>サイトトップへ >このカテゴリの一覧へ

B 7721

:2009

(1)

目  次

ページ

序文

1

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  用語及び定義

2

4

  記号及び意味

2

5

  試験機の一般検査

3

6

  試験機の力計測系の校正

3

6.1

  概要

3

6.2

  分解能の確定

3

6.3

  力指示計の相対分解能の事前決定

4

6.4

  校正方法

4

6.5

  力指示計の評価

6

7

  試験機の等級

7

8

  校正報告書及び検証報告書

7

8.1

  一般

7

8.2

  一般的な情報

7

8.3

  校正結果及び検証結果

8

9

  校正の間隔

8

附属書 A(規定)試験機の一般検査

9

附属書 B(参考)圧縮試験機の耐圧盤の検査

10

附属書 C(参考)試験機を等級分類するときの代替的方法

11

附属書 D(参考)力計測系の校正結果の不確かさ

12

附属書 E(参考)参考文献

15

附属書 JA(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

16


B 7721

:2009

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,日本試験機工業会

(JTM)

及び財団法人日本規格協会 (JSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出

があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS B 7721:2002 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責

任はもたない。


日本工業規格

JIS

 B

7721

:2009

引張試験機・圧縮試験機−

力計測系の校正方法及び検証方法

Tension/compression testing machines

−Verification and calibration of the

force-measuring system

序文

この規格は,2004 年に第 3 版として発行された ISO 7500-1 を基に,技術的内容を変更することなく作

成した日本工業規格であるが,対応国際規格には規定されていない規定項目(引用規格及び用語)を日本

工業規格として追加している。

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一

覧表にその説明を付けて,

附属書 JA に示す。

1

適用範囲

この規格は,各種材料の機械的強度特性の評価に使用する引張試験機及び圧縮試験機(以下,試験機と

いう。

)の校正方法及び検証方法について規定する。

注記 1  この規格は力計測系の静的検証を扱い,校正値は高速及び動的試験目的には必ずしも有効で

ない。動的効果に関する更なる情報は,参考文献に記載してある。

注記 2  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

ISO 7500-1:2004

,Metallic materials−Verification of static uniaxial testing machines−Part 1:

Tension/compression testing machines

−Verification and calibration of the force-measuring system

(MOD)

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“修正している”

ことを示す。

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS B 7728

  一軸試験機の検証に使用する力計の校正方法

注記  対応国際規格:ISO 376:1999,Metallic materials−Calibration of force-proving instruments used for

the verification of uniaxial testing machines (MOD)

JIS Z 8103

  計測用語


2

B 7721

:2009

3

用語及び定義

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Z 8103 によるほか,次による。

3.1

校正  (calibration)

特定の条件下において,第一段階で,測定標準によって提供される測定不確かさを伴う量の値と,付随

した測定不確かさを伴う当該の指示値との関係を確立し,第二段階で,この情報を用いて指示値から測定

結果を得るための関係を確立する操作。

注記 1  校正は,表明(statement),校正関数,校正線図,校正曲線又は校正表で表してもよい。場合

によっては,付随した測定不確かさを伴う表示値の加算又は倍数の補正で校正してもよい。

注記 2  校正は,しばしば間違って“自己校正(self-calibration)”と呼ばれる測定システムの調整

(verification)

,及び校正の検証と混同しないことが望ましい。

注記 3  上記の定義の第一段階だけを校正と認識していることが多い。

3.2

真の力  (true force)

力計に作用した力又はおもりによって生じる力。

注記

力計が“力”として表示した値と,特に区別して用いる。

4

記号及び意味

この規格で用いる記号及び意味は,

表 による。

表 1−記号及び意味

記号

単位

意味

%

力指示計の相対分解能

%

力計測系の相対繰返し誤差

f

0

 %

力計測系の相対ゼロ誤差

N

試験力を増加させながら測定したときの各測定箇所における力計の指示又は真の力

F' N

試験力を減少させながら測定したときの各測定箇所における力計の指示又は真の力

F

c

 N

最小測定レンジにおいて,試験力を増加させながら測定したときの各測定箇所における

力計の指示又は真の力。この測定は,補足的に行う。

F

i

 

N

試験力を増加させながら測定したときの各測定箇所における試験機の力指示計の読み

F

i

' N

試験力を減少させながら測定したときの各測定箇所における試験機の力指示計の読み

i

F

N

同一の力測定点に対する,F

i

及び の数個の測定値の算術平均

F

i max

F

i min

F

max

F

min

N

同一の力測定点に対する,F

i

及び の最大値又は最小値

F

ic

 N

最小測定レンジにおいて,試験力を増加させながら測定したときの各測定箇所における
試験機の力指示計の読み。この測定は,補足的に行う。

F

i0

 N

検証を受ける試験機の力を除いた後の力指示計の残留表示

F

N

 N

力指示計の測定範囲における最大容量

g

n

 m/s

2

その場所の重力加速度

%

力計測系の相対指示誤差

N

力指示計の分解能

ν %

力計測系の相対往復誤差

ρ

air

 kg/m

3

空気の密度

ρ

m

 kg/m

3

おもりの密度


3

B 7721

:2009

5

試験機の一般検査

試験機の検証は,試験機が良好な作動状態にある場合にだけ実施する。そのため,試験機の一般検査を,

試験機の力計測系の校正前に必ず実施する(

附属書 及び附属書 参照)。

注記  良好な計測結果を得るためには,試験機の適切なメンテナンス又は調整を行った上で,校正を

実施する必要がある。

6

試験機の力計測系の校正

6.1

概要

この校正は,使用する各力測定レンジに対して,使用するすべての力指示計を用いて行わなければなら

ない。力計測系に影響を与える可能性がある附属装置(指針,記録計など)を使用する場合は,6.4.6 に従

って校正を実施する。

試験機が,数個の力計測系をもつ場合は,各系は別個の試験機とみなさなければならない。同じ手法は,

ダブルピストン油圧式試験機に対しても適用する。

校正には,力計を使用する。ただし,力計の最小限界を下回る小さな力の校正に対しては,既知の質量

のおもりを使用する。

一つの力測定レンジの校正に複数の力計が必要な場合,より小さな力計に加えられる最大の力は,その

次に大きな力計での最小の力に等しくなければならない。既知の質量のおもりをセットで用いる場合は,

そのセットは単一の力計とみなす。

校正は,一般に,一定の指示力 F

i

で実施する。この方法が適用できない場合は,一定の真の力 を使っ

て行ってもよい。

注記 1  校正は,力をゆっくり増加させて行う。“一定”とは,同じ値の力 F

i

(又は F)を,行われる

3

回の測定に使用することを意味する(6.4.5 参照)

校正に使用する計器は,国際単位系(SI)を使って認定されたトレーサビリティを確保する。

力計は,JIS B 7728 で規定した要件に適合したものでなければならない。力計の等級は,試験機を校正

した等級と同等又はこれ以上のものでなければならない。おもりを使用する場合,おもりによって生じる

力の相対誤差は,±0.1 %でなければならない。

注記 2  質量 (kg)  のおもりによって生じる真の力 (N)は,式(1)によって求める。

⎟⎟

⎜⎜

m

m

F

ρ

ρ

air

n

1

= g

 (1)

この力は,近似式(2)  に置き換えて求めてもよい。

n

g

m

F

 (2)

力の相対誤差は,この例では式(3)  によって求める。

n

n

ΔF

Δm Δ

F

m

+

g

g

 (3)

6.2

分解能の確定

6.2.1

アナログ表示

目盛線の太さは均一で,指針の幅は,目盛線の幅とほぼ同じでなければならない。

指示計の分解能 は,指針の幅と,二つの隣接する目盛線の中心間の距離(目幅)との比によって得ら

れる。推奨する比は,1/2,1/5 又は 1/10 であり,1 目盛の 1/10 を推定するためには,目幅が 2.5 mm 以上

であることが必要である。


4

B 7721

:2009

6.2.2

デジタル表示

分解能は,指示計上の数字の 1 増分であるとみなされる。ただし,装置が無負荷時でモータ及び制御系

が動作時に,指示変動が 1 増分を超えないことを条件とする。

6.2.3

読みの変動

読みの変動が,分解能に対して先に計算した値より大きい場合(装置が無負荷時で,かつ,モータ,駆

動機構,電気ノイズなどを含む。

,この分解能 は,変動範囲の半分プラス 1 増分とする。

注記 1  これはシステムノイズによる分解能について記載したもので,油圧式試験機のような制御誤

差を説明するものではない。

注記 2  自動レンジ設定装置の場合,システム分解能又はゲイン変化によって,指示計の分解能も変

化する。

6.2.4

単位

分解能 は,力の単位で表現する。

6.3

力指示計の相対分解能の事前決定

力指示計の相対分解能 は,式(4)によって求める。

100

×

F

r

a

 (4)

ここに,

r

6.2

で規定した分解能

F: 検討している力

この相対分解能は,個々の力について決定する。相対分解能は,校正中の試験機の等級に対して,

表 2

に規定した値を超えてはならない。

6.4

校正方法

6.4.1

力計の調しん

引張力計は,曲げの影響が最小となるように取り付ける(

JIS B 7728

参照)

。圧縮力計の調しんは,試験

機に内蔵球座がなければ,球座圧盤を取り付ける。

試験機が,例えば,上部作業エリアで圧縮試験,同等に下部作業エリアで引張試験,逆もまた同じ,が

できるように二つの作業エリアをもっていて,力の作用及び力指示計(力計測系)が共通の場合には,ど

ちらか一方の校正でよい。証明書には適切なコメントを記載する。

6.4.2

温度補正

校正は,10  ℃∼35  ℃の周囲温度で実施する。校正時の温度は,校正報告書及び検証報告書に記載する。

力計の温度が安定する時間を十分に取り,その温度は,校正中±2  ℃に安定させる。必要な場合は,読

み値に温度補正する(

JIS B 7728

参照)

6.4.3

試験機の予備負荷

試験機の予備負荷は,力計を所定の位置に設置してゼロと測定する最大の力との間で,少なくとも 3 回

実施する。

6.4.4

手順

校正は,次の手順で実施する。試験機の力指示計が指示する任意の力 F

i

を加えて,力計が指示する真の

力 を記録する。この方法が使用できない場合は,力計が指示する真の力 を試験機に加え,校正される

試験機の力指示計が指示する力 F

i

を記録する。


5

B 7721

:2009

6.4.5

試験力の作用

3

回の測定は,力を増加させて実施する。異なる 5 点以上の試験力が与えられない試験機においては,

それぞれの力についての相対誤差が規定する等級に応じて

表 2

の値を超えてはならない。5 点以上の力が

与えられる場合は,各レンジ容量の 20 %∼100 %の間で,ほぼ等間隔の少なくとも 5 点で測定する。

20 %

未満の範囲で校正を行う場合,限界値を含む 10 %,5 %,2 %,1 %,0.5 %,0.2 %及び 0.1 %の測

定点で実施する。

限界値は,分解能 に次の値を乗じて決定する。

− 0.5 級については 400

−  1 級については 200

−  2 級については 100

−  3 級については 67

自動レンジ切替式指示計付きの試験機では,分解能が変わらない測定レンジに対して,少なくとも 2 か

所の測定点で校正する。

可能であれば,3 回の測定の前に力計の位置を 120°ずつ回転して変更することが望ましい。

個々の測定点について,各回の測定で得た値の算術平均を求める。これらの平均値から,その試験機の

力計測系の相対指示誤差及び相対繰返し誤差を求める(

6.5

参照)

各回の測定前にゼロを調整する。ゼロの読みは,力を完全に除いてから約 30 秒後に読み取る。アナログ

指示計の場合には,指針がゼロ近くで自由に平衡し,デジタル指示計の場合には,ゼロ以下への降下が,

例えば符号表示(+又は−)で,直ちに表示されることを確認する。

相対ゼロ誤差は,式(5)によって求める。

100

N

0

i

0

×

F

F

 (5)

6.4.6

附属品の検証

附属品(置針,記録計など)の正しい作動状態及び摩擦による抵抗を,次のいずれかの方法で,試験機

が附属品付きで使用される場合と,附属品なしで使用される場合とについて,校正しなければならない。

a

)

試験機が附属品付きで通常使用される場合には,附属品を接続して使用される各測定レンジに対して,

試験力を増加させて 3 回の測定を実施し,かつ,補足的に附属品なしで,使用する最小のレンジに対

して 1 回の測定を実施する(

6.4.5

参照)

b

)

試験機が附属品なしで通常使用される場合には,附属品を接続しないで使用される各測定レンジに対

して,試験力を増加させて 3 回の測定を実施し,かつ,補足的に附属品を付けて,使用する最小のレ

ンジに対して 1 回の測定を実施する(

6.4.5

参照)

両方の場合,相対指示誤差 は 3 回の通常測定から計算し,相対繰返し誤差 は 4 回の測定から計算す

る(

6.5.1

及び

6.5.2

参照)

及び で得られた値は,検討中の等級に対して

表 2

に適合するものとし,次

の追加条件も満足しなければならない。

−  一定の指示力による校正  [式(6)]

q

F

F

F

×

×

5

.

1

100

c

c

i

 (6)


6

B 7721

:2009

−  一定の真の力による校正  [式(7)]

q

F

F

F

×

×

5

.

1

100

ic

 (7)

式(6)及び式(7)の の値は,検討中の等級の

表 2

に示す相対指示誤差である。

注記

式(6)及び式(7)の,

ISO 7500-1

:2004

の不等号の記載は“<”であるが,2008 年に技術的正誤票

(technical corrigendum)が発行され,

“≦”に修正されている。

6.4.7

ピストンの位置の違いによる影響の検証

油圧ジャッキ方式によって試験力を確保する油圧式試験機については,ピストンの位置の違いによる影

響を,3 回の測定時に,最小測定レンジについて評価する(

6.4.5

参照)

。各回の測定は,ピストンの位置

を変えて行わなければならない。

注記

ダブルピストン式油圧式試験機の場合は,両方のピストンを考慮する必要がある。

6.4.8

相対往復誤差の決定

相対往復誤差 ν の決定は,要求を受けた場合にだけ行う。これは同一の測定点で,最初に力を増加させ

ながら,次に力を減少させながら校正を行い,決定する。したがって,試験機は,減少方向の力でも校正

しなければならない。

力の増加及び減少で得られた値の差から,相対往復誤差(

図 1

参照)は,式(8)によって求める。

100

×

F

F'

F

ν

 (8)

一定の真の力による特別な場合の相対往復誤差は,式(9)によって求める。

100

i

i

×

F

F

'

F

ν

 (9)

この決定は,試験機の最小レンジ及び最大レンジについて実施する。

X

  力計の指示又は真の力

Y

  力指示計の読み

図 1

相対往復誤差決定の概念

6.5

力指示計の評価

6.5.1

相対指示誤差

真の力の平均

F

の%で表される相対指示誤差は,式(10)によって求める。

 


7

B 7721

:2009

100

i

×

F

F

F

q

 (10)

一定の真の力による特別な場合の校正に対しての相対指示誤差は,式(11)によって求める。

100

i

×

F

F

F

q

(11)

6.5.2

相対繰返し誤差

相対繰返し誤差 は,各々の個別力測定点での平均値に対する最大と最小との測定値の差であり,式(12)

によって求める。

100

min

max

×

F

F

F

b

 (12)

一定の真の力による特別な場合の校正に対しての相対繰返し誤差は,式(13)によって求める。

100

min

i

max

i

×

F

F

F

b

 (13)

6.5.3

2

台の力計間の一致性

一つの測定レンジを校正するために 2 台の力計が必要な場合には,両力計に同一の公称試験力を加える

6.1 参照)

。それぞれの力計で得られた相対指示誤差の差は,

表 に示す相対繰返し誤差の 1.5 倍を超え

てはならない。すなわち,|q

1

q

2

|

≦1.5b

7

試験機の等級

該当する等級によって試験機を特定するための,力計測系の種々の相対誤差及び力指示計の相対分解能

表 に示す。

力指示計の各測定レンジの等級は,そのレンジの特性値の検定結果が少なくともレンジ容量の 20 %∼

100 %

の測定範囲で満足する場合にだけ,付与することができる(

附属書 参照)。

表 2−力計測系の特性値

単位  %

試験機の

等級

相対指示誤差

相対繰返し誤差

相対往復誤差

a

)

ν

 

相対ゼロ誤差

f

0

相対分解能

 0.5

±0.5 0.5  ±0.75

±0.05 0.25

 1

±1.0 1.0  ±1.5

±0.1 0.5

 2

±2.0 2.0  ±3.0

±0.2 1.0

 3

±3.0 3.0  ±4.5

±0.3 1.5

a

)

相対往復誤差の検証は,要求がある場合にだけ行う(6.4.8 参照)

8

校正報告書及び検証報告書

8.1

一般

報告書は,少なくとも次の情報を含んでいなければならない。

8.2

一般的な情報

a

)  JIS B 7721

の規格番号

b

)

試験機の識別(製造業者名,形式,製造番号及び分かれば製造年月)

。さらに,可能であれば,力指示


8

B 7721

:2009

計の識別(表示,形式及び製造番号)

c

)

試験機の設置場所

d

)

使用する力計の形式,等級,器物番号,校正証明書番号及び発行年月日

e

)

校正時の温度

f

)

校正年月日

g

)

校正機関名称又はロゴ

8.3

校正結果及び検証結果

校正結果及び検証結果の記載は,次による。

a

)

一般検査中に発見されたすべての異常

b

)

各力計測系に対して,校正モード(引張,圧縮又は引張・圧縮)

,校正を行った測定レンジの等級及び

要求に応じて,相対指示誤差,相対繰返し誤差,相対往復誤差,相対ゼロ誤差及び相対分解能

c

)

評価が適用される各測定レンジの下限値

d

)

力計測系の校正結果の不確かさの推定をする場合には,

附属書 を適用するとよい。

9

校正の間隔

校正の間隔は,試験機の形式,保全水準,使用量及び試験する材料の種類に依存する。特に指定されな

い限り,校正の間隔は 12 か月を超えないことが望ましい。校正は,試験機を移設したとき又は大きな修理

若しくは調整を行ったときにも実施しなければならない。 


9

B 7721

:2009

附属書 A

規定)

試験機の一般検査

A.1

概要

試験機の一般検査を力計測系の校正の実施前に行わなければならない(箇条 参照)

。その検査は,次の

事項を含むものとする。

A.2

目視検査

目視検査では,次のことを確認する。

a

)

対象試験機が正常な作動状態にあり,次のような一般的な条件のうち,ある特定のものによって悪影

響を受けない。

−  移動クロスヘッドのガイド又はグリップの著しい磨耗若しくは欠陥

−  コラム及び固定クロスヘッドの緩み

b

)

対象試験機が環境条件,例えば,振動,電源変動,腐食,局部的な温度変動などによって影響を受け

ない。

c

)

取外し可能な振子装置のおもりを使用している場合は,その質量が正しく確認できる。

A.3

試験機の構造検査

試験機構造及びグリップ系は,力を軸方向に加えるようになっていることを確認する。

A.4

クロスヘッドドライブ機構の検査

クロスヘッドドライブ機構は,力の均一,かつ,円滑な変化と種々の別個の力とが十分な精度で得られ

ることを確認する。

ドライブ機構は,種々の機械的な特性を決定するために規定されている試験片の変形速度に適合するこ

とが望ましい。


10

B 7721

:2009

附属書 B

参考)

圧縮試験機の耐圧盤の検査

耐圧盤は,試験機に附属のものと特別に附属するものとがある。

試験機の要求に従った機能を耐圧盤がもつことを検証するのが望ましい。

特別な試験規格の要求がない限り,その平面度は 100 mm において 0.01 mm を満足するのが望ましい。

鋼製の場合,硬度は 55 HRC 以上であるのが望ましい。

曲げ応力に敏感な試験片の場合,上部耐圧盤は球座式で,無負荷状態で容易に約 3°調節可能であるこ

とが必要である。


11

B 7721

:2009

附属書 C 

参考)

試験機を等級分類するときの代替的方法

次の代替的な試験機の等級分類方法は,平均値だけでなくすべての値が一定の限度内でなければならな

いとする全体的な誤差の概念に基づく。

試験機の指示誤差は,試験機に与えられ表示された力の%として決定する。

表 の記号を用いて相対指

示誤差は,式(C.1)によって求める。

100

i

×

F

F

F

q

(C.1)

相対繰返し誤差は,OIML 用語表の繰返し性の定義(参考文献[2]参照)に基づき決定する。すなわち,

1

変数だけが変わる条件で,この唯一変わってもよい変数は力であり,2 回目に加えられる力は,初回の力

とほぼ同じ大きさとする。この場合,試験機の繰返し性は,加えられた一つの力と,もう一つの加えられ

たほぼ同じ力とから求める。相対繰返し誤差の計算に 2 組の近似した力を用い,式(C.2)で相対指示誤差の

代数差から求めることが推奨される。

b=|q

1

q

2

| (C.2)

ここに,  q

1

及び q

2

各々の力を加えたときの相対指示誤差

2

回目に加えられる力は初回の力と同一である必要はないので,校正実施者の技術又は制御上の条件に

よって起こる変動で,力測定の繰返し性が影響を受けることはない。

表 に示す試験機の等級分類には変更なく,相対指示誤差及び相対繰返し誤差の計算方法が変わるだけ

である。この方法は,校正手順の自動化が容易になる。

注記  この代替的方法を用いる場合,報告書にその旨を記載することが望ましい。


12

B 7721

:2009

附属書 D 

参考)

力計測系の校正結果の不確かさ

D.1

はじめに

力計測系の不確かさを,校正時に仕様の限界値又は得られた測定値から計算することが可能である。そ

の計算については,次に詳しく説明する。

指示誤差は,既知のバイアスとして通常は校正中には修正されないので,

表 の仕様の範囲内にある場

合,総合誤差 の妥当とされる範囲は,qUEqである。ここに,は 6.5.1 で規定する相対指示

誤差であり,は相対拡張不確かさである(参考文献[3]参照)

D.2

負荷が増加する場合

D.2.1

相対平均誤差の推定

試験機が表示する負荷の相対平均誤差の最良の推定値が q,すなわち相対指示誤差である。この相対指

示誤差と相関するのが相対拡張不確かさ であり,式(D.1)で表される。

×

×

n

i

i

u

k

u

k

U

1

2

c

(D.1)

ここに,

k: 包含係数

u

c

相対合成標準不確かさ

u

i

相対標準不確かさ

相対標準不確かさは,繰返し性の相対標準不確かさ(D.2.2 参照)

,分解能の相対標準不確かさ(D.2.3

参照)及び参照標準の相対標準不確かさ(D.2.4 参照)である。考慮しなければならないそのほかの不確か

さ要因としては,相対ゼロ誤差及びオペレータの影響があり得る。

D.2.2

繰返し性

繰返し性の相対標準不確かさ u

rep

は,推定相対平均誤差値の標準偏差であり,式(D.2)によって求める。

( )

(

)



n

j

j

F

F

n

F

n

u

1

2

rep

1

1

100

1

(D.2)

ここに,

n: 各公称負荷レベルでの測定数

F

j

負荷レベルでの測定値(力の単位)

F

負荷レベルでの測定値の平均値(力の単位)

試験機の分類にほかの方法を用いた場合(

附属書 を参照)は,式(D.3)によって求める。

( )

( )

n

i

i

q

q

n

n

u

1

2

rep

1

1

(D.3)

ここに,

n: 各公称負荷レベルでの測定数

q

i

負荷レベルでの相対指示誤差 (%)

q

公称負荷レベルでの相対指示誤差の平均値 (%)


13

B 7721

:2009

D.2.3

分解能

相対分解能の相対標準不確かさ

u

res

は,く(矩)形分布から得られ,式(D.4)によって求める。

3

2

res

a

u

(D.4)

D.2.4

参照標準

参照標準の相対標準不確かさ

u

std

は,式(D.5)によって求める。

2

2

2

2

std

cal

u

u

A

B

C

=

+

+

+

(D.5)

ここに,

u

cal

校正値の相対標準不確かさ

A

,

B

,

C

該当する場合,温度,ドリフト及び多項式曲線の線形近
似による要因

D.2.5

拡張不確かさ

当該相対標準不確かさをすべて考慮に入れれば(前述のその他の要因を含む)

,相対合成標準不確かさ

u

c

に包含係数

k

を乗じると相対拡張不確かさ

U

が得られる。包含係数

k

の値は

= 2

とすることを勧める

が,有効自由度の数からも求められる。

なお,参考文献[3]に定める原則に従うことが望ましい。

増加方向の推定平均総合誤差

E

は,式(D.6)によって求める。

E

q

±

U

(D.6)

増加方向の平均負荷

F

は,式(D.7)によって求める。

(

)

i

i

100

F

F

F

q U

≈ −

±

(D.7)

D.3

負荷が減少する場合

負荷が減少する場合には,相対合成標準不確かさ u'

c

は 及び ν の不確かさ要因から計算される。ν の不

確かさ要因は,増加方向の相対指示誤差 の不確かさ要因と同じであると仮定される。したがって,相対

合成標準不確かさ u'

c

は,式(D.8)によって求める。

c

c

u

u'

×

(D.8)

相対合成標準不確かさ u'

c

に包含係数 を乗じると相対拡張不確かさ U'が得られる。

減少方向の推定平均総合誤差 E'は,式(D.9)によって求める。

(

)

U'

ν

q

E'

±

(D.9)

ここに,

q: 増加方向での相対指示誤差

ν: 相対往復誤差

減少方向の平均負荷 F'は,式(D.10)によって求める。

(

)

[

]

U'

ν

q

'

F

'

F

F'

±

100

i

i

(D.10)

 
 


14

B 7721

:2009

事例:

−  力指示計の表示値:100.0 kN,力指示計の分解能:0.5 kN

−  増加方向での測定値(測定 1∼3)

:100.1 kN,100.8 kN 及び 100.9 kN

−  減少方向での測定値(測定 4)

:99.5 kN

−  1 級の参照標準(力計)の相対標準不確かさ:u

std

=0.12 %

−  ドリフト,温度又は内挿誤差による大きな影響はない。

−  力伝達系(end-loading)の影響又はオペレータの影響は考慮していない。

−  相対指示誤差 q=−0.60 %:1 級の基準を満たしている。

−  相対繰返し誤差  b=0.80 %:1 級の基準を満たしている。

−  相対往復誤差 ν=+1.39 %:1 級の基準を満たしている。

−  相対分解能 a=0.50 %:1 級の基準を満たしている。

−  u

rep

=0.25 %(推定相対平均誤差の標準偏差)

−  u

res

=0.14 %(分解能の相対標準不確かさ)

−  u

std

=0.12 %(標準器の校正値の相対標準不確かさ)

−  u

c

=0.31 %(上記 3 要因の自乗和平方根)

−  u'

c

=0.44 %(増加方向での要因の自乗和平方根と 2 との積)

−  U=0.62 %(増加方向での相対合成標準不確かさと k=2 との積)

−  U'=0.88 %(減少方向での相対合成標準不確かさと k=2 との積)

E=(−0.60±0.62) %(増加方向の推定平均総合誤差の予測範囲)

(

)

⎥⎦

⎢⎣

±

62

.

0

0.60

100

i

i

F

F

F

kN

(増加方向における負荷の平均値の予測範囲)

E'=−0.6+1.39±0.88=(0.79±0.88) %(減少方向の推定平均総合誤差の予測範囲)

(

)

⎥⎦

⎢⎣

±

88

.

0

79

.

0

100

i

i

'

F

'

F

F'

kN

(減少方向における負荷の平均値の予測範囲)

注記  上記の手順では,試験機の校正中に得られる平均指示誤差の不確かさが得られるだけである。

したがって,校正中に負荷を 1 回加えることによる不確かさが得られるのではなく,また,そ

の後に試験機を使用してその他の要因(例えば,試験片の配置,温度のドリフト,取付けジグ

など)を考慮する必要があるような場合の試験機の不確かさを示すものでもない。


15

B 7721

:2009

附属書 E

参考)

参考文献

[1]

ISO/IEC Guide 99

:2007, International vocabulary of metrology

−Basic and general concepts and associated

terms (VIM), BIPMIECIFCCISO, IUPACIUPAPOIML, 3rd edition, 2007

[2]

International Organization of Legal Metrology (OIML) document, Vocabulary of Legal Metrology

Fundamental Terms, 2000

[3]

ISO/IEC Guide 98-3

:2008, Uncertainty of measurement

−Part 3: Guide to the expression of uncertainty in

measurement (GUM:1995)

[4]

DIXON, M.J., Dynamic Force measurement, chapter 4, 55-80, Materials Metrology and Standards for

Structural Performance, Ed; DYSON, B.F., LOVEDAY, M.S. and GEE, M.G., Chapman and Hall, London

(1995)

[5]

SAWLA, A., Measurement of dynamic forces and compensations of errors in fatigue testing, Proceedings of

the 12th IMEKO World Congress “Measurement and Progress”, Beijing, China. Vol.2 (1991), 403-408

[6]

ISO 6892

, Metallic materials

−Tensile testing at ambient temperature

[7]

ISO 9513

, Metallic materials

−Calibration of extensometers used in uniaxial testing

[8]

ASTM E467-98a

, Standard Practice for Verification of Constant Amplitude Dynamic Forces in an Axial

Fatigue Testing System

[9]

ASTM E4-03

, Standard Practices for Force Verification of Testing Machines


附属書 JA

参考)

JIS

と対応する国際規格との対比表

JIS B 7721: 2009

  引張試験機・圧縮試験機−力計測系の校正方法及び検証方法

ISO 7500-1: 2004

,Metallic materials−Verification of static uniaxial testing machines

−Part 1:Tension/compression testing machines−Verification and calibration of the

force-measuring system

(Ⅰ)JIS の規定

(Ⅲ)国際規格の規定

(Ⅳ)JIS と国際規格との技術的差異の箇条

ごとの評価及びその内容

箇 条 番 号

及び名称

内容

(Ⅱ)

国際規格
番号

箇条番号

内容

箇 条 ご と

の評価

技術的差異の内容

(Ⅴ)JIS と国際規格との技術的差

異の理由及び今後の対策

3

用 語 及

び定義

3.1

校正

3.2

真の力

3

VIM 2

nd

 edition, 1993

JIS

とほぼ同じ

変更

追加

最新版 VIM 3

rd

 edition, 2007

記述に修正した。

日 本 工 業 規 格 と し て “ true

force

”を明確にした。

技術的差異はない。

8

校 正 報

告 書 及 び

検 証 報 告

一 般 , 一 般 的 な 情
報,校正結果及び検

証結果

8

JIS

とほぼ同じ

追加

附属書 D との関係を明確にす
る記述を追加した。技術的差異

はない。

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 7500-1:2004:MOD

注記 1  箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。

    −  追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。

    −  変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。

注記 2  JIS と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。

    −  MOD……………  国際規格を修正している。

16

B 772

1


2

009