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日本工業規格

JIS

 B

7601

-1983

上皿天びん

Trip Balances

1.

適用範囲  この規格は,上皿天びん及びこれに附属して使用する分銅について規定する。

備考  この規格の上皿天びんとは,支点を中心にして力点と重点が等距離にあり,かつ,皿が力点及

び重点の上部にあって,指針と度表とにより釣合いを判定するはかりで,計量器検定検査令(昭

和 42 年政令第 152 号)で規定された質量計の種類では皿手動はかりに該当する。

2.

用語の意味  この規格で用いる主な用語の意味は,JIS Z 8103(計測用語)によるほか,次による。

(1)

ひょう量  計ることができる最大質量。

(2)

感量  度表の目幅の 2 分の 1 以上の変位を生じさせるに足りる質量。

(3)

度表  質量を表さない目盛を付けた板で,指針と組み合わせて釣合いを判定するもの。

(4)

使用範囲  感量の 20 倍からひょう量までの有効測定範囲。

(5)

力点  分銅による荷重の作用点。

(6)

重点  被計量物による荷重の作用点。

(7)

器差  支点に対する重点及び力点の距離が異なることにより生じる誤差。

(8)

偏置誤差  荷重を皿の中央から外れた位置に載せたときに生じる誤差。

引用規格:

JIS B 0205

  メートル並目ねじ

JIS G 3522

  ピアノ線

JIS G 4051

  機械構造用炭素鋼鋼材

JIS G 4303

  ステンレス鋼棒

JIS G 4307

  冷間圧延ステンレス鋼帯

JIS G 4401

  炭素工具鋼鋼材

JIS H 3100

  銅及び銅合金の板及び条

JIS H 3110

  りん青銅及び洋白の板及び条

JIS H 3250

  銅及び銅合金棒

JIS H 4000

  アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条

JIS Z 8103

  計測用語


2

B 7601-1983

3.

主要部の名称  上皿天びんの主要部の名称は,図 による。

図 1  主要部の名称

備考  図 は,単に名称を示すためのものであって,形状の基準を示すものではない。 

4.

種類  上皿天びんの種類は,ひょう量及び感量によって,表 のとおりとする。


3

B 7601-1983

表 1

感量

ひょう量

精密形

普通形

 50g

 50mg

  未満

50mg

100g 100mg

  未満 100mg

200g 200mg

  未満 200mg

500g 500mg

  未満 500mg

      1kg

    1g

    未満

1g

      2kg

    2g

    未満

2g

      5kg

    5g

    未満

5g

  10kg

 10g

    未満 10g

備考  精密形は感量がひょう量の 1 000 分の 1 未満のも

の,普通形は感量がひょう量の 1 000 分の 1 のもの

をいう。

5.

性能及び検査方法  上皿天びんの性能及び検査方法は,次による。

(1)

左右の皿に使用範囲内の同一の質量を加えた状態において,片方の皿に感量を加えたとき,指針の

先端が度表の目幅の 2 分の 1 以上変位しなければならない。

なお,検査は,空掛け及び左右の皿にひょう量を加えた状態で行う。

(2)

器差は測定量がひょう量の 4 分の 1 を超えるときは感量以下,ひょう量の 4 分の 1 以下のときは感

量の 2 分の 1 以下でなければならない。

なお,検査は,ひょう量及びひょう量の約 4 分の 1 の質量について,左右の皿の中央に同一質量

の分銅を載せたときの静止点と空掛けのときの静止点との差を測定して行う。検査に用いる分銅は,

質量の許容差が検査しようとする上皿天びんの器差の許容値の 5 分の 1 以下のものとする。

(3)

偏置誤差は,感量を超えてはならない。

なお,検査は,ひょう量の約 4 分の 1 の質量の分銅を左右の皿の中央に載せたときの静止点と

2

のように載せたときの静止点との差を測定して行う。

図 2  偏置誤差の測定


4

B 7601-1983

(4)

測定の前と後とにおいて,空掛けにおける静止点の差が感量の 2 分の 1 を超えてはならない。

6.

構造及び寸法  上皿天びんの構造及び寸法は,次による。

(1)

皿の転覆防止機構として,さお及び副さおを備えていなければならない。

(2)

皿受けは,力点又は重点のそれぞれの 2 箇所で支えられていなければならない。

(3)

力点と重点は,支点を中心にして等距離になければならない。

(4)

指針は,度表の中央線を中心にして振れなければならない。

(5)

指針の先端は,度表の目盛範囲以上動かなければならない。

(6)

指針の指示部分の太さは,目幅の 5 分の 1 以下でなければならない。

(7)

指針と度表との間隔は,ひょう量が 1kg 以下のものは 1mm 以下,ひょう量が 1kg を超えるものは

2mm

以下でなければならない。

(8)

皿の寸法は,

表 による。

表 2  皿の寸法

単位 mm

寸法

ひょう量

D

d

 50g

 70

± 1

10

±2

100g

70

± 1

10

±2

200g

80

± 1

12

±2

500g 105

± 1

16

±2

   1kg

125

± 2

18

±2

   2kg

155

± 5

20

±2

   5kg

190

±10 25±5

  10kg

240

±15 25±5

(9)

左右の皿の質量の差は,感量を超えてはならない。

(10)

調子ねじは,

表 による。

表 3  調子ねじ

ひょう量

調子ねじ(

1

)

 50g

 M2.3

100g

M2.3

200g

M2.3

500g M3

  1kg

M3

  2kg

M4

  5kg

M5

 10kg

M8

(

1

)  JIS B 0205

(メートル並目ねじ)によ

る。


5

B 7601-1983

(11)

調子玉は,作動中に容易に遊動するものであってはならない。

(12)

度表の目盛線の数は,中央線の左右各 3 本以上とする。

(13)

度表の目幅は,1mm 以上とし,各目幅の差は,最小目幅の 10 分の 1 以下でなければならない。

(14)

度表の目盛線の太さは,0.1mm 以上で,かつ,目幅の 6 分の 1 以下でなければならない。

7.

材料及び硬さ  上皿天びんの主要部の材料及び硬さは,表 に示すもの又はこれと同等以上のものと

する。

表 4  主要部の材料及び硬さ

主要部

材料

硬さ

JIS G 4401

(炭素工具鋼鋼材)の SK3 HV633 又は HRC57 以上

刃受

JIS G 4401

の SK4 HV633 又は HRC57 以上

刃ぶた

JIS G 4051

(機械構造用炭素鋼鋼材)の S45C HV633 又は HRC57 以上

副さおピン

JIS G 3522

(ピアノ線)の SWP-A

8.

分銅

8.1

種類  上皿天びんに用いる分銅の種類は,形状により J 形及び O 形の 2 種類とする。

8.2

表示質量  分銅の表示質量は,表 による。

表 5  分銅の表示質量

50mg, 100mg, 200mg, 500mg,

1g, 2g, 5g, 10g, 20g, 50g,

100g, 200g, 500g, 1kg, 2kg, 5kg

備考  1g 未満の分銅は,特に指定があ

る場合,g による数値で表示して
もよい。

8.3

質量の許容差  分銅の質量の許容差は,表 による。

なお,分銅の質量の検査は,天びん(

2

)

及び分銅(

3

)

を用い,置換法によって行う。

(

2

)

感量が,測定しようとする分銅の質量の許容差(

6)に相当する質量以下のものであること。

(

3

)

質量の許容差が,測定しようとする分銅の質量の許容差(

表 6)の 5 分の 1 以内のものである

こと。

表 6  分銅の質量の許容差

表示質量

許容差

表示質量

許容差

 50mg

±0.7mg

20g

± 20mg

100mg

±1.0mg

50g

± 30mg

200mg

±1.5mg 100g ± 30mg

500mg

± 3 mg

200g

± 50mg

1g

± 5 mg

500g

±100mg

2g

±  5 mg

      1kg

±200mg

5g

±10 mg

   2kg

±400mg

10g

±20 mg

   5kg

±800mg

8.4

形状,寸法及び構造  分銅の形状,寸法及び構造は,次のとおりとする。

(1)

分銅の形状及び寸法は,種類により

図 又は図 及び表 又は表 のとおりとする。ただし,1g 未満

の分銅については寸法を規定しない。


6

B 7601-1983

図 3  形分銅の形状

備考 1g 未満は,つまみやすいように一辺を適当に折り曲げる。


7

B 7601-1983

表 7  形分銅の寸法

C 3602 B

の場合

単位 mm

表示質量

A

B

C

D

E

F

G

寸法許容差

  1g

 9.5

 1.3

 3.5

 4.8

 3.5

 2.5

 1.5

±0.2

  2g

 9.8

 2.7

 4.0

 6.7

 4.0

 2.5

 1.5

±0.2

  5g

12.7

 3.9

 5.0

 8.9

 5.5

 3.5

 1.5

±0.2

 10g

12.8

 8.5

 5.0

13.5

 5.5

 3.5

 1.5

±0.2

20g  14.9 12.7

6.5 19.2

6.5

4.0

2.5

±0.3

50g  19.8 18.3

8.0 26.3

8.0

5.0

2.5

±0.3

100g  24.8 22.3 12.0 34.3 11.0

8.5

3.0

±0.3

200g  31.8 27.5 14.0 41.5 14.0 10.0

4.0

±0.3

500g  41.5 40.5 20.0 60.5 17.0 14.0

5.0

±0.5

1kg  51.5 54.9 23.0 77.0 20.0 16.0

6.0

±0.5

2kg  64.5 63.3 29.0 97.5 27.0 22.0

8.0

±0.5

5kg  91.0 91.0 50.0 141.0 33.0 25.0 15.0

±1.0

SUS 304

の場合

単位 mm

表示質量

A

B

C

D

E

F

G

寸法許容差

  1g

 9.8

 1.2

 3.8

  5.0

 4.0

 3.5

1.0

±0.2

  2g

 9.8

 2.9

 3.9

  6.8

 4.0

 3.5

1.0

±0.2

  5g

12.7

 4.3

 4.7

  9.0

 5.5

 4.5

1.5

±0.2

 10g

12.8

 9.2

 4.8

 14.0

 5.5

 4.5

1.5

±0.2

 20g

14.8

13.7

 6.3

 20.0

 6.5

 5.0

1.5

±0.5

 50g

19.8

19.6

 7.7

 27.3

 8.0

 7.0

2.0

±0.5

100g  24.8 24.0 11.4

35.4 12.0 10.0  2.5

±0.5

200g  31.8 30.0 13.0

43.0 14.0 11.0  3.0

±1.0

500g  42.0 43.0 19.0

62.0 18.0 15.0  5.0

±2.0

1kg  52.0 57.0 23.0

80.0 21.0 17.0

8.0

±2.0

2kg  65.0 71.0 29.0 100.0 28.0 23.5

9.0

±2.0

5kg  91.0 92.0 50.0 142.0 33.0 25.0 15.0

±2.0


8

B 7601-1983

図 4  形分銅の形状

表 8  形分銅の寸法

単位 mm

表示質量

A

B

C

D

E

F

G

寸法許容差

  1g

 6

   5.5

 3

 1

   0.9

  0.5

±0.2

  2g

 6

   5.5

 3

 1

   0.9

  0.5

±0.2

    5g

  8

  7

    4.5

    1.4

        1.25

    0.5

±0.2

 10g

10

 9

 6

  1.6

   1.5

  0.5

±0.2

 20g

13

  11.5

  7.5

 2

   1.8

  0.5

±0.5

 50g

18

16

10

 3

   2.5

1

±0.5

100g

22

20

13

 4

   3.5

1

±1.0

200g

28

25

16

  4.5

 4

  1.5

±2.0

500g

38

34

22

 6

   5.5

  1.5

±2.0

  1kg

48

43

27

 8

 7

2

±2.0

  2kg

60

54

36

10

 9

2

±2.0

  5kg

80

72

46

材 料 に
よる

13 12 2

±2.0

(2)

分銅には,調整孔を設けることができる。

(3)

分銅の質量は,材料の密度が 8g/cm

3

(アルミニウム及びアルミニウム合金の場合は 2.7g/cm

3

)である

ものとして調整すること。

8.5

材料  分銅に用いる材料は,表 に示すもの,又は硬さ及び耐食性がこれらと同等以上のものとす

る。

表 9  分銅に用いる材料

表示質量

材料

1g

未満

JIS H 3110

(りん青銅及び洋白の板及び条)の  C7351P

JIS H 3100

(銅及び銅合金の板及び条)の  C2801P

JIS G 4307

(冷間圧延ステンレス鋼帯)の  SUS430

JIS H 4000

(アルミニウム及びアルミニウム合金の板及

び条)の  A5052P

1g

以上

JIS H 3250

(銅及び銅合金棒)の  C3602B

JIS G 4303

(ステンレス鋼棒)の  SUS304


9

B 7601-1983

9.

検査  検査は,上皿天びんの性能,構造及び寸法,材料及び硬さ並びに分銅の質量の許容差,形状,

寸法及び構造,材料について行い,5.7.及び 8.38.5 の規定に適合しなければならない。

10.

表示

10.1

上皿天びん  上皿天びんには,次の事項を表示する。

なお,基台とさおには合番号を付ける。

(1)

ひょう量又は使用範囲

(2)

感量

(3)

製造業者名又はその略号

(4)

製造番号

10.2

分銅  分銅には,表示質量を頭部又は本体の上面に刻印により表示する。ただし,O 形分銅の 1g 未

満は,質量の表示を必要としない。


10

B 7601-1983

精密機械部会  上皿天びん専門委員会  構成表

氏  名

所  属

(委員会長)

大  山      勲

東洋大学工学部

内  川  恵三郎

工業技術院計量研究所

永  瀬  好  治

社団法人日本計量士会

森  本      修

通商産業省機械情報産業局

小  柳  武  昭

工業技術院標準部

芹  澤  清  介

国家公務員共済組合連合会三宿病院

永  井      曻

東京厚生年金病院

榎  本  貞一郎

社団法人東京医薬品工業協会

乾      忠  義

第一製薬株式会社中央研究所

青  嶋      博

山之内製薬株式会社

道  浦  末  春

大阪医薬品協会

森      酉三郎

株式会社森貞

中  村  久  良

中村理科工業株式会祉

内  田  富  勅

株式会社丸茂衡機製作所

村  上  和  雄

株式会祉村上衡器製作所

渡  辺  芳  郎

株式会社飯島製衡所

玉  木  忠  彦

大和製衡株式会社

吉  木  聿  二

株式会社石田衡器製作所

白  井  三  郎

白井精工株式会祉

長      利  雄

株式会社長計量器製作所

松  村  正  勝

社団法人日本計量機器工業連合会

(事  務  局)

横  溝  眞一郎

工業技術院標準部機械規格課

岡  島  弘  二

工業技術院標準部機械規格課