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B 7556

:2016

(1)

目  次

ページ

1

  適用範囲 

1

2

  引用規格 

1

3

  用語及び定義  

1

4

  設備  

4

4.1

  構成  

4

4.2

  要件  

5

4.3

  機能  

6

4.4

  試験気体の供給方式  

7

5

  校正  

7

5.1

  一般  

7

5.2

  気体の密度の計算方法  

9

5.3

  不確かさの計算の共通項目  

10

5.4

  校正方法及び校正値の不確かさの計算  

11

5.5

  繰返し測定の評価方法と有効自由度との考え方  

22

5.6

  第三者認定を受けた校正事業者による校正  

23

5.7

  校正結果の報告  

23

6

  器差試験 

24

6.1

  器差試験設備の機能  

24

6.2

  器差試験の手順  

24

6.3

  器差の計算の共通項目  

25

6.4

  器差試験方法及び器差の計算  

27

附属書 A(参考)流量計の補正係数とレイノルズ数との関係  

35

附属書 B(参考)有効自由度の取扱い事例  

37


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まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,国立研究開発法人

産業技術総合研究所(AIST)及び一般社団法人日本計量機器工業連合会(JMIF)から,工業標準原案を具

して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正

した日本工業規格である。

これによって,JIS B 7556:2008 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 B

7556

:2016

気体用流量計の校正及び器差試験

Calibration and proving test for gas flowmeter

適用範囲 

この規格は,気体用流量計に対して計量トレーサビリティのとれた校正値及びその不確かさを求めるた

めの校正方法,並びに気体用流量計の器差を求めるための試験方法について規定する。

この規格の校正・器差試験を行う環境条件は,大気圧,常温及び常湿とする。また,試験気体は,常温

で乾燥状態から常湿の湿度をもつ空気とする。ただし,校正・器差試験を行う流量範囲及び被試験流量計

に流入する気体の圧力に関しては規定しない。また,標準流量計に供給される試験気体の圧力が校正証明

書に記載された圧力を超える場合は,この規格の適用外である。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS B 7505-1

  アネロイド型圧力計−第 1 部:ブルドン管圧力計

JIS B 7551

  フロート形面積流量計

JIS Q 17025

  試験所及び校正機関の能力に関する一般要求事項

JIS Z 8103

  計測用語

JIS Z 8762-1

  円形管路の絞り機構による流量測定方法−第 1 部:一般原理及び要求事項

JIS Z 8762-2

  円形管路の絞り機構による流量測定方法−第 2 部:オリフィス板

JIS Z 8762-3

  円形管路の絞り機構による流量測定方法−第 3 部:ノズル及びノズル形ベンチュリ管

JIS Z 8762-4

  円形管路の絞り機構による流量測定方法−第 4 部:円すい形ベンチュリ管

JIS Z 8766

  渦流量計−流量測定方法

ISO/IEC Guide 99

,International vocabulary of metrology−Basic and general concepts and associated terms

(VIM)

注記  ISO/IEC Guide 99 に対応する標準情報として,TS Z 0032  国際計量計測用語−基本及び一般

概念並びに関連用語(VIM)がある。

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次によるほか JIS Z 8103 及び ISO/IEC Guide 99 による。

3.1

気体用流量計(gas flowmeter)

管路内を流れる気体の質量流量,体積流量又は積算体積を測定するための計測器。この規格では,全て

の測定原理に基づく流量計を対象とする。


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3.2

偏差(器差)(measurement error)

標準流量計と被試験流量計とに同一の流量を流し,このときの被試験流量計の指示値から標準流量計の

指示値を引いた値を,標準流量計の指示値に対する百分率(%)で表した値。

3.3

不確かさ(uncertainty)

測定の結果に付随した,合理的に測定量に結び付けられ得る値のばらつきを特徴付けるパラメータ。測

定された結果がどの程度確かなのかを示す指標で,計量トレーサビリティが確保できていることを証明す

るものでもある。

3.4

計量トレーサビリティ(metrological traceability)

不確かさが全て表記された切れ目のない校正の連鎖を通じて,通常は,国家標準又は国際標準で決めら

れた標準に関連付けられ得る測定結果又は標準の値の性質。

3.5

校正(calibration)

上位の標準(この規格では,標準流量計)を用いて,被試験流量計の K ファクタ,流出係数,補正係数

又は偏差(器差)

,及びその不確かさを求める作業。

3.6

器差試験(proving test)

標準流量計の流量値と被試験流量計の指示値との偏差(器差)を求める作業。偏差(器差)から合否を

判定する作業で,不確かさは付与しない。

3.7

流量値(flow rate)

流量計の表示する値及びその値をある状態へ換算するなどして得られた値。

3.8

標準器(measurement standard)

気体用流量計の校正・器差試験を行うときに用いられ,基準となる値を発生するもの。校正においては,

標準流量計が用いられる。また,器差試験においては,流量計,体積管のいずれかが用いられる。

3.9

標準流量計(standard flowmeter)

校正・器差試験における流量値の標準値を与える参照標準として用いられ,公的機関又は JCSS(計量法

校正事業者登録制度)登録校正事業者(以下,

“JCSS 校正事業者”という。

)が発行する校正・試験の流量

値の不確かさを明記した校正証明書又は試験報告書を備えている流量計。

3.10

被試験流量計(device under test)

流量値又はそれに関係する量を与える校正・器差試験の対象になる流量計。

3.11

質量流量(mass flow rate)

管路内を流れる気体の単位時間当たりの質量。


3

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3.12

体積流量(volume flow rate)

管路内を流れる気体の単位時間当たりの体積。

3.13

積算体積(integrated volume)

管路内を流れる気体の体積の累計値。

3.14

標準状態(standard condition)

異なる条件の下での測定結果を,同一の条件の下での結果として比較できるようにするために取り決め

た,基準として用いる測定条件(

例  20  ℃,1 気圧など)。

3.15

流量発生装置(gas flow generator)

圧縮機,真空ポンプ,ブロワ,高圧タンク,ガスボンベなど,試験配管内に必要とされる流量を発生さ

せる装置。

3.16

整流装置(flow straightener)

流体の旋回流,偏流及び縮流を消滅又は減少させ,流量計の特性に及ぼす悪影響を少なくするために流

量計の上流側(流入側)に設置し,流れを整える装置。構造例として,管状式,多孔板式,ベン式などが

ある。

3.17

流量調整器(flow rate regulator)

試験配管内を流れる流量を調整する機器で,ボールバルブ,ニードルバルブなどを流量発生装置と試験

装置との間に組み込み,試験配管内を流れる流量を任意に調整でき,かつ,安定的に一定に保つ機構をも

つもの。

3.18

圧力調整器(pressure regulator)

校正・試験における管路内の試験気体の圧力をあらかじめ与えられた設定値に維持するための機器。

3.19

遮断弁(shutoff valve)

試験配管の流れを完全に遮断する機器。流れの方向の制限はない。

3.20

温差補正計(temperature compensator for percent scale)

気体の温度膨張補正を近似的に行うために,0  ℃を基準として,27.3  ℃で 10 %になるように目盛付け

された温度計。

3.21

補正係数(correction coefficient)

標準流量計の流量値と被試験流量計の指示する値とを結び付ける係数で,校正によって決定される。

3.22

臨界ノズル(critical nozzle)

スロート部における流速が臨界に達した状態で用いるのに適した形状のノズルで,臨界状態で用いるも


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の。音速ノズルとも呼ばれる(JIS Z 8767 参照)

3.23

流出係数(discharge coefficient)

臨界ノズルを実際に通過するときの質量流量と,臨界ノズルのスロート部の条件から計算される理論質

量流量との比。

3.24

繰返し性(repeatability)

校正・器差試験の条件を固定して測定を繰返し,得られた複数個の流量値のばらつきを,繰返し性とい

う。流量計の場合,流れ場の影響によって,通常,指示値は変動する。したがって,この規格では,一定

時間の計測中に得られたデータの平均値を,その条件における 1 回の測定とする。

3.25

K

ファクタ(K factor)

パルス出力形の流量計が出力するパルスの周波数を,流量計を通過する流量で除した値。

注記  通常,体積流量に対しては pulse/L,質量流量に対しては pulse/kg の単位が用いられる。

設備 

4.1 

構成 

4.1.1 

一般 

校正・器差試験のための設備は,標準流量計,被試験流量計,流量発生装置,流量調整器,圧力調整器

及びこれらを接続する配管,バルブ類並びに圧力計,気圧計,温度計,湿度計などの測定器,必要に応じ

て整流部,熱交換器などの機器から構成する。接続に用いる配管には変形しない材質を用い,流れによる

配管の共振及び流れが滞留する部分がないような形状とする。

4.1.2 

標準流量計 

公的機関又は JCSS 校正事業者が発行する校正・試験の流量値の不確かさを明記した校正証明書又は試

験報告書を備えている場合,どのような流量計も標準流量計として使用することができる。

4.1.3 

流量発生装置 

ブロワ,吸引ポンプ,真空ポンプなどによって,試験装置に流量を発生させる装置であって,できるだ

け定常流量を安定して発生できるようにする。また,コンプレッサなどのように,流量発生装置を試験装

置の上流側に接続する場合には,連続運転による試験気体の温度上昇をできるだけ小さくする工夫が必要

である。

4.1.4 

流量調整器 

試験配管内に流れる流量を調整するもので,ボールバルブ,ニードルバルブなどを流量発生装置と試験

装置との間に組み込み,試験配管内に流れる流量を任意に調整でき,安定的,かつ,一定に保つ機構をも

つもの。

4.1.5 

圧力調整器 

校正・器差試験における管路内の試験気体の圧力変動を抑え,あらかじめ与えられた設定値に維持する

ための機器である。また,供給圧力と使用圧力との比率によって圧力の安定が得られない場合,又は流量

発生装置の脈動の影響を受けるような場合には,流量発生装置と試験装置との間に,試験流量に対して十

分な容量をもったバッファタンクを用いて,圧力を安定した状態にする。


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4.1.6 

圧力計 

流量の算出に用いる標準流量計及び被試験流量計の上流側に設置される圧力計は,JCSS 校正事業者など

で校正された計量トレーサビリティのとれたものを使用するか又は計量トレーサビリティのとれた圧力計

と比較校正を行い,不確かさを評価して使用してもよい。圧力計は,試験装置の構成によって絶対圧計又

はゲージ圧計を選択する。また,標準流量計及び被試験流量計のそれぞれの前後の圧力差によるか又は大

気圧との差を求める差圧計を用いてもよい。

4.1.7 

気圧計 

環境条件を特定するために使用し,かつ,その値を流量値の補正及び換算に使用しない場合は,計量ト

レーサビリティがとられていなくてもよい。

しかし,

その値を用いて流量値の補正及び換算をする場合は,

計量トレーサビリティのとれたものを使用しなければならない。

4.1.8 

温度計 

標準流量計及び被試験流量計の流量値の算出に用いられる温度計は,JCSS 校正事業者などで校正された

計量トレーサビリティのとれたものを使用する,又は計量トレーサビリティのとれた温度計と比較校正を

行い,不確かさを評価して使用してもよい。

4.1.9 

湿度計 

環境条件を特定するために使用し,かつ,その値を流量値の補正に使用しない場合は,計量トレーサビ

リティがとられていなくてもよい。しかし,その値を用いて流量値の水蒸気分圧の影響を計算するような

場合は,JCSS 校正事業者などで校正され,計量トレーサビリティのとれた不確かさの明確なものを使用し

なければならない。

4.2 

要件 

4.2.1 

標準流量計の校正 

標準流量計に対して,次のいずれかの方法で定期的な校正を行う。校正周期は,出力の経年変化が校正

の不確かさに比べて無視できる程度に設定する。標準流量計の校正に使用する試験気体は,被試験流量計

の校正で使用するものと同じ種類を通常とする。標準流量計の校正を行う流量範囲は,被試験流量計の校

正に使用する流量範囲を含む。

a) JCSS

校正事業者による登録範囲の校正,又は第三者によって JIS Q 17025 に適合していることを認定

された校正事業者が行う校正

b)

国立研究開発法人産業技術総合研究所による校正

注記  国立研究開発法人産業技術総合研究所又は都道府県が実施する基準器検査は,この規定に該

当しない。

c)

計量トレーサビリティのとれた流量計との比較校正

4.2.2 

直管長の影響 

標準流量計,被試験流量計共に,上流側及び下流側に十分な長さの直管を備える。流量計によっては,

その測定原理及び構造から流れに偏流などがあると直接的に流量値に影響するため,配管断面に対して均

等な流速分布になっている必要がある。このような流量計に対しては,流量計の上流側及び下流側にそれ

ぞれ推奨される直管長を確保する。直管の長さについて JIS などの規格に規定がある場合又は製造業者の

推奨値がある場合はそれに従う。それ以外の場合も,上流側及び下流側の流れ場の影響が,流量計測に影

響を与えない十分な直管長を確保する。十分な直管長を確保できない場合は,整流管などを用いて,流量

計に流入する流れ場をできるだけ均等なものにする。

注記 1  学術的には,流れ場のひずみがとれるために必要な直管長は,配管内径を として,50D


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100という数字が挙げられている。国家標準などの特殊な装置においては必要であるが,現

実的に意味のある数字ではない。

注記 2  直管長が十分でない場合は,流量計へ流入する流れ場の影響が強く残るおそれがあり,流量

計の種類によっては,その表示が正しくない場合がある。

4.2.3 

標準流量計と被試験流量計との間の管路の影響 

試験装置に取り付けられた標準流量計及び被試験流量計における流れの状態は,同じではなく,常に変

動している。試験装置を流れる試験気体の変動の影響が大きい場合には,標準流量計及び被試験流量計に

流れる流れの変動が一致しないことによって,不確かさが大きくなることがある。したがって,余分な配

管長さ及び滞留する部分,いわゆるデッドスペースは,二つの流量計が相互に影響を及ぼさない限りでき

るだけ小さくする必要がある。

4.2.4 

流量計の取付け姿勢の影響 

流量値の計測に重力が関係するような流量計は,取付け姿勢に制限がある。また,圧力計なども受圧構

造によって重力の影響を受けるため,取付け姿勢が制限される。したがって,標準流量計,被試験流量計

及びその他試験装置構成機器の取付け姿勢は,使用する流量計及び機器の規格,取扱説明書に従う。

4.2.5 

圧力計・温度計・湿度計の取付け位置 

標準流量計及び被試験流量計を流れる試験気体の圧力及び温度を測定するための圧力計及び温度計を備

える。ただし,標準流量計と被試験流量計との間で試験気体の密度が変化しないとみなされる場合は,校

正設備の適切な 1 か所に温度計を備えるだけでよい。一般的に,圧力計及び温度計は,標準流量計又は被

試験流量計の上流側配管に取り付ける。ただし,温度計は流れを乱すおそれがあるので,流れの乱れが流

量計の流量値に影響を与えるような場合は,流量計の下流側に取り付けてもよい。温度計は,外気温の影

響を小さくするため十分な挿入長をとる。湿度計を配管内部に挿入して湿度を測る場合は,センサ部が結

露しないように注意する。いずれにおいても,取付け位置の判断に困る場合には,それぞれの流量計の規

格及び取扱説明書に従う。

4.2.6 

流量発生装置の取付け位置 

流量発生装置の接続位置は,圧縮機,ブロワなどを用いて試験気体を試験装置に供給する場合には,試

験装置の最も上流側に,吸引ポンプ,真空ポンプなどによって試験装置に試験気体を吸い込む場合には,

試験装置の最も下流側に接続して使用する。

4.2.7 

校正実施中及び試験実施中の環境条件 

試験装置を設置した場所の環境条件(温度,湿度及び気圧)が被試験流量計の校正結果及び試験結果に

影響する度合いを把握し,校正における環境条件の管理限界を決めておく。校正における環境条件を記録

として残し,校正証明書及び試験報告書にその結果を記載する。

4.3 

機能 

設備の機能は,次の機能をもつものでなければならない。

a)

被試験流量計に応じて,所定の体積又は質量の試験気体を,所定の流量で流すことができる。

b)

校正・器差試験結果に影響を及ぼすような流量変動がなく,安定した流量が得られる。

c)

校正・器差試験結果に影響を及ぼすような配管などの振動,流れの脈流,旋回流又は偏流が生じるお

それがない。

d)

校正・器差試験結果に影響を及ぼすような試験気体の温度変化が生じるおそれがない。特に,被試験

流量計,標準器及びその間の配管において,極端な温度変化が生じないように配慮されている。

e)

被試験流量計,標準器及びその間の配管から試験気体が漏れ出たり,枝管などから試験気体が流入し


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たりするおそれがない。

f)

試験設備は,標準流量計の前後の配管,レイアウトなどを含めて,流れ場の定常状態を維持でき,か

つ,被試験流量計の交換が容易で再現よく取付けができる。

4.4 

試験気体の供給方式 

4.4.1 

押込み方式 

この方式は,流量発生装置として圧縮機,ブロワ,高圧ガス容器などを試験装置の上流側に設置する方

法である(

図 参照)。この方式は,全ての流量計に対して適用することができ,一般的に用いられる方

法であるが,流量発生装置からの脈動の影響を受けやすい。また,試験気体が温度変化(上昇)しやすい。

流量発生装置と試験装置との間に試験気体の圧力を調節するための圧力調整器(レギュレータ)及び流量

を調節するための流量調整器を介して試験装置に供給する。供給された試験気体が,配管系の流量調整器

の性能,試験流量などの各要素によって安定性が得られない場合は,流量調整器と標準流量計との間にバ

ッファタンクを設けるとよい。

図 1−試験気体の供給方法(押込み方式) 

4.4.2 

吸込み方式 

この方式は,流量発生装置として吸引ポンプ又は真空ポンプを用いる方法で,流量調整器を流量発生装

置と試験装置との間に設けることで,流量発生装置の脈動などは抑えやすく安定した流れを作り出せる方

法である。この方式は,大気圧近傍における校正・器差試験に用いる。また,試験気体の温度が変化しに

くい。この方式では,被試験流量計の下流側が負圧状態になることがある。その状態を避けるためには,

図 のように流量調整器を利用して,被試験流量計の下流側の負圧状態を緩和することができる。

図 2−試験気体の供給方法(吸込み方式) 

校正 

5.1 

一般 

5.1.1 

校正の種類 

校正は,標準流量計及び被試験流量計の種類,並びに出力形式によって区分する。

5.1.2 

校正の手順 

校正は,次の手順で行う。

a)

標準流量計及び被試験流量計の取付け方法  被試験流量計を標準流量計と干渉しない十分な間隔を


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あけて校正設備に取り付ける。取付け姿勢及び取付け方向の表記があるものは,その指示に従う。

b)

気密の点検  被試験流量計の取付部又はその他の管路に漏れがないことを気密試験にて確認する。気

密試験は,減圧条件又は加圧条件のいずれでも構わないが,実際の校正の状態に近い方で行う。

c)

慣らし運転  試験条件を安定させるため,被試験流量計の最大流量に近い流量(標準流量計の最大流

量がそれ以下の場合はその流量)で試験気体を流して,管路及び流量計の温度と試験気体の温度とが

十分平衡状態になるまで,また,機械的機構をもつ流量計では,機械的機構が流れに対して十分なじ

むまで慣らし運転を行う。このとき被試験流量計の信号が確実に取り込まれていること,設備に異常

がないことを確認する。

d)

測定開始  測定を開始する。ある流量での測定が完了し,他の流量点での測定を行う場合は,c)  に従

い,温度の安定を確認した後に次の測定を開始する。

e)

校正流量点  校正の流量は,少なくとも被試験流量計の使用流量値を挟む 2 点において,校正を行う。

使用流量範囲が広い場合は,

その範囲に応じて校正の点数を増やす。

校正を行うべき流量値の点数は,

流量計の特性及び求められる不確かさに依存して決められなければならない。

f)

校正の測定回数  校正では,1 流量について同一条件において 5 回以上繰返し測定を行い,繰返し性

を確認しなければならない。被試験流量計の特性が既知である場合はこの限りでないが,既知の繰返

し性に関するデータがない場合は,繰返し測定を行ってその繰返し性を調べなければならない。

g)

温度測定  標準流量計及び被試験流量計を通過する気体の温度測定は,1 流量に対する 1 回の試験に

おいて各々の流量計の定められた場所で校正の間,連続して記録する。それができない場合は,測定

中,温度計の値を監視し,指示値の最大値及び最小値を基にした平均値を求める。

h)

湿度測定  気体の湿度は,1 流量に対する 1 回の試験の前後での測定値を使用してもよいが,1 回の試

験の前後で測定してその平均値を使用することが望ましい。

i)

圧力測定  標準流量計及び被試験流量計を通過する気体の圧力測定は,1 流量に対する 1 回の試験に

おいて,各々の流量計の定められた場所で,校正の間,連続して記録する。それができない場合は,

測定中,圧力計の値を監視し,指示値の最大値及び最小値を基にした平均値を求める。

j)

差圧測定  各試験流量における標準流量計及び被試験流量計の上流側及び下流側における圧力差(差

圧)の測定を必要に応じて行う。

k)

配管内の脈動確認  回転子式流量計,渦式流量計,超音波式流量計などは脈動流の影響を受けやすい

ため,あらかじめ配管内に発生している圧力の脈動の大きさ,又は脈動周波数の被試験流量計への影

響を評価しておかなければならない。被試験流量計が脈動の影響を受けやすい場合は,校正結果及び

試験結果に影響を与えないように防止策を講じなければならない。

l)

整流装置  標準流量計及び被試験流量計の各々の上流側直管長を十分にとり,必要なら整流装置を設

置し,管路内の流速分布が流量計の出力に影響しない程度に整流されていることを確認する。

m)

流量調整器及び圧力調整器  流量調整器及び圧力調整器は,標準流量計及び被試験流量計への影響が

できるだけないような設置場所を選択する。

n)

圧力計のゼロ点チェック  校正結果及び試験結果に影響を与える圧力計のゼロ点のチェックを,測定

前又は必要に応じて行う。

注記 1  絶対圧力計のゼロ点は,ゼロ点調整を行わずにゼロ点の変化分を補正する方が望ましい。

注記 2  ゲージ圧計及び差圧計のゼロ点は,大気解放にして確認し,変化分を補正するか,又はゼ

ロ点調整を行う。


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5.2 

気体の密度の計算方法 

5.2.1 

一般 

標準流量計及び被試験流量計の指示する体積流量又は積算体積を比較するには,標準状態又はいずれか

の流量計の状態に合わせる必要がある。そのためには,それぞれの校正状態及び試験状態における密度の

値が必要である。気体の密度は,圧力,温度及び湿度の計測値から気体の状態方程式を用いて計算する。

この規格内で密度の値を必要とする場合は,5.2.2 及び 5.2.3 に示す式を用いる。

5.2.2 

湿分を含んだ空気の場合 

湿空気の密度 ρ

wet

[単位:キログラム毎立方メートル(kg/m

3

]は,絶対圧力 P[単位:パスカル(Pa)

絶対温度 T[単位:ケルビン(K)

,相対湿度 H[単位:パーセント(%)

]を用いて,次のように計算す

る。

水蒸気のモル分率 χ は,式(1)によって求める。

P

P

H

f

χ

SV

100

=

  (1)

ここに,式

(1)

f

は分圧係数で,式

(2)

によって求める。

f

1.000 62

3.14

×

10

8

×

P

5.6

×

10

7

×

(T

273.15)

2

  (2)

さらに,式

(1)

P

SV

[単位:パスカル(

Pa

]は飽和蒸気圧で,式

(3)

によって求める。

T

T

T

P

1

631

.

353

6

34

260

049

.

34

874

509

019

.

0

10

5

180

281

.

1

)

ln(

2

5

SV

+

×

×

×

=

  (3)

(2)

及び式

(3)

から計算された値を,式

(1)

に代入して得られたモル分率

χ

を用いれば,湿分を含んだ空気

のモル質量

N

g,wet

は,式

(4)

によって求める。

N

g,wet

(1

χ)N

g,dry

χN

g,vap

  (4)

ここに,

N

g,dry

乾燥空気のモル質量

0.028 963 4

kg/mol

N

g,vap

飽和蒸気のモル質量

0.018 015

kg/mol

(4)

を用いて,湿空気の密度

ρ

wet

は,気体の状態方程式から,式

(5)

によって求める。

T

P

N

ρ

=

wet

g,

wet

  (5)

ここに,

ℜ: 普遍気体定数

8.314 51

J/(K

mol)

ρ

wet

の相対標準不確かさは,式

(6)

によって求める。

( )

( )

( )

2

2

wet

wet

+

=

T

T

u

P

P

u

ρ

ρ

u

  (6)

ここに,

u

(P)

及び

u

(T)

は,それぞれ絶対圧力及び絶対温度の測定値の標準不確かさである。

注記

  N

g,wet

及び

P

sv

の不確かさは十分小さいので,ここでは考慮しない。

5.2.3 

乾燥空気の場合 

乾燥空気の密度

ρ

dry

[単位:キログラム毎立方メートル(

kg/m

3

]は,相対湿度

H

0 (%)

なので,式

(1)

χ

0

である。したがって,式

(5)

は,式

(7)

となる。

T

P

N

ρ

=

dry

g,

dry

  (7)

ρ

dry

の相対標準不確かさは,式

(8)

によって求める。


10

B 7556

:2016

2

2

dry

dry

)

(

)

(

)

(

+

=

T

T

u

P

P

u

ρ

ρ

u

   (8)

注記

(7)

は,式

(5)

の特殊な場合である。

5.3 

不確かさの計算の共通項目 

5.3.1 

一般 

校正される被試験流量計の指示する流量値の不確かさ要因,及び不確かさの計算方法は,被試験流量計

の出力形式に大きく依存する。一方で,校正に使用される標準流量計の流量値の不確かさ及び校正時の流

量値の不確かさに影響を与える圧力・温度・湿度の測定値の不確かさは,全てに共通する要因である。こ

こでは,これら共通する項目についての不確かさの計算方法の考え方を示す。

5.3.2 

標準流量計の流量値の不確かさ 

標準流量計の流量値の不確かさの要因は,次による。

a)

校正証明書に記載された不確かさ

校正証明書に記載された拡張不確かさ(包含係数

k

)を

U

0

b)

試験気体の変動に伴う流量計指示値のばらつき

校正中の流れの変動に伴う指示値のばらつき(標準偏差)を

σ

1

さらに,標準流量計を校正証明書に記載された流量範囲内の任意の流量点で測定する場合は,次に

よる。

c)

補間関数を使用する場合の不確かさ

校正証明書に記載された複数の流量値をもとに決定した補間関数を使用する場合は,校正証明書に

記載された流量値と補間関数から得られた流量値との差,残差の標準偏差を求める。

決定された補間関数から得られた値と記載された値との残差の標準偏差を

σ

2

以上から,標準流量計の流量値の標準不確かさ

u

は,式

(9)

によって求める。

2

2

2

1

2

0

σ

σ

k

U

u

+

+

=

  (9)

校正証明書に記載された流量と同じ流量で標準流量計を使用するときは,第

3

項の

σ

2

は不要である。

注記

補間関数の選択によっては,残差を小さくすることが可能であるが,流量計の特性から考えて

不自然な関数形を使用しないのがよい。

5.3.3 

圧力・温度・湿度など測定値の不確かさ 

計測器による圧力・温度・湿度などの測定値の不確かさの要因は,次の a)

及び b)

である。

a)

計測器自身がもつ計測の不確かさ

1)

使用する計測器に校正証明書が付随している場合は,その値を使用する。

2)

校正証明書がない場合は,カタログにある精度を基に不確かさを推定する。

注記

2)

の場合は,計測器の計量トレーサビリティの確認,信頼ある方法での定期的に値の確認を

行うことが求められる。

b)

校正時及び試験時における流れ場の変動の影響  校正時及び試験時における圧力・温度・湿度などの

流れ場の変動の影響は,次のいずれかによって評価する。

1)

校正中及び試験中の上流側流れ場の情報を連続的に記録し,その標準偏差を流れ場の変動とする。

2)

校正中及び試験中の流れ場の変動の最大の振れ幅を目視で測定し,その半幅に

1/ 3

を乗じた値を流


11

B 7556

:2016

れ場の変動とする。

使用する計測器の拡張不確かさ(包含係数

k

)を

U

0

,測定中の流れ場の変動による不確かさを

σ

し,圧力・温度・湿度などの測定値の標準不確かさ

u

は,式

(10)

によって求める。

2

2

0

σ

k

U

u

+

=

(10)

使用する計測器のカタログに記載された精度等(

U

1

)を不確かさとして用いる場合は,式

(11)

を用いる。

ここでは,く(矩)形分布を仮定し

a

3

である。

2

2

1

σ

a

U

u

+

=

(11)

5.3.4 

その他の不確かさ要因 

その他の不確かさ要因の見積もり方法は,次による。

a)

流量計の校正に関して想定される不確かさとして最終的な標準不確かさに

0.1 %

を合成する。

不確かさの要因の例を,次に示す。

標準流量計の取扱いに伴う不確かさ

校正機器の管理状況から生じる不確かさ(例えば,4.2.44.2.54.2.6

デッドボリュームが校正結果に与える不確かさ(例えば,4.2.3

校正環境による不確かさ(例えば,4.2.24.2.7

b)

最小分解能又は指示値のばらつきに起因する標準不確かさ:

α

/2 3

α

は,最小分解能又は指示値のば

らつきの幅のうち大きい方)

c)

電圧又は電流出力に対して校正するときは,電圧測定又は電流測定の不確かさ。

d)

  u(f

S

)

(標準流量計のパルス周波数測定の標準不確かさ)は,周波数計の校正証明書に記載されている

標準不確かさに周波数計の経年変化を合成して求める。又は,周波数計の仕様から求める。

e)

  u(d)

及び

u

(D)

(絞り孔径及び管内径の標準不確かさ)は,測定方法及び測定寸法を考慮して見積もる。

ただし,絞り流量計を上流側配管及び下流側配管に装着したままで実流校正して使用する場合,これ

らの不確かさは

0

としてよい。

f)

  uP)

(差圧測定の標準不確かさ)は,差圧計の校正証明書に記載されている標準不確かさに差圧計の

周囲温度などによるドリフトを合成して求める。又は,差圧計の仕様から求める。

g)

  u(I)

及び

u

(I

S

)

(被試験流量計又は標準流量計のパルス計数の標準不確かさ)は,±

1

パルスの三角分布

として

u

(I)

u

(I

S

)

1/ 6

0.41

(パルス)である。ただし,いずれか一方のパルス(通常は,周波数の

低い側のパルス)に同期するようにゲート信号を発生させた場合は,同期しているパルスの計数の不

確かさは

0

としてよい。

5.4 

校正方法及び校正値の不確かさの計算 

5.4.1 

一般 

この規格で取り扱う標準流量計と被試験流量計との組合せ,及び校正値として得られる数値は,

表 

よる。表中で“−”で示されている組合せは,この規格で取り扱わない。


12

B 7556

:2016

表 1−標準流量計と被試験流量計との組合せ及び校正値 

標準流量計

被試験流量計

臨界ノズル

パルス出力

絞り流量計

その他

臨界ノズル

5.4.2.1 

流出係数 C

d

5.4.2.2 

K ファクタ K

f

5.4.2.3 

流出係数 C

d

5.4.2.4 

補正係数 C

f

5.4.2.5 

パルス出力

5.4.3.1 

流出係数 C

d

5.4.3.2 

K ファクタ K

f

5.4.3.3 

流出係数 C

d

5.4.3.4 

補正係数 C

f

5.4.3.5 

その他

補正係数 C

f

5.4.4 

表中に示した数字は,参照細分箇条番号を示す。

5.4.2 

標準流量計が臨界ノズルの場合 

5.4.2.1 

一般 

標準流量計が臨界ノズルの場合は,その流出係数

C

dS

の値及びその不確かさは,校正証明書に与えられ

ている。また,標準流量計の臨界ノズルから得られる質量流量

Q

mS

は,流出係数

C

dS

と,臨界ノズル上流

側絶対圧力

P

uS

と上流側絶対温度

T

uS

から計算される理論質量流量

Q

mthS

との積として,式

(12)

によって求

めることができる。

Q

mS

C

dS

Q

mthS

   (12)

ただし,

Q

mthS

は,式

(13)

で求める。

uS

g

uS

*

S

mthS

T

N

P

C

S

Q

=

   (13)

ここに,

Q

mS

標準流量計の質量流量(

kg/min

C

dS

標準流量計の流出係数

Q

mthS

標準流量計の理論質量流量(

kg/min

S

S

標準流量計のスロート断面積(

m

2

P

uS

標準流量計の上流側絶対圧力(

Pa

N

g

試験気体のモル質量(

kg/mol

T

uS

標準流量計の上流側絶対温度(

K

γ: 試験気体の比熱比

C

*

臨界係数

1

1

*

1

2

+





+

×

=

γ

γ

γ

γ

C

理論質量流量

Q

mthS

の相対標準不確かさは,絶対圧力及び絶対温度の相対標準不確かさを用いて,式

(14)

によって求める。

2

uS

uS

2

uS

uS

mthS

mthS

2

)

(

)

(

)

(





+





=

T

T

u

P

P

u

Q

Q

u

  (14)

標準流量計から得られる質量流量

Q

mS

の相対標準不確かさは,式

(15)

によって求める。

2

uS

uS

2

uS

uS

2

dS

dS

2

mthS

mthS

2

dS

dS

mS

mS

2

)

(

)

(

)

(

)

(

)

(

)

(





+





+





=





+





=

T

T

u

P

P

u

C

C

u

Q

Q

u

C

C

u

Q

Q

u

   (15)

(15)

を計算するのに必要な要因は,

表 による。


13

B 7556

:2016

表 2−標準流量計が臨界ノズルの場合,その質量流量 Q

mS

 

相対標準不確かさの計算に必要な不確かさ要因及びその求め方 

不確かさ要因

求め方

dS

dS

)

(

C

C

u

標準流量計の校正証明書

uS

uS

)

(

P

P

u

標準流量計の上流側絶対圧力測定値及びその不確かさ式(10)又は式(11)

uS

uS

)

(

T

T

u

標準流量計の上流側絶対温度測定値及びその不確かさ式(10)又は式(11)

臨界係数 C

*

は,理想気体と実在気体とでは異なるが,この規格で取り扱う圧力及び温度の範囲

では,ガス種によらず全て理想気体として取り扱うことが可能である。したがって,ここでは,

理想気体の臨界係数を示す。

5.4.2.2 

臨界ノズルを校正する場合 

標準流量計が臨界ノズルで,臨界ノズルを校正する場合,校正値は流出係数

C

d

で表される。

図 に校正

装置の構成の概略図を示す。

図 3−標準流量計が臨界ノズルで臨界ノズルを校正する場合の装置の構成概略図 

流出係数

C

d

は,式

(16)

によって求める。

mth

mS

d

Q

Q

C

=

  (16)

ただし,

Q

mth

は,式

(17)

で求める。

u

g

u

*

mth

T

N

P

C

S

Q

=

  (17)

ここに,

C

d

被試験流量計の流出係数

Q

mth

: 被試験流量計の理論質量流量(

kg/min

S

被試験流量計のスロート断面積(

m

2

P

u

被試験流量計の上流側絶対圧力(

Pa

T

u

被試験流量計の上流側絶対温度(

K

(16)

から求められた被試験流量計である臨界ノズルの流出係数

C

d

の相対標準不確かさは,式

(18)

によ

って求める。

2

mth

mth

2

mS

mS

d

d

)

(

)

(

)

(





+





=

Q

Q

u

Q

Q

u

C

C

u

   (18)

被試験流量計の理論質量流量

Q

mth

の相対標準不確かさは,式

(19)

によって求める。

2

u

u

2

u

u

mth

mth

2

)

(

)

(

)

(





+





=

T

T

u

P

P

u

Q

Q

u

  (19)


14

B 7556

:2016

したがって,最終的に流出係数

C

d

の不確かさは,式

(20)

によって求める。

2

u

u

2

u

u

2

mS

mS

d

d

2

)

(

)

(

)

(

)

(





+





+





=

T

T

u

P

P

u

Q

Q

u

C

C

u

  (20)

(20)

から被試験流量計である臨界ノズルの流出係数

C

d

の相対標準不確かさを求めるために必要な要因

は,

表 による。

表 3−被試験流量計が臨界ノズルの場合,その流出係数 C

d

 

相対標準不確かさの計算に必要な不確かさ要因及びその求め方 

不確かさ要因

求め方

mS

mS

)

(

Q

Q

u

式(15)

u

u

)

(

P

P

u

被試験流量計の上流側絶対圧力測定値及びその不確かさ式(10)又は式(11)

u

u

)

(

T

T

u

被試験流量計の上流側絶対温度測定値及びその不確かさ式(10)又は式(11)

5.4.2.3 

パルス出力をもつ流量計を校正する場合 

標準流量計が臨界ノズルで,パルス出力をもつ被試験流量計を校正する場合,

図 に示すように被試験

流量計の出力パルスはパルスカウンタに入力し,そのパルス数を測定する。校正値は,

K

ファクタ

K

f

で表

される。

図 4−標準流量計が臨界ノズルでパルス出力をもつ流量計を校正する場合の装置の構成概略図 

K

ファクタ

K

f

は,式

(21)

によって求める。

ρ

I

Q

K

000

1

1

mS

f

=

(21)

ただし,

Q

mS

は,式

(12)

で求める。

ここに,

K

f

被試験流量計の

K

ファクタ(

Pulse/L

I

パルスカウンタによって積算された被試験流量計の出力パル
スの数

ρ

被試験流量計内の試験気体の密度(

kg/m

3

(21)

から求められた

K

ファクタ

K

f

の相対標準不確かさは,式

(22)

によって求める。

2

2

2

mS

mS

f

f

)

(

)

(

)

(

)

(





+

+





=

ρ

ρ

u

I

I

u

Q

Q

u

K

K

u

   (22)

(22)

から被試験流量計であるパルス出力をもつ流量計の

K

ファクタ

K

f

の相対標準不確かさを求めるた

めに必要な要因は,

表 による。


15

B 7556

:2016

表 4−被試験流量計がパルス出力をもつ流量計の場合,その ファクタ K

f

 

相対標準不確かさの計算に必要な不確かさ要因及びその求め方 

不確かさ要因

求め方

mS

mS

)

(

Q

Q

u

式(15)

I

I

)

(

パルス計測の総パルス数及びその不確かさ

5.3.4 g) 

ρ

ρ

)

(

式(6)又は式(8)

5.4.2.4 

絞り流量計を校正する場合 

標準流量計が臨界ノズルで,オリフィス,ベンチュリ管などの絞り流量計を校正する場合,

図 に示す

ように絞り流量計の前後の圧力を測定し,その差圧から体積流量を計測する。校正値は,流出係数

C

d

で表

される。

図 では,差圧測定に二つの圧力計を用いているが,その代わりに差圧計を使用する場合は,管路の圧

力を測定するための圧力計が別途必要である。

絞り流量計の場合,通常,差圧測定は,絞り機構とは別に用意された圧力計を用いて行うので,それら

の圧力計は,計量トレーサビリティのとれた計測機器でなければならない。

図 では,流量を発生する方式として押込み式が描かれているが,吸込み式でも構成は同じである。

なお,絞り機構による流量計の詳細は,JIS Z 8762-1JIS Z 8762-4 による。

図 5−標準流量計が臨界ノズルで絞り流量計を校正する場合の装置の構成概略図 

被試験流量計である絞り流量計の流出係数

C

d

は,式

(23)

によって求める。

P

ρ

D

d

d

ρ

Q

C

Δ

2

1

π

4

4

2

mS

d

=

   (23)

ここに,

  Δ

P

絞り機構が発生する差圧

P

1

P

2

の時間平均値(

Pa

d

絞り孔径(

m

D

管内径(

m

(23)

から求められた流出係数

C

d

の相対標準不確かさは,式

(24)

によって求める。

2

2

2

D

2

d

2

mS

mS

d

d

2

)

(

Δ

2

)

Δ

(

)

(

)

(

)

(

)

(





+

+

+

+





=

ρ

ρ

u

P

P

u

D

D

u

ε

d

d

u

ε

Q

Q

u

C

C

u

 ····  (24)

ここに,

ε

d

及び

ε

D

は感度係数であり,式

(25)

及び式

(26)

によって求める。

4

d

1

2

=

D

d

ε

  (25)


16

B 7556

:2016

4

4

D

1

2

=

D

d

D

d

ε

   (26)

(24)

から被試験流量計である絞り流量計の流出係数

C

d

の相対標準不確かさを求めるために必要な要因

は,

表 による。

表 5−被試験流量計が絞り流量計の場合,その流出係数 C

d

 

相対標準不確かさの計算に必要な不確かさ要因及びその求め方 

不確かさ要因

求め方

mS

mS

)

(

Q

Q

u

式(15)

d

d

)

(

絞り孔径の不確かさ

5.3.4 e) 

D

D

u

)

(

管内径の不確かさ

5.3.4 e) 

P

P

u

Δ

)

Δ

(

差圧の時間平均及びその不確かさ

5.3.4 f) 

ρ

ρ

)

(

式(6)又は式(8)

5.4.2.5 

その他の被試験流量計を校正する場合 

標準流量計が臨界ノズルで,その他の出力形式をもつ被試験流量計を校正する場合,校正値は補正係数

C

f

とする。

補正係数

C

f

は,式

(27)

によって求める。

DUT

mS

f

Q

Q

C

=

   (27)

ここに,

  Q

DUT

被試験流量計からの出力の時間平均値

(27)

から求められた被試験流量計の補正係数

C

f

の相対標準不確かさは,式

(28)

によって求める。

2

DUT

DUT

2

mS

mS

f

f

)

(

)

(

)

(





+





=

Q

Q

u

Q

Q

u

C

C

u

  (28)

(28)

から被試験流量計の補正係数

C

f

の相対標準不確かさを求めるために必要な要因は,

表 による。

表 6−被試験流量計がその他の出力形式をもつ流量計の場合,その補正係数 C

f

 

相対標準不確かさの計算に必要な不確かさ要因及びその求め方 

不確かさ要因

求め方

mS

mS

)

(

Q

Q

u

式(15)

DUT

DUT

)

(

Q

Q

u

被試験流量計の出力及びその不確かさ

被試験流量計の出力 Q

DUT

は,その流量計の出力形式によって様々な単位をもつ。例えば,流量

で求められる場合もあるが,電流,電圧などのデジタル表示,目視による読み取りなどもある。


17

B 7556

:2016

5.4.3 

標準流量計がパルス出力をもつ流量計の場合 

5.4.3.1 

一般 

標準流量計がパルス出力をもつ場合は,その

K

ファクタ

K

fS

の値及びその不確かさは校正証明書に与え

られている。また,この標準流量計から質量流量を得るためには,流量計上流側絶対圧力

P

uS

と上流側絶

対温度

T

uS

とから密度を計算する必要がある。このとき,質量流量

Q

mS

は,次の式

(29)

から求められる。

S

fS

S

mS

000

1

ρ

K

f

Q

=

   (29)

ここに,

f

S

標準流量計が発生するパルスの周波数の時間平均値(

Hz

K

fS

標準流量計の

K

ファクタ(

Pulse/L

ρ

S

標準流量計内の試験気体の密度(

kg/m

したがって,標準流量計から得られる質量流量

Q

mS

の相対標準不確かさは,式

(30)

によって求める。

2

S

S

2

fS

fS

2

S

S

mS

mS

)

(

)

(

)

(

)

(





+





+





=

ρ

ρ

u

K

K

u

f

f

u

Q

Q

u

   (30)

(30)

を計算するのに必要な要因は,

表 による。

表 7−標準流量計がパルス出力をもつ流量計の場合,その質量流量 Q

mS

 

相対標準不確かさの計算に必要な不確かさ要因及びその求め方 

不確かさ要因

求め方

S

S

)

(

f

f

u

パルスの周波数の時間平均値及びその不確かさ

5.3.4 d) 

fS

fS

)

(

K

K

u

校正証明書

S

S

)

(

ρ

ρ

u

式(6)又は式(8)

5.4.3.2 

臨界ノズルを校正する場合 

パルス出力をもつ標準流量計で,臨界ノズルを校正する場合,

図 に示すように標準流量計の出力パル

スは周波数計に入力し,その周波数を測定する。

図 6−パルス出力をもつ標準流量計で臨界ノズルを校正する場合の装置の構成概略図 

校正値は,流出係数

C

d

で表される。

流出係数

C

d

は,式

(31)

によって求める。

mth

mS

d

Q

Q

C

=

  (31)

ただし,

Q

mth

は,式

(17)

で求める。

(31)

から被試験流量計である臨界ノズルの流出係数

C

d

の相対標準不確かさは,式

(32)

によって求める。


18

B 7556

:2016

2

mth

mth

2

mS

mS

d

d

)

(

)

(

)

(





+





=

Q

Q

u

Q

Q

u

C

C

u

   (32)

(33)

から被試験流量計の流出係数

C

d

の相対標準不確かさを求めるために必要な要因は,

表 による。

表 8−被試験流量計が臨界ノズルの場合,その流出係数 C

d

 

相対標準不確かさの計算に必要な不確かさ要因及びその求め方 

不確かさ要因

求め方

mS

mS

)

(

Q

Q

u

式(30)

mth

mth

)

(

Q

Q

u

式(19)

5.4.3.3 

パルス出力をもつ流量計を校正する場合 

パルス出力をもつ標準流量計で,パルス出力をもつ被試験流量計を校正する場合,

図 に示すように標

準流量計の出力パルスと被試験流量計の出力パルスとを積算する

2

台のカウンタは,同一のゲート信号で

積算の開始及び停止を行う。

図 7−パルス出力をもつ標準流量計でパルス出力をもつ被試験流量計を校正する場合の装置の構成概略図 

a)

標準流量計,被試験流量計が共に体積流量計の場合

標準流量計,被試験流量計が共に体積流量計の場合の校正値は,

K

ファクタ

K

f

で表され,式

(33)

よって求める。

fS

S

S

f

K

I

I

ρ

ρ

K

=

  (33)

(33)

から求められた

K

ファクタ

K

f

の相対標準不確かさは,式

(34)

によって求める。

2

2

2

S

S

2

S

S

2

fS

fS

f

f

)

(

)

(

)

(

)

(

)

(

)

(





+

+





+





+





=

ρ

ρ

u

I

I

u

ρ

ρ

u

I

I

u

K

K

u

K

K

u

  (34)

(34)

から被試験流量計であるパルス出力をもつ流量計の

K

ファクタ

K

f

の相対標準不確かさを求め

るために必要な要因は,

表 による。


19

B 7556

:2016

表 9−被試験流量計がパルス出力をもつ流量計の場合,その ファクタ K

f

 

相対標準不確かさの計算に必要な不確かさ要因及びその求め方 

不確かさ要因

求め方

fS

fS

)

(

K

K

u

校正証明書

S

S

)

(

I

I

u

標準流量計のパルス計測の総パルス数及びその不確かさ

5.3.4 g) 

S

S

)

(

ρ

ρ

u

式(6)又は式(8)

I

I

)

(

被試験流量計のパルス計測の総パルス数及びその不確かさ

5.3.4 g) 

ρ

ρ

)

(

式(6)又は式(8)

b)

標準流量計,被試験流量計が共に質量流量計の場合

標準流量計,被試験流量計が共に質量流量計の場合の校正値は,質量流量に関する

K

ファクタ

K

fm

で表され,次の式

(35)

によって求める。

fmS

S

fm

K

I

I

K

=

   (35)

ここに,

K

fm

被試験流量計の質量流量に関する

K

ファクタ(

Pulse/kg

K

fmS

: 標準流量計の質量流量に関する

K

ファクタ(

Pulse/kg

(35)

から求められた

K

ファクタ

K

fm

の相対標準不確かさは,次の式

(36)

によって求める。

2

2

S

S

2

fmS

fmS

fm

fm

)

(

)

(

)

(

)

(

+





+





=

I

I

u

I

I

u

K

K

u

K

K

u

  (36)

(36)

から標準流量計及び被試験流量計が共に質量流量計の場合の

K

ファクタ

K

fm

の相対標準不確

かさを求めるために必要な要因は,

表 10 による。

表 10−被試験流量計がパルス出力をもつ質量流量計の場合,その ファクタ K

fm

 

相対標準不確かさの計算に必要な不確かさ要因及びその求め方 

不確かさ要因

求め方

fmS

fmS

)

(

K

K

u

校正証明書

S

S

)

(

I

I

u

標準流量計のパルス計測の総パルス数及びその不確かさ

5.3.4 g) 

I

I

)

(

被試験流量計のパルス計測の総パルス数及びその不確かさ

5.3.4 g) 

c)

標準流量計が体積流量計,被試験流量計が質量流量計の場合

標準流量計が体積流量計で被試験流量計が質量流量計の場合の校正値は,質量流量に関する

K

ファ

クタ

K

fm

で表され,式

(37)

によって求める。

fS

S

fm

K

I

I

ρ

K

=

   (37)

(37)

から求められた

K

ファクタ

K

fm

の相対標準不確かさは,式

(38)

によって求める。


20

B 7556

:2016

2

2

2

S

S

2

fS

fS

f

f

)

(

)

(

)

(

)

(

)

(





+

+





+





=

ρ

ρ

u

I

I

u

I

I

u

K

K

u

K

K

u

  (38)

(38)

から被試験流量計であるパルス出力をもつ流量計の

K

ファクタ

K

fm

の相対標準不確かさを求

めるために必要な要因は,

表 11 による。

表 11−被試験流量計がパルス出力をもつ流量計の場合,その ファクタ K

fm

 

相対標準不確かさの計算に必要な不確かさ要因及びその求め方 

不確かさ要因

求め方

fS

fS

)

(

K

K

u

校正証明書

S

S

)

(

I

I

u

標準流量計のパルス計測の総パルス数及びその不確かさ

5.3.4 g) 

I

I

)

(

被試験流量計のパルス計測の総パルス数及びその不確かさ

5.3.4 g) 

ρ

ρ

)

(

式(6)又は式(8)

d)

標準流量計が質量流量計,被試験流量計が体積流量計の場合

標準流量計が質量流量計で被試験流量計が体積流量計の場合の校正値は,

K

ファクタ

K

f

で表され,

(39)

によって求める。

fmS

S

S

f

1

K

I

I

ρ

K

=

   (39)

(39)

から求められた

K

ファクタ

K

f

の相対標準不確かさは,式

(40)

によって求める。

2

2

S

S

2

S

S

2

fmS

fmS

f

f

)

(

)

(

)

(

)

(

)

(

+





+





+





=

I

I

u

ρ

ρ

u

I

I

u

K

K

u

K

K

u

   (40)

(40)

から被試験流量計であるパルス出力をもつ流量計の

K

ファクタ

K

f

の相対標準不確かさを求め

るために必要な要因は,

表 12 による。

表 12−被試験流量計がパルス出力をもつ流量計の場合,その ファクタ K

f

 

相対標準不確かさの計算に必要な不確かさ要因及びその求め方 

不確かさ要因

求め方

fmS

fmS

)

(

K

K

u

校正証明書

S

S

)

(

I

I

u

標準流量計のパルス計測の総パルス数及びその不確かさ

5.3.4 g) 

S

S

)

(

ρ

ρ

u

式(6)又は式(8)

I

I

)

(

被試験流量計のパルス計測の総パルス数及びその不確かさ

5.3.4 g) 

標準流量計がパルス出力をもつ流量計でパルス出力をもつ被試験流量計を校正する場合,式

(33),式(35),式(37)及び式(39)に示すようにカウンタによって測定された標準流量計及び被試験流
量計のパルス数の比となるため,式(29)から求められる標準流量計から得られる質量流量 Q

mS

を引

用する必要がない。


21

B 7556

:2016

5.4.3.4 

絞り流量計を校正する場合 

パルス出力をもつ標準流量計で,絞り流量計を校正する場合(

図 参照),校正値は,流出係数

C

d

で表

される。

図 8−パルス出力をもつ標準流量計で絞り流量計を校正する場合の装置の構成概略図 

流出係数

C

d

は,式

(41)

によって求める。

ρ

P

ρ

D

d

d

Q

C

1

Δ

2

1

π

4

4

2

mS

d

=

  (41)

(41)

から求められた流出係数

C

d

の相対標準不確かさは,式

(42)

によって求める。

2

2

2

D

2

d

2

mS

mS

d

d

2

)

(

Δ

2

)

Δ

(

)

(

)

(

)

(

)

(





+

+

+

+





=

ρ

ρ

u

P

P

u

D

D

u

ε

d

d

u

ε

Q

Q

u

C

C

u

 ····  (42)

(42)

から被試験流量計である絞り流量計の流出係数

C

d

の相対標準不確かさを求めるために必要な要因

は,

表 13 による。

表 13−被試験流量計が絞り流量計の場合,その流出係数 C

d

 

相対標準不確かさの計算に必要な不確かさ要因及びその求め方 

不確かさ要因

求め方

mS

mS

)

(

Q

Q

u

式(30)

d

d

)

(

絞り孔径の不確かさ

5.3.4 e) 

D

D

u

)

(

管内径の不確かさ

5.3.4 e) 

P

P

u

Δ

)

Δ

(

差圧の時間平均及びその不確かさ

5.3.4 f) 

ρ

ρ

)

(

式(6)又は式(8)

5.4.3.5 

その他の被試験流量計を校正する場合 

パルス出力をもつ標準流量計で,その他の出力形式をもつ被試験流量計を校正する場合,校正値は補正

係数

C

f

とする。

補正係数

C

f

は,式

(43)

によって求める。

ρ

Q

Q

C

1

DUT

mS

f

=

   (43)

(43)

から被試験流量計の補正係数

C

f

の相対標準不確かさは,式

(44)

によって求める。


22

B 7556

:2016

2

2

DUT

DUT

2

mS

mS

f

f

)

(

)

(

)

(

)

(





+





+





=

ρ

ρ

u

Q

Q

u

Q

Q

u

C

C

u

  (44)

(44)

から被試験流量計の補正係数

C

f

の相対標準不確かさを求めるために必要な要因は,

表 14 による。

表 14−被試験流量計がその他の出力形式をもつ流量計の場合,その補正係数 C

f

 

相対標準不確かさの計算に必要な不確かさ要因及びその求め方 

不確かさ要因

求め方

mS

mS

)

(

Q

Q

u

式(30)

DUT

DUT

)

(

Q

Q

u

被試験流量計の出力及びその不確かさ

ρ

ρ

)

(

式(6)又は式(8)

被試験流量計の出力 Q

DUT

は,その流量計の出力形式によって様々な単位をもつ。例えば,流量

で求められる場合もあるが,電流,電圧などのデジタル表示,目視による読み取りなどもある。

5.4.4 

その他の標準流量計で,その他の流量計を校正する場合 

流量出力をもつ標準流量計で,流量出力をもつ流量計を校正する場合,校正値は補正係数又は偏差(器

差)で表される。

補正係数

C

f

は,式

(45)

によって求める。

ρ

ρ

Q

Q

C

S

DUT

S

f

=

   (45)

(45)

から被試験流量計の補正係数

C

f

の相対標準不確かさは,式

(46)

によって求める。

2

2

DUT

DUT

2

S

S

2

S

S

f

f

)

(

)

(

)

(

)

(

)

(





+





+





+





=

ρ

ρ

u

Q

Q

u

ρ

ρ

u

Q

Q

u

C

C

u

   (46)

(46)

から被試験流量計の補正係数

C

f

の相対標準不確かさを求めるために必要な要因は,

表 15 による。

表 15−被試験流量計がその他の出力形式をもつ流量計の場合,その補正係数 C

f

 

相対標準不確かさの計算に必要な不確かさ要因及びその求め方 

不確かさ要因

求め方

S

S

)

(

Q

Q

u

校正証明書

S

S

)

(

ρ

ρ

u

式(6)又は式(8)

DUT

DUT

)

(

Q

Q

u

被試験流量計の出力及びその不確かさ

ρ

ρ

)

(

式(6)又は式(8)

被試験流量計の出力 Q

DUT

は,その流量計の出力形式によって様々な単位をもつ。例えば,流量

で求められる場合もあるが,電流,電圧などのデジタル表示,目視による読み取りなどもある。

5.5 

繰返し測定の評価方法と有効自由度との考え方 

被試験流量計の繰返し性は,次のようにして評価する。


23

B 7556

:2016

校正に当たり,5.4 に規定された手順を,各流量において

5

回以上繰返し,得られた結果から,校正結果

及び相対合成標準不確かさ

u

c

R

)

(

を求める。

=

=

n

i

i

R

n

R

1

1

  (47)

(

)

1

)

(

1

2

2

=

=

n

R

R

R

s

n

i

i

   (48)

n

R

s

R

δ

u

)

(

)

(

2

=

  (49)

ここに,

n: 繰返し測定数

R

i

5.4

で求められた校正値[流出係数 C

d

,K ファクタ K

f

,補正

係数 C

f

,偏差(器差)E]のいずれかで,繰返しの 番目に

求められたもの

R: 繰返し測定で求められた測定値の平均(校正結果)

s

2

(

R): 測定値の実験分散

u(δR): 平均値の偶然効果による標準不確かさ

2

2

c

)

(

)

(

)

(

+





=

R

R

δ

u

R

R

u

R

R

u

   (50)

被試験流量計の偶然効果による標準不確かさが形式ごとにあらかじめ求められている場合は,そのあら

かじめ求めた値を用いてもよい。この場合,繰返しの回数を減少させることができる。また,有効自由度

の計算結果から十分な繰返しの回数が求められる場合においても,繰返しの回数を減少させることができ

る。

評価された相対合成標準不確かさに包含係数 k(通常は k=2)を乗じることで相対拡張不確かさ U

R

)

(

を算出する。演算に使用した包含係数は,不確かさと同時に表記し,報告する。

R

R

u

k

R

R

U

)

(

)

(

c

×

=

  (51)

過去のプールデータがある場合でその結果から繰返し性が評価できる場合は,測定は 1 回でもよい。こ

のとき,u

c

R

R)

(

の値はプールデータから評価された値を使用する。

5.6 

第三者認定を受けた校正事業者による校正 

計量法に基づく登録校正事業者(JCSS 校正事業者)による気体用流量計の校正,又はその他の JIS Q 

17025

に基づく第三者認定を受けた校正事業者による気体用流量計の校正は,その校正設備及び手順にか

かわらず,この規格に適合した校正とみなす。

5.7 

校正結果の報告 

校正結果の報告には,次の各項目を含む。

a)

校正を実施した機関の名称及び所在地,並びに校正がその所在地以外で行われた場合はその場所

b)

報告書又は校正証明書の識別(例えば,一連番号)

c)

依頼者の名称及び所在地

d)

被試験流量計を識別するために必要な製造業者名,形名,製造番号など

e)

使用した標準器の名称,並びにその標準器の校正方法及び校正実施日

f)

使用したガス種


24

B 7556

:2016

g)

校正を実施した年月日

h)

校正結果(流量点ごとの校正結果,拡張不確かさ及び繰返し測定回数,並びに拡張不確かさに適用し

た包含係数を含む。また,表記された不確かさに対して有効自由度を評価した場合は,拡張不確かさ

に対応する測定の信頼水準を記述することが望ましい。

i)

校正を実施したときの環境条件(例えば,室温,湿度,大気圧など)のうち,必要なもの

j)

その他校正結果に影響を与えると思われる事項

k)

校正方法がこの規格に適合していることの表明

例  “ここで用いられた校正方法は,JIS B 7556:2016 に規定する“標準流量計による校正”の規定

に適合している。

注記  被試験流量計の性能が規格に適合していると解釈できるような表記は避ける。

器差試験 

6.1 

器差試験設備の機能 

6.1.1 

一般 

試験設備の機能は,4.2 に加えて,次による。

a)

流量の設定及び調節ができるように,適切な位置に流量調節器を設置する。

b)

試験設備の運転を管理し,試験条件を明らかにするため,温度計を設置する。

なお,標準器の試験液の温度による補正が必要な場合は,被試験流量計の近接部又は標準器の必要

箇所に温度計を設置する。

c)

試験設備の運転を管理し,試験条件を明らかにするため,被試験流量計の入口側に必要に応じて圧力

計を設置する。

なお,標準器が体積管の場合で,体積管の圧力による補正が必要なときは,その入口側及び出口側

に圧力計を設置する。

d)

被試験流量計取付部は,上流側及び下流側の流れ場の影響が,流量計測に影響を与えない十分な直管

長を確保する必要があるが,できるだけ標準器に近い位置とし,被試験流量計などの着脱が容易にで

きるよう,周囲に十分な空間を設ける。

6.1.2 

補助測定器 

温度・圧力による補正が必要な場合は,それぞれ次の測定器を用いる。

a)

温度計  目量(一目盛の値)が 0.1  ℃以下であって,JCSS 校正事業者などで校正された計量トレーサ

ビリティのとれたもの,又は計量トレーサビリティのとれた温度計と比較校正されたもの。

b)

圧力計  JIS B 7505-1 に規定された 1.6 級の圧力計,又はこれと同等以上の性能をもつものであって,

JCSS 校正事業者などで校正された計量トレーサビリティのとれたもの,又は計量トレーサビリティの

とれた圧力計と比較校正されたもの。

6.2 

器差試験の手順 

各試験方法に共通する事項は,次による。ただし,試験方法の種類に応じて,特に規定がある場合は,

それぞれ 6.4.1 及び 6.4.2 による。

a)

被試験流量計の取付  被試験流量計に取付姿勢の表記のあるものは,その取付姿勢で試験を行う。た

だし,被試験流量計の取付姿勢が器差に影響を及ぼさない場合は,試験設備に合わせた取付姿勢で試

験をしてもよい。また,推測式流量計においては,被試験流量計の前後に必要な整流部を設ける。

b)

気密の点検  試験のために取り付けた被試験流量計,機器及び配管部は,その試験圧力に対して気密


25

B 7556

:2016

をもたなければならない。

c)

予備運転  試験条件を安定させるため,通常表記されている使用最大流量で被試験流量計が安定する

まで空気を通して予備運転を行う。

d)

試験流量  器差試験は,表記されている使用流量範囲内において,任意の 2 以上の流量によって行う。

ただし,使用流量が明らかな場合は,それに近い流量だけでよい。また,試験流量は,流量指示計な

どによって確認した方がよい。

e)

通過体積  被試験流量計を通過する空気の通過体積は,通常,目量の 100 倍以上とする。この場合の

目量とは,被試験流量計又は標準器のうち指示量を読み取る方の表示機構の目量,又は試験の際に付

加した補助表示機構などの目量をいう。また,被試験流量計の指示量をパルスの積算,又はデジタル

表示機構によって読み取る場合は,1 000 パルス,又は最小読取値の 1 000 倍以上とする。ただし,臨

界ノズルの場合は,被試験流量計の積算パルス周期を正確に読み取る積算時間計を用いて試験するの

で,被試験流量計を通過する空気の瞬時流量値が安定している試験条件下においては,通過体積を前

述の量より少なくしてもよい。

f)

温度測定  被試験流量計を通過する空気の温度測定は,1 流量に対する 1 回の試験において 2 回以上

測定してその平均値をとる。また,推測式流量計の温度測定は,被試験流量計の下流側で行う。

なお,温度測定には温度計又は温差補正計を用いる。

g)

湿度測定  水入湿式ガスメータ及び水入ベルプルーバ,並びに臨界ノズルの場合に行う。標準器及び

被試験流量計を通過する空気の湿度測定は,1 流量に対する 1 回の試験ごとに測定する。また,湿度

測定位置は,6.4.1 及び 6.4.2 による。

h)

圧力測定  被試験流量計を通過する空気の圧力測定は,1 流量に対する 1 回の試験ごとに測定する。

また,圧力測定は,通常,被試験流量計の上流側で行う。ただし,フロート形面積流量計の場合は JIS 

B 7551

,渦流量計の場合は JIS Z 8766 による。

i)

差圧測定  各試験流量における被試験流量計の入口及び出口における圧力差(差圧)の測定を,必要

に応じて行う。

注記  気体用流量計の流量と差圧との関係は,運転状況が正常か否かの判断に役立つので,試験の

際にこの関係を測定しておくとよい。

6.3 

器差の計算の共通項目 

各試験方法による器差の計算は,次による。計算式に用いる記号は,

表 16 及び表 17 による。

なお,器差の計算に用いる温度,圧力及び湿度の補正項を百分率[単位:パーセント(%)

]で表すと,

それぞれ次のとおりとなる。

73

.

2

100

15

.

273

I

Q

I

Q

T

T

T

T

×

000

1

100

10

3

.

101

Q

I

3

Q

I

P

P

P

P

×

×

000

1

100

10

3

.

101

SI

SQ

3

SI

SQ

P

P

P

P

×

×

6.4

の器差の計算式では,各々の補正項に(T

Q

T

I

)/2.73,(P

I

P

Q

)/1 000,(P

SQ

P

SI

)/1 000 を使用する。

表 16−ガスメータ及び体積管の記号 

記号

表す量

単位

被試験流量計の器差

%

被試験流量計の指示量

L

I

m

被試験流量計の指示量を標準流量計の状態量に換算した量 L

標準器の指示量

L

E

S

標準流量計の器差

%


26

B 7556

:2016

表 16−ガスメータ及び体積管の記号(続き) 

記号

表す量

単位

標準器(体積管)の器差 L

T

I

被試験流量計を通過する空気の絶対温度 K

T

Q

標準器を通過する空気の絶対温度 K

P

I

被試験流量計を通過する空気の絶対圧力 Pa

P

Q

標準器を通過する空気の絶対圧力 Pa

P

SI

被試験流量計を通過する空気の水蒸気圧 Pa

P

SQ

標準器を通過する空気の水蒸気圧 Pa

Z

I

被試験流量計を通過する空気の圧縮係数

無次元

Z

Q

標準器を通過する空気の圧縮係数

無次元

t

I

被試験流量計を通過する空気の温差補正計の読み %

t

Q

標準器を通過する空気の温差補正計の読み %

p

SI

被試験流量計を通過する空気の温度と相対湿度とによって湿度補正線図から読み取った値 %

p

SQ

標準器を通過する空気の温度と相対湿度とによって湿度補正線図から読み取った値 %

Q

C

ベルプルーバ液位変化補正後の指示量 L

Δ

試験前後のベルプルーバ浮鐘内液面計の液位変化量 mm

A

B

ベルプルーバ浮鐘内の液面積 cm

2

表 17−臨界ノズルの記号 

記号

表す量

単位

被試験流量計の器差

%

被試験流量計の指示量

m

3

ρ

I

被試験流量計を通過する空気の密度 kg/m

3

Q

M

臨界ノズルの通過流量

kg/s

Q

Q

臨界ノズルの理論流量

kg/s

積算時間計の読み

s

A

t

臨界ノズルスロート部(ノズルの絞り最小部)の断面積

m

2

臨界ノズルスロート部(ノズルの絞り最小部)の直径 m

α 

臨界ノズルの定数

無次元

β 

臨界ノズルの定数

無次元

臨界ノズルの定数

無次元

臨界ノズルの流出係数

無次元

C

C

臨界ノズルの臨界係数

無次元

T

Q

臨界ノズル入口を通過する空気の絶対温度 K

P

Q

臨界ノズル入口を通過する空気の絶対圧力 Pa

ρ

Q

臨界ノズル入口を通過する空気の密度 kg/m

3

μ 

臨界ノズル入口を通過する空気の粘度 Pa・s

κ 

臨界ノズル入口を通過する空気の比熱比

無次元

臨界ノズル入口を通過する空気のモル質量 kg/mol

普遍気体定数(=8.314 51) J/(K・mol)

Re

レイノルズ数

無次元

Q

S

臨界ノズルの基準空気流量(臨界ノズル校正時の流量)

m

3

/s

P

S

臨界ノズルの基準空気圧力(臨界ノズル校正時の絶対圧力) Pa

ρ

S

臨界ノズルの基準空気密度(臨界ノズル校正時の密度) kg/m

3


27

B 7556

:2016

6.4 

器差試験方法及び器差の計算 

6.4.1 

比較法 

6.4.1.1 

湿式ガスメータの場合 

6.4.1.1.1 

器差試験装置の構成 

試験装置の配管例を

図 に示す。

なお,装置の構成に当たっては,次の事項を考慮する。

a)

封入液が油である湿式ガスメータ(以下,油入湿式ガスメータという。

)が標準器の場合,被試験流量

計が水入湿式ガスメータのときは,

図 の油入湿式ガスメータと被試験流量計との順序を入れ替えて

もよい。この場合,被試験流量計の温度が油入湿式ガスメータの液温より高いときには,露点現象に

よって通過中の空気の水蒸気が結露して油入湿式ガスメータに器差変動を生じるので,試験を中止す

る。

b)

標準器が水入湿式ガスメータの場合,被試験流量計の温度が水入湿式ガスメータの液温より低いとき

には,露点現象によって通過中の空気の水蒸気が結露して被試験流量計に器差変動を生じるので,試

験を中止する。

c)

油入湿式ガスメータの封入液は,蒸気圧の低い油とすることが望ましい。

6.4.1.1.2 

試験方法 

試験は,次の手順による。

a)

遮断弁 V1 及び V2 を開放の後,流量調整器によって試験流量に合わせる。

1)

遮断弁 V1 は,流量調整器の下流に設置してもよい。

2)

ガス供給系の代わりに圧縮空気及び圧力調整器を用いてもよい。

3)

ガス供給系の代わりに放出口に排風機を接続して用いてもよい。

この場合は遮断弁 V1 を取り外し,

流量調整器及び遮断弁 V2 の調節によって試験流量に合わせる。

b)

試験開始前,被試験流量計の指示値を読み取ると同時に,湿式ガスメータの指示値を読み取る。

c)

湿式ガスメータ及び被試験流量計を通過中の空気の温度,圧力及び湿度を読み取る。

1)

温度が安定した条件下で試験するときには湿度を読み取らなくてもよい。

2)

湿式ガスメータの温度は出口を通過する空気の温度を測定するが,湿式ガスメータの液温を用いて

もよい。

d)

規定量通過後,被試験流量計の指示値を読み取ると同時に,湿式ガスメータの指示値を読み取る。

図 9−比較法(湿式ガスメータによる方法)の試験装置の構成概略図 

6.4.1.1.3 

器差の計算 

湿式ガスメータによる方法の器差の計算は,式(52)によって求める。


28

B 7556

:2016

S

m

100

E

Q

Q

I

E

+

×

=

  (52)

I

Q

SQ

Q

SI

I

I

Q

m

Z

Z

P

P

P

P

T

T

I

I

×

×

×

=

   (53)

圧力がほぼ同一の場合は,圧縮係数補正を無視してよい。

低圧で温度が安定した条件下では,次の式で器差の計算をしてもよい。

000

1

000

1

73

.

2

100

SI

SQ

Q

I

I

Q

S

P

P

P

P

T

T

E

Q

Q

I

E

+

+

+

+

×

=

温度補正に温差補正計を使用する場合,及び湿度補正に湿度補正線図を使用する場合,

T

Q

T

I

及び

P

SQ

P

SI

は,それぞれ

T

Q

T

I

=2.73×(

t

Q

t

I

)及び

P

SQ

P

SI

=1 000×(

p

SQ

p

SI

)となるので,次の式で器差の計算

をしてもよい。

(

)

(

)

SI

SQ

Q

I

I

Q

S

000

1

100

p

p

P

P

t

t

E

Q

Q

I

E

+

+

+

+

×

=

P

SQ

及び

P

SI

図 14

p

SQ

及び

p

SI

図 15 及び図 16 から求めてもよい。湿度補正は,標準器及び/又は被

試験流量計が水入湿式ガスメータの場合に行い,他の方式の標準器及び被試験流量計では行わない。

6.4.1.2 

回転子式ガスメータ,ロータリーベーン式ガスメータ及びタービン式ガスメータの場合 

6.4.1.2.1 

試験装置の構成 

試験装置の配管例を

図 10 に示す。

なお,装置の構成に当たっては,次の事項を考慮する。

a)

図 10 の標準器及び被試験流量計の取付順序を,入れ替えても差し支えない。

b)

放出口側に接続する排風機によらず,ラインの吸入口に送風機を取り付けて,送風によって試験を行

っても差し支えない。ただし,この場合は,流量調整器 FC1 とその近傍の放出口で流量調節を行う。

c)

脈動流が測定に影響を及ぼすような場合は,脈動を防止するような対策をとる。

図 10−比較法(回転子式ガスメータ,ロータリーベーン式ガスメータ及び 

タービン式ガスメータによる方法)の試験装置の構成概略図 

6.4.1.2.2 

試験方法 

試験は,次の手順による。

a)

流量調整器 FC1 及び流量調整器 FC2 の調節によって,試験流量に合わせる。

b)

被試験流量計の指示値を読み取ると同時に,回転子式ガスメータ,ロータリーベーン式ガスメータ又

はタービン式ガスメータ(以下,標準器という。

)の指示値を読み取る。

c)

標準器及び被試験流量計を通過中の空気の温度及び圧力を読み取る。

d)

規定量通過後,被試験流量計の指示値を読み取ると同時に,標準器の指示値を読み取る。


29

B 7556

:2016

6.4.1.2.3 

器差の計算 

器差の計算は,6.4.1.1.3 の計算方法によって行う。

6.4.1.3 

臨界ノズルの場合 

6.4.1.3.1 

試験装置の構成 

試験装置の配管例を

図 11 に示す。

なお,装置の構成に当たっては,次の事項を考慮する。

a)

器差試験時,臨界ノズル前後の空気の圧力比(下流絶対圧力/上流絶対圧力)が臨界圧力比以下とす

る。

b)

送風機を用いて送風によって試験を行う場合は,送風機側を流入方向とし,圧力調整器で圧力を操作

する。

c)

恒温室で試験することが望ましい。

d)

臨界ノズルの上流部には整流部を設け,臨界ノズルごとに圧力及び温度の測定を行うのが望ましい。

6.4.1.3.2 

試験方法 

試験は,次の手順による。

a)

遮断弁 V0 を全開とし,真空ポンプを稼働させた状態で遮断弁 V1∼Vn の開閉選択によって試験流量

に合わせる。

b)

被試験流量計のカウンタ及び積算時間計の計数を同時に開始する。

c)

臨界ノズル及び被試験流量計を通過中の空気の圧力及び温度を読み取る。また,密度・モル質量を求

める場合は,空気の湿度も同時に読み取るとよい。

d)

規定量通過後,被試験流量計のカウンタ及び積算時間計の計数を同時に停止させ,各々の指示値を読

み取る。

図 11−比較法(臨界ノズルによる方法)の試験装置の構成概略図 

6.4.1.3.3 

器差の計算 

臨界ノズルによる方法の器差の計算は,式(54)によって求める。

100

/

/

I

M

I

M

×

=

ρ

t

Q

ρ

t

Q

I

E

   (54)


30

B 7556

:2016

ただし,

Q

M

Q

MS1

+…+

Q

MSn

   (55)

ここで,臨界ノズル 1∼n を通過する各質量流量値

Q

MS1

Q

MSn

は,式(12)及び式(13)を用いて求める。

6.4.2 

体積法 

6.4.2.1 

ピストンプルーバの場合 

6.4.2.1.1 

試験装置の構成 

試験装置の配管例を

図 12 に示す。

なお,装置の構成に当たっては,次の事項を考慮する。

a) S1

∼S2 間の容積がピストンプルーバの基準体積(指示量)となる。また,ピストンプルーバが縦型の

場合,S1 はピストンの降下圧の影響を受けない位置に設ける。

b)

シリンダとピストン間のシール部の漏えいについて,注意する。シリンダ内に空気を密封し,温度の

安定した状態で 10 分間程度放置し,圧力計の指示が低下していないことを確認する。

c)

恒温室で試験することが望ましい。

d)

被試験流量計が水入湿式ガスメータの場合,湿度条件をそろえるために吸気配管途中に加湿器又は水

入湿式ガスメータを挿入してもよい。

6.4.2.1.2 

試験方法 

試験は,次の手順による。

a)

遮断弁 V2 を閉じ,遮断弁 V1 を開く。

b)

ピストンプルーバのピストンを

図 12 の左向き太線矢印(      )方向へ動かし,空気を左向き太点線

矢印(      )方向に沿ってピストンプルーバに吸気する。

c)

遮断弁 V1 を閉じ,遮断弁 V2 を開く。

d)

ピストンプルーバのピストンを右向き太線矢印(      )方向に作動させ,空気を右向き太点線矢印

(      )方向へ押し出す。

e)

装置全体をなじませるために a)d)  を繰返しながら,ピストンの移動スピードを調整し,試験流量に

合わせた後,ピストンをスタートさせる。また,ピストンの移動中に圧力計の指示の変動を調べ,内

圧が一定であることを確認する。

f)

ピストンが,S1 を通過すると同時に被試験流量計の積算を開始する。

g)

ピストンプルーバ及び被試験流量計を通過中の空気の圧力及び温度,また,必要に応じて湿度を読み

取る。

h)

ピストンが,S2 を通過した時点で被試験流量計の積算を停止させ,その指示値を読み取る。

i)

被試験流量計が機械式カウンタの場合,被試験流量計の指示値を基準とした試験方法が通常行われ,

被試験流量計の任意の指示値から計量を開始し,そのときの S1 の位置を読み取る。その後,被試験

流量計がある指示値になったときの S2 の位置を読み取り,ピストンプルーバの指示量を求める。


31

B 7556

:2016

図 12−体積法(ピストンプルーバによる方法)の試験装置の構成概略図 

6.4.2.1.3 

器差の計算 

ピストンプルーバによる方法の器差の計算は,式(56)によって求める。

(

)

000

1

000

1

73

.

2

100

SI

SQ

Q

I

I

Q

P

P

P

P

T

T

q

Q

q

Q

I

E

+

+

+

×

=

  (56)

温度補正に温差補正計を使用する場合,及び湿度補正に湿度補正線図を使用する場合,

T

Q

T

I

及び

P

SQ

P

SI

は,それぞれ

T

Q

T

I

=2.73×(

t

Q

t

I

)及び

P

SQ

P

SI

=1 000×(

p

SQ

p

SI

)となるので,式(57)で器差の計算

をしてもよい。

(

)

)

(

000

1

)

(

100

SI

SQ

Q

I

I

Q

p

p

P

P

t

t

q

Q

q

Q

I

E

+

+

+

×

=

   (57)

P

SQ

及び

P

SI

図 14

p

SQ

及び

p

SI

図 15 及び図 16 から求めてもよい。

なお,湿度補正は,標準器が上流側で加湿器が設置されてない場合の水入湿式ガスメータの試験,及び

標準器が水入ベルプルーバの場合で被試験流量計が水入湿式ガスメータ以外の試験で必要である。

6.4.2.2 

ベルプルーバの場合 

6.4.2.2.1 

試験装置の構成 

試験装置の配管例を

図 13 に示す。

なお,装置の構成に当たっては,次の事項を考慮する。

a)

送風機とベルプルーバとの間に被試験流量計をおいて,送気方式で試験をしてもよい。ただし,水入

ベルプルーバを用いて送気方式で行う場合は,必ず湿度補正を行う。

b)

恒温室で試験することが望ましい。

c)

油入ベルプルーバの液は蒸気圧の低い油とすることが望ましい。

d)

被試験流量計が水入湿式ガスメータの場合,湿度条件をそろえるために吸気配管途中に加湿器又は水

入湿式ガスメータを挿入してもよい。

6.4.2.2.2 

試験方法 

試験は,次の手順による。


32

B 7556

:2016

図 13−体積法(ベルプルーバによる方法)の試験装置の構成概略図 

a)

流量調整器 FC2 を閉じ,流量調整器 FC1 及び遮断弁 V1 によって流量を調節しながら,浮鐘を上限の

位置にする。

b)

流量調整器 FC1 を閉じる(送風機を停止させてもよい。

c)

流量調整器 FC2 を全開とし,遮断弁 V2 で試験流量に合わせて浮鐘を降下させる。

d)

装置全体をなじませるために a)c)  を繰り返す。また,この間にベルプルーバのおもりによって試験

圧力を調節する。

e)

c)

の状態で流れが安定したら,被試験流量計の指示値を読み取ると同時に,浮鐘の目盛と浮鐘内液面

計の液位を読み取る。

f)

ベルプルーバ浮鐘内及び被試験流量計を通過中の空気の圧力及び温度,また,必要に応じて湿度を読

み取る。

g)

規定量通過後,被試験流量計の指示値を読み取ると同時に,浮鐘の目盛と浮鐘内液面計の液位を読み

取る。

6.4.2.2.3 

器差の計算 

ベルプルーバによる方法の器差の計算は,式(58)によって求める。

(

)

000

1

000

1

73

.

2

100

SI

SQ

Q

I

I

Q

P

P

P

P

T

T

q

Q

q

Q

I

E

+

+

+

×

=

  (58)

ベルプルーバの目盛に試験前後の液位変化量が見込まれていない場合,ベルプルーバの指示量(

Q

)は,

液位変化補正後の指示量(

Q

C

)に置き換えて器差の計算をする。

000

1

1

10

Δ

B

C

×

×

=

h

A

Q

Q

   (59)

温度補正に温差補正計を使用する場合,及び湿度補正に湿度補正線図を使用する場合,

T

Q

T

I

及び

P

SQ

P

SI

は,それぞれ

T

Q

T

I

=2.73×(

t

Q

t

I

)及び

P

SQ

P

SI

=1 000×(

p

SQ

p

SI

)となるので,式(60)で器差の計算

をしてもよい。

(

)

)

(

000

1

)

(

100

SI

SQ

Q

I

I

Q

p

p

P

P

t

t

q

Q

q

Q

I

E

+

+

+

×

=

   (60)

P

SQ

及び

P

SI

図 14

p

SQ

及び

p

SI

図 15 及び図 16 から求めてもよい。

なお,湿度補正は,標準器が上流側で加湿器が設置されてない場合の水入湿式ガスメータの試験,及び

標準器が水入ベルプルーバの場合で被試験流量計が水入湿式ガスメータ以外の試験で必要である。


33

B 7556

:2016

図 14−蒸気圧線図 

注記  被試験流量計を通過中の空気の温度が 24.0  ℃,そのときの相対湿度 65 %,湿式ガスメータの水温が 20.8  ℃の

場合。

温度 24.0  ℃の線と相対湿度 65 %との線の交点から下方に線を引く,p

S

軸のその線の値が被試験流量計におけ

る水蒸気圧を 100 Pa を 0.1 %として換算した値 p

SI

=1.92 %となる。また,湿式ガスメータにおける水蒸気圧を

100 Pa を 0.1 %として換算した値 p

SQ

は,水温 20.8  ℃と相対湿度 95 %とから p

SQ

=2.30 %となる。

したがって,器差補正量は,p

SQ

p

SI

=2.30 %−1.92 %=0.38 %となる。

図 15−湿度補正線図(温度計を使用する場合) 


34

B 7556

:2016

注記  被試験流量計を通過中の空気の温差補正計の読みが 8.8 %,湿式ガスメータの封入液の温差補正計の読みが

7.6 %の場合。

温差補正計の読み 8.8 %と相対湿度 65 %との線の交点から下方に線を引く,p

S

軸のその線の値が被試験流量

計における水蒸気圧を 100 Pa を 0.1 %として換算した値 p

SI

=1.92 %となる。また,湿式ガスメータにおける水

蒸気圧を 100 Pa を 0.1 %として換算した値 p

SQ

は,温差補正計の読み 7.6 %と相対湿度 95 %とから p

SQ

=2.30 %

となる。

したがって,器差補正量は,p

SQ

p

SI

=2.30 %−1.92 %=0.38 %となる。

図 16−湿度補正線図(温差補正計を使用する場合) 


35

B 7556

:2016

附属書 A

(参考)

流量計の補正係数とレイノルズ数との関係

A.1 

一般 

どのような流量計も適切な流量値を得るためには,校正によって決定された補正係数を用いて流量計の

指示する値を補正する必要がある。また,本文中において流量計の校正・試験は,目標とする流量値を挟

むある流量範囲の複数点において行うことが必要であると規定されている。このことは,目標とする流量

値を得るためには,補正係数を校正・試験されたある流量範囲において補正関数の形で決定する必要があ

ることを意味する。この附属書では,この補正係数(関数)の取扱いについて説明するものであって,規

定の一部ではない。

A.2 

レイノルズ数 

複数の流量値に対して決定された補正係数は,その流量範囲において関数として決定し用いられるが,

その補正関数は,その流量値に対応するレイノルズ数に対して作るのが望ましい。レイノルズ数 Re は,

次の式で与えられる無次元量である。

μ

S

D

ρ

Q

=

V

Re

  (A.1)

ここに,

Q

V

体積流量(m

3

/s)

ρ

試験気体の密度(kg/m

3

μ

試験気体の粘度(Pa・s)

D

配管の直径(m)

S

配管の断面積(m

2

注記 1  流体力学的な原理に基づく流量計の場合,その補正係数をレイノルズ数の関数として表記す

ることは容易であるが,機械的な機構をもつ流量計の場合は,必ずしも補正係数をレイノル

ズ数だけの関数として表記できない。しかし,この規格で規定されている圧力及び温度の条

件では,流量計の機械的な機構動作への圧力及び温度による影響が小さいと考えられる場合

も多く,そのような場合は補正係数をレイノルズ数だけの関数としての表記が可能である。

注記 2  補正係数をレイノルズ数の関数として表記が難しい場合には,質量流量の関数として表記す

るのが望ましい。

A.3 

流出係数 

臨界ノズルは純粋に流体力学的な原理に基づいた流量計なので,流出係数は異なる複数の校正結果及び

試験結果を基にしてレイノルズ数の関数として決定できる。この規格で規定された圧力及び流量範囲にお

いては,流出係数は次の式で求める。

Re

Re

d

c

b

a

C

+

+

=

  (A.2)

ここに,係数

a

b

c

は,臨界ノズル固有の定数であり,複数点の測定によって実験的に決定される。

第三項は,流量が著しく小さく,レイノズル数が十分小さい(Re=1 000 以下)場合を除いては,考慮す

る必要はない。


36

B 7556

:2016

A.4 K

ファクタ 

K ファクタは,単位をもった補正係数である。通常(Pulse/L)というような単位をもつが,対象が質量

流量である場合には,

(Pulse/kg)のような質量の単位をもつこともある。K ファクタは,レイノルズ数の

関数として表記されることが望ましいが,A.2 

注記 にあるように場合によっては質量流量の関数とし

て表記することも可能である。しかし,圧力及び温度によって変化する体積流量の関数として表記するこ

とは適切ではない。


37

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附属書 B

(参考)

有効自由度の取扱い事例

B.1 

一般 

この附属書は,参考として,JCSS 校正事業者が信頼の水準約 95 %に対する区間で拡張不確かさの推定

をする場合の有効自由度の取扱方法の評価事例について記載する。

B.2 

拡張不確かさの決定方法 

拡張不確かさの決定方法は,次による。

a)

校正事業者は,自ら評価した校正装置の標準不確かさ

u

f

,繰返し回数

N

表 B.1 とを使って,有効自

由度

ν

eff

が 9 になる

σ

9

をあらかじめ求める。

b)

実際の校正において

N

回の繰返しで得られた被校正流量計の校正結果の標準偏差

σ

r

と,a)  の

σ

9

とを

比較する。

c)

σ

r

σ

9

の場合,

k

=2 を使用する。

d)

σ

r

σ

9

の場合,次のいずれかを行う。

1)

σ

r

/

u

f

を求め,この値と繰返し回数

N

をもとに

表 B.2 から対応する包含係数

k

の値を求め,この値を

用いて拡張不確かさを報告する。

2)

k

=2 を使用したい場合は,

表 B.2 をもとにそのときの

σ

r

/

u

f

の値の行で

k

=2 になるまで繰返し回数

N

を増やす。包含係数は

k

=2 を使用する。

注記  被校正流量計の校正結果の標準偏差としてプールされた実験標準偏差(10 個以上の測定デー

タ)を利用している場合,繰返し測定のばらつきが校正事業者の定めた管理値以内であるこ

とを確認している場合は,有効自由度

ν

eff

が 9 以上となるため,包含係数は

k

=2 を使用でき

る。

表 B.1−繰返し回数 に対する有効自由度 ν

eff

が得られる 

測定の標準偏差 σ

9

と校正装置の標準不確かさ u

f

との比 

σ

9

/u

f

3 1.6 
4 2.3 
5 3.2 
6 4.2 
7 5.6 
8 7.7 
9 12.2

10

B.3 

適用例 

B.3.1 

その 

a)

校正装置の標準不確かさ

u

f

=0.039 (%),繰返し回数

N

=5 で校正を行う場合。

表 B.1 から,

σ

9

/

u

f

=3.2 が求められる。


38

B 7556

:2016

したがって,

σ

9

=3.2×0.039 (%)=0.124 8 (%) ≈ 0.12 (%)となる。

b)

実際に校正を行い,校正値の標準偏差が

σ

r

=0.082 (%)であったとする。

c)

a)

σ

9

と比較して,

σ

r

σ

9

であるので,通常どおり

k

=2 を使用して拡張不確かさを計算する。

表 B.2−信頼の水準 95 %を与える包含係数 の値 

σ

r

/u

f

3 4 5 6 7 8 9

1.6 以下

1.8 以下

2.3

2.0 以下

2.4

2.2 以下

2.5

2.4 以下

2.6

2.3

2.6 以下

2.7

2.3

2.8 以下

2.8

2.4

2.9 以下

2.9

2.4

3.0 以下

2.9

2.4

3.2 以下

3.0

2.5

3.4 以下 3.1 2.5 2.3

k=2

3.6 以下 3.2 2.6 2.3

3.8 以下 3.2 2.6 2.3

4.0 以下 3.3 2.6 2.4

4.2 以下 3.4 2.7 2.4

4.4 以下 3.4 2.7 2.4 2.3

4.6 以下 3.5 2.7 2.4 2.3

4.9 以下 3.5 2.8 2.5 2.3

5.0 以下 3.6 2.8 2.5 2.3

5.5 以下 3.7 2.8 2.5 2.4

6.0 以下 3.7 2.9 2.5 2.4 2.3

6.4 以下 3.8 2.9 2.6 2.4 2.3

7.0 以下 3.9 2.9 2.6 2.4 2.3

7.5 以下 3.9 3.0 2.6 2.4 2.3

8.0 以下 4.0 3.0 2.6 2.4 2.3 2.3   
8.7 以下 4.0 3.0 2.6 2.5 2.4 2.3   
9.0 以下 4.0 3.0 2.7 2.5 2.4 2.3   
9.5 以下 4.1 3.0 2.7 2.5 2.4 2.3

10 以下  4.1 3.1 2.7 2.5 2.4 2.3   
12 以下  4.1 3.1 2.7 2.5 2.4 2.3   
13.6 以下 4.2 3.1 2.7 2.5 2.4 2.3 2.3 
15 以下  4.2 3.1 2.7 2.5 2.4 2.3 2.3 
20 以下  4.2 3.1 2.7 2.5 2.4 2.3 2.3 
20 超

4.3 3.2 2.8 2.6 2.4 2.4 2.3

B.3.2 

その 

a)

校正装置の標準不確かさと校正の繰返し回数は,適用例その 1 と同様とする。

b)

実際に校正を行い,校正値の標準偏差が

σ

r

=0.32 (%)であったとする。

c)

適用例その 1 で求めた

σ

9

=0.12 (%)と比較して,

σ

r

σ

9

であるので,B.2 d)  のいずれかを実行する。

1)  B.2 d) 1)

を選択した場合


39

B 7556

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1.1)

計算によって,

σ

r

/

u

f

=0.32 (%)/0.039 (%)=8.21

1.2)

表 B.2 において,

σ

r

/

u

f

=8.21 に対応するのは“8.7 以下”の欄であるので,この行の繰返し回数

N

が“5”の列から,信頼の水準約 95 %を与える包含係数は,

k

=2.6 と求められる。

1.3)

k

=2.6 を用いて拡張不確かさを計算する。

2)  B.2 d) 2)

を選択した場合

2.1)

σ

r

σ

9

とするためには,

σ

9

/

u

f

σ

r

/

u

f

=8.21 とすればよいので,

表 B.1 を使用して繰返し回数

N

=9(こ

のとき

σ

9

/

u

f

=12.2)が求められる。

2.2)

既に得られている 5 回の繰返し測定に加えて,4 回の追加測定を行う(又は,新たに 9 回の繰返し

測定を行う。

2.3)  9

回の繰返し測定を行った結果,標準偏差が

σ

r2

=0.40 (%)であったとする。この値について,

σ

r2

σ

9

が成立することを確認する。

2.3.1)

表 B.1 から繰返し回数

N

=9 の場合の

σ

9

/

u

f

が 12.2 と求められる。

2.3.2)

校正装置の標準不確かさが

u

f

=0.039 (%)であるから,

σ

9

=12.2×0.039 (%)=0.475 8 (%) ≈ 0.48 (%)

となる。

2.3.3)

つまり,

σ

r2

σ

9

である。

2.4)

したがって,

k

=2 を用いて拡張不確かさを計算する。

参考文献

[1]  ISO 9300:2005,Measurement of gas flow by means of critical flow Venturi nozzles

[2]  JCG208S11  不確かさ見積もりに関するガイド(流量・流速) 
[3]  JIS Z 8767  臨界ベンチュリノズル(CFVN)による気体流量の測定方法