日本工業規格
JIS
B
2303
-1995
ねじ込み式排水管継手
Screwed drainage fittings
1.
適用範囲 この規格は，JIS G 3452 を用いた排水配管に使用するねじ込み式排水管継手（以下，継手
という。
）について規定する。
備考1. この規格の引用規格を，次に示す。
JIS B 0203
管用テーパねじ
JIS B 0253
管用テーパねじゲージ
JIS G 3452
配管用炭素鋼鋼管
JIS G 5501
ねずみ鋳鉄品
JIS G 5702
黒心可鍛鋳鉄品
JIS H 0401
溶融亜鉛めっき試験方法
2.
この規格の中で { } を付けて示してある単位及び数値は，従来単位によるものであって，
参考として併記したものである。
2.
種類
2.1
材料による種類 継手の材料による種類は，鋳鉄製及び可鍛鋳鉄製の 2 種類とする。
2.2
形状による種類 継手の形状による種類は，次の 21 種類とする。
90
°エルボ，90°大曲がりエルボ，45°エルボ，22°
2
1
エルボ，通気 T，90°Y，径違い 90°Y，90°
両 Y，径違い 90°両 Y，90°大曲がり Y，径違い 90°大曲がり Y，90°大曲がり両 Y，径違い 90°
大曲がり両 Y，45°Y，径違い 45°Y，45°両 Y，径違い 45°両 Y，ソケット，インクリーザ，タッ
カ，U トラップ
3.
大きさの呼び 継手の大きさを表す呼びは，継手のねじを JIS B 0203 によるねじの呼びに基づいて呼
ぶ。ただし，この呼びには PT の記号は付けない。
なお，径違い継手の大きさを表す呼びは，径の大きなものを①，小さなものを②とする順序の呼び方で
表す。
4.
漏れ 継手は，0.35MPa {3.5kgf/cm
2
}
の水圧又は 0.15MPa {1.5kgf/cm
2
}
の空気圧を加えたとき，漏れ，
その他の異常があってはならない。
5.
形状・寸法 継手の形状・寸法は，付表 1〜10 による。ただし，継手の端面から中心又は端面までの
長さの許容差は
表 1 のとおりとし，許容差の規定のない寸法は推奨寸法を示す。
2
B 2303-1995
表 1
単位 mm
基準寸法 30 以下 30 を超え
50
以下
50
を超え
75
以下
75
を超え
100
以下
100
を超え
150
以下
150
を超え
200
以下
200
を超え
300
以下
300
を超え
るもの
許容差
±1.5
±2
±2.5
±3
±3.5
±4
±5
±6
なお，流れが 90°の方向に変わる軸線をもつ継手では，
付表 2，付表 4，付表 5 及び付表 10 に示すとお
り，端面で流れの方向に傾けて，主軸線に対する実際の流れ角度を 91°10′とする。ただし，U トラップ
の流出側端部は 88°50′とする。
6.
ねじ 継手のねじは，JIS B 0203 に規定するテーパねじとする。
7.
外観 継手の内外面は滑らかで，割れ及び有害なきず，いばり・砂付きなどの欠点があってはならな
い。
8.
材料 継手の材料は，表 2 による。
表 2
区分
材料
鋳鉄製継手
JIS G 5501
の FC150
可鍛鋳鉄製継手
JIS G 5702
の FCMB270
9.
めっき 継手にめっきをする場合は，ねじ切り加工前に溶融亜鉛法によって行う。
10.
検査 継手の検査は，次の(1)〜(6)による。ただし，ロット検査における抜取検査方式は，受渡当事者
間の協定による。
(1)
漏れ検査 漏れ検査は，4.の規定に適合しなければならない。
(2)
形状・寸法検査 形状・寸法検査は，5.の規定に適合しなければならない。
(3)
ねじ検査 ねじの検査は，次による。
(a)
ねじ部外観 完全ねじ部には有害な山やせ，山かけなどの欠点があってはならない。
(b)
ねじのはめあい ねじのはめあいは，JIS B 0253 を用いて行い，6.の規定に適合しなければならな
い。
(c)
ねじ軸線の狂い 各ねじ軸線間の角度の狂いは，300mm の距離に対し，主軸線間は 2mm 以下，そ
の他は 3mm 以下でなければならない。
(4)
外観検査 外観検査は，7.の規定に適合しなければならない。
(5)
材料検査 材料検査は，引張試験及び抗折試験について行い，表 3 の規定に適合しなければならない。
表 3
区分
引張試験
抗折試験
鋳鉄製継手の材料
JIS G 5501
に規定する 2 種の
引張試験による。
JIS G 5501
に規定する 2 種の
抗折試験による。
可鍛鋳鉄製継手の材料
JIS G 5702
に規定する 1 種の
引張試験による。
(6)
めっき検査 めっき検査は，次による。
3
B 2303-1995
(a)
めっき部外観 めっき面には均一にめっき層が付着していなければならない。
(b)
硫酸銅試験 JIS H 0401 の 4.（硫酸銅試験方法）による。
なお，この場合の浸せき回数は 5 回とする。
11.
製品の呼び方 継手の呼び方は，規格名称，材料による種類，形状による種類及び大きさの呼びによ
る。
例 ねじ込み式排水管継手 鋳鉄製 45°エルボ 1
2
1
ねじ込み式排水管継手 可鍛鋳鉄製 45°エルボ 1
2
1
12.
表示 継手には，呼び及び製造業者名又はその略号を鋳出し（少なくとも高さ 1mm）又は鋳込みによ
って明示しなければならない。
なお，通気 T 及び U トラップには流れ方向を明示する矢印を付ける。
4
B 2303-1995
付表 1 継手の端部
単位 mm
ねじ部
リセス
内径
リセスを含むねじ部全長
A
2
呼び
ねじの
呼び
d
ねじの
基準径
D
ねじ山数
25.4mm
に付き
めねじの
長さ l
（最小）
基準寸法
許容差
内径
A
1
(
最小)
基準寸法 許容差
1
1
/
4
PT1
1
/
4
41.910
11
10
18
＋2.5
−0.5
43
36
±1
1
1
/
2
PT1
1
/
2
47.803
11
11
19
＋2.5
−0.5
49
42
±1
2 PT2 59.614 11
13
22
＋2.5
−0.5
61
53
±1
2
1
/
2
PT2
1
/
2
75.184
11
15
25
＋3.5
−0.5
77
68
±1
3 PT3 87.884 11
17
28
＋3.5
−0.5
90
81
±1
4 PT4 113.030 11
21
33
＋3.5
−0.5
115 105
±1.5
5 PT5
138.430 11
23
36
＋3.5
−0.5
141 131
±1.5
6 PT6
163.830 11
24
39
＋3.5
−0.5
167 155
±1.5
5
B 2303-1995
厚さ
バンド
リブ
鋳鉄製
可鍛鋳鉄製
鋳鉄製
可鍛鋳鉄製
t
t
外径 幅 外径 幅
幅数
呼び
基準寸法
許容差
基準寸法
許容差
F
h
F
h
m
1
1
/
4
4.5
＋規定しない 3.5 ＋規定しない
57
10
53
8 5
2
1
1
/
2
4.5
−0.7 3.5
−0.7
64
11
60
9 5
2
2
5
4
78
13
73
11 5
2
2
1
/
2
5.5
＋規定しない 4.5 ＋規定しない
96
15
91
12 6
2
3 6
−1.0 5
−1.0 111
17
105
13
7
2
4 7.5
6
139
21
133
16
8
4
5 8.5
6.5
169
23
161
18
8
4
6 9
7.5
199
24
189
20
8
4
備考1. 端面の測定基準位置は，附属書1による。
2.
リセスは鋳放しのままとし，その形状・寸法は，
附属書 2 による。
3.
リブはソケット，インクリーザ，タッカ，その他必要とするものに付ける。
4.
ねじ部端面は，面取りしなければならない。
付表 2 90°エルボ，90°大曲がりエルボ
単位 mm
90
°エルボ 90°大曲がりエルボ
中心から端面までの
距離
中心から端面までの
距離
呼び
A
B
1
1
/
4
44
57
1
1
/
2
49
63
2
58
76
2
1
/
2
70
92
3
80
106
4
99
132
5
118
158
6
135
182
備考 継手の端部の形状及び寸法は，付表 1 による。
6
B 2303-1995
付表 3 45°エルボ，22°
2
1
エルボ
単位 mm
45
°エルボ
22
°
2
1
エルボ
中心から端面までの
距離
中心から端面までの
距離
呼び
A
B
1
1
/
4
33
30
1
1
/
2
36
32
2 42
37
2
1
/
2
50
42
3 56
48
4 68
57
5 79
65
6 89
72
備考 継手の端部の形状及び寸法は，付表 1 による。
7
B 2303-1995
付表 4 通気 T，90°Y，90°大曲がり Y，90°両 Y，90°大曲がり両 Y
単位 mm
通気 T 90°Y 及び 90°両 Y 90°大曲がり Y 及び 90°大曲がり両 Y
中心から端面
までの距離
中心から端面までの距離
中心から端面までの距離
呼び
A
A'
B
C
E
F
G
1
1
/
4
44
57
40
56
87
31
86
1
1
/
2
49
63
44
62
96
35
95
2
58
76
53
75
115
42
114
2
1
/
2
70
92
64
91
140
51
139
3
80
106
74
104
160
58
158
4
99
132
92
130
200
72
198
5 118 158 110 155 240
88 237
6 135 182 125 179 279 105 276
備考 継手の端部の形状及び寸法は，付表 1 による。
8
B 2303-1995
付表 5 径違い 90°Y，径違い 90°大曲がり Y，径違い 90°両 Y，径違い 90°大曲がり両 Y
単位 mm
径 違 い 90 ° Y 及 び 径 違 い
90
°両 Y
径違い 90°大曲がり Y 及び
径違い 90°大曲がり両 Y
中心から端面までの距離
中心から端面までの距離
呼び
①×②
A
B
C
E
F
G
1
1
/
2
×1
1
/
4
58
41
59
88
31
89
2
×
1
1
/
4
61
45
65
95
31
98
2
×
1
1
/
2
66
48
68
102
35
103
2
1
/
2
×1
1
/
2
69
51
75
108
35
114
2
1
/
2
×2
79
57
83
120
42
123
3
×
1
1
/
2
72
55
82
114
35
123
3
×2
82
60
89
126
42
133
3
×
2
1
/
2
95
68
98
145
51
147
4
×
1
1
/
2
77
61
94
122
35
138
4
×2
87
66
101
135
42
149
4
×
2
1
/
2
100
74 110 155 51 164
4
×3 111
80 116 168 58 173
5
×2
90
70
114
140
42
164
5
×
2
1
/
2
103
78 123 160 51 179
5
×3 114
84 129 174 58 189
5
×4 135
96 143 205 72 213
9
B 2303-1995
6
×2
93
74
126
143
42
176
6
×3 117
88 141 179 58 203
6
×4 138 101 155 212 72 229
6
×5 161 115 167 244 88 250
備考 継手の端部の形状及び寸法は，付表 1 による。
10
B 2303-1995
付表 6 45°Y，45°両 Y
単位 mm
中心から端面までの距離
呼び
A B
1
1
/
4
33
77
1
1
/
2
36
86
2 42
104
2
1
/
2
50 128
3 56
147
4 68
184
5 79
220
6 89
255
備考 継手の端部の形状及び寸
法は，
付表 1 による。
11
B 2303-1995
付表 7 径違い 45°Y，径違い 45°両 Y
単位 mm
中心から端面までの距離
呼び
①×②
A
B
C
1
1
/
2
×1
1
/
4
31 81 83
2
×1
1
/
4
29 89 93
2
×1
1
/
2
34 94 97
2
1
/
2
×1
1
/
2
29 105 112
2
1
/
2
×2 38
114
118
3
×1
1
/
2
26 114 123
3
×2 34
123
130
3
×2
1
/
2
47 136 139
4
×1
1
/
2
19 131 146
4
×2 27
140
153
4
×2
1
/
2
40 153 162
4
×3 49
163
169
5
×2 17
155
173
5
×2
1
/
2
30 168 182
5
×3 39
178
190
5
×4 58
198
204
6
×2
8
170
194
6
×3 30
193
210
6
×4 49
213
224
6
×5 70
234
240
備考 継手の端部の形状及び寸法は，
付表 1 による。
12
B 2303-1995
付表 8 ソケット，インクリーザ
単位 mm
ソケット
呼び
A
1
1
/
4
60
1
1
/
2
65
2
75
2
1
/
2
85
3
90
4 105
5 115
6 125
単位 mm
インクリーザ
呼び
A
2
×1
1
/
2
150
2
1
/
2
×2 150
3
×2 150
4
×2 200
4
×3 200
5
×3 200
5
×4 200
6
×4 200
6
×5 200
備考 継手の端部の形状及び寸法は，付表 1 による。
13
B 2303-1995
付表 9 タッカ
単位 mm
受口端部
A
3
t
1
K
鋳鉄製
可鍛鋳鉄製
呼び X
Y
基準寸法 許容差
基準寸法
許容差
基準寸法
許容差
鋳鉄製 可鍛鋳鉄製
h
1
2
107 44
78
＋4 6 ＋規定しない
4
＋規定しない
104
93
14
−2 −0.7
−0.7
2
1
/
2
119 48
93
＋4 6 ＋規定しない
4.5
＋規定しない
119 109
15
−2 −1.0
−1.0
3
128 48
106
＋4 6
5
132 123 16
−2
4
148 99
133
＋4 7.5
6
159 152 17
−2
5
157 103
158
＋4
8.5
6.5
184
179 18
−2
6
165 107
184
＋4 9
7.5
210 207 20
−2
呼び
受口端部
ね じ 込 み
端部
リング
H
I
R
A
4
(
最小)
M
t
2
P
2 10 6 3
63
−
−
−
2
1
/
2
11 6 3
79
−
−
−
3 11 6 3
92
−
−
−
4 13 6 3 118
118
5.0
46
5 13 6 3 144
142.5
5.5
50
6 13 6 3 169
168
6.0
54
備考1. ねじ込み端部の形状及び寸法のうち，上の寸法以
外のものは
付表1による。
2.
図中の l は，
付表 1 に示すめねじ長さによる。
14
B 2303-1995
付表 10 U トラップ
単位 mm
B
封水深
呼
び
A
基準寸法
許容差
C
(
参考)
S
上部径の呼び
2 251 101
±1.2
53
50
2
3 344 136
±1.5
74
65
3
4 435 177
±1.8
92
65
4
5 516 214
±2.1
105
85
4
6 600 250
±3.0
118
100 4
備考1. 継手の端部の形状及び寸法は，付表1による。
2.
底部には，掃除用のプラグ座を付ける。
3. U
トラップの形状は，
附属書 3 による。
4.
封水深 S は 50mm 以上 100mm 以下とする。
15
B 2303-1995
附属書 1 端面の測定基準位置
端面の測定基準位置は，
下図のとおり，鋳物造形上のこう配による寸法を含まない X−Y 面とする。
16
B 2303-1995
附属書 2 リセス
単位 mm
呼び
i
r
1
r
2
r
3
1¼
0.6
4.5
2.5
1.5
1½
0.6
4.5
2.5
1.5
2
1
4.5
2.5
2
2½
1.2
5
3
2
3
1.2
5.5
3
2
4
1.2
6
3
2.5
5
1.2
6
3
2.5
6
1.5
7
3.5
3
備考 L，l，A
1
，A
2
及び D は，
付
表 1 による。
17
B 2303-1995
附属書 3 U トラップの形状
U
トラップは，
下図のとおり，X−Y 線を水平にそろえなければならない。したがって，C
′
≒C＋2p と
する。ここで，p は軸線の傾きによって生じる寸法である。
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B 2303-1995
機械要素部会 排水管継手専門委員会 構成表（昭和 52 年 3 月 1 日改正時）
氏名
所属
（委員会長）
森 村 武 雄
株式会社森村協同設計事務所
若曽根 和 之
工業技術院標準部
坂 倉 省 吾
通商産業省機械情報産業局
井 野 弥 一
埼玉県鋳物機械工業試験場
牧 野 紀代士
東亜高級継手バルブ製造株式会社
福 井 実
大阪ドレネージ工業株式会社
笠 原 重 夫
日立金属配管機器株式会社配管機器事業部
佐々木 智 文
永瀬鋳工株式会社
伊 藤 勇
鉄管継手協会
泉 忠 之
三機工業株式会社衛生水道本部
佐 藤 邦 昭
須賀工業株式会社東京支店
古 角 恵 之
株式会社西原衛生工業所
伊 藤 浩
建設省官庁営繕部
丸 山 敏 雄
日本住宅公団総合試験場
夢 川 實 雄
清水建設株式会社
（事務局）
藤 田 富 男
工業技術院標準部機械規格課
（事務局）
永 井 裕 司
工業技術院標準部機械規格課（平成 7 年 2 月 1 日改正時）