>サイトトップへ >このカテゴリの一覧へ

 

B 7549:2017  

(1) 

目 次 

ページ 

1 適用範囲 1 

2 引用規格 1 

3 用語及び定義  1 

4 主要部の名称  3 

5 種類 3 

6 精度等級及び最大許容誤差  3 

7 定格条件 4 

7.1 一般の定格条件  4 

7.2 特殊な用途条件  4 

8 目盛の表し方  4 

9 外観及び構造  5 

10 形状及び寸法  5 

10.1 形状  5 

10.2 目盛板の外径  6 

10.3 接続部  6 

10.4 感温部  7 

11 性能及び試験方法  7 

11.1 一般  7 

11.2 試験条件  8 

11.3 性能  8 

11.4 性能試験  8 

11.5 周囲温度誤差  8 

11.6 耐温性  8 

11.7 ステップ応答性  8 

11.8 耐振性  8 

11.9 取付姿勢  9 

12 検査  9 

12.1 検査の種類  9 

12.2 型式検査  9 

12.3 受渡検査  9 

13 製品の呼び方  9 

14 表示  9 

15 製造上及び使用上の注意事項  10 

15.1 一般  10 

15.2 指示誤差  10 


 

B 7549:2017 目次 

(2) 

ページ 

15.3 設置  10 

附属書A(参考)保護管(ウェル)  12 

参考文献  14 

 

 


 

B 7549:2017  

(3) 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本計量機器工業連合会(JMIF),

日本圧力計温度計工業会(JPTMA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して

日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した

日本工業規格である。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

 

 


 

  

日本工業規格          JIS 

 

B 7549:2017 

 

液体充満圧力式指示温度計 

Liquid filled system thermometers 

 

適用範囲 

この規格は,感温筒,導管及び受圧変換部を一体形に連結した全系に液体を充満し,感温部の温度変化

による液体の膨張圧力変化を機械的な変位に変換し,温度として指針の動きに転換する単針で丸形ケーシ

ングに同心の温度範囲−50 ℃〜+300 ℃に使用する液体充満圧力式指示温度計(以下,温度計という。)

について規定する。 

 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS B 0202 管用平行ねじ 

JIS B 0203 管用テーパねじ 

JIS Z 8103 計測用語 

JIS Z 8703 試験場所の標準状態 

 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次によるほか,JIS Z 8103による。 

3.1 

圧力系部 

測定しようとする温度を可視的な変位に転換する一連の装置で,受圧変換部,感温筒及び導管からなり,

この系内に液体を封入してあるもの。 

3.2 

指示部 

感温部に導管で接続された受圧変換部及び機械的な変換機構を納めるケーシング部からなり,温度を指

示する部分。 

3.3 

導管 

感温部と受圧変換部とを接続する金属製の細管。 

3.4 

受圧変換部 

ブルドン管,ベローズなど弾性素子で圧力変化を機械的変位に変換する部分。 


B 7549:2017  

  

3.5 

変換機構 

受圧変換部の自由端の変位を拡大して指針に伝えるもので,リンク機構,ピニオン,セクタ歯車及びこ

れに付随するひげぜんまい,運動かん,ピンなどからなるもの。 

3.6 

指針調整機構 

標準温度計の表示値に合わせ,指針を感温部の温度に関係なく移動させる機構。 

3.7 

接続部 

感温部を測定しようとする場所に取り付けて固定する部分。 

3.8 

感温部 

測定対象に接触し,その温度と同一温度になるべき部分。先端には感温筒がある。 

3.9 

感温筒 

感温部の一部を構成する金属製の筒で,中には温度に応答し,圧力変化する液体が入っているもの。 

3.10 

浸線 

試験において,感温部を被測定液中に浸せき(漬)すべき位置を示すために感温部に表示した印。 

注記 印のないものは,接続部下端(ねじ下)をいう。 

3.11 

温度補正機構 

周囲温度誤差を補正するための機構。 

3.12 

測定温度範囲 

温度計が測ることのできる最高温度と最低温度との目盛範囲。 

3.13 

温度スパン 

最高温度と最低温度との差。 

3.14 

常用温度 

温度計を使い続けてもよい測定温度範囲の最高温度。 

3.15 

器差 

同じ温度において,試験する温度計の指示する温度と標準温度計の指示する温度との差。 

3.16 

ヒステリシス差 

同じ温度(測定温度範囲の下限及び上限は除く。)における昇温のときと降温のときとの指示値の差。 

3.17 

周囲温度誤差 


B 7549:2017  

 

導管及び受圧変換部に封入された液体が,周囲の温度の影響を受けたときに生じる指示の変化。 

 

主要部の名称 

温度計の受圧変換部がブルドン管の場合の主要部の名称は,図1による。 

なお,この図は単に名称を示すためのものであって,形状の基準を示すものではない。 

 

 

図1−主要部の名称 

 

種類 

温度計の種類は,大きさで区分し,大きさは目盛板の外径(mm)で表し,75 mm,100 mm及び150 mm

とする。 

 

精度等級及び最大許容誤差 

温度計は,その精度によって1.0級,1.5級及び2.0級とする。精度等級の最大許容誤差及び記号は,表

1による。 

 

表1−精度等級の最大許容誤差及び記号 

精度等級 

最大許容誤差a)(%) 

記号 

1.0 級 

± 1.0 

1.0  又は CL 1.0 

1.5 級 

± 1.5 

1.5  又は CL 1.5 

2.0 級 

± 2.0 

2.0  又は CL 2.0 

注a) 最大許容誤差は,温度スパンに対する百分率で表す。 


B 7549:2017  

  

定格条件 

7.1 

一般の定格条件 

一般の定格条件は,次による。 

a) 装備場所の環境は,次による(JIS C 1804の環境区分CのクラスC1を参照。)。その他の条件で使用

するときは,受渡当事者間の協定による。 

1) 周囲温度 −5 ℃〜+45 ℃ 

2) 相対湿度 5 %〜95 %(ただし,結露なし。) 

3) 飛まつ(雨,雪,あられなど) なし 

b) 表1の最大許容誤差を超える振幅で指針を変動させるような振動又は衝撃が加わらないものとする。 

c) 温度を測定する媒体は非腐食性の液体とする。また,腐食性媒体の場合は,受渡当事者間の協定によ

る。 

d) 常用温度は,最高温度より温度スパンの25 %を減じた値以下とする。 

7.2 

特殊な用途条件 

特殊な用途条件は,次による。 

a) 耐熱用 7.1 a) の条件を超える周囲温度で使用するものについては,それに耐えるもの。耐えるため

の材料及び工作方法については,受渡当事者間の協定による。 

b) 耐振用 振動の影響で指針の変動が,7.1 b) を超える条件で使用するもの。 

c) 耐食用 腐食性の媒体の測定を行うもの。この場合,受渡当事者間で材質を選定する。 

d) 密閉形 屋外での使用などで飛まつに対する保護を施したもの。保護の度合いは,受渡当事者間の協

定による。 

 

目盛の表し方 

温度の単位はセルシウス度(℃)とし,温度計の目盛は,次による。 

a) 温度計の目盛範囲の下限は−50 ℃,目盛範囲の上限は+300 ℃とする。 

b) 子目盛線の幅は,0.2 mm以上(ただし,目幅の1/5以下)で,長さは全て同一とし,等しい半径位置

に,中心に向けて並べる。等分目盛では等間隔とし,2本目,5本目又は10本目ごとに長さを少し長

くしてもよい。 

c) 親目盛線の幅は,子目盛線の幅以上(ただし,目幅の1/3以下)で,長さは子目盛線の長さ以上とす

る。 

d) 目量は,1×10n,2×10n 又は5×10n(nは,正の整数,負の整数又はゼロ)とし,表1の最大許容誤

差に近い値(ただし,2倍を超えてはならない。)にする。 

e) 目盛数字は表示値をそのまま記し,倍数は使わない。等分目盛ではゼロ,最大目盛及び適切な親目盛

線にできる限り等間隔に配置する。 

f) 

目盛の方向は時計回りに値を増し,0 ℃以下の目盛は反時計回りに絶対値を増す。 

g) 目盛は全範囲を,左右振り分けの約300°にする。他の角度を必要とする場合は,受渡当事者間の協

定による。 

h) 0 ℃以下の温度及び数字は,色,符号(−)などで明らかにし,0 ℃以上の温度目盛部と区分する。 

i) 

上記a)〜h) による目盛分割数の例を,精度等級及び大きさ別に表2に示す。 

 


B 7549:2017  

 

表2−目盛分割数の例 

目盛範囲 

(℃) 

精度等級 

1.0 

1.5 

2.0 

大きさ mm 

75 

100 

150 

75 

100 

150 

75 

100 

150 

−50〜50 

− 

100 

100 

− 

100 

100 

50 

 50 

 50 

0〜100 

− 

100 

100 

− 

100 

100 

50 

 50 

 50 

0〜300 

− 

− 

− 

− 

− 

− 

60 

 60 

 60 

 

外観及び構造 

温度計の外観及び構造は,次に適合しなければならない。 

a) 温度計の指針は,圧入などで確実に固定しなければならない。 

b) 指針の先端の位置は,最も短い目盛線の全長の1/10〜9/10になければならない。 

c) 指針先端の幅は,温度計の大きさによって表3の値とする。 

 

表3−指針先端の幅 

単位 mm 

大きさ 

75 

100 

150 

幅 

0.38〜0.75 

0.5〜1.0 

0.8〜1.5 

 

d) 指針が回転するとき,指針先端と目盛板との間隔は3 mm以下とし,目盛円弧の中心と指針中心との

間には,読取りに差し障りのある偏芯があってはならない。 

e) 温度計には,指針の位置を調節するための指針調整機構を付けてもよい。 

f) 

目盛板を覆う透明板には,読取りに差し障りのあるきず,泡,すじ及び波があってはならない。 

 

10 形状及び寸法 

10.1 形状 

温度計の形状の名称及び記号は,表4による。 

 

表4−形状の名称及び記号 

形状の名称 

形状の記号 

縁なし形 

丸縁形 

埋込形 

足付形 


B 7549:2017  

  

温度計の形状の例を,図2に示す。 

 

 

 

a) 縁なし形 

b) 丸縁形 

 

 

 

c) 埋込形 

d) 足付形 

図2−温度計の形状の例 

 

10.2 目盛板の外径 

目盛板の外径は,箇条5による。外径の寸法許容差は,±3 mmとする。 

10.3 接続部 

接続部の接続ねじは,JIS B 0202のB級のおねじ又はJIS B 0203の管用テーパおねじとし,図3,図4

及び表5による。ただし,注文者の要求によって他のねじにしてもよい。 

 

 

 

図3−管用平行ねじ 

図4−管用テーパねじ 

 


B 7549:2017  

 

表5−接続ねじ 

単位 mm 

種類 

管用平行ねじ 

G 3/4 

20 

36 

G 1/2 

18 

32 

G 3/8a) 

18 

26 

管用テーパねじ 

R 3/4 

20 

− 

R 1/2 

18 

− 

R 3/8a) 

18 

− 

注a) G3/8及びR3/8は,感温部の直径が8 mmのものに使用する。 

 

10.4 感温部 

感温部の形状及び寸法は,図5及び表6による。 

 

 

a) 直管形 

 

 

b) 可とう(撓)形 

 

 

c) 投入形 

図5−感温部の形状及び寸法 

 

表6−感温筒の直径(d)及び感温部の長さ(l) 

単位 mm 

項目 

寸法 

基準寸法 

許容差 

感温筒の直径(d) 

8,10,12,13,14,16 

±2 % 

感温部の長さ(l) 

500以下 

受渡当事者間で決めた寸法

に対して±2 

 

11 性能及び試験方法 

11.1 一般 

性能及び試験方法は,11.2〜11.9による。 


B 7549:2017  

  

11.2 試験条件 

a) 器差試験に用いる標準温度計は,国家計量標準とのトレーサビリティが確保できる計量器1)とし,そ

れらの標準温度計の校正の拡張不確かさは,表1の最大許容誤差の1/4を超えてはならない。 

注1) 計量法校正事業者登録制度(JCSS)の登録事業者によって校正された計量器,国立研究開発

法人産業技術総合研究所の依頼試験成績書が添付された計量器などがある。 

b) 試験は,JIS Z 8703の標準状態 23 ℃±5 ℃,相対湿度80 %以下で行う。また,ふく(輻)射熱及び

直射日光の当たらない場所とする。 

c) 指針調整機構があるものは,指針調整した後に試験を行う。 

d) 試験の際,感温部と指示部との取付け高さの差は,1 m以内で行う。 

e) 感温部は,浸線まで液中に入れて行う。浸線のない場合は接続部下端(ねじ下)まで入れて行う。 

f) 

温度計の器差試験は,通常,標準温度計と比較して行う。 

g) 試験に用いる液体温度槽の槽内はよくかくはん(攪拌)し,温度分布は±0.1 ℃とする。 

11.3 性能 

性能は11.4によって試験を行い,次の要件を満たさなければならない。 

a) 指針の動きは円滑であり,目に見える指針の飛びがない。 

b) 器差は,表1の最大許容誤差を超えない。 

c) 降温のときの読みは,昇温のときの読みと同じ又はより大きな値であって,ヒステリシス差は,表1

の最大許容誤差を超えない。 

11.4 性能試験 

測定温度範囲の最低温度,最高温度及び最低温度と最高温度との間の任意の2か所の温度(0 ℃が測定

温度範囲内にある場合は,0 ℃をその1温度とすることが望ましい。)において,温度計の指示が安定した

後,その指示を読み取る。同時に標準温度計を読み取り,この差を器差とする。試験は昇温及び降温過程

において行う。 

11.5 周囲温度誤差 

周囲温度が20 ℃のとき,感温部を30分間任意の一定温度に保持し,温度計の指示を読む。その後,感

温部の温度を維持したまま,周囲温度を5 ℃及び35 ℃に変化させ,それぞれの温度で30分間保持し,指

示部及び導管部が周囲温度と同じ温度になった後に温度計の指示を読む。周囲温度20 ℃のときからの指

示の変化は,表1の最大許容誤差を超えてはならない。 

11.6 耐温性 

測定温度範囲の最高値に24時間保った後,11.4に従って性能試験を行い,11.3に適合しなければならな

い。 

11.7 ステップ応答性 

感温部を適切な温度に5分間保った後,直ちに目盛スパンの50 %以上の温度差がある温度槽に投入した

とき,温度計の指示が試験温度差の63.2 %(時定数)に達するまでの時間は30秒を超えてはならない。 

11.8 耐振性 

供試品を振動台に正規の姿勢に取り付け,上下,左右及び前後の3方向で試験を行う。まず,表7の条

件によって共振点を探し,次いで,共振点のそれぞれにおいて2時間以上,表7の条件によって加振する

(共振点が見当たらない場合は,±6.9 m/s2,30 Hzを3方向それぞれに2時間以上加える。)。この後,11.4

に従って性能試験を行い,これに適合しなければならない。 

 


B 7549:2017  

 

表7−加振条件 

振動数 Hz 

振幅 mm 

加速度 m/s2 

5  〜 13.2 

±1.0 

− 

13.2〜100 

− 

±6.9 

 

11.9 取付姿勢 

取付姿勢の表示のないものは,指示部を左右に各々10°傾けたとき及び前後に各々90°傾けたときの指

示の変化を読む。指示の変化は,表1に示す最大許容誤差を超えてはならない。 

 

12 検査 

12.1 検査の種類 

検査の種類は,次による。 

a) 型式検査は,新規の設計及び設計変更後の温度計が設計どおりの品質特性及びこの規格を満足してい

るかどうか判定するために,型式ごとに行う。 

b) 受渡検査は,すでに型式検査に合格したものと同じ設計,製造に関わる温度計の受渡しにおいて必要

と認められる品質特性に適合するかどうかを判定するために行う。 

12.2 型式検査 

型式検査は箇条8〜箇条11について行い,適合することを検査する。 

12.3 受渡検査 

受渡検査は目盛,外観,構造,形状及び寸法が箇条8〜箇条10の規定に適合することを検査する。さら

に,11.4の性能試験を行い,11.3に適合することを検査する。性能検査は,全数検査としその他は合理的

な抜取検査方式でもよい。 

 

13 製品の呼び方 

温度計の呼び方は,規格番号又は規格の名称,指示部の形状による記号,指示部の大きさの記号[単位

はミリメートル(mm)で,数値を記入する。],精度等級の記号,目盛の範囲,導管の長さ[単位はメー

トル(m)で,記号Lの次に数値を記入する。],接続部の形状及び寸法及びねじの記号,並びに感温部の

寸法[単位はミリメートル(mm)で,数値を記入する。]による。 

例 

 

呼び名: JIS B 7549 温度計 B×100×CL2.0×0〜100×L3×R3/4×d12×l150 

指示部の形状 

丸縁形 

指示部の大きさ 

100 mm 

精度等級 

2.0級 

目盛範囲 

0 ℃〜100 ℃ 

導管の長さ 

3 m 

接続部の形状・寸法 

管用テーパねじ,R3/4 

感温部の寸法 

d=12 mm l=150 mm 

 

14 表示 

温度計の目盛板には,次の事項を表示する。 


10 

B 7549:2017  

  

a) 温度の単位記号(℃) 

b) 精度等級又はその記号(表1参照) 

c) 製造業者名又はその略号 

d) 製造番号 

e) 指示部の取付姿勢(受渡当事者間の合意による。) 

 

15 製造上及び使用上の注意事項 

15.1 一般 

次の事項については,温度計の性能が使用者の用途に十分に適合するように,受渡当事者間で協議する

ことが望ましい。 

15.2 指示誤差 

a) 輸送振動及び使用条件によって,指示誤差を生じることがある。したがって,使用者は使用前及び定

期的な点検校正を行い,指示値を補正する必要が生じた場合は,製品に添付された取扱説明書による

か,又は製造業者と協議の上,指針調整する。 

b) 感温部の浸せき(漬)長さが不足している場合,指示誤差を生じることがあるので浸線を確認して使

用する。印のないものは,接続部下端まで浸せきするか,又は製造業者に浸せき長さを確認する。 

c) 感温部長さが短く,しかも接続部のねじサイズが大きな組合せの場合,外気温度の影響を受けて正確

な温度指示が得られないため,露出部を保温するなどの対策が必要となる。 

d) 測定媒体の粘度が大きい場合は,温度分布及び応答時間によって正確な温度が得られない。この場合,

感温部の設置場所及び形状を製造業者とともに事前確認する必要がある。 

e) 測定媒体が気体で流れがない場合,熱応答が悪く時間もかかり正確な温度が得られない。この場合,

熱容量が小さい細い感温筒の温度計を選定する。 

f) 

周囲温度誤差補正機構には,指示部バイメタル補正式及び全系補正式(副導管補正式)がある。指示

部バイメタル補正式は,導管の長さが比較的短く周囲温度変化も少ない場合に,周囲温度による誤差

の動きを指示部内に具備したバイメタルで周囲温度誤差を相殺するものである。全系補正式は,導管

が長く周囲温度変化が大きい場合の補正方式で,感温部のない補正用の副導管と受圧変換部とを組み

合わせて取り付け,周囲温度が変化したとき受圧変換部の自由端の動きの方向が互いに反対になるよ

うにして導管全長に及んで周囲温度誤差補正を行う。 

g) 導管の配管途上が冷熱を受ける場合,周囲温度誤差が生じるため,その雰囲気を避けるか,又は副導

管補正式温度計を採用する。 

h) 導管及び感温筒が長い場合は,設置誤差が生じやすいため副導管補正式温度計を使うことが望ましい。 

i) 

指示部周囲温度と導管部周囲温度との差が大きい場所は避けて使うことが望ましい。 

15.3 設置 

a) 温度計は,製造業者が指定する姿勢に取り付ける。 

b) 屋外で雨水のかかる場所,又は高い湿度雰囲気に設置する場合は密閉形を使用する。 

c) 振動の激しい設置条件においては,指示部を防振ゴム,ばねなどで保護し,振動を緩衝して使用する。 

d) 温度計の設置場所が塩害などの腐食環境の場合,製造業者に塗装及び材料を確認し対策を協議する。 

e) 取付けねじ部にシール性を求める場合は,受渡当事者間で評価し協定する。ユニオン式の金属テーパ

部分でのメタルシールは緩みも含めて完全ではないため,定期的な確認とともに緩んでいる場合は,

増し締めが必要である。 


11 

B 7549:2017  

 

f) 

感温部を機械的及び化学的に保護し,かつ,プラント運転中においても温度計を取り外し,保守点検

を可能とするときには保護管を設置する(附属書A参照)。 

 


12 

B 7549:2017  

  

附属書A 

(参考) 

保護管(ウェル) 

 

A.1 目的及び検討事項 

保護管の使用目的は,感温部を測定対象流体から機械的及び化学的に保護し,かつ,プラントが運転中

でも温度計を取り外し,保守点検を可能にすることである。ただし,保護管を設置すると,その厚み,感

温筒とのギャップによって応答は悪くなるため,その点の考慮が必要となる。A.2〜A.6の検討事項は個々

に独立しているものではなく,相互に関連していることが多いため,検討する際は注意を要する。 

 

A.2 強度計算 

強度計算では,日本機械学会基準のJSME S012など[1]〜[3]が多く用いられ,計算要素として,流体の

種類,圧力,温度,密度(比重),粘性係数,流速,配管内径,材質,保護管外径,保護管内径,保護管長

さ,先端厚さなどが必要となる。 

 

A.3 機械的強度(耐圧及び応力) 

流体の圧力によって保護管円筒部に生じる円周応力が,材料の使用温度における許容応力以下であるこ

とを計算によって確認する。 

 

A.4 振動解析(カルマン渦による共振) 

流体の流速によって保護管の背後に生じるカルマン渦の振動数(強制振動数)及び保護管の固有振動数

を計算によって求め,両者が一致しない(共振しない)条件で寸法を決定する。流速とカルマン渦の振動

数との間には,次の関係がある。 

 

N=St×V/d 

 

ここに, 

N: カルマン渦の振動数(1/s) 

 

St: ストローハル数(レイノルズ数の大きいときには約0.21) 

 

V: 流速(m/s) 

 

d: 保護管先端の直径(m) 

 

保護管の固有振動数は,対称渦を伴う自励振動,抗力方向(流れ方向)に発生する交互渦によるロック

イン振動及び揚力方向(流れ及び垂直方向)に発生する交互渦によるロックイン振動の三つの同期振動領

域に分けて分析[1]しなければならない。また,これらの同期振動の回避・抑制についてもJSME S012[1]

を参照する。 

なお,保護管の固有振動数は,温度が高くなるほど低くなるので注意を要する。 

 

A.5 材質(耐熱性及び耐食性) 

保護管は使用条件に適合する材料を物理的及び化学的の両面から検討の上,選択しなければならない。

使用条件は,被測定流体,雰囲気ガス,温度及び圧力が重要な項目となる。 


13 

B 7549:2017  

 

一般用には,主にJIS G 4304に規定するSUS304,SUS316,又はSUS316Lを使用するが,耐食性を重

視した樹脂カバーを併用する場合がある。 

 

A.6 構造及び寸法 

保護管の構造は,大きく分けると丸棒からくり抜き加工してねじごと一体にしたくり抜き式,及びパイ

プから先端とねじとを溶接接続した溶接式の2種類があり,形状では直管形及びテーパ形がある。くり抜

き式は,直管形及びテーパ形に適用し,機械的強度及び耐圧強度を必要とする部分に使用し,溶接式は低

圧で比較的強度を必要としない部分に用いられる。 

図A.1及び図A.2にその代表的な例を示す。 

 

 

a) 直管形 

 

 

b) テーパ形 

図A.1−保護管の形状 

 

 

a) くり抜き式 

b) 溶接式 

図A.2−保護管の構造 

 

注記 正確な温度測定という目的からは,できるだけ長い方がよいが,保護管は相手装置の一部分に

もなることから,取付け上の制限,機械的強度及びカルマン渦による共振などによって短い挿

入長が求められる場合がある。温度計の基本仕様に及んで検討が必要となる場合には,十分な

検討考察を受渡当事者間で行う配慮が必要である。 

 


14 

B 7549:2017  

  

参考文献 

 

[1] 日本機械学会基準 JSME S012-1998“配管内円柱状構造物の流力振動評価指針” 

[2] 日本機械学会編 “機械工学便覧” 

[3] J.W.Murdock, “Power Test Code Thermometer Wells”(Journal of Engineering For Power  Oct. 1959) 

[4] JIS C 1804 工業プロセス計測制御機器の使用環境条件 

[5] JIS G 4304 熱間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯