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B 7254

:2007 (ISO 8039:1997)

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,日本顕微鏡工業会 (JMMA)/財団法人日本

規格協会 (JSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調

査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 8039 : 1997,Optics and optical

instruments−Microscopes−Magnification を基礎として用いた。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は

もたない。


B 7254

:2007 (ISO 8039:1997)

(2)

目  次

ページ

序文

1

1.

  適用範囲

1

2.

  定義

1

3.

  結像要素の倍率記号

2

4.

  計算方法

2

4.1

  対物レンズの倍率

2

4.2

  鏡筒倍率係数

2

4.3

  接眼レンズの倍率

3

4.4

  投影倍率係数

3

4.5

  総合倍率

3

5.

  倍率の値とその許容差

4

5.1

  倍率の値

4

5.2

  各結像要素の倍率の許容差

4

 


日本工業規格

JIS

 B

7254

:2007

(ISO 8039

:1997

)

顕微鏡−倍率

Microscopes

Magnification

序文  この規格は,1997 に第 1 版として発行された ISO 8039,Optics and optical instruments−Microscopes

−Magnification を翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格である。

1.

適用範囲  この規格は,光学顕微鏡における対物レンズ,接眼レンズなど結像要素の一連の倍率値に

ついて規定する。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。

ISO 8039 : 1997

,Optics and optical instruments−Microscopes−Magnification (IDT)

2.

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,次による。

2.1

倍率  (magnification)  光学系によって生じる像の大きさと,物体の大きさとの比。

備考1.  観察倍率,横倍率など倍率の種類については,その都度特定しておく必要がある。

2.

光学系の拡大能力を表すより一般的な用語として“拡大能”があるが,この規格では実用面

で広く使用されている“倍率”の用語を採用した。

2.2

観察倍率  (visual magnification)  ある物体を,拡大光学系を通して無限遠の位置にできた像を観察し

たときの観察角θ

′と,明視距離 (250 mm) において肉眼観察したときの観察角θとの正接比 tanθ′/tanθ。

備考  この比は,例えば 10×のように数値と掛算記号とを用いて表す。

2.3

横倍率  (lateral magnification)  実像の光軸に垂直方向における寸法 h

  と,それに対応する物体面に

おける寸法 との比 h

′/h

備考  この比は,例えば 10:1 のように比例式で表す。

2.4

対物レンズの倍率

2.4.1

有限系対物レンズの倍率(光学筒長が有限である対物レンズの倍率)(magnification of an objective 

with finite primary image distance)

  対物レンズの設計時に定められた位置に作られた一次像の横倍率。

2.4.2

無限遠補正対物レンズの倍率(光学筒長が無限遠である対物レンズの倍率)(magnification of an 

objective with infinite primary image distance in combination with the normal tube lens)

  対物レンズとその

基準となる結像レンズとの組合せで作られた一次像の横倍率。

備考  4.1 参照。

2.5

鏡筒倍率係数  (tube factor)  対物レンズと一次像との間に挿入された中間レンズ系によって,一次像

の横倍率が変換される係数。

備考  中間レンズには,固定式のもの,変換可能なもの,中間鏡筒に組み込まれたものなどがあり,


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それぞれ個々の鏡筒倍率係数をもつ(4.2 参照)

2.6

接眼レンズの倍率  (magnification of an eyepiece)  接眼レンズによって,一次像から作られた虚像の観

察倍率。

備考  4.3 参照。

2.7

投影倍率係数  (projection factor)  カメラ又はテレビ撮像面のような受光素子面上に物体の実像が作

られる場合に,顕微鏡の総合倍率を求めるための係数。

備考  像の形成には様々な方式がある(4.4 参照)。

2.8

肉眼観察における顕微鏡の総合倍率  (total magnification of a microscope used for visual observation)

顕微鏡によって作られる虚像の観察倍率。

備考  4.5 参照。

2.9

実像を作る顕微鏡の総合倍率  (total magnification of a microscope used to produce a real image)  実像

の横倍率。

備考  4.5 参照。

3.

結像要素の倍率記号  表 に対物レンズ,接眼レンズなどの結像要素及びそれらの組合せの倍率を表

す場合に用いる記号及びその表記方法例を示す。

  1  倍率の記号及び表記方法例

表記方法例

結像系・結像要素

記号

推奨表記

他の表記

対物レンズ

 

a)

光学筒長  有限補正

M

O

M

O

=25:1 25:1 又は 25

b)

光学筒長  無限遠補正

M

O∞

M

O∞

=25× 25×

接眼レンズ

M

E

 

M

E

=10× 10×

鏡筒倍率係数

q q

=1.25× 1.25

実像の投影倍率係数

p p

=0.32× 0.32

写真用投影レンズ

M

PHOT

M

PHOT

=2.5× 2.5×

顕微鏡の総合倍率

 

 

a)

観察用

M

TOT VIS

 

M

TOT VIS

=500× 

500×

b)

実像用

M

TOT PROJ

 

M

TOT PROJ

=500:1 500:1

4.

計算方法

4.1

対物レンズの倍率  無限遠補正対物レンズの倍率は,基準となる結像レンズと対物レンズとの焦点

距離の比で表す。

O

NTL

O

/f

f

M

ここに,

M

O∞

無限遠補正対物レンズの倍率

f

NTL

基準結像レンズの焦点距離 (mm)

f

O∞

対物レンズの焦点距離 (mm)

4.2

鏡筒倍率係数

4.2.1

中間レンズを用いた場合,全体の鏡筒倍率係数は中間レンズ個々の倍率係数の積となる。


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4.2.2

無限遠補正対物レンズの場合,基準となる結像レンズと異なる結像レンズとが組み合わされたとき

の鏡筒倍率係数は,その結像レンズと基準結像レンズとの焦点距離の比で表す。

NTL

TL

f

f

q

ここに,

q

全体の鏡筒倍率係数

f

TL

結像レンズの焦点距離 (mm)

f

 NTL

基準結像レンズの焦点距離 (mm)

4.3

接眼レンズの倍率  接眼レンズの倍率は,明視距離と接眼レンズの焦点距離との比で表す。

E

E

/

250 f

M

ここに,

M

E

接眼レンズの観察倍率

f

E

接眼レンズの焦点距離 (mm)

250: 明視距離 (mm)

4.4

投影倍率係数  投影倍率係数の計算は,像の作り方で異なる。

4.4.1

観察用の接眼レンズと無限遠距離に合わせたカメラ又は投影レンズとを用いて実像を作る場合,投

影倍率係数は,カメラ又は投影レンズの焦点距離と明視距離との比で表す。

250

/

PROJ

f

p

ここに,

p

投影倍率係数

f

PROJ

カメラ又は投影レンズの焦点距離 (mm)

250: 明視距離 (mm)

4.4.2

観察用の接眼レンズだけを用いて実像を作る場合,投影倍率係数は,接眼レンズの後側焦点位置か

ら投影像までの距離 と明視距離との比で表す。

250

/

a

p

ここに,

p

投影倍率係数

a

接眼レンズの後側焦点位置から投影像までの距離 (mm)

250: 明視距離 (mm)

4.4.3

顕微鏡写真撮影のように専用に設計された写真用投影レンズを用いて実像を作る場合,このレンズ

は定められた像面への投影倍率が規定される。顕微鏡で実像を作る場合の総合倍率を計算するときには,

写真用投影レンズの倍率 M

PHOT

を用い,観察用接眼レンズは結像に関与しないため,投影倍率係数 は用

いない。

4.5

総合倍率

4.5.1

顕微鏡における総合観察倍率は,対物レンズの倍率,鏡筒倍率係数及び接眼レンズの観察倍率の積

で表す。

E

O

VIS

TOT

M

q

M

M

×

×


4

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ここに,

VIS

TOT

M

顕微鏡の総合観察倍率

O

M

対物レンズの倍率

q

鏡筒倍率係数

E

M

接眼レンズの観察倍率

4.5.2

観察用接眼レンズ,又は投影倍率係数が既知の写真投影レンズを用いて実像を作る場合の顕微鏡総

合倍率は,対物レンズの倍率,鏡筒倍率係数,接眼レンズの倍率及び投影倍率係数の積で表す。

p

M

q

M

M

×

×

×

E

O

PROJ

TOT

ここに,

PROJ

TOT

M

: 顕微鏡の総合横倍率

O

M

対物レンズの倍率

q

鏡筒倍率係数

E

M

接眼レンズの観察倍率

p

投影倍率係数

4.5.3

専用に設計された写真用投影レンズを用いて実像を作る場合の顕微鏡総合倍率は,対物レンズの倍

率,鏡筒倍率係数及び写真用投影レンズの倍率の積で表す。

PHOT

O

PROJ

TOT

M

q

M

M

×

×

ここに,

PROJ

TOT

M

: 顕微鏡の総合横倍率

O

M

対物レンズの倍率

q

鏡筒倍率係数

PHOT

M

写真用投影レンズの横倍率

5.

倍率の値とその許容差

5.1

倍率の値  対物レンズ,接眼レンズなどの結像要素又は結像系の倍率値は,表 の値を用いる。こ

の表中のどの二つの値から積又は商を求めても,その値はこの表内に示されたものになる。この表は 1 行

につき係数 10 で拡張していくことができる。

各結像要素についての倍率値の計算式は,4.  に示す。

  2  倍率の値

…0.32

0.4

0.5

0.63 0.8

1

1.25

1.6 2

2.5

3.2

4

5

6.3 8

10 12.5

16 20

25

32

40

50

63 80

100  125

160 200

250

320

400

500

630 800

1 000

1 250

1 600

2 000

備考1.  この表の値は,JIS Z 8601 の標準数の R10 数列からの採用である。

2.

この表の中で 3.2 は,その R10 数列の値 3.15 を丸めたものである。

3.

この表の値以外にも次の値が使用されている。

1.5,15,30,60,150

5.2

各結像要素の倍率の許容差  倍率の許容差を,表 に示す。


5

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  3  倍率の許容差

結像系・結像要素

許容差  %

対物レンズ

±5

鏡筒倍率係数

±2

投影倍率係数

±2

接眼レンズ

±5