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B 7726

:2010

(1)

目  次

ページ

序文 

1

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  用語及び定義 

2

4

  一般条件

2

5

  直接検証

2

5.1

  概要

2

5.2

  試験力の校正 

2

5.3

  圧子の検証 

3

5.4

  深さ計測装置の校正

5

5.5

  試験動作の検証

5

6

  間接検証

5

6.1

  一般

5

6.2

  手順

5

6.3

  繰返し性 

6

6.4

  偏り

7

6.5

  測定の不確かさ

7

7

  検証の間隔 

7

8

  検証及び校正の報告書 

8

附属書 A(規定)試験機の繰返し性

9

附属書 B(参考)硬さ試験機の校正結果の不確かさ

11

附属書 JA(参考)JIS と対応国際規格との対比表 

16


B 7726

:2010

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,日本試験機工業会

(JTM)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの

申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS B 7726:1997 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責

任はもたない。


日本工業規格

JIS

 B

7726

:2010

ロックウェル硬さ試験−試験機の検証及び校正

Rockwell hardness test-Verification and calibration of testing machines

序文 

この規格は,2005 年に第 2 版として発行された ISO 6508-2 を基に,対応する部分については対応国際

規格を翻訳し,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一

覧表にその説明を付けて,

附属書 JA に示す。

適用範囲 

この規格は,JIS Z 2245 によるロックウェル硬さ試験(A,B,C,D,E,F,G,H,K,N 及び T スケ

ール)に用いる試験機の検証方法及び校正方法について規定する。

この規格は,ポータブル硬さ試験機にも適用できる。

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

ISO 6508-2:2005

,Metallic materials−Rockwell hardness test−Part 2: Verification and calibration of

testing machines (scales A, B, C, D, E, F, G, H, K, N, T)(MOD)

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“修正している”

ことを示す。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS B 7728

  一軸試験機の検証に使用する力計の校正方法

注記  対応国際規格:ISO 376,Metallic materials−Calibration of force-proving instruments used for the

verification of uniaxial testing machines(MOD)

JIS B 7730

  ロックウェル硬さ試験−基準片の校正

注記  対応国際規格:ISO 6508-3,Metallic materials−Rockwell hardness test−Part 3: Calibration of

reference blocks (scales A, B, C, D, E, F, G, H, K, N, T)(MOD)

JIS Z 2244

  ビッカース硬さ試験−試験方法

注記  対応国際規格:ISO 6507-1,Metallic materials−Vickers hardness test−Part 1: Test method(MOD)

JIS Z 2245

  ロックウェル硬さ試験−試験方法

注記  対応国際規格:ISO 6508-1,Metallic materials−Rockwell hardness test−Part 1: Test method

(scales A, B, C, D, E, F, G, H, K, N, T)(MOD)

JIS Z 8103

  計測用語


2

B 7726

:2010

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Z 8103 による。

一般条件 

ロックウェル硬さ試験機を検証する前に,試験機が製造業者の指定どおりに組み上げられているかを確

認する。特に次の事項を確認する。

a)

圧子軸は,装置の案内に沿ってスライドできる。

b)

圧子ホルダは,圧子軸にしっかり固定されている。

c)

測定値に影響を及ぼす衝撃及び振動を伴わずに,試験力が負荷及び除荷できる。

測定値が試験片の動きにも機枠の変形にも影響されないことを確認しなければならない。試験片を機枠

の上部に固定する装置が付いている場合は,その固定力が全試験力を超えていなければならない。変形の

影響は,間座を介して,また固定装置をもつ場合はそれを用い,圧子の代わりに受け台側の先端が球状(直

径 10 mm 以上)の金属軸を用いて確認できる。圧子軸及び間座の材質は,少なくとも硬さが 60HRC 以上

のものとする。

(初試験力負荷状態での)追加試験力負荷前後の硬さ指示装置の読取値の差は,固定装置を

用いない機械で 1.5HR 以下,固定装置をもつ機械で 0.5HR 以下でなければならない。

注記  圧子軸と受け台との間に両端が平行度のよい平面の間座を介した状態で確認してもよい。

直接検証 

5.1 

概要 

5.1.1

直接検証は,23  ℃±5  ℃の温度で行う。この温度範囲外で検証を行ったときは,その温度を検証

報告書に記載する。

5.1.2

検証及び校正に使用する機器は,国際単位系(SI)を用いて,測定のトレーサビリティが証明され

ているものとする。

5.1.3

直接検証は,次による。

a)

試験力の校正

b)

圧子の検証

c)

深さ計測装置の校正

d)

試験動作の検証

5.2 

試験力の校正 

5.2.1

初試験力 F

0

5.2.4 参照)及び使用する全試験力 F5.2.5 参照)の測定を行う。また,可能な限り,

試験時の動作範囲内の 3 か所以上で行う。初試験力は,2 s 以上保持する。

注記  例えば,初試験力の校正位置は,基準位置及びそこから約 5HR 離れた位置の 3 か所。全試験力

の校正位置は,基準位置から約−30HR,−50HR,−70HR の位置になる状態で測定する。

5.2.2

各試験力は,圧子軸のそれぞれの位置で 3 回ずつ測定する。測定の直前には,圧子軸は試験時と同

じ方向に動いていなければならない。

5.2.3

試験力の測定は,次のいずれかの方法で行う。

−  JIS B 7728 の 1 級を満足する力計による方法。

−  校正済みの質量,又はそれと同等の方法によって±0.2 %の範囲内の釣合いによる方法。

5.2.4

初試験力 F

0

(追加試験力 F

1

の負荷前及び除荷後)の許容差は,±2 %とする。

5.2.5

全試験力 の許容差は,±1.0 %とする。全試験力 の値は,この許容差以内でなければならない。


3

B 7726

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5.3 

圧子の検証 

5.3.1 

ダイヤモンド圧子(AC及び スケール) 

この規格に適合する円すい圧子の信頼性を確かめるため,直接検証及び間接検証を行わなければならな

い。

5.3.1.1 

ダイヤモンド圧子の直接検証 

5.3.1.1.1

ダイヤモンドの円すい部と球状先端部とは正接し,押込み深さ 0.3 mm 相当の領域まで研磨され

ていなければならない。どの面も欠損などがあってはならない。

5.3.1.1.2

圧子の形状の検証は,投影測定によって直接的に計測することができる。検証は等間隔に 4 断

面以上で行わなければならない。

5.3.1.1.3

ダイヤモンド円すい部の頂角は,120°±0.35°でなければならない。正接部につながるダイヤ

モンド円すい部の母線の真直度は,最小 0.4 mm 当たり 0.002 mm 以下でなければならない。

5.3.1.1.4

ダイヤモンド円すい部の中心軸と圧子保持部の中心軸(座面に対して直角)とのなす角は,0.5°

以内でなければならない。

5.3.1.1.5

圧子先端部は,球形状でなければならない。その半径は,5.3.1.1.2 に規定した軸方向の断面計

測による個々の単一値(先端形状は理想的な球ではないので計測範囲によって曲率半径が異なることがあ

るが,全体を円弧で近似したときに得られる曲率半径の意)から求めなければならない。

(測定された断面

に対する)同心の(内接)円と(外接)円との間隔は,0.004 mm 以下で,各単一値は,0.2 mm±0.015 mm

でなければならない。4 断面以上から求めた平均値は,0.2 mm±0.01 mm でなければならない。

注記 1  半径は,二つの同心円の弧の交差によって求めることができる。

注記 2  個々の単一測定値は,その二つの同心円の半径の平均値とする。

計測にはコリメータを用いることができる。この場合,四つ以上の中心角を測定し,中心角が 120°で

ある。

5.3.1.2 

ダイヤモンド圧子の間接検証 

試験機の示す硬さ値は,5.3.1.1.3 及び 5.3.1.1.5 に規定した形状寸法だけでなく,ダイヤモンドの表面粗

さ及び結晶軸の向き,並びにダイヤモンド保持部の座りにも依存している。

この影響を確かめるために,

表 に規定する 4 段階の硬さレベルの基準片,又はこれらと同等のくぼみ

深さとなる基準片を用いて圧子の間接検証を行わなければならない。

表 1−圧子の検証に用いる硬さレベル 

スケール

硬さレベル

範囲

HRC 23

20∼26

HRC 55

52∼58

HR45N 43

40∼46

HR15N 91

88∼94

各基準片について,検証を行う圧子で 3 点の硬さ測定を行い,その平均値と,JIS B 7730 の 5.3(ダイヤ

モンド圧子)を満足する圧子による 3 点の測定の平均値との差が,ロックウェル硬さで±0.8 でなければな

らない。検証する圧子によるくぼみと,上記の圧子によるくぼみとは,隣接していなければならない。

注記  この試験は,JIS B 7730 の箇条 5(校正用試験機)を満足する試験機によって行うことができ

る。


4

B 7726

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このダイヤモンド圧子の間接検証に用いる試験機が JIS B 7730 の箇条 を満足しない場合は,試験力の

許容差が次を満足することが望ましい。

  F

0

 :±1.0 %

  F  :±0.5 %

試験は,JIS Z 2245 に従って行う。

5.3.2 

球圧子(BEFGH及び スケール) 

5.3.2.1

球の寸法及び硬さを検証するため,一つのロットからランダムに取り出した 1 個の球を試験しな

ければならない。硬さの検査に使用した球は,廃棄しなければならない。

5.3.2.2

球は研磨され,かつ,表面が傷んでいてはならない。

5.3.2.3

使用者は,球が次の項目を満足していることを確認するために計測を行うか,次の項目に合致し

ていることを証する製造業者から球を入手しなければならない。

a)

球の直径は,3 か所以上について測定し,それらが直径の公称値に対して,

表 に規定する許容差以

内とする。

表 2−各球の径の許容差 

単位  mm

ロックウェル

スケール

球の直径

許容差

B

F

G

T

1.587 5 
1.587 5 
1.587 5 
1.587 5

±0.003 5

±0.003 5 
±0.003 5 
±0.003 5

E


K

3.175 
3.175 
3.175

±0.004 
±0.004 
±0.004

b)

超硬合金球の特性は,次による。

硬さ  球の硬さは,JIS Z 2244 に従って 4.903 N 以上の試験力で測定し,1 500HV 以上でなければ

ならない。超硬合金球は,その球の表面を直接試験しても,又は球を切断し内部を試験してもよい。

HV10 で試験する場合の球面補正済のくぼみ対角線長さの許容値を,表 に示す。

密度  ρ=(14.8±0.2) g/cm

3

注記  化学組成は,次によることが望ましい。

−  タングステンカーバイド(WC)

残余

−  その他の炭化物の合計 2.0

%

−  コバルト(Co) 5.0∼7.0 %

c)

鋼球の硬さは,JIS Z 2244 による試験力 98.07 N で測定し,750 HV 以上でなければならない(

表 

照)


5

B 7726

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表 3−球の表面のビッカース硬さ試験(HV10)の最大対角線長さ 

単位  mm

ビッカースくぼみの最大対角線長さ

球の直径

鋼球

超硬合金球

3.175 
1.587 5

0.153 
0.150

0.109 
0.107

5.4 

深さ計測装置の校正 

5.4.1

深さ計測装置は,硬さ値が高くなる方向に既知の距離だけ圧子を動かし,その硬さスケールで通常

使用する高硬度及び低硬度に相当する区間を含む 3 区間以上について校正する。

5.4.2

深さ計測装置を検証する装置は,精度 0.000 2 mm でなければならない。深さ計測装置は,A から

K スケールでは±0.001 mm 以下を,また N 及び T スケールでは±0.000 5 mm 以下を,正しく表示できな

ければならない。これは,各レンジのスケールで±0.5HR 以内に相当している。

注記  深さ計測装置を直接検証することができない場合には,硬さ基準片と基準圧子とを用い,誤差

を補正し,間接検証の結果からその性能を求めることができる(6.2 参照)

5.5 

試験動作の検証 

試験動作は JIS Z 2245 に合致し,0.5 s 以下の分解能で計測しなければならない。

間接検証 

6.1 

一般 

間接検証は,JIS B 7730 に従って校正された硬さ基準片によって,温度 23  ℃±5  ℃で行う。検証をこ

の温度範囲外で検証を行ったときは,検証報告書に記載する。

6.2 

手順 

6.2.1

試験機の間接検証は,次の手順によって行わなければならない。

試験機の検証は,使用する各スケールについて行わなければならない。検証するスケールごとに,

表 4

に示す各硬さ範囲の硬さ基準片を用いなければならない。硬さ基準片の硬さ値は,使用目的の限界に近い

ものを選択しなければならない。

6.2.2

それぞれの基準片について,5 点の試験を試験面上均一に分布するように行い,硬さ値を 0.2 単位

以下で読み取らなければならない。これを行う前に,試験機が障害なく作動し,基準片,圧子及び受け台

の座りが正しくなるように,予備試験を 2 点以上で行わなければならない。試験は,JIS Z 2245 に従って

行わなければならない。


6

B 7726

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表 4−各スケールの検証に用いる硬さ範囲 

ロックウェル

スケール

用いる基準片の

硬さレベル

ロックウェル

スケール

用いる基準片の

硬さレベル

A 20∼40HRA

45∼75HRA 
80∼88HRA

K 40∼60HRK

65∼80HRK 
85∼100HRK

B 20∼50HRB

60∼80HRB 
85∼100HRB

15N 70∼77HR15N

78∼88HR15N 
89∼91HR15N

C 20∼30HRC

35∼55HRC 
60∼70HRC

30N 42∼54HR30N

55∼73HR30N 
74∼80HR30N

D 40∼47HRD

55∼63HRD 
70∼77HRD

45N 20∼31HR45N

32∼61HR45N 
63∼70HR45N

E 70∼77HRE

84∼90HRE 
93∼100HRE

15T 73∼80HR15T

81∼87HR15T 
88∼93HR15T

F 60∼75HRF

80∼90HRF 
94∼100HRF

30T 43∼56HR30T

57∼69HR30T 
70∼82HR30T

G 30∼50HRG

55∼75HRG 
80∼94HRG

45T 12∼33HR45T

34∼54HR45T 
55∼72HR45T

H 80∼94HRH

96∼100HRH

6.3 

繰返し性 

6.3.1

各基準片について,得られた硬さ値を昇順に H

1

H

2

H

3

H

4

及び H

5

とする。

個々の検証における試験機の繰返し性 の大きさは,式(1)によって求める。

1

5

H

H

r

=

 (1)

5 点のくぼみ付けによる硬さ値の平均 は,式(2)によって求める。

5

5

4

3

2

1

H

H

H

H

H

H

+

+

+

+

=

 (2)

ここに,

  H

1

H

2

H

3

H

4

H

5

5

点の硬さ測定値

6.3.2

試験機の繰返し性は,試験機が

表 の状態を満足していなければならない。また,繰返し性の許容

範囲を

図 A.1 及び図 A.2 に示す。


7

B 7726

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表 5−試験機の偏り及び繰返し性の許容範囲 

ロックウェル硬さ

スケール

基準片の硬さレベル

偏りの許容範囲

試験機の繰返し性の

許容範囲

a)

A 20∼75HRA

75 超え∼88HRA

±2HRA

±1.5HRA

0.02 (100− )

又は 0.8HR

b)

B 20∼45HRB

45 超え∼80HRB

80 超え∼100HRB

±4HRB

±3HRB 
±2HRB

0.04 (130− )

又は 1.2HR

b)

C 20∼70HRC

±1.5HRC 0.02

(100− )

又は 0.8HR

b)

D 40∼70HRD

70 超え∼77HRD

±2HRD

±1.5HRD

0.02 (100− )

又は 0.8HR

b)

E 70∼90HRE

90 超え∼100HRE

±2.5HRE

±2HRE

0.04 (130− )

又は 1.2HR

b)

F 60∼90HRF

90 超え∼100HRF

±3HRF

±2HRF

0.04 (130− )

又は 1.2HR

b)

G 30∼50HRG

50 超え∼75HRG

75∼94HRG

±6HRG

±4.5HRG

±3HRG

0.04 (130− )

又は 1.2HR

b)

H 80∼100HRH

±2HRH 0.04

(130− )

又は 1.2HR

b)

K 40∼60HRK

60 超え∼80HRK

80 超え∼100HRK

±4HRK 
±3HRK 
±2HRK

0.04 (130− )

又は 1.2HR

b)

N

±2HRN 0.04

(100− )

又は 1.2HR

b)

T

±3HRT 0.06

(100− )

又は 2.4HR

b)

a)

  は硬さ値の平均

b)

  いずれか大きいほうの値とする。

6.4 

偏り 

6.4.1

試験機の個々の検証における偏り

E

は,式

(3)

によって求める。

c

H

H

E

=

 (3)

ここに,

: 平均値

H

c

使用した基準片に示された硬さ

6.4.2

試験機の偏りは,

表 に規定した値を超えてはならない。

6.5 

測定の不確かさ 

試験機の校正結果の不確かさの求め方は,

附属書 に示す。

検証の間隔 

硬さ試験機の直接検証は,

表 による。

間接検証は,少なくとも

12

か月に

1

回行わなければならず,また直接検証の後にも実施しなければなら

ない。


8

B 7726

:2010

表 6−試験機の直接検証 

検証の要求

試験力

深さ

計測装置

試験 
動作

圧子

a)

初めの設置前

試験力,深さ計測装置,試験動作に影
響を及ぼす分解整備の後

間接検証が外れた場合

b)

最後の間接検証から 14 か月を超えた
場合

a)

  圧子の検証周期は,2 年以内とすることが望ましい。

b)

  圧子が原因で間接検証が外れたことが(基準圧子を用いるなどして)立証できれ

ば,直接検証はしなくてよい。

検証及び校正の報告書 

検証及び校正の報告書には,次の情報を記載する。ただし,報告書には i)

を省略することができる。

a)

この規格によって検証した表示

b)

検証方法の種類(直接検証及び/又は間接検証)

c)

硬さ試験機の識別情報(製造業者,製造番号など)

d)

検証及び校正に用いた機器(硬さ基準片,力計など)

e)

検証及び校正を行ったロックウェル硬さスケール

f)

検証及び校正時の温度

g)

実施した検証及び校正項目の得られた結果

h)

検証及び校正の実施年月日並びに検証及び校正を実施した機関の名称

i)

検証結果の不確かさ


9

B 7726

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附属書 A

(規定)

試験機の繰返し性

試験機の繰返し性の許容範囲を,

図 A.1 及び図 A.2 に示す。

X 軸  ロックウェル硬さ に相当する。 
Y 軸  試験機の繰返し性

図 A.1−ロックウェル硬さ(ABCDEFG及び スケール)の繰返し性の許容範囲 


10

B 7726

:2010

X 軸  ロックウェル硬さ に相当する。 
Y 軸  試験機の繰返し性

図 A.2−ロックウェルスーパーフィシャル硬さ(及び スケール)の繰返し性の許容範囲 


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B 7726

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附属書 B

(参考)

硬さ試験機の校正結果の不確かさ

硬さ試験の不確かさは,試験にかかわる諸条件が複雑に関与するため,また,参照値を確立する条件設

定が困難なことから正確に見積もることは難しい。ここでは,硬さ試験の不確かさに関与する直接検証及

び間接検証の項目を想定し,計算事例を示す。

B.1 

硬さ試験機の直接校正 

B.1.1 

試験力の校正 

試験力の校正の相対合成標準不確かさは,式

(B.1)

によって求める。

2

FHTM

2

FRS

F

u

u

u

+

=

(B.1)

ここに,

u

FRS

力計による測定の相対不確かさ(力計の校正証明書による。

u

FHTM

硬さ試験機自身の試験力の相対標準不確かさ

参照標準器である力計の測定不確かさは,その校正証明書に記載されている。より厳しい条件が求めら

れる場合には,次の要因も考慮する。

温度依存性

長期安定性

内挿式の偏差

力計の設計によっては,力計の硬さ試験機の圧子軸に対する回転位置を考慮する必要がある。

力計の測定の不確かさ(力計の校正証明書による。

u

FRS

0.12 %

k

2

力計の校正値

F

RS

1 471.0 N

表 B.1−試験力校正の結果 

試験力校正
の高さ位置

1 回目

F

1

N

2 回目

F

2

N

3 回目

F

3

N

平均

 
N

相対偏差

Δ

F

rel

%

測定の相対標準不確かさ

u

FHTM

%

1

1 471.5

1 471.9

1 471.7

1 471.7

0.05

0.008

2

1 472.1

1 472.3

1 472.7

1 472.3

0.09

0.012

3

1 472.2

1 473.5

1 471.3

1 472.3

0.09

0.043

F

F

F

F

=

Δ

RS

rel

(B.2)

)

3

(

,

1

F

FHTM

=

×

=

n

n

F

S

u

i

(B.3)

ここに,

S

Fi

番目の高さの位置における試験力表示値の標準偏差

表 B.2 においては,表 B.1 による u

FHTM

の最大値を用いている。


12

B 7726

:2010

表 B.2−試験力測定の不確かさ計算 

X

i

試験力

x

i

最大差

a

i

確率分布

測定の相対標準

不確かさ

u(x

i

)

感度係数

c

i

相対不確かさ

の寄与

u

i

(

H)

u

FRS

1 471.0 N

正規分布 6.0×10

-4

 1 6.0×10

-4

u

FHTM

1 471.0 N

正規分布 4.3×10

-4

 1 4.3×10

-4

相対合成標準不確かさ  u

F

7.4×10

-4

相対拡張不確かさ  U

F

 (

k=2) 1.5×10

-3

表 B.3−参照標準器の不確かさを含んだ試験力の最大相対偏差の計算 

試験力の相対偏差

Δ

F

rel

%

試験力の相対拡張不確かさ

U

F

%

参照標準器の不確かさを含んだ

試験力の最大相対偏差

Δ

F

max

%

0.09 0.15  0.24

表 B.3 の ΔF

max

は,式(B.4)によって求める。

F

rel

max

U

F

F

+

Δ

=

Δ

(B.4)

表 B.3 の結果は,試験力の偏りが参照標準器の不確かさを含めて 5.2 に規定されている許容値の±l.0 %

に適合していることを意味している。

B.1.2 

深さ計測装置の校正 

深さ計測装置の校正に使用する参照標準器の相対合成標準不確かさは,式(B.5)によって求める。

2

LHTM

2

ms

2

LRS

L

u

u

u

u

+

+

=

(B.5)

ここに,

u

LRS

深さ校正装置(参照標準器)の校正証明書から得られる包
含係数 k=1 の測定の相対不確かさ

u

ms

深さ計測装置の分解能に起因する(測定の)相対不確かさ

u

LHTM

硬さ試験機の深さ計測装置の(測定の)相対標準不確かさ

深さ計測装置用の参照標準器,すなわち,深さ校正装置の(測定の)不確かさは,その校正証明書に記

載されている。例えば,誤差要因には次のようなものがある。

−  温度依存性

−  長期安定性

−  内挿式の偏差

これらの誤差要因は,校正装置の(測定の)不確かさに決定的な影響を及ぼすことはない。

例  深さ校正装置の(測定の)不確かさ

u

LRS

=0.000 2 mm(k=2)

深さ計測装置の分解能

δ

ms

=0.5 μm


13

B 7726

:2010

表 B.4−深さ計測装置の校正結果 

深さ計測装置

の評価位置

L

RS

mm

1 回目

L

1

mm

2 回目

L

2

mm

3 回目

L

3

mm

平均値

mm

相対偏差

Δ

L

rel

%

測定の相対標準

不確かさ

u

LHTM

%

0.060

0.060 3

0.060 2

0.060 0

0.060 2

0.33

0.15

0.080

0.080 5

0.080 3

0.080 2

0.080 3

0.38

0.11

0.100

0.100 7

0.100 2

0.100 3

0.100 4

0.40

0.15

0.120

0.120 3

0.120 5

0.120 1

0.120 3

0.25

0.10

0.140

0.140 5

0.140 6

0.140 3

0.140 5

0.33

0.06

0.160

0.160 6

0.160 3

0.160 2

0.160 4

0.23

0.07

表 B.4 において,

)

3

(

,

1

L

LHTM

=

×

=

n

n

L

s

u

i

(B.6)

RS

RS

rel

L

L

L

L

=

Δ

(B.7)

ここに,

s

Li

深さ計測装置の 回目の評価位置に対する計測値の標準偏差

表 B.5−深さ計測装置の不確かさの計算 

X

i

推定値

x

i

最大差

a

i

確率分布

相対標準 
不確かさ

u(x

i

)

感度係数

c

i

不確かさの

寄与 
u

i

(

H)

u

LRS

 0

mm

1.0×10

-4

 mm

正規分布 1.0×10

-4

 1 1.0×10

-4

u

ms

 0

mm

0.5×10

-4

 mm

方形又は

長方形分布

1.8×10

-4

 1 1.8×10

-4

u

LHTM

0.06 mm

0.15 %

正規分布 9.6×10

-4

 1 9.6×10

-4

相対合成標準不確かさ  u

L

(0.16 mm までに関する)

,% 0.098

相対拡張不確かさ  U

L

 (

k=2),% 0.20

表 B.6−参照標準器の不確かさを含んだ最大偏差の計算 

測定長さ

L

RS

mm

深さ計測装置の偏差

Δ

L

rel

%

相対拡張不確かさ

U

L

%

参照標準器の不確かさを

含んだ最大偏差

Δ

L

max

%

0.16 0.33 0.20  0.53

表 B.6 において,

L

rel

max

U

L

L

+

Δ

=

Δ

(B.8)

表 B.6 の結果は,計測装置の偏りが,長さの参照標準器の測定の不確かさを含めて,5.4 に規定する許容

値±1.0 μm に適合している(L

RS

×ΔL

max

=0.16 mm×0.57 %

=

0.000 91 mm)ことを意味している。

B.1.3 

圧子の検証 

圧子(先端部及び保持部からなる)は,現地で検証したり,個々に検証し校正することはできない。圧

子形状の偏りを確認することができる認証校正機関による有効な校正証明書がなければならない(5.3 


14

B 7726

:2010

照)

B.1.4 

試験動作の検証 

5.5

においては,すべての区間の試験動作の検証の分解能は,0.5 s 以下と規定されている。一方,通常

の計測装置(ストップウォッチ)を計測に用いる場合は,分解能を 0.1 s とすることができる。したがって,

測定の不確かさを評価する必要はない。

B.2 

硬さ試験機の間接検証 

硬さ基準片を用いた間接検証によって,

硬さ試験機の総合的な性能を検査することができるだけでなく,

実際の硬さ値から試験機の偏差及び繰返し性が求められる。

硬さ試験機の間接検証の測定不確かさは,式(B.9)によって求める。

2

H

2

ms

2

D

CRM

2

CRM

HTM

u

u

u

u

u

+

+

+

=

(B.9)

ここに,

u

CRM

校正証明書から得られる,k=1 の場合の硬さ基準片の校正
の不確かさ

u

CRM-D

ドリフトによる最終校正以降の硬さ基準片の硬さ変化(こ
の規格に適合した硬さ基準片を用いる場合は無視できる。

u

ms

硬さ試験機の分解能に起因する不確かさ

u

H

間接検証における測定のばらつき

例  硬さ基準片

H

CRM

=45.4HRC

硬さ基準片の測定の不確かさ

U

CRM

=±0.5HRC

硬さ試験機の分解能

δ

ms

=0.1 μm

表 B.7−間接検証の結果 

No.

硬さ測定値

H,HRC

a)

1 46.4(最大値) 
2 46.1 
3 45.3(最小値) 
4 45.7 
5 45.8

平均値

 45.9

標準偏差 s

H

 0.42

a)

 HRC は,ロックウェル硬さを示す。

表 B.7 において,偏り(b)は次の式で示す。

CRM

H

H

b

=

(B.10)

HRC

5

.

0

4

.

45

9

.

45

=

=

b

n

s

t

u

H

H

×

=

(B.11)

t=1.14,n=5,で s

H

=0.42HRC であれば,

u

H

=0.21HRC


15

B 7726

:2010

B.3 

測定の不確かさの明細表 

表 B.8−測定の不確かさの明細表 

X

i

推定値

x

i

標準不確かさ

u(x

i

)

確率分布

感度係数

c

i

不確かさの

寄与 
u

i

(

H)

u

CRM

 45.4HRC

0.25HRC

正規分布 1.0  0.25HRC

u

ms

 0HRC

0.029HRC

方形又は

長方形分布

1.0 0.029HRC

U

H

 0HRC

0.21HRC

正規分布 1.0  0.21HRC

u

CRM-D

 0HRC

0HRC

三角分布 1.0  0HRC

合成標準不確かさ  u

HTM

 0.33HRC

拡張不確かさ  U

HTM

(

k=2) 0.66HRC

注記 HRC は,ロックウェル硬さを示す。

表 B.9−硬さ試験機の拡張不確かさを含んだ最大偏差 

硬さ試験機の

測定値

HRC

拡張不確かさ

U

HTM

HRC

硬さ試験機の標準片に

対する偏差

HRC

試験機の拡張不確かさを

含んだ最大偏差

Δ

H

HTMmax

HRC

45.1 0.66

0.5

1.12

注記 HRC は,ロックウェル硬さを示す。

表 B.9 において,

HRC

2

.

1

5

.

0

7

.

0

HTM

HTMmax

=

+

=

+

=

Δ

b

U

H

(B.12)

この計算例は,試験機の偏差が試験機の不確かさを含めて箇条 に規定されている許容限度±1.5HRC

に適合していることを意味している。


附属書 JA

(参考)

JIS

と対応国際規格との対比表

JIS B 7726:2010

  ロックウェル硬さ試験−試験機の検証及び校正

ISO 6508-2:2005

  Metallic materials−Rockwell hardness test−Part 2: Verification and

calibration of testing machines (scales A, B, C, D, E, F, G, H, K, N, T)

(I)JIS の規定

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容

箇条番号 
及び題名

内容

(II) 
国際

規格
番号

箇条
番号

内容

箇条ごと
の評価

技術的差異の内容

(V)JIS と国際規格との
技術的差異の理由及び今

後の対策

3  用語及び定

追加

技術的な差異はない。

5.3  圧 子 の 検

5.3.1.2

4.3.1.2

JIS

にほぼ同じ。

変更

JIS

では,試験力の許容差を満

足するのが望ましいとした。 
技術的差異はない。

5.5  試 験 動 作
の検証

0.5 s 以下の分解能で計測しな
ければならない。

 4.5

±0.5 s 未満の不確かさで
計測しなければならない。

変更

実質的には差はない。

8  検証及び校
正の報告書

7

JIS

にほぼ同じ。

変更

JIS

では,不確かさの報告を省

略できることとした。 
技術的差異はない。

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 6508-2:2005,MOD

注記 1  箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

−  追加 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。

−  変更 国際規格の規定内容を変更している。

注記 2  JIS と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

−  MOD  国際規格を修正している。 

16

B 772

6


2

010