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B 2090:2014  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 2 

4 記号及び意味 ··················································································································· 2 

5 接続端に要求される寸法 ···································································································· 2 

5.1 ガスケット座の寸法 ······································································································· 2 

5.2 面間寸法 ······················································································································ 3 

6 附属品···························································································································· 3 

6.1 ガスケット ··················································································································· 3 

6.2 ボルト・ナット ············································································································· 3 

7 接続端の性能 ··················································································································· 5 

8 接続端の試験方法 ············································································································· 5 

8.1 内圧負荷試験方法 ·········································································································· 5 

8.2 曲げ・内圧負荷試験方法 ································································································· 6 

9 記録······························································································································· 6 

附属書A(参考)バルブの性能試験結果記録様式の一例 ······························································ 7 

附属書B(参考)バルブの設計・施工で考慮する必要のある影響因子事項 ······································· 8 

B 2090:2014  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づき,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本

工業規格である。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

B 2090:2014 

フランジレス形弁の性能及び試験方法 

Performance requirements and tests for flangeless end valves 

適用範囲 

この規格は,鋼製,鋳鉄製及び銅合金製のフランジレス形弁(以下,バルブという。)の接続端の強度,

密封特性に関する性能,及びその試験方法について規定する。 

なお,この規格は,呼び圧力5 K,10 K,16 K,呼び径300 A以下,及び使用温度100 ℃以下のバルブ

に適用する。ただし,可燃性又は毒性の内部流体に使用するバルブには,適用しない。 

また,バルブの接続に適合する管フランジ(以下,フランジという。)は,JIS B 2220,JIS B 2239,JIS 

B 2240又はこれらと同等の圧力−温度基準をもつフランジとし,フランジのガスケット座面は,平面座又

は全面座とする。 

さらに,バルブの設計・施工で考慮しなければならない影響因子に関する事項を,参考として附属書B

に示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS B 0100 バルブ用語 

JIS B 0205-4 一般用メートルねじ−第4部:基準寸法 

JIS B 0209-1 一般用メートルねじ−公差−第1部:原則及び基礎データ 

JIS B 1003 締結用部品−メートルねじをもつおねじ部品のねじ先 

JIS B 1021 締結用部品の公差−第1部:ボルト,ねじ,植込みボルト及びナット−部品等級A,B

及びC 

JIS B 1041 締結用部品−表面欠陥 第1部 一般要求のボルト,ねじ及び植込みボルト 

JIS B 1042 締結用部品−表面欠陥 第2部:ナット 

JIS B 1051 炭素鋼及び合金鋼製締結用部品の機械的性質−第1部:ボルト,ねじ及び植込みボルト 

JIS B 1052-2 締結用部品の機械的性質−第2部:保証荷重値規定ナット−並目ねじ 

JIS B 1052-6 締結用部品の機械的性質−第6部:保証荷重値規定ナット−細目ねじ 

JIS B 1054-1 耐食ステンレス鋼製締結用部品の機械的性質−第1部:ボルト,小ねじ及び植込みボル

ト 

JIS B 1054-2 耐食ステンレス鋼製締結用部品の機械的性質−第2部:ナット 

JIS B 1180 六角ボルト 

JIS B 1181 六角ナット 

JIS B 2002 バルブの面間寸法 

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B 2090:2014  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS B 2005-1 工業プロセス用調節弁−第1部:調節弁用語及び一般的必要条件 

JIS B 2005-3-2 工業プロセス用調節弁−第3部:寸法−第2節:バタフライ弁を除く回転形調節弁の

面間寸法 

JIS B 2032 ウェハー形ゴムシートバタフライ弁 

JIS B 2220 鋼製管フランジ 

JIS B 2239 鋳鉄製管フランジ 

JIS B 2240 銅合金製管フランジ 

JIS G 0404 鋼材の一般受渡し条件 

JIS G 3101 一般構造用圧延鋼材 

JIS G 4051 機械構造用炭素鋼鋼材 

JIS G 4107 高温用合金鋼ボルト材 

JIS G 4303 ステンレス鋼棒 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS B 0100及びJIS B 2005-1によるほか,次による。 

3.1 

フランジレス形弁 

弁箱にフランジを設けない接続端をもつバルブの総称。 

注記 弁箱の接続端は,接続する配管に設けたフランジの座面に一致する座面を備え,バルブを配管

フランジの間に挟みつけて取り付ける。 

記号及び意味 

この規格で用いる主な記号及び意味は,表1による。 

表1−記号及び意味 

記号 

意味 

参考 

配管の外径(mm) 

試験荷重(N) 

支点と荷重点との距離(mm) 

l1 

フランジ外側と隔壁内側との距離(mm) 

l2 

隔壁外側と支点との距離(mm) 

試験曲げモーメント(N・m) 

配管の外半径(mm) 

R=D/2 

配管の厚さ(mm) 

σ 

配管の曲げ応力(N/mm2) 

接続端に要求される寸法 

5.1 

ガスケット座の寸法 

バルブのガスケット座の寸法は,次による。 

a) バルブのガスケット座の寸法は,接続するフランジのガスケット座の寸法によって決定する。 

b) バルブのガスケット座の内径及び外径は,接続するフランジが平面座の場合のガスケット座の寸法に

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

適合させる。 

なお,漏れ防止の観点から,ガスケット幅を減少させないことが望ましい。 

c) バルブのガスケット座の仕上げは,接続するフランジと同等とする。 

d) バルブの外形は,ボルトと干渉してはならない。また,フランジボルトを利用してバルブのアライメ

ント調整及びガスケットのセンタリングを行うので,ボルトとバルブに過度の隙間ができないことが

望ましい。 

5.2 

面間寸法 

バルブの面間寸法は,JIS B 2002,JIS B 2005-3-2,JIS B 2032などに一致させることが望ましい。 

附属品 

6.1 

ガスケット 

バルブの接続に用いるガスケットは,次による。 

a) バルブの接続端面がゴム材料の場合は,ガスケットを使用してはならない。 

b) ガスケットの寸法は,接続するフランジのガスケット座の寸法によって決定する。 

c) ガスケット種類は,使用流体の条件に適合するよう選択するが,安定した締付け状態を得るためには,

フランジ座面全体に均一に接触するシート形状のガスケットが望ましい。 

d) シート形状のガスケットを用いる場合,全面形ガスケット又はリングガスケットのいずれを用いても

よい。 

e) 使用流体の条件が決定していない場合,試験に用いるガスケットは,呼び厚さ3 mmの全面形ジョイ

ントシートガスケットを推奨する。 

6.2 

ボルト・ナット 

バルブの接続に用いるボルト・ナットは,次による。 

a) ボルト・ナットの組合せは,ボルト・ナットの材料,鋼種区分及び強度区分によって表2による。 

注記1 ボルト・ナットの材料,鋼種区分及び強度区分の選定に当たっては,適用されるバルブの

種類,ガスケットの材質及び使用温度におけるボルト・ナットの熱膨張を考慮しなければ

ならない。 

注記2 ステンレス鋼で,強度区分70及び80のものに対しては,応力腐食割れの発生に注意しな

ければならない。 

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表2−ボルト・ナットの組合せ 

区分 

ボルト 

ナット 

材料 

鋼種区分 

強度区分 

材料 

鋼種区分 

強度区分 

炭素鋼及び低合金鋼 

JIS G 3101のSS400 

− 

− 

JIS G 3101のSS400 

− 

− 

JIS G 3101のSS490 

− 

− 

JIS G 3101のSS400 

− 

− 

JIS G 3101のSS540 

− 

− 

JIS G 3101のSS400 

− 

− 

JIS G 4051のS35C(H) a) 

− 

− 

JIS G 4051のS25C(N) c) 

− 

− 

JIS G 4051のS45C(H) b) 

− 

− 

JIS G 4051のS25C(N) c) 

− 

− 

JIS G 4107のSNB7 

− 

− 

JIS G 4051のS45C(H) c) 

− 

− 

− 

− 

JIS B 1051の4.6 

− 

− 

JIS B 1052-2の4 

− 

− 

JIS B 1051の5.6 

− 

− 

JIS B 1052-2又は 
JIS B 1052-6の5 

− 

− 

JIS B 1051の8.8 

− 

− 

JIS B 1052-2又は 
JIS B 1052-6の8 

− 

− 

JIS B 1051の10.9 

− 

− 

JIS B 1052-2又は 
JIS B 1052-6の10 

ステンレス鋼 

JIS G 4303のSUS304 

− 

− 

JIS G 4303のSUS304 

− 

− 

JIS G 4303のSUS316 

− 

− 

JIS G 4303のSUS316 

− 

− 

− 

JIS B 1054-1のA2 

JIS B 1054-1の50 

− 

JIS B 1054-2のA2 

JIS B 1054-2の50 

− 

JIS B 1054-1のA2 

JIS B 1054-1の70 

− 

JIS B 1054-2のA2 

JIS B 1054-2の70 

− 

JIS B 1054-1のA2 

JIS B 1054-1の80 

− 

JIS B 1054-2のA2 

JIS B 1054-2の80 

− 

JIS B 1054-1のA4 

JIS B 1054-1の50 

− 

JIS B 1054-2のA4 

JIS B 1054-2の50 

− 

JIS B 1054-1のA4 

JIS B 1054-1の70 

− 

JIS B 1054-2のA4 

JIS B 1054-2の70 

− 

JIS B 1054-1のA4 

JIS B 1054-1の80 

− 

JIS B 1054-2のA4 

JIS B 1054-2の80 

注a) JIS G 4051のS35C(H) は,JIS G 0404のA類によって検査を行い,引張強さが570 N/mm2以上とする。 

b) JIS G 4051のS45C(H) は,JIS G 0404のA類によって検査を行い,引張強さが690 N/mm2以上とする。 

c) JIS G 4051のS25C(N) 及びS45C(H) は,ナットによって検査を行い,S25C(N) は硬さがHB123~183,S45C(H) は硬さがHB201~269とする。 

2

B

 2

0

9

0

2

0

1

4

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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B 2090:2014  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

b) ボルト・ナットのねじの基準寸法は,JIS B 0205-4による。 

c) ボルト・ナットのねじの公差域クラスは,JIS B 0209-1に規定する6H/6gとする。 

d) 表面処理を必要とするときのねじ精度は,受渡当事者間の協定による。 

e) ボルト・ナットの形状及び寸法は,次による。 

1) ボルトは,六角ボルト,両ねじボルト(棒の両端にねじのあるボルト)又は全ねじボルト(棒の全

長にねじのあるボルト)とする。 

2) 六角ボルトは,JIS B 1180の部品等級A又はBとする。両ねじボルト及び全ねじボルトの部品等級

は,JIS B 1021に規定する部品等級Bとし,先端の形状は,JIS B 1003に規定する面取り先,丸先

又は平先とする。 

3) ナットは,JIS B 1181のスタイル1(部品等級A又はB)とする。 

f) 

ボルト・ナットの表面欠陥に対する許容限界は,特に指定のない限り,ボルトはJIS B 1041,ナット

はJIS B 1042による。 

接続端の性能 

接続端の性能は,箇条8によって試験を行ったとき,漏れ,著しい変形,割れなどの異常があってはな

らない。 

接続端の試験方法 

8.1 

内圧負荷試験方法 

内圧負荷試験は,図1に示すように,供試弁を取り付けた供試体に表3に示す試験水圧を加え,5分間

保持する。使用流体は水とし,試験温度は常温(5〜35 ℃)とする。図1に示すフランジ外側と隔壁内側

との距離l1は,

t

R

l

5.2

1=

以上とする。 

図1−内圧負荷試験に用いる供試体の一例 

表3−試験水圧 

バルブの呼び圧力 

試験水圧 MPa 

 5 K 

1.0 

10 K 

2.0 

16 K 

2.4 

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8.2 

曲げ・内圧負荷試験方法 

曲げ・内圧負荷試験は,図2に示すように,供試弁を取り付けた供試体に表3に示す試験水圧を加え,

内圧配管の曲げ応力30 N/mm2に相当する試験曲げモーメントを負荷し,30秒間保持する。負荷の過程で

漏れなどの異常が認められた場合は,そのときの水圧及び曲げモーメントを記録し,試験を終了する。 

試験曲げモーメントMは,式(1)によって配管曲げ応力から換算する。 

000

1/1

)

2

(

32

4

4

×

=

σ

D

t

D

D

M

π

 ·················································· (1) 

ただし,σ=30 N/mm2とする。 

図2に示すような供試体の構成であれば,Fは,Lを用いて,式(2)によって計算される。 

000

1

×

=L

M

F

 ··········································································· (2) 

図2に示すl1,l2及びLは,それぞれ

t

R

5.2

以上とする。 

図2−曲げ・内圧負荷試験に用いる供試体の一例 

記録 

試験終了後,次に示す事項を記録し,保管する。 

なお,試験結果の記録様式の一例を参考として附属書Aに示す。 

a) バルブ,ガスケット,ボルト・ナット及びフランジの仕様 

b) 組立条件(締付けトルク,ねじ部品の潤滑など) 

c) 漏れの有無 

d) 試験を中断した場合は,そのときの曲げモーメント,水圧及び水温 

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附属書A 

(参考) 

バルブの性能試験結果記録様式の一例 

バルブの性能試験結果記録 

(JIS B 2090:2014 準拠) 

試験機関 

試験者 

試験日時 

環境温度(℃) 

試験開始時      ℃,試験終了時      ℃ 

 試験条件 

供試弁 

形式 

製造業者  

呼び圧力・呼び径  

特記 
事項 

製品名 

材質 

製造番号 

バルブ面間 
寸法 

接続フランジ 形式 

材質 

呼び圧力・呼び径  

特記 
事項 

ボルト 

呼び径・ 
ピッチ 

材質 

全長 

特記 
事項 

ナット 

呼び径・ 
ピッチ 

材質 

ナット高さ 

特記 
事項 

ガスケット 

分類 

製品名 

呼び圧力・呼び径  

特記 
事項 

呼び厚さ 

製造業者  

製造ロット 

ボルト締付け 締付けトルク 

(N・m) 潤滑剤 

締付け工具 

特記 
事項 

フランジ締付
け方法 

JIS B 2251・ASME PCC-1・その他(       ) 

試験水圧(表3
から選択) 

(MPa) 

内圧配管 

呼び径・ 
スケジュール  

配管の 
外径 

配管の厚さ 

材質 

供試体 

(mm) l1 

(mm) l2 

(mm)  

試験曲げモー
メント[式(1)] 

(N・m) 

試験荷重[式
(2)] 

(N) 

 内圧負荷試験結果(8.1) 

試験ステップ 

試験内容 

水圧

(MPa) 

漏れの 

有無 

水温(℃) 

備考 

組立 

内圧負荷 

除荷 

  注記 試験水圧より低い水圧で漏れ又は異常が発生した場合は,その時点の数値を記録する。 
 曲げ・内圧負荷試験結果(8.2) 

試験ステップ 

試験内容 

水圧 

(MPa) 

荷重 

(N) 

曲げモーメ

ント(N・m) 

曲げ応力 

(N/mm2) 

漏れ/異常

の有無 

水温 

(℃) 

備考 

組立 

内圧負荷 

内圧+曲げ 

除荷 

  注記 漏れ又は異常が発生した場合は,その時点の水圧・荷重・曲げモーメントを記録する。 

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B 2090:2014  

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附属書B 

(参考) 

バルブの設計・施工で考慮する必要のある影響因子事項 

B.1 

バルブの設計・施工で考慮する必要のある影響因子事項 

バルブの設計・施工時において考慮する必要のある因子及び注意点を,次に示す。 

a) 使用流体に適したガスケットの選択 給湯用には耐熱性のガスケット(給湯管で止水不良の事例あり)

を用い,給水用には耐塩素性のガスケット(給水管で止水不良・ゴムの剝離事例あり)を用いるなど,

使用流体に応じたガスケットを採用する。ただし,バルブの接続端面がゴム材料の場合は,ガスケッ

トを使用しない。 

b) バルブのガスケット座の仕上げ フランジとバルブとの接続部からの漏れ防止のために挿入されたガ

スケットには,絶えず何らかの力が加わっており,バルブのガスケット座の表面粗さなどの仕上げは,

ガスケットの寿命(亀裂又は欠損の発生)に影響を及ぼすので,表面粗さは,ガスケットをきずつけ

ない程度とする。 

c) ガスケットペーストの適正な使用 ガスケットの種類によって,適正なガスケットペーストを併用す

る。 

d) 取付け時の“心出し”の正確性 配管との取付け時の“心出し”は,配管施工上重要であるので,正

確に行う。フランジの下部の接続ボルトを図B.1に“a”,“b”で示す接続ボルトの穴位置に配管施工

前に挿入しておくことで,“心出し”の目安となり,また,バルブの仮保持用として利用することがで

きる。 

図B.1−あらかじめ挿入する接続ボルトの穴位置 

e) “心ずれ”の防止 セミラグのきり孔は,JISフランジの5 Kフランジ及び10 Kフランジの両方に使

用できるが,“心ずれ”による漏れの事例が報告されており,フランジの耐圧性能に応じてスペーサな

どを併用して“心ずれ”の防止を検討しなければならない。 

f) 

バルブ挿入時の無理な力の防止 バルブ及びガスケットをフランジ間に挿入するとき,フランジ間の

距離が短く無理な力で挿入すると,ガスケットが破損して,外部漏れを生じるおそれがあるので,挿

入時は無理な力を加えない。また,既設のバルブを取り換える際は,既設のバルブを取り外した後,

図B.2のように,フランジ間は,バルブの面間寸法の両側に3〜5 mm広く隙間を設ける。 

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B 2090:2014  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図B.2−バルブの取り替え工事例 

g) 適正なボルト締付けトルク バルブを取り付ける際に,ボルトを過大なトルクで締め付けると,挿入

されたガスケットが変形し,フランジとバルブとに隙間を生じることがあり,取付け時にはガスケッ

トの種類に応じた適正なトルク管理が必要である。 

h) “片締め”の防止 バルブの取付け時のボルトの締め付けは,“片締め”が発生しないようにJIS B 

2251などの手順に従い作業を進める。 

i) 

耐震振れ止め支持の設置 地震発生時に接続ボルトが変形することのないように,配管の振れ止め支

持をバルブの両端に設ける。 

j) 

固定点の設置 バルブの交換を容易にするため,大口径のバルブでは,設置箇所の両端部配管に固定

点を設ける。 

k) 極端な負荷応力の防止 内部流体の熱応力又は衝撃圧がバルブに作用した際に,バルブの変形及びボ

ルトの緩みが生じることを防ぐため,配管中に伸縮継手,緩衝継手などを配置し,バルブに極端な応

力が加わらないようにする。 

l) 

面間寸法の統一 バルブの故障時又は交換時の作業の容易性のため,バルブの種類・呼び径ごとに面

間寸法を統一する。 

参考文献 JIS B 2251 フランジ継手締付け方法 

ASME PCC-1,Guidelines for Pressure Boundary Bolted Flange Joint Assembly