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B 7603

:2015

(1)

目  次

ページ

序文  

1

1

  適用範囲  

1

2

  引用規格  

1

3

  用語及び定義  

2

4

  量記号  

12

5

  計量要件  

13

5.1

  精度等級  

13

5.2

  最大許容誤差  

13

5.3

  目量の形態  

13

5.4

  積算目量(d

t

  

13

5.5

  最小積算荷重(Σ

min

)の値  

13

5.6

  複数の表示装置  

14

5.7

  影響因子  

14

5.8

  計量単位  

15

6

  技術要件  

15

6.1

  用途への適合性  

15

6.2

  安全性  

15

6.3

  構成部品,インタフェース及びプリセット制御の保護  

16

6.4

  計量結果の表示及び記録  

17

6.5

  記録装置及びデータ記憶装置  

18

6.6

  ソフトウェア  

18

6.7

  管理表示装置付きはかり  

19

6.8

  零点設定装置  

19

6.9

  表記  

20

7

  電気式はかりに対する追加要件  

21

7.1

  一般要件  

21

7.2

  機能要件  

21

8

  試験方法  

23

8.1

  一般試験手順  

23

8.2

  管理はかり及び試験標準  

23

8.3

  自動運転の中断(A.3.1.2.3  

24

8.4

  試験荷重の取決めによる真の値  

24

8.5

  質量表示  

24

8.6

  自動計量の誤差  

24

8.7

  試験  

24


B 7603

:2015  目次

(2)

ページ

9

  検査 

25

9.1

  型式検査  

26

9.2

  受渡検査  

27

附属書 A(規定)ホッパースケールの試験手順  

28

附属書 JA(参考)補足用語及び計量方式の種類  

54

附属書 JB(参考)使用中における積算荷重の最大許容誤差  

56

附属書 JC(参考)据付け条件  

57

附属書 JD(参考)JIS と対応国際規格との対比表  

58


B 7603

:2015

(3)

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づき,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本

工業規格である。

これによって,JIS B 7603:1997 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 B

7603

:2015

ホッパースケール

Hopper weighers

序文 

この規格は,2007 年に第 1 版として発行された OIML R 107-1 を基とし,技術的内容を変更して作成し

た日本工業規格である。

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。

変更の一覧表にその説明を付けて,

附属書 JD に示す。

適用範囲 

この規格は,ホッパーの形で荷重受け部を備えたホッパースケール(不連続積算自動はかり)

(以下,は

かりという。

)に対する計量要件,技術要件及び試験方法について規定する。

この規格は,はかりの計量性能及び技術性能を評価するための統一的な基準及び試験方法を提供するこ

とを意図している。

この規格は,次のタイプのはかりには適用しない。

a)

動きながら計量するはかり

例  計量ホッパーが移動する構造のはかり

被計量物が移動した状態で計量するはかり

b)

袋などの容器に充塡する機能をもつはかり

c)

複数の容器で各々計量したものを組み合わせて充塡する機能をもつはかり

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

OIML R 107-1:2007

,Discontinuous totalizing automatic weighing instruments (totalizing hopper

weighers) Part 1: Metrological and technical requirements−Tests(MOD)

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“修正している”

ことを示す。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS B 0192

  はかり用語

JIS B 7612-1

  質量計用ロードセル−第 1 部:アナログロードセル

JIS B 7612-2

  質量計用ロードセル−第 2 部:デジタルロードセル

JIS C 60068-2-1

  環境試験方法−電気・電子−第 2-1 部:低温(耐寒性)試験方法(試験記号:A)

JIS C 60068-2-2

  環境試験方法−電気・電子−第 2-2 部:高温(耐熱性)試験方法(試験記号:B)


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:2015

JIS C 60068-2-78

  環境試験方法−電気・電子−第 2-78 部:高温高湿(定常)試験方法(試験記号:

Cab)

JIS C 60068-3-1

  環境試験方法−電気・電子−低温試験及び高温試験を理解するための必す(須)情

JIS C 60068-3-4

  環境試験方法−電気・電子−第 3-4 部:高温高湿試験の指針

JIS C 61000-4-2

  電磁両立性−第 4-2 部:試験及び測定技術−静電気放電イミュニティ試験

JIS C 61000-4-3

  電磁両立性−第 4-3 部:試験及び測定技術−放射無線周波電磁界イミュニティ試験

JIS C 61000-4-4

  電磁両立性−第 4-4 部:試験及び測定技術−電気的ファストトランジェント/バー

ストイミュニティ試験

JIS C 61000-4-5

  電磁両立性−第 4-5 部:試験及び測定技術−サージイミュニティ試験

JIS C 61000-4-6

  電磁両立性−第 4-6 部:試験及び測定技術−無線周波電磁界によって誘導する伝導

妨害に対するイミュニティ

JIS C 61000-4-11

  電磁両立性−第 4-11 部:試験及び測定技術−電圧ディップ,短時間停電及び電圧

変動に対するイミュニティ試験

JIS Z 8103

  計測用語

ISO 7637-2

,Road vehicles−Electrical disturbances from conduction and coupling−Part 2: Electrical transient

conduction along supply lines only

ISO 7637-3

,Road vehicles−Electrical disturbances from conduction and coupling−Part 3: Electrical transient

transmission by capacitive and inductive coupling via lines other than supply lines

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS B 0192 及び JIS Z 8103 によるほか,次による。

3.1 

一般 

3.1.1 

はかり(weighing instrument)

物体に作用する重力を利用して,その物体の質量を計量するために使用する計量器。

注記  操作方法によって,はかりは,自動はかり又は非自動はかりに分類する。

3.1.2 

自動はかり(automatic weighing instrument)

計量結果を得るために所定のプログラムに従って動作し,計量過程で操作者の介在を必要としないはか

り。

3.1.3 

非自動はかり(non-automatic weighing instrument)

計量結果を得るために,計量過程で操作者の介在を必要とするはかり。

3.1.4 

ホッパースケール,不連続積算自動はかり(totalizing hopper weigher,discontinuous totalizing automatic

weighing instrument)

バルク(ばら荷)製品を分割し,分割した各バルクの質量を順序どおり計量して,その計量結果を合算

した後,分割したバルク(ばら荷)に戻す自動はかり。


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3.1.5 

管理はかり(control instrument)

実量試験において,試験荷重の取決めによる真の値を決定するために使用するはかり。

試験に使用する管理はかりは,次のいずれかである。

−  試験するはかりとは別個のはかり:個別管理はかり

−  試験するはかりが非自動(静的)運転のモードを備えていて,8.3 に規定するように計量サイクルの中

断が可能なはかり:一体形管理はかり

3.1.6 

(量の)取決めによる真の値[conventional true value (of a quantity)]

特定の量に起因し,所定の目的に対して適切な不確かさをもつと取決めによって認められている値。

3.2 

構造 

3.2.1 

主要装置(main devices)

荷重受け部,荷重伝達装置,荷重計量装置などのはかりを構成する主要な部分。

注記  計量方式の代表的な種類を,附属書 JA に示す。

3.2.1.1 

荷重受け部(load receptor)

荷重を受けるために設けられたはかりの部分。

主に計量ホッパーを指し,被計量物の性状に適した構造で測定範囲の上限まで被計量物を収容できるも

の。機能に応じて,供給装置,排出装置などを組み合わせる。

3.2.1.2 

荷重伝達装置(load-transmitting device)

荷重受け部に作用している荷重によって生じた力を,荷重計量装置に伝達するはかりの部分。

3.2.1.3 

荷重計量装置(load-measuring device)

荷重の質量を計量するためのはかりの部分で,荷重伝達装置からの力を平衡させるための平衡装置及び

質量の単位で計量結果を表示するための表示装置又は印字装置。

3.2.1.4 

供給装置 

計量ホッパーへ被計量物を供給する装置。

なお,供給装置の構造及び機能は,次による。

a)

最大能力以下で円滑に被計量物を計量ホッパーへ供給できる。

b)

供給流量が性能に影響を及ぼすおそれのあるものは,適正な流量調整ができる。

3.2.1.5 

排出装置 

計量ホッパーから被計量物を排出する装置。

注記  排出流量が性能に影響を及ぼすおそれのあるものは,適正な流量調整ができること。

3.2.1.6 

計量ホッパー 

計量するために被計量物を受け入れる容器。


4

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注記  被計量物の性状に適した構造で測定範囲の上限まで被計量物を収容できること。

3.2.2 

電気式はかり(electronic instrument)

電子装置を組み込んだはかり。

3.2.2.1 

電子装置(electronic device)

電子サブアセンブリを用いた装置であって特定の機能を果たすもの。電子装置は,通常別々のユニット

として製造され,個々に検査することができる。

3.2.2.2 

電子サブアセンブリ(electronic sub-assembly)

気体又は真空中の電子又はホール伝導を利用した最小の物理的実体。

例 A/D 変換器及びディスプレイ

3.2.2.3 

電子素子(electronic component)

物質内の電子の伝導理論を利用した電子部品。

例  電子管,トランジスタ及び集積回路(IC)

3.2.2.4 

デジタル装置(digital device)

デジタル演算処理だけを行うか,又はデジタル化した出力又は表示を提供する電子装置。

例  プリンタ,遠隔ディスプレイ,ターミナル,データ保存装置及びパーソナルコンピュータ(PC)

3.2.3 

積算装置(totalization device)

分割したバルク(ばら荷)製品の質量を,連続で合算する装置。

3.2.4 

零点設定装置(zero-setting devices)

被計量物が載っていない状態において,表示を零に設定するための装置。

注記  非自動零点設定装置,半自動零点設定装置,自動零点設定装置及び初期零点設定装置がある。

3.2.4.1 

非自動零点設定装置(non-automatic zero-setting device)

操作者によって,表示を零に設定するための装置。

3.2.4.2 

半自動零点設定装置(semi-automatic zero-setting device)

手動操作によって,自動的に表示を零に設定するための装置。

3.2.4.3 

自動零点設定装置(automatic zero-setting device)

操作者の介在なしで,自動的に表示を零に設定するための装置。

3.2.4.4 

初期零点設定装置(initial zero-setting device)

電源投入後に,はかりを使用する前に自動的に表示を零に設定するための装置。


5

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3.2.4.5 

零トラッキング装置(zero-tracking device)

ある限度内で零点表示を自動的に維持するための装置。

3.2.5 

印字装置[printing device (printer)]

計量結果の印字出力を提供する装置。

3.2.6 

気密統合システム(air-enclosed integrated system)

はかりに取り付けられている適切な安全性及び粉じん(塵)管理機能をもったシステム。

3.2.7 

モジュール(module)

特定の機能(単数又は複数)を実行し,関連規格に規定されている特定の計量要件及び技術要件に従っ

て,個々に評価できる識別可能な完成はかりの構成要素又はその集まり。はかりのモジュールは,指定さ

れた部分的な誤差限度値の対象である。

注記  はかりの代表的なモジュールには,ロードセル,指示計,アナログデータ処理装置又はデジタ

ルデータ処理装置,計量部モジュール,遠隔表示器及びソフトウェアがある。

3.2.7.1 

ロードセル(load cell)

使用場所における重力加速度及び空気浮力の影響を考慮に入れて,計量された量(質量)を他の計量さ

れた量(出力)に変換することによって質量を計量する力変換器。

3.2.7.2 

指示計(indicator)

ロードセル出力信号がアナログ信号の場合はアナログ−デジタル変換を行い,出力信号がデジタル信号

の場合はその信号を使い,質量単位で計量結果を表示するはかりの電子装置。

3.2.7.3 

アナログデータ処理装置(analogue data processing device)

ロードセル出力信号のアナログ−デジタル変換を行うはかりの電子機器であって,更にそのデータ処理

を行って,計量結果を表示せずにデジタルインタフェースを経由してデジタル様式で供給する装置。この

処理装置は,オプションとしてその機器を操作する一つ以上の入力キー(又はマウス,タッチスクリーン

など)を備えていることがある。

3.2.7.4 

デジタルデータ処理装置(digital data processing device)

データ処理を行って,計量結果を表示せずにデジタルインタフェースを経由してデジタル様式で供給す

る電子機器。この処理装置は,オプションとしてその機器を操作する一つ以上の入力キー(又はマウス,

タッチスクリーンなど)を備えていることがある。

3.2.7.5 

計量部モジュール(weighing module)

計量結果を表示する手段を備えずに,荷重受け部,荷重伝達装置,ロードセル及びアナログデータ処理

装置から構成されるはかりのモジュール。さらに,オプションでデジタルデータ処理装置及びそのはかり

の操作装置を備えてもよい。


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3.2.7.6 

遠隔表示(remote display)

主表示又はその再現に使用することができるキーのないターミナル。

3.2.7.7 

ソフトウェア(software)

3.2.7.7.1 

計量関連ソフトウェア 

はかり又は装置に属する計量に関連する機能を定義又は実行するプログラム,データ及び装置固有のパ

ラメータ。

3.2.7.7.2 

計量関連パラメータ 

はかり又はモジュールのパラメータ。計量関連ソフトウェアの種類,すなわち型式固有のパラメータ又

は装置固有のパラメータに区別できる。

3.2.7.7.3 

型式固有のパラメータ(type-specific parameter)

はかりの型式だけに依存する値をもつ計量関連パラメータ。それらは,はかりの型式検査において固定

される。

例  型式固有のパラメータの例には,質量計算,安定分析又は価格計算及び丸め,ソフトウェア識別

に使われるパラメータがある。

3.2.7.7.4 

装置固有のパラメータ(device-specific parameter)

個々のはかりに依存する値をもつ計量関連パラメータ。このパラメータは,校正パラメータ(例えば,

スパンの調整又はその他の調整若しくは補正)及び仕様パラメータ(例えば,ひょう量,最小測定量,計

量単位など)からなる。これらは,はかりの特別な動作モードにおいてだけ調整又は選択可能であり,保

護しなければならないもの(変更不可)と権限をもった者がアクセスできるもの(設定可能)とに分類で

きる。

3.2.7.7.5 

ソフトウェア識別(software identification)

ソフトウェアに関連付けされたソフトウェアの読取り可能な記号の列(例えば,バージョン番号,チェ

ックサム)

3.2.8 

データ記憶装置(data storage device)

計量完了後,後で計量結果を確認できるように計量データを保存する装置。

3.2.9 

インタフェース(interface)

はかりとモジュールとの間で情報の自動的なやり取りを可能にする電子的,光学的,無線又は他のハー

ドウェア及びソフトウェア。

3.2.10 

ユーザインタフェース(user interface)

情報を操作者とはかり又はそのハードウェア若しくはソフトウェア部品との間でやり取りできるインタ


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フェース。

例  スイッチ,キーボード,マウス,ディスプレイ,モニタ,プリンタ,タッチスクリーン

3.2.11 

保護インタフェース(protective interface)

はかりのデータ処理装置へのデータ取り込みだけを許可するハードウェア及び/又はソフトウェアのイ

ンタフェース。ただし,次のことができてはならない。

−  計量結果とみなせるものであるが,明確に定義していない表示。

−  虚偽の表示,処理又は保存された計量結果及び主表示。

−  はかりの調整又は調整係数の変更。ただし,組み込まれた装置によって調整を行うはかりを除く。

3.3 

計量特性 

3.3.1 

目量(scale interval)

隣接する目盛標識のそれぞれが表す物象の状態の量の差。

質量の単位で表される,次の値。

−  アナログ指示において,二つの連続した目盛標識に対応した値の間の差。

−  デジタル表示において,二つの連続した表示の間の差。

3.3.1.1 

積算目量(totalization scale interval,d

t

主積算表示装置の目量。

3.3.1.2 

管理目量(control scale interval,d

管理表示装置の目量。

3.3.2 

計量サイクル(weighing cycle)

次のものを含む計量動作シーケンス。

−  分割した被計量物の一つを荷重受け部に 1 回配送する。

−  1 回の計量動作を行う。

−  分割した一つの被計量物をバルク(ばら荷)として排出する。

3.3.3 

自動計量範囲(automatic weighing range)

最小測定量からひょう量までの範囲。

3.3.3.1 

ひょう量(maximum capacity,Max)

分割した被計量物を自動的に計量することができる最大荷重。

3.3.3.2 

最小測定量(minimum capacity,Min)

分割した被計量物を自動的に計量することができる最小荷重。

3.3.3.3 

最大安全荷重(maximum safe load,Lim)

永続的に計量特性を変えることなく,はかりが支え得る最大静的荷重。


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3.3.3.4 

過荷重(overload)

ひょう量から 9 積算目量(9d

t

)を超える荷重受け部の荷重。

3.3.4 

最終質量値(final weight value)

自動運転が終了し,表示に影響を及ぼす妨害がない状態ではかりが完全に釣り合っているときに得られ

る計量値。

注記  この定義は,静的計量にだけ適用でき,動的計量には適用できない。

3.3.5 

安定平衡(stable equilibrium)

個々の計量試験において 2 個の隣接した値しか印字又は保存しないはかりの状態。このうちの 1 個が最

終質量値である。

3.3.6 

最小積算荷重(minimum totalized load,Σ

min

自動計量範囲内の分割した被計量物の自動運転において,最大許容誤差を超えないで積算可能な最小バ

ルク(ばら荷)荷重の値。

3.3.7 

予熱時間(warm-up time)

電源投入後から,はかりがこの規格の要件を満足した計量が可能になるまでの時間。

3.3.8 

非自動(静的)運転[non-automatic (static) operation]

試験のための静的計量モード。

3.3.9 

繰返し性(repeatability)

同一の測定条件下で行われた,同一質量の繰返し測定結果の間の一致の度合い。

注記  はかりにおいては,これは同じ又は一定の動作条件で,互いに一致した複数の計量結果をもた

らすはかりの能力である。

3.3.10 

耐久性(durability)

使用期間中に性能特性を維持する,はかりの能力。

3.3.11 

自動チェック装置(automatic checking facility)

操作者の介在なく動作し,はかりに内蔵されていて,有意な誤りの検出及び対処を可能とする装置。

注記  自動チェック装置は,保護及び監視活動を実行する。

3.4 

表示及び誤差 

3.4.1 

はかりの表示値[indication (of an measuring instrument)]

はかりが提供する量の値。

注記  表示値又は表示には,表示及び/又は印字が含まれる。


9

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3.4.1.1 

主表示(primary indications)

この規格の適用を受けるはかりの表示,信号及び記号。

3.4.1.2 

副表示(secondary indications)

主表示以外のはかりの表示,信号及び記号。

3.4.2 

表示の方法(methods of indication)

3.4.2.1 

アナログ指示(analogue indication)

計量値を連続的に示す目盛標識の集合であって,目量の端数まで釣り合う位置の評価ができる指示。

3.4.2.2 

デジタル表示(digital indication)

計量値を一定間隔で断続的に表示する目盛標識の集合であって,目盛標識が一連の整列した数字の連続

で構成されていて,目量の端数の補間を許容しない表示。

3.4.2.3 

印字出力(printout)

印字装置から出される計量結果のハードコピー。

3.4.3 

積算表示装置(totalization indicating devices)

計量してバルク(ばら荷)状態に戻す,被計量物の連続的な質量の合計値を表示する装置。

3.4.3.1 

主積算表示装置(principal totalization indicating device)

計量してバルク(ばら荷)へ排出した全ての連続した荷重の計量値の合計値を表示する積算表示装置。

この装置は,操作者が零点設定することはできない。

3.4.3.2 

部分積算表示装置(partial totalization indicating device)

バルク(ばら荷)へ排出するある一定の連続する計量値の合計値を表示する積算表示装置。この装置は,

操作者が零点設定することができる。

3.4.3.3 

補足積算表示装置(supplementary totalization indicating device)

主積算表示装置の積算目量(d

t

)より大きな目量をもち,長期間にわたって計量された連続的な質量の

合計値を表示する積算表示装置。この装置は,操作者が零点設定してもよい。

3.4.3.4 

管理表示装置(control indicating device)

荷重受け部の被計量物の計量値を表示し,かつ,検査において,はかりを,分割した被計量物を計量す

る管理はかりとして使用できるようにする装置。

3.4.4 

読み(reading)


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3.4.4.1 

単純な並列による読み(reading by simple juxtaposition)

計算の必要なしに,結果を与える連続した数字が単純に並んだ状態の計量結果の読み。

3.4.4.2 

読みの総合的なばらつき(overall inaccuracy of reading)

アナログ指示のはかりにおいて,同じ指示値の標準偏差に等しく,その読みは通常使用条件の下で複数

の観測者によって実施された読みから計算される偏差。

3.4.5 

誤差(errors)

3.4.5.1 

(表示の)誤差[error (of indication)]

はかりの表示値から質量の取決めによる真の値を引いた値。

3.4.5.2 

デジタル表示の丸め誤差(rounding error of digital indication)

デジタル表示の計量値と,アナログ指示による計量値との差。

3.4.5.3 

固有誤差(intrinsic error)

標準条件下でのはかりの誤差。

3.4.5.4 

初期固有誤差(initial intrinsic error)

性能試験及びスパン安定性試験の前に決定されたはかりの固有誤差。

3.4.5.5 

誤り(fault)

はかりの誤差と固有誤差との差。

注記  主に誤りは,電気式はかりにおける表示又は保存されたデータの望ましくない変化の結果であ

り,この規格の中では誤りは数値である。

3.4.5.6 

有意な誤り(significant fault)

積算目量(d

t

)よりも大きな誤り。

次の誤りは,積算目量(d

t

)を超えた場合でも有意な誤りではない。

−  はかり又は自動チェック装置において,同時に,また,互いに独立した原因から生じる誤り

1)

−  いかなる計量も不可能な誤り

−  計量結果として,その表示が判断,記憶又は伝達することができないほど瞬間的に変化する過度的な

誤り

−  計量結果に関与する全ての人々によって注意されるほど重大な誤り

1)

独立した原因から生じる誤りとは,電気的な妨害に対する試験における電気的な影響以外の明

らかな原因[時間における影響(クリープなど)

,急激な温度変化における影響など]によって

生じた誤りをいう。


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3.4.5.7 

スパン安定性(span stability)

規定限度内で使用期間中にひょう量と零点表示との差の値を維持するはかりの性能。

3.4.5.8 

最大許容誤差(maximum permissible error,mpe)

所定のはかりに対して仕様,規則などで許容される誤差の限界値。

3.4.5.9 

計量パラメータ記録(audit trail)

はかりのデータ,調整及び計量動作の履歴記録(又は連続するデータファイル)

。この規格の該当する部

分に従って調整及び計量が実施されたことを確認することができる。

3.5 

影響及び標準条件 

3.5.1 

影響量(influence quantity)

計量の対象ではないが,計量結果に影響を与える量。

3.5.1.1 

影響因子(influence factor)

規定された定格動作条件範囲内の影響量。

例  試験する温度又は電源電圧の変動

3.5.1.2 

妨害(disturbance)

この規格で規定した限度内であるが,はかりの定格動作条件を超える値をもつ影響量。

3.5.2 

定格動作条件(rated operating conditions)

計量特性が規定の最大許容誤差内に入るように意図した影響量の範囲が与えられている使用条件。

注記  一般に,定格動作条件によって,測定量及び影響量の範囲又は定格値を規定する。

3.5.3 

標準条件(reference conditions)

はかりの性能試験のため,又は計量結果の相互比較のために定められた使用条件。

例  温度,湿度,電源電圧の範囲

3.5.4 

正常動作条件(normal weighing conditions)

計量する材料の種類,場所及び操作方法を含む,はかりに対して定められた使用条件。

3.6 

試験 

3.6.1 

実量試験(material test)

計量することを意図した種類の材料を用いて,完成はかりに対して実施する試験。

3.6.2 

シミュレーション試験(simulation test)

完成はかり又ははかりの一部に対して実施する試験で,計量動作のあらゆる部分を模擬する試験。


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3.6.3 

性能試験(performance test)

試験器物(equipment under testing,EUT)が所定の性能どおりに動作するかどうかを検証する試験。

注記  試験器物とは,試験の対象となる装置,機器などをいう。

3.6.4 

スパン安定性試験(span stability test)

試験器物(EUT)が使用期間中にわたって,その性能特性を維持できることを検証する試験。

量記号 

この規格で用いる量記号は,

表 による。

表 1−量記号 

記号

意味

表示値

I

n

番目の表示値

荷重

∆L 

次の表示値への切換点までの追加荷重

丸める前の計量値(デジタル表示)

I+1/2d−∆L

誤差:I又は PL

E% 

誤差の荷重に対する割合:(PL)/L %

E

0

零点における誤差

管理目量

d

t

積算目量

p

i

誤差配分(9.1.4 参照)

mpe

最大許容誤差

EUT

試験器物

sf

有意な誤り

Max

ひょう量

Min

最小測定量

U

nom

電源の公称電圧値

U

max

電圧範囲の最大値

U

min

電圧範囲の最小値

emf

起電力

I/O

入力/出力ポート

RF

無線周波数

DC

直流

AC

交流

A

net

自動運転での正味量

S

net

非自動(静的)運転での正味量

A

gross

投入計量における自動運転で投入された質量,又は

排出計量における自動運転で排出された質量

A

tare

投入計量における自動運転で投入前の風袋量,又は 
排出計量における自動運転で排出前の風袋量

S

gross

非自動(静的)運転での総量

S

tare

非自動(静的)運転での風袋量

誤差:EA

net

S

net

E

inst

管理はかりの誤差


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計量要件 

5.1 

精度等級 

はかりは,次の 4 種類の精度等級に分類する。

0.2,0.5,1,2

精度等級は,5.2 によって分類し,6.9 に従ってはかりに記載しなければならない。

精度等級は,意図した使用,すなわち,計量する製品の特性,設置環境並びに 9.1 及び 9.2 のその他の動

作条件の規定によって定めなければならない。

5.2 

最大許容誤差 

5.2.1 

自動計量 

各精度等級に対する最大許容誤差は,最も近い積算目量(d

t

)に丸めた

表 の適切な値でなければなら

ない。最大許容誤差は,最小積算荷重(Σ

min

)以上の荷重に適用する(5.5 

例参照)。

表 2−各精度等級に対する最大許容誤差 

精度等級

積算荷重の最大許容誤差

0.2

±0.10 %

0.5

±0.25 %

1

±0.50 %

2

±1.00 %

注記  使用中における積算荷重の最大許容誤差は,附属書 JB を参照する。

5.2.2 

影響因子 

影響因子の影響を評価するための試験で適用する最大許容誤差は,

表 による。

表 3−影響因子試験で適用する最大許容誤差 

積算目量数で表した荷重(m)

最大許容誤差

 0

m≦ 500

±0.5d

t

 500

m≦ 2

000

±1.0d

t

 2

000

m≦ 10 000

±1.5d

t

デジタル表示及び印字結果にはその丸め誤差に対して補正を行い,少なくとも積算目量の 1/5(0.2d

t

)の

精度でその誤差を決めなければならない。

5.3 

目量の形態 

表示及び印字装置の目量は,

k”を正負の整数又はゼロとして,1×10

k

,2×10

k

又は 5×10

k

の形でなけ

ればならない。

5.4 

積算目量(d

t

 

積算目量は,次による。

a)

ひょう量の 0.01 %以上

b)

ひょう量の 0.2 %以下

5.5 

最小積算荷重(Σ

min

)の値 

最小積算荷重(Σ

min

)の値は,次による。

a)

受渡検査における自動計量の最大許容誤差が積算目量(d

t

)に等しくなる荷重の値以上である。

b)

最小測定量(Min)以上である。

したがって,

表 の規定によって,表 が得られる。


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表 4−最小積算荷重(Σ

min

)の値 

精度等級

最小積算荷重(Σ

min

)の下限値

0.2

 1

000×d

t

,又は Min の大きい方

0.5

 400×d

t

,又は Min の大きい方

1

 200×d

t

,又は Min の大きい方

2

 100×d

t

,又は Min の大きい方

例  はかり:精度等級 0.5 級

ひょう量(Max)=1 000 kg

最小測定量(Min)=200 kg

積算目量(d

t

)=0.2 kg

  5.5 a)  によって Σ

min

≧400×d

t

=400×0.2 kg=80 kg 及び

  5.5 b)  によって Σ

min

≧Min=200 kg

したがって,この例では,最小積算荷重(Σ

min

)の値は 200 kg である。

5.6 

複数の表示装置 

与えられた荷重に対して,複数の表示装置の表示の差は,次による。

−  デジタル表示装置又は印字装置にあっては,差はあってはならない。

−  アナログ指示装置にあっては,自動計量における最大許容誤差の絶対値を超えてはならない。

5.7 

影響因子 

5.7.1 

温度 

温度は,次による。

a) 

静的温度  はかりは,−10  ℃∼+40  ℃の温度範囲において,適切な計量要件及び技術要件に準拠し

なければならない。

しかし,はかりの設置場所の環境条件によっては,温度範囲が−10  ℃∼+40  ℃とは異なる可能性

がある。その場合は,少なくとも温度範囲を 30  ℃以上として,

表 の下限値と上限値とを用いても

よい。

表 5−温度範囲の限界値 

単位  ℃

温度限界

下限値

+ 5

−10

−25

−40

上限値

+30

+40

+55

+70

b) 

零点表示の温度影響  零点又は零点付近の表示値は,5  ℃の周囲温度変化に対して積算目量(d

t

)を

超えて変化してはならない。

5.7.2 

主電源電圧変動 

電気式はかりは,電源電圧がはかりに表記されている公称電圧 U

nom

(はかりに一つの電圧だけが記され

ている場合)又は電源電圧範囲の上限及び下限(U

max

U

min

)から変動した場合,適切な計量要件(箇条 5

参照)及び技術要件(箇条 参照)に適合しなければならない。

− AC 主電源

下限=0.85×U

nom

又は 0.85×U

min

上限=1.10×U

nom

又は 1.10×U

max

− DC 主電源


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下限は最小動作電圧

上限=1.20×U

nom

又は 1.20×U

max

− DC 電池電源(DC 主電源接続を除く。

下限は最小動作電圧

上限は U

nom

又は U

max

− 12

V 又は 24 V 車両用電池電源

下限は 12 V 電池の場合 9 V,又は 24 V 電池の場合 16 V

上限は 12 V 電池の場合 16 V,又は 24 V 電池の場合 32 V

注記  最小動作電圧は,はかりが自動的にスイッチオフとなる前の最低動作可能な電圧とする。

DC 電池駆動及び DC 主電源のはかりでは,その電圧が製造業者が規定した最小動作電圧以下となった

場合,継続して正しく機能するか,又は質量値を表示しないかのいずれかでなければならない。

5.8 

計量単位 

はかりに使用する質量単位は,次による。

−  グラム(g)

−  キログラム(kg)

−  トン(t)

技術要件 

6.1 

用途への適合性 

はかりは,その運転方法及び意図した荷重に適するように設計されていなければならない。はかりは,

その計量特性を維持するために十分堅ろう(牢)な構造でなければならない。

6.2 

安全性 

6.2.1 

不正使用 

はかりは,不正使用を容易にするような特性をもってはならない。

6.2.2 

偶発的な故障及び調整不良 

はかりは,正しい機能を乱すような制御部品の偶発的な故障又は調整不良が発生した場合には,明確に

判断できるようにしなければならない。

6.2.3 

荷重受け部のパージ 

荷重受け部の設計及びはかりの動作は,その計量結果が,計量サイクル中における排出後に荷重受け部

に残る荷重の量の変動によって,悪影響を受けてはならない。

6.2.4 

過荷重及び最大安全荷重 

はかりの設計及び動作は,その計量結果が,計量サイクル中の不安定な又は不意に増加する質量流入に

よる次のような荷重によって悪影響を受けてはならない。

a)

その影響が明白になっていない最大安全荷重を超える荷重

b)

結果的に過荷重になる荷重

6.2.5 

自動計量条件 

次の場合に,自動運転が中断され,計量結果の記録及び印字が停止されるか又は明確な警告が記録され

るか,警告信号が表示されなければならない。

a)

荷重が,各計量範囲におけるひょう量(Max)を 9 積算目量(9d

t

)超える場合

b)

取引の最後の被計量物として処理する場合を除き,計量してバルク(ばら荷)へ排出した被計量物が


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最小測定量(Min)未満である場合

6.2.6 

管理はかりとしての使用 

管理はかりとして使用されるはかりは,次のようなものでなければならない。

−  自動運転の中断を可能にする非自動運転装置を備えている。

−  8.2 の適切な要件に準拠している。

6.2.7 

運転調整 

6.2.5

の場合及び 8.3 に規定した試験中に計量サイクルを中断する場合を除いて,自動計量運転中は運転

調整又は表示装置のリセットが可能であってはならない。

6.2.8 

制御 

制御装置は,動作中に全ての表示を不可能とする場合を除き,設計上の停止位置以外で運転が停止して

はならない。操作キーは,明確に示されていなければならない。

6.2.9 

集じん機 

集じん機の動作は,計量結果に影響を及ぼしてはならない。

6.2.10 

静的計量における安定平衡 

各計量試験の印字値が最終質量値から 1d

t

を超えて変動してはならない。これは,2 個の隣接した値しか

示さないようなはかりの状態を指す。また,零点設定は,6.8.1 に従った精度要件の範囲内で,正しく動作

しなければならない。

これらの要件は,各計量試験ごとに有効であり,複数の試験にまたがっては有効ではない。

6.2.11 

インタロック 

インタロックは,規定動作条件の範囲外におけるはかりの動作を防止するか,又はそのような動作状態

である旨を表示するかのいずれかでなければならない。インタロックは,次の要件を満たさなければなら

ない。

−  最小動作電圧(5.7.2

−  最大安全荷重(6.2.4

−  零点設定(6.8.3

−  自動運転(6.2.5

6.3 

構成部品,インタフェース及びプリセット制御の保護 

6.3.1 

一般 

操作者による調整又は取外しを意図していない構成部品,インタフェース及びプリセット制御は,保護

する手段が備わっているか,又はきょう(筐)体内に納められていなければならない。きょう(筐)体内

に納められている場合,きょう(筐)体は封印されていることが望ましい。封印は,いかなる場合におい

ても容易に確認できなければならない。

計量特性に影響を与える可能性のある動作に対して,他の方法では十分に保護できないはかりの全ての

部分を保護しなければならない。

6.3.2 

保護手段 

保護手段は,次による。

a)

計量特性に影響を与える可能性のある機能へのアクセスは,ソフトウェア及び/又はハードキー,識

別スキャナなどのハードウェアによって権限のある者に限定しなければならない。

b)

介入の記録が可能であり,かつ,次の情報にアクセスして表示することが可能でなければならない。

介入の記録  介入を行った日付及び者を特定する a)  の手段を含まれなければならない。


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介入の追跡  設計上で意図した期間は,保証されなければならない。

記録は上書きしてはならず,また記憶容量が尽きた場合,封印を破らない限り,それ以上の介入が

可能であってはならない。

c)

ソフトウェア機能は,6.6 の要件に従って,意図的な又は意図的でない偶発的な変更に対して保護して

いなければならない。

d)

インタフェースを介した計量データの伝送は,7.2.6 の要件に従って,意図的な又は意図的でない偶発

的な変更に対して保護していなければならない。

e)

はかりにおいて利用可能な保護は,設定の個別の保護も可能でなければならない。

f)

記憶装置に保存される計量データは,6.4 の要件に従って,意図的な又は意図的でない偶発的な変更に

対して保護していなければならない。

6.4 

計量結果の表示及び記録 

6.4.1 

一般 

はかりには,主積算表示装置及び記録装置を含めなければならない。また,はかりには,補足積算表示

装置,部分積算表示装置及びデータ記憶装置を含めてもよい。

6.4.2 

表示品質 

主表示の読取りは,通常使用条件において,確実で,容易かつ明瞭でなければならない。

−  アナログ指示装置の読取りの総合的な不確かさは,積算目量の 1/5(0.2d

t

)を超えてはならない。

−  主表示を構成する数字は,読取りの容易な大きさ,形状及び明確な表示でなければならない。

−  目盛,数字目盛及び印字は,単純な並列による読みが可能でなければならない。

6.4.3 

表示の様式 

表示の様式は,次による。

a) 

質量単位  計量結果は,それを表す質量単位の名称又は記号を含んでいなければならない。一つの質

量の表示に使用する質量の単位は,1 個だけとする。

質量の単位は,5.8 の規定に従って小文字の記号で表示しなければならない。

b) 

デジタル表示  デジタル表示における零は,小数点の右側に表示される全ての零と左側の一つ以上の

零で表示しなければならない。小数点をもたない値の表示は,表示される部分の各位置に一つずつ零

が表示されなければならない(すなわち,少なくとも一つの有効な整数といくつかの固定された零と

を表示しなければならない。

必要とする零の数の例を,

表 に示す。

表 6−表示における零の数の例 

単位  kg

Max

d

t

零点表示

25

0.01

0.00

5 000

1

0

100 000

20

00

小数は,小数点(コンマ又はピリオド)で整数とは区別し,小数点左側の一つ以上の数字と右側の

全ての数字とともに表示させる。

小数点は,数字の下端と同一線上になければならない(

例  0.305 kg)。

c) 

目量  補足積算表示装置を除いて,全ての積算表示装置の目量は同一でなければならない。


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目量の形態は,5.3 の規定による。

6.4.4 

積算表示装置 

積算表示装置は,次による。

a)

積算表示装置は,単純な並列による確実で,鮮明かつ明瞭な結果の読取りができるものであり,適切

な質量の単位の記号を付さなければならない。

b)

印字は,意図した用途に対して明瞭で消滅しないものでなければならない。印字した数字の高さは,2

mm 以上でなければならない。

c)

自動運転中は,いかなる積算表示装置も零点に設定してはならない。

d)

自動運転を中断した場合,表示した最後の合計値を自動的に記録又は印字しない限り,部分積算表示

装置を零点に設定してはならない。

e)

管理表示装置の表示は,主積算表示装置の表示よりも高い分解能(0.2d

t

以下)をもたなければならな

い。

f)

非自動(静的)運転における静的計量中,6.2.10 での安定平衡基準が満たされない場合,印字を禁止

しなければならない。

6.4.5 

表示装置の組合せ 

明確に識別されているという条件で,要求に応じて必要な表示を行えるよう 2 個以上の種類の表示装置

を組み合わせることができる。

6.4.6 

風袋を計量するはかり 

投入計量用のはかりでは,基準となる無負荷の値(風袋)は,各計量サイクルの開始時に測定して記録

される。

排出計量用のはかりでは,基準となる無負荷の値(風袋)は,各計量サイクルにおける総量の記録後に

測定して記録される。

6.5 

記録装置及びデータ記憶装置 

計量データは,後続使用(表示,印字,データ転送など)のために,はかりの記録装置又は外部記憶装

置に保存してよい。この場合,保存されたデータは,データの転送中及び/又は保存中における意図的な

又は偶発的な変更に対して適切に保護されなければならず,かつ,過去の計量を再現するのに必要な全て

の情報を含まなければならない。

保存された計量データの保護は,次による。

a)  6.3

の適切な要件に従う。

b)

データ保存が可能なソフトウェアが転送又はダウンロードが可能である場合,これらのプロセスは 6.6

の要件に従って保護されていなければならない。

c)

外部記憶装置の識別及び保護特性として,完全性及び信頼性の保証が自動的に検証されなければなら

ない。

d)

計量データを保存するための交換可能な保存媒体は,保存したデータが特定のチェックサム又はキー

コードによって保護されている場合には,封印する必要はない。

e)

保存容量が尽きる場合,古いデータの所有者が古いデータを上書きする権限を与えているときには,

新規データは最も古いデータから書き変えてよい。

6.6 

ソフトウェア 

6.6.1 

一般 

はかりの計量に関するソフトウェアは,製造業者によって特定されていなければならない。すなわち,


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保存又は転送された計量に重要な特性,データ,パラメータなどのソフトウェア及びシステムの誤り(ソ

フトウェア及びハードウェア)を検出するためにプログラムされたソフトウェアは,はかりにおける重要

な部分であるとみなされ,次に規定するソフトウェアの保護に関する要件を備えていなければならない。

6.6.2 

ソフトウェア制御のはかりに必要なソフトウェア情報 

はかりに必要なソフトウェア情報は,次による。

a)

計量関連ソフトウェアの記述

b)

計量アルゴリズムの精度の記述(

例  プログラムモード)

c)

ユーザインタフェース,メニュー及びダイアログの記述

d)

明確なソフトウェア識別

e)

組込みソフトウェアの記述

f)

ハードウェアシステムの概要(

例  操作マニュアルに記述されない場合,接続ブロック図,コンピュ

ータの種類,ソフトウェア機能のソースコードなど)

g)

ソフトウェアの保護手段

h)

操作マニュアル

6.6.3 

計量に関連するソフトウェア保護 

計量に関連するソフトウェア保護は,次による。

a)

計量に関連するソフトウェアは,意図的又は偶発的な変更に対して適切に保護しなければならない。

6.3

及び 6.5 に規定されている保護要件を適用する。

b)

ソフトウェアには適切なソフトウェア識別が割り当てられなければならない。このソフトウェア識別

は,はかりの機能及び精度に影響する全てのソフトウェア変更に対応していなければならない。

c)

接続されているインタフェース,すなわち計量に関連するソフトウェアの転送を介して実行又は起動

される機能は,7.2.6 のインタフェースの保護要件に適合しなければならない。

6.7 

管理表示装置付きはかり 

管理表示装置付きはかりは,その荷重受け部に

表 に従って標準分銅を支持する装置を備えなければな

らない。

表 7−管理表示装置付きはかりの標準分銅の最小量 

ひょう量(Max)

標準分銅の最小量

 Max≦ 5 t

Max

 5

t<Max≦25 t

5 t

 25

t<Max≦50 t

Max×20 %

 50

t<Max

10 t

6.8 

零点設定装置 

各排出後に風袋を計量しないはかりは,零点設定装置を備えなければならない。

6.8.1 

零点設定の精度 

零点設定後,計量結果に対する零点の偏差の影響は,積算目量の 1/4(±0.25d

t

)を超えてはならない。

6.8.2 

最大効果 

零点設定装置の効果は,はかりのひょう量を変えてはならない。

零点設定装置の全体的効果は,ひょう量の 4 %を超えてはならない。また,初期零点設定装置の全体的

効果は,ひょう量の 20 %を超えてはならない。


20

B 7603

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6.8.3 

零点設定装置の制御 

はかりが安定平衡にある場合だけ,零点設定装置の作動は可能とし,零トラッキング装置の補正は,1

秒以内に 0.5d

t

を超えないものとする。

次の場合には,自動運転を停止するためのインタロックを備えなければならない。

a)

零点の表示が,次のいずれかを超えて変動する場合

1)

自動零点設定装置付きはかりで 1d

t

2)

半自動零点設定装置又は非自動零点設定装置付きはかりで 0.5d

t

b)

はかりが自動計量サイクルに従って,自動的に零点にならない場合

自動零点設定装置の動作の内容(例えば,最大プログラム可能時間間隔)は,製造業者によって規定さ

れる。

製造業者が規定した最大プログラム可能時間間隔は,零点の偏差が 0.5d

t

以下であることを確実なものと

するために必要な値を超えてはならない。

非自動零点設定装置又は半自動零点設定装置は,自動運転中は動作してはならない。

6.8.4 

デジタル表示付きはかりの零点表示装置 

デジタル表示付きはかりは,次の装置を備えなければならない。

a)

零点からの偏差が 0.25d

t

以内である場合に表示する装置

b)  6.8.1

の要件に準拠している装置

6.9 

表記 

はかりには,基本的な表記を記載しなければならない。

注記  表記事項を例として示す。ただし,他の規制によっては異なってもよい。

6.9.1 

一般的な表記事項 

−  製造業者の名称,登録商標又は記号

−  輸入業者の名称又は登録商標(該当する場合)

−  製造番号

−  製品呼称

−  被計量物の名称

−  管理目量(該当する場合) ......g,kg 又は t

−  電源電圧 ......V

−  電源周波数 ......Hz

−  作動空気圧又は水圧(該当する場合) ......kPa 又は bar

−  ソフトウェア識別(該当する場合)

6.9.2 

記号による表記事項 

−  精度等級 0.2,0.5,1 又は 2

−  ひょう量 Max=......g,kg 又は t

−  最小測定量 Min=......g,kg 又は t

−  最小積算荷重

Σ

min

=......g,kg 又は t

−  積算目量

d

t

=......g,kg 又は t

−  使用温度範囲(該当する場合)

......℃/......℃

6.9.3 

表記の方法 

表記は消えにくく,正常な使用条件の下で容易に読める大きさ,形状及び明瞭さでなければならない。


21

B 7603

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表記は,表示装置近くに固定された銘板若しくはステッカ,又はよく見える取り外し不可能なはかりの

部分に集められなければならない。ひょう量(Max)

,最小測定量(Min)

,積算目量(d

t

)は,表示装置付

近に表示しなければならない。壊さないで取り外せる銘板又はステッカの場合,保護手段が講じられなけ

ればならない。

Max,Min 及び d

t

は,次のことを条件としてソフトウェアで制御できるプログラマブルディスプレイ上

に表示してもよい。

−  はかりに電源が入っている限り,少なくとも Max,Min 及び d

t

を表示する。

−  その他の表記は手動コマンドで表示できる。

−  表記は装置固有のパラメータとして,6.3 及び 6.6 の保護要件に準拠している。

プログラマブルディスプレイ上で行う表記は,次に示す表記事項が銘板に記載される場合を除いて,そ

れらを計量結果の表示付近に表示する場合には,銘板上で繰り返す必要はない。

− Max,Min 及び d

t

−  製造業者の名称,登録商標又は記号

−  定格電圧

−  定格電圧周波数(該当する場合)

−  作動空気圧又は水圧(該当する場合)

電気式はかりに対する追加要件 

7.1 

一般要件 

7.1.1 

定格動作条件 

電気式はかりは,定格動作条件の下でその最大許容誤差を超えないように設計及び製造されていなけれ

ばならない。

7.1.2 

設計及び製造に対する妨害 

電気式はかりが妨害を受けた場合,次のいずれかとなるよう設計及び製造されていなければならない。

a)

有意な誤りを起こさない。

b)

有意な誤りが検出され,対処される。

注記  3.4.5.6 に規定した値(1d

t

)を超えない誤りは,表示誤差の値にかかわらず認められる。

7.1.3 

耐久性 

7.1.1

及び 7.1.2 の要件は,そのはかりの意図した用途に従って恒久的に満足されなければならない。

7.1.4 

技術要件への適合性 

電気式はかりが,

附属書 に規定した試験に適合する場合,7.1.17.1.3 の要件に適合しているとみなさ

れる。

7.1.5 

妨害に対する要件の個別適用 

7.1.2

の要件は,次のように個別に適用してもよい。

a)

有意な誤りの個々の原因

b)

電気式はかりの各部分

7.1.2 a)

又は b)  のいずれを適用するかの選択は,製造業者に任せられる。

7.2 

機能要件 

7.2.1 

有意な誤りへの対処 

有意な誤りが検出されたとき,視覚上及び聴覚上の表示が与えられなければならず,操作者が何らかの


22

B 7603

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処置を取るか又は誤りが消えるまで,その状態が続いていなければならない。

有意な誤りが発生したときは,はかりに含まれる積算荷重の情報を保持する手段が備えられていなけれ

ばならない。

7.2.2 

表示装置の表示試験 

電源投入時(表示装置の電源投入時)

,操作者によって確認されるのに十分な長い間,表示装置の全ての

関連した信号が動作状態又は非動作状態であることを示す特別な手続きが実行されなければならない。た

だし,スクリーンディスプレイ,マトリックスディスプレイなどの故障が明らかになるセグメントを表示

しない表示装置には,適用しない。

7.2.3 

影響量 

電気式はかりは,5.7 の要件に準拠し,使用温度範囲の上限における相対湿度 85 %の条件で該当する計

量要件及び技術要件にも適合しなければならない。

7.2.4 

機能に対する妨害 

電気式はかりが

附属書 に規定された妨害を受けたとき,次のいずれかを適用しなければならない。

a)

妨害を受けているときの誤差と妨害なしの固有誤差との差は,3.4.5.6 に規定した値(1d

t

)を超えては

ならない。

b)

はかりは有意な誤りを検出し,対処しなければならない。

7.2.5 

予熱時間 

電気式はかりの予熱時間中は,計量結果の表示及び伝送をしてはならず,自動運転を禁止しなければな

らない。

7.2.6 

インタフェース 

はかりは,外部機器と接続するためのインタフェース及びはかりと操作者との間で情報をやり取りする

ためのユーザインタフェースを備えてもよい。

インタフェースを使うとき,

はかりは正しく機能を継続し,

その計量機能(全ての計量に関連するパラメータ及びソフトウェアを含む。

)は影響を受けてはならない。

インタフェースは,他の接続された機器又はインタフェースに働く妨害によって,はかりの計量関連ソ

フトウェア及び機能並びに計量データが許容できないほどに影響を受けてはならない。

これらの機能が実行又は起動できないインタフェースは保護しなくてよい。それ以外のインタフェース

は,次のように保護しなければならない。

a)

データは,例えば,3.2.11 の保護インタフェースによって,偶発的又は故意の妨害から保護しなけれ

ばならない。

b)

ハードウェア及びソフトウェアの機能は,6.3 及び 6.6 の保護要件に適合しなければならない。

c)

はかりへ伝送されたデータ及びはかりから伝送されたデータの信ぴょう(憑)性及び完全性を検証す

ることが容易でなければならない。

d)

他のはかりに接続する必要があるはかりは,他のはかりが存在しない,又は不適切な動作をしている

場合には,他のはかりの動作を自動的に禁止するように保護されていなければならない。

7.2.7 AC

主電源の停電 

AC 主電源で動作するはかりは,供給電源に停電が発生した場合,停電時にはかりが保持していた計量

関連情報を少なくとも 24 時間保持し続けなければならない。非常用電源への切り替えが,有意な誤りを引

き起こしてはならない。

7.2.8 DC

主電源又は電池電源の電圧 

DC 主電源又は電池駆動のはかりは,電圧が規定された動作電圧範囲から外れて電圧が下がる場合には,


23

B 7603

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正しく機能し続けるか,エラーメッセージを示すか,又は自動的に使用不能にならなければならない。

試験方法 

8.1 

一般試験手順 

実量試験は,次のように行わなければならない。

なお,その具体的な手順は,

附属書 による。

a)  6.9

に基づいて行う。

b)

はかりの定格動作条件下で行う。

c)

試験は,A.3.2 の実量試験手順によって,A.3.1.1 の個別検証方法か,又は A.3.1.2 の一体形検証方法か

どちらかの方法に従って行わなければならない。

d)

実量試験は,3 回以上行わなければならない。1 回はひょう量(Max)で,1 回は最小測定量(Min)

で,1 回は最小積算荷重(Σ

min

)付近で行う。

e)

試験荷重は,代表的な種類及び使われる可能性のある製品,又は意図している製品を使用する。

f)

各試験は,時間当たりの計量サイクルにおける最大速度で行わなければならない。

g)  1

回の実量試験は少なくとも 5 サイクル行わなければならない。

h)

コンベア,集じんシステムなどのはかりが通常動作状態にあるとき使用される周辺装置も,試験中は

使用しなければならない。

i)

計量された材料が代替排出設備を通してう(迂)回することが可能な場合は,各代替排出設備に対し

て試験を行わなければならない。ただし,例えば,計量ホッパーが異なる空気流で影響を受けないと

いうことが立証されている場合は除く。

8.2 

管理はかり及び試験標準 

8.2.1 

一般 

各試験荷重の取決めによる真の値を決定するための管理はかり及び標準分銅は,箇条 の要求事項を満

たしていなければならない。管理はかりは,個別管理はかり又は一体形管理はかりのいずれかである。

管理はかりの誤差は,5.2.1 の自動計量に対する最大許容誤差の 1/3 未満でなければならない。

はかりが一体形管理はかりとしても用いられる場合,そのはかりは適切な目量をもち,6.2.6 及び A.3.1.2

の要件に準拠していなければならない。

8.2.2 

適切に設計された管理はかりの使用 

荷重受け部に,管理表示装置又は部分積算表示装置の丸め誤差を検証し決定するのに十分な標準分銅を

載せることができない場合,そのはかりは個別検証方法で実量試験を受けなければならない。この場合,

実量試験が有効かつ効率的に実施できるように,適切に設計された個別管理はかりが使用できなければな

らない。

8.2.3 

標準分銅 

はかりの試験に使用する標準分銅及びその質量は,国家計量標準にトレーサビリティが確保できるもの

でなければならない。管理はかりの丸め誤差を決定するために使用する追加分銅の誤差は,5.2.2 に規定す

るはかりの最大許容誤差の 1/5 未満でなければならない。

8.2.4 

標準分銅の代替 

標準分銅の代替のための確認試験は,A.3.1.2.2 の規定を考慮して,使用場所における受渡検査時に実施

しなければならない。

はかりを使用する(適用する)場所において試験する際に,ひょう量(Max)の 50 %以上の標準分銅を


24

B 7603

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使用していることを条件に,標準分銅の代わりに他の定荷重を使用してよい。また,次の場合には,標準

分銅の割合を減らしてもよい。

−  繰返し誤差が 0.3以下である場合は,Max の 35 %

−  繰返し誤差が 0.2以下である場合は,Max の 20 %

繰返し誤差は,標準分銅との置き換えが行われる質量付近の荷重(分銅又はその他の荷重)を荷重受け

部に 3 回置くことによって決定しなければならない。

8.3 

自動運転の中断(A.3.1.2.3 

一体形管理はかりは,分割された試験荷重を計量して排出するために,各計量サイクル中に,A.3.1.2.3

に規定するように自動計量運転を自動的に 2 回中断する。その際に,自動計量プログラムの一部として試

験中断プログラムを使用する。

一体形管理はかりが気密統合システムとして設置されていて,連続計量サイクル中の自動運転の中断が

不可能である場合,試験は A.3.1.2.7 の規定に従って実施しなければならない。

8.4 

試験荷重の取決めによる真の値 

試験荷重の取決めによる真の値は,次による。

a)

個別検証方法では,試験荷重は管理はかりで計量しなければならず,その結果が試験荷重の取決めに

よる真の値となる。

b)

一体形検証方法では,個々の排出において,総量から風袋量を差し引いた値が排出された材料の正味

量である。試験荷重における排出した全ての正味量の合計値が,試験荷重の取決めによる真の値とな

る。

注記  一体形検証方法を使用する場合に試験荷重の細分化は避けられないが,個別検証方法を使用す

る場合もそうである可能性がある。試験荷重の取決めによる真の値を計算する場合,この試験

荷重の細分化によって増大した不確かさを考慮する必要がある。

8.5 

質量表示 

質量表示は,次による。

a)

個別検証方法において,試験荷重はバルク(ばら荷)からバルク(ばら荷)への自動計量動作で計量

し,主積算表示装置に表示された質量を観測し,記録しなければならない。

b)

一体形検証方法において,部分積算表示装置及び荷重受け部に徐々に負荷した標準分銅を用いて,丸

め誤差を評価することができる。ただし,積算目量の 1/5(0.2d

t

)以下の管理目量(d)をもつ管理表

示装置を用いてもよいが,積算目量(d

t

)の少なくとも 10 倍以上の試験荷重を表示しなければならな

い。

8.6 

自動計量の誤差 

自動計量の誤差は,8.4 に規定する試験荷重の取決めによる真の値と,8.5 に規定する質量表示との差で

ある。

自動計量の最大許容誤差は,そのはかりの等級に応じて,

表 に規定したとおりでなければならない。

8.7 

試験 

電気式はかりの試験は,この規格の適用要件及び特に箇条 の要件への適合性を検証することを意図し

ている。

8.7.1 

性能試験 

性能試験は,次による。

a)

電気式はかり又は電子装置は,それが正しく機能することを確認するため,

附属書 によって試験し


25

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なければならない。

b)

はかりのサイズ及び/又は構成がユニットとして試験できない場合を除いて,試験ははかり全体につ

いて行わなければならない。それが不可能な場合は,個別の電子装置が試験の対象となる。電子装置

は,構成部品の個別試験のため更に分解されることは意図していない。

8.7.2 

スパン安定性試験 

スパン安定性試験では,はかりを非自動(静的)運転で試験しなければならない。ひょう量付近の 1 点

の静的試験荷重を使用しなければならない。

試験は,さまざまな間隔,すなわち,性能試験を行う前,その間及びその後で実施しなければならない。

はかりが A.6 に規定するスパン安定性試験を受ける場合は,次による。

−  表示誤差における最大許容変動は,回測定に用いた試験荷重における

表 の最大許容誤差の絶対値

の 1/2 である。

−  結果の差が最大許容変動の 1/2 を超える傾向を示す場合,その傾向がなくなるか,傾向が反転するま

で,又は誤差が最大許容変動値を超えるまで,試験を継続しなければならない。

検査 

はかりの検査は,次による。

−  型式検査

−  受渡検査

また,検査に必要な試験の項目は,

表 による。

表 8−検査の種類及び検査項目 

項目

型式検査

受渡検査

全てのはかり

に対する要件

計量性能試験

実量試験

A.3.1

A.3.2 

A.7 

予熱

A.3.3 

零点設定

A.3.4 

追加機能試験

平衡安定性

A.4.1 

複数の表示装置

A.4.2 

自動運転における調整

A.4.3 

構成部品等の保護

A.4.4 

計量結果の表示

A.4.5 

停電時の積算値の保持

A.4.6 

DC 電源の電圧変動

A.4.7 

インタロック

A.4.8 

性能試験

影響因子試験

静的温度

A.5.3.1 

零点の温度影響

A.5.3.2 

高温高湿(定常状態)

A.5.3.3 

主電源電圧変動

A.5.3.4

A.5.3.7

電気式はかり

対する追加要

妨害試験

瞬時停電

A.5.4.1 

バースト

A.5.4.2 

サージ

A.5.4.3 

静電気放電

A.5.4.4 

電磁界

A.5.4.5 

車両 EMC

A.5.4.6 

スパン安定性試験

A.6 


26

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9.1 

型式検査 

9.1.1 

一般要件 

型式検査は,設計又は設計変更後のはかりが箇条 5∼箇条 の規定に適合するかどうかを型式ごとに評

価するための検査である。

型式検査は,シミュレーション試験に適した形で,かつ,標準的な型式を代表する 1 台以上のはかりに

対して実施しなければならない。影響因子は,はかりに適用することができる計量プロセスに対する測定

結果の変化を明らかにするような方法で,シミュレーション試験中に付加しなければならない。検査は,

9.1.1.1

に規定した試験から構成しなければならない。

9.1.1.1 

型式検査 

はかりが,次の規定に適合することを確認するための試験を実施しなければならない。

−  箇条 の計量要件

−  箇条 の技術要件

−  箇条 の電気式はかりに対する追加要件

A.3.1.2

の一体形検証方法に従って静的計量に用いるはかりは,6.2.6 の要件に準拠しなければならない。

6.9

の規定に従ったはかりの計量特性及び 9.1.3 の規定に従ったはかりのモジュールに対する評価方法の

仕様について考慮しなければならない。

9.1.1.2 

実量試験 

実量試験は,A.3.1.1 の個別検証方法又は A.3.1.2 の一体形検証方法のどちらかに従って実施しなければ

ならない。

実量試験を実施するために用いる管理はかりは,8.2 の要件に準拠しなければならない。

9.1.1.3 

シミュレーション試験 

影響量は,全てのはかりについては 5.7 の規定,また,電気式はかりには箇条 の追加規定に従って,

そのはかりに適用することができる計量プロセスの測定結果の変化を明らかにするような方法で,シミュ

レーション試験中に付加しなければならない。

9.1.2 

精度等級の決定 

精度等級 0.2,0.5,1 又は 2 への適合は,この規格に規定する計量要件への適合によって判断する。

9.1.3 

モジュール 

次のような場合には,検査においてモジュールに対する個別の試験を適用してもよい。

a)

はかりを全体として試験することが困難又は不可能な場合

b)

モジュールが,完成はかりに組み込まれる個別のユニットとして製造され及び/又は市場に出される

場合

c)

既にこの規格に適合している型式に新たなモジュールを含めることで新たな型式として評価する場合

d)

一つのモジュールが,複数のはかりに使用されることを意図している場合(特に,ロードセル,指示

計及びデータ記憶装置)

9.1.4 

誤差の配分 

はかり又はシステムのモジュールを個別に試験する必要のある場合,次の要件を適用する。

個別に試験したモジュールに適用する誤差の限界値は,完成はかりの最大許容誤差に対する誤差配分 p

i

又は完成はかりの表示値の許容変動に等しい。あらゆるモジュールに対する誤差配分は,そのモジュール

を組み込んだ完成はかりにおける精度等級と同一の精度等級ととらえなければならない。

誤差配分 p

i

は,次の式を満足しなければならない。


27

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p

1

2

p

2

2

p

3

2

+...≦1

誤差配分 p

i

は,そのモジュールの製造業者が選び,次の条件を考慮して,適切な試験によって検証しな

ければならない。

a)

純粋なデジタル機器では,p

i

は 0 に等しくてよい。

b)

計量部モジュールでは,p

i

は 1 に等しくてよい。

c)

その他の全てのモジュール(デジタルロードセルを含む。

)では,複数のモジュールが疑わしい影響の

一因である場合,誤差配分は 0.8 を超えてはならず,0.3 未満であってはならない。

信頼できる技術的手法に従って設計及び製造された機械的構造物については,誤差配分 p

i

=0.5 を試験な

しに適用してもよい。例えば,てこが同一材料で製作されている場合,及び一連のてこが二つの対称面(縦

方向及び横方向)をもっている場合である。

ロードセル又はその他の主要な構成部品の計量特性が JIS B 7612-1 若しくは JIS B 7612-2 又は適用され

るその他の規格の要件に基づいて既に試験された場合,型式検査のために,その結果を使用してもよい。

9.2 

受渡検査 

9.2.1 

一般要件 

受渡検査は,既に型式検査に合格した型式の個々の製品が,該当する性能及び機能の規定に適合するか

どうかを判定するための検査である。

はかりが意図し,かつ,通常の計量状態で動作させたときのあらゆる製品が,箇条 55.7 を除く。

)及

び箇条 の要件に準拠することを検証するために試験しなければならない。

試験は,はかりを完全に組み立て(

附属書 JC を参照),意図した使用位置に固定して,現場で実施しな

ければならない。はかりは,試験目的であっても,通常の計量動作目的であっても,その計量動作が同一

であるように設置しなければならない。

9.2.2 

動作試験 

はかりは,自動運転の通常モードで,A.3.1.1 に規定した個別検証方法又は A.3.1.2 に規定した一体形検

証方法のどちらかに従って,試験しなければならない。

A.3.1.2

の一体形検証方法に従って静的計量に用いるはかりは,6.2.6 の要件に準拠しなければならない。

9.2.3 

適合性 

はかりは,次について適合していなければならない。

a)  5.2.1

の最大許容誤差への適合

b)

例えば,インタロック,表示装置,記録装置などの全ての装置の正しい機能

c)

計量に関連する範囲内での,構成する材料及び設計

9.2.4 

表記及び安全保護 

はかりの表記及び安全保護は,6.3 及び 6.9 の規定に適合していなければならない。

9.2.5 

精度等級の適用 

精度等級の要件は,5.2.1 の最大許容誤差に従って適用しなければならない。

6.9

に従って表記した精度等級が,上記で決定した精度等級に等しいことを検証する。

注記  型式検査で決定された精度等級は,使用した荷重が著しく不安定な場合又は異なる寸法である

場合には,受渡検査時に達成できないことがある。この場合,5.2.1 及び 6.9 の規定に従って,

型式検査時より低い精度等級を表記しなければならない。型式検査の段階で決定した精度等級

よりも高い精度等級の表記は認められない。


28

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附属書 A

(規定)

ホッパースケールの試験手順

A.1 

一般試験要件 

A.1.1 

電源 

各試験に対して別に指定されていなければ,はかりは製造業者が規定した予熱時間以上通電し,試験中

は通電したままにしておかなければならない。

A.1.2 

零点設定 

はかりの零点は,試験の開始前に設定し,有意な誤りが生じた場合のリセットを除いて,試験中いかな

る場合においても再設定してはならない。自動零点設定装置又は零トラッキング装置の動作は,各試験に

規定するとおりでなければならない。

A.1.3 

温度 

温度(A.5.3.1 及び A.5.3.2)試験及び高温高湿(定常状態)

A.5.3.3)試験を除いて,試験は,安定した

周囲温度,別に指定されていなければ,通常の室温で実施しなければならない。試験中に記録された最大

温度差が,はかりの使用温度範囲の 1/5 を超えないとき,及び温度の変化率が 1 時間当たり 5  ℃を超えな

いときに,温度は安定しているとみなす。また,はかりに結露が生じないようにしなければならない。

A.1.4 

回復 

はかりは,それぞれの試験の後,続いて行う試験の前に十分に回復させる。

A.1.5 

予備負荷 

はかりは,予熱(A.3.3)の試験及び零点表示の温度影響(A.5.3.2)の試験を除き,それぞれの計量試験

の前には,ひょう量まで 1 回予備負荷をかけなければならない。

A.1.6 

試験標準(8.2 

A.1.6.1 

管理はかり 

実量試験は,8.2 の要件を満たす管理はかりを使用しなければならない。必要な場合,8.2.3 の要件を満

たす標準分銅を使って丸め誤差を評価することができる。

A.1.6.2 

丸め誤差評価のための標準分銅の使用 

A.1.6.2.1 

丸める前の誤差評価のための一般的方法 

管理目量(d)のデジタル表示をもつはかりにおいて,目量の間を補間する,つまり,丸める前のはかり

の計量値を決定するために,次のように表示の切換点が用いられる。

ある荷重(L)において,表示値(I)を記録する。はかりの表示値が明らかに 1 目量(1d)増加して(I

d)になるまで,例えば,0.1 目量(0.1d)の追加分銅を順次載せていく。荷重受け部に載せた追加分銅

の合計値(∆L:追加荷重)によって,丸める前の計量値(P)を次の式によって算出する。

PI+0.5d∆L

丸める前の誤差(E)は,

EPLI+0.5d∆LL

例 1

kg の管理目量(d)をもつはかりに 100 kg を載せると,100 kg を表示する。続いて 0.1 kg の分

銅を順次加えていき,0.3 kg の追加荷重で表示が 100 kg から 101 kg に変化する。上の式にこの結

果を代入すると,


29

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P=(100+0.5−0.3) kg=100.2 kg

このように,丸める前の計量値は 100.2 kg であり,その誤差は,

E=(100.2−100) kg=+0.2 kg

となる。

A.1.6.2.2 

零点の誤差の補正 

零点における誤差(E

0

)及び荷重(L)における誤差(E)を A.1.6.2.1 の方法で測定する。

丸める前の補正された誤差(E

c

)は,次の式で表される。

0

c

E

E

E

=

例  A.1.6.2.1 の例に対して,零点での誤差が

E

0

=+0.4 kg であるならば,補正された誤差は,次の式

で表される。

E

c

=+0.2 kg−(+0.4 kg)=−0.2 kg

A.2 

検査工程 

A.2.1 

型式検査(9.1 

A.3

A.6 に規定する全ての試験を,箇条 の手順によって型式検査に適用する。はかりを一体形管理は

かりとして使用しない場合,A.3.1.2 は適用しなくてよい。

A.2.2 

受渡検査(9.2 

予熱(A.3.3)の試験を除く A.3 の試験を,受渡検査に適用する。使用する試験荷重は,8.1 e)  に適合し

なければならない。

A.3 

計量性能試験 

A.3.1 

実量試験要件 

実量試験は,次の項目に規定する材料,試験荷重,要件及び方法によって実施しなければならない。

a)  9.1.3

(型式検査)

b)  9.2.2

(受渡検査)

c)

A.3.1.1

又は A.3.1.2A.3.2 の実量試験手順を用いる。

A.3.1.1 

個別検証方法(8.2 及び A.7.2.3 

はかりで計量する前又は後のいずれかで材料を計量するために個別管理はかりを使用する。

A.3.1.1.1 

誤差の計算(8.6 

誤差を計算する場合,管理表示装置の目量及び試験荷重の細分化の影響について考慮しなければならな

い。

個別管理はかりの表示値は,観測者によって記録される。自動計量における誤差は,8.4 a)  に規定する

個別管理はかりによって決定した試験荷重の取決めによる真の値と 8.5 a)  に規定する主積算表示装置の質

量表示との差によって決定する。

この誤差は,5.2.1 に規定する自動計量における最大許容誤差との比較に使用する値である。

A.3.1.2 

一体形検証方法(8.2 及び A.7.2.1 

自動動作中に自動計量動作を中断するための自動動作停止プログラムを使うことによって,実量試験に

おける荷重の静的計量に一体形管理はかりを使用する。

A.3.1.2.1 

管理はかりの性能試験 

一体形管理はかりに対する試験は,型式検査又は受渡検査時に,はかりを試験する場所において実施す


30

B 7603

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る。

一体形管理はかりの計量性能は,実量試験の前に,実量試験の誤差を求めるために次のように決定して

よい。

試験荷重を零点から順次ひょう量まで載せ,同様に零点まで試験荷重を降ろす。初期固有誤差を測定す

る場合には,少なくとも 10 の異なった試験荷重を選定し,他の計量試験の場合には,少なくとも五つを選

定しなければならない。実量試験において使用するはかりの試験荷重に対する誤差測定のために,試験荷

重にはひょう量及び最小測定量を含まなければならない。

A.1.6.1

に規定する精度要件を得るために,A.1.6.2 の手順を使って,それぞれの試験荷重における誤差を

求める。分銅の載せ降ろしをする際には,荷重は徐々に増加又は減少させなければならない。管理はかり

の表示の誤差を記録し,実量試験の誤差を求める場合にはこれを補正しなければならない。

A.3.1.2.2 

代替物を用いた計量試験(8.2.4 

この試験は,受渡検査中に,はかりの使用場所で A.3.1.2.1 を考慮に入れて実施しなければならない。

8.2.4

に従って,代替物の許容数を決定する。

代替を行う質量付近における繰返し性誤差を,荷重受け部にその荷重を 3 回載せることで確認する。

零点を確認し,標準分銅を最大個数載せる。

A.1.6.2

によって誤差を測定したのち,分銅を降ろして表示を零点に戻す。

誤差の測定に使用したのと同じ表示の切換点に達するまで,代替物を載せる。はかりのひょう量に達す

るまで上記の手順を繰り返す。

逆の手順で負荷を取り除き零にする。すなわち,分銅を取り除いて,表示の切換点を決定する。分銅を

再度載せ,同じ切換点に達するまで代替物を取り除く。無負荷表示になるまでこの手順を繰り返す。

上記と類似で等価な手順があればそれを適用してもよい。

A.3.1.2.3 

動作試験中の自動計量の中断 

動作試験中の自動計量の中断は,次による。

a)

空にする前の中断(自動総量計量)

:計量ホッパーに材料を投入してはかりが自動的に総量値を処理し

た後に,自動運転は試験プログラムによって中断されなければならない。

b)

材料投入後の管理表示装置の表示値を,a)  に次いではかり及び補助装置が完全に安定した後,観測し

記録する。必要な場合,標準分銅を用いて目量の間を補間してもよい。管理表示装置の表示値は,

A.3.1.2.1

で決定した(増加する荷重に対する)誤差によって補正されなければならない。

c)

空にした後の中断(自動風袋計量)

:計量ホッパーから材料を排出して,はかりが自動的に風袋量を処

理した後に,自動運転は試験プログラムによって中断されなければならない。

d)

材料排出後の管理表示装置の表示値を,c)  に次いではかりが完全に安定した後,観測し記録する。管

理表示装置の表示値は,A.3.1.2.1 で決定した(減少する荷重に対する)誤差によって補正されなけれ

ばならない。

A.3.1.2.4 

誤差の計算(8.6 

誤差を計算するとき,管理表示装置の目量及び試験荷重の細分化の影響を考慮する必要がある。

自動計量の誤差は,A.3.1.2.5 に規定する試験荷重の取決めによる真の値と A.3.1.2.6 に規定する積算質量

表示から得られる値との差でなければならない。

この誤差は,5.2.1 に規定する自動計量における最大許容誤差との比較に使用する値である。

A.3.1.2.5 

試験荷重の取決めによる真の値[8.4 b) 

静止状態において得られる管理表示装置の表示値又は標準分銅を用いて得られる質量値を記録し,積算


31

B 7603

:2015

する。各計量サイクルにおける正味量は,A.3.1.2.3 の b)  と d)  とで得た値の差であり,積算試験荷重の取

決めによる真の値は各計量サイクルにおける正味量の合計値である。

A.3.1.2.6 

積算質量表示[8.5 b) 

主積算表示装置において自動的に得られた値を記録し,積算する。通常,積算表示装置は,自動的に正

味量を計算する。自動的に正味量を計算しない場合,各計量サイクルに対して,正味量は A.3.1.2.3 の a)  と

c)

とで得た値の差である。

A.3.1.2.7 

気密統合はかり(8.3 及び A.7.2.2 

はかりが気密統合システム内に設置される場合,動いている材料の質量が計量結果に影響を与え得る空

気の乱流を発生させる。そのようなはかりを正常な使用状態で試験するために,自動運転は,少なくとも

一つの荷重受け部が自動運転で排出できるように,連続計量サイクル中に中断されてはならない。この場

合,A.3.1.2.3 の a)  若しくは c)  に従って観測し記録された表示値か,又は自動計量中にはかりによって表

示される正味量が,試験荷重として排出された質量を決めるために使われる。

A.3.2 

実量試験手順(8.1 及び A.7 

実量試験手順は,次による。

a)

はかりが使用状態にあるときに通常使用している周辺機器も含めて,自動計量システムを始動する。

b)

正常な動作状態を確保するために,計量システムを 5 サイクル(又は必要ならそれ以上)作動させる。

c)

自動計量システムを中断し,積算質量値を記録する。

d)  8.1

の各試験に規定する計量サイクル数だけ自動計量システムを作動させ,処理した材料を A.3.1.1 

は A.3.1.2 のどちらかの検証方法に従って管理はかり(一体形又は個別)で計量できるようにする。

e)

自動計量システムを中断し,積算質量の最終表示値を記録する。

f)

始動時[c)]及び停止時[e)]の表示の差から,試験の表示積算質量値を決定する。

g)  8.1

に規定するように,更なる試験を上記手順にて繰り返す。

h)  f)

で決定した表示積算質量値と d)  の管理はかりを使って決定した材料の総質量値との差から,実量

試験の誤差を決定する。

A.3.3 

予熱(7.2.5 

この試験は,はかりの電源を投入した後の時間において,計量性能が維持されていることを確認するた

めのものである。安定した表示が得られるまで自動運転が禁止されていることを確認し,零点及びスパン

の誤差が以下の基準に適合しているかを確認する。零トラッキング装置及び自動零点設定装置は,零点設

定が全ての自動計量サイクルの一部として作動しない場合は,作動させてはならない。零点設定が全ての

自動計量サイクルの一部として作動する場合は,零トラッキング装置及び自動零点設定装置は試験の一部

として作動させるか又はシミュレートしなければならない。

注記  各排出後に風袋計量を行わないはかりについては,零点変動の誤差を計算する必要はない。

計量性能が運転の最初の 30 分間維持されていることが確認できる他の試験方法を使用してもよい。

予熱試験は,非自動(静的)運転で実施しなければならない。ひょう量に近い一つの静止荷重を用いな

ければならない。

a)

試験の前に 8 時間以上,はかりを電源から切り離しておく。

b)

はかりを電源に再接続し,表示値を見ながら電源スイッチを入れる。

c)

表示が安定する(7.2.2)まで自動計量が始動できないことを確認する。

d)

表示の安定後に零点設定が自動的に行われない場合,はかりを零点に設定する。


32

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e)

A.1.6.2.1

の方法で零点の誤差を決定し,最初のこの誤差を

E

0I

(初期の零点設定の誤差)とする。また,

以降このステップを繰り返す場合は,零点の誤差は

E

0

(零点設定の誤差)とする。

f)

ひょう量に近い静止荷重を載せる。A.1.6.2.1 及び A.1.6.2.2 の方法で誤差を決定する。

g)

次の確認を行う。

−  零点の誤差

E

0I

が,積算目量の 1/4(±0.25

d

t

)を超えない(6.8.1

−  スパンの誤差が,

表 に規定した最大許容誤差を超えない。

h)  5

分後,15 分後及び 30 分後に e)  及び f)  を繰り返す。

i)

各時間経過後に,次の確認を行う。

−  零点の誤差

E

0

E

0I

は,積算目量の 1/4(0.25

d

t

)×

p

i

を超えない。

−  スパンの誤差は,

表 に規定した最大許容誤差を超えない。

A.3.4 

零点設定(6.8 

A.3.4.1 

零点設定モード 

零点設定範囲の試験及び零点設定精度の試験は,一つの零点設定装置に対して実施すればよい。零点設

定が自動計量サイクルの一部として動作する場合は,その零点設定装置について試験を実施しなければな

らない。自動零点設定装置を試験するために,零点設定装置が自動計量サイクルの動作の一部として適切

に動作し,試験する前には自動計量サイクルを中断することを考慮する必要がある。

零点設定範囲及び零点設定精度は,はかりの自動動作を中断した後,次に規定するように非自動(静的)

運転中に荷重受け部に荷重を載せて試験しなければならない。

A.3.4.2 

零点設定範囲 

A.3.4.2.1 

初期零点設定 

初期零点設定範囲は,正の部分と負の部分との和である。荷重受け部の構成部品が容易に取り除けない

場合は,初期零点設定範囲は,正の部分だけを考慮する必要がある。

a) 

正の範囲  計量ホッパーが空の状態で,はかりを零に設定する。荷重受け部に試験荷重を載せ,はか

りの電源をオフにした後,オンにする。荷重受け部に試験荷重を載せ,はかりの電源の再投入を,零

に設定ができなくなるまで繰り返す。零に設定できる最大の荷重が,初期零点設定範囲の正の部分で

ある。

b) 

負の範囲  負の範囲は,次による。

1)

計量ホッパーが空の状態で,はかりを零に設定する。そして,荷重受け部の重要でない全ての構成

部品を取り外す。この時点で,はかりの電源をオフにしてオンにすることによって零に設定できれ

ば,取り外した構成部品の質量は,初期零点設定範囲の負の部分として用いられる。

2)

荷重受け部の構成部品を取り外して,はかりを零に設定できなければ,はかりが再び零を表示する

まで,はかりの検出部(例えば,荷重受け部を支える部品の上)のどこかに分銅を加える。

3)

次に分銅を取り除いていく。各分銅が取り除かれた後に,はかりの電源をオフにして,オンにする。

電源の再投入によって,はかりが零に設定できる間にはかりの検出部から取り除くことができる分

銅の最大値が,初期零点設定範囲の負の部分である。

4)

荷重受け部の構成部品が容易に取り外せない場合は,3)  に進む前に,正の部分の試験結果から計算

することができる初期零設定範囲の許容可能な負の部分より大きい試験荷重を加えて,一時的に再

校正してよい。試験後は,通常の使用状態においてはかりの再校正を行う。

初期零設定範囲の負の部分を,これらの方法で試験することができない場合は,初期零設定範囲の正の

部分だけを考慮する必要がある。


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A.3.4.2.2 

非自動零点設定及び半自動零点設定 

この試験は,A.3.4.2.1 と同様の手順によって行う。ただし,零点設定は,はかりの電源を再投入するこ

となく,零点設定装置を作動することによって行う。

A.3.4.3 

零点設定の精度 

零点設定の精度は,次による。

a)

はかりを零点に設定する。

b)

荷重受け部に追加分銅を順次載せ,表示が零から 1 積算目量(1

d

t

)変化する追加荷重を測定する。

c)

A.1.6.2.1

によって零点における誤差を計算する。

A.3.4.4 

零点設定の管理(6.8.3 

この試験は,プログラム可能な自動零点設定装置を備えたはかりにだけ適用し,全ての自動計量サイク

ルの一部として自動零点設定装置が動作するはかり,又は各排出後に風袋計量を行うはかりには,実施し

なくてよい。自動零点設定装置による零点の誤差が 0.5 積算目量(0.5

d

t

)以下であることを確認するため,

次の方法を適用する。

a)  6.8.3

に従って製造業者が規定した最大許容時間間隔に設定する。

b)

はかりが自動的に零点設定できるようにする。

c)

a)

で設定した最大許容零点設定時間間隔に近い間隔,ただし次の自動零点設定装置が作動する前に,

A.3.4.3

の試験を零点の設定をすることなしに実施する。

d)  b)

及び c)  は,はかりの電源を投入した後はかりが作動可能となった直後に,すなわち,通常の予熱

時間の直後にも実施しなければならない。

A.4 

追加機能性 

A.4.1 

平衡安定性試験(6.2.10 

1 回の動作で手動によって平衡状態を崩し(例えば,試験スイッチの作動によって),印字,零点設定又

は他の機能の指令をできるだけ早く出す。

印字の場合は,印字の 5 秒後に表示値を読み取る。二つの隣接した値しか表示しない場合,表示は安定

しているとみなされ,表示されたどちらか一つの値が印字された値でなければならない。

零点設定の場合は,A.3.4.3 に従って精度を確認する。

この試験は,5 回繰り返さなければならない。

継続的な妨害中は,平衡安定性を必要とする機能(例えば,印字又は零点設定装置)が実行できないこ

とを確認する。

A.4.2 

複数の表示装置(5.6 

試験中,

同一荷重に対して同一目量をもつ二つの装置の表示の差は,

次のとおりであることを確認する。

−  デジタル表示装置については,零

−  アナログ指示装置については,その荷重に対する最大許容誤差以下

A.4.3 

自動運転における調整(6.2.7 

自動計量動作中,運転調整又は表示装置のリセットが不可能であることを確認する。

A.4.4 

構成部品及びプリセット制御の保護(6.3 

許可を受けていない調整,又は構成部品,インタフェース,ソフトウェア装置及びプリセット制御のリ

セットは,あらゆるアクセスも自動的に明らかにならなければ行えないことを確認する。


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A.4.5 

計量結果の表示(6.4 

計量結果の表示に対して,次のことを確認する。

−  自動運転中は,主積算表示装置を零点に設定できない。

−  自動運転が終了したときに,積算値が自動的に記録されない限り,部分積算表示装置を零点に設定で

きない。試験は,表示装置を停止して,部分積算表示装置の零点設定を試みることで行う。

−  自動運転が中断された場合,合計値の自動表示を行う。

−  安定平衡基準(6.2.10)の規定が満たされていない場合は,印字しない。

A.4.6 

主電源停電後の積算表示値の保持(7.2.7 

主積算表示装置が

Σ

min

以上の積算値を表示している間に,はかりの主電源をオフにする。積算値が少な

くとも 24 時間保持されることを確認する。

A.4.7 DC

主電源電圧又は電池電源の変動(7.2.8 

はかりの動作が停止するか,質量値を表示しなくなるまで,電源電圧を低下させる。このようにしては

かりが動作しなくなる前に,誤動作又は有意な誤りが生じないことを確認する。また,その際の電圧値を

測定し,製造業者が規定した最低動作電圧値と比較する。

A.4.8 

ゼロオフセットインタロック(6.8.3 

はかりが自動計量サイクルに続いて,自動的に零点設定されることを確認する。また,次の試験を行う。

A.4.8.1 

ポジティブオフセット 

A.3.4.2

の試験の零点設定範囲で,はかりを零点設定する。自動零点設定装置を備えたはかりについては,

1 積算目量(1

d

t

)を超える荷重を,自動零点設定装置のないはかりについては 0.5 積算目量(0.5

d

t

)を超

える荷重を,荷重受け部に載せる。その後,自動運転が作動しないことを確認する。

A.4.8.2 

ネガティブオフセット 

自動零点設定装置を備えたはかりについては,1 積算目量(1

d

t

)を超える荷重を,自動零点設定装置の

ないはかりについては,0.5 積算目量(0.5

d

t

)を超える荷重を,荷重受け部に載せる。

A.3.4.2

の試験の零点設定範囲で,はかりを零点設定する。あらかじめ載せておいた荷重(1

d

t

又は 0.5

d

t

を超える荷重)を荷重受け部から取り除き,自動運転が作動しないことを確認する。

A.5 

影響因子試験及び妨害試験 

A.5.1 

一般 

影響因子試験及び妨害試験は,電気式はかりが規定の環境及び条件下で意図したとおりに動作及び機能

することを検証することを意図している。該当する場合,それぞれの試験において,固有誤差を決める標

準条件を示す。

通常の運転が行われている完成はかりに影響因子試験又は妨害試験を適用しなければならない。通常の

運転が行われているはかりにこれを適用することができない場合,はかりは,各試験項目において規定す

る静的条件又はシミュレートした動作の下で,影響因子又は妨害の対象とならなければならない。影響因

子の許容影響又は妨害は,これら条件に基づいて各試験項目に対して規定している。

一つの影響因子の影響を評価する場合,その他の全ての因子は通常に近い値で相対的に一定に保たなけ

ればならない。試験を終えた後,次の試験の始まる前に,はかりを十分回復させなければならない。

はかりのモジュールが別途評価されている場合,9.1.4 に従って誤差を配分しなければならない。

それぞれの試験で,はかり又はシミュレータの動作状態を記録しておかなければならない。

妨害試験において,はかりは非自動(静的)動作で試験しなければならない。各試験は,一つの小さな


35

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静止試験荷重を用いて行わなければならない。

A.5.2 

シミュレータ要件 

A.5.2.1 

一般 

シミュレータは,計量機能の精度,積算値保存及び表示機能の完全性の検証ができるように設計されて

いなければならない。自動処理制御及びデータ処理機能も,可能であれば検証するのが望ましい。

可能な場合,シミュレータは計量処理システムの電子装置を全て含むものとする。また,それはロード

セル及び標準試験荷重を適用するための手段も含まなければならない。

これが可能でない場合,例えば,大ひょう量はかりの場合,ロードセルシミュレータを使用するか又は

その代わりにロードセルインタフェースを改造して,小さな試験荷重に対しても設計された出力が可能な

ようにスケール係数を組み込むことができる。

ロードセルシミュレータの繰返し性及び安定性は,はかりを分銅で試験するときと少なくとも同等の精

度ではかりの性能を決定できなければならない。

A.5.2.2 

インタフェース(7.2.6 

他の機器とインタフェースによって接続することが引き起こす感受性を,試験でシミュレートしなけれ

ばならない。これは,他の機器のインタフェースインピーダンスをシミュレートするために,3 m の端末

処理したインタフェースケーブルを接続すればよい。

A.5.2.3 

計量機能 

計量機能の検証は,影響因子又は妨害を適用している間,管理表示装置を観測することで実施できる。

又は,静止荷重の積算をしている間の積算表示装置を用いてもよい。

これは,試験用の特別なソフトウェア若しくは手動操作又はそれらを組み合わせることで行う。

また,上記以外の他の方法があれば,それを用いてもよいが,最大許容誤差は,使用する方法にかかわ

らず同一である。

A.5.2.4 

積算値保存及び表示機能 

次の要件は,シミュレータの積算装置がはかりに内蔵されているかいないかにかかわらず,適用する。

シミュレータは,最小積算荷重(

Σ

min

)以上を表示しなければならない。また,その表示は影響因子又

は妨害の受けている最中及びその後も,保持しなければならない。ただし,積算装置が記録できないよう

な過渡的な誤差又は妨害を受けた際の表示の一時的な誤りは,容認できる。

シミュレータの積算装置が純粋なデジタル装置である場合,影響因子及び妨害に対するこれらの検証は

不要である。積算装置の動作は,通常運転状態中少なくとも 1 回はチェックしなければならない。

A.5.3 

影響因子試験 

影響因子の試験項目及び基準を,

表 A.1 に示す。

表 A.1−影響因子試験 

試験

基準

細分箇条

静的温度

 mpe

a)

A.5.3.1 

零点表示の温度影響

mpe

A.5.3.2 

高温高湿(定常状態)

mpe

A.5.3.3 

AC 主電源電圧変動

mpe

A.5.3.4 

DC 主電源電圧変動

mpe

A.5.3.5 

DC 電池電源

mpe

A.5.3.6 

12 V 及び 24 V の車両用電池の電圧変動

mpe

A.5.3.7 

a)

  表 に規定する最大許容誤差


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A.5.3.1 

静的温度[5.7.1 a) 

試験は,JIS C 60068-2-1JIS C 60068-2-2 及び JIS C 60068-3-1 並びに

表 A.2 に従って行う。

表 A.2−静的温度試験 

環境現象

試験条件

試験設定

静的温度

基準温度 20  ℃

規定された高温で 2 時間

JIS C 60068-2-2 

規定された低温で 2 時間

JIS C 60068-2-1 

規定された低温が 0  ℃以下の場合,5  ℃の温度

JIS C 60068-3-1 

基準温度 20  ℃

注記 1  背景情報には,JIS C 60068-3-1 を参照する。

a) 

試験目的  規定された高温及び低温において 5.7.1 a)  の基準を満たしていることを検証する。零点表

示の温度影響(A.5.3.2)の試験は,この試験とともに実施してよい。

b) 

事前調整  基準温度において 16 時間通電しておく。

c) EUT

の状態  EUT を電源に接続して製造業者が規定する予熱時間以上通電し,試験中は電源を投入し

ておかなければならない。

零点設定装置及び零トラッキング装置は,通常動作に関しては動作可能でなければならない。試験

を零点表示の温度影響(A.5.3.2)の試験と併せて実施する場合は,零点設定装置及び零トラッキング

装置を作動させてはならない。

d) 

安定化  “自由空気”状態下の各温度で 2 時間。“自由空気”状態とは,安定した状態に温度を保つた

めの最低の空気循環を意味する。

e) 

温度  5.7.1 a)  の規定に従う。

f) 

温度シーケンス

1)

基準温度 20  ℃

2)

規定された高温

3)

規定された低温

4)

規定された低温が 0  ℃以下の場合,5  ℃の温度

5)

基準温度 20  ℃

温度変化は,加熱及び冷却の間は 1  ℃/分を超えてはならない。

高温における計量試験では,その湿度は,20 g/m

3

を超えてはならない。

注記 2  絶対湿度 20 g/m

3

を相対湿度で表すと,40  ℃で 39 %,35  ℃で 50 %,30  ℃で 66 %に該

当する。これらの値は,気圧 1 013.25 hPa で有効である。

g) 

試験サイクル数  少なくとも 1 サイクル。

h) 

試験情報  試験前に,EUT をできるだけ零点付近に調整する。零トラッキング装置を備えている場合

は,それを用いてもよい。試験中は,いかなるときも EUT を再調整してはならない。大気圧の変化を

考慮に入れなければならない。

基準温度及び各規定温度で安定化した後に,少なくとも五つの異なる試験荷重又はシミュレートし

た荷重を適用して,次のデータを記録する。

1)

日時

2)

温度


37

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3)

相対湿度

4)

試験荷重

5)

表示値(該当する場合)

6)

誤差

7)

機能性能

8)

気圧

EUT は,最小積算荷重(

Σ

min

)以上の記録された合計値を表示しなければならないが,A.5.2.4 に従

う。

i) 

最大許容変動  全ての機能は,設計どおりに動作しなければならない。全ての誤差は,表 に規定さ

れた最大許容誤差内でなければならない。

A.5.3.2 

零点表示の温度影響[5.7.1 b) 

この試験は,自動零点設定機能が全ての自動計量サイクルの一部として動作するはかり,又は各排出後

に風袋計量を行うはかりに対しては実施する必要がない。

はかりは無負荷の状態で零点に設定され,20  ℃,規定の最高温度,最低温度,5  ℃(規定する最低温度

が 0  ℃以下の場合)

,そして 20  ℃に変化させる。安定後,各温度における零点表示の誤差を測定し,5  ℃

当たりの零点表示の変化を計算する。5  ℃当たりの零点表示の変化は,この試験のいずれの温度変化(例

えば,基準温度から最高温度,最高温度から最低温度,最低温度から 5  ℃及び 5  ℃から基準温度)につい

ても計算しなければならない。

この試験は,静的温度(A.5.3.1)試験とともに実施してもよい。零点での誤差は,次の温度に移行する

直前で,はかりがある温度で安定状態になって 2 時間経過した後に,追加して測定しなければならない。

これらの測定の前に,予備負荷を行ってはならない。

自動零点設定装置又は零トラッキング装置は,作動させてはならない。

a) EUT

の条件  製造業者が規定する予熱時間以上通電し,試験中は電源を投入しておかなければならな

い。

b) 

最大許容変動  零点表示の変化は,温度差 5  ℃に対して積算目量(1

d

t

)を超えて変動してはならない。

A.5.3.3 

高温高湿(定常状態)(7.2.3 

試験は,JIS C 60068-2-78JIS C 60068-3-4 及び

表 A.3 に従って行う。

表 A.3−高温高湿(定常状態)試験 

環境現象

試験条件

試験設定

高温高湿(定常状態)

規定された高温及び相対湿度 85 %で 48 時間

JIS C 60068-2-78 

JIS C 60068-3-4

注記  試験の指針として JIS C 60068-3-4 を参照する。

a) 

試験目的  一定温湿度において 7.1.1 に適合することを検証する。

b) 

事前調整  該当なし。

c) EUT

の状態  EUT を電源に接続して製造業者が規定する予熱時間以上通電し,試験中は電源を投入し

ておかなければならない。零点設定装置及び零トラッキング装置は,通常動作に関しては動作可能で

なければならない。

EUT に結露が生じないようにしなければならない。

d) 

安定化  基準温度及び相対湿度 50 %で 3 時間


38

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5.7.1 a)

で規定した高温で 2 日間(48 時間)

e) 

温度  基準温度(20  ℃又は 20  ℃が使用温度範囲外である場合は,使用温度範囲の平均値)及び 5.7.1 

a)

で規定した高温。

f) 

温度−湿度 48 時間シーケンス

1)

基準温度 20  ℃及び相対湿度 50 %

2)

規定された高温及び相対湿度 85 %

3)

基準温度 20  ℃及び相対湿度 50 %

g) 

試験サイクル数  少なくとも 1 サイクル。

h) 

試験情報  基準温度及び相対湿度 50 %で EUT が安定した後に,少なくとも五つの異なる試験荷重又

はシミュレートした荷重を使用して,次のデータを記録する。

1)

日時

2)

温度

3)

相対湿度

4)

試験荷重

5)

表示値(該当する場合)

6)

誤差

7)

機能性能

チャンバ内の温度を規定された高温まで上げて,相対湿度を 85 %まで上げる。EUT は,無負荷の状

態で 48 時間維持する。48 時間後,同じ試験荷重又はシミュレートした荷重を適用して,1)7)  のデ

ータを記録する。

チャンバ内の相対湿度を 50 %まで下げて,温度を基準温度まで下げる。EUT の安定後,同じ試験荷

重又はシミュレートした荷重を適用して,1)7)  のデータを記録する。

EUT は,最小積算荷重(

Σ

min

)以上の記録された合計値を表示しなければならないが,A.5.2.4 に従

う。

他のいかなる試験を行う前にも,EUT を完全に回復しておく。

i) 

最大許容変動  全ての機能は,設計どおりに動作しなければならない。全ての誤差は,表 に規定さ

れた最大許容誤差内でなければならない。

A.5.3.4 AC

主電源電圧変動(5.7.2 及び 7.2.7 

試験は,

表 A.4 に従って行う。

表 A.4AC 主電源電圧変動試験 

環境現象

試験条件

試験設定

AC 主電源電圧変動

U

nom

参照規格なし

上限:1.10×U

nom

又は 1.10×U

max

下限:0.85×U

nom

又は 0.85×U

min

U

nom

はかりが三相電源で駆動している場合,電圧変動は各相に連続して印加しなければならない。

a) 

試験目的  AC 主電源電圧変動条件下で 5.7.2 に適合することを検証する。

b) 

事前調整  該当なし。

c) EUT

の状態  EUT を AC 主電源に接続して,製造業者が規定する予熱時間以上の間,通電しておく。


39

B 7603

:2015

試験前に,EUT をできるだけ零点付近に調整する。有意な誤りが生じた場合のリセットを除いて,試

験中は再調整してはならない。

d) 

試験サイクル数  少なくとも 1 サイクル。

e) 

試験情報  EUT は,最少測定量かそれに近い試験荷重又はシミュレートした荷重,及び EUT のひょ

う量の 50 %とひょう量間の一つの試験荷重又はシミュレートした荷重で試験しなければならない。大

気圧の変化を考慮しなければならない。

公称電圧において EUT を安定させ,次のデータを記録する。

1)

日時

2)

温度

3)

相対湿度

4) AC

電源電圧

5)

試験荷重

6)

表示値(該当する場合)

7)

誤差

8)

機能性能

9)

気圧

EUT は,最小積算荷重(

Σ

min

)以上の記録された合計値を表示しなければならないが,A.5.2.4 に従

う。

f) 

最大許容変動  全ての機能は,設計どおりに動作しなければならない。全ての誤差は,表 に規定さ

れた最大許容誤差内でなければならない。

A.5.3.5 DC

主電源電圧変動(5.7.2 及び 7.2.8 

外部主電源又はプラグイン主電源(AC 又は DC)をもつはかり及びはかりの動作中に電池の充電が可能

な充電式電池をもつはかりの試験は,A.5.3.4 の場合を除いて,A.5.3 に従って行われなければならない。

A.5.3.4

において,

表 A.4 を表 A.5 の規定に置き換える。

表 A.5DC 主電源電圧変動試験 

環境現象

試験条件

試験設定

DC 主電源電圧変動

U

nom

参照規格なし

上限:1.20×U

nom

又は 1.20×U

max

下限:最小動作電圧(5.7.2 参照) 
U

nom

製造業者によって

U

nom

が規定されておらず,電圧の範囲が表記されている場合は,その範囲の平均値を

公称電圧

U

nom

とする。

a) 

試験目的  DC 主電源電圧変動条件下で 5.7.2 に適合していることを検証する。

b) 

事前調整  該当なし。

c) EUT

の状態  EUT を DC 主電源に接続して,製造業者が規定する予熱時間以上の間,通電しておく。

試験前に,EUT をできるだけ零点付近に調整する。

d) 

試験サイクル数  少なくとも 1 サイクル。

e) 

試験情報  大気圧の変化を考慮に入れなければならない。

EUT を公称電圧において安定させ,零点付近及び一つの試験荷重又はシミュレートした荷重におい


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B 7603

:2015

て,次のデータを記録する。

1)

日時

2)

温度

3)

相対湿度

4)

電源電圧

5)

試験荷重

6)

表示値(該当する場合)

7)

誤差

8)

機能性能

9)

気圧

はかりが仕様書及び計量要件に従って正しく機能しなくなるまで,EUT への電源電圧を低下させ,

その表示値を記録する。

EUT は,最小積算荷重(

Σ

min

)以上の記録された合計値を表示しなければならないが,A.5.2.4 に従

う。

f) 

最大許容変動  全ての機能は,設計どおりに動作しなければならない。全ての誤差は,表 に規定し

た最大許容誤差内でなければならない。

A.5.3.6 

主電源に接続されていない DC 電池電源(5.7.2 及び 7.2.8 

電池駆動のはかりは,A.5.3.4A.5.3.5 及び A.5.3.7 を除く A.5.3 の試験に適合しなければならない。この

場合には,

表 A.6 の規定による。

表 A.6−主電源に接続されていない DC 電池電源 

環境現象

試験条件

試験設定

満充電された DC 電池電
圧の低電圧変動

U

nom

参照規格なし

上限:U

nom

又は U

max

下限:最小動作電圧(5.7.2 参照) 
U

nom

製造業者によって

U

nom

が規定されておらず,電圧の範囲が表記されている場合は,その範囲の平均値を

公称電圧

U

nom

とする。

a) 

試験目的  電池電源電圧変動条件下で 5.7.2 に適合していることを検証する。

b) 

事前調整  該当なし。

c) EUT

の状態  EUT を DC 電源に接続して,製造業者が規定する予熱時間以上の間,通電しておく。試

験前に,EUT をできるだけ零点付近に調整する。

d) 

試験サイクル数  少なくとも 1 サイクル。

e) 

試験情報  大気圧の変化を考慮に入れなければならない。

EUT を公称電圧において安定させ,零点付近及び一つの試験荷重又はシミュレートした荷重におい

て,次のデータを記録する。

1)

日時

2)

温度

3)

相対湿度

4)

電源電圧


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:2015

5)

試験荷重

6)

表示値(該当する場合)

7)

誤差

8)

機能性能

9)

気圧

はかりが仕様書及び計量要件に従って正しく機能しなくなるまで,EUT への電源電圧を低下させ,

その表示値を記録する。

EUT は,最小積算荷重(

Σ

min

)以上の記録された合計値を表示しなければならないが,A.5.2.4 に従

う。

f) 

最大許容変動  全ての機能は,設計どおりに動作しなければならない。全ての誤差は,表 に規定し

た最大許容誤差内でなければならない。

A.5.3.7 12 

V

及び 24 V 路上走行車用電池電源の電圧変動(5.7.2 

12 V 及び 24 V 車両用電池電源で動作するはかりは,A.5.3.4 及び A.5.3.5 を除く A.5.3 の試験に適合しな

ければならない。この場合には,

表 A.7 の規定による。

表 A.712 V 及び 24 V 車両用電池電源の電圧変動試験 

環境現象

試験条件

試験設定

12 V 及び 24 V 車両用電池
電源の電圧変動

U

nom

上限

下限

参照規格なし

12 V

16 V

最小動作電圧

5.7.2 参照)

24 V

32 V

車両用の電気システムの公称電圧(

U

nom

)は,通常 12 V 又は 24 V である。しかし,実際のバッテリ端

子における電圧は,かなり変動する可能性がある。

a) 

試験目的  12 V 及び 24 V 車両用電池電圧変動の条件下で 5.7.2 に適合していることを検証する。

b) 

事前調整  該当なし。

c) EUT

の状態  EUT を DC 電源に接続して,製造業者が規定する予熱時間以上の間,通電しておく。試

験前に,EUT をできるだけ零点付近に調整する。

d) 

試験サイクル数  少なくとも 1 サイクル。

e) 

試験情報  試験は,一つの試験荷重又はシミュレートした荷重を用いて,電池が通常大気条件下にお

いて規定する条件下にさらすことで行う。大気圧の変化を考慮に入れなければならない。

EUT を公称電圧において安定させ,零点付近及び一つの試験荷重又はシミュレートした荷重におい

て,次のデータを記録する。

1)

日時

2)

温度

3)

相対湿度

4)

電源電圧

5)

試験荷重

6)

表示値(該当する場合)

7)

誤差

8)

機能性能

9)

気圧


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はかりが仕様書及び計量要件に従って正しく機能しなくなるまで,EUT への電源電圧を低下させ,

その表示値を記録する。

EUT は,最小積算荷重(

Σ

min

)以上の記録された合計値を表示しなければならないが,A.5.2.4 に従

う。

f) 

最大許容変動  全ての機能は,設計どおりに動作しなければならない。全ての誤差は,表 に規定し

た最大許容誤差内でなければならない。

A.5.4 

妨害試験(7.1.2 

妨害試験の基準と規定項目を,

表 A.8 に示す。

表 A.8−妨害試験 

試験

基準

条項

AC 主電源の短時間電圧降下

 sf

a)

A.5.4.1 

バースト

sf

A.5.4.2 

サージ

sf

A.5.4.3 

静電気放電

sf

A.5.4.4 

電磁界に対するイミュニティ

sf

A.5.4.5 

車両用電源駆動のはかりに対する特別 EMC 要件

sf

A.5.4.6 

a)

  有意な誤り(3.4.5.6 参照)

各試験前に EUT の零点表示の偏差を測定し,試験においてはその偏差を補正しなければならない。

はかり(又はシミュレータ)にインタフェースがある場合,他の機器へのこのインタフェースの使用を

試験の中でシミュレートしなければならない。このために,他の機器のインタフェースインピーダンスを

シミュレートするための適切な周辺装置又は 3 m のインタフェースケーブルのいずれかを個々の異なるタ

イプのインタフェースに接続しなければならない。

A.5.4.1 AC

主電源の短時間電圧降下 

試験は,JIS C 61000-4-11 及び

表 A.9 に従って行う。

表 A.9−短時間電圧降下試験 

環境現象

試験条件

試験設定

試験

振幅(%)

継続時間(サイクル数)

JIS C 61000-4-11 

電圧ディップ及び

短時間停電

試験 a

0

a)

0.5

試験 b

0

a)

1

試験 c

40

10/12

b)

試験 d

70

25/30

b)

試験 e

80

250/300

b)

短時間停電

0

250/300

b)

AC 主電源電圧の 1/2 サイクル以上(ゼロクロスにおいて)の振幅を規定した時間,減少させるのに適した試験

装置を使わなければならない。試験装置は,EUT を接続する前に調整しておかなければならない。

電源電圧の低下は,50 Hz 又は 60 Hz によって,少なくとも 10 秒の間隔で 10 回繰り返さなければならない。た

だし,製造業者によって周波数が規定されている場合には,その周波数で試験を実施する。 

a)

  振幅が 0 %とは,停電に相当する。

b)

  例えば,“10/12”の表記は,“50 Hz の試験に対しては 10 サイクル”及び“60 Hz の試験に対しては 12 サイ

クル”の継続時間を適用することを意味している。

a) 

試験目的  短時間主電源電圧停電及び降下の間,小さな静止試験荷重の表示が 7.1.2 に適合しているこ

とを検証する。


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b) 

事前調整  該当なし。

c) EUT

の状態  EUT を AC 主電源に接続して,製造業者が規定する予熱時間以上の間,通電しておく。

試験前に,EUT をできるだけ零点付近に調整する。試験中は零点設定装置を作動させず,有意な誤り

が生じた場合のリセットを除いて,再調整してはならない。

d) 

試験サイクル数  少なくとも 1 サイクル。

e) 

試験情報  全ての因子を標準条件下で安定させる。小さな試験荷重又はシミュレートされた荷重を使

用して,次のデータを記録する。

1)

日時

2)

温度

3)

相対湿度

4)

電源電圧

5)

試験荷重

6)

表示値(該当する場合)

7)

誤差

8)

機能性能

表 A.9 の試験条件に従って,電圧を対応する時間(サイクル数)中断し,JIS C 61000-4-11 の 8.2.1

に規定する試験を行う。中断中,EUT への影響を観察して,該当するものがあれば記録する。

f) 

最大許容変動  妨害が加わった場合と妨害なしの場合との差が積算目量(1

d

t

)を超えないか,又は

EUT が有意な誤りを検出し,対処しなければならない。短時間停電(振幅 0 %,継続時間 250/300 サ

イクル)の場合,はかりは完全に回復しなければならない。

A.5.4.2 

バースト 

試験は,JIS C 61000-4-4 並びに

表 A.10 及び表 A.11 に従って行う。

表 A.10I/O 信号線,データ及び制御線 

環境現象

試験条件

試験設定

高速過渡共通モード

0.5 kV(電圧ピーク)

5/50 ns T

1

/T

h

5 kHz(繰返し率)

JIS C 61000-4-4 

製造業者の機能仕様書に従って全長が 3 m を超えるケーブルをもつポート又はインタフ

ェースだけに適用する。

表 A.11−電源供給線 

環境現象

試験条件

試験設定

高速過渡共通モード

1 kV(電圧ピーク)

5/50 ns T

1

/T

h

5 kHz(繰返し率)

JIS C 61000-4-4 

DC 電源ポートは,使用中に主電源に接続できない電池駆動機器には適用しない。

a) 

試験目的  電源線及び信号線並びに通信線が高速過渡現象にそれぞれさらされている間,小さな静止

試験荷重に対する表示が 7.1.2 に適合していることを検証する。

b) 

事前調整  該当なし。

c) EUT

の状態  試験装置は,EUT を接続する前に調整しておかなければならない。EUT を電源に接続

して,製造業者が規定する予熱時間以上の間,通電しておく。試験前に,EUT をできるだけ零点付近


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に調整する。試験中は零点設定装置を作動させず,有意な誤りが発生した場合のリセットを除いて,

再調整してはならない。

d) 

試験サイクル数  少なくとも 1 サイクル。

e) 

試験情報  バーストの極性は,正及び負の両方を適用しなければならない。試験継続時間は,各振幅

及び各極性に対して 1 分未満であってはならない。主電源線路への結合回路網は,その主電源線路に

分散するバーストエネルギーを防止するためのブロッキングフィルタを備えていなければならない。

このバーストを I/O 回路及び通信線に結合するには,容量性結合クランプを使用しなければならない。

EUT は,小さな静止試験荷重で試験されなければならない。試験の前には,EUT を一定の環境条件

下で安定させる。大気圧の変化も考慮に入れなければならない。小さな静止試験荷重又はシミュレー

トされた荷重を使用して,次のデータを記録する。

1)

日時

2)

温度

3)

相対湿度

4)

電源電圧

5)

試験荷重

6)

表示値(該当する場合)

7)

誤差

8)

機能性能

9)

気圧

f) 

最大許容変動  妨害が加わった場合と妨害なしの場合との差が積算目量(1

d

t

)を超えないか,又は

EUT が有意な誤りを検出し,対処しなければならない。

A.5.4.3 

サージ 

試験は,JIS C 61000-4-5 及び

表 A.12 に従って行う。

表 A.12−サージ試験 

環境現象

試験条件

試験設定

電源線並びに I/O 線及び通信線

上のサージ

0.5 kV(ライン−ライン間) 
1.0 kV(ライン−グラウンド間) 
− AC 主電源線には,少なくとも正極性サージ及び負極性

サージを 0°,90°,180°及び 270°の位相角でそれぞ

れ 3 回印加

− AC 主電源以外の電源には,その電源線に少なくとも正

極性サージ及び負極性サージをそれぞれ 3 回印加

− I/O 信号,制御及びデータ線路の通信線には,少なくと

も正極性サージ及び負極性サージをそれぞれ 3 回印加

JIS C 61000-4-5 

この試験は,代表的な設置状況に基づいて,サージによる重大な影響の危険性が予想される場合だけに適用され

る。これは,屋外設置機器及び/又は長い信号線に接続した屋内設置機器(30 m より長いか,その長さにかかわら

ず部分的又は完全に屋外に設置した線路)に特に関連する。試験は,電源供給線並びに I/O 信号線,データ及び制
御線に適用される。はかりの電力が DC 回路網から供給される場合は,DC 主電源のはかりにも適用する。

a) 

試験目的  電源線並びに信号線及び通信線がサージにそれぞれさらされている間,小さな静止試験荷

重に対する表示が 7.1.2 に適合していることを検証する。

b) 

事前調整  該当なし。


45

B 7603

:2015

c) EUT

の状態  EUT を電源に接続して,製造業者が規定した予熱時間以上の間通電しておく。試験前に,

EUT をできるだけ零点付近に調整する。試験中は零点設定装置を作動させず,有意な誤りが発生した

場合のリセットを除いて,再調整してはならない。

d) 

試験サイクル数  少なくとも 1 サイクル。

e) 

試験情報  試験は,JIS C 61000-4-5 に規定されている高/低インピーダンス負荷の出力電圧/電流の

立ち上がり時間,パルス幅,ピーク値,そして,二つの連続パルス間の最小時間間隔のサージを印加

する。

結合回路は,サージを印加する線に依存し,JIS C 61000-4-5 に規定されている。

EUT は,小さな静止試験荷重で試験されなければならない。試験の前には,EUT を一定の環境条件

下で安定させる。大気圧の変化も考慮に入れなければならない。小さな静止試験荷重又はシミュレー

トされた荷重を使用して,次のデータを記録する。

1)

日時

2)

温度

3)

相対湿度

4)

電源電圧

5)

試験荷重

6)

表示値(該当する場合)

7)

誤差

8)

機能性能

9)

気圧

f) 

最大許容変動  妨害が加わった場合と妨害なしの場合との差が積算目量(1

d

t

)を超えないか,又は

EUT が有意な誤りを検出し,対処しなければならない。

A.5.4.4 

静電気放電 

試験は,JIS C 61000-4-2 及び

表 A.13 に従って行う。

表 A.13−静電気放電試験 

環境現象

試験条件

試験設定

試験方法

試験電圧

JIS C 61000-4-2 

静電気放電

接触放電

6 kV

気中放電

8 kV

a) 

試験目的  静電気放電を適用している間,小さな静止試験荷重に対する表示が 7.1.2 に適合しているこ

とを検証する。

b) 

事前調整  該当なし。

c) EUT

の状態  EUT を電源に接続して,製造業者が規定した予熱時間以上の間,通電しておく。試験前

に,EUT をできるだけ零点付近に調整する。試験中は零点設定装置を作動させず,有意な誤りが発生

した場合のリセットを除いて,再調整してはならない。

d) 

試験サイクル数  少なくとも 1 サイクル。

e) 

試験情報  EUT は,小さな静止試験荷重で試験されなければならない。試験の前には,EUT を一定の

環境条件下で安定させる。大気圧の変化も考慮に入れなければならない。小さな静止試験荷重又はシ

ミュレートされた荷重を使用して,次のデータを記録する。


46

B 7603

:2015

1)

日時

2)

温度

3)

相対湿度

4)

電源電圧

5)

試験荷重

6)

表示値(該当する場合)

7)

誤差

8)

機能性能

9)

気圧

f) 

最大許容変動  妨害が加わった場合と妨害なしの場合との差が積算目量(1

d

t

)を超えないか,又は

EUT が有意な誤りを検出し,対処しなければならない。

A.5.4.5 

電磁界に対するイミュニティ 

A.5.4.5.1 

放射電磁界に対するイミュニティ 

試験は,JIS C 61000-4-3 及び

表 A.14 に従って行う。

試験信号の非変調搬送波は,表示される試験値に調整される。試験を行うため,搬送波は更に規定のと

おり変調される。

表 A.14−放射電磁界に対するイミュニティ試験 

環境現象

試験条件

試験設定

周波数範囲

a)

MHz

磁界強度

V/m

放射電磁界に対する

イミュニティ

80∼2 000

10

JIS C 61000-4-3 

変調

80 % AM,1 kHz 正弦波

80 MHz 以 下 の 周 波 数 範 囲に は , 伝 導 無線 周 波 数 電 磁界 イ ミ ュ ニ ティ

A.5.4.5.2)試験が推奨されている。 

a)

  主電源ポート又は入出力の接続ポートがなく,A.5.4.5.2 によって試験が

行えない場合は,周波数範囲の下限は 26 MHz とする。

a) 

試験目的  規定する放射電磁界において,小さな静止試験荷重に対する表示が 7.1.2 に適合しているこ

とを検証する。

b) 

事前調整  該当なし。

c) EUT

の状態  EUT を電源に接続して,製造業者が規定した予熱時間以上の間,通電しておく。試験前

に,EUT をできるだけ零点付近に調整する。試験中は零点設定装置を作動させず,有意な誤りが発生

した場合のリセットを除いて,再調整してはならない。

d) 

試験サイクル数  少なくとも 1 サイクル。

e) 

試験情報  EUT は小さな静止試験荷重で試験されなければならない。試験の前には,EUT を一定の環

境条件下で安定させる。大気圧の変化も考慮に入れなければならない。小さな静止試験荷重又はシミ

ュレートされた荷重を使用して,次のデータを記録する。

1)

日時

2)

温度

3)

相対湿度


47

B 7603

:2015

4)

電源電圧

5)

試験荷重

6)

表示値(該当する場合)

7)

誤差

8)

機能性能

9)

気圧

f) 

最大許容変動  妨害が加わった場合と妨害なしの場合との差が積算目量(1

d

t

)を超えないか,又は

EUT が有意な誤りを検出し,対処しなければならない。

A.5.4.5.2 

伝導無線周波電磁界イミュニティ 

試験は,JIS C 61000-4-6 及び

表 A.15 に従って行う。

試験信号の非変調搬送波は,表示される試験値に調整される。試験を行うため,搬送波は更に規定のと

おり変調される。

表 A.15−伝導無線周波電磁界イミュニティ試験 

環境現象

試験条件

試験設定

周波数範囲

MHz

RF 振幅(50 Ω)

V (emf)

伝導無線周波数電磁界

イミュニティ

0.15∼80

10

JIS C 61000-4-6 

変調

80 %の振幅変調された 1 kHz の正弦波

EUT に主電源ポート又はその他入力ポートがない場合,この試験は適用しない。 
結合回路及び減結合回路は,EUT に接続した各種伝導ケーブルに妨害信号(全周波数範

囲にわたり,定義された EUT ポートにおけるコモンモードインピーダンスによって)を

適切に結合するために使用しなければならない。

a) 

試験目的  規定する伝導無線周波電磁界において,小さな静止試験荷重に対する表示が 7.1.2 に適合し

ていることを検証する。

b) 

事前調整  該当なし。

c) EUT

の状態  EUT を電源に接続して,製造業者が規定した予熱時間以上の間,通電しておく。試験前

に,EUT をできるだけ零点付近に調整する。試験中は零点設定装置を作動させず,有意な誤りが発生

した場合のリセットを除いて,再調整してはならない。

電磁界の影響をシミュレートする無線周波数電磁電流は,試験設定規格に規定されている結合/減

結合回路を用いて EUT の電源ポート及び I/O ポートに注入しなければならない。

d) 

試験サイクル数  少なくとも 1 サイクル。

e) 

試験情報  EUT は,小さな静止試験荷重で試験されなければならない。試験の前には,EUT を一定の

環境条件下で安定させる。大気圧の変化も考慮に入れなければならない。小さな静止試験荷重又はシ

ミュレートされた荷重を使用して,次のデータを記録する。

1)

日時

2)

温度

3)

相対湿度

4)

電源電圧

5)

試験荷重


48

B 7603

:2015

6)

表示値(該当する場合)

7)

誤差

8)

機能性能

9)

気圧

f) 

最大許容変動  妨害が加わった場合と妨害なしの場合との差が積算目量(1

d

t

)を超えないか,又は

EUT が有意な誤りを検出し,対処しなければならない。

A.5.4.6 

車両用電源駆動のはかりに対する特別 EMC 要件 

A.5.4.6.1 12 

V

及び 24 V の車両用電池の電源供給線への過渡電気伝導 

試験は,ISO 7637-2 及び

表 A.16 に従って行う。

表 A.1612 V 及び 24 V の車両用電池の電源供給線への過渡電気伝導試験 

環境現象

試験条件

試験設定

試験パルス

パルス電圧  U

s

U

nom

=12 V

U

nom

=24 V

12 V 及び 24 V の
車両用電池の電

源供給線への過

渡電気伝導

2a

+50 V

+50 V

ISO 7637-2 

 2b

a)

+10 V

+20 V

3a

−150 V

−200 V

3b

+100 V

+200 V

4

−7 V

−16 V

a)

  試験パルス 2b は,はかりが車のメインスイッチ(イグニッション)経由で電池に

接続される,すなわち,製造業者がはかりを電池に直接(又はメインスイッチに

よって)接続することを規定していない場合にだけ適用する。

a) 

適用規格  ISO 7637-2 の 5.6.2 の試験パルス 2a+2b,5.6.3 の試験パルス 3a+3b 及び 5.6.4 の試験パル

ス 4

b) 

試験目的  次の条件の下で,7.1.2 に適合していることを検証する。

−  試験中の機器と並列に接続している機器への電流を急に切断することによって,配線ハーネスのイ

ンダクタンスから発生する過渡現象(パルス 2a)

−  始動スイッチを切った後,発電機として働いている直流電動機からの過渡現象(パルス 2b)

−  スイッチの切替え過程の結果として発生する電源供給線上の過渡現象(パルス 3a 及び 3b)

−  内燃エンジンの始動電動回路への通電で生じる電圧降下(パルス 4)

c) 

事前調整  該当なし。

d) EUT

の状態  EUT を電源に接続して,製造業者が規定する予熱時間以上の間,通電しておく。試験前

に,EUT をできるだけ零点付近に調整する。試験中は零点設定装置を作動させず,有意な誤りが発生

した場合のリセットを除いて,再調整してはならない。

e) 

試験条件  試験の前には,EUT を一定の環境条件下で安定させる。試験は,EUT を表 A.16 に規定し

た強度及び特性の伝導妨害に

(電源電圧上に電源線に直接短時間結合することで)

さらすことで行う。

静止試験荷重又はシミュレートされた荷重を使用して,次のデータを記録する。

1)

日時

2)

温度

3)

相対湿度

4)

電源電圧


49

B 7603

:2015

5)

試験荷重

6)

表示値(該当する場合)

7)

誤差

8)

機能性能

規定の電圧に対して試験を繰り返して,その表示値を記録する。

f) 

最大許容変動  妨害が加わった場合と妨害なしの場合との差が積算目量(1

d

t

)を超えないか,又は

EUT が有意な誤りを検出し,対処しなければならない。

A.5.4.6.2 

電源供給線以外の供給線への容量結合及び誘導結合による過渡電気伝導 

試験は,ISO 7637-3 及び

表 A.17 に従って行う。

表 A.17−電源供給線以外の供給線への容量結合及び誘導結合による過渡電気伝導試験 

環境現象

試験条件

試験設定

試験パルス

パルス電圧 U

s

U

nom

=12 V

U

nom

=24 V

電源線路以外の線路を
経由した電気過渡伝導

a

−60 V

−80 V

ISO 7637-3 

b

+40 V

+80 V

a) 

適用規格  ISO 7637-3 の 4.5 の試験パルス a 及び b。

b) 

試験目的  スイッチング過程(パルス a 及び b)の結果として,電源線以外の供給線に発生する過渡

現象の状態において,7.1.2 に適合していることを検証する。

c) 

事前調整  該当なし。

d) EUT

の状態  EUT を電源に接続して,製造業者が規定した予熱時間以上の間,通電しておく。試験前

に,EUT をできるだけ零点付近に調整する。試験中は,零点設定装置を作動させず,有意な誤りが発

生した場合を除いて,再調整してはならない。

e) 

試験条件  試験の前には,EUT を一定の環境条件下で安定させる。試験は,表 A.16 に規定した強度

及び特性の伝導妨害(電源線以外の線路を経由した容量性及び誘導性結合による電圧スパイクのバー

スト)に EUT をさらすことで行う。次のデータを記録する。

1)

日時

2)

温度

3)

相対湿度

4)

試験荷重

5)

表示値(該当する場合)

6)

誤差

7)

機能性能

規定電圧に対して試験を繰り返して,その表示値を記録する。

f) 

最大許容変動  妨害が加わった場合と妨害なしの場合との差が積算目量(1

d

t

)を超えないか,又は

EUT が有意な誤りを検出し,対処しなければならない。

はかりは,どのタイプの車両においても 7.1.3 の規定に適合しなければならない。

A.6 

スパン安定性 

試験は,

表 A.18 に従う。


50

B 7603

:2015

表 A.18−スパン安定性試験 

試験

試験下の特性

適用条件

スパン安定性

安定

mpe

a)

の絶対値の 1/2

a)

  表 に規定する最大許容誤差

零点に対する最大許容誤差も考慮に入れなければならない。

a) 

試験目的  EUT が性能試験を受けた後,7.1.3 に適合していることを検証する。

b) 

試験手順概要  試験は,EUT の該当する性能試験を受ける前,試験中及び試験後に十分に安定した周

囲条件(通常の屋内環境における十分に一定な状態)で,EUT の誤差の変動を観測することからなる。

スパン安定性試験を実施する性能試験は,静的温度試験を含み,該当する場合は,高温高湿(定常)

試験を含まなければならない。この附属書に規定される他の性能試験を含んでもよい。

EUT は,主電源若しく電池又はその他の電源供給装置から試験期間に少なくとも 8 時間の切り離し

を 2 回行わなければならない。切り離し回数は,製造業者が指定している場合又は試験機関の判断で

増やしてもよい。

この試験の実施に当たっては,製造業者の操作指示書を配慮しなければならない。

EUT は,電源投入後少なくとも 5 時間,十分に一定な周囲状態で安定させなければならない。ただ

し,静的温度試験及び高温高湿試験(定常)の後は少なくとも 16 時間とする。

c) 

試験の厳しさ 

−  試験継続期間:28 日又は性能試験を行うのに必要な期間のいずれか短い方。

−  測定の間隔:0.5 日∼10 日。

d) 

試験荷重  ひょう量付近。試験期間中は,同じ試験荷重を使用しなければならない。

e) 

最大許容変動  表示誤差の変動は,

n

回測定の全てに使った試験荷重に対して

表 にある最大許容誤

差の絶対値の 1/2 を超えてはならない。

f) 

試験回数(n)  少なくとも 8 回。ただし,結果の差が規定の最大許容変動の 1/2 を超える傾向を示す

場合,その傾向が落ち着くか,逆になるまで,又はその誤差が最大許容変動を超えるまで,測定を継

続しなければならない。

g) 

事前調整  該当なし。

h) 

試験機器  静止試験荷重又はシミュレートした荷重。

i) EUT

の状態  EUT を電源に接続して,製造業者が規定した予熱時間以上の間,通電しておく。

j) 

試験シーケンス 

−  全ての要因を十分に一定な周囲状態で安定させる。

− EUT をできるだけ零点付近に調整する。

−  零トラッキング装置は作動させてはならない。

1) 

初回測定  次の方法によって,スパン誤差を決定する。

1.1) 

初期零点誤差 E

0

の決定  自動零点設定装置又は零トラッキング装置を作動させないために,必要

であれば,例えば,積算目量の 10 倍の小さな荷重をはかりに載せる。表示値

I

0

を記録する。適切

な高分解能の表示装置又は A.1.6.2 の方法を用いて,初期零点誤差

E

0

を決定する。

1.2) 

ひょう量付近の誤差 E

L

の決定  試験荷重又はシミュレートした荷重を載せて,表示値

I

L

を記録す

る。適切な高分解能の表示装置又は A.1.6.2 の方法を用いて,ひょう量付近の誤差

E

L

を決定する。

次のデータを記録する。


51

B 7603

:2015

−  日時

−  温度

−  気圧

−  相対湿度

− 0.1

d

t

の値

−  試験荷重

−  零点荷重の切替え点に用いた追加荷重

∆L

0

−  ひょう量付近の切替え点に用いた追加荷重

∆L

−  次の表示値

・  零点の表示値

I

0

・  ひょう量付近の表示値

I

L

−  次を計算する。

・  初期零点誤差

E

0

・  ひょう量付近の誤差

E

L

−  場所の変更

温度,圧力などの変動から生じる必要な補正を全て行う。

1.1)

及び 1.2)  の手順を更に 4 回繰り返し,5 回の測定における誤差の平均値を求めて記録す

る。

2) 

後続測定  測定間の時間要件を順守し,次のいずれかでない限りは,1 回だけ 1.1)  及び 1.2)  の手順

を繰り返す。

−  結果が最大許容変動の範囲外にある。

−  初回測定の 5 回の誤差の差が,積算目量の 1/10(0.1

d

t

)を超えている。

いずれかに該当する場合は,初回測定と同様 5 回の測定の平均誤差を求めて記録する。

少なくとも 8 回の測定を行う。ただし,結果間の差が,最大許容変動の 1/2 を超える傾向を示し

ている場合は,この傾向が落ち着くか,逆になるまで又は誤差が最大許容変動を超えるまで,測定

を継続しなければならない。

A.7 

現場試験のための手順 

現場試験のための手順を,A.7.1 以降に示す。また,使われている記号の意味は,次による。

A

net

自動運転における正味量

S

net

非自動(静的)運転における正味量

A

gross

投入計量における自動運転で投入された質量,又は排出計量における自動運転で
排出された質量

A

tare

投入計量における自動運転で投入前の風袋量,又は排出計量における自動運転で
排出前の風袋量

S

gross

非自動(静的)運転における総量

S

tare

非自動(静的)運転における風袋量

自動計量における誤差

E

inst

管理はかりの誤差

A.7.1 

一般 

型式検査において,この規格の要件,特に 5.2 に規定する最大許容誤差及び 9.1 の要件に従って試験を行


52

B 7603

:2015

わなければならない。

受渡検査において,はかりの通常動作に応じた試験を行わなければならない。この場合,5.2.1 の最大許

容誤差及び 9.2 の要件を適用する。

A.7.2 

管理はかり 

A.7.2.1 

一体形管理はかり(A.3.1.2 

はかりが一体形管理はかりとして使用できるかどうかを確定する。一体形管理はかりとして使用できる

場合,8.2.2 に適合しなければならず,A.3.1.2 に従った試験を行わなければならない。

A.7.2.1.1 

試験手順 

試験は,少なくとも 5 回の自動計量サイクルについて行わなければならず,必要な場合は,各試験手順

に対する自動計量サイクル数を,各サイクルの単一荷重で除した最小積算荷重の値を丸めた値としてもよ

い。それぞれのサイクルは,次のように実施する。

a)

荷重受け部を空にする前の自動計量サイクルの中断

1)

はかり及び全ての重要な補助装置を自動運転させる。荷重受け部が材料又は試験分銅で満たされ,

自動総量表示

A

gross

を記録した後,自動動作を中断させる。

2)

充塡された荷重受け部が非自動(静的)試験における安定状態と同程度安定したとき,静的総量

S

gross

を記録する。この管理はかりの静的表示を A.3.1.2.1 によって既に算出した管理はかりの(荷重の増

加方向における)誤差で補正しなければならない。

b)

荷重受けを空にした後の中断

1)

ステップ a) 2)  に続いて,はかり及び全ての重要な補助装置を始動して,充塡された荷重受け部を

排出し,自動風袋表示

A

tare

を記録した後に自動運転を中断する。

2)

空の荷重受け部が非自動(静的)試験における安定状態と同程度安定したとき,静的風袋量

S

tare

記録する。この管理はかりの表示を A.3.1.2.1 によって既に算出した管理はかりの(荷重の減少方向

における)誤差で補正しなければならない。

ステップ a)  及び b)  を規定の計量サイクル数及び要求された試験質量に対して繰り返さなければならな

い。

A.7.2.1.2 

正味量の決定及び自動計量における誤差の計算 

計算は,次による。

a)

自動運転に対して

(

)

=

=

n

i

i

i

A

A

A

1

tare

gross

net

b)

非自動(静的)運転に対して

(

) (

)

[

]

=

=

n

i

E

S

E

S

S

i

i

1

inst

tare

inst

gross

net

A

net

又は

S

net

における管理はかりの誤差を考慮に入れて,規定計量サイクル数にわたって累積した試験質

量に対応するはかりの誤差

E

は,次の式によって求める。

net

net

S

A

E

=

A.7.2.2 

気密統合はかり(A.3.1.2.7 

気密統合はかりは,計量結果に影響する可能性のある空気の乱れを生じさせる。そのようなはかりを正

常な使用状件において試験するため,少なくとも一つの荷重受け部の自動運転を止めなければならない。

すなわち,

自動運転を連続計量サイクル中の A.7.2.1.1 a)  又は b)  において中断してはならない。

この場合,


53

B 7603

:2015

試験荷重の値に応じた排出質量を正確に計算するため,A.7.2.1.2 a)  若しくは b)  に基づく連続自動計量の

結果又はそのはかりで登録した正味量を表示及び記録しなければならない。

排出計量の場合,試験は上述のように実施しなければならない。一方,表示は別符号,すなわち,荷重

の入った荷重受け部の表示は零であり,荷重受け部を排出した後の表示は正となる。

例  (空の荷重受け部の)再計量及び排出計量を使ってはかりを評価する。このとき,次の仮定をす

る(

表 A.19 参照)。

−  管理はかりの誤差が零である。

A

tare

は,自動運転における単一荷重の計量結果の表示値

S

tare

は,非自動(静的)運転における単一荷重の計量結果の表示値

表 A.19−動作例 

投入計量を行うはかり(kg)

排出計量を行うはかり(kg)

A

gross

400.0

A

tare

0

S

gross

400.05

S

tare

−0.05

A

tare

0.0

A

gross

400.0

S

tare

0.1

S

gross

400.1

A

net

400.0−0.0=400.0

A

net

400.0−0.0=400.0

S

net

400.05−0.1=399.95

S

net

400.1−(−0.05)=400.15

400.0−399.95=0.05

400.0−400.15=−0.15

A.7.2.3 

個別管理はかり(A.3.1.1 

管理はかりが検査を行うはかりから分離されている場合は,管理はかりは 8.2 に準拠し,次のように規

定されている計量サイクル数に対して A.3.1.1 の試験方法によって試験をしなければならない。

a) 

試験の開始  はかり及び全ての重要な附属装置を自動運転させる。荷重受け部に材料を充塡し,最低

5 回の計量サイクルに達した後,質量表示を記録する。

b) 

試験の終了  自動運転中のはかりが,個別管理はかりを使って試験質量の計量が可能であることを確

認して,要求されている試験荷重を得るまでに必要な回数の計量サイクルを実施する。

c) 

試験質量値の決定及び自動計量の誤差の計算  はかりの質量表示値は,次のいずれかである。

−  主積算表示装置における a)  の試験開始時の表示値と b)  の試験終了時の表示値との差である。

−  b)  を開始する前に零にリセットした部分積算表示装置の表示値。

試験荷重の取決めによる真値は,

個別管理はかりでの試験荷重を計量することで決定することができる。

自動計量の誤差は,はかりの質量表示値と個別管理はかりの質量表示値との差である。


54

B 7603

:2015

附属書 JA

(参考)

補足用語及び計量方式の種類

JA.1 

用語及び定義 

この規格で用いるその他の用語及び定義は,次による。

JA.1.1 

計量値 

1 回の計量によって求められた値。

JA.1.2 

所定量 

1 回に計量しようとする質量。

注記  所定量を事前に設定する装置を所定量設定装置という。

JA.1.3 

総量 

計量値を積算した総質量。

注記  総量を事前に設定する装置を総量設定装置という。

JA.1.4 

最小積算質量 

この規格の性能を満足して積算できる最小質量。

JA.1.5 

測定範囲 

この規格の性能を満足した動的状態で,1 回に計量できる質量の範囲。

JA.1.6 

最大能力 

1 回に計量する質量を最大値に設定して繰り返し計量したとき,単位時間当たりに計量・積算できる最

大質量で,次の式によって求めた値。

T

M

Q

/

600

3

max

×

=

ここに,

Q

最大能力(

t/h

又は

kg/h

M

max

最大設定値(

t

又は

kg

T

1

回の計量に要する時間平均(

s

JA.1.7 

計量装置 

計量される被計量物の質量に関する情報を伝達する装置。

JA.1.8 

制御装置 

ホッパースケールの運転を管理・制御する装置。


55

B 7603

:2015

JA.2 

種類 

JA.2.1 

供給量計量方式 

供給量方式による種類は,次による。

a) 

定量計量方式  所定量を設定することができ,それを繰り返し計量する方式。

b) 

累積計量方式  異なる被計量物をそれぞれ設定した所定量に対応して,順次

1

個の計量ホッパーに累

積して計量する方式。

JA.2.2 

通過量計量方式 

計量ホッパーから排出された質量を計量する方式の種類は,次による。

a) 

正味量演算計量方式  計量ホッパーに供給された質量及び排出後に計量ホッパーに残った質量を計量

して,その差を計量値とする方式。

b) 

排出計量方式  計量ホッパーに供給された質量を計量した後,設定した所定量を排出する方式。


56

B 7603

:2015

附属書 JB

(参考)

使用中における積算荷重の最大許容誤差

JB.1 

使用中における積算荷重の最大許容誤差 

使用中における積算荷重の最大許容誤差を,

表 JB.1 に示す。

表 JB.1−各精度等級に対する使用中における積算荷重量の最大許容誤差 

精度等級

使用中における積算荷重の最大許容誤差

0.2

±0.2 %

0.5

±0.5 %

1

±1.0 %

2

±2.0 %


57

B 7603

:2015

附属書 JC

(参考)

据付け条件

JC.1 

据付け 

ホッパースケールは,次の各項目に適合するよう据え付けることが望ましい。

a)

沈下又は変形せず,かつ,永続性がある強固な基礎又は構造物に設置する。

b)

風,雨その他の天候の影響を受けないように保護する。

c)

直射日光その他の熱源によって,性能に影響を及ぼす温度勾配が生じない場所に設置する。

d)

計量に影響を及ぼす振動がない場所に設置する。

e)

据付場所において保守及び検査ができるように設置する。

JC.2 

据付状態の変更及び補修 

ホッパースケールは,据付状態の変更又は主要部の補修を行った場合,改めてこの規格に適合すること

を確認することが望ましい。


58

B 7603

:2015

附属書 JD

(参考)

JIS

と対応国際規格との対比表

JIS B 7603:2015

  ホッパースケール

OIML R 107-1:2007

, Discontinuous totalizing automatic weighing instruments

(totalizing hopper weighers) Part 1: Metrological and technical requirements−Tests

 
(I)JIS の規定

(II)

国際
規格

番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条

ごとの評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的差異

の理由及び今後の対策

箇条番号 
及び題名

内容

箇条番号

内容

箇条ごと
の評価

技術的差異の内容

1  適用範囲


1.1

JIS

とほぼ同じ

変更

動きながら計量するはかりな

どには適用しない。

ホッパースケールの対象範囲を明確

化した。

2  引用規格

3  用語及び
定義

 T.1∼

T.6.4

JIS

とほぼ同じ

変更

法定計量に関連する用語を一

般用語に変更した。 
現在用いている用語を追加し

た。

国内では法定計量対象外であるため

用語を変更した。

4  量記号

T7

JIS

とほぼ同じ

削除

一般的な単位は削除した。

5  計量要件

5.1  精度等級 2.1

一致

5.2  最大許容誤差 2.2

JIS

とほぼ同じ

削除

最大許容誤差において使用中

誤差を削除した。

国内では法定計量対象外であり使用

中検査がないため削除した。

5.3  目量の形態 2.3

一致

5.4  積算目量(d

t

) 2.4

一致

5.5  最小積算荷重(Σ

min

の値

2.5

一致

5.6  複数の表示装置 2.6

一致

5.7  影響因子 2.7

一致

5.8  計量単位

2.8

一致

 
 

58

B 76

03

20
15


59

B 7603

:2015

(I)JIS の規定

(II)

国際

規格

番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策

箇条番号

及び題名

内容

箇条番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

6  技術要件

6.1  用途への適合性

3.1

一致

6.2  安全性

3.2

JIS

とほぼ同じ

変更

OIML R 76-1

要件を削除した

(管理はかりとしての使用)

6.3  構成部品,インタフ
ェース及びプリセット

制御の保護

3.3

JIS

とほぼ同じ

変更

法定計量に関連する用語を削
除又は一般用語に変更した。

国内では法定計量対象外であるため
用語を変更した。

6.4  計量結果 の表示及
び記録

3.4

一致

6.5  記録装置 及びデー
タ記憶装置

3.5

一致

6.6  ソフトウェア

3.6

JIS

とほぼ同じ

変更

法定計量に関連する用語を削

除又は一般用語に変更した。

国内では法定計量対象外であるため

用語を変更した。

6.7  管理表示 装置付き
はかり

3.7

一致

6.8  零点設定装置

3.8

JIS

とほぼ同じ

削除

法定計量に関連する事項を削
除した。

国内では法定計量対象外であるため
用語を削除した。

6.9  表記

3.9

JIS

とほぼ同じ

変更

法定計量に関連する表記事項

は削除した。

現在用いている表記事項を追
加した。

国内では法定計量対象外であるため

用語を変更した。

3.10

検定標識

削除

法定計量に関連する事項を削

除した。

国内では法定計量対象外であるため

記述を削除した。

7  電気式は
かりに対す
る追加要件

7.1  一般要件

4.1

一致

7.2  機能要件

4.2

JIS

とほぼ同じ

変更

法定計量に関連する事項を削

除した(4.2.6.1 はかりとともに
提出されるインタフェース情

報)

国内では法定計量対象外であるため

記述を削除した。

5

計量管理

削除

法定計量に関連する事項を削

除した。

国内では法定計量対象外であるため

記述を削除した。

5.1

型式承認

削除

法定計量に関連する事項を削
除した。

国内では法定計量対象外であるため
記述を削除した。

59

B 76

03

20
15


60

B 7603

:2015

(I)JIS の規定

(II)

国際

規格

番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策

箇条番号

及び題名

内容

箇条番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

5.2

初期検定

削除

法定計量に関連する事項を削

除した。

国内では法定計量対象外であるため

記述を削除した。

5.3

後続計量管理

削除

法定計量に関連する事項を削
除した。

国内では法定計量対象外であるため
記述を削除した。

8  試験方法

8.1  一般試験手順

6.1

一致

8.2  管理はか り及び試
験標準

6.2

変更

標準分銅の参照規格が OIML

となっていたが,国家標準にト

レーサビリティが確保できる
ものとの表記に変更した。

国内での運用との整合を取った。

8.3  自動運転の中断

6.3

一致

8.4  試験荷重 の取決め
による真の値

6.4

一致

8.5  質量表示

6.5

一致

8.6  自動計量の誤差

6.6

一致

8.7  試験

6.7

JIS

とほぼ同じ

削除

審査の記述を削除した。

国内では法定計量対象外であるため

記述を削除した。

9  検査

9.1  型式検査

変更

検査項目が多く分かりにくい
ため附属書との対比を含めた

一覧表を追加した。

内容を型式検査の要件に変更
した。

検査項目,検査要件を明確にした。

附属書 A

(規定)

A.1

型式承認のための審査

削除

法定計量に関連する事項を削

除した。

国内では法定計量対象外であるため

記述を削除した。

A.2

初期検定のための審査

削除

法定計量に関連する事項を削

除した。

国内では法定計量対象外であるため

記述を削除した。

A.1  一般試験要件

A.3

一致

A.2  検査工程

A.4

JIS

とほぼ同じ

変更

法定計量に関連する用語を一
般用語に変更した。

国内では法定計量対象外であるため
用語を変更した。

A.3  計量性能試験

A.5

JIS

とほぼ同じ

変更

法定計量に関連する用語を一

般用語に変更した。

国内では法定計量対象外であるため

用語を変更した。

60

B 76

03

20
15


61

B 7603

:2015

(I)JIS の規定

(II)

国際

規格

番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策

箇条番号

及び題名

内容

箇条番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

附属書 A

(規定) 
(続き)

A.4  追加機能性

A.6

JIS

とほぼ同じ

変更

法定計量に関連する事項を削

除した。

国内では法定計量対象外であるため

記述を削除した。

A.5  影響因子試験及び
妨害試験

A.7

JIS

とほぼ同じ

変更

法定計量に関連する事項を削
除した。

国内では法定計量対象外であるため
記述を削除した。

A.6  スパン安定性

A.8

一致

A.7  現場試験のための
手順

A.9

一致

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:OIML R 107-1:2007,MOD

注記 1  箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。

    −  一致……………… 技術的差異がない。

    −  削除……………… 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。

    −  変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。

注記 2  JIS と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。

    −  MOD……………  国際規格を修正している。

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