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日本工業規格

JIS

 B

6607

-1983

送材車付き帯のこ盤の構造の安全基準

Safety Standards for Construction of Band Saw Machines with Feed

Carriages

1.

適用範囲  この規格は,送材車付き帯のこ盤(

1

)

(以下,帯のこ盤という。

)の安全構造,安全装置,取

扱説明書,検査票及び表示について規定する。

(

1

)  JIS B 0114

(木材加工機械の名称に関する用語)を参照。

引用規格:

JIS B 0114

  木材加工機械の名称に関する用語

JIS G 3101

  一般構造用圧延鋼材

JIS G 4051

  機械構造用炭素鋼鋼材

JIS G 5501

  ねずみ鋳鉄品

関連規格:JIS B 6507  木材加工機械の安全通則

JIS B 6509

  帯のこ盤・送材車の試験及び検査方法

2.

用語の意味  この規格で用いる主な用語の意味は,次による。

(1)

駆動のこ車  帯のこ盤を構成する二つののこ車のうち,電動機で駆動されるのこ車。

(2)

切削側  帯のこ盤を構成する二つののこ車で張られた帯のこの直線部のうち,工作物を切削する側。

(3)

せり装置  帯のこの横方向の振れを抑止する装置。せり棒,せり棒保持器,せりアームなどで構成さ

れる。

(4)

緊張力  帯のこ盤を構成する二つののこ車で帯のこに与える引っ張りの力。

(5)

ふところ  上部のこ車を保持するフレームと切削側帯のこの直線部との空間。

(6)

乗車式送材車  走行操作を車上で行う方式の送材車。

(7)

中立位置  送材車を前進,後退のいずれへも作動させない操作レバーの位置。

3.

安全構造

3.1

始動スイッチ  始動スイッチ(動力の始動及び遮断スイッチをいう。)は,次による。

(1)

始動スイッチは,作業者が作業位置を離れることなく操作できる位置に備える。

なお,帯のこ盤本機の始動に限っては,作業位置にかかわらず帯のこの状態が確認でき,かつ,そ

の調節のできる位置で操作できるものでなければならない。

(2)

始動スイッチは,容易に操作できるもので,かつ,接触,振動などにより不意に作動するおそれがな

いものとする。


2

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3.2

再始動防止装置  帯のこ盤には停電時又は駆動用電源を開路にした場合,自動的に開の状態を保持

し,停電の復元後又は駆動用電源を閉路にした場合,自動的に帯のこ盤本機,送材車が再始動することを

防止するための装置を備える。

3.3

のこ車  のこ車は,次による。

(1)

のこ車は,帯のこによる緊張力,遠心力,制動力など作用する力に対して,十分な強度をもつもので

あること。

(2)

駆動のこ車の材料は,JIS G 5501(ねずみ鋳鉄品)の FC20 又はこれと同等以上の機械的性質をもつも

のとする。

(3)

のこ車軸の材料は,JIS G 4051(機械構造用炭素鋼鋼材)の S45C 又はこれと同等以上の機械的性質を

もつものとする。

3.4

駆動のこ車の制動装置  駆動のこ車の制動装置は,次による。

(1)

駆動のこ車には,その運動を有効に制動することができる制動装置を備える。

(2)

制動装置は,容易に操作できるもので,常に機能が十分働くように調節できる構造であること。

(3)

操作機構が手動又は足踏み操作による制動装置は,次の各項に適合するものであること。

(a)

操作方向は,非切削側であること。

(b)

転倒,転落などを防止するため,取手を設ける。

(c)

足踏み用ペダルは,表面に滑り止めを施し,水平位置より下降しないためのストッパを設ける。

3.5

帯のこ緊張装置  帯のこ緊張装置は,次による(図 参照)。

(1)

帯のこが,のこ幅,のこ厚,切削条件などに対応して常に適正な緊張力を保持し,かつ,適切な感度

をもって作動する機構のものであること。

(2)  (1)

に示す適正な緊張力を常に保持するため,何らかの原因で異常な緊張力となった場合,帯のこ盤本

機は始動できず,また運転中のものは警報を発する機構,又は動力が遮断され自動的に制動装置が作

動する機構などを備えることが望ましい。

(3)

レバー式帯のこ緊張装置の突上げロッド,ナイフエッジ受け軸及びナイフエッジの材料は,JIS G 4051

の S45C 又はこれと同等以上の機械的性質をもつものとし,必要部分は硬化処理を行い,耐摩耗性を

高くする。

(4)

帯のこがのこ車から外れるなど,異常な走行挙動を防止する機能を備えた緊張装置を設置するか,又

はその挙動を検知し警報を発する機構若しくは直ちに動力を遮断し,自動的に制動装置が作動する機

構などを備えることが望ましい。


3

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図 1  帯のこ緊張装置

備考  図は一例を示すものであって,構造を規定するものではない。

3.6

上部のこ車の傾斜装置  上部のこ車の傾斜装置は運転中,操作ハンドルに不意の力が加わっても,

のこ車の傾きが変化しない機構でなければならない。

3.7

せり装置  せり装置は,次による(図 参照)。

(1)

せり捧は,のこ幅によって固定位置を容易に調節できるものであること。

(2)

せりアームの昇降操作は,のこ歯に接触するおそれがない位置で行うことができるものであること。

(3)

上部せり棒保持器は,その下端と工作物との間隔ができるだけ小さくなる位置まで下降できるもので

あること。

図 2  せり装置

備考  図は一例を示すものであって,構造を規定するものではない。


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3.8

のこ車及び帯のこの付着物除去装置  帯のこ盤には,のこ車及び帯のこに付着するのこくず(屑),

樹脂などを除去する付着物除去板,給油装置などの付着物除去装置を備える。

なお,付着物除去装置は,のこ車及び帯のこに損傷を与えるおそれがないものでなければならない。

3.9

下部のこ車の木くず(屑)など巻込み防止装置  下部のこ車と帯のことの間に木くず(屑),樹皮な

どを巻き込むおそれがある箇所に巻込み防止装置を備える。

なお,巻込み防止装置の帯のこに近接する部分は,帯のこに損傷を与えるおそれがない材料を用い,容

易に交換できるものでなければならない。

3.10

ヘッドストック  ヘッドストックは,次による。

(1)

ヘッドストックの前進又は後退運動に対しては,オーバーラン防止装置を備えていること。

(2)

手動式のテーパセット装置では,つめがテーパセット扇板の溝から外れ,テーパセットレバーが急激

に倒れるおそれのない構造であること。

3.11

手動式歩出し装置  手動式歩出し装置は,次による。

(1)

手動式歩出し装置のつめ及びつめ車の歯部の材料は,JIS G 4051 の S45C 又はこれと同等以上の機械

的性質をもつものとし,つめの先端及びつめ車の歯部は,硬化処理を行って耐摩耗性を高くするもの

とする。

(2)

手動式歩出し装置のつめ上げ装置は,つめ上げレバーを操作したとき,各送りづめの先端とつめ車の

歯の先端との間隔が 3mm 以上に保たれ,かつ,ヘッドストックの急速開閉装置と連動する構造のも

のであること。

3.12

かすがい装置  かすがい装置は,次による。

(1)

かすがい装置は,工作物を確実に保持し,増し締めができる構造であること。

(2)

かすがいの材料は,JIS G 3101(一般構造用圧延鋼材)の SS41 又はこれと同等以上の機械的性質をも

つものとし,先端は硬化処理を行って耐摩耗性を高くするものとする。

(3)

下部かすがいは,上部かすがいより帯のこ側に出ないようにするか,又はヘッドブロックの先端より

5mm

以上出ない構造とする。ただし,手動式かすがい装置では,下部かすがいの出が確認できる構造

のものでもよい。

3.13

オフセット装置  オフセット装置は,次による。

(1)

送材車の前進及び後退に応じて確実に作動するもので,かつ,各オフセット装置ごとにオフセット量

調節機能を備えていること。

(2)

送材車の前進及び後退に応じて,その走行距離が 300mm 以内に作動が完了する構造のものであるこ

と。

(3)

最小オフセット量が 9mm 以上のものであること。

(4)

送材車には,2 か所以上にオフセット装置を装備し,少なくとも前端部の車軸及び後端部(補助送材

車を除く。

)の車軸には必ず備えていること。

3.14

送材車走行装置  ワイヤロープをドラムに巻くことによって,送材車を走行させる装置は,次によ

る。

(1)

ワイヤドラムのピッチ円の直径と,当該ドラムに巻き込まれるワイヤロープの直径との比の値及びシ

ーブのピッチ円の直径と,当該シーブを通るワイヤロープの直径との比の値は,16 以上であること。

(2)

巻き込まれるワイヤロープの方向と溝付きドラムの溝とのなす角度は,4 度以下であること。

(3)

ワイヤロープがシーブに巻き込まれる角度は,2 度以下であること。

(4)

ワイヤロープとドラム,フックブロックなどとの連結は,合金詰めソケット止め,クランプ止め,コ


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ッタ止め,クリップ止めなど堅固に結合できる方法によって行う。

(5)

ワイヤロープの取付け部には,ワイヤロープを適正に張ることのできる緊張調整装置を備える。

(6)

ワイヤロープは,次による。

(a)

ワイヤロープの安全率(ワイヤロープの切断荷重の値を当該ワイヤロープにかかる荷重の最大の値

で除した値)は,5 以上とする。

(b)

ワイヤロープの余巻きは,ドラムにワイヤロープの一端をそれぞれ固定する形式のものでは,送材

車の位置が最も遠い場合でもドラムに 2 巻き以上残るものとし,また摩擦によってワイヤロープが

駆動される形式のものでは、ドラムに 6 巻き以上残るものであること。

3.15

送材車走行用操作レバー  送材車走行用操作レバー(以下,操作レバーという。)の操作方向は,送

材車の走行方向と同一であって,次の各項のいずれかに該当するものであること。ただし,(2)又は(3)によ

ることが望ましい。

(1)

中立位置に戻して操作レバーから手を離すと,そのレバーが自動的にロックされ,かつ,それが確認

できる機構であって,振動,接触などの外力により不意に作動するおそれがないこと。

(2)

操作レバーから手を離すと,そのレバーが自動的に中立位置に復元し,ロックされる機構であって,

振動,接触などの外力により不意に作動するおそれがないこと。

(3)

操作レバーから手を離すと,走行用電動機が停止する構造であること。

3.16

移動電線装架装置  移動電線を装備する送材車は,移動電線に著しく引っ張り,ねじれなどを与え

ないため,移動電線装架装置を備える。

3.17

送材車運転箇所の床など  送材車運転箇所の床などは,次による。

(1)

乗車式送材車の運転箇所は,つまずき,滑りなどのおそれがない作業床を備え,かつ,手すり又は握

り棒などを備えていること。

(2)

歩出し装置及びかすがい装置などを操作する作業者が乗車する送材車には,つまずき,滑りなどのお

それのない作業床を備え,かつ,適当な箇所に転落防止のための手すり又は握り棒などを備えている

こと。

3.18

軌道内の障害物排除装置  軌道内の障害物排除装置は,次による。

(1)

送材車の前端部及び後退部には,軌道内の障害物を排除するため,障害物排除装置を備えていること。

(2)

前項の障害物排除装置は,その下端とレール表面との間隔が 6mm 以下となるものとする。

3.19

車輪及びレールの付着物除去装置  送材車には,車輪とレールの接触面に付着するのこくず(屑),

樹皮などを除去するため,付着物除去装置を備えるものとする。

3.20

送材車暴走停止装置  送材車の走行路の両端には,送材車の暴走を防止するための暴走停止装置を

備えるものとする。

4.

安全装置

4.1

のこ歯の覆い  のこ歯の覆いは,工作物の切削に必要な帯のこの部分を除いて,のこ歯を覆うこと

ができる構造のものとする。

なお,工作物の切削側ののこ歯の覆い(以下,接触予防装置という。

)は,次による。

(1)

材料は,厚さ 1mm 以上の鋼板又はこれと同等以上の強度をもつものであること。

(2)

接触予防装置とせり棒保持器とは一体の構造とし,昇降操作は機械的にできるものであること。

(3)

接触予防装置は,ふところ側を除いた三面を覆い,前面は開閉できるものであること。

(4)

接触予防装置は,せり棒保持器を下限位置まで下げた場合でも,その上端と上部のこ車の覆いの下端


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との間に,のこ歯が露出しないものであること。

(5)

前方の見通しを著しく妨げる構造でないこと。

4.2

のこ車の覆い  のこ車の覆いは,次による。

(1)

材料は,厚さ 1mm 以上の鋼板又はこれと同等以上の強度をもつものであること。

(2)

のこ車の上面及び前後左右の面を覆うものであること。

なお,上部のこ車の覆いは,のこ車を下限位置まで下げた場合でも,のこ車の下端まで覆われるも

のであること。

(3)

ピットの覆いを兼ねる下部のこ車の覆いの材料は,厚さ 3mm 以上の鋼板又はこれと同等以上の強度

をもつものであること。

(4)

上部のこ車の覆いには,帯のこの破断による帯のこ及び破片の飛び出しを防止するため,有効な緩衝

材による内張りを施す。

(5)

上部のこ車の最高位置での上端と覆いの内張りの表面との間隔は,100mm 以上とする。

(6)

上部のこ車の覆いには,内面ののこ歯側の適当な箇所に,のこ車から外れた帯のこを受けとめるため

ののこ受けを設ける。

(7)

上部のこ車の覆いには,のこ車と帯のことの位置関係を確かめるのぞ(覗)き窓を設けることができ

る。ただし,この場合には,開口部の強度が十分に保たれるものであること。

4.3

危険区域への立入りによる自動警報装置及び送材車自動停止装置  危険区域へ作業者などが立ち入

る場合,送材車の走行操作者に警告を与える自動警報装置又は送材車の自動停止装置を装備する。

5.

取扱説明書  帯のこ盤には,取扱説明書を添付し,その取扱説明書には形式・仕様・構造・使用帯の

こ・操作・保全・点検・整備・据付け・その他安全上の留意事項など,安全確保に必要な事項を記載する。

6.

検査票  帯のこ盤には,安全に関する検査票(検査項目とその結果)を添付する。

7.

表示  帯のこ盤には,見やすい箇所に容易に消えない方法で,次の事項を表示するものとする。

(1)

製造業者名

(2)

製造年月及び製造番号

(3)

形式

(4)

定格出力又は定格電流

(5)

定格電圧

(6)

無負荷回転速度

(7)

緊張倍率

(8)

標準分銅の質量及び標準油圧(のこ幅,のこ厚さなどに応じ,帯のこに適正な緊張力を与える標準分

銅の質量及び標準油圧)

(9)

最高走行速度

(10)

ヘッドブロックの有効開き

(11)

かすがいの有効開き

(12)

最大積載寸法[工作物の長さ×高さ(直径)

(13)

最大積載荷重

(14)

送材車質量


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(15)

その他安全上,特に必要な事項

工作機械部会  木工機械専門委員会  構成表

氏名

所属

(委員会長)

林      大九郎

束京農業大学農学部

杉  原  彦  一

京都大学農学部

福  井      尚

名古屋大学農学部

熊  野  英  昭

通商産業省機械情報産業局

小  俣  和  夫

労働省労働基準局

岡  本  純  三

千葉大学工学部

鈴  木      寧

農林水産省林業試験場

木  下  直  治

職業訓練大学校

小  栁  武  昭

工業技術院標準部

谷  尻  正  三

株式会社中国機械製作所

上  杉      正

株式会社ウロコ製作所

福  田  良  平

株式会社菊川鉄工所

谷  野  八  郎

庄田鉄工株式会社

内  藤  義  雄

株式会社大平製作所

村  上      勝

社団法人全国木工機械工業会

佐  藤  正  徳

株式会社佐藤製材所

井  上  哲  男

東和木材株式会社

児  玉      実

木材加工技術コンサルタント

河  野  勝  彦

社団法人全国家具工業連合会

桜  井      昭

開成産業株式会社

望  月  善  治

野田合板株式会社資材部

池  谷  一  好

日本楽器製造株式会社天龍工場

公  平  秀  蔵

社団法人全国木材組合連合会

(事務局)

桜  井  俊  彦

工業技術院標準部機械規格課

岡  島  弘  二

工業技術院標準部機械規格課