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日本工業規格

JIS

 B

7607

-1994

自動重量選別機

Automatic checkweighing and weight grading instruments

1.

適用範囲  この規格は,自動的に搬送される個体状の被選別物の質量の検査,又は質量に応じた複数

の階級への区分けを自動的に行う計測器のうち,質量の検出及び指示(印字を含む,以下同じ。

)並びに被

選別物の区分けを電気的に行うものであって,被選別物の質量が,100kg 以下のもの(以下,選別機とい

う。

)について規定する。ただし,この規格は,被選別物が自動的に搬送されないもの,及び被選別物の質

量値が被選別物上に記録されるものには適用しない。

備考  この規格の引用規格を,次に示す。

JIS Z 8103

  計測用語

JIS Z 8306

  工業計器の目盛通則

2.

用語の定義  この規格で用いる主な用語の定義は,JIS Z 8103 によるほか,次による。

(1)

選別能力  性能の規定を満足しながら選別できる,被選別物の単位時間当たりの最大個数。

(2)

計量範囲  性能の規定を満足しながら選別できる,被選別物の質量の範囲。

(3)

試験荷重  性能試験において被選別物として用いる,質量及び寸法が既知の物体。

3.

等級  選別機は,精度によって区分し,0.1 級,0.2 級,0.5 級,1 級及び 2 級の 5 等級とする。

4.

性能

4.1

精度  選別機は,表示された計量範囲内の任意の質量の試験荷重を,表示された選別能力で選別し

たとき,測定値のかたより  (

µ

)

の絶対値及びばらつき[標準偏差  (

σ

)

の 3 倍]が,等級に応じ,

表 

許容範囲を超えてはならない。

表 1  許容値

等級

許容値

0.1

計量範囲の上限の 0.1%

0.2

計量範囲の上限の 0.2%

0.5

計量範囲の上限の 0.5%

1.0

計量範囲の上限の 1%

2.0

計量範囲の上限の 2%

4.2

傾斜誤差  据付形でない選別機であって,水平器及び水平調整装置を備えていない場合は,選別機

を搬送方向の前後左右に 5%傾けた状態で,それぞれ 4.1 の規定に適合しなければならない。

4.3

偏置誤差  選別機は,被選別物が計量装置の中心線を外れて通過する状態で,4.1 の規定に適合しな

ければならない。

4.4

耐環境性  選別機の耐環境性は,次による。


2

B 7607-1994

(1)

表示された使用温度範囲内の任意の温度環境において,4.1 の規定に適合しなければならない。

(2)

表示された使用温度範囲の上限の温度及び相対湿度 (65±20) %の環境において,4.1 の規定に適合し

なければならない。

(3)

表示された定格電圧の 110%及び 85%の電圧で,それぞれ 4.1 の規定に適合しなければならない。

(4)

選別中に電源電圧が瞬間的に停止又は低下したとき,指示値が目量を超えて変化してはならない。

(5)

選別中に DC8kV の静電気が選別機の一部に放電されたとき,指示値が目量を超えて変化してはなら

ない。

5.

構造及び機能

5.1

主な構成機器の構造及び機能

5.1.1

搬送装置  搬送装置は,被選別物の計量装置への搬入及び搬出が円滑にできるものでなければなら

ない。

5.1.2

計量装置  計量装置は,測定結果を関連装置へ正しく伝えることができるものでなければならない。

5.1.3

制御装置  制御装置は,被選別物の測定値と区分け設定値とを比較・判別し,被選別物の選別信号

を区分け装置へ送ることができるもので,次による。

(1)

区分け設定装置  区分け設定値を,計量範囲内の質量,かつ,指示装置の目量の単位で設定できるも

のでなければならない。ただし,指示装置がない場合は,等級に応じ,

表 に相当する値以下の単位

で設定できること。

(2)

零点補正装置  計量装置が無負荷の平衡状態で安定しているときにだけ機能するものでなければなら

ない。

(3)

風袋引装置  計量装置が平衡状態で安定しているときにだけ機能するものでなければならない。

5.1.4

指示装置  選別機の指示装置は,次による。

(1)

質量の指示の目量は,1×10

n

,2×10

n

又は 5×10

n

は整数。

)であって,等級に応じ,

表 に相当す

る値以下であること。

(2)

質量の指示には,質量の単位又はその記号が付けられていること。

(3)

目盛線は,JIS Z 8306 に適合すること。

5.2

その他の構造及び機能  選別機のその他の構造及び機能は,次による。

(1)

誤操作を防止するため,操作キー又はその近辺に明確な識別が付けられていること。

(2)

水平器を備える場合は,水平から 0.2%傾けたとき水平でないことが分かる感度をもつものであること。

6.

性能試験の方法

6.1

試験場所の周囲温度  試験は,特に指定する場合を除き,被試験選別機を約 20℃の温度の雰囲気に

2

時間放置した後に行う。

なお,試験中の温度差は,5℃以下で,かつ,1℃/min を超える変化があってはならない。

6.2

試験荷重  試験荷重は,特に指定がない場合,次に適合するものでなければならない。

(1)

非磁性,非吸湿性の帯電しにくい物質で構成された円柱(筒)体で,高さ  (H)  が直径  (D)  を超えな

いものであること。

(2)

被試験選別機を余裕をもって通過でき,かつ,荷重通過検出センサが検出できる大きさであること。

(3)

質量が被試験選別機の等級に応じ,

表 の許容値に相当する値の

5

1

以下の器差のはかりによって,確

認されていること。


3

B 7607-1994

(4)

一つの試験点に複数の試験荷重を用いるときは,試験荷重個々の質量とそれらの平均値の差が,被試

験選別機の等級に応じて

表 の許容値に相当する値の

10

1

を超えないこと。

(5)

試験荷重の質量(一つの試験点に複数の試験荷重を用いるときは,それらの平均)と試験点の質量値

との差が,試験点の質量値の 2.5%を超えないこと。

6.3

試験の準備  試験の実施に当たっては,次の準備をしておかなければならない。

(1)

選別機が正常に機能するように,正しく各構成装置を組み合わせて,設置する。

(2)

自動運転時にスパン,床振動などの補正装置が機能するよう設計されている場合は,選別機が正常に

機能するように調整・設定する。

(3)

一定時間通電し,電気的に安定させておく。

(4)

搬送装置を空運転し,各部をなじませておく。

(5)

正常な運転状態で試験荷重を繰り返し流して自動運転し,各構成装置が正常に動作することを確認す

る。

6.4

試験の手順

6.4.1

精度  かたより及びばらつきの試験は,試験荷重を用いて,次のとおり選別機を自動運転して行う。

なお,被選別物が既知である場合は,その被選別物又はそれに近い形状及び寸法の試験荷重を用いても

よい。

(1)

表示された計量範囲の上限,下限及び中間の試験荷重を用いて選別機を自動運転させ,それぞれの試

験点ごとに

表 の回数の試験を行う。

表 2  試験の回数

検査の種類

試験の回数

形式検査 60

製品検査  計量範囲の上限が 10kg 以下のとき 60

計量範囲の上限が 10kg を超え 25kg 以下のとき

32

計量範囲の上限が 25kg を超えるとき 20

(2)

選別機は,表示された選別能力で自動運転する。

(3)

かたより  (

µ

)

及びばらつき (3

σ

)

の値は,計量範囲及び選別能力の組合せごとに,個々の試験荷重の

測定値  (x

i

)

を読み取り,次の計算式によって求める。

なお,選別機にこの計算機能が備えられている場合は,その結果を利用してもよい。

(a)

x

E

x

=

µ

(b)

( )

å

=

=

n

i

i

x

x

n

1

2

1

1

σ

ここに,

x

読み取った試験荷重の質量値の平均

å

=

=

n

i

i

x

n

x

1

1

x

i

読み取った試験荷重の個々の質量値

E

x

試験用はかりで測定した試験荷重の質量値

(複数の試験荷重を用いた場合は,それらの平均値)

n

選別した試験荷重の数

6.4.2

傾斜誤差  傾斜誤差の試験は,選別機を搬送方向の前後左右に

5%

傾けた状態で,それぞれ零点を

調整した後,6.4.1 によって行う。


4

B 7607-1994

6.4.3

偏置誤差  偏置誤差の試験は,計量装置の搬送方向の中心線から,計量装置の通過幅の

4

1

だけ左右

にそれぞれ偏った位置を試験荷重が通過するようにして,6.4.1 によって行う。ただし,この通過位置で試

験荷重が計量装置から逸脱する場合は,逸脱しない限界の位置とする。

なお,試験荷重の質量は,表記された計量範囲の上限だけとする。

6.4.4

耐環境性  耐環境性の試験は,次による。

(1)

温度試験  温度試験は,次による。

(a)

零点を調整して,約

20

℃の雰囲気に

2

時間放置した後,6.4.1 によって行う。

(b)

零点を調整して,表示された使用温度範囲の上限まで温度を上昇させた雰囲気に

2

時間放置した後,

6.4.1

によって行う。

(c)

零点を調整して,表示された使用温度範囲の下限まで温度を下降させた雰囲気に

2

時間放置した後,

6.4.1

によって行う。

(2)

湿度試験  湿度試験は,次による。

(a)

零点を調整して,約

20

℃及び相対湿度約

50%

の雰囲気に

2

時間放置した後,6.4.1 によって行う。

(b)

零点を調整して,表示された使用温度範囲の上限,及び相対湿度約

85%

の雰囲気に

2

日間放置した

後,約

20

℃及び相対湿度約

50%

の雰囲気で,6.4.1 によって行う。

(3)

電源変動試験  零点を調整した後,表示された定格電圧の

110%

及び

85%

に電源電圧を保った状態で,

それぞれ 6.4.1 によって行う。

(4)

瞬時停電試験  零点を調整した後,表示された計量範囲の上限値及び下限値の試験荷重をそれぞれ計

量装置に載せ,電源電圧を

10

秒以上の間隔で

10

回,

表 のとおり瞬間的に停止又は低下させ,質量

指示の変化を調べる。

表 3  電源電圧の瞬時停電又は低下

電圧の低下率

100%

50%

半サイクル数

1 2

(5)

静電気放電試験  零点を調整した後,表示された計量範囲の上限値及び下限値の試験荷重をそれぞれ

計量装置に載せ,充電した

100pF

のコンデンサの一方の端子を選別機の接地端子に接続し,他方の端

子を

330

Ωの抵抗を介して,操作者が触れやすい選別機の表面に近づけて

10

秒以上の間隔で

DC8kV

の静電気を少なくとも

10

回,気中放電させ,質量指示の変化を調べる。

なお,選別機が接地端子を備えていない場合は,選別機をそのすべての側面から外側へ

0.1m

以上張

り出した接地板上に置く。

7.

検査  検査は,形式検査(

1

)

及び受渡検査(

2

)

とし,

表 の○を付けた試験項目について行い,それぞれ

4.

及び 5.の規定に適合しなければならない。

(

1

)

新設計又は設計変更後の選別機の型式が,品質に関するすべての規定に適合するかどうかを,

型式ごとに評価するための検査。

(

2

)

既に形式検査に合格したものと同じ型式の個々の製品が,該当する品質規定に適合するかどう

かを,判定するための検査。


5

B 7607-1994

表 4  検査における試験項目

試験項目

形式検査

受渡検査

4.

  性能

4.1

  精度

4.2

  傾斜誤差

4.3

  偏置誤差

4.4

  耐環境性

(1)

  温度

(2)

  湿度

(3)

  電圧変動

(4)

  瞬時停電

(5)

  静電気放電

5.1

  主な構成機器の構造及び機能

5.

  構 造

及 
    び機能

5.2

  その他の構造及び機能

備考  ○印は実施項目を示す。

8.

表示  選別機には,次の項目を記載した銘板が見やすい箇所に取り付けられていなければならない。

(1)

製造業者名又はその略号

(2)

製造年月又はその略号

(3)

製造番号

(4)

型式

(5)

等級(  級)

(6)

計量範囲(

g

g

又は

kg

kg

(7)

目量(

g

又は

kg

(8)

選別能力[  個/分(試験荷重の寸法/直径:  ,高さ:  )

(9)

使用温度範囲(

5

35

℃又は製造業者が指定する

30

℃以上の幅の温度範囲)

(10)

使用電源の定格電圧及び定格周波数

 (AC

V/

Hz)

9.

据付け及び使用上の注意  選別機の据付け及び使用に当たっては,取扱説明書その他製造業者の指示

に留意するとともに,以下の事項に注意する。

(1)

直射日光その他の熱源によって生じる温度こう配などが,測定性能に影響を及ぼさないように注意す

る。

(2)

周辺からの振動,冷暖房装置からの通風,周辺湿度などが,測定結果に影響を及ぼさないように注意

する。

(3)

電気的雑音が生じるおそれがある機器を同一の電源で使用しないように注意する。

(4)

外部からの電波が選別動作に障害を及ぼさないよう,周辺で使用される無線機器などに注意し,必要

な場合は対策を講じる。

(5)

据付け及び移動時には,水平に設置されていることを確認する。

なお,水平器又は水平調整器を備えた選別機は使用に際して水平を調整する。

(6)

点検・整備が,容易にできるよう設置場所などに注意する。

(7)

据付け状態の変更,及び主要部の補修を行った場合は,必要な検査を行い,この規格に適合すること

を確認する。


6

B 7607-1994

JIS B 7607

原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

山  本      弘

計量研究所計測システム部

池  北      實

株式会社イシダ品質保証課

猪  谷  盛  一

株式会社クボタ

伊  藤  昭  博

マ・マーマカロニ株式会社製造部

菊  地  邦  雄

アンリツ株式会社産業機械事業部第

1

技術部

坂  上  和  夫

大和製衡株式会社営業企画部

鈴  木  正  男

味の素株式会社川崎工場工務部

竹  中      修

住友化学工業株式会社千葉工場工務部

千  葉  俊  雄

北東衡機工業株式会社

津  田      博

通商産業省機械情報産業局

羽  場      徹

株式会社エー・アンド・ディ設計開発本部

早  津  幸  一

北海道漁業協同組合連合会購買部

樋  口  正  美

中央化学株式会社

宮  島  伸一郎

森永乳業株式会社エンジニアリング部

村  田      守

社団法人日本計量士会

若  松  茂  三

工業技術院標準部

(事務局)

松  村  正  勝

社団法人日本計量器機工業連合会

市  川  敏  夫

社団法人日本計量機器工業連合会

重  森      明

社団法人日本計量機器工業連合会

備考

○印は,小委員会委員を示す。