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B 7722 : 1999

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日

本工業規格である。これによって JIS B 7722-1990 は改正され,この規格に置き換えられる。

JIS B 7722 : 1999

には,次に示す附属書がある。

附属書(参考)  検査具


日本工業規格

JIS

 B

7722

 : 1999

シャルピー振子式衝撃試験−

試験機の検証

Charpy pendulum impact test

−Verification of testing machines

序文  この規格は,1994 年に作成された ISO/FDIS 148-2, Metallic materials−Charpy pendulum impact test−

Part 2

:Verification of testing machines を翻訳し,技術的内容を変更することなく作成した日本工業規格であ

る。

10.2

備考には,従来日本工業規格で規定していた受け台逃げ角の寸法を追加した。

なお,点線の下線を施してある“箇所”は,対応国際規格にはない事項である。

1.

適用範囲  この規格は,JIS Z 2242 による JIS Z 2202 の衝撃試験に用いる振子式衝撃試験機(以下,

試験機という。

)の直接検証方法及び間接検証方法について規定する。

直接検証方法は試験機を新設,若しくは修理するとき,又は間接検証方法の結果が不適合な場合に実施

する。

間接検証方法は,JIS B 7740 による基準試験片を用いて行う。

この規格は,工業用,一般用及び試験研究用として金属材料の試験に用いる工業用試験機で衝撃刃先半

径が 2mm 又は 8mm の振子式衝撃試験機を対象とする。また,種々の容量及び異なる設計の振子式衝撃試

験機にも適用できる。

ただし,10.2

備考の受け台逃げ角 10

°±1°の規定は,2000 年 4 月 1 日で廃止する。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

ISO/FDIS 148-2, Metallic materials

−Charpy pendulum impact test−Part 2:Verification of testing

machines

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版を適用する。

JIS B 7740

  シャルピー振子式衝撃試験−試験機の検証用基準試験片

備考  ISO/FDIS 148-3 : 1994  Metallic materials−Charpy pendulum impact test−Part 3:Preparation and

characterization of Charpy V reference test pieces for verification of testing machines

が,この規

格と一致している。

JIS Z 2202

  金属材料衝撃試験片

備考  ISO/DIS 148-1 : 1996  Metallic materials−Charpy impact test (V-notch and U-notch)  が,この規

格と一致している。

JIS Z 2242

  金属材料衝撃試験方法


2

B 7722 : 1999

備考  ISO 83 : 1976  Steel−Charpy impact test (U-notch),ISO 148 : 1983  Steel−Charpy impact test

(V-notch)

が,この規格と一致している。

3.

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,次による。

3.1

試験機に関する定義

3.1.1

受け台  試験片が振子によって打撃されるとき,衝撃力を受ける左右一対の垂直な面を形成する試

験機の基部の一部。受け台の面は,載せ台の面と直角をなす(

付図 1参照)。

3.1.2

基部 (base)   載せ台の水平な面より下に位置する,試験機の機枠の部分。

3.1.3

打撃中心  打撃時に,振子の全質量がその点に集中して運動しているとみなせる振子上の点。振子

が,打撃中心を通る水平な線に沿って衝撃を加えたとき,回転軸に水平な反動を生じない(

付図 参照)。

3.1.4

打撃点  自由につり下げた振子の衝撃刃の垂直な刃縁と,載せ台に置いた基準寸法・形状の試験片

を接触させたときに生じる接触部分(長さ 10mm の線分)の中点(

付図 参照)。

3.1.5

工業用試験機 (industrial machine)   工業用,一般用及び試験研究用として金属材料を試験するた

めに使用する試験機。これらの試験機は,基準試験片の値付けには使用できない。工業用試験機は,この

規定に記述された手順によって検証する。

3.1.6

基準試験機 (reference machine)   基準試験片の基準エネルギーを決定するのに使用される衝撃試

験機。この試験機の必要条件は,工業用試験機より厳しく,JIS B 7740 に規定する。

3.1.7

衝撃刃  試験片に接して衝撃力を加える振子の一部で,試験片に接する刃先の半径は,2mm(2mm

刃)及び 8mm(8mm 刃)がある。

3.1.8

載せ台  試験片を置く,左右一対の水平面を形成する試験機の基部の一部,載せ台の面は,受け台

の面と直角をなす(

付図 及び付図 参照)。

3.2

エネルギーに関する定義

3.2.1

吸収エネルギー  (A

V

  衝撃試験機によって試験をしたとき,試験片を破断するのに要したすべて

のエネルギー。これは振子の持上げ位置(角度)の初期位置エネルギーと,試験片が破断したときの最大

振上がり位置(角度)での位置エネルギーとの差に等しい(9.参照)

3.2.2

初期位置エネルギー  (A

P

  直接検証によって実測決定されたエネルギー(9.1 参照)

3.2.3

表示吸収エネルギー  (A

S

  置き針又は他の読取り装置によって,直接表示された吸収エネルギー。

3.2.4

定格容量エネルギー  (A

N

  振子式衝撃試験機の製造業者によって指定されたエネルギー。

3.3

試験片に関する定義

3.3.1

基準試験片  振子式衝撃試験機の工業用試験機としての適切さを検証するための試験片。試験機に

よって実測されたエネルギーと,

あらかじめ基準試験片に付けられた基準エネルギーの比較に使用される。

基準試験片は,JIS B 7740 に規定する。

3.3.2

基準エネルギー  (A

R

  基準試験機を使用して決定された,基準試験片に与えられた吸収エネルギ

ー。

3.3.3

試験片の用語  試験片に,次の用語を適用する(付図 及び付図 参照)。

3.3.3.1

高さ  衝撃試験における衝撃方向の試験片の寸法。

3.3.3.2

幅  衝撃刃に接触する試験片の刃縁に沿った方向の寸法。

3.3.3.3

長さ  高さ及び幅と直角方向の試験片の寸法。

4.

記号と名称  この規格で用いる量記号と名称を表 に示す。


3

B 7722 : 1999

表 1  記号と名称

量記号

単位記号

名称

A

V

 J

吸収エネルギー

A

P

 J

初期位置エネルギー

A

S

 J

表示吸収エネルギー

A

N

 J

定格容量エネルギー

A

R

 J

基準試験片 1 セットに付けられた基準エネルギー

F N

振子を水平に保ったとき l

2

の位置で測定された力

W N

振子の重量

l m

回転軸中心から試験片の中心(刃の中心)までの距離

l

1

 m

回転軸中心から打撃中心までの距離

l

2

 m

回転軸中心から力 が加わる点までの距離

p J

置き針の摩擦によって生じるエネルギー損失

p

 J

軸受による摩擦と空気抵抗によるエネルギー損失

E

1

又は

β

1

J

又は

°(度)  置き針の動きを伴う状態で振子を持上げ位置から振り下

ろし,反対側に振り上がったときの表示吸収エネルギー又
は振上がり角度

E

2

又は

β

2

J

又は

°(度)  置き針の動きを伴わない状態で振子を持上げ位置から振

り下ろし,反対側に振り上がったときの表示吸収エネルギ
ー又は振上がり角度

E

3

又は

β

3

J

又は

°(度)  振子が E

2

又は

β

2

の位置に振り上がってから 5 往復後の表示

エネルギー又は,振上がり角度

P

β

又は E

β

J

又は

°(度)  振上がり角度

β

のときの,エネルギー損失の補正値

t s

振子の周期

T s

振子が 100 往復するのに要する時間

T

max

 s

測定した の最大

T

min

 s

測定した の最小

α

°(度)

振子の持上げ角度

β

°(度)

振子の振上がり角度

h m

振子の落下高さ

h

 m

振子の振上がり高さ

5.

試験機  振子式衝撃試験機は,次の部分より構成される(付図 1∼付図 参照)。

a)

基礎・据付け

b)

機枠  基礎を除いた振子を支える構造物 

c)

ハンマと衝撃刃を含む振子

d)

受け台と載せ台(付図 2 及び付図 3 参照)

e)

吸収エネルギーのための表示装置(目盛板及び置き針又は電気的読取装置)

6.

検証  試験機の検証は,据付け後に実施する。

次の項目の検査を必要とする。

a)

基礎・据付け

b)

機枠 

c)

ハンマ及び衝撃刃を含む振子

d)

受け台と載せ台 

e)

表示装置 


4

B 7722 : 1999

7.

基礎・据付け  試験機が固定される基礎と試験機とを固定する方法は,最も重要である。

7.1

基礎は,試験機を据え付けてしまうと検査ができないので,基礎の質量が振子の質量の 40 倍以上で

あることが保証できるように,据付け時に作成した文書を提出する。

7.2

据え付けられた試験機の検査は,次による。

a)

据付けボルトが試験機の製造業者によって定められた値で締め付けられていることを確認する。トル

ク値は,試験機の製造業者によって用意された書類に記録しなければならない(7.1 参照)

。所有者が

他の据付け方法を採用したり,選択する場合は,据付け状態が同等であることを実証する。

b)

試験機は,衝撃試験時に外部振動に影響されてはならない。

備考  例えば,機枠の適切な位置に水の入った小さな容器を置き,水面にさざ波が生じなければ,こ

の要求に適合しているとみなす。

8.

機枠  機枠の検査は,次の項目による(付図 参照)。

a)

つるした状態の振子の位置

b)

載せ台及び振子の位置関係

c)

振子軸受の軸方向と半径方向の遊び

d)

振子と機枠との間隔

この規格の発効日以後に製造する試験機は,水平の基準となる基準面をもつものとする。

8.1

振子の回転軸は,基準面に対し

000

1

2

以内で平行とする。このことを製造業者は保証する。

8.2

試験機は,基準面が,

000

1

2

以内で水平になるよう据え付ける。

基準面をもたない試験機については,回転軸が

1000

4

以下で水平になるよう据え付けるか又は,回転軸の

水平を上に従って検証できる基準面を作る。

8.3

振子を自由につり下げたとき,刃縁は試験片にちょうど接触する位置から±0.5mm とする。

8.4

振子の運動平面は,回転軸に対して 90

°±10′

÷÷ø

ö

ççè

æ

000

1

3

とする。

8.5

衝撃刃の刃縁は,試験片の全幅に接触するものとする。

8.6

振子は,衝撃刃縁を含む振子の運動平面と両受け台間の中心との差が±0.5mm とする。

8.7

軸受の軸方向の遊びは,振子の実際の重量 の約 4%の横の力を衝撃刃の中心に加えたとき,衝撃

刃の位置で測定して,0.25mm 以下とする。

8.8

軸受の回転軸の半径方向の遊びは,0.08mm 以下とする。

8.9

新しく製造する試験機では試験機の基部の質量は,少なくとも振子の質量の 12 倍であることが望ま

しい。

備考  試験機の基部は,載せ台面から下に位置する機枠の部分

9.

振子  振子の検証は,次の項目による。

a)

初期位置エネルギーA

P

b)

表示吸収エネルギーA

S

の誤差

c)

衝撃時における振子の速度

d)

摩擦によって吸収されるエネルギー

e)

打撃中心の位置(打撃中心から回転軸中心までの距離)

f)

衝撃刃の形式


5

B 7722 : 1999

1)

刃先の曲率半径

2)

刃先の角度

g)

刃先と試験片との接触角度

9.1

初期位置エネルギーA

P

は,定格容量エネルギーA

N

と±1.0%違ってはならない。

初期位置エネルギーA

P

は,次によって決定する。

振子のモーメントの測定は,回転軸中心から距離 l

2

の位置でナイフエッジを用いて振子を保持し,回転

軸と重心とを結ぶ線が水平に対して

000

1

15

以下の状態において,力をはかり又は力検出器で測定する。

力 及び距離 l

2

は,いずれも±0.2%の精度で測定する。

ここに,モーメント MF×l

2

備考1.  長さ l

2

は,長さ に等しいとすることもできる。この場合には,の測定精度についても l

2

同等とする。

持上げ角度

α

は±0.4

°の正確さで測定する。角度

α

は 90

°以上でもよい。

初期位置エネルギーA

P

は,A

P

M (1−cos

α

)

となる。

備考2.  上記の式及び9.29.4は,振子の持上げ角度,振上がり角度を測定する表示装置をもつ試験機

に関するものである。他の表示装置をもつ試験機については,検証手段は適切に変更する。

9.2

目盛板上の定格容量エネルギーの 0%,10%,20%,30%,50%,60%及び 80%に相当する目盛につ

いて検証する。

これらの目盛板については振上がり角度が置き針によって指示されるような機構をもち,その誤差は±

0.4

°とする。

吸収エネルギーは,次の式によって算出する。

)

cos

(cos

V

α

β

M

A

備考1.  l

2

及び

β

の測定誤差が9.1の規定を満たすとき,吸収エネルギーの測定誤差にしてフルスケ

ールの0.3%程度に相当する。

表示吸収エネルギーA

S

と測定値から計算された吸収エネルギーA

V

との差は,吸収エネルギーの±1.0%,

又は初期位置エネルギーA

P

の±0.5%でなければならない。両者のうち,いずれかの大きい方の値が許容誤

差として許され,次のようになる。

)

%

80

%

50

%(

0

.

1

100

N

V

V

S

以下のとき

以上

定格容量エネルギー

A

A

A

A

×

)

%

50

%(

5

.

0

100

N

P

V

S

以下のとき

定格容量エネルギー

A

A

A

A

×

備考2.  吸収エネルギー (A

V

)

が,初期位置エネルギー  (A

P

)

に対して小さいときほど,吸収エネルギ

ーの読取精度は注意を払わなければならない。

吸収エネルギーが,初期位置エネルギーの 80%を超える場合は,測定の精度が保証できないため,近似

値として報告する。

備考3.  この要求は,ひずみ率の変化が2倍以下になるような条件で,すべての試験が行われることを

保証するものである。衝撃刃と試験片とが接触している場合,ひずみ率は,振子速度の関数

である。振子式衝撃試験機では破壊の進行とともに速度は減少する。振子速度の変化は,9.3

の式を用いて打撃時での速度が決定され,打撃後では同じ式において cos

α

の代わりに cos

β

を代入した式によって決まる。

9.3

衝撃の速度は,次の式によって決まる。


6

B 7722 : 1999

)

cos

1

(

2

α

=

gl

V

ここに,

l

:  振子の回転軸中心から試験片中心までの距離

g

:  重力加速度,試験機設置場所での実測をする代わりに

9.81m/s

2

を用いてもよい。

α

:  持上げ角度(

付図 参照)

衝撃速度は,5.0m/s∼5.5m/s でなければならない。

しかし,この規格が発効される以前に製造された試験機については,3.0m/s∼6.0m/s の範囲にあれば許

容されるが,それは記録して報告する。

9.4

摩擦によって吸収されるエネルギーは,空気抵抗,軸受による摩擦及び置き針による摩擦を含む。

これらの損失は,次によって評価する。

9.4.1

置き針の摩擦に起因する損失の決定  置き針の動きを伴う状態で,振子を持上げ位置から振り下ろ

し,反対側に振り上がったときの振上がり角度

β

1

と,置き針の動きを伴わない状態での振上がり角度

β

2

から,置き針の摩擦抵抗によるエネルギー損失は,次の式から求める。

エネルギー目盛のとき

角度目盛のとき

2

1

2

1

)

cos

(cos

E

E

p

M

p

=

=

β

β

回の平均値とする。

の値は

又は

4

,

,

,

,

2

1

2

1

E

E

β

β

9.4.2

軸受による摩擦及び空気抵抗に起因する損失の決定  置き針の動きを伴わない状態で振子を持上

げ位置から振り下ろし,

反対側に振り上がったときの振上がり角度

β

2

と 11 回連続片振り後の振上がり角度

β

3

とから,片振り間の摩擦抵抗によるエネルギー損失は,次の式によって求める。

エネルギー目盛のとき

角度目盛のとき

)

(

10

1

)

cos

(cos

10

1

2

3

2

3

E

E

p

M

p

=

=

β

β

備考  実際の試験において振上がり角度

β

へのこれらの損失を考慮する必要があれば,次の式から得

られる値を吸収エネルギーの値から差し引く。

2

1

β

α

β

α

β

β

β

+

+

+

=

p

p

P

β

1

β

2

は,ほとんど

α

に等しいため実用上

P

β

は,次のように近似できる。

α

β

α

α

β

β

2

+

+

=

p

p

P

エネルギー単位で目盛られた試験機の

E

β

は,次の式によって計算される。

úû

ù

êë

é

=

)

(

1

1

cos

V

P

1

A

A

M

E

β

9.4.3

摩擦損失

  (p

p

′)

の測定値は,定格容量エネルギー

A

N

0.5%

以下とする。これ以上の場合で置き

針の摩擦分を減らしても,許容値の範囲に入らないときは,軸受を洗浄するか又は,交換する。

9.5

打撃中心から回転軸中心までの距離

l

1

は,振子の周期から計算され,それは

0.995l

±

0.5%

とする。

計算された

l

1

の精度は,

0.5mm

以内とする。

l

1

は,

5

°

を超えない角度のスイングによって,完全な

1

周期

t

の測定によって求める。スイングの時間

t

は,秒の単位で測定する。

l

1

は,次の式によって決定する。

2

2

1

4

π

gt

l

=


7

B 7722 : 1999

ここに,

g

9.81m/s

2

π

2

9.87

したがって

l

1

0.2485t

2

 (m)

t

の測定精度は,

0.1%

以下とする。

備考

2

秒の周期をもつ振子においては,この精度を次のように求める。

100

往復に要する時間

T

3

回測定し,これの平均値を求める。

このとき

  (T

max

T

min

)

は,

0.2

秒を超えてはならない。

9.6

刃先の寸法・形状は,ゲージによって検査する。

刃先半径は

2mm

及び

8mm

の二つのタイプがある。

二つのタイプの刃先半径と刃先角度の寸法・形状を

付図 に示す。

受け台間を通過する刃先部分の最大幅は,

10mm

以上

18mm

以下でなければならない。

備考1.

刃先の寸法・形状を検証する例として,検査用にレプリカをとる方法もある。

2.

刃先半径

2mm

及び

8mm

の衝撃刃による試験結果は,通常異なるため,刃先のタイプは関連

する規格において規定されるべきであり,

KV2

又は

KV8

のように記述することが望ましい。

9.7

刃縁と試験片の水平な面とがなす角度(刃先の方向)は,

90

°

±

2

°

とする。

9.8

持上げ位置から振子を落下させる装置は,初期の衝撃,遅れ又は横振れがなく振子が自由に放され

るように操作できるものとする。

9.9

試験機に制動装置が付いている場合,偶発的に制動装置が働くことのないよう手段を講じる。また,

例えば周期及び摩擦損失の測定に際しては,制動装置を切り離す手段をもつものとする。

9.10

自動持上げ装置を備えた試験機は,直接検証もできるように,構成しなければならない。

10.

受け台及び載せ台

受け台及び載せ台の検査は,次の項目による(

付図 及び付図 参照)。

a)

載せ台の配置

b)

受け台の配置

c)

受け台間の距離

d)

受け台の衝撃方向の逃げ角

e)

受け台の内角の丸み半径

f)

破断試験片が試験機から飛散するためのすきま

10.1

左右の載せ台面は平行であり,面の食い違いは,

0.1mm

を超えてはならない。

載せ台上の試験片の軸と回転軸とは,

000

1

3

以下で平行でなければならない。

10.2

左右の受け台面は,平行であり,面の食い違いは,

0.1mm

を超えてはならない。

載せ台と受け台との面は,互いに

90

°

±

0.1

°

でなければならない。

受け台間の距離は,次のとおりとする。

40

2

.

0
0

+

mm

受け台の衝撃方向の逃げ角は,

11

°

±

1

°

でなければならない。

備考

この規格が発効される以前に製造された試験機については,受け台の逃げ角

10

±

1

°

でも許され

るが,それは記録して報告する。

受け台の内角の丸み半径は,

1.0

5

.

0
0

+

mm

とする。


8

B 7722 : 1999

10.3

破断した試験片の試験機への影響が最小となり,また振子のスイングが終了する前に振子に当たる

ことなく,試験片が試験機から自由に飛散できるように十分なすきまがあること。

受け台間を通過する振子の部分は,

18mm

を超えてはならない。

ハンマは,二つの基本的なタイプのいずれかであり(

付図 参照),

C

タイプのハンマを使用するとき,

試験片の両側のすきまが

13mm

以上あるならば,破断試験片は振子に跳ね返ることはない。試験片位置決

めのためのエンドストッパーがある場合は,衝撃を加える前に取り外さなければならない。

U

タイプのハンマを使用するときは,破断試験片が振子に当たらないような手段を講じなければならな

い。

U

タイプのハンマを使用する試験機について,覆い(

付図 参照)は,次の条件によって設計・装着

する。

a)

厚さは,約

1.5mm

とする。

b)

硬さは,

45HRC

以上とする。

c)

裏面の面取りは,

1.5mm

以下の半径とする。

d)

振子との間隔が,

1.5mm

以下となるよう位置を調整する。

備考

受け台にセットされた試験片の端と覆いとのすきまが

13mm

以上ある場合は,a)と d)の要求を

満足しなくてよい。

11.

表示装置

11.1

アナログ表示装置の検証は,次の項目による。

a)

目盛板の検査

b)

指針の検査

角度又はエネルギーの単位で目盛られた目盛板は,目盛線の厚さが均一で,指針の幅と目盛線の幅

が大体等しいものとする。指針は,視差の影響を受けずに読み取れるものとする。表示装置の分解能

r

は,指針の幅と,隣接する二つの目盛の中心から中心までの距離との割合によって求められ,推薦

する割合は

4

1

5

1

10

1

である。

1

目盛を

10

1

まで読み取るためには

2.5mm

以上の間隔が必要である。目盛

の間隔は,定格容量エネルギーの

100

1

より細かいものとし,定格容量エネルギーの

0.25%

又はそれ以下

のエネルギー変化量を読み取れるものとする。

11.2

ディジタル表示装置の検証は,次の検査による。

表示は,角度又はエネルギー単位で目盛られているものとする。

表示装置の分解能は,表示の最後の数値が

1

以上変動しない場合は,最後の

1

を分解能と考える。読取

りが

1

以上変動する場合は,変動の半分を分解能とする。

分解能は,定格容量エネルギーの少なくとも

400

1

以上とする。

12.

基準試験片を使用する間接検証

12.1

間接検証では,基準試験片を使用して測定範囲内の数箇所を検証する。

これらの基準試験片は,次のような目的に使用する。

a)

対象とする試験機と基準試験機との比較。

b)

他の試験機との比較なしに,ある期間にわたって試験機の性能を監視する。

参考

基準試験片セットの使用手順は JIS B 7740 の 8.(基準セットの使用手順)を参照。


9

B 7722 : 1999

12.2

間接検証は,試験機の使用されるレンジ内で最低二つの吸収エネルギーレベルによって実行する。

基準試験片のエネルギーレベルは,入手できる基準試験片の範囲内で,可能な限り目的のエネルギーレベ

ルの上限と下限にする。

備考

  2

レベル以上の基準試験片を使用するとき,他のレベルは入手できる基準試験片の範囲内で上

下限の間で均等に配分することが望ましい。

12.3

基準試験片は,JIS B 7740 による。

12.4

間接検証の前に少なくとも次の直接検証を行うことが望ましい。

a)

7.2 a)

に基づく試験機の据付け状態の検査

b)

次の測定

受け台:内角丸み半径及び間隔(10.2 参照)

衝撃刃:刃先の半径

受け台間における位置(9.6 参照)

衝撃刃を交換した場合は,その角度(9.7 参照)

軸受及び置き針による摩擦損失

空気抵抗による損失

13.

検証の周期

13.1

直接検証及び間接検証は,試験機を最初に設置したとき,又は試験機を移設した後に実施する。

13.2

摩耗などによって部品を取り替えたときは,その部品に関連する箇条に基づいて直接検証を実施す

る。間接検証も実施する。

13.3

間接検証の周期は,

12

か月を超えないものとする。

13.3.1

次の項目の一つ以上に該当する場合,必要に応じて,より頻繁に間接検証をすることを薦める。

a)

多数の試験をしたとき。

b)

試験片の破断に必要な吸収エネルギーが,定格容量エネルギーに比較して大きいとき。

c)

当該試験室で設定した品質管理規定が,より頻繁な間接検証を要請しているとき。

13.3.2

間接検証は,衝撃刃を交換した場合も実施する。

13.4

間接検証の結果が,不適合である場合は直接検証を実施する(1.参照)

間接検証の前に限定した直接検証を行う(12.4 参照)

13.5

9.4.1

に規定された直接検証は,例えば,軸受内のほこりによる試験機性能の劣化を迅速に調べられ

るため,日々の作業前に行う。

14.

誤差と繰返し性

A

V1

A

V2

,

……

A

V5

は,

5

本の基準試験片を試験して得られた吸収エネルギーを小さい値から順に並べる。

14.1

繰返し性

試験機の繰返し性は,次の値によって表す。

min

V

max

V

1

5

A

A

A

A

V

V

=

すなわち

繰返し性

繰返し性の許容値を,

表 に示す。

14.2

誤差

試験機の誤差は,次の値によって表す。

R

A

A

=

V

誤差


10

B 7722 : 1999

5

V5

V4

V3

V2

V1

V

A

A

A

A

A

A

+

+

+

+

=

A

R

:基準試験片の基準エネルギー

誤差の許容値を,

表 2

に示す。

表 2  繰返し性及び誤差の許容値

単位 J

エネルギーレベル

繰返し性

誤差

<40

≦6

≦4

≧40

A

R

の 15%

A

R

の 10%

15.

報告書

  検証の報告書は,最小限次の項目を記載する。

a)

この規格への準拠の明示

b)

試験機の識別に関する事項:製造業者名,形式,製造番号

c)

衝撃刃の刃先半径

d)

所有者名及び設置場所の住所

e)

検証を実施した組織の名称又は記号

f)

検証実施年月日

g)

振子の定格容量エネルギー

h)

衝撃時の振子の速度

i)

間接検証に用いた基準試験片の識別(記号,番号など)

,基準値及び実測結果

j)

間接検証の結果

k)

空気抵抗及び摩擦によるエネルギー損失

l)

繰返し性

m)

誤差

n)

試験機が,この規格の要求に一致,又は不一致の報告

関連規格

  JIS Z 8401

  数値の丸め方


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B 7722 : 1999

付図 1  振子式衝撃試験機


12

B 7722 : 1999


13

B 7722 : 1999

番号

名称

寸法

単位

 1

試験片長さ

JIS Z 2202

参照 mm

 2

試験片高さ

JIS Z 2202

参照 mm

 3

試験片幅

JIS Z 2202

参照 mm

 4

切欠き底までの長さ

JIS Z 2202

参照 mm

 5

切欠き角

JIS Z 2202

参照

°(度)

 6

切欠き深さ

JIS Z 2202

参照 mm

 7

切欠き底半径

JIS Z 2202

参照 mm

 8

受け台間の距離 40

2

.

0
0

+

 mm

 9

受け台の内角の丸み半径

1

∼1.5 mm

 10

受け台の衝撃方向の逃げ角 11±1

°(度)

 11

刃先角度 30±1

°(度)

 12

衝撃刃の曲率半径 12A 又は,12B 参照

mm

 12A

2mm

衝撃刃

2

∼2.5 mm

 12B

8mm

衝撃刃 8.0±0.05 mm

 12C

8mm

衝撃刃の肩半径 0.2∼1.0 mm

 12D

8mm

衝撃刃のエッジ幅 4.0±0.05 mm

 13

衝撃刃の幅 10∼18 mm

破断時の吸収エネルギー  (A

V

)

− J

付図 2  衝撃刃,載せ台,受け台


14

B 7722 : 1999

付図 3  工業用衝撃試験機の載せ台及び受け台の配置


15

B 7722 : 1999

付図 4  位置エネルギーの決定


16

B 7722 : 1999

附属書(参考)  検査具 

序文

  この

附属書(参考)

は,試験機の検証に用いる検査具について記述するものであって,規定の一部

ではない。

この附属書には次の検査具の寸法図を示す。

a)

棒状ゲージ(

附属書付図 1

b)

  1

号板状ゲージ(

附属書付図 2

c)

2

号板状ゲージ(

附属書付図 3

d)

  3

号板状ゲージ(

附属書付図 4

e)

4

号板状ゲージ(

附属書付図 5

附属書付図 1  棒状ゲージ


17

B 7722 : 1999

附属書付図 2  号板状ゲージ

附属書付図 3  号板状ゲージ


18

B 7722 : 1999

附属書付図 4  号板状ゲージ

附属書付図 5  号板状ゲージ


19

B 7722 : 1999

JIS B 7722

シャルピー整合化推進委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

布  村  成  具

新潟工科大学機械制御システム工学科

(委員)

馬  場  秀  俊

通商産業省機械情報産業局

本  間      清

工業技術院標準部

中  野  英  俊

工業技術院計量研究所

山  口  幸  夫

工業技術院計量研究所

山  崎  政  義

科学技術庁金属材料技術研究所

東      史  彦

財団法人日本海事協会

橋  本  繁  晴

財団法人日本規格協会

高  野  忠  夫

財団法人化学技術戦略推進機構

桃  木  明  和

社団法人日本鉄鋼連盟

井  上  克  彦

株式会社アサヒ技研

吉  井      保

日本検査株式会社

山  本      卓

株式会社山本科学工具研究社

尾  崎  達  也

株式会社井谷衡機製作所

飯  塚  武  雄

株式会社エー・アンド・デイ

神  田  信  晴

 JT

トーシ株式会社

真  弓  高  明

株式会社島津製作所

藤  井      勉

株式会社東京衡機製造所

橋  口  嘉  郎

株式会社東洋精機製作所

佐々木  雄  治

株式会社日本試験機製作所

畠  山  俊  六

株式会社富士試験機製作所

宍  道  英  夫

株式会社前川試験機製作所

米  倉      顕

株式会社米倉製作所

(関係者)

樋  田  並  照

元工業技術院計量研究所

(事務局)

菅  野  久  勝

日本試験機工業会