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B 7107 : 1997 (ISO 8478 : 1996) 

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日

本工業規格である。これによってJIS B 7107-1969は改正され,この規格に置き換えられる。 

JIS B 7107には,次に示す附属書がある。 

附属書A(規定) ミラーレンズの分光透過率の測定方法 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

B 7107 : 1997 

(ISO 8478 : 1996) 

写真−カメラレンズ− 

ISO分光透過率の測定方法 

Photography−Camera lenses−Measurement of ISO spectral transmittance 

序文 この規格は,1996年に第1版として発行されたISO 8478 (Photography−Camera lenses−Measurement 

of ISO spectral transmittance) を翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工

業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある“参考”は,原国際規格にはない事項である。 

この規格は,分光透過率を測定するための好ましい方法について述べている。しかし,この規格で許され

ている許容範囲内で,この規格に従って測定したときと同じ結果が得られるならば,他の測定方法を用い

てもよい。焦点距離が非常に長い又は非常に短いレンズ及び口径が大きいレンズを測定する際には,測光

用の積分球の光積分特性が理想的な状態に保たれるように注意する。 

レンズの分光透過率の値は,レンズに入射する放射束の直径やレンズへの入射角によって変わることがあ

る。この規格では,一定の結果を得るために,測定に際しては,絞り開放のときの入射ひとみの直径の半

分の直径をもち,かつ,その中心がレンズの入射ひとみの中心と一致する平行放射束をレンズの光軸に平

行に入射させる。 

被験レンズの焦点距離が非常に長いか又は非常に短いときは,非常に大きい又は非常に小さい積分球を調

製するのが難しいために,この規格に定める測定方法が適用できないことがある。このような場合には,

この規格で許されている許容範囲内で,この規格に従って測定したときと同じ結果が得られるならば,他

の測定方法を用いてもよい。 

この規格の規定の一部である附属書Aには,ミラーレンズの分光透過率を測定するための特有の方法を規

定する。 

1. 適用範囲 この規格は,主として遠方の物体を撮影するためのカメラレンズの光軸上での分光透過率

を,波長350〜700nmの範囲にわたって測定するための特有の条件を述べ,その条件下での分光透過率の

測定方法について規定する。 

分光透過率の値をISO色特性指数[ISO colour contribution index(ISO 6728参照)]の計算だけに用いる

のであれば,この規格全体について,波長範囲を370〜680nmと読み替えるのがよい。 

この規格はミラーレンズにも適用する(附属書A参照)。 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。この引用規格で,発行年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格の規定を構成するもの

であって,その後の改正版には適用しない。 

B 7107 : 1997 (ISO 8478 : 1996) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

ISO 6728 : 1983 Photography−Camera lenses−Determination of ISO colour contribution index (ISO/CCI)  

備考 次に掲げる日本工業規格の内容は,この国際規格の内容と一致している。 

JIS B 7097 : 1986 ISO色特性指数 (ISO/CCI) による写真撮影用レンズの色特性の表し方 

3. 定義 この規格で用いる用語の定義は,次による。 

3.1 

写真レンズ (photographic lens)  写真撮影用レンズ又は引伸し用レンズのように,写真感光材料面上

に物体の像を記録するために用いるレンズ。 

備考 映写レンズ (projection lens) は,写真レンズではない。 

3.2 

カメラレンズ (camera lens)  スチルカメラに取り付けて物体を撮影するためのレンズ。 

3.3 

レンズの分光透過率 記号τ (λ) で表され,次の式で定義される量。 

λ

λ

τ

φ

φ

λ

τ

,

,

)

(

i

ここに, 

Φτ, λ: レンズを透過した波長λの放射束 

Φi, λ: Φτ, λに対応する波長λの入射放射束 

4. 測定装置 

4.1 

一般事項 測定装置は,光源,コンデンサ,モノクロメータ(又は条件付きで狭帯域フィルタ),開

口絞り,コリメータ及び測光装置付き積分球から成る(図1参照)。 

参考 “条件”については次の備考及び4.3参照。 

備考 狭帯域フィルタを使用すると,他の部品との相互反射に基づく誤差を生じるおそれがある。し

たがって,狭帯域フィルタの使用は,適切な補正ができるときに限るべきである。 

background image

B 7107 : 1997 (ISO 8478 : 1996) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図1 測光装置(被験レンズは示していない) 

4.2 

光源 光源は,波長350〜700nmの範囲にわたって,空間的及び時間的に安定した放射束を放射でき

るものでなければならない。空間的な変動はコンデンサの受光角を超えてはならない。時間的な変動は1%

未満とする。 

参考 “空間的な変動はコンデンサの受光角を超えてはならない”の意味は,“光源の発光部の位置が

時間とともに変化することによって,コンデンサで集光された放射束が,モノクロメータの入

射スリットを外れることがあってはならない。”ということである。光源には一般に,白熱電球

を使うので,実際には放射束が空間的に変動することはないと考えてよい。 

4.3 

モノクロメータ モノクロメータは,なるべくプリズム2個若しくは回折格子2個,又はプリズム

と回折格子各1個を用いたダブルモノクロメータとする。 

回折格子モノクロメータを用いるときは,適当な枚数のフィルタを用いて高次の回折光を遮断しなけれ

ばならない。波長範囲は350〜700nmとする。 

測定に必要な波長間隔をとれるだけの十分な種類の狭帯域フィルタが得られるならば,モノクロメータ

の代わりにそれらのフィルタを用いてもよい。この場合,相互反射に基づく誤差を補正しなければならな

い。 

モノクロメータ,狭帯域フィルタのいずれを使用するときも,波長間隔と波長幅は共に10nm以下で調

節できなければならない。ただし,1nm当たりの透過率の変化が0.2%未満になるような波長領域では,波

B 7107 : 1997 (ISO 8478 : 1996) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

長間隔,波長幅とも20nmで十分である。ただし,ISO色特性指数を計算するためには,波長間隔を10nm

にする必要がある。 

4.4 

コリメータ コリメータは,レンズ又はミラーとする。いずれの場合でも,その焦点距離は,モノ

クロメータの射出スリットの長さの30倍以上とする。 

レンズを用いる場合には,波長350〜700nmの範囲のどの単色光に対する焦点距離も,1%を超える変化

がないことが望ましい。 

ミラーを用いる場合には,なるべく軸外し放物面鏡を用いる。 

4.5 

開口絞り 開口絞りの開口の形は,円形とし,その直径が調節できるものとする。 

4.6 

積分球 積分球の大きさは,測定光路中に被験レンズがあるときもないときも,積分球の後側の内

壁面に当たる測定用放射束の位置と直径が,±50%の許容範囲内で一致するように選ぶ。積分球の入射開

口の直径は,被験レンズの入射ひとみの直径の半分より大きくなくてはならない。 

積分球の内壁の塗料は,拡散性で,その分光反射率は,波長350〜700nmの範囲でできるだけ高く,か

つ,一定でなくてはならない。 

4.7 

測光器 測光器は,波長350〜700nmの放射束に対して十分な応答度がなくてはならない。電子回路

と組み合わせた測光器の応答は,測定範囲全域にわたって校正しておかなければならない。測光器の受光

部の表面積はできるだけ小さく,かつ,その表面を積分球の内壁面と一致させなければならない(例えば,

測光器の表面と積分球の内壁面との段差を±1mmにする。)。測光器の表面の分光反射率は,できるだけ積

分球の内壁面の分光反射率に近くする。 

5. 測定条件 

5.1 

波長範囲は,350〜700nmとする。 

5.2 

波長間隔は,10nm以下とする。ただし,ISO色特性指数 (ISO colour contribution index) の計算に用

いるとき以外は,1nm当たりの透過率の変化が0.2%未満になるような波長領域では20nmとしてもよい。 

5.3 

波長幅は,波長間隔以下とする(10nmとする。ただし,1nm当たりの透過率の変化が0.2%未満の

ときは20nmとしてもよい。)。 

6. 測定の手順 測定波長範囲(5.参照)内の各波長における測定の手順は,次による。 

6.1 

測定に用いる波長λの単色光が得られるように,モノクロメータの波長目盛をセットする。 

6.2 

図2に示したように,開口絞りの直径が,被験レンズの入射ひとみの直径の呼び値の (50±5) %にな

るように調節する。 

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B 7107 : 1997 (ISO 8478 : 1996) 

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図2 分光透過率測定の原理(測光装置側だけを表示) 

6.3 

測光器の出力を測定し,記録する。この値は,Φi, λに比例している。 

6.4 

図2に示したように,被験レンズを,その前面(物体側の面)が開口絞りに向くようにして,測定

光路中に置く。 

6.5 

被験レンズの位置は,図2a)及び図2b)に示したように,被験レンズが測定光路中にあるときとない

ときとの積分球の内壁面上の放射束の直径についての規定を,±50%の許容範囲内で満足するように決め

る。開口絞りと被験レンズとの距離及び被験レンズと積分球の入射開口との距離は,開口絞りと被験レン

ズの前側の表面との相互反射及び被験レンズの後側の表面と積分球の入射開口との相互反射による測定誤

差が生じないように定める。 

6.6 

被験レンズが測定光路中にあるときの測光器の出力を測定し,記録する。この値はΦτ, λに比例して

いる。 

6.7 

次の式で表される分光透過率τ (λ) を求めるために,被験レンズが測定光路中にあるときの測光器の

出力値(6.6参照)を,被験レンズが測定光路中にないときの測光器の出力値(6.3参照)で除す。 

λ

λ

τ

φ

φ

λ

τ

,

,

)

(

i

6.8 

各波長において,6.1〜6.7の手順で測定を繰り返す。 

7. 測定結果の表示 この規格に規定する方法によって測定した分光透過率の値を“ISO分光透過率 (ISO 

spectral transmittance)”と呼び,次のように表示する。 

ISO/τ (λ) 

B 7107 : 1997 (ISO 8478 : 1996) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

透過率の値は,小数点以下2けたまで記録し,表及び/又はグラフで示すものとする。また,測定誤差

を記録しておかなければならない。 

被験レンズについては,次の事項も付記する。 

a) 名称 

b) 製造業者名 

c) 製品番号 

d) 焦点距離の表示値 

e) 測定時の焦点距離設定値(ズームレンズの場合) 

f) 

Fナンバの表示値 

g) 測定日時 

h) レンズの表面の汚れの程度及び試験前にレンズの表面を清掃する必要があったかどうかについての記

述 

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附属書A(規定) ミラーレンズの 

分光透過率の測定方法 

Method for measuring spectral transmittance of mirror lenses 

A.1 測定装置 測定装置は,積分球を光軸と直角の方向に動かせるようにするほかは,普通のカメラレン

ズ用の測定装置と同じものとする。 

A.2 測定の手順 測定波長範囲(本体5.参照)内の各波長における測定の手順は,次による。 

a) 測定に用いる波長λの単色光が得られるように,モノクロメータの波長目盛をセットする。 

b) 附属書A図A.1a)及び附属書A図A.1c)に示したように,開口絞りの直径が,被験レンズの環状入射ひ

とみの幅の (50±5) %になるように調節する。 

参考 原国際規格の文章は“…入射ひとみの直径の呼び値の (50±5) %…”となっているが,ミラー

レンズの入射ひとみは環状なので,測定方法に合うように文章を変えた。 

c) 測光器の出力を測定し,記録する。この値はΦi, λに比例している。 

d) 附属書A図A.1a)及び附属書A図A.1b)に示したように,被験レンズを,その前面(物体側の面)が

開口絞りに向くようにして,測定光路中に置く。 

e) 被験レンズの位置は,附属書A図A.1a)及び附属書A図A.1b)に示したように,被験レンズを透過し

て積分球の内壁面に当たる放射束の位置と直径とが,±50%の許容差範囲内で,被験レンズが測定光

路中にないときの直径と一致するように定める。 

f) 

測光器の出力を測定し,記録する。この値はΦτ, λに比例している。 

g) 次の式で表される分光透過率τ (λ) を求めるために,被験レンズが測定光路中にあるときの測光器の出

力値[手順f)]を,被験レンズが測定光路中にないときの測光器の出力値[手順c)]で除す。 

λ

λ

τ

φ

φ

λ

τ

,

,

)

(

i

備考 被験ミラーレンズの第1反射面の状態が一様でない場合には,測定値に影響を与えるおそれが

ある。この影響を避けるために,第1反射面上の光を当てる位置を,120゜ずつずらして3回測

定するのがよい。すべての測定位置における分光透過率の値を示すのが望ましい。 

h) 各波長において,a)〜g)の手順で測定を繰り返す。 

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B 7107 : 1997 (ISO 8478 : 1996) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書A図A.1 ミラーレンズの分光透過率測定の原理 

B 7107 : 1997 (ISO 8478 : 1996) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS B 7107 改正原案作式委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員会長) 

一 色 真 幸 

東京工芸大学工学部 

(委員) 

大 頭   仁 

早稲田大学理工学部 

久 保 走 一 

東京工芸大学芸術学部 

◎ 近 藤 秀 樹 

日本大学芸術学部 

横 田 英 嗣 

東海大学工学部 

中 嶋   誠 

通商産業省機械情報産業局 

本 間   清 

通商産業省工業技術院標準部 

山 村 修 蔵 

財団法人日本規格協会 

青 野 康 廣 

株式会社ニコン 

○ 菊 池 寿 郎 

オリンパス光学工業株式会社 

北 岸   望 

キヤノン株式会社 

工 藤 吉 信 

ミノルタ株式会社 

○ 河 本 眞 介 

旭光学工業株式会社 

○ 鈴 木 憲 章 

元日本写真機工業会 

池 田   稔 

写真流通商社連合会 

市 川 泰 憲 

株式会社写真工業出版社 

岩 本   啓 

全日本写真材料商組合連合会 

鎌 田   環 

国民生活センター 

古 川 哲 夫 

財団法人日本消費者協会 

松 下 百合子 

社団法人日本写真協会 

(事務局) 

竹 田 尚 義 

日本写真機工業会 

(◎印は小委員会委員長,○印は小委員会委員を兼ねる。)