>サイトトップへ >このカテゴリの一覧へ

日本工業規格

JIS

 B

6406

-1991

プレス機械−騒音レベル測定方法

Mechanical presses

−Methods of measurement

of A

−weighted sound pressure level

1.

適用範囲  この規格は,呼び能力 2 500kN 以下のプレス機械(以下,プレスという。)のうち金属板の

打抜き,曲げ,成形,絞り加工などに用いるプレスから発生する音の騒音レベルの測定方法について規定

する。ただし,特殊構造のプレス(

1

)

には適用しない。

(

1

)

普通に用いる金属板加工用プレス以外の粉末成形プレス,熱間及び温間鍛造プレス並びに曲げ

専門のプレス。

備考  この規格の引用規格を,次に示す。

JIS C 1502

  普通騒音計

JIS C 1505

  精密騒音計

JIS C 1512

  騒音レベル,振動レベル記録用レベルコーダ

JIS C 1513

  オクターブ及び

3

1

オクターブバンド分析器

JIS Z 8106

  音響用語(一般)

JIS Z 8732

  無響室又は半無響室における音響パワーレベル測定方法

JIS Z 8733

  一般の音場における音響パワーレベル測定方法

IEC 651

  Sound level meters

IEC 942

  Sound calibrators

2.

用語の定義  この規格で用いる主な用語の定義は,次によるほか,JIS Z 8106 による。

(1)

騒音レベル(L

A

又は L

pA

)  JIS C 1505 に規定される A 特性による周波数の重み付け及び時間の重み

付け(

2

)

をされた音圧の実効値(以下,A 特性音圧という。

)  (

A

)

の二乗を基準音圧  (

0

) (20

µPa)の

二乗で除した値の常用対数の 10 倍。単位はデシベル,単位記号は dB。

(

2

)  

時間の重み付けとは,JIS C 1505に規定する指示機構の動特性[速い動特性 (FAST) 及び遅い

動特性 (SLOW) ]並びに IEC 651に規定する動特性 (IMPULSE) のいずれかの動特性を満たす

平均回路によって二乗音圧を平均すること。

(2)

等価騒音レベル  (L

Aeq, T

) (

3

)

  騒音レベルが時間とともに変化する場合,測定時間(

4

)

内でこれと等しい

平均二乗音圧を与える連続定常音の騒音レベル。単位はデシベル,単位記号は dB。

( )

ú

û

ù

ê

ë

é

=

ò

dt

p

t

p

t

t

L

t

t

A

T

Aeq

2

1

2

0

2

1

2

10

,

1

log

10

 (1)

ここに,

L

Aeq

,

T

等価騒音レベル (dB)

p

A

 (t)

A

特性音圧 (dB)

p

0

基準音圧(20

µPa)


2

B 6406-1991

なお,L

Aeq

,

T

の添字

T

は,時刻 t

1

に始まり時刻 t

2

に終わる測定時間を意味する。

(

3

)

混同のおそれがない場合は,L

Aeq

を用いてもよい。

(

4

)

測定時間は,原則として連続的な測定を行う時間(実測時間という。

)を指すが,断続した実測

によって長時間の代表値を求める場合のように,観測の対象としている総時間長(観測時間と

いう。

)を指すこともある。

(3)

インパルス騒音レベル  (L

A1

)

  IEC 651 に規定する騒音計の動特性 (IMPULSE) を用いて測定する騒

音レベル。単位はデシベル,単位記号は dB。

(4)

ピーク音圧レベル  (L

p, peak

)

  IEC 651 に規定するピーク音圧レベル(周波数特性の重み付けをしない

音圧波形のピーク値のレベル)を測定する機能を用いて測定する音圧レベル。又はオシログラフなど

で記録した音圧波形のピーク値から求める音圧レベル。単位はデシベル,単位記号は dB。

(5)

定常騒音  騒音計の遅い動特性 (SLOW) によって騒音レベルを測定したとき,実測時間の間に 5dB

以下で変動する騒音(変化がない場合を含む。

(6)

変動騒音  騒音計の遅い動特性 (SLOW) によって騒音レベルを測定したとき,実測時間の間に 5dB

より大きく変動する騒音。

(7)

衝撃騒音  急激に立ち上がり継続時間 1 秒以内で立ち下がる騒音を一つ以上含む騒音。

(8)

暗騒音  対象のプレスの音がないときのその場所の騒音。

(9)

反射音  プレスから発生する音が対象のプレス以外の物体,床,壁などに反射してマイクロホンに入

る音。

(10)

基準直方体  プレスの形状及び寸法を代表するために設定する直方体。プレスに外接し,その底面は

床と一致する。本体及び音源とみなせる突起物はすべてその内部に含める。

(11)

自由音場  等方性かつ均質の媒質中で境界の影響を無視できる音場。

(12)

半自由音場  無限の広さをもつ音響的に完全反射性の平面上で,その面以外の境界の影響が無視でき

る等方性かつ均質の媒質で満たされた音場。

(13)

運転時間  プレスが特定の工程を繰り返すとき,その一つの工程の時間。

3.

測定項目  規定の運転条件において,プレスの運転者の位置及びプレス周囲の最も大きな騒音となる

位置における騒音レベル(原則として等価騒音レベル)を測定する。

なお,

音響パワーレベルの測定が必要な場合には,

附属書 に規定する方法によって測定するのがよい。

4.

測定条件

4.1

測定環境

4.1.1

測定場所  測定は,反射面上の自由音場を備える場所で行う。

実用的には,響きが少ない大きな室内又は屋外で半自由音場とみなせる音場であればよい。反射音の影

響がかなり大きな室内であっても測定位置の選定が半自由音場の原理に従って行うことができればよい。

なお,測定に使用した室の音響状態を試験結果に明記しなければならない。

運転者が専用の運転室のように特定の室内に位置するときは,その室内は機械の一部とみなし,その室

内で測定する。

4.1.2

暗騒音  暗騒音は,対象のプレスの騒音より 10dB 以上低いこと(少なくとも 6dB 以上低いこと。)

が望ましいが,やむを得ず指示の差が,4∼9dB のときは

表 によって補正する。


3

B 6406-1991

表 1  暗騒音の補正値

対象の音があるときと 
ないときの指示の差,dB

4, 5

6, 7, 8, 9

対象の音があるときの 
指示に加える補正値,dB

−2

−1

4.2

運転条件  運転条件は,製造業者が規定する設置条件で設置された同一プレスについて,無負荷(

5

)

の連続又は断続運転及び負荷(

6

)

の連続又は断続運転のときの騒音レベルを測定する。

(

5

)

金型の有無を問わず,呼び最大スライド速度で運転し,被加工物を加工していない状態。

なお,無負荷のときはスライド駆動及びこれと連続して駆動される装置(送り装置など)以

外の装置,ダイクション,製造吹き飛ばし用エアー装置などは作動させない。

(

6

)

呼び最大スライド速度において呼び能力の 75%の打抜き加工。ただし,液圧プレスでは,ブロ

ックを加圧して打抜き加工に代えてもよい。

5.

測定器

5.1

騒音計  測定に用いる騒音計は,JIS C 1505 による精密騒音計(又は JIS C 1502 による普通騒音計)

で,計量法による検定を受けたもの又はこれと同等以上の性能をもつ測定器(以下,騒音計という。

)でな

ければならない。

インパルス騒音レベル又はピーク音圧レベルを測定する必要がある場合には,IEC 651 に規定するそれ

らの測定性能を備える騒音計を用いなければならない。

備考  JIS C 1505 又は JIS C 1502 で規定する等価騒音レベルを測定するための積分・平均の機能をも

つ騒音計(積分騒音計という。

)が有効に使用できる。

5.2

レベルレコーダ  レベルレコーダは,JIS C 1512 に規定するレベルレコーダ又はこれと同等以上の

性能をもつ測定器を用いる。

5.3

録音機器  騒音計の出力信号を磁器記録方式のデータレコーダ又はテープレコーダに録音する場合,

プレス騒音の音圧レベルの変動の範囲並びに録音機器の録音・再生のダイナミックレンジ及び測定周波数

範囲に注意する。

5.4

測定器のチェック方法  測定に際し,IEC 942 に規定する音響校正器などの校正器によって,対象と

する周波数範囲内の一つ以上の周波数において,測定に使用する騒音計,周波数分析器などの感度をチェ

ックする(

7

)

(

7

)

これとは別に,騒音計の定期的な校正として,公的な検定機関などで検定又は検査を受ける必

要がある。

6.

測定

6.1

測定位置

6.1.1

運転者を必要とするプレスの場合の測定位置  運転者が立っている場合は,運転者の耳の位置(騒

音レベルの大きな側面の耳)から 0.2±0.02m 離れた位置において測定する。この場合,運転者がいなけれ

ば,運転者が常時立っている中心点から床上 1.5±0.025m の位置で測定する。

運転者が座っている場合は,運転者が快適に運転できるように座席の高さを調整して,運転者の耳の位

置(騒音レベルの大きな側面の耳)から 0.2±0.02m の位置で測定する。この場合,運転者がいなければ,

座席の面の中心から 0.8±0.02m の位置で測定する。


4

B 6406-1991

運転者がプレスを運転するために一つ以上の位置をとる場合には,騒音は運転者の作業時間の主要な部

分を占める騒音の最も大きな作業位置において,床上 1.5±0.025m の位置で測定する。

6.1.2

運転者を必要としないプレスの場合の測定  常時,運転者を必要としないプレスの場合には,JIS Z 

8733

に規定する基準直方体の正面(作業者が近付く側)の中央から 1m 離れた位置(高さは床上 1.5m)に

おいて測定する。

6.1.3

プレスの周囲の最も大きな騒音の測定位置  プレスの周囲の最も大きな騒音の測定位置は,次によ

る。

(1)

騒音レベル測定点を定めるための基準として,まずプレスに外接する基準直方体を設定する。その場

合,主要な音源放射体でない突起部分などは無視してよい。

(2)

基準直方体の面から 1m 及び床上 1.5m の高さのプレスの周囲において騒音レベルが最大となる位置で

測定する。

6.2

マイクロホンの方向  マイクロホンは,運転者が主要な騒音を受け,かつ,主要な作業を行うとき

に向いている方向に水平に向ける。

6.3

測定の手順

6.3.1

プレスの騒音が定常騒音であるとき,等価騒音レベルを測定するか,又は騒音計の遅い動特性

(SLOW)

の指示の平均値を読み取る。

6.3.2

プレスの騒音が変動音であるとき,等価騒音レベルを測定する。この場合の実測時間は,騒音のレ

ベル変化を考慮して決定されるが,最低の実測時間は 10 秒,又は騒音が周期的に発生するならばプレスの

運転時間(例えば,1 サイクル)のどちらか長い方の時間とする。ただし,実測時間を行程の回数で規定

する場合には,7 回の行程にわたる等価騒音レベルを測定する。

等価騒音レベルは,積分騒音計によって直接測定できるが,騒音計の遅い動特性 (SLOW) の指示値から

求める場合には,次の式による。

dB

n

L

An

A

A

L

L

L

T

Aeq

úû

ù

êë

é

+

+

+

=

10

/

10

/

2

10

/

1

10

10

10

(

1

log

10

,

Λ

 (2)

ここに,

L

Aeq

,

T

等価騒音レベル (dB)

L

A1

L

A2

,

L

An

騒音レベルの測定値 (dB)

n

測定値の総数

なお,サンプリングの時間間隔△は,騒音レベルの変動の程度に応じて選定するが,騒音計の遅い動

特性 (SLOW) を用いる場合は,2 秒以下とするのが望ましい。ただし,騒音レベルの変動が緩やかで,実

測時間が数分に及ぶ場合には,△を 5 秒程度まで広げてよい。

6.3.3

プレスの騒音が衝撃騒音であるとき,原則として等価騒音レベルを測定する。必要に応じて騒音計

の速い動特性 (FAST),IEC 651 に規定する動特性 (IMPULSE) 又はピーク音圧レベルの指示機能を用いて

最大の指示を読み取る。この場合,最大の指示値を数回読み取り,その値に差が生じるときは平均値を求

める。

7.

測定結果に付記すべき事項  測定結果には,必要に応じて次の事項を付記する。

(1)

供試プレス

(a)

プレスの記述(名称,形式,呼び能力,ボルスター寸法,製造業者名,型式,製造番号など)

(b)

設置条件


5

B 6406-1991

備考  プレスを運転させる補助装置を必要とする場合には,その詳細,プレスとの接続関係などを明

記する。

(c)

騒音測定時の運転条件(設定負荷,スライド速度,金型,材料,板厚など)

(2)

試験場所

(a)

測定場所(測定位置,測定高さなど)

(b)

周囲の状況(室内の吸音処理,プレスの位置と壁・天井などの反射面までの距離など)

(3)

測定

(a)

測定器の記述(名称,形式,製造業者名,型式,製造番号など)

(b)

測定位置と等価騒音レベル又は騒音レベル。

(c)

各測定位置における暗騒音の騒音レベル,補正をしたならば相当する補正値

(d)

得られたならばインパルス騒音レベル,ピーク音圧レベルなど

(e)

発生音の聴感上の特徴(純音の有無,衝撃成分の有無,時間的変動性など)

(f)

測定年月日,測定機関名,測定者名など

(g)

測定時の周囲温度,相対温度など


6

B 6406-1991

附属書 1  プレス機械の音響パワーレベル測定方法

1.

適用範囲  この附属書は,主として金属加工に用いるプレス機械(以下,プレスという。)の騒音につ

いて,屋外,通常の室内などの一般の音場で,オクターブバンド音響パワーレベルから A 特性音響パワー

レベルを求めるための簡易測定方法を規定する。適用周波数範囲はオクターブバンド中心周波数において

125Hz

から 8 000Hz までとする。

備考  この附属書の引用規格を,次に示す。

JIS C 1505

  精密騒音計

JIS C 1513

  オクターブ及び

3

1

オクターブバンド分析器

JIS Z 8106

  音響用語(一般)

JIS Z 8732

  無響室又は半無響室における音響パワーレベル測定方法

IEC 942

    Sound calibrators

2.

用語の定義  この附属書で用いる用語及び定義は,次によるほか,JIS Z 8106 による。

(1)

音圧レベル  特に JIS C 1505 に規定する A 特性で重み付けした音圧を対象とする場合には,騒音レベ

ル又は A 特性音圧レベルといい,JIS C 1513 に規定するオクターブバンドごとの音圧を対象とする場

合には,オクターブバンド音圧レベルという。

(2)

音響パワーレベル  特に JIS C 1505 に規定する A 特性で重み付けした音響パワーレベルを対象とする

場合には,A 特性音響パワーレベルといい,JIS C 1513 に規定するオクターブバンドごとの音響パワ

ーレベルを対象とする場合には,オクターブバンド音響パワーレベルという。

(3)

基準音源  測定周波数範囲において,十分でかつ安定した出力,平たんな周波数特性及び良好な全指

向性をもつ小形の広帯域雑音性音源で,JIS Z 8732 によって反射面上に設置したときの音響パワーレ

ベルが校正されているもの。

備考  この音響パワーレベルを基準音源の校正音響パワーレベルという。

(4)

室内等価吸音面積  測定室のある面の吸音率にその面の面積を掛けた値。吸音力ともいう。単位は平

方メートル,単位記号は m

2

(5)

基準直方体  プレスの形状及び寸法を代表するために設定する直方体。その底面は床面と一致する。

(6)

測定直方体  測定位置の設定及び音響パワーレベルの計算のために設定する音源を取り囲む直方体。

(7)

測定直方体面  測定直方体の底面積を除く面積。単位は平方メートル,単位記号は m

2

(8)

定常音  JIS C 1505 に定める遅い動特性 (SLOW) を用いて,騒音レベルを測定したとき,指示値の変

動が 3dB より小さい音。

(9)

非定常音  JIS C 1505 に定める遅い動特性 (SLOW) を用いて,騒音レベルを測定したとき,指示値の

変動が 3dB 以上の音。

3.

測定方法の種類

3.1

簡易半自由音場法  簡易半自由音場法は,響きの少ない大きな室内又は屋外(実用的に半自由音場

とみなせる場所)及び通常の室内(反射音の影響がかなり大きいが測定点の配置を半自由音場法の原理に

従って行うことができる場所)において音響パワーレベルの概略の値を簡易に測定する場合に適用する。


7

B 6406-1991

3.2

簡易拡散音場法  簡易拡散音場法は,ある程度以上の残響があり,その境界面(壁,床,天井など)

が特定できる室内において,拡散音場法の原理に従って音響パワーレベルの概略の値を簡易に測定する場

合に適用する。

4.

測定器

4.1

音圧レベル測定器  測定に使用する音圧レベル測定器は,JIS C 1505 に規定する騒音計と同等又は

それ以上の性能をもつものとする。

4.2

周波数分析器  測定に使用する周波数分析器は,JIS C 1513 に規定する II 形オクターブバンド分析

器とする。

4.3

音圧レベル測定器の校正方法  測定を行うに際し,IEC 942 に規定する音響校正器の 1 級 (Class 1)

の性能又はそれ以上の性能をもつ音響校正器によって,測定周波数範囲内の一つ以上の周波数において,

測定に使用する音圧レベル測定器(マイクロホンを含む。

)の感度を校正とする(

1

)

(

1

)

これとは別に,音圧レベル測定器の定期的な校正として,公的な校正機関などで検定又は検査

を受ける必要がある。

5.

簡易半自由音場法による測定

5.1

測定環境

5.1.1

測定環境の音響的条件  測定環境の音響的条件は,次による。

(1)

音場補正値  測定面上における音場補正値は,すべての測定オクターブバンドにおいて 7dB 以下でな

ければならない。音場補正値は,JIS Z 8732 

附属書 に規定する方法によって測定する(

2

)

(

2

)

周囲が十分に開けた屋外や壁・天井などが十分な吸音性に仕上げられている室内で,逆二乗則

JIS Z 8732

附属書1参照)が成り立つことがあらかじめ確認されている領域で測定を行う場

合には,音場補正値は,0dB としてよい。

(2)

反射面  プレスを設置する測定音場の反射面は,測定周波数範囲全体にわたって音響的に十分な反射

性をもち,その大きさは,その上に設定する測定直方体の底面を含む広さ以上とする。

(3)

環境条件  測定環境内では,プレス又はその補助装置の運転によって温度,湿度などの媒質条件に大

きな変化が生じないようにする必要があり,また,測定器に対する電界・磁界の影響又は音圧レベル

測定に対する暗騒音の影響がないことを十分に確かめておく必要があり,特に屋外で測定を行う場合

には,雨・風に対して十分な注意が必要であり,マイクロホンに防風スクリーンを装着し,それによ

る感度の変化に十分注意する必要がある。

5.2

プレスの設置及び運転

5.2.1

プレスの設置条件  プレスは,測定環境内で 5.4 に規定する測定直方体が設定できる位置に,実際

に使用する状態又はそれに準じた状態で設置する。

5.2.2

プレスの運転条件  プレスの運転条件は,騒音レベルの測定時の条件に準じる。

5.2.3

プレスの運転に必要な補助装置  測定の対象とするプレス以外から放射される音は十分に防止し,

測定に影響がないようにする。

5.3

基準直方体の設定  音圧レベル測定点を設定するための基準として,まずプレスに外接する基準直

方体を設定する。その場合,主要な音響放射体でない突起部分などは無視してよい。

5.4

測定点の設定 


8

B 6406-1991

5.4.1

半球面上の測定点

(1)

附属書 図 に示すようにプレスを取り囲む測定半球面を設定する。その中心は,基準直方体の幾何

学的中心の反射面上への投影点とする。

また,その半径 は,基準直方体の最大寸法の 2 倍以上で,少なくとも 1m とする。このようにし

て,設定された測定半球面の面積 を,次の式によって求める。

S

=2

πr

2

 (1)

附属書 図 1  測定半球面上の測定点(簡易半自由音場法)

(2)

予備測定  測定半球面上で,高さ 0.6r軸からの距離 0.8の円形経路上の騒音レベルが最大となる

点を求める。

(3)

測定半球面上の測定点の設定  附属書 表 及び附属書 図 に示す 4 点の測定点を設定する。

そのうちの 1 点は前項(2)で求めた騒音レベルが最大となる点とする。ただし,卓越した純音成分が

含まれている場合には,測定半球面上で,反射面からの距離が 0.05m 以下となる範囲に 4 点の測定点

を設定する。


9

B 6406-1991

附属書 表 1  測定半球面上の測定点

(簡易半自由音場法)

No.

x/r

y/r

z/r

1

  0.8

  0.0

0.6

2

  0.0

  0.8

0.6

3

−0.8

  0.0

0.6

4

  0.0

−0.8 0.6

r

測定半球面の半径 (m)

xyz

: 測定半球面の中心を原点とし,

反射面に垂直な方向

とした直角座標系の
座標 (m)

5.4.2

直方体面上の測定点

(1)

測定直方体の設定  附属書 図 に示すように,プレスを取り囲む測定直方体面を設定する。その各

面は,それぞれ基準直方体の五つの面から等しい距離 だけ離れ,それらに平行になるようにとる。

距離 は,原則として 1m とし,少なくとも 0.5m とする。このように設定した測定直方体の面積 を,

次の式によって求める。

S

=4 (abbcca) (2)

ここに,  a=0.5l

1

d

b

=0.5l

2

d

c

l

3

d

l

1

l

2

l

3

それぞれ基準直方体の縦,横,高さの寸法 (m)


10

B 6406-1991

附属書 図 2  測定直方体面上の測定点(簡易自由音場法)

(2)

予備測定  測定直方体面上で,附属書 図 に示す高さ の水平形経路上で,騒音レベルが最大とな

る点を求める。ただし,は 0.5である。基準直方体の高さが 2.5m を超える場合には,更に の高さ

の水平方形経路上についても同様の予備測定を行う。

(3)

測定直方体面上の測定点の設定

(3.1)

基本測定点  基本測定点は,附属書 図 に○印で示す 5 点(

3

)

及び 印で示す前項(2)の予備測定で

求めた騒音レベルが最大となる点の合計 6 点とする。

(

3

)

直上点における測定に困難を伴う場合には,この点を省略してもよい。ただし,それによって

測定結果に1dB 以上の差が生じないことをあらかじめ確認しておく必要がある。

(3.2)

追加測定点  次の場合には,基本測定点のほかに追加測定点を設定する。

(a)

音源の寸法が大きい場合  六つの基本測定点におけるオクターブバンド音圧レベルの最大値と最小

値との差が 5dB を超える場合,又は基準直方体の縦又は横の寸法が 1m 以上である場合には,

附属

書 図 

•印で示す水平方形経路上の角の四つの測定点を追加する。基準直方体の縦又は横の寸法

が 5m を超える場合には,それらの 4 点に加えて,更に

附属書 図 に×印で示すような中間測定

点を追加する。

これらの中間測定点は,基本測定点と角の測定点との間を等分するように設定する。


11

B 6406-1991

これらの測定点間の距離は,が 1m 以下の場合には 2m 以下,が 2m を超える場合には 2以下と

なるようにする。

(b)

音源の高さが大きい場合  基準直方体の高さが 2.5m を超える場合には,の高さにおける五つの基

本測定点に加えて,の高さにおいても同様に五つの測定点を追加する。すなわち,この場合の測

定点の総数は,直上の点を含めて合計 11 となる。

5.5

オクターブバンド音圧レベルの測定  各測定点において,オクターブバンド音圧レベルを測定する。

この場合,音圧レベル測定器の動特性は,JIS C 1505 に定める遅い特性 (SLOW) を用いる。遅い特性

(SLOW)

による指示値の変動が 3dB より小さい場合は,測定対象音は定常音とみなすことができ(

4

)

,実測

時間内における指示値の平均値を読み取る(

5

)

上記の方法によって測定した各測定点におけるオクターブバンド音圧レベルから,次の式によって測定

面上の平均音圧レベルを計算する。

ú

û

ù

ê

ë

é

=

å

=

N

i

L

p

pi

n

L

1

10

10

10

1

log

10

 (3)

ここに,

p

L

測定面上の平均オクターブバンド音圧レベル (dB)

L

pi

i

番目の測定点において測定されたオクターブバンド音圧

レベル (dB)

N

測定点の総数

(

4

)

測定対象音が非定常音の場合には,各測定点において

附属書4による方法によって長時間平均オ

クターブバンド音圧レベルを測定し,その値を各測定点におけるオクターブバンド音圧レベル

とする。

(

5

)

オクターブバンド音圧レベルの実測時間は,125Hz のバンドについては 30 秒以上,250Hz 以上

のバンドについては 10 秒以上,又は周期的に変動をする騒音の場合は一回の運転時間のいずれ

か長い時間とする。

備考1.  測定面上におけるオクターブバンド音圧レベルを測定する場合のマイクロホンは,面上の測

定点ではその面に垂直に,プレスの方向に向け,また,りょう(稜)線上又は頂点の測定点

では基準直方体の底面の中心の方向に向ける。

2.

暗騒音の影響の補正  それぞれの測定点において,プレスが運転しているときとそれが停止

したときとのオクターブバンド音圧レベルの差が 10dB を超える場合には,暗騒音の影響は

無視できる。その差が 3dB から 10dB の間である場合には,プレスが運転している状態で測

定されたオクターブバンド音圧レベルに,

附属書 表 に示す補正を行う必要がある。

また,その差が 3dB 未満の場合には,測定不可能とする。

附属書 表 2  暗騒音の補正

単位 dB

音圧レベル差

3 4 5 6 7 8 9 10

補正値

−3.0

−2.0

−1.5

−1.5

−1.0

−1.0

−0.5

−0.5

5.6

音響パワーレベルの算出  測定面上の平均オクターブバンド音圧レベルから,次の式によって測定

対象者のオクターブバンド音響パワーレベルを算出する。

K

S

S

L

L

p

w

÷÷ø

ö

ççè

æ

+

=

0

10

log

 (4)


12

B 6406-1991

ここに,

L

w

プレスのオクターブバンド音響パ
ワーレベル (dB)

p

L

測定面上の平均オクターブバンド
音圧レベル (dB)

S

測定面の面積 (m

2

)

S

0

1m

2

K

音場補正値 (dB)

5.7

A

特性音響パワーレベルの算出  5.6 によって求めたプレスのオクターブバンド音響パワーレベルか

ら,

参考 によって A 特性音響パワーレベルを算出する。

6.

簡易拡散音場法による測定

6.1

測定環境

6.1.1

測定室の条件  測定室の条件は,次による。

(1)

測定室の容積及び形状  測定室の容積は,50m

3

以上 500m

3

以下とする。

測定室の水平断面・鉛直断面は特殊な形状であってはならず,また測定室の各壁面は著しく吸音性

をもつものであってはならない。測定室の容積に対するプレスの容積は,5%以下でなければならない。

(2)

残響時間  測定室内の残響時間は,すべての測定周波数帯域にわたって 0.5 秒以上でなければならな

い。残響時間の測定は,プレスを設置した状態で,

附属書 に規定する方法によって行う。

6.1.2

環境条件  測定環境内では,プレス又はその補助装置の運転などによって温度・湿度などの媒質条

件に大きな変化が生じないようにする必要がある。測定器に対する電界・磁界の影響又はオクターブバン

ド音圧レベル測定に対する暗騒音の影響がないことを十分に確かめておく必要がある。

6.2

プレスの設置及び運転  プレスの設置及び運転は,次による。

6.2.1

プレスの設置条件  プレスは測定室内に,実際に使用される状態又はそれに準じた状態で設置する。

設置状態が特定できないプレスを対象とする場合には,壁などの反射面から 1.5m 以上離れた床上に設置

する。プレスの設置点数は,6.4 によって決定する。

6.2.2

プレスの運転条件  プレスの運転条件は,5.2.2 による。

6.2.3

プレスの運転に必要な補助装置  測定の対象とするプレス以外から放射される音は十分に防止,測

定に影響がないようにする。

6.3

予備測定  測定に必要なプレスの設置点数を決定するために,以下の手順によって,プレスによる

測定室内の各オクターブバンド音圧レベルの標準偏差を求める。

(1)

プレスの設置  6.2.1 の規定に従ってプレスを測定室内の適当と思われる位置に設置する。

(2)

測定点の設定  プレスから 0.2 は室内等価吸音面積(

6

)

]以上離れ,かつ測定室内の壁・天井な

どの面から測定周波数帯域の音の波長の

4

1

以上離れた範囲内に,相互の間隔がその波長の

2

1

以上となる

ように 6 点のオクターブバンド音圧レベル測定点を設定する。

(

6

)

参考3によって残響時間から算出する。ただし,正確な残響時間の測定を行わない場合には,残

響時間を0.5秒として算出する。

(3)

音圧レベルの測定  各測定点において,各オクターブバンド音圧レベルを測定する。その場合,音圧

レベル測定器の動特性は,JIS C 1502 に規定する遅い特性 (SLOW) を用いる。遅い特性 (SLOW) に

よる指示値の変動が 3dB より小さい場合には,測定対象音は定常音とみなすことができ(

4

)

,実測時間

内における指示値の平均値を読み取る(

5

)

。このようにして測定されたオクターブバンド音圧レベルの


13

B 6406-1991

測定値に対して拡散音場補正を行う(

7

)

(

7

)

中心周波数が250Hz 以上の周波数帯域について,オクターブバンド音圧レベルの測定値に JIS C 

1505

に規定するランダム入射レスポンス補正量を加える。

備考  暗騒音の影響の補正  それぞれの測定点において,プレスが運転しているときとそれが停止し

たときとのオクターブバンド音圧レベルの差が 10dB を超える場合には,暗騒音の影響は無視

できる。その差が 3dB から 10dB の間である場合には,プレスが運転している状態で測定され

たオクターブバンド音圧レベルに,

附属書 表 に示す補正を行う必要がある。

また,その差が 3dB 未満の場合には,測定不可能とする。

(4)

標準偏差の算出  以上の手順で求められた各測定点におけるオクターブバンド音圧レベルの値から,

次の式によって各オクターブバンド音圧レベルの標準偏差を計算する。

å

=

=

N

i

pm

pi

M

N

L

L

S

1

)

1

/(

2

)

(

 (5)

ここに,

S

M

オクターブバンド音圧レベルの標準偏差 (dB)

L

pi

i

番目の測定点におけるオクターブバンド音圧レベル (dB)

L

pm

6

点の測定点におけるオクターブバンド音圧レベルの算術平

均値

N

=6

6.4

プレスの設置点数の決定  6.3 の予備測定で求められたオクターブバンド音圧レベルの標準偏差の

値が 3dB 以下の場合には,測定に必要なプレスの設置点数は 1 点でよい。それが 3dB を超える場合には,

次の式によって与えられる最小の整数値をプレスの設置点数とする。

ú

ú
û

ù

ê

ê
ë

é

+

÷÷ø

ö

ççè

æ

÷

ø

ö

ç

è

æ

M

S

S

N

f

V

T

K

N

1

000

1

79

.

0

2

 (6)

ここに,  N

S

:  測定に必要なプレスの設置点数

K

S

附属書 表 によって与えられる数値

T

:  測定室の残響時間  (S)

V

:  測定室の容積 (m

3

)

f

:  測定オクターブバンドの中心周波数 (Hz)

  N

M

=6(6.6 に規定する測定点の数)

附属書 表 3  プレスの設置点数を算出するための定数 K

S

オクターブバンド中心周波数(Hz)

125 250 500

1

000

以上

K

S

1 2 4 5

6.5

プレスの設置  6.4 によって決定された数のプレスを 6.2.1 の規定に従って測定室内に設置する。測

定に必要なプレス設置点数が 2 以上である場合には,それぞれの設置位置の間隔は,測定オクターブバン

ドの中心周波数の音の波長の

2

1

以上となるようにする。プレスが測定室内に固定されているなどの理由に

よって,この規定を満たすことができない場合には,その旨を付記事項として明記する。

6.6

測定点の選定  プレスの設置位置ごとに,6.3(2)の規定に従って 6 点のオクターブバンド音圧レベル

測定点を設定する。

6.7

音圧レベルの測定と室内平均音圧レベルの算出  プレス位置ごとに,6.3(3)の方法によって設定され

たすべての測定点におけるオクターブバンド音圧レベルを測定する(

8

)

。その結果から,次の式によって各

室内平均オクターブバンド音圧レベルを計算する。


14

B 6406-1991

ú

û

ù

ê

ë

é

=

å

=

N

i

L

p

pi

n

L

1

10

10

10

1

log

10

 (7)

ここに,

p

L

室内平均オクターブバンド音圧レベル (dB)

L

pi

プレスの設置位置ごとに設定された測定点において測定さ
れた 番目のオクターブバンド音圧レベル (dB)

N

プレスの設置位置ごとに設定された測定点の数の総数

(

8

)  6.4

によって決定されたプレス設置点数が1の場合には,6.3の予備測定で求めた各測定点におけ

るオクターブバンド音圧レベルの値を用いてよい。

備考  暗騒音の影響の補正  それぞれの測定点において,プレスが運転しているときとそれが停止し

たときとのオクターブバンド音圧レベルの差が 10dB を超える場合には,暗騒音の影響は無視

できる。その差が 3dB から 10dB の間である場合には,プレスが運転している状態で測定され

たオクターブバンド音圧レベルに,

附属書 表 に示す補正を行う必要がある。

また,その差が 3dB 未満の場合には,測定不可能とする。

6.8

音響パワーレベルの算出

6.8.1

測定室内の残響時間を用いて算出する方法(直接法)  6.7 によって求めた室内平均オクターブバ

ンド音圧レベルと測定室内の残響時間から,次の式によってプレスのオクターブバンド音響パワーレベル

を算出する。

14

log

10

log

10

0

10

0

10

÷÷ø

ö

ççè

æ

+

÷÷ø

ö

ççè

æ

=

V

V

T

T

L

L

p

w

 (8)

ここに,

L

w

プレスのオクターブバンド音響パワーレベル (dB)

p

L

室内平均オクターブバンド音圧レベル (dB)

V

測定室内の容積 (m

3

)

V

0

1m

3

T

測定室内の残響時間 (S)

T

0

=1s

6.8.2

基準音源の音響パワーレベルと比較して算出する方法(比較法)  基準音源の音響パワーレベルと

比較して算出する方法(比較法)は,次による。

(1)

基準音源の設置  測定室内の壁などの反射面から 1.5m 以上離れた床上に基準音源を設置する。

(2)

測定点の設置  6.3(2)の規定に従って,測定室内に 6 点のオクターブバンド音圧レベル測定点を設定す

る。

(3)

音圧レベルの測定と室内平均音圧レベルの算出  6.3(3)の規定に従って,すべての測定点におけるオク

ターブバンド音圧レベルを測定し,その結果から,次の式によって基準音源による室内平均オクター

ブバンド音圧レベルを算出する。

ú

û

ù

ê

ë

é

=

å

=

N

i

L

pr

pi

n

L

1

10

10

10

1

log

10

 (9)

ここに,

pr

L

基準音源による室内平均オクターブバンド音圧レベル 
(dB)

L

pri

  i

番目の測定点におけるオクターブバンド音圧レベル (dB)

N

=6(測定点の数の総数)


15

B 6406-1991

(4)

プレスの音響パワーレベルの算出  以上の手順によって求めた基準音源による室内平均オクターブバ

ンド音圧レベル及び 6.7 で求めたプレスによる室内平均オクターブバンド音圧レベルから,次の式に

よってプレスのオクターブバンド音響パワーレベルを算出する。

)

(

pr

p

wr

w

L

L

L

L

+

=

 (10)

ここに,

L

w

プレスのオクターブバンド音響パワーレベル (dB)

L

wr

基準音源の校正音響パワーレベル (dB)

p

L

プレスによる室内平均オクターブバンド音圧レベル (dB)

pr

L

基準音源による室内平均オクターブバンド音圧レベル (dB)

6.9

A

特性音響パワーレベルの算出  6.8 によって求めたプレスのオクターブバンド音響パワーレベルか

ら,

附属書 によって A 特性音響パワーレベルを算出する。

7.

測定結果の表示及び付記事項

7.1

測定結果の表示  測定結果の表示は,次による。

備考  オクターブバンド音響パワーレベルの数値は,1dB ごとに整理し(丸める。),図又は表で表示

する。図で表示する場合には,横軸に 1 オクターブ当たり 15mm こなるように中心周波数をと

り,縦軸には 10dB が 20mm になるようにオクターブバンド音響パワーレベルをとる。

(1)

簡易半自由音場法による場合

(a)  A

特性音響パワーレベル 

(b)

オクターブバンド音響パワーレベル

(c)

その他,必要あれば測定面上の平均オクターブバンド音圧レベル

(2)

簡易拡散音場法による場合

(a)  A

特性音響パワーレベル 

(b)

オクターブバンド音響パワーレベル

(c)

その他,必要あればプレスによる室内平均オクターブバンド音圧レベル

7.2

付記事項  測定結果には,必要に応じて次の事項を付記する。

(1)

供試プレス

(a)

プレスの記述(名称,形式,能力,製造業者名,型名,製造番号など)

(b)

プレスの設置条件

備考  プレスを運転させる補助装置を必要とする場合には,その詳細とプレスとの接続位置関係など

を明記する。

(c)

騒音測定時の運転条件

(d)

必要あれば発生音の聴感上の特徴(純音の有無,衝撃成分の有無,時間的変動性など)

(2)

測定環境条件

(a)

測定室の寸法,形状又は測定環境の周囲状況(屋外の場合)

(b)

プレスを設置した反射面(床)の種類・材料

(c)

簡易半自由音場法による場合は,オクターブバンドごとの音場補正値

(d)

簡易拡散音場法による場合は,測定室内の残響時間(6.8.1 の直接法による場合)又は基準音源によ

る室内平均オクターブバンド音圧レベル(6.8.2 の比較法による場合)


16

B 6406-1991

(e)

測定時における測定環境の暗騒音のオクターブバンド音圧レベル

(f)

測定時における試験環境の温度及び相対湿度

(3)

測定器

(a)

音圧レベル測定器の種類,形式,製造業者名,型式,製造番号など

(b)

音圧レベル測定器の測定時の校正方法及び定期検査(検定を含む。

)を行った年月日

(c)

オクターブバンド分析器の種類,形式,製造業者名,型式,製造番号など

(d)

残響時間の測定に使用した測定器の種類,形式,製造業者名など

(e)

基準音源を使用した場合には,その形式,特性(校正音響パワーレベル,指向特性)

,製造業者名

(f)

その他に使用した測定器の種類,形式,製造業者名など

(4)

測定方法

(a)

簡易半自由音場法及び簡易拡散音場法のうちで用いた方法

(b)

簡易半自由音場法による場合には,測定面の形状,寸法,測定点の位置及び音場補正値の測定方法

(c)

簡易拡散音場法による場合には,プレス及び測定点の設置位置及び残響時間の測定方法(6.8.1 の比

較法による場合)

(5)

測定年月日

(6)

測定機関名


17

B 6406-1991

附属書 2  音場補正値の求め方

1.

適用範囲  この附属書は,附属書 に規定する簡易半自由音場法によってプレスの音響パワーレベル

を測定する際に必要な音場補正値の求め方について規定する。

2.

音場補正値の求め方

2.1

全搬  2.2 及び 2.3 に規定する次の二つの方法のうちいずれかの方法によってオクターブバンドごと

の音場補正値を求める。ただし,屋外の場合又は残響時間が著しく短い室内では,通常,音場補正値は 0dB

であるが,その確認は 2.3 の方法によるのが望ましい。

2.2

残響時間の測定による方法

2.2.1

測定室内の残響時間の測定と室内等価吸音面積の算出  附属書 に規定する方法によって,測定周

波数帯域ごとの測定室内の残響時間を測定し,その結果から室内等価吸音面積を算出する。

2.2.2

音場補正値の算出  室内等価吸音面積の値と測定半球面又は測定直方体面の面積から次の式又は

附属書 図 によって測定周波数帯域ごとの音場補正値を求める。

úû

ù

êë

é +

=

A

S

K

4

1

log

10

10

 (1)

ここに,

K

音場補正値 (dB)

S

本体の 5.4.1(1)又は 5.4.2(1)によって求められる測定面の面積 
(m

2

)

A

室内等価吸音面積 (m

2

)

2.3

基準音源を用いる方法

2.3.1

基準音源の設置  プレスを移動し(

1

)

,基準直方体の底面の中心に基準音源を設置する。ただし,基

準直方体の底面の縦,横の寸法比が 2 を超える場合には,各辺の中心 4 点に基準音源を順次設置する。

(

1

)

プレス設置前にこの測定を行っておくことが望ましい。プレスが移動不可能であるとき,その

上面が反射性で基準音源を設置できる場合には,その面の中央の1点に基準音源を設置する。そ

れも不可能な場合には基準直方体の底面の各辺の中点4点の近傍に基準音源を順次設置する。

2.3.2

測定音場における基準音源の音響パワーレベルの測定  プレスについて,本体 5.4 によって設定し

た測定点において,本体の 5.5 の方法によって基準音源による測定面上の測定周波数帯域ごとの平均オク

ターブバンド音圧レベルを求める。

その結果から,本体 5.6 の式(4)で K=0 として測定周波数帯域ごとの測定音場における基準音源のオク

ターブバンド音響パワーレベルを算出する。基準音源の設置位置を 4 点として順次測定を行った場合には,

次の式によって測定音場における基準音源のオクターブバンド音響パワーレベルを算出する。

ú

ú

û

ù

ê

ê

ë

é

=

å

=

n

i

L

wr

wri

L

1

10

10

10

4

1

log

10

 (2)

ここに,

L'

wr

測定音場における基準音源の音響パワーレベル (dB)

L'

wri

基準音源を 番目の設置位置に置いたときの測定音場におけ
る基準音源の音響パワーレベル (dB)


18

B 6406-1991

2.3.3

音場補正値の算出  次の式によって,測定周波数帯域ごとの音場補正値を算出する。

K

L'

wr

L

wr

 (3)

ここに,

K

音場補正値 (dB)

L'

wr

測定音場における基準音源の音響パワーレベル (dB)

L

wr

基準音源の校正音響パワーレベル (dB)

附属書 図 1  音場補正値 K


19

B 6406-1991

附属書 3  残響時間の測定及び室内等価吸音面積の算出方法

1.

適用範囲  この附属書は,簡易半自由音場法による場合の音場補正値の算出及び簡易拡散音場法によ

る場合の,音響パワーレベルの算出に必要な測定室の残響時間の測定及び室内等価吸音面積の算出方法に

ついて規定する。

備考  この附属書の引用規格を,次に示す。

JIS C 1505

  精密騒音計

JIS C 1513

  オクターブ及び

3

1

オクターブバンド分析器

2.

残響時間の測定

2.1

測定装置

2.1.1

全般  測定装置は,音源装置,受音装置及び記録装置で構成し,附属書 図 に示すように組み合

わせて使用する。

附属書 図 1  測定室内の残響時間の測定系統図

2.1.2

音源装置  音源装置は,帯域雑音発生器と電力増幅器及び音源スピーカーからなり,それぞれ次に

よる。

(1)

帯域雑音発生器  JIS C 1513 に規定する中心周波数のオクターブ帯域雑音を発生する装置で,雑音発

生器とオクターブバンドフィルタ(

1

)

とを組み合わせたものとする。

(

1

)

減衰特性は,JIS C 1513に規定する I 又は II 形とする。

(2)

電力増幅器及び音源スピーカ  測定周波数範囲全体にわたって,十分な音響出力と高い安定性をもつ

ものとする。

2.1.3

受音装置  受音装置は,音圧レベル測定器及びオクターブバンド分析器からなり,それぞれ次によ

る。

(1)

音圧レベル測定器  JIS C 1505 に規定する性能と同等又はそれ以上の性能をもつものとする。

(2)

オクターブバンド分析器  JIS C 1513 に規定する II 形帯域周波数分析器とする。

2.1.4

記録装置  高速度レベルレコーダ,対数増幅器付ブラウン管オシロスコープなどで,40dB 以上の

記録幅と十分に速い応答特性をもつものを使用する。

2.2

測定方法

2.2.1

音源の設置  音源スピーカを室の隅に設置する。


20

B 6406-1991

2.2.2

測定点の設置  測定室内になるべく一様に分布した 3 点以上の測定点を設定する。これらの測定点

は,音源スピーカ及び測定室内の壁・床・天井などの面に近接しないようにする。

2.2.3

残響減衰曲線の記録  各測定点において,定常状態のときと,音源停止後,残響が十分に減衰した

ときとのオクターブバンド音圧レベルの差が 35dB 以上となるように音源の出力を設定する。その条件で

音源を駆動させて室内が定常状態になった後にそれを停止させ,その後の残響減衰過程を記録する(

3

)

。こ

の記録は,各測定点においてオクターブバンドごとに行うが,その回数(各測定点での測定回数の和)は,

測定周波数帯域ごとに

附属書 表 に示す値以上とする。

附属書 表 1  残響時間の測定回数

オクターブバンド中心周波数(Hz)

125 250 500  1

000

以上

測定回数 12

9

6

(

3

)

残響時間を高速度レベルレコーダによる残響減衰曲線の記録から読み

取る場合には,その傾きが30∼65°になるようにレベルレコーダの紙送
り速度を調整し, (200/T) dB/s(は残響時間,単位は秒)以上の適当
な記録応答速度で記録する。

2.2.4

残響時間の読取り  音源停止前の定常状態の音圧レベルに対して−5dB の点から少なくとも−

30dB

の点までの残響減衰記録の傾斜から残響時間を読み取る。このようにして測定された残響時間を全測

定回数にわたって平均し,測定室内の測定周波数帯域ごとの残響時間とする。

3.

室内等価吸音面積の算出  残響時間の測定結果から,次の式によってオクターブバンドごとの室内等

価吸音面積を算出する。

T

V

c

A

3

.

55

=

 (1)

ここに,

A

室内等価吸音面積 (m

2

)

c

空気中の音速 (m/s)

V

測定室の容積 (m

3

)

T

測定室内の残響時間 (s)


21

B 6406-1991

附属書 4  音圧レベルの時間変動が大きい場合の測定方法

1.

適用範囲  この附属書は,オクターブバンド音圧レベルの時間変動が大きく,音圧レベル測定器の遅

い特性 (SLOW) による指示値の変動が 3dB 以上の場合に,長時間平均オクターブバンド音圧レベルを測

定する方法について規定する。

備考  長時間平均オクターブバンド音圧レベルは,オクターブバンド音圧レベルの等価音圧レベルと

もいう。

2.

長時間平均オクターブバンド音圧レベルの測定  長時間平均オクターブバンド音圧レベルの測定は,

次のいずれかによる。

2.1

音圧の二乗積分による方法

2.1.1

積分騒音計を利用する方法  積分騒音計とオクターブバンドフィルタのユニット(

1

)

を組み合わせ

て,フィルタ出力を積分騒音計の積分・平均回路によって二乗積分する。

(

1

)

積分騒音計の増幅系統の中に直接接続できる構造のフィルタである。

2.1.2

二乗積分機能をもつオクターブバンド分析器を使用する方法  二乗積分機能(オクターブバンド等

価音圧レベルを演算する機能)を備えるオクターブバンド分析器を使用し,直接測定する。

2.2

音圧レベルのサンプリングによる方法  オクターブバンド音圧レベルについて,本体 6.3.2 と同じ方

法で求める。


22

B 6406-1991

附属書 5  オクターブバンド音響パワーレベルから 特性音響パワーレベ

ルを求める方法

1.

適用範囲  この附属書は,オクターブバンド音響パワーレベルから A 特性音響パワーレベルを算出す

る方法について規定する。

2.

算出方法  オクターブバンド音響パワーレベルの測定値と附属書 表 で与えられるオクターブごと

の A 特性補正値から,次の式によって A 特性音響パワーレベルを算出する。

(

)

ú

û

ù

ê

ë

é

=

å

=

+

N

i

L

WA

ci

wi

L

1

10

10

10

log

10

 (1)

ここに,

L

WA

A

特性音響パワーレベル (dB)

N

=7

L

wi

i

番目の帯域のオクターブバンド音響パワーレベル (dB)

c

i

オクターブごとの A 特性補正値 (dB)

附属書 表 1  特性補正値 c

i

オクターブバンド

中心周波数 (Hz)

c

i

 

1 125

−16.0

2 250

−8.5

3 500

−3.0

4 1

000  0

5 2

000  1.0

6 4

000  1.0

7 8

000

−1.0


23

B 6406-1991

参考  プレス機械の騒音レベル記録様式

この参考は,本体及び附属書の規定に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

用紙 1


24

B 6406-1991

騒音レベル測定結果 

用紙 2

騒音レベル測定結果 

用紙 3


25

B 6406-1991

音響パワーレベル測定結果 

用紙 4

関連規格  JIS Z 8731  騒音レベル測定方法

ISO 6081

  Acoustics−Noise emitted by machinery and equipment−Guidelines for the preparation of

test codes of engineering grade requiring noise measurements at the operator's or bystander's

position

IEC 804

  Integrating-avaraging sound level meters

ISO DIS 8500

  Airbone noise emitted by machine tools−Operating conditions for mechanical presses

up to 2500kN

ISO DIS 230-5

  Machine tools−Acceptance cord for machine tool−Part 5 : Noise


26

B 6406-1991

プレス機械の騒音レベル測定方法原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

時  田  保  夫

財団法人航空公害防止協会研究センター

湯  沢  広  吉

工業技術院標準部

榎  本      陞

通商産業省機械情報産業局

青  井  一  喜

工業技術院機械技術研究所

関  根  秀  雄

いすゞ自動車株式会社

浜  中      豊

社団法人日本金属プレス工業協会

林      卓  郎

株式会社東芝総合研究所

斉  藤  澄  男

第一鍛造株式会社

塩  田  正  純

飛島建設株式会社

大  熊  恒  康

リオン株式会社

石  田  隆  志

アイダエンジニアリング株式会社

橋  本      明

株式会社アマダ

阿  部  俊  男

株式会社小松製作所

大  山  秀  夫

株式会社能率機械製作所

大  和      茂

川崎油工株式会社

香  川  博  保

社団法人日本鍛圧機械工業会

(事務局)

福  山  安  臣

社団法人日本鍛圧機械工業会