>サイトトップへ >このカテゴリの一覧へ

B 6331-8

:2006 (ISO 13041-8:2004)

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本工作機械工業会(JMTBA)/財団

法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業

標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

これによって JIS B 6331:1986 は廃止され,この規格群に置き換えられる。

制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 13041-8:2004,Test conditions for

numerically controlled turning machines and turning centres

−Part 8: Evaluation of thermal distortions を基礎とし

て用いた。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は

もたない。

JIS B 6331

の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS B 6331-1

  第 1 部:水平工作主軸をもつ機械の静的精度

JIS B 6331-2

  第 2 部:垂直工作主軸をもつ機械の静的精度(予定)

JIS B 6331-3

  第 3 部:逆さ工作主軸をもつ機械の静的精度(予定)

JIS B 6331-4

  第 4 部:直進及び回転運動軸の位置決め精度

JIS B 6331-5

  第 5 部:送り速度,主軸速度及び補間運動の精度(予定)

JIS B 6331-6

  第 6 部:工作精度検査

JIS B 6331-7

  第 7 部:座標平面内における輪郭性能の評価

JIS B 6331-8

  第 8 部:熱変形試験


B 6331-8

:2006 (ISO 13041-8:2004)

(2)

目  次

ページ

序文

1

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  定義

2

4.

  一般事項

2

4.1

  JIS B 6193 の引用

2

4.2

  検査の順序

2

4.3

  実施する検査

2

5.

  環境温度変動(ETVE)による誤差試験

2

5.1

  一般

2

5.2

  試験方法

2

5.3

  測定器

2

5.4

  結果の表示

2

5.5

  記録すべき情報

3

6.

  主軸の回転によって引き起こされる熱変形

3

6.1

  試験の数

3

6.2

  試験方法

3

6.3

  測定器

3

6.4

  結果の表示

3

6.5

  記録すべき情報

4

7.

  直進軸の運動によって引き起こされる熱変形

4

7.1

  試験方法

4

7.2

  測定器

4

7.3

  結果の表示

4

7.4

  記録すべき情報

5

参考文献

6

 


日本工業規格

JIS

 B

6331-8

:2006

(ISO 13041-8

:2004

)

数値制御旋盤及びターニングセンタ−検査条件−

第 8 部:熱変形試験

Test conditions for numerically controlled turning machines and turning

centres

−Part 8: Evaluation of thermal distortions

序文  この規格は,2004 年に第 1 版として発行された ISO 13041-8,Test conditions for numerically controlled

turning machines and turning centres

−Part 8: Evaluation of thermal distortions を翻訳し,技術的内容及び規格票

の様式を変更することなく作成した日本工業規格である。

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある“箇所”は,原国際規格にはない事項である。

この規格の目的は,比較,受渡し,保守及び他の目的のために実行される静的精度,位置決め精度,輪

郭精度,熱影響及び工作精度検査に関して,できる限り幅広く,かつ,理解しやすい情報を提供すること

である。

この規格は,JIS B 6191JIS B 6192JIS B 6193JIS B 6194 及び JIS B 6195“工作機械の試験方法通

則”の関連部分を参照して,単独で又はフレキシブル生産システムで統合して使用する心押台をもつ又は

心押台をもたない NC 旋盤及びターニングセンタの検査について規定する。また,この規格は,普通精度

のはん(汎)用 NC 旋盤及びターニングセンタの検査方法及び許容値についても規定している。

1.

適用範囲  この規格は,JIS B 6193 に基づいて,直進軸が 2 000 mm 以下の数値制御旋盤(以下,NC

旋盤という。

)及びターニングセンタの機械構造及び位置決めシステムの熱変形の評価に適用する検査につ

いて規定する。

この規格は,次の 3 種類の検査について規定する。

−  環境温度変動による誤差試験

−  主軸の回転によって引き起こされる熱変形の試験

−  直進軸の運動によって引き起こされる熱変形の試験

この規格で規定する検査については,数値による許容範囲を規定する意向はないことに注意する。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。

ISO 13041-8:2004

,Test conditions for numerically controlled turning machines and turning centres−

Part 8: Evaluation of thermal distortions (IDT)

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS B 6191

  工作機械−静的精度試験方法及び工作精度試験方法通則


2

B 6331-8

:2006 (ISO 13041-8:2004)

備考  ISO 230-1:1996,Test code for machine tools−Part 1: Geometric accuracy of machines operating

under no-load or finishing conditions

からの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。

JIS B 6193

  工作機械−熱変形試験方法通則

備考  ISO 230-3:2001,Test code for machine tools−Part 3: Determination of thermal effects が,この規

格と一致している。

JIS B 6331-1

  数値制御旋盤及びターニングセンタ−検査条件−第 1 部:水平工作主軸をもつ機械の静

的精度

備考  ISO 13041-1:2004,Test conditions for numerically controlled turning machines and turning centres

−Part 1: Geometric tests for machines with a horizontal spindle が,この規格と一致している。

3.

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,JIS B 6331-1 の 3.

による。

4.

一般事項

4.1

JIS B 6193

の引用  特に検査前の機械の据付け,機械の暖機運転,測定方法の記述,評価,測定器

の推奨精度及び結果の表示については,JIS B 6193 による。

4.2

検査の順序  この規格に示す検査の順序は,実際の検査の順序を決めるものではない。測定器の取

付け及び検査が容易にできるように,検査は,どのような順序で行ってもよい。

4.3

実施する検査  機械を検査するときは,必ずしもこの規格に示したすべての検査を行う必要はない。

この検査が受渡しのために必要なとき,使用者は,製造業者との協定に基づいて関心のある機械の構成要

素及び/又は特性に関係する検査事項を選択してもよい。検査事項は,機械を発注するときに明確にしな

ければならない。実施する検査事項の指定がなく,また,その検査に要する経費についての協定もない状

態でこの規格を受取検査に引用するだけでは,受渡当事者相互間を拘束することにはならない。

5.

環境温度変動(ETVE)による誤差試験

5.1

一般  ETVE 試験は,工作機械に及ぼす環境温度変化の影響を明らかにするために行う。この試験

を,機械比較のために使用してはならない。

製造業者は,工作機械が仕様どおりの性能で運転するためにどのような環境温度が許容できるかに関す

る指針を提供することが望ましい。運転のために許容できる環境温度を用意することは使用者の責任であ

る。しかしながら,使用者が機械供給者/製造業者の提供した指針に従う場合は,仕様に従った機械性能

への責任は,機械供給者/製造業者にある。

5.2

試験方法  試験方法は,JIS B 6193 の 5.2 に規定された方法に従わなければならない。ETVE 試験は,

最小 4 時間持続すべきである。測定器の読みがなんらかの動きを見せている場合には,試験は最大 24 時間

まで続けるべきである。

備考  垂直及びスラントベッドの軸を,NC“HOLD”コマンドのときに暖機運転する。そのような場

合には,すべての制御を“OFF”として ETVE 試験を実行することを推奨する。これは,試験

手順で規定するのが望ましい。

5.3

測定器  測定器は,次のものを使用する。直線変位プローブ,温度センサ,テストバー及びデータ

収集装置

5.4

結果の表示  表 は,結果の表示形式の例を示す。結果は,JIS B 6193 の 5.3 に規定するように図示

するのが望ましい。


3

B 6331-8

:2006 (ISO 13041-8:2004)

  1  ETVE 試験結果の表示形式

試験結果

試験事項

カテゴリ 1

カテゴリ 2

カテゴリ 3

Time

            min

ETVE

(X)      mm

ETVE

(Y)      mm

ETVE

(Z)      mm

ETVE

(A) mm/mm 又は秒(″)

ETVE

(B) mm/mm 又は秒(″)

備考1.  カテゴリは,旋盤・ターニングセンタの機種別精度検査 JIS に規定するカテゴリによる。 
    2.  A=(Y1−Y2)/

l

,B=

(X1−X2)/

l

    3.  記号については,JIS B 6193 の 5.2 を参照する。

5.5

記録すべき情報

a)

製造業者名

b)

製造年(製造年が分かる場合)

c)

型式及び製造番号

d)

測定器セットアップの位置

e)

温度センサの位置

f)

センサのタイプ

g)

テストバー及び取付具の設計及びその材料

h)

熱補正手順

i)

その他特別な試験手順

j)

試験の日付及び時間

k)

試験を行う前の機械準備手順

l)

制御 OFF

6.

主軸の回転によって引き起こされる熱変形

6.1

試験の数  一つの主軸につき 1 回の試験を行う。

6.2

試験方法  試験方法は,JIS B 6193 の 6.2 に定義された方法に従って行う。ただし,実際的な理由に

対しては,試験手順は,変動速度分布による。

備考  例えば速度分布は,主軸を最高主軸速度のある割合の速度で一定の時間回転させ,その後工作

主軸を一定の時間停止させる。

(例えば,3 分間最高主軸速度の 70

%で回転させた後,1 分間

停止させる)このサイクルは,全試験時間の間繰返される。速度分布の正確な詳細は,使用者

と製造業者との間で協定する。

この試験は,少なくとも 4 時間続け,更に主軸を停止させた状態で 1 時間行わなければならない。

6.3

測定器  測定器は,次のものを使用する。変位計,温度センサ,テストバー及びデータ収集装置

6.4

結果の表示  表 は,結果の表示形式の例を示す。さらに,結果は,JIS B 6193 の 6.3 に規定するよ

うに図示するのが望ましい。


4

B 6331-8

:2006 (ISO 13041-8:2004)

  2  主軸回転による熱影響の表示形式

              試験結果 
試験事項

カテゴリ  1

カテゴリ  2

カテゴリ  3

 60

分後  周期 

終わり

の後

距離 l

60

分後

周期 

終わり

の後

距離 l

60

分後  周期 

終わり

の後

距離 l

X1

mm

Y1

mm

Z

      mm

A

  mm/mm 又は秒(″)

B

  mm/mm 又は秒(″)

備考1.  カテゴリは,旋盤・ターニングセンタの機種別精度検査 JIS に規定するカテゴリによる。 
    2.  A=(Y1−Y2)/

l

,B=

(X1−X2)/

l

    3.  記号については,JIS B 6193 の 5.2 を参照する。

6.5

記録すべき情報

a)

製造業者名

b)

製造年(製造年が分かる場合)

c)

型式及び製造番号

d)

測定器のセットアップの位置

e)

温度センサの位置

f)

センサのタイプ

g)

テストバー及び取付具の設計及びその材料

h)

熱補正手順

i)

主軸速度範囲

j)

その他特別な試験手順

k)

試験の日付及び時間

l)

試験を行う前の機械準備手順

7.

直進軸の運動によって引き起こされる熱変形

7.1

試験方法  試験は,JIS B 6193 の 7.2 に規定する方法に従って行う。

備考  実際には,主要軸と補助軸とにおいては異なった送り速度を用いる(例えば,主要軸について

は,その限界は,F

max

の 50

%に設定し,補助軸については,F

max

の 20

%に設定する。

この試験は,4 時間かけて行う。

7.2

測定器  測定器は,次のものを使用する。レーザ干渉計又は両方向変位計及び特殊テストバー

レーザ干渉計を使用する際には,JIS B 6191 の A.13 に従って適切な注意を払わなければならない。

7.3

結果の表示  表 は,結果の表示形式の例を示す。さらに,結果は,JIS B 6193 の 7.4 に規定するよ

うに図示するのが望ましい。


5

B 6331-8

:2006 (ISO 13041-8:2004)

  3  軸移動による熱影響の表示形式

カテゴリ 1

カテゴリ 2

カテゴリ 3

試験結果

試験事項

X Y Z 

X Y Z 

X Y Z 

e1

      m

e2

      m

e1

-

      m

e2

-

      m

備考1.  カテゴリは,旋盤・ターニングセンタの機種別精度検査 JIS に規定するカテゴリによる。 
    2.  記号については,JIS B 6193 の 7.4 を参照する。 

例  e1

x+

は,Z 軸の正の向きでの目標位置 1 の温度ドリフトの全範囲をいう。

7.4

記録すべき情報

a)

製造業者名

b)

製造年(製造年が分かる場合)

c)

型式及び製造番号

d)

変位率

e)

測定線の位置

f)

始点及び終点の位置

g)

補正能力及び設備

h)

使用した測定器

i)

温度センサ位置

j)

使用した熱膨張率

k)

ドウェル時間

l)

試験の日付及び時間

m)

暖機運転の手順

n)

試験開始時の測定対象の温度


6

B 6331-8

:2006 (ISO 13041-8:2004)

参考文献

[1]

  JIS B 0181  産業オートメーションシステム−機械の数値制御−用語

備考  ISO 2806:1994,Industrial automation systems−Numerical control of machines−Vocabulary (IDT)

[2]

  JIS B 6192  工作機械−数値制御による位置決め精度試験方法通則

備考  ISO 230-2:1997/Cor.1:1999,Test code for machine tools−Part 2: Determination of accuracy and

repeatability of positioning numerically controlled axes (MOD)

[3]

  JIS B 6194  工作機械−数値制御による円運動精度試験方法通則

備考  ISO 230-4:1996,Test code for machine tools−Part 4: Circular tests for numerically controlled

machine tools (MOD)

[4]

  JIS B 6195  工作機械−騒音放射試験方法通則

備考  ISO 230-5:2000,Test code for machine tools−Part 5: Determination of the noise emission (IDT)

[5]

  ISO 1:2002,Geometrical Product Specifications (GPS)−Standard reference temperature for geometrical

product specification and verification

[6]

  ISO/TR 16015:2003,Geometrical product specifications (GPS)−Systematic errors and contributions to

measurement uncertainty of length measurement due to thermal influences