>サイトトップへ >このカテゴリの一覧へ

B 7547:2008

(1)

目  次

ページ

序文

1

1  適用範囲

1

2  引用規格

1

3  用語及び定義

1

4  試験環境及び校正環境

2

5  装置

3

5.1  装置の構成

3

5.2  装置の設置及び点検

5

5.3  使用媒体

6

5.4  試験又は校正の準備

6

6  入出力特性試験

7

6.1  一般

7

6.2  校正作業から入出力特性を求める方法

7

6.3  分解能

9

6.4  表示の安定性

9

6.5  ライン圧力による影響

9

6.6  経時変化

9

7  環境感受性試験

10

7.1  一般

10

7.2  環境感受性の評価

10

8  校正

12

8.1  一般

12

8.2  標準器

12

8.3  校正環境

12

8.4  校正手順

12

8.5  記録

13

9  被校正器が表示する圧力値の不確かさ

14

9.1  要因の抽出

14

9.2  各要因の定量化方法

14

9.3  不確かさの合成

17

10  不確かさを含む校正結果の表現

17

10.1  校正値

17

10.2  拡張不確かさ

17

 


 
B 7547:2008

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本計量機器工業連合会 (JMIF) 及

び財団法人日本規格協会 (JSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,

日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は

もたない。


日本工業規格

JIS

 B

7547

:2008

デジタル圧力計の特性試験方法及び校正方法

Procedures of characterization and calibration for digital pressure gauges

序文

デジタル圧力計の校正結果を使用時における計測結果の信頼性につなげる場合に,圧力計の計量特性が

重要な要素となる。そこでこの規格は,圧力計の特性試験方法及び校正方法を一連の行為として合わせて

規定した。

なお,対応国際規格は,現時点では制定されていない。

1

適用範囲

この規格は,管理用のデジタル圧力計の特性試験方法及び校正方法について規定する。ただし,工業計

測用として使用するデジタル圧力計には,適用しない。

なお,管理用とは,圧力計の校正に使用する参照標準器(実用標準器を含む。

)をいう。

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS B 0155  工業プロセス計測制御用語及び定義

JIS C 60068-2-6    環境試験方法−電気・電子−正弦波振動試験方法

JIS C 60068-2-27  環境試験方法−電気・電子−衝撃試験方法

JIS C 60068-2-31  環境試験方法−電気・電子−面落下,角落下及び転倒(主として機器)試験方法

JIS C 60068-2-32  環境試験方法−電気・電子−自然落下試験方法

JIS C 60068-2-64  環境試験方法―電気・電子―広帯域ランダム振動試験方法及び指針

JIS Z 8103  計測用語

JIS Z 8703  試験場所の標準状態

3

用語及び定義

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS B 0155 及び JIS Z 8103 によるほか,次による。

3.1

デジタル圧力計

デジタル表示装置又はデジタル信号出力を備えた圧力計。

3.2

特性試験

デジタル圧力計の計量性能を評価するために実施する試験。入出力特性試験及び環境感受性試験がある。



B 7547:2008

3.3

レンジ

対象とする量の上限値と下限値との間の領域。

3.4

スパン

与えられたレンジの上限値と下限値との間の代数的な差。

3.5

標準器

被試験器又は被校正器に印加する標準となる圧力を発生又は測定する計量器。

3.6

被試験器

試験を受けるデジタル圧力計。

3.7

被校正器

校正を受けるデジタル圧力計。

3.8

管理精度

使用者が管理目標にする精度。製造業者の製品仕様,製品規格などで示す精度を参照して決定する。

3.9

絶対圧力

完全真空を基準とした圧力。

3.10

ゲージ圧力

大気圧を基準とした圧力。正のゲージ圧力と負のゲージ圧力とがある。

3.11

差圧

任意の圧力を基準とした圧力。

3.12

ライン圧力

差圧において基準となる圧力。

3.13

ヘッド差

標準器と被試験器又は被校正器との圧力基準面の高さの差。

3.14

標準気圧計

圧力標準器を用いて絶対圧力又は負のゲージ圧力の校正を行う場合に,大気圧補正に用いる気圧計。

4

試験環境及び校正環境

試験環境は,JIS Z 8703 による。校正環境は,8.3 による。


3

B 7547:2008

5

装置

5.1

装置の構成

装置の構成は,次による。

a)  気体ゲージ圧力用の装置  気体ゲージ圧力用の装置(例)を,図 に示す。5.3 に規定する使用媒体に

合致する気体の入ったボンベを圧力源として使用することが望ましい。必要な場合には,このボンベ

に圧力調整バルブを接続しなければならない。被試験器又は被校正器に与える圧力は,圧力調整器,

圧力調整バルブ及び開放バルブで制御する。

図 1−気体ゲージ圧力用の装置(例)

b)  気体絶対圧力用の装置  気体絶対圧力用の装置(例)を,図 に示す。この圧力源は,気体ゲージ圧

力に対するものと同じであるが,大気圧以下の圧力を発生できるように真空ポンプ A,基準圧力用真

空ポンプ B(必要な場合)及び参照圧力測定器(絶対圧力を測定する計器)を追加することが重要で

ある(

図 参照)。接続パイプ内を清浄に保つため,真空ポンプには適切な附属品(トラップ,換気バ

ルブなど)を備えなければならない。

大気圧より高い気体絶対圧力の場合には,気体ゲージ圧力用圧力標準器を使用し,標準気圧計を使

って大気圧を測定する(この場合,

図 に基づいたシステムを使用する。)。この絶対圧力の値は,標

準気圧計及び気体ゲージ圧力用圧力標準器で測定した圧力値を合計することで得られる。



B 7547:2008

図 2−気体絶対圧力用の装置(例)

c)  気体差圧用の装置  気体差圧用の装置(例)を,図 に示す。その圧力源は,気体ゲージ圧力用の装

置のものと同じである。ライン圧力は,導通バルブを開いた状態にして,圧力調整バルブを開き設定

する。最終圧力調整は,圧力調整器を使用して行う。次に,導通バルブを閉じた後,対応する圧力調

整器を使用して要求された差圧を設定する。また,圧力標準器 1 及び圧力標準器 2 は,差圧標準器に

置き換えることができる。


5

B 7547:2008

図 3−気体差圧用の装置(例)

d)  液体圧力用の装置  液体圧力用の装置については,図 及び図 に示した各機器及びバルブは,液体

用に変更する。圧力源は,油圧ポンプに置き換える。

5.2

装置の設置及び点検

装置の設置及び点検は,次による。

a)  使用する装置の設置上の注意  デジタル圧力計を設置するときは,次の事項を満足しなければならな

い。

1)  システム全体の熱平衡を達成するために,動作を開始する最低 6 時間前に試験又は校正を行う部屋

にすべての装置を設置する。

2)  測定が空気流で妨害されることがないように装置を設置する。

3)  被試験器又は被校正器は,その機器の製造業者の仕様に従って設置する。接続配管した後,機器の

姿勢に変化のないように注意する。

4)  被試験器又は被校正器の圧力基準面の高さは,標準器の圧力基準面の高さとそろえて設置すること

が望ましい。

5)  媒体を流すために使用する機器間の接続には,できるだけ短く十分な断面積のパイプ及び/又はチ

ューブを使用する。接続要素は,大きく変形することなく最大試験圧力又は最大校正圧力に耐える

ものを使用する。

6)  被試験器又は被校正器と標準器との間にフィルタ,圧力逃がしバルブ及び戻しバルブを配置しては

ならない。

7)  パイプ及び/又はチューブ並びに接続要素に漏えい(洩)があってはならない。



B 7547:2008

8)  性能に影響を与えるような振動がない場所に設置する。

9)  トランス,高圧電線の付近など,磁界が使用上影響を与える場所を避けて設置する。

10)  電波障害によって表示性能に悪影響を与える場所は避ける。

11)  電位及び静電気の影響を避けるための接地機能がある場合は,必ず接地する。

12)  操作上の安全を考慮して設置する。特に,使用圧力範囲によっては,安全装置を設置する必要があ

る。また,配管系統の破裂,抜けなどは,作業者に危険が及ぶので,その防止に細心の注意を払わ

なければならない。

13)  周囲の大気は,作業場所における健康及び安全規則に準拠していなければならない。さらに,大気

と接触する可能性のある計器のどの部分にも,腐食する可能性のあるじんあい(塵埃)又は不純物

を含んでいてはならない。

b)  供給電源条件  供給電源条件は,次の値を用いるのが望ましい(JIS C 1805-1 参照)。

−  定格電圧  :  基準値の±1 %

−  定格周波数:  基準値の±1 %

−  高調波ひずみ(交流電源)

: 5 %以下

−  リップル(直流電源)

: 0.1 %以下

注記  製造業者又は使用者によって,ほかの電源条件が定められている場合は,それに従う。

c)  装置の点検  試験又は校正を行う前に,次の事項について点検を行う。また,試験又は校正後にも汚

れ及び破損がないか点検を行う。

1)  被試験器又は被校正器に,装置,特に標準器に適さない腐食性液体が含まれていてはならない。

2)  配管内の汚れは,あってはならない。

5.3

使用媒体

使用媒体は,次の a)  又は b)  による。

a)  気体

1)  温度が大気温度にほぼ等しい清浄で乾燥した,使用する器物に対して腐食性のない安定な気体を使

用しなければならない。被試験器又は被校正器の製造業者が推奨する気体を,事前に検証してから

使用する。

2)  装置保護のために,圧力調整バルブを調整して気体の圧力を使用する装置の圧力範囲にしなければ

ならない。

3)  測定前に,接続配管から液体をすべて除去しなければならない。

b)  液体

1)  被試験器又は被校正器の製造業者が推奨する液体を,事前に検証してから使用する。

2)  測定前に,接続配管から気体をすべて除去しなければならない。

5.4

試験又は校正の準備

5.4.1

ヘッド差の測定

8.4.3 d) の要求を満たす計測器を使用して,標準器と被試験器又は被校正器とのヘッド差を測定する。圧

力基準面の高さが示されていない圧力計の場合は,圧力入力口の中心を圧力基準面の高さとする。

5.4.2

ウォームアップ

ウォームアップは,製造業者の指定による。指定がない場合は,試験又は校正の結果に与える影響が無

視できるまでウォームアップを続ける。


7

B 7547:2008

5.4.3

漏れの確認

試験又は校正を行う圧力範囲において,標準器,被試験器又は被校正器及び配管を含む装置から結果に

影響する漏れがないことを確認する。次の a),b)  及び c)  の確認は,媒体の温度が安定した状態で行う。

また,漏れの確認作業においては,急激な昇圧及び降圧(衝撃)を避ける。

a)  圧力調整器によって最大圧力(負のゲージ圧力の場合は,最小圧力)を加え,放置後,圧力の漏れが

ないことを確認する。試験又は校正を行う圧力範囲の上限値(負のゲージ圧力の場合,下限値)にお

ける 1 分間当たりの圧力降下(又は上昇)が,最大圧力の 0.2 %以下である場合,その圧力回路は漏

れがないと考える(被試験器又は被校正器の公称精度より大きい場合も含む。

b)  被試験器又は被校正器の内部における漏れを確認する場合には,加圧後,圧力入力口で閉止し,製造

業者仕様を満足することを確認する。製造業者による確認方法が指定されている場合にはそれに従う。

c)  差圧用の装置においては,必要な場合には,高圧側及び低圧側の両方の圧力入力口に同じ圧力(ライ

ン圧力)を加え,最大ライン圧力で確認する。

5.4.4

圧力保持時間

最大及び最小の試験圧力又は校正圧力において,出力が安定するまでの時間を測定し,その値を参考に

して各圧力点における圧力保持時間を決定する。出力が安定したか,否かの目安は,1 時間当たりの出力

変化量が目標とする拡張不確かさの 10 %以下が望ましい。

なお,出力の安定判別に必ずしも 1 時間かける必要はない。例えば,10 分間の出力変動を 6 倍し,その

値を目標とする拡張不確かさの 10 %と比較してもよい。

5.4.5

被試験器又は被校正器の確認

a)  表示機能  試験器又は校正器の表示機能が正常か否かを,圧力を印加して確認する。最低 2 回,被試

験器又は被校正器に,許容される最大圧力を印加して,最低 1 分間その最大圧力を維持する。被試験

器又は被校正器の表示を確認する。

b)  調整  必要な場合には,製造業者の指示によって,レンジの下限値(大気圧又は最小試験圧力点)で

表示値の調整を行う。

5.4.6

標準器

試験又は校正に使用する標準器は,8.2 の要求を満足し,定期的に校正し,性能を維持及び管理している

ものを使用する。

6

入出力特性試験

6.1

一般

デジタル圧力計の入出力特性を求めるための方法は,6.26.6 による。

6.2

校正作業から入出力特性を求める方法

デジタル圧力計の入出力特性値を校正作業から求める方法は,次による。

a)  入出力特性値を求めるための校正作業

−  測定点数は,特性評価上十分な点数(最大校正圧力と最小校正圧力とを含む。

)とし,昇圧・降圧を

3 往復する(図 参照)。

−  測定開始点(昇圧時では最小校正圧力点,降圧時では最大校正圧力点)においては,出力が安定す

るまで監視する(5.4.4 参照)

校正作業の詳細は,箇条 による。



B 7547:2008

図 4−入出力特性の測定(昇圧・降圧 往復だけ図示)

図 5−入出力特性図

b)  特性値の求め方  測定作業の結果から,図 を参考に特性値を求める。特性値は,圧力値で表現する

ことを基本とするが,相対値で表現してもよい。相対値の場合は,スパンに対する相対値か,読み値

に対する相対値かを明記する。

1)  表示値の偏差  各測定点における被校正器の表示値(出力値)と標準となる圧力との差(表示値−

標準値)

2)  昇圧校正曲線  圧力を最小校正圧力から最大校正圧力まで上昇させたときの,各測定点の表示値の

偏差の平均値を結ぶ曲線。

3)  降圧校正曲線  圧力を最大校正圧力から最小校正圧力まで下降させたときの,各測定点の表示値の

偏差の平均値を結ぶ曲線。

4)  校正曲線  昇圧校正曲線と降圧校正曲線との平均値を結ぶ曲線。


9

B 7547:2008

5)  両端基準直線  校正曲線の最小校正圧力点と最大校正圧力点とを結んだ直線。 
6)  校正曲線の最小二乗近似直線  校正曲線の最小二乗近似から求められる直線。 
7)  直線性  直線性の基準として用いた線(例えば,両端基準直線又は校正曲線の最小二乗近似直線)

と校正曲線との差の最大値を最大校正圧力と最小校正圧力との差で除した値。直線性の基準として

用いた線を明記する。

8)  ヒステリシス差  各測定点における昇圧校正曲線と降圧校正曲線との差の最大値。 
9)  最小校正圧力点の偏差  最小校正圧力において校正曲線が示す偏差。 
10)  最大校正圧力点の偏差  最大校正圧力において校正曲線が示す偏差。 
11)  測定値のばらつき  回の測定値の平均値と各測定値との差を求め,これの二乗和の  (n−1)  分の 1

を開平したもの。実験標準偏差。

12)  繰返し性  測定値のばらつきの最大値。

6.3

分解能

各測定点において,入力を少しずつ変化させ,出力が変化した最大入力と最小入力との差を読みとり,

その最大値を分解能とする(

図 参照)。

図 6−分解能(入力の微小な変化と出力との関係)

6.4

表示の安定性

レンジの下限値,上限値又はゼロ圧力で,読み取った被試験器の表示変動幅を表示の安定性とする。

6.5

ライン圧力による影響

a)  レンジの下限値  ライン圧力試験は,差圧計について行う。印加するライン圧力は,差圧計の最小ラ

イン圧力から最大ライン圧力まで特性評価上十分な点数(一般的には,4 等分に 5 点)とし,それぞ

れのライン圧力下におけるレンジの下限値の変化量を測定する。

b)  スパン  印加するライン圧力は,差圧計の最小ライン圧力から最大ライン圧力まで特性評価上十分な

点数(一般的には,4 等分に 5 点)とし,それぞれのライン圧力下におけるレンジの下限値及びレン

ジの上限値を測定し,スパンの変化量を求める。

6.6

経時変化

入出力特性試験を適切な期間をおいて繰り返し行い,特性の変化を観察する。そのうちで管理が必要と

する項目については,経時変化による試験項目とする[例えば,ゼロ圧力時の出力変動(ゼロドリフト)


10 
B 7547:2008

7

環境感受性試験

7.1

一般

デジタル圧力計の使用環境が,機器の特性に影響するかどうかを確認するために必要な試験を行う。

外部条件の変動は,試験中の圧力計のどの部分においても,行過ぎ量(オーバーシュート)が生じない

ように十分ゆっくりでなければならない。製造業者又は使用者によって,他の限界値が定められていない

場合は,この規格で定めた限界値を用いることが望ましい。

7.2

環境感受性の評価

7.2.1

供給電源

電源電圧及び電源周波数を変化させ,入出力特性への影響を測定する。試験電圧及び試験周波数の変化

範囲は,それぞれ基準電圧の±10 %及び基準周波数の±5 %とする。電圧変動試験においては,周波数に

基準周波数を用いる。また,周波数変動試験においては,電圧に基準電圧を用いる。電源電圧及び電源周

波数の変化によって生じる出力値変動の最大値を,供給電源の変動による変化量とする。

注記  IEC 60359 参照。

7.2.2

電気的干渉

電気的干渉試験は,コモンモード干渉及びシリーズモード干渉とし,次による。

a)  コモンモード干渉の試験は,圧力(差圧)検出部と出力端子との間が絶縁されている被試験器につい

て行う。被試験器を接地しない状態で接地端子又はケースに商用電源と同一の周波数の交流電圧 250

V(実効値)又は製造業者が指定する電圧を加え,レンジの下限値及びスパンの変化量を測定する。

b)  シリーズモード干渉は,出力信号と直列に商用電源と同一の周波数の電圧を加え,出力の変化量を測

定する。

試験は,レンジの下限及び上限で行う。加える電圧は変圧器によって絶縁し,10

Ωの並列抵抗で分岐し,

ピーク値を 1 V とする。

7.2.3

接地

接地試験は,出力回路が接地端子と絶縁されている被試験器について行う。出力端子を接地したときと

しないときとの,レンジの下限値及びスパンの変化量を測定する。

7.2.4

外部磁界

外部磁界試験は,被試験器の供給電源と同一周波数の交流及び直流による 400 A/m(交流の場合には実

効値)の磁界を製造業者が指定した取付姿勢に対して,前後,左右及び上下 3 方向に加えて,各方向にお

いて,レンジの下限値及びスパンの変化量を測定する。

7.2.5

周囲温度

試験温度は,試験器を通常使用するときの温度範囲を考慮し,使用温度の上限及び下限を含むこととす

る(

図 参照)。被試験器の温度が安定した後,8.4.2 によって校正を行い,周囲温度特性を評価する。

注記  急激な温度変化によって被試験器に熱ストレスを与えてはならない。


11

B 7547:2008

図 7−温度の設定例

7.2.6

湿度

湿度試験では,まず被試験器を基準周囲条件下に 24 時間置き,基準となる測定を 1 回行う。次に,被試

験器を湿度試験槽に置き,大気圧下で,製造業者の指定する最高動作温度及び湿度 90 %以上まで結露しな

いように 3 時間以上かけて徐々に加湿する。少なくとも 48 時間その値に保持する。最終の 4 時間には被試

験器に電源を供給する(試験計画によって受渡当事者間で協定している場合には,被試験器は,この間,

無通電としてもよい。

。上記の保持時間後に,レンジの下限値及びスパンの変化量を測定する。さらに,

基準周囲条件下に,連続 24 時間置いた後,レンジの下限値及びスパンの変化量を測定する。

7.2.7

姿勢

被試験器を標準取付姿勢から前後,左右に傾け,レンジの下限値又はゼロ圧力及びレンジの上限値を測

定する。傾斜方向及び傾斜角度は,校正する状態を考慮して決定する(

図 参照)。

姿勢差の評価方法に関して,特に製造業者の指定がない場合には,被試験器の標準取付姿勢から前後,

左右に傾けたときの最大変化量を姿勢差とする。傾ける角度は±3 度を基本とする。

図 8−姿勢差の評価方法

7.2.8

衝撃

衝撃試験を行う場合には,公称精度及びデジタル圧力計の形態[携帯タイプ又はす(据)え置きタイプ]

を考慮し,JIS C 60068-2-27JIS C 60068-2-31 及び JIS C 60068-2-32 によって実施する。この試験前後の

入出力特性の変化量を測定する。また,被試験器について破損がないことを確認する。


12 
B 7547:2008

7.2.9

振動

振動試験を行う場合には,公称精度及びデジタル圧力計の形態(携帯タイプ又は据置きタイプ)を考慮

し,JIS C 60068-2-6 及び JIS C 60068-2-64 によって実施する。この試験前後の入出力特性の変化量を測定

する。また,被試験器について破損がないことを確認する。

7.2.10  オーバーレンジ

オーバーレンジ試験は,レンジの下限値及び上限値におけるオーバーレンジに起因するレンジの下限値

及びスパンの変化量を測定する。入力は,0 %から製造業者が指定している許容オーバーレンジ圧力まで,

徐々に増加させる。オーバーレンジの状態で 1 分間おいてから,入力を徐々に 0 %まで下げる。5 分間以

上経過してから,レンジの下限値及びスパンを測定し,オーバーレンジ前後の変化量を測定する。レンジ

の上下両方向のオーバーレンジ試験をする場合には,まずレンジの上限値より高い圧力を与え,次にレン

ジの下限値より低い圧力を与え,オーバーレンジ試験前後のレンジの下限値及びスパンの変化量を測定す

る。

注記  オーバーレンジ圧力を許容しない被試験器に対しては,この試験は行わない。

8

校正

8.1

一般

箇条 では,デジタル圧力計の校正方法について規定する。製造業者又は使用者によって特別な要求が

ある場合には,その要求を満足する内容で校正を実施する。

8.2

標準器

標準器は,次の条件を満足しなければならない。

a)  標準器を含めた校正システムの拡張不確かさは,被校正器の管理精度より小さくなければならない。

一般的には,1/3  以下が望ましい。

b)  国家標準又は国際単位系 (SI) に対するトレーサビリティが確保されていること。

8.3

校正環境

校正環境は,次による。

a)  周囲温度が 19  ℃∼25  ℃(校正中の 1 時間当たりの温度変化は 1  ℃以内),相対湿度が 30 %∼80 %の

空調した部屋の中で,すべての手順を実施することが望ましい(JIS B 7610-2 参照)

b)  大気圧は,86 kPa∼106 kPa の範囲ですべての手順を実施することが望ましい。

c)  校正時の気流の影響を軽減するため,必要な場合には,ドアの開閉及び人の出入りを制限する。

8.4

校正手順

8.4.1

一般

必要な場合には,次の校正作業の前に,目的に応じて,標準器,校正装置,配管及び被校正器に,圧力

を印加する。

8.4.2

校正作業

校正作業は,次による。

a)  校正方法  適用方法は,被校正器及び標準器を同一圧力・同一環境条件に置いて,両方の計器の応答

を比較する直接比較法である。

b)  校正手順  校正時に被校正器に与える印加圧力は,製造業者の製品仕様を参照して決定する。測定点

数は,特性上十分な点数(推奨:最大校正圧力及び最小校正圧力を含む 9 点∼11 点)とする。より多

くの測定点において校正を行うことが望ましく,昇圧・降圧を 3 往復する。各測定点における保持時


13

B 7547:2008

間は,5.4.4 で規定した時間とする。また,レンジの上限値及び下限値においては,出力が安定するま

で監視することとし,その時間は 5 分以上が望ましい。具体的には,初めに下限値に等しい圧力を印

加し,印加圧力及び表示値を記録する。その後,行過ぎ量(オーバーシュート)が生じないように,

印加圧力を最初の校正点に達するまでゆっくり増加させる。定めた圧力保持時間の後に,印加圧力及

び表示値を記録する。以後,必要な校正点において,測定を実施する(

図 参照)。

8.4.3

校正結果に影響を与える量の測定

特に周囲温度,湿度,大気圧,ヘッド差などが校正結果に影響する。これら校正結果に影響を与える量

の測定については,次に示す計器を使用することが望ましい。

a)  8.3 の温度範囲を測定できる校正済み温度計。

b)  最大許容誤差が 5 % RH の校正済み湿度計。

c)  圧力標準器と標準気圧計との組合せで絶対圧力又は負のゲージ圧力の被校正器を校正する場合には,

被校正器に付与される不確かさの目標値に対して,十分に小さな不確かさが実現できる校正済み標準

気圧計。

d)  液体媒体の被校正器に対しては 1 mm 以下,気体媒体に対しては 5 mm 以下の不確かさでヘッド差の

測定が可能な計器。

注記  必要な場合には,重力加速度,圧力媒体の密度及び表面張力を測定することを推奨する。

8.4.4

印加圧力

印加圧力とその公称圧力との差は,3 %以内に調整しなければならない。

8.5

記録

次の項目を記録する。

a)  校正者名

b)  使用機器(被校正器,標準器,校正用機器など)の形式及び機器番号

c)  被校正器の公称精度

d)  使用媒体

e)  ヘッド差

f)  周囲温度及びその変動幅

g)  周囲湿度及びその変動幅

h)  大気圧及びその変動幅

i)

校正実施年月日

j)  時刻(各圧力におけるデータ取得ごとに)

k)  圧力保持時間

l)

データ個数及び取得条件

m)  ならし測定をした場合は,その事実

n)  圧力算出に用いた重力加速度

o)  標準器及び被校正器の示す値

p)  ライン圧力(差圧の場合)

q)  ゼロ調整をした場合は,その事実


14 
B 7547:2008

9

被校正器が表示する圧力値の不確かさ

9.1

要因の抽出

不確かさの算出に当たっては,次に示す各要因を評価する。合成標準不確かさ への寄与率が小さい要

因は省略することができる(ISO/IEC Guide 98-3 参照)

a)  印加した圧力の不確かさ  u

s

b)  測定値のばらつきによる不確かさ  u

a

c)  ヒステリシス差による不確かさ  u

h

d)  表示分解能又は安定性による不確かさ  u

d

e)  温度特性に起因する不確かさ  u

t

f)  姿勢特性に起因する不確かさ  u

i

g)  供給電源電圧変動による不確かさ  u

v

h)  直線性に起因する標準不確かさ  u

l

i)

ライン圧力による不確かさ  u

pl

9.2

各要因の定量化方法

9.2.1

一般

各要因の不確かさは,箇条 及び箇条 に従って測定した特性値及び被校正器の仕様から定量化する。

9.2.2

印加した圧力の不確かさ  u

s

標準器の不確かさは,標準器の校正の不確かさ,ヘッド差補正の不確かさ,  使用環境の違いによる不確

かさ,標準器の経時変化による不確かさなどから評価する。

a)  標準器の校正の不確かさ u

sc

  標準器の校正の標準不確かさは,次の式で求める。

k

U

u

sc

sc

=

ここに,

U

sc

校正証明書に記載された標準器の拡張不確かさ

k: 包含係数

b)  ヘッド差補正の標準不確かさ u

ph

  ヘッド差補正 p

h

は,次の式で求める。

(

)

d

b

f

h

h

p

g

ρ

ρ

=

次に,ヘッド差補正の標準不確かさ(u

ph

)は,各校正点ごとに,次の式で求める。

(

) (

)

(

)

[

]

(

)

[

]

2

hd

b

f

2

d

b

f

2

ρb

d

2

ρf

d

ph

u

u

h

u

h

u

h

u

g

g

g

g

ρ

ρ

ρ

ρ

+

+

+

=

ここに,

g: 重力加速度

h

d

ヘッド差

ρ

f

圧力媒体の密度

ρ

b

周囲空気密度

u

g

重力加速度の標準不確かさ

u

hd

ヘッド差測定の標準不確かさ

u

ρf

圧力媒体密度の標準不確かさ

u

ρb

空気密度の標準不確かさ

c)  使用環境の違いによる不確かさ u

se

  標準器が校正されたときの環境と,標準器として校正に用いると

きの環境との違いによる不確かさ u

se

を考慮する必要がある。

注記  使用環境の違いによる不確かさとしては,具体的には,次の不確かさなどが挙げられる。

−  標準器の温度特性による不確かさ

−  標準器の設置状態による不確かさ


15

B 7547:2008

−  重力加速度による不確かさ[標準器が重すい(錘)形圧力天びんの場合]

−  空気密度による不確かさ[標準器が重すい(錘)形圧力天びんの場合]

d)  標準器の経時変化による不確かさ u

st

  標準器が校正された時点から時間の経過に伴い,校正値が変化

することによる不確かさ。直近の校正値と過去の校正値とを比較したときの正側への最大の変化量が

a

+

で,  負側への最大の変化量が a

の場合には,一様分布を仮定して標準不確かさ u

st

を,次の式で求

める。

(

)

3

2

st

+

+

=

a

a

u

e

)  標準器がデジタル圧力計の場合の不確かさ u

sd

  標準器がデジタル圧力計で校正値から校正曲線を求

めて表示値を補正する場合には,校正曲線と校正値との偏差の最大値を標準器の校正曲線の標準不確

かさとする。また,9.2.39.2.10 に規定する不確かさは,デジタル圧力計を校正する場合に考慮すべ

き不確かさであるが,デジタル圧力計を標準器として用いる場合にも必要に応じて考慮する。これら

すべての標準不確かさの合成標準不確かさを,標準器がデジタル圧力計の場合の不確かさ u

sd

とする。

f

)  印加した圧力の合成標準不確かさ u

s

  印加した圧力の合成標準不確かさ u

s

は,次の式で求める。

2

sd

2

st

2

se

2

ph

2

sc

s

u

u

u

u

u

u

+

+

+

+

=

9.2.3

測定値のばらつきによる不確かさ u

a

測定値のばらつきによる標準不確かさ u

a

は,校正方法に応じて求められた実験標準偏差 s

a

を,次の式で

求める。

n

s

u

a

a

=

ここに,

s

a

:  昇圧・降圧のそれぞれの校正圧力での実験標準偏差のうち,

昇圧・降圧のいずれか大きいほうの値。

n  測定値の数

9.2.4

ヒステリシス差による不確かさ u

h

ヒステリシス差による標準不確かさ u

h

は,評価したヒステリシス差を基に,次の式で求める。

3

2

h

h

D

u

=

ここに,  D

h

:  ヒステリシス差

なお,昇圧・降圧ごとに不確かさを算出する場合は,不確かさ要因として含まなくてもよい。

9.2.5

表示分解能又は安定性による不確かさ u

d

表示分解能又は表示安定性による標準不確かさ u

d

は,次の式で求める。

3

2

d

d

δ

=

u

ここに,

δ

d

:  デジタル表示の 1 デジットの値,又は表示値の変動幅のい

ずれか大きいほうの値。ドリフトによる変動を含む。

9.2.6

温度特性に起因する不確かさ u

t

温度特性による標準不確かさ u

t

は,被校正器の温度特性の仕様から,次の式で求める。

2

t2

2

t1

t

u

u

u

+

=

ここに,

u

t1

:  温度特性による不確かさ


16 
B 7547:2008

u

t2

 

温度測定による不確かさ

a

)  温度特性による不確かさ u

t1

1

)  温度特性の表示がレンジの下限値とスパンとに分けて表記している場合。

(

)

(

)

2

m

c

s

c

st

2

m

c

0t

t1

3

3

ú

ú

ú

ú

ú

û

ù

ê

ê

ê

ê

ê

ë

é

×

÷÷ø

ö

ççè

æ

+

ú

û

ù

ê

ë

é

=

t

t

P

P

t

t

u

β

β

2

)

温度特性の表示がレンジの下限値とスパンとを合わせた形で表記されている場合。

(

)

3

m

c

t

t1

t

t

u

= β

b

)

温度測定による不確かさ u

t2

1

)

温度特性の表示がレンジの下限値とスパンとに分けて表記している場合。

tm

s

c

st

0t

t2

u

P

P

u

×

ú

û

ù

ê

ë

é

÷÷ø

ö

ççè

æ

×

+

=

β

β

2

)

温度特性の表示がレンジの下限値とスパンとを合わせた形で表記している場合。

tm

t

t2

u

u

×

=

β

ここに,

β

0t

ゼロ点(最小校正圧力点)の温度係数の仕様値

β

st

スパンの温度係数の仕様値

β

t

温度特性の仕様値

t

c

校正値を算出した平均温度

t

m

校正中の校正温度のうち

t

c

との差が最も大きくなる温度

P

c

校正圧力とレンジの下限値との差

P

s

被校正器のスパン

u

tm

温度測定の不確かさ

注記

必要な場合には,被校正器の温度特性を測定から求める。

9.2.7

姿勢特性に起因する不確かさ u

i

姿勢(角度)特性による標準不確かさ

u

i

は,次の式で求める(7.2.7 参照)

3

i

i

i

i

δ

÷÷ø

ö

ççè

æ

=

E

u

ここに,

Ε

 i

試験で得られた姿勢差

 i

試験で与えた傾斜角度

δ

i

姿勢(角度)の変動

9.2.8

供給電源電圧変動による不確かさ  u

v

供給電源電圧変動による標準不確かさ

u

v

は,次の式で求める。供給電源の電圧変動による影響は,最大

校正圧力及び最小校正圧力で変動を測定し,大きい方を採用する(7.2.1 参照)

3

v

v

v

v

δ

÷÷ø

ö

ççè

æ

=

E

u

ここに,

Ε

 v

試験で得られた電源電圧変動による影響

 

v

試験で与えた電圧の差


17

B 7547:2008

δ 

v

電源電圧変動

注記

必要な場合,供給電源周波数変動についても同様に評価する。

9.2.9

直線性に起因する標準不確かさ  u

l

校正直線を用いて,校正圧力の校正結果を,その近傍での公称圧力の校正結果に補正する場合は,直線

性に起因する標準不確かさ

u

l

は,次の式で求める。

3

P

l

l

δ

e

u

=

ここに,

e

l

直線性[6.2 b

)

 7

)

参照]

δ 

P

校正圧力と公称圧力との差

9.2.10

ライン圧力による不確かさ u

pl

差圧計の場合には,ライン圧力の影響による標準不確かさを考慮することが望ましい。製造業者の仕様

又は特性試験(6.5 参照)から,次の式で求める。

3

pl

pl

pl

pl

δ

÷

÷
ø

ö

ç

ç
è

æ

=

E

u

ここに,

Ε

 pl

:  試験で得られたライン圧力による影響

 

pl

試験で与えたライン圧力の差

δ

 

pl

ライン圧力の変化量

9.3

不確かさの合成

各不確かさから合成標準不確かさ を,次の式で求める。

2

pl

2

l

2

v

2

i

2

t

2

d

2

h

2

a

2

s

u

u

u

u

u

u

u

u

u

u

+

+

+

+

+

+

+

+

=

10

  不確かさを含む校正結果の表現

10.1

  校正値

被校正器の校正値は,各校正圧力点に,その点における偏差の平均値を加えた値とし,必要に応じて校

正圧力値又は表示値を公称値に換算する。

10.2

  拡張不確かさ

被校正器の校正の拡張不確かさ は,包含係数

2

=

k

として,次の式で求める。

u

k

U

×

=

包含係数を算出して用いる場合には,ISO/IEC Guide 98-3 

附属書 を参照。

参考文献  JIS B 7610-2  重錘形圧力天びん−第 2 部:試験方法

JIS C 1031  工業プロセス用圧力・差圧伝送器の試験方法

JIS C 1805-1  プロセス計測制御機器−性能評価の一般的方法及び手順−第 1 部:一般的考察

IEC 60359  Electrical and electronic measurement equipment−Expression of performance

ISO/IEC Guide 98-3,Uncertainty of measurement−Part 3 : Guide to the expression of uncertainty in

measurement (GUM : 1995)