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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

B 4711-1991 

木工機械用回転かんな胴 

Cutter blocks for wood planing 

1. 適用範囲 この規格は,平かんな刃を使用する木工機械用回転かんな胴(以下,かんな胴という。)に

ついて規定する。 

備考1. この規格の引用規格を,次に示す。 

JIS B 0601 表面粗さの定義と表示 

JIS B 0659 比較用表面粗さ標準片 

JIS B 0905 回転機器の釣合い良さ−剛性ロータ 

JIS B 7507 ノギス 

JIS B 7514 直定規 

JIS B 7516 金属製直尺 

JIS B 7526 直角定規 

JIS B 7540 Vブロック 

JIS B 7737 釣合い試験機 

JIS G 4051 機械構造用炭素鋼鋼材 

2. この規格の中で{ }を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって,

参考として併記したものである。 

2. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。 

(1) かんな胴 木工機械用回転かんな盤において,平かんな刃を取り付ける部品。主軸にカッタヘッドを

取り付けたもの,又は主軸とカッタヘッドとが一体となったものがあり,カッタヘッドはかんな胴本

体,裏刃,刃押さえ,締付ねじなどによって構成される。 

(2) 刃先円直径 かんな胴に取り付けた平かんな刃の刃先が描く仮想円の直径(表2及び表4参照)。 

(3) 対角長さ 角胴の対角方向での裏刃部先端間の距離(表4参照)。 

3. 種類 かんな胴の種類は,丸胴一体形,丸胴分離形及び丸胴組立形(以下,丸胴という。)並びに角胴

一体形,角胴分離形及び角胴2枚刃形(以下,角胴という。)の6種類とする(図1参照)。 

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B 4711-1991  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図1 種類 

備考 図はそれぞれ例を示すものであって,構造を規定するものではない 

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B 4711-1991  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4. かんな胴本体 かんな胴本体は,次による。 

4.1 

構造 かんな胴本体は,十分な剛性をもち,工作精度に影響を及ぼさないものでなければならない。 

4.2 

形状・寸法 かんな胴本体の形状及び寸法は,次による(図1参照)。 

(1) 丸胴の形状及び寸法は,表1及び表2による。 

表1 丸胴の長さ 

表2 丸胴の直径 

単位 mm 

長さ L 

基準寸法 

許容差 

 50 

±0.5 

 60 

 70 
 80 
 90 
100 

125 
150 
175 
200 

250 
300 
350 

±0.7 

400 

450 
500 
600 

±1.0 

750 

900 

単位 mm 

直径 D 

刃先円直径 

D '(参考) 

基準寸法 

許容差 

 52 

±1.0 

 55 

 62 

 65 

 72 

 75 

 82 

 85 

 87 

 90 

 92 

 95 

 97 

100 

102 

105 

107 

110 

112 

115 

117 

120 

122 

125 

127 

130 

132 

135 

137 

140 

142 

145 

147 

150 

152 

155 

157 

160 

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B 4711-1991  

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(2) 角胴の形状及び寸法は,表3及び表4による。 

表3 角胴の長さ及びかんな刃の締付位置 

表4 角胴の対角長さ 

単位 mm 

長さ L 

締付ねじ 

基準寸法 

許容差 

位置 

数 

 50 

±0.5 

  0 

25 

 60 

  0 

30 

 70 

 35 

17.5 

 80 

 40 

20 

 90 

 45 

22.5 

100 

 50 

25 

125 

 75 

150 

 50 

25 

175 

 60 

27.5 

200 

 75 

25 

250 

 65 

27.5 

300 

 80 

30 

350 

±0.7 

 75 

25 

400 

 85 

30 

450 

 95 

35 

500 

 90 

25 

600 

±1.0 

 90 

30 

750 

100 

25 

900 

105 

30 

単位 mm 

直径(対角長さ)D 

刃先円直径 

D '(参考) 

基準寸法 

許容差 

52 

±1.0 

55 

62 

65 

72 

75 

82 

85 

87 

90 

92 

95 

97 

100 

102 

105 

107 

110 

112 

115 

117 

120 

122 

125 

127 

130 

132 

135 

137 

140 

142 

145 

147 

150 

152 

155 

157 

160 

4.3 

本体外周の振れ及び円筒度 本体外周の振れの許容値は0.03mm,円筒度の許容値は0.05mmとする。 

4.4 

釣合い良さ かんな胴本体の釣合い良さは,2面釣合わせとし,JIS B 0905で規定する釣合い良さの

等級G6.3以上とする。 

4.5 

かんな刃取付面の真直度 かんな刃取付面の真直度は,次による。 

(1) 長さ方向の真直度は,表5による。 

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B 4711-1991  

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表5 かんな刃取付面の真直度 

単位 mm 

かんな刃取付面の長さ 

許容値 

50以上 

600以下 

1 000について 

0.2 

600を超え 
900以下 

1 000について 

0.4 

(2) 角胴の幅方向は,中高であってはならない(図2参照)。 

図2 角胴の断面 

4.6 

角胴の裏刃部先端の表面粗さ 角胴の裏刃部先端の表面粗さは,JIS B 0601で定める6.3a (25S) とす

る(図2参照)。 

4.7 

丸胴のかんな刃取付溝の構造 丸胴のかんな刃取付溝は,図3の(1)〜(3)の方法によって刃を取り付

けたとき,遠心力で刃が飛び出すことがない構造とする。 

図3 かんな刃の取付方法 

備考 図は,例を示すものであって,構造を規定するものではない。 

5. 丸胴に用いる裏刃 

5.1 

かんな刃接触面の真直度 かんな刃接触面の真直度は,次による。 

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B 4711-1991  

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(1) 長さ方向の真直度は,表6による。 

表6 かんな刃接触面の真直度 

単位 mm 

かんな刃接触面の長さ 

許容値 

50以上 

300以下 

1 000について 

0.4 

300を超え 
900以下 

1 000について 

0.8 

(2) 幅方向は,中高であってはならないものとする(図4参照)。 

図4 裏刃の断面 

5.2 

裏刃先端部の表面粗さ 裏刃先端部の長さ方向についての表面粗さは,JIS B 0601で定める6.3a 

(25S) とする(図4参照)。 

5.3 

裏刃のタップ立て 裏刃のタップ立ては,その中心線の方向がかんな胴のかんな刃取付面に対し,

かんな刃を十分かつ容易に締め付けるのに支障がないものでなければならない。 

5.4 

裏刃の取付け 裏刃は,その先端がかんな胴本体外周面から2mm以上出ないように取り付けること

ができる構造とする。 

6. 締付ねじ 締付ねじの寸法,並びに頭部及び先端の形状は,図5による。 

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B 4711-1991  

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図5 締付ねじ 

7. 材料 かんな胴本体裏刃及び締付ねじの材料は,次による。 

(1) 丸胴及び裏刃の材料は,JIS G 4051のS45C又はこれと同等以上の機械的性質をもつものとする。裏

刃の先端部は,焼入れ,焼戻し,その他耐摩耗性を高くする処理を施す。 

(2) 角胴及び締付ねじの材料は,JIS G 4051のS35C又はこれと同等以上の機械的性質をもつものとする。

裏刃部の先端は焼入れ,焼戻し,その他耐摩耗性を高くする処理を施す。 

8. 試験方法 

8.1 

かんな胴の形状・寸法 かんな胴本体,裏刃及び締付ねじの形状・寸法の試験は,表7による。 

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B 4711-1991  

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表7 試験方法 

番号 

項目 

測定方法 

検査方法図 

測定器具 

かんな胴本

体の長さ 

ノギス又は金属製直尺でか

んな胴本体のかんな刃取付

溝に沿って測定する。 

 なお,角胴については,

裏刃部の長さ方向を測定す

る。 

JIS B 7507の1級のノギス

又はJIS B 7516のC形2級

の金属製直尺 

かんな胴本

体の直径又

は対角長さ 

ノギスでかんな胴本体の直

径又は対角長さをかんな胴

本体の長さ方向の2か所で

測定する。 

 なお,角胴については,

すべての対角長さを測定す

る。 

ノギス 

かんな胴本

体外周の振

れ(丸胴) 

かんな胴本体の軸受部を2

個のVブロックで受けて定

盤上に置き,かんな胴の両
端(1)及び中央部にダイヤル

ゲージを当てて,かんな胴

を手動で回転して,その読

みの最大差を測定値とす

る。 

 分離形かんな胴について

は,テストバーを使用して

行う。 

テストバー 

0.01mm目盛ダイヤルゲー

ジ 

精密定盤 

JIS B 7540の1級のVブロ

ック 

かんな胴本

体の円筒度

(丸胴) 

かんな胴本体の軸受部を2

個のVブロックで受けて定

盤上に置き,かんな胴の両
端(1)及び中央部の外周高さ

をダイヤルゲージで読み,

その最大差を測定値とす

る。 

 この測定は,刃数と同じ

等分の外周で,それぞれ行

う。 

 分離形かんな胴について

は,テストバーを使用して

行う。 

テストバー 

0.01mm目盛ダイヤルゲー

ジ 

精密定盤 

Vブロック 

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B 4711-1991  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

項目 

測定方法 

検査方法図 

測定器具 

かんな

刃取付

面の真

直度 

向 

かんな刃の取付面に直定規

を当てて,すきまをすきま

ゲージで測定する。 

 すべてのかんな刃の取付

面について行う。 

JIS B 7514のA級の直定

規,すきまゲージ 

向 

直定規又は直角定規を当て

て目視で中高でないことを

確認する。 

 すべてのかんな刃の取付

面について行う。 

直定規,JIS B 7526の2級

の直角定規 

裏刃の

かんな

刃接触

面の真

胴) 

向 

直定規を裏刃のかんな刃接

触面に当てて,すきまをす

きまゲージで測定する。 

 すべてのかんな刃接触面

について行う。 

直定規,すきまゲージ 

向 

定盤にかんな刃接触面を当

てて,目視で中高でないこ

とを確認する。 

 すべてのかんな刃接触面

について行う。 

精密定盤 

締付ねじの

二面幅 

ノギスを用いて測定する。

この測定は,それぞれの二

面幅について行う。 

ノギス 

注(1) 

だれの部分を避けて測定する。 

8.2 

かんな胴本体の釣合い良さ かんな胴本体の釣合い良さは,JIS B 7737に規定する試験機を用いて

測定する。ただし,この測定は,かんな刃を取り付けないで行う。 

8.3 

丸胴の裏刃先端部及び角胴の裏刃部先端の表面粗さ 丸胴の裏刃先端部及び角胴の裏刃部先端の表

面粗さは,JIS B 0659に規定する標準片を用いて目視によって調べる。 

9. 検査 かんな胴の検査は,8.によって形状・寸法,本体外周の振れ及び円筒度,釣合い良さ,かんな

刃取付面の真直度,裏刃のかんな刃接触面の真直度,裏刃先端部(丸胴)又は裏刃部先端(角胴)の表面

粗さ及び締付ねじについて行い,それぞれ4.2〜4.6,5.1,5.2及び6.の規定に適合しなければならない。 

10. 製品の呼び方 かんな胴の呼び方は,規格番号又は規格名称,種類及び寸法(長さ×直径又は対角長

さ)による。 

例 JIS B 4711 

丸胴一体形 100×102 

木工機械用回転かんな胴 

丸胴一体形 100×102 

11. 表示 製品の適当な箇所に,次の事項を表示する。 

10 

B 4711-1991  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(1) 寸法(長さ×直径又は対角長さ) 

例 100×102mm 

(2) すくい角(2) 

例 30° 

(3) 許容回転速度 

例 5 000min−1 {rpm} 

(4) 製造業者名又はその番号 

例 ○○○○ 

注(2) 設計刃先円を基準とした値とする。 

関連規格 JIS B 0114 木材加工機械の名称に関する用語 

JIS B 4709 木工機械用平かんな刃 

JIS B 6502 かんな盤の試験及び検査方法 

JIS B 6601 自動一面かんな盤の構造の安全基準 

JIS B 6602 面取り盤の構造の安全基準 

11 

B 4711-1991  

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一般機械部会 木工機械専門委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員会長) 

林   大九郎 

東京農業大学農学部 

福 井   尚 

東京農業大学農学部 

杉 原 彦 一 

近畿大学農学部 

喜多山   繁 

東京農工大学農学部 

中 野 達 夫 

農林水産省林野庁森林総合研究所木材利用部 

梅 井   勲 

労働省労働基準局安全衛生部 

喜 田 勝治郎 

通商産業省機械情報産業局 

桐 山 和 臣 

工業技術院標準部 

村 上   勝 

社団法人全国木工機械工業会 

谷 野 八 郎 

庄田鉄工株式会社技術部 

五十川 芳 文 

株式会社太平製作所技術担当部 

児 玉 幸 夫 

株式会社中国機械製作所技術部 

井 本 二 郎 

飯田工業株式会社 

永 田 幸 弘 

株式会社菊川鉄工所設計部 

中 山 辰 雄 

株式会社田中機械製作所 

大 友 静 正 

株式会社ウロコ製作所 

井 上 哲 男 

東和木材株式会社 

児 玉   実 

木材加工技術コンサルタント 

佐 藤 正 徳 

株式会社佐藤製材所 

櫻 井   昭 

開成産業株式会社 

佐 藤   久 

社団法人全国家具工業連合会 

西 谷 嘉寿夫 

杜団法人全国木材組合連合会 

菊 池   茂 

江戸川家具工業株式会社 

(事務局) 

大 磯 義 和 

工業技術院標準部機械規格課 

縄 田 俊 之 

工業技術院標準部機械規格課