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B 7555

:2003

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本計量機器工業会(JMIF)/財団法

人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標

準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 10790:1999,Measurement of fluid

flow in closed conduits

−Guidance to the selection, installation and use of Coriolis meters (mass flow, density and

volume flow measurements)

を基礎として用いた。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。

JIS B 7555

には,次に示す附属書がある。

附属書 A(参考)校正技術

附属書 B(参考)コリオリメータの第 2 容器

附属書 C(参考)コリオリメータの仕様

附属書 D(参考)質量比率計測例

附属書 1(参考)JIS と対応する国際規格との対比表


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(2)

目  次

ページ

序文 

1

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  定義

1

3.1

  コリオリメータ(Coriolis meter) 

2

3.2

  流量検出器(第 の装置)[flow sensorprimary device)] 

2

3.3

  変換器(第 の装置)[transmittersecondary device)] 

2

3.4

  流量(flow rate

2

3.5

  校正係数(calibration factor

2

3.6

  ゼロオフセット(zero offset) 

2

3.7

  ゼロ安定性(zero stability) 

2

3.8

  フラッシング(flashing

2

3.9

  キャビテーション(cavitation

2

4.

  コリオリメータ選定基準 

2

4.1

  一般

2

4.2

  精度

3

4.3

  設置

3

4.4

  プロセス条件及び流体特性による影響 

4

4.5

  圧力損失 

5

4.6

  安全

5

4.7

  変換器

6

5.

  検査及び規格適合性

6

6.

  質量流量計測 

6

6.1

  機器

6

6.2

  精度

8

6.3

  質量流量計測に影響する因子 

8

6.4

  ゼロ調整 

9

6.5

  質量流量の校正 

9

6.6

  保守点検及び保管

10

7.

  流量計測条件下での密度計測 

10

7.1

  一般

10

7.2

  作動原理 

10

7.3

  相対密度 

11

7.4

  精度

11

7.5

  密度計測に影響する因子 

11


B 7555

:2003  目次

(3) 

7.6

  校正及び調整 

12

8.

  計測条件下の体積流量計測 

12

8.1

  一般

12

8.2

  体積計算 

12

8.3

  精度

13

8.4

  特別な影響 

13

8.5

  工場における校正

13

9.

  付加的計測 

14

9.1

  複数成分系の一般的考察 

14

9.2

  非混合液 

14

9.3

  化学的に相互作用しない成分を含む混合液体

15

9.4

  化学的に相互作用する成分を含む溶液 

15

9.5

  温度及び圧力に対する特別な考慮

16

附属書 A(参考)校正技術

17

附属書 B(参考)コリオリメータの第 2 容器 

21

附属書 C(参考)コリオリメータの仕様

23

附属書 D(参考)質量比率計測例 

24

附属書 1(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

26

 


日本工業規格

JIS

 B

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コリオリメータによる流量計測方法

(質量流量,密度及び体積流量計測)

Method of flow measurement by coriolis meters

(mass flow,density and volume flow measurement)

序文  この規格は,1999 年に第 2 版として発行された ISO 10790,Measurement of fluid flow in closed conduits

−Guidance to the selection,installation and use of Coriolis meters(mass flow,density and volume flow

measurements

)を翻訳し,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変更の一覧

表をその説明を付けて,

附属書 1(参考)に示す。

1. 

適用範囲  この規格は,流体の質量流量,密度,体積流量及びその他の関連諸量の測定に使用するコ

リオリメータの選定,設置,校正,性能及び運転について規定する。主として液体の流れの計測に使用す

る。

備考1.  特定な制限条件で他の流体,液体中の固体又は気体の混合体及び複数液体の混合体に対する

規定も与えるものである。コリオリメータは,気体計測用として使用される場合もあるが,

気体に対する特別な規定は,この規格の適用外とする。

2. 

コリオリメータの第一の目的は,質量流量を計測することであるが,メータには,流体の密

度及び/又は温度を測定できるものもある。この三つの諸量の計測から,体積流量と他の関

連諸量とを求めることができる。

3. 

この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。

ISO 10790:1999

, Measurement of fluid flow in closed conduits−Guidance to the selection,

installation and use of Coriolis meters (mass flow

,density and volume flow measurements)

(MOD)

2. 

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS Z 8103

  計測用語

3. 

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,JIS Z 8103 によるほか,次による。


2

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3.1

コリオリメータ(Coriolis meter)  流動流体と 1 本又は複数の振動するチューブとの間のコリオリ力

による相互作用を利用して,主として質量流量を計測する流量検出器(第 1 の装置)と変換器(第 2 の装

置)とからなる機器。また,流体の密度及びプロセス温度を計測する場合もある。

3.2

流量検出器(第 の装置)[flow sensor(primary device)]  振動管,駆動装置,検出装置,支持構造

及びハウジングからなる機械部。

3.2.1

振動管(oscillating tube)  計測される流体が管の中を通過するとき,振動を与える管。

3.2.2

駆動装置(drive system)  振動管の振動を誘起する装置。

3.2.3

検出装置(sensing device)  コリオリの力を検出し,振動管の周波数を計測するセンサ。

3.2.4

温度センサ(thermometer)  流体温度による振動管の弾性係数の変化を補正するために,振動管

の温度を測定するセンサ。

3.2.5

支持構造(supporting structure)  振動管を支持する機構。

3.2.6

ハウジング(housing)  流量検出器を周囲の環境から保護するケース。

3.2.7

第 容器(secondary containment)  振動管が破損した場合に環境に対して保護するように設計さ

れたハウジング。

3.3

変換器(第 の装置)[transmitter(secondary device)]  振動管の駆動回路をもち,流量検出器から

の信号を,計測諸量に応じた出力に変換する電気制御装置。温度などのパラメータから計測諸量を補正す

る機能も備えている。

3.4

流量(flow rate)  流量検出器を通過する流体の量とこの量が流量検出器を通過するのに要した時間

との比。

3.4.1

質量流量(mass flow rate)  通過する流体の量が質量で表される流量。

3.4.2

体積流量(volume flow rate)  通過する流体の量が体積で表される流量。

3.5

校正係数(calibration factor)  各コリオリメータ固有の数値係数であって,変換器にプログラミン

グすることで,メータが,その表示仕様どおりに動作するようになるもの。

3.5.1

流量校正係数(flow calibration factor)  質量流量計測に関連する校正係数。

3.5.2

密度校正係数(density calibration factor)  密度計測に関連する校正係数。

3.6

ゼロオフセット(zero offset)  流量ゼロの状態で,通常,周囲の配管系及びプロセス条件によって,

振動管に応力がかかる結果,指示される測定出力。

備考  ゼロオフセットは,ゼロ調整によって減少させることができる。

3.7

ゼロ安定性(zero stability)  ゼロ調整後,流量ゼロの状態で指示される測定出力の大きさで,製造

業者によって質量流量の絶対値で表現されている。

備考  ゼロ安定性に対する表示値は,流体に泡及び過度の沈殿物のない安定な状態に対して有効であ

る。

3.8

フラッシング(flashing)  ライン圧力が液体の蒸気圧力以下に低下したときに生じる現象。

備考  流速が高い場合に生じる大きな圧力損失によって,発生することがある。

3.9

キャビテーション(cavitation)  フラッシングの発生後,圧力が回復した場合に蒸気の泡が崩壊す

る(破裂する)現象。

4.

コリオリメータ選定基準

4.1

一般  コリオリメータは,必要な測定範囲及び精度内で諸量を計測するために選定されることが望

ましい。コリオリメータが選定されるとき,次の事項を考慮する。


3

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4.2

精度  精度の表現は,適用される計測諸量によって変わる。質量流量,密度及び体積流量の精度に

関する具体的な規定については,それぞれ 6.27.3 及び 8.3 を参照する。他の計測諸量については,9.を参

照する。

備考  製造業者の精度表現は,具体的な基準条件に対して与えられることが望ましい。使用条件が校

正条件と著しく異なるとメータの性能に影響する場合がある。

4.3

設置

4.3.1

一般  製造業者は,好ましい設置方法について取扱説明書などに記載し,使用上のすべての制限に

ついても記載するのが望ましい(

附属書 を参照)。

設置方法は,コリオリメータの運転寿命が最大になるように,また,計測性能が損なわれないように設

置する。損傷を引起し,計測に誤差を引起すような固体又は蒸気の除去のために,必要に応じて,ストレ

ーナ,フィルタ,空気分離器(蒸気分離器)又は他の保護装置を,メータの上流側に置くことが望ましい。

コリオリメータは,一般に流れの主流路中に置かれるが,密度計測に対しては,バイパスラインにも置

くことができる。

4.3.2

設置基準  次の事項を考慮する。

a)

現地校正が要求される場合には,外部の計量器とマスタメータとの接続を考慮し,コリオリメータの

設置には,十分なスペースを取る。

b)

配管接続等級及び種類,材質並びに使用される機器類の寸法

c)

危険場所の等級

d)

コリオリメータへの気候及び環境の影響。例えば,温度,湿度,腐食大気,機械的衝撃,振動,電磁

e)

設置及び支持要件

4.3.3

全体の配管要件  計器の計測性能が損なわれないように,流量検出器は,振動管が計測される流体

で完全に充満されるように設置しなくてはならない。製造業者は,計器から気体をパージする,又は液体

を排出することが必要な場合には,その手段を規定する。

4.3.4 

取付姿勢  詰まり,付着,ガスたまり,凝縮たまり又は固体の沈殿は,メータの性能に影響を与え

ることがある。コリオリメータの取付姿勢は,メータの用途と振動管の幾何学的形状とによるが,製造業

者によって推奨されることが望ましい。

4.3.5

流れの状態及び必要直管長  コリオリメータの性能は,上流又は下流の配管構成によって起きる旋

回流又は不均一な速度分布によって,通常は影響されない。特別な直管長は,普通必要ないが,良好な配

管施工法は,常に念頭におくことが望ましい。

4.3.6

バルブ  コリオリメータの取外し及びゼロ調整のために,設置される上流又は下流のバルブは,ど

んな形のものでもよいが,確実に流れを閉止しなくてはならない。

コリオリメータと直列に付く制御弁は,

メータの中をできるだけ高い圧力に保ち,キャビテーション又はフラッシングを起こさないように,下流

側に設置するのが望ましい。

4.3.7

洗浄  ある用途に対して,例えば,衛生用コリオリメータは,現地洗浄を必要とする場合があり,

次の方法によって達成できる。

a)

機械的手段(ピグの使用又は超音波)

b)

自己排液(セルフドレーン)

c)

流体的手段

−  殺菌[スチーム洗浄,SIP(sterilization in place)


4

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−  化学的又は生物学的洗浄[CIP(cleaning in place)

備考1.  洗浄流体が使われた後,相互汚染を避けるよう注意を要する。

2. 

流量検出器の接液材料は,プロセス流体及び洗浄流体に腐食されないものでなければならな

い。

4.3.8

液圧及び機械的振動  製造業者は,プロセスで考えられる影響又は他の外部から機械的に受ける振

動の影響を評価できるように,計器の作動周波数範囲を明確にすることが望ましい。メータの性能が作動

周波数以外の周波数によって影響されることもある。

これらの影響は,計器の適切な据付け又は締付けによって大きく左右されることがある。

機械的振動又は流体振動が大きい環境では,脈動減衰装置(4.4.7 参照)

,振動遮断器及び/又は可ぎょ

う(撓)継手の使用を配慮することが望ましい。

4.3.9

フラッシング及び/又はキャビテーション  比較的高い流速の液体がコリオリメータに流れると

き,局所的な圧力損失が生じ,メータ内部にフラッシング及び/又はキャビテーションが引起されること

がある。

コリオリメータ(また,その直前,直後。

)でのフラッシング及びキャビテーションは,常に避けなくて

はならない。フラッシング及びキャビテーションは,計測誤差を生じ,センサを損傷する原因となること

がある。

4.3.10

配管応力及びねじれ  流量検出器は,運転の間に軸方向の曲げ及びねじれ力を受けることがある。

これらの力の変化は,プロセス上の温度及び/又は圧力の変化に基づくもので,コリオリメータの性能に

影響を及ぼすことがある。外力がメータに生じないように取り付ける。

接続配管によって,コリオリメータ上に過度の応力が及ぼされないような手段をとることが望ましい。

4.3.11

センサ間相互干渉  2 台以上のコリオリメータが一緒に近くに設置されると,機械的継手を経由し

て,影響が生じることがある。これは,相互干渉(クロス・トーク)によるものである。製造業者は,相

互干渉を防止する方法について顧客の相談に応じるのが望ましい。

4.4

プロセス条件及び流体特性による影響

4.4.1

一般  密度・粘度のような流体特性及び圧力・温度のようなプロセス条件の変化は,メータの性能

に影響することがある。これらの影響は,関連するパラメータによって異なる作用をする(6.37.58.4

及び 9.5 参照)

4.4.2

用途及び流動特性  与えられた用途に対して最適なメータを選定するには,コリオリメータが受け

るプロセス条件の範囲を確定することが重要である。これらのプロセス条件は,次による。

a)

運転流量及び次の流動特性:一方向又は両方向。連続,間欠又は変動。

b)

運転密度の範囲

c)

運転温度の範囲

d)

運転圧力の範囲

e)

フラッシング及び/又はキャビテーションが生じない液体圧力

f)

許容圧力損失

g)

運転粘度の範囲

h)

蒸気圧力,二相流及び腐食性を含む計測流体の特性

i)

腐食性添加物又は異物のメータへの影響,並びに液体の流れに入り込むことのある摩耗粒子などの異

物の量及び大きさ


5

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4.4.3

多相流  混合液,液体中に均一に固体の混ざった混合液又は低率の気体が均一に液体に混ざった混

合液は,問題なく計測できる場合が多い。不均一に混合物を含む多相流の用途では,計測誤差が大きくな

り使用できない場合もある。気泡又は凝縮物がメータにたまらないよう注意する。

4.4.4

プロセス流体の影響  振動管の内面における材料の壊食,腐食及び付着(ときには,皮膜に属する。)

は,当初は,計測誤差を生じ,長期的には,センサを破損することもある。

4.4.5

温度影響  温度の変化は,センサ材料の特性に影響を与え,さらにセンサの挙動に影響する。この

影響は,通常変換器で補正される。

4.4.6

圧力影響  静圧力の変化は,センサの精度に影響することがあるので,製造業者は,その程度を明

らかにすることが望ましい。この影響は,精密な計測及び特別な構造並びに特殊寸法のメータの場合を除

いて,通常,補正しない。

4.4.7

脈動流の影響  コリオリメータは,一般的に脈動流に使うことができる。しかし,脈動がメータの

性能に影響することがある(4.3.8 参照)

。その場合には,脈動減衰装置が使えるかどうかを製造業者に問

い合わせる。

4.4.8

粘度影響  高い粘度の流体は,特に流動開始時に駆動装置からエネルギーを吸収することがある。

また,メータの構造によっては,この現象は,流れが適切になるまで振動管に瞬間的な失速を引起こすこ

とがある。この現象に対して,通常,変換器から警報が出ることが望ましい。

4.5

圧力損失  圧力損失は,流体が流量検出器の中を流れることによって生じる。この損失の大きさは,

振動管の寸法及び幾何形状並びにプロセス流体の質量流量(速度)及び動粘度との関数である。製造業者

は,基準条件下で生じる圧力損失を明らかにし,運転時に発生する圧力損失を計算するために必要な情報

を提供することが望ましい。配管系の総圧力がメータによる圧力損失を補うだけ十分に高いことを確認す

る。

4.6

安全

4.6.1

一般  メータは,メータの仕様を超えた条件で使用しないほうがよい。メータは,要求される危険

場所等級にも適合するのが望ましい。

4.6.2

耐圧試験  組立の完成した流量検出器の接液部は,適切な規格に沿った耐圧試験を行う。

4.6.3

機械的応力  メータは,振動管から発生するあらゆる負荷,温度,圧力及び配管振動に耐えるよう

に設計するのが望ましい。使用者は,常にセンサの限界を把握して使用する。

4.6.4

壊食(Erosion)  固体微粒子を含む流体又はキャビテーションを生じている流体は,流動中にメ

ータ内部に壊食を起こすことがある。壊食の影響は,メータの大きさ,幾何形状,粒子サイズ及び摩耗性

並びに流速に依存するので,メータのそれぞれの使用形態によって注意する。

4.6.5

腐食(Corrosion)  接液材料に対する電食などの腐食は,センサの運転寿命に悪い影響を与えるこ

とがある。センサの構成材料は,プロセス流体及び洗浄流体に耐えるように選定しなくてはならない。流

れがない場合又は空の管では,腐食及び電食に特に注意が必要である。すべての接液部材料の仕様が明ら

かにされることが望ましい。

4.6.6

ハウジング設計  ハウジングは,流量検出器が運転を妨げられるような有害な影響(ごみ,結露及

び機械的干渉。

)を周囲から受けないように,設計するのが望ましい。コリオリメータの振動管が破損する

と,振動管を覆うハウジングは,ハウジングを破損する可能性のあるプロセス流体と条件とにさらされる

ことになる。したがって,次の項目について配慮する。

a)

ハウジング内の圧力が設計限界を超えるか否か。

b)

流体が有毒,腐食性又は揮発性であるか否か,ハウジングから漏れるか否か。


6

B 7555

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このような問題を避ける確かなハウジングを設計するには,

1)

第 2 の圧力容器

2)

破裂板又は圧力逃がし弁,流体排出口,排気口など

を用意する。第 2 の圧力容器に関する指針については

附属書 を参照する。

4.6.7

洗浄  一般指針については,4.3.7 を参照する。

洗浄条件(流体,温度,流量など)は,コリオリメータの材料と適合するように選択するのが望ましい。

4.7

変換器  コリオリメータは,1 台で広範囲な計測データを提供する複合計器である。最も適切な変換

器を選定するに当たって,次の事項について考慮する。

a)

電気,電子,気候及び安全適合性。

b)

据付け,例えば,一体形か分離形か。

c)

出力の数及び形式

d)

プログラミングの容易さ及びセキュリティ。

e)

適切な安定性と妥当な応答時間とを有する出力。

アナログ出力の場合には,

最小及び最大スパン調整。

f)

システムエラーを示す出力。

g)

必要なオプション入力,例えば,遠隔ゼロ調整,積算リセット及び警報。

h)

ディジタル通信の種類

5. 

検査及び規格適合性  コリオリメータは,配管系の一部分(インライン計装)であるので,計器が他

のインライン機器に適用されるのと同様な試験を受けるのが基本である。

計器の校正及び/又は性能の確認に加えて,機械的要件を満足するために,

次の任意の試験を実施する。

a)

寸法の確認

b)

使用者によって指定された場合には,トレーサブルな手順に従った耐圧試験を追加する。

c)

内部欠陥,例えば含有物を検出するため,及び溶接の完全さを実証するための流量検出器の X 線試験

及び/又は超音波試験

上記試験の結果は,要求されたときに,証明報告書に記述するのが望ましい。

上記報告書に加えて,次の証明書を最終検査で利用するのが望ましい。

1)

すべての圧力容器部品の材料証明書

2)

適合証明書(電気的場所の等級など)

3)

校正証明書及び試験結果

6.

質量流量計測

6.1

機器

6.1.1

作動原理  コリオリメータは,回転している物体中の質点が図 の x 方向に動くときに,常に慣性

力が発生するという原理で作動する。この原理を

図 に示す。

ある固定点 P に対し,角速度

ω

で回転しているチューブ T の中を,一定流速 をもった質量

δ

m

の質点

が滑って行くとする。質点は,二つの成分に分けることのできる一つの加速度を受ける。その二つの成分

は,x,y を回転座標系とすると,

a)

ω

2

×に等しく,x の方向に向いた加速度 a

r

b)  a

r

に直角で 2

ω

×に等しく,y の負の方向に向いた加速度 a

t

である。


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B 7555

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T

ω

Δ F

C

δ

m

P

Δx

 r

  1  コリオリメータの作動原理

質点に加速度 a

t

が生じると,質点には次に定義されるコリオリの力と呼ばれる

Δ

F

C

が作用する。

Δ

F

c

=2

ω

×

ν

×

δ

m

 (1)

図 に示すように,密度

ρ

の流体が回転しているチューブに沿って一定の速度 で流れているとき,チ

ューブのどの長さ

Δ

x

においても,大きさ

Δ

F

C

=2

ω

×v×

ρ

×A×

Δ

x

の横方向のコリオリ力を受ける。こ

こに,はチューブ内部の断面積である。質量流量 q

m

は,次のように表される。

q

m

ν

×

ρ

× (2)

したがって,横方向のコリオリ力

Δ

F

c

は,次のように表される。

Δ

F

c

=2

ω

×q

m

×

Δ

 (3)

これから,回転しているチューブ上で流動流体によって発生したコリオリ力を(直接又は間接に)測定

すると,質量流量が分かる。これがコリオリメータの作動原理である。

6.1.2

構成  コリオリメータは,振動管,駆動装置,検出装置,温度センサ及びハウジングからなる流量

検出器並びに変換器で構成され,流量検出器及び変換器は,一体の場合と信号ケーブルで接続される場合

とがある。その構成概念図を,

図 に示す。

変換器

駆動装置

振動管

ハウジング

検出装置

流れ

温度センサ

  2  コリオリメータの構成


8

B 7555

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6.1.3

コリオリセンサ  製品化されたコリオリメータでは,慣性力は,連続的回転運動ではなく,むしろ

チューブの振動によって発生させている。

チューブを一定の振動に保つのに要する最小の駆動力は,振動の周波数が液の充満した管の固有振動数

かそれに近い値のときに生じる。

ほとんどのメータにおいて,振動管は 2 点で固定され,これら 2 点間の中間の位置で振動されている。

コリオリメータは,直線又はループ状の単一管若しくは 2 本の平行管をもつものが多い。

流れがないとき,二つの検出点における相対変位は,一致しているが,流れがあるときはコリオリ力が

振動管に作用し,検出点間の位相差として観測され得る小さな変位(たわみ)又はねじれを生じる。

コリオリ力(及びこれによる管の変形)は,軸方向運動と強制振動の両方があるときにだけ存在する。

強制振動があり流れがないか又は振動がなくて流れがあるときには,たわみは生じず,メータは,出力を

出さないことになる。

検出器の流れ校正係数は,製造及び校正の間に決められる。これらの値は,各検出器に対し固有のもの

であり,通常,校正証明書及び/又は検出器きょう体に付けた銘板上に記録される。

6.1.4

温度センサ  温度センサは,流体温度による振動管の弾性係数の変化を補正するために,振動管の

温度を測定する。

6.1.5

コリオリ変換器  コリオリメータは,駆動エネルギーを供給するため及び連続信号を処理するため

の変換器を必要とする。流量検出器の校正係数を入力することによって,変換器を流量検出器に合わせる

ことが必要である。

質量流量は,通常,総質量を得るために,変換器内において時間で積分される。

変換器は,付加的諸量を求めるために,アプリケーションソフトを搭載する場合もあるが,更なる設定

を必要とする。密度又は体積を計測する場合には,出力要件からソフトウエアにほかの係数を入力するこ

とが必要である。すべての出力は,通常,個別に単位化される。

6.2

精度  精度は,期待される誤差限界を量で表す手段として用いられ,通常,読み値のパーセントと

して表される。質量流量計測に対して精度という用語は直線性,繰返し性,ヒステリシス及びゼロ安定性

を含んでいる。

直線性,繰返し性及びヒステリシスは組み合わせて,読み値のパーセントとして表現される。ゼロ安定

性は,単独のパラメータで単位時間当たりの質量として与えられる。完全な精度値を決定するためには,

ゼロ安定性を具体的な流量での読み値に対するパーセントとして計算し,直線性,繰返し性及びヒステリ

シスの組合せ結果にこの値を加えることが必要である。

繰返し性は,しばしば別のパラメータとして与えられるが,読み値のパーセントとして表され,精度と

同様な方法で計算される。

精度及び繰返し性は,通常,製造業者によって指定される基準条件に対して記述される。これらの基準

条件は,温度,圧力,密度範囲及び流量範囲を含まなくてはならない。

6.3

質量流量計測に影響する因子

6.3.1

一般  詳細については,附属書 を参照する。

6.3.2

密度及び粘度  密度及び粘度は,通常,質量流量の計測には,影響が少ない。したがって,補正は,

通常不要であるが,ある種の構造のもの及び特殊寸法のメータでは,密度の変化が流量ゼロ時のメータ出

力におけるオフセット及び/又はメータ校正係数の変化を引起すことがある。このオフセットは,計測条

件下でゼロ調整(5.4 参照)を実施することによって減じられる。粘度影響については,4.4.8 を参照する。


9

B 7555

:2003

6.3.3

多相流  混合液体,液体中に均一な固体の混ざった混合液又は低率の気体が均一に混ざった混合液

は,問題なく計測できる場合が多い。不均一混合物を含む多相流の用途では計測誤差が大きくなり,使用

できない場合がある。気泡又は凝縮物が,メータにたまらないように注意するのが望ましい。このような

状況下のゼロ調整手順は,特に注意することが望ましい(6.4 参照)

6.3.4

温度  温度変化は,センサの流れ校正係数に影響し補正が必要である。この影響に対する補正は,

通常,変換器によって行われるが,振動管と周囲との間に大きな温度差がある場合には,温度補正に誤差

が発生することがある。断熱材はこの影響を最小にできる。温度変化は流量ゼロ時のメータ出力のオフセ

ットを引起すことがある。したがって,プロセス温度で,メータのゼロを確認する必要がある(6.4 参照)

6.3.5

圧力  圧力が,質量流量の計測上に及ぼす影響は少ないので,通常補正は不要であるが,ある種の

構造のもの及び特殊寸法のものにおいて,圧力変化が,流れ校正係数に影響を与える可能性のある場合に

は,補正が必要である。圧力変化は,流量ゼロ時のメータ出力のオフセットを引起すこともある。この影

響は,プロセス圧力でゼロ調整(5.4 参照)を実施することによって減じられる。

6.3.6

設置  周囲の配管工事によってセンサに生じる応力は,流量ゼロ時のメータ出力のオフセットを引

き起こすことがある。このオフセットは,メータを最初に設置したとき又は設置を変更したときに,確認

することが望ましい。もしオフセットが許容できないならば,別途ゼロ調整(6.4 参照)を実施する。

6.4

ゼロ調整  メータの設置が一度完結したならば,6.3 に規定する影響をなくすためにゼロ調整が通常

必要である。流量ゼロを確認し調整するために,メータはプロセス流体で充満され,流れが停止されなく

てはならない。メータのゼロを最初に確認し,もしオフセットが許容できない場合には,再度調整するこ

とを推奨する。ゼロ調整は,プロセス条件下の温度,圧力及び密度で実施すること並びに流体が静止して

おり,気泡又は多くのたい(堆)積物がないことが不可欠である。ゼロ調整は,通常,変換器のゼロボタ

ンを押すか又は遠隔操作によって行う。

ゼロ調整の良否は,流量ゼロ時のメータ出力を観測することによって調べることができるが,出力を見

る前に変換器の小流量カットオフ設定をゼロにセットするか又は小流量カットオフ設定によって影響され

ない出力を使用することが大切である。双方向計測の場合には,ゼロ調整が適切ならば,双方向計測機能

を可動状態にしてもよい。メータのゼロは,定期的に確認することが望ましい。

備考  小流量カットオフは,流量があらかじめセットした値以下になると,メータ出力を流量ゼロの

状態にする変換器の機能のことをいう。

6.5

質量流量の校正  すべてのコリオリメータは,製造業者によってトレーサブルな標準で校正され,

メータに対する校正証明書が提出できることが望ましい。この手順で決定した校正係数は,検出器銘板上

に記録されることが望ましい。

コリオリメータの校正は,他の流量計の校正と類似している。校正は,被試験メータよりよい不確かさ

をもち,好ましくは,少なくとも三倍以上よい不確かさをもつトレーサブルな標準に対し,メータの出力

を比較することで行われる。

コリオリメータは,質量流計測装置で,質量又はひょう(秤)量標準によって校正する方が好ましい。

密度測定と組み合わされた体積標準による校正は,質量又はひょう(秤)量標準が利用できない場合には,

特に現地で校正するときに使用してもよい。この方法によって起こる誤差は,注意深く見積もらなくては

ならない。コリオリメータがマスターメータとして使用される場合には,相互干渉を避けるよう注意しな

ければならない(4.3.11 参照)

校正は,

できれば実際に使用する条件に近い状態で実施されることが望ましい。校正の開始に先立って,

メータのゼロを確認する(6.4 参照)

。コリオリメータは,校正試験装置でゼロ調整を行い,最終設置場所


10

B 7555

:2003

で再びゼロ調整をする必要がある。詳細な校正方法,校正頻度,推奨手順,校正水準及び校正曲線の例は,

附属書 を参照する。

6.6

1

保守点検及び保管

6.6.1

保守・点検  コリオリメータは通常,定期的な点検を必要としないが,付着性の強い液体,摩耗さ

せるおそれのある粒子の混入した液体など,特別な測定液体の場合は,必要に応じ,点検又は洗浄を行う。

また,

流量検出器又は変換器を交換する必要が生じたときは,

流量検出器の校正を行ったうえで使用する。

6.6.2

保管  保管は,製造業者の指定に従う。特に一度使用した流量検出器を保管する場合には,流入口,

流出口及び振動管内を十分洗浄しておく。

なお,洗浄に当たっては,コリオリメータを損傷しないように注意する。

7.

流量計測条件下での密度計測

7.1

一般  コリオリメータは,流量計測と同時に配管内で直接の密度計測とができる。この箇条では,

密度と相対密度との計測が,どのように流量計測と同時に行われるかを概説する。また,密度校正に対す

る推奨にも触れる。基準密度と濃度のような密度基準による推論計測は,9.による。

7.2

作動原理  コリオリメータは,通常,固有振動数又は共振周波数で運転される。共振系に関して,

この周波数と移動質量との間には,非常に密接な関係がある。共振系として見たコリオリメータの固有周

波数は,次の式でよく近似することができる。

m

C

f

π

2

1

R

 (4)

m

m

T

m

F

 (5)

m

F

ρ

F

×V

F

 (6)

ここに,

f

R

共振又は固有周波数

C

振動管の機械的剛性又はばね定数

m

全体の振動質量

m

T

振動管の質量

m

F

振動管内の流体の振動質量

V

F

振動管内の流体体積

ρ

F

流体の密度

機械的剛性又は振動管のばね定数は,メータの構造及び振動管材料のヤング率に依存する。式 (4),式 (5)

及び式 (6) から,ρ

F

は,次の式によって決定することができる。

F

T

2

R

F

F

2

(

V

m

f

V

C

π

ρ

úû

ù

êë

é

 (7)

簡略化すると式 (7) は,

2

R

2

1

F

f

K

K

ρ

 (8)

となる。

K

1

及び K

2

は,密度計測に対する係数で,校正中に決定される。

周波数は,振動管の振動の周期 T

f

を計測することによって又はタイムウインド(ゲート)t

W

の間に振動

回数 N

C

を計数することによって,測定することができる。


11

B 7555

:2003

f

R

1

T

f

又は

W

C

R

t

N

f

 (9)

K

1

と K

2

とは,温度に依存するので,内蔵の温度計測システムで自動的に補正されることが望ましい[圧

力依存性がある場合もある(7.5.3 参照)

7.3

相対密度(

1

)

  プロセス条件下の流体密度を基準条件下での純粋な水の密度によって除すと,プロセ

ス条件下の相対密度 が次の式によって求められる。

WO

F

ρ

ρ

d

 (10)

ここに,

ρ

F

流量計測下の流体密度

ρ

WO

基準条件下の水の密度

(

1

)

比重量ともいう。

7.4

精度  精度という用語は,予想される誤差限界を量的に表す手段として製造業者及び使用者によっ

てしばしば使われる。密度に関する精度という用語は,直線性,繰返し性及びヒステリシスを組み合わせ

た結果を含んでいる。密度の精度は,単位体積当たりの質量の絶対値(例えば,g/cm

3

又は kg/m

3

)とし

て表す。

精度及び繰返し性は,通常,製造業者によって規定される基準条件に対して規定する。これらの基準条

件は,温度,圧力,密度範囲及び流量範囲を含んでいることが望ましい。適切に設置されている場合には,

メータは,この精度限界内で密度を計測しなければならない。

7.5

密度計測に影響する因子

7.5.1

一般  詳細については,附属書 も参照する。

密度の計測は,プロセス条件の変化によって影響されることがある。この影響をもつ用途において製造

業者は,この影響を量で表したり,また,メータの性能上に影響を与えるものについて指針を与えるのが

望ましい。例えば,温度影響は 1  ℃当たりの密度変化として表すことができる。

7.5.2

温度  温度変化は,センサの密度校正係数に影響することがある。したがって,この変化に対する

補正が必要で,変換器によって自動的に実施されるが,密度の非線形性によって,影響を完全に取り除く

ことができない場合がある。精密な用途でこの影響を少なくするためには,運転温度での校正が必要とい

える。振動管と周囲温度間との大きな温度差がある場合には,温度補正に誤差を生じることがある。断熱

材を使用することによってこの影響を最小にできる。

備考  ある種の用途,例えば,極低温液体に関しては,密度計測に瞬間的に影響するプロセス温度の

ステップ変化(熱衝撃)に起因する過渡的温度影響があり得るので,これもまた考慮する必要

がある。

7.5.3

圧力  圧力は,通常密度への影響が少なく,本来なら補正は必要ない。ただし,ある種の構造及び

圧力変化が特殊寸法のメータでは,密度校正係数に影響することもある。この場合には,補正が必要であ

り,プロセス圧力での校正を実施する必要がある。

7.5.4 

多相流  混合液体,液体中に均一な固体の混ざった混合液又は低率の気体が均一に混ざった混合液

は,問題なく計測できる場合が多い。ある環境では(特に液体中に気泡のある場合には)

,誤差を増加させ,

使用できない場合がある。密度計測に影響しない許容できる気泡又は沈殿した固体の度合は,その分布と

搬送液体との結合に依存するものと思われる。例えば,水中の大きな空気だまりは,高粘度液体に均一に

分布する気泡よりも問題になる。多相系の密度計測に関しコリオリメータが適するかどうかは,使用目的

に依存する。よく検討し,製造業者にも相談して,より適切なメータの選定を行うことが望ましい。


12

B 7555

:2003

7.5.5

流れ  密度校正は,通常静的な状態で,すなわち,何も流動のない状態で実施される。しかし,流

れているときの運転では,水圧による外乱が,密度計測に影響する場合がある。このような影響を起こし

そうな流体速度は,検出器の大きさと幾何学形状とによって変化する。流れが影響を及ぼす流速での精密

な密度計測においては,流動状態での密度校正を実施することが望ましい。ある製造業者は,密度計測上

の流れ影響に対して自動補正を行っている。

7.5.6

腐食,壊食及び被覆物  腐食及び壊食は,計測管の質量を減少させ,反対に付着物は,管の質量を

増やすことになる。これらの影響は,両方とも密度計測に誤差を引起す。このような影響が起こる可能性

のある用途では,適切な材料の選定と最も適切なメータサイズ(速度の制限)の選定,そして必要な場合

には,定期的に洗浄を行うことが必要である。逆に,密度計測の状態を見ながら,計測管内の過度な腐食

若しくは壊食の発生又は付着物の生成を診断することが可能である。

7.5.7

設置  一般的に設置上の応力は,密度計測には影響しないが,ある種の流量検出器構造では,姿勢

についてわずかな影響がある場合がある。精密な密度計測の用途では,最終的に設置する姿勢でメータを

校正するか又は別法として現地調整を実施することが必要である(7.6.3 参照)

7.6 

校正及び調整

7.6.1

一般  コリオリメータは,製造中に及び/又は現地調整によって校正することができる。単相で清

浄な液体だけを校正又は調整用に使用するのが望ましい。計測管は,清浄で,付着物又はたい(堆)積物

がなく,また,校正直前には,水洗されるのが望ましい。この要件から外れると有意な計測誤差が生じる

ことがある。

7.6.2

製造業者の校正  コリオリメータでは,密度は,通常,空気及び水を基準流体として製造業者によ

って校正される。この手順によって決定された密度校正係数は,通常センサ銘板上に記録される。精密な

密度計測が必要な場合には,最終的な使用条件に類似した密度,温度及び圧力の複数の流体を用いた特別

な校正が必要である。このような状況では,メータに対する密度校正証明書が要求に応じて入手できるの

が望ましい。

7.6.3

現地調整  現地調整の利点は,使用者によって計測管にプロセス流体を入れて,実行できることで

ある。コリオリメータによる密度計測が,調整前から安定を保っていることが必す(須)である。使用者

は,メータ内の流体密度がどの位の値かを知っている必要がある。変換器は,メータを一つ以上の液体で

充満して現地調整することができる機能を備えているのが望ましい。

現地調整は,

例えば,

メータの取付姿勢のように設置上の影響がなくなるようにすることが推奨される。

現地調整を実施するのに必要な手順は,取扱説明書に詳細に記載されているのが望ましい。

備考  コリオリメータによる密度計測は,システムの安定性の指標としてよく用いられ,使用できる

用途及び設置上の問題点を診断する助けとなることがある。

8.

計測条件下の体積流量計測

8.1

一般  コリオリメータは,直接に流体の質量流量及び密度を計測する。したがって,必要に応じて

この両方が使われたり,一つが使われたりするが,このコリオリメータの利点が非常に生かされる用途の

一つに,この二つの量を用いた体積流量の計測がある。

8.2

体積計算  密度は単位体積当たりの質量として定義され,したがって,体積は次のように質量及び

密度から算出する。

ρ

m

V

 (11)


13

B 7555

:2003

ここに,

V

計測状態下の体積

ρ:

計測状態下の密度

m

質量

コリオリメータが,質量及び密度の両方を計測できるタイプである場合には,式 (11) は直接変換器の

ソフトの中に取り入れて差し支えない(6.及び 7.を参照)

。実際に式 (11) の質量部分は,時間の関数とし

て計測される(質量流量)

。したがって計算される体積も時間の関数である。

ρ

m

V

q

q

 (12)

ここに,  q

V

:  計測状態下の体積流量

q

m

:  質量流量

コリオリメータには,出力信号として式 (12) から計算される体積流量を出力するものもある。計算さ

れた体積流量は,積算体積を得るために時間に関し積分される。

備考  算出された体積流量は,動的な質量流量及びプロセス条件下で計測された動的な密度計測に基

づくものである。したがって,この形態の体積流量もまたプロセス条件下で計測された動的な

計測であり,基準条件下での体積流量ではない。

8.3

精度  コリオリメータの製造業者の中で,体積計測の予測精度を公表しているものもある。しかし,

この情報が入手できない場合は,体積流計測の予測精度は,次の式で算出する。

2

2

m

V

ρ

ε

ε

ε

 (13)

ここに,

ε

V

体積計測の精度

ε

m

質量計測の精度(6.2 参照)

ε

ρ

密度計測の精度(7.4 参照)

上記の各精度値は,すべての読み値の±%で表される。

8.4

特別な影響

8.4.1

一般  コリオリメータは,単に体積の計算値を与えるだけであるので,その信頼性は体積の式に入

れられるデータと同程度のものである。これに基づくと,質量流量及び密度計測の信頼性に影響を与える

流体又はプロセスパラメータ中のどのような変化も,計算される体積計測の信頼性に影響を与える。質量

流量及び密度の計測へのプロセス条件変化における特有な影響については,6.及び 7.を参照する。

8.4.2

空の管の影響  液体の流れを計測するコリオリメータは,計測管が空になるか液体が蒸気によって

置換されると,密度の読み値がゼロ近くに落ちる。これが生じても小さな質量流量の指示が依然としてあ

る場合には,式 (11) によって計算される液体体積の誤差は,大きなものになる(8.2 参照)

。この問題は,

メータが液体で正しく充満されない限り,どんな流れの計測も行われないように適切な低密度カットオフ

設定を採用することによって避けることができる。この問題を減少する別の方法については,製造業者に

相談するのが望ましい。

8.4.3

多相流体  多相流体の場合には,信頼の置ける液体体積の計測はできない。

8.5

工場における校正

8.5.1

質量流量及び密度  コリオリメータの体積出力が既知の体積標準と比較されるとき,計器の質量流

量計測の不正確さと密度計測の不正確さとを区別するのは不可能である。

したがって,

校正の目的として,

コリオリメータは,常に質量流量及び密度計測装置として考えるべきである。

これら二つの計測諸量は,メータが体積計測用に使用される前に,6.及び 7.に与えられた推奨方法によ

って,最初に校正されるのが望ましい。一度メータが質量流量及び密度に対して校正されると,体積計測


14

B 7555

:2003

精度の理論的予測は 8.3 でのべた式 (13) を使用して決定することができる。

8.5.2

体積の確認  体積計測に対する精度の期待値は,既知の体積標準に対し体積試験を実施することに

よって確認する。製造業者は,標準校正証明書に加え,要求がある場合には,体積流量及びそれに関連す

る体積計測誤差を示す試験データを提供するのが望ましい。この誤差は,質量流量校正データと精密な校

正流体密度とを用いて決定することができる。体積測定は,現地試験によっても確認できるが,これは,

実際のプロセス流体を用い,運転状態に設置されたコリオリメータを用いて実施することが望ましい。

9.

付加的計測

9.1

複数成分系の一般的考察  コリオリメータによって計測される密度は,計測管中にあるプロセス流

体の合成密度の関数である。流体が 2 成分を含み各成分の密度が分かる場合には,各成分の質量又は体積

率は,測定できる。

(独立した)質量流量及び密度(又は濃度)計測を組み合わせることによって,2 成分混合体の各成分

の正味質量流量もまた,計算できる。正味流量計測は,例えば,油と水のように 2 成分系に限られるが,

様々な用途に使用できる。例えば,水と油の混合液,液体と固体のスラリー,砂糖計測及び他の 2 成分系

の各成分流量が,コリオリメータを用いて測定できる。

理論的に,コリオリメータは,二相系を含み複数成分流体の平均密度を計測できる。これは,一般的に

スラリーの場合(液体によって運搬される固体。

)でもあてはまる。しかし,液体流中の気相,逆に気体流

中の液体の計測は,検出内部の構造的理由によって困難である。2 成分流体を計測する場合には,製造業

者に相談するのが望ましい。

9.2

非混合液

9.2.1

一般  非混合液体は,混合しない 2 成分を含む液体である。総体積は,計測状態下での個々の体積

の合計である。二つの非混合液体であろうと,液体と固体であろうとも,2 成分が混合しない液の場合に

は,密度と濃度の関係は,9.2.2 に与えられている式 (14) 及び式 (15) によってだけ決定される。このよ

うな混相流の例としてでん(澱)粉と水,砂と水及び油と水がある。

9.2.2

質量比率  式 (14) 及び式 (15) は,パーセントで表される質量比率 として成分 A と成分 B との

関係を各々表している。

100

)

(

)

(

B

A

M

B

M

A

A

×

−ρ

ρ

ρ

−ρ

ρ

ρ

w

 (14)

100

)

(

)

(

B

A

M

M

A

B

B

×

−ρ

ρ

ρ

−ρ

ρ

ρ

w

 (15)

ここに,

w

A

及び w

B

混相流体に関係する成分 A 及び成分 B のそれぞれの
質量比率

ρ

A

及び

ρ

B

成分 A 及び成分 B のそれぞれの密度

ρ

M

混相流体の計測密度

9.2.3

体積比率  式 (16) 及び式 (17) は,パーセントで表される体積比率

φ

として成分 A と成分 B との

関係を表す。

100

B

A

B

A

A

×

−ρ

ρ

−ρ

ρ

φ

 (16)


15

B 7555

:2003

100

B

A

M

A

B

×

−ρ

ρ

−ρ

ρ

φ

 (17)

ここに,

φ

A

及び

φ

B

混相流体に関する成分 A 及び成分 B のそれぞれ
の体積比率

ρ

A

ρ

B

及び

ρ

M

: 9.2.2 を参照

体積比率は,(14)  と (15) 式の単純な変形式である。

9.2.4

正味質量流量  全質量流量と質量比率計測とを結びつけることにより,2 成分の各々の正味質量流

量が,次の式によって算出できる。

100

A

T

m,

A

m,

w

q

q

×

 (18)

100

B

T

m,

B

m,

w

q

q

×

 (19)

ここに,

q

m

T

混相流体の総質量流量

q

m

A

及び q

m

B

成分 A 及び成分 B の正味質量流量

w

A

及び w

B

9.2.2

の式 (14) 及び式 (15) を参照

9.2.5

正味体積流量  付着物総体積流量と体積比率計測とを結びつけることにより,2 成分の各々の正味

体積流量が,次の式によって算出できる。

100

A

T

V,

A

V,

φ

×

q

q

 (20)

100

B

T

V,

B

V,

φ

×

q

q

 (21)

ここに,

q

V

T

正味全体積流量

q

V

A

及び q

V

B

成分 A 及び成分 B それぞれの体積流量

φ

A

及び

φ

B

9.2.3

の式 (16) 及び式 (17) を参照

9.3

化学的に相互作用しない成分を含む混合液体  混合液体とは,完全に混合するか又は互いに溶解す

る 2 成分からなる場合は,液体の総体積が,計測状態における個々の体積の合計と違うことがある。

アルコールと水のように二つの液体が完全に混合する場合には,

(どちらの液体成分の)質量比率も,通

常,表の値から読み取る。質量比率と密度の関係が非線形なのですべての混合する液体に有効な一般式を

得ることは不可能である。各混合流体ごとに式を導き出す必要がある(

附属書 参照)。

9.4

化学的に相互作用する成分を含む溶液  化学的に相互作用する二つの溶解流体の関係は,複雑であ

る(

附属書 参照)。


16

B 7555

:2003

9.5

温度及び圧力に対する特別な考慮  前述の式及び論議では,(附属書 でのものと同様に)温度と圧

力を一定と仮定している。どんな混合流体でも,温度と圧力とは,2 成分の各密度に対し異なった影響を

与える。したがって,補正が必要である。一般的に,密度への圧力の影響は少なく,特に圧力がほとんど

一定ならば,無視できると考えられる。どんな影響も校正することによって,特徴付けられる。温度は,

大きな影響をもち,オンライン補正が必要である。コリオリメータは,検出要素の材料を適正に補正する

ための温度計測を行っている。これは,変換器内で液体特性の補正に用いるのに便利であるが,精密な用

途には,別の温度計測を必要とする場合がある。

参考文献

1

JMIF 011-1997  コリオリ質量流量計による流量測定方法,日本計量機器工業連合会,1997,3

関連規格  JIS B 7552  液体用流量計−器差試験方法

JMIF 011

  コリオリ質量流量計による測定方法


17

B 7555

:2003

附属書 A(参考)校正技術

A.1

はじめに  コリオリメータは,他の流量計と同じ方法で校正する。校正は,被試験メータの出力を

適正な確かさをもつ適合標準によって比較する。次のように A.2 で詳述する二つの水準の校正がある。

・タイプ 1  標準校正−その詳細が製造業者によって特定されているもの。

・タイプ 2  特別校正−その詳細が使用者によって特定されているもの。

理想的には,コリオリメータはひょう(秤)量法を用いて校正するのが望ましいが,質量流量計測の総

合不確かさが体積及び密度の両方の不確かさを含むならば,体積法も,また,使用できる。不確かさの計

算は,ISO/GUM

  Guide to the expression of Uncertainty in Measurement, 1993

1

に従って行うのが望ましい。

コリオリメータは質量を量るので,ひょう(秤)量法によって校正される間に計測される流体の量は,浮

力補正された質量の単位で最終的に表されなくてはならない。

備考  校正は,手順に従って厳密に行い,流量計がトレーサブルな標準に対して確認する。また,校

正係数に対する調整は含まないものとする。

A.2

校正方法

A.2.1

一般的考察  コリオリメータを校正する場合には,ダンピングと無関係な変換器からのデータを集

積することが勧められる。許容できる校正の不確かさを確立するために,十分なパルス数が計数されなく

てはならない。

流量計の校正には,三種類の主要な方法(ひょう(秤)量法,体積法及びマスタメータ法)がある。詳

細は JIS B 7552 を参照するとよい。各々の場合で,二つの運転技術が使用できる。

a)

動的(フライング)スタート/ストップ:データ収集は,流体が安定な流量に保たれている間に開始

し,停止する。変換器信号処理時間がパルス化された出力での遅れの原因となる場合がある。このこ

とは,少量の液体での計測に動的方法が使用される場合には,例えば,スモールボリュームプルーバ

及びダイバータベースの試験装置に対して考慮しなくてはならない。

b)

静的スタート/ストップ:データ収集は,流量ゼロ状態で開始し,停止する。この場合,1 行程時間

は,

行程の開始と終了時の流量変化によって生じる誤差に見合うだけ,

十分に長くなくてはならない。

変換器信号処理時間がパルス化された出力での遅れの原因となる場合がある。したがって,バルブが

閉じ,流れが停止した後でさえ,メータの電子部は,流れを表示し続ける場合がある。この遅延パル

ス出力に基づく誤差が考慮されなくてはならない。

A.2.2 

ひょう(秤)量法  試験流体は,はかりの容器に集められなくてはならない。容器の質量は,試験

が開始する前と試験が完了した後とで,記録しなければならない。これら二つの読みの差が収集された質

量であり,空気又は気体が移動する場合には,収集された質量は浮力補正されなくてはならない。蒸発及

びタンク壁上の残液を避けるための注意が必要である。校正は,変換器積算計を収集された質量と比較す

ることによって行われる。


18

B 7555

:2003

A.2.3

体積法  コリオリメータは,確立された体積法,例えば,証明された容器に試験液を収集するか又

は体積管を用い校正することができるが,収集された量(体積)は,流体密度による乗法によって質量に

換算しなくてはならない。密度は,オンラインの密度計を用いて動的に又は流体密度が一定なら,サンプ

リング法によって計測できる。流体の特性がよく知られている場合には,密度は容器内の流体の温度と圧

力を計測することによって決定することもできる。

A.2.4

マスタメータ(参照メータ)  マスタメータもまた,確立した方法を用いてコリオリメータの校正

用に使用できる。マスタメータの安定性及び精度は完全に文書化され,質量単位で適正な不確かさが用意

されているのが望ましい。

マスタメータが体積計の場合には,その計測は,密度を用いた質量に換算されなくてはならない。密度

はオンラインの密度計を用いて動的に又は流体密度が一定の場合,サンプリング法によって計測できる。

流体の特性がよく知られている場合には,密度は,試験中の流体の温度と圧力とを計測することによって

決定することもできる。

マスタメータがコリオリメータの場合には,相互干渉(

本体の 4.3.11 参照)を避ける注意が必要である。

製造業者は,相互干渉を避ける方法を指導することが望ましい。

A.2.5

校正頻度  コリオリメータは,正しく設置され,清浄で非摩耗性流体で使用する場合には,ドリフ

トが生じない。メータの校正頻度は,運転条件の過酷さ及び特質に支配される。データが集まるにつれ,

校正頻度を少なくする又は増やすことは,適切である。財政上及び取引証明用の用途に関しては,この頻

度は規則によって命じられるか,関係者間で合意されるか,又は年に 1∼2 回という場合もある。

例えば,メータの近辺での配管工事が原因のように,メータ設置条件が変われば,メータのゼロオフセ

ットが影響される場合がある。これは,ゼロ調整を行うことによって修正することができる。流量ゼロ時

のメータ出力が製造業者によって指定するメータのゼロ安定性よりも大きい場合には,ゼロ調整が必要で

ある。

A.3

校正手順  すべてのメータ校正方法に採用されている手順は,次によって行う必要がある。

・製造業者の推奨に従ってメータを設置する。

・被試験メータ及び試験設備は,空気の影響を皆無にするため,試験前後に試験液で完全に充満されてな

くてはならない。

・校正に先立って,適切な時間の通液を行い,水圧が十分に行き渡るようにする。

・試験開始に先立ってすべての変換器構成データを記録する。

・試験前後の流量ゼロ時のメータ出力を監視する。

・メータの使用流量範囲内で試験流量を選定する。

A.4

校正条件

A.4.1

流れの安定性  流れは,一流量の校正試験時間の間,選定した流量の±5%で安定していなければ

ならない。

A.4.2

ゼロ調整  最初に試験装置が確かに流量ゼロの状態であり,それを確認していなければならない。

流量ゼロの状態でメータ出力が,特に製造業者が指定するゼロ安定性の値以内の場合には,ゼロ調整は必

要ないが,流量ゼロの状態のメータ出力が,不満足のように思える場合には,校正中ではなく,校正開始

時に 1 回だけゼロ調整を行わなければならない。流体条件をゼロ調整の一部として記録することを推奨す

る。


19

B 7555

:2003

A.4.3

温度及び圧力  流体温度及び圧力の変化は,校正中に最小に抑えるのが望ましい。1 校正時で,温

度は 1  ℃以内で一定に,校正の全時間内では 5  ℃以内で一定に保たなくてはならない。試験装置内の流体

圧力はメータ及び/又はメータの近辺でフラッシング及び/又はキャビテーションを避けるために,十分

高く保たなければならない。理想的には,試験は,メータ使用時の通常の運転圧力及び運転温度で実施さ

れるのが望ましい。

A.4.4

密度及び粘度  コリオリメータの設計によっては,性能が流体密度と粘度の変化によって影響され

る場合もある。この場合には,メータが使用されるプロセス流体と同一又は類似な特性をもつ試験流体が

使われるのが望ましい。

A.4.5

設置  本体の 3.3 に規定の指針は,校正中のメータの設置にも適用される。

A.5

校正証明書  次のデータがメータ校正証明書に含まれているのが望ましい。

・附属証明書には,ページ番号/総ページ数と共に校正証明書番号を記述する。

・証明書発行日と試験日が異なる場合には,その試験日

・試験実施者の所属

・試験所の名称及び場所

・製品名,密度,温度,圧力などの試験液データ

・被試験メータの固有番号

・試験設備のトレーサビリティとその手順

・不確かさの記述及び計算方法

・関連周囲条件

・校正の開始,終了時の流量ゼロ時のメータ出力を含む校正の関連試験データ及びその結果

・校正データは,実施順に記述されるのが望ましい。

・コリオリメータの取付姿勢

・校正が実施されるときの変換器内のパラメータ

・校正者のサイン

A.6

一般的校正証明書  一般的校正証明書を,附属書 図 に示す。


20

B 7555

:2003

観測誤

証明書番号:

供給者:

/    ページ

センサ:

型式番号

連続番号

センサ校正係数

変換器

型式番号

連続番号

校正出力 mA−パルス−密度など

試験条件

校正流体(製品名)

粘度

℃の時

密度

℃の時

試験液の温度

            ℃

試験メータ入口圧力

              kPa

校正前流量ゼロ時圧力

校正後流量ゼロ時圧力

姿勢

装置のトレーサビリティ

試験装置の不確かさ

質量流量

流量  %

指示質量

質量基準

観測誤差  %

仕様値  %

50

%                       100 %

フルスケール流量の%

流量範囲              最小                                    最大

最大流量における圧力損失

校正が実施されたときのパラメータ 
(この証明書に従属する別のシート上に印刷されていてもよい。

附属書   1  代表的校正証明書

参考文献

1

)BIPM,IEC,IFCC,ISO,IUPAC,IUPAP,OIML : Guide to the Expression of Uncertainty in Measurement,

ISO

,1st ed.,1995


21

B 7555

:2003

附属書 B(参考)コリオリメータの第 2 容器

B.1

コリオリメータの選定用安全ガイドライン

B.1.1

一般的考察  コリオリメータが,海上油田及びガス生産所のような,また,可燃性又は毒性物質の

ような,臨界的用途で使用する場合には,メータは,実際のプロセス条件下で予測寿命を超えて,試験圧

力まで保証される完全性が要求されることを念頭に置かなくてはならない。

コリオリメータは薄い肉厚の振動管をもっているため,チューブ破損の原因となる応力疲労に弱点があ

ることが,一般的に考えられがちである。これはよくある間違った概念で,メータへの過度な仕様又はあ

るときには,使用計画中止の方向にしばしば導いてしまう。

製造業者の経験によれば,通常の運転で使用するときは,コリオリメータ内に発生する応力は,非常に

小さく疲労を誘発しない。

コリオリメータが特別の用途に使用されるとき,

次の仕様に特に注意を要する。

B.1.2

材料  清浄液を含め,計測されるプロセス流体に適合するように,接液材料が適切に選定されてい

ることに注意しなくてはならない。材料の不適合がコリオリチューブ破損の最も一般的原因であり,セン

サ選定時にほとんど避けられるものである。標準の材料指針は,薄肉で振動しているチューブには,必ず

しも適用されない。標準の材料指針ばかりでなく,製造業者の推奨も考慮しなくてはならない。

B.1.3

速度  摩耗性生産物の流れを計測するとき,センサ内に壊食が起こらないように注意が必要である。

壊食のために計測チューブが薄くなるとついには壊滅的破損につながる。製造業者は与えられた流量検出

器口径に対して,壊食を受けない最大流速を明確にできるのが望ましい。

B.1.4

チューブ圧力定格  チューブ圧力定格に対し適合性を保証するために,製造業者は次の情報を提供

することが望ましい。

a)

チューブが設計された ASME コード。通常は,ASME31.3[5](又は AD-Merkblatter,Druckbehalterverordung

/ Germany

若しくは KHK/日本のような認知された同等な規格。

b)

肉厚,圧力定格などのために a)  に記述されているコードに関係する強度計算書。

B.1.5

フランジ圧力定格  同様に,コリオリセンサの接続部が,JISASME 規格などに適合していなく

てはならない。

B.1.6

圧力試験  センサ全体が適切な圧力試験に合格したことを確認するために,製造業者から試験デー

タが提示されなくてはならない。この試験データは,証明時又は試験工程時に利用できるのが望ましい。

B.1.5

の規定がどんな使用に対しても満たされているときは,第 2 の容器は必要でない。

B.2

第 の容器

B.2.1

適正な使用  B.1 の原則がメータ選定のための安全指針として働く一方,上記基準のすべてが満足

されない状況もあり得る。例えば,メータを通過するプロセス流体の性質が分からないことによって,材

料適合性に関して不安が残る場合には,第 2 の圧力容器が必要となる。この場合には,次の項目が,提示

した第 2 の容器の完全性につながるのが望ましい。

B.2.2

設計の完全性  格納容器は,各々の目的に対し,また,認知された規格に従って明確に設計された

ことを製造業者が証明できるのが望ましい。


22

B 7555

:2003

B.2.3

圧力試験  格納容器の適合性を検証する強度計算書を用意したうえに,製造業者が組立の完成した

格納容器について試験を実施することが必要な場合もある。このような圧力試験は,格納容器に適切なパ

ージ継手を用いて実施され,試験は,確立された手順に適合し,必要な資料及び試験証明書を出すのが望

ましい。

B.2.4

適切な第 の閉込み圧力定格の選定  第 2 の格納容器の圧力定格を特定する一般指針は,次のもの

である。

・連続最大容器圧力>プロセス逃がし圧力

・格納容器破裂圧力>プラント設計圧力

コリオリメータの第 2 格納容器は(チューブ破損という。

,異常な状態下で圧力を受けるが,限られた

時間と 1 回限りの発生に対して必要なだけである。これを基に,コリオリメータの格納容器に対する仕様

は,他の配管工事のものよりも厳しくはない。

第 2 の格納容器にアラームとして圧力スイッチを設置する方法もある。別法として破裂板又は逃がし弁

が使用できる。


23

B 7555

:2003

附属書 C(参考)コリオリメータの仕様

コリオリメータに対し,製造業者によって明細化されるべき情報は次のものを含むのが望ましい。

機器証明

製造業者

型式番号

計測原理

主要な計測

質量流量/密度/温度

上記の範囲

出力信号

アナログ

パルス

ディジタル

ディスプレイ

接点

性能

仕様条件に対する精度

ゼロ安定性

繰返し性

温度による運転影響

圧力による運転影響

ガス体積比率による運転影響

仕様条件下での圧力損失

運転限界

密度

圧力

温度

粘度

機械的記述

チューブの形状

部品の材料

チューブ寸法

全体寸法

質量

プロセス接続部(フランジ,ねじなど)

第 2 格納容器

電気的記述

電源

専用ケーブル

証明書

安全認証

取引証明

第 2 格納容器

一般資料

備考  サニタリー仕様の場合,チューブ内面の表面粗さが表記されているのが望ましい。


24

B 7555

:2003

附属書 D(参考)質量比率計測例

D.1

化学的に相互作用しない成分を含む混合流体

D.1.1 

密度と質量比率との関係  附属書 図 は 2 混合液体,20℃の水とエタノールに関する密度と質

量比率との関係の例である。純水と純エタノールは,次の密度をもつ。

−  水            0.999 823 g/cm

3

−  エタノール    0.789 43 g/cm

3

例えば

附属書 図 において 100  %エタノールの質量比率に対して 0.789 34 g/cm

3

の密度が,また,0  %

エタノール(100  %水)の質量比率に対して 0.999 823 g/cm

3

の密度が与えられる。

参考  データは CRC  ハンドブック

1

から得た。

附属書   1  エタノールと水とに関する密度に対する質量比率

D.1.2

質量比率  パーセントで表した質量比率の値は,表の値又は附属書 図 に類似したグラフの適

合曲線から直接得られる。

D.1.3

体積比率  溶解する 2 成分の正味体積は,絶対的な表現で量を定めるのが困難である。成分 A の

体積及び成分 B の体積が混合される場合,混合後の体積は,体積 A 及び体積 B の合計に等しくはない。

これは,混合液の溶解分子がすき(隙)間を占拠する割合の変化に起因する。実際には,使用者は,よ

りよい体積流量制御に対しては,混合前の体積比率を知る必要がある。

100

)

/

/

(

/

B

B

A

A

A

A

A

×

ρ

ρ

ρ

w

w

w

φ

(D.1)

100

)

/

/

(

/

B

B

A

A

B

B

B

×

ρ

ρ

ρ

w

w

w

φ

(D.2)

ここに,

φ

A

及び

φ

B

パーセントで表した成分の体積比率

w

A

w

B

ρ

A

ρ

B

本体の 9.2.2 で定義している。

D.1.4

正味流量計算  質量及び体積比率が分かる場合には,正味質量及び体積流量計算は,本体の 9.2.4

及び

本体の 9.2.5 の計算と同一である。

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

0.75

0.8

0.85

0.9

0.95

1

密度  (g/cm

3

)

エタノール

の質量比

 (%)


25

B 7555

:2003

D.2

化学的に相互作用する成分を含む溶液

D.2.1

密度と質量比率との関係  化学的に相互作用する 2 溶液の関係は複雑である。一例として,硫酸及

び水がある。酸化イオンが溶解密度を変化させる。

附属書 図 に示すように,濃度及び密度の関係は,

単純な曲線で定義できない。すなわち,一つの密度値で二つの異なる質量比率値をもつところがある。こ

のような場合,使用者は,密度及び質量比率の関係を理解し,また,密度に対し一つの値をもつ曲線にな

るように質量比率を十分狭くした範囲内で作業することが重要である。

参考 

データは CRC  ハンドブック

1

から得た。

附属書   2  密度に対する硫酸の密度比率

D.2.2

質量比率  パーセントで表した質量の値は,表の値又は附属書 図 に類似したグラフの適合曲

線から直接得られる。

D.2.3

体積比率  パーセントで表した体積比率の決定は,混合の前に D.1.3 に記述したのと同じ方法で計

算する。

D.2.4

正味流量計算  質量及び体積比率が分かる場合には,正味質量及び体積流量計算は,本体の 9.2.4

及び

本体の 9.2.5 の計算と同一である。

参考文献

1

)Handbook of Chemistry and Physics (CRC),CRC Press,ISO,57th ed.,1976-1977.

80

82

84

86

88

90

92

94

96

98

100

1.72

1.74

1.76

1.78

1.8

1.82

1.84

密度 (g/cm

3

)

硫酸の質量

比率

 (%

)


26

B 7555

:2003

附属書 1(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

JIS Z 7555

:2003  コリオリメータによる流量計測方法(質量流量,密度及び体積流量計測) ISO 10790:1999  コリオリメータの選定,設置及び使用への指針(質量流

量,密度及び体積流量計測)

(

Ⅰ) JIS の規定

(

Ⅱ)  国際規格の規定

(

Ⅲ)  JIS と国際規格との技術的差異の項目

ごとの評価及びその内容 
  表示箇所:本体,附属書 
  表示方法:点線の下線

(

Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差

異の理由及び今後の対策

項目番号

内容

項目番号

内容

項 目 ご と
の評価

技術的差異の内容

1. 

適用範囲

選定,設置,校正,性能及び運転
を規定

1. 

選定,設置,校正,
性能及び運転の指

IDT

JIS

で指針を規定とした。

ISO

の 3 つの文節を分解し主

文と備考に分けた。

2. 

引用規格

ISO 10790:1999 

なし

3. 

定義

コリオリメータの要素,特定な計
測用語などの定義。 

2. 

追加,削除したも
のを除き JIS に同

じ。

MOD/

除,追加

JIS Z 8103

に定義してある

一般計測用語(計測の精度,

繰返し性,計測の不確かさ,
誤差)は削除。 
温度センサを追加。

4. 

コリオリメー

タ選定基準

精度,設置,プロセス条件及び流
体特性による影響,圧力損失,安

全,変換器 

3. JIS

に同じ。

IDT

5. 

検査及び規格

適合性

検査(寸法チェック,耐圧試験,

X

線試験など)及び各種証明書 

4. JIS

に同じ。

IDT

6. 

質量流量計測

機器(作動原理,構成,コリオリ
センサ,温度センサ,コリオリ変

換器),精度,質量流量計測に影
響する因子,ゼロ調整,質量流量
の校正,保守及び点検 

5. 

追加したものを除
き JIS に同じ。

MOD/

機器(構成),保守及び点検
を追加。

コリオリメータの各要素の構
成を概念的に示した。

使用後のメータの保守・点検及
び保管は重要項目の一つであ
る。

今後,提案を行う。

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B 7555


2003


27

B 7555

:2003

(

Ⅰ) JIS の規定

(

Ⅱ)  国際規格の規定

(

Ⅲ)  JIS と国際規格との技術的差異の項目

ごとの評価及びその内容 
  表示箇所:本体,附属書 
  表示方法:点線の下線

(

Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差

異の理由及び今後の対策

項目番号

内容

項目番号

内容

項 目 ご と
の評価

技術的差異の内容

7. 

流量計測条件

下での密度計測

作動原理,相対密度,精度,密度
計測に影響する因子,校正及び調

 

6. JIS

に同じ。

IDT

8. 

計測条件下の

体積流量計測

体積計算,精度,特別な影響,工
場における校正 

7. JIS

に同じ。

IDT

9. 

付加的計測

非混合液,化学的に相互作用しな
い成分を含む混合液体,化学的に

相互作用する成分を含む溶液,温
度及び圧力に対する特別な考慮 

8. JIS

に同じ。

IDT

附属書 A(参考)
校正技術 

校正方法,校正手順,校正条件,
校正証明書,一般的校正証明書 

附属書 A(参
考) 
校正技術 

参 考 資 料 が 異 な
る。

MOD/

更,追加

不確かさの計算の参考資料
を ISO/TR 5168 , ISO/TR 

7066-1

及び ISO 7066-2 

ISO/GUM

に変更。

器差試験方法として JIS B 

7552

を参考資料として追加

した。

不確かさの計算は,ISO/GUM
によることが推奨されている。 
今後,修正提案を行う。

また,圧力の単位で bar を,優
先度の高い kPa に変更した。

附属書 B(参考)
コ リオ リ メ ー タ
の第 2 容器 

選定用安全ガイドライン,第 2 の

容器 

附属書 B(参
考) 
コリオリメー
タの第 2 容器

JIS

に同じ。

IDT

附属書 C(参考)
コ リオ リ メ ー タ
の仕様 

機器証明,主要な計測,出力信号,
性能,運転限界,機械的記述,電
気的記述,証明書 

附属書 C(参
考) 
コリオリメー

タの仕様 

追加した項目以外

JIS

に同じ。

MOD/

電気的記述に専用ケーブル
を追加。サニタリ仕様に関す
るチューブ内面の表面粗さ

の表記についの備考を追加。

コリオリメータは,専用ケーブ
ルを使用している。また,サニ
タリ使用の場合,チューブ内面

の表面粗さが重要なため。

附属書 D(参考)
質量比率計測例 

化学的に相互作用しない成分を

含む混合流体,化学的に相互作用
する成分を含む溶液 

附属書 D(参
考) 
質量比率計測
 

JIS

に同じ。

IDT

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B 7555

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JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:MOD

備考1.  項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

    ―  IDT………………  技術的差異がない。 
    ―  MOD/削除………  国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。

    ―  MOD/追加………  国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
    ―  MOD/変更………  国際規格の規定内容を変更している。

2.  JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

    ―  IDT………………  国際規格と一致している。 
    ―  MOD……………  国際規格を修正している。 
    ―  NEQ……………  技術的内容及び構成において,国際規格と同等でない。

28

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