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B 7263-1

:2007

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本望遠鏡工業会(JTMA)/財団法

人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標

準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 14490-1:2005,Optics and optical

instruments

−Test methods for telescopic systems−Part 1:Test methods for basic characterisitics を基礎として用

いた。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は

もたない。

JIS B 7263-1

には,次に示す附属書がある。

附属書 1(参考)眼鏡装用者の実視界測定方法

附属書 2(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

JIS B 7263

の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS

B

7263-1

第 1 部:基本特性

JIS

B

7263-2

第 2 部:双眼鏡

JIS

B

7263-3

第 3 部:ライフルスコープ

JIS

B

7263-4

第 4 部:天体望遠鏡


B 7263-1

:2007

目  次

ページ

序文

1

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  定義

1

4.

  倍率測定方法

1

4.1

  一般

1

4.2

  試験構成

1

4.3

  手順

2

4.4

  結果の判定

2

4.5

  試験報告書

3

5.

  入射ひとみ径測定方法

3

5.1

  一般

3

5.2

  試験構成

3

5.3

  手順

3

5.4

  結果の判定

3

5.5

  試験報告書

3

6.

  射出ひとみ径及び射出ひとみ距離測定方法

3

6.1

  一般

4

6.2

  試験構成

4

6.3

  手順

4

6.4

  結果の判定

4

6.5

  試験報告書

5

7.

  実視界測定方法

5

7.1

  一般

5

7.2

  試験構成

5

7.3

  手順

5

7.4

  結果の判定

5

7.5

  試験報告書

5

8.

  見掛け視界測定方法

5

8.1

  一般

5

8.2

  試験構成

6

8.3

  手順

6

8.4

  結果の判定

6

8.5

  試験報告書

6

9.

  接眼レンズから射出する光線束の視度測定方法

7


B 7263-1

:2007  目次

(3) 

ページ

9.1

  一般

7

9.2

  試験構成

7

9.3

  手順

7

9.4

  結果の判定

7

9.5

  試験報告書

7

10.

  像の倒れ測定方法

7

10.1

  一般

7

10.2

  試験構成

7

10.3

  手順

8

10.4

  結果の判定

8

10.5

  試験報告書

8

11.

  最短合焦距離測定方法

8

11.1

  一般

8

11.2

  試験構成

8

11.3

  手順

8

11.4

  結果の判定

9

11.5

  試験報告書

9

12.

  試験報告書

9

附属書 1(参考)眼鏡装用者の実視界測定方法

10

附属書 2(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

12


B 7263-1

:2007

 

白      紙


日本工業規格

JIS

 B

7263-1

:2007

望遠鏡試験方法−第 1 部:基本特性

Optics and optical instruments

−Test methods for telescopic systems−

Part 1:Test methods for basic characteristics

序文  この規格は,2005 年に第 1 版として発行された ISO 14490-1,Optics and optical instruments−Test

methods for telescopic systems

−Part 1:Test methods for basic characteristics を基に,技術的内容を変更すること

なく作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変更の一覧

表をその説明を付けて,

附属書 2(参考)に示す。

1.

適用範囲  この規格は,望遠鏡系及び望遠観察機器の基本特性の試験方法について規定する。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。

ISO 14490-1:2005

,Optics and optical instruments−Test methods for telescopic systems−Part 1:Test

methods for basic characteristics (MOD)

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS B 7157

  望遠鏡用語

備考  ISO 14132-1,Optics and optical instruments−Vocabulary for telescopic systems−Part 1: General

terms and alphabetical indexes of terms in ISO 14132

からの引用事項は,この規格の該当事項と

同等である。

JIS Z 8120

  光学用語

3.

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,JIS B 7157 及び JIS Z 8120 による。

4.

倍率測定方法

4.1

一般  望遠鏡系の倍率

Γ

  は,次の式によって定義する。

w

w

w

w

'

tan

'

tan

=

Γ

 (1)

ここに,及び w':共役光束軸がそれぞれ物体空間及び像空間の光軸となす角度

なお,倍率の測定方法は,被検望遠鏡の視野においた物体の角度及び像の倍率の測定に基づいている。

4.2

試験構成  倍率の測定は,図 に示す角度試験構成で行う。


2

B 7263-1

:2007

無限遠以外の焦点設定で倍率を測定する系では,コリメータの目盛を被検望遠鏡から規定の距離に目盛

の像が形成できるように調整する。

試験構成は,像の色収差を防止するために緑色の光学フィルタを設ける。フィルタの最大透過率は,約

0.55

µm の波長とする。

角度測定装置として,次のいずれかを用いる。

−  既知の角度目盛をもつ目盛付き望遠鏡

−  接眼レンズマイクロメータ付き望遠鏡

−  必要な測定精度が保証された,その他の角度測定装置

ガリレイ望遠鏡にも,同じ方法を用いるのがよい。

記号

1.

光源,2.  集光レンズ,3.  フィルタ,4.  拡散板,5.  目盛板,6.  コリメータレンズ,

7.

被検望遠鏡,8.  角度測定望遠鏡

  1  倍率測定用試験構成

4.3

手順  測定を開始する前に,被検望遠鏡の接眼レンズの視度をゼロ毎メートル(m

-1

)

に調節し,また,

被検望遠鏡の焦点を無限遠に合わせる。

被検望遠鏡が形成するコリメータの目盛板(

図 の 5)上の整数目盛の像によって覆われる,望遠鏡の

目盛数(

図 の 8)を求める。

接眼レンズマイクロメータ付き望遠鏡を使用する場合は,被検望遠鏡が形成するコリメータの目盛板上

の像の角度を測定する。

4.4

結果の判定  求める倍率

Γ

  は,望遠鏡が形成するコリメータの目盛板(図 の 5)上の像の大きさ

と,コリメータの目盛の対応する部分の大きさとの比として定義する。

接眼レンズマイクロメータ付き望遠鏡を用いる場合は,次の式による。

2

1

a

m

a

n

×

×

=

Γ

 (2)

ここに,    n:  コリメータの目盛板(

図 の 5)上の像の目盛数 に対応する

  望遠鏡(

図 の 8)の目盛の目盛数

a

1

:  測定望遠鏡の目盛の目盛値

a

2

:  コリメータの目盛の目盛値

倍率の測定誤差は,関連仕様規格で規定されている公称値の最大偏差の 3 分の 1 未満とする。6 倍以上

1

2

3

4

5

6

7

8


3

B 7263-1

:2007

の倍率をもつ双眼鏡の望遠鏡間の倍率差を計算する場合は,この公差を半分に減らさなければならない。

4.5

試験報告書  試験報告書には,12.で規定する一般情報及び 4.4 で規定する試験結果を記載する。

5.

入射ひとみ径測定方法

5.1

一般  入射ひとみ径 の測定方法は,入射ひとみの近くに置いたレチクルを被検望遠鏡を介して見

ることによって,入射ひとみ径の直線方向の大きさを読み取る。

5.2

試験構成  試験構成の概略図は,図 による。

試験構成は,像の色収差を防止するために緑色の光学フィルタを設ける。フィルタの最大透過率は,約

0.55

µm の波長とする。

ガリレイ望遠鏡にも,同じ方法を用いるのがよい。

記号

1.

光源,2.  集光レンズ,3.  フィルタ,4.  ピンホール,5.  コリメータレンズ,6.  レチクル,

7.

被検望遠鏡,8.  中間像,9.  レチクルによる射出ひとみ,10.  ルーペ又は顕微鏡,11.  目盛

  2  入射ひとみ径測定用試験構成

5.3

手順  入射ひとみ径を測定するには,固定目盛(又は 2 個の調整可能ナイフエッジ)付きのレチク

ルを,被検望遠鏡対物レンズの直前にセットする。

コリメータで,レチクルのマーク(又はナイフエッジ)を照らす。絞りの見掛けサイズがコリメータの

焦点面で角度 3 分を超えないように,視野絞りを配置する。

被検望遠鏡の接眼レンズ後部に,顕微鏡又はルーペを使用する。二つのレチクル上のどのマークが,入

射ひとみの端部と一致するかを決める,又は,入射ひとみの端部と一致するようにナイフエッジを調節す

る。入射ひとみの端部と一致するレチクル上のマーク(又はナイフエッジ)間の距離は,入射ひとみ径に

等しい。

5.4

結果の判定  レチクル上のマーク(又はナイフエッジ)間の距離(単位 mm)を読み取って結果を判

定する。

レンズ前のレチクル上のマーク(又はナイフエッジ)間の距離は,0.1 mm の精度で簡単に測定すること

ができる。1 %未満の測定誤差を確保するため,試験する試料に適した十分な倍率の顕微鏡又はルーペを

選択しなければならない。

5.5

試験報告書  試験報告書には,12.で規定する一般情報及び 5.4 で規定する試験結果を記録する。

6.

射出ひとみ径及び射出ひとみ距離測定方法

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11


4

B 7263-1

:2007

6.1

一般  射出ひとみ径 D'は,被検望遠鏡が形成する入射ひとみの像の大きさで,射出ひとみ距離 l'  は,

接眼レンズの最終光学面の頂点から射出ひとみまでの距離として定義する。

6.2

試験構成  被検望遠鏡の射出ひとみ径及び射出ひとみ距離は,図 に示す試験構成で測定する。

試験構成は,像の色収差を防止するために緑色の光学フィルタを設ける。フィルタの最大透過率は,約

0.55

µm の波長とする。

7

8

9

1

2

3

4

5

6

記号

1.

光源,2.  集光レンズ,3.  フィルタ,4.  ピンホール,5.  コリメータレンズ,6.  入射ひとみ,

7.

被検望遠鏡,8.  レチクルによる射出ひとみ,9.  測定顕微鏡

  3  射出ひとみ径及び射出ひとみ距離測定用試験構成

6.3

手順  測定を開始する前に,被検望遠鏡の接眼レンズの視度をゼロ毎メートル(m

-1

)

に調節し,また,

被検望遠鏡の焦点を無限遠に合わせる。

射出ひとみ径を測定するには,測定顕微鏡の焦点を射出ひとみに合わせる。ひとみの像を顕微鏡のレチ

クル目盛に一致させ,射出ひとみ像の直径を覆う目盛数を数える。

射出ひとみ距離を測定するには,まず測定顕微鏡の焦点を射出ひとみに合わせ,次に被検望遠鏡の最終

屈折面の頂点に合わせる。

6.4

結果の判定  次の式によって,射出ひとみ径 D' (mm)を算出する。

K

n

D

×

=

'

 (3)

ここに,  n:  被検望遠鏡の射出ひとみ径を覆う目盛の目盛数 

K:  測定顕微鏡の寸法目盛の区分値(単位 mm)

測定顕微鏡を(光)軸方向に移動させたときの(測定顕微鏡の)外部目盛の読みの差として,射出ひと

み距離 l' (mm)を次の式によって算出する。

1

2

1

)

(

'

K

a

a

l

×

=

 (4)

ここに,  a

1

及び a

2

: 測定顕微鏡の焦点を,射出ひとみ及び被検望遠鏡の接

眼レンズの最終屈折面に合わせたときの測定顕微鏡の
外部目盛の読み

K

1

: 測定顕微鏡の外部目盛の値(mm)

なお,射出ひとみ径の測定誤差は,呼び径の±1 %とし,射出ひとみ距離の測定誤差は,公称値の±3 %

とする。

1

2

3

4

5

6

7

8

9


5

B 7263-1

:2007

6.5

試験報告書  試験報告書には,12.で規定する一般情報及び 6.4 で規定する試験結果を記載する。

7.

実視界測定方法

7.1

一般  実視界 2

ω

  は,望遠鏡系を通して観察した物体空間の角度測定範囲として定義する。

7.2

試験構成  実視界は,図 に示す被検望遠鏡で測定する。

角度目盛板を,広角コリメータの焦点面に置く。

無限遠以外の焦点設定で,実視界の測定が求められる系では,コリメータの目盛を被検望遠鏡から規定

の距離に目盛の像が形成できるように調整する。

7.3

手順  コリメータレンズの前に,被検望遠鏡を配置する。

被検望遠鏡の接眼レンズの視度をゼロ毎メートル(m

-1

)

に調節し,次に,コリメータ目盛上に鮮明な像が

得られるように,被検望遠鏡の焦点を合わせる。

被検望遠鏡を通じて観察し,被検望遠鏡の視野を覆うコリメータ目盛の目盛数を数える。

記号

1.

目盛板,2.  広角コリメータレンズ,3.  被検望遠鏡

  4  実視界の測定用試験構成

上記の代替方法として,ゴニオメータを用いて視野を測定してもよい。被検望遠鏡は,コリメータレン

ズの前の(垂直軸周りに回転する)回転台上に置く。コリメータレンズの焦点面の垂直線を,被検望遠鏡

の視野絞りの右端と左端とに,交互に一致させる。この二つの位置における角度の読みの差によって,物

体空間の視野を決定する。

7.4

結果の判定  目盛板の目盛数 にコリメータ目盛の目盛値 b(度,分単位の角度)を乗じて,全視

野角(実視界)2

ω

(度,分単位の角度)を次の式によって算出する。

m

b

ω

×

=

2

 (5)

ケプラー式望遠鏡では,測定誤差は,角度 5 分未満とする。被検望遠鏡の像の質は,測定誤差に影響す

る。

7.5

試験報告書  試験報告書には,12.で規定する一般情報及び 7.4 で規定する試験結果を記載する。

8.

見掛け視界測定方法

8.1

一般  見掛け視界の大きさ 2

ω

 'は,角度測定によって測定する。

1

2

3


6

B 7263-1

:2007

8.2

試験構成  被検望遠鏡の接眼レンズ側で,補助望遠鏡を角度測定装置付きの回転テーブルに取り付

ける。

約 3 倍の倍率,約 3 mm の入射ひとみ径及び方位マーク,

例  十字線)をもつ補助望遠鏡を用いるのが

望ましい。

試験構成は,像の色収差を防止するために緑色の光学フィルタを設ける。フィルタの最大透過率は,約

0.55

µm の波長とする。

実射出ひとみ付き被検望遠鏡用の試験構成の概略図については,

図 を参照。

記号

1.

光源,2.  集光レンズ,3.  フィルタ,4.  拡散板,5.  被検望遠鏡,6.  視野絞り,

7.

射出ひとみの位置,8.  補助望遠鏡

  5  実射出ひとみ付き被検望遠鏡用見掛け視界測定用試験構成

8.3

手順

8.3.1

実射出ひとみ付き被検望遠鏡

−  補助望遠鏡(

図 の 8)の回転軸は,射出ひとみの位置(図 の 7)と一致していて,補助望遠鏡の入

射ひとみの面上にある。回転軸は,被検望遠鏡(

図 の 5)の光軸及び補助望遠鏡の光軸と直交する。

−  補助望遠鏡の焦点を被検望遠鏡の視野絞り(

図 の 6)に合わせ,補助望遠鏡を連続回転させて,そ

の方位マークを視野径の両端に位置決めする。

−  回転装置の目盛から,角度の差を読み取る。

8.3.2

仮想射出ひとみ付き被検望遠鏡

−  被検望遠鏡の対物レンズ側で視度標付きコリメータを,被検望遠鏡の物体空間視野用に位置決めする。

−  被検望遠鏡の最終光学的表面から 8 mm の距離に,直径 5 mm の開口付き絞りを置く。補助望遠鏡の

回転軸も,最終光学的表面から 8 mm の位置にあり,補助望遠鏡の入射ひとみの面に近接している。

回転軸は,被検望遠鏡の光軸及び補助望遠鏡の光軸と直交する。

−  補助望遠鏡(

図 の 8)の焦点をコリメータの視度標に合わせ,望遠鏡を連続回転させて,その方位

マークを視野径の両端に位置決めする。

−  回転装置の目盛から,角度の差を読み取る。

8.4

結果の判定  測定結果は,回転装置の目盛から角度の差(度単位)を読み取ることによって判定す

る。

測定誤差は角度 20 分未満とする。被検望遠鏡の像の質は,測定誤差に影響する。

8.5

試験報告書  試験報告書には,12.で規定する一般情報及び 8.4 で規定する試験結果を記載する。

1

2

3  4

5

6

7

8


7

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9.

接眼レンズから射出する光線束の視度測定方法

9.1

一般  望遠鏡系の接眼レンズから射出する光線束の視度は,視度目盛が適切に製造され,組み立て

られていることを確認し,また,系の焦点調節範囲を決定するために測定する。

9.2

試験構成  視度は,図 に示す被検望遠鏡で測定する。

記号

1.

光源,2.  拡散板,3.  試験標板,4.  コリメータレンズ,5.  被検望遠鏡,6.  視度望遠鏡

  6  視度の測定用試験構成

棒状又はレチクル形の試験標板を,コリメータレンズの焦点面に置く。光源は,白熱灯及び集光レンズ

で構成する。光散乱板は,拡散板とする。

無限遠以外の焦点設定で視度の測定が要求される系では,試験標板は,被検望遠鏡から規定の距離にそ

の像が形成できるように調整する。

試験構成は,像の色収差を防止するために緑色の光学フィルタを設ける。フィルタの最大透過率は,約

0.55

µm の波長とする。

9.3

手順  視度望遠鏡の接眼レンズの焦点を,観測者の目に鮮明なレチクル像を得られるように調節す

る。視度望遠鏡の対物レンズを視度目盛によってゼロ位置に設定する。

被検望遠鏡をコリメータレンズの前に置く。視度望遠鏡を接眼レンズの後部に置く。

接眼レンズを回転させることによって,又は被検望遠鏡の焦点調節機構によって接眼レンズから射出す

る光束を規定の視度に調節する。視度望遠鏡の接眼レンズを通じて試験標板の像を観察し,その鮮明な像

が得られたら視度目盛から測定する視度を読み取る。

この測定を少なくとも 3 回繰り返す。

9.4

結果の判定  視度目盛の 3 回の読みの算術平均によって,視度測定値(毎メートル単位:m

-1

)を算

出する。測定誤差は±0.3 m

-1

を超えてはならない。

9.5

試験報告書  試験報告書には,12.で規定する一般情報及び 9.4 で規定する試験結果を記載する。

10.

像の倒れ測定方法

10.1

一般  像の倒れは,プリズム又はミラーを備えた単眼望遠鏡を用いて見たときに現れる,対象物そ

のものに対する像の光軸に垂直な平面における角変位である。

10.2

試験構成  像の倒れの測定は,図 に示す試験構成で行う。

垂直(又は水平)おもり線(

図 の 1)を,コリメータレンズ(図 の 2)の焦点面に位置決めする。補

助望遠鏡(

図 の 4)には,垂直(又は水平)線をもつレチクル(図 の 5),及びレチクルに対応する垂

直(又は水平)線の回転角度を測定する目盛(又は機構)が付いていなければならない。

2

3

4

5

6

1


8

B 7263-1

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記号

1.

垂直又は水平おもり線,2.  コリメータレンズ,3.  被検望遠鏡,4.  補助望遠鏡,5.  レチクル

  7  像の倒れ測定用試験構成

10.3

手順(図 参照)  被検望遠鏡なしで,補助望遠鏡(図 の 4)のレチクル(図 の 5)の垂直(水

平)線を,垂直(水平)線(

図 の 1)と平行に位置決めする。

被検望遠鏡を取り付ける。補助望遠鏡内に見える被検望遠鏡が形成する垂直(水平)線の像の傾斜角を,

角度目盛(又は機構)によって測定する。

  8  被検望遠鏡なし及びありの場合の補助望遠鏡の見え方

10.4

結果の判定  目盛の 3 回の読みの算術平均によって,角度の分単位の測定値を算出する。

測定精度は,角度±5 分とする。

10.5

試験報告書  試験報告書には,12.で規定する一般情報及び 10.4 で規定する試験結果を記載する。

11.

最短合焦距離測定方法

11.1

一般  最短合焦距離は,被検望遠鏡の対物レンズの最初の光学的平面から被検望遠鏡の最大焦点調

節可能な観測対象物までの最短距離である。

11.2

試験構成  補助望遠鏡を,被検望遠鏡の接眼レンズの後部に置く。

11.3

手順  被検望遠鏡の焦点調節機構又は接眼レンズを,最短合焦距離に対応する位置に合わせる。

被検望遠鏡及び補助望遠鏡又は試験標板の面を,光軸に沿って移動させて,試験標板の鮮明な像が得ら

れる最短距離を決定する。

1

2

5

3

4


9

B 7263-1

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11.4

結果の判定  目盛の 3 回の読みの算術平均によって,単位はメートルで測定値を算出する。

測定誤差は,10 %を超えないものとする。

11.5

試験報告書  報告書には,12.で規定する一般情報及び 11.4 で規定する試験結果を記載する。

12.

試験報告書  関連する試験方法に従った試験結果の提出のほかに,該当する場合,次の一般情報も提

示する。

a

)

試験場所の名称

b

)

試験者の氏名

c

)

試験日

d

)

被検望遠鏡の識別

e

)

試験方法が要求されている場合,及び/又は JIS B 7263 の規格群のすべての部の関連試験方法で規定

されているものと異なる場合,試験構成及び/又は手順についての詳細

f

)

この規格の番号

試験報告書がこの規格を含む JIS B 7263 の規格群のすべての部に従って複数の試験の結果を記録する場

合,上記 a)∼f)に規定する一般情報は,通常 1 回だけ記載する。


10

B 7263-1

:2007

附属書 1(参考)眼鏡装用者の実視界測定方法

この附属書は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

1.

眼鏡装用者の実視界測定方法

1.1

一般  眼鏡装用者が望遠鏡系を用いた観察時に,観察者の目の位置が眼鏡を着用していない人と相

当に異なるという事実から,眼鏡装用者の実視界が必要なときは,別途規定しなければならない。そのと

き,規定のパラメータの標準的な測定方法が必要になる。

1.2

試験構成  眼鏡装用者の実視界は,附属書 図 に示す試験構成で測定する。

測定構成は,光学倍率をもたない眼鏡レンズと眼鏡レンズの背面に配置した直径 3 mm の絞りとで構成

される,

附属書 図 に示す眼鏡装用者の実視界測定用アダプタによって行う。絞りは,昼光条件での目

のひとみを表す。

眼鏡装用者の実視界測定用アダプタの絞りと眼鏡レンズの前面頂点との距離は,ヨーロッパ人の場合 19

mm

に設定する。これは,角膜頂点距離 14 mm に相当する。

角度目盛板を,広角コリメータの焦点面に置く。

無限遠以外の焦点設定で,眼鏡装用者の実視界の測定が要求される系では,コリメータの目盛を被検望

遠鏡から規定の距離に目盛の像が形成できるように調整する。

1.3

手順  コリメータレンズの前に,被検望遠鏡を配置する。

被検望遠鏡の接眼レンズの視度をゼロ毎メートル(m

-1

)

に調節し,次に,コリメータ目盛上に鮮明な像が

得られるように,被検望遠鏡の焦点を合わせる。

眼鏡を用いた観察用に製造業者が規定した位置に,アイカップを調節する。被検望遠鏡の接眼レンズの

後部で,光軸に垂直にアダプタを固定する。この構成で,目をできるだけアダプタの孔に近づけ,コリメ

ータの焦点面に置いた目盛を観察する。

被検望遠鏡を通じて観察し,被検望遠鏡の残りの視野を覆うコリメータ目盛の目盛数を数える。

記号

1.

目盛板,2.  広角コリメータレンズ,3.  被検望遠鏡,4.  アダプタ(

附属書 図 参照)

a.

試験位置 1

b.

試験位置 2

附属書   1  眼鏡装用者の実視界測定用試験構成

1

2

3

4


11

B 7263-1

:2007

単位  mm

附属書   2  眼鏡装用者の実視界測定用アダプタ

代替方法として,ゴニオメータを用いて視野を測定してもよい。被検望遠鏡は,コリメータレンズの前

の(垂直軸周りに回転する)回転台上に置く。コリメータレンズの焦点面の垂直線を,被検望遠鏡の視野

絞りの右端と左端とに,交互に一致させる。この二つの位置における角度の読みの差によって,物体空間

の視野を決定する。

1.4

結果の判定  目盛板の目盛数 にコリメータ目盛の目盛値 b(度,分単位の角度)を乗じて,眼鏡

装用者の視野角(実視界)2

ω

s

(度,分単位の角度)を計算する。

m

b

ω

s

×

=

2

 (1)

ケプラー式望遠鏡では,測定誤差は,角度 10 分未満とする。被検望遠鏡の像の質は,測定誤差に影響す

る。

±2

19 ± 0.05

2 ± 0.05

40

 ±0

.

2

3

 ±

 0.

1


12

B 7263-1

:2007

附属書 2(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

JIS B 7263-1:2007

  望遠鏡試験方法−第 1 部:基本特性

ISO 14490-1:2005

,望遠鏡試験方法−第 1 部:基本特性

(

Ⅰ) JIS の規定

(

Ⅲ)  国際規格の規定

(

Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異の項

目ごとの評価及びその内容 
表示箇所:本体 
表示方法:点線の下線

項目番号

内容

(

Ⅱ)  国際規格

番号

項 目 番

内容

項 目 ご と の
評価

技術的差異の内容

(

Ⅴ)  JIS と国際規格との技術

的差異の理由及び今後の対

1.

適用範囲

望 遠 鏡 の 試 験 方 法
について規定

ISO/DIS 

14490-1

1

望 遠 鏡 の 試 験 方 法 に
ついて規定

IDT

JIS B 7157

MOD/

変更

望遠鏡用語(共通用語,
双眼鏡用語,単眼鏡用語,
スポッティングスコープ

用語)の ISO 規格を望遠
鏡用語の JIS へ変更。

JIS

からの引用事項は,対応

ISO

規格の該当事項と同等で

ある。

実質的な差異はない。

2.

引用規格

JIS Z 8120 

 2

ISO 14132-1 

MOD/

追加

光学用語の JIS を追加。 

3.

定義

JIS B 7157

及び

JIS Z 8120

による。

 3

ISO 14132-1

による。

MOD/

追加

光学用語の JIS を追加。

4.

倍率測定方法

4

JIS

と同じ。 IDT

5.

入 射 ひ と み 径

測定方法

5

JIS

と同じ。 IDT

6.

射 出 ひ と み 径

及 び 射 出 ひ と み
距離測定方法

6

JIS

と同じ。 IDT

7.

実視界測定方法

7

JIS

と同じ。 IDT

 

8.

見 掛 け 視 界 測

定方法

8

JIS

と同じ。 IDT

 

9

眼 鏡 装 用 者 の 実 視 界

測定方法

MOD/

削除

JIS

では,附属書(参考)

とした。

ISO

規格の 9 で規定している

角膜頂点距離は,ヨーロッパ
人だけを基準としているた
め。

12

B 7263-1


2007


13

B 7263-1

:2007

(

Ⅰ) JIS の規定

(

Ⅲ)  国際規格の規定

(

Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異の項

目ごとの評価及びその内容 
表示箇所:本体

表示方法:点線の下線

項目番号

内容

(

Ⅱ)  国際規格

番号

項 目 番

内容 

項 目 ご と の

評価

技術的差異の内容

(

Ⅴ)  JIS と国際規格との技術

的差異の理由及び今後の対

9.

接 眼 レ ン ズ か

ら射出する光線束
の視度測定方法

10

JIS

と同じ。 IDT

 

10.

像の倒れ測定

方法

11

JIS

と同じ。 IDT

 

11.

最短合焦距離

測定方法

12

JIS

と同じ。 IDT

 

12.

試験報告書

13

JIS

と同じ。 IDT

 

附属書 1(参考)

眼 鏡 装 用 者 の 実 視
界測定方法

 9

眼 鏡 装 用 者 の 実 視 界
測定方法を規定

MOD/

変更

ISO

規格の 9 で規定している

角膜頂点距離は,ヨーロッパ

人だけを基準としている。日
本人向けの数値はほかを探
しても正式に決まっていな

いため,項目 9 全体を附属書
(参考)とした。ただし,9.5
(試験報告)は削除した。次

回 JIS 見直し時に,整合化の
検討を行う。

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:MOD

備考1.  項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

    ―  IDT………………  技術的差異がない。

    ―  MOD/削除………  国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
    ―  MOD/追加………  国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
    ―  MOD/変更………  国際規格の規定内容を変更している。

2.

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

    ―  MOD……………  国際規格を修正している。

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