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B 7610

:2012

(1)

目  次

ページ

序文  

1

1

  適用範囲  

1

2

  引用規格  

1

3

  用語及び定義  

1

4

  記号 

4

5

  計量上の要求事項  

4

5.1

  圧力の計算  

4

5.2

  標準状態  

4

5.3

  測定範囲  

4

5.4

  測定範囲の区分  

4

5.5

  精度等級  

5

5.6

  発生圧力の最大許容誤差  

5

5.7

  ピストン自由回転時間  

5

5.8

  ピストン降下速度  

5

5.9

  重錘形圧力天びんの動作感度  

6

5.10

  重錘質量  

6

5.11

  不確かさ  

6

6

  技術上の要求事項  

9

6.1

  環境条件  

9

6.2

  重錘形圧力天びんの状態  

9

6.3

  温度測定  

9

6.4

  圧力基準高さ  

9

6.5

  ピストンの高さ位置  

10

6.6

  水準調整  

10

6.7

  ピストンと重錘皿との相互位置  

10

6.8

  重錘  

10

6.9

  ピストン・シリンダの材料  

10

6.10

  ベルジャー  

11

6.11

  ベルジャー内の圧力測定  

11

7

  表示 

11

7.1

  重錘形圧力天びん  

11

7.2

  ピストン・シリンダ  

11

7.3

  重錘  

11

8

  試験方法  

11

9

  関係文書  

11


B 7610

:2012  目次

(2)

ページ

9.1

  取扱説明書  

11

9.2

  試験報告書  

12

附属書 A(規定)重錘形圧力天びんの試験方法  

13

附属書 JA(参考)JIS と対応国際規格との対比表  

19


B 7610

:2012

(3)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般社団法人日本計量機器工業連合会(JMIF)

及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出

があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

これによって JIS B 7610-1:2000 及び JIS B 7610-2:2000 は廃止され,この規格に置き換えられた。また,

JIS B 7610-3:2000

の一部を統合している。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 B

7610

:2012

重錘形圧力天びん

Pressure balances

序文 

この規格は,1994 年に発行された OIML R110 を基に,OIML の法規制に関わる部分を削除するととも

に,国内の使用状況を考慮し,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。

変更の一覧表にその説明を付けて,

附属書 JA に示す。

適用範囲 

この規格は,単純型構造又は内包型構造のピストン・シリンダを装備し,直接荷重式で,圧力範囲の上

限が 100 kPa∼500 MPa のゲージ圧力及び絶対圧力の計測に対して用いる重錘形圧力天びんの性能を確保

するために必要な計量・技術上の要求事項及び試験方法について規定する。

ただし,増圧器による圧力天びん,指示式圧力天びん,てこ式荷重機構をもつ圧力天びん,電磁平衡式

の圧力天びん及び隙間制御型重錘形圧力天びんには適用しない。

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

OIML R110:1994

,Pressure balances(MOD)

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“修正している”

ことを示す。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。この引用

規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS Z 8103

  計測用語

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Z 8103 によるほか,次による。

3.1 

ピストン・シリンダ(piston-cylinder assembly)

シリンダ内に円筒状のピストンが挿入された組合せ部品。

注記  通常,ピストンの片方の端に重錘皿が取り付けられている。

3.2 

重錘(weights) 

重力によって安定した任意の力を得るためピストンに載せるおもり。


2

B 7610

:2012

注記  精密に質量が調整及び値付けされている。

3.3 

単純型構造(simple-type piston-cylinder assembly) 

シリンダの外面に周囲圧力が加わる構造[

図 1 a)  参照]。

3.4 

内包型構造(re-entrant type piston-cylinder assembly) 

シリンダの外面の一部に,発生圧力が加わる構造[

図 1 b)  参照]。

3.5 

有効断面積(effective area) 

重錘形圧力天びんの発生圧力の計算に用いる,一組のピストン・シリンダに対して決められた実効的な

断面積。

3.6 

最大許容誤差(maximum permissible errors) 

計量器の表示値と拡張不確かさを含む実際の値との間で許される(正及び負の)最大偏差。

3.7 

参照標準器(standard pressure device) 

比較試験において標準として参照され,試験される重錘形圧力天びんよりも計量特性が優れた圧力標準

器。

注記  国家標準など国際単位系(SI)を実現している圧力標準へのトレーサビリティを保証している

ことが求められる。

3.8 

重錘形圧力天びんの動作感度(discrimination threshold of pressure balance)

参照標準器と重錘形圧力天びんとの比較試験において,検出可能な変化をもたらす圧力の最小値。

3.9 

ピストンの高さ位置(floating position of piston)

ピストンが作動している浮上高さの位置。

3.10 

ピストンの作動範囲(stroke of piston) 

ピストンが作動できる高さ位置の範囲。

3.11 

ピストンの使用範囲(working stroke of piston) 

ピストンの作動範囲の中で,重錘形圧力天びんとしての性能が維持されている範囲。

3.12 

ピストン降下速度(fall-rate of piston) 

シリンダ内で浮上しているピストンが降下する速度。

3.13 

ピストン自由回転時間(free rotation time of piston) 

ピストンを定められた回転速度に回転させてから,外部から何も力を加えないときにピストンの回転が

止まるまでの時間。


3

B 7610

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3.14 

圧力基準高さ(pressure reference level) 

圧力値が得られる重錘形圧力天びんの基体,又は支柱に対して明確に示された基準となる高さ位置。

3.15 

ゲージ圧力(gauge pressure) 

大気圧を基準とした圧力。

注記  正のゲージ圧力及び負のゲージ圧力がある。

3.16 

絶対圧力(absolute pressure)

完全真空を基準とした圧力。

3.17 

温度係数(thermal expansion coefficient) 

ピストン・シリンダ温度による有効断面積の相対変化量。

注記  通常,1 K 当たりの相対変化量で表す。

3.18 

圧力変形係数(pressure distortion coefficient) 

圧力による有効断面積の相対変化量。

注記  通常,1 MPa 当たりの相対変化量で表す。

3.19 

周囲圧力(surrounding pressure) 

重錘周囲の圧力。

3.20 

ベルジャー(bell jar) 

周囲圧力を大気圧から隔離する容器。

a) 単純型構造

b) 内包型構造

ピストン

シリンダ

圧力

重錘

ピストン

シリンダ

圧力

ハウジング

重錘皿

重錘

重錘皿

圧力配管

圧力配管

図 1−ピストン・シリンダ構造図

a)

  単純型構造 

b)

  内包型構造 


4

B 7610

:2012

記号 

この規格で用いる記号は,

表 による。

表 1−記号 

記号

単位

記号の意味

p

s,i

p

i

 Pa

番目の圧力平衡状態のときの参照標準器及び被試験器の発生圧力

A

s

(pt),A(pt) m

2

圧力 及び温度 における参照標準器及び被試験器の有効断面積

λ

s

λ MPa

−1

参照標準器及び被試験器のピストン・シリンダの有効断面積の圧力変形係数

m

s

m kg

参照標準器及び被試験器のピストンと重錘皿の質量

m

s,i

m

i

 kg

圧力 p

i

の発生に必要な参照標準器及び被試験器の全重錘の質量(ピストン及び重錘

皿の質量は除く。

ρ

s

ρ kg/m

3

参照標準器及び被試験器のピストンと重錘皿の密度

ρ

s,i

ρ

i

 kg/m

3

圧力 p

i

の発生に必要な参照標準器及び被試験器の重錘の密度

ρ

f

 kg/m

3

圧力媒体の密度

ρ

b

 kg/m

3

周囲空気の密度

g

1

 m/s

2

試験場所の重力加速度

m

参照標準器と被試験器との圧力基準高さの差(参照標準器の圧力基準高さが高いと

きを正とする。

β

s

β

K

−1

参照標準器及び被試験器のピストン・シリンダの有効断面積の温度係数

t

s

t

参照標準器及び被試験器のピストン・シリンダの温度

t

r

標準状態の温度

γ 

N/m

圧力媒体の表面張力

C

s

C m

参照標準器及び被試験器のピストンの円周

p

s0

p

0

 Pa

参照標準器及び被試験器の周囲圧力

計量上の要求事項 

5.1 

圧力の計算 

一般的には,重錘形圧力天びんの発生圧力は,重錘形圧力天びんの作動原理に従って次の式(1)によって

求める。

0

r

r

b

1

b

1

)]

(

1

)[

1

)(

,

0

(

1

1

p

t

t

p

t

A

C

m

m

p

i

i

i

i

+

+

+

+

 −

+

 −

=

β

λ

γ

ρ

ρ

ρ

ρ

g

g

  (1)

製造業者は,式

(1)

又はそれに準じる式によって発生圧力を求める方法を示さなければならない。

注記

発生圧力を重錘に表示することもできる。

5.2 

標準状態 

標準状態における温度は,

20

℃又は

23

℃とし,

いずれかを選んで明示する。

重力加速度は

9.806 65 m/s

2

周囲空気の密度はゲージ圧力の場合

1.2 kg/m

3

,絶対圧力の場合

0 kg/m

3

とする。

5.3 

測定範囲 

測定範囲の上限は,次の数列のいずれかを用いることが望ましい。

1

×

10

n

2

×

10

n

5

×

10

n

は整数)

なお,単位は,

kPa

又は

MPa

で表す。ゲージ圧力の測定か,又は絶対圧力の測定かを明記する。

5.4 

測定範囲の区分 

測定範囲の区分は,次による。


5

B 7610

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a)

重錘形圧力天びんの測定範囲の下限 p

min

が上限 p

max

10 %

未満(p

min

0.1

p

max

)の場合は,次のよう

に主測定範囲と補助測定範囲との二つに区分する。

1)

 0.1

p

max

p

max

の主測定範囲

2)

p

min

0.1

p

max

の補助測定範囲

b)

測定範囲の下限が上限の

10 %

以上の場合は,p

min

p

max

の主測定範囲だけとする。

5.5 

精度等級 

重錘形圧力天びんの精度等級は,

0.01

級,

0.02

級,

0.05

級,

0.1

級及び

0.2

級の

5

等級とする。重錘形圧

力天びんの精度等級は,試験によって決定する。

5.6 

発生圧力の最大許容誤差 

重錘形圧力天びんの発生圧力の最大許容誤差を,

表 に示す。主測定範囲の最大許容誤差は発生圧力の

百分率(

%

)で表し,補助測定範囲については主測定範囲の下限値(

0.1

p

max

)の百分率(

%

)で表す。

表 2−重錘形圧力天びんの発生圧力の最大許容誤差

精度等級

主測定範囲

(発生圧力の百分率%)

補助測定範囲

(0.1 p

max

の百分率%)

0.01 級 0.01

0.01

0.02 級 0.02

0.02

0.05 級 0.05

0.05

0.1 級 0.1

0.1

0.2 級 0.2

0.2

5.7 

ピストン自由回転時間 

ピストン自由回転時間は,製造業者の指定する圧力媒体で製造業者の仕様を満足しなければならない。

ただし,仕様が示されていない場合は,測定範囲の上限の

20 %

の圧力において,

表 の値以上でなければ

ならない。

ピストン自由回転時間の測定は,A.3.1.1 による。

表 3−ピストン自由回転時間

測定範囲の上限

(MPa)

自由回転時間(min)

0.01 級

0.02 級

0.05 級

0.1 級

0.2 級

0.1 以上    5 以下  4 3 2 2 2

5 を超え 500 以下  6 5 3 3 3

5.8 

ピストン降下速度 

ピストン降下速度は,製造業者の指定する圧力媒体で製造業者の仕様を満足しなければならない。ただ

し,仕様が示されていない場合は,測定範囲の上限において,

表 の値を超えてはならない。通常,ピス

トンがその使用範囲にある時間は,

3

分以上を確保していなければならない。

ピストン降下速度の測定は,A.3.1.2 による。


6

B 7610

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表 4−ピストン降下速度

圧力 
媒体

測定範囲の上限

(MPa)

ピストン降下速度の最大値(mm/min)

0.01 級

0.02 級

0.05 級

0.1 級

0.2 級

気体 0.1 以上

  1 以下

1 1 2  2 −

1 を超えるもの 2

2

3

3

液体 0.1 以上

  5 以下

0.4 0.4 1  2  3

5 を超え 500 以下

1.5 1.5 1.5  3  3

5.9 

重錘形圧力天びんの動作感度 

重錘形圧力天びんの動作感度は,主測定範囲の下限において,

表 の発生圧力の最大許容誤差の

10 %

超えてはならない。

5.10 

重錘質量 

5.10.1 

一般 

新しく製造した重錘形圧力天びんの重錘については,特定の状態における使用のための質量の調整又は

測定を行わなければならない。

5.10.2 

重錘質量の調整 

重錘の質量値を,計算の結果得られた目標値に対して調整する場合は,

表 の重錘質量の目標値に対す

る最大許容誤差を超えてはならない。重錘質量の目標値は,A.5 に示すように,使用するピストン・シリン

ダの有効断面積に基づいて計算する。

表 5−重錘質量の目標値に対する最大許容誤差

精度等級

重錘質量の最大許容誤差

(%)

0.01 級 0.003 
0.02 級 0.006 
0.05 級 0.015 
0.1 級 0.03 
0.2 級 0.06

5.10.3 

重錘質量の測定 

重錘の質量を測定する場合は,不確かさを評価する。重錘質量の測定は,A.3.1.3 による。

5.11 

不確かさ 

5.11.1 

一般 

発生圧力の不確かさは,次による。

a)

重錘形圧力天びんの発生圧力の不確かさは,結果の算出に用いるため事前に決定している各量の不確

かさと,使用時における個々の測定の不確かさとを合わせて評価する。

注記

不確かさの一般的な定義は,ISO/IEC Guide 98-3 及び ISO/IEC Guide 99 参照。

b)

精度等級と発生圧力の不確かさとの関係は,次による。

なお,相対合成標準不確かさは,有効自由度が十分に大きい場合を想定し,包含係数 k

2

として求

めた。

1)

重錘質量に A.5 で計算した目標値を使用する場合の精度等級と発生圧力の不確かさとの関係を,

6

に示す。発生圧力の相対拡張不確かさは,

表 の発生圧力の最大許容誤差から表 の重錘質量の

目標値に対する最大許容誤差を減じて求める。


7

B 7610

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表 6−重錘質量に目標値を使用する場合の精度等級と発生圧力の不確かさとの関係

精度等級

発生圧力の

最大許容誤差

(%)

重錘質量の

目標値に対する

最大許容誤差

(%)

発生圧力の

相対拡張不確かさの

最大値

(%)

発生圧力の

相対合成標準

不確かさの最大値

(%)

0.01 級

0.01

0.003

0.007 0

0.003 5

0.02 級

0.02  0.006 0.014 0.007 0

0.05 級

0.05  0.015 0.035 0.017 5

0.1 級 0.1

0.03

0.070  0.035

0.2 級 0.2

0.06

0.140  0.070

2)

重錘質量に測定値を使用する場合の精度等級と発生圧力の不確かさとの関係を,

表 に示す。発生

圧力の相対拡張不確かさは,

表 の発生圧力の最大許容誤差から求める。

表 7−重錘質量に測定値を使用する場合の精度等級と発生圧力の不確かさとの関係

精度等級

発生圧力の

最大許容誤差

(%)

発生圧力の

相対拡張不確かさの

最大値

(%)

発生圧力の

相対合成標準

不確かさの最大値

(%)

0.01 級

0.01

0.010 0

0.005 0

0.02 級 0.02  0.020  0.010 0 
0.05 級 0.05  0.050  0.025 
0.1 級 0.1  0.100  0.050 
0.2 級 0.2  0.20  0.100

5.11.2 

不確かさの分類 

個々の不確かさは,次の三つのグループに分類する。

a)

ピストン・シリンダの有効断面積の決定に関わる不確かさ  次に示す各不確かさを用いて算出する。

1)

参照標準器による測定圧力の不確かさ

2)

比較試験における不確かさ

3)

圧力の安定性による不確かさ

4)

ピストン・シリンダの有効断面積の温度補正による不確かさ(比較試験時の測定温度の不確かさ及

び温度係数の不確かさによる温度補正の不確かさ)

5)

ピストン・シリンダの有効断面積の圧力補正による不確かさ(圧力変形係数の不確かさによる圧力

補正の不確かさ)

b)

重錘質量の決定に関わる不確かさ  次に示す各不確かさを用いて算出する。それぞれ,ピストン及び

重錘皿についても考慮する。

1)

質量の不確かさ

2)

重錘密度の不確かさ

c)

その他使用上の不確かさ  次の不確かさは,使用時の環境及び圧力天びんの設置状況によって影響を

受けるので,試験では評価しない。したがって,性能を発揮させるためには,取扱説明書に手順及び

使用定数を明示し,使用上の不確かさが実質的に小さくなるようにしなければならない。

1)

試験場所の重力加速度の不確かさ


8

B 7610

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2)

ピストン・シリンダの温度の不確かさ

3)

圧力基準高さの不確かさ

4)

圧力媒体の密度の不確かさ

5)

圧力媒体の表面張力の不確かさ

6)

重錘形圧力天びんの動作感度による不確かさ

7

)

周囲圧力の不確かさ

8

)

ピストンの鉛直度の不確かさ

9

)

発生圧力のばらつきによる不確かさ

10

)

その他の不確かさ

次に示すような項目について影響があるとされる場合には,適宜,不確かさに算入する。

−  ピストン・シリンダの磁化による不確かさ

−  ピストンの回転による不確かさ

−  ピストンに加わる振動の影響による不確かさ

−  重錘にあたる風の影響による不確かさ

5.11.3 

不確かさの大きさ 

不確かさの大きさは,次による。

a)

5.11.2

の a)b)

及び c)

ごとに不確かさを評価,決定する。各要因の不確かさは,比較試験の結果,

製造業者などからの入手,あらかじめ行われた評価による推定などによって得る。また,合成標準不

確かさへの寄与率が小さい要因は省略することができる。

重錘形圧力天びんによる発生圧力 の合成標準不確かさ u

c

は,次の式

(2)

で算出される。

2

other

2

2

c





+

+

=

p

u

M

u

A

u

p

u

M

A

  (2)

ここに,

Au

A

発生圧力における有効断面積及びその標準不確かさ

Mu

M

ピストン,重錘皿及び重錘の質量の総和及びその標
準不確かさ

u

other

その他使用上の標準不確かさ

拡張不確かさは,合成標準不確かさに包含係数 を乗じることで得られる。包含係数は,拡張不確

かさが信頼の水準約

95 %

に対応する区間となるように決定する。

なお,有効自由度が十分に大きい場合には,k

2

を採用する。

注記

包含係数 の算出については,ISO/IEC Guide 98-3 

附属書 を参照。

b)

グループごとの標準不確かさの二乗の比率は,全体の標準不確かさの二乗に対する百分率として次の

比率となることが望ましい。

1)

重錘質量に A.5 で計算した目標値を使用する場合

−  有効断面積

80 %

−  その他使用上

20 %

2)

重錘質量に測定値を使用する場合

−  有効断面積

80 %

−  重錘質量

5 %

−  その他使用上

15 %


9

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c)

精度等級とグループごとの不確かさとの関係は,次による。

1)

重錘質量に A.5 で計算した目標値を使用する場合の精度等級とグループごとの不確かさとの関係を,

表 に示す。

表 8−重錘質量に目標値を使用する場合の精度等級と不確かさとの関係

精度等級

相対合成

標準不確かさ

u

c

/p(%)

有効断面積の

決定に関わる

相対標準不確かさ

u

A

/A(%)

その他使用上の

相対標準不確かさ

u

other

/p(%)

0.01 級

0.003 5

0.003 1

0.001 57

0.02 級

0.007 0

0.006 3

0.003 1

0.05 級

0.017 5

0.015 7

0.007 8

0.1 級

0.035 0.031 0.015 7

0.2 級

0.070 0.063 0.031

2)

重錘質量に測定値を使用する場合の精度等級とグループごとの不確かさとの関係を,

表 に示す。

表 9−重錘質量に測定値を使用する場合の精度等級と不確かさとの関係

精度等級

相対合成

標準不確かさ

u

c

/p(%)

有効断面積の 
決定に関わる

相対標準不確かさ

u

A

/A(%)

重錘質量の

決定に関わる

相対標準不確かさ

u

M

/M(%)

その他使用上の

相対標準不確かさ

u

other

/p(%)

0.01 級

0.005 0

0.004 5

0.001 12

0.001 94

0.02 級

0.010 0

0.008 9

0.002 2

0.003 9

0.05 級

0.025

0.022

0.005 6

0.009 7

0.1 級 0.050  0.045  0.01 2  0.019

4

0.2 級

0.100 0.089 0.022 0.039

技術上の要求事項 

6.1 

環境条件 

重錘形圧力天びんは,次の環境条件で使用する。ただし,環境条件が次と異なる場合,製造業者は明示

しなければならない。

  温度

 15

℃∼

35

  相対湿度

 30

%

80 %

6.2 

重錘形圧力天びんの状態 

ピストン・シリンダ,重錘皿及び重錘には,機能及び性能に影響する腐食,きずなどの損傷があっては

ならない。

6.3 

温度測定 

重錘形圧力天びんには,ピストン・シリンダの温度が評価可能な温度計が取り付けてあるか,又は取り

付けが可能でなければならない。

6.4 

圧力基準高さ 

重錘形圧力天びんには,圧力基準高さを表示するか,又は取扱説明書によって明確にしておかなくては

ならない。


10

B 7610

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6.5 

ピストンの高さ位置 

重錘形圧力天びんには,ピストンの作動範囲内でピストンの高さ位置を検出する手段を備えていなけれ

ばならない。また,この検出手段は,主測定範囲の下限において,

表 の発生圧力の最大許容誤差の

10 %

に等しい圧力変化を検出するのに十分なものでなければならない。

6.6 

水準調整 

重錘形圧力天びんには,ピストンの鉛直度を調整し,表示するために,精度等級

0.01

級は

1.5 mrad

以内,

精度等級

0.02

級∼

0.2

級は

3 mrad

以内に,角度調整が可能な水準調整機能及び表示機能を備えていなけれ

ばならない。

6.7 

ピストンと重錘皿との相互位置 

重錘皿をピストンに固定している場合には,重錘皿は,ピストンの中心軸に対し直角になるよう固定し

ていなければならない。その直角度は,製造業者の仕様がある場合はその値,又は 6.6 の精度等級に応じ

た値を満たすものでなければならない。

6.8 

重錘 

重錘は,次による。

a)

重錘の質量値の合計は,測定範囲の上限に達するのに十分でなければならない。

b)

重錘の質量は,特別な場合を除き,数列

 (1, 2, 5)

×

10

n

は整数)の呼称圧力に対応した値でなけれ

ばならない。ただし,最小圧力を得るための第

1

重錘の質量値は,数列に対応した値でなくてもよい。

c)

一つの重錘形圧力天びんについて,表示値が同じ重錘は,第

1

重錘を除き,同一の形状及び寸法でな

ければならない。

d)

重錘は,重錘の中心軸が同一に調心するように重錘皿の上に積み重ねられ,容易に加除できるもので

なければならない。

e)

重錘は,腐食,きずなどに耐える材料を用いるか,又は表面処理を施したものでなければならない。

また,通常の使用条件下において質量の変化が,

表 の重錘質量の目標値に対する最大許容誤差に対

して無視できる材料でなければならない。

f)

精度等級

0.01

級及び

0.02

級の重錘形圧力天びんに用いる重錘は,非磁性の材料を用いなければならな

い。

注記

重錘の要件は,

表 10 に示した分銅の精度等級に対する要件[JIS B 7609 の箇条 8(構造),

箇条 9(材質)

,箇条 10(磁性)

,箇条 11(密度)及び箇条 12(表面粗さ条件)

]を参照。

表 10−重錘形圧力天びんの精度等級と分銅の精度等級との関係

精度等級

分銅の精度等級

0.01 級

F

2

0.02 級

M

1

0.05 級

M

1

0.1 級

M

2

0.2 級

M

3

6.9 

ピストン・シリンダの材料 

ピストン・シリンダの材料は,ピストン・シリンダの形状,容積及び有効断面積において長期安定性が

保てるものを使用する。また,製造業者は,材料の特性及び品質に関する情報を提供しなければならない。


11

B 7610

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6.10 

ベルジャー 

絶対圧力発生用の重錘形圧力天びんには,周囲圧力を大気圧から隔離するベルジャーが取り付けてある

か,又は取り付けが可能でなければならない。

6.11 

ベルジャー内の圧力測定 

絶対圧力発生用の重錘形圧力天びんには,ベルジャー内の絶対圧力が評価可能な真空計が取り付けてあ

るか,又は取り付けが可能でなければならない。

表示 

7.1 

重錘形圧力天びん 

重錘形圧力天びんには,次の事項を表示しなければならない。

a)

名称

b)

製造業者名又はその商標

c)

製造番号及び形式記号

d)

製造年(又は整備改造年)

e)

精度等級

f)

測定範囲(必要に応じて,ゲージ圧力の測定か又は絶対圧力の測定かを明示する。

g

)

標準状態又は指定の使用条件で必要な情報(例えば,重力加速度,温度,媒体,周囲空気の密度など)

注記

名称は,

“重錘形圧力天びん”を表示することが望ましい。

7.2 

ピストン・シリンダ 

ピストン(ピストンが重錘皿に固定されている場合には重錘皿)及びシリンダには,次の事項を表示し

なければならない。

a)

固有の製造番号又は識別記号(シリンダへの表示は,省略することができる。

b)

ピストン(ピストンが重錘皿に固定されている場合には重錘皿)には,重錘質量を A.5 で計算した目

標値に調整する場合,標準状態又は指定の使用条件の下での呼称圧力,重錘の質量値によって圧力値

を計算する場合,必要に応じて呼称質量

7.3 

重錘 

重錘には,次の事項を表示しなければならない。

a)

重錘固有の製造番号又は識別記号

b)

重錘質量が,特定のピストン・シリンダに合わせて調整されている場合には,その製造番号又は識別

記号

c)

重錘質量を A.5 で計算した目標値に調整する場合,標準状態又は指定の使用条件の下での呼称圧力,

重錘の質量値によって圧力値を計算する場合,必要に応じて呼称質量

試験方法 

重錘形圧力天びんの性能を評価するための試験方法は,

附属書 による。

関係文書 

9.1 

取扱説明書 

重錘形圧力天びんの取扱説明書には,次の内容を記載しなければならない。

a)

輸送,保管,組立,使用及び維持に関する詳細な指示(ピストン・シリンダが発生圧力に影響を及ぼ


12

B 7610

:2012

す程度に磁化しているかを調べる方法,また,必要な場合は,消磁する方法を含む。

b)

発生圧力の算出に使用する関係計算式(必要な場合,温度係数,圧力変形係数などを含む。

c)

標準状態又は指定の使用条件

9.2 

試験報告書 

重錘形圧力天びんの試験報告書には,次の内容を記載しなければならない。

a)

試験における状態又は条件(標準状態又は指定の使用条件を含む。

b)

重錘形圧力天びんの発生圧力値及びその拡張不確かさ

c)

必要な場合,重錘形圧力天びんの発生圧力の算出に必要なパラメータの校正値及びその不確かさ(例

えば,重錘の質量値,ピストン・シリンダの温度,周囲圧力など)


13

B 7610

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附属書 A

(規定)

重錘形圧力天びんの試験方法

A.1

  試験環境及び装置 

A.1.1

  試験環境 

試験は,空調された試験室で行い,次の条件を満たしていなければならない。

a)

周囲温度:

18

℃∼

25

℃,相対湿度:

30 %

80 %

b)

試験中の機器周囲の温度変化:

1

時間当たり

1

℃以内

c)

試験中の機器周囲の風速:

1 m/s

以内

A.1.2

  試験装置 

試験装置は,次による。

a)

参照標準器  試験する圧力範囲において,A.4.2 a)

に従った精度等級のものでなければならない。

b)

質量用天びん,及び標準分銅又は質量が既知の重錘  5.10 に従い,重錘形圧力天びんのピストン,重

錘皿及び重錘の質量を調整又は測定するために十分なものでなければならない。

c)

補助機器  温度計,ピストンの高さ位置計,水準器,温湿度計,大気圧計,真空計,真空ポンプ,ベ

ルジャーなど。

d)

圧力媒体  試験に使用する圧力媒体は,重錘形圧力天びんの製造業者が指定した媒体又は同等の媒体

とする。

A.2

  試験準備 

試験準備は,次による。

a)

重錘形圧力天びんは,製造業者の仕様に基づいて設置しなければならない。

b)

重錘形圧力天びんは,試験室に試験開始の少なくとも

6

時間前に設置する。

c)

重錘形圧力天びんを水平に設置する。特に,ピストン軸の鉛直度には注意を払う。

d)

設置に当たっては,ピストン・シリンダが清浄であることを確認する。

e)

重錘形圧力天びんが,箇条 に規定する技術上の要求事項のうち,試験を必要としない要件について

満足しているか確認する。

A.3

  試験方法 

A.3.1

  計量上の要求事項の試験 

A.3.1.1

  ピストン自由回転時間の測定 

a)

ピストン自由回転時間は,次の条件で測定する。

なお,モータ駆動による回転装置付きの重錘形圧力天びんの場合は,モータを停止させ,切り離し

た状態で測定しなければならない。

1)

測定は,測定範囲の上限の

20 %

の圧力で行う。

2)

初期の回転速度は,製造業者の規定する値を超えないようにする。ただし,規定されていない場合

は,毎秒

2

回転を超えないようにする。

3)

ピストン・シリンダの温度は,標準状態の温度(以下,標準温度という。

,又は製造業者の指定す


14

B 7610

:2012

る温度範囲とする。ピストン・シリンダの温度の測定の拡張不確かさは,

0.5

℃を超えないように

する。

注記

5.2

の標準状態を参照。

4)

測定は,通常ピストンの使用範囲で行う。

5)

測定は,回転方向を変えて各々で

1

回以上,計

2

回以上行う。

b)

測定中,ピストン・シリンダの温度が標準温度より

2

℃以上異なる場合,ピストン自由回転時間は,

次の式

(A.1)

によって求める。ただし,この式は,ピストン・シリンダが同一の材料で製造されている

場合に有効である。

r

r

η

η

τ

τ

=

  (A.1)

ここに,

τ

r

標準温度におけるピストン自由回転時間

τ: 測定温度におけるピストン自由回転時間

η

r

標準温度における圧力媒体の動粘度

η: 測定温度における圧力媒体の動粘度

c)

ピストン自由回転時間は,製造業者の仕様又は

表 のピストン自由回転時間を満足しなければならな

い。

A.3.1.2

  ピストン降下速度の測定 

a)

ピストン降下速度は,次の条件で測定する。

1)

測定は,測定範囲の上限で行う。

2)

ピストン・シリンダの温度は,標準温度又は製造業者の指定する温度範囲とする。

3)

測定は,ピストン・シリンダのできるだけ近くで他の配管系を遮断して行う。

4)

ピストン降下速度の測定は,温度が安定した後,通常ピストンの使用範囲で行う。

5)

測定は,

3

回繰り返し行い,測定結果は,

3

回の測定値の平均値とする。

b)

ピストン・シリンダの温度が標準温度より

1

℃以上異なる場合,ピストン降下速度は,次の式

(A.2)

によって求める。

r

r

η

η

V

V

=

  (A.2)

ここに,

V

r

標準温度におけるピストン降下速度

V: 測定温度におけるピストン降下速度

η

r

標準温度における圧力媒体の動粘度

η: 測定温度における圧力媒体の動粘度

c)

ピストン降下速度の測定値の相対拡張不確かさは,

5 %

を超えてはならない。

d)

ピストン降下速度は,製造業者の仕様又は

表 のピストン降下速度を満足しなければならない。

A.3.1.3

  重錘質量の測定 

a)

ピストン,重錘皿及び重錘の質量は,質量用天びん,及び標準分銅又は質量が既知の重錘を用いて測

定する。ゲージ圧力の発生に使用する場合は,質量は協定質量で表されることが多い。協定質量とは,

20

℃の温度で

1.2 kg/m

3

の密度の空気中において,被測定物と釣り合う密度が

8 000 kg/m

3

の標準分銅

の質量である。絶対圧力の発生に使用する場合は,実際の密度を考慮した質量で表す。

b)

重錘質量に測定値を使用する場合,不確かさを評価しなければならない。

A.3.1.4

  重錘形圧力天びんの動作感度の測定 

a)

測定は,主測定範囲の下限で,参照標準器との比較試験で行う。


15

B 7610

:2012

b)

被試験器に微小な分銅を負荷し,ピストン降下速度の変化又は圧力の変化を観測する。変化があると

認められた分銅質量から,動作感度を算出する。

c)

被試験器の動作感度は,主測定範囲の下限において,

表 の発生圧力の最大許容誤差の

10 %

に等しい

圧力を超えてはならない。

A.3.2

  技術上の要求事項の試験 

A.3.2.1

  ピストンの高さ位置 

ピストンの高さ位置をカセトメータ,

水準器と長さ計との組合せ,

レーザートランジットなどで測定し,

ピストンの高さ位置の検出値と比較する。

A.3.2.2

  水準調整機能 

試験は,必要な精度を満たす参照水準器などを用いて次のとおり行う。

a)

測定は,基本的には重錘を負荷する前に行うが,必要に応じて重錘負荷時にも行う。

b)

重錘形圧力天びん附属の水準器を用いて水準調整する。

c)

ピストンを使用位置まで浮上させる。

d)

参照水準器などを,ピストンの上面又はこの目的に作成されたジグに載せる。

e)

参照水準器などの識別能力は,

1.5 mrad

以内とする。

f)

参照水準器などを載せたままピストンをゆっくり回転させるか又は水準器を直交する

2

方向に載せ,

鉛直度が 6.6 の水準調整の精度等級に応じた値を満足していなければならない。

A.3.2.3

  ピストンと重錘皿との相互位置 

この測定は,重錘皿がピストンに固定されている場合に行い,重錘を負荷する前に行わなければならな

い。ピストン軸を鉛直に設置した後,必要な精度を満たす水準器を重錘皿に直交する

2

方向に載せ,水準

器の異なる方向での指示が,6.7 のピストンと重錘皿との相互位置の条件を満足していなければならない。

A.4

  比較試験による有効断面積の決定 

A.4.1

  比較試験方法 

a)

被試験器となる重錘形圧力天びんの有効断面積は,A.4.2 に規定された要件の下で,参照標準器との比

較試験で求める。参照標準器として,一般的には重錘形圧力天びんを用いるが,その他の圧力標準器

を用いることも可能である。

注記  デジタル圧力計を参照標準器として使用する場合は,JIS B 7547 参照。

b)

参照標準器に重錘形圧力天びんを使用する場合,比較試験においては,試験圧力ごとに参照標準器及

び被試験器の双方に,その圧力に相当する重錘を負荷して,発生圧力を比較する。圧力が平衡するよ

うに,通常参照標準器に微小な分銅を負荷する。

表 の発生圧力の最大許容誤差の

10 %

の圧力に相当

する微小な分銅の加除に対して,その変化が明らかに確認できなければならない。

なお,試験圧力ごとの比較試験を行う前に,被試験器の測定範囲以下の圧力で,参照標準器と被試

験器との圧力が平衡するように予備的に調整する方法もある。この方法では,予備平衡後,上記と同

様に試験圧力ごとに通常参照標準器に微小な分銅を負荷して双方を平衡させる。試験圧力を発生させ

た重錘から予備平衡時に負荷した微小な分銅の質量を差し引いた質量を有効断面積の算出に採用する。

c)

参照標準器にその他の圧力標準器を使用する場合,比較試験においては,試験圧力ごとに,被試験器

にその圧力に相当する重錘を負荷して,参照標準器の表示する圧力値を読み取る。

A.4.2

  試験要件 

a)

参照標準器は,次のとおりとする。


16

B 7610

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1)

参照標準器に重錘形圧力天びんを使用する場合

1.1)

精度等級

0.01

級及び

0.02

級の重錘形圧力天びんを試験するとき

参照標準器を含んだ試験全体の合成標準不確かさが,試験圧力の値に対して,それぞれ

0.004 %

及び

0.008 %

より小さいことが望ましい。

1.2)

精度等級

0.05

級,

0.1

級及び

0.2

級の重錘形圧力天びんを試験するとき

参照標準器の精度等級は,被試験器より少なくとも

2

等級高いものでなくてはならない。

2)

参照標準器にその他の圧力標準器を使用する場合

参照標準器を含んだ試験全体の合成標準不確かさは,重錘形圧力天びんの精度等級の

2/5

より小

さいことが望ましい。

注記

5.5

の精度等級を参照。

b)

比較試験は,基本的には測定範囲の上限まで段階的に加圧し,次に段階的に減圧して行う。重錘形圧

力天びんの測定範囲全体にわたる試験圧力の値及び分割数は,

表 A.1 による。

表 A.1−試験圧力の値及び分割数

精度等級

分割数

試験圧力値[測定範囲の上限に対する割合(%)

0.01 級,0.02 級 10

10  20  30  40  50  60  70  80  90  100

0.05 級,0.1 級,0.2 級

6 10  20  40  60  80  100

注記  精度等級 0.01 級及び 0.02 級の重錘形圧力天びんの試験は,測定範囲の上限を除

いて,互いに隣接していない最大 3 点までの試験圧力を省略することができる。

また,主測定範囲の下限が

表 A.1 の値より大きい場合は,その圧力での試験は行

わない。 

c)

比較試験中,

参照標準器及び被試験器の圧力基準高さの関係は,これによって生じる拡張不確かさが,

表 の発生圧力の最大許容誤差の

10 %

を超えないことが保証できる十分な精度で決定しなければなら

ない。

d)

比較試験中,各試験圧力におけるピストンの回転速度は,ピストンが使用位置で規定を満たす動作感

度を保てる回転速度でなければならない。

A.4.3

  有効断面積の決定 

A.4.3.1

  各試験圧力における有効断面積の算出 

重錘形圧力天びんの有効断面積の値は,参照標準器との比較試験で得られた個々の測定値の平均値に基

づき,次の式

(A.3)

によって求める。

(

)

)]

(

1

[

1

1

,

r

,

t

b

1

b

1

r

t

t

p

C

m

m

t

p

A

i

i

i

i

+

+

+

=

β

γ

ρ

ρ

ρ

ρ

g

g

  (A.3)

ここに,p

t,  i

は,番目の圧力平衡状態のときに被試験器の圧力基準高さに印加されている圧力で,この

ときの参照標準器の発生圧力 p

s, i

を用いて次の式(A.4)のように求めることができる。

(

)

0

1

b

f

,

s

,

t

p

H

p

p

i

i

+

=

g

ρ

ρ

   (A.4)

p

s,i

は,参照標準器に重錘形圧力天びんを使用する場合には,次の式(A.5)によって求める。

0

s

r

s

s

s

r

s

s

,

s

b

1

,

s

s

b

1

s

,

s

)]

(

1

)[

1

)(

,

0

(

1

1

p

t

t

p

t

A

C

m

m

p

i

i

i

i

+

+

+

+





+

 −

=

β

λ

γ

ρ

ρ

ρ

ρ

g

g

  (A.5)


17

B 7610

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A.4.3.2

  有効断面積の決定 

有効断面積は,式(A.3)で求めた各試験圧力における有効断面積の値 A(p

i

,  t

r

)  に圧力依存性が認められな

い場合は a),線形の圧力依存性が認められる場合は b)  によって求める。

a)

圧力依存性を考慮しない場合

1)

有効断面積 A(pt

r

)  は,式(A.3)で求めた各試験圧力における有効断面積の値 A(p

i

t

r

)  の平均値として,

次の式(A.6)によって求める。

( )

n

A

t

p

A

n

i

i

=

=

1

r

,

  (A.6)

ここに,

  A

i

A (p

i

t

r

)

n

:試験圧力点の数

2)

(A.6)

で規定される有効断面積

A (pt

r

)

の標準不確かさは,試験に用いた参照標準器の発生圧力の

標準不確かさと次の式

(A.7)

で求められる分散

2

A

σ

を考慮して求める。

(

)

1

1

2

2

=

=

n

A

A

n

i

i

A

σ

  (A.7)

ここに,  AA (pt

r

)

b)

圧力依存性を線形と仮定する場合

1)

有効断面積 A(pt

r

)  は,ピストン・シリンダの圧力ゼロにおける有効断面積 A(0, t

r

)  及び圧力変形係

数λを用いて,次の式(A.8)によって求める。

( ) ( (

)

p

t

A

t

p

A

λ

+

=

1

,

0

,

r

r

  (A.8)

A

(0, t

r

)  及びλは,式(A.3)  で求めた有効断面積 A

i

の試験圧力 p

i

に対する依存性を線形回帰し,次

の式(A.9)及び式(A.10)によって求める。

( )

=

=

=

=

=

=



=

n

i

n

i

i

i

n

i

i

i

n

i

i

n

i

i

n

i

i

p

p

n

p

A

p

p

A

t

A

1

2

1

2

1

1

1

2

1

r

,

0

(A.9)

=

=

=

=

=

=

n

i

n

i

i

i

n

i

i

i

n

i

i

n

i

i

n

i

i

n

i

i

i

p

A

p

p

A

p

A

p

A

n

1

1

1

2

1

1

1

1

λ

  (A.10)

2) 

式(A.8)で規定される有効断面積

A

(

p

,

t

r

)  の標準不確かさは,試験に用いた参照標準器の発生圧力の

標準不確かさと線形回帰から得られる分散を考慮して求める。 

A.5

  重錘質量の目標値の計算 

重錘形圧力天びんの個々の重錘に対して,実際に必要とする質量の目標値は,A.4.3.2 の有効断面積の決

定によって求めた有効断面積を基に,次の場合に応じて計算によって求めることができる。

a)

ピストン,重錘皿及び重錘の質量が協定質量の場合,(

i

−1)番目から

i

番目への試験圧力の変更に必要

な重錘質量値

Δm

i

は,次の式(A.11)及び式(A.12)によって求める。ここに,

m

は,ピストン及び重錘皿


18

B 7610

:2012

の質量である。有効断面積に圧力依存性がある場合は,重錘を負荷する順序が決まっていなければな

らない。

 +

=

=

000

8

2

.

1

1

1

1

1

g

i

i

i

i

i

i

i

p

A

p

A

m

m

Δm

( )

2

i

  (A.11)

m

p

A

m

Δm

 +

=

=

000

8

2

.

1

1

1

1

1

1

g

  (A.12)

ここに,

g: 標準重力加速度又は指定の重力加速度

b)

重錘質量に a)  で計算した目標値を使用する場合,求めた目標値と測定した質量値とを比較して,そ

の偏差を求め,

表 の重錘質量の最大許容誤差を超えていないことを確認しなければならない。

参考文献   

[1]

ISO/IEC Guide 98-3

Uncertainty of measurement

Part 3: Guide to the expression of uncertainty in

measurement (GUM:1995)

JCGM/WG1/100

注記

上記のガイドは,TS Z 0033

:2012

  測定における不確かさの表現のガイド(

IDT

)として発

行されている。

[2]

ISO/IEC Guide 99

International vocabulary of metrology

Basic and general concepts and associated

terms (VIM)

JCGM/WG2/200

注記

上記のガイドは,TS Z 0032

:2012

  国際計量計測用語−基本及び一般概念並びに関連用語

VIM

IDT

)として発行されている。

[3]

JIS B 7609

  分銅

[4]

JIS B 7547

  デジタル圧力計の特性試験方法及び校正方法


附属書 JA

(参考)

JIS

と対応国際規格との対比表

JIS B 7610:2012

  重錘形圧力天びん

OIML R110:1994

  Pressure balances

(I)JIS の規定

(II) 
国際規格
番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

箇条番号

及び題名

内容

箇条番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

1  適用範

1

適用範

変更

OIML

では“測定範囲 100 kPa

∼500 MPa”としているのを,JIS
では,

“圧力範囲の上限 100 kPa

∼500 MPa”とした。また,JIS

では絶対圧力の計測も含めた。

国内の使用状況を考慮した。

2  引用規

3  用語及
び定義

3.2 
3.3 
3.4

 3 JIS とほぼ同じ

変更

各装置の説明をまとめて用語の
定義とした。

内容をより分かりやすいものにす
るため変更した。

 3.1

3.5 
3.6 
3.8 
3.9 
3.11 
3.12 
3.13 
3.14

 2

一致

3.7 
3.10 
3.17 
3.18

追加

内容をより分かりやすいものにす

るため追加した。

19

B 7610


20
12


(I)JIS の規定

(II) 
国際規格
番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

箇条番号
及び題名

内容

箇条番号

内容

箇条ごと
の評価

技術的差異の内容

3.15 
3.16 
3.19 
3.20

追加

国内の使用状況を考慮した。

4  記号

追加

5 計量上
の要求事

5.1

4.9

JIS

とほぼ同じ

変更

計算式を明記した。

内容をより分かりやすいものにす
るため変更した。

5.2

追加

表示を明確に規定するために定
義した。

内容をより分かりやすいものにす
るため追加した。

5.3

4.1

JIS

とほぼ同じ

変更 1.6,2.5,4,6 の系列を削除し

た。ゲージ圧力又は絶対圧力の
区別を追記した。

JIS

の規定内容で十分と判断した。

国内の使用状況を考慮した。

5.4

4.2

一致

5.5

4.3

JIS

とほぼ同じ

変更 0.005 級を削除した。

JIS

の規定内容で十分と判断した。

5.6

4.4

JIS

とほぼ同じ

変更 0.005 級を削除した。

精度等級の変更に伴う変更。0.005

級以外は一致している。

5.7

4.6

JIS

とほぼ同じ

変更 0.005 級を削除し,測定範囲の区

切りを変更した。

精度等級の変更に伴う変更。区切
りは国内事情に合わせた。

5.8

4.7

JIS

とほぼ同じ

変更 0.005 級を削除し,測定範囲の区

切りを変更した。

精度等級の変更に伴う変更。区切
りは国内事情に合わせた。

5.9

4.10

一致

5.10

4.8 
A.5.4

JIS

とほぼ同じ

変更

精度等級ごとの最大許容誤差を
変更した。質量を測定する場合
を追加した。

JIS B 7609

(分銅)に合わせた。

国内の使用状況を考慮した。

5.11

4.5

JIS

とほぼ同じ

変更

不確かさの要因の詳細と比率の
変更,大きさの関係を追加した。

装置事情を踏まえた再見積もり
と,内容をより分かりやすくした。

20

B 7610


20
12


(I)JIS の規定

(II) 
国際規格
番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

箇条番号
及び題名

内容

箇条番号

内容

箇条ごと
の評価

技術的差異の内容

6  技術上
の要求事

6.1

5.1

JIS

とほぼ同じ

変更

規定値を変更した。

国内の使用状況を考慮した。

6.2

5.2

一致

6.3

追加

OIML

にはない温度測定を追加

した。

国内の使用状況を考慮した。

 6.4

 −

追加

OIML

にはない圧力基準高さを

追加した。

国内の使用状況を考慮した。

 6.5

 5.3

一致

 6.6

 5.4

JIS

とほぼ同じ

変更

精度等級ごとの許容差を追記し
た。

より妥当性のある値を明記した。

 6.7

 5.5

一致

6.8

5.6

JIS

とほぼ同じ

変更 0.005 級を削除。圧力天びんの精

度等級と分銅の精度等級の関係
を追記した。

重錘の要件を明確にするために,

JIS B 7609

を参照した。

6.9

5.7

JIS

とほぼ同じ

変更

一部を削除した。

国内の使用状況を考慮した。

6.10

追加

OIML

にはない絶対圧力に関連

する装置のため追加した。

国内の使用状況を考慮した。

6.11

追加

OIML

にはない絶対圧力に関連

する装置のため追加した。

国内の使用状況を考慮した。

5.8

削除

ピストン降下速度の要求事項に含
まれるため削除した。

7  表示 7.1

5.9.1  JIS とほぼ同じ

追加

名称,ゲージ・絶対圧力,標準
状態を追加した。

国内の使用状況を考慮した。

 7.2

 5.9.2

一致

 7.3

 5.9.3

一致

8  試験方

追加

内容をより分かりやすいものにす

るため変更した。

21

B 7610


20
12


(I)JIS の規定

(II) 
国際規格
番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

箇条番号
及び題名

内容

箇条番号

内容

箇条ごと
の評価

技術的差異の内容

9  関係文

9.1

5.10.1

JIS

とほぼ同じ

追加

使用条件を追加した。

国内の使用状況を考慮した。

9.2

5.10.2

JIS

とほぼ同じ

変更

記載内容を一部変更した。

内容をより分かりやすくするため

記述を変更した。

  6

削除

法規制に関わる部分のため削除し
た。

A.1 A.1.1

A.2 JIS とほぼ同じ

変更

規定値を変更した。

国内の使用状況を考慮した。

 A.1.2

 A.1

JIS

とほぼ同じ

変更

絶対圧力に関連する装置及び圧
力媒体について追記した。

国内の使用状況を考慮した。

A.2

A.3 
A.4.1

JIS

とほぼ同じ

削除

法規制に関わる部分のため削除し
た。

A.3 A.3.1

A.5 JIS とほぼ同じ

変更

規定値を一部変更した。絶対圧

力に対応する記述を追加した。

より妥当な値,表現に変更した。

国内の使用状況を考慮した。

 A.3.2

 A.4

JIS

とほぼ同じ

変更

規定値を一部変更した。

より妥当な値,表現に変更した。

A.4 A.4.1

A.5.5.1

JIS

とほぼ同じ

追加

参照標準器として重錘形圧力天
びん以外も追加した。

国内の使用状況を考慮した。

 A.4.2

 A.5.5.2

JIS

とほぼ同じ

変更 0.005 級を削除,参照標準器に重

錘 形 圧 力 天 び ん 以 外 を 追 加し

た。

国内の使用状況を考慮した。

 A.4.3

 A.5.5.3

JIS

とほぼ同じ

変更

数式の記号及び計算手法を変更
した。

圧力変形係数を,比較試験によっ
て決定するように変更した。

A.5

Annex

B

JIS

とほぼ同じ

変更

数式の記号及び計算手法を変更
した。

内容をより分かりやすいものにす
るため変更した。

  Annex

C

削除

有効断面積の決定の過程で算出す
るように変更したため削除した。

  Annex

D

削除

国内で使用されている様式と異な
るため削除した。

22

B 7610


20
12


JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:OIML R110:1994,MOD

注記 1  箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。

    −  一致……………… 技術的差異がない。 
    −  削除……………… 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。

    −  追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
    −  変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。

注記 2  JIS と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。

    −  MOD……………  国際規格を修正している。

23

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