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日本工業規格

JIS

 B

2809

-1996

ワイヤグリップ

Wire ropes

−Grips for rope or wire strand

1.

適用範囲  この規格は,ワイヤロープ又は鋼より線 (steel wire strand) の締付けに用いるワイヤグリッ

プ(以下,グリップという。

)について規定する。

備考1.  この規格は,JIS G 3525によるワイヤロープに対する鍛造製のグリップ(F 形)に適用し,附

属書1は,JIS G 3525によるワイヤロープに対する鋳造製のグリップ(MR 形)に適用し,附

属書2は,JIS G 3537による鋼より線に対する鋳造製のグリップ(MS 形)に適用する。

2.

この規格の引用規格を,次に示す。

JIS B 0148

  巻上機用語

JIS B 0209

  メートル並目ねじの許容限界寸法及び公差

JIS B 0415

  鋼の熱間型鍛造品公差(ハンマ及びプレス加工)

JIS B 1181

  六角ナット

JIS B 1256

  平座金

JIS G 3101

  一般構造用圧延鋼材

JIS G 3525

  ワイヤロープ

JIS G 3537

  亜鉛めっき鋼より線

JIS G 5502

  球状黒鉛鋳鉄品

JIS G 5702

  黒心可鍛鋳鉄品

JIS H 0401

  溶融亜鉛めっき試験方法

JIS H 8501

  めっきの厚さ試験方法

JIS H 8610

  電気亜鉛めっき

JIS H 8641

  溶融亜鉛めっき

2.

用語の定義  この規格に用いる主な用語の定義は,JIS B 0148 による。

3.

種類  グリップの種類は,ワイヤロープのロープ径によって表 のように区分する。

種類を表す記号は,製造方法が鍛造であることを示す記号 F と,

表 で区分されるロープ径に対応する

数字によって示す。


2

B 2809-1996

表 1  種類

ロープ径  mm

種類の記号

6.3

8

F 8

9

10

F10

11.2 F12

12

12.5

F12

14 F14

16 F16

18 F18

20

22.4

F20-22

24

25

F24-25

26

28

F26-28

30

31.5

F30-32

33.5

35.5

37.5

F33-38

40

42.5

45

F40-45

47.5

50

F47-50

4.

性能  グリップの性能は,次による。

4.1

保持性能  保持性能は,10.1 の試験によって行い,(1)及び(2)の規定に適合しなければならない。

(1)

保持荷重で 3 分間保ったとき,2 本のワイヤロープ間の滑り量は 3mm 以下でなければならない。

(2)

保持荷重を除き,グリップを取り外したとき,ワイヤロープの素線の切断及びグリップのねじ部その

他の各部に異状があってはならない。

4.2

めっき性能  めっき性能は,10.2 の試験によって行い,(1)及び(2)の規定に適合しなければならない。

(1)

溶融亜鉛めっき(

1

)

の硫酸銅試験は,4 回繰り返しても終止点に達してはならない。

(2)

電気亜鉛めっきは,JIS H 8610 の Ep-Fe/Zn [3-C2]  とする。

(

1

)

乾式亜鉛めっきを含む。

5.

構造  グリップの構造は,図 に示すように,本体,U ボルト,ナット及び座金から構成する。

6.

形状,寸法

6.1

形状  グリップの形状は,図 による。


3

B 2809-1996

6.2

寸法  グリップの寸法は,表 による。U ボルト及びナットのねじ精度は,JIS B 0209 を適用し,U

ボルトは 8g,ナットは 7H とする。

図 1  形状

(

2

)

ナットは,JIS B 1181に規定する六角ナット C 又はこれと同等とし,六角ナット C のナットを用
いる場合は,JIS B 1256に規定する座金のみがき丸を併用する。ただし,当分の間,JIS B 1181

附属書(ISO 40324036及び ISO 86738675によらない六角ナット)に規定する1種のナット

を用いてもよい。


4

B 2809-1996

表 2  寸法 

単位 mm

本体

U

ボルト

A

B

C

D

E

G

1

r

G

2

L

S

種類

基準
寸法

許容

基準
寸法

許容

基準
寸法

基準
寸法

許容

基準
寸法

基準
寸法

許容

基準
寸法

許容

ねじ
の呼

(d)

基準
寸法

許容

基準
寸法

許容

基準
寸法

許容

F8 12

6

36

10

31

18

4.5

M

8

18

40

20

F10 15

7

45

12

35

22

5.5

M10

22

50

28

F12 18

8

51

14.5

39

26

6.5

M12

26

60

35

F14 21

9

53

14.5

45

28

7.5

M12

28

65

40

F16 24

+0.5

−1.5

10

+1.0

−0.3

60 16.5

48

32

8.5

M14

32

75

45

F18 25

11

62

16.5

±0.5

53

34

±0.5

9.5

±0.5

M14

34

±1.0

80

±1.5

50

±1.5

F20-22 31

12

78

21.5

62

44

12

M18

44

100

60

F24-25 34

13

+1.5

−0.3

86 23.5

68

48

13.5

M20

48

110

±2.0

65

±2.0

F26-28 39

14

94

25.5

75

54

15

M22

54

120

70

F30-32 42

+0.5

−2.5

15

+1.5

−0.4

98 25.5

±0.8

79

58

±1.0

17 M22

58

±1.5

130

±2.5

75

±2.5

F33-38 49

16

+2.0

−0.4

120 31.5

93

70

20

±1.0

M27

70

150

±3.0 85

±3.0

F40-45 53

19

136

34.5

100

80

24.5

M30

80

175

95

F47-50 60

+1.0

−3.0

21

+2.0

−0.5

150 37.5

±1.0

115

89

±1.5

27

±2.0

M33

89

±2.0

195

±3.5

100

±3.5

備考1.  ねじのない部分の径 d

1

の値は,一般にほぼねじの有効径に等しくとる。

2.  x

は,不完全ねじ部の長さで,約 2 山とする。

3.  C

及び 寸法の許容差は,JIS B 0415 の並級による。

参考  グリップの計算質量を参考表 に示す。

参考表 1  質量

単位  g

種類

計算質量

F8 75

∼  85

F10 140

∼ 150

F12 210

∼ 230

F14 250

∼ 270

F16 370

∼ 400

F18 430

∼ 460

F20-22 700

∼ 810

F24-25 1

000

∼1 100

F26-28 1

400

∼1 500

F30-32 1

500

∼1 700

F33-38 2

600

∼2 900

F40-45 3

900

∼4 400

F47-50 5

400

∼6 100

7.

外観  グリップの本体,U ボルト及びナットの表面は滑らかで,使用上有害な割れ,きず,かえり,

形ずれなどの欠点がなく,また,表面処理を施したものについては,膨れ,きず,素地露出などの欠点が

あってはならない。

8.

材料  グリップの本体,U ボルト,ナット及び座金の材料は,JIS G 3101 の SS400 又はこれと同等以

上のものとする。


5

B 2809-1996

9.

製造方法

9.1

グリップ本体  グリップの本体は,鍛造によって成形する。

9.2

表面処理  表面処理は,次による。

(1)

めっきを施す場合は,JIS H 8641 の溶融亜鉛めっき(

1

)

JIS H 8610 の電気亜鉛めっきなどとする。

(2)

電気亜鉛めっきを施した U ボルト及びナットのねじ精度は,JIS B 0209 を適用し,U ボルトは 8g,ナ

ットは 7H とする。ただし,溶融亜鉛めっきを施した場合のねじ精度は,受渡当事者間の協定による。

この場合,U ボルト及びナットのねじ部は,無理なくねじ込まれるものでなければならない。

10.

試験

10.1

引張試験  引張試験は,次の手順による。

(1)

めっきを施さないグリップ 2 個(

3

)

を,そのグリップが用いられる径のワイヤロープ(

4

)

図 のように

取り付け,2 本のワイヤロープに直接又はテープなどをはり,2 本のワイヤロープに共通した線を

図 2

の 部の中央の位置に書く。

(

3

)

ねじ部及びナットの摩擦面に油脂類が付着していてはならない。

(

4

)  JIS G 3525

の 6×24,めっき,普通 Z より

(2)

表 の締付けトルクで締め付け,ワイヤロープの両端に引張力を徐々に加え,表 の引張力に達した

とき,

表 の締付けトルクで再締付けを行う。

(3)

さらに引張力を徐々に増加して,

表 の保持荷重で 3 分間保った後,2 本のワイヤロープ間の再締付

け後の滑り量を測定する。滑り量は,(1)で書いた共通の線が荷重によって隔たった距離から求める。

(4)

次に荷重を除き,グリップを取り外し,ワイヤロープの素線の切断の有無及びグリップのねじ部その

他各部の異状の有無を調べる。

図 2  引張試験

単位  mm

種類

A

B

F8

から F14 まで 70

150

F16

から F47-50 まで 100

200


6

B 2809-1996

表 3  保持荷重

種類

保持荷重

kN

締 付 け ト ル ク 及 び 再

締付けトルク

N

・m

再 締 付 け を 行 う と き

の引張力

kN

F 8

8.5

17

6

F10 14 30 9

F12 20 45

12.5

F14 28 67

18

F16 36

106

23

F18 43

106

30

F20-22 60  250  45

F24-25 63  335  53

F26-28 85  425  71

F30-32 106

425

95

F33-38 150

630  132

F40-45 200

850  180

F47-50 250  1250  224

10.2

めっき試験  溶融亜鉛めっき(

1

)

の硫酸銅試験は,JIS H 0401 による。

また,電気亜鉛めっきの厚さ試験は,JIS H 8501 による。

なお,この試験では,製品をそのまま試験片とする。

11.

検査

11.1

グリップの構造は,5.の規定に適合しなければならない。

11.2

グリップの形状及び寸法は,6.の規定に適合しなければならない。

11.3

グリップの外観は,目視によって行い,7.の規定に適合しなければならない。

11.4

グリップの表面処理は,9.の規定に適合しなければならない。

11.5

グリップの性能は,10.によって試験を行い,4.の規定に適合しなければならない。

11.6

検査のための抜取方式は,受渡当事者間の協定による。

12.

製品の呼び方  グリップの呼び方は,規格番号又は規格の名称,種類,材料及び指定事項(

5

)

による。

ただし,材料は省略してもよいが,材料が指定されたときは必ず示す。

(

5

)

指定事項は必要に応じ,  (  )  を付けて示す。

例 1.

例 2.

13.

表示  グリップの本体の見やすい箇所に,次の事項を表示する。

(1)

種類

(2)

製造業者名又はその略号

(3)

製造ロット番号又はその略号


7

B 2809-1996

附属書 1  鋳造製ワイヤグリップ(MR 形)

1.

適用範囲  この附属書 は,JIS G 3525 のワイヤロープの締付けに用いる鋳造製(MR 形)のグリッ

プについて規定する。

2.

用語の定義  この附属書 に用いる主な用語の定義は,JIS B 0148 による。

3.

種類  グリップの種類は,ワイヤロープのロープ径によって附属書 表 のように区分する。

種類を表す記号は,製造方法が鋳造であることを示す記号 M と,ワイヤロープを表す記号 R 及び

附属

書 表 で区分されるロープ径に対応する数字によって示す。

附属書 表 1  種類

ロープ径  mm

種類の記号

6.3

8

MR8

9

10

MR10

11.2

12

12.5

MR12

14 MR14

16 MR16

18 MR18

20

22.4

MR20-22

24

25

MR24-25

26

28

MR26-28

30

31.5

MR30-32

33.5

35.5

37.5

MR33-38

40

42.5

45

MR40-45

47.5

50

MR47-50

4.

性能  グリップの性能は,次による。

4.1

保持性能  グリップの保持性能は,10.1 の試験によって行い,下記に適合しなければならない。

(1)

保持荷重で 3 分間保ったとき,2 本のワイヤロープ間の滑り量は 3mm 以下でなければならない。

(2)

保持荷重を除き,グリップを取り外したとき,ワイヤロープの素線の切断及びグリップのねじ部その

他の各部に異状があってはならない。


8

B 2809-1996

4.2

めっき性能  グリップのめっき性能は,10.2 の試験によって行い,下記に適合しなければならない。

(1)

溶融亜鉛めっき(

1

)

の硫酸銅試験は,10.2 の規定によって試験した場合,4 回繰り返しても終止点に達

してはならない。

(2)

電気亜鉛めっきは,JIS H 8610 の Ep-Fe/Zn [3-C2]  とする。

(

1

)

乾式亜鉛めっきを含む。

5.

構造  グリップの構造は,附属書 図 に示すように,本体,U ボルト,ナット及び座金から構成す

る。

6.

形状,寸法

6.1

形状  グリップの形状は,附属書 図 による。

6.2

寸法  グリップの寸法は,附属書 表 による。U ボルト及びナットのねじ精度は,JIS B 0209 

適用し,U ボルトは 8g,ナットは 7H とする。

附属書 図 1  形状

(

2

)

ナットは,JIS B 1181に規定する六角ナット C 又はこれと同等とし,六角ナット C のナットを

用いる場合は,JIS B 1256に規定する座金のみがき丸を併用する。ただし,当分の間,JIS B 1181

附属書に規定する1種のナットを用いてもよい。


9

B 2809-1996

附属書 表 2  寸法

単位  mm

本体

U

ボルト

A

B

C

D

E

G

1

r

G

2

L

S

種類

基準

寸法

許容

基準

寸法

許容

基準

寸法

基準

寸法

許容

基準

寸法

基準

寸法

許容

基準

寸法

許容

ねじ
の呼

(d)

基準

寸法

許容

基準

寸法

許容

基準

寸法

許容

MR8 13

6

36

10

23

18

4.5

M8

18

40

20

MR10 16

7

45

12

26

22

5.5

M10

22

50

28

MR12 19

±1.0

8 51

14.5 30

26 6.5

M12

26

60 35

MR14 22

9

53

14.5

30

28

7.5

M12

28

65

40

MR16 25

10

±1.0

60 16.5

34

32

8.5

M14

32

75

45

MR18 28

11

62

16.5

±0.5

34

34

±0.5

9.5

±0.5

M14

34

±1.0

80

±1.5

50

±1.5

MR20-22

36

12 78

21.5 43

44

12 M18

44

100 60

MR24-25 40

13

86 23.5

46

48

13.5

M20

48

110

±2.0

65

±2.0

MR26-28

45

14 94

25.5 51

54

15 M22

54

120 70

MR30-32 51

15

98 25.5

±0.8

53

58

±1.0

17 M22

58

±1.5

130

±2.5

75

±2.5

MR33-38 60

16

120 31.5

62

70

20

±1.0

M27

70

150

±3.0 85

±3.0

MR40-45 72

19

136 34.5

70

80

24.5

M30

80

175

95

MR47-50 81

±2.0

21

±1.5

150 37.5

±1.0

78

89

±1.5

27

±2.0

M33

89

±2.0

195

±3.5

100

±3.5

備考1.  ねじのない部分の径 d

1

の値は,一般にほぼねじの有効径に等しくとる。

2.  x

は不完全ねじ部の長さで,約 2 山とする。

3.  C

及び 寸法の許容差は,JIS G 5702 の並級による。

7.

外観  グリップの本体,U ボルト及びナットの表面は滑らかで,使用上有害な割れ,きず,かえり,

形ずれなどの欠点がなく,また,表面処理を施したものについては,膨れ,きず,素地露出などの欠点が

あってはならない。

8.

材料  グリップの本体の材料は,JIS G 5502 の FCD350-22,JIS G 5702 の FCMB310 又はこれらと同

等以上のものとする。

また,U ボルト,ナット及び座金の材料は,JIS G 3101 の SS400 又はこれと同等以上のものとする。

9.

製造方法

9.1

グリップ本体  グリップの本体は,鋳造によって成形する。

9.2

表面処理  表面処理は,次による。

(1)

めっきを施す場合は,JIS H 8641 の溶融亜鉛めっき(

1

)

JIS H 8610 の電気亜鉛めっきなどとする。

(2)

電気亜鉛めっきを施した U ボルト及びナットのねじ精度は,JIS B 0209 を適用し,U ボルトは 8g,ナ

ットは 7H とする。ただし,溶融亜鉛めっきを施した場合のねじ精度は,受渡当事者間の協定による。

この場合,U ボルト及びナットのねじ部は,無理なくねじ込まれるものでなければならない。

10.

試験

10.1

引張試験  引張試験は,次の手順による。

(1)

めっきを施さないグリップ 2 個(

3

)

を,そのグリップが用いられる径のワイヤロープ(

4

)

附属書 図 2

のように取り付け,2 本のワイヤロープに直接又はテープなどをはり,2 本のワイヤロープに共通した

線を

附属書 図 の 部の中央の位置に書く。


10

B 2809-1996

(

3

)

ねじ部及びナットの摩擦面に油脂類が付着していてはならない。

(

4

)  JIS G 3525

の 6×24,めっき,普通 Z より

(2)

附属書 表 の締付けトルクで締め付け,ワイヤロープの両端に引張力を徐々に加え,附属書 表 3

の引張力に達したとき,

附属書 表 の締付けトルクで再締付けを行う。

(3)

さらに引張力を徐々に増加して,

附属書 表 の保持荷重で 3 分間保った後,2 本のワイヤロープ間

の再締付け後の滑り量を測定する。滑り量は,(1)で書いた共通の線が荷重によって隔たった距離から

求める。

(4)

次に荷重を除き,グリップを取り外し,ワイヤロープの素線の切断の有無及びグリップのねじ部その

他各部の異状の有無を調べる。

附属書 図 2  引張試験

単位 mm

種類

A B 

MR8

から MR14 まで 70

150

MR16

から MR47-50 まで 100

200

附属書 表 3  保持荷重

種類

保持荷重

kN

締付けトルク及び

再締付けトルク

N

・m

再締付けを行うとき

の引張力き

kN

MR8 8.5 17  6

MR10 14 30  9

MR12 20 45 12.5

MR14  28 67 18

MR16 36

106 23

MR18 43

106 30

MR20-22 60  250

45

MR24-25 63  335

53

MR26-28 85  425

71

MR30-32 106

425

95

MR33-38

150 630 132

MR40-45

200 850 180

MR47-50 250  1

250

224

10.2

めっき試験  溶融亜鉛めっき(

1

)

の硫酸銅試験は,JIS H 0401 による。

また,電気亜鉛めっきの厚さ試験は,JIS H 8501 による。

なお,この試験では,製品をそのまま試験片とする。


11

B 2809-1996

11.

検査

11.1

グリップの構造は,5.の規定に適合しなければならない。

11.2

グリップの形状及び寸法は,6.の規定に適合しなければならない。

11.3

グリップの外観は,目視によって行い,7.の規定に適合しなければならない。

11.4

グリップの表面処理は,9.の規定に適合しなければならない。

11.5

グリップの性能は,10.によって試験を行い,4.の規定に適合しなければならない。

11.6

検査のための抜取方式は,受渡当事者間の協定による。

12.

製品の呼び方  グリップの呼び方は,規格番号又は規格の名称,種類,材料及び指定事項(

5

)

による。

ただし,材料は省略してもよいが,材料が指定されたときは必ず示す。

(

5

)

指定事項は必要に応じ,  (  )  を付けて示す。

例 1.

例 2.

13.

表示  グリップの本体の見やすい箇所に,次の事項を表示する。

(1)

種類

(2)

製造業者名又はその略号

(3)

製造ロット番号又はその略号


12

B 2809-1996

附属書 2  鋳造製ワイヤグリップ(MS 形)

1.

適用範囲  この附属書 は,JIS G 3537 の鋼より線の締付けに用いる鋳造製(MS 形)のグリップに

ついて規定する。

2.

用語の定義  この附属書 に用いる主な用語の定義は,JIS B 0148 による。

3.

種類  グリップの種類は,より線のより線径によって附属書 表 のように区分する。

種類を表す記号は,鋳造であることを示す記号 M と,より線を表す記号 S 及び

附属書 表 で区分され

るより線径に対応する数字で示す。

附属書 表 1  種類

より線径  mm

種類記号

6.0

∼ 6.9

MS 7

7.5

∼ 9.0

MS 9

9.3

∼10.8 MS11

11.4

∼13.0 MS13

13.5

∼15.0 MS15

備考  適合するより線の素線構成及び断面積を

附属書 表 に示す。

附属書 表 2  鋼より線の素線構成及び断面積

亜鉛めっき鋼より線

種類

より線の素線構成

1

2

3

素線数/素線径

(本) (mm)

3/2.9

∼3/3.2 7/2.0∼7/2.3

MS 7

断面積 (mm

2

) 19.8/24.1 22.0

∼29.1

素線数/素線径

(本) (mm)

3/3.5

∼3/4.0 7/2.6∼7/2.9 19/1.6∼19/1.8

MS 9

断面積 (mm

2

) 28.9

∼37.7 37.2∼46.2 38.2∼48.3

素線数/素線径

(本) (mm)

3/4.3

∼3/4.5 7/3.2∼7/3.5 19/2.0

MS11

断面積 (mm

2

) 43.6

∼47.7 56.3∼67.3 59.7

素線数/素線径

(本) (mm)

− 7/3.8∼7/4.3 19/2.3∼19/2.6

MS13

断面積 (mm

2

)

− 79.3∼102 78.9∼102

素線数/素線径

(本) (mm)

− 7/4.5∼7/5.0 19/2.9

MS15

断面積 (mm

2

)

− 111∼137 125

4.

性能  グリップの性能は,次による。

4.1

保持性能  グリップの保持性能は,10.1 の試験によって行い,下記に適合しなければならない。

(1)

保持荷重で 3 分間保ったとき,2 本のより線間の滑り量は 3mm 以下でなければならない。

(2)

保持荷重を除き,グリップを取り外したとき,より線の素線の切断及びグリップのねじ部その他の各

部に異状があってはならない。


13

B 2809-1996

4.2

めっき性能  グリップのめっき性能は,10.2 の試験によって行い,下記に適合しなければならない。

(1)

溶融亜鉛めっき(

1

)

の硫酸銅試験は,10.2 の規定によって試験した場合,4 回繰り返しても終止点に達

してはならない。

(2)

電気亜鉛めっきは,JIS H 8610 の Ep-Fe/Zn [3-C2]  とする。

(

1

)

乾式亜鉛めっきを含む。

5.

構造  グリップの構造は,附属書 図 に示すように,本体,U ボルト,ナット及び座金から構成す

る。

6.

形状,寸法

6.1

形状  グリップの形状は,附属書 図 による。

6.2

寸法  グリップの寸法は,附属書 表 による。U ボルト及びナットのねじ精度は,JIS B 0209 

適用し,U ボルトは 8g,ナットは 7H とする。

附属書 図 1  形状

(

2

)

ナットは,JIS B 1181に規定する六角ナット C 又はこれと同等とし,六角ナット C のナッ

トを用いる場合は,JIS B 1256に規定する座金のみがき丸を併用する。ただし,当分の間,

JIS B 1181

附属書に規定する1種のナットを用いてもよい。


14

B 2809-1996

附属書 表 3  寸法

単位 mm

本体

U

ボルト

A

B

C

D

E

G

1

r

G

2

L

S

種類

基準
寸法

許容

基準 
寸法

許容

基準
寸法

許容

許容

基準
寸法

基準
寸法

許容

基準
寸法

許容

ねじ 
の呼 

(d)

基準
寸法

許容

基準 
寸法

許容

基準
寸法

許容

MS

7 10

6

45

12

26 22

4

M10

22

50

28

MS

9 13

7

45

12

26 22

5

M10

22

50

28

MS11 16

±1.0

7 45

12  26

22  6 M10

22

50  28

MS13 21

10

53

14.5

30  28

7

M12

28

65

40

MS15 24

±2.0

10

±1.0

54 14.5

±0.5

30 29

±0.5

8

±0.5

M12

29

±1.0

70

±1.5

40

±1.5

備考1.  ねじのない部分の径 d

1

の値は,一般にほぼねじの有効径に等しくとる。

2.  x

は不完全ねじ部の長さで,約 2 山とする。

3.  C

及び 寸法の許容差は,JIS G 5702 の並級による。

7.

外観  グリップの本体,U ボルト及びナットの表面は滑らかで,使用上有害な割れ,きず,かえり,

形ずれなどの欠点がなく,また,表面処理を施したものについては,膨れ,きず,素地露出などの欠点が

あってはならない。

8.

材料  グリップの本体の材料は,JIS G 5502 の FCD350-22,JIS G 5702 の FCMB310 又はこれらと同

等以上のものとする。

また,U ボルト,ナット及び座金の材料は,JIS G 3101 の SS400 又はこれと同等以上のものとする。

9.

製造方法

9.1

グリップ本体  グリップの本体は,鋳造によって成形する。

9.2

表面処理  表面処理は,次による。

(1)

めっきを施す場合は,JIS H 8641 の溶融亜鉛めっき(

1

)

JIS H 8610 の電気亜鉛めっきなどとする。

(2)

電気亜鉛めっきを施した U ボルト及びナットのねじ精度は,JIS B 0209 を適用し,U ボルトは 8g,ナ

ットは 7H とする。ただし,溶融亜鉛めっきを施した場合のねじ精度は,受渡当事者間の協定による。

この場合,U ボルト及びナットのねじ部は,無理なくねじ込まれるものでなければならない。

10.

試験

10.1

引張試験  グリップの引張試験は,次の手順による。

(1)

めっきを施さないグリップ 2 個(

3

)

を,そのグリップが用いられる径の亜鉛めっき鋼より線(

4

)

附属書

2

図 のように取り付け,2 本のより線に直接又はテープなどをはり,2 本のより線に共通した線を附

属書 図 の 部の中央の位置に書く。

(

3

)

ねじ部及びナットの摩擦面に油脂類が付着していてはならない。

(

4

)  JIS G 3537

の 1×7 (a)  ,2 種,A 級

(2)

附属書 表 の締付けトルクで締め付け,より線の両端に引張力を徐々に加え,附属書 表 の引張

力に達したとき,

附属書 表 の締付けトルクで再締付けを行う。

(3)

さらに引張力を徐々に増加して,

附属書 表 の保持荷重で 3 分間保った後,2 本のより線間の再締

付け後の滑り量を測定する。滑り量は,(1)で書いた共通の線が荷重によって隔たった距離から求める。


15

B 2809-1996

(4)

次に荷重を除き,グリップを取り外し,より線の素線の切断の有無及びグリップのねじ部その他各部

の異状の有無を調べる。

附属書 図 2  引張試験

単位  mm

種類

A B 

MS7

から MS15 まで 70 150

附属書 表 4  保持荷重

種類

保持荷重

kN

締付けトルク及び再

締付けトルク

N

・m

再締付けを行うとき

の引張力

kN

MS 7

10

40

5.6

MS 9

14

40

9

MS11 15  40

14

MS13 28  90

21.2

MS15 30  90

28

10.2

めっき試験  溶融亜鉛めっき(

1

)

の硫酸銅試験は,JIS H 0401 による。

また,電気亜鉛めっきの厚さ試験は,JIS H 8501 による。

なお,この試験では,製品をそのまま試験片とする。

11.

検査

11.1

グリップの構造は,5.の規定に適合しなければならない。

11.2

グリップの形状及び寸法は,6.の規定に適合しなければならない。

11.3 

グリップの外観は,目視によって行い,7.の規定に適合しなければならない。

11.4

グリップの表面処理は,9.の規定に適合しなければならない。

11.5

グリップの性能は,10.によって試験を行い,4.の規定に適合しなければならない。

11.6

検査のための抜取方式は,受渡当事者間の協定による。

12.

製品の呼び方  グリップの呼び方は,規格番号又は規格の名称,種類,材料及び指定事項(

5

)

による。

ただし,材料は省略してもよいが,材料が指定されたときは必ず示す。

(

5

)

指定事項は必要に応じ,  (  )  を付けて示す。

例 1.

例 2.


16

B 2809-1996

13.

表示  グリップの本体の見やすい箇所に,次の事項を表示する。

(1)

種類

(2)

製造業者名又はその略号

(3)

製造ロット番号又はその略号


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B 2809-1996

参考 1  ワイヤグリップの使用基準

この参考は,ワイヤグリップの使用基準について記述するものであり,本体及び附属書の規定に関連す

る事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

1.

グリップは,ロープ径に適合した寸法のものを必ず使用する。S よりのワイヤロープに鍛造製のグリ

ップを使用する場合,突起の方向が本体

図 に示すものとは反対のものを使用するのが望ましい。

2.

異種ワイヤロープや異径ワイヤロープを,同一のグリップで止めない。

3.

重ね継ぎ(

参考 図 1)は,保持効率が悪いので行わない。

参考 図 1  重ね継ぎ

4.

3

本以上のワイヤロープを,同一グリップで止めると抜けやすい。

5.

アイ部分には,原則としてシンブルを使用する。

6.

グリップの取付けは,

参考 図 のように U 字側をワイヤロープの端末側にする。

参考 図 2  グリップの取付方法

7.

シンブルのアイに最も近いグリップは,シンブルにできるだけ近づける。また,グリップ終端末部の

ワイヤロープの長さは,シンブルの有無に関係なくロープ径の 6 倍以上とする。

8.

グリップの取付間隔  隣接グリップの中心間距離は,参考 表 のように,ワイヤロープのよりの長

さにほぼ合致するようにする。

参考 表 1  グリップの取付間隔

ワイヤロープの種類

項目

6

×24, 6×37 6×7

平行より

3

∼4 ストランドのワイヤロープ

よりの長さ(ロープ径に対する倍率)

6.5 8 6.2

10.5

グリップの中心間距離

6.5

×ロープ径

8

×ロープ径

6.2

×ロープ径

10.5

×ロープ径


18

B 2809-1996

9.

グリップの取付個数  よりの長さが長く,かつ,剛性の大きいワイヤロープ(6×7,3∼4 ストランド

ワイヤロープなど)の場合は,規定個数より少なくとも 1 個多く取り付ける。スパイラルロープの場合は,

規定個数より 50%以上多く取り付ける。

10.

グリップの締付けトルク  締付効率は,グリップの取付間隔,取付個数のほか,締付けトルクの影響

が大きい。適正なトルクで締め付けること。

締付けの順序は,端末のグリップから,同一順序で 3 回以上に分けて順次締めると良い。

11.

グリップの増締め  ワイヤロープに引張荷重がかかると,径が細くなり滑りやすくなるので,増締め

を行うこと。

12.

グリップの取付基準  グリップの取付基準は,参考 表 による。

参考 表 2  グリップの取付基準(6×24.6×37 ワイヤロープ用)

グリップの種類

締付けトルク

N

・m

参考

ロープ径

mm

鍛造製

鋳造製

取付個数

取付間隔

cm

標準

許容範囲

ス パ ナ 握

り長さ

cm

想 定 締 付

けトルク

N

・m

想定入力

N

U

ボルト

トルク限界

N

・m

10 F10  MR10

4  7 16

15

∼ 20

15

15

∼29 98∼196 51

12 F12  MR12

4  8 24

22

∼ 33

20

22

∼39 108∼196 69

14 F14  MR14

4  9 37

34

∼ 51

25

40

∼56 157∼226 69

16 F16  MR16

4  10 52

47

∼ 72

25

47

∼56 186∼226 89

18 F18

− 5 12

67

60

∼ 89

30

59

∼73 196∼245 89

20 F20-22

− 5 13

82

75

∼115

40

79

∼98 196∼245 167

24 F24-25

− 5 16

119

107

∼166

26 F26-28

− 5 17

137

124

∼192

30 F30-32

− 6 20

188

168

∼260

36 F33-38

− 7 23

261

236

∼365

40 F40-45

− 7 26

299

270

∼418

47.5 F47-50

− 8 31

397

358

∼556

送電線建設技術協会発行の“送電線工事用索道教本”に準拠

備考1.  6×19,6×7ワイヤロープでは,参考12に対し,取付個数で,それぞれ25%,50%増し,締付けトルクで,

それぞれ20%,40%増しとする。

また,取付間隔は,6×19 ワイヤロープは

参考 表 の値とするが,6×7 ワイヤロープでは,ロープ径の 8

倍を標準とする。

2.

参考 表 に示していない中間ロープ径のワイヤロープの締付けトルクは,この表の中間値をとる。

3.

取付間隔は,ワイヤロープの 1 よりの長さにすると,最も締付け効率が大きくなるので,ロープ径の 6.5 倍と
した。

4.

想定入力は,グリップの締付け力試験結果によるもので,締め付けにくいため,締付けトルクは小さな値にな
った。

5.

スパナは,スパナ握り長さより 5cm 以上長いものを使用する必要がある。

6.

締付けトルクの許容範囲は,標準締付けトルクの 90∼140%とした。

なお,この最低値でも,ていねいに締め付けてあれば強度は十分である。

7.

グリップの U ボルト強度限界は,U ボルトのねじ切り強度実験値の 70%とした。


19

B 2809-1996

参考 2  ワイヤグリップの点検基準

この参考は,ワイヤグリップの点検基準について記述するものであり,本体及び附属書の規定に関連す

る事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

1.

使用中の管理

1.1

使用頻度や環境及び実績などによって,日常,週間,月間の点検制度を決め,計画的に点検を実施

するようにする。

1.2

特に重要な箇所では,グリップの締付けが完了し,ワイヤロープに張力をかけた時点で,

参考 図 1

のようにマーキングを施し,使用中におけるスリップの有無を確認するようにする(通常の場合,最初に

すべり始めるのは,図のマーキングの位置である。

参考 図 1  マーキングを施す場所

1.3

長期間にわたってグリップで止めておく場合は,ときどき所定の締付けトルクに増締めを行う。

2.

点検事項とその結果による対応

2.1

スリップが発生していないか。発生している場合は,所定のトルクに増締めを行う。著しいスリッ

プの場合は,負荷を除いてグリップの取付けを最初からやり直す。

2.2

グリップ(本体,U ボルト,ナット及び座金)に,割れ(ひび割れ)や変形が発生していないか。

また,さびの有無とその程度を調査する。割れや変形の発生したもの及び著しく腐食したものは,グリ

ップを取り替える。グリップを取り替える際は,負荷の小さい状態で 1 個ずつ行う。


20

B 2809-1996

ワイヤグリップ JIS 改正原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

金  武  典  夫

金属技術研究所

藤  野  達  夫

通商産業省機械情報産業局

前  川  武  也

工業技術院標準部

露  木      保

労働省労働基準局安全衛生部

加  山  英  男

財団法人日本規格協会

寺  田  利  邦

早稲田大学専門学校

中  西  忠  男

防衛庁装備局

梁  瀬      仁

社団法人日本パレット協会

福  田  侑  二

社団法人日本クレーン協会

木  田      宏

財団法人日本船舶標準協会

本  橋  憲  二

日本鋼管株式会社

腰  越  勝  輝

大成建設株式会社

生  形      覚

社団法人自動車技術会(日産ディーゼル株式会社)

岡  崎  克  行

石川島播磨重工業株式会社

津  田  和  則

象印チェンブロック株式会社

山  本  恒  治

トーヨーコーケン株式会社

相  馬  庸  三

日本通運株式会社

谷  口      運

東京製綱株式会社

曽  我      茂

コンドーテック株式会社

新  保  卓  雄

内田鍛工株式会社

(事務局)

加  藤      宏

社団法人日本産業機械工業会

備考  ○印は,分科会委員を兼ねる。