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B 7442

:2013

(1)

目  次

ページ

1

  適用範囲  

1

2

  分類 

1

3

  用語及び定義  

1


B 7442

:2013

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,独立行政法人産業技術総合研究所(AIST)

から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経

て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 B

7442

:2013

産業用 X 線 CT 装置−用語

Industrial X-ray CT systems-Vocabulary

適用範囲 

この規格は,産業用 X 線 CT 装置及びその応用に関する主な用語及び定義について規定する。

分類 

産業用 X 線 CT 装置及びその応用に関する用語の分類は,次による。

a) 

共通及び一般用語 

1) 

放射線及び CT 一般用語 

2) CT

性能関連用語 

b) 

線源系用語 

c) 

検出系用語 

d) 

走査系用語 

e) 

再構成系用語 

f) 

表示解析系用語 

g) 

アーチファクト系用語 

注記 1  番号は 4 桁とし,1000 の位の数字は大分類を表し,100 の位の数字は細分類を表す。共通及

び一般用語の放射線及び CT 一般用語は 0001 から,同じく共通及び一般用語の CT 性能関連

用語は 0101 から,線源系用語は 1001 から,検出系用語は 2001 から,走査系用語は 3001 か

ら,再構成系用語は 4001 から,表示解析系用語は 5001 から,アーチファクト系用語は 6001

からの番号で表す。

注記 2  用語は,分類ごとに基本的な用語から並べ,関連度合いが高いものをまと(纏)めるように

配列している。

注記 3  一つの用語欄において二つ以上の用語を併記してある場合には,先に記載してある用語を優

先して使用する。

用語及び定義 

主な用語及び定義は,次による。

注記  対応英語は,参考として示す。


2

B 7442

:2013

a) 

共通及び一般用語 

1) 

放射線及び CT 一般用語 

番号

用語

定義

対応英語(参考)

0001 

ワーク 

X 線 CT で撮影する被対象物。被検体,検査体,試験体,テストピ
ース,被検査物など様々な呼び方がある。

object

0002 

線減弱係数 

物質に入射した X 線又は γ 線が,その物質内を単位距離だけ透過

したときの透過率から導かれる物質の特性を表す係数。入射線量
を I

0

,透過線量を I,線減弱係数を

μ

,透過距離を とすると,

I

I

0

・exp(−

μ

t)

で表される。この式から,次の式で求める。

μ

=−1/t・ln(I/I

0

)

注記 1  通常,

μ

の単位は,cm

1

である。質量減弱係数は,線減弱

係数を物質の密度で除したものである。

注記 2  X 線 CT の断面画像は,原理的に線減弱係数の値が画像化

される。すなわち,その画素の値は,線減弱係数に対応す

る値である。医療用 X 線 CT では,それを CT 値(ハウン
ズフィールド単位)と呼び,空気が−1 000,水が 0 とな

るように校正して用いるが,産業用 X 線 CT では必ずしも

そうではない。X 線 CT の断面画像が線減弱係数に対応す
る値であることから,ワークに含まれている物質(元素)

の種類が既知,又は既知のものと比較測定ができる場合,

その物質を同一と断定したり,密度を算出したりすること
ができることもある。線減弱係数は,物質(元素)の材質,

密度,及び X 線又は γ 線のエネルギーによって変化し,吸

収端と呼ばれる特異点を除いて,一般にエネルギーが高い
ほど小さな値となる。

linear attenuation

coefficient

0003 CT

 

コンピュータ断

層撮影法 

ワーク断面の全周方向から得た放射線投影データによって画像を
再構成し,断面画像を得る手法。

CT,  
computed

tomography

0004 

トモグラム, 
断面画像 

コンピュータ断層撮影法で撮影した断面画像。一般的には,得ら

れた X 線減弱係数の分布を輝度変換した画像として表す。

tomogram

0005 

産業用 CT  

産業用 X 線 CT の画像再構成の結果,各画素に割り付けられた数

値。ワークの線減弱係数と関係する数値。 
注記  医療用 X 線 CT では CT 値(ハウンズフィールド単位)で表

現されるが,産業用 X 線 CT では任意単位が一般的である。

industrial CT

number

0006 

ファントム 

装置の様々な性能を評価したり,校正データを取得したりするた

めの特別なワーク。評価したい性能項目によって,ワークの材質
及び形状が工夫されている。

phantom


3

B 7442

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番号

用語

定義

対応英語(参考)

0007 

線量 

放射線の量。X 線 CT の場合,X 線源から照射される照射線量,物
質による吸収線量,人体への影響を考慮した線量当量などがある。

注記 1  これらの線量は,それぞれ次の単位で表す。

−  照射線量:クーロン毎キログラム(C/kg) 
−  吸収線量:グレイ(Gy)

−  線量当量:シーベルト(Sv)

注記 2  照射線量は X 線の線源の強さの程度を表しているのでは

なく,照射された空気への影響を表している。電離作用で

生じた単位質量当たりの電荷量を照射線量といい,照射の

大きさを表現する。吸収線量は,放射線を受けた物体が吸
収した単位質量当たりのエネルギー。つまり,グレイ(Gy)

はエネルギーに視点をおいた単位である。エネルギーを質

量で除すので,1[Gy]=1[J]/[kg]である。線量当量は人体に
対する被ばく(曝)量を評価する単位であり,吸収線量を,

放射された部位又は放射線の種類によって補正した量。線

量当量の単位は,シーべルト(Sv)である。線量当量と吸
収線量との関係は,吸収線量に線質係数及び修正係数を乗

じたものが,線量当量となる。

dose

0008 

吸収コントラス

ト断層撮影 

ワークによる X 線の減弱率を測定して,ワークの線減弱係数分布

を画像再構成する断層撮影方法。 
注記  吸収コントラスト断層撮影を,一般に CT という。位相コン

トラスト断層撮影との対比でこの用語が使われる。

absorption contrast

tomography

0009 

位相コントラス

ト断層撮影 

X 線がワークを透過する際に生じる位相変化(位相シフト)によ
って僅かに屈折する現象を利用し,屈折した X 線のコントラスト

を強調した透過画像を得て,それをもとに断面画像を得る手法。 
注記  屈折コントラスト法は,位相変化を取り出す一つの方法であ

る。

phase contrast

tomography

0010 

マルチスライス

CT 

ライン検出器を多段でもち,1 回の走査で複数の断面画像が得られ

る CT 装置。

multi slice CT

0011 

ラミノグラフィ 

X 線源及び検出器がワークに対して相対的な運動をする場合にお
いて,X 線源の直線軌道走査,円軌道走査などの走査軌道を含む
面と,検出器における検出面との間にある任意の平面における断

面画像を撮影する方法。

laminography

0012 

ラミノグラム 

ラミノグラフィによって撮影・再構成された画像。 laminogram

0013 

トモシンセシス 

ワークを異なる角度から複数撮影し,線源と検出器との間の任意
の平面における断面画像を得る方法。ラミノグラフィと同義に用

いられる。又は,上記撮影方法を実現する装置で,撮影及び再構

成された画像を示す場合もある。

tomosynthesis


4

B 7442

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2) CT

性能関連用語 

番号

用語

定義

対応英語(参考)

0101 

空間周波数 

正弦波などの周期的パターンが,単位長さ当たりで繰り返される

回数(単位:LP/mm)

spatial frequency

0102 MTF

 

変調伝達関数, 
変調度伝達関数 

コントラストを空間周波数の関数として記述する関数。鋭利な端
部画像において,そのエッジ・レスポンス関数のフーリエ変換の

スペクトル強度をその最大値が 1 になるように規格化したもの。 
注記  X 線 CT では,この MTF を画像の輪郭部の鮮鋭度として算

出することができ,例えば,MTF の値が 0.2 又は 0.1 となる

空間周波数をカットオフ周波数とすることがある。この
MTF の値はワーク依存性がないので,装置固有の性能とし
て評価することができる利点がある。

MTF,  
modulation

transfer function

0103 

カットオフ周波

数, 

遮断周波数 

X 線 CT において,画像として再現できる上限の空間周波数。例え
ば,MTF が 0.1 となる空間周波数をいう。

cutoff frequency

0104 

空間分解能 

位置的に接近した 2 点を独立した 2 点として識別できる能力で,

識別できる最小の間隔。 
注記  X 線 CT の空間分解能は,装置の MTF 特性と画像雑音とに

依存する。つまり,ワークの材質,大きさ及び空間分解能を

評価した位置の影響を受けるので,空間分解能を明記するに
は,これらを併記する必要がある。

spatial resolution

0105 

鮮鋭度 

画像の鮮明さ又は鮮鋭さに関する物理量。像の輪郭部の立ち上が
りを測定して MTF で評価することができる。

sharpness

0106 

画像雑音, 
画像ノイズ 

産業用 CT 値の統計的変動又はアーチファクト。統計的変動は,画

像上のか(顆)粒状の模様となって現れる。主な要因は,X 線検

出量の統計的変動によるランダムノイズである。ランダムノイズ
以外の雑音には,電気系のノイズ又はアーチファクトがある。

image noise

0107 

コントラスト 

ある注目物体とそれ以外の背景とが区別できるような視覚的な特
徴の差。産業用 X 線 CT では,背景の産業用 CT 値を C

b

とし,着

目する部分の産業用 CT 値を C

f

,空気に相当する産業用 CT 値を

C

0

とするとき,コントラストは  |C

f

C

b

| / |C

f

C

b

−2C

0

|×100(%)

とする。 
注記  産業用 CT 値は,装置ごとに任意のスケールで数値化してい

るので,同じ材質であっても装置によって異なる産業用 CT
値になることがある。そのため,空気の産業用 CT 値を材質

の基準とする。このコントラストの定義もそれを基準にして

おり,一般の画像の場合の定義とは異なる。

contrast

0108 

コントラスト分

解能, 

濃度分解能 

画像のノイズを考慮して,ある部分とその背景とを,それらの産
業用 CT 値(平均値)の差を用いて識別できるとき,識別の限界と

なる産業用 CT 値の差。 
注記  X 線 CT のコントラスト分解能は,ワークの材質及び大きさ,

平滑化などの画像処理の有無,CT 計測時間などに依存する

ので,コントラスト分解能を明記するには,これらを併記す

る必要がある。

contrast resolution


5

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番号

用語

定義

対応英語(参考)

0109 

部分体積効果 

検出素子ごとに検出する X 線ビームが有限の大きさをもち,この
X 線ビームの大きさの一部がワークの体積を部分的に透過すると
きの減弱が,線減弱の指数法則を満たさないために生じる効果。

これによって断面画像にはアーチファクトが発生することがあ
る。 
注記  画素又はボクセルが有限な大きさをもつことによって,その

画素又はボクセルにおけるワークの占有比率による画素値
の変化を,部分体積効果ということもある。

partial volume

effect

0110 

線質硬化, 
ビームハードニ

ング 

X 線源から発生した X 線が,あるエネルギー域に連続エネルギー
スペクトルをもってワーク内部を透過するとき,エネルギーの低

い X 線がより多く減弱してエネルギースペクトルの平均エネルギ
ーが高くなる現象。ワークによる減弱が大きいほど,平均エネル

ギーは高くなる。

beam hardening

b) 

線源系用語 

番号

用語

定義

対応英語(参考)

1001 X

線源 

X 線を発生する装置。X 線管,電子線形加速器などがある。X 線を
発生する焦点をいうこともある。

X-ray source

1002 

電子線形加速器 

マイクロ波などを用いて電子を加速する装置のうち,電子を曲げ
ずに直線的に加速する装置。この加速した電子をターゲットに衝

突させ,制動放射によって X 線を発生する。1 MeV 近辺より高い

エネルギーの X 線源として使われる。

linear electron

accelerator 
(LINAC)


6

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番号

用語

定義

対応英語(参考)

1003 

実焦点 

真空内で加速された電子が,ターゲットに衝突して X 線が発生す
る領域。この領域の大きさを,実焦点寸法,実焦点サイズなどと

いう。

real focal spot,   
actual focal spot

1004 

実効焦点 

照射野の中心から見た見掛けの焦点の領域。この領域の大きさを
実効焦点寸法,実効焦点サイズなどという。 
注記  実効焦点寸法の大きさによって,次のような焦点の呼び名が

ある。

a)

普通焦点,ミリフォーカス:実効焦点寸法が,おおむね
0.5 mm 以上のもの。一般の医療用(焦点寸法 1 mm 前後),
又は工業用透過試験(X 線フィルム撮影)用(焦点寸法
2∼3 mm 程度)で使われる。

b)

ミニフォーカス:実効焦点寸法がおおむね 0.1∼0.5 mm

のもの。

“普通焦点より小さい”という意味合いが込め

られている。

c)

マイクロフォーカス:実効焦点寸法が 100

μm  未満のも

の。JIS Z 2300 の(1232)を参照。

d)

ナノフォーカス:実効焦点寸法がおおむね 1

μm 未満の

もの。サブミクロンフォーカスと呼ぶこともある。

effective focal spot

1005 

ターゲット角

度, 

陽極角度

反射形 X 線管内の電子線の進行方向とターゲット面の法線とのな

す角度。 
注記  ターゲット角度の値は,一般に透過 X 線管では 0°(電子線

がターゲット面に垂直に当たる)

,反射形 X 線管では 10∼

30°である。ターゲットに当たる電子線の大きさが一定の場
合,ターゲット角度が小さくなるほど,その角度によって縮

小される方向の“見掛けの焦点(実効焦点)

”はより小さく

なり,また,ターゲット側の X 線の照射角度もより小さく
なる。

target angle,   
anode angle


7

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番号

用語

定義

対応英語(参考)

1006 

照射窓 

実焦点で生じた X 線を取り出すために設けられた窓。X 線管内を
真空に保つために剛性が高く,X 線の減弱の小さい材質(例えば,

ベリリウム)が用いられる。

beam window

1007 

コリメーション 

コリメータを用いて,放射線束を所定の形状に制限すること。 collimation

1008 

コリメータ 

X 線束の方向及び領域を制限し決定するための,鉛,タングステ
ンなどの X 線遮蔽材料でできた器具。特に産業用 X 線 CT では,X

線源側に設置する“線源コリメータ”と,検出器側に設置する“検
出器コリメータ”との 2 種類がある。

collimator

1009 

線源コリメータ 

X 線源の照射窓の付近に置かれ,X 線の放射方向,形状を調整する
器具。 
注記  ペンシルビーム形成又はファンビーム形成において,ファン

の広がり方向と垂直の方向との厚さ調整のために設けられ

ることがある。

source collimator

1010 X

線フィルタ 

低エネルギー域の X 線を減弱するように,X 線源と検出器との間

に置く器具。一般に,ワークの原子番号よりも上位の原子番号を

もつ均一な材質の板状のものを用いることが多い。

X-ray absorption

filter


8

B 7442

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番号

用語

定義

対応英語(参考)

1011 

エネルギースペ

クトル 

X 線強度のエネルギー又は波長の分布。エネルギースペクトルの
形の違いを定性的に表現するために“線質”という用語が用いら

れることもある。

energy spectrum

1012 

実効エネルギー 

白色 X 線の強度がアルミニウム,銅などの物質によって 1/2 に減

弱する透過厚さ(半価層)における線減弱係数に対応する単一の X
線エネルギー。すなわち,半価層が等しい単色 X 線のエネルギー

のこと。半価層に限らず,任意の減弱比に対応する単一の X 線エ

ネルギーを称することもある。 
注記  任意の減弱比に対応する実効エネルギーの算出は,X 線の減

弱曲線を測定し,その曲線に対して,着目する減弱比に対応

した減弱長での接線を計算することで求めることができる。

effective energy

1013 

平均エネルギー 

X 線のエネルギーを で表し,そのエネルギースペクトルを I(E)
としたとき,<E>=∫EI(E)dE/∫I(E)dで計算されるエネルギー。

avarage energy

1014 

ビーム角特性 

X 線源から放射される X 線の角度による強度(又は線量率)の分
布。 
注記  一般に X 線照射方向の中心軸付近で大きく,そこからの角

度が離れるほど小さくなる。特に,ターゲット角度による“け
られ”を生じる部分では,その手前から著しい強度低下が生

じる。

angular

distribution of 
X-ray intensity

1015 

透過可能厚さ 

検出系の測定レンジに対して,その測定下限となるときの透過距

離に相当するワークの厚さ。 
注記  この厚さを表記する場合には,材質を必ず明記する必要があ

る。例えば,透過可能厚さ:100 mm(アルミニウム材質の

場合)

この透過可能厚さを超えるワークの場合には,有効な計測

ができないため(検出下限以下となるため)

,画像にアーチ

ファクトが発生する。透過能力ともいう。

X-ray penetrable

length

1016 

ペンシルビーム

X

 

細い X 線のビーム。

pencil beam X-ray

1017 

ファンビーム X

 

広げた扇子の“要”の部分を実焦点とし,扇の先へ向かって照射

され,ほぼ平面内に扇形に広がる X 線のビーム。 
注記  扇の開いている面の法線方向は,スライス幅方向と呼ばれ,

その方向の利用角度はファンビームでは小さいが,コーンビ

ームでは,その利用角度が広い。

fan beam X-ray

1018 

ファンビーム角

 

ファンビーム X 線の扇形の開き角度。 fan-beam

angle


9

B 7442

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番号

用語

定義

対応英語(参考)

1019 

コーンビーム X

 

円すい(錐)状に広がる X 線のビーム。例えば,ビームの縁の形
状によらずエリア検出器で測定するときの X 線のビーム。

cone beam X-ray

1020 

コーンビーム角

 

コーンビーム X 線の円すい(錐)の頂角の大きさ。

cone beam angle

c) 

検出系用語 

番号

用語

定義

対応英語(参考)

2001 

ライン検出器 

X 線の強度を一次元分布として測定することができる検出器。例
えば,多数の検出素子を一列に配置したものがある。

line detector

2002 

エリア検出器 

X 線の強度を二次元分布として測定することができる検出器。例
えば,X 線イメージインテンシファイア,フラットパネル検出器

などがある。

area detector

2003 

フラットパネル

検出器 

多数の微小な検出素子を平面状に配置したエリア検出器の一つ。 
注記  入射した X 線は,X 線変換部で間接的又は直接的に電荷に

変換され,電気信号として取り出される。X 線イメージイン

テンシファイアに対して,X 線が間接的又は直接的に電気信

号に変換され,画像ひずみもなくなる。露光時間が可変で,
デジタル画像が取得できるため普及した。ただし,電子増倍

などの信号強度を増幅する機能はない。

flat panel detector

2004 

シンチレータ 

X 線検出器の一種で,X 線を可視光に変える機能をもつ部品。 
注記  X 線 フ ォ ト ン に よ る 分 子励 起 に よ っ て蛍 光 を 発 生 する

CWO,CsI,GOS,GGAO,BGO などの結晶が使用される。

scintillator

2005 

検出素子サイズ 

検出器において,多数並べられた検出素子の大きさ。多くのもの
は長方形をしており,縦と横のそれぞれの長さとで表す。

size of a detector

element


10

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番号

用語

定義

対応英語(参考)

2006 

検出器コリメー

 

検出器の直前に置かれ,検出器に入射する X 線の方向及び形状を
調整する器具。 
注記  散乱 X 線などの不要な X 線が検出器に到達しないように設

けられることが多い。

“グリッド”とも呼ばれる。特に,可

動できる検出器コリメータを,

“シャッタ”又は“イメージ

シャッタ”と呼ぶことがある。

detector collimator

2007 

検出器フィルタ 

低エネルギー域の X 線を減弱するように,検出器の前面に置く材
質及び厚さが均一な板。 
注記  X 線束に含まれるエネルギーの低い X 線がカットされるた

め,断面画像への線質硬化の影響を低減することができる。

detector filter

2008 

積分時間 

画像再構成に寄与する一透過データの蓄積時間。 
注記 1  積分時間を長くすることで,画像雑音量を低減することが

できる。画像雑音として統計的ノイズが支配的な場合の画

像雑音量は,積分時間の平方根に反比例する。

注記 2  一透過データを得るために,X 線検出器の計測を,複数回

行い,その計測値を加算又は加算平均することもある。

integral time

2009 

ビニング 

X 線検出器の複数の素子を擬似的に結合させて 1 ピクセルとして
扱い,1 ピクセル当たりの見掛けの受光面積を大きくして感度を上

げ,かつ,読出し画素数を減じてフレームレートを上げる手法。

binning

2010 

検出器アフター

グロー 

検出器に入射する X 線が途切れた後に検出器に残る信号成分。シ
ンチレータの場合には,残光という。半導体検出器の場合には,

結晶中に残存する格子欠陥にトラップされたキャリアが解放さ

れ,X 線照射に遅れて発生する信号。

detector after glow

2011 

検出器クロスト

ーク 

隣り合う素子からの信号の漏れ又は映り込み。 detector

cross talk

2012 

測定レンジ, 
ダイナミックレ

ンジ 

検出系で測定できる最大値と最小値との範囲。 
注記  空気層測定での検出器出力の測定値を,

“Max”

,オフセット

測定での検出器出力の測定値を,

“Min”と表記する場合,

測定レンジ=Max−Min

となる。これを基にして,ダイナミックレンジとは,

ダイナミックレンジ=20 log

10

[測定レンジ/ノイズレベル]

となり,ここでノイズレベルは,オフセット測定での検出器
出力の標準偏差をいう。

dynamic renge

2013 

空気層測定, 
リファレンス測

 

検出器の感度及び X 線の照射むらを校正するための計測で,ワー
クによる X 線減弱が一切ないときの X 線検出器による計測及びそ

の計測値。

air measurement, 
reference

measurement


11

B 7442

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番号

用語

定義

対応英語(参考)

2014 

オフセット測定 

X 線の入射が一切ない場合の X 線検出器による測定及びその測定
値。 
注記  通常の X 線 CT 装置では,検出器からの信号をアナログ・デ

ジタル変換(AD 変換)してデジタル信号として処理してい
る。この AD 変換では電子回路の要求から,最小電圧に対し

て微小な電圧をプラスしてかさ上げし,これを AD 変換して

いる。このかさ上げを“オフセット電圧”と呼ぶ。

通常の X 線 CT 装置では,このオフセット電圧と,暗電流

による電圧とがプラスされたものが,検出限界の下限とな

る。この検出限界の下限を測定する意味で“オフセット測定”
と呼んでいる。このオフセット測定値は,検出系の測定レン

ジを決めたり,ダイナミックレンジを決める。

offset

measurement

d) 

走査系用語 

番号

用語

定義

対応英語(参考)

3001 

撮影領域 

CT で撮影する領域で,ワーク断面画像を再構成するためのデータ
が収集され,画像再構成される領域。

scan area,   
field of view

(FOV)

3002 

並進−回転走査

モード 

ファンビーム角度が 3∼15°程度のファンビーム X 線と数個∼数

十個の少ない検出素子のライン検出器とが,ワークを挟んで向き
合って配置され,一定角度ごとの回転を繰り返しながらワークを

並進走査して再構成に必要な投影データを得る走査方法。一回の

並進走査が終了すると,向き合って配置された X 線源と検出器と
に対してワークが相対的にファンビーム角度分回転した位置に移

動する。回転移動した後,再度並進走査を行い,次の投影データ

を得る。この繰返しによって,全体の投影データを得る。第二世
代走査方式ともいう。

translate-rotate

mode

3003 

回転走査モード 

X 線源とワークを通過した X 線とを検出する検出器を,ワークを
挟んで向き合って配置し,X 線源と検出器とに対してワークを相
対的に回転走査させ,一つ以上の断面の投影データを得る走査方

法。第三世代走査方式ともいう。

rotate only mode


12

B 7442

:2013

番号

用語

定義

対応英語(参考)

3004 

ら(螺)旋 CT 
ヘリカル走査モ

ード 

回転走査モードに加え,回転軸方向への移動を同時に組み合わせ
て投影データを得る走査方法。回転軸方向に照射 X 線の幅を超え

るワークの投影データを得るために用いられる。 
注記 1  回転軸方向への移動ピッチをヘリカルピッチといい,この

ピッチ,スライス厚さ及び再構成間隔を適切に選択するこ

とが重要となる。風車状アーチファクト及び階段状アーチ

ファクトの項を参照。

注記 2  通常の CT では,一断面の走査後,ワークを少し動かして,

次の断面を走査するということを順次繰り返していた。一

方,これに対しら(螺)旋 CT では,例えば,ワークを回
転させながら,X 線源−検出器系をその回転軸と平行に相

対的に移動することで,ら(螺)旋状に走査して複数の断

面を一度に撮影する方法。これによって従来の検査時間を
短縮する。

spiral CT,   
helical CT

3005 

ノーマル走査 

回転走査モードにおいて,360°分の X 線投影データを収集し,断

面画像を画像再構成する走査方法。フル走査ともいう。

normal scan

3006 

ハーフ走査 

回転走査モードにおいて,約 180°分の X 線投影データを収集し,

断面画像を画像再構成する走査方法。 
注記  ノーマル走査に比べると画像雑音は増加する。

half scan

3007 

オフセット走査 

撮影領域を広げる走査方法。撮影領域より大きなワークに対して,
回転中心をずらして画像再構成領域を広げて撮影することができ

る。

offset scan

3008 1/4

オフセット

走査 

X 線検出器を回転中心に対して対称に配置するのではなく,検出
器配列ピッチの 4 分の 1 ずらすことで,断面画像の空間分解能を
向上させる投影データ収集方法。

1/4 offset scan


13

B 7442

:2013

番号

用語

定義

対応英語(参考)

3009 

焦点−検出器間

距離 

X 線源の焦点から検出器までの距離。 
注記  略語では幾つかの略称が同じ意味で使用されている。 

“FDD:focus-to-detector distance”

“SID:sorce-to-image distance”

“FID:focus-to-image distance”

source-to-detector

distance (SDD)

3010 

焦点−回転中心

間距離 

回転走査モードにおける,X 線源の焦点からワークの回転中心ま

での距離。 
注記  略語では幾つかの略称が同じ意味で使用されている。 

“FCD:focus-to-centre distance”

“SOD:source-to-object distance”

“FOD:focus-to-object distance”

source-to-rotation

centre distance 
(SRD)

3011 

焦点−並進軸間

距離 

並進−回転走査モードにおける X 線源の焦点から並進軸までの距

離。 
注記  略語では幾つかの略称が同じ意味で使用されている。 

“FTD:focus-to-translation axis distance”

source-to-translation

axis distance 
(STD)

3012 

回転中心−検出

器間距離 

ワークの回転中心から検出器までの距離。 rotation

centre-to-detector 
distance (RDD)

3013 

幾何学拡大率 

焦点−検出器間距離を,焦点−回転中心間距離で除した比率。 
注記  X 線で投影されたワークの検出器位置での大きさが,実ワー

クの大きさの何倍になるかを表現している。

magnification

3014 

スライス 

CT の断面。断面画像となる面の広がり,及びそれと直交する厚さ
方向をもつ。

slice


14

B 7442

:2013

番号

用語

定義

対応英語(参考)

3015 

スライス間距離 

あるスライスとそれに隣接するスライスとのそれぞれの厚さの中

心位置同士間の距離。

注記  ライン検出器を用いる X 線 CT の場合,スライス間距離はワ

ークの回転軸方向の送り量から決まる。ら(螺)旋 CT の場
合には,画像再構成をする際に指定し,再構成に必要な軸方

向の補間係数を決めるパラメータとなる。コーンビーム CT

のようなエリア検出器を使う CT の場合には,再構成された
三次元像の軸方向のボクセル間の距離をいう。

slice distance

3016 

スライス厚 

撮影領域の中心位置における一つのスライスの厚さ方向の長さ。 
注記  ライン検出器を用いる X 線 CT の場合,スライス厚は,線源

コリメータ,検出器コリメータなどの装置幾何学で決まる。
コーンビーム CT のようなエリア検出器を使う CT の場合に

は,再構成された三次元像の軸方向の厚さをいう(ボクセル

の高さ方向の長さをいう。

slice width

3017 

走査時間 

断面画像を作成するための一走査分の X 線投影データを得るため

に必要な時間。

scanning time

3018 

走査角度ピッチ 

回転走査モードにおいて,一走査角度の投影データを得る単位回
転角度の間隔。

rotation pitch

3019 

並進ピッチ 

並進−回転走査モードにおいて,一並進分の投影データを得ると
きの並進方向の移動間隔。

translation pitch

e) 

再構成系用語 

番号

用語

定義

対応英語(参考)

4001 

画像再構成 

ワークの X 線投影データから,ワークの X 線減弱係数に対応する
断面画像を生成する処理又はそのアルゴリズム。

image

reconstruction

4002 

平行ビーム再構

 

逆投影のときのビーム配列が平行ビームである場合の画像再構成
アルゴリズム。主に,並進−回転走査モードで使われる。

parallel beam

reconstruction


15

B 7442

:2013

番号

用語

定義

対応英語(参考)

4003 

ファンビーム再

構成 

逆投影のときのビーム配列がファンビームである場合の画像再構
成アルゴリズム。主に,回転走査モードと組み合わせて使われる。

注記  ファンビームの投影データを並べ替え,かつ,補間すること

によって,ファンビームの投影データから平行ビームの投影
データに変換し,この投影データを逆投影して所望の断面画

像を得るファンビーム−平行ビーム変換法,及びファンビー

ムの投影データを一度基準軸(センタリング軸)に逆投影し,
再度再構成画像のピクセル列ごとに逆投影するセンタリン

グ法の 2 種類が用いられている。

fan beam

reconstruction

4004 

コーンビーム再

構成 

コーンビーム CT で使われる画像再構成アルゴリズム。 
注記  コーンビーム X 線を用い,一走査で取得した投影データに

適用する。よく使われる画像再構成アルゴリズムとして,フ

ェルドカンプ画像再構成アルゴリズムがある。

cone beam

reconstruction

4005 

ら(螺)旋 CT

再構成 

ら(螺)旋 CT で使われる画像再構成のアルゴリズム。 
注記  ら(螺)旋走査で得た投影データに対して,所望のスライス

の再構成に必要な投影データを補間演算によって求め,フィ
ルタ補正逆投影法などの画像再構成手法を使い画像を得る

ことが可能となる。

spiral CT

reconstruction

4006 

直接再構成法 

ラドン変換の逆変換に対して,その周波数空間上の直交座標系を

使って二次元逆フーリエ変換する画像再構成方法。

direct

reconstruction

4007 

代数的再構成法 

代数的反復計算による画像再構成法。 
注記  投影データの不完全性があっても直接再構成などの解析的

手法と比較して,致命的なアーチファクトが発生しにくい,

雑音に対して強いなどの利点がある。しかし,反復的な計算

が必要とされるため,断面画像を再構成するのに要する演算
時間が長い。

algebraic

reconstruction 
method

4008 

フィルタ補正逆

投影法 

ラドン変換の逆変換に対して,投影データの周波数空間での再構
成フィルタによる補正と,逆投影アルゴリズムとを用いた画像再

構成法。完全な投影データを 1 回用いるだけで画像再構成をする

ことができる。

filtered

backprojection

4009 

画像再構成フィ

ルタ 

フィルタ補正逆投影法で用いられる周波数空間でのフィルタ。画
像再構成の原理ではランプ(Ramp)形フィルタとなるが,高周波

成分を抑制して解像度より耐雑音性を優先するシェップ−ローガ

ン(Shepp-Logan)形フィルタなど,いろいろなフィルタがある。

reconstruction

filter


16

B 7442

:2013

番号

用語

定義

対応英語(参考)

4010 

フェルドカンプ

画像再構成ア
ルゴリズム 

コーンビーム CT で主に使われる画像再構成法。フィルタ補正逆投
影法に対して,コーンビームの仰角の補正を繰り込んで三次元再

構成を可能にしている。ただし,コーンビームの仰角が大きいと

再構成の誤差が大きくなる欠点がある。

Feldkamp

reconstruction 
algorithm

4011 

透過データ 

検出器で収集した対数変換前のデータ。 
注記  一走査分のデータを意味するときもあれば,その一部のデー

タを意味するときもある。

penetration data

4012 

投影データ 

透過データを対数変換した後のデータ。 
注記  一走査分のデータを意味するときもあれば,その一部のデー

タを意味するときもある。

projection data

4013 

サイノグラム, 
シノグラム 

透過データ又は投影データを二次元の画像として映像化したも
の。通常は,横軸を走査位置,縦軸を走査角度とする。

sinogram

4014 

サイノグラムフ

ィルタ 

サイノグラムのデータに対して,ノイズ除去,アーチファクト除
去などを目的として使用する情報処理フィルタ。メディアン,移

動平均,画素加算などがある。

sinogram filter

4015 

ビュー数 

回転走査モードの CT において,一走査分のデータを収集するため

の X 線源位置の方向数。

view number

4016 

ピクセル, 
画素 

二次元画像を構成する最小単位。画像再構成された断面画像のピ

クセルは,産業用 CT 値を表す。

pixel

4017 

ピクセルサイ

ズ, 

画素サイズ 

断面画像における画素の一辺の長さを,実際の寸法に換算した値。
画素の形状は正方形。

pixel size

4018 

ボクセル 

ボリュームデータを構成する最小単位。ボクセルにはスカラ量又

はベクトル量が記述されている。画像再構成されたボリュームデ

ータのボクセルは,産業用 CT 値を表す。 
注記  ボクセルは,ボリュームとピクセルとからの造語。

voxel


17

B 7442

:2013

番号

用語

定義

対応英語(参考)

4019 

ボクセルサイズ 

断面画像におけるボクセルの寸法を,実際の寸法に換算した値。
ボクセルの形状は,基本的に,スライス厚が画素の 1 辺の長さに

等しいとき立方体となり,等しくないときは直方体となる。

voxel size

4020 

線質硬化補正, 
ビームハードニ

ング補正 

線質硬化を画像再構成の過程でソフトウエアによって補正する方

法。

beam hardening

correction

f) 

表示解析系用語 

番号

用語

定義

対応英語(参考)

5001 

ボリュームデー

 

ボクセルを三次元格子状に配列したデータ。 volume

data

5002 

ボリュームレン

ダリング 

ボリュームデータをポリゴンデータに変換することなく,仮想的
なスクリーンに投影したように二次元画像に変換し,視覚化する

方法。ワークの表面だけでなく,内部状態を三次元的に視覚化で

きる。

volume rendering

5003 

サーフェスレン

ダリング 

ボリュームデータに対して,ワークの表面又は表面付近の情報を
抽出して,二次元画像に変換して視覚化する方法。ワークの内部

の可視化はできない。

surface rendering

5004 

関心領域 

測定時及び解析時に操作の対象として選択する領域。

region of interest

(ROI)

5005 

解像度 

デジタル画像の画素の密度を示す数値。 resolution

5006 

点群データ 

三次元座標系で定義される三次元空間内の点の集合。

point cloud data

5007 

ポリゴンデータ 

三次元形状を多角形によって分割・近似して数値化したデータ。

ボリュームデータからポリゴンデータに変換することができる。

polygon

5008 

等値面 

ボリュームデータ中で等しい産業用 CT 値をもつ点の集合が形成

する面。

isosurface

5009 

グレイスケール 

画素又はボクセルに記述された値に応じて,濃淡表現した階調。 gray scale

5010 

階調数 

一つの画素又はボクセルに記述された値のビット数。 depth

5011 

ウインドウ処

理, 

ウインドウ 

画像再構成の結果を,デジタル画像として表示するため,8∼16 ビ

ット程度のグレースケールを割り当てる処理及びその範囲。狭い

範囲に割り当てるとコントラストが高まる。

window processing


18

B 7442

:2013

g) 

アーチファクト系用語 

番号

用語

定義

対応英語(参考)

6001 

偽画像, 
アーチファクト 

断面画像上に現れるワークには存在しない画像の総称。投影デー

タに異常が発生したり,画像再構成計算で誤差が生じる場合に発
生する。 
注記  X 線 CT でのアーチファクトの名称の由来は,次のとおりで

ある。

a)

その偽画像の現れ方の特徴から名称が付けられている

もの

b)

発生原因から名称が付けられているもの

artefact,  
false indication,   
artifact

6002 

線質硬化アーチ

ファクト, 

ビームハードニ

ングアーチフ
ァクト 

線質硬化によって,X 線エネルギースペクトルの低エネルギー成
分がより多く減弱するために発生するアーチファクト。円柱又は

円筒状のワークに対しては,カッピングアーチファクト,シェー

ディングアーチファクトとも呼ばれる。連続なエネルギースペク
トルをもつ X 線源を用いた CT では不可避なアーチファクトであ

る。この名称は,発生原因によるものである。

beam hardening

artefact

6003 

カッピングアー

チファクト 

材質の一様な円柱又は円筒を撮像したときに,その断面画像の産

業用 CT 値の分布がカップ状に現れるアーチファクト。線質硬化に

よって発生する。この名称は,現れ方の特徴によるものである。

A-A’ のプロファイル

円柱物体の断層像

A

A’

A

A’

cupping artefact

6004 

部分体積アーチ

ファクト 

部分体積効果によるアーチファクト。この名称は,発生原因によ

るものである。端面でのアーチファクトが顕著であり,これを端

面アーチファクトという。

partial volume

artefact

6005 

端面アーチファ

クト 

長い端部をもつワークにおいて,その直線部が膨らんで見えたり,

端部接線方向に生じる直線状の影ができるアーチファクト。この
名称は,現れ方の特徴によるものである。

edge artefact


19

B 7442

:2013

番号

用語

定義

対応英語(参考)

6006 

リング状アーチ

ファクト 

回転走査中心を中心とする同心円状のアーチファクト。検出素子
の不良又は劣化,検出素子間クロストーク,検出素子出力の個体

差などによって発生する。この名称は,現れ方の特徴によるもの

である。

ring artefact

6007 

ストリーク状ア

ーチファクト 

直線状又は帯状に生じるアーチファクト。この名称は,現れ方の

特徴によるものである。

streak artefact

6008 

ライン状アーチ

ファクト 

直線状のアーチファクト。ストリーク状アーチファクトともいう。

ある投影角度の,ある投影位置において,投影データが異常な値
になったときに生じる。この名称は,現れ方の特徴によるもので

ある。

line artefact


20

B 7442

:2013

番号

用語

定義

対応英語(参考)

6009 

シャワー状アー

チファクト 

放射状のアーチファクト。例えば,回転走査モードでは,ある投
影角度において,X 線の一時的な出力変動に起因して,その投影

角度の投影データの異常によって発生する。この名称は,現れ方

の特徴によるものである。

shower artefact

6010 

モーションアー

チファクト 

走査中に,ワークが走査以外の動きなどをすることによって発生
するアーチファクト。この名称は,発生原因によるものである。

motion artefact

6011 

ミスアライメン

トアーチファ
クト 

測定装置の幾何配置と画像再構成時の想定幾何配置との差によっ

て発生するアーチファクト。この名称は,発生原因によるもので

ある。

misalignment

artefact


21

B 7442

:2013

番号

用語

定義

対応英語(参考)

6012 

メタルアーチフ

ァクト 

金属などの X 線減弱係数の大きい物質の存在によって発生するア
ーチファクト。エネルギーの低い X 線の場合に顕著に発生する。

金属による X 線の大きな減弱によって,検出器への極端な信号減

少が起き,画像再構成が正確に行われず,金属部分から放射状に
ノイズが発生する。この名称は,発生原因によるものである。

金属
(X線減弱大)

金属
(X線減弱大)

金属同士を結ぶように
ライン状の輝度変化が発生

metal artefact

6013 

光子不足アーチ

ファクト 

ワークによる X 線減弱が大きく,透過光子数が過度に不足するこ

とによって発生するストリーク状アーチファクト。これは,投影
データに X 線透過データの対数変換値が用いられ,そこで相対的

に雑音成分が増幅され,更に非零非負制限も加わり,雑音が再構

成画像に強く影響を及ぼすことに起因している。この名称は,発
生原因によるものである。

photon starvation

artefact

光子不足アーチファクト模式図


22

B 7442

:2013

番号

用語

定義

対応英語(参考)

6014 

風車状アーチフ

ァクト 

ら(螺)旋 CT 特有のアーチファクトで,風車状に現れるアーチフ
ァクト。ら(螺)旋 CT でのヘリカルピッチが大きい場合に,その

ピッチ間の補間演算で誤差が大きくなることに起因する。この名

称は,現れ方の特徴によるものである。

windmill artefact

6015 

階段状アーチフ

ァクト 

ら(螺)旋 CT 特有のアーチファクトで,スライス面に対して斜走
する曲面に周期的に凹凸が現れるアーチファクト。この名称は,

現れ方の特徴によるものである。 
注記  このアーチファクトを軽減する方法はスライス厚を薄くす

る,再構成間隔を小さくする,又はヘリカルピッチを小さく

することである。

stair step artefact

参考文献  JIS Z 2300  非破壊試験用語

スライス厚 2 mm

スライス厚 2 mm

スライス厚 2 mm

ヘリカルピッチ 1

ヘリカルピッチ 1

ヘリカルピッチ 2.5

再構成間隔 1 mm

再構成間隔 3 mm

再構成間隔 1 mm