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B 7557:2019  

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目 次 

ページ 

序文  1 

1 適用範囲 1 

2 引用規格 1 

3 用語及び定義  1 

4 計量要件 5 

4.1 最大許容器差及び最大許容器差に影響を与える因子に関する要件  5 

4.2 流量計及び付加装置の要件  5 

4.3 電子装置付き流量計  6 

5 技術的要件  7 

5.1 流量計の材料及び構造  7 

5.2 エンクロジャー[きょう(筐)体] 7 

5.3 調整及び補正  7 

5.4 設置条件  7 

5.5 定格動作条件  7 

5.6 表示機構  7 

5.7 封印できる保護装置  8 

6 試験方法 8 

6.1 一般  8 

6.2 基準条件  8 

6.3 試験項目  9 

6.4 固有器差試験  9 

7 表示 12 

附属書A(参考)電子装置付き流量計の性能試験  13 

附属書B(参考)実流試験困難な排水流量計の試験について  23 

附属書C(参考)パーマ・ボーラスフリューム式流量計  25 

附属書D(参考)面速式流量計  31 

附属書E(参考)潜水式電磁流量計  33 

附属書F(参考)非満水電磁流量計  36 

附属書G(参考)排水流量計設置後の計測精度確認方法について  38 

附属書H(参考)封印の範囲  44 

 

 


 

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まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づき,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本

工業規格である。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

 

 


 

  

日本工業規格          JIS 

 

B 7557:2019 

 

排水流量計−取引又は証明用 

Flowmeter for discharged water- 

Measuring instruments used in transaction or certification 

 

序文 

この規格は,排水流量計が計量法の特定計量器として要求される要件のうち,性能に係る技術上の基準

及び試験の方法を規定するために作成した日本工業規格である。ただし,この規格に適合することをもっ

て計量法で定める検定に合格したことにはならない。 

 

適用範囲 

この規格は,我が国で取引又は証明に使用する,排水の実体積流量を計量する排水流量計(以下,流量

計という。)について規定する。 

この規格では,管路又は水路の形状は,暗きょ(渠)(満水・非満水を問わない。)及び開きょ(渠)を

対象とする。 

排水流量計には,満水状態の流れを測定する満管用流量計及び非満水状態の流れを測定する開水路流量

計がある。代表的な開水路流量計の特徴について,パーマ・ボーラスフリューム(以下,P.B.フリューム

という。)式流量計を附属書C,面速式流量計を附属書D,潜水式電磁流量計を附属書E,及び非満水電磁

流量計を附属書Fにそれぞれ示す。また,パーシャルフリューム式流量計については,JIS B 7553,及び

せき式流量計については,JIS B 8302による。 

なお,液体で満たされた閉管路に設置される流量計の試験方法については,JIS B 7552による。 

 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS B 7552 液体用流量計の校正方法及び試験方法 

JIS B 7553 パーシャルフリューム式流量計 

JIS B 8302 ポンプ吐出し量測定方法 

JIS C 0920 電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード) 

JIS Z 8103 計測用語 

 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Z 8103によるほか,次による。 

3.1 

流量計(flowmeter) 


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発信部を通過する計量状態での水の体積を連続的に計量し,記憶し,及び表示するための計量器。 

注記 流量計は,少なくとも発信部,演算部及び表示機構を含む。 

3.2 

発信部(measurement transducer) 

水の流量,体積,流速又は水深を演算部に送るための信号に変換する,流量計の一部分。それは,機械

式,電気式又は電子式のものがある。自励式でも,外部供給電源利用でもよい。発信部は,検出部(流量

センサ,流速センサ又は水位センサ)を含む。 

3.3 

検出部(流量センサ,流速センサ又は水位センサ)(flow sensor,velocity sensor or level sensor) 

通過する水の流量,流速又は水深を検出する流量計の部品。 

3.4 

演算部(calculator) 

検出部の出力信号を受信し,それらを変換する流量計の一部分。必要に応じて結果を使用するまで記憶

保存する機能をもつ。 

3.5 

表示機構(indicating device) 

計量結果を連続的に又は要求時に表示する,流量計の一部分。計量の終了時にだけ表示する印字装置は,

表示機構に含まない。 

3.6 

調整装置(adjustment device) 

計量値によらず一律の定数を加算することによって,器差に適正な補正を加える機能をもち,流量計内

に組み込む装置。これによって,器差を最大許容器差の範囲内に収めることが可能になる。ソフトウェア

による場合もある。 

3.7 

補正装置(correction device) 

流量及び/又は水の特性(温度,圧力など),並びに事前に決定された校正曲線を考慮して,計量条件で

の体積を自動的に補正するために,内蔵する装置。水の特性は,流量計に記憶保存していてもよい。ソフ

トウェアによる場合もある。 

3.8 

付加装置(ancillary device) 

計量結果の作成,伝送及び表示に直接関連する,特定の機能を実行するための装置。 

例 定量装置,記憶装置,印字装置 

3.9 

真実の値,Va(actual volume) 

通過時間に関係なく流量計を通過した水の全体積。 

3.10 

計量値,Vi(indicated volume) 

流量計を通過した水の体積に対応する,流量計が表示した水の体積。 

3.11 

器差,E(relative error of indication) 


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計量値から真実の値を減じた値の真実の値に対する割合。 

3.12 

最大許容器差(maximum permissible error) 

この規格で許容する器差の限界の値。 

3.13 

固有器差(intrinsic error) 

基準条件下で決定された,流量計の器差。 

3.14 

耐久性(durability) 

使用期間にわたってその性能特性を維持できる,流量計の能力。 

3.15 

表示機構の最小目盛(first element of the indicating device) 

数個の目盛からなる表示機構のうち,検査目量が付されている目盛。特別な操作(キー操作,ソフトウ

ェアなど)による最小目盛の表示も含む。 

3.16 

目量(scale interval) 

隣接する目盛標識のそれぞれが表す物象の状態の量の差。 

3.17 

検査目量(verification scale interval) 

表示機構の最小目盛の目量。 

3.18 

流量,Q(flowrate) 

流量計を通過した水の体積を,この体積が流量計を通過するのに要した時間で除した量。 

3.19 

定格最大流量,Q3(maximum flowrate) 

流量計が,定格動作条件下で,最大許容器差内で作動することができる最大の流量。 

3.20 

定格最小流量,Q1(minimum flowrate) 

流量計が,定格動作条件下で,最大許容器差内で作動することができる最小の流量。 

3.21 

転移流量,Q2(transient flowrate) 

定格最大流量Q3と定格最小流量Q1との間にあって,流量範囲の領域が許容最大器差によって特性付け

られている“大流量域”と“小流量域”との二つの領域に区分する境界の流量。 

3.22 

使用温度(working temperature) 

流量計の入口で測定した水路内の水温。 

3.23 

最高許容使用温度,MAT(maximum admissible working temperature) 

定格動作条件下で,流量計が,その計量性能を低下させることなく恒常的に耐えられる最高の水温。 


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3.24 

最低許容使用温度,mAT(minimum admissible working temperature) 

定格動作条件下で,流量計が,その計量性能を低下させることなく恒常的に耐えられる最低の水温。 

3.25 

影響量(influence quantity) 

測定の対象ではないが,計量結果に影響を与える量。 

3.26 

影響因子(influence factor) 

この規格に規定する,流量計の定格動作条件内の値をもつ影響量。 

3.27 

妨害(disturbance) 

この規格に規定する,流量計の定格動作条件の範囲外の値をもつ影響量。 

注記 定格動作条件を規定していない影響量の場合は,その影響量は妨害である。 

3.28 

定格動作条件(rated operating conditions) 

流量計の器差が最大許容器差以内であることができる,影響因子の値の範囲を指定した条件。 

3.29 

基準条件(reference conditions) 

流量計の性能試験のため,又は測定結果の相互比較のために規定した,一連の影響量の基準値又は基準

範囲。 

3.30 

電子装置(electronic device) 

電子部品を使用し,特定の機能を果たす装置。通常別々のユニットとして製造され,独立に試験するこ

とができる。 

3.31 

電子部品(electronic sub-assembly) 

電子装置の一部であって,電子素子を用いており,それ自体が認識できる一定の機能を果たす部品。 

3.32 

電子素子(electronic component) 

半導体,気体又は真空中で,電子又はホール伝導の最小の素子。 

3.33 

試験流量(test flowrate) 

標準器の表示から算出した,試験中の平均流量。流量計を通過した水の体積の真実の値を,この体積が

流量計を通過するのに要した時間で除した量。 

3.34 

呼び径,D(nominal diameter) 

管工事部品の口径寸法の呼び。 

3.35 

水路 

測定部に与える乱流等の流れの影響を最小限にするよう設けられた部分。管路を含む。水路又は管路の


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長さは水路幅(W)又は呼び径(D)を一単位として表す。 

 

計量要件 

4.1 

最大許容器差及び最大許容器差に影響を与える因子に関する要件 

4.1.1 

最大許容器差(MPE) 

精度等級3及び精度等級5を設け,それぞれの定格最大許容器差を次のとおりとする。 

等級3 

大流量域(Q2≦Q≦Q3):±3 % 

小流量域(Q1≦Q<Q2):±6 % 

等級5 

大流量域(Q2≦Q≦Q3):±5 % 

小流量域(Q1≦Q<Q2):±10 % 

ただし,せき式流量計及びパーシャルフリューム式流量計は,それぞれJIS B 8302及びJIS B 7553によ

る。 

精度等級は,機種及び設置条件によって指定することができる。 

基準条件の流量が試験設備の能力を超える場合は,試験流量を検査成績書に明記する。 

4.1.2 

器差(E) 

器差は,パーセントで表し,次の式によって求める。 

100

a

a

i

V

V

V

E

 

ここに, 

Vi: 計量値 

 

Va: 真実の値 

4.1.3 

計量特性に影響を与える因子に関する要件 

計量特性に影響を与える因子は,その影響度を明らかにしなければならない。 

4.2 

流量計及び付加装置の要件 

4.2.1 

調整装置 

調整装置を流量計の外部で接続するときは,封印できなければならない。 

流量計は,機械式調整装置の代わりに電子式調整装置を備えてもよい。 

4.2.2 

補正装置 

流量計は,補正装置を備えなければならない。この装置は,流量計の必須部分とみなす。そのため,流

量計に適用する全ての要件,特に最大許容器差は,計量条件での補正後の体積に適用する。 

通常動作においては,未補正体積を表示してはならない。 

補正装置の目的は,器差をできる限りゼロに近づけることにある。補正装置は,流量計の器差をゼロ以

外の値に調整するために使用してはならない。また,封印できなければならない。 

補正装置付きの流量計は,附属書Aの性能試験を満たすことが望ましい。 

補正に当たり,測定はしないが補正に必要な全ての関連データは,計量動作の開始前に入力していなけ

ればならない。 

補正装置は,使用時間,計量体積などに関して,あらかじめ予測している補正を行ってはならない。 

附属計器がある場合,その精度は,4.1に規定する要件を満たすのに十分なものでなければならない。 


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4.2.3 

演算部 

計算表,補正計算式など,計量に必要な全ての関連データは,計量動作の開始前に入力していなければ

ならない。 

演算部は,周辺機器と接続可能となっていてもよい。演算部が外部と接続する場合には,流量計の機械

作動部及び制御・演算部は,共に正確な作動を継続するとともに,計量機能に影響があってはならない。 

4.2.4 

表示機構 

計量中であっても,常時表示していなくてもよい。ただし,必要時に10秒以上積算体積を表示できなけ

ればならない。 

表示機構が付加的な情報を含んでいる場合,その情報は,積算体積の表示と明確に区別して表示しなけ

ればならない。 

4.2.5 

付加装置 

流量計に付加装置が付いている場合は,付加装置を付加することによって,流量計の計量特性が変化す

ることがあってはならない。 

4.3 

電子装置付き流量計 

4.3.1 

一般要件 

電子装置付き流量計は,通常とは異なる環境,条件下で,瞬間的な異常とは異なる異常が生じないよう

にしなければならない。 

4.3.2 

供給電源 

電子装置付き流量計用の供給電源は,次の2種類とする。 

− 外部供給電源 

− 交換可能な電池電源 

これらの2種類の電源は,単独でも組合せでも使用できる。各種類の電源への要件を次に規定する。 

4.3.2.1 

外部供給電源 

外部供給電源は,次による。 

a) 電子装置付き流量計は,外部供給電源(交流又は直流)が停電しても,停電直前の流量計の積算体積,

又は10分ごとに時刻と記録単位時間当たりの積算体積とを記憶し,少なくとも1年はそれを読み出せ

るように設計しなければならない。 

b) 流量計の他のいかなる特性及び関連データも,電源の中断の影響を受けてはならない。 

なお,この要件への適合は,必ずしも,流量計が,停電中に計量した体積を表示し続けることを保

証することにはならない。 

外部供給電源が停電したときは,電源復帰後,流量計が停電前の性能を保証するため,少なくとも

総計で1か月以上,内蔵電池又はその他の手段によって設定値の保持及び特性維持をしなければなら

ない。 

c) 電源は,容易に触れることができないように安全を確保しなければならない。 

4.3.2.2 

交換可能な電池電源 

交換可能な電池電源は,次による。 

a) 電池交換についての明確なルールを確立しなければならない。 

b) 次回の電池交換時期を流量計に表示しなければならない。 

c) 電池交換時の電源供給中断後においても,流量計の他のいかなる特性及び関連データに影響があって

はならない。 


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この要件は,必ずしも,流量計が電池交換中に計量した水の体積を記録し続けることを保証するこ

とにはならない。これはA.12に従って試験することが望ましい。 

d) 電池交換の作業は,封印を破棄しない方法で実施してもよい。 

e) 封印を破棄せずに電池を取り外すことができる場合は,電池収納部は,容易に触れることができない

安全装置で保護しなければならない。 

 

技術的要件 

5.1 

流量計の材料及び構造 

流量計の材料及び構造は,次による。 

a) 流量計は,その使用目的に適した強度及び耐久性をもつ材料で製作しなければならない。 

b) 流量計は,最高許容使用温度〜最低許容使用温度の範囲での水温の変動によって,不利な影響を受け

ないような材料で製作しなければならない。 

c) 流量計は,流量計を通過する水に接する全ての材料が,無害で汚染を生じず,かつ,生物学的に不活

性である材料で製作しなければならない。 

d) 流量計は,内部及び外部からの腐食に耐える材料又は適切な表面処理で保護された材料で製作しなけ

ればならない。 

5.2 

エンクロジャー[きょう(筐)体] 

全ての電子装置及び機械的装置並びに接続は,JIS C 0920に基づき粉じん(塵)及び水の侵入に対して

保護されなければならない。 

5.3 

調整及び補正 

流量計には,調整装置及び/又は補正装置を備えることができる。 

これらの機器を流量計の外部で接続するときは,封印できなければならない(5.7を参照)。 

5.4 

設置条件 

流量計は,製造事業者が示す設置条件に従って設置しなければならない。製造事業者は,流量計の性能

を発揮させるための環境条件,水路条件などを取扱説明書の中に明示しなければならない。 

5.5 

定格動作条件 

− 流量範囲は,Q1〜Q3とする。 

− 流量計の使用周囲温度範囲は,−5 ℃以上55 ℃以下とする。 

− 流量計の使用周囲湿度範囲は,5 %以上95 %以下とする。 

− 流量計の流体温度範囲は,0.1 ℃以上45 ℃以下とする。 

5.6 

表示機構 

5.6.1 

一般要件 

− 表示機構は,読みやすく,確実かつ明白に計量値を目視できるものでなければならない。 

− 表示機構は,試験及び検査のために目視できる手段を備えていなければならない。 

− 表示機構は,例えば,自動検査・校正のためのような,目視以外の他の試験検査用付加素子を備えて

いてもよい。 

5.6.2 

計量単位,単位記号及びその位置 

水の体積は,立方メートル(m3)で表す。ただし,m3の分量(1 m3未満の量)は,リットル(L)を用

いてもよい。 

これらは,目盛板上又は数表示の直近の位置に表記しなければならない。 


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5.7 

封印できる保護装置 

封印した後は,その封印に明らかな損傷を与えることなしには,器差を調整したり,又は計量値を変更

したりすることができないように,封印できる保護装置を備えていなければならない。 

5.7.1 

機械的保護装置 

流量計は,その装置を損傷することなしには,調整装置を外したり修正したりすることができないよう

に,封印できる保護装置を備えていなければならない。 

計量結果の決定に影響する関連データへの読み書きが可能な流量計は,機械式の封印装置で保護しなけ

ればならない。 

5.7.2 

電子封印装置 

5.7.2.1 

アクセス 

計量結果の決定に影響する関連データへの読み書きが,機械式の封印装置では保護されない場合,その

保護は,次の規定を満足しなければならない。 

a) データの読み書きは,コード(例えば,キーワード)又は特殊装置(例えば,ハードキー)の手段に

よって,特定された人々だけが許される。コードは,変更可能でなければならない。 

b) 流量計には,使用者が日常の管理業務で使用する部分があるため,その部分は範囲を明確にし,封印

から除外しなければならない。 

5.7.2.2 

互換性のある部品 

使用者が流量計から外すことができ,かつ,互換性のある流量計に使用される部品に交換する場合は,

次の規定を満足しなければならない。 

a) 5.7.2.1を満足しない限り,外した箇所から計量結果の決定に関与する関連データの修正が可能であっ

てはならない。 

b) 精度に影響する可能性のあるいかなる装置の装着も,電子的情報処理防護手段によって防止しなけれ

ばならない。それが不可能な場合は,機械的手段によって防止しなければならない。 

5.7.2.3 

互換性のない部品 

使用者が流量計から外すことができ,かつ,互換性のない部品に交換する場合は,5.7.2.2のa) 及びb) を

適用する。 

さらに,その流量計は,それらの部品が,製造業者の指定する構成に従って接続していない場合は,作

動不能になるような装置を設けていなければならない。 

使用者に許容していない分離は,例えば,分離・再接続後のいかなる計量をも防止する手段などで防止

してもよい。 

5.7.3 

封印の範囲 

封印は,設定・精度に関する部分とし,使用者の維持管理が必要な部分とは明確に分ける。 

封印の範囲の例を,附属書Hに示す。 

 

試験方法 

6.1 

一般 

流量計の試験方法は,次による。ただし,パーシャルフリューム式流量計及びせき式流量計については,

それぞれJIS B 7553及びJIS B 8302による。 

6.2 

基準条件 

流量計を試験する場合,試験対象とする項目以外の各項目について,試験期間中,次の値を保たなけれ


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ばならない。また,これらの条件は,適切に記録しなければならない。 

a) 流量:0.7×(Q2+Q3)±0.03×(Q2+Q3) 

Q2及びQ3は,流量計精度保証範囲の転移流量及び定格最大流量 

b) 水温:5 ℃〜35 ℃ 

c) 周囲温度範囲:10 ℃〜35 ℃ 

d) 周囲相対湿度範囲:25 %RH〜75 %RH 

e) 周囲大気圧範囲:86 kPa〜106 kPa 

f) 

電源電圧(交流主電源):公称電圧(Unom)±5 % 

g) 電源周波数:公称周波数(fnom)±2 % 

h) 電源電圧(直流電源):下限電圧(Umin)≦U≦上限電圧(Umax)内の電圧(U) 

各試験中の温度及び相対湿度は,いずれも基準条件内で,かつ,それぞれ5 ℃及び10 %を超える変動

があってはならない。上記の範囲を超えるときは,器差への影響を考慮する。 

6.3 

試験項目 

流量計の試験項目は,次による。 

a) 流量計に適用する試験項目は,固有器差試験である。固有器差試験の試験方法を6.4に示す。 

b) 電子装置付き流量計には,a)に加えて追加の性能試験を適用することが望ましい。それらの試験項目

については附属書Aに示す。 

6.4 

固有器差試験 

6.4.1 

試験の目的 

流量計の器差が,基準条件下において,最大許容器差内であることを検証する。 

6.4.2 

試験装置の構成 

固有器差試験は,比較法によって測定する。この規格に規定する試験の合格基準に達している限り,JIS 

B 7552又は他の方法を用いてもよい。 

器差の確認は,被試験流量計の表示又は出力を,標準流量計の表示又は出力と比較して行う。 

標準流量計の表示又は出力から算出した平均流量を,試験流量とする。 

標準的試験装置の構成,機能及び要件は,次による。 

6.4.2.1 

構成 

試験装置は,標準流量計,被試験流量計取付部,流量発生装置及びこれらを接続する配管,バルブ類,

温度計,圧力計,水位計などの補助測定器,必要に応じてストレーナ,気体分離器などの補助機器によっ

て構成する。 

6.4.2.2 

機能 

試験装置の機能は,次による。 

a) 被試験流量計に応じて,規定の体積の試験液を,規定の流量で流すことができる。 

b) 試験結果に影響を及ぼすような流量変動がなく,安定した流量が得られる。 

c) 試験結果に影響を及ぼすような配管などの振動,流れの脈流,旋回流又は偏流が生じるおそれがない。 

d) 試験結果に影響を及ぼすような試験液の温度変化が生じるおそれがない。特に,被試験流量計,標準

流量計及びその間の配管において,極端な温度変化が生じないように配慮されている。 

e) 試験液は水とする。 

f) 

被試験流量計及びその間の配管から試験液が漏れ出たり,枝管などから試験液が流入したりするおそ

れがない。また,継手部分から気泡を吸い込んだり,配管内に気泡だまりを形成したりするおそれが


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ない。 

6.4.2.3 

要件 

試験装置が備えるべき要件は,次による。また,概略を図1に示す。 

a) 標準流量計,被試験流量計共に,上流及び下流に十分な長さの水路を備える。水路の長さについて,

JISなどの規格に規定がある場合又は製造業者の推奨がある場合は,それに従う。それ以外の場合も,

上流側及び下流側の流れ場の影響が,流量計測に影響を与えない十分な長さの水路を確保する。十分

な長さの水路とは,水路幅をW又は呼び径をDとすると,上流10W(D)以上,下流5W(D)以上

とする。十分な長さの水路を確保できない場合は,整流装置などを用いて,流量計に流入する流れ場

をできるだけ均等なものにする。 

b) 標準流量計に対して,次のいずれかの方法で,定期的な校正を行う。 

1) 計量法に基づく登録校正事業者(JCSS事業者)による登録範囲の校正,又は第三者によってJIS Q 

17025に適合していることを認定された校正事業者が行う校正。 

2) 国立研究開発法人産業技術総合研究所による校正 

3) JIS B 7552に基づく校正 

c) 被試験流量計内の液温と標準流量計内の液温との差は,7 ℃以下とする。 

 

 

図1−試験装置概略図 

 

6.4.3 

試験の手順 

固有器差試験は,次の手順で行う。 

a) 被試験流量計を試験装置に取り付ける。 


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b) 標準流量計を通過する試験液は,単相流でなければならない。 

c) 被試験流量計の取付部又はその他の管路に,漏れがないことを確認する。 

d) 試験を行う予定の流量で試験液を循環させ,試験液及び管路の温度を安定させる。 

e) 温度の安定を確認した後,予備測定を行い,流量計の信号が確実に取り込まれていること,及び設備

に異常がないことを確認する。 

f) 

測定を開始する。 

1) 被試験流量計の指示値(I1)及び標準流量計の指示値(Is1)を同時に読み取る。 

2) 規定の量を通液させた後,被試験流量計の指示値(I2)及び標準流量計の指示値(Is2)を同時に読み

取る。 

3) 必要な場合は,通液中に温度計の指示値を2回以上読み取る。 

6.4.4 

試験条件 

6.4.4.1 

試験流量 

試験は,基準条件に定められた流量で行う。 

6.4.4.2 

勾配 

試験は,被試験流量計に定められた勾配範囲の任意の勾配で行う。 

6.4.4.3 

取込み量 

取込み量は,被試験流量計の目量の100倍以上とする。 

なお,被試験流量計の指示量をパルスの積算によって読み取る場合は,100パルス以上とする。 

6.4.4.4 

繰返し 

測定を2回以上繰り返し,それぞれの測定結果から求めた器差の平均値を,試験結果とする。 

6.4.5 

器差の計算 

器差は,次の式によって求める。 

s

100

s

s

E

I

I

I

E

 

ここに, 

E: 被試験流量計の器差(%) 

 

I: 被試験流量計の積算流量I=I2−I1 

ただし,I1及びI2をパルスの積算によって読み取る場合は, 

I=k(I2−I1)=k・Ip 

 

k: パルス係数(I/パルス) 

 

I1: 測定開始時の被試験流量計の積算値 

 

I2: 測定終了時の被試験流量計の積算値 

 

Ip: 測定開始時から終了時までの被試験流量計出力パルス

数 

 

Is: 標準流量計の指示量Is=Is2−Is1 

 Is1: 測定開始時の標準流量計の積算値 
 Is2: 測定終了時の標準流量計の積算値 

 

Es: 標準流量計の器差(%) 

6.4.6 

留意事項 

− 試験水路への流量計の設置が困難である場合又は大口径水路の場合は,附属書Bを参照。試験方法に

ついては,受渡当事者間の協議によって決定する。 

− 液体で満たされた閉管路に設置される流量計の試験方法については,JIS B 7552による。 

− 排水流量計設置後の計測精度確認方法については,附属書Gを参照。 

 


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B 7557:2019  

  

表示 

流量計のケース,目盛板又は銘板に,次の事項を明瞭に,かつ,消滅しないように表示しなければなら

ない。 

a) 計量単位:立方メートル(m3)又はリットル(L)(5.6.2を参照) 

b) 定格最大流量(Q3),転移流量(Q2)及び定格最小流量(Q1)の値 

例 Q3=50,Q2=10,Q1=2 

注記 Q3=50は50 m3/hを意味する。 

c) 製造事業者の名称若しくは登録商標又は経済産業大臣に届け出た記号 

d) 製造年及び製造番号 

電子装置付き流量計の場合 

e) 外部電源の電圧及び周波数 

f) 

交換可能電池式は,次回の電池交換時期 

g) 流量計又はその構成部品のIP定格 

h) 精度等級 

 


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B 7557:2019  

 

附属書A 

(参考) 

電子装置付き流量計の性能試験 

 

A.1 一般要件 

A.1.1 一般 

試験方法は,流量計の計測原理,構造及び構成を考慮して,検出部に通水して実施するか,又は検出部

に対し通水に相当する擬似計測信号で実施する。 

一つの影響因子の影響を評価している間は,他の全ての影響因子は基準条件を保持することが望ましい。 

性能試験は,同じ型式の流量計又はその分離できる部品の試料で実施してもよい。 

電子装置付き流量計に適用する試験項目を表A.1に示す。試験は,任意の順序で実施してもよい。 

 

表A.1−試験項目(影響因子又は妨害の適用) 

試験 

影響量の性質 

A.2 乾燥加熱(非結露) 

影響因子 

A.3 冷却 

影響因子 

A.4 高温高湿サイクル(結露) 

影響因子 

A.5 交流電源又はAC/DC変換電源の流量計の電源電圧変動 

影響因子 

A.6 直流電源の流量計の電源電圧変動 

影響因子 

A.7 交流電圧低下及び瞬時停電 

妨害 

A.8 バーストイミュニティ 

妨害 

A.9 静電気放電イミュニティ 

妨害 

A.10 放射無線周波電磁界イミュニティ 

妨害 

A.11 サージイミュニティ 

妨害 

A.12 電池供給の中断 

妨害 

 

A.1.2 流量計の器差測定における試験体積 

幾つかの影響量は,流量計の器差に一定の影響を与えるが,計量体積に比例しての影響は与えない。 

流量計の器差測定における試験体積は,定格最大流量Q3での1分間の体積に相当するものとする。しか

し,幾つかの試験で1分間以上を要する試験もあるが,この場合もできるだけ短い時間で実施することが

望ましい。 

A.1.3 水温の影響 

乾燥加熱,冷却及び高温高湿サイクル試験は,通常,流量計に基準条件の流量の水を通し,電子部品及

び発信部を基準条件下において,流量計の器差を測定する。ただし,全ての電子部品(発信部を含む。)の

試験において,擬似流を用いてもよい。擬似流試験の場合は,通常,検出部に附属する電子装置への水の

存在の影響も模擬するとともに,試験中は基準条件を保つ。 

 

A.2 乾燥加熱(非結露)試験 

A.2.1 試験の目的 

流量計が,使用周囲温度範囲の高温において,最大許容器差に適合することを検証する。 

A.2.2 注意事項 

注意事項は,次による。 


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a) 特に記載がない限りJIS C 60068-2-2による。 

b) JIS C 60068-2-2に規定する試験Bb(発熱がない供試品に対する緩やかな温度変化を伴う高温試験)を

適用する。 

c) 試験中は,特別の条件以外は基準条件を保つ。 

A.2.3 試験条件 

乾燥加熱(非結露)試験の条件は,表A.2による。 

 

表A.2−影響因子−乾燥加熱(非結露)条件 

項目名 

条件 

空気温度 

55 ℃±2 ℃ 

時間 

2時間 

試験サイクル数 

 

A.2.4 試験手順 

試験の手順は,次による。 

a) 前処理は,不要である。 

b) 初期測定は,流量計を基準条件の流量(実流又は擬似流)で器差を測定する。また,機能の作動確認

を行う。 

c) 流量計を55 ℃±2 ℃の空気温度にさら(曝)して流量計温度を安定させ,安定後2時間放置する。 

d) 中間測定は,55 ℃±2 ℃の空気温度において,基準条件の流量(実流又は擬似流)で器差を測定する。

また,機能の作動確認を行う。 

e) 最終測定は,流量計を基準条件の使用周囲温度に安定させた後,その温度において基準条件の流量(実

流又は擬似流)で器差を測定する。また,機能の作動確認を行う。 

f) 

各温度条件における器差を算出する。 

A.2.5 合格基準 

合格基準は,次による。 

a) 試験条件の適用中は,流量計の全ての機能が設計どおりに作動する。 

b) 試験条件での流量計の器差が,該当する最大許容器差を超えない。 

 

A.3 冷却試験 

A.3.1 試験の目的 

流量計が,使用周囲温度範囲の低温において,最大許容器差に適合することを検証する。 

A.3.2 注意事項 

注意事項は,次による。 

a) 特に記載がない限りJIS C 60068-2-1による。 

b) JIS C 60068-2-1に規定する試験Ab(発熱がない供試品に対する緩やかな温度変化を伴う低温試験)

を適用する。 

c) 試験中は,特別の条件以外は基準条件を保つ。 

d) 発信部が流量計に含まれ,かつ,検出部に水を通すことが必要な場合は,基準条件の使用水温条件を

保つ。 


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B 7557:2019  

 

A.3.3 試験条件 

冷却試験の条件は,表A.3による。 

 

表A.3−影響因子−冷却条件 

項目名 

条件 

空気温度 

−5 ℃±3 ℃ 

時間 

2時間 

試験サイクル数 

 

A.3.4 試験手順 

試験の手順は,次による。 

a) 前処理は,不要である。 

b) 初期測定は,流量計を基準条件の流量(実流又は擬似流)で器差を測定する。また,機能の作動確認

を行う。 

c) 流量計を,−5 ℃±3 ℃の空気温度にさら(曝)して流量計温度を安定させ,安定後2時間放置する。 

d) 中間測定は,−5 ℃±3 ℃の空気温度において,基準条件の流量(実流又は擬似流)で器差を測定す

る。また,機能の作動確認を行う。 

e) 最終測定は,流量計を基準条件の使用周囲温度に安定させた後,その温度において基準条件の流量(実

流又は擬似流)で器差を測定する。また,機能の作動確認を行う。 

f) 

各温度条件における器差を算出する。 

A.3.5 合格基準 

合格基準は,次による。 

a) 試験条件の適用中は,流量計の全ての機能が設計どおりに作動する。 

b) 試験条件での流量計の器差が,該当する最大許容器差を超えない。 

 

A.4 高温高湿サイクル(結露)試験 

A.4.1 試験の目的 

流量計が,高温高湿度の条件下で温度変化サイクルの繰返しにおいて,最大許容器差内であることを検

証する。 

A.4.2 注意事項 

特に記載がない限り,JIS C 60068-2-30による。また,試験中は,特別の条件以外は基準条件を保つ。 

温度降下は,JIS C 60068-2-30に規定する方法1を適用する。 

A.4.3 試験条件 

高温高湿サイクル(結露)試験の条件は,表A.4による。 

 

表A.4−影響因子−高温高湿サイクル(結露)条件 

項目名 

条件 

空気温度の上限 

40 ℃±2 ℃ 

空気温度の下限 

25 ℃±3 ℃ 

湿度(1) 

>95 %RH 

湿度(2) 

(93±3) %RH 

時間 

24時間 

試験サイクル数 


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B 7557:2019  

  

A.4.4 試験手順 

試験の手順は,次による。 

a) 初期測定は,流量計を基準条件の流量(実流又は擬似流)で器差を測定する。また,機能の作動確認

を行う。 

b) 外部電源をもつ流量計は,電源を切る。 

c) 流量計を,空気温度25 ℃±3 ℃の低温相と40 ℃±2 ℃の高温相との間の温度変化サイクルにさら

(曝)す。相対湿度は,変温中及び低温相では95 %を超え,高温相では(93±3) %に保つ。温度上昇

中に流量計に結露が生じる。 

d) 温度変化サイクルを2サイクル実施する。その後,流量計を基準条件に復帰させる。 

e) 最終測定は,流量計を基準条件に安定させた後(外部電源をもつ流量計は電源を復帰し),基準条件の

流量(実流又は擬似流)で器差を測定する。また,機能の作動確認を行う。 

f) 

試験条件における器差を算出する。 

A.4.5 合格基準 

合格基準は,次による。 

a) 試験条件の適用後に,流量計の全ての機能が設計どおりに作動する。 

b) 試験条件での流量計の器差が,該当する最大許容器差を超えない。 

 

A.5 交流電源又はAC/DC変換電源の流量計の電源電圧変動試験 

A.5.1 試験の目的 

流量計が,交流(単相)主電源電圧の静的変動において,最大許容器差に適合することを検証する。 

A.5.2 注意事項 

交流(単相)主電源電圧の場合は,特に記載がない限りJIS C 61000-4-11による。また,試験中は,特

別の条件以外は基準条件を保つ。 

A.5.3 試験条件 

交流電源電圧の静的変動試験の条件は,表A.5による。 

 

表A.5−影響因子−交流電源電圧の静的変動条件 

項目名 

条件 

主電圧 

上限:Unom+10 % 
下限:Unom−15 % 

主周波数 

上限:fnom+2 % 
下限:fnom−2 % 

 

A.5.4 試験手順 

試験の手順は,次による。 

a) 初期測定は,流量計を基準条件の流量(実流又は擬似流)で器差を測定する。また,機能の作動確認

を行う。 

b) 最終測定は,主電圧の上限Unom+10 %を与えて,次いで主周波数の上限fnom+2 %を与えて,それ

ぞれ,基準条件の流量(実流又は擬似流)で器差を測定する。また,機能の作動確認を行う。 

c) さらに,主電圧の下限Unom−15 %を与えて,次いで主周波数の下限fnom−2 %を与えて,それぞれ,

基準条件の流量(実流又は擬似流)で器差を測定する。また,機能の作動確認を行う。 


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d) 各試験条件下の器差を算出する。 

A.5.5 合格基準 

合格基準は,次による。 

a) 試験条件の適用後に,流量計の全ての機能が設計どおりに作動する。 

b) 試験条件での流量計の器差が,該当する最大許容器差を超えない。 

 

A.6 直流電源の流量計の電源電圧変動試験 

A.6.1 試験の目的 

流量計が,直流電源の電圧の静的変動に対し,最大許容器差に適合することを検証する。 

A.6.2 注意事項 

試験中は,特別の条件以外は基準条件を保つ。 

A.6.3 試験条件 

直流電源の電圧変動試験の条件は,表A.6による。 

 

表A.6−影響因子−直流電源の電圧変動条件 

項目名 

条件 

外部直流電圧 

上限:Unom+10 % 
下限:Unom−15 % 

電池直流電圧 

上限:Ubmax 
下限:Ubmin 

 

A.6.4 試験手順 

試験の手順は,次による。 

a) 初期測定は,流量計を基準条件の流量(実流又は擬似流)で器差を測定する。また,機能の作動確認

を行う。 

b) 最終測定は,外部直流電圧の主電圧の上限Unom+10 %,又は電池直流電圧はUbmaxを与えながら,

基準条件の流量(実流又は擬似流)で器差を測定する。また,機能の作動確認を行う。 

c) さらに,外部直流電圧の主電圧の下限Unom−15 %,又は電池直流電圧はUbminを与えながら,基準

条件の流量(実流又は擬似流)で器差を測定する。また,機能の作動確認を行う。 

d) 各試験条件の器差を算出する。 

A.6.5 合格基準 

合格基準は,次による。 

a) 試験条件の適用後に,流量計の全ての機能が設計どおりに作動する。 

b) 試験条件での流量計の器差が,該当する最大許容器差を超えない。 

 

A.7 交流電圧低下及び瞬時停電試験 

A.7.1 試験の目的 

流量計が,交流主電源の瞬時停電及び電圧低下に耐えられることを検証する。 

A.7.2 注意事項 

注意事項は,次による。 

a) 特に記載がない限り,JIS C 61000-4-11による。 


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b) 試験中は,特別の条件以外は基準条件を保つ。 

c) 電圧瞬断は,電源周波数の半サイクルに等しい持続時間の間,供給電圧を公称電圧から電圧ゼロまで

低下させる。 

d) 電圧低下は,電源周波数の1サイクルに等しい持続時間の間,供給電圧を公称電圧から公称電圧の50 %

まで低下させる。 

e) 個々の電圧瞬断又は電圧低下は,それぞれ供給電圧の位相角0度で開始,終了及び反復を行う。 

f) 

流量計がある供給電圧の範囲で作動するように設計されている場合は,電圧の瞬断及び低下は,その

範囲の平均電圧のレベルから開始する。 

A.7.3 試験条件 

交流電圧低下及び瞬時停電試験の条件は,表A.7による。 

 

表A.7−妨害−主電源の瞬時停電及び電圧低下条件 

項目名 

条件 

瞬断 

半サイクルに等しい時間の100 %電圧低下 

低下 

1サイクルに等しい時間の50 %電圧低下 

試験サイクル数 

10回以上の瞬断及び10回以上の低下を,それぞれ10秒以
上の間隔をおいて反復する。瞬断及び低下は,器差測定に必
要な時間の間は反復するので,10回以上必要なこともある。 

 

A.7.4 試験手順 

試験の手順は,次による。 

a) 初期測定は,流量計を基準条件の流量(実流又は擬似流)で器差を測定する。また,機能の作動確認

を行う。 

b) 最終測定は,流量計に交流電源の10回以上の電圧瞬断及び10回以上の電圧低下を10秒以上の間隔を

おき連続して与えながら,基準条件の流量(実流又は擬似流)で器差を測定する。 

c) 機能の作動確認を行う。 

d) 各試験条件の器差を算出する。 

A.7.5 合格基準 

合格基準は,次による。 

a) 試験条件の適用後に,流量計の全ての機能が設計どおりに作動する。 

b) 試験条件での流量計の器差と試験前の器差との差が,該当する最大許容器差の2分の1を超えない。 

 

A.8 バーストイミュニティ試験 

A.8.1 試験の目的 

流量計が,主電圧上への電気的バーストの重畳に耐えられることを検証する。 

A.8.2 注意事項 

特に記載がない限りJIS C 61000-4-4による。また,試験中は基準条件を保つ。 

A.8.3 試験条件 

バーストイミュニティ試験の条件は,表A.8による。 

 


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表A.8−妨害−バーストイミュニティ条件 

項目名 

条件 

流量測定・制御に使われない信号線及びデータバス 

±500 V a) 

流量測定・制御に使われる信号線及びデータバス 

±500 V a) 

DC電源入出力ポート 

±500 V b) 

AC電源入出力ポート 

±1000 V 

機能的接地ポート 

±500 V a) 

注a) 全体の長さが製造業者の機能的な仕様に従って3 mを超えるケーブルのインタフェ

ースポートにだけ適用できる。 

b) 装置から取外し又は不接続になる電池若しくは充電電池に接続されるような入力ポ

ートには適用できない。AC/DC電源アダプタを使用する予定のDC電源入力ポート
の装置は,製造業者が指定したAC/DC電源アダプタ,又はその指定がない場合は標
準的なAC/DC電源アダプタのAC電源入力で試験する。試験は,10 mより長いケ
ーブルに恒久的に接続される予定のDC電源入力ポートに適用することができる。 

 

A.8.4 試験手順 

試験の手順は,次による。 

a) 初期測定は,流量計を基準条件の流量(実流又は擬似流)で器差を測定する。また,機能の作動確認

を行う。 

b) 最終測定は,二重指数波形過渡電圧スパイクのバーストを印加中に,基準条件の流量(実流又は擬似

流)で器差を測定する。 

c) 機能の作動確認を行う。 

d) 各試験条件の器差を算出する。 

A.8.5 合格基準 

合格基準は,次による。 

a) 試験条件の適用後に,流量計の全ての機能が設計どおりに作動する。 

b) 試験条件での流量計の器差と試験前の器差との差が,該当する最大許容器差の2分の1を超えない。 

 

A.9 静電気放電イミュニティ試験 

A.9.1 試験の目的 

流量計が,静電気放電に耐えられることを検証する。 

A.9.2 注意事項 

注意事項は,次による。 

a) 特に記載がない限りJIS C 61000-4-2による。また,試験中は基準条件を保つ。 

b) 塗装面に放電する場合,絶縁塗装でなければ点状の先端で塗装面を貫通して接触放電を行う。また,

絶縁塗装であれば気中放電だけを行う。 

A.9.3 試験条件 

静電気放電イミュニティ試験の条件は,表A.9による。 

 


20 

B 7557:2019  

  

表A.9−妨害−静電気放電イミュニティ条件 

項目名 

条件 

試験電圧(接触放電) 

±6 kV 

試験電圧(気中放電) 

±8 kV 

試験サイクル数 各試験箇所について少なくとも10秒以上の間隔で,
直接放電は少なくとも10回接触放電する。間接放電は,水平結合面に
10回放電し,垂直結合面の複数の場所のそれぞれに10回放電する。 

 

A.9.4 試験手順 

試験の手順は,次による。 

a) 初期測定は,流量計を基準条件の流量(実流又は擬似流)で器差を測定する。また,機能の作動確認

を行う。 

b) 接触放電(直接印加)を,10秒以上の間隔で流量計の通常触れやすい表面へ電圧6 kVの静電気を少

なくとも10回接触放電する。さらに,接触放電(間接印加)を,水平結合面へ10秒以上の間隔で電

圧6 kVの静電気を10回接触放電し,垂直結合面へも10回接触放電を行う。ただし,気中放電の場合

は,試験電圧は8 kVとする。 

c) 最終測定は,静電気放電中に,基準条件の流量(実流又は擬似流)で器差を測定する。また,機能の

作動確認を行う。ただし,定格動作条件の流量範囲内で,静電気放電の影響を受けない流量計の場合

は,静電気放電試験にゼロ流量を選択してもよい。 

d) 各試験条件の器差を算出する。 

A.9.5 合格基準 

合格基準は,次による。 

a) 試験条件の適用後に,流量計の全ての機能が設計どおりに作動する。 

b) 試験条件での流量計の器差と試験前の器差との差が,該当する最大許容器差の2分の1を超えない。 

c) ゼロ流量試験では,流量計の積算表示が検査目量の値を超える変動を生じない。 

 

A.10 放射無線周波電磁界イミュニティ試験 

A.10.1 試験の目的 

流量計が,放射電磁界に耐えられることを検証する。 

A.10.2 注意事項 

特に記載がない限りJIS C 61000-4-3による。また,試験中は基準条件を保つ。 

A.10.3 試験条件 

放射無線周波電磁界イミュニティ試験の条件は,表A.10による。 

 

表A.10−妨害−放射無線周波電磁界イミュニティ 

項目名 

条件 

周波数範囲 

80 MHz〜1 000 MHz 

電界強度 

3 V/m 

変調 

80 %AM,1 kHz,正弦波 

 

A.10.4 試験手順 

試験の手順は,次による。 


21 

B 7557:2019  

 

a) 初期測定は,流量計を基準条件の流量(実流又は擬似流)で器差を測定する。また,機能の作動確認

を行う。 

b) 流量計及び長さ1.2 m以上の附属ケーブルを,周波数範囲を表A.11に示す周波数間の17区分に分割

して電界強度3 V/mの電磁界にさら(曝)す。 

c) 表中の次の周波数に達するまで搬送周波数を刻む。 

d) 流量計を基準条件の流量(実流又は擬似流)で器差を測定する。 

e) a)での器差とd)での器差との差を算出する。 

f) 

アンテナの偏波面(極性)を変える。 

g) 試験手順b)〜f)までを繰り返す。 

h) 最終測定は,電磁界を適用している間に,基準条件の流量(実流又は擬似流)で器差を測定する。た

だし,定格動作条件の流量範囲内で,電磁界の影響を受けない流量計の場合は,電磁界試験にゼロ流

量を選択してもよい。 

i) 

最終測定後に機能の作動確認を行う。 

j) 

各試験条件の器差を算出する。 

 

表A.11−初め及び終わりの搬送周波数 

単位 MHz 

搬送周波数 

80 

180 

500 

100 

200 

600 

120 

250 

700 

144 

350 

800 

150 

400 

934 

160 

435 

1000 

 

A.10.5 合格基準 

合格基準は,次による。 

a) 試験条件の適用後に,流量計の全ての機能が設計どおりに作動する。 

b) 試験条件での流量計の器差と試験前の器差との差が,該当する最大許容器差の2分の1を超えない。 

c) ゼロ流量試験では,流量計の積算表示が検査目量の値を超える変動を生じない。 

 

A.11 サージイミュニティ試験 

A.11.1 試験の目的 

流量計に接続された10 mより長いケーブルがある場合に,ケーブルにサージ過渡現象が重畳されたと

き,流量計が耐えられることを検証する。 

A.11.2 注意事項 

特に記載がない限りJIS C 61000-4-5による。また,試験中は基準条件を保つ。 

A.11.3 試験条件 

サージイミュニティ試験の条件は,表A.12による。 

 


22 

B 7557:2019  

  

表A.12−妨害−サージイミュニティ条件 

項目名 

条件 

流量測定・制御に使われない信号線及びデータバス 

− 

流量測定・制御に使われる信号線及びデータバス 

− 

DC入力ポート 

1.2Fr/50Th μs (8/20 μs) a), b) 

グランド間±0.5 kV 

線間±0.5 kV 

AC入力ポート 

1.2Fr/50Th μs (8/20 μs) 

グランド間±2 kV 

線間±1 kV 

注記 Frは波頭長(front time),Thは波尾長(time to half value)を示す。 
注a) AC/DC電源アダプタを使用する予定のDC電源入力ポートの装置は,製造業者が指定したAC/DC電源アダ

プタか,又はその指定がない場合は標準的なAC/DC電源アダプタのAC電源入力で試験するものとする。試
験は10 mより長い恒久的に接続されたDC電源入力ポートに応用できる。 

b) 装置から取外し又は不接続になる電池若しくは充電電池に接続されるような入力ポートには適用できない。 

 

A.11.4 試験手順 

試験の手順は,次による。 

a) 初期測定は,流量計を基準条件の流量(実流又は擬似流)で器差を測定する。また,機能の作動確認

を行う。 

b) 最終測定は,サージ電圧を印加中に,基準条件の流量(実流又は擬似流)で器差を測定する。 

c) 機能の作動確認を行う。 

d) 各試験条件の器差を算出する。 

A.11.5 合格基準 

合格基準は,次による。 

a) 試験条件の適用後に,流量計の全ての機能が設計どおりに作動する。 

b) 試験条件での流量計の器差と試験前の器差との差が,該当する最大許容器差の2分の1を超えない。 

 

A.12 電池供給の中断試験 

A.12.1 試験の目的 

この試験は,電源に交換可能な電池を使用する流量計にだけ適用し,流量計が電池の交換に耐えられる

ことを検証する。 

A.12.2 注意事項 

試験中は,基準条件を保つ。 

A.12.3 試験手順 

試験の手順は,次による。 

a) 流量計の機能の作動確認を行う。 

b) 電池を1時間取り外し,それから元に戻す。 

c) 流量計の機能の作動確認を行う。 

A.12.4 合格基準 

合格基準は,次による。 

a) 試験条件の適用後に,流量計の全ての機能が設計どおりに作動する。 

b) 試験条件での流量計の積算値又は保存した値が,変わらずに保存されている。 


23 

B 7557:2019  

 

附属書B 

(参考) 

実流試験困難な排水流量計の試験について 

 

B.1 

一般 

大口径排水流量計及び試験水路への設置が困難である流量計の試験については,実流での試験が困難な

場合がある。実流試験を行わない場合は次の方法による。 

B.1.1 フリューム式及びせき式流量計の場合 

パーシャルフリューム式,せき式,P.B.フリューム式など,水深を計測して流量に変換する流量計で実

流試験が困難な場合は,水深検出の方式に合わせ,水筒又は反射板を使用して試験水深を設定する。試験

水深実測値における理論流量と被試験流量計の出力値とから器差を求める(図B.1参照)。 

試験水深は,最大計測水深をカバーできることが望ましい。 

 

 

図B.1−水筒又は反射板による試験例 

 

B.1.2 面速式流量計の場合 

面速式流量計には,水位センサ及び流速センサが接続されている。実流試験が困難な場合は,それぞれ

個別に試験を行い,その結果を総合的に評価する(図B.2参照)。 

水位センサの試験については,B.1.1に示す装置を使用する。試験水深は,最大計測水深をカバーできる

ことが望ましい。 

また,面速式流量計は,平均流速を計測するものであり,平均流速検出の評価ができることが望ましい。 

 


24 

B 7557:2019  

  

 

図B.2−面速式流量計の試験 

 

B.1.3 留意事項 

取引用排水流量計の試験は,流量体積積算値によって評価すべきであるが,実流試験が困難な場合は,

瞬時流量で行ってもよい。 


25 

B 7557:2019  

 

附属書C 
(参考) 

パーマ・ボーラスフリューム式流量計 

 

C.1 一般 

この附属書は,人工の開水路を流れる水の流量測定に用いるP.B.フリューム式流量計について,記載す

る。 

注記 常流で流れる開水路の途中を絞ると,この絞り部(スロート部)に限界流が生じ,流量は上流

側水深の関数として求めることができる。P.B.フリュームは,この原理に基づく流量計であっ

て,定められた形状・寸法のフリューム本体を水路に設置し,スロート部から上流側の水深を

測定して,流量を演算・指示するものである。 

 

C.2 P.B.フリューム各部名称及び寸法例 

P.B.フリューム各部名称及び寸法例を,図C.1に示す。 

 

 

 

D: P.B.フリューム口径 

 

hu: 水深計測点水深 

 図に示す寸法比は,各社で製作するP.B.フリューム寸法の一例である。 

 

図C.1−P.B.フリュームの各部名称及び寸法例 

 

C.3 測定原理 

P.B.フリュームの流れを,図C.2に示す。 


26 

B 7557:2019  

  

 

 

 

 

h1: 計測点管底からの質点の位置水頭(m) 

 

h2: 計測点質点への圧力水頭(m) 

 

hu: 計測点水深(m) 

 

h3: 限界点クレスト面からの質点の位置水頭(m) 

 

h4: 限界点質点への圧力水頭(m) 

 

hc: 限界点水深(m) 

 

Vu: 計測点質点の流速(m/s) 

 

Vc: 限界点質点の流速(m/s) 

 

t: クレスト高さ(m) 

 

Ac: 限界流部流れの断面積(m2) 

 

Wc: 限界流部水面の幅(m) 

 

図C.2−P.B.フリュームの測定原理 

 

管底を基準とした計測点(クレストの上流端から口径と同じ距離だけ上流の位置)での,ある質点の比

エネルギーをEuとし,その質点が限界点に移動したときの比エネルギーをEcとすると, 

g

g

2

u

u

2

u

2

1

u

2

2

V

h

V

h

h

E

  (C.1) 

t

V

h

t

V

h

h

E

g

g

2

c

c

2

c

4

3

c

2

2

  (C.2) 

ここに, 

h1: 計測点管底からの質点の位置水頭(m) 

 

h2: 計測点質点への圧力水頭(m) 

 

hu: 計測点水深(m) 

 

h3: 限界点クレスト面からの質点の位置水頭(m) 

 

h4: 限界点質点への圧力水頭(m) 

 

hc: 限界点水深(m) 

 

Vu: 計測点質点の流速(m/s) 

 

Vc: 限界点質点の流速(m/s) 

 

t: クレスト高さ(m) 

 

g: 重力加速度(m/s2) 

エネルギー保存則によってEu=Ec[式(C.1)=式(C.2)]となるので,次の式が成り立つ。 

t

V

h

V

h

g

g

2

c

c

2

u

u

2

2

  (C.3) 

また,限界流部のある流量Qにおけるエネルギー式[式(C.2)]で,エネルギーが最小となる条件 


27 

B 7557:2019  

 

0

d

d

h

E

 

から,限界流部では次の式が成立する。 

Q = Vc・Ac  (C.4) 

c

c3

2

W

A

Q

g

  (C.5) 

c

c3

W

A

Q

g

 (C.5') 

ここに, 

Q: 流量(m3/s) 

 

Ac: 限界流部流れの断面積(m2) 

 

Wc: 限界流部水面の幅(m) 

Ac,Wcは限界点水深hcの関数であり,式(C.5')は限界流の流量が限界点水深hcから求められることを

示している。 

ここで,P.B.フリュームの流量Q(限界流部の流量と同じ)は,次の式でも表すことができる。 

Q = Vu・Au  (C.6) 

ここに, 

Au: 水深計測部(常流部)流れの断面積(m2) 

式(C.3),式(C.4),及び式(C.5)から,次の式を得る。 

t

W

A

h

V

h

c

2

c

c

2

u

u

2

g

  (C.7) 

また,式(C.6)及び式(C.7)から,次の式を得る。 

2

2

2

2

u

2

c

2

c

c

u

c

2

c

c

u

2

u

A

Q

t

W

A

h

h

t

W

A

h

A

Q

h

g

g

  (C.8) 

式(C.8)で,Ac,Wc,及びQはhcの関数であり,Auはhuの関数であるので,式(C.8)を成立させるhu

及びhcを特定すれば,上流側水深huを計測することによって,流量Qが求められることになる。実際の

計算では,コンピュータを使用した逐次近似法などでhuにおけるQを求める。 

 

C.4 P.B.フリュームの様々な形状 

C.3に記載した測定原理に基づく流量計をP.B.フリューム式流量計と呼び,その形状は,上部開放形,

管きょ(渠)接続形,管きょ(渠)内挿入設置形,ます(桝)内設置形,吐出口接続形などが多く使用さ

れている。また,スロート部が台形,卵形のものなどがあり,各製造業者から水深−流量特性が示されて

いる(図C.3〜図C.7参照)。 

一般に,排水路は,その性質上暗きょ(渠)であることが多く,口径が大きくなるとP.B.フリュームの

計測点への搬入方法が問題になることが多い。このため,分割組立型のP.B.フリュームも製作されている。

下水道などでは,供用開始直後の初期流量に対応するため,さらに,スロート部に着脱可能な絞りを挿入

したインサート形,大小のP.B.フリュームを組み合わせた親子形などが設置されている。 

管きょ(渠)挿入設置形は,設置作業及び維持管理が管きょ(渠)内となるため,呼び径800 mm以上

の管きょ(渠)であることが望ましい。 

ます(桝)内設置形は,狭小形状であり,いっ(溢)水が発生しやすいので,汚物が堆積しにくい卵形


28 

B 7557:2019  

  

のクレストにしたものである。 

吐出口接続形は,吐出開始水深を変えないようクレストをなくし,スロート部を卵形にしたものである。 

 

 

図C.3−上部開放形P.B.フリューム 

 

 

 

図C.4−管きょ(渠)接続形P.B.フリューム 

 

 

呼び径D

 

図C.5−管きょ(渠)内挿入設置形P.B.フリューム 

 

 


29 

B 7557:2019  

 

 

図C.6−ます(桝)内設置形 卵形P.B.フリューム 

 

フランジ

フランジ

卵形計測断面

水深計測点

流入部

円形

断面部

漸縮部

卵形断面部

吐出口

円形断面部

卵形断面部

 

図C.7−吐出口接続形 卵形P.B.フリューム 

 

C.5 P.B.フリューム最大流量例 

P.B.フリュームの最大流量例を,表C.1に示す。 

 

表C.1−P.B.フリュームの呼び径及び計測最大流量 

呼び径D(mm) 最大流量(m3/h) 呼び径D(mm) 最大流量(m3/h) 呼び径D(mm) 最大流量(m3/h) 

150 

30〜40 

400 

300〜460 

800 

1 800〜2 600 

200 

70〜80 

450 

400〜620 

900 

2 500〜3 500 

250 

90〜140 

500 

500〜800 

1000 

3 000〜4 500 

300 

120〜220 

600 

800〜1 200 

1100 

4 000〜5 700 

350 

200〜330 

700 

1200〜1 800 

1200 

5 000〜7 200 

注記 最大流量は,P.B.フリューム形状によって異なる。 

 

C.6 P.B.フリューム設置時の留意事項 

− 一般にP.B.フリュームの上流側には呼び径の5倍〜10倍の直線常流区間があり,下流側は射流が確保

されるよう,背水の影響を受けない位置に設置する。 


30 

B 7557:2019  

  

− P.B.フリュームは,水路流れ方向のセンターに設置し,クレスト面は流れ方向,横方向それぞれに水

平に設置する。 

− 水路の流れは,全てP.B.フリュームを通過するように周囲を止水する。 

 


31 

B 7557:2019  

 

附属書D 
(参考) 

面速式流量計 

 

D.1 一般 

この附属書は,人工の開水路を流れる水の流量測定に用いる面速式流量計について,記載する。 

注記 水路の流量は,流水断面積に平均流速を乗じることによって求められる。水深によって流量特

性が求められるせき式流量計,フリューム式流量計及びH-Q演算式(G.4参照)流量計におい

ても,流れの平均流速を水深から得ようとする理論に基づいている。この平均流速を実測し,

水深の関数となる流水断面積に乗じて流量を演算するものが面速式流量計である(図D.1参照)。 

 

 

 

 

ここに, h: 水深(m) 

 

A: 流れの断面積(m2) 

 

V: 流れの平均流速(m/s) 

 

Q: 流量(m3/s) 

 

図D.1−面速式流量計の原理 

 

D.2 面速式流量計の検出部 

D.2.1 非接触式水位センサ及び接触式水位センサ 

中空超音波式水位センサ,電波式水位センサなど,水面の上から水路水深を計測する非接触式水位セン

サ,及び水路底から水面までの距離を超音波で計測する潜水超音波式水位センサ,水圧から水深を検出す

る圧力式水位センサなど,水中に設置して水路の水深を計測する接触式水位センサがある。 


32 

B 7557:2019  

  

D.2.2 非接触式流速センサ及び接触式流速センサ 

電波又はレーザー光線のドップラー効果を利用して,水面の上から流れの表面流速を検出し,平均流速

に演算する非接触式流速センサ,及び水中に設置して超音波のドップラー効果,超音波の伝ぱ(播)時間,

電磁誘導などから流速を検出する接触式流速センサがある。 

D.2.3 分離型検出部及び一体型検出部 

面速式流量計の検出部には,非接触式のものと接触式のものとがあり,それらを組み合わせて水深及び

流速を検出する。水位センサと流速センサとが別々のとき,検出部は分離型となるが,いずれも非接触式,

及びいずれも接触式の場合は,一体型として成形されているものもある(図D.2参照)。 

 

 

図D.2−面速式流量計検出部設置位置及び流速計測原理の例 

 

D.3 面速式流量計検出部設置時の留意点 

− 計測点水路は十分な直線区間であり,等流である。 

− 流速分布に偏りがない。 

− 水路内堆積物の影響がない。 

− 計測点は保守が可能である。 


33 

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附属書E 

(参考) 

潜水式電磁流量計 

 

E.1 

一般 

この附属書は,人工の開水路を流れる水の流量測定に用いる潜水式電磁流量計について,記載する。 

注記 開水路の途中に隔壁を設け,この隔壁の水面下に潜水形の電磁式流量計を取り付けて,電磁式

流量計を通過する流量を計測する方式である。 

 

E.2 

設置方法 

潜水式電磁流量計1台に全ての流量を流す方式と,隔壁に複数の穴を設け,そのうちの1か所だけに電

磁式流量計を取り付け,他の穴には形状及び寸法だけ電磁式流量計と同一のもの(ダミー検出器)を設置

して,電磁式流量計の信号を複数倍して全体の流量を求める方式とがある(図E.1参照)。 

 

 

図E.1−潜水式電磁流量計の設置 

 

潜水式電磁流量計は,検出器の流路を常に満水状態で使用するもので,満水状態にするためベルマウス

方式(図E.2参照)及びエルボ・フランジ方式(図E.3参照)の2種類がある。 

 


34 

B 7557:2019  

  

[ベルマウス方式] 

ベルマウス方式は,下流側にせき板を用い,流量計内部が常に満水になるように,水路・ゲート板・せ

き板の設計をして使用する。 

 

 

図E.2−ベルマウス方式の潜水式電磁流量計 

 

[エルボ・フランジ方式] 

エルボ・フランジ方式は,せき板を用いずに,流量計内部が満水状態を保つ構造である。必ず,噴水口

は大気開放状態になるように使用する。 

 

 

図E.3−エルボ・フランジ方式の潜水式電磁流量計 

 

E.3 

潜水式電磁流量計の流量計測精度の確保について 

水路設計の推奨条件は,次のとおりである。これらの水路長が確保できない場合,整流板を用意し,偏

流などが生じないように配慮することが望ましい。 

− 上流側直線水路の距離 


35 

B 7557:2019  

 

検出器単独で使用する場合:呼び径Dの2倍 

ダミーを併用する場合:水路幅Wの2倍 

− 下流側せき板までの距離:水路幅W 

潜水式電磁流量計及びダミーの下流側にせき板を立てることによって,それぞれを通過する流量がほぼ

同一になることが確認されている。潜水式電磁流量計自体もJIS B 7554に従って製造されており,前述の

設置条件を確保することによって流量計測精度が担保される。 

 


36 

B 7557:2019  

  

附属書F 

(参考) 

非満水電磁流量計 

 

F.1 

一般 

この附属書は,人工の開水路を流れる水の流量測定に用いる非満水電磁流量計について,記載する。 

代表的な設置方法例をF.3に示す。 

F.2 

測定原理 

非満水電磁流量計は,電磁流量計と同様にファラデーの電磁誘導の法則を応用した流量計である。導電

性流体の流れと垂直な方向に磁界をかけると,電磁誘導作用によって,流れ及び磁界の両方に垂直な方向

に,流速に比例した起電力が発生する。 

流量は,流水断面積と流速との積であるので,流水断面積が一定である電磁流量計では,起電力と流量

とが比例関係となる。 

一方,非満水状態では,流水断面積が水理条件によって変化するため,起電力と流量とが比例関係には

ならない。しかし,起電力と流量とが一定の関係をもつようにすれば,起電力から流量を算出することが

可能となる。 

非満水電磁流量計の例を,図F.1に示す。この流量計は,測定管内にスロート部を設けて安定した流れ

を作り,流速と水深とが水理的に一定の関係となるようにしており,あらかじめ求めた起電力と流量との

関係を校正曲線として記憶し,この校正曲線を参照して流量を算出する。 

 

 

図F.1−非満水電磁流量計の例 


37 

B 7557:2019  

 

F.3 

設置方法 

F.3.1 

管路途中取付け 

ピット内の管路の途中に取り付ける(図F.2参照)。 

 

 

図F.2−管路途中取付け 

 

F.3.2 

吐出端取付け 

マンホール,水槽などの吐出端に取り付ける(図F.3参照)。 

 

 

図F.3−吐出端取付け 

 

F.4 

非満水電磁流量計による流量計測精度の確保について 

F.4.1 

設置条件 

上流側には呼び径Dの10倍(条件によって10D〜80D)以上のできるだけ長い直管を設け,自然流下の

滑らかな流れとし,かつ,下流から背水の影響を受けない管路に設置する。また,上流直管と下流直管と

は同一軸とし,流量計は,ねじれのないよう(±0.5度以内)に配管する。 

F.4.2 

保守 

電極部周辺が油脂,付着物(非導電性物質)などで覆われたり,又は浮遊物,堆積物などがとど(留)

まると,計測に支障を来す場合があるため,定期的な点検及び清掃を実施する必要がある。点検及び清掃

は,製造業者が指定した方法で実施する。 


38 

B 7557:2019  

  

附属書G 
(参考) 

排水流量計設置後の計測精度確認方法について 

 

G.1 

概要 

排水流量計の出荷検査では規定内精度であったとしても,現場の水路条件は,試験設備と大きく異なる

ことが普通であり,設置後も汚泥の付着又は堆積,滞留又は逆流の影響など,計測誤差要因の発生がある

ため,現場水路に応じた補正を行うことが大切である。排水流量計の種類は多々あるが,せき式流量計及

びフリューム式流量計については水路形状がJISに規定されているものもあり,設置条件が満足されてい

れば,水深の計測を精度良く行うことによって流量計測精度も保証されるといえる。しかしながら,面速

式流量計などでは,水路勾配又は水路表面粗さ,水路の曲がり又は段差,堆積物などによってパラメータ

が大きく変わることがあり,何らかの確認補正手段が必要となる。ここでは,ポータブル式流速計を用い

た確認手段などについて記載するが,どのような手段を採用するかについては,受渡当事者間の協議が不

可欠である。 

 

G.2 

面速式流量計の現場補正 

面速式流量計は,計測水深から演算される流水断面積に計測した平均流速を乗じて,流量を求めるもの

である。流水断面積の精度は,水深計測精度を確保すれば維持できる。計測する平均流速については出荷

検査における試験水路とは状況が全く異なるので,現場計測点の実際の流れで補正することが必要である。 

G.2.1 面速式流量計計測点で補正する場合 

面速式流量計設置位置で補正作業ができる場合は,最初に流量計の水深計測精度が確保されていれば,

ポータブル式流速計で実測した流れの平均流速と,流量計が計測する平均流速値とをそのまま比較し,補

正することができる。 

平均流速実測値と流量計平均流速計測値との比較で係数を設定するが,実測中にも絶えず流れは変動し

ており,少なくとも3回以上計測し,係数を決定する。また,流量の大小によっても係数が変わるので,

時間帯を変えて作業を行うなどして,適正な係数を設定する。 

G.2.2 面速式流量計計測点から離れた位置で補正する場合 

面速式流量計設置位置に水路内から近づくと流れに影響を及ぼし,通常の流れとは異なる流れになるよ

うな場合,又は流量計測検出端位置で流速補正を行うことが物理的に困難であるような場合,流量計から

少し離れた下流側で補正作業を行うことがある。このような場合は,最初に流量計の水深測定精度を確保

し,それから流速の補正を行う。 

流速の補正手順を次に示す。 

a) ポータブル式流速計計測位置の水深hS1を測定 

b) ポータブル式流速計による平均流速VSAVの実測(G.2.3参照) 

c) b)の平均流速実測期間中,変動する流量計計測流量から,その平均値QMAVを決定 

d) ポータブル式流速計計測位置の水深hS2を測定 

e) 実測点の平均水深をhSAVとすると 

2

2

S

1S

SAV

h

h

h

 


39 

B 7557:2019  

 

 

であり,hSAVから流れの断面積ASを求められる。 

AS = f(hSAV) 

f) 

実測点の流量QSを求め,係数Kを決定する。 

QS = VSAV・AS 

MAV

S

Q

Q

K

 

流速補正係数の決定に当たっては,上記手順を3回以上繰り返すこと,また,異なる流量の時間帯で行

うことなどによって,より適正な係数を設定する。 

G.2.3 ポータブル式流速計による平均流速測定 

流水断面の平均流速は,流水断面を大まかに当面積分割し,それぞれの中心付近でそのポイントの流速

(点流速)を測定して,それらの平均を流れの平均流速として求める(点流速平均法)(図G.1参照)。 

流水断面の分割数を増やすと全体の計測に時間がかかり,その間の流量変動も予想される。そのため,

ポータブル式流速計の測定時間,比較する排水流量計計測値の読取りタイミングなどに留意しなければな

らない。通常は,ポータブル式流速計で計測中の流量計計測値平均を用いる。 

ポータブル式流速計での平均流速計測は,流速平均法のほかにも,流れの断面全体を連続的にスキャン

して行う断面スキャン法がある(図G.2参照)。断面スキャン法を採用するときは,点流速法と同様の値が

得られるように,スキャンの範囲及び時間を調整する。 

G.2.4 ポータブル式流速計使用時の留意事項 

− 測定は3点以上とする。 

− 流水断面分割の大きさ及び分割数については,水路の大きさ,水深,実測にかかる時間などによって

判断する。 

− ポータブル式流速計センサと排水流量計検出端とが,お互いに干渉しないように留意する。 

− ポータブル式流速計での計測行為が,流量計の流速測定に影響を与えていると思われる場合は,流量

計計測流速値の読取りタイミングに留意する。 

− 現場の流れは常に変動するものであり,ポータブル式流速計を使用して1回の平均流速値を得るまで

の時間が長ければ,その間の実際の流量の変動も大きなものとなるので,その間の流量計計測値の読

取り回数,流速計測ポイントの数(流水断面の分割数及び大きさ)などを合理的に判断する。 

− ポータブル式流速計は,検定を受けたものを使用する。 

ポータブル式流速計検定機関 

  国立研究開発法人土木研究所 

  株式会社セレス 

− ポータブル式流速計の検定精度は,河川用は±5 %,発電用は±1.5 %(ただし,0.1 m/s未満は±2.5 %)

であり,流速計試験成績書には,試験速度に対する個別の誤差が示されている。ポータブル式流速計

を使用するどのような平均流速測定においても,測定精度はその誤差を上回ることはない。これは,

受渡当事者間における精度認定に資するかどうかの判断材料を示すものである。 

 


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h

s

hs

 

 

 

V1〜Vn: 各計測点におけるポータブル式流速計計測値(nは計測点数)(m/s) 

 

VSAV: ポータブル式流速計計測値の平均(実測平均流速)(m/s) 

 

hs: 計測点水深(m) 

 

As: 計測点流れの断面積(m2) 

 

Qs: 計測点流量(m3/s) 

 

図G.1−点流速平均法による平均流速の測定 

 

 

図G.2−断面スキャン法による平均流速の測定 

 

G.2.5 河川砂防技術基準を参照した平均流速計算法 

河川砂防技術基準/調査編/第2章/第4節/4.5可搬式流速計による流速計測法(平成24年6月版/

国土交通省)では,平均流速は各流速測線上にある鉛直線上2点の流速を平均して計算することを標準と

している。 

流速の鉛直分布は,多くの水理実験に基づく研究があり,2点法はより少ない流速測点で平均流速を計

算する手法として,広く認知されている(図G.3参照)。 

測定方法については,標準法及び精密法が示されている。 

 


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水路幅W

0.1W〜0.15W

:2割水深
:6割水深
:8割水深

流速計測水深

 

図G.3−河川砂防技術基準に示された流速計測点の例 

 

標準法 

鉛直線上の流速測点は,水深の2割及び8割の位置である。水深が50 cm未満で,2割水深の流速計測

部が水面上に出る可能性があるときは,6割水深だけの1点法を採用することもある。 

各測点における流速は,有効な計測を2回行い,計測値間に目安として10 %以上の相違があれば,計測

を1回追加し,相違の少ない方の計測値間の平均値を当てる。 

流速測線間隔は,水路幅の10 %〜15 %(水路幅10 m以下の水路)とされている。 

精密法 

流速分布の不規則な乱れなどによって,標準法では精度を確保できないときは,精密法を使用すること

がある。 

精密法では,流速測線数を2倍にし,鉛直上の流速測点数を水深2 m以上では20 cm間隔を下限値とし

て10点以上,水深2 m未満では10点以内を目安にして,できる限り多くの測点で計測する。 

 

G.3 

基準流量放出による排水流量計計測精度の確認 

現場に設置された小口径のP.B.フリューム又は面速式流量計の計測精度を確認する手段として,排水流

量計位置の上流側人孔で止水するなど,流量計を通過する水をなくした状態で,給水タンク車から標準流

量計(水道メーター,電磁流量計など)を通して水路に水を流し,標準流量計流量と排水流量計流量とを

比較して計測精度を確認する方法などもある。 

 

G.4 

面速式流量計計測不能域での流量特性延長(Q1以下のときのH-Q演算式の補正) 

取引に使用される排水流量計は,計測値が直接取引料金の算定に関わるので,できる限り欠測させたく

ないという場合がある。特に,面速式流量計では流速の検出ができないときに欠測するので,欠測させた

くないときには,マニング公式を使用した流量で代用させることがある。 

面速式流量計での計測は,水路の流速を検出できるだけの水深が必要である。流れの水深がこれ以下に

なったとき,流量を連続的に出力させるためにH-Q演算式(マニング公式を使用するものが多い。)に切

り替えることがある。H-Q演算式とは,水路の水深hを計測し,hから平均流速公式(マニング公式等)

を使用して流れの平均流速Vを算出,平均流速Vにhから演算される流れの断面積Aを乗じ,流量Q=V・


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Aとして流量を演算する方式である。水深hの関数として,一義的に流量Qが求められる。 

マニング公式のパラメータとなる水路勾配,粗度係数などの値は実際と大きく異なることもあり,流量

出力の連続性にも問題が発生する。流量演算切替わり時の流量出力の連続性を向上させるため,マニング

公式の補正手段について記載する。ただし,マニング公式による流量計測の精度を保証するものではない。 

マニング公式とは,水路の平均流速を求めるもので,次のとおりである(図G.4参照)。 

VAV=1/n・i1/2・R2/3  (G.1) 

Q=VAV・A  (G.2) 

ここに, VAV: 平均流速(m) 
 

n: 粗度係数(コンクリートの管では一般に0.013) 

 

i: 水路の動水勾配 

 

R: 径深(m) R=A/P 

 

A: 流水断面積(m2) A=f(h) 

 

P: 潤辺長(m) 

 

h: 水深(m) 

 

Q: 流量(m3/s) 

 

 

図G.4−マニング公式のパラメータ 

 

式(G.1)のうち,計測点で確実な情報として得られるのは,水深hの関数である径深Rだけであり,特に

粗度係数nについては全く不明であることが多い。このため,粗度係数n及び勾配iが含まれる項をまと

めてKとおき,式(G.3)に置き換える。 

VAV = K・R2/3  (G.3) 

径深Rは,水深hを計測することによって,算術計算することができる。ポータブル式流速計で水路の

平均流速VAVを実測して得ることができれば,Kを決定することができる。実際には粗度係数n及び勾配

iの項の演算結果がKになるようにn及びiを設定する[面速式流量計設置後にマニング公式の補正をする

場合,流量計の計測値(平均流速及び水深)からKを求めることもできる。]。 

 

G.5 

保守 

排水流量計の設置環境による検出端への異物の付着,計測水路への汚泥堆積,部品の経年劣化などによ

って,計測精度に影響が出ることがある。現場での計測精度を保つためには保守が必要であり,年1回以

上の頻度で行うことを推奨する。 

保守の内容例 

− 計測水路及び検出端の清掃 

− 検出端設置状況の確認 


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− 計測水深の補正 

− 流速係数の確認 

− 出力信号の校正 

− 対向試験(データ伝送の場合) 

− 部品取付状態の確認 

− 部品腐食状態の確認 

− 消耗品の交換 

− その他 

 


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附属書H 
(参考) 

封印の範囲 

 

H.1 一般 

この附属書は,排水流量計の封印の範囲例を示すものである。 

 

H.2 封印の範囲 

図H.1に,封印の範囲例を示す。 

 

設定操作部

設定情報

バックアップデータ

(推奨)

リアルタイムクロック

積算体積値

瞬時流量値

瞬時水位値

瞬時流速値

設定基本情報

データロガー

記録計

伝送装置

流量監視システム

計測値表示
積算値表示
演算
データ記録
帳票作成
警報表示
編集

水位(/流速)センサ

使用者による表示切替

メーカーによる封印

(設定・精度に関する部分)

使用者による維持管理

使用者による管理・運営

使用者による簡易な維持管理

排水流量計

監査証跡

 

 設定操作部:操作項目選択,設定値の変更など 

リアルタイムクロック:介入情報,バックアップデータ,イベントの時刻情報など 
設定情報:水路形状,出力信号,演算パラメータ,各種係数情報など 
監査証跡:日時,介入者,内容を追跡するために時系列に沿って保存された記録など。 
     過去5年分保持 
バックアップデータ:少なくとも24時間ごとに積算体積値を記録,過去5年分保持 
 

図H.1−封印の範囲(例) 

 


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参考文献 

JIS B 7554 電磁流量計 

JIS C 60068-2-1 環境試験方法−電気・電子−第2-1部:低温(耐寒性)試験方法(試験記号:A) 

JIS C 60068-2-2 環境試験方法−電気・電子−第2-2部:高温(耐熱性)試験方法(試験記号:B) 

JIS C 60068-2-30 環境試験方法−電気・電子−第2-30部:温湿度サイクル(12+12時間サイクル)試

験方法(試験記号:Db) 

JIS C 61000-4-2 電磁両立性−第4-2部:試験及び測定技術−静電気放電イミュニティ試験 

JIS C 61000-4-3 電磁両立性−第4-3部:試験及び測定技術−放射無線周波電磁界イミュニティ試験 

JIS C 61000-4-4 電磁両立性−第4-4部:試験及び測定技術−電気的ファストトランジェント/バース

トイミュニティ試験 

JIS C 61000-4-5 電磁両立性−第4-5部:試験及び測定技術−サージイミュニティ試験 

JIS C 61000-4-11 電磁両立性−第4-11部:試験及び測定技術−電圧ディップ,短時間停電及び電圧変

動に対するイミュニティ試験 

JIS Q 17025 試験所及び校正機関の能力に関する一般要求事項