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B 6911 : 1999

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日

本工業規格である。これによって JIS B 6911 : 1987 は改正され,この規格に置き換えられる。

今回の改正では,定義,加工法の種類及び記号,加工材料,加工設備,加工方法,加工品の品質などに

ついて,改正が行われた。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。通商産業大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 B

6911

 : 1999

鉄鋼の焼ならし及び焼なまし加工

Process of normalizing and annealing of iron and steel

1.

適用範囲  この規格は,鉄鋼の焼ならし及び焼なまし加工(以下,加工という。)について規定する。

備考  部分熱処理は除く。

2.

引用規格  付表 に示す規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成

する。これらの引用規格は,その最新版を適用する。

3.

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,JIS B 6905 によるほか,次による。

a)

加工材料  加工の対象となる部品及び材料であって,部品とは,機械器具,ジグ,装置又はそれらの

部品で,ほぼ完成若しくはそれに近い状態の鉄鋼製品。材料とは,圧延,鍛造,鋳造などによる鉄鋼

材料及び半成品。

b)

加工品  加工材料について,この規格による加工を終了したもの。

c)

単体  1 個又は一組の加工品。

d)

加熱設備  金属熱処理設備において,熱処理を行うために,加工材料を加熱する設備。

e)

空気炉  加工材料を空気中又は燃料の燃焼気中で加熱する炉。

f)

熱浴槽  加工材料を溶融塩,溶融金属などの熱浴中で加熱又は冷却する設備。

g)

雰囲気炉  加工材料を加熱する雰囲気を,還元性,不活性,脱炭性など,加工の目的に適するように

調整できる加熱炉。

h)

真空炉  加工材料を減圧の空気,不活性ガスなどのガス中で加熱し,冷却する装置で,圧力を加工の

目的に適するように調整できる加熱炉。

i)

流動層炉  加工材料をセラミックスなどの流動粒子を熱媒体として,加熱又は冷却する設備。

4.

加工の種類及び記号  加工の種類及び記号は,加工の方法によって,表 のとおりとする。

表 1  加工の種類及び記号

加工の種類

記号(

1

)

焼ならし HNR

完全焼なまし HAF 
等温焼なまし HAI 
軟化焼なまし HASF

低温焼なまし HAL 
応力除去焼なまし HAR 
球状化焼なまし HAS

(

1

)  JIS B 0122

に準拠する。


2

B 6911 : 1999

5.

加工材料

5.1

加工材料の種類  加工材料の種類は,表 に規定するもの,又は加工品の品質が 8.の規定に適合す

るものでなければならない。

表 2  加工材料の種類

規格番号

種類の記号

a)

棒鋼,形鋼,鋼板,鋼帯

JIS G 3115 SPV235

,SPV315,SPV355,SPV410,SPV450,SPV490

JIS G 3118 SGV410

,SGV450,SGV480

JIS G 3119 SBV1A

,SBV1B,SBV2,SBV3

JIS G 3124 SEV245

,SEV295,SEV345

JIS G 3126 SLA235A

,SLA235B,SLA325A

JIS G 3127 SL2N255

,SL3N255,SL3N275,SL9N520

JIS G 4109 SCMV1

,SCMV2,SCMV3,SCMV4,SCMV5,SCMV6

b)

鋼管

JIS G 3441 SCr420TK

SCM415TK

,SCM418TK,SCM420TK,SCM430TK,SCM435TK,SCM440TK

JIS G 3445 STKM11A

,STKM12A,STKM13A,STKM14A,STKM15A,STKM16A,STKM17A,

STKM18A

,STKM19A,STKM20A

JIS G 3446 SUS430TKA

,SUS410TKA,SUS420J1TKA,SUS420J2TKA

JIS G 3455 STS370

,STS410,STS480

JIS G 3456 STPT370

,STPT410,STPT480

JIS G 3458 STPA12

,STPA20,STPA22,STPA23,STPA24,STPA25,STPA26

JIS G 3459 SUS405TP

,SUS409LTP,SUS430TP,SUS430LXTP,SZS430J1LTP,SUS436LTP,

SUS444TP

JIS G 3460 STPL380

,STPL450,STPL690

JIS G 3461 STB340

,STB410,STB510

JIS G 3462 STBA12

,STBA13,STBA20,STBA22,STBA23,STBA24,STBA25,STBA26

JIS G 3463 SUS405TB

, SUS409TB , SUS409LTB , SUS410TB , SUS410TiTB , SUS430TB ,

SUS430LXTB

,SUS430J1LTB,SUS436LTB,SUS444TB,SUSXM8TB,SUSXM27TB

JIS G 3464 STBL380

,STBL450,STBL690

JIS G 3467 STF410

STFA12

,STFA22,STFA23,STFA24,STFA25,STFA26

JIS G 4903 NCF600TP

,NCF625TP,NCF690TP,NCF800TP,NCF825TP

JIS G 4904 NCF600TB

,NCF625TB,NCF690TB,NCF800TB,NCF825TB

c)

線材・線材二次製品

JIS G 3539 SWCH6A

,SWCH8A,SWCH1A,SWCH12A,SWCH15A,SWCH16A,SWCH18A,

SWCH19A

,SWCH20A,SWCH22A,SWCH10K,SWCH12K,SWCH15K,SWCH16K,

SWCH17K

,SWCH18K,SWCH20K,SWCH22K,SWCH24K,SWCH25K,SWCH27K,

SWCH30K

,SWCH33K,SWCH35K,SWCH38K,SWCH40K,SWCH41K,SWCH43K,

SWCH45K

,SWCH48K,SWCH50K

JIS G 3545 SWCHB220

,SWCHB223,SWCHB226,SWCHB231,SWCHB234,SWCHB237,

SWCHB320

,SWCHB323,SWCHB331,SWCHB334,SWCHB420,SWCHB423,

SWCHB437

,SWCHB526,SWCHB531,SWCHB620,SWCHB623,SWCHB634,

SWCHB637

,SWCHB726,SWCHB731  ,SWCHB734,SWCHB737,SWCHB823

d)

機械構造用炭素鋼・合金鋼

JIS G 4051 S10C

,S12C,S15C,S17C,S20C,S22C,S25C,S28C,S30C,S33C,S35C,S38C,

S40C

,S43C,S45C,S48C,S50C,S53C,S55C,S58C

S09CK

,S15CK,S20CK


3

B 6911 : 1999

規格番号

種類の記号

JIS G 4052 SMn420H

,SMn433H,SMn438H,SMn443H

SMnC420H

,SMnC443H

SCr415H

,SCr420H,SCr430H,SCr435H,SCr440H

SCM415H

,SCM418H,SCM420H,SCM435H,SCM440H,SCM445H,SCM822H

SNC415H

,SNC631H,SNC815H

SNCM220H

,SNCM420H

JIS G 4102 SNC236

,SNC415,SNC631,SNC815,SNC836

JIS G 4103 SNCM220

,SNCM240,SNCM415,SNCM420,SNCM431,SNCM439,SNCM447,

SNCM616

,SNCM625,SNCM630,SNCM815

JIS G 4104 SCr415

,SCr420,SCr430,SCr435,SCr440,SCr445

JIS G 4105 SCM415

,SCM418,SCM420,SCM421,SCM430,SCM432,SCM435,SCM440,

SCM445

,SCM822

JIS G 4106 SMn420

,SMn433,SMn438,SMn443

SMnC420

,SMnC443

JIS G 4107 SNB5

,SNB7,SNB16

JIS G 4108 SNB21-1

∼5,SNB22-1∼5,SNB23-1∼5,SNB24-1∼5

JIS G 4202 SACM645

e)

特殊用途鋼

JIS G 4303 SUS405

,SUS410L,SUS430,SUS430F,SUS434,SUS447J1,SUSXM27,SUS403,

SUS410

,SUS410J1,SUS410F2,SUS416,SUS420J1,SUS420J2,SUS420F,SUS420F2,

SUS431

,SUS440A,SUS440B,SUS440C,SUS440F

JIS G 4304 SUS405

,SUS410L,SUS429,SUS430,SUS430LX,SUS430J1L,SUS434,SUS436L,

SUS436J1L

,SUS444,SUS447J1,SUSXM27,SUS403,SUS410,SUS410S,SUS420J1,

SUS420J2

,SUS429J1,SUS440A

JIS G 4305 SUS405

,SUS410L,SUS429,SUS430,SUS430LX,SUS430J1L,SUS434,SUS436L,

SUS436J1L

,SUS444,SUS447J1,SUSXM27,SUS403,SUS410,SUS410S,SUS420J1,

SUS420J2

,SUS429J1,SUS440A

JIS G 4309 SUS405

SUS430

SUS430F

SUS446

,SUS403,

SUS410

SUS410F2

,SUS416,

SUS420J1

SUS420J2

,SUS420F,SUS420F2,SUS440C

JIS G 4311 SUH446

,SUH1,SUH3,SUH4,SUH11,SUH600,SUH616

SUS405

,SUS410L,SUS430,SUS403,SUS410,SUS410J1,SUS431

JIS G 4312 SUH21

,SUH409,SUH409L,SUH446

SUS405

,SUS410L,SUS430,SUS430J1L,SUS436J1L,SUS403,SUS410

JIS G 4313 SUS420J2-CSP

JIS G 4315 SUS430-WSB

,SUS434-WSB,SUS403-WSB,SUS410-WSB

JIS G 4316 SUSY430

,SUSY410

JIS G 4317 SUS430

JIS G 4401 SK1

,SK2,SK3,SK4,SK5,SK6,SK7

JIS G 4403 SKH2

,SKH3,SKH4,SKH10,SKH51,SKH52,SKH53,SKH54,SKH55,SKH56,

SKH57

,SKH58,SKH59

JIS G 4404 SKS11

,SKS2,SKS21,SKS5,SKS51,SKS7,SKS8,SKS4,SKS41,SKS43,SKS44,

SKS3

,SKS31,SKS93,SKS94,SKS95

SKD1

,SKD11,SKD12,SKD4,SKD5,SKD6,SKD61,SKD62,SKD7,SKD8

SKT3

,SKT4

JIS G 4410 SKC3

,SKC11,SKC24,SKC31

JIS G 4801 SUP3

,SUP6,SUP7,SUP9,SUP9A,SUP10,SUP11A,SUP12,SUP13

JIS G 4802 S50C-CSP

,S55C-CSP,S60C-CSP,S65C-CSP,S70C-CSP

SK5-CSP

,SK4-CSP

SUP10-CSP

JIS G 4804 SUM11

,SUM12,SUM21,SUM22,SUM22L,SUM23,SUM23L,SUM24L,SUM25,

SUM31

,SUM31L,SUM32,SUM41,SUM42,SUM43


4

B 6911 : 1999

規格番号

種類の記号

JIS G 4805 SUJ1

,SUJ2,SUJ3,SUJ4,SUJ5

JIS G 4901 NCF600

,NCF601,NCF62S,NCF690,NCF800,NCF825

JIS G 4902 NCF600

,NCF601,NCF625,NCF690,NCF800,NCF825

f)

鋳鍛造品

JIS G 3201 SF340A

,SF390A,SF440A,SF490A,SF540A,SF590A

JIS G 3202 SFVC1

,SFVC2A,SFVC2B

JIS G 3203 SFVAF1

,SFVAF2,SFVAF12,SFVAF11A,SFVAF11B,SFVAF22A,SFVAF22B,

SFVAF21A

,SFVAF21B,SFVAF5A,SFVAF5B,SFVAF5C,SFVAF5D,SFVAF9

JIS G 3205 SFL1

,SFL2,SFL3

JIS G 3206 SFVCMF22B

,SFVCMF22V,SFVCMF3V

JIS G 3223 SFT590

JIS G 5101 SC360

,SC410,SC450,SC480

JIS G 5102 SCW410

,SCW450,SCW480,SCW550,SCW620

JIS G 5111 SCC3

,SCC5

SCMn1

,SCMn2,SCMn3,SCMn5

SCSiMn2

SCMnCr2

,SCMnCr3,SCMnCr4

SCMnM3

SCCrM1

,SCCrM3

SCMnCrM2

,SCMnCrM3

SCNCrM2

JIS G 5121 SCS1

,SCS2,SCS2A,SCS3,SCS4,SCS5,SCS6

JIS G 5122 SCH1

,SCH2,SCH3

JIS G 5151 SCPH1

,SCPH2,SCPH11,SCPH21,SCPH22,SCPH23,SCPH32,SCPH61

JIS G 5152 SCPL1

,SCPL11,SCPL21,SCPL31

JIS G 5201 SCW410-CF

,SCW480-CF,SCW490-CF,SCW520-CF,SCW570-CF

JIS G 5202 SCPH1-CF

,SCPH2-CF,SCPH11-CF,SCPH21-CF,SCPH32-CF

JIS G 5501 FC100

,FC150,FC200,FC250,FC300,FC350

JIS G 5502 FCD350

,FCD400,FCD450,FCD500,FCD600,FCD700,FCD800

JIS G 5526 D1

,D1.5,D2,D2.5,D3,D3.5,D4,D4.5

JIS G 5702 FCMB270

,FCMB310,FCMB340,FCMB360

JIS G 5703 FCMW330

,FCMW370,FCMW440,FCMW490,FCMW540

JIS G 5704 FCMP440

,FCMP490,FCMP540,FCMP590,FCMP690

g)

電気用材料

JIS C 2503 SUYB0

,SUYB1,SUYB2,SUYB3

JIS C 2504 SUYP0

,SUYP1,SUYP2,SUYP3

5.2

加工材料の履歴  加工材料の履歴については,表 の項目が明らかにされたものでなければならな

い。

表 3  加工材料の履歴

項目

備考

a)

加工材料の材料試験成績

加工材料の種類

化学成分(

2

)

溶解番号(

2

)

引張試験成績(

2

)

硬さ試験成績(

2

)

焼入性試験成績(

2

)

金属組織試験成績(

2

)

結晶粒度,脱炭層,非金属介在物,ミクロ組織及びマクロ組織。


5

B 6911 : 1999

項目

備考

b)

加工材料の製造方法

鋳造

鍛造

熱間・冷間の区別を含む。必要があれば鍛錬成形比。

圧延

熱間・冷間の区別を含む。

押出し

熱間・冷間の区別を含む。

切削加工

プレス加工

熱間・冷間の曲げ及びねじりの区別を含む。

引抜き

熱間・冷間の区別を含む。

転造

熱間・冷間の区別を含む。

溶接

溶接部の有無。

溶断

溶断部の有無。

c)

加工材料の前熱処理の有無及び方法

必要なときは加熱温度,保持時間及び冷却方法を明らかにする。

焼ならし

焼なまし

焼入焼戻し

浸炭焼入焼戻し・浸炭窒化焼入焼戻し

d)

加工材料の前加工及び矯正の有無(

2

)

切削方法及びその条件

塑性加工方法及びその条件

矯正の有無

熱間・冷間の区別を含む。

(

2

)

加工に支障がないときは,省略してもよい。

5.3

加工材料の外観・質量・形状・寸法・精度  加工材料の外観,質量,形状,寸法及び精度について

は,

表 の項目が明らかにされたものでなければならない。

表 4  加工材料の外観・質量・形状・寸法・精度

項目

備考

a)

加工材料の外観

割れ,きず,さび,黒皮など

b)

加工材料の質量(

2

)

c)

加工材料の形状(

2

)

特異形状

肉厚の不同

穴部の形状と位置

d)

加工材料の寸法及び精度(

2

)

寸法

全体の加工代

寸法精度

形状偏差(

3

)

(参考) 形状偏差とは,真直度,平面度,真円度,円筒度,線

の輪郭度及び面の輪郭度をいう。

姿勢偏差(

3

)

(参考) 姿勢偏差とは,平行度,直角度及び傾斜度をいう。

位置偏差(

3

)

(参考) 位置偏差とは,位置度,同軸度,同心度及び対称度を

いう。

(

3

)

各偏差の定義は,JIS B 0621による。

5.4

加工材料の確認  加工材料の受入れに際しては,5.15.3 に規定する加工に必要な項目を受渡当事者

間で確認し,必要があれば JIS G 0565JIS G 0566 及び JIS Z 2343 による方法,その他適切な方法によっ

て,加工材料の品質を明らかにしなければならない。

6.

加工設備

6.1

加熱設備  加熱設備は,次による。


6

B 6911 : 1999

a)

加熱設備は,熱源の種類,雰囲気調整又は熱浴使用の有無,加工の種類及び作業形式の連続・非連続

の別を問わず,有効加熱帯内で加工材料を加熱するとき,保持温度が目的温度に対して,JIS B 6901

で規定する保持温度許容差のいずれかのクラスの許容差内に保持及び調整できなければならない。

備考  加工品の品質の区分にかかわる保持温度許容差のクラスを,明示しなければならない。

b)

燃料を熱源とする空気炉は,炎が加工材料に直接触れて,品質を著しく損なうような構造であっては

ならない。

c)

熱浴槽の熱浴は,加工材料に対し,侵食その他有害な影響を与えるものであってはならない。

d)

雰囲気炉の雰囲気ガス組成は,加工の目的に適するように調整できなければならない。

e)

真空炉の真空度及び雰囲気ガス組成は,加工の目的に適するように調整できなければならない。

f)

流動層炉の流動粒子及び雰囲気ガス組成は,加工の目的に適するように調整できる構造でなければな

らない。

g)

連続式加熱設備は,加熱,保持又は冷却の各領域で,それぞれの目的とする温度に必要時間保持でき

るように設備内の搬送速度を調整できなければならない。

h)

加工の目的による加熱終了後,加工材料を炉中冷却する場合には,冷却過程における加工材料各部の

冷却速度に著しい相違がなく,また,必要な冷却速度に調整できなければならない。

6.2

温度制御設備  検出器,伝送器,表示計器及び調節器の組合せから成る温度制御設備は,次による。

備考  熱電温度制御設備の補償導線は,検出器に含む。

a)

加工設備の温度制御は,6.1 a)の規定に適合しなければならない。

b)

加熱設備は,加熱帯ごとに,加工温度を追跡表示できる温度記録装置をもっていなければならない。

c)

熱電温度制御設備の表示計器に表示される温度指示総合誤差は,加工に必要な指示目盛範囲内で,表

示計器の読みを補正した後,

表 に規定する値に適合しなければならない。

表 5  熱電温度制御設備の温度指示総合誤差

単位  ℃

設定温度

温度指示総合誤差

400

以下

±4

400

を超え

100

T

±

備考  は,設定温度を示す。

6.3

設備の保全  加工設備は,6.16.2 に規定するそれぞれの許容差及び性能を保持できるように適切な

方法で管理し,その記録を保有しなければならない。

7.

加工方法

7.1

加工方法の設定及び作業  加工に際しては,加工材料,加工の種類及び加工品の品質に応じて,使

用する加工設備,加工材料の装入,加熱及び冷却条件,加工後の処理その他必要とする事項について,次

の各項目に示す条件に従い,加工方法を設定したうえで,作業しなければならない。

a)

加工材料の装入  加工材料の装入は,加工材料の装入量,位置及び方向を適切にし,加工による品質

の著しいばらつきがなく,また,割れ,著しい変形など有害な欠陥が発生しないようにして,6.1 a)

で選定したクラスの保持温度許容差内の有効加熱帯に装入する。

なお,この場合ジグを使用するときは,あらかじめその機能を点検しておく。

b)

加工材料の加熱及び冷却  加工材料の加熱及び冷却に際しては,7.1 による作業条件を満足できるよう

にし,適切な方法で確認する。特に加熱に際しては,加工材料の種類,形状,寸法などに応じて昇温


7

B 6911 : 1999

速度を調整し,必要なときには適切な予熱を行う。また,加工材料が目的温度に保持されるように有

効加熱帯の温度を調節し,有害な脱炭,浸炭,侵食などが起こらないように,加熱前及び加熱中にお

いても,雰囲気組成などを調整しなければならない。

なお,冷却に際しては,加工材料の種類,加工目的などに応じて必要な温度範囲を適切な速度で,

加工材料の各部がほぼ一様に冷却されるように調整しなければならない。

c)

加工後の処理  加工後,必要によって曲がりを矯正する場合には,矯正による加工品の残留応力が,

以後の機械加工及び使用上支障を生じないようにし,必要なときには応力除去焼なましを行う。

加工品のスケール除去など清掃処理をする場合には,処理後加工品に,さびなど有害な欠陥が生じ

てはならない。

7.2

加工方法の記録  加工工程の作業方法及び作業条件のうち,必要事項を記録してこれを保有し,必

要なときには,受渡当事者間で確認する。

8.

加工品の品質

8.1

外観  外観は,9.1 の規定によって試験したとき,加工品の表面に,割れ,有害なきずなどの欠陥が

あってはならない。

なお,無酸化加熱による場合には,表面に有害な酸化皮膜があってはならない。

8.2

表面硬さのばらつき  表面硬さのばらつきは,9.2 の規定によって試験したとき,加工品の品質の区

分によって,

表 の許容値を超えてはならない。この加工品の品質の区分の選定は,受渡当事者間の協定

による。

表 6  表面硬さのばらつきの許容値

単体内

同一ロット内

加工品の

品質の区分

HB HV HRB

HS  HB HV HRB

HS

1

号  20 20 5  3 25 25  6  4

2

号  25 25 6  4 35 35  7  5

3

号  30 30 7  5 45 45  9  6

4

号  40 40 8  6 55 55 11  7

備考1. HB,HV,HRB 及び HS の数値は,それぞれの硬さ試験機によっ

て実測で求めるもので,硬さの間には直接の関連性はない。

2.

同一ロットとは,同じロットの加工材料を用いて,バッチ式加工

設備では,1 回の加工による加工品の 1 群をいい,連続式加工設
備では,同一条件で加工されたと認められる加工品の 1 群をいう。

3.

測定箇所は,加工品の形状上,ほぼ同一加工条件と認められる範

囲とする。

8.3

金属組織  金属組織は,9.3 の規定によって試験したとき,加工の種類によって,その目的に適合す

る正常な組織であり,結晶粒の著しい成長,その他有害な欠陥があってはならない。

8.4

変形  変形は,9.4 の規定によって試験したとき,加工品の以後の機械加工及び使用上支障を及ぼさ

ない範囲内になければならない。

なお,変形の許容値については,受渡当事者間の協定による。

8.5

品質の記録  加工品の品質について試験した結果は,必要事項を記録して保有し,必要なときには

受渡当事者間で確認する。

9.

加工品の試験方法


8

B 6911 : 1999

9.1

外観試験  外観試験は,目視又は JIS G 0565 及び JIS Z 2343 のいずれかの試験方法によって行う。

9.2

硬さ試験  硬さ試験は,JIS B 7724JIS B 7725JIS B 7726JIS B 7727 及び JIS B 7734 のいずれ

かの試験機を用いて,JIS Z 2243JIS Z 2244JIS Z 2245 及び JIS Z 2246 のいずれかの試験方法によって

行う。

9.3

金属組織試験  金属組織試験は,JIS G 0551JIS G 0552 及び JIS G 0558 のいずれかの規定による

か,又は受渡当事者間で協定する試験方法によって行う。

なお,金属顕微鏡は,

50

倍以上に拡大できるもので,写真撮影装置付きのものを用いる。

9.4

変形の測定  変形の測定は,JIS B 7502JIS B 7503JIS B 7507JIS B 7514 及び JIS B 7524 のい

ずれかの測定器又は適切な器具を用いて測定する。

10.

加工品の検査  加工品の検査は,外観,表面硬さのばらつき,金属組織及び変形について行い,8.1

8.4

の規定に適合しなければならない。

備考

金属組織の検査は,受渡当事者間の協定によって,省略してもよい。

11.

加工の呼び方  加工の呼び方は,次による。

a)

加工の種類又は記号

b)

加工品の品質の区分

球状化焼なまし品質の区分

1

号の場合

1.

球状化焼なまし

1

2.

 HAS-1

12.

表示  送り状(納品書を含む。)又は荷札に,次の事項を表示する。

a)

加工の種類又は記号

b)

加工品の品質の区分

c)

数量又は質量

d)

加工業者名又はその略号

e)

加工年月日

関連規格

JIS C 1601

  指示熱電温度計

JIS C 1602

  熱電対

JIS C 1605

  シース熱電対

JIS C 1610

  熱電対用補償導線

JIS K 2246

  さび止め油

JIS Z 9902

  品質システム−製造,裾付け及び付帯サービスにおける品質保証モデル

付表 1  引用規格

JIS B 0122

  加工方法記号

JIS B 0621

  幾何偏差の定義及び表示

JIS B 6901

  金属熱処理設備−有効加熱帯及び有効処理帯試験方法

JIS B 6905

  金属製品熱処理用語


9

B 6911 : 1999

JIS B 7502

  マイクロメータ

JIS B 7503

  ダイヤルゲージ

JIS B 7507

  ノギス

JIS B 7514

  直定規

JIS B 7524

  すきまゲージ

JIS B 7724

  ブリネル硬さ試験機

JIS B 7725

  ビッカース硬さ試験−試験機の検証

JIS B 7726

  ロックウェル硬さ試験−試験機の検証

JIS B 7727

  ショア硬さ試験機

JIS B 7734

  ヌープ硬さ試験−試験機の検証

JIS C 2503

  電磁軟鉄棒

JIS C 2504

  電磁軟鉄板

JIS G 0551

  鋼のオーステナイト結晶粒度試験方法

JIS G 0552

  鋼のフェライト結晶粒度試験方法

JIS G 0558

  鋼の脱炭層深さ測定方法

JIS G 0565

  鉄鋼材料の磁粉探傷試験方法及び磁粉模様の分類

JIS G 0566

  鋼の火花試験方法

JIS G 3115

  圧力容器用鋼板

JIS G 3118

  中・常温圧力容器用炭素鋼鋼板

JIS G 3119

  ボイラ及び圧力容器用マンガンモリブデン鋼及びマンガンモリブデンニッケル鋼鋼板

JIS G 3124

  中・常温圧力容器用高強度鋼鋼板

JIS G 3126

  低温圧力容器用炭素鋼鋼板

JIS G 3127

  低温圧力容器用ニッケル鋼鋼板

JIS G 3201

  炭素鋼鍛鋼品

JIS G 3202

  圧力容器用炭素鋼鍛鋼品

JIS G 3203

  高温圧力容器用合金鋼鍛鋼品

JIS G 3205

  低温圧力容器用鍛鋼品

JIS G 3206

  高温圧力容器用高強度クロムモリブデン鋼鍛鋼品

JIS G 3223

  鉄塔フランジ用高張力鋼鍛鋼品

JIS G 3441

  機械構造用合金鋼鋼管

JIS G 3445

  機械構造用炭素鋼鋼管

JIS G 3446

  機械構造用ステンレス鋼管

JIS G 3455

  高圧配管用炭素鋼鋼管

JIS G 3456

  高温配管用炭素鋼鋼管

JIS G 3458

  配管用合金鋼鋼管

JIS G 3459

  配管用ステンレス鋼管

JIS G 3460

  低温配管用鋼管

JIS G 3461

  ボイラ・熱交換器用炭素鋼鋼管

JIS G 3462

  ボイラ・熱交換器用合金鋼鋼管

JIS G 3463

  ボイラ・熱交換器用ステンレス鋼管


10

B 6911 : 1999

JIS G 3464

  低温熱交換器用鋼管

JIS G 3467

  加熱炉用鋼管

JIS G 3539

  冷間圧造用炭素鋼線

JIS G 3545

  冷間圧造用ボロン鋼線

JIS G 4051

  機械構造用炭素鋼鋼材

JIS G 4052

  焼入性を保証した構造用鋼鋼材(

H

鋼)

JIS G 4102

  ニッケルクロム鋼鋼材

JIS G 4103

  ニッケルクロムモリブデン鋼鋼材

JIS G 4104

  クロム鋼鋼材

JIS G 4105

  クロムモリブデン鋼鋼材

JIS G 4106

  機械構造用マンガン鋼鋼材及びマンガンクロム鋼鋼材

JIS G 4107

  高温用合金鋼ボルト材

JIS G 4108

  特殊用途合金鋼ボルト用棒鋼

JIS G 4109

  ボイラ及び圧力容器用クロムモリブデン鋼鋼板

JIS G 4202

  アルミニウムクロムモリブデン鋼鋼材

JIS G 4303

  ステンレス鋼棒

JIS G 4304

  熱間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯

JIS G 4305

  冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯

JIS G 4309

  ステンレス鋼線

JIS G 4311

  耐熱鋼棒

JIS G 4312

  耐熱鋼板

JIS G 4313

  ばね用ステンレス鋼帯

JIS G 4315

  冷間圧造用ステンレス鋼線

JIS G 4316

  溶接用ステンレス鋼線材

JIS G 4317

  熱間圧延ステンレス鋼等辺山形鋼

JIS G 4401

  炭素工具鋼鋼材

JIS G 4403

  高速度工具鋼鋼材

JIS G 4404

  合金工具鋼鋼材

JIS G 4410

  中空鋼鋼材

JIS G 4801

  ばね鋼鋼材

JIS G 4802

  ばね用冷間圧延鋼帯

JIS G 4804

  硫黄及び硫黄複合快削鋼鋼材

JIS G 4805

  高炭素クロム軸受鋼鋼材

JIS G 4901

  耐食耐熱超合金棒

JIS G 4902

  耐食耐熱超合金板

JIS G 4903

  配管用継目無ニッケルクロム鉄合金管

JIS G 4904

  熱交換器用継目無ニッケルクロム鉄合金管

JIS G 5101

  炭素鋼鋳鋼品

JIS G 5102

  溶接構造用鋳鋼品

JIS G 5111

  構造用高張力炭素鋼及び低合金鋼鋳鋼品


11

B 6911 : 1999

JIS G 5121

  ステンレス鋼鋳鋼品

JIS G 5122

  耐熱鋼鋳鋼品

JIS G 5151

  高温高圧用鋳鋼品

JIS G 5152

  低温高圧用鋳鋼品

JIS G 5201

  溶接構造用遠心力鋳鋼管

JIS G 5202

  高温高圧用遠心力鋳鋼管

JIS G 5501

  ねずみ鋳鉄品

JIS G 5502

  球状黒鉛鋳鉄品

JIS G 5526

  ダクタイル鋳鉄管

JIS G 5702

  黒心可鍛鋳鉄品

JIS G 5703

  白心可鍛鋳鉄品

JIS G 5704

  パーライト可鍛鋳鉄品

JIS Z 2243

  ブリネル硬さ試験−試験方法

JIS Z 2244

  ビッカース硬さ試験−試験方法

JIS Z 2245

  ロックウェル硬さ試験−試験方法

JIS Z 2246

  ショア硬さ試験方法

JIS Z 2343

  浸透探傷試験方法及び浸透指示模様の分類

JIS B 6911

改正原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

金  武  典  夫

金属技術研究所

(幹事)

喜  多  正  吾

田村工業株式会社

(委員)

小  谷  泰  久

通商産業省機械情報産業局

本  間      清

通商産業省工業技術院標準部

鳥  坂  泰  憲

通商産業省工業技術院機械技術研究所

藤  木      栄

東京都立産業技術研究所

黒  木  勝  也

財団法人日本規格協会

滝  島  延  雄

社団法人日本熱処理技術協会

桜  田      徹

社団法人自動車技術会(三菱自動車工業株式会社)

森  定  祝  雄

日立協和エンジニアリング株式会社

菅  浦  幸  雄

三菱重工業株式会社相模原製作所

石  毛  健  吾

石川島播磨重工業株式会社

林          廣

株式会社小松製作所小山工場

鈴  木  健  司

株式会社オーネックス

鎌  田  正  彦

日本電子工業株式会社

酒  井  正  光

桜井興産株式会社

塚  原  和  俊

東武冶金株式会社久喜工場

山  方  三  郎

オリエンタルエンヂニアリング株式会社

高  崎      昇

株式会社八木製作所

三  木      泰

株式会社東洋金属熱錬工業所

梅  根      昭

光洋熱処理株式会社

(事務局)

山  口  弘  造

日本金属熱処理工業会

備考  ○印は,分科会委員も兼ねる。

△印は,分科会だけの委員

文責  金武典夫