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B 1810

:2011 (ISO 10823:2004)

(1)

目  次

ページ

序文 

1

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  記号

1

4

  基本式

2

4.1

  伝達動力 

2

4.2

  補正伝達動力 

2

5

  選定条件

2

6

  スプロケット歯数の選定 

2

7

  チェーンの伝動諸元の計算及び選定 

3

7.1

  普通の運転条件における伝動能力 

3

7.2

  その他の運転条件の場合の補正

6

7.3

  チェーン選定 

8

7.4

  チェーン長さ 

8

7.5

  チェーン速度 

9

8

  最大軸間距離 

9

9

  潤滑

10

9.1

  潤滑区分 

10

9.2

  潤滑油の粘度 

12

10

  チェーン伝動の設計

12

10.1

  スプロケットの軸間距離 

12

10.2

  チェーンの張り調整 

12

10.3

  他のチェーンの張り調整 

12

10.4

  配置

13

附属書 A(参考)チェーン伝動の選定例 

14

附属書 B(参考)伝動能力の計算式 

17


B 1810

:2011 (ISO 10823:2004)

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,日本チエーン工業

会(JCA)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの

申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS B 1810:1999 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 B

1810

:2011

(ISO 10823

:2004

)

伝動用ローラチェーンの選定指針

Guidelines for the selection of roller chain drives

序文 

この規格は,2004 年に第 2 版として発行された ISO 10823 を基に,技術的内容及び構成を変更すること

なく作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。

適用範囲 

この規格は,JIS B 1801 に規定するローラチェーン及びブシュチェーン(以下,チェーンという。

)とス

プロケットとで構成するチェーン伝動の選定指針について規定する。

この規格は,箇条 及び箇条 10 に規定する伝動条件において,おおよそ 15 000 時間の寿命を期待する

場合に適用できる。

なお,チェーン及びスプロケットの選定例を

附属書 に,チェーンの伝動能力の計算式を附属書 にそ

れぞれ示す。

さらに,負荷の特性,雰囲気,保管の状態など様々な条件によっては,この規格が適用できないことが

あるので,その場合には,チェーンの製造業者に確認する。

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

ISO 10823:2004

,Guidelines for the selection of roller chain drives(IDT)

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“一致している”こ

とを示す。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。この引用

規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS B 1801

  伝動用ローラチェーン及びブシュチェーン

注記  対応国際規格:ISO 606,Short-pitch transmission precision roller and bush chains, attachments and

associated chain sprockets(MOD)

記号 

この規格で用いる記号は,

表 による。


2

B 1810

:2011 (ISO 10823:2004)

表 1−記号,用語及び単位

記号

用語

単位

a

最大軸間距離 mm

a

0

おおよその軸間距離 mm

f

1

使用係数(

表 参照)

f

2

歯数係数[

図 及び式(5)参照]

f

3

軸間距離係数(

表 参照)

f

4

リンク数係数(

表 参照)

i

回転速度比

n

1

駆動スプロケット回転速度 min

1

n

2

被動スプロケット回転速度 min

1

n

s

小スプロケット回転速度 min

1

p

チェーンピッチ mm

P

伝達動力 kW

P

c

補正伝達動力 kW

P

d

伝動能力 kW

T

伝達トルク

N・m

v

チェーン速度

m・s

1

X

チェーンリンク数

X

0

計算チェーンリンク数

z

1

駆動スプロケット歯数

z

2

被動スプロケット歯数

z

s

小スプロケット歯数

基本式 

4.1 

伝達動力 

スプロケットの伝達動力 は,伝達トルク が明らかであれば,式(1)による。

550

9

1

n

T

P

×

=

 (1)

4.2 

補正伝達動力 

補正伝達動力

P

c

は,駆動機及び被動機の特性並びにスプロケットの歯数を考慮して,式

(2)

による。

2

1

c

f

f

P

P

×

×

=

 (2)

選定条件 

チェーン及びスプロケットを選定する前に,次の事項を明確にしなければならない。

a)

伝達動力

b)

駆動機及び被動機の形式

c)

駆動スプロケット及び被動スプロケットの回転速度及び軸の寸法

d)

軸間距離及び軸の配置

e)

雰囲気条件

スプロケット歯数の選定 

スプロケット歯数の決定は,次の手順による。

a)

駆動スプロケットの必要な歯数 z

1

を選ぶ。


3

B 1810

:2011 (ISO 10823:2004)

b)

回転速度比 は,式

(3)

による[箇条 5 c)参照]

2

1

n

n

i

=

 (3)

c)

被動スプロケットの歯数は,式

(4)

による。

1

2

z

i

z

×

=

 (4)

d)

スプロケットの歯数は,最低

17

から最高

114

までの間で選定することが望ましい。

e)

高速度での使用及び衝撃荷重のかかる場合には,小スプロケット歯数は,最低

25

とし,歯は,硬化処

理を施す必要がある。

なお,小スプロケットとは,z

1

及び z

2

の歯数の少ない方を示す。

チェーンの伝動諸元の計算及び選定 

7.1 

普通の運転条件における伝動能力 

次の条件を基に設定した伝動能力図の例を,

図 1∼図 に示す。

a)

平行かつ水平な二つの軸に取り付けたスプロケットによるチェーン伝動

b)

小スプロケット歯数は

19

c)

  1

列チェーン(オフセットリンクを含まない。

d)

リンク数

120

のチェーン

e)

回転速度比は

1

3

3

1

f)

期待寿命

15 000

時間

g)

運転温度範囲は−

5

℃∼+

70

h)

スプロケットは正しく配置し,チェーンは正しく調整する(箇条 10 参照)

i)

過負荷,衝撃及び頻繁な起動・停止のない定常運転

j)

チェーンの使用中は,継続して清浄かつ適切な潤滑が行われている(箇条 参照)

注記

図 1∼図 は,伝動能力及び小スプロケット回転速度とチェーンの呼び番号との関係を示す伝

動能力図の代表例である。

なお,伝動能力図は,チェーンの製造業者によって異なるので,選定に当たってはチェーン

の製造業者に確認することが望ましい。


4

B 1810

:2011 (ISO 10823:2004)

図 1JIS B 1801 に規定する 系チェーン選定のための歯数 19 の伝動能力図の例


5

B 1810

:2011 (ISO 10823:2004)

図 2JIS B 1801 に規定する 系 級チェーン選定のための歯数 19 の伝動能力図の例


6

B 1810

:2011 (ISO 10823:2004)

図 3JIS B 1801 に規定する 系チェーン選定のための歯数 19 の伝動能力図の例

7.2 

その他の運転条件の場合の補正 

7.2.1 

伝達動力の補正 

JIS B 1801

に規定する伝達動力の補正は,4.2 に規定した式

(2)

による。

なお,式

(2)

の使用係数 f

1

及び歯数係数 f

2

は,それぞれ 7.2.2 及び 7.2.3 による。

7.2.2 

使用係数 f

1

運転条件に伴う動的な過負荷,及び駆動側・被動側要素の性質によって発生する動的な過負荷を考慮し

て,使用係数 f

1

を設定する。使用係数 f

1

の値は,

表 及び表 によって,表 の中から選定する。


7

B 1810

:2011 (ISO 10823:2004)

表 2−使用係数 f

1

駆動機の特性(

表 参照)

被動機の特性 

表 参照)

平滑な伝動

僅かな衝撃

中程度の衝撃

平滑な伝動

1.0 1.1 1.3

中程度の衝撃

1.4 1.5 1.7

大きい衝撃

1.8 1.9 2.1

表 3−駆動機の特性の定義

駆動機の特性

種類

平滑な伝動

電動機 
蒸気又はガスタービン 
流体継手付内燃機関

僅かな衝撃

6 気筒以上の機械式継手付内燃機関 
頻繁(2 回/日以上)な起動停止を伴う電動機

中程度の衝撃

6 気筒未満の機械式継手付内燃機関

表 4−被動機の特性の定義

被動機の特性

種類

平滑な伝動

遠心ポンプ及びコンプレッサー,印刷機,一定負荷のベルトコンベヤ, 
紙のつやだし機,エスカレータ,流体かくはん機及びミキサ,回転式乾燥機, 
送風機

中程度の衝撃

3 気筒以上のレシプロ式ポンプ及びコンプレッサー,コンクリートミキサ, 
負荷が一定でないコンベヤ,固体かくはん機及びミキサ

大きい衝撃

掘削機,ロールミル,ボールミル,ゴム加工機械,平削盤,プレス,せん断機,
2 気筒以下のポンプ及びコンプレッサー,石油さく井機

7.2.3 

歯数係数 f

2

歯数係数 f

2

の値は,小スプロケット歯数を考慮して,式

(5)

によって求める。

なお,小スプロケット歯数と歯数係数との関係を,

図 に示す。

08

.

1

s

2

19

⎟⎟

⎜⎜

=

z

f

 (5)


8

B 1810

:2011 (ISO 10823:2004)

図 4−小スプロケット歯数と歯数係数との関係 

7.3 

チェーン選定 

チェーンは,伝動能力図(

図 1∼図 3)から,所要の小スプロケット回転速度における所要の伝達動力よ

り大きい伝動能力をもつ最小ピッチの

1

列チェーンを選定する。

7.4 

チェーン長さ 

2

軸伝動の場合の計算チェーンリンク数

X

0

は,次による。

なお,計算チェーンリンク数

X

0

は,オフセットリンクを用いないチェーンリンク数

X

に切り上げる。

a)

スプロケット歯数が同じ場合の計算チェーンリンク数

X

0

は,式

(6)

による。

z

p

a

X

+

=

0

0

2

 (6)


9

B 1810

:2011 (ISO 10823:2004)

b)

スプロケット歯数が異なる場合の計算チェーンリンク数 X

0

は,式(7)による。

0

3

2

1

0

0

2

2

a

p

f

z

z

p

a

X

×

+

+

+

=

 (7)

なお,式(7)の軸間距離係数 f

3

の値は,式(8)を用いて計算する。計算結果は,

表 を参照。

2

1

2

3

π

2

⎟⎟

⎜⎜

=

z

z

f

 (8)

表 5−軸間距離係数 f

3

の計算値 

z

2

z

1

 |

f

3

 |

z

2

z

1

 |

f

3

 |

z

2

z

1

 |

f

3

 |

z

2

z

1

 |

f

3

 |

z

2

z

1

 |

f

3

1 0.025

3 21 11.171 41 42.580 61  94.254 81 166.191

2 0.101

3 22 12.260 42 44.683 62  97.370 82 170.320

3 0.228

0 23 13.400 43 46.836 63 100.536 83 174.500

4 0.405

3 24 14.590 44 49.040 64 103.753 84 178.730

5 0.633

3 25 15.831 45 51.294 65 107.021 85 183.011

6 0.912  26 17.123 46 53.599 66 110.339 86 187.342 
7 1.241  27 18.466 47 55.955 67 113.708 87 191.724 
8 1.621  28 19.859 48 58.361 68 117.128 88 196.157 
9 2.052  29 21.303 49 60.818 69 120.598 89 200.640

10 2.533  30 22.797 50 63.326 70 124.119 90 205.174

11 3.065  31 24.342 51 65.884 71 127.690 91 209.759

12 3.648  32 25.938 52 68.493 72 131.313 92 214.395 
13 4.281  33 27.585 53 71.153 73 134.986 93 219.081 
14 4.965  34 29.282 54 73.863 74 138.709 94 223.818 
15 5.699  35 31.030 55 76.624 75 142.483 95 228.605 
16 6.485  36 32.828 56 79.436 76 146.308 96 233.443 
17 7.320  37 34.677 57 82.298 77 150.183 97 238.333 
18 8.207  38 36.577 58 85.211 78 154.110 98 243.271 
19 9.144  39 38.527 59 88.175 79 158.087 99 248.261 
20

10.132  40 40.529 60 91.189 80 162.115

100 253.302

7.5 

チェーン速度 

チェーン速度 ν は,式(9)による。

000

60

1

1

p

z

n

v

×

×

=

 (9)

最大軸間距離 

最大軸間距離 は,次による。

a)

スプロケット歯数が同じ場合の最大軸間距離 は,式(10)による。

=

2

z

X

p

a

 (10)

b)

スプロケット歯数が異なる場合の最大軸間距離 は,式(11)による。

(

)

[

]

2

1

4

2

z

z

X

p

f

a

+

×

=

(11)

なお,式(11)のリンク数係数 f

4

の値は,

表 による。


10

B 1810

:2011 (ISO 10823:2004)

表 6−リンク数係数 f

4

の計算値 

1

2

s

z

z

z

X

f

4

1

2

s

z

z

z

X

f

4

1

2

s

z

z

z

X

f

4

1

2

s

z

z

z

X

f

4

13 
12

11

10

9

0.249 91 
0.249 90 
0.249 88 
0.249 86 
0.249 83

2.7 
2.6 
2.5 
2.4 
2.3

0.247 35
0.247 08
0.246 78
0.246 43
0.246 02

1.54 
1.52 
1.50 
1.48 
1.46

0.237 58
0.237 05
0.236 48
0.235 88
0.235 24

1.26 
1.25 
1.24 
1.23 
1.22

0.225 20 
0.224 43 
0.223 61 
0.222 75 
0.221 85





4.8

0.249 78 
0.249 70 
0.249 58 
0.249 37 
0.249 31

2.2 
2.1 
2.0 
1.95 
1.90

0.245 52
0.244 93
0.244 21
0.243 80
0.243 33

1.44 
1.42 
1.40 
1.39 
1.38

0.234 55
0.233 81
0.233 01
0.232 59
0.232 15

1.21 
1.20 
1.19 
1.18 
1.17

0.220 90 
0.219 90 
0.218 84 
0.217 71 
0.216 52

4.6 
4.4 
4.2 
4.0 
3.8

0.249 25 
0.249 17 
0.249 07 
0.248 96 
0.248 83

1.85 
1.80 
1.75 
1.70 
1.68

0.242 81
0.242 22
0.241 56
0.240 81
0.240 48

1.37 
1.36 
1.35 
1.34 
1.33

0.231 70
0.231 23
0.230 73
0.230 22
0.229 68

1.16 
1.15 
1.14 
1.13 
1.12

0.215 26 
0.213 90 
0.212 45 
0.210 90 
0.209 23

3.6 
3.4 
3.2 
3.0 
2.9 
2.8

0.248 68 
0.248 49 
0.248 25 
0.247 95 
0.247 78 
0.247 58

1.66 
1.64 
1.62 
1.60 
1.58 
1.56

0.240 13
0.239 77
0.239 38
0.238 97
0.238 54
0.238 07

1.32 
1.31 
1.30 
1.29 
1.28 
1.27

0.229 12
0.228 54
0.227 93
0.227 29
0.226 62
0.225 93

1.11 
1.10 
1.09 
1.08 
1.07 
1.06

0.207 44 
0.205 49 
0.203 36 
0.201 04 
0.198 48 
0.195 64

潤滑 

9.1 

潤滑区分 

潤滑区分は,チェーン速度及びチェーンの呼び番号によって,

図 のように区分する。

なお,各潤滑区分の潤滑方法は,次による。

a)

区分 1  油差し又はブラシを用いた頻繁な手差し給油

b)

区分 2  滴下給油

c)

区分 3  オイルバス又はディスク給油

d)

区分 4  強制給油

注記  密閉された空間において,大きな張力で,かつ,高速で運転される場合には,オイルクーラー

が必要となる。


11

B 1810

:2011 (ISO 10823:2004)

図 5−潤滑区分 


12

B 1810

:2011 (ISO 10823:2004)

9.2 

潤滑油の粘度 

チェーン伝動において使用する潤滑油の雰囲気温度による粘度は,

表 による。

表 7−チェーン伝動における潤滑油の粘度区分 

雰囲気温度

−5  ℃以上 
+5  ℃以下

+5  ℃を超え

+25  ℃以下

+25  ℃を超え

+45  ℃以下

+45  ℃を超え

+70  ℃以下

潤滑油粘度 ISO

VG

68

(SAE20)

ISO VG 100

(SAE30)

ISO VG 150

(SAE40)

ISO VG 220

(SAE50)

注記  潤滑油は,研磨性のある粒子を含まない清浄なものが必要である。

10 

チェーン伝動の設計 

10.1 

スプロケットの軸間距離 

好ましいスプロケットの軸間距離は,使用するチェーンのピッチの 30 倍∼50 倍である。

なお,小スプロケットの巻付け角は,最小 120°でなければならない。

10.2 

チェーンの張り調整 

チェーンの張り調整は,スプロケットの軸間距離の調整によって行うことを推奨する。片側のスパンを

張るように,スプロケットを互いに逆回転させて,

図 に示すようにゆる(弛)み側の中央部の AC 間の

距離を測定する。両方のスプロケット軸の中心を結んだ直線と水平線とのなす角が 45°以内のとき,AC

間の距離は軸間距離の 2 %∼6 %でなければならない。45°を超えるときは,軸間距離の 1 %∼3 %でなけ

ればならない。

図 6−チェーンの張り調整 

10.3 

他のチェーンの張り調整 

他の調整方法として,特に水平と 60°を超える傾斜をしている場合には,アイドラ,アイドラスプロケ

ット,他の適切な手段などを使用する。

チェーンには,調整に伴う余分な張力が掛からないように注意が必要である。


13

B 1810

:2011 (ISO 10823:2004)

10.4 

配置 

円滑な機能及び良好な寿命を得ることができるチェーンとスプロケットとの配置例を,

図 に示す。

a)

  スプロケット中心を結ぶ直線が水平の配置 

b)

  スプロケット中心を結ぶ直線が傾斜の配置 

c)

  アイドラを使用した配置 

図 7−常用するチェーン,スプロケット及びアイドラの配置例 


14

B 1810

:2011 (ISO 10823:2004)

附属書 A

(参考)

チェーン伝動の選定例

A.1 

記号 

この附属書で用いる記号は,箇条 を参照。

A.2 

条件 

図 A.1 は,チェーン伝動の例として,スプロケットの配置の概略を示す。与えられた条件は次による。

伝達動力

P=1.40 kW

駆動スプロケット回転速度  n

1

=100 min

1

被動スプロケット回転速度  n

2

=34 min

1

回転速度比

in

1

/n

2

=2.94

駆動機

ギヤードモータ

被動機

負荷が一定でないコンベヤ

おおよその軸間距離

a

0

=850 mm

図 A.1−チェーンレイアウト 


15

B 1810

:2011 (ISO 10823:2004)

A.3 

スプロケットの選定 

駆動スプロケット歯数

z

1

=17

被動スプロケット歯数

z

2

i×z

1

=2.94×17≒50

A.4 

チェーンの選定 

A.4.1 

伝達動力の補正 

使用係数

表 から  f

1

=1.4

歯数係数

式(5)及び

図 から

13

.

1

17

19

19

08

.

1

08

.

1

s

2

=

=

⎟⎟

⎜⎜

=

z

f

補正伝達動力

式(2)から  P

c

P×f

1

×f

2

=1.40×1.4×1.13

=2.21 kW

A.4.2 

呼び番号の選定 

図 1∼図 の伝動能力図から,P

c

=2.21 kW 及び n

1

=100 min

1

の場合には,1 列のチェーン 80,60H 又

は 16B を選定する。

ここに,80 及び 16B のチェーンピッチ は 25.4 mm,60H は 19.05 mm である(JIS B 1801 参照)

A.4.3 

チェーン長さ 

計算チェーンリンク数の計算は,式(7)による。

0

3

2

1

0

0

2

2

a

p

f

z

z

p

a

X

×

+

+

+

=

ここに,  |z

2

z

1

|=|50−17|=33 のとき,表 から f

3

=27.585

したがって,80 及び 16B の場合は,

101.25

850

4

.

25

585

.

27

2

50

17

25.4

850

2

0

=

×

+

+

+

×

=

X

これを偶数に切り上げて,チェーンリンク数

X

102

を選択する。

そして,

60H

の場合は,

123.36

850

05

.

19

585

.

27

2

50

17

19.05

850

2

0

=

×

+

+

+

×

=

X

これを偶数に切り上げて,チェーンリンク数

X

124

を選択する。

A.4.4 

チェーン速度 

チェーン速度の計算は,式

(9)

による。

000

60

1

1

p

z

n

v

×

×

=

80

及び

16B

の場合は,

0.72

000

60

4

.

25

17

100

=

×

×

=

v

m

s

1

60H

の場合は,

0.54

000

60

05

.

19

17

100

=

×

×

=

v

m

s

1


16

B 1810

:2011 (ISO 10823:2004)

A.5 

スプロケットの最大軸間距離 

最大軸間距離

a

の計算は,式

(11)

による。

(

)

[

]

2

1

4

2

z

z

X

p

f

a

+

×

=

ここに,

80

及び

16B

の場合は,

2.576

17

50

17

102

1

2

s

=

=

z

z

z

X

となるので,

f

4

0.247 01

表 から直線補間)

60H

の場合は,

242

.

3

17

50

17

124

1

2

s

=

=

z

z

z

X

となるので,

f

4

0.248 30

表 から直線補間)

したがって,

80

及び

16B

の場合は,

a

(0.247 01

×

25.4)

×

[(2

×

102)

(17+50)]

859.55 mm

60H

の場合は,

a

(0.248 30

×

19.05)

×

[(2

×

124)

(17+50)]

856.15 mm

A.6 

潤滑 

図 によると,

80

又は

16B

の潤滑区分は,

v

0.72 m

s

1

のとき,9.1 b)に規定した区分

2

になる。

60H

の潤滑区分は,

v

0.54 m

s

1

のとき区分

2

になる。

両方とも最小限の給油として,滴下給油を選定する。


17

B 1810

:2011 (ISO 10823:2004)

附属書 B

(参考)

伝動能力の計算式

B.1 

記号 

この附属書で用いる記号を,

表 B.1 に示す。

表 B.1−記号,用語及び単位 

記号

用語

単位

A

i

2 枚の内プレートの断面積 mm

2

b

1

内リンク内幅最小 mm

b

2

内リンク外幅最大 mm

d

1

ローラ外径最大 mm

d

2

ピン外径最大 mm

d

b

推定ブシュ外径 mm

h

2

内プレート高さ最大 mm

K

PS

速度補正係数

ν

チェーン速度

m・s

1

n

s

小スプロケット回転速度 min

1

p

チェーンピッチ mm

P

d

伝動能力 kW

t

H

A 系 H 級チェーン推定内プレート板厚 mm

t

s

A 系チェーン推定内プレート板厚 mm

t

i

B 系チェーン推定内プレート板厚 mm

z

s

小スプロケット歯数

B.2 

伝動能力図 

80

及び

16B

の伝動能力を,

図 B.1 に示す。プレート疲労によって決まる伝動能力は,ほぼ

10 min

1

のと

きの

0.6 kW

から

3 000 min

1

のときの

100 kW

までを結んだ実線の直線で示す。ローラ及びブシュの疲労

によって決まる伝動能力は,ほぼ

350 min

1

のときの

160 kW

から

3 000 min

1

のときの

6.5 kW

までを結ん

だ破線の直線で示す。

ピン及びブシュの焼付きによって決まる伝動能力は,

ほぼ

350 min

1

のときの

150 kW

から

1 500 min

1

のときの

200 kW

強を通り,

3 300 min

1

のときの

0.1 kW

を結んだ二点鎖線で示す。任意

の速度におけるチェーンの伝動能力は,その速度における

3

本の線が示す最小値となる。


18

B 1810

:2011 (ISO 10823:2004)

図 B.1−チェーン伝動能力の要素 

B.3 

プレート疲労で決まる伝動能力 

呼び番号

41

の伝動能力は,式

(B.1)

による。

7

)

8

000

.

0

0

.

1

(

i

9

.

0

s

1.08
s

d

10

6

2

.

86

×

×

×

=

p

p

A

n

z

P

(B.1)

ここに,

A

i

2

枚の内プレートの断面積=

0.074 5p

2

mm

2

呼び番号

41

以外の

A

系チェーンの伝動能力は,式

(B.2)

による。

7

)

8

000

.

0

0

.

1

(

i

9

.

0

s

08

.

1
s

d

10

6

99

×

×

×

=

p

p

A

n

z

P

(B.2)

ここに,

A

i

2

枚の内プレートの断面積=

0.118p

2

mm

2

A

H

級チェーンの伝動能力は,式

(B.3)

による。

(

)

7

)

8

000

.

0

0

.

1

(

i

5

.

0

s

H

9

.

0

s

08

.

1
s

d

10

6

99

/

×

×

=

p

p

A

t

t

n

z

P

(B.3)

ここに,

A

i

2

枚の

A

系チェーン内プレートの断面積=

0.118p

2

mm

2

t

H

A

H

級チェーン推定内プレート板厚(

mm

推定内プレート板厚=

11

.

2

1

2

b

b

t

s

A

系チェーン推定内プレート板厚(

mm

推定内プレート板厚=

11

.

2

1

2

b

b

B

系チェーンの伝動能力は,式

(B.4)

による。

7

)

9

000

.

0

0

.

1

(

i

9

.

0

s

08

.

1
s

d

10

6

99

×

×

×

=

p

p

A

n

z

P

(B.4)

ここに,

A

i

2

枚の内プレートの断面積=

2t

i

(0.99h

2

d

b

)

mm

2


19

B 1810

:2011 (ISO 10823:2004)

t

i

B

系チェーン推定内プレート板厚=

11

.

2

1

2

b

b

mm

b

1

内リンク内幅最小(

mm

b

2

内リンク外幅最大(

mm

d

b

推定ブシュ外径=

475

.

0

2

1

2

⎟⎟

⎜⎜

d

d

d

mm

d

1

ローラ外径最大(

mm

d

2

ピン外径最大(

mm

h

2

内プレート高さ最大(

mm

p

チェーンピッチ(

mm

B.4 

ローラ又はブシュの衝撃疲労で決まる伝動能力 

呼び番号

25

35

41

以外の

A

系チェーン,

A

H

級チェーン,及び

B

系チェーンの伝動能力は,式

(B.5)

による。

5

.

1
s

8

.

0

5

.

1
s

d

5

.

953

n

p

z

P

×

=

(B.5)

呼び番号 25,35 の伝動能力は,式(B.6)による。

5

.

1
s

8

.

0

5

.

1
s

d

6

.

626

1

n

p

z

P

×

=

(B.6)

呼び番号 41 の伝動能力は,式(B.7)による。

5

.

1
s

8

.

0

5

.

1
s

d

7

.

190

n

p

z

P

×

=

(B.7)

B.5 

ピンとブシュとの焼付きで決まる伝動能力 

全ての伝動能力は,式(B.8)による。

+

×

×

⎟⎟

⎜⎜

=

873

.

1

4

.

25

lg

59

.

1

000

1

ln

4

027

.

0

4

.

25

073

.

2

413

.

4

780

3

PS

s

s

PS

s

s

d

p

K

n

z

p

K

p

n

z

P

(B.8)

ここに,  K

PS

速度補正係数

速度補正係数 K

PS

は,

表 B.2 による。

表 B.2−速度補正係数 K

PS

ピッチ

K

PS

≦19.05 1.0

25.40∼31.75

1.25

38.10 1.30 
44.45 1.35 
50.80∼57.15

1.40

63.50 1.45 
76.20 1.50

B.6 

潤滑区分を決める式 

区分 1 の最大速度は,式(B.9)による。

v=2.8p

0.56

 m・s

1

(B.9)


20

B 1810

:2011 (ISO 10823:2004)

区分 2 の最大速度は,式(B.10)による。

v=7.0p

0.56

 m・s

1

(B.10)

区分 3 の最大速度は,式(B.11)による。

v=35p

0.56

 m・s

1

(B.11)