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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

B 6514-1989 

角のみ盤の試験及び検査方法 

Test Methods for Performance and Accuracy of 

Hollow Chisel Mortising Machines 

1. 適用範囲 この規格は,角のみの大きさが6mm以上30mm以下のJIS B 0114(木材加工機械の名称に

関する用語)の番号6521に規定する角のみ盤の機能,運転性能及び剛性に関する試験方法並びに静的精度

及び工作精度の検査方法について規定する。 

備考 この規格の中で{ }を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって,参

考として併記したものである。 

引用規格及び関連規格:6ページに示す。 

2. 機能試験方法 角のみ盤の機能試験は,表1による。 

表1 機能試験 

番号 

試験項目 

試験方法 

電気装置 

運転試験の前後に,各1回絶縁状態を試験する。 

主軸の始動,停止及び運転操作 適当な一つの主軸回転速度で,始動及び停止を連続10回行い,作動の円滑さ及び確

実さを試験する。 

主軸回転速度の変換操作 

表示のすべての回転速度について主軸回転速度を変換し,操作装置の作動の円滑さ

及び指示の確実さを試験する。 

送り速度の変換操作 

表示のすべての送り速度について速度を変換し,操作装置の作動の円滑さ及び指示

の確実さを試験する。 

手送りの操作 

手送りハンドルによって,動きの全長にわたって作動の円滑さ及び均一さを試験し,

また微動手送りハンドルを数回回転し,円滑さ及び均一さを試験する。 

主軸頭の昇降及び締付けの操

作と自動停止の操作 

主軸頭を昇降させ,動きの全長にわたって作動の円滑さ及び均一さを試験し,動き

の両端及び中央において,締付けの確実さ及び締付装置の作動の円滑さを試験する。 

また,動きの両端において,自動停止装置の作動の円滑さ及び確実さを試験する。 

テーブルの昇降及び締付けの

操作 

テーブルを昇降させ,動きの全長にわたって作動の円滑さ及び均一さを試験する。

また,動きの両端及び中央において,締付けの確実さ及び締付装置の作動の円滑さ

を試験する。 

角のみの取付け及び取外し 

角のみの取付け,取外し及び締付けねじの確実さ及び円滑さを試験する。 

工作物の取付け及び取外し 

工作物の取付け,取外し及び締付けねじの確実さ及び円滑さを試験する。 

10 

安全装置 

作業者に対する安全機能及び機械防護機能の確実さを試験する[JIS B 6507(木材加

工機械の安全通則)参照]。 

11 

潤滑装置 

油密,油量の適正な配分など,機能の確実さを試験する。 

12 

油圧装置 

油密,圧力調整など,機能の確実さを試験する。 

13 

空気圧装置 

気密,圧力調整など,機能の確実さを試験する。 

14 

附属装置 

機能の確実さを試験する。 

備考 その機能をもたない角のみ盤では,表1中のこれに該当する試験項目を省略する。 

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B 6514-1989  

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3. 運転試験方法 

3.1 

無負荷運転試験 主軸を回転させ,30〜60分間運転を継続して軸受温度が安定した後,所要電力及

び騒音を測定し,表2の記録様式1に規定する各項について記録するとともに,異常振動がないことを感

触によって観察する。 

なお,騒音の測定は,JIS B 6521(木材加工機械の騒音測定方法)による。 

表2 記録様式1 

備考1. 主軸回転速度の変速装置があるものは,最大回転速度を含む少なくとも2水準の回転速度

について記録する。 

2. 騒音測定条件については,記事欄に記録する。 

3.2 

負荷運転試験 試験材のほぞ穴切削を行い,所要電力及び騒音を測定し,表3の記録様式2に規定

する各項について記録するとともに,異常振動がないこと及び切削面の状態を感触によって観察する。 

所要電力の測定は,送り速度を一定とし,角のみの大きさを変えるか,又は角のみの大きさを一定とし,

送り速度を変えて試験を行う。 

表3 記録様式2 

備考1. 試験材の切削方向及び騒音測定条件については,記事欄に記録する。 

2. 刃形は,図示して主要寸法を記入する。 
3. 手動のものについては,所要電力は測定しなくてよい。 
4. 穴の深さは,30mm以上とする。 

4. 剛性試験方法 角のみ盤の剛性試験は,表4による。 

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B 6514-1989  

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表4 剛性試験 

番号 

試験項目 

測定方法 

測定方法図 

主軸系の
曲げ剛性 

定置したテストインジケータを主軸(1)先端部
(側面)に当てて,主軸に水平方向に互いに
向き合った荷重 (P) を加えて(2),主軸のたわ
みを測定する。 
この測定は,左右及び前後方向のそれぞれに
ついて行う。 

角のみ取
付部とテ
ーブルの
総合剛性 

角のみ取付部(3)とテーブル(4)との間に,垂直
方向に荷重 (P) を加えたときの角のみ取付部
とテーブル上面との間の相対変位を,左右及
び前後方向について測定する。 

注(1) この測定は,主軸を回転させ,軸受温度が安定した後に行う。 

(2) 荷重を加える位置は,できるだけ主軸端に近い位置とし,その主軸端からの距離を記録する。 
(3) 主軸頭又は主軸スリーブを昇降するものについては,その動きの中央に固定して測定を行う。 
(4) テーブルを昇降するものについては,その動きの中央に固定して測定を行う。 

備考1. 同一設計の機械の剛性試験は,代表的な1台について行った試験結果で代表させ,他のものについては省略

してもよい。 

2. 荷重 (P) の大きさについては,製造業者の推奨する荷重 (P) を加えて行い,その荷重 (P) を記録する。 

5. 静的精度検査方法 角のみ盤の静的精度検査は,表5による。 

表5 静的精度検査 

単位 mm 

番号 

検査項目 

測定方法 

測定方法図 

許容値 

テーブル上
面の真直度 

テーブル上面に500mmの直定規(5)を対
角線上に置き,すきまをすきまゲージで
測定し,その最大値を測定値とする。 

500につい
て 

0.05 

主軸の振れ 主軸のチャック取付部にテストインジ

ケータを当てて,主軸を手動で回転し,
回転中におけるテストインジケータの
読みの最大差を測定値とする。 

0.03 

チャックの
振れ 

チャックにテストバーをはめ,その口元
及び先端にテストインジケータを当て
て,チャックを手動で回転し,回転中に
おけるテストインジケータの読みの最
大差を測定値とする。 

テストバー
の口元で 

0.12 

テストバー
の口元から
100の位置
で 

0.14 

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単位 mm 

番号 

検査項目 

測定方法 

測定方法図 

許容値 

定規面の真
直度 

定規面上に直定規を対角線上に置き,す
きまをすきまゲージで測定し,その最大
値を測定値とする。 

500につい
て 

0.05 

定規面とテ
ーブル上面
との直角度 

直角定規をテーブル上面に立て,定規面
に当てて,すきまをすきまゲージで測定
し,その最大値を測定値とする。 

100につい
て 

0.04 

上開きであ
ってはなら
ない 

テーブルの
左右運動と
定規面との
平行度 

テストインジケータを定規面に当てた
直定規に当てて,テーブルを左右に移動
させ,テストインジケータの読みの最大
差を測定値とする。 

300につい
て 

0.08 

テーブルの
前後運動と
定規面との
直角度 

直角定規を倒してテーブル上面に置き,
その一辺を定規面に当てて,テストイン
ジケータを直角定規の他の一辺に当て,
テーブルを前後に移動させ,テストイン
ジケータの読みの最大差を測定値とす
る(6)。 

100につい
て 

0.04 

テーブルの
左右運動と
その上面と
の平行度 

テストインジケータをテーブル上面に
置いた直定規の上に当てて,テーブルを
左右に移動させ,全移動距離内における
テストインジケータの読みの最大差を
測定値とする(6)。 

300につい
て 

0.06 

テーブルの
前後運動と
その上面と
の平行度 

テストインジケータをテーブル上面に
置いた直定規の上に当てて,テーブルを
前後に移動させ,全移動距離内における
テストインジケータの読みの最大差を
測定値とする(6)。 

200につい
て 

0.04 

10 

テーブ
ル上面
と主軸
の上下
運動と
の直角
度 



テーブル上面(7)に直角定規を立て,主軸
頭に固定したテストインジケータをこ
れに当てて,主軸を上下に移動させ,テ
ストインジケータの読みの最大差を測
定値とする(6)。 

100につい
て 

0.05 

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B 6514-1989  

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単位 mm 

番号 

検査項目 

測定方法 

測定方法図 

許容値 



100につい
て 

0.05 

11 

テーブ
ル上面
とテー
ブル上
下運動
との直
角度 



テーブル上面(7)に直角定規を立て,テス
トインジケータをこれに当てて,テーブ
ルを下降位置から上昇させ,上昇中にお
けるテストインジケータの読みの最大
差を測定値とする(6)。 

100につい
て 

0.05 



100につい
て 

0.05 

12 

主軸中
心線と
テーブ
ル上面
との直
角度 



直定規をテーブル上面の左右及び前後
方向に置き,主軸に固定したテストイン
ジケータをこれに当てて,180°振り回
し,テストインジケータの読みの最大差
を測定値とする(6)。 

振り回し直
径300につ
いて 

0.10 



振り回し直
径300につ
いて 

0.10 

13 

主軸中心線
と角のみ取
付穴の同軸
度 

角のみ取付穴にテストバーを取り付け,
主軸に固定したテストインジケータを
これに当てて,主軸を手動で回転し,回
転中におけるテストインジケータの読
みの最大差の21を測定値とする。 

テストバー
の口元で 

0.05 

 
テストバー
の口元から
100の位置
で 

0.08 

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B 6514-1989  

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単位 mm 

番号 

検査項目 

測定方法 

測定方法図 

許容値 

14 

主軸の軸方
向の動き 

テーブル上面にテストインジケータを
定置し,主軸端面をこれに当てて,主軸
を軸方向に揺すり(8),テストインジケー
タの読みの最大差を測定値とする。 

0.10 

注(5) 測定距離が基準より小さい場合には,測定の許容値の数値を距離に比例させて換算する。 

(6) 読みを取る際は,ひざを固く締める。 
(7) テーブルは,左右及び前後の動きの中央に置く。 
(8) 軸方向に揺する力は,約150N{約15kgf}とする。 

備考 その機能をもたない角のみ盤では,表5中のこれに該当する検査項目を省略する。 

6. 工作精度検査方法 角のみ盤の工作精度検査は,表6による。 

表6 工作精度検査 

単位 mm 

番号 

検査項目 

測定方法 

測定方法図 

許容値 

ほぞ穴
の直角
度 



厚さ約50mmの試験材を12mmの角のみ
で突抜け加工した後,テストバーを差し
込み,これに試験材上面に立てた直角定
規を左右及び前後方向にテストバー面に
当てて,すきまをすきまゲージで測定し,
その最大値を測定値とする。 

50について 

0.10 



50について 

0.10 

備考 試験材は,あらかじめ必要な前加工を行う。 

引用規格: 

JIS B 0114 木材加工機械の名称に関する用語 

JIS B 6507 木材加工機械の安全通則 

JIS B 6521 木材加工機械の騒音測定方法 

関連規格:JIS B 6501 木材加工機械の試験方法通則 

JIS Z 8203 国際単位系 (SI) 及びその使い方 

B 6514-1989  

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木材加工機械関係JIS原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

福 井   尚 

東京農業大学農学部 

木 下 敍 幸 

農林水産省林野庁林業試験場 

中 田 哲 雄 

通商産業省機械情報産業局(昭和62年11月まで) 

桑 原 茂 樹 

通商産業省機械情報産業局(昭和62年11月から) 

鈴 木 茂 光 

工業技術院標準部 

喜多山   繁 

東京農工大学農学部 

池 田 順 一 

財団法人日本規格協会 

久保田 光 秋 

マルクワ家具株式会社 

佐 藤   久 

社団法人全国家具工業連合会 

神 馬 光 廣 

株式会社神馬木工場 

相 川 敏 正 

全国建具組合連合会 

児 玉   実 

木材加工技術コンサルタント 

谷 野 八 郎 

庄田鉄工株式会社 

川 端 宗 之 

株式会社菊川鉄工所 

後 藤 英 夫 

株式会社東洋鉄工所 

墨 岡   勇 

株式会社平安鉄工所 

植 田 千 秋 

株式会社丸仲鐵工所 

名 取 平 二 

宮川工機株式会社 

村 上   勝 

社団法人全国木工機械工業会 

(事務局) 

佐久間 章 雄 

社団法人全国木工機械工業会