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日本工業規格

JIS

 B

7001-

1995

時計−試験方法

Watches and clocks

−Test methods

1.

適用範囲  この規格は,時計の試験方法について規定する。

備考1.  航空機用・船舶用・車両用の時計,設備時計などの特定用途のものについては適用しない。

2.

他の製品に組み込まれた時計については,適用しない。

3.

この規格の引用規格を,次に示す。

JIS B 7010

  時計部品名称

JIS B 7021

  一般用防水携帯時計の種類及び防水性能

JIS B 7023

  潜水用携帯時計−種類及び性能

JIS B 7024

  耐磁携帯時計−種類及び性能

JIS B 7751

  紫外線カーボンアーク灯式耐光性及び耐候性試験機

JIS B 7753

  サンシャインカーボンアーク灯式耐光性及び耐候性試験機

2.

用語の定義  この規格で用いる主な用語の定義は,JIS B 7010 によるほか,次のとおりとする。

備考  用語の後の  (  )  内の仮名書きは,読みを示す。

(1)

ウオッチ  身体に携帯して使用することを主目的とする時計。

(2)

クロック  一定の姿勢で使用することを主目的とする時計。

(3)

携帯用クロック  携帯できるように設計したクロック。

(4)

水晶式  時間の基準として水晶振動子を内蔵する時計の形式。

(5)

てんぷ式  時間の基準としててんぷを内蔵する時計の形式。

なお,これに対して,時間の基準として振り子を内蔵する時計の形式を振り子式という。

(6)

電池式  電池を動力源とする時計の形式。

(7)

ぜんまい式  ぜんまいを動力源とする時計の形式。

(8)

電子表示式  表示部を液晶パネル,蛍光表示管などの電子部品で構成する時計の形式。

(9)

機械表示式  表示部を文字板及び針,表示板などの機械部品で構成する時計の形式。

(10)

操作部  りゅうず,ボタン,スイッチなど,時計の操作を行う部分。

(11)

表示部  時刻などを表示する部分。

(12)

付加装置  時刻表示以外の機能を作動させる装置。

(13)

始動  時計に動力を与え(

1

)

,運転を開始すること。

(

1

)

ぜんまい・おもりを完全に巻き上げること,電池を組み込むこと又は外部の電源に接続するこ

とを意味する。

(14)

ならし運転  試験の前に,試験条件になじませるために行う準備運転。

(15)

姿勢  時計の向き(附属書 参照)。


2

B 7001-1995

(16)

正規姿勢  通常使用する時計の姿勢。

(17)

定格電圧  時計を運転するための基準の電圧。

(18)

使用電圧範囲  時計の所定の機能・性能を発揮することができる電源電圧範囲。

(19)

所定の操作  取扱説明書などに記載されている操作。

(20)

止まり  所定の試験時間以内に,時計の運転が停止すること。

(21)

置回り  機械表示式の時計で,筒かなと二番車との取付けの緩みなどによって,時針・分針が正常に

動かない現象。

(22)

指示差  時計が表示している時刻と,基準とする時計の時刻との差(

2

)

(23)

指示違い  所定の試験時間以内に,指示差が異状な変化をすること。

(24)

歩度(ほど)  時計の精度を短時間に測定し,1 日当たりの進み遅れに換算した値(

2

)

(25)

日差(にっさ)  24 時間の間隔で測定した指示差の 1 日当たりの差(

2

)

(

2

)

時計が進みならプラス  (+)  ,遅れならマイナス  (−)  で表す。

(26)

経時変化  歩度又は日差の経時的な変化量。ある日測定した歩度又は日差と,ある期間隔てて同一条

件で測定した歩度又は日差との差で表す。広い意味では復元差も含む。

(27)

復元差  ある期間,温度・姿勢などの条件を変えて時計を運転したときの,歩度又は日差の復元性を

示す値。当初における歩度又は日差と,ある期間別の条件で時計を運転した後,当初と同一の状態に

戻したときの歩度又は日差との差で表す。

(28)

ドリフト  歩度又は日差の経時的な変化率。ある日測定した歩度又は日差と,ある期間隔てて同一の

条件で測定した歩度又は日差の単位時間当たりの差で表す。

(29)

日較差(にっかくさ)  歩度又は日差の 1 日についての変動量。ある日測定した歩度又は日差と,翌

日同一の条件で測定した歩度又は日差との差で表す。

(30)

日差平均偏差  ある期間連続して日差を測定したときの,日差の平均偏差値。

(31)

日差最大偏差  ある期間連続して日差を測定したときの,日差の最大偏差値。

(32)

温度誤差  温度の変化に対する歩度又は日差の変化量。高温又は低温で測定した歩度又は日差と,温

度 23℃で測定した歩度又は日差との差で表す。

(33)

温度係数  温度の変化に対する歩度又は日差の変化率。

(34)

二次温度誤差  温度係数から算出した温度 23℃での歩度又は日差と,温度 23℃で測定した歩度又は日

差との差。温度特性の直線性を表す。

(35)

姿勢差  姿勢の変化に対する歩度又は日差の変化量。ある姿勢で測定した歩度又は日差と,他の姿勢

で測定した歩度又は日差との差で表す。

(36)

姿勢平均偏差  種々の姿勢で測定した歩度又は日差の平均偏差値。

(37)

姿勢最大偏差  種々の姿勢で測定した歩度又は日差の最大偏差値。

(38)

垂直水平の差  垂直姿勢で測定した歩度又は日差と,水平姿勢で測定した歩度又は日差との差。

(39)

電圧誤差  電源電圧の変化に対する歩度又は日差の変化量。高い電源電圧で測定した歩度又は日差と,

低い電源電圧で測定した歩度又は日差との差で表す。

(40)

電圧係数  電源電圧の変化に対する歩度又は日差の変化率。

(41)

呼び巻き日数  時計本体,取扱説明書などに記載されている巻き日数。

(42)

ぜんまいトルク誤差  ぜんまいトルクの変化に対する歩度の変化量。ぜんまいを完全に巻き上げたと

きの歩度と,呼び巻き日数分ほどけたときの歩度との差で表す。

(43)

持続時間  時計を始動してから運転が停止するまでの時間。


3

B 7001-1995

(44)

有効持続時間  時計を始動してから所定の性能を保持している時間。

(45)

正時(しょうじ)  分及び秒の端数がつかない時刻。

(46)

報時  時計の正時,正時及び 30 分又は正時,15 分,30 分及び 45 分に,音で時刻を知らせること。

正時を知らせるものを正時打ち,正時及び 30 分を知らせるものを半打ち,正時,15 分,30 分及び

45

分を知らせるものを四所(よどころ)打ちという。

(47)

残留影響  耐環境試験を行ったときの,歩度又は日差の復元性を示す値。当初における歩度又は日差

と,時計をある環境条件にさらし,次いで当初と同一の状態に戻したときの歩度又は日差との差で表

す。

(48)

耐温度性  耐熱性,耐寒性及び耐温度変化性の総称。

(49)

耐熱性  時計が,日常の使用中に受ける程度の高温に耐える特性。

(50)

耐寒性  時計が,日常の使用中に受ける程度の低温に耐える特性。

(51)

耐温度変化性  時計が,日常の使用中に受ける程度の高温と低温との温度変化に耐える特性。

(52)

耐湿性  時計が,日常の使用中に受ける程度の高湿に耐える特性。

(53)

耐磁性  時計が,日常の使用中に受ける程度の磁場に耐える特性。

(54)

耐衝撃性  時計が,日常の使用中に受ける程度の衝撃に耐える特性。

(55)

耐振動性  時計が,日常の使用中に受ける程度の振動に耐える特性。

(56)

耐静電気性  時計が,日常の使用中に受ける程度の静電気に耐える特性。

(57)

防水性  外部から時計のケース内へ,水・汗などが浸入することを防ぐ特性。

(58)

耐光性  時計が,日常の使用中に受ける程度の紫外線に耐える特性。

(59)

耐食性  時計が,日常の使用において汗に耐える特性。

(60)

耐薬品性  時計が,日常の使用において薬品に耐える特性。

(61)

振り角  てんぷ又は振り子が,振動の中心位置から片側に振れる角度。

(62)

片振り(かたふり)  てんぷ又は振り子で振動エネルギーの授受が,振動の中心に対して左右対称に

行われないこと。

3.

試験の種類  この規格に定める試験の種類の構成を,図 に示す。試験の目的・要求又は時計の特性

によって選択し試験を行う。


4

B 7001-1995

図 1  試験の種類の構成

4.

一般試験条件  試験は,個別の規定によるほか,次の条件で行うことが望ましい。

(1)

試験は,完成品で行う。

備考  腕時計バンド・鎖・飾りなどの外装附属品は,その試験の結果に影響しない場合,取り外して

もよい。

(2)

試験は,温度 23±5℃(以下,室温という。

,相対湿度 (50±20) %において行い,試験中に 2℃以上

変化しないこと。

備考  試験の目的・要求によって,温度及び許容差を 23±0.5℃,23±1℃又は 23±2℃,相対湿度及

び許容差を (50±2) %, (50±5) %, (65±2) %又は (65±5) %としてもよい。

(3)

試験は,ウオッチは文字板上(もじいたうえ)の姿勢,クロックは正規姿勢で運転して行う。ただし,

付加装置は,付加装置の試験を行うとき以外は,作動させずに試験を行う。

備考1.  ぜんまい式の時計は,各々の試験条件にさらす直前に,ぜんまいを完全に巻き上げてから試

験を行う。

2.

電池式の時計は,定格電圧から定格電圧の 110%までの範囲の電源電圧で,試験を行う。

(4)

試験は,必要に応じ定常状態に達するまでならし運転をしてから行う。特に,次の場合は,ならし運


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B 7001-1995

転を行う。

(a)

精度に関する試験を行うとき。

(b)

連続して試験を行う場合,前の試験条件が後の試験の結果に影響するとき。

(5)

試験装置及び測定装置は,

附属書 による。

なお,試験装置及び測定装置は,試験の要求に見合う精度をもたなければならない。

(6)

歩度及び日差の測定は,次のとおりとする。

(6.1)

歩度の測定は,次による。

(a)

歩度は,歩度測定器によって測定する。

(b)

ぜんまい式の時計は,定められた測定時点以後 30 分以内に測定する。

(c)

水晶式の時計は,少なくとも 1 時間,周囲温度にならしてから測定する。

(d)

正しい測定値が得られるよう,測定時間・測定回数・測定時刻信号の選択を考慮して測定する。

(6.2)

日差は,目視・写真撮影・時刻信号の検出など適切な方法で,指示差を読み取って測定する。

(6.3)

歩度又は日差の読取り単位は,試験の目的・要求又は時計の精度によって選択する。

(6.4)

精度を,歩度又は日差のどちらで測定するかは,試験の目的・要求によって選択する。

(7)

試験温度を変えるときの温度の上昇又は下降の割合は,20 分間につき 10℃とする。

5.

機能試験

5.1

目的  機能試験は,時計の運転状態・作動の状態・操作部の操作性などの機能及び表示の見え具合

などの判読性について試験することを目的とする。

5.2

試験方法  試験は,次のとおりとする。

(1)

時計を始動してから所定の時間(

3

)

運転させた後,時計の運転状態を点検する。

(

3

)

水晶式の時計は1時間,その他の時計は24時間とする。

(2)

所定の操作は従って操作部を操作し,異状の有無を点検する。

(3)

表示部の異状の有無を目視点検する。

(4)

付加装置のある時計は,所定の操作に従って付加装置を作動し,異状の有無を点検する。

なお,付加装置付き電池式クロックは,電池の使用電圧範囲の電源電圧で試験を行う。ただし,低

電圧範囲では,電池の内部抵抗相当分の抵抗を直列に付加して試験を行う。

5.3

点検項目  機能試験における点検項目は,次のとおりとする。

(1)

時刻機能  止まり,置回り,指示違いなどの運転状態。

(2)

操作機能  巻真の引出し押込み,ぜんまいの巻上げ,針回し,ボタン・スイッチの操作,緩急針・調

整ねじの操作,回転ベゼルの回転などの操作機能。

(3)

表示機能  秒針の動きむら,電子表示の表示状態・表示の切替りなどの表示部の状態。

(4)

付加機能  付加装置のうち,カレンダ装置・アラーム装置・報時装置・時間測定装置の点検項目は,

次による。

(a)

カレンダの作動時刻,カレンダの切替り,早送り装置の作動などのカレンダ装置の機能。

(b)

アラームのセットに対する作動状態,アラームのセット・リセット・鳴止めの操作,アラームセッ

トの可能な範囲,アラーム音の鳴り状態などのアラーム装置の機能。

(c)

打数,報時音の鳴り状態,夜間鳴止め機能などの報時装置の機能。

(d)

スタート・ストップ・リセットなどの作動状態,クロノグラフ秒針のスタートの飛び,リセットし

たときの針の位置などの時間測定装置の機能。


6

B 7001-1995

6.

基本精度試験

6.1

目的  基本精度試験は,時計の精度の調整状態を試験することを目的とする。

6.2

試験方法  試験は,時計を 23±2℃で静置し,歩度又は日差を測定する。

備考1.  ウオッチは文字板上及び6時上の2姿勢,クロックは正規姿勢で測定する。ただし,水晶式の

ウオッチは任意の1姿勢とする。

2.

ぜんまい式の時計の歩度測定は,始動してから 10 分以後に行う。

6.3

特性値  特性値は,歩度・日差・平均日差とし,次によって求める。

(1)

歩度は,6.2 によって測定した歩度の値とする。

(2)

日差は,6.2 によって測定した日差の値とする。

(3)

平均日差は,日差の算術平均値とする。

備考  試験の目的・要求によって,特性値を選択する。

7.

精度の安定性試験

7.1

目的  精度の安定性試験は,時計の精度の経時的変化又は変動を試験することを目的とする。

7.2

試験方法  試験は,次の手順で行う。

(1)

歩度又は日差若しくは平均日差を測定する。

(2)

試験の目的・要求によって,期間及び条件を定め運転する。

(3)  (1)

と同一条件で,歩度又は日差若しくは平均日差を測定する。

備考  日較差,日差平均偏差及び日差最大偏差の測定のときは(1)の測定を,ある期間連続して行う。

7.3

特性値  特性値は,経時変化(復元差)

・ドリフト・日較差・日差平均偏差・日差最大偏差とし,そ

れぞれ,式(1),式(2),式(3),式(4)及び式(5)によって算出する。

経時変化(復元差)  SM

j

M

i

 (1)

ドリフト

τ

i

j

M

M

D

=

 (2)

日較差  VM

i

1

M

i

 (3)

日差平均偏差

å

=

=

n

i

i

d

M

M

n

D

1

1

 (4)

日差最大偏差

M

M

D

i

d

=

max

 (5)

ここに,

M

i

ある日測定した歩度又は日差若しくは平均日差 (s/d)

M

j

M

i

を測定してから

τ

日後に,M

i

と同一の条件で測定し

た歩度又は日差若しくは平均日差 (s/d)

τ

M

i

と M

j

との測定間隔(日数)

M

i

1

M

i

を測定した翌日に,

M

i

と同一の条件で測定した歩度

又は日差 (s/d)

M

i

'

ある期間連続して測定した歩度又は日差 (s/d)

M

M

i

'

の算術平均値 (s/d)

n

測定した M

i

'

の数

備考1.  連続して日較差を測定した場合,測定した日較差の算術平均値を平均日較差,最大値を最大

日較差という。

2.

試験の目的・要求によって,特性値を選択する。


7

B 7001-1995

8.

温度変化に対する精度試験

8.1

目的  温度変化に対する精度試験は,温度の変化が時計の精度に及ぼす影響を試験することを目的

とする。

8.2

試験方法  試験は,温度 8℃,23℃及び 38℃で,歩度又は日差を測定する。

備考  試験温度の許容差は,水晶式ウオッチを測定する場合は±0.5℃,水晶式ウオッチ以外の時計を

測定する場合は±1℃とする。

8.3

特性値  特性値は,高温及び低温での歩度又は日差,温度誤差,温度係数及び二次温度誤差とし,

式(6),式(7),式(8)及び式(9)によって算出する。

高温及び低温での歩度又は日差  M

T

M

38

及び M

T

M

8

 (6)

温度誤差  T

E

M

38

M

23

及び T

E

M

23

M

8

 (7)

温度係数

15

23

38

M

M

T

C

=

及び

15

8

23

M

M

T

C

=

          又は

15

8

38

M

M

T

C

=

 (8)

二次温度誤差

2

8

38

23

M

M

M

T

S

=

 (9)

ここに,  M

38

温度 38℃で測定した歩度又は日差 (s/d)

M

23

温度 23℃で測定した歩度又は日差 (s/d)

M

8

温度 8℃で測定した歩度又は日差 (s/d)

備考  時計の温度特性及び試験の目的・要求によって,特性値を選択する。

なお,二次温度誤差は主にてんぷ式の時計の温度特性の直線性を表すために用いる。

9.

姿勢変化に対する精度試験

9.1

目的  姿勢変化に対する精度試験は,姿勢の変化が時計の精度に及ぼす影響を試験することを目的

とする。

9.2

試験方法  試験は,文字板上,文字板下,3 時上,6 時上,9 時上又は 12 時上の姿勢で,歩度又は日

差を測定する。

備考  姿勢は,試験の目的・要求によって選択する。

9.3

特性値  特性値は,姿勢差・姿勢平均偏差・姿勢最大偏差・垂直水平の差とし,式(10),式(11),式

(12)

及び式(13)によって算出する。

姿勢差  PM

Pj

M

Pi

 (10)

姿勢平均偏差

å

=

=

n

i

P

Pi

V

M

M

n

P

1

1

 (11)

姿勢最大偏差

P

Pi

V

M

M

P

=

max

の最大値  (12)

垂直水平の差  P

HV

M

PV

M

PH

 (13)

ここに,

M

Pi

ある姿勢で測定した歩度又は日差 (s/d)

M

Pj

M

Pi

以外の姿勢で測定した歩度又は日差 (s/d)


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B 7001-1995

P

M

M

Pi

の算術平均値 (s/d)

n

M

Pi

の数

M

PV

垂直姿勢で測定した歩度又は日差 (s/d)

M

PH

水平姿勢で測定した歩度又は日差 (s/d)

備考  試験の目的・要求によって,特性値を選択する。

10.

電源電圧変化に対する精度試験

10.1

目的  電源電圧変化に対する精度試験は,電源電圧の変化が時計の精度に及ぼす影響を試験するこ

とを目的とする。

10.2

試験方法  試験は,定格電圧より 10%高い電圧で連転したときと,定格電圧より 10%低い電圧で運

転したときの歩度又は日差を,それぞれ測定する。

10.3

特性値  特性値は,電圧誤差及び電圧係数とし,式(14)及び式(15)によって算出する。

電圧誤差  V

E

M

VH

M

VL

 (14)

電圧係数

L

H

VL

VH

C

V

V

M

M

V

=

 (15)

ここに,  M

VH

定格電圧より 10%高い電圧で運転したときの,歩度又は日差 
(s/d)

M

VL

定格電圧より 10%低い電圧で運転したときの,歩度又は日差 
(s/d)

V

H

定格電圧より 10%高い電圧 (V)

V

L

定格電圧より 10%低い電圧 (V)

備考  試験の目的・要求によって,特性値を選択する。

11.

ぜんまいトルク変化に対する精度試験

11.1

目的  ぜんまいトルク変化に対する精度試験は,ぜんまいがほどけていくときの駆動トルクの変化

が時計の精度に及ぼす影響を試験することを目的とする。

11.2

試験方法  試験は,ぜんまいを完全に巻き上げたとき,及び呼び巻き日数に相当する時間運転(

4

)

た後の歩度を,それぞれ測定する。

(

4

)  2

日巻き以上のものは,試験時間を短縮するため,ぜんまいを相当量巻き戻して測定してもよい。

11.3

特性値  特性値は,ぜんまいトルク誤差とし,式(16)によって算出する。

ぜんまいトルク誤差  I

E

M

W

M

O

 (16)

ここに,  M

W

呼び巻き日数に相当する時間運転した後,

又はぜんまいを巻

き戻した後の歩度 (s/d)

M

O

ぜんまいを完全に巻き上げたときの歩度 (s/d)

12.

アラーム精度試験

12.1

目的  アラーム精度試験は,アラームを設定した時刻に対して,アラームが作動する時刻の正確さ

を試験することを目的とする。

12.2

試験方法  試験は,次の手順で行う。

(1)

機械表示式  3 時,6 時,9 時及び 12 時の 4 か所で,試験する。


9

B 7001-1995

(a)

試験する時刻にアラームを設定する。

(b)  3

時,9 時及び 12 時は手動で針回しを行い,アラームが作動する時刻を測定する。

(c)  6

時は,時計を運転して,アラームが作動する時刻を測定する。

(2)

電子表示式  任意の時刻にアラームを設定し,時計を運転して,アラームが作動する時刻を測定する。

13.

報時精度試験

13.1

目的  報時精度試験は,報時時刻の正確さを試験することを目的とする。

13.2

試験方法  試験は,次の手順で行う。

(1)

機械表示式  3 時,6 時,9 時及び 12 時の 4 か所で,試験を行う。

(a)

正時打ちは,時計を運転して,報時時刻を測定する。

(b)

半打ち(30 分ごとに報時)及び四所打ち(15 分ごとに報時)は,正時打ち後そのまま運転して,報

時時刻を測定する。

(2)

電子表示式  時計を運転して,報時時刻を測定する。

14.

耐温度試験

14.1

目的  耐温度試験は,時計の耐熱性,耐寒性及び耐温度変化性を試験することを目的とする。

14.2

耐熱試験  耐熱試験は,次の手順で行う。

(1)

室温で,歩度及び指示差を測定する。

(2)

ウオッチは 50±1℃又は 60±1℃,クロックは 50±1℃の温度で,24 時間運転する。

備考  試験の目的・要求によって,ウオッチの試験温度を選択する。

(3)

次いで,この温度で指示差を測定し,時計の運転状態・機能について目視点検及び所定の操作を行う。

(4)  (1)

と同一条件で,歩度を測定する。

14.3

耐寒試験  耐寒試験は,次の手順で行う。

(1)

室温で,歩度及び指示差を測定する。

(2)  0

±1℃,−5±1℃又は−10±1℃の温度で,24 時間時計を運転する。

備考  試験温度は,試験の目的・要求によって選択する。

(3)

次いで,この温度で指示差を測定し,時計の運転状態・機能について目視点検及び所定の操作を行う。

(4)  (1)

と同一条件で,歩度を測定する。

14.4

熱衝撃試験  熱衝撃試験は,次の手順で行う。

(1)

室温で,歩度及び指示差を測定する。

(2)

図 に示すプログラムによって変化させた温度で,ウオッチを運転する。試験温度は,低温  (T

A

)

は 0℃,

−5℃又は−10℃とし,高温  (T

B

)

は 50℃又は 60℃とする。

また,試験するサイクル数は,1,3,5 又は 10 サイクルとする。

備考  試験する低温と高温の温度及びサイクル数は,試験の目的・要求によって選択する。


10

B 7001-1995

図 2  熱衝撃試験プログラム

(3)  (1)

と同一条件で,歩度及び指示差を測定し,ウオッチの運転状態・機能について目視点検及び所定の

操作を行う。

14.5

温度サイクル試験  温度サイクル試験は,次の手順で行う。

(1)

室温で,歩度及び指示差を測定する。

(2)

図 に示すプログラムによって変化させた温度で,クロックを運転する。試験温度は,低温  (T

A

)

は 0℃,

−5℃又は−10℃とし,高温  (T

B

)

は 40℃とする。

また,試験するサイクル数は,1,3,5 又は 10 サイクルとする。

備考  試験する低温の温度及びサイクル数は,試験の目的・要求によって選択する。

図 3  温度サイクル試験プログラム

(3)  (1)

と同一条件で,歩度及び指示差を測定し,クロックの運転状態・機能について目視点検及び所定の

操作を行う。

14.6

点検項目  耐温度試験における点検項目は,止まり・指示違いなどの運転状態,操作部の操作機能,

表示部の表示状態,その他の機能及び残留影響とする。

なお,残留影響 E

T

は,式(17)によって算出する。

E

T

M

T

M

O

 (17)

ここに,

M

T

試験後の歩度 (s/d)

M

O

試験前の歩度 (s/d)

15.

耐湿試験


11

B 7001-1995

15.1

目的  耐湿試験は,時計の耐湿性を試験することを目的とする。

15.2

ウオッチに適用する試験方法  ウオッチに適用する試験は,次の手順で行う。

(1)

室温及び相対湿度 (50±20) %で,歩度及び指示差を測定する。

(2)

温度 40±1℃,相対湿度 (90±5) %で,24 時間,48 時間,72 時間,120 時間又は 168 時間ウオッチを

運転する。

備考  試験する時間は,試験の目的・要求によって選択する。

(3)

次いで,この温度・湿度で,ウオッチの運転状態,機能について目視点検を行う。

(4)  (1)

と同一の条件で,歩度及び指示差を測定し,機能について所定の操作を行う。

15.3

クロックに適用する試験方法  クロックに適用する試験は,次の手順で行う。

(1)

室温及び相対湿度 (65±5) %で,歩度及び指示差を測定する。

(2)

図 に示すプログラムによって,温度 40±1℃,相対湿度 (90±5) %で,クロックを運転する。

図 4  クロックに適用する耐湿試験プログラム

(3)  (1)

と同一の条件で,歩度及び指示差を測定し,クロックの運転状態・機能について目視点検及び所定

の操作を行う。

15.4

点検項目  耐湿試験における点検項目は,止まり・指示違いなどの運転状態,操作部の操作機能,

表示部の表示状態,その他の機能及び残留影響とする。

なお,残留影響 E

H

は,式(18)によって算出する。

E

H

M

H

M

O

 (18)

ここに,  M

H

試験後の歩度 (s/d)

M

O

試験前の歩度 (s/d)

16.

耐磁試験  耐磁試験は,次による。

16.1

目的  耐磁試験は,時計の耐磁性を試験することを目的とする。ただし,この試験は,電子表示式

の時計及びクロックには適用しない。

なお,耐磁時計(耐磁性を示す表示がある時計)の試験は,JIS B 7024 による。

16.2

試験方法  試験は,JIS B 7024 の 5.による。ただし,直流磁界の強さは,1 600A/m とする。

16.3

点検項目  耐磁試験における点検項目は,止まり・指示違いなどの運転状態及び残留影響とする。

なお,残留影響 E

M

は,式(19)によって算出する。

E

M

M

M

M

O

 (19)

ここに,  M

M

試験後の歩度 (s/d)

M

O

試験前の歩度 (s/d)


12

B 7001-1995

17.

耐衝撃試験

17.1

目的  耐衝撃試験は,時計の耐衝撃性を試験することを目的とし,ウオッチ及び携帯用クロックに

適用する。

なお,耐衝撃性の表示がある時計の試験は,

附属書 による。

17.2

ウオッチに適用する試験  ウオッチに適用する試験は,衝撃つい(槌)試験又は落下衝撃試験とし,

次による。

なお,バンドを外すことができるものは,外して試験する。

備考  試験の種類は,試験の目的・要求によって選択する。

(1)

衝撃つい試験  衝撃つい試験は,次による。

(a)

衝撃を与える装置は,

附属書 の 5.(試験装置)で規定する衝撃つい試験機とする。

(b)

衝撃ついの長さは,r=50cm とし,始動角

α

=120°,90°又は 60°から衝撃ついを落下させる。

備考  始動角は,試験の目的・要求によって選択する。

(c)

試験の手順は,

附属書 の 3.(試験方法)による。

(2)

落下衝撃試験  落下衝撃試験は,次による。

(2.1)

落下の高さは,25cm,50cm 又は 75cm とする。

備考  落下の高さは,試験の目的・要求によって選択する。

(2.2)

試験は,次の手順で行う。

(a)

附属書 の 3.(試験方法)の(1)を行う。

(b)

第 1 回目の衝撃は,3 時上の姿勢で 1 回,厚さ 3cm 以上の樫板上に落下させる。

(c)

第 2 回目の衝撃は,文字板下の姿勢で 1 回,厚さ 3cm 以上の樫板上に落下させる。

(d)

附属書 の 3.(試験方法)の(4)を行う。

(e)

附属書 の 3.(試験方法)の(5)を行う。

17.3

携帯用クロックに適用する試験  携帯用クロックに適用する試験は,次の手順で行う。

(1)

附属書 の 3.(試験方法)の(1)を行う。

(2) 25cm

の高さから厚さ 3cm のラワン木板上に,携帯用クロックを正規姿勢で 1 回落下させる。

(3)

附属書 の 3.(試験方法)の(4)を行う。

(4)

附属書 の 3.(試験方法)の(5)を行う。

17.4

点検項目  耐衝撃試験における点検項目は,とまり・指示違いなどの運転状態,操作部の操作機能,

表示部の表示状態,その他の機能,外観の変化及び残留影響とする。

なお,残留影響 E

S

は,式(20)によって算出する。

E

S

M

S

M

O

 (20)

ここに,

M

S

試験後の歩度 (s/d)

M

O

試験前の歩度 (s/d)

18.

耐振動試験

18.1

目的  耐振動試験は,時計の耐振動性を試験することを目的とする。ただし,クロックには適用し

ない。

18.2

試験方法  試験は,次の手順で行う。

(1)

歩度及び指示差を測定する。


13

B 7001-1995

(2)

最大加速度 19.6m/s

2

又は 98m/s

2

の正弦波の振動を,振動数 30Hz から 120Hz の間で連続的に往復で変

化させて,文字板からムーブメント,6 時から 12 時及び 3 時から 9 時の方向に,それぞれ 20 分間連

続して時計に加える。

備考  加速度は,試験の目的・要求によって選択する。

(3)

指示差を測定し,次いで,時計の運転状態・機能について目視点検及び所定の操作を行う。

(4)  (1)

と同一の条件で,歩度を測定する。

18.3

点検項目  耐振動試験における点検項目は,止まり・指示違いなどの運転状態,操作部の操作機能,

表示部の表示状態,その他の機能及び残留影響とする。

なお,残留影響 E

V

は,式(21)によって算出する。

E

V

M

V

M

O

 (21)

ここに,  M

V

試験後の歩度 (s/d)

M

O

試験前の歩度 (S/d)

19.

耐静電気試験  耐静電気試験は,附属書 による。

20.

防水試験  防水試験は,防水時計又は潜水時計の表示のあるものに適用し,防水時計は,JIS B 7021

により,潜水時計は,JIS B 7023 による。

21.

耐光試験

21.1

目的  耐光試験は,時計の耐光性を試験することを目的とする。

21.2

試験方法  試験は,次の手順で行う。

(1)

試験によって変化すると思われる,時計の外観の初期の状態を観察する。

(2)  JIS B 7751

による紫外線カーボンアーク灯式耐光性試験機,又は JIS B 7753 によるサンシャインカー

ボンアーク灯式耐光性試験機に時計を入れ,50 時間,100 時間又は 200 時間照射する。

備考  試験機及び照射時間は,試験の目的・要求によって選択する。

(3)

試験機から取り出し,(1)で観察した状態からの変色・退色などの時計の外観の変化を確認する。

22.

耐食試験

22.1

目的  耐食試験は,時計の耐食性を試験することを目的とする。ただし,クロックには適用しない。

なお,潜水時計(潜水用の表示がある時計)の試験は,JIS B 7023 による。

22.2

試験に使用する容器及び溶液  試験に使用する容器及び溶液は,次のとおりとする。

(1)

容器は,40℃に加熱できる,密閉容器とする。

(2)

溶液は,次の組成とする。

塩化ナトリウム

:20g/l

塩化アンモニウム

:17.5g/l

尿素

:5g/l

酢酸

:2.5g/l

乳酸

:15g/l

水酸化ナトリウム

:pH 値を 4.7 にするために必要な量


14

B 7001-1995

22.3

人工汗噴霧試験  人工汗噴霧試験は,次の手順で行う。

(1)

容器に 10mm の深さまで溶液を入れ,ウオッチをガラス製留め具で溶液及び容器の壁から少なくとも

30mm

離してつるす。次に,噴霧器を用いて,同じ溶液の霧をウオッチの表面に吹き付ける。

(2)

試験温度は 40±2℃とし,ウオッチを 24 時間,容器内に放置する。

(3)

水洗後,試験していないウオッチと比較して,さび,変色などの表面状態の変化を確認する。ただし,

変化が認められた場合は,ふいて取れるかどうか確認する。

22.4

人工汗半浸せき試験  人工汗半浸せき試験は,次の手順で行う。

(1)

容器の底にガーゼ又は脱脂綿を敷き,溶液を入れる(

図 参照)。

(2)

裏ぶたを下にして,溶液にウオッチを半分まで浸せきする。23±2℃又は 40±2℃で,3 時間,6 時間,

12

時間又は 24 時間その状態で放置する。

備考  温度及び放置時間は,試験の目的・要求によって選択する。

(3)

ウオッチを取り出し,乾燥後さび,変色などの表面状態の変化を確認する。

図 5  人工汗半浸せき試験方法

23.

耐薬品試験

23.1

目的  耐薬品試験は,時計の耐薬品性を試験することを目的とする。

23.2

試験方法  試験は,次の手順で行う。

(1)

試験に使用する薬品は,エチルアルコール,ベンジン又は中性洗剤とする。

備考  薬品の種類は,試験の目的・要求によって選択する。

(2)

試験によって変化すると思われる,時計の外表面の初期の状態を観察する。

(3)

ガーゼに薬品をしみこませ,3N の力で押し付け時計の外表面を擦る。

(4)

時計の外表面のコーティング・塗装・印刷などの変色,浮き,はく離などを観察し,(2)で観察した状

態からの変化の程度を確認する。

24.

持続時間試験

24.1

目的  持続時間試験は,時計の持続時間及び有効持続時間を試験することを目的とする。

24.2

試験方法  試験は,始動してから時計が運転を停止するまでの時間及び所定の性能を保持している

時間を測定する。

備考1.  試験時間を短縮するため,ぜんまい又はおもりを相当量巻き戻してから試験してもよい。

2.

電池式の時計の持続時間は,実測の消費電流と電池容量(公称容量)との計算値で代用して

もよい。

24.3

特性値  特性値は,24.2 で測定した持続時間及び有効持続時間とする。


15

B 7001-1995

備考  電池式の時計の持続時間を,特に電池寿命と表記してもよい。

25.

アラーム音圧試験

25.1

目的  アラーム音圧試験は,アラーム音の大きさを試験することを目的とする。

25.2

ウオッチに適用する試験  暗騒音及び反射音が測定音圧より 10dB 以下の環境で,時計の真上 5cm

又は 10cm 離れた位置にマイクロホンを固定し,アラーム音の大きさを測定する。時計の姿勢は,文字板

上又は文字板下とする。

備考  マイクロホンの位置及び時計の姿勢は,試験の目的・要求によって選択する。

25.3

クロックに適用する試験  暗騒音及び反射音が測定音圧より 10dB 以下の環境で,文字板の中心から

50cm

離れた位置にマイクロホンを固定し,アラーム音の大きさを測定する。

26.

バンド取付部強度試験

26.1

目的  バンド取付部強度試験は,時計のバンド取付部の強度を試験することを目的とする。

26.2

試験方法  バンドを締めた状態で,図 に示すように,30N,50N,80N,120N 又は 200N の力 

バンド部に加える。

備考  加える力は,試験の目的・要求によって選択する。

図 6  バンド取付部強度試験方法


16

B 7001-1995

附属書 1  時計の姿勢の定義及び表し方

1.

適用範囲  この附属書は,時計の形式・構造・大きさにかかわらず,あらゆる時計の姿勢の定義及び

その表し方について規定する。

2.

時計の姿勢の定義  時計又はムーブメントの姿勢は,重力加速度の向きと反対の Z 方向(附属書 

1

及び

附属書 図 参照)を基準として,次に定める角度

λ

及び

θ

で表す。

(1)

λ

は,時計の文字板面に垂直な中心軸 X 周りの時計の回転角で,反時計回りとする(

附属書 図 

照)

λ

の範囲:0°≦

λ

≦360°

(2)

θ

は,ZX 面に垂直な軸の周りの時計の回転角で,

θ

>0°とは文字板の頂点が観測者から遠ざかる回転

を意味し,

θ

<0°は観測者の方向へ向かう回転を意味する(

附属書 図 参照)。

θ

の範囲:−90°≦

θ

≦90°

(3)

λ

=0°,

θ

=0°のとき,6 時と 12 時を結んだ線が Z 方向と一致する。

附属書 図 1  正面図

附属書 図 2  側面図

3.

試験で常用する姿勢の表し方  試験で常用する姿勢の表し方は,次による。

(1)

垂直姿勢  垂直姿勢の表し方は,附属書 表 による。


17

B 7001-1995

附属書 表 1  垂直姿勢の表し方

姿勢

向き

表し方

簡略な表し方

λ

=90°

θ

=0°

3

時上

(さんじうえ)

3H

又は 3↑

λ

=180°

θ

=0°

6

時上

(ろくじうえ)

6H

又は 6↑

λ

=270°

θ

=0°

9

時上

(くじうえ)

9H

又は 9↑

λ

=0°

θ

=0°

12

時上

(じゅうにじうえ)

12H

又は 12↑

備考  ここに規定した以外の垂直姿勢を表すときも,最上部に位置する文字板の時刻を示す数字で表

す。例えば,4 時上:4H 又は 4↑。

(2)

水平姿勢  水平姿勢の表し方は,附属書 表 による。

附属書 表 2  水平姿勢の表し方

姿勢

向き

表し方

簡略な表し方

λ

=任意

θ

=+90°

文字板上

(もじいたうえ)

CH

又は C↑

λ

=任意

θ

=−90°

裏ぶた上

(うらぶたうえ)

又は

文字板下

(もじいたした)

FH

又は F↑

CB

又は C↓

(3)

傾斜姿勢  傾斜姿勢の表し方は,附属書 表 による。

附属書 表 3  傾斜姿勢の表し方

姿勢

向き

表し方

簡略な表し方

λ

=0°

θ

=+30°

後傾斜 12 時上(

1

)

(ごけいしゃじゅうにじうえ)

12H

+30°又は 12↑+30°

(

1

)

文字板の頂点が,観測者から見て+30°傾いている。

備考  ここに規定した以外の傾斜姿勢を表すときは,頂点に位置する文字板の時刻を示す数字に H 又

は↑印を付し,次に,符号をつけた角度

θ

を記して表す。

4.

普通の文字板をもたない時計及びムーブメントの姿勢の表し方  普通の文字板をもたない時計及び

ムーブメントは,通常の読取り姿勢で時計を見て架空の文字板をもっているものとみなし,その中心線(12

時と 6 時とを通る Z 軸)の左側を 9 時,右側を 3 時と位置付ける。


18

B 7001-1995

附属書 2  試験装置及び測定装置

1.

適用範囲  この附属書は,時計の試験に用いる試験装置及び測定装置について規定する。

2.

試験装置及び測定装置  試験に用いる試験装置及び測定装置は,附属書 表 の仕様及び精度と同等

以上のものとする。

附属書 表 1  試験装置及び測定装置

試験装置及び測定装置

仕様及び精度

歩度測定器

(1)

水晶式の時計の測定 

(a)

高精度の時計の測定    源振精度:±2×10

-8

(約±0.002s/d) 

測定分解能:0.001s/d

(b)

高精度以外の時計の測定    源振精度:±2×10

-7

(約±0.02s/d)

測定分解能:0.01s/d 

(2)

水晶式以外の時計の測定    源振精度:±2×10

-5

(約±2s/d) 

測定分解能:60s/d 以内の読みに対し 5s/d

恒温槽

(1)

設定温度範囲:−10∼+60℃の範囲で設定可能 

(2)

設定温度に対する誤差:±0.5℃

恒温恒湿槽

(1)

設定温湿度範囲:+30∼+55℃,35∼95%の範囲で設定可能

(2)

設定温湿度に対する誤差:±0.5℃,±5%

直流電圧計

測定誤差:±0.5%

定電圧電源装置

(1)

出力電圧:0V から 0.01V 刻みで設定可能 

(2)

リプル:3mV 

(3)

内部抵抗:最大出力電流を流したとき,出力電圧の降下量は 1mV

防水試験機

JIS B 7021

及び JIS B 7023 による。

耐衝撃試験機

附属書 による。

耐磁試験機

JIS B 7024

による。

振動試験機

(1)

設定振動数の範囲:10∼200Hz の範囲で設定可能 

(2)

設定振動数に対する誤差:±3% 

(3)

設定加速度の範囲:0∼150m/s

2

の範囲で設定可能 

(4)

設定加速度に対する誤差:±5%

自記温湿度計

測定誤差  温度:±0.5℃

湿度:±3%

耐静電気試験機

附属書 による。

耐光性試験機

紫外線カーボンアーク灯式耐光性試験機:JIS B 7751 による。

サンシャインカーボンアーク灯式耐光性試験機:JIS B 7753 による。

音圧計

(1)

周波数測定範囲:50∼15kHz の範囲で測定可能 

(2)

測定範囲:50∼100dB の範囲で測定可能


19

B 7001-1995

附属書 3  耐静電気試験

1.

適用範囲  この附属書は,時計の耐静電気試験について規定する。ただし,ウオッチ及び携帯用クロ

ックで水晶式のものに限って適用する。

2.

目的  耐静電気試験は,時計の耐静電気性を試験することを目的とする。

3.

試験方法  試験方法は,次のとおりとする。

(1)

腕時計のバンドは,試験の結果に影響を与えない場合は,取り外して試験してもよい。

(2)

試験室の温度は室温とし,相対湿度は 50%以下とする。

(3)

電圧を加える装置は,4.又は 5.の規定に適合する試験装置とする。

(4)

試験の手順は,次のとおりとする。

(a)

消費電流などの特性を測定する。

(b)  2

時間のならし運転後に,文字板上又は文字板下の姿勢で,歩度を測定する。

(c)

表示状態,運転状態などの機能について,目視点検及び所定の操作を行い,指示差を測定する。

(d)

時計を試験装置に取り付けて,ショート法又は誘電法によって,電圧を加える。

(e)

電圧を加えた後直ちに,文字板上又は文字板下の姿勢で,歩度を測定する。

(f)

指示差を測定した後,表示状態,運転状態などの機能について,目視点検及び所定の操作を行う。

(g)

消費電流などの特性を測定する。

4.

ショート法  ショート法は,次のとおりとする。

(1)

附属書 図 に示すように,時計を接地された導通板の上に置く。時計の姿勢は,文字板上及び文字

板下の 2 姿勢とする。文字板下の姿勢の場合,導通板と時計が導通するようにする。

附属書 図 1  ショート法

(2)

時計の任意の位置に,電圧を加える端子を接触させ,電圧を加える。

備考  抵抗値  (R2),コンデンサ容量  (C)  及び加電圧は,試験の目的・要求によって選択する。

(3)

ショート法の基本回路を,

附属書 図 に示す。


20

B 7001-1995

附属書 図 2  ショート法の基本回路

5.

誘電法  誘電法は,次のとおりとする。

(1)

附属書 図 に示すように,接地された導通板に絶縁シートを載せ,その上に時計を置く。時計の姿

勢は,文字板上及び文字板下の 2 姿勢とする。

附属書 図 3  誘電法

(2)

時計の任意の位置に,電圧を加える端子を接触させ,電圧を加える。

備考  抵抗値  (R2),コンデンサ容量  (C)  及び加電圧は,試験の目的・要求によって選択する。

(3)

誘電法の基本回路を,

附属書 図 に示す。


21

B 7001-1995

附属書 図 4  誘電法の基本回路

6.

点検項目  点検項目は,止まり・指示違いなどの運転状態,表示部の表示状態,その他の機能,消費

電流などの特性及び残留影響とする。

なお,残留影響 E

E

は,式(1)によって算出する。

E

E

M

E

M

O

 (1)

ここに,

M

E

試験後の歩度 (s/d)

M

O

試験前の歩度 (s/d)


22

B 7001-1995

附属書 4  耐衝撃試験

1.

適用範囲  この附属書は,時計の耐衝撃試験について規定する。ただし,耐衝撃性の表示がある時計

(耐衝撃時計)に限って適用する。

2.

目的  耐衝撃試験は,時計を誤って落下させたときに相当する衝撃に耐える特性を試験することを目

的とする。

3.

試験方法  試験は,次の手順で行う。

なお,ウオッチは,バンド一体形のものを除き,バンドを外して試験する。

(1)

衝撃前の歩度及び指示差の測定を,次によって行う。

(a)

ぜんまい式の時計は,ぜんまいを全巻にしてから 60 分後,指示差を測定した後,歩度測定器によっ

て少なくとも各 1 分間,文字板下,6 時上及び 9 時上の姿勢で,順次歩度を測定する。

(b)

水晶式の時計は,試験前のならし運転を最低 2 時間行う。このならし運転後に指示差を測定し,歩

度測定器によって,文字板上又は文字板下の姿勢で歩度を測定する。

(2)

第 1 回目の衝撃を,時計面に平行に 9 時側からケース胴に与える。

(3)

第 2 回目の衝撃を,時計面に垂直にガラス面に与える。

(4)

衝撃後の歩度及び指示差の測定を,次によって行う。

(a)

ぜんまい式の時計は,最後の衝撃を与えてから 5 分後に,指示差を測定した後,歩度測定器によっ

て少なくとも各 1 分間,文字板下,6 時上及び 9 時上の姿勢で,順次歩度を測定する。

(b)

水晶式の時計は,最後の衝撃を与えてから 5 分後に,指示差を測定した後,歩度測定器によって,

文字板上又は文字板下の姿勢で歩度を測定する。

(5)

時計の運転状態・機能・外観について目視点検及び所定の操作を行う。

4.

点検項目  点検項目は,止まり・指示違いなどの運転状態,操作部の操作機能,表示部の表示状態,

その他の機能,外観の変化及び残留影響とする。

なお,残留影響 E

S

は,式(1)によって算出する。

E

S

M

S

M

O

 (1)

ここに,

M

S

試験後の歩度 (s/d)

M

O

試験前の歩度 (s/d)

備考  同一の姿勢で測定した歩度の差を算出し,その最大値を残留影響とする。

5.

試験装置

5.1

共通の仕様  試験装置の共通の仕様は,次のとおりとし,すべての形式の装置について同一とする。

(1)

衝突の速さは,1m の高さから自由落下させたときの衝突の速さ V=4.43m/s とする。

(2)

時計を打つ衝撃板の材料は,四ふっ化エチレン樹脂とする。

また,衝撃つい(槌)と衝撃板の全質量は 3kg 以上とし,衝撃板の寸法は,

附属書 図 のとおり


23

B 7001-1995

とする。

附属書 図 1  衝撃板

5.2

衝撃後の時計捕そく(捉)装置  衝撃後,時計をその軌道に沿って自由に飛ばし,以後いかなる衝

撃も受けない方法で,緩衝的に捕そくする。

5.3

衝撃ついの始動位置  衝撃ついの始動位置の角度

α

は,

式(2)によって算出する。

附届書 図 参照)。

r

VT

π

α

4

2

cos

=

 (2)

ここに,

V

:  衝突の速さ 4.43m/s

T

:  衝撃ついの周期 (s)

r

:  衝撃ついの長さ (m)

備考  周期 は,小さな振幅での 1 振動に要する時間とする(附属書 図 参照)。

附属書 図 2  衝撃ついの始動位置

附属書 図 3  衝撃ついの周期

5.4

時計の位置  時計の位置は,次による。

(1)

時計を,水平な支持台に拘束されないように置く。

(2)

支持台に時計を置く位置は,衝撃ついが平衡点を通る瞬間に衝撃を受けるようにする。

5.5

衝撃の条件  衝撃の条件は,次による。

(1)

衝撃時における衝撃板の面は,垂直で,かつ,衝撃ついの回転軸を含む垂直面に対し平行とする。

(2)

衝撃板は,四ふっ化エチレン樹脂のため摩耗しやすいので,定期的に取り替えるか,又は平らに研磨

する。


24

B 7001-1995

関連規格  ISO 764  Horology−Antimagnetic watches

ISO 1413

  Horology−Shock-resistant watches

ISO 2281

  Horology−Water-resistant watches

ISO 3158

  Timekeeping instruments−Symbolization of control positions

ISO 3159

  Timekeeping instruments−Wrist-chronometers with spring balance oscillator

ISO 3160-2

  Watch cases and accessories−Gold alloy coverings−Part 2:Determination of fineness,

thickness, corrosion resistance and adhesion

ISO 6425

  Divers’ watches


25

B 7001-1995

JIS B 7001

時計−試験方法改正原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

石  坂  昭  夫

東海大学

(幹事)

前  原  芳  文

セイコー電子工業株式会社

(委員)

安  達  俊  雄

通商産業省機械情報産業局産業機械課

竹田原  昇  司

工業技術院標準部機械規格課

加  山  英  男

財団法人日本規格協会

蔵  並  隆  二

国民生活センター

佐  藤  憲  章

東京都消費者センター

剣  持  敏  一

財団法人日本消費者協会

柴  田  輝  子

主婦連合会

石  川  幸  子

消費科学連合会

吉  田      宏

全日本時計宝飾眼鏡商業協同組合連合会

齋  藤  有  常

日本百貨店協会

上  村      勇

社団法人日本時計輸入協会(日本デスコ株式会社)

原  田      猛

株式会社服部セイコー

牛  山  堯  雄

セイコーエプソン株式会社

大久保  善  夫

シチズン時計株式会社

青  木      亘

オリエント時計株式会社

森      重  夫

リコーエレメックス株式会社

伏  見      均

カシオ計算機株式会社

斉  藤      博

株式会社精工舎

寺  島  国  光

リズム時計工業株式会社

浅  川  史  朗

社団法人日本時計協会

(事務局)

樫  村  寿  文

社団法人日本時計協会

中  野  彰  一

社団法人日本時計協会

備考  ○印は分科会委員