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B 7071-2:2018  

(1) 

目 次 

ページ 

1 適用範囲 1 

2 引用規格 1 

3 用語及び定義  1 

4 原理 2 

5 測定装置 2 

6 原点試料及び測定試料の形状  4 

7 測定方法 5 

7.1 測定環境  5 

7.2 測定  5 

8 表示 7 

9 試験報告書  7 

附属書A(規定)屈折率整合液  8 

附属書B(参考)オートコリメーション機能をもった望遠鏡  10 

 

 


 

B 7071-2:2018  

(2) 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本光学硝子工業会(JOGMA)

及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出

があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

JIS B 7071の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS B 7071-1 第1部:最小偏角法 

JIS B 7071-2 第2部:Vブロック法 

 

 


 

  

日本工業規格          JIS 

 

B 7071-2:2018 

 

光学ガラスの屈折率測定方法− 

第2部:Vブロック法 

Measuring method for refractive index of optical glass- 

Part 2: Vee block refractometers method 

 

適用範囲 

この規格は,Vブロック法によって光学ガラスの屈折率を測定する方法について規定する。 

注記1 ここでの屈折率は空気中の相対屈折率をいう。 

注記2 JIS B 7071-1(光学ガラスの屈折率測定方法−第1部:最小偏角法)は,分光計を使って試料

プリズムの頂角及び最小偏角を測定し,計算によって直接屈折率を求める方法であるのに対

し,この規格で求める屈折率は,Vブロックプリズムに載った試料を通して曲げられた光線

の偏角を測定し,Vブロックプリズムの屈折率を基準として屈折率を計算によって求める簡

便な方法である。 

なお,基準となるVブロックプリズムの屈折率は,JIS B 7071-1によって必要な精度で測

定して値付けする。 

 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS B 4130 ダイヤモンド/CBN工具−ダイヤモンド又はCBNと(砥)粒の粒度 

JIS B 7071-1 光学ガラスの屈折率測定方法−第1部:最小偏角法 

JIS B 7090 光学及び光学機器−基準波長 

JIS Z 8000-1 量及び単位−第1部:一般 

JIS Z 8000-3 量及び単位−第3部:空間及び時間 

JIS Z 8120 光学用語 

 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Z 8120,JIS Z 8000-1及びJIS Z 8000-3によるほか,次によ

る。 

3.1 

Vブロックプリズム 

屈折率が既知の光学ガラス材料から作製されたプリズムで,90°のV字形状面に頂角90°の試料を載せ

て測定するもの。光が透過する面は光学研磨面となっている。 


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3.2 

屈折率整合液 

試料ガラスと同一,又は非常に近い屈折率をもった透明な液体で,試料ガラス及びVブロックプリズム

の界面に薄く塗り,Vブロックプリズムに載せた際の境界面での光線の全反射及び散乱をなくす目的に用

いる。 

3.3 

オートコリメーション 

Vブロックプリズムの入出射面を光束に対して垂直に角度調整するための検出方法。 

 

原理 

Vブロック法は,屈折率が既知であるVブロックプリズムを用い,試料の屈折率を測定する方法である。 

図1 a)に示すように,Vブロックプリズム上に屈折率整合液を介して試料を載せ,Vブロックプリズム

の一方の壁面に対して垂直に光を入射する。入射された光はVブロックプリズムと試料との境界面で屈折

し,プリズムの反対側の壁面から射出する。偏角(γ),Vブロックプリズムの屈折率(N)及び試料の屈

折率(n)の関係は次の式による。 

なお,出射光の偏角は,入射光に対して上方を正(+),下方を負(−)とする。 

2

2

3

2

sin

2

2

2

2

1

n

N

N

n

γ

 

ここに, 

n: 試料の屈折率 

 

N: Vブロックプリズムの屈折率 

 

γ: 偏角 

Vブロックプリズムの入射光に対する偏角(γ)を測定し,測定した偏角及びVブロックプリズムの屈

折率(N)から,試料の屈折率(n)を算出する。 

なお,この原理は可逆的に起こる。したがって,図1 b)に示すように出射光が壁面から垂直に射出する

ときの入射光側の偏角を測定し,屈折率を算出することもできる。 

注記 試料の屈折率測定方法は7.2.4を参照。 

 

 

 

a) 射出側での偏角測定 

b) 入射側での偏角測定 

図1−Vブロック法原理 

 

測定装置 

測定装置は,図2に示した部品及び機器で構成し,詳細は次による。 

注記 図2は,出射光の偏角を読み取る測定装置を用いて説明している。 


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図2−Vブロック測定装置概要 

 

a) 光源 光源は,JIS B 7090に規定する,水銀,水素,ヘリウム,ルビジウム,セシウム及びカドミウ

ムの各放電管,He-Neレーザ,並びにNd:YAGレーザを用いることが望ましい。各波長のバンドパス

フィルタを用いて表1に示すスペクトル線を測定波長とすることが望ましい。 

なお,表1に規定されていない波長の光源,又は連続スペクトル光源と分光器(モノクロメータ)

又はバンドパスフィルタとを組み合わせた光源でも測定することは可能であるが,波長幅等による波

長誤差を確認し使用する必要がある。 

 

表1−光源の波長及びスペクトル線 

波長/nm 

スペクトル線 

光源 

365.01 

水銀放電管 

404.66 

水銀放電管 

435.83 

水銀放電管 

479.99 

F' 

カドミウム放電管 

486.13 

水素放電管 

543.5 

− 

He-Neレーザ 

546.07 

水銀放電管 

587.56 

ヘリウム放電管 

632.8 

− 

He-Neレーザ 

643.85 

C' 

カドミウム放電管 

656.27 

水素放電管 

706.52 

ヘリウム放電管 

780.00 

− 

ルビジウム放電管 

852.11 

セシウム放電管 

1013.98 

水銀放電管 

1064.1 

− 

Nd:YAGレーザ 

1128.66 

− 

水銀放電管 

1395.1 

− 

水銀放電管 

1529.6 

− 

水銀放電管 

1813.1 

− 

水銀放電管 

1970.1 

− 

水銀放電管 

2325.4 

− 

水銀放電管 

 


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b) バンドパスフィルタ バンドパスフィルタは,所望の波長だけを透過し,不要な波長の光を遮断する

ものを用いる。 

c) スリット スリットは,入射光束の幅を調整できるものを用いる。 

d) コリメータレンズ コリメータレンズは,測定波長の光を平行光にできるものを用いる。 

e) Vブロックプリズム Vブロックプリズムは,JIS B 7071-1の測定方法で屈折率値を少なくとも小数

点以下6位まで値付けされたガラス材料で製作する。そのVブロックプリズムの屈折率は,測定する

試料との屈折率差から生じる出射光の偏角が目盛盤の範囲に入るものを選ぶ。形状を図3に示す。状

態は,次による。 

 

 

図3−Vブロックプリズム 

 

1) V字形状面の角度 V字形状面の角度は,90度±5秒以内とする。また,高さの辺及びりょう(稜)

がなす角度が45度±5秒以内とする。 

2) 入射面と射出面との平行度 入射面と射出面との平行度は,±5秒以内とする。 

3) 入射面,射出面及びV字形状面の平面度 入射面,射出面及びV字形状面の平面度は,測定波長λ

においてλ/2程度の研磨面とする。 

4) V字形状面の入射光軸に関するロール角 V字形状面の入射光軸に関するロール角は±20秒以内と

する。 

f) 

原点試料 原点試料は,Vブロックプリズムと同一の屈折率をもち,VブロックプリズムのV字形状

面に載せて偏角基準点(0度)を設定する際に用いる。 

g) 望遠鏡 望遠鏡は,Vブロックプリズム射出面からの出射光を捉える位置まで回転し,測定波長の光

を結像でき,オートコリメーション機能をもっているものを用いる。 

注記 オートコリメーション機能をもった望遠鏡の構成については,附属書Bを参照。 

h) 検出器 検出器は,測定波長の光を画像又は強弱信号として検出できるものを用いる。 

i) 

偏角測定器 偏角測定器は,出射光の偏角の読取りが行えるものを用いる。角度読取りは,目盛盤の

読取りを2秒以下にするのが望ましい。 

 

原点試料及び測定試料の形状 

原点試料及び測定試料の形状は,例として図4の形状を用いる。 

注記 測定試料は,VブロックプリズムのV字形状に合ったものとする。 

 


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図4−測定試料 

 

a) 頂角 頂角は,90度±2分以内とする。 

b) 面粗さ 面粗さは,光線が透過する平面が,JIS B 4130に規定するA方式230/270若しくはそれより

細かい粒度の砥粒で研削した面,又はそれ相当若しくはそれより小さい粗さに仕上げられた面を用い

る。 

 

測定方法 

7.1 

測定環境 

7.1.1 

雰囲気温度 

雰囲気温度は,20 ℃〜25 ℃とすることが望ましい。また,雰囲気温度の変動幅は,1.0 ℃以内とする

ことが望ましい。特に屈折率の温度依存性が大きいガラスについては,測定時の温度管理に留意する。 

7.1.2 

気圧 

気圧は,測定に大きく影響するものではないが,86 kPa〜106 kPaが望ましい。また,測定中の変化の範

囲は1 kPa以内とすることが望ましい。 

7.2 

測定 

7.2.1 

一般 

測定は,偏角を計測し,屈折率を計算によって算出する。 

7.2.2 

測定準備 

7.2.2.1 

Vブロックプリズムの設置 

Vブロックプリズムの設置は,箇条5 e)に示すVブロックプリズムを選定し,設置する。 

注記 Vブロックプリズムは,測定する試料のd線(587.56 nm)における屈折率(nd)を基準とする

ことが望ましい。 

7.2.2.2 

偏角基準点(0度)の設定 

Vブロックプリズムの偏角基準点(0度)の測定は,Vブロックプリズムに原点試料を載せ,光束をV

ブロックプリズムの入射面から入射させ,Vブロックプリズムの射出面から射出した光線を検出する。出

射光強度の検出値が最大値を示すときの望遠鏡の角度位置を,偏角基準点(0度)として設定する。概略

図を図5に示す。 

なお,原点試料をVブロックプリズムに載せるとき,試料とVブロックプリズムとの界面に屈折率整合

液を使用する。屈折率整合液は,附属書Aによる。 

 


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図5−偏角基準点測定概略図 

 

7.2.2.3 

Vブロックプリズムの調整(オートコリメーション) 

Vブロックプリズムの調整は,偏角基準となる光束がVブロックプリズムの射出面に対して垂直になる

ように行う。 

注記 オートコリメーション機能をもった望遠鏡の構成については,附属書Bを参照。 

7.2.3 

偏角の測定 

偏角の測定は,Vブロックプリズムに試料を載せ,光束をVブロックプリズムの入射面から垂直に入射

し,Vブロックプリズムの射出面から射出した光線を望遠鏡を回転させて検出する。検出値が最大値を示

す角度位置と偏角基準点との差を,偏角として読み取る。概略図を図6に示す。 

なお,測定試料をVブロックプリズムに載せるとき,試料とVブロックプリズムとの界面に屈折率整合

液を使用する。屈折率整合液は,附属書Aによる。 

 

 

図6−偏角測定概略図 

 

7.2.4 

屈折率の計算 

屈折率の計算は,次による。 

γ

N

γ

N

n

2

2

2

sin

sin

 

ここに, 

n: 試料の屈折率 

 

N: Vブロックプリズムの屈折率 


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γ: 偏角 

注記1 主分散,アッベ数,部分分散及び部分分散比を算出する場合は,JIS B 7071-1を参照。 

注記2 測定波長以外の波長の屈折率を算出する場合は,JIS B 7071-1を参照。 

 

表示 

屈折率は,少なくとも小数点以下5位まで表示する。 

 

試験報告書 

報告書は,次の事項を含めなければならない。 

a) 規格番号 

b) 測定試料を識別する詳細 

c) 測定場所の温度及び気圧 

d) 測定波長 

e) 屈折率 

 


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附属書A 

(規定) 

屈折率整合液 

 

A.1 一般 

この附属書は,この規定のうち,屈折率整合液の選定について規定する。 

屈折率整合液は,試料ガラスと同一,又は非常に近い屈折率をもつ透明の液体である。基準屈折率は,

スペクトル線のd線の屈折率とする。複数波長で測定をするために複数波長における屈折率が分かってい

ることが望ましい。 

 

A.2 屈折率整合液の選定方法 

Vブロック法での屈折率の測定精度は,試料の頂角誤差と,試料と屈折率整合液との屈折率差が影響を

及ぼす。一般的にこれら二つの要因が測定精度に与える影響を表す係数を次の式で示す。 

oil

Δ

Δ

N

α

K

 

ここに, 

K: 測定精度に与える影響を表す係数 

 

Δα: 試料の頂角誤差(分) 

 

ΔNoil: 試料と屈折率整合液との屈折率差の絶対値 

屈折率の測定精度εと係数Kとの関係は,次による。 

000

2

K

ε

 

屈折率の精度を1×10−5以下で測定したい場合には,K≦0.02とする必要がある。K≦0.02を満たすΔα

とΔNoilとの関係を表A.1に示す。 

 

表A.1−K≦0.02を満たすΔαとΔNoilとの関係 

Δα 

ΔNoil 

2′ 

0.01以下 

0.02以下 

1′ 

0.02以下 

0.02以下 

0.5′ 

0.04以下 

0.02以下 

0.2′ 

0.1以下 

0.02以下 

 

したがって,屈折率整合液は,試料の頂角誤差によって算出された屈折率差を考慮して選定する。 

注記1 多波長で屈折率測定をするときは,試料の分散特性と屈折率整合液の分散特性とに差がある

ことから測定波長ごとに適切な屈折率整合液を選ぶ必要がある。 

注記2 高屈折率又は低屈折率の試料で適切な屈折率整合液が選定できない場合は,試料の頂角誤差

をできるだけ小さくなるように精度良く加工する必要がある。 

注記3 屈折率整合液は,温度に対する屈折率の変化が大きいので,測定温度には注意する。 

 

A.3 屈折率整合液の種類 

一般的な屈折率整合液の例を表A.2に示す。また,表記した屈折率整合液を混合させ所望の屈折率にす

ることもできる。 

注記 混合した屈折率整合液の屈折率測定方法は,例えばJIS K 0062参照。 

 


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表A.2−一般的な屈折率整合液の例 

名称 

nd又はnD(20 ℃) 

流動パラフィン 

1.47 

ツェーデルオイル 

1.51 

1,1,2,2-テトラブロモエタン 

1.63 

1-ブロモナフタレン 

1.66 

ジヨードメタン 

1.74 

硫黄の飽和ジヨードメタン溶液 

1.78 

 


10 

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附属書B 

(参考) 

オートコリメーション機能をもった望遠鏡 

 

B.1 

一般 

この附属書は,オートコリメーション機能をもちVブロックプリズム射出面からの出射光を捉える位置

まで回転し,測定波長の光を結像する望遠鏡について説明する。 

 

B.2 

構成 

オートコリメーション機能をもった望遠鏡の構成の一例は,図B.1による。 

 

 

図B.1−オートコリメーション機能をもった望遠鏡の構成の一例及びVブロックプリズムとの関係 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

参考文献 

JIS K 0062 化学製品の屈折率測定方法