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日本工業規格

JIS

 B

6403

-1994

液圧プレス−精度検査

Hydraulic presses

−Testing of the accuracy

1.

適用範囲  この規格は,金属材料の打抜き,曲げ,成形及び絞り加工などに用いる液圧プレス(以下

プレスという。

)の精度に関する検査について規定する。ただし横形プレス,スライドガイドをもたないコ

ラム形プレス及び特殊構造(

1

)

のプレスには適用しない。

(

1

)

普通に用いる金属材料加工用プレス以外の粉末成形用,熱間鍛造用のプレス,プレスブレーキ,

ラム移動形プレス及び自動送り装置付き専用プレスなど。

備考  この規格の引用規格を,次に示す。

JIS B 6191

  工作機械−静的精度試験方法及び工作精度試験方法通則

2.

精度

2.1

プレスの精度は,特級,1 級及び 2 級の 3 等級(

2

)

とする。

(

2

)

各等級に対する用途例を

1に示す。

表 1  用途例

等級

用途例

特級

特に高精度を要するもの

1

精密成形

2

一般成形

2.2

精度検査

2.2.1

一般  精度検査は,加工荷重のかかっていない状態で,JIS B 6191 に基づく方法で行う。

なお,測定結果の許容差は

µm で表す。

2.2.2

ボルスタ(又はベッド)上面及びスライド下面の真直度の精度検査  ボルスタ(又はベッド)上面

及びスライド下面の真直度の精度検査は,次によって左右方向(

3

)

及び前後方向(

3

)

について行う。

(

3

)

機械の作業者側を“前”

,作業者の右側を“右”とする。

(1)

測定方法  JIS B 6191 の 5.2(真直度)による。

直定規を使用し,直定規の下に平行ブロックを置いて測定する。

平行ブロックは,直定規の自重によるたわみが最小となる 2 点に定置する。

測定は,マグネット付きダイヤルゲージを取付台上に置き,ダイヤルゲージの測定子をその法線上

で直定規に当ててその取付台を滑らせて行う(

図 参照)。

直定規をボルスタ(又はベッド)上面の前後及び左右方向 4 か所に置き,これに当てたダイヤルゲ

ージをボルスタ(又はベッド)の上に沿って移動させて各箇所におけるダイヤルゲージの読みの最大

差を測定値とする。

スライドは単体で加工後測定し,スライド下面を上向きに置き,直定規をスライド下面の前後左右


2

B 6403-1994

方向 4 か所に置き,これに当てたダイヤルゲージをスライド下面に沿って移動させて,各箇所におけ

るダイヤルゲージの読みの最大差を測定値とする。対角線方向には測定しない(

図 参照)。

備考1.  取付台は,直線(案内用直定規)に沿って滑らせる。

2.

L

1

はボルスタ(又はベッド)上面及びスライド下面の測定長さ (mm) を示す。

3.

測定長さは,左右方向及び前後方向の端面から全長の

10

1

を除いた寸法とする。

(2)

測定方法図

図 1

図 2  (測定例)

(

4

)  L

は,左右又は前後方向の大きい方をとる。

2では左

右方向の寸法が大きいとしている。

(

5

)

測定長さ L

1

の最小値は,200mm とする。

(3)

許容値  許容値は,表 による。


3

B 6403-1994

表 2  ボルスタ(又はベッド)上面及びス 

ライド下面の真直度の許容値

単位 mm

等級

許容値

特級

1

1000

02

.

0

010

.

0

L

+

1

1

1000

04

.

0

012

.

0

L

+

2

1

1000

10

.

0

L

2.2.3

スライド下面とボルスタ(又はベッド)上面との平行度の精度検査  スライド(

6

)

下面とボルスタ(又

はベッド)上面との平行度の精度検査は,次によって左右方向(

3

)

及び前後方向(

3

)

に行う。

(1)

測定方法  ボルスタ(又はベッド)上面に立てた支え棒(

7

)

(インナスライドの場合は 1 本,アウタス

ライドの場合は 2 本)でスライド下面のほぼ中央を支え,ボルスタ(又はベッド)上面とスライド(又

はブランクホルダ)下面との間隔をダイヤルゲージで測定し,読みの最大差を測定値とする。ただし,

対角線方向には測定しない(

図 参照)。

なお,測定は,ストロークの下限及びストロークの下限から

3

1

上方付近の 2 点において行う。

(

6

)

複動プレスでは,インナスライド,アウタスライドのそれぞれについて測定を行う。

(

7

)

支え棒が受ける荷重は,スライドの自重だけとする。

なお,支え棒のスライド下面に接触する端部の金具は,鋼球などによって自在に動くことが

できる構造とする。

(2)

測定方法図

備考  C 形プレスの場合は,ボルスタ上面から測定し,前開きしてはならない(図 参照)。

図 3

図 4

(

8

)

測定長さ L

2

の最小値は,200mm とする。

ただし,L

A

L

B

とする。


4

B 6403-1994

(3)

許容値  許容値は,表 による。

表 3  スライド下面とボルスタ(又はベッド)上面との平行度の許容値

単位 mm

許容値

ボルスタ(又はベッド)の有効長さ

等級

1 000

以下 1

000

を超え 2 000 以下

2 000

を超えるもの

特級

2

1000

05

.

0

016

.

0

L

+

2

1000

06

.

0

024

.

0

L

+

2

1000

07

.

0

030

.

0

L

+

1

2

1000

06

.

0

020

.

0

L

+

2

1000

08

.

0

030

.

0

L

+

2

1000

10

.

0

040

.

0

L

+

2

2

1000

09

.

0

040

.

0

L

+

2

1000

12

.

0

060

.

0

L

+

2

1000

15

.

0

080

.

0

L

+

備考1.  L

2

はスライド下面の測定長さ (mm) を示す。ただし,測定長さは左右・

前後の端面から全長の

10

1

L

を除いた寸法とする。

2.

ギブセットの状態で測定する。

2.2.4

スライドの上下運動とボルスタ(又はベッド)上面との直角度の精度検査  スライド(

6

)

の上下運動

とボルスタ(又はベッド)上面との直角度の精度検査は,次によって左右方向(

3

)

及び前後方向(

3

)

について

行う。

(1)

測定方法  JIS B 6191 の 5.52(運動の直角度),5.521(定義)及び 5.522(測定方法)を準用する。

ボルスタ(又はベッド)上面のほぼ中央の直定規上に直定規を立てて,スライドに取り付けたダイ

ヤルゲージをこれに当てて,スライドを上下に移動させながら測定し,そのときのダイヤルゲージの

読みの最大差を測定値とする(

図 参照)。

(2)

測定方法図

図 5

(

9

)

測定長さ L

3

の最小値は,20mm とする。


5

B 6403-1994

(3)

許容値  許容値は,表 による。

表 4  ボルスタ(又はベッド)上面とスライドの上下運動との許容値

単位 mm

許容値

ボルスタ(又はベッド)の有効長さ L

等級

1 000

以下 1

000

を超え 2 000 以下

2 000

を超えるもの

特級

3

100

008

.

0

008

.

0

L

+

3

100

008

.

0

015

.

0

L

+

3

100

008

.

0

025

.

0

L

+

1

3

100

015

.

0

010

.

0

L

+

3

100

015

.

0

020

.

0

L

+

3

100

015

.

0

030

.

0

L

+

2

3

100

025

.

0

030

.

0

L

+

3

100

025

.

0

040

.

0

L

+

3

100

025

.

0

050

.

0

L

+

備考  L

3

はスライドの行程長さ (mm) を示す。測定位置は下側

2

1

の範囲とする。

2.2.5

偏心によるスライド下面とボルスタ(又はベッド)上面との傾斜度の精度検査  偏心(

10

)

によるス

ライド下面とボルスタ(又はベッド)上面との傾斜度の精度検査は,次によって左右方向(

3

)

及び前後方向

(

3

)

について行う。

(

10

)

複動液圧プレスでは,インナスライド,アウタスライドのそれぞれについて測定を行う。

(1)

測定方法  ボルスタ(又はベッド)上面に立てた支え棒(

11

)

(インナスライドの場合は 1 本,アウタス

ライドの場合は 2 本)でスライド下面のほぼ中央(

12

)

を支え,ボルスタ(又はベッド)上面とスライド

(又はブランクホルダ)

下面との間隔をテストインジケータで測定し,

そのスライドの下面に当てて,

読みの最大差を測定値とする。ただし対角線方向には測定しない。

なお,測定は,ストロークの下限及びストロークの下限

3

1

上方付近の 2 点において行う(

図 参照)。

(

11

)

支え棒の長さ(測定高さ)は任意とする。支え棒が受ける荷重は,スライドの自重だけとする。

(

12

)

スライドの中心から,そのスライドの下面の長さのそれぞれ

3

1

の長さの位置で受ける。インナス

ライドの場合は a, b, c 又は d のそれぞれ 1 か所,アウタスライドの場合は,e−f,又は g−h,i

−j,又は k−l。

備考1.  L

4

L

L

3

1

4

=

L

6

5

6

3

1

L

L

=

を示す。

2.

スライド案内部は,十分油膜を保持できる状態とする。


6

B 6403-1994

(2)

測定方法図

図 6

(3)

許容値  許容値は,表 による。

表 5  偏心によるスライド下面とボルスタ(又はベッド)上面との傾斜度の許容値

単位 mm

許容値

特級及び

1

4

3000

1

L

2

4

2000

1

L

関連規格  JIS B 0111  プレス機械用語

ISO 6899

 : 1984 Acceptance conditions of open front mechanical power presses

−Testing of the

accuracy


7

B 6403-1994

参考 

この参考は,規格本体に規定する事項に関連する事柄を補足するものであり,規定の一部ではない。

参考 図 1  ボルスタ(又はベッド)上面及びスライド下面の真直度(表 参照)


8

B 6403-

199

4

参考 図 2-1  スライド下面とボルスタ(又はベッド)上面との平行度 

L : 1 000mm

以下(表 参照)

参考 図 2-2  スライド下面とボルスタ(又はベッド)上面との平行度 

L : 1 000mm

を超え 2 000mm 以下(表 参照)


9

B 6403-

199

4

参考 図 2-3  スライド下面とボルスタ(又はベッド)上面との平行度 

L : 2 000mm

を超えるもの(表 参照)

参考 図 3-1  スライドの上下運動とボルスタ(又はベッド)上面との直

角度 

L : 1 000mm

以下(表 参照)


10

B 6403-

199

4

参考 図 3-2  スライドの上下運動とボルスタ(又はベッド)上面との直

角度 

L : 1 000mm

を超え 2 000mm 以下

参考 図 3-3  スライドの上下運動とボルスタ(又はベッド)上面との直

角度 

L : 2 000mm

を超えるもの(表 参照)


11

B 6403-1994

参考 図 4  偏心によるスライド下面とボルスタ(又はベッド)上面との傾斜度(表 参照)


12

B 6403-1994

参考 

この参考は,

運転試験方法及びこれに関連した事柄について記述するものであり,

規定の一部ではない。

備考  この参考 の引用規格を次に示す。

JIS B 6003

  工作機械−振動測定方法

JIS B 6406

  プレス機械−騒音レベル測定方法

1.

運転試験方法

1.1

運転試験方法は,機能試験方法,無負荷運転試験方法及び負荷運転試験方法からなり,1.21.6 によ

る。

1.2

機能試験方法  機能試験は,当該機能をもつものについて各部を操作し,その作動の円滑さ及び機

能の確実さを,次によって試験する。

試験事項

番号

方法

プレスの始動,停止の操作

1-11

始動,停止の操作を連続 3 回行い,作動の円

滑さ及び確実さを試験する。

スライドの運転操作(

1

)

1-12

運転操作(

1

)

を行い,作動の円滑さ及び確実さ

を試験する。

スライドの速度調整操作

1-13

最大の速度について調整操作を行い,作動の
円滑さ及び確実さを試験する。

スライドのストローク長さの調整操作

1-14

最大のストローク長さについて調整操作を行
い,作動の円滑さ及び確実さを試験する。

スライドの圧力調整操作

1-15

圧力調整を行い,作動の円滑さ及び確実さを
試験する。

スライドのストロークインジケータ

1-16

指示の確実さを試験する。

インジケータ

スライドのストローク調整インジケ

ータ

1-17

指示の確実さを試験する。

ストローク数カウンタ

1-18

指示の確実さを試験する。

スライドロック

1-19

スライドロックの確実さを試験する。

ムービングボルスタ

1-21

作動の円滑さ及び確実さを試験する。

オートマチックダイクランパ

1-22

作動の円滑さ及び確実さを試験する。

ダイクッション

1-23

作動の円滑さ及び確実さを試験する。

素材送り装置

1-24

作動の円滑さ及び確実さを試験する。

附属装置

製品送り装置

1-25

作動の円滑さ及び確実さを試験する。

油ポンプの給油圧力及び圧力スイッ

1-31

機能の確実さを試験する。

給油状態

1-32

各部の給油状態の適正さを試験する。

潤滑装置

油密

1-33

滑り部分及び循環部分の油密の確実さを試験

する。

調整弁及び圧力計

1-41

機能の確実さを試験する。

圧力スイッチ

1-42

機能の確実さを試験する。

プレス操作

空気圧装置

気密

1-43

機能の確実さを試験する。


13

B 6403-1994

試験事項

番号

方法

圧力計

1-51

機能の確実さを試験する。

液圧装置

液密

1-52

機能の確実さを試験する。

油圧式過負荷防止用安全弁(

2

)

1-61

作動圧力を 3 回以上測定し,最高使用圧力の

120%

以内にあることを確認する。

機械防護装置

その他の過負荷防止装置(

2

)

1-62

機能に対する防護機能の確実さを試験する。

プレス操作

電気装置

1-71

運転試験の前後に,それぞれ 1 回絶縁状態を

試験する。

(

1

)

断続一行程,連続,時限連続,安全一行程,寸動及び停止の操作。

(

2

)

油圧式過負荷防止用安全弁をもたないものでは,その過負荷防止装置について試験を行う。

1.3

機械仕様  機械仕様は,次による。

試験事項

番号

方法

スライドの最大ストロー
ク長さ (mm)

1-81

スライドの最大ストローク長さ (mm) を
測定する。許容差は

10

0

+

%

とする。

ボルスタの上面からスラ
イド下面までの最大距離

(

3

) (mm)

1-82

ボルスタ上面からスライド下面までの最
大距離を測定する。許容差は

10

0

+

%

とする。

機械仕様

ベッド上面からスライド
下面までの最大距離 (mm)

1-83

ベッド上面からスライド下面までの最大
距離を測定する。許容差は

10

0

+

%

とする。

(

3

)

ボルスタをもつものは,番号1-82によって試験を行う。

1.4

無負荷運転試験方法  無負荷運転試験は,プレスを無負荷で運転し,その所要電力,温度変化及び

運転状態の試験を行う。

すなわち,プレスの断続一行程運転又は連続運転を無負荷で最大ストローク長さで行い,

記録様式 

規定する次の(1)(7)の試験を行う。測定時間は,温度測定箇所の温度がほぼ平衡に達するまでとする。

(1)

スライドの作動速度(

4

)

(2)

プレス駆動用主電動機の所要電力

(3)

プレス駆動用主電動機のケーシング及び軸受,スライドの滑り面,ポンプの軸受並びにタンク作動液

の温度

(4)

気密  機能の確実さを試験する。

(5)

液密  機能の確実さを試験する。

(6)

振動  官能試験又は JIS B 6003 による。

(7)

騒音  官能試験又は JIS B 6406 による。


14

B 6403-1994

記録様式 1

(

4

)

ここでいうスライドの作動速度は,スライドの最大ストロークの上限と下限から,最大ストローク長さの10%の
長さだけ内側に入った上下の2点間を,スライドが走行する速度とし,スライドの上昇及び下降のそれぞれにつ

いて,2点間の長さと,2点間を走行する時間から求めた値 (m/min) で表示する。

(

5

)

記事欄に断続一行程か連続運転かを記入する。

1.5

負荷運転試験方法  負荷運転試験は,負荷状態でプレスを運転し,その温度変化及び運転状態の試

験を行う。すなわち,連続運転を,最高使用圧力で温度測定箇所の温度がほぼ一定に達するまで行い,

録様式 に規定する次の(1)(5)の試験を行う。

なお,この試験は,スライドのストローク長さと加圧持続時間(

6

)

との組合せの幾つかについて行う。

(1)

プレス駆動用主電動機のケーシング及び軸受,並びにタンク作動液の温度

(2)

気密  機能の確実さを試験する。

(3)

液密  機能の確実さを試験する。

(4)

振動  官能試験又は JIS B 6003 による。

(5)

騒音  官能試験又は JIS B 6406 による。

記録様式 2

(

6

)

ここでいう加圧持続時間は,スライドが機械仕様に記されている加圧速度で,加圧距離を走行する時間とする。

1.6

慣性下降値  スライドの非常停止時の慣性下降値の測定を行う。


15

B 6403-1994

JIS B 6402

  機械プレスの試験方法及び検査外 1 件改正原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員会長)

西  村      尚

東京都立大学

初鹿野  寛  一

工業技術院機械技術研究所

吉  海  正  憲

通商産業省機械情報産業局

竹田原  昇  司

工業技術院標準部

梅  崎  重  夫

労働省産業安全研究所機械研究部

加  山  英  男

財団法人日本規格協会

板  東  英  明

アイダエンジニアリング株式会社

橋  本      明

株式会社アマダ

阿  部  俊  男

株式会社小松製作所

八  島  常  明

川崎油工株式会社

加  藤  弘  明

東和精機株式会社

後  藤  寛  治

京利工業株式会社

佐  藤  武  久

社団法人日本鍛圧機械工業会

中  島  次  登

社団法人日本金属プレス工業協会

杉  本      渉

株式会社エイジ

古  林      忠

日産自動車株式会社

西  山  武  男

本田技研工業株式会社

辻      秀  志

株式会社東芝

竹  田  義  治

日立日進エレクトロニクス株式会社

(事務局)

福  山  安  臣

社団法人日本鍛圧機械工業会

備考  ○印が付してある者は分科会委員も兼ねる。