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B 4604 : 1998  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日

本工業規格である。これによってJIS B 4604-1995は改正され,この規格に置き換えられる。 

今回の改正では,日本工業規格と国際規格との整合を図ることに重点を置き,対応国際規格の技術的内

容を変更することなく採用し附属書に規定した。さらに,国際規格の差異を必要最小限とするため,旧JIS

の内容の一部を改正し,本体に規定した。 

また,JIS Z 8301(規格票の様式)が1996年7月に改正されたのに伴い,これに従って規格票の様式も

変更した。 

JIS B 4604には,次に示す附属書がある。 

附属書(規定) I形モンキレンチ 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

B 4604 : 1998 

モンキレンチ 

Adjustable angle wrenches 

序文 

この規格は,備考に示す国際規格を元に,本体には,従来,日本工業規格で規定していた種類・

等級とこれらの形状・寸法,品質,検査,製品の呼び方及び表示を規定し,附属書には,対応国際規格を

翻訳し,技術的内容を変更することなく規定した日本工業規格であるが,対応国際規格にはない規定項目

(外観,検査,製品の呼び方及び表示)を日本工業規格として追加している。 

なお,附属書のうち,点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格にない事項である。 

備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。 

ISO 1703 : 1983, Assembly tools for screws and nuts−Nomenclature 

ISO 1711 : 1975, Hand operated wrenches and sockets−Technical specifications 

ISO 6787 : 1982, Assembly tools for screws and nuts−Adjustable wrenches−Width across flats up to 

50 mm 

1. 適用範囲 この規格は,主としてボルト,ナット及び四角止めねじの組付け又はその取外しに用いる

口の開き幅を調節することのできるモンキレンチ(以下,レンチという。)について規定する。 

2. 種類及び等級 種類及び等級は,表1による。 

表1 種類及び等級 

種類 

等級 

種類及び等級

を表す記号 

加工方法 
による種類 

口の傾き角度
による種類 

全鍛造品 

15度形 

強力級 

普通級 

23度形(2) 

強力級 

普通級 

下あご鍛造品(1) 

23度形(2) 

− 

注(1) 下あご鍛造品とは,本体が鍛造品でないものをいう。 

(2) 23度形とは,口の傾き角度が22.5°のものをいう。 

3. 形状及び寸法 形状は,図1によるのがよい。寸法は,表2による。 

参考 ハンドル穴の直径については規定しないが,著しい偏心があってはならない。 

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B 4604 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図1 形状 

表2 寸法 

単位mm 

呼び 

l(約) 

a1(最大) a2(最大) b(最大) 

d(最小) 

100 

110 

35 

10 

16 

150 

160 

48 

11 

21 

10 

200 

210 

60 

14 

26 

12 

250 

260 

73 

16 

31 

14 

300 

310 

86 

19 

36 

16 

375 

385 

105 

25 

44 

19 

4. 品質 

4.1 

外観 外観は,使用上有害な欠点がなく,仕上げの程度は良好でなければならない。 

4.2 

機能 

4.2.1 

ウォームとラックとのかみ合わせ ウォームとラックの動きは円滑でなければならない。 

4.2.2 

下あごの最大開き 下あごの最大開き幅は,表3による。 

表3 下あごの最大開き幅及びその許容差 

単位mm 

呼び寸法 

100 

150 

200 

250 

300 

375 

最大開き幅 

13

30

   + 

20

30

   

+ 

24

30

   

+ 

29

30

   + 

34

30

   + 

44

30

   + 

4.2.3 

下あごの遊び 下あごの縦の遊び(がた)は,ウォームが動かないよう軽く指先で押さえ,図2

に示す縦及び横方向について,先端の動きの量を測定する。下あごの遊びは,図2及び表4による。 

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B 4604 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図2 遊びの測定方向 

表4 下あごの遊び 

単位mm 

遊び 

呼び 

100及び150 200及び250 300及び375 

縦 

1.0以下 

1.2以下 

1.5以下 

横 

1.2以下 

1.2以下 

1.5以下 

4.2.4 

硬さ 全鍛造品のあごの硬さは43HRC,ウォームの硬さは40HRCとするのがよい。 

下あご鍛造品については,硬さを規定しない。 

4.3 

強さ試験強さ試験は,図3に示すように試験棒をくわえ,本体の端に荷重を負荷して表5の試験ト

ルクを加えた後に,使用性能に影響するような永久変形,その他の損傷があってはならない。 

図3 強さ試験 

表5 試験棒の二面幅及び試験トルク 

呼び 

100 

150 

200 

250 

300 

375 

試験棒の二面幅 mm 

13

0

   5.0

− 

19

0

   5.0

− 

24

0

   5.0

− 

27

0

   5.0

− 

32

0

   5.0

− 

41

0

   5.0

− 

試験トルク 

N・m 

全鍛造品 強力級 

60.8 

142.2 

274.6 

460.9 

784.5 

1471.0 

普通級 

29.4 

78.5 

176.5 

294.2 

480.5 

882.6 

下あご鍛造品 

21.6 

52.0 

117.7 

196.1 

318.8 

568.8 

備考1. 試験棒は,くわえられる面の口の深さよりも大であることが望ましい。 

2. 試験棒の硬さは,50HRC以上とする。 

5. 検査 検査は,形状,寸法及び品質について行い,それぞれ3.及び4.の規定に適合しなければならな

い。 

6. 製品の呼び方 製品の呼び方は,規格番号又は規格の名称,種類,等級及び呼びによる 

例 JIS B 4604 全鍛造品 23度形 強力級200mm 

モンキレンチ 下あご鍛造品 23度形 100mm 

B 4604 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

7. 表示 レンチには,適切な箇所に次の事項を表示する。 

a) 種類及び等級を表す記号 

b) 製造業者名又はその略号 

B 4604 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書(規定) I形モンキレンチ 

1. 適用範囲 この附属書は,二面幅が最大50mmのナット組付け用I形モンキレンチ(以下,レンチと

いう。)の全長と調整式あごの許容すきま及び工具の性能の試験条件を規定する。 

なお,品質,検査,製品の呼び方及び表示についても規定する。 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この附属書に引用されることによって,この附属書の規定の一部を構

成する。 

ISO 272 : 1982, Fasteners−Hexagon products−Widths across flats 

3. 形状及び寸法 形状は,附属書図1によるのがよい。寸法は,附属書表1による。 

4. 品質 

4.1 

外観 外観は,使用上有害な欠点がなく,仕上げの程度は良好でなければならない。 

4.2 

調整式あごのすきま 

a) 固定あごと調整可能なあごとの間のすきまjの測定は,附属書図1に従って,調整可能なあごに軽い

側圧を加えてから実施する。すきまは,両側面について附属書表1に規定しているjを超えてはなら

ない。 

b) 調整可能なあごは,かじりや食い込みがないように,開口部の範囲全体を円滑に動けるように機械加

工する。 

4.3 

硬さ 熱処理されたレンチの硬さは,少なくとも40HRCとする。頭部全体の硬さを試験する。 

4.4 

トルク試験 

4.4.1 

手順 

a) レンチの口に六角試験棒をくわえ,附属書表1によるトルクを加える。 

b) 試験中は,レンチに急激に力を加えたり,たたいたりしてはならない。荷重を次第に増していき,最

小試験トルクを加える。トルクは,荷重の大きさと荷重を加えた位置から試験棒の中心までの測定距

離の積として計算する。 

c) 六角試験棒の二面幅の基準寸法は,公差がh8の基準寸法Sに等しくする。試験棒の硬さは,55HRC

以上に熱処理する。六角試験棒の寸法を,附属書表1に示す。 

d) また,決められたトルク値に対して±2.5%の範囲で試験棒を回転できる装置を用いて,この試験を行

ってもよい。 

e) 最小試験トルクを加えた後に,レンチは使用性能に影響するような永久変形,その他の損傷を示して

いてはならない。 

4.4.2 

試験 

a) 試験棒は,あごの開きの底に当てがう。 

b) 荷重をレンチ軸に沿ってできるだけ遠くに,レンチの長手軸に垂直に加える。大形レンチを試験する

ときには,エクステンションチューブを使用する。 

c) レンチの両方向(正方向及び逆方向)に1回ずつ荷重を加えて試験する。 

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B 4604 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書図1 すきまの測定及び形状 

附属書表1 すきま,六角試験棒の二面幅及び試験トルク 

呼び 
長さ 

L mm 

最大 

すきま 

j mm 

六角試験棒の二面幅 

mm 

試験トルク(1) 

M 最小 

N・m 

基準寸法 

許容差 

100 

0.25 

12 

−0.027 

33 

150 

0.25 

17 

−0.027 

85 

200 

0.28 

22 

−0.033 

180 

250 

0.28 

27 

−0.033 

320 

300 

0.30 

32 

−0.039 

515 

375 

0.30 

41 

−0.039 

920 

450 

0.36 

50 

−0.039 

1 370 

注(1) Mは,ISO 1711のシリーズCの試験トルク値に係数0.8

を乗じた値に等しい。 

5. 検査 検査は,寸法及び品質について行い,それぞれ3.及び4.の規定に適合しなければならない。 

6. 製品の呼び方 製品の呼び方は,規格番号又は規格の名称,この附属書に基づいて製作されたことを

示す“I”,呼び長さによる。 

7. 表示 レンチには,適切な箇所に,呼び長さ及び製造業者の商標又はその略号及びこの附属書に基づ

いて製作されたことを示すために“I”を表示する。 

B 4604 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS B 4604(モンキレンチ)改正原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(主査) 

竹 原   康 

東京都立科学技術大学 

(委員) 

杉 上 孝 二 

通商産業省機械情報産業局 

高 橋 孝 一 

通商産業省製品評価技術センター 

本 間   清 

工業技術院標準部 

菅 谷 伸 夫 

トヨタ自動車株式会社 

鷹 野 武 次 

日産アルティア株式会社 

徳 田 憲 暁 

財団法人鉄道総合技術研究所 

豊 島 国 男 

株式会社日立製作所 

中 西 忠 雄 

防衛庁装備局調達補給室 

中 村 智 男 

日本ねじ研究協会 

三 沢   彰 

東日本旅客鉄道株式会社 

森   浩 一 

東京ガス株式会社 

森 部 幸 男 

社団法人日本自動車整備振興会連合会 

吉 田 育 夫 

株式会社東芝 

相 田 明 雄 

相伍工業株式会社 

岡 田 正 之 

北陽産業株式会社 

兼 古 耕 一 

株式会社兼古製作所 

川 上 平八郎 

東邦工機株式会社 

○ 佐 藤 浩 輔 

京都機械工具株式会社 

田 口 一 重 

株式会社ベツセル工業 

長谷川   直 

株式会社マルト長谷川工作所 

前 田 英 治 

前田金属工業株式会社 

松 塚 允 宏 

旭金属工業株式会社 

室 本   治 

室本鉄工株式会社 

吉 川   明 

株式会社スーパーツール 

渡 辺 鉄太郎 

全国作業工具工業組合 

(事務局) 

橋 本 繁 晴 

財団法人日本規格協会 

三 塚 隆 正 

財団法人日本規格協会 

備考 ○印は、WG主査を示す。