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日本工業規格

JIS

 B

7531

-1982

歯厚ノギス

Gear Tooth Vernier Callipers

1.

適用範囲  この規格は,最小読取値 0.02mm で,歯厚の最大測定長が 30mm 及び 60mm の歯厚ノギス

(以下,ノギスという。

)について規定する。

引用規格:

JIS B 0601

  表面粗さ

JIS B 1506

  ころ軸受用ころ

JIS B 1752

  平歯車及びはすば歯車の測定方法

JIS B 7420

  限界ゲージ

JIS B 7506

  ブロックゲージ

JIS B 7509

  0.001mm 目盛ダイヤルゲージ

JIS B 7513

  精密定盤

JIS B 7533

  てこ式ダイヤルゲージ

JIS B 7536

  電気マイクロメータ

JIS G 4303

  ステンレス鋼棒

JIS G 4401

  炭素工具鋼鋼材

JIS Z 8103

  計測用語

関連規格:JIS B 7507  ノギス

2.

用語の意味  この規格で用いる用語の意味は,JIS Z 8103(計測用語)によるほか,次による。

(1)

歯厚ノギス  互いに直角で,かつ,一体である歯厚尺と歯たけ尺を持ち歯車の歯厚及び歯たけの寸法

を読み取ることができるノギス(

図 参照)。

(2)

バーニヤ  本尺目盛を細分して読むための目盛尺で,本尺の目盛の  (n−1)  目盛を 等分して求めた

目盛尺。

(3)

器差  歯厚尺又は歯たけ尺の読みから示すべき真の値を引いた値。

(4)

合成器差  歯厚尺と歯たけ尺の器差が合成されて現れるものであって,歯たけ尺を歯たけ計算値に合

わせ,ジョウで直径既知の円筒を挟んだときの歯厚尺の読みから歯厚計算値を引いた値。

(5)

総合誤差  ノギスを用いた測定において,種々の要因により生じる誤差のすべてを含めた総合的な誤

差。


2

B 7531-1982

3.

名称  ノギスの主要部の名称は,図 による。

図 1  主要部の名称

備考  この図は,単に名称を示すものであって,形状・構造の基準を示すものではない。

4.

呼び及び最大測定長  ノギスの呼び及び最大測定長は,原則として表 による。

表 1  呼び及び最大測定長

単位  mm

最大測定長

参考

呼び

歯厚尺

歯たけ尺

適用モジュール

30 30 20

1.25

∼19

60 60 40

2

∼38

5.

性能

5.1

器差の許容値  ノギスにおける歯厚尺の器差,歯たけ尺の器差及びノギスの合成器差の許容値は,

表 による。


3

B 7531-1982

表 2  器差の許容値

単位  mm

測定長

歯厚尺の器差

歯たけ尺の器差

ノギスの合成器差

0

0

を超え 30 以下

30

を超え 60 以下

± 0.02

± 0.02

± 0.04

備考  この表の値は,温度 20℃におけるものとする。

5.2

本尺の基準端面間の直角度  ノギスの歯厚尺基準端面に対する歯たけ尺基準端面の直角度公差は,

10mm

当たり 0.01mm とする。

5.3

歯厚尺基準端面に対するジョウの先端面及びタング測定面の平行度  歯厚尺基準端面に対するジョ

ウの先端面及びタング測定面の平行度公差は,0.01mm とする。

5.4

測定面間のすきま  本尺のジョウの測定面とスライダのジョウの測定面を合わせたとき,その間の

すきまは,0.005mm(光の回折による干渉色が認められる程度)以下とする。ただし,測定面の先端部で

はすきまがあってはならない。

5.5

総合誤差  5.1 から 5.4 までの性能の規定に適合するノギスの総合誤差は,±0.07mm である。ただ

し,標準状態に近い環境のもとで金属又はこれと同等の材料の歯車を測定した場合とする。

6.

目盛

6.1

目盛方法  ノギスの目盛方法は,表 による。

表 3  目盛方法

本尺の目量

バーニヤの目盛方法

最小読取値

備考

0.5mm 12mm

を 25 等分 0.02mm

図 参照

図 2  目盛例(読取り例 5.28mm)

6.2

目盛線  ノギスの目盛線の太さは,0.08∼0.15mm とし,歯厚尺の目盛,歯たけ尺の目盛及びそれら

に対応するバーニヤの目盛を通じて,各目盛線の最大値と最小値の差は 0.03mm 以下とする。

7.

主要部の寸法  ノギスの主要部の寸法は,次による。

(1)

ノギスの本尺の目盛面とバーニヤの目盛面傾斜先端との段差(

図 参照)は,0.3mm を超えないこと。


4

B 7531-1982

図 3  本尺の目盛面とバーニヤの目盛面との段差

(2)

その他の主要部の寸法は,原則として

表 による。

表 4  主要部の寸法

単位  mm

項目

呼び

a

b

c

d

e

θ

(

゜)

30  17

30

1 1 1.2

30

60  32  42  1.5 1.8 2  30

8.

構造及び機能  ノギスの構造及び機能は,次による。

(1)

測定面及びジョウの先端面の表面粗さは,JIS B 0601(表面粗さ)に規定する 1.6S とする。

(2)

ジョウの測定面間の平行度は,器差の許容値の絶対値以下であって,実用上差し支えがないものであ

ること。

(3)

本尺のジョウとスライダのジョウとの側面の段違いは,実用上差し支えがないものであること。

(4)

歯厚スライダ及び歯たけスライダは,作動範囲全域にわたり滑らかで,かつ,緩みなく作動すること。


5

B 7531-1982

(5)

送り車は滑らかに作動し,遊びは実用上差し支えがないものであること。

(6)

歯厚スライダ,歯たけスライダ及び送りは,固定装置(止めねじなど)により本尺に確実に止められ

ること。

9.

材料及び硬さ

9.1

材料  ノギスの主要部の材料は,表 による。

表 5  主要部の材料

項目

材料

本尺,歯厚スライダ,

歯たけスライダ及び
タング

JIS G 4303

(ステンレス鋼棒)の SUS 420 J2,JIS G 4401(炭

素工具鋼鋼材)の SK6 又はこれらと機械的性質が同等以上の
性能を持つものであること。

9.2

硬さ  ノギスの測定面及びジョウの先端面の硬さは,ステンレス鋼では HV550 以上とし,その他の

材料では HV700 以上とする。

なお,測定箇所は,測定面及びジョウの先端面又はそれらの面から 2mm 以下の側面のいずれかとする。

10.

性能の測定方法  ノギスの性能の測定方法は,表 による。

表 6  性能の測定方法

番号

項目

測定方法

測定用具

1

歯 厚 尺 の
器差

ジョウの測定面にブロッ
クゲージを挟み,歯厚尺の
読みからブロックゲージ

の寸法を減じて求める。

JIS B 7506

(ブロックゲー

ジ)に規定する 1 級のブロ
ックゲージ

2

歯 た け 尺
の器差

ジョウの先端面を精密定
盤に接触させ,精密定盤と
タングの測定面との間に

ブロックゲージを挟み,歯
たけ尺の読みからブロッ
クゲージの寸法を減じて

求める。

JIS B 7506

に規定する 1 級

のブロックゲージ

JIS B 7513

(精密定盤)に

規定する 1 級の精密定盤

3

ノ ギ ス の
合成器差

歯たけ尺を歯たけ計算値
に合わせ,直径既知の円筒
プラグゲージ又は円筒こ

ろをタングの測定面に当
て,ジョウで挟んだときの
歯厚尺の読みと歯厚計算

値との差を求める。 
歯たけ h

R

及び歯厚 S

R

の計

算 値 は , 次 の 式 に よ る 。

JIS B 1752(平歯車及び
はすば歯車の測定方法)参
照〕

JIS B 7420

(限界ゲージ)

に規定する円筒プラグゲ
ージ

又は

JIS B 1506

(ころ軸受用こ

ろ)に規定する円筒ころ


6

B 7531-1982

番号

項目

測定方法

測定用具

(

)

0

sin

1

2

α

=

R

R

d

h

S

R

d

cos

α

0

ここに

d

R

:円筒プラグゲージ

又は円筒ころの直径

α

0

:圧力角

4

本 尺 の 基

準 端 面 間
の直角度

本尺取付台に本尺を定置

し,取付台に装置したてこ
式ダイヤルゲージ又は電
気マイクロメータを目盛

面に平行に移動して測定
する。ただし,本尺取付台
が本尺の目盛面及び基準

端面と接触する面は互い
に直角で,かつ精密定盤の
使用面に直角でなければ

ならない。

本尺取付台

JIS B 7513

に規定する 1 級

の精密定盤

JIS B 7533

(てこ式ダイヤ

ル ゲ ー ジ ) に 規 定 す る

0.002mm

目盛てこ式ダイ

ヤルゲージ(取付台付)

又は

JIS B 7536

(電気マイクロ

メータ)に規定する電気マ

イクロメータ(取付台付)

5

歯 厚 尺 基
準 端 面 に

対 す る ジ
ョ ウ の 先
端 面 及 び

タ ン グ 測
定 面 の 平
行度

ストッパと精密定盤の使
用面との平行を調整した

ノギス取付台にノギスを
定置し,ジョウの先端面と
タング測定面とをほぼ同

一平面上に置き,取付台に
装置したダイヤルゲージ
を移動して測定する。

ノギス取付台

JIS B 7509

(0.001mm 目盛

ダイヤルゲージ)に規定す
る 0.001mm 目盛ダイヤル
ゲージ(取付台付)

JIS B 7513

に規定する 1 級

の精密定盤

6

測 定 面 間
のすきま

目視

11.

検査  ノギスの検査は,性能,目盛,主要部の寸法,構造及び機能並びに材料及び硬さについて行い,

5.

6.7.8.及び 9.の規定に適合しなければならない。

12.

製品の呼び方  ノギスの呼び方は,規格番号又は規格名称及び呼び又は最大測定長による。

例:

JIS B 7531

60

歯厚ノギス

60mm

13.

表示  ノギスの本尺の一部に次の事項を表示するほか,スライダにはバーニヤ目盛で読める最小読取

値を表示する。

(1)

最大測定長

(2)

製造業者名又は略号


7

B 7531-1982

14.

取扱い上の注意事項  取扱い上の注意事項は,次による。

(1)

ノギスには定圧装置がないので,適正で,かつ,均一な測定力で測定するようにしなければならない。

(2)

使用ひん度に応じて,

測定面及びジョウの先端面の摩耗の点検を 10.

性能の測定方法の番号

3

に準じて

行うことが望ましい。

例:

直径

20mm

の円筒ころを用いた場合の歯たけ計算値

h

R

及び歯厚計算値

S

R

表 のとおりである。

表 7

単位

mm

円筒ころの直径  d

R

圧力角

α

0

 (

°)

歯たけ計算値  h

R

歯厚計算値  S

R

20 6.580

18.794

20

14.5 7.496 19.363

精密機械部会  精密測定機器専門委員会  構成表

氏名

所属

(委員会長)

沢  辺  雅  二

工業技術院計量研究所

大  園  成  夫

東京大学工学部

石  神  政  司

財団法人機械振興協会

大  村  昌  弘

通商産業省機械情報産業局

吉  沢      均

工業技術院標準部

朝  倉  利  雄

東京測範株式会社

市  川  忠  治

日本精密測定機器工業会

井  上      宏

日本測定工具株式会社

川  口      廣

株式会社科学計器研究所

矢  島  宣  明

株式会社東京精密

羽  田  勝  彦

株式会社津上

柳  沢  兵  平

株式会社三豊製作所

矢  島  忠  夫

株式会社テクロック

吉  木      汎

黒田精工株式会社

板  野  信  彌

三菱重工業株式会社

津  川  浩  造

日本精工株式会社

堤      俊  忠

石川島汎用機械株式会社

内  藤  邦  夫

三井精機工業株式会社

本  間      顕

日産自動車株式会社

畑          明

株式会社日立製作所

松  永  輝  雄

日本光学工業株式会社

高  内  国  士

株式会社猪俣製作所

森      吉  雄

東京芝浦電気株式会社

(事務局)

横  溝  眞一郎

工業技術院標準部機械規格課

富  永  潤  一

工業技術院標準部機械規格課