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日本工業規格

JIS

 B

4502

-1996

ねじ転造平ダイス

Thread rolling flat dies

1.

適用範囲  この規格は,次に示すおねじのねじ転造に用いるねじ転造平ダイス(

1

)

(以下,ダイスとい

う。

)について規定する。

(

1

)

ダイスは,移動ダイス及び固定ダイスの2個を一組とする。

ねじの種類

ねじの呼び

適用規格

メートル並目ねじ

M2

∼M24

JIS B 0205

メートル細目ねじ

M4

×0.5∼M24×1

JIS B 0207

備考  この規格の引用規格を,次に示す。

JIS B 0101

  ねじ用語

JIS B 0123

  ねじの表し方

JIS B 0176

  ねじ加工工具用語

JIS B 0205

  メートル並目ねじ

JIS B 0207

  メートル細目ねじ

JIS B 0271

  ねじ測定用三針

JIS B 0601

  表面粗さ−定義及び表示

JIS B 0659

  比較用表面粗さ標準片

JIS B 3102

  ねじ用限界ゲージの形状・寸法

JIS B 7153

  測定顕微鏡

JIS B 7184

  投影検査器

JIS B 7502

  マイクロメータ

JIS B 7503

  ダイヤルゲージ

JIS B 7507

  ノギス

JIS B 7513

  精密定盤

JIS B 7519

  指針測微器

JIS B 7524

  すきまゲージ

JIS B 7526

  直角定規

JIS B 7726

  ロックウェル硬さ試験機

JIS G 4404

  合金工具鋼鋼材

JIS Z 2245

  ロックウェル硬さ試験方法

2.

用語の定義  この規格で用いる主な用語の定義は,JIS B 0176 及び JIS B 0101 による。


2

B 4502-1996

3.

種類  ダイスの種類は,形状によって,片面ダイス及び両面ダイスの 2 種類とする。

4.

形状・寸法

4.1

形状・寸法  ダイスの形状及び寸法は,表 による。

表 1  ダイスの形状及び寸法

備考1.  取付け角

θ

c

は,一般には0

°±30′又は5°

0
1

°

とする。

2.

ねじ部の面取り角 K

c

は,一般には 30

°とする。

なお,面取り加工後の山頂の形状は,受渡当事者間の協定による。

3.

食付き部及び逃げ部のそれぞれの大きさ及び形状は,受渡当事者間の協定による。

4.

リード角は,一般には転造されるねじの基準有効径におけるリード角とする。


3

B 4502-1996

表 1  (続き)

単位 mm

全長

適用するねじの呼び(参考)

L

m

L

s

厚さ

T

高さ

H

メートルねじ

(並目及び細目)

54 42 15 15,

25

64 51 16 20

M2

∼M3

70 60 20 20,

25

75 63 18 32

M2.5

∼M4

95

82  25

25, 32, 40, 51

M3.5

∼M5

105

90  25

25, 32, 40, 51

M4

∼M6

114 102  25  32,

40,

51

M4

∼M7

140  125  32

32, 40, 51, 76

M5

∼M8

150  135  32

32, 40, 51, 76

M6

∼M9

165  150  32

32, 40, 51, 76

170 150  32  51

M6

∼M10

200  180  32

40, 51, 63, 76

M8

∼M12

203  190  38

40, 50, 60, 76

M8

∼M12

220  200  40

40, 50, 60, 80

M8

∼M14

230 210  40  76

M9

∼M14

270  240  40

40, 50, 60, 80

M10

∼M16

310  280  50

50, 60, 85, 102

M12

∼M18

330  300  50

50, 60, 85, 102

M12

∼M20

470  420  50

60, 85, 102, 125

M18

∼M24

備考  適用するねじの呼びは,全長 Ls に対する転がり数が約 5

∼8 になるように選ばれている。ただし,転がり数

νは,

次の式による。

d

L

v

S

3

=

ここに,  d:  ねじの呼び径

4.2

各部の寸法許容差  ダイスの全長,高さ及び厚さの許容差は,次による。

(1)

  L

m

L

s

の許容差  L

m

L

s

の許容差は,

表 のとおりとする。

表 2  L

m

L

s

の許容差

単位 mm

L

m

L

s

許容差

42

以上 120 以下

±0.3

120

を超え 400 以下

±0.5

400

を超えるもの

±0.8

(2)

高さ の許容差  高さ の許容差は,表 のとおりとする。

表 3  高さ の許容差

単位 mm

H

許容差

15

以上 30 以下

±0.2

30

を超え

120

以下

±0.3

120

を超えるもの

±0.5


4

B 4502-1996

(3)

厚さ の許容差厚さ  の許容差は,

4

.

0
0

mm

とする。

5.

品質

5.1

外観  ダイスの外観は,地きず及び割れ並びに有害なまくれ,きず,さびなどの欠点がなく,仕上

げは良好でなければならない。

5.2

表面粗さ  ダイスのねじ部の表面粗さは,7.1 による試験を行ったとき,JIS B 0601 に規定する 0.80

μmR

(3.2

μmR

y

)

とする。ただし,滑り止め加工を施したねじ面は除く。

5.3

硬さ  ダイスの硬さは,7.2 による試験を行ったとき,58HRC 以上とする。

5.4

各部の精度

5.4.1

ねじ部の精度  ねじ部の精度は,7.3 による試験を行ったとき,表 のとおりとする。

5.4.2

高さ の相互差  一組のダイスの高さ の相互差は,7.3 による試験を行ったとき,0.1 mm 以下

とする。

表 4  メートル並目ねじ及びメートル細目ねじ用ダイスのねじ部の精度

単位

μm

h

a

h

d

ピッチ

P

(mm)

基準寸法

(mm)

許容差 基準寸法

(mm)

許容差

ピッチの

許容差(

2

)

(25 mm につき)

山の半角の

許容差

(分)

0.4 0.087

+ 36
+ 29

0.130

±45

0.45 0.097

+ 42
+ 32

0.146

+11 
− 8

0.5 0.108

+ 45
+ 36

0.162

+12
− 8

±40

0.6 0.130

+ 55

+ 43

0.195

+13

− 9

0.7 0.152

+ 63

+ 50

0.227

+14

−10

±35

0.75 0.162

+ 67
+ 54

0.244

+15
−10

0.8 0.173

+ 71
+ 58

0.260

+15
−11

1 0.217

+ 87
+ 72

0.325

+17
−12

±15

±30


5

B 4502-1996

単位

μm

h

a

h

d

ピッチ

P

(mm)

基準寸法

(mm)

許容差 基準寸法

(mm)

許容差

ピッチの

許容差(

2

)

(25 mm につき)

山の半角の

許容差

(分)

1.25 0.271

+107
+ 90

0.406

+19
−13

±25

1.5 0.325

+126
+108

0.487

+21
−15

1.75 0.379

+146
+126

0.568

+22
−16

2 0.433

+165

+144

0.650

+24

−17

±20

2.5 0.541

+204

+180

0.812

+27

−19

3 0.650

+242
+216

0.974

+29
−21

±15

(

2

)

この表のピッチの許容差は,25 mm 離れた任意の二つの山と山との間
のピッチ合計に対するものをいう。25 mm 以外の寸法 l mm(標準のは

めあいの長さ以下の寸法に対しては,は標準のはめあいの長さとす
る。

)に対するピッチの許容差が必要な場合は,表中の数値に

l

2

.

0

乗じた値を適用する。ただし,標準のはめあいの長さは,JIS B 3102

2(ねじリングゲージの形状及び寸法)に規定する通りねじリング

ゲージの長さとする。

ダイスが漸進ピッチ誤差をもつときは,著しく傾向の違うものを一

組としてはならない。

備考1.  上図の太い実線は基準山形を,また,斜線を施した部分は,ダイス

の公差域を示す。

2.

ダイスの山頂は,0.125以上の丸みがなければならない。

また,ダイスの谷底のすみの丸みは,0.1を超えてはならない。

5.4.3

平面度  ダイスの支持面,底面,上面及びねじ面の平面度は,7.3 による試験を行ったとき,表 5

のとおりとする。

表 5  平面度の公差値

単位 mm

L

m

L

s

公差値

 160

以下

0.025

160

を超え 250 以下

0.040

250

を超えるもの 0.063

5.4.4

平行度  ダイスの底面と上面との平行度及びねじ面と支持面との平行度は,7.3 による試験を行っ

たとき,

表 のとおりとする。

表 6  平行度の公差値

単位 mm

L

m

L

s

公差値

 50

以下

0.025

50

を超え 100 以下

0.040

100

を超え 200 以下

0.063

200

を超えるもの 0.080

5.4.5

直角度  ダイスの直角度の公差値は,7.3 による試験を行ったとき,支持面と底面との直角度の公

差値は 25 mm につき 0.04 mm とし,端面と底面との直角度の公差値は 25 mm につき 0.2 mm とする。


6

B 4502-1996

5.4.6

リード角  ダイスのリード角の許容差及び一組の相互差は,7.3 による試験を行ったとき,表 

とおりとする。

表 7  リード角の許容差及び相互差

単位  分

許容差

相互差

±3 3 以下

備考  ダイスのリード角は,一般に

は転造されるねじの基準有効
径におけるリード角とする。

6.

材料  ダイスの材料は,JIS G 4404 に規定する SKD11,又はこれと同等以上の性能をもつものとする。

7.

試験方法

7.1

表面粗さ  ダイスのねじ部の表面粗さは,目視によって JIS B 0659 に規定する比較用表面粗さ標準

片を用いて測定する。

7.2

硬さ  ダイスの硬さは,JIS B 7726 に規定する試験機を用いて JIS Z 2245 に規定する試験方法によ

って測定する。

7.3

ねじ部の精度・高さ・平面度・平行度・直角度・リード角  ダイスのねじ部の精度,高さ,平面度,

平行度,直角度及びリード角は,

表 によって測定する。

表 8  ダイスの試験方法

番号

項目

測定方法

測定方法図

測定器具

1




h

a

及び h

d

ねじ山(食付き部及び逃げ部を除
く。

)の形をとり)(

3

)

,ねじ山のピッ

チ線を測定顕微鏡の十字線と一致さ
せ,マイクロメータの目盛を読み,
次に測定しようとする山の頂又は谷

底と十字線を一致させ,マイクロメ
ータの目盛を読む。このときの読み
の差が実測値である。

JIS B 7153

に規定する

測定顕微鏡

2

ピッチ

ねじ山(食付き部及び逃げ部を除
く。

)の形をとり(

3

)

,ねじ山のピッチ

線を測定テーブルの移動方向と一致
させ,測定顕微鏡の鏡筒をリード角
だけ傾け,ねじ山 A と顕微鏡の十字

線とを一致させて,マイクロメータ
の目盛を読む。次に必要な山数だけ
離れたねじ山 B まで移動テーブルを

動かして十字線とねじ山 B を一致さ
せ,マイクロメータの目盛を読む。
このときの A,B の読みの差が実測

値である。


7

B 4502-1996

番号

項目

測定方法

測定方法図

測定器具

3

山の半角  ねじ山(食付き部及び逃げ部を除

く。

)の形をとり(

3

)

,ねじ山のピッチ

線を測定テーブルの移動方向と一致
させ,測定顕微鏡の鏡筒をリード角
だけ傾け,ねじ山のフランク面に顕
微鏡の十字線を合わせ,その回転角

2

1

α

を測角顕微鏡で読み取る。同様に

して

2

2

α

を測定する。

4

高さ

外側マイクロメータ又はノギスで測
定する。

JIS B 7502

に規定する

外側マイクロメータ

JIS B 7507

に規定する

ノギス

5

平面度

精密定盤上に三つの支持台を介して

測定しようとする平面部分を置き,
その平面部の 3 点から定められる参
照平面を定盤と平行にし,ダイヤル

ゲージ又は指針測微器を精密定盤の
面に平行,かつ,前後左右に滑らせ
たときの指針の最大の振れを測定す

る。

6

平行度

精密定盤上に測定しようとする平面

部分を置き,ダイヤルゲージ,指針
測微器又は試料を精密定盤の面に平
行,かつ,前後左右に滑らせたとき

の指針の最大の振れを測定する。

JIS B 7513

に規定する

精密定盤

JIS B 7503

に規定する

ダイヤルゲージ

JIS B 7519

に規定する

指針測微器

7

直角度

精密定盤上に測定しようとする直角
部分を置き,刃形直角定規とすきま

ゲージを使用し,すきまの最大を測
定する。

JIS B 7513

に規定する

精密定盤

JIS B 7526

に規定する

刃形直角定規

JIS B 7524

に規定する

きまゲージ

8

リード角

支持面を下にして置き,底面に近い
ねじ溝(食付き部及び逃げ部を除
く。)にねじ測定用三針の 1 本を入

れ,底面とねじ溝のなす角度を測定
顕微鏡又は投影検査器で測定する。

JIS B 0271

に規定する

ねじ測定用三針

JIS B 7153

に規定する

測定顕微鏡

JIS B 7184

に規定する

投影検査器

(

3

)

形とは板形をいい,板形は,ねじ山加工のときに製作されたものをいう。

なお,実物で測定できる場合は直接測定でもよい。

8.

検査  ダイスの検査は,形状・寸法,外観,表面粗さ,硬さ及び各部の精度について行い,それぞれ

4.

及び 5.15.4 の規定に適合しなければならない。

9.

製品の呼び方  ダイスの呼び方は,規格番号又は規格の名称,種類,転造されるねじの呼び(

4

)

,ダイ

スの全長(

5

)L

m

L

s

,厚さ(

5

)

,高さ(

5

)

,及び材料記号による。ただし,転造されるねじが左ねじの場合は,ね

じの呼びの前に“左”を付け加える。

1.  JIS B 4502  両面ダイス  M6×1 105−90×25×25 SKD11


8

B 4502-1996

2.  ねじ転造平ダイス  片面ダイス  左  M8×1.25 165−150×32×40 SKD11

(

4

)

  JIS B 0123

による。ただし,メートル並目ねじの場合は,ピッチを付け加える。

(

5

)

10.

表示

10.1

製品の表示  ダイスには,一組の各々のダイスの上面に,一般には,次の事項を横書きに表示する。

(1)

転造されるねじが左ねじの場合は左ねじの記号 : L(転造されるねじが右ねじの場合は記号を付けな

い。)

(2)

転造されるねじの呼び(

4

)

: M6×1

(3)

材料の記号

: SKD11

(4)

製造業者名又はその略号

: ○○○○

(5)

製造番号及び組合せ番号(

6

)

: ○○○○−○○

(

6

)

各組のダイスを区別するための組固有の番号

10.2

包装の表示  ダイスの包装には,規格の名称,種類及び 10.1 に規定する事項を表示する。


9

B 4502-1996

ねじ転造ダイス改正原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

吉  本      勇

東京工業大学名誉教授

(幹事)

宮  林  光  行

株式会社彌満和製作所

大  橋  宣  俊

湘南工科大学

藤  野  達  夫

通商産業省機械情報産業局

大  嶋  清  治

工業技術院標準部

稲  葉  元  成

日本ねじ研究協会

因      幸二郎

財団法人日本規格協会

尾  形      卓

朝日工業株式会社

西  山  信  夫

株式会社名古屋螺子製作所

田  中  誠之助

株式会社佐賀鉄工所

上  杉  晃  弘

ミネベア株式会社

橋  爪  勇  人

株式会社トープラ

上  田  公  芳

株式会社サンノハシ

明  石  哲  也

有限会社トリテクノ

中  村  勝  弘

オーエスジー株式会社

山  口  允  也

株式会社田野井製作所

松  田      誠

株式会社大岡製作所

関  口      徹

株式会社不二越

平  野  武  治

日本工具工業会

(事務局)

中  村  智  男

日本ねじ研究協会

文責  中  村  勝  弘