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B 2713

:2009

(1)

目  次

ページ

1  適用範囲

1

2  引用規格

1

3  用語及び定義 

1

4  薄板ばねの種類 

1

5  材料

4

5.1  薄板ばねに用いる主な材料 

4

5.2  材料の特性 

5

6  薄板ばねの特徴及び材料の選択

8

6.1  薄板ばねの特性,種類及び特徴

8

6.2  材料の選択 

9

7  設計計算式 

9

7.1  基本設計計算式

9

7.2  簡易分割形計算式(板幅変化形) 

12

7.3  典型的な形状の薄板ばねの計算式及び例

17

8  仕様の定め方 

22

8.1  薄板ばねの特性

22

8.2  設計応力 

22

8.3  設計及び加工上の注意事項 

23

 


B 2713

:2009

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本ばね工業会(JSMA)及び財団法

人日本規格協会(JSA)から,団体規格  (SC005:2001)  を基に作成した工業標準原案を具して日本工業規格を

制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格で

ある。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は

もたない。


日本工業規格

JIS

 B

2713

:2009

薄板ばねの設計計算式及び仕様の定め方

The design calculating formulas and the procedures of decision of

specifications for flat springs

適用範囲 

この規格は,一般に使用する金属製薄板ばね(以下,薄板ばねという。

)の設計計算式及び仕様の定め方

について規定する。ただし,他の日本工業規格の製品規格(皿ばね,止め輪,ばね座金及びスプリングピ

ン)のばねは除く。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS B 0103  ばね用語

JIS B 2709  ねじりコイルばね−設計・性能試験方法

JIS G 3311  みがき特殊帯鋼

JIS G 4313  ばね用ステンレス鋼帯

JIS G 4802  ばね用冷間圧延鋼帯

JIS H 3130  ばね用のベリリウム銅,チタン銅,りん青銅,ニッケル−すず銅及び洋白の板並びに条

ISO 18265  Metallic materials-Conversion of hardness values

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS B 0103 による。

薄板ばねの種類 

薄板ばねの種類は,

表 による。


2

B 2713

:2009

表 1−薄板ばねの種類 

大分類

中分類

小分類

使用例及び代表的形状

キャップスプリング

渦巻ばね

非接触形

非接触形ぜんまい

ひげぜんまい

接触形

定荷重ぜんまい

接触形ぜんまい

クリップ

バインダクリップ

シリンダロック

スプリング

ワイヤハーネス

スプリング

ロッドロック

クランプ


3

B 2713

:2009

表 1−薄板ばねの種類(続き) 

大分類

中分類

小分類

使用例及び代表的形状

接点用ばね

その他各種

成形ばね

ジグザグばね

円弧状ばね

平たん(坦)薄板ばね

クラッチフィン

スプリング

波形ばね(3 山以上)


4

B 2713

:2009

材料 

5.1 

薄板ばねに用いる主な材料 

薄板ばねに使用する主な材料は,鉄鋼材料と非鉄金属材料とに大別できる。これらは,更に薄板ばねと

して必要な強度を得る手段によって,次の三つに分類できる。

a)  焼入焼戻し,オーステンパなどの熱処理によって強度を得るもの。

b)  冷間圧延によって強度を得るもの。

c)  冷間圧延と熱処理との組合せによって強度を得るもの。

薄板ばね用材料として,JIS G 3311JIS G 4313JIS G 4802 及び JIS H 3130 の規格がある。薄板ばねに

用いる主な材料とその特徴を,

表 に示す。

表 2−薄板ばねに用いる主な材料 

熱処理の有無

材料規格

代表鋼種

特徴

JIS G 3311 

S60CM,S70CM 及び SK85M

JIS G 4802 のうち調質
の記号 A 及び R のもの

S60C-CSPA 及び S60C-CSPR

ばね加工後熱処理(焼入焼戻し,オ
ーステンパなど)によって強度を得

る。複雑な形状の加工が可能。

JIS G 4802 のうち調質
記号 H 及び B のもの

S60C-CSPH 及び S60C-CSPB 
S70C-CSPH 及び S70C-CSPB 
SK85-CSPH 及び SK85-CSPB

材料の状態で熱処理を行い強度を得

ているため,複雑な加工に適さない。

熱処理によっ
て強度を得る

材料

SUS420J2-CSP(調質記号 O)

マルテンサイト系:ばね加工後,焼
入焼戻しによって強度を得る。すべ
ての状態で磁性をもつ。

冷間圧延によ
って強度を得

る材料

SUS301-CSP(調質記号 1/2H,
3/4H,H,EH 及び SEH)及び
SUS304-CSP(調質記号 1/2H,
3/4H 及び H)

オーステナイト系:調質の記号を指
定することで硬さ指定可能。耐食性

がよい。硬さによっては複雑な形状
に加工可能。固溶化熱処理状態では
非磁性,強加工によって弱い磁性を

もつ。同一硬さでは SUS304 より
SUS301 のほうが成形性がよい。

鉄鋼材料

冷間圧延と熱

処理とによっ
て強度を得る
材料

JIS G 4313 

SUS631-CSP (調質記号 O,
1/2H , 3/4H 及 び H ) 及 び
SUS632J1-CSP(調質記号 1/2H
及び 3/4H)

析出硬化系:ばね加工後,析出硬化

処理を施し強度を得る。調質の記号
を指定することで硬さ指定可能。
SUS301 及び SUS304 よりも高価。析
出硬化後は強磁性をもつ。

ばね用ベリリウム銅及びばね

用低ベリリウム銅 
C1700P(板),C1700R(条),
C1720P(板),C1720R(条),
C1751P(板),C1751R(条)(質
別  O,1/2H 及び H)

ばね加工後に時効硬化処理を施し強

度を得る。質別を指定することで硬
さ指定可能。非鉄金属の中では強度
最大。耐食性がよい。複雑形状に成

形可能。非常に高価である。

ばね用りん青銅 
C5210P(板)及び C5210R(条)
(質別 1/2H,H,EH,SH 及び
ESH)

非鉄金属材料では,最も代表的な材
料。質別を指定することで硬さ指定
可能。耐食性がよい。硬さによって

は複雑な加工が可能。

非鉄金属材料

冷間圧延と熱

処理とによっ
て強度を得る
材料 

JIS H 3130 

ばね用洋白 C7701P(板)及び
C7701R(条)(質別 1/2H,H,
EH 及び SH)

りん青銅と比較すると導電率は劣る

が,耐食性はよい。


5

B 2713

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5.2 

材料の特性 

薄板ばねに用いる主な材料の特性値は,次による。

a)  縦弾性係数  曲げ,引張り及び圧縮にかかわる縦弾性係数は,表 を参照する。

表 3−縦弾性係数 

単位  MPa

材料

縦弾性係数 E

鉄鋼材料

a)

 2.06×10

5

SUS301-CSP 
SUS304-CSP

1.86×10

5

ばね用ステンレス鋼

SUS420J2-CSP
SUS631-CSP 
SUS632J1-CSP

1.96×10

5

ばね用ベリリウム銅 1.27×10

5

ばね用りん青銅 0.98×10

5

ばね用洋白 1.08×10

5

a)

  ステンレス鋼を除く。

b)  密度  薄板ばねの質量計算などに用いる主な材料の密度は,表 による。

表 4−主な材料の密度 

単位  kg/mm

3

材料

密度

鉄鋼材料

a)

 7.85×10

6

ばね用ステンレス鋼 7.90×10

6

ばね用ベリリウム銅 8.20×10

6

ばね用りん青銅 8.80×10

6

ばね用洋白 8.70×10

6

a)

  ステンレス鋼を除く。

c)  硬さ  薄板ばねの設計では,材料の硬さから引張強さを換算して寿命を予測する場合がある。主な材

料の硬さは,

表 5∼表 による。

表 5−ばね用冷間圧延鋼帯の調質の記号 及び の硬さ(中心値)の指定してよい範囲 

種類の記号

H(ビッカース硬さ HV)

B(ビッカース硬さ HV)

S60C-CSP 350∼500 360∼440 
S70C-CSP 350∼550

SK85-CSP 350∼600

硬さの許容差は,±25HV とする。ただし,鋼帯 1 条内のばらつきは,30HV 以内とする。


6

B 2713

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表 6−ばね用ステンレス鋼帯の硬さ 

冷間圧延又は固溶化熱処理
若しくは焼きなまし状態

析出硬化熱処理状態

種類の記号

調質の

記号

ビッカース硬さ HV

熱処理記号

ビッカース硬さ HV

1/2H 310 以上

3/4H 370 以上

H 430 以上

EH 490 以上

SUS301-CSP

SEH

a)

 530 以上

1/2H 250 以上

3/4H 310 以上

SUS304-CSP

H 370 以上

SUS420J2-CSP O

247 以下

O 200 以下

TH1050

RH950

345 以上 
392 以上

1/2H 350 以上 CH

380 以上

3/4H 400 以上 CH

450 以上

SUS631-CSP

H 450 以上 CH

530 以上

1/2H 350 以下 CH

400 以上

SUS632J1-CSP

3/4H 420 以下 CH

480 以上

a)

  調質の記号 SEH は,調質の記号 EH 区分の範囲で,特に注文者の指定がある場合に適用する。

表 7−合金番号 C1700C1720C5210C7701 の板及び条の硬さ 

硬さ

合金番号

質別

記号

厚さ mm

ビッカース硬さ HV

O C1700

P-O

C1700 R-O

0.10 以上

1.6  以下

90∼160

1/4H C1700

P-1/4H

C1700 R-1/4H

0.10 以上

1.6  以下

145∼220

1/2H C1700

P-1/2H

C1700 R-1/2H

0.10 以上

1.6  以下

180∼240

C1700

H C1700

P-H

C1700 R-H

0.10 以上

1.6  以下

210∼270

O C1720

P-O

C1720 R-O

0.10 以上

1.6  以下

90∼160

1/4H C1720

P-1/4H

C1720 R-1/4H

0.10 以上

1.6  以下

145∼220

1/2H C1720

P-1/2H

C1720 R-1/2H

0.10 以上

1.6  以下

180∼240

C1720

H C1720

P-H

C1720 R-H

0.10 以上

1.6  以下

210∼270


7

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表 7−合金番号 C1700C1720C5210C7701 の板及び条の硬さ(続き) 

硬さ

合金番号

質別

記号

厚さ mm

ビッカース硬さ HV

1/2H C5210

P-1/2H

C5210 R-1/2H

0.10 以上 140∼205

H C5210

P-H

C5210 R-H

0.10 以上 185∼235

EH C5210

P-EH

C5210 R-EH

0.10 以上 210∼260

SH C5210

P-SH

C5210 R-SH

0.10 以上 230∼270

C5210

ESH C5210

P-ESH

C5210 R-ESH

0.10 以上 245∼285

1/2H C7701

P-1/2H

C7701 R-1/2H

0.10 以上 150∼210

H C7701

P-H

C7701 R-H

0.10 以上 180∼240

EH C7701

P-EH

C7701 R-EH

0.10 以上 210∼260

C7701

SH C7701

P-SH

C7701 R-SH

0.10 以上 230∼270

表 8−合金番号 C1700C1720 の板及び条の時効処理後の硬さ 

硬さ

合金番号

質別

記号

厚さ mm

ビッカース硬さ HV

O C1700

P-O

C1700 R-O

0.10 以上

1.6  以下

310∼370

1/4H C1700

P-1/4H

C1700 R-1/4H

0.10 以上

1.6  以下

330∼410

1/2H C1700

P-1/2H

C1700 R-1/2H

0.10 以上

1.6  以下

345∼420

C1700

H C1700

P-H

C1700 R-H

0.10 以上

1.6  以下

360∼430

O C1720

P-O

C1720 R-O

0.10 以上

1.6  以下

325∼400

1/4H C1720

P-1/4H

C1720 R-1/4H

0.10 以上

1.6  以下

350∼430

1/2H C1720

P-1/2H

C1720 R-1/2H

0.10 以上

1.6  以下

360∼440

C1720

H C1720

P-H

C1720 R-H

0.10 以上

1.6  以下

380∼450


8

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表 9−合金番号 C1720C1751 の板及び条の硬さ(ミルハードン材) 

硬さ

合金番号

質別

記号

厚さ mm

ビッカース硬さ HV

OM C1720

P-OM

C1720 R-OM

0.10 以上

1.6  以下

200 以上

1/4HM C1720

P-1/4HM

C1720 R-1/4HM

0.10 以上

1.6  以下

210 以上

1/2HM C1720

P-1/2HM

C1720 R-1/2HM

0.10 以上

1.6  以下

240 以上

C1720

HM C1720

P-HM

C1720 R-HM

0.10 以上

1.6  以下

270 以上

OM C1751

P-OM

C1751 R-OM

0.10 以上

1.6  以下

210∼260

C1751

HM C1751

P-HM

C1751 R-HM

0.10 以上

1.6  以下

230∼280

注記  ミルハードン材とは,製造業者が適切な冷間加工及び時効硬化処理を施し,規定

された機械的性質を付与したものをいう。

薄板ばねの特徴及び材料の選択 

6.1 

薄板ばねの特性,種類及び特徴 

薄板ばねは,その形状及び使い方によって,荷重 又はトルク とばねたわみ δ とが比例する線形特性

のほかに,各種の非線形特性が得られる。また,ぜんまいばねには,限られた空間で大きなたわみ(変位)

のもとに比較的大きなエネルギーを蓄積でき,ばねの成形がその他のばねに比べ簡単であるという特徴が

ある。基本的なばねの特性,種類及び特徴を,薄板ばねとぜんまいばねとについて

表 10 及び表 11 に示す。

表 10−薄板ばねの基本的な特性,種類及び特徴 

番号

ばね特性

ばねの種類

特徴

1

線形特性

バインダクリップ,キャップス
プリング,ロッドロッククラン

プ,波形ばねなどの片持ちは
り,両端支持はり及び曲がりは
りのばね

2

非線形特性

平たん(坦)薄板ばね及び波形
ばね

形状の設計自由度が高い。
波形ばねは,軸方向の空間

に対し大きな荷重が得ら
れ,支持方法によって支点
が移動し,ばね定数が高く

なり非線形特性となる場
合もある。


9

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表 11−ぜんまいばねの基本的な特性,種類及び特徴 

番号

ばね特性

ばねの種類

特徴

1

線形特性

非接触形ぜんまい及びひげぜ

んまい

振動周期の等時性を重視する

点で特異性がある。

2

非線形特性

接触形ぜんまい

巻き始めは板間摩擦の影響に
よ っ て 高 い ば ね 定 数 と な る

が,たわみが大きくなると,
非接触となるため,低いばね
定数が得られる。

3

定荷重特性

定荷重ぜんまい

渦巻が解けるときの荷重は,
たわみにほとんど無関係で一

定となり,ばね自身の寸法の
数倍にも達するたわみが得ら
れる。

6.2 

材料の選択 

多くの場合,既存の用途ごとに使用材料の種類が大まかに知られているので,それらを参考にするとよ

い(例えば,自動車部品:みがき特殊帯鋼,電気関係のスイッチ類:ばね用のベリリウム銅,チタン銅,

りん青銅,ニッケル−すず銅及び洋白の板及び条)

。一般的には,材料を選択するときには,

表 及び表

12 を参照し,次の項目を考慮して選択する。

a)  薄板ばねの使用環境  許容される薄板ばねの占める体積,寸法,使用温度,雰囲気など。 
b)  要求性能  荷重,たわみ,必要とされる耐久性など。また,前記のほかに次のような点も考慮する必

要がある。

c)  材料の入手性(市場性)。

d)  材料及びばね加工工程の経済性。

e)  廃棄の容易性,再資源化(リサイクル)までの無公害性,安全性,及び法規制の遵守。

表 12−材料選択の目安 

材質区分

材料

弾性限

加工性

導電性

耐食性

耐熱性

経済性

冷間圧延鋼帯(ばね加工後熱処理)

冷間圧延鋼帯(熱処理をした材料)

ばね用ステンレス鋼帯

ばね用ベリリウム銅

ばね用りん青銅

ばね用洋白

注記  ◎:非常に良好  ○:良好

設計計算式 

7.1 

基本設計計算式 

薄板ばねの形状は,

表 に示したように多種多様であり,また使われ方も様々であるから,すべての場


10

B 2713

:2009

合について規定することはできないので,ここでは,基本的なものについて規定する。

a)  真直はり  表 13 に示す,板厚 及び板幅 が一定で長さが のはりの荷重 及び応力 σ は,それぞれ

式 (1) 及び式 (2) によって求める。

δ

β

δ

β

3

3

3

12

1

1

l

Ebt

l

EI

P

=

=

 (1)

2

6

bt

M

Z

M

=

=

σ

 (2)

ここに,

P

ばねにかかる荷重

 (N)

β

たわみの係数

E

縦弾性係数

 (MPa)

I

断面二次モーメント

 (mm

4

)

b

材料の板幅

 (mm)

t

材料の板厚

 (mm)

l

はりの長さ

 (mm)

δ

ばねのたわみ

 (mm)

σ

曲げ応力

 (MPa)

M

曲げモーメント

 (N

mm)

Z

断面係数

 (mm

3

)

ただし,たわみの係数

β

及び曲げモーメント

M

は,はりの種類によって決まる係数であり,

表 13

による。

表 13−はりの種類,たわみの係数及び曲げモーメント 

番号

はりの種類

たわみの係数 β

曲げモーメント M

1

片持ちはり

3

1

Pl 

2

両端支持はり

48

1

4

Pl

3

両端固定はり

192

1

8

Pl

例 1

数値を代入した計算例として,次のときの荷重と応力とを求める。

b

3

(mm)

t

0.1

(mm)

l

10

(mm)

E

1.86

×

10

5

(MPa)

となる片持ちはりを考えると,たわみの係数

β

1/3

となり,ばねのたわみ

δ

1

とすると,荷


11

B 2713

:2009

P

は次の式による。

1

10

12

1

.

0

3

10

86

.

1

3

3

3

5

×

×

×

×

×

×

=

P

  = 0.140 (N)

また,片持ちはりのため,曲げモーメント は Pl となり,応力 σ は次の式による。

2

2

2

1

.

0

3

10

140

.

0

6

6

6

×

×

×

=

=

=

bt

Pl

bt

M

σ

  = 280 (MPa)

b)

  円弧状はり  図 に示す,板厚 の円弧状はりの荷重 及び応力 σ は,式 (3) 及び式 (4) によって求

める。

図 1−円弧状はりのモデル 

(

)

(

)

δ

α

α

α

1

2

3

3

2

sin

2

3

1

cos

2

π

12

⎥⎦

⎢⎣

+

+

=

r

Ebt

P

 (3)

(

)

P

bt

r

2

1

cos

6

+

=

α

σ

 (4)

ここに,

P: ばねにかかる荷重 (N)

E: 縦弾性係数 (MPa)

b: 材料の板幅 (mm)

t: 材料の板厚 (mm)

r: 円弧の半径 (mm)

α: 開口部角度(図 参照)(rad)

δ: ばねのたわみ (mm)

σ: 曲げ応力 (MPa)

例 2  数値を代入した計算例として,次のときの荷重と応力とを求める。

E: 1.86×10

5

 (MPa)

r: 10 (mm)

α: π/12 (rad)

b: 3 (mm)

t: 0.1 (mm)

δ: 4 (mm)

とすると,荷重 及び応力 σ は次の式による。

(N)

7

0.020

4

6

π

sin

2

3

1

12

π

cos

2

12

π

π

10

12

1

.

0

3

10

86

.

1

2

3

3

5

=

×

+

+

×

×

×

×

×

=

P


12

B 2713

:2009

(MPa)

81.4

7

0.020

1

.

0

3

1

12

π

cos

10

6

2

=

×

×

+

×

×

=

σ

7.2 

簡易分割形計算式(板幅変化形) 

7.2.1 

一般 

直線と円弧とを組み合わせた薄板ばね,直線と円弧以外の曲線とを組み合わせた薄板ばねなどの複雑な

形状をもつものについては,計算が煩雑になり,厳密な荷重及び応力の計算が困難な場合がある。

近年は有限要素法(

FEM

)などの活用によって,計算ができるようになってきているが,従来とは異な

った力量が必要となる。また,概略設計及び幾つかの類似形状を比較する場合などにはあまり適していな

い。そのような場合の薄板ばねの設計には,簡易分割計算法が活用でき,有用である。

7.2.2 

基本的な使い方 

図 に示す,板厚 及び板幅 が一定の薄板ばねの一端を固定し他端に荷重 を加える場合は,次の手

順によって荷重及び応力を求める。

a)

薄板ばねの軸線方向の形状を,

図 のように直線及び円弧の要素に分割する。

図 2−要素分割例 

b)

各要素の形状による係数

Λ

を計算する。

Λ

は,薄板ばねの軸線の,荷重作用点に対する

2

次モーメン

トであり,たわみの係数 β と形状とによって決まる係数である。直線及び円弧要素の

Λ

は,

表 14 

表 15 を参照するのがよい。ここで,は軸線の長さであり,は荷重作用点に対する直角方向の長

さである。

図 

A

B

及び

C

の各要素の形状による係数

Λ

は,次の式による。

2

1

A

Λ

Sl

=

  

+

+

=

4

π

2

2

π

Λ

2

3

B

n

n

R

3

Λ

3

2

C

l

=

ここに,

Λ

A

要素 A の形状による係数 (mm

3

)

Λ

B

要素 B の形状による係数 (mm

3

)

Λ

C

要素 C の形状による係数 (mm

3

)

S: 要素 A の長さ (mm)

l

1

要素 A の荷重点からの距離 (mm)

l

2

要素 C の長さ (mm)

R: 要素 B の半径 (mm)

n: l

2

/R


13

B 2713

:2009

表 14

直線要素の Λ 

形状

形状による係数  Λ

3

3

l

3

2

Sl   又は

3

3

ml 

ここに,

l

S

m

=

Sl

2

(

)

3

A

3

B

3

1

l

l

(

)

3

A

3

B

3

l

l

m

ここに,

A

B

l

l

S

m

=

表 15

円弧要素の Λ 

形状

形状による係数  Λ

(

)

⎥⎦

⎢⎣

+

+

+

α

α

α

2

sin

4

1

sin

2

5

.

0

2

3

n

n

R

上記の場合の Λ を Λ(α)と表して,

Λ(α

1

)+Λ(α

2

)

Λ(α

2

)−Λ(α

1

)

+

+

4

π

2

2

π

2

3

n

n

R


14

B 2713

:2009

表 15

円弧要素の Λ(続き) 

形状

形状による係数  Λ

⎟⎟

⎜⎜

+

2

π

π

2

3

n

R

⎟⎟

⎜⎜

+

4

π

2

2

π

2

3

n

n

R

(

)

(

)

⎥⎦

⎢⎣

+

β

β

β

2

sin

4

1

cos

1

2

5

.

0

2

3

n

n

R

(

)

(

)

⎥⎦

⎢⎣

+

+

β

β

β

2

sin

4

1

cos

1

2

5

.

0

2

3

n

n

R

(

)

⎥⎦

⎢⎣

+

α

α

α

2

sin

4

3

5

.

0

cos

2

3

R

注記  n=1/R

c)

  各要素の Λ を加算して全体の Λ(Λ

A

+Λ

B

+Λ

C

)を求める。

d)

  荷重 及び応力 σ は,断面二次モーメントを I,断面係数を とすると,この Λ を用いて,式 (5) 及

び式 (6)によって求める。

δ

δ

Λ

Λ

EI

I

E

P

=

=

 (5)

P

Z

l

1

=

σ

 (6)

ここに,

P: ばねにかかる荷重 (N)

E: 縦弾性係数 (MPa)

Λ: 全体の形状による係数 (mm

3

)

I: 断面二次モーメント (mm

4

)

δ: ばねのたわみ (mm)

σ: 曲げ応力 (MPa)

l

1

要素 A の荷重点からの距離 (mm)

Z: 断面係数 (mm

3

)

7.2.3 

応用的な使い方 

円弧以外の薄板ばねの一端を固定し,他端に荷重 を加える場合で,曲線形状と板幅とが変化する場合


15

B 2713

:2009

は,次の手順によって荷重及び応力を求める。

a)

図 3

に示す円弧以外の曲線形状の場合には,その部分を幾つかに分割して,直線の折線で形状を近似

すると基本的な使い方が応用できる。

図 3

円弧以外の曲線形状 

b)

図 4

に示す,板厚 が一定で板幅 が変化する場合には,その形状を幾つかの均一な板幅の要素に近

似して分割すると基本的な使い方が応用できる。ただし,この場合は,断面二次モーメント も各要

素で変化するので,それぞれ要素ごとに計算する必要がある。すなわち,各要素の Λ と とを Λ

1

,Λ

2

…,I

1

I

2

…,とすると,Λ/及び荷重 は,次の式によって求める。

Λ

+

+

=

2

2

1

1

Λ

Λ

Λ

I

I

I

δ

δ

Λ

+

+

=

=

2

2

1

1

Λ

Λ

Λ

I

I

E

I

E

P

図 4

板幅が変化する形状 

7.2.4 

計算例 

理解を深めるため,幾つかの例題を示す。厳密な計算手法ではないために,たわみの小さいときには,

適用できるが,たわみの大きいときには,適用できない。概略的ではあるが,材料力学の原理原則に基づ

いた手法であり,複雑な形状を設計的に把握することができるため,補助的な使い方であっても,活用す

ることが望ましい。

例 1

図 5

に示す,

板厚 及び板幅 が一定の薄板ばねの一端を固定し他端に荷重 を加える場合は,

分割した A,B 及び C の各要素の形状による係数 Λ は,次の式による。

2

1

A

Λ

Sl

=

(

)

θ

cos

3

3

Λ

3

2

3

1

3

2

3

1

B

l

l

l

l

m

=

=

3

Λ

3

2

C

l

=

全体の形状による係数 Λ は,次の式による。

C

B

A

Λ

Λ

Λ

Λ

+

+

=

断面二次モーメント 及び断面係数 

12

3

bt

I

=

6

2

bt

Z

=

図 5

例 の形状 


16

B 2713

:2009

とすると,荷重 及び応力 σ は,次の式による。

δ

δ

Λ

12

Λ

3

Ebt

EI

P

=

=

P

bt

l

Z

Pl

2

1

1

6

=

=

σ

例 2

図 6

に示す,

板厚 及び板幅 が一定の薄板ばねの一端を固定し他端に荷重 を加える場合は,

分割した A,B,C,D,E 及び F の各要素の形状による係数 Λ は,次の式による。

3

Λ

Λ

3

1

C

A

l

=

=

2

1

1

B

Λ

l

S

=

3

Λ

3

2

D

l

=

2

2

2

E

Λ

l

S

=

3

Λ

3

3

3

2

F

l

l

=

全体の形状による係数 Λ は,次の式による。

F

E

D

C

B

A

Λ

Λ

Λ

Λ

Λ

Λ

Λ

+

+

+

+

+

=

3

3

3

3

3

3

3

2

2

2

2

3

2

3

1

2

1

1

3

1

l

l

l

S

l

l

l

S

l

+

+

+

+

+

=

2

2

2

2

1

1

3

3

3

2

3

1

3

3

2

3

2

l

S

l

S

l

l

l

+

+

+

=

図 6

例 の形状 

例 1

と同様に,荷重 及び応力 σ は,次の式による。

δ

Λ

12

3

Ebt

P

=

l

1

及び l

2

l

3

であることから,l

1

l

2

のときは,

P

bt

l

Z

Pl

2

1

1

6

=

=

σ

l

1

l

2

のときは,

P

bt

l

Z

Pl

2

2

2

6

=

=

σ

例 3

図 7

に示す,

板厚 及び板幅 が一定の薄板ばねの一端を固定し他端に荷重 を加える場合は,

分割した A 及び B の各要素の形状による係数 Λ は,次の式による。

+

+

=

4

π

2

2

π

Λ

2

3

A

n

n

R

3

Λ

3

B

l

=

全体の形状による係数 Λ は,次の式による。

3

4

π

2

2

π

Λ

Λ

Λ

3

2

3

B

A

l

n

n

R

+

+

+

=

+

=

例 1

と同様に,荷重 及び応力 σ は,次の式による。

δ

Λ

12

3

Ebt

P

=

(

)

(

)

P

bt

R

l

P

Z

R

l

2

6

+

=

+

=

σ

図 7

例 の形状 

例 4

図 8

に示す,

板厚 及び板幅 が一定の薄板ばねで一端を固定し他端に荷重 を加える場合は,

分割した A,B,C 及び D の各要素の形状による係数 Λ は,次の式による。


17

B 2713

:2009

図 8

例 の形状

a

3

1

3

1

a

A

cos

3

3

Λ

θ

l

l

m

=

=

(

)

b

3

1

3

2

3

1

3

2

b

B

cos

3

3

Λ

θ

l

l

l

l

m

=

=

(

)

c

3

2

3

3

3

2

3

3

c

C

cos

3

3

Λ

θ

l

l

l

l

m

=

=

3

Λ

3

3

3

4

D

l

l

=

全体の形状による係数Λは,次の式による。

D

C

B

A

Λ

Λ

Λ

Λ

Λ

+

+

+

=

例 1

と同様に,荷重

P

及び応力

σ

は,次の式による。

δ

Λ

12

3

Ebt

P

=

P

bt

l

Z

Pl

2

4

4

6

=

=

σ

例 5  図 9

に示す,板厚

t

が一定で,板幅

b

が変化する薄板ばねの一端を固定し他端に荷重

P

を加え

る場合は,

A

B

及び

C

のそれぞれ均一な板幅の三つの要素に近似して分割すると,各要素の

形状による係数

Λ

及び断面二次モーメント

I

は,次の式による。

3

Λ

3

1

A

l

=

3

Λ

3

1

3

2

B

l

l

=

3

Λ

3

2

3

3

C

l

l

=

12

3

1

A

t

b

I

=

12

3

2

B

t

b

I

=

12

3

3

C

t

b

I

=

このときの,荷重

P

及び応力

σ

は,

次の式による。

δ

δ

C

C

B

B

A

A

Λ

Λ

Λ

Λ

I

I

I

E

I

E

P

+

+

=

=

P

t

b

l

Z

Pl

2

3

3

3

6

=

=

σ

図 9

例 の形状 

7.3 

典型的な形状の薄板ばねの計算式及び例 

7.3.1 

波形ばね(山以上) 

図 10

に示す,

板厚が

t

板幅が

b

の波形ばねの荷重

P

及び応力

σ

は,

 (7)

及び式

 (8)

によって求める。

図 10

波形ばねのモデル 


18

B 2713

:2009

δ

κ

δ

3

4

3

94

.

1

D

N

Ebt

k

P

=

=

 (7)

δ

σ

2

2

2

π

12

  

D

EtN

=

 (8)

ここに,

P

ばねにかかる荷重

 (N)

k

ばね定数

 (N/mm)

δ

ばねのたわみ

 (mm)

κ

修正係数

E

縦弾性係数

 (MPa)

b

材料の板幅

 (mm)

t

材料の板厚

 (mm)

N

波の山数

D

平均直径

 (mm)

σ

曲げ応力

 (MPa)

波の山数

N

は,製品の大きさにもよるが最大でも

8

山程度とし,修正係数

κ

は,内径を

D

i

,外径を

D

0

としたとき,

D

i

/D

0

の比によって,次の式による。

D

i

/D

0

0.5

0.777

のときは,

κ

[1.35

1.45(D

i

/D

0

)]/(1

D

i

/D

0

)

D

i

/D

0

0.777

のときは,

κ

1

とする。

数値を代入した計算例として,次のときの荷重と応力とを求める。

D

0

50 (mm)

D

i

42 (mm)

E

2.06

×

10

5

 (MPa)

t

0.5 (mm)

b

4 (mm)

N

6

δ

0.3 (mm)

としたとき,修正係数

κ

は,

D

i

/D

0

0.84

0.777

であるから,

κ

1

となる。

また,平均直径

D

は,

D

(D

0

D

i

)/2

46  (mm)

となる。

以上によって,荷重

P

は,次の式による。

(N)

212

0.3

46

94

.

1

6

5

.

0

4

10

06

.

2

1

3

4

3

5

=

×

×

×

×

×

×

×

=

P

また,このときの応力

σ

は,次の式による。

(MPa)

640

3

.

0

46

π

6

5

.

0

10

06

.

2

12

2

2

2

5

=

×

×

×

×

×

×

=

σ

7.3.2 

接触形ぜんまい 

図 11

に示す,接触形ぜんまいのトルク

M

及び応力

σ

は,式

 (9)

及び式

 (10)

によって求める。


19

B 2713

:2009

a)  巻き戻しの状態 b) 

巻き締めの状態 

図 11

接触形ぜんまいのモデル 

φ

φ

l

Ebt

k

M

12

3

=

=

 (9)

M

bt

2

6

=

σ

 (10)

ここに,

M: トルク (N・mm)

k: ばね定数 (N・mm/rad)

E: 縦弾性係数 (MPa)

b: 材料の板幅 (mm)

t: 材料の板厚 (mm)

l: ばねの展開長 (mm)

σ: 曲げ応力 (MPa)

D

1

解かれたばねの内径 (mm)

D

2

ケースの内径 (mm)

d

1

軸の外径 (mm)

d

2

巻いたばねの外径 (mm)

φ:

変位角 (rad)

例  数値を代入した計算例として,次のときのトルクと応力とを求める。

E: 2.06×10

5

  (MPa)

b: 5  (mm)

t: 0.2  (mm)

l: 500  (mm)

のとき,ばね定数 は次の式による。

500

12

2

.

0

5

10

06

.

2

3

5

×

×

×

×

=

k

  =1.37  (N・mm/rad)

したがって,3/4 巻(270°)巻いたときのトルク は,270°を 3/2 π rad と表して,次の式によ

る。

mm)

(N

45

.

6

π

2

3

37

.

1

=

×

=

M

このときの応力

σ

は,次の式による。

)

(MPa

194

45

.

6

2

.

0

5

6

2

=

×

×

=

σ


20

B 2713

:2009

7.3.3 

非接触形ぜんまい 

非接触形ぜんまいばねは,次の二つの場合による。

a)

  巻数が多く外端固定支持の場合

図 12

に示す非接触形ぜんまいのトルク

M

及び応力

σ

は,式

 (11)

び式

 (12)

によって求める。

図 12

非接触形ぜんまい(外端固定支持)のモデル 

φ

φ

l

EI

k

M

=

=

(11)

Z

M

=

σ

 (12)

ここに,

M

トルク

 (N

mm)

k

ばね定数

 (N

mm/rad)

E

縦弾性係数

 (MPa)

I

断面二次モーメント

 (mm

4

)

l

ばねの展開長

 (mm)

σ

曲げ応力

 (MPa)

Z

断面係数

 (mm

3

)

φ:

変位角

 (rad)

b)

  巻数が多く外端自由支持の場合

図 13

に示す,

非接触形ぜんまいのトルク

M

及び応力

σ

は,

 (13)

び式

 (14)

によって求める。

図 13

非接触形ぜんまい(外端自由支持)のモデル 

φ

φ

l

EI

k

M

25

.

1

=

=

 (13)

Z

M

2

=

σ

 (14)


21

B 2713

:2009

ここに,

M

トルク

 (N

mm)

k

ばね定数

 (N

mm/rad)

E

縦弾性係数

 (MPa)

I

断面二次モーメント

 (mm

4

)

l

ばねの展開長

 (mm)

σ

曲げ応力

 (MPa)

Z

断面係数

 (mm

3

)

φ:

変位角 (rad)

7.3.4 

定荷重ぜんまい 

図 14 に示す,定荷重ぜんまいの荷重 及び応力 σ は,式 (15) 及び式 (16) によって求める。

図 14−定荷重ぜんまいのモデル 



⎟⎟

⎜⎜

=

2

1

n

2

n

3

1

1

1

4

.

26

R

R

R

Ebt

P

 (15)

n

2R

Et

=

σ

 (16)

ここに,

P: ばねにかかる荷重 (N)

E: 縦弾性係数 (MPa)

b: 材料の板幅 (mm)

t: 材料の板厚 (mm)

R

n

コイルの最小自然半径 (mm)

R

1

コイル外半径 (mm)

σ: 曲げ応力 (MPa)

例  数値を代入した計算例として,次のときの荷重と応力とを求める。

E: 1.86×10

5

 (MPa)

b: 25 (mm)

t: 0.15 (mm)

R

n

: 10 (mm)

R

1

: 12 (mm)

のとき,荷重 は次の式による。

)

(N

78

.

5

12

1

10

1

10

1

4

.

26

15

.

0

25

10

86

.

1

2

2

3

5

=

×

×

×

×

=

P

また,応力 σ は次の式による。

(MPa)

10

40

.

1

10

2

15

.

0

10

86

.

1

3

5

×

=

×

×

×

=

σ


22

B 2713

:2009

仕様の定め方 

8.1 

薄板ばねの特性 

薄板ばねの使用方法によって,要求のばね特性に適した形状を選定する。ばね特性の代用として,寸法

許容差を指定する場合が一般的であるが,機能上の理由などで,ばね特性を指定する場合には,次に規定

する項目から選択して仕様を決める。高さ又は荷重を指定するときは,

図 15

を参照する。

a)

指定高さのときの荷重

  指定高さのときの荷重は,そのときのたわみが全たわみ

1) 

の 20∼80  %にな

るように決める。

1)

  全たわみとは,無荷重時から最大荷重時までのばねのたわみをいう。

b)

指定荷重のときの高さ

  指定荷重のときの高さは,そのときのたわみが全たわみの 20∼80  %になる

ように決める。

c)

ばね定数

  ばね定数は,全たわみの 30∼70  %にある二つの荷重点における荷重の差及びたわみの差

によって決める。

図 15

ばね特性の指定の仕方 

8.2 

設計応力 

薄板ばねの設計応力は,箇条

7

の各種の設計計算式から求める。設計応力は,使用条件,表面状態,硬

さ,切欠き部形状,加工欠陥の有無,端面の処理方法など,多くの事項を考慮する必要があるが,大まか

には,次に規定する方法で目安をつけることができる。

a)

静荷重を受ける薄板ばね

  静荷重又は低レベルの繰返し荷重を受ける薄板ばねの許容曲げ応力は,鉄

鋼材料の場合は,材料の引張強さの 70  %以下とするのが望ましい。

b)

繰返し荷重を受ける薄板ばね

  繰返し荷重を受ける薄板ばねの許容曲げ応力は,薄板ばねを使用する

ときの下限応力と上限応力との関係,繰返し回数,材料の表面状態などの疲れ強さに影響を及ぼす諸

因子を考慮して,適切な値を選ばなければならない。

薄板ばね寿命を予測する方法の一例を,次に示す。

図 16

の疲れ強さ線図を用いて,繰返し荷重を受

ける薄板ばねの寿命を推定することができる。

なお,

図 16

JIS B 2709

による寿命予測を容易にするために,最小荷重 P

min

を最大荷重 P

max

で除

した値を γ とすると,通常,γ は設計の当初において分かっていることが多いので,

図 16

に γ の斜線

を併記した。γ は,次の式で表す。

max

min

max

min

P

P

=

=

σ

σ

γ


23

B 2713

:2009

上限応力係数又は下限応力係数のいずれかと,この γ とで寿命予測は容易に行うことができる。薄

板ばねの材料では,引張強さの規定がないものがあり,薄板ばねの硬さから引張強さを換算し求めな

ければならない場合がある。

表 16

を参照して硬さから引張強さに換算する。

材料にビッカース硬さが 450HV の SK85M を用いた薄板ばねに σ

max

=630 (MPa)及び σ

min

=126 (MPa)

の応力が作用する場合の寿命回数を推定する。σ

B

値は,

表 16

の換算表から 1401 (MPa)  を得る。上限

応力係数 σ

max

/σ

B

は,次の式による。

45

.

0

1401

630

B

max

=

=

σ

σ

ここに,σ

B

は,材料の硬さから換算した引張強さである。また,γ は,次の式となり,

20

.

0

630

126

max

min

=

=

=

σ

σ

γ

図 16

に示す×印の点を得る。この点は,図から明らかなように 10

7

回以上の寿命を期待することがで

きる。

図 16

疲れ強さ線図 

8.3 

設計及び加工上の注意事項 

8.3.1 

設計上の注意事項 

薄板ばねの設計に当たっては,次に規定する事項に注意する。

a)

接触形ぜんまい

1)

  接触形ぜんまいは,板同士のしゅう(摺)動に伴い生じる摩擦のために,巻き戻すときのトルクが

巻き上げるときのトルクを下回る,いわゆるヒステリシス特性を示す。過大な摩擦を避け,安定し

たトルク特性を得るために,ばねの長さは,板厚の 15 000 倍までとする。

2)

  ばね板の曲率半径が小さい部分に応力集中が生じ,耐久性の低下につな(繋)がることから,応力


24

B 2713

:2009

集中を避けるために,軸径は,板厚の 20 倍以上とする。

b)

定荷重ぜんまい

  定荷重ぜんまいは,コイル状に加工した薄板を直線にまで引き伸ばして使用するた

めに,コイル径が小さい場合は,直線に引き伸ばすと塑性変形が生じる。そのため,製造可能なコイ

ル内径にはおのずと限界がある。引き伸ばしたときの塑性変形を避けるために,コイル内径は,板厚

の 80 倍以上とする。

c)

その他の薄板ばね

1)

  応力集中する部位は,曲げ半径をできる限り大きく取り,応力集中の軽減をはかる。

2)

  相手部品との摩擦によって,ばねと相手部品とに摩耗が生じ,問題が発生することもあるために,

ばり及びだれ面の方向は,使用方法及び相手部品によって決定する。

8.3.2 

加工上の注意事項 

薄板ばねの加工に当たっては,次に規定する事項に注意する。

a)

  金属材料に切断,孔あけなどのプレス加工を行うと,破断面の縁にばりと称するまくれあがったよう

な形の余肉が生じる。このばりは,曲げ加工によって割れにつな(繋)がることもあるために,次の

事項に注意する。曲げ方向と割れとの関係については,

図 17

を参照する。

1)

  曲げ部は,できる限り曲げの外側が抜きだれ側になるように加工する。

2)

  プレス加工の都合によって,すべての抜きだれ側を外側となるように加工することができない場合

がある。その場合は,応力が集中しやすい部位を優先的にだれが外側となるように加工し,残りの

ばりは,ばりを少なくする工程とする。

3)

  ばりを少なくするには,バレル研摩の施工,パンチとダイとのすき間を小さく設定するなどの方法

がある。

b)

  材料の圧延方向は,機械的性質に影響を及ぼすため,材料の異方性を調査し,用途及び働きに応じて,

圧延方向に対する製品の材料取りの方向を指定する。

c)

  製品の形状から,熱処理変形及び加工の容易さなどを考慮し,熱処理をした材料を使用するか,又は

加工後に熱処理を行うかを決める。

d)

  複雑な形状の製品は,表面処理などの中間工程で製品同士のからみ合いによって,変形が生じやすい

ので,1 回の処理数量を少なくするなどの対応をするのがよい。

e)

  板ばねでは,特に耐久性が要求される場合には,ショットピーニングを行うが,薄板ばねは,変形し

やすいので,ショットピーニングは行わない。

f)

  ぜんまいばねでは,材料断面の角部に応力集中が生じやすいので,角部をできる限り滑らかな円弧状

の形状とする。

図 17

曲げ方向と割れとの関係 


25

B 2713

:2009

表 16

鋼の焼入焼戻し後の硬さと引張強さの換算表 

(出典  ISO 18265 による。

650

79.9

57.5

88.9

75.0

62.8

650

640

79.7

57.1

88.7

74.6

62.3

640

630

79.4

56.6

88.5

74.2

61.7

630

620

79.2

56.1

88.2

73.7

61.2

620

610

78.9

55.6

88.0

73.3

60.6

610

600

78.7

55.1

87.7

72.8

60.0

600

590

78.4

54.6

87.5

72.4

59.4

590

580

78.2

54.0

87.2

71.9

58.8

580

570

77.9

53.5

86.9

71.4

58.2

570

560

77.6

52.9

86.6

70.9

57.5

560

550

77.3

52.4

86.4

70.4

56.8

550

540

77.0

51.8

86.1

69.9

56.2

540

530

76.7

51.2

85.8

69.3

55.5

530

520

76.4

50.5

85.4

68.8

54.8

520

510

76.0

49.9

85.1

68.2

54.0

510

500

75.7

49.2

84.8

67.6

53.2

500

490

75.4

48.6

84.4

67.0

52.5

490

480

75.0

47.9

84.1

66.4

51.7

480

470

74.6

47.2

83.7

65.8

50.8

1460

470

460

74.3

46.4

83.3

65.1

50.0

1430

460

450

73.9

45.7

82.9

64.4

49.1

1401

450

440

73.5

44.9

82.5

63.7

48.2

1371

440

430

73.0

44.1

82.1

63.0

47.2

1341

430

420

72.6

43.2

81.8

62.2

46.3

1311

420

410

72.2

(113.6)

42.4

81.2

61.4

45.3

1281

410

400

71.7

(113.1)

41.5

80.7

60.6

44.2

1250

400

390

71.2

(112.7)

40.6

80.2

59.8

43.2

1220

390

380

70.7

(112.2)

39.6

79.7

58.9

42.0

1189

380

370

70.2

(111.7)

38.6

79.1

58.0

40.9

1159

370

360

69.6

(111.1)

37.6

78.6

57.1

39.7

1128

360

350

69.1

(110.5)

36.5

78.0

56.1

38.4

1097

350

340

68.5

(109.9)

35.4

77.3

55.1

37.2

1070

340

330

67.8

(109.2)

34.3

76.7

54.0

35.8

1035

330

320

67.2

(108.5)

33.1

76.0

52.9

34.4

1003

320

310

66.5

(107.7)

31.8

75.3

51.8

32.9

972

310

Aスケール

全試験力588.4N

円すい形

ダイヤモンド圧子

ビッカ

ース
硬さ

ビッカ

ース
硬さ

引張強さ

(近似値)

MPa

45Nスケール

全試験力

441.3N

ロックウェル硬さ

ロックウェルスーパーフィシャル硬さ

円すい形ダイヤモンド圧子

15Nスケール

全試験力

147.1N

30Nスケール

全試験力

294.2N

Bスケール

全試験力988.7N

円すい形

ダイヤモンド圧子

Cスケール

全試験力1471N

円すい形

ダイヤモンド圧子


26

B 2713

:2009

表 16

鋼の焼入焼戻し後の硬さと引張強さの換算表(続き) 

(出典  ISO 18265 による。

300

65.8

(106.9)

30.5

74.5

50.5

31.4

940

300

290

65.0

(106.0)

29.1

73.7

49.3

29.8

909

290

280

64.3

(105.0)

27.7

72.9

47.9

28.1

877

280

270

63.4

(103.9)

26.2

72.0

46.5

26.3

845

270

260

62.5

(102.7)

24.6

71.0

45.0

24.4

813

260

250

61.6

(101.4)

22.9

70.0

43.4

22.5

781

250

240

60.6

100.0

21.2

68.9

41.8

20.4

748

240

230

59.6

98.4

(19.3)

67.8

40.4

18.2

716

230

220

58.4

96.7

(17.4)

66.5

38.1

15.9

683

220

210

57.2

94.8

(15.3)

65.2

36.1

13.4

651

210

注記 表中括弧 ( ) 内の数値は,参考として示したものである。

引張強さ

(近似値)

MPa

ビッカ

ース
硬さ

ビッカ

ース
硬さ

ロックウェル硬さ

ロックウェルスーパーフィシャル硬さ

円すい形ダイヤモンド圧子

30Nスケール

全試験力

294.2N

45Nスケール

全試験力

441.3N

Aスケール

全試験力588.4N

円すい形

ダイヤモンド圧子

Bスケール

全試験力988.7N

円すい形

ダイヤモンド圧子

Cスケール

全試験力1471N

円すい形

ダイヤモンド圧子

15Nスケール

全試験力

147.1N