B 4052
:2008
(1)
目 次
ページ
序文
1
1
適用範囲
1
2
引用規格
1
3
分類
2
4
研削といしの選択指針
2
B 4052
:2008
(2)
まえがき
この規格は,
工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,
研削砥石工業会(GIS)
及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,
日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。これによって,JIS B
4052:1988
は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に
抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許
権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は
もたない。
日本工業規格
JIS
B
4052
:2008
自由研削用といしの選択指針
Recommendation of wheels for free hand grinding
序文
この規格は,1960 年に制定され,その後 1 回の改正を経て今日に至っている。前回の改正は 1988 年に
行われたが,その後の技術の進歩に対応するために改正した。
なお,対応国際規格は,現時点で制定されていない。
1
適用範囲
この規格は,自由研削
1)
に使用する JIS R 6210 及び JIS R 6212 による研削といしの使用選択の指針を示
す。
注
1)
自由研削とは,切り込み,送りなどの研削条件が一定にできないばり取り,きず取りなどの研
削作業を称するが,この規格は,その中で卓上(床上)用グラインダ,携帯用グラインダ及び
スインググラインダを使用する場合のものを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。
)を適用する。
JIS G 3101
一般構造用圧延鋼材
JIS G 3201
炭素鋼鍛鋼品
JIS G 3444
一般構造用炭素鋼鋼管
JIS G 3445
機械構造用炭素鋼鋼管
JIS G 4051
機械構造用炭素鋼鋼材
JIS G 4053
機械構造用合金鋼鋼材
JIS G 4202
アルミニウムクロムモリブデン鋼鋼材
JIS G 4303
ステンレス鋼棒
JIS G 4311
耐熱鋼棒
JIS G 4401
炭素工具鋼鋼材
JIS G 4403
高速度工具鋼鋼材
JIS G 4404
合金工具鋼鋼材
JIS G 4805
高炭素クロム軸受鋼鋼材
JIS G 5101
炭素鋼鋳鋼品
JIS G 5111
構造用高張力炭素鋼及び低合金鋼鋳鋼品
JIS G 5501
ねずみ鋳鉄品
2
B 4052
:2008
JIS G 5502
球状黒鉛鋳鉄品
JIS G 5705
可鍛鋳鉄品
JIS R 6210
ビトリファイド研削といし
JIS R 6212
レジノイド研削といし
JIS R 6242
結合研削材といし−一般的要求事項
3
分類
自由研削用研削といしの選択指針は,次に示す使用機械と被削材との組合せによる。
a)
使用機械の分類 使用機械の分類は,次による。
1)
卓上(床上)用グラインダ
2)
携帯用グラインダ
3)
スインググラインダ
b)
被削材の分類 被削材の分類は,次による。
1)
鋼
− 普通炭素鋼
− 合金鋼
− 工具鋼
− ステンレス鋼
− 耐熱鋼
2)
鋳鉄
− 普通鋳鉄
− 球状黒鉛鋳鉄
− 可鍛鋳鉄
− 特殊鋳鉄
4
研削といしの選択指針
研削といしのと粒,粒度及び結合度の選択指針は,
表 1 による。表中の研削といし記号は,JIS R 6242
の 6.6(明細項目)による。
なお,研削といしの周速度は,ビトリファイド研削といしについては,23〜33 m/s,レジノイド研削と
いしについては,33〜50 m/s とする。
3
B 4052
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表 1−自由研削に使用する研削といしの選択指針
使用機械
研削といし外径(mm)
被削材
JIS 番号
卓上(床上)用
グラインダ
携帯用
グラインダ
スイング
グラインダ
125
を超え
405
以下
90
を超え
255
以下
305
を超え
610
以下
鋼
普通
炭
素
鋼
一般構造用圧延鋼材(SS)
機械構造用炭素鋼鋼材(S××C,S××CK)
一般構造用炭素鋼鋼管(STK)
機械構造用炭素鋼鋼管(STKM)
炭素鋼鍛鋼品(SF)
炭素鋼鋳鋼品(SC)
G 3101
G 4051
G 3444
G 3445
G 3201
G 5101
A 30 O V
A 30 O B
A 30 P B
A 20 R B
合金
鋼
機械構造用合金鋼鋼材(SNC,SNCM,SCr,SCM)
アルミニウムクロムモリブデン鋼鋼材(SACM)
高炭素クロム軸受鋼鋼材(SUJ)
構造用高張力炭素鋼及び低合金鋼鋳鋼品(SCC,
SCMn
,SCSiMn,SCMnCr,SCMnM,SCCrM,
SCMnCrM
,SCNCrM)
炭素工具鋼鋼材(SK)
G 4053
G 4202
G 4805
G 5111
G 4401
A 24 O B
A 24 O B
A 24 P B
A 20 Q B
工具鋼
高速度工具鋼鋼材(SKH)
合金工具鋼鋼材(SKS,SKD,SKT)
G 4403
G 4404
−
A 24 P B
A 20 P B
ス
テ
ン
レ
ス
鋼
ステンレス鋼棒(SUS 304,304L,316,316L,
316J1
,316J1L,321,403,410,420J2,430)
G 4303
A 30 M V
A 30 M B
A 30 M B
A 20 P B
耐熱
鋼
耐熱鋼棒(SUH 1,SUH 3,SUH 31,SUH 310)
G 4311
鋳鉄
普通鋳鉄
ねずみ鋳鉄品 1〜6 種(FC)
G 5501
C 20 Q V
C 20 Q B
C 20 R B
−
球状黒鉛鋳鉄品 0〜6 種(FCD)
G 5502
可鍛鋳鉄
パーライト可鍛鋳鉄品 1〜5 種(FCMP)
黒心可鍛鋳鉄品(FCMB)
白心可鍛鋳鉄品(FCMW)
G 5705
A 24 P V
A 24 P B
A 24 P B
A 20 P B
特殊鋳鉄
b)
−
A 24 P V
A 24 P B
A 24 Q B
A 20 Q B
注記 自由研削においては,特に研削条件の変化,使用機械の状態,作業の状況などの変動が広範囲にわたり,した
がってこの選択標準も,それらの広範囲のうちの中庸を示すものであり,それらが変化又は変動した場合の研
削といし選択に際しては,JIS B 4051 の
附属書 A 及び附属書 B を参照することが望ましい。
注
a)
工具鋼のうち炭素工具鋼は,研削といしの使用状況を考慮して合金工具鋼の分類に入れてある。
b)
特殊鋳鉄には,熱処理で引張強さを高くしたもの及びチル化した鋳鉄,合金鋳鉄を含む。
参考文献 JIS B 4051 研削といしの選択指針
a)