水平方向及び垂直方向に±4/1 000 で平行でなければな

らない。

5.7.3 

引張衝撃試験用つかみ具 

5.7.3.1 

一般 

1 形,2 形,3 形及び 4 形試験片(JIS K 7160 の表 及び図 参照)用つかみ具のつかみ面は,打撃時に

滑らないようにしなければならない。これは,機枠又はハンマに取り付けたつかみ具に適用する。同様に,

クロスヘッドのつかみ具に対しても適用する。つかみ具は,試験片が破損することのないように設計しな

ければならない。

つかみ具は,やすりのような刻み目があってもよく,刻み目のサイズは,試験片材料の硬さ・じん(靱)

性及び試験片の厚さに合ったものを経験的に選べばよい。試験領域側つかみ具の先端は,最初の部分に丸

みをつけるようにする。

5.7.3.2 

特殊つかみ具 

5 形試験片(JIS K 7160 の表 及び図 参照)の場合には,埋込みだけで保持するので,異なる高さを

もつ切欠き付きつかみ具が必要である。試験のために選択するつかみ具は,試験片の厚さより大きいが,

その厚さの 120 %以下の高さをもつものとする。


18

B 7739

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5.7.3.3 

アライメント 

試験片は,つかみ具に固定したとき,振り子の回転平面の±0.5 mm に位置しなければならない。

5.7.4 

引張衝撃試験用クロスヘッド 

5.7.4.1 

クロスヘッドの質量 

クロスヘッドは,使用する振り子のエネルギーに依存するため,異なる質量のものを使用しなければな

らない。クロスヘッドの質量は,重さを測定し,JIS K 7160 

表 に示す規定値に適合しなければならな

い。

注記  金属製クロスヘッド上で金属製ハンマの打撃による跳ね上がりを減らすために,クロスヘッド

には,本来非弾性的衝撃を与える材料を使うことが望ましい。延性アルミニウムがよいことが

分かっている。

5.7.4.2 

クロスヘッドのアライメント 

打撃面は,試験片をつかみ具に固定後,次の要件に適合しなければならない。

a) 

クロスヘッドの打撃面は,振り子の回転軸に対して 2/100 以内で,同一平面上にあり,平行でなけれ

ばならない。

b) 

打撃面の中心は,振り子の回転平面の±0.5 mm 以内に位置していなければならない。

5.8 

ハンマ 

5.8.1 

シャルピー衝撃試験機のハンマ

振り子の衝撃刃縁は,開先角度が 30°±1°のテーパ付きの焼入れ鋼であり,半径 R

1

は 2 mm±0.5 mm

の円筒面としなければならない。これらの寸法は,ゲージ(

附属書 参照)を用いて検査する。衝撃刃縁

は,試験片支持台間の中間を±2 mm で通り,それが長方形試験片の全幅又は厚さにわたり接触するよう

にしなければならない。接触線は,試験片の縦軸に垂直に±2°とする[

図 及び 5.7.1.2 c)の注記参照]。

支持台とハンマとの間のクリアランス又は支持台間を通る振り子は,破壊した試験片によって試験機に

与える妨害が最小限となるように,例えば,試験片が振り子に跳ね返らないように,十分に調整しなけれ

ばならない。支持台に突き当てを置き,試験片の位置決めをする場合には,試験中の試験片の動きを妨げ

るようなものであってはならない。

5.8.2 

アイゾット試験機用ハンマ

振り子の衝撃刃縁は,焼入れ鋼であり,その軸に水平で,かつ,振り子の回転平面に垂直な曲率半径 R

1

は 0.8 mm±0.2 mm の円筒面でなければならない。その衝撃刃縁は,長方形試験片の全幅又は厚さにわた

って接触するようにしなければならない。その接触線は,試験片の縦軸に垂直に±2°の誤差とし,試験片

固定台の上面から 22 mm±0.2 mm 上方とする(

図 参照)。

5.8.3 

引張衝撃試験機用ハンマ(JIS K 7160 参照) 

5.8.3.1 A

法のハンマ

A 法のハンマは鋼製とする。その 2 面は,±4/1 000 で同一平面上にあり,振り子の回転軸に対して

±5/1 000 で平行でなければならない。(80 mm±2 mm)×(10 mm±0.2 mm)×(4 mm±0.2 mm)の大きさの試

験片を用いる場合は,クロスヘッド(5.7.4.2 参照)及びハンマの接触面の中心は,振り子の回転平面の

±2°及び±0.5 mm で水平に位置しなければならない。

5.8.3.2 B

法のハンマ

B 法のハンマは鋼製とし,試験片を確実につかむことができるように設計する(5.7.3.1 参照)。つかみ具

に装着した試験片を,振り子の回転平面において±0.5 mm に位置していなければならない。長方形の標準

試験片を装着したクロスヘッドの接触面は,同一平面上で,振り子の回転軸に対して±5/1 000 でなければ


19

B 7739

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ならない。

この検査のためには,基準試験片(例えば,ステンレス鋼製)を用い,その縦軸が振り子の回転平面に

対して±4/1 000 で平行になるように,ハンマのつかみ具に固定しなければならない。 

検証周期 

全ての衝撃試験機は,その設計並びにその使用の目的及び頻度によって,適切な周期で検証しなければ

ならない。

注記 1  試験機を良好に,かつ,適正条件下で使用するためには,2 年周期で検証することが望まし

い。

注記 2  注記 で示した周期で検証を行うまでの間に,試験機を良好に,かつ,適正条件下で使用す

るためには,部分的な検証を 1 年周期で行うことが望ましい。

試験機を新しい場所に移動したり,大きな修理・調整を行ったりしたとき,又は試験結果の精度に疑問

がある場合には再検証をしなければならない。完全又は部分的な検証を行うかについては,使用者の責任

において決定する。

部分的検証は,5.25.45.6 及び 5.8 による。

検証報告 

全ての検証の終了後,報告書を発行する。報告書に記載する事項は,次による。

a)

検証機関の名称及び住所

b)

使用者の名称及び住所

c)

次の関連項目を含む試験機の識別

1)

製造業者名

2)

種類又は形式

3)

製造番号

4)

試験の種類

5)

各振り子の位置エネルギーの公称値

d)

試験機の検証場所

e)

検証日

f)

規格番号

g)

修理及び調整を行った詳細事項

h)

摩擦損失 W

f,1

W

f,2

及び W

f,3

の平均値(5.6 参照)

i)

箇条 の要件に対する適合性又はその他に関する記述

j)

報告書の日付

k)

その他の事項として,報告書番号,次回の検証に関する推奨期日及び完全又は部分検証の別


20

B 7739

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附属書 A

(参考)

振り子の各長さ間の関係

振り子長さ L

P

,重心長さ L

M

及び回転長さ L

G

3.53.7 参照)は,回転軸からの距離である。

振り子長さ L

P

は,振り子の振動周期 T

P

を測定することによって求める。

回転長さ L

G

は,直接測定するのではなく,式(A.1)を用いて求める。

P

G

m

J

L

=

(A.1)

ここに,

m

P

振り子の質量(kg)

J: 振り子の慣性モーメント(kg・m

2

dm

r

J

m

=

P

0

2

(A.2)

ここに,

r: 回転軸からの距離(m)

重心長さ L

M

は,回転軸に関し,振り子を水平位置に支持するのに必要な水平位置モーメント M

H

(単位,

N・m)を測定して求める。M

H

は,式(A.3)で表すことができる。

×

=

P

0

H

m

rdm

M

g

(A.3)

ここに,

g: 重力加速度(m/s

2

重心長さ L

M

は,

=

P

0

P

M

1

m

rdm

m

L

(A.4)

で表すことができるので,式(A.3)を用いて式(A.5)を得る。

P

H

M

m

M

L

g

=

(A.5)

振り子長さ L

P

は,式(1)の代わりに,式(A.6)によって表すことができる。

M

P

P

L

m

J

L

=

(A.6)

回転長さ L

G

は,式(A.1)に式(A.6)を代入すると,重心長さ L

M

と振り子長さ L

P

との幾何平均として次の

ように表すことができる。

M

P

G

L

L

L

=

M

2
G

P

L

L

L

=

(A.7)

なお,L

M

L

G

及び L

P

との間には,次のような関係がある。

L

M

L

G

L

P

(A.8)

ここで,等号は数学上の振り子の場合である。落下高さ H

M

は,持上げ角度を α

0

とすると[

図 1 b)参照],


21

B 7739

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H

M

L

M

 (1−cos  α

0

)で表すことができるので,位置エネルギーEH

M

×m

P

×は,L

M

及び α

0

を用いて計算

することができる。さらに,式(A.5)を代入し,式(3)を得る。


22

B 7739

:2011

附属書 B

(参考)

機枠と振り子との質量比

打撃中機枠に移行するエネルギーW

F

の最大値は,弾性的に設置された機枠が打撃中自由に移動すること

ができると仮定して評価することができる。打撃の周期は,機枠の振動周期 T

F

と比較して短い。

破壊した試験片の運動量を無視すると,運動量保存の原理から式(B.1)が成り立つ。

(

)

A

I

P

F

F

v

v

m

v

m

=

(B.1)

ここに,

m

F

機枠の質量(kg)

m

P

振り子の質量(kg)

v

F

打撃後機枠の最大速度(m/s)

v

I

衝撃速度(m/s)

v

A

打撃後振り子の速度(m/s)

式(B.1)を二乗し,位置エネルギーを代入すると,

2

2

I

P

v

m

E

=

となり,また機枠のエネルギー捕捉量

2

2

I

F

F

v

m

W

=

によって,式(B.2)が成り立つ。

E

W

v

v

m

m

2

F

I

A

P

F

1

⎟⎟

⎜⎜

=

(B.2)

エネルギー保存の原理から,式(B.3)が与えられ

F

2

A

P

2

W

W

v

m

E

+

+

=

(B.3)

これを再整理すると,次のようになる。

(

)

E

W

W

v

v

F

I

A

1

+

=

(B.4)

ここに,

W: 衝撃エネルギー

式(B.4)を式(B.2)に代入することで得られる機枠と振り子との質量比は,相対的な試験片の衝撃エネルギ

ー及び相対的な機枠の捕捉エネルギーの条件で表される。

(

)

F

2

F

P

F

1

1

W

E

E

W

W

m

m

×

+

=

(B.5)

機枠によって吸収されるエネルギー,すなわち,摩擦損失は,の 0.5 %を上回ってはならない(

表 2

参照)

W

F

/E=0.005 及び 0.01 の場合,すなわち の 0.5 %及び 1 %の機枠の捕捉エネルギーに対する質量

比 m

F

 / m

P

を,

図 B.1 に示す(表 参照)。


23

B 7739

:2011

図 B.1−二つの相対的な機枠の捕捉エネルギーW

F

 /による相対的な試験片の捕捉エネルギーW/

に対する,機枠と振り子との質量比の関係 


24

B 7739

:2011

附属書 C 
(参考)

打撃下における振り子の減速

打撃直後における打撃点長さでの振り子の接線速度 v

A

は,式(B.4)の W

F

を省略すると,次のように表す

ことができる。

E

W

v

v

=

1

I

A

(C.1)

ここに,

v

I

衝撃速度(m/s)

W: 衝撃エネルギー(J)

E: 振り子の位置エネルギー(J)

図 C.1 は,使用する各種の振り子の打撃後の速度 v

A

について,衝撃エネルギー,衝撃強さ及びノッチ衝

撃強さ(シャルピー衝撃試験 JIS K 7111-1 

表 の JIS K 7111-1/1eU,及び JIS K 7111-1/1eA)の関数とし

てプロットした結果を示す。

打撃後の速度は,個々の振り子で衝撃試験結果として有効な衝撃エネルギー範囲である位置エネルギー

の 10 %∼80 %の範囲を表示した(引張衝撃試験は 20 %∼80 %の範囲,JIS K 7160 参照)。

その上で,上記の位置エネルギー範囲内で,常に最大の位置エネルギーとなる振り子を選択し,使用す

る。

上記に適合する条件は,

図 C.1 において太い線で表示している。その結果,シャルピー衝撃試験で生じ

る速度範囲は,著しく縮小されている。試験片に打撃を与えて仕事が行われた結果,実際には,衝撃速度

は,5 %∼10 %に減速される。

この条件は,異なる位置エネルギーの振り子を使用しても,それらの衝撃試験は,ほぼ同じ衝撃速度で

実施できることを示している。


25

B 7739

:2011

図 C.1−シャルピー衝撃試験における振り子の打撃後速度と 

衝撃エネルギー,衝撃強さ及びノッチ衝撃強さとの関係 


26

B 7739

:2011

附属書 D 
(参考)

振り子と機枠の移動とに関する相互関係

D.1 

一般

振り子が移動すると機枠に力を及ぼす。有限の質量と剛性とをもつ機枠は,位置エネルギー及び運動エ

ネルギーを含む強制振動の形でこれらの力に作用する。したがって,振り子のエネルギー損失は,単に衝

撃試験及びそれに付随する摩擦損失だけに帰することができず,さらに,誤差として,機枠に移行したエ

ネルギーが含まれる。機枠及び振り子の質量並びに機枠の剛性に影響され,共振現象が発生し,機枠に吸

収されるエネルギーが増大する。振り子衝撃試験機を設計する場合には,上記の誤差が試験機の使用範囲

内で許容限度に入るようにしなければならない。機枠及び振り子の移動に関する数値解析を基にして試験

機を設計する場合に,この附属書を利用することを推奨する。

図 D.1 は,試験機の解析モデルを示す。これは,機枠が水平方向にだけ移動すると仮定している。この

図に示すように,水平方向の剛性 S

F

だけを考慮する。

図 D.2 は,無次元化した時間 t / T

P

に対する無次元化した水平力 f

h

(=F

h

/G

P

(実線)と振り子の角度(波

線)との関係を示す。ここで,T

P

は振り子の振動周期であり,G

P

は振り子の有効重さである。T  /  T

P

は α

=180°で無限大になるので,時間スケールは α=0°を中心に位置させる。

一点鎖線は,それぞれ異なる持上げ角度 α

0

における振動周期の 1/4 を示す点である。振動周期は,持上

げ角度の増大に伴って,大きくなることが分かる。α=0°近傍だけが持上げ角度に無関係な振動周期であ

り,T

P

 /4 の限界に近づく傾向がある。

ここで,重要なことは,水平力 f

h

が 2 倍のパルスになることであり,そのピークは,α

0

=180°で Δt / T

P

=0.16 の無次元化相対時間区間をもつ。これは,振幅限度が小さい場合の時間区間の約 1/3 (Δt / T

P

=0.5)

である。水平力のピークの位置は,α

0

=180°から下方 α

0

=90°に至るまでほとんど一定であることが

D.2

から分かる。

したがって,試験機の種類に関係なく,その振動周期が小さい振幅時で振り子の約 1/3 であれば,機枠

は強く振動すると予想することができる。

完全な振り子の場合には,上記の条件は,振り子と機枠との振動周期比を用いて調べることができる。

この振動周期比は,式(D.1)のようになる。

(

)

0

F

2

I

F

P

cos

1

2

α

μE

S

v

T

T

=

g

(D.1)

ここに,

T

P

振り子の振動周期(s)

T

F

機枠の振動周期(s)

v

I

衝撃速度(m/s)

μ (=m

F

/m

P 

): 機枠と振り子との質量比

S

F

機枠及び基礎台に関する水平方向の剛性

図 D.1 参照)

(N/m)

E: 振り子の位置エネルギー(J)

α

0

持上げ角度(°)

g: 重力加速度(m/s

2


27

B 7739

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図 D.1−機枠移動の解析モデル 


28

B 7739

:2011

図 D.2−持上げ角度 α

0

を引数とする無次元化水平力 f

h

 (

F

h

/G

P

)

(実線)及び 

振り子の角度 α(破線)と無次元化時間 /T

P

との関係 

S

F

を測定するための実験例は,

図 D.3 に示す。

T

P

 / T

F

=3 の場合は,機枠の横振動は,振り子の振動と共振する。この共振を消去することが必要となる

が,難しい。試験機の設置には,二つの限界が考えられる。

第一に,摩擦のない,水平方向に自由に移動できる機枠,すなわち,剛性のきわめて低い機枠であり,

その場合には,T

F

T

P

である。第二に,剛性がきわめて高い弾性的設置条件による機枠,その場合には,

T

F

T

P

である。


29

B 7739

:2011

  剛性(S

F

)は,S

F

s

F

F

で示す。

図 D.3−基礎台の剛性 S

F

(レベルねじ,ゴム足)の測定例 

D.2 

ケース 1:自由に移動する機枠 

図 D.4 は,半回転中の質量比 μ=4 の場合の機枠及び振り子の相対位置の例を示す。機枠の振幅は,s

±L

M

 / 4 で示される。

機枠が動くために,衝撃速度は一定でなく,次の式によって変化する。

μ

v

v

1

1

I

I,1

+

=

(D.2)

ここに,

v

I,1

基礎台の衝撃速度(m/s)

v

I

十分に堅い基礎台の衝撃速度(m/s)

μ 

(=m

F

 

m

P

): 振り子の質量に対する機枠の質量の比

v

I

が多くとも±10 %の許容誤差では,式(D.2)は最小値の質量比 μ≧10 を得る。しかし,これは,5.3.3 

の規定条件において既に示している(

附属書 参照)。


30

B 7739

:2011

図 D.4−振り子の移動及び質量比 μ (m

F 

m

P

 )とする自由に移動できる機枠 

D.3 

ケース 2:弾性的設置条件による機枠 

振動する振り子によって加振された弾性的設置条件における機枠では,2 個の振り子が連結されたこと

になり,振り子を,非線形を示す振動子と考えることができる。その機枠に作用する 2 個の水平パルス(

D.2

参照)によって発生する複雑な共振現象は,

図 D.5 に示すとおりである。この図は,振動周期比 T

F

 / T

P

の関数として,最初の最大振り上がり時におけるエネルギー捕捉量 W

F

 / を 1 %に押さえるのに必要な質

量比 μ を示す。

試験機の設置条件における結果は,次による。

図 D.5 において,右側の緩やかに傾斜する曲線は,T

F

T

P

とする自由に移動できる機枠の適用範囲の下

限を示す。質量比 μ=10 で,かつ,持上げ角度 α

0

=120°の場合には,機枠の振動周期 T

F

は,W

F

 / が E

の 1 %以下に留まるためには,少なくとも振り子の周期 T

P

の 3.3 倍とする。

図 D.5 において,左側の急速に傾斜する曲線は,T

F

T

P

の場合の弾性的設置条件による機枠の適用範囲

の上限を示す。試験機の最終的な設置に対して,適正な上限は,次のように定義する。


31

B 7739

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15

.

0

P

F

T

T

(D.3)

最終的に,振り子形衝撃試験機を弾性的に設置する場合には,次の二つの項目を考慮する必要がある。

a)

振動周期は,式(D.3)による。

b)

質量比は,μ≧40 とする(

附属書 参照)。

しかし,基礎台の剛性が変わらなければ,一般には質量比を増加すると T

F 

T

P

は減少する。

図 D.5−異なる持上げ角度をもつ振り子の最初の最大振り上がり時における,相対的な機枠の捕捉 

エネルギーW

F

/E

1 %時の機枠と振り子との質量比 μ 及び機枠と振り子との振動周期の関係 


32

B 7739

:2011

附属書 E

(参考)

シャルピー衝撃試験機の検証用ゲージプレート

シャルピー衝撃用振り子の検証用ゲージプレートの形状・寸法及び使用方法の一例を,

図 E.1∼図 E.3

に示す。

材料は,耐腐食性材料又はステンレス鋼(例えば,SUS316,SUS304,SUS410)とする。

単位  mm

図 E.1−ゲージプレートの形状・寸法 


33

B 7739

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a) 

誤差は,ゲージプレートを上下入れ替えて検出する。 

b) 

誤差は,ゲージプレート・エッジに接触している衝撃刃縁の結果によって確認してよい。 

図 E.2−図 E.1 のゲージプレートの使用例− 

振り子の回転平面が試験片の縦軸に直角でない場合(図の右側) 


34

B 7739

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a) 

誤差は,ゲージプレートの縁に接触していることを衝撃刃縁の結果として確認してもよい。 

b) 

誤差は,ゲージプレートの凹部底に届いていないことを衝撃刃縁の結果として確認してよい。 

図 E.3−図 E.1 のゲージプレート使用例− 

衝撃刃縁の対称面と振り子の回転平面とが一致しない場合(図の右側) 


35

B 7739

:2011

附属書 JA

(規定)

振り子形接着強さ衝撃試験機の検証方法

JA.1 

適用範囲 

この附属書は,接着剤の衝撃接着強さの測定に用いる振り子形衝撃試験機(以下,試験機という。

)の検

証方法について規定する。

なお,この附属書に規定されていない事項については,本体の規定による。

JA.2 

引用規格 

引用規格は,箇条 による。

JA.3 

用語及び定義 

この附属書で用いる用語及び定義は,箇条 による。

JA.4 

試験機の性能 

JA.4.1 

基本性能 

基本性能は,

表 JA.1 による。

表 JA.1−試験機の基本性能 

位置エネルギー

J

衝撃速度

m/s

衝撃速度の許容差

%

2.75

11

30 
90

3.5

±10

注記  試験機は,通常位置エネルギーの 70 %以下の衝撃エネルギーで使用する。

JA.4.2 

試験機の構成要素 

試験機は,機枠,試験片支持台(以下,支持台という。

,振り子,振り子支持装置及び衝撃エネルギー

に関する指示装置で構成する(

図 JA.1 参照)。

JA.4.3 

機枠 

機枠は,次による。

a)

機枠は,十分な剛性をもち,振り子の軸受,振り子を持上げ位置に支持する装置及び支持台を取り付

けることができるもので,かつ,基礎台に強固に固定できる堅固な構造でなければならない。

b)

機枠には,設置基準面を設けることが望ましい。

JA.4.4 

支持台 

支持台は,次による(

図 JA.2 参照)。

a)

支持台は,機枠に強固に取り付けられる構造でなければならない。


36

B 7739

:2011

b)

支持台の試験片に接する面の表面粗さは,JIS B 0601 に規定する Rz 3.2 とし,HV 595±90 の硬さをも

っていなければならない。

c)

支持台の試験片を締め付ける面は互いに平行であり,かつ,ハンマの回転面に垂直でなければならな

い。また,固定部及び可動部の試験片に接する面に直角な上面は,同一平面にあり,かつ,ハンマの

回転軸に平行でなければならない。

d)

試験片を締め付ける面は,幅 25.2 mm±0.1 mm,長さ 19 mm±0.1 mm の大きさをもつものとする。

e)

試験片を置く面は,固定部の試験片を締め付ける面と一体であり,かつ,直角であるものとする。ま

た,可動部は,試験片を置く面上を滑らかに移動できるものとする。

f)

支持台の可動部は,締付け力調節機構をもつことが望ましい。

JA.4.5 

振り子 

振り子は,次による。

a)

振り子は,その運動の最低位置で試験片に打撃を加えて,試験片を 1 回の打撃で破断するのに十分な

能力及び剛性をもち,振り子を空振りさせたときに生じるエネルギー損失が小さいものでなければな

らない。

b)

振り子は,その一端に回転軸を,他端にハンマをもち,回転軸の両端は摩擦係数が小さい軸受で機枠

に支持される構造であって,回転軸と設置基準面との平行性は,0.05 mm とする。また,回転軸の軸

方向の遊びは 0.1 mm 以下,半径方向の遊びは 0.03 mm 以下とする。

c)

振り子は,振り子の持上げ角度,振り上がり角度を指示する機構を備えていなければならない。

d)

振り子の打撃長さと振り子長さとの食い違いは,振り子の打撃長さの±1 %とする。

e)

刃縁部分は,HV595±90 の硬さをもち,打撃時にも振り子に緊密に結合していなければならない。


37

B 7739

:2011

単位  mm

図 JA.1−接着せん断衝撃試験機の例 


38

B 7739

:2011

単位  mm

図 JA.2−接着せん断衝撃試験機の試験片支持台 

JA.4.6 

ハンマ 

ハンマは,次による。

a)

ハンマは,幅 25 mm,長さ 11 mm 以上の平面をもつものとする。

b)

振り子の重心及び打撃中心を通る直線は,回転軸と直交し,かつ,ハンマの回転面に一致するものと

する。

c)

ハンマ平面は,振り子の運動平面と直交するものとする。

d)

ハンマの下面が運動方向となす角度は,約 10°とする(

図 JA.1 参照)。

e)

振り子の打撃点は,試験片に接触する面の中点とする。

JA.4.7 

振り子支持装置 

振り子支持装置は,次による。

a)

振り子持上げ角度は,通常 150°とする。

b)

振り子支持装置は,振り子を持上げ位置に±0.1°の範囲で確実に保持でき,かつ,振り子を自由円滑

に解放できる構造であって,振り子解放後の運動に有害な影響を及ぼしてはならない。また,振り子

を解放するときに持上げ角度に生じる変化は,±0.1°とする。


39

B 7739

:2011

JA.4.8 

衝撃エネルギーに関する指示装置 

衝撃エネルギーに関する指示装置は,5.5 による。

JA.4.9 

振り子と支持台との位置関係 

振り子と支持台との位置関係は,次による。

a)

振り子のハンマ平面と重心とを結ぶ線は,試験片の厚さと同等の距離を置いて打撃を支える面と平行

であり,このとき支持台の試験片を置く面から衝撃子下端までの距離は,20.5 mm±0.2 mm とする。

また,指針は,目盛 0°を指示できるものとする。

b)

振り子の重心及び打撃中心を含む運動平面は,支持台の試験片を締め付ける面の中央を通るものとす

る。

JA.4.10 

エネルギー損失の許容値 

エネルギー損失の許容値は,

表 JA.2 による。

表 JA.2−エネルギー損失の許容値 

位置エネルギー

J

振り子だけの許容値

試験機の許容値

2.75

位置エネルギーの 0.75 %

11

位置エネルギーの 0.5 %

位置エネルギーの 2 %

30 
90

位置エネルギーの 0.3 %

位置エネルギーの 1 %

JA.5 

試験機の検証 

JA.5.1 

一般 

試験機の検証は,基本的性能,構成,機能及び構造について行い,箇条 及び箇条 の規定に適合しな

ければならない。

JA.5.2 

測定機器 

測定機器は,箇条 による。それ以外は,次による。

a)

硬さ試験機は,JIS B 7725 に規定したものとする。

b)

ダイヤルゲージは,JIS B 7503 に規定したものとする。

c)

デプスゲージは,JIS B 7518 に規定したものとする。

d)

ハイトゲージは,JIS B 7517 に規定したものとする。

e)

精密平形水準器は,JIS B 7510 に規定したものとする。

f)

ゲージは,棒状のものを試験機の検証に用いる(

図 JA.3  参照)。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


40

B 7739

:2011

単位  mm

図 JA.3−棒状ゲージ 

JA.5.3 

試験機の衝撃検証 

試験機は,その位置エネルギーの約 90 %の衝撃エネルギーをもつことが明らかな試験片を用いて衝撃検

証を行い,正常に試験できることを確認した後,JA.5.4JA.5.8 に規定する検証を行う。

JA.5.4 

支持台の検証 

支持台の検証は,次による。

a)

支持台の表面粗さの検証は,JIS B 0659-1 に規定する標準片と比較して行うか,又は JIS B 0651 に規

定する測定機を用いて行う。

b)

支持台の試験片を載せる面と打撃を支える面との直角性及び試験片を締め付ける面の平行性の検証

は,棒状ゲージを用いて面の不一致の程度を調べる。

c)

試験片を締め付ける面の寸法の検証は,JIS B 7518 を用いて行う。

JA.5.5 

振り子の検証 

振り子の検証は,5.2.15.2.4 の手順による。

JA.5.6 

振り子と支持台との相互位置の検証 

振り子と支持台との相互位置の検証は,次による。

a)

振り子を自由懸垂したとき,試験片を置く面から振り子の下端までの距離の検証は,棒状ゲージを用

いて行う。

b)

試験片を締め付ける面とハンマ平面との平行性の検証は,棒状ゲージを用いて,面の不一致の程度を

調べる。

JA.5.7 

振り子支持装置の検証 

振り子の支持装置の検証は,5.4 による。

JA.5.8 

エネルギー損失の検証 

エネルギー損失の検証は,5.6 による。

JA.6 

検証報告 

検証報告は,箇条 による。


41

B 7739

:2011

附属書 JB

(参考)

形状検査用ゲージ

この附属書は,試験機の検証に用いるゲージについて記載する。

JB.1 

ゲージ 

ゲージは,次による。

a)  1

号棒状ゲージは,シャルピー衝撃試験機及びアイゾット衝撃試験機の支持台とハンマとの相互関係

の検査に用いる(

図 JB.1 参照)。

単位  mm

図 JB.1号棒状ゲージ 

幅 A mm

厚さ B mm

シャルピー衝撃試験機 1.0±0.2 4±0.2 
 10 又は 15±0.2 3±0.2 
アイゾット衝撃試験機 10±0.1 10±0.1 
 12.7±0.1 12.7±0.1


42

B 7739

:2011

b)  1

号板状ゲージは,打撃点における支持台とハンマとの位置関係の検査に用いる(

図 JB.2 参照)。

単位  mm

図 JB.2号板状ゲージ 

c)

2 号板状ゲージは,シャルピー衝撃試験機の支持台の逃げ角,支持台面の半径及びアイゾット衝撃試

験機の刃縁部分半径の検査に用いる(

図 JB.3 及び図 JB.4 参照)。

単位  mm

図 JB.3号板状ゲージ 


43

B 7739

:2011

図 JB.4号板状ゲージ刻印図 

d)  3

号板状ゲージは,シャルピー衝撃試験機ハンマの刃縁部分丸み及び縁刃の角度検査に用いる(

図 JB.5

及び

図 JB.6 参照)。

図 JB.5号板状ゲージ 

図 JB.6号板状ゲージ刻印図 


44

B 7739

:2011

JB.2 

ゲージを用いた検査 

JB.2.1 

支持台の検査 

支持台の検査は,次による。

a)

シャルピー衝撃試験機の支持台の検査。

1)

支持台の試験片を載せる面と打撃を支える支持台面との直角性の検査は,1 号棒状ゲージを用いて

面の不一致の程度を調べる。

2)

打撃を支える支持台の丸みの検査は,2 号板状ゲージを用いて行う。

3)

支持台における打撃方向の逃げ角の検査は,2 号板状ゲージを用いて行う。

4)

打撃を支える支持台間の最短距離の検査は,1 号板状ゲージを用いて行う。

b)

アイゾット衝撃試験機の支持台の試験片を締め付ける面及びこれと直角な上面の検査は,1 号棒状ゲ

ージを用いて面の不一致の程度を調べる。

JB.2.2  

ハンマ打撃刃縁の検査 

ハンマ打撃刃縁の検査は,次による。

a)

シャルピー衝撃試験機の刃縁部分の丸み及び刃縁に続くテーパの検査は,3 号板状ゲージを用いて行

う。

b)

アイゾット衝撃試験機のハンマ刃縁部分の丸みの検査は,2 号板状ゲージを用いて行う。

JB.2.3  

ハンマと支持台との相互位置の検査 

ハンマと支持台との相互位置の検査は,次による。

a)

シャルピー衝撃試験機におけるハンマと支持台との相互位置の検査は,次による。

1)

刃縁と支持台の打撃を支える支持台面との相互関係は,1 号棒状ゲージを用いて,その接触状態を

調べる。

2)

刃縁を含む運動平面と支持台の対称面との偏りの検査は,1 号板状ゲージを用いて行う。

b)

アイゾット衝撃試験機におけるハンマと支持台との相互位置の検査は,次による。

1)

支持台の上面から打撃点までの距離の検査は,1 号棒状ゲージを用いて行う。

2)

試験片を締め付ける面と刃縁との平行性の検査は,1 号棒状ゲージを用いて,その不一致の程度を

調べる。


附属書 JC

(参考)

JIS

と対応国際規格との対比表

JIS B 7739:2011

  非金属材料用振り子形衝撃試験機−試験機の検証

方法

ISO 13802:1999

,Plastics−Verification of pendulum impact-testing machines−Charpy, Izod and tensile

impact-testing

(I)JIS の規定 (III)国際規格の規

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の
箇条ごとの評価及びその内容

箇条番号及
び題名

内容

(II) 
国 際 規

格番号

箇 条
番号

内容

箇条ごと
の評価

技術的差異の内容

(V)JIS と国際規格との技術的差異の理由及び今後の対

1  適用範囲
 

振り子形衝撃試験 機の
検証方法について規定。

 1

JIS

に同じ

追加 
 

JIS

は接着せん断衝撃試

験の検証方法を追加。 

旧 JIS に接着せん断衝撃試験機の規定があって,他の

JIS

に引用されているため,旧規格と同様に残した。

将来,ISO 規格において整合化すると思われる。

2  引用規格

3  用語及び
定義 

3.16  振り上がり角度 
3.17  吸収エネルギー

追加

利便性のために追加した。 技術的差異はない。

4  測定機器

4

追加

硬さ試験機などを追加。

附属書 JA 追加による。技術的差異はない。

5  試験機の
検証 

5.2  振り子 
 
 
 
 
 
5.2.5  振り子形衝撃試
験機の種類 
 
5.3.1  構造 

 5.2.3

 
 
 
 
 
5.2.5
 
 
5.3.1

変更 
 
 
 
 
 
追加 
 
 
変更

・シャルピー衝撃試験の

衝撃速度の誤差は,ISO

規格では±10 %として
いるが,JIS では±5 %
とした。

・試験片支持台間距離と

して を定義した。

・機枠の重心高さを打撃

中心と同じ高さから,打

撃中心より低くすると
した。

プラスチックの規格 ISO 179-1 では同速度誤差が±5 %
と規定されている。 
 
 
 
 
支持台の内側間の距離と,試験片を支持している距離の
関係を明確にするための追加で,技術的な差異はない。 
 
ハンマ長さの違う(衝撃速度の違う)試験を一つの機枠
で行う装置において,それぞれの打撃中心が重心となる

機枠を製作することが困難なため,この場合,長いハン
マの打撃中心に合わせることとなり,短いハンマにとっ
ては打撃中心より低い位置となる。このような理由など

によって,打撃中心より低い位置とした。

45

B 773

9


20
1

1


(I)JIS の規定 (III)国際規格の規

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の
箇条ごとの評価及びその内容

箇条番号及

び題名

内容

(II) 
国 際 規
格番号

箇 条

番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

(V)JIS と国際規格との技術的差異の理由及び今後の対

附属書 JA

(規定)

追加

JIS は振り子形接着せん

断衝撃試験機の検証方
法を追加。

旧 JIS に接着せん断衝撃試験機の規定があって他の規

格に引用されているので,旧規格と同様に附属書とし
た。

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 13802:1999,MOD

注記 1  箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。

    −  追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
    −  変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。

注記 2  JIS と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。

    −  MOD……………  国際規格を修正している。

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