日本工業規格
JIS
B
4213
-1996
ストレートシャンク台形
ランナエンドミル
Tapered end mills for trapeziform runner with parallel shanks
1.
適用範囲 この規格は,主として金型のランナ(
1
)
を加工するために使用する小端外径が 2mm 以上,
12mm
以下,テーパ半角が 7°,10°,12°,15°であるストレートシャンク台形ランナエンドミル(以
下,エンドミルという。
)について規定する。
注(
1
)
プラスチック金型及びダイキャスト金型に使用される湯道。
備考 この規格の引用規格を,次に示す。
JIS B 0021
幾何公差の図示方法
JIS B 0172
フライス用語
JIS B 0401
寸法公差及びはめあい
JIS B 0405
普通公差−第 1 部:個々に公差の指示がない長さ寸法及び角度寸法に対する公差
JIS B 0601
表面粗さ−定義及び表示
JIS B 0659
比較用表面粗さ標準片
JIS B 1011
センタ穴
JIS B 1501
玉軸受用鋼球
JIS B 4005
フライス用ストレートシャンク部−形状・寸法
JIS B 7503
ダイヤルゲージ
JIS B 7513
精密定盤
JIS B 7540
V
ブロック
JIS B 7725
ビッカース硬さ試験機
JIS B 7726
ロックウェル硬さ試験機
JIS G 4051
機械構造用炭素鋼鋼材
JIS G 4403
高速度工具鋼鋼材
JIS Z 2244
ビッカース硬さ試験方法
JIS Z 2245
ロックウェル硬さ試験方法
2.
用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS B 0172 による。
3.
種類 エンドミルの種類は,シャンクの形状によって,(プレイン)ストレートシャンク台形ランナエ
ンドミル(
2
)
とフラット付きストレートシャンク台形ランナエンドミルの 2 種類とし,底刃の形状は,スク
エア刃とする。
2
B 4213-1996
注(
2
)
紛らわしくない場合には,括弧を付けた文字は,省略してもよい。
4.
形状・寸法 エンドミルの形状及び寸法は,表 1 による。
表 1 エンドミルの形状及び寸法
単位 mm
シャンク径 d
参考
テーパ半角
2
α
小端外径
D
許容差
基準角度 許容差 基準寸法 許容差
js12
基準
寸法 プレインストレート
シャンク
h8
フラット付きストレ
ートシャンク
h6
刃長
l
全長
L
大端外径
D
1
2 4
2.98
2.5 5
3.73
3
±0.050
6 4.47
3.5 7
5.22
4
6
0
−0.018
0
−0.008
8
52
5.96
4.5 9
6.71
5
8
10
54
7.46
6
±0.060
10
0
−0.022
0
−0.009
12 62
8.95
8 16
11.93
10
±0.075 12
20
77
14.91
7
°
±15′
12
±0.090 16
0
−0.027
0
−0.011
24 84 17.89
2 4
3.41
2.5 5
4.26
10
°
±15′
3
±0.050 6
0
−0.018
0
−0.008
6
52
5.12
3
B 4213-1996
単位 mm
シャンク径 d
参考
テーパ半角
2
α
小端外径
D
許容差
基準角度 許容差 基準寸法 許容差
js12
基準
寸法 プレインストレート
シャンク
h8
フラット付きストレ
ートシャンク
h6
刃長
l
全長
L
大端外径
D
1
3.5 6
0
−0.018
0
−0.008
7 52
5.97
4 8
6.82
4.5
8
9
54
7.67
5 10
0
−0.022
0
−0.009
10 62
8.53
6
±0.060
12 10.23
8
12
16
77
13.64
10
±0.075
16
0
−0.027
0
−0.011
20 84 17.05
10
°
12
±0.090 20
0
−0.033
0
−0.013
24 90 20.46
2 4
3.70
2.5 5
4.63
3
±0.050 6
0
−0.018
0
−0.008
6
52
5.55
3.5 7
6.48
4
8
8
54
7.40
4.5 9
8.33
5
10
0
−0.022
0
−0.009
10
62
9.25
6
±0.060
12 11.10
8
12
16
77
14.80
10
±0.075
16
0
−0.027
0
−0.011
20 84 18.50
12
°
12
±0.090 20
0
−0.033
0
−0.013
24 90 22.20
2 4
4.14
2.5
6
0
−0.018
0
−0.008
5
52
5.18
3
±0.050
6 6.22
3.5
8
7
54
7.25
4 8
8.29
4.5
10
0
−0.022
0
−0.009
9
62
9.32
5 10
10.36
6
±0.060
12
12
77
12.43
8 16
0
−0.027
0
−0.011
16 84 16.57
10
±0.075
20
20 90 20.72
15
°
±15′
12
±0.090 25
0
−0.033
0
−0.013
24 100
24.86
備考1. 小端外径 D 及びシャンク径 d の許容差は,JIS B 0401による。
2.
刃長 l 及び全長 L の許容差は,JIS B 0405 に規定する公差等級 c(粗級)とする。
3.
センタ穴のある場合のセンタ穴は,JIS B 1011 による。
4.
プレインストレートシャンクの形状及び寸法は,JIS B 4005 の R 形による。
5.
フラット付きストレートシャンクの形状及び寸法は,JIS B 4005 による。
6.
刃数は,2 枚刃とする。
4
B 4213-1996
5.
品質
5.1
外観 エンドミルの外観は,地きず,割れ,有害なまくれ,きず,さび,接合不良などの欠点がな
く,仕上げは良好でなければならない。
5.2
表面粗さ エンドミルの刃部及びシャンクの表面粗さは,7.1 による試験を行ったとき,JIS B 0601
に規定する 0.80
μmRa (3.20μmR
y
)
とする。
5.3
硬さ エンドミルの硬さは,7.2 による試験を行ったとき,刃部の硬さは,63HRC 以上又は 772HV
以上とし,シャンクの硬さは,40HRC 以上又は 392HV 以上とする。
5.4
振れ エンドミルの刃部の振れは,7.3 による試験を行ったとき,表 2 による。
表 2 エンドミルの刃部の振れの公差値
備考 図示方法は,JIS B 0021 による。
単位 mm
小端外径基準寸法
D
外周刃の振れの公差値
t
r
底刃の振れの公差値
t
a
2
以上 4.5 以下 0.032
0.025
5
以上 10 以下 0.04
0.032
12 0.05
0.04
6.
材料 エンドミルの材料は,JIS G 4403 に規定する SKH51 又はこれと同等以上の性能をもつものとす
る。
なお,溶接エンドミルのシャンクの材料は,JIS G 4051 に規定する S55C 又は使用上これと同等以上の
性能をもつものとする。
7.
試験方法
7.1
表面粗さ エンドミルの刃部及びシャンクの表面粗さは,目視によって JIS B 0659 に規定する比較
用表面粗さ標準片と比較測定する。
7.2
硬さ エンドミルの硬さは,JIS B 7726 に規定するロックウェル硬さ試験機を用いて,JIS Z 2245
に規定するロックウェル硬さ試験方法によって測定する。ただし,ロックウェル硬さ試験機によって測定
できない場合は,JIS B 7725 に規定するビッカース硬さ試験機を用いて JIS Z 2244 に規定するビッカース
硬さ試験方法によって測定してもよい。
また,試験機による測定が困難な場合は,やすりによる比較測定を行ってもよい。
7.3
振れ エンドミルの刃部の振れは,図 1 のようにエンドミルを精密定盤上に置いた V ブロックで支
え,ダイヤルゲージを外周刃及び底刃の切れ刃に垂直に当て,矢の方向に回しながらダイヤルゲージの指
針の動きを読む。読みの最大値と最小値との差を測定値とする。
備考1. 精密定盤は,JIS B 7513に規定する1級とする。
5
B 4213-1996
2.
ダイヤルゲージは,JIS B 7503 に規定する目量 0.001mm ダイヤルゲージとする。
3.
V
ブロックは,JIS B 7540 に規定する 1 級とする。
4.
鋼球は,JIS B 1501 による。
図 1 エンドミルの刃部の振れの測定方法
備考 測定方法及び測定器具は,一般的な例を示したものである。
8.
検査 エンドミルの検査は,形状・寸法,外観,表面粗さ,硬さ及び振れについて行い,それぞれ 4.,
5.1
〜5.4 の規定に適合しなければならない。
9.
製品の呼び方 エンドミルの呼び方は,種類,小端外径 D×テーパ半角
2
α
及び刃部の材料記号(
3
)
によ
る。
例 ストレートシャンク台形ランナエンドミル 2×10° SKH51
フラット付きストレートシャンク台形ランナエンドミル 2×7° HSS-Co
注(
3
)
使用材料が,SKH51又はこれと同等の場合は HSS と,また,SKH55又はこれと同等の場合には
HSS-Co
と呼んでもよい。
10.
表示
10.1
製品の表示 エンドミルには,シャンク又は首部に刃部を下又は左にして,次の事項を横書きに表
示する。
例
(1)
小端外径 D×テーパ半角
2
α
:2×10°
(2)
刃部の材料記号
(
4
)
:SKH51
(3)
製造業者名又はその略号
注(
4
)
使用材料が,SKH51又はこれと同等の場合は HSS と,また,SKH55又はこれと同等の場合には
HSS-Co
と表示してもよい。
10.2
包装の表示 エンドミルの包装には,種類,及び 10.1 に規定する事項を表示する。
6
B 4213-1996
原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
村 田 良 司
東京理科大学
(委員)
藤 野 達 夫
通商産業省機械情報産業局
大 嶋 清 治
工業技術院標準部
伊 藤 哲
工業技術院機械技術研究所
因 幸二郎
財団法人日本規格協会
野 上 彰
株式会社不二越
羽 山 隆 貫
日立ツール株式会社
沢 畠 英 明
株式会社斎藤ツヰストドリル製作所
日下部 祐 次
株式会社神戸製鋼所
福 永 博 幸
三菱重工業株式会社
三 好 忠 義
オーエスジー株式会社
徳 増 肇
社団法人日本機械工業連合会
大 高 義 穂
社団法人日本工作機械工業会
西 村 欣 也
社団法人日本歯車工業会
石 川 侑 男
社団法人日本金型工業会
安 武 昭 彦
社団法人日本工作機器工業会
手 取 正 輝
いすゞ自動車株式会社
(関係者)
片 桐 泰 典
株式会社不二越
鳥 居 信 良
株式会社神戸製鋼所
関 口 徹
株式会社不二越
田 中 祐 弌
株式会社神戸製鋼所
吉 年 成 恭
日立ツール株式会社
(事務局)
平 野 武 治
日本工具工業会
西 垣 吉麻呂
日本工具工業会