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B 7258-1:2020  

(1) 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義··················································································································· 1 

4 寸法,公差及び光学特性 ···································································································· 2 

4.1 一般 ···························································································································· 2 

4.2 厚さ ···························································································································· 2 

4.3 長辺,短辺及び直径 ······································································································· 2 

4.4 屈折率及びアッベ数 ······································································································· 3 

附属書A(参考)カバーガラス選択のためのガイドライン ··························································· 4 

附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································· 5 

B 7258-1:2020  

(2) 

まえがき 

この規格は,産業標準化法第12条第1項の規定に基づき,日本顕微鏡工業会(JMMA)及び一般財団

法人日本規格協会(JSA)から,産業標準原案を添えて日本産業規格を制定すべきとの申出があり,日本

産業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本産業規格である。これによって,JIS R 
3702:1996は廃止され,その一部を分割して制定したこの規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

JIS B 7258規格群(顕微鏡用カバーガラス)は,次に示す部で構成する。 

JIS B 7258-1 第1部:寸法公差,厚さ及び光学特性 

JIS B 7258-2 第2部:品質,試験方法及び表示 

日本産業規格          JIS 

B 7258-1:2020 

顕微鏡用カバーガラス− 

第1部:寸法公差,厚さ及び光学特性 

Cover glasses for microscopes- 

Part 1: Dimensional tolerances, thickness and optical properties 

序文 

この規格は,2017年に第3版として発行されたISO 8255-1を基とし,我が国の実情に合わせ,技術的

内容を変更して作成した日本産業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。技術的差

異の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。 

適用範囲 

この規格は,可視光領域で用いる透過型光学顕微鏡で使用するカバーガラスの寸法公差,厚さ及び光学

特性について規定する。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 8255-1:2017,Microscopes−Cover glasses−Part 1: Dimensional tolerances, thickness and optical 

properties(MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”こと

を示す。 

引用規格 

次に掲げる引用規格は,この規格に引用されることによって,その一部又は全部がこの規格の要求事項

を構成している。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS K 2400 顕微鏡用浸液 

注記 対応国際規格における引用規格:ISO 8036,Microscopes−Immersion liquids for light microscopy 

JIS Z 8120 光学用語 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Z 8120による。 

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寸法,公差及び光学特性 

4.1 

一般 

標本と対物レンズとの間には,カバーガラス及び媒質(空気,水,オイルなど)が配置される。媒質の

うち,顕微鏡用浸液はJIS K 2400による。媒質の屈折率は,対物レンズの像に影響するためカバーガラス

の選択の際に考慮しなければならない。 

4.2 

厚さ 

カバーガラスの厚さは,表1のとおりとする。 

表1−カバーガラスの厚さt 

単位 mm 

呼称 

設計値 

寸法許容差 

No.1 

0.17 

−0.04 

No.1-S 

0.17 

+0.02 
−0.01 

No.1-S HT 

0.17 

±0.005 

対物レンズの開口と媒質との組合せに対するカバーガラスの選択のためのガイドラインは,附属書Aを

参照する。 

4.3 

長辺,短辺及び直径 

く(矩)形及び円形カバーガラスの代表的な寸法を,図1,図2及び表2に規定する。 

く(矩)形カバーガラスの長辺l及び短辺w,並びに円形カバーガラスの直径dの寸法許容差は,表2の

値に対して±0.5 mmとする。 
 

図1−く(矩)形カバーガラス 

 
 

background image

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図2−円形カバーガラス 

表2−代表的なく(矩)形及び円形カバーガラスの寸法 

単位 mm 

形状 

長辺l 

短辺w 

直径d 

く(矩)形 

18 

18 

− 

22 

22 

− 

24 
32 
40 
50 
60 

24 

− 

円形 

− 

− 

18 

− 

− 

22 

4.4 

屈折率及びアッベ数 

カバーガラスの屈折率(ne)及びアッベ数(νe)は,次のとおりとする。 

ne=1.525 5±0.001 5 

νe=56±2 

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附属書A 

(参考) 

カバーガラス選択のためのガイドライン 

カバーガラスの厚さを補正する機構をもつ対物レンズ以外は,最良の結像を得るために,表A.1に示す

カバーガラスの使用を推奨する。カバーガラスの適切な選択は,対物レンズの使い方及び個々の特性に依
存する。 
 

表A.1−カバーガラス選択のためのガイドライン 

媒質 

最小開口 

最大開口 

カバーガラスの呼称 

空気 

0.35 

0.70 

No.1-S 

空気 

0.70 

− 

No.1-S HT 

水 

0.60 

0.90 

No.1-S 

水 

0.90 

− 

No.1-S HT 

グリセロール 

0.80 

1.10 

No.1-S 

グリセロール 

1.10 

− 

No.1-S HT 

液浸油 

0.90 

1.30 

No.1-S 

液浸油 

1.30 

− 

No.1-S HT 

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附属書JA 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

JIS B 7258-1 

ISO 8255-1:2017,(MOD) 

a) JISの箇

条番号 

b) 対応国際

規格の対
応する箇
条番号 

c) 箇条ご

との評
価 

d) JISと対応国際規格との技術的差異の

内容及び理由 

e) JISと対応国際規格

との技術的差異に対
する今後の対策 

− 

− 

− 

− 

4.2 

4.2 

変更 

JISでは,カバーガラスの呼称を従来から使
用されているものとしたため,ISO規格の
呼称と異なるものがある。 

大きな差異ではなく,混
乱を招くおそれは少ない
ので,ISOへの提案は行
わない。 

4.3 

4.4 

削除 

アッベ数の定義は引用規格JIS Z 8120に記
載されているため削除した。 

技術的差異はない。 

4.3 

Annex B 

変更 

ISO規格では,Annex B(参考)として記載
されている外形寸法を,JISでは規格本体に
規定した。日本では既に広く流通している
ため。 

技術的差異はない。 

− 

削除 

ISO規格ではpart 1にある表示に関する規
定を,JISでは第2部に規定した。品質試験
と同工程で取り扱う方が分かりやすいた
め。 

規格群として見れば,技
術的な差異はない。 

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味を,次に示す。 

− 削除:対応国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
− 変更:対応国際規格の規定内容又は構成を変更している。 

注記2 JISと対応国際規格との対応の程度の全体評価の記号の意味を,次に示す。 

− MOD:対応国際規格を修正している。