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日本工業規格

JIS

 B

7536

-1982

電気マイクロメータ

Electrical Comparators

1.

適用範囲  この規格は,電気マイクロメータのうち,目量 0.1,0.2,0.5,1,2,5,10 及び 20

µm,又

は最小表示量 0.1 及び 1

µm のものについて規定する。

備考  この規格の中で  {  }  を付けて示してある単位及び数値は,重力単位系によるものであって,

参考として併記したものである。

引用規格:10 ページに示す。

2.

用語の意味  この規格で用いる主な用語の意味は,JIS Z 8103(計測用語)及び JIS C 1002(電子測

定器用語)によるほか,次による。

(1)

電気マイクロメータ  微小な変位量を接触式測定子を持つ検出器を用いて電気的量に変換し,電気的

に増幅して,表示する比較測定器。

(2)

アナログ表示形電気マイクロメータ  JIS C 1102(指示電気計器)を用いて変位量を表示する電気マ

イクメロータ。

(3)

ディジタル表示形電気マイクロメータ  AD 変換器を用いて,変位量をディジタル表示する電気マイ

クロメータ。

(4)

検出器  変位又は寸法変化を電気的量に変える変換器。

(5)

指示範囲  測定範囲のうち,指示計器に表示できる範囲。

(6)

有効指示範囲  指示範囲のうち,検出器の直線性により制限される範囲。

(7)

最小表示量  ディジタル表示における,変化量の最小の大きさ(目量相当)。単位ディジットで表す。

(8)

出力信号  指示値と相関関係をもった,電気的量出力。

(9)

演算誤差  2 個以上の測定値を電気的演算で指示した値と,計算によって得た値との差。

(10)

器差  電気マイクロメータの感度及びゼロ点を正しく調整した後,任意の指示値に相当するブロック

ゲージにより指示した値と,指示すべき真の値との差。

3.

名称  電気マイクロメータの指示計及び検出器の主要部の名称は,図 及び図 による。


2

B 7536-1982

図 1  指示計

(

1

)

レンジ切替つまみ又は倍率切替つまみともいう。

図 2  検出器

備考  これらの図は,単に名称を示すためのものであって,形状・構造

の基準を示すものではない。

4.

種類  電気マイクロメータの種類は,次の 2 種類とする。

(1)

アナログ表示形電気マイクロメータ

(2)

ディジタル表示形電気マイクロメータ

5.

性能  電気マイクロメータの性能は,9.に定める試験方法に基づいて試験を行い,表 及び表 によ

る。

表 1  性能 1

アナログ表示形電気マイクロメータ

ディジタル表示形電気マイクロメータ

番号

項目

適用する目量

µm

許容差

適用する最小表示量

µm

許容差

ディジット

0.1, 0.2

±1

1

器差

0.5

以上

±0.5

0.1, 1

±(有効指示範囲の

1%

+1)

0.1

有効指示範囲の

0.2%

+2

2

繰返し性

すべての目量 0.5

1 1

3

指示の安定性

すべての目量 1  0.

1  2

0.1, 0.2

±1.5

4

演算誤差

0.5

以上

±0.8

0.1, 1

±(演算範囲の

2%

+1)


3

B 7536-1982

アナログ表示形電気マイクロメータ

ディジタル表示形電気マイクロメータ

番号

項目

適用する目量

µm

許容差

適用する最小表示量

µm

許容差

ディジット

5

交 流 電 源 電 圧 の 変 動 に

よ る 指 示 の 影 響 変 動 特

すべての目量

±0.3 0.

1

±(有効指示範囲の

0.2%

+1)

6

ゼロ点のずれ

感度切替のできるも

のすべての目量

1

感度切替のできるも

の 0.1, 1

1

備考  表の数値は,温度 20℃におけるものとする。

表 2  性能 2

番号

項目

適用範囲

許容値

測定力  0.5N{約 50gf}未満

呼び値の±30%

検出器





測定力  0.5N{約 50gf}以上

呼び値の±20%

測定力  0.1N{約 10gf}未満

呼び値の±30%

測定力  0.1N{約 10gf}以上 
        0.3N{約 30gf}未満

呼び値の±25%

7

測定力

てこ式検

出器

測定力  0.3N{約 30gf}以上

呼び値の±20%

8

応答時間

アナログ表示形電気マイクロメータ

ディジタル表示形電気マイクロメータ

1

秒以下

アナログ表示形電気マイクロメータ

最高感度レンジにおける指示範囲以上

9

ゼロ点調整範囲

ディジタル表示形電気マイクロメータ

40

ディジット以上

10

絶縁

商用電源を用いるもの 1M

Ω以上

11

耐圧

商用電源を用いるもの

1

分間以上

備考  番号 10 絶縁,番号 11 耐圧の項目は,電池式のものを除く。

6.

形状・寸法  電気マイクロメータの検出器の形状・寸法は,特に指定がない限り表 及び表 による。

表 3  プランジャ式検出器の取付け部の寸法

単位 mm

項目

寸法

適用図

直径 d(

2

) 8

9.5

20

28

36

ステム

長さ l 12 以上 15 以上 30 以上 40 以上

図 3

A

JIS B 7509

(0.001mm 目盛ダイヤルゲージ)の測定子取付

け部の寸法による。

図 4

測定子取

付け部

B

JIS B 7519

(指針測微器)の測定子取付け部の寸法による。

図 5

(

2

)

許容差は原則として JIS B 0401(寸法公差及びはめあい)の h8とする。

表 4  てこ式検出器の取付け部の寸法

単位 mm

項目

寸法

適用図

耳金

JIS B 7509

の耳金の寸法による

図 6

ステム

JIS B 7533

(てこ式ダイヤルゲージ)の寸法による

図 7

備考

アナログ表示形電気マイクロメータ指示部の目盛及び指針は,JIS Z 8306(工業計器

の目盛通則)及び JIS Z 8307(工業計器の指針通則)による。


4

B 7536-1982

図 3

図 4

図 5

図 6

図 7

7.

外観及び機能  電気マイクロメータの外観及び機能は,次による。

(1)

外部の塗装及びめっきは強固で,容易に色あせ,はく離又はさびを生じないこと。

(2)

主要部の形状及び仕上げ,刻印,表示,目盛などは,使用上差し支えのある欠点がないこと。

なお,取付部及び測定子の仕上げは,

図 3及び図 による。

(3)

出力信号をもつもので,アナログ出力の場合はフルスケール時の電圧値又は電流値を,ディジタル出

力の場合はディジタル化符号の形式及び信号の大きさを明らかにすること。

(4)

各部は,

普通の使用状態の温度及び湿度の変化に対して,

使用上差し支えのある狂いを生じないこと。

(5)

感度切替つまみ,電源スイッチなどの作動は確実であること。


5

B 7536-1982

(6)

検出器を使用状態に保持し,測定子を全行程にわたって数回作動させ,そのときの作動は円滑である

こと。

(7)

てこ式検出器において,測定子の角度を変えることができるものでは,測定に差し支えのない安定摩

擦力をもつこと。

8.

測定子の材料及び硬さ  電気マイクロメータの測定子の先端の材料は,JIS G 4404(合金工具鋼鋼材)

の SKS3,JIS H 5501(超硬合金)の S3 若しくは D3 又は性能上これらと同等以上のものとし,SKS3 を用

いた場合の硬さは,HV750 以上とする。

なお,測定子の先端に鋼球を用いる場合には,その材料及び硬さは JIS B 1501(玉軸受用鋼球)による。

9.

試験方法  電気マイクロメータの性能の試験方法は,表 及び表 による。試験状態は次の 3 種類と

する。

(1)

試験状態 1  器差,繰返し性,指示の安定性及び演算誤差の試験状態は,次のとおりとする。

(a)

温度  JIS Z 8703(試験場所の標準状態)に規定する標準温度状態 1 級  20±1℃

(b)

湿度  45∼75%

(c)

電源電圧  指定された電源電圧±1%

(d)

電源周波数  指定された電源周波数±1%

(e)

電源波形  パルス波を含まない正弦波に近い波形

(f)

外部磁界,電界  試験結果に影響を与える磁界,電界の変動がないこと。

(g)

振動,衝撃  試験結果に影響を与える振動,衝撃がないこと。

(h)

測定の姿勢  変位を測定子の下側鉛直方向にとるものとする。

(i)

準備時間  準備時間が指定されたものについては,所定時間経過後とする。

(2)

試験状態 2  交流電源電圧の変動による指示の影響変動特性の試験状態は,指定された電源電圧±10%

とするほかは,(1)(c)電源電圧を除き,(1)

試験状態 と同一とする。

(3)

試験状態 3  ゼロ点のずれ,測定力,応答時間,ゼロ調整範囲,絶縁,耐圧の試験状態は,温度状態

を JIS Z 8703 に規定する常温 (5∼35℃)  とするほかは,温度を除き(1)

試験状態 と同一とする。ただ

し,判定に疑義を生じた場合は,

試験状態 の温度に近い状態で行う。


6

B 7536-

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2

表 5  性能 の試験方法

番号

項目

試験方法

試験用具

1

器差

(1)

測定台上面にブロックゲージを密着し,これに測定

子を当て,指示値を正しくゼロに合わせる。

(2)

有効指示範囲に応じて

表 5-A に示す段差のブロック

ゲージと置き換えて順次測定した値と指示すべき真

の値との差を求める。

(3)

感度切替えのできるものは,各レンジごとに試験を

行う。

備考  ディジタル表示形電気マイクロメータの場

合,中間位置での検査も併せて行うことが望

ましい。

表 5-A

JIS B 7506

(ブロックゲージ)に

規定する 0 級以上のブロックゲー

ジで,かつ校正したもの(適用範

囲。目量 0.1

µm,0.2µm)。

JIS B 7506

に規定する 0 級のブロ

ックゲージ(適用範囲。目量 0.5

µm

以上)

スタンド。

2

繰返し性

(1)

測定台上面にブロックゲージを密着し,これに測定

子を当て,任意の値を指示させる。

(2)

その位置で,

“リフター”などにより測定子を 10 回

以上ゆっくり上下させ,ブロックゲージを測定する。

(3)

感度切替えのできるものは,最高感度レンジで試験

を行う。

(4)

 10

回以上の指示値の中から,最大値と最小値との差

を求める。

図 8

JIS B 7506

に規定する 0 級のブロ

ックゲージ。

スタンド。


7

B 7536-

198

2

番号

項目

試験方法

試験用具

3

指示の安定性

(1)

測定台上面に測定子を当て,最高レンジで試験点が

有効指示範囲の上限値の約 80%になる点に固定す

る。

(2)

表 5-B に示す指定時間における指示の変化量を測定

する。測定については記録計器による自動測定記録

としてもよい。

(3)

指示の最大値と最小値との差を求める。

表 5-B

図 9

スタンド

時計

JIS C 1203

(直動記録電気計器)

に規定する 1.5 級の記録計

プリンタ。

4

演算誤差

(1)

演算誤差試験は各レンジごとに減算モードで行う。

(2)

  A

,B2 本の検出器をそれぞれのスタンドに設定し,

それぞれの測定台上面にブロックゲージを密着し,

これに測定子を当て,指示値を正しくゼロに合わせ

る。

(3)

機能切替スイッチを減算 (A−B)  に切り替える。

(4)

演算範囲(

3

)

に応じて,

表 5-A に示す段差のブロック

ゲージを A,B 同量ずつ増加又は減少させて測定し,

ゼロとの差を求める。

(5)

感度切替えのできるものは,各レンジごとに試験を

行う。

図 10

JIS B 7506

に規定する 0 級のブロ

ックゲージ

スタンド 2 台

5

交流 電 流電 圧 の変

動に よ る指 示 の影

響変動特性

(1)

測定台上面に測定子を当て,最高感度レンジで試験

点が有効指示範囲の上限値の約 80%になる点に固定

する。

(2)

交流電源電圧を定格値の±10%だけ,ゆっくり変化

させたときの指示の変化を求める。

スタンド

可変変圧器

JIS C 1102

に規定する交流電圧計

0.5

6

ゼロ点のずれ

(1)

測定台上面に測定子を当て,最高感度レンジで指示

値を正しくゼロに合わせる。

(2)

次に順次,低感度レンジへ切り替え,このときの指

示値のずれを求める。

図 による。

スタンド

(

3

)  2

個以上の検出器の出力信号の和又は差の値が得られる範囲で,その結果が有効指示範囲内にあるもの。

備考  図の試験方法説明のための一例であり,試験方法を規定するものではない。


8

B 7536-

198

2

表 6  性能 の試験方法

番号

項目

試験方法

試験用具

7

測定力 (1)

測定子の変位方向を鉛直下方に置いた姿勢に検出器

を保持し,テンションゲージ又は力計の定位置に測

定子の先端を当て,測定子を上方向に連続的かつ

徐々に移動させる。

(2)

電気マイクロメータの最低感度レンジで,有効指示

範囲の下限値及び上限値を指示したときのテンショ

ンゲージ又は力計の値を求める。

(3)

それぞれの測定値の公称値との差の最大値の公称値

に対する百分率をもって表す。

図 11  テンションゲージの場合

テンションゲージ又は力計。

スタンド

8

応答時間 (1)

測定台上面にブロックゲージを密着し,この上に有

効指示範囲の約

2

1

に相当するすきまゲージを重ね,こ

れに測定子を当て,指示値が,指示範囲の中央値以

上になるように固定する。

(2)

すきまゲージを急速に引き抜く。

(a) 

(アナログ表示形)指針が最終指示値の 1 目以内

におさまるまでの時間を求める。

(b)

(ディジタル表示形)指示が最終指示値の±1 デ

ィジットに達するまでの時間を求める。

(4)

感度切替えのできるものは最低感度(指示範囲の最

大)で行う。

図 12 

JIS B 7506

に規定する 0 級のブロ

ックゲージ

JIS B 7524

(すきまゲージ)に規

定する並級のすきまゲージ

時計

スタンド

9

ゼロ点調整範囲 (1)

測定台上面に測定子を当て,指示値が指示範囲の中

央付近になるように固定する。

(2)

ゼロ点調整つまみを全角度回転させ,指示の最大値

と最小値との差を求める。

(3)

同時に円滑に指示を任意の値に定着することができ

ることを確認する。

図 による。

スタンド

10

絶縁 (1)

試験箇所:電源端子−外箱又は外部導体間。

(2)

試験電圧:DC500V

(3)

絶縁抵抗計の指示値による。

JIS C 1301

[絶縁抵抗計(発電機

式)

]又は JIS C 1302(絶縁抵抗計

電池式)

]に規定する絶縁抵抗計。


9

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2

番号

項目

試験方法

試験用具

11

耐圧 (1)  試験箇所:電源端子−外箱又は外部導体間。

(2)

試験電圧:商用電源交流実効値 1000V。なお電圧印

加はほぼ 0V から毎秒 500V(実効値)以下の割合で,

試験電圧まで徐々に上昇させる。

(3) 

試験電圧を規定時間印加後,異常の有無を調べる。

JIS C 6436

(電子機器用小形電源

変圧器)に規定する X 級 1 000V

電源変圧器。可変変圧器

JIS C 1102

に規定する交流電圧計

時計


10

B 7536-1982

10.

検査  電気マイクロメータの検査は,性能,形状・寸法,外観,機能及び測定子の材料について行い,

5.

8.の規定に適合しなければならない。

11.

製品の呼び方  電気マイクロメータの呼び方は,規格番号又は規格名称,目量及び指示計の種類によ

る。

例: JIS B 7536  0.1

µm ディジタル表示形

電気マイクロメータ  1

µm アナログ表示形

12.

表示  電気マイクロメータには,次の事項を明りょうに表示しなければならない。

(1)

指示計

(a)

定格電源電圧

(b)

製造番号

(c)

製造業者名又はその略号

(2)

検出器

(a)

製造番号

(b)

製造業者名又はその略号

引用規格:

JIS B 0401

  寸法公差及びはめあい

JIS B 1501

  玉軸受用鋼球

JIS B 7506

  ブロックゲージ

JIS B 7509

  0.001mm 目盛ダイヤルゲージ

JIS B 7519

  指針測微器

JIS B 7524

  すきまゲージ

JIS B 7533

  てこ式ダイヤルゲージ

JIS C 1002

  電子測定器用語

JIS C 1102

  指示電気計器

JIS C 1203

  直動記録電気計器

JIS C 1301

  絶縁抵抗計(発電機式)

JIS C 1302

  絶縁抵抗計(電池式)

JIS C 6436

  電子機器用小形電源変圧器

JIS G 4404

  合金工具鋼鋼材

JIS H 5501

  超硬合金

JIS Z 8103

  計測用語

JIS Z 8306

  工業計器の目盛通則

JIS Z 8307

  工業計器の指針通則

JIS Z 8703

  試験場所の標準状態


11

B 7536-1982

改正原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

沢  辺  雅  二

工業技術院計量研究所

石  神  政  司

機械振興協会技術研究所

田  村  五  郎

東京都立工業技術センター

村  里  利  明

工業技術院標準部

森      吉  雄

東京芝浦電気株式会社

堤      俊  忠

石川島汎用機械株式会社

永  松      厚

日産自動車株式会社

内  藤  邦  夫

三井精密工業株式会社

石  井  信  雄

三菱重工業株式会社

津  川  浩  造

日本精工株式会社

畑          明

日立青梅電子株式会社

高  内  国  士

株式会社猪俟俣製作所

松  永  輝  雄

日本光学工業株式会社

広  瀬  藤  司

株式会社三豊製作所

羽  田  勝  彦

株式会社津上

遠  藤  大  海

株式会社東京精密

佐  野      明

東京測範株式会社

細  谷  利  男

河口湖精密株式会社

大  沢  政  男

安立電気株式会社

五十嵐  克  幸

株式会社尾崎製作所

棚  田      寛

大阪精機株式会社

市  川  忠  治

日本精密測定機器工業会